JP6646219B2 - 回避行動判定プログラム、回避行動判定方法および回避行動判定装置 - Google Patents

回避行動判定プログラム、回避行動判定方法および回避行動判定装置 Download PDF

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Description

本発明は、回避行動判定プログラム、回避行動判定方法および回避行動判定装置に関する。
船舶の航行においては、他のエリアよりも衝突事故や事故回避行動が多く見られる危険地域が存在する。そこで、船舶間の相対距離に基づいて船舶の航行の危険判定を行う技術が存在する。
特開2004−178258号公報 特開平10−250681号公報
しかしながら、船舶間の相対距離に基づいて船舶の航行の危険判定を行っても、衝突リスクの高い危険箇所を精度良く検出できない場合がある。例えば、港における航行では、港の施設への入港と、港内の航路の継続した通行が混在する。このため、船舶間の相対距離に基づいた危険判定では、航路から目的地の埠頭へ進入するための針路変更を回避行動と誤って検出してしまう場合がある。
一方、危険箇所は、港のように、航路が指定されている場所だけでなく、航路が指定されていない場所にも存在する。航路が指定されていない海域における船舶の航跡は、それぞれの船舶が様々な目的地に向かう航跡となることから、例えば、ある船舶が回頭を行った時にその回頭が回避行動であるとは限らず、航跡自体から事故の回避行動を行ったか否かを判定することが困難である。
一つの側面では、回避行動を精度良く検出できる回避行動判定プログラム、回避行動判定方法および回避行動判定装置を提供することを目的とする。
第1の案では、回避行動判定プログラムは、コンピュータに、特定の船舶の航跡が通過する複数のグリッドそれぞれについて、航跡の進入角および退出角をそれぞれ算出する処理を実行させる。回避行動判定プログラムは、コンピュータに、複数のグリッドそれぞれについて設定された判定条件に基づき、進入角および退出角が、判定条件に適合するグリッドを抽出する処理を実行させる。回避行動判定プログラムは、コンピュータに、抽出されたグリッドにおける航跡での特定の船舶の位置に対応した、他の船舶との相対距離に基づき、特定の船舶が回避行動を行ったか否かを判定する処理を実行させる。
本発明の一の実施態様によれば、回避行動を精度良く検出できるという効果を奏する。
図1は、支援システムの概略的な構成の一例を示す図である。 図2は、回避行動判定装置の概略的な構成を示す図である。 図3は、グリッド情報のデータ構成の一例を示す図である。 図4は、グリッド通過船舶情報のデータ構成の一例を示す図である。 図5は、グリッドごとの進入角および退出角の一例を示す図である。 図6は、誤って回避行動と検出される一例を示す図である。 図7は、グリッドを通過した各船舶の航跡の一例を示す図である。 図8は、逸脱しているかの判定の一例を示す図である。 図9は、DCPAの変化の一例を示す図である。 図10は、回避行動と判定される一例を示す図である。 図11は、回避行動と判定されない一例を示す図である。 図12は、回避行動判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図13は、航路内の航跡の一例を説明する図である。 図14は、回避行動判定プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
以下に、本発明にかかる回避行動判定プログラム、回避行動判定方法および回避行動判定装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。以下では、船舶の航行を支援する支援システムに適用した場合を例に説明する。
[システム構成]
最初に、実施例1に係る支援システム10の一例を説明する。図1は、支援システムの概略的な構成の一例を示す図である。支援システム10は、船舶の航行を支援するシステムである。
図1には、2隻の船舶11と陸上施設13とが示されている。船舶11は、AIS装置12が搭載されている。例えば、特定の船舶は、法律等により、AIS装置12の搭載が義務付けられている。特定の船舶は、国際航海に従事する300総トン以上の全ての船舶、国際航海に従事する全ての旅客船、および、国際航海に従事しない500総トン以上の全ての船舶が該当する。なお、特定の船舶以外の船舶も、AIS装置12を搭載してもよい。
AIS装置12は、搭載された船舶11に関する各種の情報を含んだAIS情報を無線通信で周期的に送信する。AIS情報には、例えば、緯度および経度による位置や、船名、時刻、船舶11の船首方向、MMSI番号(Maritime Mobile Service Identity)などの船舶11の識別符号、船舶11の長さ、幅などの情報が含まれている。AIS情報は、他の船舶11や陸上施設13で受信可能とされている。他の船舶11や陸上施設13は、受信したAIS情報を基に、船舶11の位置や、船名、時刻、船舶11の船首方向、船舶11の識別符号、船舶11の長さ、幅などの各種の情報を把握できる。
陸上施設13は、例えば、海上保安庁の海上交通センターや港内交通管制室など、各船舶11の航行管制を行う施設である。陸上施設13は、各船舶11から受信したAIS情報やレーダで検出された情報などを基に、各船舶11の位置を把握し、各船舶11に対し、海上交通に関する各種の情報を提供する。
[回避行動判定装置の構成]
次に、実施例1に係る回避行動判定装置20の構成について説明する。図2は、回避行動判定装置の概略的な構成を示す図である。回避行動判定装置20は、陸上施設13に設けられ、船舶の航行を支援する装置である。例えば、回避行動判定装置20は、サーバコンピュータなどのコンピュータである。回避行動判定装置20は、1台のコンピュータとして実装してもよく、また、複数台のコンピュータにより実装してもよい。なお、本実施例では、回避行動判定装置20を1台のコンピュータとした場合を例として説明する。
ここで、例えば、運輸安全委員会は、船舶事故が過去に発生した位置を示した船舶事故ハザードマップを提供している。しかし、船舶事故は発生していないものの、事故回避行動が多く見られる危険箇所が存在する。すなわち、船舶事故ハザードマップでは、今まで船舶事故が発生していないが潜在的な危険性がある危険箇所を示すことができていない。そこで、本実施例では、回避行動判定装置20が、海域の衝突リスクを評価し、衝突リスクの高い危険箇所を示したハザードマップを生成する場合を例に説明する。
回避行動判定装置20は、外部I/F(インタフェース)部21と、入力部22と、表示部23と、記憶部24と、制御部25とを有する。
外部I/F部21は、例えば、他の装置と各種の情報を送受信するインタフェースである。外部I/F部21は、陸上施設13に設けられたアンテナなどの無線通信装置13Aを介して、各船舶11と無線通信が可能とされており、各船舶11と各種の情報を送受信する。例えば、外部I/F部21は、無線通信装置13Aを介して、各船舶11からAIS情報を受信する。
入力部22は、各種の情報を入力する入力デバイスである。入力部22としては、マウスやキーボードなどの操作の入力を受け付ける入力デバイスが挙げられる。入力部22は、各種の情報の入力を受け付ける。例えば、入力部22は、各種の処理の開始を指示する操作入力を受け付ける。入力部22は、受け付けた操作内容を示す操作情報を制御部25に入力する。
表示部23は、各種情報を表示する表示デバイスである。表示部23としては、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などの表示デバイスが挙げられる。表示部23は、各種情報を表示する。例えば、表示部23は、操作画面など各種の画面を表示する。
記憶部24は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部24は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)などのデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。
記憶部24は、制御部25で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部24は、後述する回避行動判定処理を実行するプログラムを記憶する。さらに、記憶部24は、制御部25で実行されるプログラムで用いられる各種データを記憶する。例えば、記憶部24は、AIS蓄積データ30と、グリッド情報31と、グリッド通過船舶情報32と、危険箇所情報33とを記憶する。
AIS蓄積データ30は、各船舶11から受信されたAIS情報を蓄積したデータである。
グリッド情報31は、陸上施設13が航行管制の対象とする対象範囲を所定サイズごとのグリッドに分割したグリッドに関する各種の情報を記憶したデータである。例えば、グリッド情報31には、グリッドを識別する識別情報と、グリッドの領域の境界の位置の情報が記憶されている。グリッドの詳細は、後述する。
図3は、グリッド情報のデータ構成の一例を示す図である。図3に示すように、グリッド情報31は、「グリッドID」、「グリッド範囲」などの項目を有する。なお、図3に示したグリッド情報31の各項目は、一例であり、その他の項目を有してもよい。
グリッドIDの項目は、グリッドを識別する識別情報を記憶する領域である。グリッドには、それぞれを識別する識別情報が付与される。本実施例では、陸上施設13が航行管制の対象とする対象範囲を所定サイズごとに格子状にグリッドを分けている。グリッドの識別情報には、格子の一方向をX軸、他方をY軸とし、所定の基準グリッドを(0,0)として、X軸方向、Y軸方向のグリッドの個数によって位置を示したグリッドID(identifier)を用いている。グリッド範囲の項目は、格子状のグリッドの領域の各頂点の位置の緯度および経度を記憶する領域である。
グリッド通過船舶情報32は、グリッドを通過した船舶に関する各種の情報を記憶したデータである。例えば、グリッド通過船舶情報32には、グリッドを通過した船舶の進入角、退出角が記憶されている。
図4は、グリッド通過船舶情報のデータ構成の一例を示す図である。図4に示すように、グリッド通過船舶情報32は、「グリッドID」、「進入角」、「退出角」、「船舶ID」などの項目を有する。なお、図4に示したグリッド通過船舶情報32の各項目は、一例であり、その他の項目を有してもよい。
グリッドIDの項目は、グリッドのグリッドIDを記憶する領域である。進入角の項目は、グリッドを通過した船舶のグリッドへの進入角を記憶する領域である。退出角の項目は、グリッドを通過した船舶のグリッドからの退出角を記憶する領域である。進入角および退出角は、所定の方向を基準(0度)とした角度とする。例えば、進入角および退出角は、北の方向を基準として右回りの角度とする。なお、退出角は、グリッドから退出した角度であってもよく、進入角に対するグリッドから退出した角度の角度差を用いてもよい。船舶IDの項目は、船舶を識別する識別情報を記憶する領域である。AIS情報には、船舶の識別情報として、MMSI番号などの船舶の識別符号が含まれている。船舶IDの項目には、グリッドを進入角および退出角で通過した船舶のMMSI番号が記憶される。
危険箇所情報33は、衝突リスクの高い危険箇所に関する情報を記憶したデータである。
制御部25は、回避行動判定装置20を制御するデバイスである。制御部25としては、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を採用できる。制御部25は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部25は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、制御部25は、格納部40と、算出部41と、抽出部42と、判定部43と、評価部44と、出力部45とを有する。
格納部40は、無線通信装置13Aを介して、各船舶11から受信されるAIS情報をAIS蓄積データ30に格納する。
算出部41は、AIS蓄積データ30から、グリッドごとに、当該グリッドを通過した船舶の進入角および退出角を算出する。例えば、算出部41は、AIS蓄積データ30を参照して、複数の船舶の時刻ごとの位置を示す位置情報を取得する。算出部41は、船舶ごとに、各時刻の位置から、船舶の航跡を求める。ここで、航跡とは、船舶の位置の軌跡である。算出部41は、グリッド情報31を用いて、航跡が通過するグリッドを特定する。算出部41は、航跡が通過する各グリッドそれぞれについて、航跡の進入角および退出角をそれぞれ算出する。
図5は、グリッドごとの進入角および退出角の一例を示す図である。図5には、時刻T1から時刻T2の船舶の航跡が示されている。航跡は、グリッドIDが(2,3)、(2,2)、(1,2)、(1,1)の各グリッドを通過している。航跡は、グリッドIDが(2,2)のグリッドの進入角が275°、退出角が355°となっている。
算出部41は、グリッドのグリッドIDに対応付けて、当該グリッドへの進入角、退出角、船舶のMMSI番号をグリッド通過船舶情報32に格納する。
ここで、グリッドのサイズについて説明する。船舶の場合、回避行動は、少なくとも30秒以上の回頭として顕れる。例えば、後述する衝突リスクを変化が読み取れる可能性が高い10秒で評価するものとする。船舶が回避行動を取る場合の一般的な速度である10〜12[kn(ノット)]では、10秒間での航行距離が50−60[m]となる。そこで、グリッドは、最小で一辺の幅が50[m]の矩形領域とする。
なお、グリッドは、一辺の幅を50−200[m]としてもよい。また、グリッドは、一辺の最小幅を50[m]として、幅を変化させてもよい。例えば、グリッドの一辺の最小幅を50[m]とし、変化幅を50[m]と設定する。算出部41は、AIS蓄積データ30から、最小幅の各グリッドでの航跡の進入角および退出角をそれぞれ算出する。そして、算出部41は、グリッドごとに、進入角に対する退出角の針路変更角を算出する。そして、算出部41は、グリッドごとに、針路変更角を所定の階級(例えば、1°間隔)で集計する。算出部41は、集計した頻度分布が以下の式(1)の指数分布に従うとして分布パラメータλを算出する。
Figure 0006646219
算出部41は、算出した分布パラメータλの空間的偏り度を算出する。空間的偏り度は、例えば、以下の式(2)に示されるMoranのI統計量を用いる。
Figure 0006646219
ここで、
n:陸上施設13が航行管制の対象とする対象範囲のグリッド数
:グリッドiの分布パラメータλ
X ̄:全グリッドの分布パラメータλの平均
また、式(2)の接続行列Wijは、以下の様に定義する。
グリッドiとグリッドjが隣接する場合:Wij=1
グリッドiとグリッドjが隣接しない場合:Wij=0
算出部41は、算出した空間的偏り度の上昇が飽和した時点のグリッド幅を採用する。このグリッドの幅の決定手法は、グリッドの幅が小さすぎると、データ数が少なすぎるので算出される分布パラメータが安定せず、結果的に偏り度が小さくなるという性質を利用している。
抽出部42は、AIS蓄積データ30およびグリッド通過船舶情報32に基づいて、潜在的な危険性がある危険箇所を抽出する。例えば、抽出部42は、AIS蓄積データ30およびグリッド通過船舶情報32に基づいて、船舶の衝突回避行動を検出し、回避行動が検出された箇所に関して各種の情報を抽出する。
ここで、本実施例が対象とする回避行動について説明する。回避行動は、以下の条件1、条件2を満たすものとする。
条件1:衝突リスクを低減する操船行動である。
条件2:衝突の回避を目的(意図)とした操船行動である。
衝突リスクは、例えば、2つの船舶が針路と速度を維持した場合の当該2つの船舶が最接近する距離(DCPA:Distance of Closest Point of Approach)により評価する。
ここで、条件1を満たす箇所のみでは、回避行動を精度良く検出できない場合がある。すなわち、衝突リスクが低減しているのみでは、回避行動を精度良く検出できない場合がある。例えば、港における航行では、港の施設への入港と、港内の航路の継続した通行が混在する。このため、船舶間の相対距離に基づいた危険判定では、航路から目的地の埠頭へ進入するための針路変更を回避行動と誤って検出してしまう場合がある。また、危険箇所は、港のように、航路が指定されている場所だけでなく、航路が指定されていない場所にも存在する。航路が指定されていない海域における航跡は、それぞれの船舶が様々な目的地に向かう航跡となることから、航跡自体から事故回避行動を行ったか否かを判定することが困難である。
図6は、誤って回避行動と検出される一例を示す図である。図6には、2つの船舶11A、11Bの航行した航跡と、航路が示されている。船舶11Aおよび船舶11Bは、入港航路に沿った航行である。船舶11Aは、右側から進入し、右に回頭している。船舶11Bは、下側から進入し、左に回頭している。船舶11Bの左への回頭によって、船舶11Aと船舶11Bの衝突リスクは、低減している。しかし、図6の例では、船舶11Bは、航路に入るための回頭であり、回避行動を目的とした回頭ではないと推定される。
このように衝突リスクが低減しているのみでは、回避行動を精度良く検出できない場合がある。
ところで、航路が指定されていない海域は、様々な針路の船舶が存在するとはいえ、船舶の針路が完全にランダムという訳ではない。それぞれの船舶は、それぞれの目的地に向けて航行している。すなわち、複数の船舶の針路を比較すると、標準的な針路が存在する。
そこで、本実施例では、海域をグリッドに分割し、過去の各船舶の航跡をグリッドへの進入角と退出角の組として、グリッド通過船舶情報32に記憶させている。抽出部42は、記憶部24のグリッド通過船舶情報32を参照して、判定の対象とする特定の船舶のグリッドへの進入角および退出角が、特定の船舶以外の他の船舶の進入角および退出角から所定以上逸脱しているグリッドを抽出する。特定の船舶は、ユーザが入力部22から指定してもよく、各船舶を順に特定の船舶として、各船舶が回避行動を行ったか否かを順に判定してもよい。
図7は、グリッドを通過した各船舶の航跡の一例を示す図である。図7の例では、判定の対象とする特定の船舶の航跡と、特定の船舶以外の他の船舶の航跡が示されている。図7の例では、進入角が0°で進入した他の船舶11A、11Bの退出角は、310°〜0°である。進入角が0°で進入した特定の船舶11Cの退出角は、60°であり、他の船舶では見られない。このように進入角と退出角を比較することで、他の船舶では見られない航路を取っていたかどうかを判定できる。
抽出部42は、記憶部24のグリッド通過船舶情報32を参照して、判定の対象とする特定の船舶が通過した各グリッドに対して、次のような処理を行う。抽出部42は、特定の船舶の進入角を基準として、進入角が所定範囲以内の他の船舶の退出角を求める。所定範囲は、例えば、進入角±5°とするが、これに限定されるものではない。所定範囲は、外部から変更可能としてもよい。例えば、表示部23に所定範囲の設定画面を表示させ、入力部22からの入力により変更可能としてもよい。
抽出部42は、求めた退出角に対して特定の船舶の退出角が所定以上逸脱しているか判定し、所定以上逸脱しているグリッドを抽出する。例えば、抽出部42は、求めた退出角について、進入角と退出角の角度差の平均値と標準偏差を算出する。また、特定の船舶の進入角と退出角の角度差を求める。そして、抽出部42は、以下の式(3)から逸脱度評価値を算出する。
逸脱度評価値=|特定の船舶角度差−角度差の平均値|/角度差の標準偏差 (3)
図8は、逸脱しているかの判定の一例を示す図である。特定の船舶は、グリッドIDが(2,2)の進入角が275°であり、退出角が355°とする。抽出部42は、グリッド通過船舶情報32を参照して、グリッドIDが(2,2)で、進入角が270°以上、280°以下のレコードを検索する。図8の例では、パターンが付されたレコードが検索される。抽出部42は、検索されたレコードの進入角と退出角の角度差の平均値と標準偏差を算出する。図8の例では、平均値=1.117、標準偏差=0.582と算出される。抽出部42は、逸脱度評価値を算出する。図8の例では、式(3)から逸脱度評価値が135.61(≒|80−1.117|/0.582)と算出される。
抽出部42は、逸脱度評価値が所定の閾値以上の場合、逸脱していると判定して、グリッドを抽出する。閾値は、逸脱度評価値の算出方式に応じて、逸脱していると見なす値に定める。例えば、式(3)を用いる場合、閾値は、100とするが、これに限定されるものではない。閾値は、外部から変更可能としてもよい。例えば、表示部23に閾値の設定画面を表示させ、入力部22からの入力により変更可能としてもよい。
判定部43は、各種の判定を行う。例えば、判定部43は、抽出されたグリッドにおいて、特定の船舶が回避行動を行ったか否かを判定する。例えば、判定部43は、AIS蓄積データ30を参照して、抽出されたグリッドを特定の船舶が航行した際の特定の船舶と周囲の他の船舶の時刻ごとの位置を示す位置情報を取得する。判定部43は、特定の船舶と特定の船舶から所定距離以内の他の船舶の時刻ごとの位置を示す位置情報を取得する。所定距離は、例えば、500mとするが、これに限定されるものではない。所定距離は、外部から変更可能としてもよい。例えば、表示部23に所定距離の設定画面を表示させ、入力部22からの入力により変更可能としてもよい。
判定部43は、取得した複数の船舶の時刻ごとの位置を示す位置情報を用いて、特定の船舶と他の船舶について、2つの船舶の組み合わせごとに、2つの船舶の間の相対距離を求め、特定の船舶が回避行動を行ったか否かを判定する。例えば、判定部43は、時系列順に、2つの船舶の組み合わせごとに、各時刻における衝突リスクを算出し、衝突リスクが低減している場合、回避行動を行ったか否かを判定する。例えば、判定部43は、各時刻における衝突リスクとして、各時刻で2つの船舶がそれぞれ針路と速度を維持した場合の2つの船舶が最接近する距離(DCPA)を算出する。そして、判定部43は、抽出されたグリッドを通過する期間に対応して、2つの船舶のDCPAが第1の閾値未満に低下した後、第1の閾値より大きい所定の第2の閾値以上に変化している場合、特定の船舶が回避行動を行ったと判定する。
図9は、DCPAの変化の一例を示す図である。図9の例は、2つの船舶が実際に最も近い距離となる時刻の所定時間前から、各時刻で2つの船舶がそれぞれ針路と速度を維持した場合のDCPAの変化が示されている。判定部43は、2つの船舶のDCPAが第1の閾値未満に低下した後、第1の閾値より大きい所定の第2の閾値以上に変化する期間を求める。第1の閾値は、例えば、100mとし、第2の閾値は、例えば、200mとするが、これに限定されるものではない。第1の閾値および第2の閾値は、外部から変更可能としてもよい。例えば、表示部23に第1の閾値および第2の閾値の設定画面を表示させ、入力部22からの入力により変更可能としてもよい。また、第1の閾値および第2の閾値は、2つの船舶の種類や大きさにより変更してもよい。例えば、2つの船舶のうち一方が、危険性が高い荷物を積んだ船舶である場合、第1の閾値および第2の閾値を大きな値に変更してもよい。危険性が高い荷物であるかは、例えば、AIS情報に含まれる航海関連情報から判別できる。また、例えば、船舶の長さが長いほど第1の閾値および第2の閾値を大きな値に変更してもよい。
判定部43は、2つの船舶のDCPAが第1の閾値未満に低下した時刻T1と、2つの船舶のDCPAが第2の閾値以上となった時刻T2を特定する。
判定部43は、抽出した2つの船舶のそれぞれの時刻T1〜時刻T2の期間に、抽出されたグリッドを通過する期間がある場合、特定の船舶が回避行動を行ったと判定する。
図10は、回避行動と判定される一例を示す図である。図10には、2つの船舶11A、11Bの航行した航跡が示されている。船舶11Bは、船舶11Aと接近したため、グリッドG1において右回頭している。この船舶11BのグリッドG1における右回頭により衝突リスクが低減している。また、グリッドG1では、進入角310°で航行した過去の船舶の退出角が310±5°の範囲に収まる。一方、今回の船舶11Bの退出角は、358°であり、過去の船舶には見られなかった航跡と判定される。これにより、船舶11BのグリッドG1の航跡は、回避行動と判定される。
図11は、回避行動と判定されない一例を示す図である。図11には、2つの船舶11A、11Bの航行した航跡が示されている。船舶11Aは、船舶11Bの前方を横切っている。船舶11Bは、グリッドG2において右回頭している。船舶11Bは、回頭を行わなければ、船舶11Aと船舶11Bの破線の矢印の交点で、船舶11Aと衝突するが、グリッドG2において右回頭しているため、衝突リスクが低減している。しかし、グリッドG2では、船舶11Bと同じ進入角で進入した過去の船舶の約63%が船舶11Bと同じ退出角でグリッドG2を出ている。これにより、船舶11BのグリッドG2の航跡は、回避行動と判定されない。
評価部44は、海域の複数の地点における危険性を評価する。例えば、評価部44は、海域の一定範囲ごとに、回避行動を行った船舶が検出された回数をカウントする。そして、評価部44は、回避行動を行った船舶が所定回以上検出された範囲を衝突リスクの高い危険箇所として、危険箇所ごとに、危険箇所の位置と、回避行動を行った船舶の情報など、各種の情報を危険箇所情報33に格納する。なお、危険性の評価の手法は、一例であり、これに限定されるものではない。例えば、評価部44は、回避行動を行った船舶が検出された位置を、危険箇所として全て危険箇所情報33に格納してもよい。
出力部45は、各種の出力を行う。例えば、出力部45は、危険箇所情報33に記憶された衝突リスクの高い危険箇所の位置を海域上にプロットしたハザードマップのデータを生成し、ハザードマップを画面、外部装置に出力する。これにより、危険箇所を特定できる。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係る回避行動判定装置20が、回避行動を判定する回避行動判定処理の流れを説明する。図12は、回避行動判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。この評価処理は、所定のタイミング、例えば、処理開始を指示する所定操作を受け付けたタイミングで実行される。
図12に示すように、算出部41は、AIS蓄積データ30から、グリッドごとに、当該グリッドを通過した船舶の進入角および退出角を算出する(S10)。算出部41は、グリッドのグリッドIDに対応付けて、当該グリッドへの進入角、退出角、船舶のMMSI番号をグリッド通過船舶情報32に格納する(S11)。
抽出部42は、記憶部24のグリッド通過船舶情報32を参照して、判定の対象とする特定の船舶のグリッドへの進入角および退出角が、特定の船舶以外の他の船舶の進入角および退出角から所定以上逸脱しているグリッドを抽出する(S12)。判定部43は、抽出されたグリッドにおいて、特定の船舶が回避行動を行ったか否かを判定する(S13)。例えば、判定部43は、抽出されたグリッドを通過する期間に対応して、特定の船舶と他の船舶のDCPAが第1の閾値未満に低下した後、第1の閾値より大きい所定の第2の閾値以上に変化している場合、特定の船舶が回避行動を行ったと判定する。
評価部44は、海域の複数の地点における危険性を評価する(S14)。例えば、評価部44は、海域の一定範囲ごとに、回避行動を行った船舶が検出された回数をカウントする。そして、評価部44は、回避行動を行った船舶が所定回以上検出された範囲を衝突リスクの高い危険箇所として、危険箇所ごとに、危険箇所の位置と、回避行動を行った船舶の情報など、各種の情報を危険箇所情報33に格納する。
出力部45は、評価結果を出力し(S15)、処理を終了する。例えば、出力部45は、危険箇所情報33に記憶された衝突リスクの高い危険箇所の位置を海域上にプロットしたハザードマップのデータを生成し、ハザードマップを画面に出力する。
[効果]
本実施例に係る回避行動判定装置20は、対象海域に設定され、特定の船舶の航跡が通過する複数のグリッドそれぞれについて、航跡の進入角および退出角をそれぞれ算出する。回避行動判定装置20は、複数のグリッドそれぞれについて設定された判定条件に基づき、進入角および退出角が、判定条件に適合するグリッドを抽出する。回避行動判定装置20は、抽出されたグリッドにおける航跡での特定の船舶の位置に対応した、他の船舶との相対距離に基づき、特定の船舶が回避行動を行ったか否かを判定する。これにより、回避行動判定装置20は、回避行動を精度良く検出できる。
また、本実施例に係る回避行動判定装置20は、記憶部24のグリッド通過船舶情報32を参照して、特定の船舶の進入角および退出角が、特定の船舶以外の他の船舶の進入角および退出角から所定以上逸脱しているグリッドを抽出する。これにより、回避行動判定装置20は、航路が指定されていない海域であっても、他の船舶では見られない、回避行動と疑われる航行が行われたグリッドを精度良く検出できる。
また、本実施例に係る回避行動判定装置20は、特定の船舶の進入角を基準として、進入角が所定範囲以内の他の船舶の退出角を求める。回避行動判定装置20は、求めた退出角に対して特定の船舶の退出角が所定以上逸脱しているグリッドを抽出する。これにより、回避行動判定装置20は、進入角が同様でも、退出角が他の船舶から逸脱している、回避行動と疑われる航行が行われたグリッドを精度良く検出できる。
また、本実施例に係る回避行動判定装置20は、抽出されたグリッドにおける航跡の航行がされた期間を含む所定期間で、特定の船舶と他の船舶との相対距離が第1閾値未満に低下した後、第2閾値以上に変化した場合、特定の船舶が回避行動を行ったと判定する。これにより、回避行動判定装置20は、回避行動を精度良く検出できる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、開示の技術は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
例えば、上記の実施例では、所定範囲を進入角±5°とする場合を例に説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、所定範囲は、海域により変更してもよい。船舶は、港湾内または航路上では針路の自由度が小さくなる。そこで、抽出部42は、グリッドが港湾内または航路上の場合、港湾内または航路上以外の場合よりも、所定範囲の幅を狭く設定してもよい。例えば、抽出部42は、グリッドが湾港内または航路上の場合、所定範囲を進入角±2°とし、グリッドが湾港内または航路上以外の海域の場合、所定範囲を進入角±5°としてもよい。
図13は、航路内の航跡の一例を説明する図である。図13には、航路内のグリッドG3を通過した船舶の航跡が示されている。航跡Aは、グリッドG3において航路に入った船舶の航跡であり、グリッドG3の前のグリッドから継続して航路に沿った航行をしている船舶Bの航跡よりも進入角が大きい。所定範囲を進入角±5°とした場合、航跡Aも含まれるため、判定の対象とする特定の船舶の航跡Cの逸脱度は小さくなる。一方、所定範囲を進入角±2°とした場合、航跡Aが含まれなくなるため、判定の対象とする特定の船舶の航跡Cの逸脱度は大きくなる。このように、湾港内または航路上の海域で所定範囲を狭めることにより、例えば、前のグリッドから継続して航路に沿った航行をしている船舶と、グリッドにおいて航路に入った船舶を分ける事ができるので、逸脱の評価をより妥当にすることができる。
また、上記の実施例では、判定条件に適合するグリッドを抽出し、抽出されたグリッドにおける航跡での特定の船舶と他の船舶との相対距離に基づき、特定の船舶が回避行動を行ったか否かを判定する場合を例に説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、特定の船舶と他の船舶との相対距離に基づいて、特定の船舶が回避行動を行ったと推定される期間を特定する。そして、特定した期間の特定の船舶の航跡がグリッドにおいて他の船舶の航跡から逸脱している場合、特定の船舶が回避行動を行ったと判定してもよい。例えば、判定部43は、特定の船舶と周囲の他の船舶について、2つの船舶の組み合わせごとに、各時刻におけるDCPAを算出し、DCPAが第1の閾値未満に低下した後、第2の閾値以上に変化する期間を特定する。抽出部42は、特定の船舶が特定された期間に通過するグリッドにおいて、特定の船舶の航跡が他の船舶の航跡から逸脱している場合、特定の船舶が回避行動を行ったと検出してもよい。
また、上記の実施例では、AIS蓄積データ30にAIS情報が記憶された船舶について回避行動を行ったかを検出する場合を例に説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、船舶から随時受信されるAIS情報に基づいて、現在航行中の船舶が回避行動を行ったかを検出してもよい。また、グリッド通過船舶情報32には、グリッドごとに、回避行動を行っていない通常航行の船舶の進入角、退出角を記憶させてもよい。例えば、回避行動判定装置20は、船舶から随時受信されるAIS情報に基づいて、現在航行中の船舶が回避行動を行ったかを検出する。回避行動判定装置20は、回避行動が行われていない通常航行の船舶の進入角、退出角をグリッド通過船舶情報32に格納してもよい。これにより、グリッド通過船舶情報32には、通常航行の船舶の進入角、退出角のみが記憶されるため、通常航行の船舶の進入角、退出角と比較することで、通常とは異なる航行が検出しやすくなる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的状態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、格納部40、算出部41、抽出部42、判定部43、評価部44および出力部45の各処理部が適宜統合又は分割されてもよい。また、各処理部にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
[回避行動判定プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムの一例を説明する。図14は、回避行動判定プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図14に示すように、コンピュータ300は、CPU310、HDD(Hard Disk Drive)320、RAM(Random Access Memory)340を有する。これら310〜340の各部は、バス400を介して接続される。
HDD320には上記実施例の各処理部と同様の機能を発揮する回避行動判定プログラム320aが予め記憶される。例えば、上記実施例の格納部40、算出部41、抽出部42、判定部43、評価部44および出力部45と同様の機能を発揮する回避行動判定プログラム320aを記憶させる。なお、回避行動判定プログラム320aについては、適宜分離しても良い。
また、HDD320は、各種データを記憶する。例えば、HDD320は、OSや各種データを記憶する。
そして、CPU310が、回避行動判定プログラム320aをHDD320から読み出して実行することで、実施例の各処理部と同様の動作を実行する。すなわち、回避行動判定プログラム320aは、実施例の格納部40、算出部41、抽出部42、判定部43、評価部44および出力部45と同様の動作を実行する。
なお、上記した回避行動判定プログラム320aについては、必ずしも最初からHDD320に記憶させることを要しない。例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、Compact Disk Read Only Memory(CD−ROM)、Digital Versatile Disk(DVD)、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ300に接続される「他のコンピュータ(又はサーバ)」などにプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
10 支援システム
11 船舶
12 AIS装置
13 陸上施設
20 回避行動判定装置
24 記憶部
25 制御部
30 AIS蓄積データ
31 グリッド情報
32 グリッド通過船舶情報
33 危険箇所情報
40 格納部
41 算出部
42 抽出部
43 判定部
44 評価部
45 出力部

Claims (8)

  1. コンピュータに、
    特定の船舶の航跡が通過する複数のグリッドそれぞれについて、前記航跡の進入角および退出角をそれぞれ算出し、
    前記複数のグリッドそれぞれについて設定された判定条件に基づき、前記進入角および前記退出角が、前記判定条件に適合するグリッドを抽出し、
    前記抽出されたグリッドにおける航跡での前記特定の船舶の位置に対応した、他の船舶との相対距離に基づき、前記特定の船舶が回避行動を行ったか否かを判定する
    処理を実行させることを特徴とする回避行動判定プログラム。
  2. 前記抽出する処理は、前記複数のグリッドごとに、当該グリッドを通過した各船舶の前記進入角および前記退出角を記憶した記憶部を参照して、前記特定の船舶の前記進入角および前記退出角が、前記特定の船舶以外の他の船舶の前記進入角および前記退出角から所定以上逸脱しているグリッドを抽出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の回避行動判定プログラム。
  3. 前記複数のグリッドは、特定の海域に含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の回避行動判定プログラム。
  4. 前記抽出する処理は、前記特定の船舶の前記進入角を基準として、前記進入角が所定範囲以内の他の船舶の前記退出角を求め、求めた前記退出角に対して前記特定の船舶の前記退出角が所定以上逸脱しているグリッドを抽出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の回避行動判定プログラム。
  5. 前記抽出する処理は、グリッドが港湾内または航路上の場合、港湾内または航路上以外の場合よりも、所定範囲の幅を狭く設定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の回避行動判定プログラム。
  6. 前記判定する処理は、前記抽出されたグリッドにおける航跡の航行がされた期間を含む所定期間で、前記特定の船舶と前記他の船舶との相対距離が所定の第1閾値未満に低下した後、前記第1閾値より大きい所定の第2閾値以上に変化した場合、前記特定の船舶が回避行動を行ったと判定する
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の回避行動判定プログラム。
  7. コンピュータが、
    特定の船舶の航跡が通過する複数のグリッドそれぞれについて、前記航跡の進入角および退出角をそれぞれ算出し、
    前記複数のグリッドそれぞれについて設定された判定条件に基づき、前記進入角および前記退出角が、前記判定条件に適合するグリッドを抽出し、
    前記抽出されたグリッドにおける航跡での前記特定の船舶の位置に対応した、他の船舶との相対距離に基づき、前記特定の船舶が回避行動を行ったか否かを判定する
    処理を実行することを特徴とする回避行動判定方法。
  8. 特定の船舶の航跡が通過する複数のグリッドそれぞれについて、前記航跡の進入角および退出角をそれぞれ算出する算出部と、
    前記複数のグリッドそれぞれについて設定された判定条件に基づき、前記算出部により算出された前記進入角および前記退出角が、前記判定条件に適合するグリッドを抽出する抽出部と、
    前記抽出部により抽出されたグリッドにおける航跡での前記特定の船舶の位置に対応した、他の船舶との相対距離に基づき、前記特定の船舶が回避行動を行ったか否かを判定する判定部と、
    を有することを特徴とする回避行動判定装置。
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