JP6650323B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、処理液により基板を処理する基板処理技術に関する。
特許文献1、2には、基板を回転させつつ、処理液の液滴を基板の主面に噴射しているスプレーノズルを基板の主面上で走査することにより基板の主面全体に処理液を塗布して基板を処理する基板処理装置が開示されている。これらの装置は、基板全体に処理液を塗布するために、基板の回転中心を通る経路に沿って、スプレーノズルを移動させる。
特開2005−19560号公報 特開2006−278856号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の基板を回転させて塗布する基板処理装置には、基板の中心部の膜厚が基板の周縁部の膜厚に比べて安定せず、膜厚のばらつきが大きくなるといった問題がある。また、基板の回転による遠心力の影響等に起因して、基板の表面に凹凸がある部分において塗布膜が形成できない部分ができたり、塗布された処理液の膜に筋状の模様が入るといった問題もある。
また、特許文献2の図7乃至図10に示された実施形態の基板処理装置では、基板を水平姿勢で支持してスプレーノズルと基板とを相対的に移動させることで、スプレーノズルで基板表面を走査させ、基板を回転させることなく、処理液を塗布している。この特許文献2においては、所定の方向にそれぞれ延在して基板の主面に対向するとともに互いに平行な複数の直線の経路を含む移動経路(M)に沿ってスプレーノズルを相対移動させることによって、基板の主面に処理液を塗布している。かかる構成であれば、基板を回転させていないので、遠心力の影響は排除することができる。
ところでこの基板を回転させないで塗布する装置においては、スプレーノズルから噴射された処理液は、互いに平行な複数の経路のそれぞれに沿って帯状に吐出される。各帯状の処理液の膜は、一般的には、そのスプレーノズルの特性により、幅方向の中央部すなわちノズルが真上を通過したところにおいて厚く、幅方向の周辺部に近くなる程薄い畝状の形状を有する。このため、複数の平行な経路のそれぞれに沿って噴射された複数の直線状の処理液の膜は、その全体においては、複数の経路の延在方向を横切る方向に沿って、周期的に膜厚が変動するといった問題が生ずる。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたもので、静止状態の基板に対して処理液の液滴を噴射するノズルを移動させる基板処理装置において、基板の主面の各部における処理液の膜厚のばらつきを抑制できる技術を提供することを目的とする。
第1の態様に係る基板処理装置は、処理液により基板を処理する基板処理装置であって、基板を保持するチャックと、前記チャックに保持された基板の主面を含む平面に対向し、処理液の液滴を前記平面に向けて噴射するノズルを有する液処理部と、前記ノズルを前記基板の主面に沿って前記基板に対して相対的に移動可能な移動機構と、前記ノズルが前記基板の主面に沿って前記基板の主面を相対的に走査する移動経路であって、それぞれの移動経路の走査方向が互いに異なる方向になるように定められた3つ以上の移動経路を設定する移動経路設定部と、前記移動機構及び前記液処理部を制御して、前記ノズルを前記基板の主面に対して相対的に走査させつつ、前記ノズルから前記基板の主面に対して処理液の液滴を噴射する動作を、前記移動経路設定部によって設定された3つ以上の移動経路について順次実行させる制御部と、を備え、前記3つ以上の移動経路のそれぞれの前記基板の主面上への各正射影のうち前記基板の主面の任意の一点を通過する正射影の個数が2個以下である
第2の態様に係る基板処理装置は、第1の態様に係る基板処理装置であって、前記3つ以上の移動経路のそれぞれの走査方向は、前記基板の周方向において互いに隣り合う移動経路の走査方向同士のなす各角度が90度よりも小さい。
第3の態様に係る基板処理装置は、第1または第2の態様に係る基板処理装置であって、前記3つ以上の移動経路のそれぞれの走査方向は、前記基板の周方向において互いに隣り合う移動経路の走査方向同士のなす各角度が互いに等しい。
の態様に係る基板処理装置は、第1から第の何れか1つの態様に係る基板処理装置であって、前記3つ以上の移動経路の各移動経路について、前記各移動経路の延在方向に垂直で、前記基板の中心を通る直線によって各移動経路の基準線を定義したとき、前記制御部は、前記移動機構に、前記基板の一の周方向における前記3つ以上の移動経路のそれぞれの前記基準線の並び順に従って、前記3つ以上の移動経路のそれぞれに沿った前記ノズルの移動を行わせる。
の態様に係る基板処理装置は、第1から第の何れか1つの態様に係る基板処理装置であって、前記移動経路は、前記走査方向に平行な複数の経路を直列に接続してなるジグザグ形状である。
の態様に係る基板処理装置は、第の態様に係る基板処理装置であって、前記3つ以上の移動経路の各移動経路について、前記各移動経路の延在方向に垂直で、前記基板の中心を通る直線によって各移動経路の基準線を定義したとき、前記制御部は、前記移動機構に、前記基板の一の周方向における前記3つ以上の移動経路のそれぞれの前記基準線の並び順に従って、前記3つ以上の移動経路のそれぞれに沿った前記ノズルの移動を行わせ、前記3つ以上の移動経路のうち前記ノズルが最初に移動される着目移動経路の前記基準線によって着目基準線を定義し、前記着目移動経路の両端のうち前記着目移動経路に沿った前記ノズルの移動が完了する一端によって前記着目移動経路の終端を定義し、前記3つ以上の移動経路のうち前記基準線が前記着目基準線の両隣に位置する2つの移動経路によって前記着目移動経路の両隣の移動経路を定義し、前記両隣の移動経路のそれぞれの両端からなる四端のうち前記着目移動経路の前記終端から最も近い一端によって次端を定義したとき、前記基板の前記一の周方向は、前記基板の周方向に沿って前記終端側から前記次端側に向かう方向である。
の態様に係る基板処理方法は、処理液により基板を処理する基板処理方法であって、チャックに保持された基板の主面を含む平面に対向するノズルから処理液の液滴を前記平面に向けて噴射するステップと、前記処理液を噴射している前記ノズルを3つ以上の移動経路のそれぞれに沿って順次に移動させるステップと、を備え、前記3つ以上の移動経路のそれぞれは、前記基板の主面のうち互いに異なる部分にそれぞれ対向して互いに平行な複数の経路を含む移動経路であり、前記3つ以上の移動経路の各移動経路について、前記互いに平行な複数の経路のそれぞれの前記基板の主面上への各正射影の延在方向によって前記各移動経路の延在方向を定義したとき、前記3つ以上の移動経路のそれぞれの延在方向は、互いに異なっており、前記3つ以上の移動経路のそれぞれの前記基板の主面上への各正射影のうち前記基板の主面の任意の一点を通過する正射影の個数が2個以下である。
第1の態様に係る発明によれば、移動機構は、ノズルを、3以上の移動経路のそれぞれに沿って順次に基板の主面に対して相対的に移動させる。基板の主面上では、各移動経路に沿って帯状に噴射された処理液が、重ね合わされる。3つ以上の移動経路のそれぞれの走査方向は互い異なっている。このため、基板の主面上で互いに走査方向が異なる移動経路のそれぞれに沿って噴射された処理液の液膜同士が重ねられることになり、基板の主面の各部において重ね合わされた処理液の膜厚のばらつきを抑制できる。
第2の態様に係る発明によれば、3つ以上の移動経路のそれぞれの走査方向は、基板の周方向において互いに隣り合う移動経路の走査方向同士のなす各角度が90度よりも小さい。これにより、隣り合う移動経路に沿って噴射される処理液の帯状の液膜同士が90度より小さい角度で交差するので、基板の主面の各部における処理液の膜厚のばらつきを抑制できる。
第3の態様に係る発明によれば、3つ以上の移動経路のそれぞれの走査方向は、基板の周方向において互いに隣り合う移動経路の走査方向同士のなす各角度が互いに等しい。これにより、隣り合う移動経路に沿って噴射される処理液の帯状の液膜同士が交差する角度を小さくできるので、基板の主面の各部における処理液の膜厚のばらつきを抑制できる。
本願明細書に記載の発明によれば、3つ以上の移動経路のそれぞれの基板の主面上への各正射影のうち基板の主面の任意の一点を通過する正射影の個数が2個以下である。これにより、3つ以上の移動経路に沿って噴射された各処理液の液膜のうち幅方向の各中央部分が、基板の主面上の一箇所で重なり合うことを抑制できる。従って、基板の主面の各部において、重ね合わされた処理液の膜厚のばらつきを抑制することができる。
の態様に係る発明によれば、移動機構は、基板の一の周方向における3つ以上の移動経路のそれぞれの基準線の並び順に従って、3つ以上の移動経路のそれぞれに沿ったノズルの移動を行う。これにより、1つの移動経路の終端から、次の移動経路におけるノズルの移動を開始する始端までのノズルの移動距離を短くできる。従って、基板に処理液を付与するための所要時間を短縮できる。
の態様に係る発明によれば、移動経路は、走査方向に平行な複数の経路を直列に接続してなるジグザグ形状である。従って、移動機構は、ノズルを、3つ以上の移動経路のそれぞれに沿ってジグザグに移動させる。これにより、基板処理装置が異なる移動経路に沿って処理液を噴射し、噴射された処理液の液膜同士を小さい角度で交差するように重ね合わせることができる。従って、基板の主面の各部における処理液の膜厚のばらつきを抑制できる。
の態様に係る発明によれば、移動機構は、基板の一の周方向における3つ以上の移動経路のそれぞれの基準線の並び順に従って、3つ以上の移動経路のそれぞれに沿ったノズルの移動を行わせる。当該基板の一の周方向は、基板の周方向に沿って着目移動経路の終端側から、両隣の移動経路のそれぞれの両端からなる四端のうち当該終端から最も近い端(次端)側に向かう方向である。従って、着目移動経路の次に、ノズルを移動させる経路は、当該次端を有する移動経路となる。当該次の移動経路に沿ったノズルの移動を、当該次端から開始させることによって、着目移動経路の終端から次の移動経路の始端(次端)までのノズルの移動距離を短くできる。これにより、基板に処理液を付与するための所要時間を短縮できる。
第1の実施形態に係る基板処理装置の構成例を示す側面模式図である。 図1の基板処理装置のノズル移動機構の概略構成を示す斜視図である。 移動経路の一例(経路qが奇数の場合)を示す上面模式図である。 図3の移動経路の切断線A1−A1における断面模式図である。 図3の移動経路をその基準線を用いて概略表示する模式図である。 移動経路の隣り合う2つの経路に沿って移動されるノズル基板上に噴射した処理液の液膜を示す模式図である。 移動経路の他の例を示す上面模式図である。 図7の移動経路をその基準線を用いて概略表示する模式図である。 実施形態に係る基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。 3つ以上の移動経路の一例を示す上面模式図である。 3つ以上の移動経路の他の例を示す上面模式図である。 3つ以上の移動経路における移動順の一例を説明するための図である。 3つ以上の移動経路における移動順の他の例を説明するための図である。 複数のノズルに対応した基板処理装置の一例を示す上面模式図である。
<実施形態について>
<1.第1の実施形態に係る基板処理装置>
図1は第1の実施形態に係る基板処理装置100Aの概略構成の一例を模式的に示す図である。図2は、基板処理装置100Aのノズル移動機構6の概略構成を示す斜視図である。
<基板処理装置100Aの概要>
基板処理装置100Aは、処理液51を用いて基板の処理を行う。「処理液」には、例えば、レジスト(フォトレジスト)と、シンナーなどの溶剤と、が含まれる。具体的には、基板処理装置100Aは、処理液として、例えば、レジストを用いて半導体ウエハ等の基板Wの上面(「主面」、「表面」とも称される)S1にレジストの液滴を噴射して付与する。これにより、基板処理装置100Aは、上面S1にレジストを塗布してその薄膜を形成する処理を行う。
また、基板処理装置100Aは、処理液として溶剤を用いて、溶剤の液滴を上面S1に形成されたレジストの薄膜上に噴射して付与することもできる。すなわち、上述のようにレジストの液滴を噴射して薄膜を形成する場合に、基板Wに到達したレジストの液滴が、それより先に上面S1に到達し付着していたレジストと一体化する前に液滴の形状のまま固化が始まり、微細な球状のレジストとして基板Wに付着することがある。そこで、溶剤をレジストの薄膜上に噴射して塗布することにより、基板処理装置100Aは、レジストの薄膜上に生成されるレジストの球を溶剤によって溶かして平坦な膜を形成する処理を行うことができる。
基板Wの表面形状は略円形であり、基板Wの上面S1とは半導体素子のデバイスパターンあるいはMEMSの構造パターン等が形成される面(デバイス形成面)を意味している。基板Wの半径は、例えば、150mmである。基板Wの基板処理装置1への搬入搬出は、ノズル121等が待避位置に配置された状態で、ロボット等により行われる。基板処理装置1に搬入された基板Wは、主面S1が水平面となる水平姿勢でチャック21により着脱自在に保持される。
基板処理装置100Aは、保持機構2、液処理部5、ノズル移動機構6、および制御部161を備える。これら各部は、制御部161と電気的に接続されており、制御部161からの指示に応じて動作する。制御部161としては、例えば、一般的なコンピュータと同様のものを採用できる。すなわち、制御部161は、例えば、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM、制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスク、等を備え、また各種情報等を入力するキーボードを含む入力機構162と接続されている。制御部161においては、プログラムに記述された手順に従って主制御部としてのCPUが演算処理を行うことにより、基板処理装置100Aの各部を制御する。
<保持機構2>
保持機構2は、基板Wを、その一方の主面(上面)S1を上方に向けた状態で、略水平姿勢に保持する機構である。保持機構2は、基板Wを、主面の中心c1を通る鉛直な軸が後述するチャック21の中心軸と一致するように、保持する。
保持機構2は、基板Wより小さい円板状の部材であるチャック(「保持部材」、「基板保持部」)21を備える。チャック21は、その上面が略水平である。チャック21の下面には、円筒状の軸部22が連結されている。チャック21と軸部22とが連結された状態で、チャック21の中心軸と軸部22の軸線とは互いに一致する。軸部22は、その軸線を鉛直方向に沿わすような姿勢で配置される。また、軸部22は、昇降駆動部(例えば、モータ)23の出力軸に連結されたボールネジ等によって、鉛直方向に沿って昇降可能に保持されている。昇降駆動部23は、軸部22をその軸線に沿って昇降駆動する。従って、チャック21は、軸部22とともに昇降可能である。軸部22および昇降駆動部23は、筒状のケーシング24内に収容されている。
チャック21の中央部には、図示省略の貫通孔が設けられており、軸部22の内部空間と連通している。内部空間には、図示省略の配管、開閉弁を介して図示省略のポンプが接続されている。当該ポンプ、開閉弁は、制御部161に電気的に接続されている。制御部161は、当該ポンプ、開閉弁の動作を制御する。当該ポンプは、制御部161の制御に従って、負圧と正圧とを選択的に供給可能である。基板Wがチャック21の上面に略水平姿勢で置かれた状態でポンプが負圧を供給すると、チャック21は、基板Wを下方から吸着保持する。ポンプが正圧を供給すると、基板Wは、チャック21の上面から取り外し可能となる。
この構成において、チャック21が基板Wを吸着保持した状態で、昇降駆動部23が軸部22を昇降することによって、基板Wは、ロボット等とチャック21との間で基板Wの授受が可能な搬入搬出位置と、液処理部5による処理が行われる処理位置との間で昇降される。搬入搬出位置は、処理位置よりも上方である。
<液処理部5>
液処理部5は、チャック21上に保持された基板Wの上面S1に対する処理を行う。具体的には、液処理部5は、チャック21上に保持された基板Wの上面S1に処理液を付与する。
液処理部5は、処理液51の液滴を噴射して基板Wの上面S1に処理液51を付与するノズル121と、処理液51をノズル121に供給する処理液供給源141と、ガス54をノズル121に供給するガス供給源144とを備えている。処理液51は、基板Wの上面S1に処理液51の液膜を形成する塗布処理に用いる。処理液51としては、例えば、レジスト(フォトレジスト)を用いる。なお、その塗布処理において上面S1に処理液の球が形成された場合には、それを溶解して除去する処理のために異種の処理液51、例えばシンナーなどの溶剤などか採用される。ガス54としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガスが採用される。
処理液供給源141は、供給する処理液51を加熱可能なヒータと、処理液51の温度を検出可能な温度センサと、処理液51を送出するポンプ等の送出手段(それぞれ図示省略)とを備えている。
ガス供給源144は、ガス54を加熱可能なヒータと、ガス54の温度を検出可能なセンサと、ガス54を送出するポンプ等の送出手段(それぞれ図示省略)とを備えている。
制御部161は、処理液供給源141とガス供給源144とのそれぞれの各温度センサが検出した処理液51、ガス54の温度が同じ目標温度になるように、各ヒータの発熱量を制御して、処理液51、ガス54の温度を制御する。処理液供給源141、ガス供給源144には、配管381、384の一端が接続されている。制御部161が処理液供給源141、ガス供給源144のポンプを動作させることにより、処理液供給源141、ガス供給源144は、温度調整された処理液51、ガス54を配管381、384に送出する。ガス54は、高圧に加圧された状態で送出される。配管381、384は、処理液供給源141、ガス供給源144から移動ステージZSの上端部まで配設され、さらに移動ステージZSの外面を経て、ノズル121まで配設されている。配管381、384の他端は、ノズル121の内部の流路に接続されている。
配管381、384の経路途中には、バルブ171、174が設けられている。制御部161は、配管381、384を介して供給される処理液51、ガス54の流量がそれぞれの目標流量になるように、図示省略のバルブ制御機構を介してバルブ171、174の開閉量を制御する。
ノズル121はいわゆるスプレーノズルであって、チャック21上に保持されている基板Wの上面S1を含む平面に対向し、処理液51の液滴を、処理液51の噴流61として上面S1に当たるように噴射(吐出)する。ノズル121は、例えば、処理液の液滴を上面S1、より正確には上面S1を含む平面に向かって広がる錐状に鉛直下向きに噴射する。この場合、噴流61の輪郭がなす形状は、円錐状である。ノズル121についてさらに詳細に説明すると、所定の距離にある基板Wに対して静止した状態で噴出する液滴は、基板Wの上面S1において、例えば、直径6mmの円形の領域に、中心側が多く周辺側が少なくなるような分布で基板Wに対して付与される。(実際には直径6mmを超えてさらに周辺まで微量の液滴が付与されるが、ここでは無視し、単純化して説明する。)そしてそのノズル121を基板Wに対して相対的に走査することで、畝状の液膜を形成する(詳細は図6を参照して後述する)。ノズル121は、板状の保持部材を介してノズル移動機構6が備える移動ステージZSの下端の下方に、鉛直下向きに処理液51の液滴を噴射するよう取り付けられている。ノズル移動機構6は、ノズル121を基板Wに対して相対的に移動させる。
ノズル121は、噴射口に連通する流路を介して処理液51を噴射口側に供給し、噴射口に連通する他の流路を介してガス54を噴射口側に高速で供給する。処理液51は、例えば、150ml/分の流量で供給され、ガス54は、例えば、12L/分の流量で供給される。ノズル121は、加圧されたガス54の高速の気流と、処理液51とを噴射口近傍で混合し、処理液51の液滴の噴流61を生成して、噴流61を噴射口から基板Wの上面S1に向けて鉛直方向に高速で噴射する。噴流61は、処理液51の液滴とガス54とが混合している流体である。ノズル121としてこのような二流体ノズルが用いられれば、噴流61の流速の制御が容易となる。
噴流61に含まれる処理液51の液滴の直径は、例えば、10μm程度となり、噴流61は、例えば、150ml/分の流量の処理液51の液滴を含んで、例えば、20〜50m/secの噴射速度で噴射される。なお、ノズル121として、例えば、100MPa〜300MPaの高圧をかけられた処理液51を、多数の微細孔から吐出することにより処理液51の液滴の噴流61を生成して吐出するノズルなどが用いられてもよい。
<ノズル移動機構6>
ノズル移動機構6は、ノズル121を基板Wの上方の空間を含む所定の空間内で自在に移動させる。また、ノズル移動機構6は、移動ステージZSを鉛直方向(Z軸方向)に沿って移動することによりノズル121をその処理位置と退避位置との間で移動させる。
ノズル121が処理液51を噴射する際には、ノズル121の吐出口と基板Wの上面S1との間隔は、好ましくは、例えば、20mm〜30mmに設定される。制御部161は、移動ステージZSを駆動することにより当該間隔を、例えば、5mm〜100mmの範囲で設定することができる。
ノズル移動機構6は、移動ステージXS、YS、およびZSを主に備えて構成されている。移動ステージXSは水平面内で、所定の方向(X方向)に沿って延在し、移動ステージYSは、水平面内で、所定の方向(X方向)に沿って延在する。X方向とY方向とは、水平面内で互いに直交する。移動ステージZSは、鉛直方向に延在している。
移動ステージXS、YS、ZSは、それぞれの移動方向に移動可能なステージ部と、当該ステージ部をそれぞれの移動方向に移動させる駆動部とを備えている。駆動部として、例えば、クローラー、あるいはスライダーを直動するリニアレールなどが採用される。
移動ステージXSのステージ部には、移動ステージYSの駆動部が取り付けられている。移動ステージXSは、その駆動部によってそのステージ部をX方向に移動させて、移動ステージYSをX方向に沿って移動させる。移動ステージYSのステージ部には、移動ステージZSの駆動部が取り付けられている。移動ステージYSは、その駆動部によってそのステージ部をY方向に移動させて、移動ステージZSをY方向に沿って移動させる。移動ステージZSのステージ部には、ノズル121を保持して鉛直方向に延在する保持部材が取り付けられている。移動ステージZSは、その駆動部によってそのステージ部をZ方向に移動させて、ノズル121をZ方向に沿って移動させる。
移動ステージXS、YS、ZSの動作は、制御部161により制御される。ノズル移動機構6は、移動ステージXS、YS、ZSのそれぞれを同時に移動させることができる。制御部161は、移動ステージXS、YS、ZSのそれぞれを制御して、ノズル121を基板Wの上方の空間を含む所定の空間内で自在に移動させる。基板処理装置100Aは、ノズル121が鉛直下向きに処理液51の液滴を噴射する姿勢を保った状態で、ノズル移動機構6がノズル121を基板Wの主面S1を含む水平面に沿って基板Wの主面S1を相対的に走査して基板Wの処理、具体的にはレジストの塗布を行う。この処理の全体の動作のために制御部161が実行する制御フローは後述する。その際のノズル121を移動させるための移動経路は、それぞれの移動経路の走査方向が互いに異なる方向になるように定められた3つ以上の移動経路よりなる。この移動経路は、制御部161が実行する制御フローの中で移動経路設定部に相当するステップによって設定される。
<基板処理装置の動作フロー>
制御部161は、上述のとおり基板処理装置100Aの各部を制御する。具体的には、オペレータの操作に応じてノズル移動機構6、液処理部5等の動作を制御し、処理液の基板Wへの付与(具体的にはレジストの塗布)の処理を実行する。図9は、この実施形態に係る基板処理装置100Aの動作制御の一例を示すフローチャートである。図9のフローチャートに沿った動作の開始に先立って、基板Wは、チャック21に保持されており、基板Wのサイズやノズル121の噴射領域の分布などの塗布処理についての基本的な情報は、予め制御部161に入力されているものとする。
塗布処理の動作を開始する際、オペレータは制御部161に接続されたキーボード等の入力機構162から、塗布のために必要なパラメータを処理レシピとして制御部161に入力する(ステップS1)。上述のとおり本発明においては、基板Wの主面に沿ってノズル121が基板Wの主面を相対的に走査する移動経路であって、それぞれの移動経路の走査方向が互いに異なる方向になるように定められた3つ以上の移動経路を設定し、ノズル121を基板Wの主面に対して相対的に走査させつつ、ノズル121から基板Wの主面に対して処理液の液滴を噴射する動作を、設定された3つ以上の移動経路について順次実行するものである。その移動経路を定めるために必要なパラメータをここで入力する。入力するパラメータは、移動経路の数N(Nは3以上の自然数)と、設定する移動経路一つの中に含まれる隣接する経路qのピッチM(mm)である。以下ではNとして3が、Mとして4(mm)が入力された場合につき説明する。
なお、ここで移動経路数Nは求められる均一性や処理時間等を考慮してオペレータが設定する。またピッチMはノズル121として使用するノズルの特性、すなわち当該ノズルが噴射する液滴の分布を考慮して、隣り合う複数の経路qをノズル121が通過する際に、その塗布分布が適切な重なり範囲をもちうるように、かつ、そのピッチMによって基板Wの全面を走査して塗布することが可能となるようにオペレータが設定する。なお、これらは、上述したノズルの特性や基板サイズ等の情報を予め制御部161に入力しておくことにより、オペレータが入力しなくても、制御部161によって自動的に設定することも可能である。
この例では入力された移動経路数Nが3であるから、3つの移動経路を設定することになる。次に、制御部161はそれら3つの移動経路につき、互いに隣接する移動経路どうしがなす角度θを算出する。(ステップS2)隣接経路交差角度θは180°をNで割った値であり、この場合は60°である。
次に制御部161は、n=1として(ステップS3)、第n回目の移動経路Qnとして第1回目の移動経路Q1を算出し設定する(ステップS4)。この移動経路Q1について以下に詳細に説明する。
図3は、ノズル移動機構6がノズル121を移動させるための第1回目の移動経路Q1を単純化して例示する上面模式図である。図4は、図3の移動経路Q1の切断線A1−A1における断面模式図である。
ノズル移動機構6は、移動経路Q1に沿って1つのノズル121を基板Wに対して相対的に移動可能である。図3の移動経路Q1は、基板Wの主面に沿ってノズル121が基板Wの主面を相対的に走査して基板Wの全面をカバーする移動経路として設定される。その移動経路Q1は、基板の主面上を相対移動する走査方向に互いに平行な複数の経路qを含み、これらを直列に接続してなる。この平行な経路qは、ステップS1で入力した主走査方向の経路のピッチ(例えば4mm)間隔で設定される。例えば基板Wが直径150mm、ピッチ4mmの場合は、経路qは38本程度、実際には基板Wの周辺まで均一な膜を形成するための余裕を見て若干多めに設定される。ここでは41本設定されるものとする。なお、図3では、図示を簡単化するために経路qを奇数の9本のみ描いてある。複数の経路qは互いに4mm間隔を保って平行であり、基板Wの上面S1のうち互いに異なる部分にそれぞれ対向し、かつ基板Wの片側の縁から反対側の縁までを、必要な余裕をもってノズル121により塗布可能な長さを有して基板Wの主面上を横断走査しており、そのために基板Wの両側の縁よりも外側まで延在する。複数の経路qのそれぞれの基板Wの上面S1上への各正射影の延在方向(走査方向)Jは、移動経路Q1の全体の延在方向を表すものとする。
移動経路Q1が含む互いに平行な複数の経路qは、隣り合う経路qの一端同士を接続する経路cと、他端同士を接続する経路dとによって、延在方向Jに垂直な方向に沿って交互に接続されている。すなわち、移動経路Q1は、互いに平行な複数の経路qのうち互いに隣り合う経路の一端同士若しくは他端同士が接続された一本の直列のジグザグ経路を形成している。ここで、経路qに沿う移動はノズル121による処理液の塗布に寄与する主走査である。経路cと経路dに沿う各移動は副走査であるが、これらは基板Wの周縁の外であって処理液の基板Wへの塗布に寄与しない移動である。従って、本明細書においては主走査の方向のみを走査方向と考え、副走査の方向はここでは走査方向に含めない。この例では、経路qが奇数であって、中央の経路qはチャック21上に保持された基板Wの上面S1の中心c1上を通るように設定している。移動経路Q1の両端には、図3に示すように始端sと終端eが定義される。制御部161は、ノズル移動機構6に、ノズル121を移動経路Q1に沿って始端sから終端eまでジグザグに移動させることになる。図4に示される経路qのうち、円の内部にばつ印が附されたものは、ノズル121が、紙面に垂直な方向に沿って、奥側に移動される経路であり、円の内部に点が附されたものは、ノズル121が、紙面に垂直な方向に沿って、手前側に移動される経路である。
図5は、図3の移動経路Q1に対して基準線Kを定義し、移動経路Q1をその基準線Kを用いて概略を簡便に表示する模式図である。基準線Kは、移動経路Q1の延在方向Jに垂直で、基板Wの中心c1を通る直線(線分)である。移動経路Q1は、始端sを含む経路qの始端sから基準線Kの一端までの線分と、基準線Kと、基準線Kの他端から終端eを含む経路qの終端eまでの線分とを含む折れ線によって概略表示されている。
図6は、上述した移動経路Q1の隣り合う4mm間隔の2つの経路qに沿って移動されるノズル121が基板Wの上面S1に噴射した処理液51の液膜を示す模式図である。2つの経路qに沿って主走査方向に移動するノズル121から噴流61として噴射される処理液51は、上面S1においてそれぞれ幅6mmの中央が高くなった互いに略等しい断面形状を有する液膜M1、M2を形成するように噴射される。液膜M1は、先に形成され、液膜M2は、後に形成される。このため、実際には、液膜M1の上に液膜M2が重なるため、液膜M3が上面S1に形成される。液膜M1〜M3は、それぞれ延在方向Jに沿って上面視帯状の形状に形成される。これらの立体形状は、延在方向Jに長い畝状の形状である。図6だけを見ると、形成される液膜M3は、帯の幅方向の中央部の液膜が最も厚く、中央部から当該幅方向の周縁部に向かうほど膜厚が薄くなるが、実際には液膜M1、M2の両側にも他の液膜が形成されるため、膜厚としてはほぼ均一なものとなる。ただし、このようにして液膜が形成される経緯から、この移動経路Q1による処理だけでは、各液膜M1〜M3形成の痕跡が膜の筋状のムラとなって残ることが考えられる。そこで本基板処理装置では、このような移動経路として、それぞれの移動経路の走査方向が互いに異なる方向になるように定められた3つ以上の移動経路を設定する。そして、その3つ以上の移動経路について、ノズル121を走査させつつ、ノズル121から処理液の液滴を噴射する動作を順次実行する。これにより、上述の筋状のムラを防止または軽減できる。
図9のフローチャートの説明に戻る。以上のようにステップS4にて、第1の移動経路Q1が設定されると、制御部161はn=Nか否かを判断して、設定すべきすべての移動経路が設定されたか否かを判断する(ステップS5)。n=Nでなければ、nに1を加えてn=2として(ステップS6)、ステップS4に戻る。2回目のステップS4においては、制御部161は、第2回目の移動経路Q2を算出し設定する。この移動経路Q2は、以下のように設定される。すなわち、移動経路Q2は、移動経路Q1を、基板の中心c1に対して、ステップS2で算出した隣接経路交差角度θだけ反時計まわりに回転させたものとなる。上述のとおり、ここではθ=60°である。同様にステップS4を3回目に実行する際においては、制御部161は、第3回目の移動経路Q3を算出し設定する。この移動経路Q3は、移動経路Q2を、基板の中心c1に対して、ステップS2で算出した隣接経路交差角度θ=60°だけ反時計まわりに回転させたものとなる。
図10は、上述した3つの移動経路Q1〜Q3を示す上面模式図である。なお、各移動経路Q1〜Q3の経路qは上述のとおりそれぞれ41本設定されるが、図10でも図3と同様に、図示をさらに簡単化するために経路qを奇数の5本のみ描いてある。
各移動経路Q1〜Q3は、それぞれを構成する経路qの延在方向J1〜J3が基板Wの上面S1に対して相対的に互いに異なる角度となるように設定される。具体的には上述のとおり、第2回目の移動経路Q2は第1回目の移動経路Q1に対して、基板の中心c1に対して、上方からみて隣接経路交差角度θ=60°だけ反時計まわりに回転させたものとなるように算出し設定される。同様に第3回目の移動経路Q3は、移動経路Q2を、基板の中心c1に対して、ステップS2で算出した隣接経路交差角度θ=60°だけ反時計まわりに回転させたものとなる。移動経路Q3が設定された後、ステップS5ではYと判断されて、塗布のための経路設定は終了となる。ここで、これらのステップS4〜S6が移動経路設定部に相当する。次にステップS7に進む。
ステップS7から塗布処理が行われる。ステップS7ではn=1とされて、ステップS8へ進む。ステップS8では、基板Wの上方から外れた側方の待機位置にあるノズル121に対してバルブ171、174が所定流量となるように開かれて処理液51とガス54が供給され、処理液の液滴の噴出が開始される。
処理液の噴出が開始された後、ノズル移動機構6が駆動されて、ノズル121が第1回目の経路の一端へ移動する(ステップS9)。そして、第1回目の移動経路Q1に沿ってノズル121が移動駆動され、基板Wの上面1に対する塗布処理が行われる(ステップS10)。第1回目の移動経路Q1によるノズル移動が終了するとステップS11に進み、すべての移動経路による塗布が終了したか否かを判断する。n=1の場合にはステップS12に進み、nに1を加えてステップS9に戻り、第2回目の移動経路Q2による塗布処理が行われ、以下同様に第3回目の移動経路Q3による塗布処理まで行われる。第3回目の移動経路Q3による塗布処理が終了すると、ステップS11でYと判断され、ステップS13に進み、液滴の噴射を終了する。そして、ノズル121が待機位置に戻り(ステップS14)、その基板Wの処理が終了する。
<移動経路から次の移動経路への移動>
図12は、ステップS9で実行される、移動経路Q1〜Q3における移動経路の始点への移動順の一例を説明するための図である。各移動経路Q1〜Q3の始点s1、s2、s3の各座標は、ステップS4で算出してあるので、各点の座標へノズル121を移動させる際には、制御部161は、その各点の座標へノズル121を移動させるようにノズル移動機構6に動作を指示する。
図12では、3つの移動経路Q1〜Q3の各移動経路について、図5にて説明した各移動経路の基準線K1〜K3で表す。図12の移動経路Q1〜Q3は、図3〜図5の場合と同様に、各移動経路に含まれる経路qの本数が奇数である。この場合、3つの移動経路Q1〜Q3のうち最初の移動経路Q1に注目すると、その終端e1に到達した時のノズル121の移動方向(すなわち移動経路Q1の最後の経路qにおける移動方向)は、中心c1からみて反時計方向(矢印AR1方向)であり、基板Wの円周に沿ってその反時計方向に進んだ先に、次なる移動経路Q2の始端s2がある。このように経路qの本数が奇数である場合、ノズル121が終端e1に到達した場合、ノズル121は移動経路Q1の終端e1に至った移動方向と同方向に先に進むことで、次の移動経路Q2の始点s2に短距離の移動で到達する。移動経路Q2からQ3への移動も同様である。
両隣の移動経路(移動経路Q2、Q3)のそれぞれの両端からなる四端(始端s2、s3と、終端e2、e3)のうち移動経路Q1の終端(終端e1)から最も近い一端(図12では、始端s2であり、「次端」とも称する)が、移動経路Q1の次にノズル121が移動される移動経路Q2の始端sである。
制御部161は、ノズル移動機構6に、移動経路Q1の終端e1側から、次端(図12の移動経路Q2の始端s2)側に向かう方向における3つの移動経路Q1〜Q3のそれぞれの基準線(基準線K1〜K3)の並び順に従って、3つの移動経路Q1〜Q3のそれぞれに沿ったノズル121の移動を行わせる。
ステップS9を最初に実行する際には、制御部161は、ノズル121が、移動経路Q1のいずれか任意の一方の端部を始点s1とみなしてそこに移動し、そこを始点として移動を開始するよう制御する。そして移動経路Q1の反対の端部e1に到達し、ステップS10〜S12を経て再びステップS9を実行する際には、その端部e1に至る経路qと基板の円周方向で同方向(矢印AR1参照)にノズル移動機構6を移動させる。そして、次の移動経路Q2の一方の端部に至ると、そこを移動経路Q2の始点s2とする。このように、経路が奇数の場合、2番目以降の移動経路に移動するのは、その前回の最後の経路qと基板の円周方向で同方向(矢印AR1参照)にノズル121を移動させるように制御する。こうすることで、反対方向にノズル121を移動させるよりも移動距離が少なくて済む。
<走査方向が異なる3つ以上の移動経路の特徴>
図6により説明したように、一つの移動経路によって、一つの主走査方向のみで塗布した場合には、各液膜M1〜M3形成の痕跡が膜の筋状のムラとなって残ることが考えられる。そこで本発明では、それぞれの移動経路の走査方向が互いに異なる方向になるように定められた3つ以上の移動経路を設定する。そして、その3つ以上の移動経路について、ノズル121を走査させつつ、ノズル121から処理液の液滴を噴射する動作を順次実行する。これにより、その移動経路の数だけ異なる方向のムラがある液膜が重ねあわされることになる。従って、全体の液膜としては、一つの走査方向のみで塗布した場合と比べて比較的均一な液膜を得ることができ、筋状のムラを防止あるいは軽減することができる。
<第1の実施形態の移動経路の変形例1>
上述した実施形態では、経路qが奇数であって、中央の経路qはチャック21上に保持された基板Wの上面S1の中心c1上を通るように設定し、かつ移動経路Q2は移動経路Q1を、基板の中心c1に対して上方からみて隣接経路交差角度θ=60°だけ反時計まわりに回転させたものとし、移動経路Q3も同様に移動経路Q2を回転させたものとしている。従って、第1回目の移動経路Q1〜第3回目の移動経路Q3のすべてが基板の中心c1を通ることになり、図10で示すように、ノズル121が基板の同じ部位を三回通過するところが生じる。この場合、ノズル121の通過回数が多い部位の液膜が厚くなり、この部分がむらとなる恐れがある。その場合には、移動経路のそれぞれの基板Wの主面上への各正射影のうち基板Wの主面の任意の一点を通過する正射影の個数が2個以下とするように移動経路を設定することが好ましい。例えば図11に示すように、移動経路Q1が基板の中心c1上を通過する場合には、上述と同様に基板の中心c1に対して上方からみて隣接経路交差角度θ=60°だけ反時計まわりに回転させて移動経路Q2,Q3を算出した後、それらが基板の中心c1上を通過しないように基板Wの表面に沿って移動経路Q2,Q3の一方または両方を水平方向に平行移動して設定すればよい。あるいは、一回目の移動経路Q1が基板の中心c1上を通過しないように設定して、移動経路のそれぞれの基板Wの主面上への各正射影のうち基板Wの主面の任意の一点を通過する正射影の個数が2個以下とするように設定してもよい。これにより、均一性がより向上した液膜を得ることができる。
<第1の実施形態の移動経路の変形例2>
図7は、ノズル移動機構6がノズル121を移動可能な他の移動経路Q1を示す上面模式図である。図8は、図7の移動経路Q1をその基準線Kを用いて概略表示する模式図である。図7の移動経路Q1の延在方向Jおよび図8の基準線Kは、図3の移動経路Q1の延在方向J、図5の基準線Kと同様に設定されている。
図7の移動経路Q1は、図3の移動経路Q1と同じくジグザグ経路であるが、図3の経路qは、奇数本(9本)である一方、図7の経路qは、偶数本(8本)である。このため、図3の移動経路Q1では、始端sと終端eとが、基準線Kを挟むように位置するが、図7の移動経路Q1では、図8に示すように始端sと終端eとが基準線Kに対して同じ側に位置する。図13はこの場合においてステップS9で実行される、移動経路Q1〜Q3における移動経路の始点への移動順の一例を説明するための図である。各移動経路Q1〜Q3の始点s1、s2、s3の各座標は、ステップS4で算出してあるので、各点の座標へノズル121を移動させる際には、制御部161はノズル移動機構6はその各点の座標へノズル121を移動させるように動作を指示する。
図13では、3つの移動経路Q1〜Q3の各移動経路について、図5にて説明した各移動経路の基準線K1〜K3で表す。図13の移動経路Q1〜Q3は、図3〜図5の場合と異なり、各移動経路に含まれる経路qの本数が偶数である。この場合、3つの移動経路Q1〜Q3のうち最初の移動経路Q1に注目すると、その終端e1に到達した時のノズル121の移動方向(すなわち移動経路Q1の最後の経路qにおける移動方向)は、中心c1からみて時計方向(矢印AR2方向)であり、基板Wの円周に沿ってその時計方向に進んだ先に、次なる移動経路Q2の始端s2がある。このように経路qの本数が偶数である場合も、ノズル121が終端e1に到達した場合、ノズル121は移動経路Q1の終端e1に至った移動方向と同方向に先に進むことで、次の移動経路Q2の始点s2に短距離の移動で到達する。移動経路Q2からQ3への移動も同様である。
両隣の移動経路(移動経路Q2、Q3)のそれぞれの両端からなる四端(始端s2、s3と、終端e2、e3)のうち移動経路Q1の終端(終端e1)から最も近い一端(図13では、始端s2であり、「次端」とも称する)が、移動経路Q1の次にノズル121が移動される移動経路Q2の始端sである。
制御部161は、ノズル移動機構6に、移動経路Q1の終端e1側から、次端(図13の移動経路Q2の始端s2)側に向かう方向における3つの移動経路Q1〜Q3のそれぞれの基準線(基準線K1〜K3)の並び順に従って、3つの移動経路Q1〜Q3のそれぞれに沿ったノズル121の移動を行わせる。
ステップS9を最初に実行する際には、制御部161は、ノズル121が、移動経路Q1のいずれか任意の一方の端部を始点s1とみなしてそこに移動し、そこを始点として移動を開始するよう制御する。そして移動経路Q1の反対の端部e1に到達し、ステップS10〜S12を経て再びステップS9を実行する際には、その端部e1に至る経路qと基板の円周方向で同方向(矢印AR2参照)にノズル移動機構6を移動させる。そして、次の移動経路Q2の一方の端部に至ると、そこを移動経路Q2の始点s2とする。このように、経路が偶数の場合も、2番目以降の移動経路に移動するのは、その前回の最後の経路qと基板の円周方向で同方向(矢印AR2参照)にノズル121を移動させるように制御する。こうすることで、図13の移動経路の例においては、反対方向にノズル121を移動させるよりも移動距離が少なくて済む。その他の動作や特徴は、前述と同様である。
なお、基準線K1、K2、K3の各他端から終端e1、e2、e3までの各長さと、基準線K1、K2、K3の一端から始端s1、s2、s3までの各長さが図13の例よりも長く設定されることによって、基準線K1の他端と終端e1とを結ぶ線と、基準線K2の一端と始端s2とを結ぶ線とが互いに交差する場合がある。この場合には、終端e1から始端s2に向かう方向は、図13の例とは逆に、基板の円周方向に沿って反時計方向(矢印AR2とは逆の方向)となる。この場合においても、始端s2は、移動経路Q1の両隣の移動経路Q2、Q3のそれぞれの両端からなる四端(始端s2、s3と、終端e2、e3)のうち移動経路Q1の終端e1から最も近い一端である。従って、ノズル移動機構6は、ノズル121を終端e1から始端s2に移動させ、始端s2から次の移動経路Q2に沿ってノズル121を移動させる。この場合にも、移動経路の終端から次の移動経路の始端(次端)までのノズル121の移動距離を短くできるので、本発明の有用性を損なうものではない。
<2.第2の実施形態に係る基板処理装置>
上述した第1の実施形態では、液処理部5が1つのノズル121を備えているものであったが、本発明においては複数のノズルを備えてもよい。図14は、第2の実施形態の基板処理装置を示し、特に、複数のノズル121を備えるノズル列121Lと、それに対応した移動経路Qhを例示する上面模式図である。ノズル列121Lは、複数のノズル121を一直線上に等間隔に並べて構成される。ノズル列121Lの長さは基板Wの直径を余裕をもってカバーする長さを有する。ノズル121は経路qと同数だけ設けられ、その個数は、基板Wの直径と、予め設定された経路qのピッチにより決まり、基板Wの直径より余裕をみて設定される。基板Wを水平姿勢に保持するチャック21Rは、基板Wをその中心c1の周りの水平面内で任意の角度に旋回制御可能な回転機構(図示せず)を備えている。ノズル列121Lはそのノズル121の配列方向(以下、副走査方向)が、チャック21Rに保持された基板Wと平行な平面内であってかつチャック21Rの側方の位置で、チャック21Rの回転中心c1を平面視で通過する直径方向に対して垂直な向きに配置される。ノズル移動機構(図示せず)は、ノズル列121Lを保持するとともに、ノズル列121Lをその副走査方向と直交する水平方向(以下、主走査方向)Jに移動させることができる。
かかる第2の実施形態の基板処理装置に対応した第1の移動経路Qhは、主走査方向Jに延びる複数本の経路qによって構成されている。複数の経路qは、ノズル列121Lを構成する各ノズル121に個別に対応しており、互いに平行であり、上面S1の互いに異なる部分にそれぞれ対向している。また第2の実施形態の場合、第2、第3の移動経路は第1の実施形態と同様に、上述の第1の移動経路Qhを基板の中心c1に対して60°および120°だけ回転させたものとして設定される。
<第2の実施形態の基板処理装置の動作>
第2の実施形態においても、基本的な動作は上述した図9のフローに準じるが、第2の実施形態において塗布処理(ステップS7〜S12)の動作として、以下の動作を行う。すなわち、まず処理液の液滴を噴射しながらノズル列121Lを主走査方向に片道だけ移動させる。これで第1の移動経路Qhの移動と処理が終了する。次にチャック21Rを60°だけ時計方向に回転させる。そしてノズル列121Lを主走査方向に片道だけ移動させる。これで、相対的に、第1の移動経路Qhを反時計方向に60°回転した第2の移動経路による移動と処理が終了したことになる。次に同様にチャック21Rをさらに60°だけ時計方向に回転させ、第3の移動経路による移動と処理を行う。これで基板Wに対する3つの移動経路による処理が完了したことになる。
<その他の変形例>
上述した実施形態では、3つの移動経路をすべて算出した後に、その3つの移動経路によるノズル移動処理をまとめて順に行ったが、例えば第1の移動経路算出の次に第1の移動経路によるノズル移動処理を行い、続いて第2の移動経路算出、第2の移動経路によるノズル移動処理、のように、一つの移動経路算出とその移動経路によるノズル移動処理を組みにして処理を行ってもよい。この場合、図9のフローチャートにおいては、ステップS5,S6,S7を省略してS4からS8に進み、ステップS12からS4に戻る流れにすればよい。またこの場合はさらに、第1の移動経路によるノズル移動処理中に、制御部が次の第2の移動経路を算出する処理を同時に行うように構成し、総処理時間を短縮することもできる。
また上述した実施形態では、移動経路の数Nが3であり移動経路どうしがなす角度θが60°の場合であったが、これに限らず、Nが4以上であってもよく、移動経路数が多いほど塗布される液膜の厚みの均一性において有利である。また上述した実施形態では、ノズル121が移動して基板Wに対して塗布処理を行ったが、基板Wをノズル121に対して移動させる構成であってもよい。
以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置100Aによれば、ノズル移動機構6は、ノズル121を、3以上の移動経路(図10の移動経路Q1〜Q3)のそれぞれに沿って順次に基板Wの上面S1に対して相対的に移動させる。基板Wの上面S1上では、各移動経路に沿って帯状に噴射された処理液51が、重ね合わされる。3つ以上の移動経路のそれぞれの延在方向(延在方向J1〜J3)は互い異なっている。このため、基板Wの上面S1上で互いに異なる移動経路のそれぞれに沿って噴射された処理液51の液膜同士が交差する角度を小さくすることができる。これにより、基板Wの上面S1の各部において重ね合わされた処理液51の膜厚のばらつきを抑制できる。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置100Aによれば、基板Wの中心から3つ以上の移動経路のそれぞれの延在方向に伸びる複数の直線のうち基板Wの周方向において互いに隣り合う全ての直線同士のなす各角度が90度よりも小さい。これにより、隣り合う移動経路に沿って噴射される処理液の帯状の液膜同士が90度より小さい角度で交差するので、基板Wの上面S1の各部における処理液の膜厚のばらつきを抑制できる。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置100Aによれば、基板Wの中心から3つ以上の移動経路(移動経路Q1〜Q3)のそれぞれの延在方向(延在方向J1〜J3)に伸びる複数の直線(直線JL1〜JL3)のうち基板Wの周方向において互いに隣り合う全ての直線同士のなす各角度(θ1〜θ3)が互いに等しい。これにより、隣り合う移動経路に沿って噴射される処理液51の帯状の液膜同士が交差する角度を小さくできるので、基板Wの上面S1の各部における処理液51の膜厚のばらつきを抑制できる。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置100Aによれば、3つ以上の移動経路のそれぞれの基板Wの上面S1上への各正射影うち基板Wの上面S1の任意の一点を通過する正射影の個数が2個以下である。これにより、3つ以上の移動経路(移動経路Q1〜Q3)に沿って噴射された各処理液の液膜のうち幅方向の各中央部分が、基板Wの上面S1上の一箇所で重なり合うことを抑制できる。従って、基板Wの上面S1の各部において、重ね合わされた処理液51の膜厚のばらつきを抑制することができる。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置100Aによれば、ノズル移動機構6は、基板Wの一の周方向における3つ以上の移動経路(移動経路Q1〜Q3)のそれぞれの基準線(基準線K1〜K3)の並び順に従って、3つ以上の移動経路のそれぞれに沿ったノズル121の移動を行う。これにより、1つの移動経路の終端から、次の移動経路におけるノズル121の移動を開始する始端までのノズル121の移動距離を短くできる。従って、基板Wに処理液を付与するための所要時間を短縮できる。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置100Aによれば、ノズル移動機構6は、ノズル121を、3つ以上の移動経路(移動経路Q1〜Q3)のそれぞれに沿ってジグザグに移動させる。これにより、基板処理装置100Aは、異なる移動経路に沿って処理液を噴射し、噴射された処理液の液膜同士を小さい角度で交差するように重ね合わせることができる。従って、基板Wの上面S1の各部における処理液の膜厚のばらつきを抑制できる。
また、以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置100Aによれば、ノズル移動機構6は、基板Wの一の周方向における3つ以上の移動経路のそれぞれの基準線(基準線K1〜K3)の並び順に従って、3つ以上の移動経路のそれぞれに沿ったノズル121の移動を行わせる。当該基板Wの一の周方向は、基板Wの周方向に沿って着目移動経路の終端側から、両隣の移動経路のそれぞれの両端からなる四端のうち当該終端から最も近い端(次端)側に向かう方向である。従って、着目移動経路の次に、ノズル121を移動させる経路は、当該次端を有する移動経路となる。当該次の移動経路に沿ったノズル121の移動を、当該次端から開始させることによって、着目移動経路の終端から次の移動経路の始端(次端)までのノズル121の移動距離を短くできる。これにより、基板Wに処理液を付与するための所要時間を短縮できる。
本発明は詳細に示され記述されたが、上記の記述は全ての態様において例示であって限定的ではない。したがって、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
100A 基板処理装置
121 ノズル
161 制御部
171,174 バルブ
5 液処理部
6 ノズル移動機構(移動機構)
W 基板
21,21R チャック
c1 中心
24 ケーシング
Q1〜Q3 移動経路
J,J1〜J3 延在方向
K,K1〜K3 基準線

Claims (7)

  1. 処理液により基板を処理する基板処理装置であって、
    基板を保持するチャックと、
    前記チャックに保持された基板の主面を含む平面に対向し、処理液の液滴を前記平面に向けて噴射するノズルを有する液処理部と、
    前記ノズルを前記基板の主面に沿って前記基板に対して相対的に移動可能な移動機構と、
    前記ノズルが前記基板の主面に沿って前記基板の主面を相対的に走査する移動経路であって、それぞれの移動経路の走査方向が互いに異なる方向になるように定められた3つ以上の移動経路を設定する移動経路設定部と、
    前記移動機構及び前記液処理部を制御して、前記ノズルを前記基板の主面に対して相対的に走査させつつ、前記ノズルから前記基板の主面に対して処理液の液滴を噴射する動作を、前記移動経路設定部によって設定された3つ以上の移動経路について順次実行させる制御部と、
    を備え
    前記3つ以上の移動経路のそれぞれの前記基板の主面上への各正射影のうち前記基板の主面の任意の一点を通過する正射影の個数が2個以下である、基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記3つ以上の移動経路のそれぞれの走査方向は、前記基板の周方向において互いに隣り合う移動経路の走査方向同士のなす各角度が90度よりも小さい、基板処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記3つ以上の移動経路のそれぞれの走査方向は、前記基板の周方向において互いに隣り合う移動経路の走査方向同士のなす各角度が互いに等しい、基板処理装置。
  4. 請求項1から請求項の何れか1つの請求項に記載の基板処理装置であって、
    前記3つ以上の移動経路の各移動経路について、前記各移動経路の延在方向に垂直で、前記基板の中心を通る直線によって各移動経路の基準線を定義したとき、
    前記制御部は、
    前記移動機構に、前記基板の一の周方向における前記3つ以上の移動経路のそれぞれの前記基準線の並び順に従って、前記3つ以上の移動経路のそれぞれに沿った前記ノズルの移動を行わせる、基板処理装置。
  5. 請求項1から請求項の何れか1つの請求項に記載の基板処理装置であって、
    前記移動経路は、前記走査方向に平行な複数の経路を直列に接続してなるジグザグ形状である、基板処理装置。
  6. 請求項に記載の基板処理装置であって、
    前記3つ以上の移動経路の各移動経路について、前記各移動経路の延在方向に垂直で、前記基板の中心を通る直線によって各移動経路の基準線を定義したとき、
    前記制御部は、
    前記移動機構に、前記基板の一の周方向における前記3つ以上の移動経路のそれぞれの前記基準線の並び順に従って、前記3つ以上の移動経路のそれぞれに沿った前記ノズルの移動を行わせ、
    前記3つ以上の移動経路のうち前記ノズルが最初に移動される着目移動経路の前記基準線によって着目基準線を定義し、
    前記着目移動経路の両端のうち前記着目移動経路に沿った前記ノズルの移動が完了する一端によって前記着目移動経路の終端を定義し、
    前記3つ以上の移動経路のうち前記基準線が前記着目基準線の両隣に位置する2つの移動経路によって前記着目移動経路の両隣の移動経路を定義し、
    前記両隣の移動経路のそれぞれの両端からなる四端のうち前記着目移動経路の前記終端から最も近い一端によって次端を定義したとき、
    前記基板の前記一の周方向は、前記基板の周方向に沿って前記終端側から前記次端側に向かう方向である、基板処理装置。
  7. 処理液により基板を処理する基板処理方法であって、
    チャックに保持された基板の主面を含む平面に対向するノズルから処理液の液滴を前記平面に向けて噴射するステップと、
    前記処理液を噴射している前記ノズルを3つ以上の移動経路のそれぞれに沿って順次に移動させるステップと、
    を備え、
    前記3つ以上の移動経路のそれぞれは、前記基板の主面のうち互いに異なる部分にそれぞれ対向して互いに平行な複数の経路を含む移動経路であり、
    前記3つ以上の移動経路の各移動経路について、前記互いに平行な複数の経路のそれぞれの前記基板の主面上への各正射影の延在方向によって前記各移動経路の延在方向を定義したとき、
    前記3つ以上の移動経路のそれぞれの延在方向は、互いに異なっており、
    前記3つ以上の移動経路のそれぞれの前記基板の主面上への各正射影のうち前記基板の主面の任意の一点を通過する正射影の個数が2個以下である、基板処理方法。
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