以下、本発明に係る写真撮影遊戯装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る写真撮影遊戯装置は、写真撮影により生成された画像データに対して落書き編集を行った後、写真印刷シートとして印刷したり、画像データとして外部装置(携帯端末や画像蓄積サーバ等)に出力するものである。まず、この写真撮影遊戯装置の全体構造について説明する。
<1.全体構造>
図1は、本実施形態に係る写真撮影遊戯装置を左前側から見た斜視図、図2は図1の写真撮影遊戯装置を上から見た平面図である。以下では、図1に示す前後左右の方向を基準として、他の図面の説明も行う。図1及び図2に示すように、この写真撮影遊技装置は、前部側の撮影部1と後部側の編集部2とを備えており、前後方向に長いほぼ直方体状を呈している。そして、撮影部1の側面には、撮影に必要な情報などを入力するプレイ準備部3が設けられ、編集部2の後端には、編集後の写真の出力などを行う出力部4が設けられている。
撮影部1は、4つの壁によって平面視矩形状の撮影空間10を規定する枠体100を備えており、この枠体100の前壁14の内面に、ユーザを撮影するカメラが内蔵された撮影筐体11が配置されている。また、枠体100の両側壁13には、それぞれ撮影空間10への出入口である第1出入口101a,101bが設けられている。そして、上述したプレイ準備部3は、左側の第1出入口101aの側方に配置されるプレイ準備筐体31を有しており、撮影空間10に入る前に、所定の情報を入力するようになっている。また、撮影空間10の上方には、照明及びフラッシュ照射する天井照明ユニット(図示省略)が設けられている。
枠体100の後壁12は、撮影筐体11とほぼ同じ幅及び高さの板状部材によって形成され、撮影筐体11を向く面には、クロマキー処理のための単一の色(例えば、青色または緑色)が着色されている。着色については、直接ペンキなどで着色するほか、着色された布地、プレート等を取付けてもよい。
編集部2は、枠体100の後壁12の後方に隣接して配置されており、この編集筐体21には、左右の方向を向く一対の操作面が設けられている。そして、各操作面への入力作業を行う編集空間20a,20bへは第2出入口201a,201bを介して入ることができる。
本実施形態の編集筐体21は、左右両側から2組のユーザが同時に編集可能な対面式であり、左右それぞれに操作面が設けられるとともに、左右方向長さが後壁12の同方向幅よりも小さい筐体である。編集筐体21は、その前端面を後壁12の背面の中央部に接続されており、この編集筐体21の左右両側方のスペースが、2組のユーザがそれぞれ編集作業を行う編集空間20a,20bとなっている。編集筐体21の上方には、平面視においてほぼコの字状のカーテンフレーム22が設けられている。このカーテンフレーム22は、前後方向に延びる一対の側部フレーム221と、この側部フレーム221の後端同士を連結する左右方向に延びる後部フレーム222とからなる。
各側部フレーム221の前端は、後壁12に連結されており、後部フレーム222の中央部は、編集筐体21の後上端部に設けられた支持部材23によって支持されている。そして、後壁12と、左側の側部フレーム221とから、編集空間20aに出入りするための第2出入口201aが構成されており、後壁12と、右側の側部フレーム221とから、編集空間20bに出入りするための第2出入口201bが構成されている。
出力部4は、編集筐体21の後端面と接する出力筐体41を有しており、この出力筐体41に対しては、写真撮影遊戯装置の後端側から操作を行うように、操作面が後端側を向いている。したがって、この出力筐体41の後端側の空間が、出力操作を行う出力空間40となる。
<2.プレイ準備筐体>
次に、プレイ準備筐体31について説明する。図1に示すように、このプレイ準備筐体31は、枠体100の左側の側壁13に接する矩形状の筐体であり、ユーザが撮影部1の撮影空間10に入るのに先立って、情報を入力するために用いられる。例えば、撮影空間10に既に他のユーザが入っているときの待ち時間に情報の入力が行われることがある。このプレイ準備筐体31の正面には、タッチパネル式の液晶モニタ32が設けられており、このモニタ32に情報の入力を促す表示がなされ、これに対して、ユーザが所定の情報を入力する。また、この液晶モニタ32の下方には、コイン投入口33とコイン返却口34とが設けられている。
<3.撮影筐体>
次に、撮影筐体11について詳細に説明する。図3は撮影筐体の正面図である。同図に示すように、本実施形態の撮影筐体11は、カメラユニット111と、モニタ113と、正面ストロボユニット115とを含む。
カメラユニット111は、撮影筐体11の正面の略中央部に配置され、撮影空間10の被写体を撮影する。このカメラユニット111は、上カメラ111a及び下カメラ111bから構成され、上からこの順で配置されている。上カメラ111aは、被写体を上方から撮影するためのものであり、主として被写体のフェイスアップ撮影(胸より上の撮影)、及び全身撮影に利用される。上カメラ111aによる全身撮影では、被写体を上方から撮影するため、顔が近く、足下が遠くなるように撮影される。一方、下カメラ111bは、主として被写体の全身撮影に利用される。下カメラ111bによる全身撮影では、被写体を正面よりも少し下方から(被写体を少し見上げるように)撮影するため、脚が近く、顔が遠くなるように撮影される。これにより、実際よりも脚が長く見える撮影画像が得られる。また、フェイスアップ撮影では、顔ができるだけ大きく写るようにするため、縦横比がほぼ同じである画像や若干縦長の画像が得られるように設定されている。しかし、全身撮影では、被写体の全身が写るようにするため、フェイスアップ撮影の場合よりも縦長の画像が得られるように設定されている。そして、上カメラ111aでは、図示を省略するモータなどの駆動手段により、レンズのズームリングが回転するように構成されており、これによって画角を変化させ、フェイスアップ撮影及び全身撮影の2つの撮影に対応するようになっている。すなわち、フェイスアップ撮影では被写体の顔を中心に撮影するための画角とし、全身撮影では顔を中心として全身を撮影するため、フェイスアップ撮影の際の画角よりも大きい所定の画角とする。
モニタ113は、撮影条件などの入力操作が可能なタッチパネル式の液晶モニタであり、カメラユニット111の下側に配置される。
正面ストロボユニット115は、撮影空間10を前方から照明する。この正面照明ユニット115は、上ストロボ115Aと、下ストロボ115Bと、左ストロボ115Cと、右ストロボ115Dと、足元ストロボ115Eとからなる。上ストロボ115Aは、カメラユニット111の位置を基準として、その上方に配置される。また、左ストロボ115Cがその左方に、右ストロボ115Dがその右方に、下ストロボ115Bがその下方にそれぞれ配置される。また、足元ストロボ115Eが、下ストロボ115Bの下方に配置される。
上ストロボ115Aは、被写体を上方から照射する。左ストロボ115Cは被写体を左方から照射し、右ストロボ115Dは、被写体を右方から照射する。下ストロボ115Bは、被写体を下方から照射する。また、足元ストロボ115Eは、全身撮影用であり、撮撮影空間10で立っている被写体の足元を照射する。各ストロボ115A〜115Eの内部には蛍光灯が設けられており、撮影空間10内の照明として用いられる。各蛍光灯の発光量が調整されることによって、または、発光させる蛍光灯の数が調整されることによって、撮影空間10内の明るさが、利用者が行っている撮影作業の内容に応じて適宜調整される。
<4.編集筐体>
続いて、編集筐体21について詳細に説明する。図4は編集筐体の斜視図である。同図に示すように、本実施形態の編集筐体21は、下部側の制御ボックス211と、この制御ボックス211の上に設けられた編集台部212とを有する。制御ボックス211の内部には、メインコンピュータユニット及びI/Oコントローラなどの各種の制御装置が内蔵されており、この制御装置が写真撮影遊戯装置全体の動作の制御を行う。
編集台部212は、左右方向を向く山型の傾斜面により形成されており、各傾斜面に編集作業を行うための操作面が設置されている。具体的には、各操作面にはタブレットを内蔵した液晶モニタで構成された編集用モニタ213が設けられており、各編集用モニタ213の左右両側には2本のタッチペン214A,214Bが接続されている。このタッチペン214A,214Bのペン先を編集用モニタ213の画面に接触させることにより、画面表示されたアイコンを選択する選択入力や、文字や描画の落書きを行う場合の手書き入力を行うことができる。なお、図4では、左側の編集用モニタ213を示しているが、右側の編集用モニタ213も左側と同じ構造である。また、制御ボックス211の制御装置は、左右両側の編集用モニタ213への入力情報に対応する処理を個別に並列処理できるようになっている。
<5.出力筐体>
次に、出力筐体41について詳細に説明する。図5は出力筐体の正面図である。同図に示すように、出力筐体41は、編集筐体21の後端部に接する矩形状の筐体であり、後端側を向く面に操作面が設けられている。操作面の上部中央にはタッチパネル式の液晶モニタ411が設けられており、このモニタ411に、出力の説明などが表示される。
液晶モニタ411の下方には非接触通信部412が設けられており、近接された非接触型ICと通信を行うことで、非接触型ICからのデータの読み出しや非接触型ICに対するデータの書き込みを行う。例えば、FeliCa(登録商標)などを利用することができる。また、この非接触通信部412の下にはシール紙排出口413が設けられている。シート排出口413には、編集部において編集処理を行うことによって作成した画像が印刷された写真印刷シートが排出される。そのため、出力筐体41にはプリンタが内蔵されており、写真印刷シートの印刷がそのプリンタにより行われる。また、シール紙排出口413の下にはスピーカ414が設けられており、出力処理における案内音声、BGM、効果音等の音を出力する。なお、本実施形態では、出力筐体41を編集筐体21と別体としているが、これらを一体的な筐体で構成することもできる。
<6.写真撮影遊戯装置の機能的構成>
次に、本実施形態に係る写真撮影遊戯装置の機能的構成について説明する。図6は、写真撮影遊戯装置の内部の機能的構成を示すブロック図である。
図6に示すように、この写真撮影遊戯装置では、バスXを介して、制御部9、記憶部5、撮影部1、編集部2、プレイ準備部3、出力部4が電気的に接続されている。制御部9は、公知のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えている。そして、制御部9では、記憶部5に記憶されているプログラムを実行し、写真撮影遊戯装置の全体の動作を制御する。また、バスXには、通信部6、外部ドライブ7も接続されている。なお、制御部9、記憶部5、通信部6及び外部ドライブ7は、公知のコンピュータにより構成してもよく、このようなコンピュータが上述した編集筐体21の制御ボックス211に内蔵されている。
記憶部5は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体で構成され、制御部9から送信された各種の設定情報を記憶する。記憶部5に記憶されている情報は制御部9により適宜読み出される。この記憶部5には、画像の編集のために用いられる各種画像データ、印刷シートに係る画像データ、画像処理のためのデータが記憶されている。例えば、撮影画像の背景画像となる背景画像データ、補正のサンプルに関する画像データ、印刷シートのサンプルに関する画像データなどが記憶されている。また、制御部9のROMには、記憶部2におけるプログラムの実行を開始させるためのプログラムやデータが記憶されており、RAMは、制御部9において処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。以下では、RAM, ROMをまとめてメモリということがある。
通信部6はインターネットなどのネットワークと接続するためのインタフェースであり、制御部9による制御に従って外部の装置と通信を行う。外部ドライブ7では、光ディスクや半導体メモリなどのリムーバブルメディアに対する読み書きが行われる。例えば、外部ドライブ7によりリムーバブルメディアから読み出されたコンピュータプログラムやデータは、制御部9に送信され、記憶部5に記憶されたり、プログラムとしてインストールされる。
プレイ準備部3は、撮影前の情報の入力などの処理を行うモニタ32及びコイン処理部175により構成される。
モニタ113は、公知のタッチパネルを有しており、撮影前に所定の情報を表示するとともに、画面をタッチすることによりユーザからの情報の入力を受け付ける。詳細は、後述するが、例えば、撮影コースの選択、名前の入力などの操作を受け付ける。これらの操作を示す信号は、操作信号として制御部9に入力される。
コイン処理部35は、コイン投入口に対するコインの投入を検出する。コイン処理部35は、プレイに要する金額分(プレイ料金分)のコインが投入されたことを検出した場合、そのことを表す起動信号を制御部9に出力する。なお、コイン処理部35は、電子マネーやクレジットカードによるプレイ料金の支払を受け付け、当該起動信号を制御部9に出力するようなものとすることもできる。
撮影部1は、撮影空間10における撮影処理を行う構成である照明制御部18、上カメラ111a、下カメラ111b、モニタ113、及びスピーカ19から構成される。
上カメラ111a及び下カメラ111bは、制御部9による制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた画像を制御部9に出力する。上述したように、上カメラ111aは、被写体を上方から撮影するためものであり、下カメラ111bは、被写体を正面から撮影するためのものである。そのため、これらのカメラ111a,111bはそれぞれ、最適な画像を得るために理想的な画角やトリミング範囲などの設定が予め行われている。特に、上カメラ111aについては、上述した通り、撮影の種類によって画角を変化させるため、制御部9によって、ズームリングを駆動するモータの制御も行われる。各カメラ111a、111bは、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像を表す画像信号を出力する。各カメラ111a,111bから出力された画像信号は制御部9に入力されて、その内部のメモリに一時的に記憶されるとともに、モニタ113に送信され、当該画像信号に基づくライブ映像が表示される。なお、実際には、静止画像として保存される撮影画像データ(以下、単に「撮影画像」ということもある)は高解像度の静止画データであり、ライブ映像表示を行うための撮影画像データ(「スルー画像データ」とも呼ばれる)は低解像度の動画データである場合が多いが、高解像度の動画データとしてもよい。
また、撮影部1では、後述するように、撮影画像の補正も行われる。すなわち、モニタ113は、撮影画像の補正の候補を表示し、ユーザにより選択された補正の候補が信号として、制御部9に入力される。そして、制御部9は、選択された補正の候補に基づいて、撮影画像データの画像処理を行い、モニタ113に送信する。これにより、モニタ113は、画像処理された撮影画像を表示する。
照明制御部18は、制御部9より供給される照明制御信号に従って、撮影空間10内の正面照明ユニット115及び天井照明ユニットから照射されるストロボ光を制御する。また、照明制御部18は、これら照明ユニットの内部に設けられる電灯(蛍光灯など)を制御することで、ユーザによる撮影処理の段階に応じて撮影空間10内の明るさを調整する。スピーカ19は、ユーザによる撮影処理の段階応じた音声を出力する。
編集部2a,2bは、編集空間20a,20bそれぞれで編集処理を行うためのものである。編集部2aおよび編集部2の機能的構成は同じであるので、以下では編集部2aの機能的構成のみを説明し、編集部2bの機能的構成の説明を省略する。
編集部2aは、タブレット内蔵モニタとしての編集用モニタ213、2本のタッチペン214A,214B、およびスピーカ215から構成される。編集用モニタ213は、制御部9による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対するユーザの編集操作等を検出する。すなわち、ユーザにより、編集用モニタ213がタッチペン214A,214Bでタッチされると、その操作およびタッチペン214A,214Bのいずれでタッチされたのかが検出され、操作信号として制御部9に送信される。これにより、編集対象である合成画像(後述)の編集が行われる。具体的には、編集用モニタ213に表示された画像に対し、例えば、文字、模様、図形などのいわゆる落書きを、タッチペン214A,214Bなどの入力デバイスで入力する。これにより、合成画像に、落書きが重ね合わされた出力用画像が生成される。画像の編集については、後述する。こうして生成された出力用画像に基づく画像データは、出力部4へ送信される。
出力部4は、出力空間40における出力処理を行う構成であるタッチパネル式の液晶モニタ411、非接触通信部412、およびスピーカ414から構成される。その他、印刷を行うためのプリンタ44、およびシール紙ユニット45も備えている。プリンタ44は、合成画像、または編集処理によって得られた編集済みの出力用画像を、プリンタ44に装着されたシール紙ユニット45に収納されているシール紙に印刷し、シール紙排出口413に排出する。非接触通信部412は、携帯端末との間のデータの受送信を行うものである。なお、編集部2で作成された画像データは、通信部6によってネットワークを通じて外部の画像蓄積サーバに送信される。
<7.写真撮影遊戯装置における処理手順>
続いて、本実施形態に係る写真撮影遊戯装置のプレイ方法及び画像処理について説明する。上述したように、この写真撮影遊戯装置には、撮影部1、編集部2、プレイ準備部3、及び出力部4が含まれている。プレイ準備部3では撮影前の所定の情報の入力が行われ、撮影部1では撮影処理が行われる。そして、編集部2では後述する編集処理が行われ、出力部4では出力処理が行われる。これらの処理は、記憶部5または外部ドライブ7に記憶されたプログラム、あるいはインストールされたプログラムを制御部9により実行することにより、行われる。以下では、まず、プレイの流れとそれに伴うユーザの移動について、図2及び図7に示すフローチャートを参照しつつ説明し、その後、各処理について詳細に説明する。
<7−1.プレイの流れ>
以下、図7のフローチャートにしたがい、プレイの流れについて説明する。図2に示すように、まず、ユーザは、矢印Aで示すように枠体100の左側の側壁13に配置されたプレイ準備部3によりプレイ準備処理を行う。プレイ準備筐体31のモニタ32において、デモ画像の表示中にユーザがコイン投入口33にコインを所定の金額を投入すると(ステップS100のYES)、プレイが開始され、プレイ準備処理が始まる(ステップS110)。そして、撮影コース、背景画像の選択などの所定の情報が入力されると、ユーザは、矢印Bで示すように第1出入口101aを使って撮影空間10に移動する。このとき、プレイ準備筐体31のモニタ32によって、撮影空間10への移動を促す表示や通知がなされる(ステップS120)。例えば、撮影空間10が他のユーザによって利用されていないときは、撮影空間10への移動を促す表示などを行う。一方、撮影空間10に他のユーザが存在する場合には、撮影空間10への移動を待つように表示などを行う。
続いて、ユーザは、撮影空間10に入り、撮影部1に設けられたカメラ111a,111bやモニタ113など利用して撮影処理を行う(ステップS130)。そして、撮影処理を終えたユーザは、矢印Cで示すように第1及び第2出入口101a,101bを使って撮影空間10から装置外部に出た後、いずれかの編集空間20a,20bに移動する。このとき、撮影筐体11のモニタ113およびスピーカ19によって、編集空間20a,20bへの移動を促す表示や通知がなされる(ステップS140)。例えば、いずれの編集空間20a,20bもユーザが利用していないときは、いずれか一方の編集空間への移動を促す表示などを行う。また、いずれか一方の編集空間20a,20bにユーザが存在する場合には、空いている編集空間への移動を促す表示などを行う。そして、いずれの編集空間20a,20bもユーザによって利用されている場合には、編集空間20a,20bへの移動を待つように表示などを行う。
編集空間20a,20bに移動したユーザは編集処理を開始する。各編集空間20a,20bのユーザは、同時に編集処理を行うことができる。ユーザは、プレイ準備処理で選択された背景画像が被写体画像(撮影画像から被写体部分を抽出した画像)の背景として合成された合成画像に対して、編集処理を行う(ステップS150)。そして、編集処理が終了すると、編集済みの合成画像を含む画像の印刷が開始される(ステップS160)。続いて、編集筐体21の編集用モニタ213には出力空間30への移動を促す表示がなされるとともに、スピーカ215によって出力空間40への移動を促す音声が通知される(ステップS170)。これに従って、編集処理を終えたユーザは、いずれかの編集空間20a,20bから、矢印Dで示すように出力空間40に移動して印刷が完了するのを待機させる。なお、出力空間40で他のユーザが出力処理をしている場合には、編集用モニタ213およびスピーカ215によって、出力空間40への移動を待たせる表示や通知がなされる。また、出力空間40への移動を促す通知後に、印刷処理を開始することもできる。
そして、出力空間40では、ユーザに画像の印刷を待たせている間、本プレイによって生成した画像をユーザの携帯端末で取得できるようにするための操作(例えば、メールアドレスの入力)をモニタ411に対して行わせる(ステップS180)。画像の印刷が終了したとき、ユーザは、出力筐体41に設けられたシール紙排出口413からシール紙を受け取り、一連のプレイを終えることになる。以上のようなユーザの移動を促す表示は、制御部9により行われる。
<7−2 プレイ準備処理>
次に、図7のステップS110で示したプレイ準備処理の詳細について、図8を参照しつつ説明する。図8は、本実施形態におけるプレイ準備処理の処理手順を示すフローチャートである。
コインが投入され、プレイが開始されると、制御部9は、プレイ準備筐体31のモニタ32に撮影コースの表示を行う。本実施形態では、図9に示すように、2種類の撮影コース、つまり第1撮影コースと、第2撮影コースとがモニタ32に表示され、ユーザはいずれか一方を選択する(ステップS200)。これらの撮影コースには、それぞれ、上述したようにフェイスアップ撮影と、全身撮影とが含まれるが、全身撮影の方法が相違する。すなわち、第1撮影コースを選択した場合には、上カメラ111aによって全身撮影が行われる。一方、第2撮影コースを選択した場合には、下カメラ111bによって全身撮影が行われる。
撮影コースの選択が完了すると、モニタ32には、名前の入力を促す画面が表示される。図示を省略するが、モニタには、ひらがな、カタカナ、アルファベットの一覧が表示され、ユーザは、この画面から適宜名前を入力する(ステップS210)。ここで入力した名前は、例えば、編集処理で使用される落書き用のツールの一つである名前スタンプを作成するための情報として利用される。
名前の入力が完了すると、モニタ32には、背景画像の選択を促す画面が表示される。例えば、図10の例では、4つテーマに係る背景画像が設定されており、各テーマには6種類の背景画像セット343が含まれている。そして、各背景画像セット343には、6種類の背景画像が含まれており、これらは、後述する6枚の撮影画像にそれぞれ対応している。4つのテーマを示す画面は、モニタ32の上部に表示されたタブ341をタッチすることで切替えることができる。ユーザは、所定時間内に、いずれかの背景画像セットを選択する(ステップS220)。
こうして、背景画像セットの選択が完了すると、モニタ113には、撮影部1の撮影空間10への移動を促す表示がなされる。なお、背景画像セットは、後述する第1フェイスアップ撮影用の長方形の背景画像、第2フェイスアップ撮影用の円形の背景画像及び全身撮影用の長方形の背景画像をそれぞれ2枚ずつ含む。第1及び第2フェイスアップ撮影用の背景画像は、第1及び第2撮影コースのいずれが選択された場合でも同じデザインである。一方、全身撮影用の背景画像は、第1及び第2撮影コースのいずれが選択されたかによってそのデザインが異なる。具体的には、上から被写体を撮影する第1撮影コースの場合は、上から被写体が撮影されていることがわかるような奥行きを持ったデザインの背景画像とし、正面より若干下方から被写体を撮影する第2撮影コースの場合は、正面より若干下方から被写体が撮影されていることがわかるような奥行きを持ったデザインの背景画像とする。
なお、上述した例では、プレイ準備処理においては、ユーザにより、3種類の情報の入力が行われたが、これ以外の情報の入力、例えば、メールアドレスなどの入力などを行わせることもできる。
<7−3 撮影処理>
次に、図7のステップS130で示した撮影処理の詳細について、図11を参照しつつ説明する。図11は、本実施形態における撮影処理の処理手順を示すフローチャートである。
ユーザが撮影空間に入ると、制御部9は、3種類の画像の撮影を行う。第1撮影コースが選択されている場合には(ステップS300のYES)、上カメラ111aによる2種類のフェイスアップ撮影、及び上カメラ111aによる全身撮影が行われる。一方、第2撮影コースが選択されている場合には(ステップS300のNO)、上カメラ111aによる2種類のフェイスアップ撮影、及び下カメラ111bによる全身撮影が行われる。
まず、2種類のフェイスアップ撮影について説明する。この撮影は、いずれの撮影コースを選択しても同じである。最初に、第1フェイスアップ撮影が行われる。制御部9は、上カメラ111aに設けられたモータを駆動し、ズームリングを回転させてフェイスアップ撮影に適した画角を設定する(ステップS310)。このとき、モニタ113には、図12に示すような画面が表示される。ユーザは、この画面の矩形状の撮影画像表示領域1131にリアルタイムに表示される撮影動画像(スルー画像)を見ながら撮影を行う。撮影画像表示領域1131に表示されるスルー画像は、上カメラ111aにより撮影されたものであり、クロマキー処理により、撮影画像から抽出された被写体画像と、背景画像とが合成された画像である(以下、合成画像と称する)。この背景画像は、プレイ準備部で選択された背景画像セットの中に含まれる背景画像であって、第1フェイスアップ撮影用の長方形の背景画像である。なお、図示を省略するが、スルー画像の表示に先立って、ユーザをフェイスアップ撮影に適した位置へ誘導するため、モニタ113に、誘導用の画面を表示させる。
このフェイスアップ撮影(静止画の取得)が2回連続して行われる(ステップS320)。このとき、撮影する(表示されるスルー画像を静止画として固定する)タイミングで、足元ストロボ115E以外の正面照明ユニット115、天井照明ユニットのストロボが発光する。
撮影は秒数表示1132を示してカウントダウンを行いながら所定時間ごとにシャッターが切られることで行われる。つまり、制御部9より上カメラ111aに制御信号が送信され撮影が行われる。そして、撮影された矩形状の画像のサムネイルが、画面下部のサムネイル表示領域1133に順に表示されていく。なお、このサムネイルは、上述した合成画像のサムネイルである。こうして、2回の撮影により、2種類の画像に係る撮影画像データが生成され、メモリに格納される。ここで撮影される画像を、以下、第1フェイスアップ画像と称する。また、メモリに格納される第1フェイスアップ画像データは、クロマキー処理(クロマキーマスク)によって抽出された被写体画像、及び選択された背景画像を含むデータである。この点は、以下の撮影においても同じである。
次に、第2フェイスアップ撮影が行われる(ステップS330)。第1フェイスアップ撮影との相違は、撮影される画像の形状であり、モニタ113には、円形状の撮影画像表示領域1131が表示される。すなわち、第2フェイスアップ撮影では、円形状の画像が生成される。このような円形状の画像の生成には、種々の方法があるが、画像データについては、例えば、クロマキー処理された矩形状の被写体画像、及び矩形状の背景画像において、円形とすべき領域の各画素に対応するアルファ値を「255」とし、その周縁の各画素に対応するアルファ値を「0」にする。これにより、被写体画像及び背景画像の周縁が透明になり、円形の被写体画像及び背景画像を生成することができる。なお、スルー画像については、矩形状のスルー画像上に、この矩形状のスルー画像と同じか、それよりも大きい画像であって、円形の透明領域が形成された画像を重畳することで、円形のスルー画像を実現している。
撮影は第1フェイスアップ撮影と同じく、秒数表示1132を示してカウントダウンを行いながら所定時間ごとにシャッターが切られることで行われる。照明についても同じである。そして、撮影された円形状の画像のサムネイルが、第1フェイスアップ画像に続いて、画面下部のサムネイル表示領域1133に順に表示されていく。こうして、2回の撮影により、2種類の画像に係る撮影画像データが生成され、メモリに格納される。ここで撮影される画像を、以下、第2フェイスアップ画像と称する。メモリに格納される第2フェイスアップ画像データに含まれる被写体画像及び背景画像データは、例えば正方形であるが、円形に見えるようにするためのアルファチャンネルに関する情報を含む。
続いて、第1撮影コースを選択した場合には、上カメラ111aによって全身撮影が行われる。これに先立って、制御部9は、上カメラ111aに設けられたモータを駆動し、ズームリングを回転させて全身撮影に適した画角を設定する(ステップS340)。より具体的には、フェイスアップ撮影の際に設定された画角よりも広い画角となるように設定する。また、モニタ113には、ユーザを全身撮影に適した位置へ誘導するため、モニタ113に、誘導用の画面を表示させる。そして、フェイスアップ画像の撮影時と同様に全身撮影が行われる(ステップS350)。つまり、撮影画像表示領域1131には、スルー画像が表示され、ユーザはこれを見ながら2回の全身撮影を行う。ここで撮影される画像を、以下、第1全身画像という。第1全身画像は、上述したように顔が近く、足下が遠くなるように撮影された画像である。
一方、第2撮影コースを選択した場合には(ステップS300のNO)、第1撮影コースと同様に、上カメラ111aによる2種類のフェイスアップ撮影により合計4回の撮影が行われる(ステップS360〜S380)。これに続いて、下カメラ111bによって2回の全身撮影が行われる(ステップS390)。このとき、下カメラ111bにおける画角などは予め設定されている。ここで撮影される画像を、以下、第2全身画像という。第2全身画像は、上述したように正面より若干下方から撮影される画像であり、被写体において、脚が長く見えるように撮影される画像である。
こうして、いずれの撮影コースにおいても、合計6回の撮影により、6枚の画像に係る撮影画像データが生成され、メモリに格納される。また、サムネイル表示領域1133には、第1フェイスアップ画像、第2フェイスアップ画像、及び全身画像に係る合成画像が、それぞれ2枚ずつ、合計6枚のサムネイルが表示される。
続いて、撮影が完了した後に、さらに撮影時間が残っていたとすると(ステップS400のYES)、ボーナスショットの撮影が行われる(ステップS410)。ボーナスショットは、選択されたコースでの全身撮影で行われる。なお、選択されたコースで撮影しなかった方の全身撮影をボーナスショットとして提供してもよい。ボーナスショットで使用される背景画像は、図10で選択した背景画像セット343に応じて決定される。
<7−4 第1補正処理>
こうして、すべての撮影が完了すると、得られた撮影画像に対して第1補正処理を行う(ステップS420)。まず、撮影された撮影画像の第1補正処理を促す画面がモニタ113に表示される。撮影画像の補正は種々の態様があるが、ここでは、撮影画像の明るさと、撮影画像に含まれる被写体の目の大きさの補正を行うため、図13に示すような画面がモニタ113に表示される。同図に示すように、画面の左側には、既に撮影された第2フェイスアップ画像がプレビュー画像1134として表示されており、画面の右側には、3種類の目の大きさを示す補正サンプルボタン1135と、5種類の明るさを示す補正サンプルボタン1136が表示されている。なお、プレビュー画像とは、補正の内容をユーザに確認させるための画像である。ここでは、目の大きさとして、異なる3種類ずつの補正サンプルを設定しているが、目に関する補正であれば目の大きさに限らない。例えば、補正サンプルとしては、例えば、メイク、アイライン、まつげ、アイシャドー、黒目などを適宜調整したものを複数種準備することができる。
そして、いずれかの補正サンプルボタン1135,1136をタッチすると、タッチした補正サンプルボタンに対応する目の補正や明るさの補正が施された第2フェイスアップ画像が、プレビュー画像1134として表示される。また、他の補正サンプルボタンをタッチすれば、その補正がなされた第2フェイスアップ画像がプレビュー画像1134として表示される。したがって、ユーザは、自身のフェイスアップ画像を用いて目の大きさや明るさを確認することができる。特に、顔が大きく写っているフェイスアップ画像をプレビュー画像として使用することで、目の大きさの確認をよりしやすい、という効果がある。
なお、本例では、第2フェイスアップ画像をプレビュー画像として使用するようにしたが、プレビュー画像1134をタッチすることで、他の撮影画像に切替えることもできる。また、取得したすべての撮影画像から顔検出を行い、もっとも多くの顔が検出された1枚の撮影画像、あるいは、撮影画像中に含まれるすべての顔の大きさの平均値が最も大きい1枚の撮影画像を最初に表示するプレビュー画像として使用することもできる。さらには、取得したすべての撮影画像から個体認証を行い、別人と判別されたすべての利用者の顔画像をプレビュー画像として表示することもできる。
そして、OKボタン1137を押下すれば、OKボタン1137を押下する直前に選択されていた補正が、すべての撮影画像に対してなされ、補正後の画像データがメモリに記憶される。なお、OKボタン1137が押下されない場合には、所定時間が経過後、その時点で選択されていた補正が、すべての撮影画像に対してなされる。こうして、補正後の画像データがメモリに記憶され、目の大きさと明るさに関する第1補正処理が終了する。
なお、補正処理は、公知の画像処理技術を利用することができる。例えば、目の補正については、画像の中から目に該当する領域を検出し、この領域を選択した補正サンプルに適合するように、目の大きさなどを調整するように画像処理を行う。
<7−5 第2補正処理>
次に、第2撮影コースを選択している場合には(ステップS430のYES)、第2補正処理が行われる(ステップS440)。まず、第2撮影コースにおいて撮影された全身画像の第2補正処理を促す画面がモニタ113に表示される。ここでは、脚の長さの補正を行うため、図14に示すような画面がモニタ113に表示される。同図に示すように、画面の左側には、既に撮影された全身画像がプレビュー画像1138として表示されており、画面の右側には、3種類の脚の長さ(例えば、左側から長い、少し長い、とても長い)を示す補正サンプルボタン1139が表示されている。
そして、いずれかの補正サンプルボタン1139をタッチすると、タッチした補正サンプルボタンに対応する脚の長さの補正が施された全身画像が、プレビュー画像1138として表示される。また、他の補正サンプルボタンをタッチすれば、その補正がなされた全身画像がプレビュー画像1138として表示される。したがって、ユーザは、自身の全身画像を用いて脚の長さを確認することができる。
そして、OKボタン1140を押下すれば、OKボタン1140を押下する直前に選択されていた補正が、全身画像に対してなされ、補正後の画像データがメモリに記憶される。なお、OKボタン1140が押下されない場合には、所定時間が経過後、その時点で選択されていた補正が、全身画像に対して施され、補正後の画像データがメモリに記憶され、脚の長さに関する第2補正処理が終了する。
なお、脚の長さに関する補正処理は、公知の画像処理技術を利用することができる。例えば、画像の中から脚に該当する領域を検出し、この領域を選択した補正サンプルに適合するように、脚の長さを調整するように画像処理を行う。
こうして、第2補正処理が完了すると、モニタ113には、編集部2のいずれか一方の編集空間20a,20bへの移動を促す表示がなされるとともに、スピーカ19によって、編集空間20a,20bへの移動を促す通知がなされる。また、生成された各撮影画像は、編集部2に送信される。なお、上述した例では、合計6回の撮影が行われたが、撮影回数は特には限定されない。
上記のように、第2撮影コースを選択した場合には、第2補正処理が行われるが、第1撮影コースを選択していた場合には(ステップS430のNO)、第2補正処理は行われず、撮影処理が終了する。すなわち、モニタ113に、編集部2のいずれか一方の編集空間20a,20bへの移動を促す表示がなされる。
<7−6.編集処理>
こうして撮影処理が完了すると、編集処理が開始される。ここでは、編集処理を行う際に、編集用モニタ213に表れる画面の構成について説明する。以下、このような落書きのための編集用モニタ213の画面構成について、図15を参照しつつ詳細に説明する。図15は編集用モニタに表示される編集対象画像の編集用画面を示す模式図である。
図15に示すように、この編集画面において、編集用モニタ213は、左右一対の編集スペースに区分けされ、2人のユーザが同時並行して使用できるようになっている。編集用モニタ213の左側の編集スペースにおいては、左側のタッチペン214Aによる入力受け付けが可能となっており、右側の編集スペースにおいては、右側のタッチペン214Bによる入力受け付けが可能となっている。各編集スペースの上部中央には、編集対象の合成画像を表示し、その合成画像に対してスタンプ等の合成用画像の合成(落書き)を行う矩形状の落書き領域501が設けられている。各落書き領域501の上方には、6枚の合成画像(第1及び第2フェイスアップ画像、全身画像に係る合成画像)のサムネイル502が表示されており、ここから選択された1枚の合成画像が、落書き領域501に表示される。
落書き領域501の側部には、編集ボタンが配置されている。具体的には、上から、「エンド」ボタン503、消しゴムボタン504、「進む」ボタン505、「戻る」ボタン506、及び「モバイル」ボタン507が配置されている。「エンド」ボタン503は、編集を終了するためのボタンであり、この「エンド」ボタン503を押下すると、編集処理が自発的に終了し、出力処理へと移行する。消しゴムボタン504は、4種類のものが配置されており、3種類の大きさ消しゴムボタンと、すべての落書きを消すための「全消し」ボタンとが配置されている。例えば、いずれかの大きさ消しゴムボタンをタッチペン214A,214Bで押下すると、その大きさ消しゴムが設定され、この状態で落書き領域501をタッチペン214A,214Bでなぞると、なぞった部分の落書きが消去されるようになっている。また、「全消し」ボタンを押下すると、すべての落書きが消去される。
「戻る」ボタン506は、直前に行った落書き処理を取り消して元に戻すためのボタンであり、「進む」ボタン505は、反対に、「戻る」ボタン506を押下する直前の落書き処理を復活させるためのボタンである。「モバイル」ボタン507は、後述するモバイル編集画面に遷移するためのボタンである。
また、左右の編集ボタンの間には、カウントダウン用のタイマー508が設けられている。このタイマーは、種々の設定ができるが、例えば、落書き編集を行える基本制限時間(例えば、300秒)を予め設定しておき、落書き編集が開始されると同時にカウントダウンを始め、タイマーの表示がゼロになったときに落書き編集を強制的に終了させるように構成することができる。あるいは、撮影部1にユーザがいないとき、つまり、編集作業を待つ後続のユーザがいないときには、カウントダウンを行わず、制限なく編集作業を行えるようにしてもよいし、最大制限時間(例えば、20分)を設定しておき、最大制限時間まで編集作業を行えるようにしてもよい。但し、このような状態になったとき、もう一方の編集部2に後続のユーザがいる状態で、新たなユーザによる撮影処理が開始された場合、撮影処理の開始に合わせて、予め設定された時間(例えば、60秒)からのカウントダウンを始めるようにすることが好ましい。このタイマー508は、左右のユーザで共通であり、両ユーザの編集処理時間が1つのタイマー508で管理される。
落書き領域501の下方には、落書き編集を行うためのツールを選択するためのパレット509が配置されている。パレット509は、複数の領域に分けられている。まず、パレット509の上段には、複数のカテゴリーが表示されたカテゴリー領域510が配置されている。ここでは、例として「オススメ」、「スタンプ」、「ペン」、「メッセージ」、及び「メイク」という5つのカテゴリーが表示されている。
カテゴリー領域510の下方には、詳細ツール領域511が配置されており、上記各カテゴリーに関連した落書き用のツールが表示される。例えば、「スタンプ」というカテゴリーを選択すると、種々の種類のスタンプ(ツール)が表示される。この領域の上段には、6つの種類ボタン(A〜F)512が配置され、その下方には、複数種のスタンプが表示されたツールボタン513が配置されている。また、ツールボタン513の側方には、ツール編集ボタン、及び大きさ調整ボタン518が配置されている。
種類ボタン512は、選択されたカテゴリーをさらに分類するものである。図15には、1つの種類ボタンに対応する複数のスタンプが示されているが、これと同様に、他の種類ボタンを押下すると、同じカテゴリーでさらに種類の異なるスタンプが表示される。例えば、図15のツールが表示された状態で落書き処理を行う場合には、いずれかのツールをタッチペン214A,214Bで押下してツールを選択し、その後、タッチペン214A,214Bで落書き領域501の任意の位置を押下する。これにより、選択されたツールが落書き領域501における押下された位置に表示される。一旦設定されたツールは、他のツールを選択するまで維持される。
ツール編集ボタンは、4種類のボタンを有している。上から、第1回転ボタン514、第2回転ボタン515及び反転ボタン516が配置されており、その側方に大きさ調整ボタン518が配置されている。第1回転ボタン514は、画面に垂直な軸回りに選択されたツールを回転するためのものであり、第2回転ボタン515は、画面に平行で上下に延びる軸回りに選択されたツールを回転する(奥行き方向に回転する)ためのものである。反転ボタン516は、落書き領域に表示されたツールの左右を反転させるものである。また、大きさ調整ボタン518は、落書き領域501に表示するツールの大きさを決定するためのものであり、5種類の大きさが表示されている。例えば、カテゴリーとしてスタンプを選択して、大きさ調整ボタン518を押下した後、いずれかのツールを選択すると、選択した大きさに応じたスタンプが落書き領域501に表示される。
ここで、カテゴリー領域510で、「メイク」を選択したときの処理について、図16を参照しつつ説明する。図16の右側の編集スペースにおいて、「メイク」ボタンを押下すると、その下方には、メイクに応じた種類ボタン512が表示される。ここでは、一例として、左端のアイメイクボタンを押下したときの処理について説明する。
アイメイクボタンを押下すると、その下方には、3つのアイメイクのサンプル、つまりナチュラルアイ、リッチアイ、インパクトアイが表示されるとともに、その右側にアイメイクをしていない落書き前のサンプルが表示される。また、サンプルの左側には、いずれかのサンプルを選択する前、及び選択後のアイメイクのイメージが分かるように、顔の画像例が表示されている。このとき、落書き領域501の表示されている画像に対しては、顔検出が行われ、検出された顔の上に、当該顔を示す矩形状の枠588が表示される。
上述した3つのアイメイクのサンプルの1つをタッチした上で、落書き領域501の枠588(あるいは、顔)をタッチすると、選択したアイメイクのサンプルが落書き領域501の画像に反映される。より具体的には、選択したアイメイクのサンプルに対応する画像処理(以下、「アイメイク処理」という)が、タッチされた枠588に対応する顔に施される。図16に示すように、落書き領域501の画像に2人分の顔が含まれており、それぞれに対応する2つの枠588が表示されている場合、タッチした枠588に対応する顔のみにアイメイク処理が施され、タッチされていない別の枠588に対応する顔にはアイメイク処理は施されない。またこの場合、アイメイクのいずれかのサンプルが選択されている間に、各枠588を順にタッチすると、そのタッチしたサンプルに対応するアイメイク処理が各枠588に対応する顔に施される。なお、「OFF」ボタンをタッチした後に各枠588をタッチすると、タッチされた枠588に対応する顔に施されていたアイメイク処理が除去され、アイメイクを施す前の状態に戻る。
また、上記したものに代えて次のようなやり方でアイメイクを施すこともできる。まず、アイメイクを施したい顔に対応する枠588の1つをタッチした後に、いずれかのアイメイクのサンプルをタッチする。すると、選択したアイメイクのサンプルに対応するアイメイク処理が、タッチした枠588に対応する顔に施される。このとき、別の枠588をタッチしたり、他の落書きツールに切り替えたりするまでの間に、他のアイメイクのサンプルをタッチすると、当該タッチした枠588に対応する顔に対してそのサンプルに対応するアイメイク処理が施される。すなわち、別の顔を選ぶ等しなければ、所定の顔に対するアイメイク処理の選び直しをユーザの気に入るまで行うことができる。そして、他の枠をタッチすると、直前に選択したアイメイクのサンプルが、アイメイクとして固定される。もちろん、最初の枠588をもう一度タッチすれば、アイメイクを再度変更できる。なお、「OFF」ボタンをタッチすると、アイメイクを施す前の画像に戻る。
この画像処理の方法は種々のものがあるが、例えば、次のような方法がある。まず、撮影画像の中から目を検出し、検出された目の輪郭から外側に向かって一定の幅の領域(以下、「まつ毛領域」という)において、画素値を変化させる。なお、まつ毛領域の幅については、撮影画像における顔や目の大きさに基づいて決定される。より具体的には、顔や目の大きさが大きいほど、まつ毛領域の幅を長く設定し、顔や目の大きさが小さいほど、まつ毛領域の幅を短く設定する。また、一般的に上まつ毛の領域のほうが下まつ毛の領域よりも広いので、まつ毛領域に関して、上まつ毛に対応する領域の幅を、下まつ毛に対応する領域の幅よりも長く設定することが好ましい。以上により、上まつ毛及び下まつ毛が適切に強調された撮影画像とすることができる。ただし、目の色を変化させたくない場合は、検出された目の輪郭に含まれる各画素を除いて画素値を変化させればよい。上述した例では、ナチュラルアイ、リッチアイ、インパクトアイにいくにしたがって、色が濃くなるようにまつ毛領域の画素値を変化させる。これにより、目の大きさを変化させるような処理を行うことなく、目を強調することができる。なお、画素値を変化させる程度は、撮影画像の種類によって変化させることもできる。例えば、フェイスアップ画像では、顔、すなわち目が大きく表示されているため、あまり画素値を変化させない。それに対して、全身画像では、目が小さく表示されるため、フェイスアップ画像の場合よりも画素値を変化させる度合いを大きくする。これにより、全身画像においても、利用者が満足するような目の補正を施すことができる。
以上の画面構成は、左右の編集スペースで同じである。ユーザは、適宜、編集すべき編集対象画像をサムネイル502から選択し、落書き領域501に表示させる。そして、表示された合成画像に対して、編集作業を行う。
こうして、ユーザは、タイマー46の残り時間が0になる(またはユーザが終了させる操作を行う)まで、落書きを行う。そして、タイマーの残り時間が0になるか、あるいはユーザが終了ボタンをタッチして自発的に落書きを終了させると、編集用モニタ213に「落書き終了」との表示が表れる。そして、その時点において、編集画面で編集されている合成画像が編集済画像(出力用画像)とされ、この編集済画像に係る編集済画像データがメモリに保存され、編集処理が終了する。ここで、生成された編集済画像は、先に選択した印刷シートと合成され、後述する出力処理により印刷シートあるいはデータとして出力される。
<7−7.モバイルモード>
<7−7−1.モバイルモードで作成される画像>
次に、上述したモバイルモードについて説明する。モバイルモードでは、SNS(Social Networking Service)で提供されるユーザ画面において使用する画像データを生成することができる。例えば、Facebook(登録商標),Twitter(登録商標),Line(登録商標)などのSNSではアカウントを取得したユーザに個人サイトが提供されるのであるが、その個人サイトのトップ画面は、概ね以下のように構成されている。すなわち、図17に示すように、トップ画面の上部には、カバー画像81が配置されている。このカバー画像81は、任意の画像をカバー画像81として使用することができる。当該個人サイトのイメージや、ユーザの嗜好に合わせて設定される。また、このカバー画像81と重ね合わせるようにアイコン画像82が配置されている。このアイコン画像82は、例えば、ユーザ個人を表すものとして使用され、ユーザ自身の顔写真が用いられることが多い。このように、近年のSNSのトップ画面には、上述した3つのSNSを含め、大きさや配置位置は異なるものの、カバー画像81とアイコン画像82とが表示されることが多い。そこで、モバイルモードでは、SNSで用いることができるカバー画像と、アイコン画像を作成する。
<7−7−2.モバイルモードにおける画像の編集>
次に、モバイルモードにおける画面の編集について説明する。上記編集画面において、右側の編集スペースにおいて、モバイルモードボタン507(図15,16参照)を押下すると、図18に示すように、モバイルモードの選択画面601が表示される。この画面は、カバー画像、アイコン画像のどれを作成するかを選択する画面である。例えば、「カバー画像」ボタンを押下してOKボタンを押下すると、カバー画像作成画面に遷移し、「アイコン画像」ボタンを押下してOKボタンを押下すると、アイコン画像作成画面に遷移する。このとき、「やめる」ボタンを押下すると、元の画面、つまり、左側の編集スペースと同じ画面に遷移する。なお、両編集スペースでいずれもモバイルモードボタン507をタッチしたときには、両編集スペースに選択画面601が表示される。
図18の選択画面601において、「カバー画像」ボタンを押下すると、図19に示すように、右側の編集スペースに例えば、第1カバー画像作成画面602が表示される。同図に示すように、この画面には、複数(ここでは9種類)のカバー画像サンプルが表示される。ここで表示される複数のサンプルは、プレイ準備部3で選択した背景画像セットに基づいて、準備されている。すなわち、選択した背景画像セットに最も適合したカバー画像サンプル、例えば、デザイン、色合いなどにおいて統一性のあるカバー画像サンプルが表示される。そして、ユーザが、いずれのカバー画像サンプルをタッチし、OKボタンを押下すると、第2カバー画像作成画面に遷移する。このとき、「やめる」ボタンを押下すると、図18の選択画面に戻り、「モバイルモードをやめる」ボタンを押下すると、左側の編集スペースと同じ画面に遷移する。この操作について、以下の画面についても同じである。
図19に示す第1カバー画像作成画面602において、OKボタンを押下すると、右側の編集スペースに、例えば、図20に示す第2カバー画像作成画面603が表示される。同図に示すように、この画面では、上部に、6枚のサムネイルが表示されている。このサムネイルは、撮影処理にて作成された6枚の被写体画像のサムネイルであり、背景画像は合成されていない。そして、その下方にプレビュー画面が配置されている。プレビュー画面には、第1カバー画像作成画面602で選択されたカバー画像のサンプルを作るためのベースとなる画像であるカバー用装飾画像951が表示されている。このカバー用装飾画像951は、画像スペース701を有している。そして、画像スペース701に、6つのサムネイルから選択された被写体画像が配置される。
より詳細には、6つのサムネイルのいずれかをタッチすると、タッチしたサムネイルの被写体画像がプレビュー画面に表示されたカバー用装飾画像951の下に配置される。つまり、被写体画像に関して、カバー用装飾画像951の画像配置スペース701に重なっている部分は表示されるが、それ以外の部分はカバー用装飾画像951で隠れて表示されない。また、プレビュー画面には、このプレビュー画面に表示されている被写体画像の範囲を示す編集枠901が表示される。編集枠901内には移動用ハンドル911が表示されるとともに、編集枠901の4つの角にはそれぞれ拡縮用ハンドル921が表示されている。これにより、ユーザが、移動用ハンドル911をタッチペン214Aでドラッグすると、編集枠901が被写体画像とともに移動する。また、拡縮用ハンドル921をタッチペン214Aでドラッグすると、編集枠901の大きさが被写体画像とともに変化する。したがって、ユーザは、編集枠901を操作することで、カバー用装飾画像951に対する被写体画像の配置位置を任意の位置に移動させたり、あるいは任意の大きさに調整することができる。これにより、被写体画像の、画像スペース701を通じて見える範囲を変更することができる。
そして、編集が完了し、OKボタンを押下すると、プレビュー画面で表示された状態となるように、被写体画像とカバー用装飾画像951とが合成される。これにより、カバー画像が生成され、メモリに保存される。この状態から選択画面601に戻って、アイコン画像を選択すると、アイコン画像作成画面に遷移し、アイコン画像を作成することができる。
アイコン画像作成画面は、3つの画面で構成されている。まず、図21に示す第1アイコン画像作成画面604が表示される。この画面では、複数のアイコン画像のサンプル(ここでは20個)の中から、所定のサンプルを選択する。なお、ここで表示されている20個のアイコン画像のサンプルも、プレイ準備部3で選択された背景画像に基づいて、決定される。ユーザは、複数のサンプルの1つをタッチして選択し、この状態でOKボタンを押下すると、第2アイコン画像作成画面605に遷移する。
図22に示すに示す第2アイコン画像作成画面605では、図20と同様に、上部に6枚の被写体画像のサムネイルが表示されており、その下方にプレビュー画面が配置されている。このプレビュー画面には、第1アイコン画像作成画面604で選択されたアイコン画像のサンプルを作るためのベースとなるアイコン用装飾画像920が表示される。アイコン用装飾画像920は、正方形の画像であり、前景画像と背景画像とで構成されている。そして、このアイコン用装飾画像に、6つのサムネイルから選択された被写体画像が重ね合わせて表示される。より具体的には、アイコン用装飾画像920の前景画像、被写体画像、アイコン用装飾画像920の背景の順に重なって表示される。なお、このプレビュー画面において、被写体画像は、アイコン用装飾画像と重なる部分だけ表示され、それ以外の部分は表示されないようになっている。
このプレビュー画面には、このプレビュー画面に表示されている被写体画像の範囲を示す編集枠902が表示される。また、編集枠902内には移動用ハンドル932が表示されるとともに、編集枠902の4つの角にはそれぞれ拡縮用ハンドル931が表示されている。これにより、ユーザが、移動用ハンドル932をタッチペン214Aでドラッグすると、編集枠902が被写体画像とともに移動する。また、拡縮用ハンドル931をタッチペン214Aでドラッグすると、編集枠902の大きさが被写体画像とともに変化する。したがって、ユーザは、編集枠902を操作することで、アイコン用装飾画像に対する被写体画像の重ね位置を任意の位置に移動させたり、あるいは任意の大きさに調整することができる。これにより、被写体画像の表示範囲を変更することができる。
そして、OKボタンを押下すると、その時点のプレビュー画面において、被写体画像の表示部分のみが抽出され、つまり被写体画像の非表示部分はトリミングされる。そして、抽出された被写体画像と、アイコン用装飾画像とが合成されアイコン画像が生成される。そして、第3アイコン画像作成画面606に遷移する。
図23に示す第3アイコン画像作成画面606は、図15に示す編集画面と同様の構成であり、第2アイコン画像作成画面605で作成されたアイコン画像に対して、落書き編集を行うことができる。落書き編集後、終了ボタンを押下すると、落書き済みのアイコン画像がメモリに保存されるとともに、図15の編集画面に遷移し、「前の画面に戻る」ボタンを押下すると、第2アイコン画像作成画面605に戻る。そして、図15の編集画面に戻ったとき、カバー画像、アイコン画像が一枚でも作成されていれば、モバイルモード507には、「作成済み」の表示が付加され、カバー画像やアイコン画像が既に作成されていることを視認させる。
こうして、モバイルモードでは、SNSで用いるカバー画像とアイコン画像とを作成することができるが、左右一対の編集スペースにおいて、カバー画像とアイコン画像を1つずつ、合計4枚の画像を生成することができる。但し、ユーザがモバイルモードでの編集を行わなかった場合、あるいはカバー画像またはアイコン画像のいずれか一方しか作成しなかった場合には、制御部9は、自動的にカバー画像やアイコン画像を作成することができる。作成の手順は上記の通りであり、サンプルの選択、撮影画像の選択等は、制御部9が自動で選択する。なお、自動的に生成される画像の数は、特には限定されない。例えば、モバイルモードに移行しなかった場合には、カバー画像とアイコン画像を1つずつ自動作成し、カバー画像のみを2枚作成した場合には、アイコン画像を2枚自動作成し、一方の編集スペースにおいてのみカバー画像を1枚作成した場合には、アイコン画像を1枚だけ自動作成する、など、適宜決定することができる。
なお、モバイルモードでの編集を全く行わなかった場合、アイコン画像あるいは、カバー画像の自動生成を行うに当たっては、アイコン等のデザインを背景画像セットの選択結果に基づいて決定するようにしてもよい。これにより、ユーザの好みを反映したアイコン画像やカバー画像を作ることができる。
また、カバー画像(あるいは、アイコン画像)のみを作った場合は、作ったカバー画像(あるいは、アイコン画像)に対応するデザインのアイコン画像(あるいは、カバー画像)を自動生成するようにしてもよい。上述したように、カバー画像とアイコン画像は基本的にはセットで使用するものなので、デザインの統一性図ることができ、利用者の満足度を向上させることができる。
<7−8.印刷シート選択処理>
次に、印刷シートの選択処理について説明する。まず、「印刷シートの選択処理」とは、「編集済合成画像を印刷シートにどのようなレイアウトで印刷するのかを決定するとともに、印刷シートの編集済合成画像が印刷されない領域に印刷する画像のデザインを決定する処理」のことを指す。また、「印刷シートを選ぶ(選択する)」とは、「編集済合成画像を印刷シートにどのようなレイアウトで印刷するのかを決定するとともに、印刷シートの編集済合成画像が印刷されない領域に印刷する画像のデザインを決定する」ことを指す。
上述した落書き編集が終了すると、編集部2では、印刷シートの選択処理が行われる。すなわち、編集用モニタ213に、図24に示す印刷シート選択画面が表示される。同図に示すように、この画面において、編集用モニタ213は、左右一対の編集スペースに区分けされ、2人のユーザが同時並行して使用できるようになっている。
この印刷シート選択画面は、4つのタブ381と、このタブ381の下方に2つの編集スペース382と、を有しており、編集スペース382には、プレビュー画面383と印刷シートの複数(ここでは6種類)のサンプル384が表示されている。本実施形態では、4種類の印刷シート、つまり横長デザインシート、縦長デザインシート、小分割シート、及び多分割シートが準備されており、4つのタブ381は、これら印刷シートに対応している。すなわち、ユーザがいずれかのタブ381をタッチすることで、いずれかの印刷シートを選択できるようになっている。なお、図24に示した画面は、横長デザインシート用タブ、あるいは、縦長デザインシート用タブが選ばれているときの印刷シート選択画面である。この2つのタブの場合は、2人のユーザが左右の画面を用いて個別に印刷シートを選べるようになっている。一方、小分割シート用タブ、あるいは、多分割シート用タブが選ばれている場合は、2人のユーザが1つの印刷シートを選ぶようになっており、図24の編集スペース382が一つだけが表示される。
ここで、4つの印刷シートの例について説明する。図25(a)は、横長デザインシートの例であり、所定のテーマのデザインが施されるとともに、6つの画像スペース71を有している。各画像スペース71には、落書き編集が施された6枚の合成画像、つまり編集済画像が配置される。図25(b)は、縦長デザインシートであり、横長デザインシートとの相違点は、シートが縦長となっていることである。これらデザインシートは、シート自体にもデザインが施されている。図26(a)の例では、2人で分割できるように、6つの画像スペース71が2セット設定されており、そこに6枚の編集済画像が2セット配置される。そして、図26(b)は、5人以上用の多分割シートの例である。この多分割シートは、5人以上で分割できるように、5以上の領域に分割されている。各領域の構成は、小分割シートで説明したのと同じである。図26(b)の例では、6枚の編集済画像が5セット配置される。
初期状態では、図24に示すように、横長デザインシートのタブ381が選択されるとともに、選択された背景画像セットに最も適合する印刷シートのサンプルが選択され、画像スペース71に編集済画像が配置された状態で、プレビュー画面383に表示される。なお、適合するとは、例えば、デザイン、色合いなどで最も統一感があることをいう。このとき、6つのサンプル384の中で、選択された印刷シートのサンプルは、反転などの表示を伴って、ユーザが視認できるようになっている。また、ここで表示される印刷シートのサンプル384は、選択された背景画像セットごとに相違しており、デザイン、色合いなどで、選択された背景画像セットと統一感の高い、複数の印刷シートのサンプルが表示される。これは、各タブ381においても同じである。
そして、ユーザが、別の印刷シートのサンプル384をタッチすると、現在表示中のものに代えて、選択された印刷シートに編集済画像が配置され、プレビュー画面382に表示される。ユーザは、OKボタン385を押下するまで、タブ381の切り替え、及びサンプル384の選択が可能である。そして、OKボタン385を押下すれば、OKボタン385を押下する直前に選択されていたサンプルが印刷シートとして選択され、メモリに記憶される。なお、OKボタン385が押下されない場合には、所定時間が経過後、その時点で選択されていたサンプルが、選択された印刷シートとしてメモリに記憶される。
OKボタン385を押下するに当たっては、いずれか一方の編集スペース382で、横長デザインシート用タブまたは縦長デザインシート用タブが選択された状態で、OKボタン385が押下されると、小分割シート用タブ、及び多分割シート用タブが消え、横長デザインシート用タブ及び縦長デザインシート用タブのみが表示される。すなわち、この状態では、いずれの編集スペース382においても、横長または縦長デザインシートからしか、印刷シートのサンプル384を選択できないようになっている。そして、両編集スペース382において、OKボタン385が押下されると、印刷シートの選択処理が完了する。これにより、編集部2での処理が完了し、出力処理に移行する。ただし、小分割シートあるいは多分割シートに関しては、上述したように2人で1つの印刷シートを選択するので、小分割シート用タブあるいは多分割シート用タブでOKボタンが押された場合は、その時点で印刷シート選択処理が完了する。
<7−9 出力処理>
次に、出力処理について説明する。上記のように生成された編集済画像データ、アイコン画像及びカバー画像は、出力部4に送信される。そして、まず、編集済画像データ等の画像データの送信処理を行う。
送信に当たっては、複数の方法がある。まず、電子メールを入力させ、その電子メールに画像データを送信したり、あるいは画像データを取得できるインターネット上のサイトのURLを送信することもできる。このとき、モニタ411には、2人のユーザに対して、それぞれメールアドレスの入力を促す画面が表示される。なお、編集済画像データ等の画像データまたはURLは、写真撮影遊戯装置から直接ユーザの電子メールアカウントに送信することもできるし、写真撮影遊戯装置から外部のサーバを介して送信することもできる。
また、出力部4の非接触通信部412から、編集済画像データ等の画像データを携帯端末へ送信することもできる。さらに、モニタ411にQRコード(登録商標)を表示させ、このQRコード(登録商標)を読み取ることで、上述したURLを取得することもできる。
また、出力部4は、印刷シートの選択処理で選択された印刷シートに基づいて、複数の編集済み合成画像が印刷媒体に印刷する。そして、その印刷媒体がシール排出口413から排出される。
<8.効果>
以上のように、本実施形態によれば、カメラ111a,111bによって被写体を撮影する際に、被写体の撮影態様に応じて、補正を行うようになっている。本実施形態の例では、2つの撮影コースのうち、第2撮影コースを選択した場合、つまり下カメラ111bによる全身撮影を行うことを選択した場合には、被写体の脚の長さを補正できるようになっている。より詳細に説明すると、第2撮影コースを選択した場合には、脚の長さに関する補正を行うために、複数の補正のサンプルを表示し、その中からユーザによって選択された補正のサンプルに基づいて、第2全身画像に対して脚の長さを補正するための画像処理を行っている。すなわち、すべての撮影画像に対して、一律に補正を行うのではなく、撮影態様に応じた補正を提案するため、補正の効果を向上することができる。例えば、第1撮影コースにおける第1全身画像では、全身撮影ではあるものの脚が小さく写るため、足を長くする補正を行ったとしても、その補正を視認することが難しく、補正の効果を十分に得られないことになる。したがって、本実施形態では、第2全身画像のように、脚が明確に写っている全身画像に対してのみ、脚の長さの補正を行うようになっている。これにより、補正の効果を撮影画像に対して確実に反映することができる。また、効果の低い補正を行わないことで、プレイ時間の短縮にもつながる。
<9.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
<9−1>
上記実施形態では、撮影態様としていずれのカメラ111a,111bで撮影したかということを基準としているが、撮影態様はこれに限定されず、また、提案される補正も種々のものが可能である。なお、撮影態様とは、カメラによる撮影の態様のほか、撮影により生成される画像の背景の選択などの撮影に起因する画像処理に係るものも含む。したがって、撮影態様は、例えば、撮影方向、カメラの位置、撮影範囲、焦点距離、トリミング範囲、背景などに基づいたものとすることができる。カメラの位置を撮影態様とする場合には、例えば、カメラが撮影筐体11の上部にある場合と下部にある場合とで補正の内容を個別に設定したり、あるいは補正をしないように設定することができる。この場合、1つのカメラを移動させて、カメラの位置を変更するほか、上記実施形態のように2つのカメラを用いてカメラの位置を変更することもできる。撮影範囲を撮影態様とする場合には、その態様の種類として、例えば、全身撮影、フェイスアップ撮影、腰上撮影などがあり、撮影範囲ごとに補正の内容を設定したり、補正をしないようにすることができる。トリミング範囲を撮影態様とする場合には、その種類として、例えば、顔のみをトリミングする場合、腰より上をトリミングする場合などがある。背景を撮影態様とする場合には、プレイ準備部3で選択された背景によって、補正の候補を設定するものである。
また、補正の内容としては、脚の長さのほか、例えば、目の大きさ、目の色、肌の色、顔の大きさ、体の一部の長さや太さなどの被写体の体型に関するものとすることができる。なお、色については、画素値を変更することで補正を行うことができる。例えば、フェイスアップ撮影と、全身撮影の場合で行う目の大きさの補正の内容を変更することができる。フェイスアップ撮影の撮影画像は、全身撮影の撮影画像よりも顔が大きく写っているので、全身撮影の撮影画像のほうがフェイスアップ撮影画像よりも目の拡大率が大きくなるようにしてもよい。
<9−2>
上記実施形態では、撮影画像の補正を、撮影部1において行っているが、編集部2において行うこともできる。