JP6903411B2 - 外用組成物 - Google Patents

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本発明は、モノテルペンを含有する外用組成物に関する。より具体的には、本発明は、1重量%以上のモノテルペンを含みながらも、モノテルペンの析出が抑制されており、優れた製剤安定性を備える外用組成物に関する。
l−メントール等のモノテルペンは、局所冷感刺激により軽度の知覚麻痺を引き起こし、鎮痛・鎮痒作用を発揮するため、外用組成物に配合され、長年広く利用されている。一方、モノテルペンには、水性溶媒に対する溶解安定性に乏しく、一旦溶解させても低温条件下で保存すると、析出し易いという欠点がある。特に、このようなモノテルペンの析出は、1重量%以上という高含有量で配合されている場合には、顕著に現れる傾向がある。このようなモノテルペンの析出は、外用組成物の外観性状の悪化を招くだけでなくモノテルペンによる所期の薬効を減じることにもなるので、モノテルペンを含む外用組成物では、モノテルペンの析出を抑制する製剤設計が必要とされている。
従来、メントールの析出を抑制して安定に可溶化させるには、一般的に、多量のエタノールを用いてメントールを溶解させる方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、エタノールを多量に含む外用組成物では、皮膚に適用した際の刺激が強くなり、皮膚バリア機能が低下している皮膚(敏感肌、炎症を生じている皮膚等)には適用できなくなるという欠点がある。
そこで、多量のエタノールを使用することなく、モノテルペンの析出を抑制する製剤技術についても検討されている。例えば、特許文献2には、含水軟膏において、1重量%以上のl−メントールと、特定比率のカンフルとを併用することによって、l−メントールの析出を抑制できることが開示されている。しかしながら、特許文献2の技術では、多量のカンフルが必要になり、製剤設計上の制約が多く、しかもカンフルの香りが支配的になるため、香調の制約も生じるという欠点がある。また、特許文献3は、口腔用組成物において、l−メントールと、プロピレングリコール、グリセリン及び/又はソルビットとを、特定に比率で併用することによって、l−メントールの析出を抑制できることが開示されている。しかしながら、特許文献3の技術は、外用組成物に適用される製剤技術ではないことに加え、l−メントールの十分な析出抑制効果が得られないという欠点がある。
このような従来技術を背景として、エタノールの含有量を抑えつつ、1重量%以上という高含有量のモノテルペンを含みながらも、モノテルペンの析出を抑制できる新たな製剤技術の開発が望まれている。
特開2014−152172号公報 特開2002−154952号公報 特開2003−81798号公報
本発明の目的は、エタノールの含有量を抑えつつ、1重量%以上という高含有量のモノテルペンを含む外用組成物において、低温条件下で保存してもモノテルペンの析出を抑制できる製剤技術を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、外用組成物において、1〜3重量%のモノテルペンと共にヘパリン類似物質及びエタノールを配合し、且つモノテルペン1重量部当たり、エタノールを2〜10重量部の比率に設定することによって、皮膚に刺激が感じられない程度にまでエタノール含有量を低減することも可能になり、しかも1〜3重量%という高含有量のモノテルペンを含みながらも、低温でのモノテルペンの析出の抑制が可能になることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 1〜3重量%のモノテルペン、ヘパリン類似物質、及びエタノールを含み、且つモノテルペン1重量部当たり、エタノールが2〜10重量部である、外用組成物。
項2. モノテルペンがl−メントールである、項1に記載の外用組成物。
項3. ヘパリン類似物質の含有量が0.05〜1重量%である、項1又は2に記載の外用組成物。
項4. エタノールの含有量が2〜20重量%である、項1〜3のいずれかに記載の外用組成物。
項5. モノテルペンを含む外用組成物においてモノテルペンの析出を抑制する方法であって、
外用組成物に、1〜3重量%のモノテルペン、ヘパリン類似物質、及びエタノールを配合し、且つモノテルペン1重量部当たりのエタノールの比率を2〜10重量部にする、
モノテルペンの析出抑制方法。
本発明の外用組成物によれば、1〜3重量%という高含有量のモノテルペンを含んでいながらも、モノテルペンの溶解安定性が向上しており、低温条件下で保存しても、モノテルペンの析出を抑制できるので、冬場や寒冷地であっても、モノテルペンによる所期の薬効を安定に維持させることが可能になる。更に、本発明の外用組成物は、皮膚に刺激が感じられない程度にまでエタノール含有量を低減させることも可能になっているので、皮膚バリア機能が低下している皮膚(敏感肌、炎症を生じている皮膚等)に適用しても、刺激を感じさせることなく、良好な使用感を得ることもできる。
1.外用組成物
本発明の外用組成物は、1〜3重量%のモノテルペン、ヘパリン類似物質、及びエタノールを含み、且つモノテルペン1重量部当たり、エタノールが2〜10重量部であることを特徴とする。以下、本発明の外用組成物について詳述する。
モノテルペン
本発明の外用組成物は、モノテルペンを1〜3重量%含有する。モノテルペンは、一旦溶解させても、低温で保存すると析出し易い特性を有しており、特に1〜3重量%程度もの高含有量で配合されている場合には、低温での析出が顕著になる傾向があるが、本発明の外用組成物では、特定の組成を具備することによって、1〜3重量%のモノテルペンを含んでいても、低温でのモノテルペンの析出を抑制することが可能になっている。
モノテルペンとは、分子内にイソプレン単位が2個含まれる構造を有し、清涼化作用等を有する公知の成分である。
本発明で使用されるモノテルペンの種類については、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、メントール、チモール、ゲラニオール、リナロール、ボルネオール、シネオール、テルピネオール等のアルコール系モノテルペン;シトラール、シトロネラール、ペリルアルデヒド、サフラナール等のアルデヒド系モノテルペン;カンフル、メントン、カルボメントン、ヨノン等のケトン系モノテルペン等が挙げられる。これらのモノテルペンは、光学異性体が存在する場合には、d体、l体、dl体のいずれであってもよい。これらのモノテルペンは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本発明では、モノテルペンとして、モノテルペンを含む精油の状態で使用してもよい。モノテルペンを含む精油は、公知のものから適宜選択して使用することができるが、例えば、メントールを含む精油としては、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油等が挙げられる。なお、本明細書におけるモノテルペンの含有量や比率に関する記載は、モノテルペンを含む精油を使用する場合は、当該精油に含まれるモノテルペン量に換算した値である。
これらのモノテルペンの中でも、ヘパリン類似物質及び特定比率のエタノールと併用した際に生じる析出をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくアルコール系モノテルペン、更に好ましくはメントール、特に好ましくはl−メントールが挙げられる。
本発明の外用組成物におけるモノテルペンの含有量は1〜3重量%である。モノテルペンの析出をより一層効果的に抑制するという観点から、モノテルペンの含有量として、好ましくは1〜2重量%、更に好ましくは1〜1.5重量%が挙げられる。
ヘパリン類似物質
本発明の外用組成物は、更にヘパリン類似物質を含む。ヘパリン類似物質とは、コンドロイチン多硫酸等の多硫酸化ムコ多糖であり、保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用等を有することが知られている公知の薬剤である。
本発明で使用されるヘパリン類似物質の由来については、特に制限されないが、例えば、ムコ多糖類を多硫酸化することにより得られたもの、食用獣の組織(例えば、ウシやブタ等の気管軟骨を含む肺臓)から抽出したもの等が挙げられる。本発明の外用組成物では、ヘパリン類似物質として、日本薬局方外医薬品規格に収戴されているヘパリン類似物質が好適に使用される。
本発明の外用組成物におけるヘパリン類似物質の含有量については、使用するモノテルペンの種類や含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.05〜1重量%が挙げられる。モノテルペンの析出をより一層効果的に抑制するという観点から、ヘパリン類似物質の含有量として、好ましくは0.05〜0.3重量%、更に好ましくは0.1〜0.3重量%が挙げられる。
また、本発明の外用組成物において、モノテルペンとヘパリン類似物質の比率については、前述する各含有量に応じて定まるが、例えば、モノテルペン1重量部当たり、ヘパリン類似物質が0.01〜1重量部が挙げられる。モノテルペンの析出をより一層効果的に抑制するという観点から、モノテルペン1重量部当たり、ヘパリン類似物質が、好ましくは0.02〜1重量部、更に好ましくは0.05〜1重量部が挙げられる。
エタノール
本発明の外用組成物は、モノテルペン1重量部当たり、2〜10重量部の比率でエタノールを含有する。ヘパリン類似物質と共に前記比率のエタノールを使用することによって、低温でのモノテルペンの析出を抑制することが可能になる。更に、エタノールが、前記比率を満たすことによって、その含有量が抑えられ、皮膚に対する刺激を抑制することも可能になる。
モノテルペンの析出抑制効果と皮膚に対する刺激抑制効果とをより一層良好に兼ね備えさせるという観点から、モノテルペン1重量部当たり、エタノールが、好ましくは2〜8重量部、更に好ましくは2〜5重量部が挙げられる。
本発明の外用組成物におけるエタノールの含有量については、前記比率を充足させる範囲で設定すればよいが、具体的には2〜20重量%、好ましくは2〜16重量%が挙げられる。モノテルペンの析出抑制効果と皮膚に対する刺激抑制効果とをより一層良好に兼ね備えさせるという観点から、エタノールの含有量として、更に好ましくは2〜10重量%、特に好ましくは2〜8重量%、最も好ましくは2〜5重量%が挙げられる。

本発明の外用組成物は、所望の製剤形態への調製等のために、必要に応じて、水が含まれていてもよい。モノテルペンを含む外用組成物において、水が含まれる場合には、低温でのモノテルペンの析出が顕著になる傾向があるが、本発明の外用組成物では、水を含んでいても、低温でのモノテルペンの析出を効果的に抑制することができる。
本発明の外用組成物において水を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば50重量%以上が挙げられる。通常、水の含有量が多い程、モノテルペンの析出が顕著になる傾向があるが、本発明の外用組成物では、水の含有量が多くても、モノテルペンの析出を効果的に抑制することができる。かかる本発明の効果を鑑みれば、本発明の外用組成物における水の含有量として、好ましくは60〜90重量%、更に好ましくは70〜90重量%、特に好ましくは80〜90重量%が挙げられる。
多価アルコール
本発明の外用組成物には、必要に応じて、多価アルコールが含まれていてもよい。
多価アルコールとしては、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの多価アルコールの中でも、好ましくはプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、更に好ましくはプロピレングリコールが挙げられる。
本発明の外用組成物において、多価アルコールを含有させる場合、その含有量については、使用する多価アルコールの種類、外用組成物の製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば1〜20重量%、好ましくは5〜20重量%、更に好ましくは5〜15重量%が挙げられる。
界面活性剤
本発明の外用組成物には、必要に応じて、界面活性剤が含まれていてもよい。
本発明で使用される界面活性剤の種類については、特に制限されず、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれであってもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、N−ミリストリルサルコシン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタルミン酸ナトリウム、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド、2-アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシン、N−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの界面活性剤の中でも、好ましくは非イオン性界面活性剤、更に好ましくはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が挙げられる。
本発明の外用組成物において、界面活性剤を含有させる場合、その含有量については、使用する界面活性剤の種類、外用組成物の製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%が挙げられる。
その他の成分
本発明の外用組成物には、前述する成分以外に、所望の製剤形態にするために、外用組成物に通常使用される他の添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、水性基剤、油性基剤、増粘剤、pH調節剤、乳化剤、可溶化剤、防腐剤、保存剤、酸化防止剤、安定化剤、キレート剤、香料、着色料等が挙げられる。
また、本発明の外用組成物には、本発明の効果を妨げない限り、前述する成分の他に、必要に応じて、他の薬理成分を含んでいてもよい。本発明の外用組成物に配合可能な薬理成分については、特に制限されないが、例えば、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等)、局所麻酔剤(プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、安息香酸アルキルエステル(例えば塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル)、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、殺菌剤(塩化デカリニウム、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、アンモニア水、スルファジアジン、フェノール等)、鎮痒剤(チアントール等)、皮膚保護剤(ヒマシ油等)、血行促進成分(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコサミン等)、保湿剤(トリメチルグリシン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンおよびその共重合体(例えばメタクリル酸アルキルとの共重合体)等)等が挙げられる。これらの薬効成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明の外用組成物において、これらの薬理成分を含有させる場合、その含有量については、使用する薬理成分の種類、期待する効果等に応じて適宜設定すればよい。
製剤形態・使用態様
本発明の外用組成物の剤型については、経皮適用が可能であることを限度として特に制限されず、液状又は半固形状(ゲル状、軟膏状、ペースト状等)のいずれであってもよい。
本発明の外用組成物は、経皮適用される製剤(外用医薬品、化粧料等)として使用され、とりわけ外用医薬品として好適に使用される。
本発明の外用組成物の製剤形態については、経皮適用可能であることを限度として特に制限されず、例えば、液剤(ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、及び乳液剤を含む)、水溶性軟膏剤、油脂性軟膏剤、クリーム剤、フォーム剤、ジェル剤、貼付剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは液剤、軟膏剤、クリーム剤が挙げられる。これらの製剤形態への調製は、第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法に従って、製剤形態に応じた添加剤を用いて製剤化することにより行うことができる。
発明の外用組成物は、モノテルペンによる清涼化作用、局所冷感刺激による鎮痛・鎮痒作用等を発揮できるので、清涼化や鎮痛・鎮痒が求められる皮膚に適用して使用される。また、本発明の外用組成物は、ヘパリン類似物質による保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用等を発揮できるので、これらの作用が求められる皮膚に適用して使用することもできる。更に、本発明の外用組成物は、エタノールの含有量が抑えられ、皮膚に対する刺激が抑制されているので、乾燥肌、炎症を生じている皮膚等の皮膚バリア機能が低下している皮膚に対しても適用することができる。
2.モノテルペンの析出抑制方法
本発明は、モノテルペンを含む外用組成物においてモノテルペンの析出を抑制する方法であって、外用組成物に、1〜3重量%のモノテルペン、ヘパリン類似物質、及びエタノールを配合し、且つモノテルペン1重量部当たりのエタノールの比率を2〜10重量部にすることを特徴とする、モノテルペンの析出抑制方法を提供する。
当該析出抑制方法において、使用する成分の種類、含有量、比率、外用組成物の製剤形態等については、前記「1.外用組成物」の場合と同様である。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1
表1〜4に示す組成の外用組成物を製造し、メントールの析出抑制効果及び皮膚刺激抑制効果について評価した。具体的な試験方法は、以下の通りである。
(1)外用組成物の製造
先ず、所定量のプロピレングリコールに、所定量のl-メントール、及び所定量のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60)を混合し、60℃に加温して溶解させた後に、所定量のヘパリン類似物質、所定量のエタノール、及び所定量の精製水を加え、ボルテックスミキサーにて十分に撹拌することにより、液状の外用組成物を製造した。得られた外用組成物は、いずれもl−メントールが全て溶解した状態になっていた。
(2)メントールの析出抑制効果の評価
得られた外用組成物20gを直径3.0cm、高さ6.5cm(蓋を除く)のバイアル瓶に入れて密栓し、4℃の遮光条件下で48時間静置して保存した。保存開始から、表1〜4に示す所定時間が経過した時点で、外用組成物の外観を観察し、l−メントールの析出の状態を評価した。l−メントールの析出の状態の評価は、比較例1で認められたl−メントールの析出物(針状の結晶)の量を「1」、l−メントールの析出物(針状の結晶)が全く認められない場合を「10」として、その間を析出物の量に応じて10段階に分割して評点化することにより行った。
(3)皮膚刺激抑制効果の評価
得られた外用組成物50μlをモニター(健常者)の前腕内側に塗布し、以下の判定基準に従って皮膚刺激性を評価した。なお、皮膚刺激抑制効果の評価は、実施例1〜12、比較例1〜8及び参考例1〜4の外用組成物について行った。
<皮膚刺激性の判定基準>
◎:刺激を全く感じない。
○:刺激をあまり感じない。
△:刺激をやや感じる。
×:刺激を明らかに感じる。
(4)結果
得られた結果を表1〜4に示す。1重量%のメントールと、l−メントール1重量部当たり12重量部以上のエタノールを含む場合(参考例1〜4)では、低温保存によるl−メントールの析出を抑制できていたが、皮膚に対する刺激が強くなっていた。一方、1重量%のl−メントールを含み、ヘパリン類似物質及びエタノールを含まない場合(比較例1)では、低温保存後にl−メントールの析出が顕著になっていた。また、1重量%のl−メントール及びヘパリン類似物質を含み、エタノールを含まない場合(比較例2〜4)でも、低温保存後にl−メントールの析出を全く抑制できていなかった。更に、1又は3重量%のl−メントールと、l−メントール1重量部当たり2〜10重量部のエタノールを含んでいても、ヘパリン類似物質を含まない場合(比較例5〜10)には、低温保存後にl−メントールの析出を十分に抑制できていなかった。
これに対して、1又は3重量%のl−メントールと、ヘパリン類似物質と、l−メントール1重量部当たり2〜10重量部のエタノールを含む場合(実施例1〜18)では、l−メントールの析出を抑制できており、更に皮膚に対する刺激も十分に抑制できていた。特に、メントールと、ヘパリン類似物質と、l−メントール1重量部当たり2〜5重量部のエタノールを含む場合(実施例1〜6)では、l−メントールの析出抑制効果及び皮膚刺激抑制効果を格段良好に兼ね備えることができていた。
Figure 0006903411
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Claims (4)

  1. 1〜3重量%のl−メントール、ヘパリン類似物質、及びエタノールを含み、且つl−メントール1重量部当たり、エタノールが2〜5.3重量部である、外用組成物(但し、炭素数1〜6の一価低級アルコール/水=0.7〜1.4(質量比)である場合を除く)
  2. ヘパリン類似物質の含有量が0.05〜1重量%である、請求項1に記載の外用組成物。
  3. エタノールの含有量が2〜20重量%である、請求項1又は2に記載の外用組成物。
  4. モノテルペンを含む外用組成物においてモノテルペンの析出を抑制する方法であって、
    外用組成物に、1〜3重量%のモノテルペン、ヘパリン類似物質、及びエタノールを配合し、且つモノテルペン1重量部当たりのエタノールの比率を2〜5.3重量部にする(但し、炭素数1〜6の一価低級アルコール/水=0.7〜1.4(質量比)とする場合を除く)
    モノテルペンの析出抑制方法。

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