JP3395105B2 - 船舶の危険行動評価装置 - Google Patents

船舶の危険行動評価装置

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JP3395105B2
JP3395105B2 JP06121597A JP6121597A JP3395105B2 JP 3395105 B2 JP3395105 B2 JP 3395105B2 JP 06121597 A JP06121597 A JP 06121597A JP 6121597 A JP6121597 A JP 6121597A JP 3395105 B2 JP3395105 B2 JP 3395105B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、船舶の危険行動評
価装置に関し、更に詳細には、港の近く、湾の中、狭い
海峡など、航行する船舶が互いに混み合う海域で、目的
の航路をできるだけ外さないで衝突を回避する際に、衝
突・座礁に対する危険行動、即ち危険な針路・速力を評
価できるようにした装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在は、殆どの船舶がレーダを搭載して
いるので、霧の中でも他の船舶などの状況を把握しなが
ら航行することができることは周知である。レーダから
得られる目標船舶(以下他船という)と自船との相対位
置を演算し、自船と、他船との相対運動、最接近点(Cl
osent Point of Approach 、以下CPA と略記する) 、最
接近距離(Distance of CPA 、以下DCPAと略記する)及
び最接近時間(Time toCPA 、以下TCPAと略記する)な
どの情報を求めることは従来から行われている。この最
接近距離と最接近時間とを図6によって説明する。
【0003】いま自船が速力Vkt(ktはノット)で一定
の方向を向けて航行しているとし、図6に示す舳先方向
を向いて航行する他船(以下目標という)1が、時間t
0 のときに座標(x0,0 )上に在ったとする。なお目
標1の速力vのxy成分を、それぞれvx,y とする。
目標1を自船上から見ると、自船は常にy軸方向を向い
てxy座標の原点Oに在るようにプロットするので、時
間t0 からΔt時間経過後に目標1は、前記xy座標上
では、x1 =x0 −vx ×Δt、y1 =y0 −(V−v
y )Δtの位置に移動したように観測される。
【0004】ところでV>vであるとすると、y0 >y
1 となり、時間経過と共に目標1は自船に近づいて来る
ように見える。いま両船の針路、速力が一定であると仮
定すると、目標1は、図6の点線上を直線的に移動し、
自船の前を横切りCPA に達し、以後自船から遠ざかるよ
うに移動する。前記DCPAは、図6の点線でしめされた目
標1の自船に対する相対的航跡(この場合直線)に下ろ
した垂線の長さで表され、前記TCPAは目標1の観測開始
位置からCPA に達するまでに要する時間で求めることが
できる。
【0005】以上のように観測時間間隔をΔtごとに相
対プロットし、その都度DCPA及びTCPAによって目標船舶
の行動を評価することにより、十分訓練された操船者
は、目標1が実際に衝突する遙か以前に変針又は変速し
て危険を回避することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで港の近くや、
湾内や海峡など船舶が混み合う海域では、行き交う船舶
の数が飛躍的に多くなる。したがって、観測される目標
の全てについて相対プロットを紙面上で求めるには時間
が掛かり、如何に訓練を積んだ操船者といえども衝突の
危険を回避することがきわめて難しくなる。
【0007】そのため、現在は自動レーダプロッティン
グ装置(Automatic Radar PlottingAides 、以下ARPAと
略記する)が開発され、操船者は、このARPAのデータを
参考に、操船者の経験などを判断要素として操船してい
る。しかしながら、大型船舶、高速船などが混み合うよ
うな状況では、APRAのみでは、十分安全な操船が期待で
きず、更に避航時期、避航針路、避航速力を決定する情
報を提供するには十分とはいえない状況にある。しか
も、複雑な海岸線の近くを航行する場合などでは、前記
問題を更に難解なものとする。
【0008】本発明は、以上の問題に着目してなされた
ものであり、自船の周囲を複数の船舶が航行している場
合、又は座礁のおそれがある障害物が存在する場合に、
現時点の針路及び速力を維持した場合と、針路及び速力
を変更した場合とのそれぞれについて、衝突及び座礁の
危険がどのくらいの時間経過後に起こる可能性があるか
を評価する船舶の危険行動評価装置を提供することを目
的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めの本発明の船舶の危険行動評価装置の第1の構成は、
自船の針路及び速力を入力する手段、自船の周囲の他船
などの目標の針路、速力及び位置などの属性情報を入力
する手段、衝突危険行動評価演算手段、及び演算結果の
表示手段を備え、前記衝突危険行動評価演算手段は、現
在の目標の針路、速力及び位置を基に、自船の取りうる
針路及び速力の各場合について、所定の目標が自船に最
も接近する最接近予測距離及びその最接近予測時間を、
前記所定の目標ごとに演算し、前記最接近予測距離が予
め定めた判定最接近距離以下となる演算結果を選別し、
前記判定最接近距離以下となる演算結果が得られた場
合、前記選別した最接近予測時間の最低値を危険猶予時
間とするが、前記判定最接近距離以下となる演算結果が
得られなかった場合、又は、前記選別した最接近予測時
間の最低値が最大評価時間を越える場合は、最大評価時
間を危険猶予時間として前記表示手段に出力し、自船の
取りうる前記針路及び速力ごとに危険猶予時間を表示さ
せるようにしたものである。
【0010】前記所定の目標とは、前記目標のうち、人
為的又は自動的に選定した1個以上の目標を意味し、観
測される全目標としてもよい。前記衝突危険行動評価演
算を実行する際は、例えば、所定の目標ごとに自船に最
も接近する最接近予測距離を演算する、この最接近予測
距離が予め定めた判定最接近距離以下となる場合、最接
近予測時間も演算し、この最接近予測時間のうち、この
値が正であり、且つ最大評価時間以下となるものの最低
値を危険猶予時間とするという演算アルゴリズムとする
ことができる。
【0011】前記目標は、観測される船舶全部を指す必
要はなく、操船者が適宜選定した船舶、予め定めた条件
に入る船舶などとすることができる。また前記衝突危険
行動評価演算手段は、ジャイロコンパス、ログ(測程
儀)、レーダ、ARPAなど船舶に備えられた測定装置で検
出されるデータに基づき、DCPA及びTCPA、自船の針路・
速力などの各信号に基づく評価演算をコンピュータプロ
グラムによって構築することができる。
【0012】前記予め定めた判定最接近距離は、対象と
する自船の大きさ、運行状態などの特質により、任意に
設定することができる。ここで設定する判定最接近距離
を基本判定最接近距離と呼ぶものとする。また、自船の
速力などによって判定最接近距離を変化させることもで
きる。例えば、自船が大型船舶の場合には、基本判定最
接近距離を0.3NM(ノーティカルマイル即ち海里:
1NMは1852m)程度とし、また自船の速力に応じ
て以下に示す表1の係数テーブルを参照し、基本判定最
接近距離に係数を掛け合わせた数値を判定最接近距離と
することができる。
【0013】なお、以下に示す係数を掛け合わせるか否
かは、操船者に委ねることができる。こうした自船の要
素のみで設定された判定最接近距離を、標準判定最接近
距離と呼ぶものとする。以下の表1に係数テーブルの一
例を示す。なお以下に示す各係数テーブルの数値は、い
ずれも固定されたものではなく、任意に設定することが
できる。
【0014】 表中ktはノットを表す。例えば基本判定最接近距離が
0.3NMで、自船の速力が16ktであれば、標準判定
最接近距離は表1から0.33NMとなる。
【0015】また、対象となる船舶の大きさ、運航状
態、種類などによって、判定最接近距離を考慮すること
が有効である。したがって、視認により他船の大きさ、
運航状態、種類などを判定し、それらに応じた重み付け
をするなどして評価確度を向上させることができる。そ
の1例を以下の表2に示す。
【0016】 表 2 属性情報 係数 目標の大きさ:500ton 以下 1 同上 :501〜 3,000ton 以下 1.2 同上 :3,001〜30,000ton 1.5 同上 :30,001〜70,000ton 2.0 同上 :70,001ton 以上 2.5 目標の速力: 0〜12kt 1 同上 :12〜18kt 1.1 同上 :18〜24kt 1.2 同上 :24〜32kt 1.5 同上 :32kt以上 2.0 運航状態: 喫水制限船 1.3 帆船 1.5 漁ろうに従事している船舶 1.5 運転不自由船 1.5 操縦性能制限船 1.5 要注意船舶 1.5
【0017】なお、例えば、標準判定最接近距離が前記
例示の0.33NMであり、目標の大きさの係数が1.
2で、目標の速力の係数が1.2である場合には、判定
最接近距離が0.33×1.2×1.2=0.4752
NMとなる。但し、上記係数テーブルから得た判定最接
近距離が大きくなりすぎ、現実にそぐわない場合には、
操船者の判断で上限を設けるようにしてもよい。
【0018】なお適切な目標の大きさ、運航状態、種類
などを判定しにくい場合には、標準判定最接近距離に目
標の速力による係数を掛け合わせた判定最接近距離を適
用すればよい。また、本発明を実施する場合に、前記表
2に示すような係数テーブルを設定せず、標準判定最接
近距離をそのまま、個々の目標ごとの判定最接近距離と
したり、係数テーブルを設定している場合でも、その適
用を操船者の判断に任せるようにすることもできる。
【0019】前記座標は、平面座標、空間座標、極座標
など、任意の座標を用いることができ、座標上の各位置
を連続量として扱うこともできるが、所定幅(ステッ
プ)に区分し、マトリクスとして処理することもでき
る。他船の位置の変化から自船に対する相対速力及び針
路を求める手段には、特に限定はないが、既成手段とし
ては前記の自動レーダプロッティング装置(ARPA)から
取り込むことができる。但し、本発明はこれに限定され
ない。
【0020】前記目的を達成するための本発明の船舶の
危険行動評価装置の第2の構成は、自船の位置、針路及
び速力を入力する手段、自船の周囲の海岸線、等深線及
び障害物などの海図情報を入力する手段、座礁危険行動
評価演算手段、及び演算結果の表示手段を備え、前記座
礁危険行動評価演算手段は、現在の自船の位置を基に、
自船の取りうる各針路方向について、海図情報から座礁
警戒対象物を探索し、座礁警戒対象物がある場合、前記
針路方向に対して最も早く座礁するまでの時間を自船の
取りうる各速力ごとに演算し、この時間を危険猶予時間
とするが、前記障害物が存在しない場合、又は、座礁す
るまでの時間が最大評価時間を越える場合は、最大評価
時間を危険猶予時間として前記表示手段に出力し、自船
の取りうる前記針路及び速力ごとに危険猶予時間を表示
させるようにしたものである。
【0021】前記自船の位置を入力する手段は、GPS
受信機、オメガ受信機、ロラン受信機などの測位センサ
などである。その他自船の針路及び速力を入力する手段
は、前記本発明の第1の構成と同様に実施することがで
きる。前記海図情報を入力する手段は、従来から使用さ
れる電子海図装置、航海用電子参考図装置などを使用す
ることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0022】前記座礁するまでの時間は、当然自船の取
りうる針路の各場合について、最も近い座礁地点に対し
て、自船の取りうる速力の各場合に対して前記座礁地点
に到達するまでの時間を演算する。なお、障害物がある
場合の危険猶予時間の演算結果が、最大評価時間以上と
なった場合には、最大評価時間を危険猶予時間とする。
【0023】ところで通常の船舶の航行には、陸地に近
く航路が混み合うなど、通常的に他船舶との衝突に対す
る危険と、座礁に対する危険とを同時に予測する必要が
生ずる場合がある。
【0024】そこで本発明の船舶の危険行動評価装置の
第3の構成は、自船の位置、針路及び速力を入力する手
段、自船の周囲の他船などの目標の針路、速力及び位置
などの属性情報を入力する手段、自船の周囲の海岸線、
等深線及び障害物などの海図情報を入力する手段、衝突
・座礁危険行動評価演算手段、及び演算結果の表示手段
を備え、前記衝突・座礁危険行動評価演算手段は、 現
在の目標の針路、速力及び位置を基に、自船の取りうる
針路及び速力の各場合について、所定の目標が自船に最
も接近する最接近予測距離及びその最接近予測時間を所
定の目標ごとにする演算と、海図情報から座礁警戒対象
物を探索し、座礁警戒対象物がある場合、前記針路に対
して最も早く座礁するまでの時間の前記演算とを行い、
前記最接近予測時間及び最も早く座礁する迄の時間のう
ち、最も短い時間を危険猶予時間とするが、この最も短
い時間が最大評価時間を越える場合、また前記判定最接
近距離以下となる演算結果が得られず、且つ、前記障害
物が存在しない場合には、最大評価時間を危険猶予時間
として前記表示手段に出力し、自船の取りうる前記針路
及び速力ごとに危険猶予時間を表示させるようにしたも
のである。
【0025】なお、前記第1及び第2の構成に対する目
標の設定、衝突危険行動評価演算などに関する説明は、
本第3の構成の場合にもそのまま適用することができ
る。また、同じ針路方向に、衝突のおそれのある目標
と、座礁のおそれのある障害物とがある場合の危険猶予
時間は、それぞれの演算結果の短い時間を危険猶予時間
とする。
【0026】前記危険猶予時間(最接近予測時間又は座
礁するまでの時間)を、予め定めた時間幅ごとに、色
別、色濃度など、色調を変化させて表示させることがで
きる。このように、危険猶予時間を与える演算結果を、
予め定めた時間幅ごとに色分けして表示させると、自船
が取る様々な針路、速力で判定最接近距離以下となる危
険猶予時間及び座礁するまでの危険猶予時間を一目で判
断できるマップによって、危険な操船条件を的確且つ迅
速に評価することを可能にする。しかしながら、本発明
はこれに限定されず他の手段、例えば数値、等高線など
によって表示することもできる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下添付の図面を参照して、本発
明の実施の形態を一例によって説明する。図1のAに示
すように、本発明の一実施の形態による船舶の危険行動
評価装置は、装置本体2、ARPA3及び電子海図装置(又
は航海用電子参考図装置)4からなり、他船舶などの目
標1を捕らえる装置として、レーダアンテナ5a、送受
信器5b及びレーダ指示器5cからなる通常のレーダ
5、ログ6及びジャイロコンパス7を、また自船の海図
上の位置を特定する装置として、GPS受信機などの測
位センサ8を装備している。
【0028】図1のBはレーダ5が検出した目標の表示
と、電子海図装置4から入力された海岸線9の表示との
表示例であり、自船(表示器3bの中央)から上方に伸
びる針路方向を示す船首輝線10、目標(他船)1(1隻
のみ表示)、同一目標1に対して前回データとの比較か
ら算出した目標1の針路方向及び速力を示す目標ベクト
ル11及び海岸線9を表示している。
【0029】そして前記ARPA3は、前記目標1の位置、
針路及び速力を演算し,目標1の自船に対する相対位置
をレーダー指示器5cに表示すると共に、演算結果を装
置本体2に出力する。そして本実施の形態における装置
本体2は、コンピュータからなり、コンピュータプログ
ラムからなる衝突・座礁危険行動評価演算手段を予め入
力した演算器本体2a、演算結果を表示する表示器2b
及びキーボード2cからなっている。なお図1に示す符
号3aはARPA3の操作盤であり、本発明の装置本体2は
以上に示した形態に限定されず、各種の形態によって実
施することができる。
【0030】本実施の形態の説明は、図2に示すよう
に、海岸線9で示した湾d内から外洋に向かって航行す
る自船eと、5隻の他船f1〜f5とが、図2に直線で
示した方向と、その長さで示した速力で航行している場
合について説明する。なお、本実施の形態では、自船の
周囲を針路・速力を変更せずに他船f1〜f5が航行し
ていると仮定したデータを装置本体2のコンピュータに
入力し、シミュレーション手法により危険行動評価装置
を作動させたものである。
【0031】装置本体2のコンピュータには、予め、衝
突危険行動評価演算プログラムと座礁危険行動評価演算
プログラムとが入力されており、装置本体2が作動開始
し、各プログラムがスタートとすると、観測された目標
(他船)の相対位置、相対速力、相対針路及び自船の位
置及び針路・速力など必要とするデータを取り込み、自
船が取りうる針路、速力を適宜のステップに分割したマ
トリクス表を作成する。マトリクス表を作成する針路と
速力との幅は、操船で用いる変針量、変速量を含むもの
であればよく、本実施の形態における最大変針量は、現
針路から±30°、変速量は0〜30ktとし、変針ステ
ップを1°、変速ステップを1ktとした。
【0032】TCPAについては、5分刻みで、危険猶予時
間を0〜11の12段階(したがって、55分以上はす
べて同じ危険猶予時間とする)の水準に分類し、尤も危
険な水準0(0〜5分)を赤、中間の水準4(20〜25
分)を黄、水準10(50〜55分)を紫、55分以上の水準
11を黒でそれぞれ表し、各水準を赤橙黄青藍紫及びその
中間色に割当てた。またTCPAが負となる目標は、その目
標が遠ざかりつつあり危険はないと判断できるので、分
類上は最大の危険猶予時間11に分類するようにした。な
お、以上に示す具体的数値等はいずれも例示のためのも
のであり、必要に応じ、任意の数値を適宜選定すること
ができる。
【0033】≪衝突危険行動評価≫衝突危険行動評価の
判定基準は、所定の目標について得られたDCPAが、判定
最接近距離(本実施の形態では一律に0.3NMとし
た)より大きければ衝突の危険がないと判断するように
し、前記マトリクス表の各値について、ARPA3で捉えた
目標又はそのうちから選んだ目標に対し、実行される判
別手段に必要とするDCPA及びTCPAを求め、所定の目標に
ついて、例えば前記12水準の危険行動の判定を、コン
ピュータにより演算(計算及び論理演算)させ、前記危
険猶予時間の各水準に分類した。その結果を図3に示
す。実際のブラウン管上では色別にしたが、図3では前
記水準にしたがって数値で表した。なお、図3に○印で
示した変針量0、速力10ktのデータが自船の現在の針
路及び速力を表している。
【0034】即ち図3は、現在の針路、速力を維持する
と20分以内に衝突する可能性があり、増速すると危険
猶予時間が長くなり、また計算範囲内において、5°右
に変針すると危険猶予時間を最大にすることができるこ
とを示している。 ≪座礁危険行動評価≫図2に示すとおり、電子海図装置
4及び測位センサ8から与えられるデータから右舷方向
に海岸線9が迫っており、電子海図装置4及び測位セン
サ8から与えられるデータを基にコンピュータに演算を
行わせたところ、図4に示す結果を得た。したがって座
礁危険行動評価の判定結果は、針路及び速力変更の必要
のないことを示している。
【0035】本実施の形態では、前記説明のとおり衝突
危険行動評価と座礁危険行動評価との両方を同時に行う
態様によって実施している。したがってこれら二つの評
価プログラムを同時に行わせると、図5が得られる。即
ち、衝突を避けるため右方向に大きく変針し、且つ大き
く増速することは危険であることを示している。なお、
ARPAに捕捉されている全ての目標を演算する必要がない
と判断される場合には、操船者の判断で、例えば一定以
上の距離が離れた目標を演算から除外するなどして、衝
突危険行動評価を早めるなどの処置を取ることもでき
る。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明の船舶の危険
行動評価装置を構成したので、次の効果を得ることがで
きる。他船の相対針路、速力及び位置から、自船の取り
うる針路及び速力の各場合について、自船に最も接近す
る最接近予測距離及び最接近予測時間を所定の目標ごと
に演算し、前記最接近予測距離が予め定めた判定危険距
離以下となる演算結果を選別し、前記自船の取りうる各
変更針路及び変更速力の各場合について危険猶予時間を
表示する前記本発明の請求項1に記載の構成は、自船の
取りうる針路及び速力ごとに危険の差し迫り具合(危険
情報)を操船者に提供するので、操船上の衝突に関する
危険評価を容易にすることができる。
【0037】また、自船の取りうる各針路方向につい
て、海図情報から座礁警戒対象物を探索し、前記座礁警
戒対象物がある場合、自船の取りうる各速力について座
礁するまでの時間を演算し、この座礁するまでの時間を
危険猶予時間として表示手段に出力し、自船の取りうる
前記針路及び速力ごとに危険猶予時間を表示させるよう
にした請求項2に記載の構成も、前記と同様に自船の取
りうる針路及び速力ごとに危険の差し迫り具合(危険情
報)を操船者に提供するので、操船上の座礁に関する危
険評価を容易にすることができる。
【0038】そして、請求項3に記載の構成は、自船の
周囲に他船と障害物との両方が存在存在する場合に適用
することにより、衝突と座礁との両方の危険評価を容易
にすることができる。また、前記危険猶予時間(最接近
予測時間または座礁するまでの時間)を、現在の自船の
針路及び速力と、所定の範囲に変更した針路及び速力ご
とに、予め定めた時間幅ごとに、色別、色濃度などの色
調を変化させて表示させる請求項4に記載の構成は、自
船が取る様々な針路、速力で判定最接近距離以下となる
危険猶予時間及び座礁するまでの危険猶予時間を一目で
判断できるマップを形成し、危険な操船条件を的確且つ
迅速に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1のAは、本発明の実施の形態に使用した船
舶の衝突・座礁危険度評価装置の構成説明図であり、図
1のBはARPAの表示例を示したものである。
【図2】実施の形態に使用した実景プロット図である。
【図3】図2に示す例により衝突危険行動評価を行った
結果の危険猶予時間の水準を、自船の取りうる各変更針
路及び変更速力の各場合について表示した図である。
【図4】図2に示す例により座礁危険行動評価を行った
結果の危険猶予時間の水準を、自船の取りうる各変更針
路及び変更速力の各場合について表示した図である。
【図5】図3及び図4を纏めて示した図である。
【図6】従来から行われている船舶の衝突危険行動の評
価方法の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−22499(JP,A) 特開 昭47−10423(JP,A) 実公 昭49−43881(JP,Y1) 実公 昭50−16631(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63B 43/20 B63B 49/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自船の針路及び速力を入力する手段、自
    船の周囲の他船などの目標の針路、速力及び位置などの
    属性情報を入力する手段、衝突危険行動評価演算手段、
    及び演算結果の表示手段を備え、前記衝突危険行動評価
    演算手段は、現在の目標の針路、速力及び位置を基に、
    自船の取りうる針路及び速力の各場合について、所定の
    目標が自船に最も接近する最接近予測距離及びその最接
    近予測時間を、前記所定の目標ごとに演算し、前記最接
    近予測距離が予め定めた判定最接近距離以下となる演算
    結果を選別し、前記判定最接近距離以下となる演算結果
    が得られた場合、前記選別した最接近予測時間の最低値
    を危険猶予時間とするが、前記判定最接近距離以下とな
    る演算結果が得られなかった場合、又は、前記選別した
    最接近予測時間の最低値が最大評価時間を越える場合
    は、最大評価時間を危険猶予時間として前記表示手段に
    出力し、自船の取りうる前記針路及び速力ごとに危険猶
    予時間を表示させるようにした船舶の危険行動評価装
    置。
  2. 【請求項2】 自船の位置、針路及び速力を入力する手
    段、自船の周囲の海岸線、等深線及び障害物などの海図
    情報を入力する手段、座礁危険行動評価演算手段、及び
    演算結果の表示手段を備え、前記座礁危険行動評価演算
    手段は、現在の自船の位置を基に、自船の取りうる各針
    路方向について、海図情報から座礁警戒対象物を探索
    し、座礁警戒対象物がある場合、前記針路方向に対して
    最も早く座礁するまでの時間を自船の取りうる各速力ご
    とに演算し、この時間を危険猶予時間とするが、前記障
    害物が存在しない場合、又は、座礁するまでの時間が最
    大評価時間を越える場合は、最大評価時間を危険猶予時
    間として前記表示手段に出力し、自船の取りうる前記針
    路及び速力ごとに危険猶予時間を表示させるようにした
    船舶の危険行動評価装置。
  3. 【請求項3】 自船の位置、針路及び速力を入力する手
    段、自船の周囲の他船などの目標の針路、速力及び位置
    などの属性情報を入力する手段、自船の周囲の海岸線、
    等深線及び障害物などの海図情報を入力する手段、衝突
    ・座礁危険行動評価演算手段、及び演算結果の表示手段
    を備え、前記衝突・座礁危険行動評価演算手段は、 現
    在の目標の針路、速力及び位置を基に、自船の取りうる
    針路及び速力の各場合について、所定の目標が自船に最
    も接近する最接近予測距離及びその最接近予測時間を所
    定の目標ごとにする演算と、海図情報から座礁警戒対象
    物を探索し、座礁警戒対象物がある場合、前記針路に対
    して最も早く座礁するまでの時間の演算とを行い、前記
    最接近予測時間及び最も早く座礁する迄の時間のうち、
    最も短い時間を危険猶予時間とするが、この最も短い時
    間が最大評価時間を越える場合、また、前記判定最接近
    距離以下となる演算結果が得られず、且つ、前記障害物
    が存在しない場合には、最大評価時間を危険猶予時間と
    して前記表示手段に出力し、自船の取りうる前記針路及
    び速力ごとに危険猶予時間を表示させるようにした船舶
    の危険行動評価装置。
  4. 【請求項4】 現在の自船の針路及び速力と、所定の範
    囲に変更した針路及び速力ごとに、前記危険猶予時間
    を、予め定めた時間幅ごとに色調を変化させて表示させ
    るようにした請求項1、2又は3記載の航行中の船舶の
    危険行動評価装置。
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