JP6646390B2 - 外用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、テルペノイド化合物を含有する外用組成物に関する。より具体的には、本発明は、低温条件下でも、テルペノイド化合物の析出が抑制されており、優れた製剤安定性を備える外用組成物に関する。
メントール等のテルペノイド化合物は、局所冷感刺激により軽度の知覚麻痺を引き起こし、鎮痛・鎮痒作用を発揮するため、外用組成物に配合され、長年広く利用されている。一方、テルペノイド化合物には、溶解安定性に乏しく、一旦溶解させても低温条件下で保存すると、析出し易いという欠点がある。このようなテルペノイド化合物の析出は、外用組成物の外観性状の悪化を招くだけでなく、テルペノイド化合物による所期の薬効を減じることにもなるので、テルペノイド化合物を含む外用組成物では、テルペノイド化合物の析出を抑制する製剤設計が必要とされている。
従来、テルペノイド化合物の析出を抑制する製剤技術について種々検討されている。例えば、特許文献1には、含水軟膏において、1重量%以上のl−メントールと、特定比率のカンフルとを併用することによって、l−メントールの析出を抑制できることが開示されている。しかしながら、特許文献1の技術では、多量のカンフルが必要になり、製剤設計上の制約が多く、しかもカンフルの香りが支配的になるため、香調の制約も生じるという欠点がある。また、特許文献2には、口腔用組成物において、l−メントールと、プロピレングリコール、グリセリン及び/又はソルビットとを、特定に比率で併用することによって、l−メントールの析出を抑制できることが開示されている。しかしながら、特許文献2では、l−メントールの十分な析出抑制効果が得られないという欠点がある。
このような従来技術を背景として、テルペノイド化合物の析出を抑制する新たな製剤技術の開発が望まれている。
特開2002−154952号公報 特開2003−81798号公報
本発明の目的は、テルペノイド化合物を含有する外用組成物において、低温条件下で保存しても、テルペノイド化合物の析出を抑制できる製剤技術を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、外用組成物において、テルペノイド化合物とヘパリン類似物質を併用することによって、低温条件下でも、テルペノイド化合物の析出を抑制できることを見出した。
また、本発明者は、テルペノイド化合物とヘパリン類似物質を含む外用組成物は、テルペノイド化合物の析出を抑制できるが、低温条件で保存すると、ヘパリン類似物質に由来すると考えられる不溶性凝集物(モヤのように見える不溶化物)が生じ易くなるという新たな課題に直面した。そこで、本発明者は、更に鋭意検討を行ったところ、テルペノイド化合物とヘパリン類似物質に加えて、ジフェンヒドラミンを含有させることによって、低温条件下でのテルペノイド化合物の析出を抑制しつつ、前述する不溶性凝集物の生成も抑制できることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. テルペノイド化合物、及びヘパリン類似物質を含有することを特徴とする、外用組成物。
項2. 更に、ジフェンヒドラミンを含む、項1に記載の外用組成物。
項3. 前記ヘパリン類似物質1重量部当たり、前記ジフェンヒドラミンが0.1〜10重量部含まれる、項2に記載の外用組成物。
項4. 前記テルペノイド化合物がモノテルペンである、項1〜3のいずれかに記載の外用組成物。
項5. 外用組成物中で、テルペノイド化合物とヘパリン類似物質とを共存させることを特徴とする、テルペノイド化合物を含む外用組成物においてテルペノイド化合物の析出を抑制する方法。
項6. 外用組成物中で、テルペノイド化合物と、ヘパリン類似物質と、ジフェンヒドラミンとを共存させることを特徴とする、テルペノイド化合物及びヘパリン類似物質を含む外用組成物において不溶性凝集物の生成を抑制する方法。
本発明によれば、テルペノイド化合物の溶解安定性に優れ、低温条件下で保存しても、テルペノイド化合物の析出を抑制できるので、冬場や寒冷地であっても、テルペノイド化合物による所期の薬効を安定に維持させることが可能になる。
更に、本発明の好適な一態様によれば、テルペノイド化合物とヘパリン類似物質を含む外用組成物において、ヘパリン類似物質に由来すると考えられる不溶性凝集物の生成も抑制できるので、外観性状が良好で、格段に優れた製剤安定性を備えることも可能になっている。
1.外用組成物
本発明の外用組成物は、テルペノイド化合物、及びヘパリン類似物質を含有することを特徴とする。以下、本発明の外用組成物について詳述する。
テルペノイド化合物
本発明の外用組成物は、テルペノイド化合物を含有する。テルペノイド化合物は、一旦溶解させても、低温条件下で保存すると析出し易い特性を有しているが、本発明の外用組成物では、後述するヘパリン類似物質の作用によって、低温条件下でのテルペノイド化合物の析出を効果的に抑制することが可能になっている。
テルペノイド化合物とは、イソプレノイド又はテルペンとも称され、通常、イソプレン単位(炭素数5)が複数個結合した化合物である。テルペノイド化合物は、含まれるイソプレン単位の数に応じて、モノテルペン(イソプレン単位が2個)、セスキテルペン(イソプレン単位が3個)、ジテルペン(イソプレン単位が4個)、トリテルペン(イソプレン単位が6個)等に分類される。本発明の外用組成物では、これらのいずれのテルペノイド化合物を使用してもよい。
モノテルペンとしては、具体的には、メントール、チモール、ゲラニオール、リナロール、ボルネオール、シネオール、テルピネオール等のアルコール系モノテルペン;シトラール、シトロネラール、ペリルアルデヒド、サフラナール等のアルデヒド系モノテルペン;カンフル、メントン、カルボメントン、ヨノン等のケトン系モノテルペン等が挙げられる。また、セスキテルペンとしては、具体的には、カマズレン、サンタレン、パチュレン、セドロール、セドレノール、ファルネソール、オイゲノール、α−ビサボロール、β−カリオフィレンアルコール、スクラレオール、ゲラニルリナロール、イソフィトール、ネロリドール、グロブロール、グアイオール、α−サンタロール、カトロール、ファルネサール、ゲルマクロン、シペロン、ゼルンボン、ベチボン等が挙げられる。また、ジテルペンとしては、具体的には、レチナール等が挙げられる。これらのテルペノイド化合物は、光学異性体が存在する場合には、d体、l体、dl体のいずれであってもよい。また、これらのテルペノイド化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのテルペノイド化合物の中でも、より一層効果的に析出を抑制するという観点から、好ましくはものテルペン、更に好ましくはアルコール系モノテルペン、ケトン系モノテルペン、特に好ましくはメントール、ボルネオール、カンフル、最も好ましくはメントールが挙げられる。
また、これらのテルペノイド化合物は、モノテルペンを含む精油の状態で使用されてもよい。モノテルペンを含む精油は、公知のものから適宜選択して使用することができるが、例えば、メントールを含む精油としては、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油等が挙げられる。
本発明の外用組成物におけるテルペノイド化合物の含有量については、外用組成物に備えさせるべき薬効等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、更に好ましくは0.5〜5重量%が挙げられる。また、通常、外用組成物におけるテルペノイド化合物の含有量が高い程、低温条件での保存による析出が顕著になる傾向があるが、本発明の外用組成物では、テルペノイド化合物が1重量%以上という高含有量であっても、低温条件での保存による析出を効果的に抑制できる。このような本発明の効果を鑑みれば、本発明の外用組成物におけるテルペノイド化合物の含有量として、より好ましくは1〜5重量%、特に好ましくは2〜3重量%が挙げられる。
ヘパリン類似物質
本発明の外用組成物は、更にヘパリン類似物質を含む。ヘパリン類似物質は、低温条件下での保存によって生じるテルペノイド化合物の析出を抑制する役割を果たす。
ヘパリン類似物質とは、コンドロイチン多硫酸等の多硫酸化ムコ多糖であり、保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用等を有することが知られている公知の薬剤である。
本発明で使用されるヘパリン類似物質の由来については、特に制限されないが、例えば、ムコ多糖類を多硫酸化することにより得られたもの、食用獣の組織(例えば、ウシやブタ等の気管軟骨を含む肺臓)から抽出したもの等が挙げられる。本発明の外用組成物では、ヘパリン類似物質として、日本薬局方外医薬品規格に収戴されているヘパリン類似物質が好適に使用される。
本発明の外用組成物におけるヘパリン類似物質の含有量については、使用するテルペノイド化合物の種類や含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.05〜3重量%が挙げられる。低温条件下での保存によるテルペノイド化合物の析出をより一層効果的に抑制するという観点から、本発明の外用組成物におけるヘパリン類似物質の含有量として、好ましくは0.1〜1重量%、更に好ましくは0.3〜1重量%が挙げられる。
また、本発明の外用組成物において、テルペノイド化合物とヘパリン類似物質の比率については、前述する各含有量に応じて定まるが、低温条件下での保存によるテルペノイド化合物の析出をより一層効果的に抑制するという観点から、テルペノイド化合物1重量部当たり、ヘパリン類似物質が0.01重量部以上、好ましくは0.05重量部以上、更に好ましくは0.1重量部以上、特に好ましくは0.3重量部以上が挙げられる。また、テルペノイド化合物1重量部当たりのヘパリン類似物質の上限値については、特に制限されないが、例えば20重量部、好ましくは10重量部が挙げられる。
ジフェンヒドラミン
本発明の外用組成物は、テルペノイド化合物及びヘパリン類似物質に加えて、ジフェンヒドラミンを含んでいることが望ましい。テルペノイド化合物及びヘパリン類似物質を含む外用組成物は、低温条件下の保存によって、テルペノイド化合物の析出を抑制できるものの、ヘパリン類似物質に起因すると思われる不溶性凝集物が生じ易いという課題が生じるが、ジフェンヒドラミンを更に含有させることによって、当該課題を克服し、優れた製剤安定性を備えさせることができる。
ジフェンヒドラミンとは、抗ヒスタミン剤として公知の薬剤である。なお、ジフェンヒドラミンは、塩酸ジフェンヒドラミン等の塩の形態を採り得るが、ジフェンヒドラミンの塩では、前述する不溶性凝集物の生成抑制効果を奏し得ないため、本発明ではジフェンヒドラミン(塩ではない形態)が使用される。
本発明の外用組成物において、ジフェンヒドラミンを含有させる場合、その含有量については、ヘパリン類似物質の含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.01〜3重量%が挙げられる。前述する不溶性凝集物の生成をより一層効果的に抑制するという観点から、本発明の外用組成物におけるジフェンヒドラミンの含有量として、好ましくは0.1〜1重量%、0.5〜1重量%が挙げられる。
また、ヘパリン類似物質とジフェンヒドラミンの比率は、前述する各含有量に応じて定まるが、前述する不溶性凝集物の生成をより一層効果的に抑制するという観点から、ヘパリン類似物質1重量部当たり、ジフェンヒドラミンが0.1重量部以上、好ましくは0.3重量部以上が挙げられる。また、ヘパリン類似物質1重量部当たりのジフェンヒドラミンの上限値については、特に制限されないが、例えば10重量部、好ましくは5重量部、更に好ましくは3重量部が挙げられる。

本発明の外用組成物は、所望の製剤形態への調製等のために、必要に応じて、水が含まれていてもよい。テルペノイド化合物を含む外用組成物において、水が含まれる場合には、低温条件下での保存によるテルペノイド化合物の析出が顕著になる傾向があるが、本発明の外用組成物では、水を含んでいても、低温条件下での保存によるテルペノイド化合物の析出を効果的に抑制することができる。
本発明の外用組成物において水を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば0.1重量%以上が挙げられる。通常、水の含有量が多い程、低温条件下での保存によるテルペノイド化合物の析出が顕著になる傾向があるが、本発明の外用組成物では、水の含有量が多くても、低温条件下での保存によるテルペノイド化合物の析出を効果的に抑制することができる。かかる本発明の効果を鑑みれば、本発明の外用組成物における水含有量として、好ましくは0.3重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、特に好ましくは5重量%以上が挙げられる。また、本発明の外用組成物における水含有量の上限値については、特に制限されないが、例えば90重量%、好ましくは80重量%、更に好ましくは70重量%が挙げられる。
多価アルコール
本発明の外用組成物には、低温条件下での保存によるテルペノイド化合物の析出抑制効果の更なる増強等を目的として、必要に応じて、多価アルコールが含まれていてもよい。
多価アルコールとしては、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの多価アルコールの中でも、好ましくはプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンが挙げられる。
本発明の外用組成物において、多価アルコールを含有させる場合、その含有量については、使用する多価アルコールの種類、外用組成物の製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは3〜20重量%が挙げられる。
一価低級アルコール
本発明の外用組成物には、その製剤形態等に応じて、一価低級アルコールが含まれていてもよい。
一価低級アルコールとしては、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素数1〜4の一価低級アルコールが挙げられる。これらの一価低級アルコール1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの一価低級アルコールの中でも、好ましくはエタノール、イソプロパノールが挙げられる。
本発明の外用組成物において、一価低級アルコールを含有させる場合、その含有量については、使用する一価低級アルコールの種類、外用組成物の製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%が挙げられる。
その他の成分
本発明の外用組成物には、前述する成分以外に、所望の製剤形態にするために、外用組成物に通常使用される他の添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、水性基剤、油性基剤、増粘剤、pH調節剤、界面活性剤、乳化剤、可溶化剤、防腐剤、保存剤、酸化防止剤、安定化剤、キレート剤、香料、着色料等が挙げられる。
また、本発明の外用組成物には、本発明の効果を妨げない限り、前述する成分の他に、必要に応じて、他の薬理成分を含んでいてもよい。本発明の外用組成物に配合可能な薬理成分については、特に制限されないが、例えば、抗ヒスタミン剤(マレイン酸クロルフェニラミン等)、局所麻酔剤(プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、安息香酸アルキルエステル(例えば塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル)、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、殺菌剤(塩化デカリニウム、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、アンモニア水、スルファジアジン、フェノール等)、鎮痒剤(チアントール等)、皮膚保護剤(ヒマシ油等)、血行促進成分(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコサミン等)、保湿剤(トリメチルグリシン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンおよびその共重合体(例えばメタクリル酸アルキルとの共重合体)等の両性界面活性剤)等が挙げられる。これらの薬効成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明の外用組成物において、これらの薬理成分を含有させる場合、その含有量については、使用する薬理成分の種類、期待する効果等に応じて適宜設定すればよい。
製剤形態・使用態様
本発明の外用組成物は、経皮適用される製剤(外用医薬品、化粧料等)として使用され、とりわけ外用医薬品として好適に使用される。
本発明の外用組成物の製剤形態については、経皮適用可能であることを限度として特に制限されず、例えば、液剤(ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、及び乳液剤を含む)、水溶性軟膏剤、油脂性軟膏剤、クリーム剤、フォーム剤、ジェル剤、貼付剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは液剤、軟膏剤、クリーム剤が挙げられる。これらの製剤形態への調製は、第十六改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法に従って、製剤形態に応じた添加剤を用いて製剤化することにより行うことができる。
発明の外用組成物は、テルペノイド化合物による清涼化作用、局所冷感刺激による鎮痛・鎮痒作用等を発揮できるので、清涼化や鎮痛・鎮痒が求められる皮膚に適用して使用される。また、本発明の外用組成物は、ヘパリン類似物質による保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用等を発揮できるので、これらの作用が求められる皮膚に適用して使用することもできる。
2.テルペノイド化合物の析出抑制方法
本発明は、テルペノイド化合物を含む外用組成物においてテルペノイド化合物の析出を抑制する方法であって、外用組成物中で、テルペノイド化合物とヘパリン類似物質とを共存させることを特徴とする、テルペノイド化合物の析出抑制方法を提供する。
当該析出抑制方法において、使用するテルペノイド化合物及びヘパリン類似物質の種類や含有量、配合される他の成分の種類や含有量、外用組成物の製剤形態等については、前記「1.外用組成物」の場合と同様である。
3.テルペノイド化合物及びヘパリン類似物質を含む外用組成物の不溶性凝集物の生成抑制方法
本発明は、テルペノイド化合物及びヘパリン類似物質を含む外用組成物において不溶性凝集物の生成を抑制する方法であって、外用組成物中で、テルペノイド化合物と、ヘパリン類似物質と、ジフェンヒドラミンとを共存させることを特徴とする、不溶性凝集物の生成抑制方法を提供する。
当該生成抑制方法において、使用するテルペノイド化合物、ヘパリン類似物質、ジフェンヒドラミンの種類や含有量、配合される他の成分の種類や含有量、外用組成物の製剤形態等については、前記「1.外用組成物」の場合と同様である。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1:メントールの析出抑制効果の評価
表1に示す組成の外用組成物を製造し、メントールの析出抑制効果について評価した。具体的な試験方法は、以下の通りである。
先ず、精製水にヘパリン類似物質を混合して溶解させ、第1溶液を調製した。別途、プロピレングリコールに、l-メントール、及び予め60℃に加温したポリオキシエチレン硬化ひまし油40を添加して混合し、第2溶液を調製した。次いで、第1溶液と第2溶液を混合して撹拌することにより、液状の外用組成物を製造した。得られた外用組成物は、いずれもl-メントールが全て溶解した状態になっていた。
得られた外用組成物15gを直径2.7cm、高さ5.5cm(蓋を除く)のバイアル瓶に入れて密栓し、4℃の遮光条件下で5時間静置した。その後、外用組成物の外観を観察し、l-メントールの析出の状態を評価した。l-メントールの析出の状態の評価は、比較例1で認められたl-メントールの析出物(針状の結晶)の量を「1」、l-メントールの析出物(針状の結晶)が全く認められない場合を「10」として、その間を析出物の量に応じて10段階に分割して評点化することにより行った。
得られた結果を表1に示す。ヘパリン類似物質を含まない外用組成物では、l-メントールの析出物が多く認められた(比較例1)。これに対して、ヘパリン類似物質を含む外用組成物では、l-メントールの析出を効果的に抑制できていた(実施例1〜9)。特に、l-メントール1重量部に対してヘパリン類似物質を0.15〜15重量部の比率で含む場合には、l-メントールの析出抑制効果が格段顕著に認められた(実施例1〜7)。更に、l-メントールが1重量%以上という高含有量であっても、ヘパリン類似物質を含有させることによって、l-メントールの析出を効果的に抑制できることも確認された(実施例6〜9)。
試験例2:メントールの析出抑制効果及び不溶性凝集物の生成抑制効果の評価
表2に示す組成の外用組成物を製造し、メントールの析出抑制効果、及び不溶性凝集物の生成抑制効果について評価した。具体的な試験方法は、以下の通りである。
先ず、精製水にヘパリン類似物質を混合して溶解させ、第1溶液を調製した。なお、塩酸ジフェンヒドラミンを含む場合には、塩酸ジフェンヒドラミンは第1溶液中に溶解させた。別途、プロピレングリコールに対して、l-メントール、dl-カンフル又はd−ボルネオールと、エタノール(95vol%)と、予め60℃に加温したポリオキシエチレン硬化ひまし油60とを添加して混合し、第2溶液を調製した。なお、ジフェンヒドラミンを含む場合には、ジフェンヒドラミンは第2溶液中に溶解させた。次いで、第1溶液と第2溶液を混合して撹拌することにより、液状の外用組成物を製造した。得られた外用組成物は、いずれもl-メントール、dl-カンフル又はd−ボルネオールが全て溶解した状態になっていた。
得られた外用組成物15gを直径2.7cm、高さ5.5cm(蓋を除く)のバイアル瓶に入れて密栓し、−20℃の遮光条件下で6時間静置後、11時間かけて5℃まで昇温し、更に5℃で1時間静置した。
前記条件で保存した後の各外用組成物の外観を観察し、l-メントールの析出の状態を評価した。l-メントールの析出の状態の評価は、比較例2で認められたl-メントールの析出物(針状の結晶)の量を「1」、l-メントールの析出物(針状の結晶)が全く認められない場合を「10」として、その間を析出物の量に応じて10段階に分割して評点化することにより行った。
更に、前記条件で保存した後の各外用組成物の外観を目視で観察し、不溶性凝集物(モヤのように見える不溶化物)の有無を観察し、以下の判定基準に従って、不溶性凝集物の生成程度を評価した。
○:不溶性凝集物が一切認められない。
△:不溶性凝集物が僅かにだけ認められる。
×:不溶性凝集物がはっきりと認められる。
得られた結果を表2に示す。ヘパリン類似物質を含まない外用組成物では、l-メントールの析出物が多く認められた(比較例2)。これに対して、ヘパリン類似物質を含む外用組成物では、モノテルペンの析出を効果的に抑制できていた(実施例10〜22)。
一方、ジフェンヒドラミンを含まず、l-メントール及びヘパリン類似物質を含む外用組成物では、不溶性凝集物の生成が認められた(実施例10及び11)。当該不溶性凝集物はヘパリン類似物質を含まない外用組成物では認められなかったことから(比較例2)、当該不溶性凝集物はヘパリン類似物質に由来して生じていると考えられる。これに対して、モノテルペン及びヘパリン類似物質と共に、ジフェンヒドラミンを含む外用組成物では、不溶性凝集物を抑制できていた(実施例12、13、15〜19、及び21)。特に、ヘパリン類似物質1重量部に対してジフェンヒドラミンを1〜10重量部含む場合には、不溶性凝集物の生成を格段顕著に抑制できていた(実施例12、13、15〜17、19及び21)。また、ジフェンヒドラミンを含有させることにより、l−メントールの析出抑制効果も向上することが確認された(実施例10及び12)。
処方例
表3に示す組成の軟膏剤(処方例1〜10)、表4に示す組成のクリーム剤(処方例11〜19)、表5に示す組成のジェル剤(処方例20〜25)、及び表6に示す組成の乳液(処方例21〜31)を常法に従って調製した。得られた製剤は、いずれも、ヘパリン類似物質及びジフェンヒドラミンを含有しない場合に比べて、低温条件下でのモノテルペンの析出及び不溶性凝集物の生成を抑制する効果に優れていた。

Claims (3)

  1. モノテルペン、ヘパリン類似物質、及びジフェンヒドラミンを含有することを特徴とする、外用組成物。
  2. 前記ヘパリン類似物質1重量部当たり、前記ジフェンヒドラミンが0.1〜10重量部含まれる、請求項1に記載の外用組成物。
  3. 外用組成物中で、モノテルペンと、ヘパリン類似物質と、ジフェンヒドラミンとを共存させることを特徴とする、モノテルペン及びヘパリン類似物質を含む外用組成物において不溶性凝集物の生成を抑制する方法。
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