JP6648758B2 - 薄膜電子デバイスの製造方法 - Google Patents

薄膜電子デバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6648758B2
JP6648758B2 JP2017516583A JP2017516583A JP6648758B2 JP 6648758 B2 JP6648758 B2 JP 6648758B2 JP 2017516583 A JP2017516583 A JP 2017516583A JP 2017516583 A JP2017516583 A JP 2017516583A JP 6648758 B2 JP6648758 B2 JP 6648758B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
mask
film
organic
electronic device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017516583A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016178370A1 (ja
Inventor
近藤 慶和
慶和 近藤
伸明 高橋
伸明 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Publication of JPWO2016178370A1 publication Critical patent/JPWO2016178370A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6648758B2 publication Critical patent/JP6648758B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/02Pretreatment of the material to be coated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/04Coating on selected surface areas, e.g. using masks
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09FDISPLAYING; ADVERTISING; SIGNS; LABELS OR NAME-PLATES; SEALS
    • G09F9/00Indicating arrangements for variable information in which the information is built-up on a support by selection or combination of individual elements
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/02Details
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/10Apparatus or processes specially adapted to the manufacture of electroluminescent light sources

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

本発明は、薄膜電子デバイスの製造方法に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と記載する。)、有機薄膜太陽電池、液晶ディスプレイ素子等の種々の薄膜電子デバイスが開発されている。これらの薄膜電子デバイスは、薄板状とすることによって、携帯時や設置する際に取り扱いが容易となり、省スペース化され、輸送時や保管時の取り扱いもし易くなる。基板上に薄膜電子デバイスを形成するためには、基板上に機能膜のパターン(形状、寸法)を形成することが必要となる。ここで、機能膜とは、薄膜電子デバイスにおける主要な構成要素であり、パターン状に形成されることによって薄膜電子デバイスとしての各種機能を発現するものである。
こうした薄膜電子デバイスの基板として、重くて割れやすいガラス基板に代わり、薄くて軽く柔軟性に富んだ樹脂基板を用いることが検討されている。樹脂基板は、長尺基板とすることが容易であり、ロールツーロール(Roll to Roll)方式で連続的に生産することが可能であることから、ガラス基板を用いる場合よりも生産性に優れ、コストダウンの点でも有利である。
しかし、樹脂基板は一般に、ガラス基板に比べて静電気が発生し易い。基板上に静電気が発生すると、薄膜電子デバイスが損傷したり、基板にゴミが付着したり、基板が装置に貼り付いて搬送不良となったりして、いずれの場合であっても薄膜電子デバイスの製造上大きな問題となる。こうした事情から、樹脂基板の静電気問題の解決のために、樹脂基板に帯電防止機能を付与させたり、薄膜電子デバイスの製造工程において種々の除電対策を講じることが検討されている。
例えば、特許文献1には、蒸着マスクと被成膜物との凝着および静電気の発生を防止するために、被成膜物との密着面に0.1〜0.5μmの大きさの凹凸が形成された蒸着マスクが開示されている。特許文献2には、電子回路を備えた基板の電子回路を形成した面(成膜面)とは反対側の面(裏面)の一部に導電膜を備え、接地された基板支持部を導電膜に接触させながら移動させる除電移動工程が開示されている。
特開2003−213401号公報 特開2006−278213号公報
しかしながら、特許文献1に記載の凹凸が形成された蒸着マスクでは、マスクの剥離時の剥離帯電を減少させることが可能であるが、マスクを繰り返し使用して、長尺の合成樹脂基板上に複数の薄膜電子デバイスを連続して製造する場合には、基板の静電気防止手段として十分なものではなかった。また、特許文献2に記載の除電移動工程では、特許文献1の場合と同様に、長尺の合成樹脂基板上に複数の薄膜電子デバイスを連続して製造する場合には、基板搬送時に基板の裏面から除電するだけでは、基板の静電気防止手段として十分なものではなかった。特に、真空下で成膜する際に、剥離帯電によって発生した静電気を放電させて無害化させることは困難であった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、長尺の樹脂基板上にマスクを用いて複数の薄膜電子デバイスを連続して製造する際に、樹脂基材とマスクの剥離帯電による静電気の発生を抑制して製造することが可能な薄膜電子デバイスの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題の解決策について検討を重ねた。マスクを樹脂基板に密着させ、その後剥離する際に、相当量の静電気が発生する。そこで、基板上のマスクを密着させる面側であって、薄膜電子デバイスが形成されない領域を、静電気防止のために有効に活用することを検討した。基板上の薄膜電子デバイスが形成される領域以外の周辺部等に導電膜を形成することによって、基板の成膜面側の多くの表面が樹脂以外の放電し得る導電性材料で覆われることとなる。その結果、静電気の発生を持続的に抑制することが可能となることを見出した。
本発明は、上記の知見を踏まえて、完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、以下のような構成を有している。
1.長尺の樹脂基板の一方の面上に、真空下でパターン形成用のマスクの脱着を繰り返すことによってパターン状の機能膜を成膜して、前記樹脂基板の長さ方向に複数の薄膜電子デバイスを連続して製造する薄膜電子デバイスの製造方法であって、前記機能膜の成膜前または成膜と同時に、前記一方の面上の前記薄膜電子デバイスが形成されない領域に、導電膜を形成することを特徴とする薄膜電子デバイスの製造方法。
2.前記マスクの前記樹脂基板との接触部分が粗面化処理されていることを特徴とする前記1に記載の薄膜電子デバイスの製造方法。
3.前記導電膜が前記マスクと接触する部分に形成され、前記マスクは、金属製であって、接地されていることを特徴とする前記1または前記2に記載の薄膜電子デバイスの製造方法。
4.前記導電膜が、前記樹脂基板の長さ方向に連続して形成されている連続導電膜を含み、前記樹脂基板の搬送時に、当該連続導電膜と接触することができ、かつ接地されている金属製搬送ローラを使用することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の薄膜電子デバイスの製造方法。
本発明の薄膜電子デバイスの製造方法によると、長尺の樹脂基板上にマスクを用いて複数の薄膜電子デバイスを連続して製造する際に、静電気の発生を抑制して製造することができる。
有機EL素子製造装置の模式的断面図である。 第1マスク移動工程におけるマスクと基板保持プレートの動作を示す模式的断面図である。図2(a)は、マスクと基板保持プレートが移動する前のマスクと基板保持プレートと基板との位置関係を示す。図2(b)は、基板保持プレートが基板と接触する位置まで下降したときの位置関係を示す。図2(c)は、マスクが上昇し、マスクの位置調整がなされるときの位置関係を示す。図2(d)は、マスクが基板に接触する位置まで上昇したときの位置関係を示す。 マスクの構成を示す模式的斜視図である。 機能膜形成工程前後の基板の流れを示す模式的平面図である。 マスクの構成の変形例を示す模式的平面図である。図5(a)〜図5(d)は、マスクの形状、位置、導電膜の形状、位置の関係に係る変形例である。 金属製搬送ローラの使用状況を示す模式的平面図である。 粗面化処理されたマスクと基板と導電膜の状況を示す模式的断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明するが、本発明は、以下に説明する実施形態に何ら制限されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で実施形態を任意に変更して実施することが可能である。
[薄膜電子デバイス]
本実施形態において、薄膜電子デバイスとは、有機EL素子、有機薄膜太陽電池(有機光電変換素子)、液晶ディスプレイ素子、タッチパネル、電子ペーパ等の基本的に薄板状の電子デバイスである。
本実施形態において、機能膜とは、薄膜電子デバイスにおける主要な構成要素であり、パターン状に形成されることによって、薄膜電子デバイスとしての各種機能を発現するものである。その材質から、有機層、無機層および金属層に分類される。
有機層の機能膜は、基本的に有機物から形成されている層である。例えば、有機EL素子であれば、有機発光層、電子輸送層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子阻止層、電子注入層、正孔注入層等の層が相当する。有機薄膜太陽電池であれば、バルクヘテロジャンクション層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子注入層、正孔注入層等の層が相当する。
無機層の機能膜は、基本的に無機物から形成されている層である。例えば、封止層、保護層、ガスバリヤ層等として機能する無機化合物からなる層がある。
金属層の機能膜は、基本的に金属から形成されている層である。例えば、電極層や導電層として機能する金属、合金、金属酸化物などからなる層がある。
本実施形態において、樹脂基板は合成樹脂から構成される。樹脂基板は透明であっても不透明であってもよい。合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が好ましい。
本実施形態において、樹脂基板の形態は帯状で長尺である。長尺の樹脂基板は通常、ロール状に巻かれている。長尺の樹脂基板を用いて、ロールツーロール方式の製造方法を採用すると、樹脂基板の長さ方向に複数の薄膜電子デバイスを連続して製造することが可能であり、生産性を高め、材料利用効率を高めることができる。また、製造装置の長さをコンパクトにすることができる。
以下では、代表的な薄膜電子デバイスである有機EL素子を例に挙げて説明するが、他の薄膜電子デバイスに対しても同様に適宜適用し得るものである。また、樹脂基板は、単に「基板」と記載することがある。
[静電気対策]
長尺の基板上に複数の有機EL素子を連続して製造していく際に、パターン状の機能膜を形成するために、パターン形成用のマスクが使用される。マスクは、気相法で機能膜を形成する際に、基板に接触させて、機能性の材料を用いて所定のパターンを形成するために使用される。長尺の基板上に多数の有機EL素子を形成するときには、特定の機能膜の形成に用いられるマスクは、基板の移動・停止を行いつつ、繰り返し使用される。このため、マスクと基板とは、接触と剥離の脱着が繰り返されることとなり、基板上に静電気が蓄積されていく。とりわけ、気相法による成膜は、通常、真空下で行われるため、静電気が発生し易く、また、放電しにくい環境下にある。基板上に静電気が蓄積されていると、有機EL素子に損傷を与えたり、基板にゴミが付着したり、基板が装置に貼り付いて搬送不良となったりして、有機EL素子の安定的な連続生産が困難となる。
また、有機EL素子は、多層構造を有しており、複数種類のマスクを使用して機能膜を形成するため、連続して多数の有機EL素子を製造していくためには、個々のマスクによるパターン形成の精度を高めることが強く求められる。そのため、静電気の発生を抑制することは、有機EL素子を高収率で工業的に量産する上で重要である。
静電気の発生を抑制する手段が、基板の有機EL素子が形成される面(成膜面)上であって、有機EL素子が形成されない領域に、導電膜を形成する方法である。基板の成膜面上の有機EL素子が形成されない領域は、従来、有機EL素子の周辺部にあって、有機EL素子を支持する基板部分として認識されてきた。しかし、静電気の発生という観点からみると、マスクとの接触面積を増大させるものであり、静電気の発生を増大させる要因のひとつとなっていた。そのため、基板上の有機EL素子が形成されない領域に、導電膜を形成する方法は、静電気の発生量の低減に有効である。
基板の成膜面上の有機EL素子が形成されない領域に、導電膜を形成すると、静電気が発生したときに、導電膜を通じて放電がし易くなり、静電気の発生量を低減できる。また、基板の成膜面の多くの領域が樹脂以外の放電し得る導電性材料で覆われることとなり、静電気の発生量を低減できる。
さらに、導電膜がマスクと接触する部分に形成され、マスクが金属製であると、成膜工程において、マスクと基板とが接触したときに、基板上の導電膜が保持する静電気をマスクを通じて逃すことが可能となる。特に、マスクが金属製であって、接地されていると、基板上のマスクと接触する導電膜の電位をアースに対して0電位とすることが可能である。
静電気の発生を抑制するための別の手段として、マスクの基板との接触部分を粗面化処理する方法がある。マスクの表面を粗面化処理することによって、マスクと基板との接触面積が減少し、剥離時に発生する静電気の量を低減させる。粗面化処理とは、マスク表面に微細な凹凸を形成することを意味する。微細な凹凸の大きさ、形状、密度、凹部の深さ等については、特に限定されず、マスクと基板との接触面積が低減できればよい。微細な凹凸の凸部の大きさは、50〜500μm程度が好ましい。マスク表面の粗面化処理の方法としては、予め表面に微細な凹凸が形成された金型を用いてマスク材料を流し込んでマスクを製造する方法や、マスクを製造した後にマスク表面をマスク材料を分解・除去し得るエッチング剤やレーザ等を用いて微細に加工する方法等がある。粗面化処理前のマスクと基板との接触面積に対して、粗面化処理後の接触面積を、30%以下、好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下にすることがよい。
図7は、成膜時における、粗面化処理されたマスク51と基板50と導電膜53の状況を示す模式的断面図である。マスク51の基板との接触部分が粗面化処理されて、凹凸が存在して、マスクと基板との接触面積は小さいものとなっている。52は、マスク51の表面が粗面化処理されて凹んだ部分である。マスク51は金属製であって、接地されている。そのため、基板50の導電膜53が形成されている領域に発生した静電気を、マスク51を通じてアースへと逃すことができる。
[薄膜電子デバイス製造装置]
本実施形態に使用する有機EL素子製造装置について説明する。
図1は、長尺の樹脂基板を用いて、複数の有機EL素子を連続して製造するための有機EL素子製造装置10の模式的断面図である。
本実施形態の有機EL素子製造装置10は、チャンバ1〜チャンバ9の9つのチャンバを有している。チャンバ1は、ロール状の長尺基板の巻き出しを行う巻き出し室である。チャンバ2、4、6、8は、補助搬送室であり、長尺基板の搬送をスムーズに行うための調整室である。チャンバ3は、第1成膜室であり、有機EL素子の機能膜を形成する成膜室である。チャンバ5は、第2成膜室であり、第1成膜室とは異なる種類の機能膜を形成する成膜室である。チャンバ7は、形成された機能膜を保護するための保護シートを基板に貼り合せるラミネート室である。チャンバ9は、基板上に製造された有機EL素子をロール状に巻き取る巻き取り室である。
ここで、各チャンバ1〜9は、通常外界から隔離されており、必要に応じて、内部の温度、湿度、圧力を独立して制御できるようにしてある。また、各チャンバ1〜9は、各工程毎に分割して記載されているが、必要に応じて、個々のチャンバ間の仕切りを取り除いて、連続したチャンバとすることもできる。例えば、チャンバ1の巻き出し室からチャンバ9の巻き取り室に至るまで、ロールツーロール方式で、真空中で連続的に搬送される装置としてもよい。また、各チャンバの数や種類は製造する有機EL素子の層構成に応じて適宜調整することができる。
機能膜の成膜時に用いられるマスクの材質としては、線熱膨張係数の少ない金属を好ましく用いることができる。例えば、SUS、インバー、42アロイ等の合金がある。また、必要に応じて、セラミック製のマスクを使用することもできる。
[薄膜電子デバイスの製造方法]
次に、上記の有機EL素子製造装置10を用いた有機EL素子の製造方法について説明する。本実施形態の有機EL素子の製造方法は、機能膜を形成する成膜室内での製造方法に特徴を有するものである。
本実施形態の有機EL素子の製造方法は、長尺の基板上に、長さ方向に所定の間隔をおいて、同等の有機EL素子を繰り返し連続して複数個製造していくものである。成膜室内においては、基板は間欠的に搬送され、基板上にマスクを用いてパターン状の機能膜を形成する工程が繰り返し行われる。有機EL素子の機能膜は通常、多層構造を有しており、複数種類のマスクを使用して各機能膜を形成する。
本実施形態の有機EL素子の製造方法は、第1搬送工程、第1マスク移動工程、機能膜形成工程、第2マスク移動工程、第2搬送工程を有している。以下、各工程について説明する。
(第1搬送工程)
第1搬送工程は、基板を機能膜の形成位置まで搬送する工程である。基板上の有機EL素子を製造する位置、間隔、寸法は予め決められている。本工程において、長尺の基板を長さ方向に予め設定された所定の距離を搬送する。複数の機能膜のパターン間で位置がずれることがないように、基板の位置調整(アライメント)がなされる。
(第1マスク移動工程)
第1マスク移動工程は、基板の搬送を止めて、マスクを待機位置から移動させて、マスクを基板に接触させる工程である。図2には、第1マスク移動工程におけるマスク12と基板保持プレート11の動作を示す模式的断面図が示されている。図2(a)から図2(d)まで、各部材の動作の流れを示している。
図2(a)では、マスク12と基板保持プレート11が移動する前の、マスク12と基板保持プレート11と基板15との位置関係が示されている。基板15は搬送ロール13、14の間で保持されている。マスク12と基板保持プレート11はいずれも待機位置に待機している。図2(b)で、基板保持プレート11が基板15と接触する位置まで下降する。ここで、基板保持プレート11は、成膜中に基板15を支持するものであり、併せて、基板15を成膜中に所定の温度範囲に保つために、温度制御装置によって温度管理をすることができるものである。
図2(c)で、マスク12が上昇し、マスクの位置調整(アライメント)をする位置で一旦止まり、マスクの位置調整がなされる。その後、図2(d)で、マスク12は基板15に接触する位置まで上昇する。この位置で次工程の機能膜の成膜がなされる。マスク12の基板との接触部分は、粗面化処理がなされている。
(機能膜形成工程)
機能膜形成工程は、真空下でパターン状の機能膜を成膜する工程である。
本実施形態では、機能膜の形成方法として通常、気相法が用いられる。気相法としては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー法などの方法が挙げられるが、蒸着法、スパッタリング法、CVD法が一般的である。
機能膜の種類には、有機EL素子の種類や有機EL素子を構成する層に応じて、有機層、無機層および金属層がある。例えば、有機EL素子が有する機能膜としては、陽極としての金属層、発光層としての有機層(例えば、正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層)、陰極としての金属層、封止層および保護層としての無機層が存在する。
(第2マスク移動工程)
第2マスク移動工程は、マスクが基板から離隔されて、マスクが待機位置まで移動する工程である。成膜終了後、マスクおよび基板保持プレートは、図2(a)で示された待機位置に戻り、次の成膜に備える。
(第2搬送工程)
第2搬送工程は、基板を次の機能膜の形成位置まで搬送する工程である。本工程において、長尺の基板を長さ方向に予め設定された所定の距離を搬送する。
以上、説明してきた各工程を繰り返し行うことによって、基板上にマスクを用いたパターン状の機能膜が繰り返し形成されて、複数の有機EL素子が連続して製造されることとなる。また、これらの工程を通じて、マスクと基板とは、接触と剥離の脱着操作が繰り返される。
有機EL素子を長尺基板上に連続的に多数個製造していく際に使用されるマスクの具体例を図3に示した。図3は、マスクの構成を示す模式的斜視図である。マスクのメインフレーム20は、3つのサブフレーム21を備えている。サブフレーム21はそれぞれ、9個の有機EL素子のパターン状の機能膜を形成するための9個のマスク22を有している。メインフレーム20とサブフレーム21はいずれも金属製である。各マスク22の基板との接触部分は、粗面化処理がなされている。
[導電膜]
基板上の有機EL素子が形成されない領域に、導電膜を形成する方法について説明する。
図4は、機能膜形成工程前後の基板の流れを示す模式的平面図である。長尺の基板30は上から下へと搬送される。図4の中央の位置で、多数のマスク22を有するメインフレーム20およびサブフレーム21が基板30に接触して、パターン状の機能膜が形成される。
このとき、有機EL素子が形成される領域24の外側の有機EL素子が形成されない領域に、導電膜23が形成されている。図4の下の位置の、機能膜が形成された後の段階(図4の下方の位置)では、機能膜が形成された領域25の周囲は導電膜23で囲まれている。
前記したように、導電膜23がマスクと接触する部分に形成され、マスクが金属製であって接地されていると、導電膜23が形成されている領域に発生した静電気を、成膜時にマスクを通じてアースへと逃すことができる。
基板上に導電膜23を形成する工程の位置は、特に限定される訳ではない。機能膜形成工程より前の工程で導電膜23を形成してもよいし、機能膜形成工程と同時に導電膜23を形成してもよい。図1に示された有機EL素子製造装置10の第1成膜室や第2成膜室よりも前に、別途成膜室を設けて、導電膜を形成することができる。または、長尺の基板に予め、導電膜23を形成してから、有機EL素子製造装置10の巻き出し室に搬入することもできる。有機EL素子では取出し電極や下部電極を形成する工程が製造工程の始めの方に存在するため、取出し電極や下部電極と同時に形成することもできる。
図4において、導電膜23は、図4の中央の位置で機能膜が形成される以前の工程で形成されている。図4の上方の位置では、既に導電膜23が形成されていることを示している。導電膜23の形成は、静電気が発生する工程である機能膜形成工程以前の工程で行うことが好ましい。機能膜形成工程以前の工程で導電膜23を形成することによって、成膜時の静電気の発生をより効果的に抑制することができる。
導電膜23を構成する材料としては、金属、合金、金属酸化物等を用いることができる。
導電膜23を形成する方法は特に限定されない。公知の方法を適宜選択して用いることができる。気相法としては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー法などの方法が挙げられる。また、液相法としては、塗布法、印刷法、インクジェット法などの方法が挙げられる。導電膜23の表面抵抗は、100Ω/□以下が好ましい。
導電膜23の形状、位置は特に限定される訳ではない。有機EL素子が形成される領域との関係で自由に設計することができる。図5は、マスクの構成の変形例を示す模式的平面図である。有機EL素子が形成される領域であるマスク22の形状、位置と導電膜23Aの形状、位置との関係は、図5(a)〜(d)のように種々のものが考えられる。
図4にはさらに、基板30の長さ方向に連続して形成されている連続導電膜31、31Aがストライプ状に示されている。連続導電膜31は、長尺の基板30の両耳付近に位置し、連続導電膜31Aよりも幅の広い導電膜である。
連続導電膜31、31Aは、導電膜の一形態であり、基板上の有機EL素子が形成されない領域に形成され、導電膜として機能するが、さらに以下に述べる特徴を有している。
図6は、金属製搬送ローラ40の使用状況を示す模式的平面図である。長尺の基板30は上から下へと搬送される。金属製搬送ローラ40は、段付きローラであり、その幅方向において、直径が大きい部分41と、直径が小さい部分42とを有している。基板30の搬送時に、金属製搬送ローラ40の直径が大きい部分41は、連続導電膜31、31Aと接触することができる。そのため、基板上の静電気を金属製搬送ローラ40を通じて逃すことが可能である。金属製搬送ローラ40は接地されているため、基板上の連続導電膜31、31Aの電位をアースに対して0電位とすることができる。
連続導電膜31、31Aは、通常の導電膜23と同様に、機能膜が形成される以前の工程で形成されていることが好ましい。また、基板上に連続導電膜31、31Aを形成する工程の位置と連続導電膜31、31Aを形成する方法は、通常の導電膜23と同様に、特に限定される訳ではない。連続導電膜31、31Aと通常の導電膜23とは、同時に形成してもよいし、いずれかを先に形成してもよい。
また、連続導電膜31、31Aの一部を通常の導電膜23と重複させて形成すると、通常の導電膜23に発生した静電気を連続導電膜31、31Aを通じて、金属製搬送ローラ40からアースに逃すことが可能となるため、好ましい。
以上、説明してきたように、基板の成膜面上の薄膜電子デバイスが形成されない領域に、種々の態様で導電膜を形成することによって、前記の粗面化処理と相まって、静電気の発生を持続的に抑制することが可能である。その結果、長尺の樹脂基板上にマスクを用いて複数の薄膜電子デバイスを連続して安定的に製造することが可能となる。
20 メインフレーム
21 サブフレーム
22 マスク
23 導電膜
24 有機EL素子が形成される領域
25 機能膜が形成された領域
30 基板
31、31A 連続導電膜

Claims (4)

  1. 長尺の樹脂基板の一方の面上に、真空下でパターン形成用のマスクの脱着を繰り返すことによってパターン状の機能膜を成膜して、前記樹脂基板の長さ方向に複数の薄膜電子デバイスを連続して製造する薄膜電子デバイスの製造方法であって、
    前記機能膜の成膜前または成膜と同時に、前記一方の面上の前記薄膜電子デバイスが形成されない領域に、導電膜を形成すること
    を特徴とする薄膜電子デバイスの製造方法。
  2. 前記マスクの前記樹脂基板との接触部分が粗面化処理されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜電子デバイスの製造方法。
  3. 前記導電膜が前記マスクと接触する部分に形成され、
    前記マスクは、金属製であって、接地されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜電子デバイスの製造方法。
  4. 前記導電膜が、前記樹脂基板の長さ方向に連続して形成されている連続導電膜を含み、
    前記樹脂基板の搬送時に、当該連続導電膜と接触することができ、かつ接地されている金属製搬送ローラを使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜電子デバイスの製造方法。
JP2017516583A 2015-05-07 2016-04-21 薄膜電子デバイスの製造方法 Active JP6648758B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015094978 2015-05-07
JP2015094978 2015-05-07
PCT/JP2016/062674 WO2016178370A1 (ja) 2015-05-07 2016-04-21 薄膜電子デバイスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016178370A1 JPWO2016178370A1 (ja) 2018-03-01
JP6648758B2 true JP6648758B2 (ja) 2020-02-14

Family

ID=57217636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017516583A Active JP6648758B2 (ja) 2015-05-07 2016-04-21 薄膜電子デバイスの製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6648758B2 (ja)
WO (1) WO2016178370A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107071963A (zh) * 2017-02-06 2017-08-18 大连佳沅电子科技有限公司 安全出口照明电路
JP6375015B1 (ja) 2017-04-25 2018-08-15 住友化学株式会社 有機電子デバイスの製造方法
JP6375016B1 (ja) 2017-04-26 2018-08-15 住友化学株式会社 電極付き基板、積層基板及び有機デバイスの製造方法
CN110911466B (zh) * 2019-11-29 2022-08-19 京东方科技集团股份有限公司 一种基板及其制备方法、母板的制备方法、掩膜版和蒸镀装置
US20230121662A1 (en) * 2020-04-14 2023-04-20 Sharp Kabushiki Kaisha Display device and method for manufacturing same

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4231665B2 (ja) * 2002-07-10 2009-03-04 Tdk株式会社 フラットパネルディスプレイの製造方法
JP4613637B2 (ja) * 2005-02-23 2011-01-19 凸版印刷株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP4752818B2 (ja) * 2007-07-06 2011-08-17 ソニー株式会社 有機el表示装置、電子機器、有機el表示装置用の基板および有機el表示装置の製造方法
JP2010222687A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Seiko Epson Corp 成膜用マスク
JP2011181462A (ja) * 2010-03-03 2011-09-15 Hitachi Displays Ltd 表示パネルの製造方法
JP5505054B2 (ja) * 2010-04-13 2014-05-28 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2015026518A (ja) * 2013-07-26 2015-02-05 株式会社ジャパンディスプレイ 有機エレクトロルミネッセンス表示パネルの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016178370A1 (ja) 2016-11-10
JPWO2016178370A1 (ja) 2018-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6648758B2 (ja) 薄膜電子デバイスの製造方法
CN105779934B (zh) 蒸镀掩模的制造方法及有机半导体元件的制造方法
JP6154572B2 (ja) 薄膜蒸着用のマスクフレームアセンブリー
JP5384751B2 (ja) 蒸着膜の形成方法及び表示装置の製造方法
KR102050860B1 (ko) 유기 발광 다이오드 제조용 섀도 마스크
US20140326182A1 (en) Continuous Substrate Processing Apparatus
US20100003768A1 (en) System and method for processing substrates with detachable mask
US10734607B2 (en) Organic light emitting diode display panel and method for encapsulating same
JP6167526B2 (ja) 蒸着マスクの製造方法、及び有機半導体素子の製造方法
CN101553902B (zh) 半导体器件的制造装置及制造方法、以及利用该制造方法制造的半导体器件
TW201739940A (zh) 具有由雙電鑄所形成的錐形開口的陰影遮罩
TW201739939A (zh) 具有由使用正/負光阻劑的雙電鑄所形成的錐形開口的陰影遮罩
US20100050941A1 (en) Roll-to-roll type thin film pattern forming apparatus
US9136476B2 (en) Method of manufacturing organic light-emitting display apparatus, and organic light-emitting display apparatus manufactured by the method
JP2017155263A (ja) 成膜システム及び表示装置の製造方法
JP6471623B2 (ja) 成膜装置及び成膜方法
JP2016225227A (ja) 薄膜電子デバイスの製造方法
CN112335069A (zh) 具有减小的内部应力的通过双电铸形成的具有锥角开口的阴影掩模
WO2016132583A1 (ja) 薄膜電子デバイスの製造方法、エッチング装置および薄膜電子デバイスの製造装置
US10651430B2 (en) Organic electronic element manufacturing method and organic electronic element
US10923689B2 (en) Method for mask-free OLED deposition and manufacture
TW201717471A (zh) 用以製造一可彎曲層堆疊之方法及設備以及可作為負電極之可彎曲層堆疊
JP2006274301A (ja) 蒸着方法
JP2008223067A (ja) 成膜用マスク部材、成膜用マスク部材の製造方法、マスク成膜方法、および成膜装置
EP3358914A1 (en) Method of manufacturing organic el element

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191230

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6648758

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150