JP2013134089A - 最適航路計算装置及び最適航路計算方法 - Google Patents

最適航路計算装置及び最適航路計算方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013134089A
JP2013134089A JP2011283059A JP2011283059A JP2013134089A JP 2013134089 A JP2013134089 A JP 2013134089A JP 2011283059 A JP2011283059 A JP 2011283059A JP 2011283059 A JP2011283059 A JP 2011283059A JP 2013134089 A JP2013134089 A JP 2013134089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
past
route calculation
route
statistical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011283059A
Other languages
English (en)
Inventor
Jiro Yoneda
次郎 米田
Chiharu Kawakita
千春 川北
Hitoshi Yamazaki
仁史 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2011283059A priority Critical patent/JP2013134089A/ja
Publication of JP2013134089A publication Critical patent/JP2013134089A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Navigation (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Abstract

【課題】より適正な想定航路を計算可能とする。
【解決手段】最適航路計算装置は、過去データ取得部12と、統計処理部13と、航路計算部14とを具備している。過去データ取得部12は、船舶の航路の出発地及び目的地を含む領域を分割して得られる複数のメッシュにおける過去の海象データ及び過去の気象データを取得する。統計処理部13は、取得された過去の海象データ及び過去の気象データを統計処理した統計データを算出する。航路計算部14は、統計データと船舶の航海性能データとに基づいて、出発地から目的地までの最適航路をウェザールーティングにより計算する。
【選択図】図3

Description

本発明は、最適航路計算装置及び最適航路計算方法に関し、特に最適航路予測(ウェザールーティング)を用いた最適航路計算装置及び最適航路計算方法に関する。
天気図や気象・海象の予測データに基づいて最適な航路を予測するウェザールーティングが知られている。例えば、航行に10日以上を要する外航船の運航にはウェザールーティングで求められたデータが用いられる。図1は、典型的なウェザールーティングを用いた最適航路の計算方法の一例を示すフロー図である。船舶の運航計画の段階において、気象・海象の予測データを取得し(S101)、ウェザールーティングにより出発地から目的地までの最適な想定航路を計算し(S102)、その最適な想定航路を船舶の航行制御装置又は地上の通信機器等に格納する(S103)。その後、船舶の実際の航行の段階において、出航後に(S104)、その想定航路を航行しながら(S105)、直近の気象・海象予報データを取得し(S106)、ウェザールーティングにより現在地から目的地までの最適な想定航路を再計算し(S107)、想定航路を微修正しながら(S108)、S106〜S108繰り返しつつ、目的地まで航行を続ける(S109)。このように、航路は出航時まで想定航路としてある程度決められている。そのため、出航後は、ウェザールーティングを用いていても、大幅に航路を変更することはない。
関連する技術として、特昭59−24314号公報(特許文献1)に最適航路設定保持装置が開示されている。この最適航路設定保持装置は、船舶の出発地及び目的地に基づいて複数の航路案を求めうる航法計算処理装置と、これらの航路案に沿って航行した場合の所要エネルギーを分析してその最小エネルギーのものを航路として選択する航路分析処理装置と、この航路分析処理装置で選択された航路についての信号と船位決定処理装置で求められた実際の船位についての信号とを受けて、これらの信号に基づき上記航路を保持するための制御信号を主機制御系及び操舵系へ発信し得る航路保持処理装置とを備え、上記航路を選択するデータの一部として海象データを供給し得る海象データ保守装置が上記航路分析処理装置に接続されたことを特徴とする。
特開2008−145312号公報(特許文献2)に最適航路探索方法が開示されている。その最適航路探索方法は、運航計画時に船舶が固有に有する個船性能データと長期の海気象状況を示す海気象データの予報値とに基づいて、ある海域の出発点から到着点までの最適航路を最適航路探索アルゴリズムを用いて演算する。その演算の際、到着点に到達するまで一定時間経過毎に演算上の船舶の航行に合わせて変化する船の位置において、時間的/空間的に変化する海気象データの予報値を用いる。
三井造船技法No.195,海洋関連技術賞特集,p28−34(2008−10)(非特許文献1)には、船体性能解析サービスの開発が開示されている(http://www.mes.co.jp/mes−technology/research/pdf/195_05.pdf)。この文献には、効率的な運航計画を支援する「ウェザールーティング」が開示されている。そのウェザールーティングは、等時間曲線法(Isochrone Method)を用いている。
特昭59−24314号公報 特開2008−145312号公報
村上真人ら,「船体性能解析サービスの開発」,三井造船技法No.195,海洋関連技術賞特集,p28−34(2008−10)(http://www.mes.co.jp/mes−technology/research/pdf/195_05.pdf:2011年12月10日取得)
上述のように、船舶の出航後では、ウェザールーティングにより想定航路の微修正を行うことはある。しかし、所要時間が概ね決まっている等の理由から、出航後では、ウェザールーティングにより想定航路を大幅に変更することはない。ところが、ウェザールーティングは、将来を予測した結果である気象・海象の予測データに基づいて想定航路の計算を行っている。そのため、将来を予測した結果に誤差が含まれており、出航前のウェザールーティングによる想定航路にも誤差が含まれることになる。その誤差が大きい場合、必ずしも最適ではない想定航路が設定されてしまうおそれがある。そのような場合であっても、出航後にはその想定航路の微調整しか行われないため、船舶が最適な想定航路を航行できない可能性がある。より適正な想定航路を計算可能な技術が望まれる。
また、出航前のウェザールーティングでは、そのウェザールーティングを行う度に、気象・海象に関する将来予測を行う必要がある。そのため、気象・海象に関する将来予測の手間やコストがかかる。出航前のウェザールーティングのために行う気象・海象に関する将来予測に関する負担を低減可能な技術が望まれる。
従って、本発明の目的は、より適正な想定航路を計算可能な最適航路計算装置及び最適航路計算方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、ウェザールーティングのために行う気象・海象に関する将来予測に関する負担を低減可能な最適航路計算装置及び最適航路計算方法を提供することにある。
この発明のこれらの目的とそれ以外の目的と利益とは以下の説明と添付図面とによって容易に確認することができる。
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の第1の観点における最適航路計算装置は、過去データ取得部(12)と、統計処理部(13)と、航路計算部(14)とを具備している。過去データ取得部(12)は、船舶の航路の出発地及び目的地を含む領域を分割して得られる複数のメッシュにおける過去の海象データ及び過去の気象データを取得する。統計処理部(13)は、取得された過去の海象データ及び過去の気象データを統計処理した統計データを算出する。航路計算部(14)は、統計データと船舶の航海性能データとに基づいて、出発地から目的地までの最適航路をウェザールーティングにより計算する。
上記の最適航路計算装置において、統計処理部(13)は、統計処理として、複数のメッシュの各々において、所定期間毎にデータの平均値を求める第1処理又は所定期間毎にデータの最頻値を求める第2処理を実行して、統計データとして平均値又は最頻値を算出することが好ましい。
上記の最適航路計算装置において、所定期間は、一年のうちの特定期間であって、かつ複数年分であることが好ましい。
上記の最適航路計算装置において、統計処理部(13)は、統計処理として、複数のメッシュの各々において、第1処理又は第2処理にと共に、平均値又は最頻値の標準偏差を、統計データとして更に算出することが好ましい。航路計算部(14)は、出発地から目的地点までの所定の条件を満たす複数の航路を算出し、複数の航路のうち、通過するメッシュの標準偏差の合計を通過するメッシュの数で割った値である単位標準偏差値が最小となる航路、又は、単位標準偏差値が所定の値以下かつ所定の条件をより良く満たす航路を最適航路として選択することが好ましい。
上記の最適航路計算装置において、航路計算部(14)は、所定の自然現象(エルニーニョ・ラニーニャ)が発生している場合、過去の海象データ及び過去の気象データのうち所定の自然現象が発生している年の統計データに基づいて、最適航路を計算することが好ましい。
上記の最適航路計算装置において、統計処理部(13)は、過去の気象データについての統計データに基づいて、高さ方向の分布を算出することが好ましい。航路計算部(14)は、過去の気象データについての統計データを用いる場合、船舶の高さに対応する統計データを用いることが好ましい。
上記の最適航路計算装置において、現在又は予測の気象データ及び現在又は予測の海象データを取得する現在・将来データ取得部(16)を更に具備していることが好ましい。航路計算部(14)は、現在又は予測の海象データと航海性能データとに基づいて、現在位置から目的地までの航路をウェザールーティングにより再計算して最適航路を修正することが好ましい。船舶の帆の特性と現在又は予測の気象データと修正後の最適航路とに基づいて、帆の最適な操作を算出する帆計算部(17)を更に具備することが好ましい。
上記の最適航路計算装置において、現在・将来データ取得部(16)は、現在又は予測の気象データを、船舶の航路と概ね同じ航路を先行して航行する先行船から取得することが好ましい。
本発明の第2の観点における最適航路計算方法は、船舶の航路の出発地及び目的地を含む領域を分割して得られる複数のメッシュにおける過去の海象データ及び過去の気象データを取得するステップ(S01)と、取得された過去の海象データ及び過去の気象データを統計処理した統計データを算出するステップ(S02)と、統計データと船舶の航海性能データとに基づいて、出発地から目的地までの最適航路をウェザールーティングにより計算するステップ(S03)とを具備している。
上記の最適航路計算方法において、統計データを算出するステップ(S02)は、統計処理として、複数のメッシュの各々において、所定期間毎にデータの平均値を求める第1処理又は所定期間毎にデータの最頻値を求める第2処理を実行して、統計データとして平均値又は最頻値を算出するステップを備えていることが好ましい。
上記の最適航路計算方法において、所定期間は、一年のうちの特定期間であって、かつ複数年分であることが好ましい。
上記の最適航路計算方法において、統計データを算出するステップ(S02)は、統計処理として、複数のメッシュの各々において、第1処理又は第2処理にと共に、平均値又は最頻値の標準偏差を、統計データとして更に算出するステップを備えていることが好ましい。最適航路を計算するステップ(S03)は、出発地から目的地点までの所定の条件を満たす複数の航路を算出するステップと、複数の航路のうち、通過するメッシュの標準偏差の合計を通過するメッシュの数で割った値である単位標準偏差値が最小となる航路、又は、単位標準偏差値が所定の値以下かつ所定の条件をより良く満たす航路を最適航路として選択するステップとを備えていることが好ましい。
上記の最適航路計算方法において、最適航路を計算するステップ(S03)は、所定の自然現象(エルニーニョ・ラニーニャ)が発生している場合、過去の海象データ及び過去の気象データのうち所定の自然現象が発生している年の統計データに基づいて、最適航路を計算するステップを備えていることが好ましい。
上記の最適航路計算方法において、統計データを算出するステップ(S02)は、過去の気象データについての統計データに基づいて、高さ方向の分布を算出するステップを備えていることが好ましい。最適航路を計算するステップ(S03)は、過去の気象データについての統計データを用いる場合、船舶の高さに対応する統計データを用いることが好ましい。
上記の最適航路計算方法において、現在又は予測の気象データ及び現在又は予測の海象データを取得するステップ(S11)と、現在又は予測の海象データと航海性能データとに基づいて、現在位置から目的地までの航路をウェザールーティングにより再計算して最適航路を修正するステップと(S12)と、船舶の帆の特性と現在又は予測の気象データと修正後の最適航路とに基づいて、帆の最適な操作を算出するステップと(S22)とを更に具備することが好ましい。
上記の最適航路計算方法において、現在又は予測の気象データ及び現在又は予測の海象データを取得するステップ(S11)は、現在又は予測の気象データを、船舶の航路と概ね同じ航路を先行して航行する先行船から取得するステップを備えることが好ましい。
本発明の第3の観点におけるプログラムは、上記各段落に記載の最適航路計算方法をコンピュータに実行させる。
本発明により、より適正な想定航路を計算可能となる。また、ウェザールーティングのために行う気象・海象に関する将来予測に関する負担を低減可能となる。
図1は、典型的なウェザールーティングを用いた最適航路の計算方法の一例を示すフロー図である。 図2は、本発明の第1〜3の実施の形態に係る最適航路計算装置の接続例を示すブロック図である。 図3は、本発明の第1〜3の実施の形態に係る最適航路計算装置の構成例を示すブロック図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る最適航路計算方法の概念を説明する模式図である。 図5は、本発明の第1〜3の実施の形態に係る最適航路計算方法を示すフロー図である。 図6Aは、本発明の第2の実施の形態に係る最適航路計算方法の概念を説明する模式図である。 図6Bは、本発明の第2の実施の形態に係る最適航路計算方法の概念を説明する模式図である。 図7は、本発明の第3の実施の形態に係る最適航路計算方法の概念を説明する模式図である。 図8は、本発明の第6の実施の形態に係る最適航路計算装置の接続例及び構成例を示すブロック図である。 図9は、ドップラーソーダによる風向風速の測定原理を示す概略図である。 図10は、本発明の第6の実施の形態に係る最適航路計算方法を示すフロー図である。 図11は、本発明の第7の実施の形態に係る最適航路計算方法を示すフロー図である。
以下、本発明の最適航路計算装置及び最適航路計算方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る最適航路計算装置の構成例について、添付図面を参照して説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る最適航路計算装置の接続例を示すブロック図である。最適航路計算装置1は、ネットワーク3(例示:インターネット)を介して、外部のデータベース2と双方向通信可能に接続されている。
データベース2は、航路の出発地と目的地とを含む領域を分割して得られる複数のメッシュの各々について、過去の海象データ及び過去の気象データを格納している。すなわち、データベース2は、海象データ及び気象データに関する過去の実績データを格納している。これら過去の海象データ及び過去の気象データは現実に発生した事象に関するデータであり、将来を予測したデータではない。ただし、海象データは、海流の速度データ及び海流の向きデータに例示される。気象データは、風速データ及び風向データに例示される。
データベース2の一例としては、米国大気環境センター(National Centers for Environmental Prediction(NCEP)/The National Center for Atmospheric Research (NCAR))が開示するデータベースがある。このデータベースは、過去数10年分の6時間ごとの全球メッシュデータ(緯度方向2.5度(約275km)×経度方向2.5度(約275km);すなわち275kmメッシュ程度)を公開している。データの種類は、海象データとしては、海流の速度データ及び海流の向きデータに例示され、気象データとしては、風速データ及び風向データに例示される。
また、データベース2の他の例としては、地球シミュレーターセンター(Earth Simulator Center(ESC))が開示するデータベースがある。このデータベースは、50年分のシミュレーション結果について、月平均の全球メッシュデータ(緯度方向0.1度(約11km)×経度方向0.1度(約11km);すなわち11kmメッシュ程度)を公開している。データの種類は、海象データとしては、海流の速度データ及び海流の向きデータに例示され、気象データとしては、風速データ及び風向データに例示される。
上記NCEP/NCARやESCが開示する過去の気象データ及び海象データは、全てが実測値というわけではない。しかし、複数の地点での実測値とそれらの実測値を満足するように計算された他の複数の地点での計算値とで構成されていることから、実質的に過去の実績データであり、現実に発生した事象に関するデータと考えられる。これらは、完全なる予測データである将来(予報)データとは性格が全く異なっているということができる。
最適航路計算装置1は、データベース2から取得した過去の海象データ及び過去の気象データを統計処理して統計データを算出する。そして、その統計データに基づいて、出発地から目的地点までの最適航路を計算し、選定する。選定された最適航路は、船舶の運航計画の段階における最適な想定航路となる。最適航路計算装置1は、船舶の中に設けられていても良いし、船舶とは別に設けられていても良い。最適航路計算装置1は、船舶の中に設けられている場合、更に出航後に最適な想定航路の計算を行っても良い。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る最適航路計算装置の構成例を示すブロック図である。最適航路計算装置1は、コンピュータに例示される情報処理装置であり、図示されていないCPU(Central Processing Unit)と、記憶装置と、入力装置と、出力装置と、インターフェースとを備えている。CPU、記憶装置、入力装置、出力装置、及びインターフェースは、バスやケーブルにより互いにデータの送受信が可能に接続されている。記憶装置は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、HDD(Hard Disk Drive)及び記憶媒体(CD−ROM、DVD)読取装置に例示される。入力装置は、キーボード、及びマウスに例示される。出力装置は、ディスプレイやプリンタや携帯端末に例示される。インターフェースは、外部のコンピュータやデータベースや記憶装置や記憶媒体読取装置などとネットワーク等を介して双方向通信可能に接続されている。
CPUは、例えば記憶媒体からインターフェースを介してHDDにインストールされたコンピュータプログラムをRAMに展開する。そして、展開されたコンピュータプログラムを実行して、必要に応じて記憶装置や入力装置や出力装置のようなハードウェアを制御したり、ネットワークを介して外部や内部のデータベースからデータを取得したりしながら、当該コンピュータプログラムの情報処理を実現する。記憶装置は、コンピュータプログラムを記録し、CPUが利用するデータや生成するデータを記録する。入力装置は、ユーザに操作されることにより生成されるデータをCPUや記憶装置に出力する。出力装置は、CPUにより生成されたデータや記憶装置のデータをユーザに認識可能に出力する。
最適航路計算装置1は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)である条件取得部11と、過去データ取得部12と、統計処理部13と、航路計算部14と、結果出力部15と、統計データベース21とを備えている。ただし、これらはハードウェアであっても良いし、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせであっても良い。
条件取得部11は、入力装置を介したユーザによる入力や、ネットワークを介して外部との通信により、計算対象の船舶に関する航海性能データを取得する。船舶に関する航海性能データとしては、船舶の推進性能データ、耐航性能データ、機関性能データのような航路計算部14で行うウェザールーティングにおいて、船舶の性能として必要なデータに例示される。
過去データ取得部12は、ネットワーク3を介してデータベース2から、航路の出発地と目的地とを含む領域における複数のメッシュの各々について、過去の海象データ及び過去の気象データを取得する。ここで、航路の出発地と目的地とを含む領域は、ウェザールーティングにおいて、航路の出発地と目的地とを設定したとき計算の対象となる海域を含んでいる。海象データとしては、海流の速度データ及び海流の向きデータに例示され、気象データとしては、風速データ及び風向データに例示される。過去としては、過去10年間の各年の一日ごとや6時間ごとに例示される。従って、過去データ取得部12は、データベース2から、例えば、複数のメッシュの各々における過去10年間の6時間ごとの海流の速度データ及び海流の向きデータと、風速データ及び風向データとを取得する。これら過去の海象データ及び過去の気象データは現実に発生した事象に関するデータであり、将来を予測したデータ(予報データ)ではない。
統計処理部13は、取得された過去の海象データ及び過去の気象データを統計処理する。統計処理としては、複数のメッシュの各々において、所定期間毎の各データの平均値を求める処理や、所定期間毎のデータの最頻値を求める処理に例示される。そして、その統計処理の結果(例示:平均値、最頻値)を統計データとして出力する。統計処理方法を工夫して統計データにすることで、海象データ及び気象データのデータ数を減少させることができる。各データの平均値を求める処理や、所定期間毎のデータの最頻値を求める処理や、統計データの詳細については、後述される。
航路計算部14は、統計処理部13から出力された又は統計データベース21に格納されている統計データと、条件取得部11が取得した計算対象の船舶に関する航海性能データとに基づいて、ウェザールーティングにより出発地から目的地までの最適航路を計算する。ウェザールーティングは、公知の等時間曲線法に例示される。その公知のウェザールーティングでは、最適航路として最短時間航路や最小燃料消費航路を求めるアルゴリズムがある。
結果出力部15は、算出された最適航路を想定航路として出力装置(例示:ディスプレイやプリンタや携帯端末)に表示する。
統計データベース21は、統計処理部13が算出した統計データを、複数のメッシュ及び過去の期間と関連付けて、格納する。すなわち、一つのメッシュにつき、所定の期間ごとに、かつ、一つの海象データ及び気象データごとに、平均値及び最頻値が関連付けられて格納されている。例えば、一つのメッシュにつき、季節はいつであるか(1−3月/4−6月/7−9月/10−12月)と、その週の海流の速度データ及び海流の向きデータ、風の風速データ及び風向データの各々の平均値や最頻値とが、関連付けられて格納されている。このように一度作成した統計データを統計データベース21に格納することで、次回以降の計算において、必要がある度に計算することが不要となる。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る最適航路計算方法(最適航路計算装置の動作)について説明する。添付図面を参照して説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る最適航路計算方法の概念を説明する模式図である。出発地と目的地とを含む領域31が複数のメッシュ33に分割されている。そのような複数のメッシュとしては、南北方向(緯度)及び東西方向(経度)について、地球の全球を所定の間隔(例示:度数、距離)で分割した全球メッシュに例示される。NCEP/NCARが開示するデータベースでは、275km程度の間隔で分割している(275kmメッシュ程度)。また、ESCが開示するデータベースでは、11km程度の間隔で分割している(11kmメッシュ程度)。各メッシュ33には、統計処理部13で統計処理された(統計データベース21に格納された)過去の気象データ及び過去の海象データが関連付けられている。この図では、統計データのうち、風速データ及び風向データを示す矢印P1(風速は矢印P1の大きさ、風向は矢印P1の向き、に対応)が示されている。この条件において、ウェザールーティングにより、船舶の出発地から目的地までの航路として、風向及び風速に対応して破線の矢印で示す航路が最適航路Q1として計算される、ということをこの図は例示している。
この図に示す領域31は、航路の出発地と目的地とを含む領域として、ウェザールーティングにおいて、航路の出発地と目的地とを設定したとき計算の対象となる海域である。従って、上記の過去データ取得部12は、このような領域の全てのメッシュのデータを取得する。統計データベース21は、このような領域の全てのメッシュのデータを統計処理し、統計データとして格納している。
次に、気象データ及び海象データの統計処理及びそれにより得られる統計データについて説明する。
(I)平均値
気象データ及び海象データの統計処理としては、各データの平均値を求める方法が考えられる。その場合、得られる各データの平均値が統計データとなる。平均値の求め方としては、以下に示す方法が例示される。
(a)気象データ及び海象データの各々について、メッシュごとに、所定期間ごと(例示:四半期ごと(1−3月/4−6月/7−9月/10−12月)、半年ごと(1−6月/7−12月))に、各データについて下記の式(1)を用いて平均値を求める。得られた平均値を各メッシュの代表値とする。
Figure 2013134089
ただし、
Vi:i番目の変数(例示:風速データ、風向データ、海流の速度データ、海流の向きデータ)
n:平均するデータの数(例示:1日に4個のデータがある場合、3月間の平均であれば約364個)
である。
なお、風向については、角度で平均すると、360度をまたぐ際に値が正しくなくなる(例示:350°と10°の平均は360°(0°)であるが、数字の平均では180°となってしまう)。そのため、そのような場合には、東西成分(経度成分)と南北成分(緯度成分)とに分解してから、成分ごとに平均して、ベクトルとする。
例えば、所定期間として3月間(四半期)とする場合、以下のように行う方法が考えられる。第k四半期(kは自然数、k=1〜4)の海流の速度データの平均値を求める場合、過去のある1年分の海流の速度データのうち、第k四半期の第1月目から第3月目までの海流の速度データを平均する。次の第(k+1)四半期の海流の速度データの平均値を求める場合、その第(k+1)四半期の第1月目から第3月目までの海流の速度データを平均する。以下同様である。ただし、各メッシュにおける平均値を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去の1年分のデータのみを用いても良いし、過去の複数年分のデータを用いても良い。過去の複数年分のデータを用いる場合、精度がより向上する。
この場合、統計データベース21は、メッシュを特定するデータと、所定期間と、海象データ及び気象データの種類と、そのデータの平均値とを関連付けて、統計データとして格納している。例えば、統計データベース21は、メッシュを代表する緯度及び経度と、第k四半期と、海流の速度データ、海流の向きデータ、風速データ及び風向データの種類と、それらの平均値とを関連付けて、統計データとして格納している。
各メッシュにおける平均値を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去のある1年分のデータを用いる場合には以下のような例が考えられる。例えば、12月1日(木)〜12月14日(水)の航海の場合、気象データ及び海象データの各々について、1年前の第4四半期の平均値を代表値として用いることが考えられる。
また、各メッシュにおける平均値を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去の複数年分のデータを用いる場合には以下のような例が考えられる。例えば、12月1日(木)〜12月14日(水)までの航海の場合、気象データ及び海象データの各々について、1年前から5年前までの第4四半期の平均値を代表値として用いることが考えられる。
(II)最大出現頻度
気象データ及び海象データの統計処理としては、各データの最大出現頻度を求める方法が考えられる。その場合、得られる各データの最大出現頻度が統計データとなる。最大出現頻度の求め方としては、以下に示す方法が例示される。
気象データ及び海象データの各々について、メッシュごとに、所定期間ごと(例示:四半期ごと(1−3月/4−6月/7−9月/10−12月)、半年ごと(1−6月/7−12月))に、所定のカテゴリごとに分類する。例えば、風向を16種類の風向カテゴリ(北、北北東、北東、…、北北西)に分類し、風速を10種類の風速カテゴリ(0.0〜1.0m/s、1.1〜2.0m/s、2.1〜3.0m/s、…、9.1m/s以上)に分類する。海流の向き及び流速も同様である。そして、その頻度分布から、最も出現する可能性が高い(最大出現頻度の)カテゴリを各メッシュの代表値とする。
例えば、所定期間として3月間(四半期)とする場合、以下のように行う方法が考えられる。第k四半期(kは自然数、k=1〜4)の風向データの最大出現頻度を求める場合、過去のある1年分の風向データのうち、第k四半期の第1月目から第3月目までの風向データを16種類の風向カテゴリに分類する。そして、得られる風向頻度分布のうち発生頻度が最も高い最大出現頻度のカテゴリを求める。一例として、風向カテゴリが北、北北東、北東、…に対して、風向カテゴリの発生頻度分布がそれぞれ20.0%(最大)、16.2%、5.0%、…の場合、最大出現頻度のカテゴリとして「北」と求まる。次の第(k+1)四半期の風向データの最大出現頻度を求める場合、その第(k+1)四半期の第1月目から第3月目までの風向データを16種類の風向カテゴリに分類する。そして、得られる風向頻度分布のうち発生頻度が最も高い最大出現頻度のカテゴリを求める。以下同様である。ただし、各メッシュにおける最大出現頻度を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去の1年分のデータのみを用いても良いし、過去の複数年分のデータを用いても良い。過去の複数年分のデータを用いる場合、精度がより向上する。
この場合、統計データベース21は、メッシュを特定するデータと、所定期間と、海象データ及び気象データの種類と、データの最大出現頻度とを関連付けて、統計データとして格納している。例えば、統計データベース21は、メッシュを代表する緯度及び経度と、第k四半期と、海流の速度データ、海流の向きデータ、風速データ及び風向データの種類と、それらの最大出現頻度とを関連付けて、統計データとして格納している。
各メッシュにおける最大出現頻度を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去のある1年分のデータを用いる場合には以下のような例が考えられる。例えば、12月1日(木)〜12月14日(水)の航海の場合、気象データ及び海象データの各々について、1年前の第4四半期の最大出現頻度を代表値として用いることが考えられる。
また、各メッシュにおける平均値を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去の複数年分のデータを用いる場合には以下のような例が考えられる。例えば、12月1日(木)〜12月14日(水)の航海の場合、気象データ及び海象データの各々について、1年前から5年前までの第4四半期の最大出現頻度を代表値として用いることが考えられる。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る最適航路計算方法を示すフロー図である。
条件取得部11は、入力装置を介したユーザによる入力や、ネットワークを介して外部との通信により、計算対象の船舶に関する航海性能データを取得する。一方、過去データ取得部12は、ネットワーク3を介してデータベース2から、航路の出発地と目的地とを含む領域における複数のメッシュの各々について、過去の海象データ及び過去の気象データを取得する(ステップS01)。
統計処理部13は、取得された過去の海象データ及び過去の気象データを統計処理する(ステップS02)。統計処理としては、複数のメッシュの各々において、所定期間毎の各データの平均値を求める処理や、所定期間毎のデータの最頻値を求める処理に例示される。それらの詳細は、上述のとおりである。そして、その統計処理の結果(例示:平均値、最頻値)を統計データとして航路計算部14又は統計データベース21へ出力する。
航路計算部14は、統計処理部13から出力された又は統計データベース21に格納されている統計データと、条件取得部11が取得した計算対象の船舶に関する航海性能データとに基づいて、公知のウェザールーティングにより出発地から目的地までの最適航路を計算する(ステップS03)。
結果出力部15は、算出された最適航路を想定航路として出力装置(例示:ディスプレイやプリンタや携帯端末)に表示する(ステップS04)。最適航路は、各地点(緯度、経度)での、航海時間(hr)燃料消費(ton)、航走距離(mile)、平均船速(knot)、平均回転数(rpm)の情報を含んでいる。各データは、記憶装置に格納される。
以上のようにして、本実施の形態に係る最適航路計算方法(最適航路計算装置の動作)が実施される。
なお、上記実施の形態において、所定期間として四半期ごと(例示:1−3月(第1四半期)/4−6月(第2四半期)/7−9月(第3四半期)/10−12月(第4四半期)や半年ごと(例示:1−6月(上半期)/7−12月(下半期))が挙げられているが、このような数ヶ月単位の区切りは上記例に限定されるものではない。また、各期間の最初が“1日”で始まる必要もない。以下同様である。
以上説明されたように、本実施の形態では過去の気象データ及び過去の海象データを用いることで、出発地から目的地までの想定航路を出発前に容易に選定することができる。これら過去の気象データ及び過去の海象データは過去の実績データであり、気象や海象は周期性が高いことを考慮すれば、選定された想定航路は、より適正な航路になっていると考えることができる。従って、本実施の形態の最適航路計算装置及び最適航路計算方法は、より適正な想定航路を計算可能である。また、その結果として、出航後には想定航路の微調整しか行われないとしても、事前により適正な想定航路を設定しているので、実際に航行した航路がより適正となると考えらえる。
また、本実施の形態では、過去の気象データ及び過去の海象データを統計処理した統計データを用いることで、ウェザールーティングのために行う気象・海象に関する将来予測を行う必要が無くなる。すなわち、必要がある度に気象モデルを使って海象データ及び気象データを予測するなどの膨大な計算が不要となる。従って、本実施の形態の最適航路計算装置及び最適航路計算方法は、将来予測に関する負担を低減可能である。また、過去の気象データ及び過去の海象データを統計処理して統計データベースに格納するので、必要がある度に象データ及び海象データを再計算せずに済む。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態に係る最適航路計算装置及び最適航路計算方法について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態に係る最適航路計算装置及び最適航路計算方法では、統計処理部13の統計処理の方法が第1の実施の形態と相違する。具体的には、本実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、平均値や最大出現頻度を求める期間を短縮している点で相違している。例えば、四半期ごと/半年ごとの期間が、1月ごと/1週間ごと/1日ごと/6時間ごとの期間に短縮している。このように、統計データを期間的に細分化することにより、気象や海象の周期性に対応した局所的・時期的な影響・特徴を出し易くすることができる。それにより、最適航路選定の精度が向上する。以下では、主に相違点について説明する。
本発明の第2の実施の形態に係る最適航路計算方法(最適航路計算装置の動作)について説明する。添付図面を参照して説明する。図6A及び図6Bは、本発明の第2の実施の形態に係る最適航路計算方法の概念を説明する模式図である。図6Aは1月の風速及び風向のデータの一例であり、図6Bは8月の風速及び風向のデータの一例をそれぞれ示している。いずれの図においても、図4の場合と同様に、出発地と目的地とを含む領域31が複数のメッシュ33に分割されている。
図6Aでは、統計データのうち、1月の風速データ及び風向データを示す矢印P2(風速は矢印P2の大きさ、風向は矢印P2の向き、に対応)が示されている。この条件において、ウェザールーティングにより、船舶の出発地から目的地までの1月の航路として、風向及び風速に対応して破線の矢印で示す航路が最適航路Q2として計算される、ということをこの図は例示している。更に、図6Bでは、統計データのうち、8月の風速データ及び風向データを示す矢印P3(風速は矢印P3の大きさ、風向は矢印P3の向き、に対応)が示されている。この条件において、ウェザールーティングにより、船舶の出発地から目的地までの8月の航路として、風向及び風速に対応して破線の矢印で示す航路が最適航路Q3として計算される、ということをこの図は例示している。このように、統計データを期間的に細分化(これらの図の例では、月別に細分化)することにより、局所的・時期的な影響・特徴を出し易くすることができる。それにより、最適航路選定の精度が向上する。
この図に示す領域31は、航路の出発地と目的地とを含む領域として、ウェザールーティングにおいて、航路の出発地と目的地とを設定したとき計算の対象となる海域である。従って、上記の過去データ取得部12は、このような領域の全てのメッシュのデータを取得する。統計データベース21は、このような領域の全てのメッシュのデータを統計処理し、統計データとして格納している。
次に、気象データ及び海象データの統計処理及びそれにより得られる統計データについて説明する。
(I)平均値
気象データ及び海象データの統計処理としては、各データの平均値を求める方法が考えられる。その場合、得られる各データの平均値が統計データとなる。平均値の求め方としては、以下に示す方法が例示される。
(a)気象データ及び海象データの各々について、メッシュごとに、所定期間ごと(例示:6時間、1日、1週間、1月)に、各データの値を上記の式(1)を用いて平均値を求める。得られた平均値を各メッシュの代表値とする。
例えば、所定期間として1週間とする場合、以下のように行う方法が考えられる。1年の第m週目(mは自然数、m=1〜52)の海流の速度データの平均値を求める場合、過去のある1年分の海流の速度データのうち、第m週目の第1日目から第7日目までの海流の速度データを平均する。次の第(m+1)週目の海流の速度データの平均値を求める場合、その第(m+1)週目の第1日目から第7日目までの海流の速度データを平均する。以下同様である。ただし、各メッシュにおける平均値を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去の1年分のデータのみを用いても良いし、過去の複数年分のデータを用いても良い。過去の複数年分のデータを用いる場合、精度がより向上する。
この場合、統計データベース21は、メッシュを特定するデータと、所定期間と、海象データ及び気象データの種類と、データの平均値とを関連付けて、統計データとして格納している。例えば、統計データベース21は、メッシュを代表する緯度及び経度と、1年の第m週目と、海流の速度データ、海流の向きデータ、風の風速データ及び風向データの種類と、それらの平均値とを関連付けて、統計データとして格納している。
各メッシュにおける平均値を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去のある1年分のデータを用いる場合には以下のような例が考えられる。例えば、12月1日(木)〜12月14日(水)の航海の場合、気象データ及び海象データの各々について、12月1日から12月3日までの航海については、1年前の第48週目の平均値を代表値として用い、12月4日から12月10日までの航海については、1年前の第49週目の平均値を代表値として用い、12月11日から12月14日までの航海については、1年前の第50週目の平均値を代表値として用いることが考えられる。
また、各メッシュにおける平均値を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去の複数年分のデータを用いる場合には以下のような例が考えられる。例えば、12月1日(木)〜12月14日(水)までの航海については、12月1日から12月3日までの航海については、1年前から5年前までの第48週目の平均値を代表値として用い、12月4日から12月10日までの航海については、1年前から5年前までの第49週目の平均値を代表値として用い、12月11日から12月14日までの航海については、1年前から5年前までの第50週目の平均値を代表値として用いることが考えられる。
(b)上記の式(1)を用いて平均値を求める場合、移動平均値を求める方法も考えられる。例えば、所定期間として1日とし、移動平均の窓長を7日とする場合、以下のように行う方法が考えられる。1年の第m日目(mは自然数、m=1〜365)の海流の速度データの移動平均値を求める場合、過去のある1年分の海流の速度データのうち、第(m−6)日目〜第m日目までの海流の速度データを平均する。次の第(m+1)日目の海流の速度データの移動平均値を求める場合、次の第(m−5)日目〜第(m+1)日目までの海流の速度データを平均する。以下同様である。ただし、各メッシュにおける平均値を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去の1年分のデータのみを用いても良いし、過去の複数年分のデータを用いても良い。過去の複数年分のデータを用いる場合、精度がより向上する。得られた移動平均値を各メッシュの代表値とする。
この場合、統計データベース21は、メッシュを特定するデータと、所定期間と、海象データ及び気象データの種類と、データの移動平均値とを関連付けて、統計データとして格納している。例えば、統計データベース21は、メッシュを代表する緯度及び経度と、1年の第m日目と、海流の速度データ、海流の向きデータ、風速データ及び風向データの種類と、それらの移動平均値とを関連付けて、統計データとして格納している。
各メッシュにおける移動平均値を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去のある1年分のデータを用いる場合には以下のような例が考えられる。例えば、12月1日(木)〜12月14日(水)の航海の場合、気象データ及び海象データの各々について、12月1日の航海については、1年前の11月25日から12月1日までの移動平均値を代表値として用い、12月2日の航海については、1年前の11月26日から12月2日までの移動平均値を代表値として用い、以下同様にして、12月14日の航海については、1年前の12月8日から12月14日までの移動平均値を代表値として用いることが考えられる。
また、各メッシュにおける移動平均値を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去の複数年分のデータを用いる場合には以下のような例が考えられる。例えば、12月1日(木)〜12月14日(水)の航海の場合、気象データ及び海象データの各々について、12月1日の航海については、1年前から5年前までの11月25日から12月1日までの移動平均値を代表値として用い、12月2日の航海については、1年前から5年前までの11月26日から12月2日までの移動平均値を代表値として用い、以下同様にして、12月14日の航海については、1年前から5年前までの12月8日から12月14日までの移動平均値を代表値として用いることが考えられる。
(II)最大出現頻度
気象データ及び海象データの統計処理としては、各データの最大出現頻度を求める方法が考えられる。その場合、得られる各データの最大出現頻度が統計データとなる。最大出現頻度の求め方としては、以下に示す方法が例示される。
気象データ及び海象データの各々について、メッシュごとに、所定期間ごと(例示:6時間、1日、1週間、1月)に、所定のカテゴリごとに分類する。例えば、風向を16種類の風向カテゴリ(北、北北東、北東、…、北北西)に分類し、風速を10種類の風速カテゴリ(0.0〜1.0m/s、1.1〜2.0m/s、2.1〜3.0m/s、…、9.1m/s以上)に分類する。海流の向き及び流速も同様である。そして、その頻度分布から、最も出現する可能性が高い(最大出現頻度の)カテゴリを各メッシュの代表値とする。
例えば、所定期間として1週間とする場合、以下のように行う方法が考えられる。1年の第m週目(mは自然数、m=1〜52)の風向データの最大出現頻度を求める場合、過去のある1年分の風向データのうち、第m週目の第1日目から第7日目までの風向データを16種類の風向カテゴリに分類する。そして、得られる風向頻度分布のうち発生頻度が最も高い最大出現頻度のカテゴリを求める。一例として、風向カテゴリが北、北北東、北東、…に対して、風向の発生頻度分布がそれぞれ20.0%(最大)、16.2%、5.0%、…の場合、最大出現頻度のカテゴリとして「北」と求まる。次の第(m+1)週目の風向データの最大出現頻度を求める場合、次の第(m+1)週目の第1日目から第7日目までの風向データを16種類の風向カテゴリに分類する。そして、得られる風向頻度分布のうち発生頻度が最も高い最大出現頻度のカテゴリを求める。以下同様である。ただし、各メッシュにおける最大出現頻度を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去の1年分のデータのみを用いても良いし、過去の複数年分のデータを用いても良い。過去の複数年分のデータを用いる場合、精度がより向上する。
この場合、統計データベース21は、メッシュを特定するデータと、所定期間と、海象データ及び気象データの種類と、データの最大出現頻度とを関連付けて、統計データとして格納している。例えば、統計データベース21は、メッシュを代表する緯度及び経度と、1年の第m週目と、海流の速度データ、海流の向きデータ、風速データ及び風向データの種類と、それらの最大出現頻度とを関連付けて、統計データとして格納している。
各メッシュにおける最大出現頻度を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去のある1年分のデータを用いる場合には以下のような例が考えられる。例えば、12月1日(木)〜12月14日(水)の航海の場合、気象データ及び海象データの各々について、12月1日から12月3日までの航海については、1年前の第48週目の最大出現頻度を代表値として用い、12月4日から12月10日までの航海については、1年前の第49週目の最大出現頻度を代表値として用い、12月11日から12月14日までの航海については、1年前の第50週目の最大出現頻度を代表値として用いることが考えられる。
また、各メッシュにおける平均値を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去の複数年分のデータを用いる場合には以下のような例が考えられる。例えば、12月1日(木)〜12月14日(水)の航海の場合、気象データ及び海象データの各々について、12月1日から12月7日までの航海については、12月1日から12月3日までの航海については、1年前から5年前までの第48週目の最大出現頻度を代表値として用い、12月4日から12月10日までの航海については、1年前から5年前までの第49週目の最大出現頻度を代表値として用い、12月11日から12月14日までの航海については、1年前から5年前までの第50週目の最大出現頻度を代表値として用いることが考えられる。
また、この場合にも、移動平均値を求める場合の窓の考え方と同様に、所定期間を設定する方法も考えられる。例えば、所定期間として1日とし、最大出現頻度の窓長を7日とする場合、以下のように行う方法が考えられる。1年の第m日目(mは自然数、m=1〜365)の風速データの最大出現頻度を求める場合、過去の風速データのうち、第(m−6)日目〜第m日目までの風速データの最大出現頻度を求める。次の第(m+1)日目の風速データの最大出現頻度を求める場合、次の第(m−5)日目〜第(m+1)日目までの風速データの最大出現頻度を求める。以下同様である。ただし、各メッシュにおける最大出現頻度を求める過去の気象データ及び過去の海象データとして、過去の1年分のデータのみを用いても良いし、過去の複数年分のデータを用いても良い。得られた最大出現頻度を各メッシュの代表値とする。
本発明の第2の実施の形態に係る最適航路計算方法を示すフローについては、統計処理の所定期間が異なる他は、第1の実施の形態(図5)と同様である。
なお、上記実施の形態において、所定期間として(例示:6時間、1日、1週間、1月)が挙げられているが、このような期間は上記例に限定されるものではない。以下同様である。
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、統計データを期間的に細分化(例示:時間別、日別、週別、月別に細分化)することにより、局所的・時期的な影響・特徴を統計データに反映させ易くすることができる。それにより、最適航路選定の精度が向上する。
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態に係る最適航路計算装置及び最適航路計算方法について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態に係る最適航路計算装置及び最適航路計算方法では、統計処理部13の統計処理の方法が第1、2の実施の形態と相違する。具体的には、本実施の形態では、第1、2の実施の形態と比較して、平均値や最大出現頻度の確からしさを反映すべく、それらの標準偏差を考慮した統計処理を行っている点で相違している。このような標準偏差を考慮した統計処理により、最適航路選定の精度が向上する。以下では、主に相違点について説明する。
統計処理部13は、取得された過去の海象データ及び過去の気象データを統計処理する。統計処理としては、複数のメッシュの各々において、所定期間毎の各データの平均値を求める処理や、所定期間毎のデータの最頻値を求める処理に例示される。このとき、各統計処理で得られた値と共に、その標準偏差σも併せて算出する。そして、その標準偏差σを含む統計処理の結果(例示:平均値、最頻値)を統計データとして出力する。
ただし、各データについて下記の式(2)を用いて標準偏差を求める。得られた標準偏差を各メッシュの標準偏差とする。
Figure 2013134089
Vi:i番目の変数(例示:風速、風向、海流の速度、海流の向き)
/V(Vバー):変数の平均値
n:データの個数(例示:1日に4個のデータがある場合、3月間の平均であれば約364個)
である。
また、統計処理の値として平均値を用いる場合、上記標準偏差σは、式(2)で算出される一般的な標準偏差である。一方、統計処理の値として最大出現頻度を用いる場合、上記標準偏差σは、別途最大出現頻度の平均値を求め、その平均値を用いて式(2)で算出される最大出現頻度の標準偏差とする。
航路計算部14は、統計処理部13から出力された又は統計データベース21に格納されている統計データと、条件取得部11が取得した計算対象の船舶に関する航海性能データとに基づいて、ウェザールーティングにより出発地から目的地までの最適航路を計算する。ウェザールーティングは、公知の等時間曲線法に例示される。このとき、まず標準偏差を無視して、最適航路の候補として所定の条件を満たす複数の航路を計算する。その所定の条件を満たす複数の航路としては、一番目に最適な航路、二番目に最適な航路、及び三番目に最適な航路に例示される。ここで、最適な航路とは、消費エネルギーが最小な航路や、所要時間が最小な航路に例示される。計算する航路の数は、3個に限定されるものではなく、予め設定されている。更に、それら複数の航路に加えて、それらの複数の航路の各々について、航路上の全てのメッシュの標準偏差σを加えた和Σσを求め、その和Σσをその航路が通過するメッシュ数pで割った値X(=Σσ/p)を求める。そして、それらの複数の航路の各々について、値Xが最低となる航路、又は、値Xが予め設定された値以下で且つ最も上位な航路を、最終的な最適航路として選定する。
統計データベース21は、統計処理部13が算出した統計データ(標準偏差σを含む)を、複数のメッシュ及び過去の期間と関連付けて、格納する。すなわち、一つのメッシュにつき、所定の期間ごとに、かつ、一つの海象データ及び気象データごとに、平均値及び最頻値とそれらの標準偏差とが関連付けられて格納されている。例えば、一つのメッシュにつき、期間はいつであるか(1−3月/4−6月/7−9月/10−12月、第m週目、第m日目、など)と、海流の速度データ及び海流の向きデータ、風速データ及び風向データの種類と、それらの平均値や最頻値と、それらの標準偏差とが、関連付けられて格納されている。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る最適航路計算方法(最適航路計算装置の動作)について説明する。添付図面を参照して説明する。図7は、本発明の第3の実施の形態に係る最適航路計算方法の概念を説明する模式図である。図4の場合と同様に、出発地と目的地とを含む領域31が複数のメッシュ33に分割されている。
各メッシュ33には、統計処理部13で統計処理された(統計データベース21に格納された)過去の気象データ及び過去の海象データとそれらの標準偏差とが関連付けられている。この図では、統計データのうち、風速データ及び風向データを示す矢印P4(風速は矢印P4の大きさ、風向は矢印P4の向き、に対応)と標準偏差(数値E)とがそれぞれ示されている。この条件において、ウェザールーティングにより、船舶の出発地から目的地までの航路として、風向及び風速に対応して複数の航路が破線の矢印で示すように航路Q4a、Q4bとして計算される、ということをこの図は例示している。この場合、値Xは、航路Q4aでは0.45であり、航路Q4bは0.34である。従って、最終的に最適航路は航路Q4bとなる。
気象データ及び海象データの統計処理及びそれにより得られる統計データについては、標準偏差を求める他は、上記各実施の形態と同様である。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る最適航路計算方法を示すフローについて、図5を参照して説明する。
条件取得部11は、入力装置を介したユーザによる入力や、ネットワークを介して外部との通信により、計算対象の船舶に関する航海性能データを取得する。一方、過去データ取得部12は、ネットワーク3を介してデータベース2から、航路の出発地と目的地とを含む領域における複数のメッシュの各々について、過去の海象データ及び過去の気象データを取得する(ステップS01)。
統計処理部13は、取得された過去の海象データ及び過去の気象データを統計処理する(ステップS02)。統計処理としては、複数のメッシュの各々において、所定期間毎の各データの平均値を求める処理や、所定期間毎のデータの最頻値を求める処理に例示される。統計処理は、第1の実施の形態の場合であっても良いし、第2の実施の形態の場合であっても良い。ただし、このとき、各統計処理で得られた値と共に、その標準偏差σも併せて算出する。それらの詳細は、上述のとおりである。そして、その標準偏差σを含む統計処理の結果(例示:平均値、最頻値)を統計データとして航路計算部14又は統計データベース21へ出力する。
航路計算部14は、統計処理部13から出力された又は統計データベース21に格納されている統計データと、条件取得部11が取得した計算対象の船舶に関する航海性能データとに基づいて、公知のウェザールーティングにより出発地から目的地までの最適航路を計算する(ステップS03)。このとき、まず、最適航路の候補として標準偏差を無視して所定の条件を満たす複数の航路を計算する。所定の条件を満たす複数の航路としては、例えば、最もエネルギー消費の少ない航路又は最も所要時間が短い航路の上位3個の航路である。それと共に、それらの複数の航路の各々について、航路上の全てのメッシュの標準偏差σの和Σσをメッシュ数pで割った値X(=Σσ/p)を求める。そして、それらの複数の航路の各々について、値Xが最低となる航路、又は、値Xが予め設定された値以下で且つ最も上位の航路を最適航路として選定する。
結果出力部15は、算出された最適航路を想定航路として出力装置(例示:ディスプレイやプリンタや携帯端末)に表示する(ステップS04)。最適航路は、各地点(緯度、経度)での航海時間(hr)燃料消費(ton)、航走距離(mile)、平均船速(knot)、平均回転数(rpm)の情報を含んでいる。各データは、記憶装置に格納される。
以上のようにして、本実施の形態に係る最適航路計算方法(最適航路計算装置の動作)が実施される。
本実施の形態においても、第1、2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、標準偏差の小さい航路を採用するため、航路中のデータの値の確実性は高いといえる。従って、本実施の形態の最適航路計算装置及び最適航路計算方法は、より適正な想定航路を計算可能である。
(第4の実施の形態)
以下、本発明の第4の実施の形態に係る最適航路計算装置及び最適航路計算方法について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態に係る最適航路計算装置及び最適航路計算方法では、過去データ取得部12による気象データ及び海象データの取得する方法が第1〜3の実施の形態と相違する。具体的には、本実施の形態では、第1〜3の実施の形態と比較して、単に所定期間のデータを取得するのではなく、エルニーニョやラニーニャが発生した場合に、過去にエルニーニョやラニーニャが発生した年のデータを選択して用いる点で相違している。このようにエルニーニョやラニーニャを考慮することで、最適航路選定の精度が向上する。以下では、主に相違点について説明する。
気候学的観点から、赤道付近の海面温度の変化による大規模な現象としてエルニーニョやラニーニャが知られている。エルニーニョやラニーニャが発生した場合、大気の循環場が変化する。そのため、船舶航路への影響も現れると想定される。従って、エルニーニョやラニーニャが発生した場合、過去に起こったエルニーニョやラニーニャが発生した年のデータを用いることが好ましい。
エルニーニョやラニーニャの発生の判定は、海面温度の統計処理から求めることが出来る。そのため、気象データに加え、例えばデータベース2として、米国海洋大気庁(NOAA:National Oceanic and Atmospheric Administration)が公開している海面温度(Optimum Interpolation Sea surface Temperature)等に関するデータを用いる。そして、そのデータを取得し、海面温度を解析することで、エルニーニョやラニーニャの発生(現在及び過去)を判定することができる。
あるいは、あるいは、過去にエルニーニョやラニーニャが発生した年や、現在エルニーニョやラニーニャが発生しているかについて、気象庁などで発表している。従って、そのような情報からエルニーニョやラニーニャの発生(現在及び過去)を把握することも可能である。
過去データ取得部12は、まず、現在エルニーニョやラニーニャが発生している場合、(a)ユーザ入力等により過去にエルニーニョやラニーニャが発生した年を把握する、又は、(b)過去の海面温度データをデータベース2から取得して過去にエルニーニョやラニーニャが発生している年を把握する。その後、その発生年に基づいて、データベース2から、過去のエルニーニョやラニーニャが発生した年における過去の気象データ及び過去の海象データを取得する。それにより、本実施の形態の最適航路計算装置及び最適航路計算方法は、エルニーニョやラニーニャに対応した航路計算を実行することができる。
あるいは、航路計算部14は、上記(a)や(b)の方法により過去にエルニーニョやラニーニャが発生している年を把握して、既にある統計データベース21を参照して、その発生年の統計データを用いて出発地から目的地点までの最適航路をウェザールーティングにより計算しても良い。それにより、本実施の形態の最適航路計算装置及び最適航路計算方法は、エルニーニョやラニーニャに対応した航路計算を実行することができる。
本実施の形態に係る最適航路計算方法(最適航路計算装置の動作)については、現在エルニーニョやラニーニャが発生している場合、エルニーニョやラニーニャが発生した年の過去の気象データ及び過去の海象データを用いる他は、第1〜第3の実施の形態の場合(図5)と同様である。
なお、本実施の形態では、エルニーニョやラニーニャについて説明しているが、船舶航路への影響が現れると想定される気象現象や海象現象を含む自然現象についても同様に適用することができる。例えば、オゾンホールの大きさによる紫外線照射量の変化、台風やハリケーンの発生などである。あるいは、単に、直前の期間の気象・海象データが、過去のある期間の気象・海象データと極めて近い場合、同様の傾向が続くとして、その後の期間の過去の気象・海象データを用いることができる。
例えば、この直前の3ヶ月(例示:10−12月)の気象・海象データと、ある西暦Y年の対応する3ヶ月(例示:10−12月)の気象・海象データとが極めて近い場合、これからの数ヶ月(例示:1−3月)の気象・海象データが、西暦(Y+1)年の対応する数ヶ月(例示:1−3月)の気象・海象データと極めて近くなる可能性が高い。従って、最適航路計算を行う期間(例示:1−2月)に対応して、その西暦(Y+1)年の対応する数ヶ月(例示:1−2月)の気象・海象データを用いることができる。
本実施の形態においても、第1〜3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、エルニーニョやラニーニャが発生した年には、過去にエルニーニョやラニーニャが発生した年のデータを採用するため、より適正な想定航路を計算することができる。従って、本実施の形態の最適航路計算装置及び最適航路計算方法は、より適正な想定航路を計算可能である。
(第5の実施の形態)
以下、本発明の第5の実施の形態に係る最適航路計算装置及び最適航路計算方法について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態に係る最適航路計算装置及び最適航路計算方法では、統計処理部13における風速データ及び風向データに関する統計処理の方法が第1〜4の実施の形態と相違する。具体的には、本実施の形態では、第1〜4の実施の形態と比較して、風速の高さ方向の分布を考慮する点で相違している。このような風速の高さ方向の分布を考慮する統計処理により、最適航路選定の精度が向上する。以下では、主に相違点について説明する。
例えば、海面からの背が高いマスト/クレーン/帆などを備えている船舶と、そうでない船舶とでは考慮すべき風速の高さが異なる。そのため、本実施の形態では、統計処理部13が、上記第1〜4の実施の形態の統計処理で得られるような統計データを、更に海面からの高さごとに分類する。統計データベース21は、更に海面からの高さごとに分類された統計データを、複数のメッシュ及び過去の期間と関連付けて格納する。航路計算部14は、船舶の高さ(代表値)に適した風速データを代表値として、ウェザールーティングにより出発地から目的地までの最適航路を計算する。すなわち、背の高い船舶では相対的に海面からの高さが高い風に関する風速データを用い、背の低い船舶では相対的に海面からの高さが低い風に関する風速データを用いて、ウェザールーティングを行う。
ここで、海面からの高さ(高度)別の風速Uの求め方としては、例えば一般的に1/7乗則として呼ばれる以下のような式が考えられる。
Figure 2013134089
ただし、
U:求める高さの風速(m/s)
Z:求める高さ(m)
:代表高さの風速(m/s):データベース2の過去の風速データの風速
:代表高さ(m):データベース2の過去の風速データの風速を示す高さ
a:べき指数:陸上では一般的に1/7だが、ここでは海上が主であるため1/10を使用
従って、統計データ(例示:平均値や最大出現頻度値)における風速データ(風速U、高さZ)を、式(3)を用いて更に海面からの高さZごとに分類する。そのような高さZの分類としては、5m、10m、15m、20m、25m、30mなどに例示される。
この場合、統計データベース21は、メッシュを特定するデータと、所定期間と、海象データ及び気象データの種類と、データの平均値/最大出現頻度とを関連付けて、統計データとして格納している。そして、データの種類が風速の場合、更に、高さ分類と、風速データの平均値/最大出現頻度のその高さでの計算値とを関連付けて、統計データとして格納している。
上述の方法に加え、更に、風速の鉛直分布を考慮することもできる。風速は一般に高さによって変化する。すなわち、風速は、海面から高度が高くなるに連れて急激に増加し、その後に緩やかに増加し、ある程度の高さで飽和するという傾向がある。そのため、上記式(3)等を用いて、各高度の平均風速・最大出現頻度風速を鉛直分布として統計処理しても良い。同様に、風向についても高度別に平均風速・最大出現頻度風向を統計処理してもよい。
本発明の第5の実施の形態に係る最適航路計算方法を示すフローについては、統計データの風速データや風向データの内容が異なる他は、第1の実施の形態(図5)と同様である。
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、統計データを高度で細分化(例示:5m、10m、…に細分化)することにより、船舶の大きさ・高さの影響・特徴を統計データに反映させ易くすることができる。それにより、最適航路選定の精度が向上する。
(第6の実施の形態)
以下、本発明の第6の実施の形態に係る最適航路計算装置及び最適航路計算方法について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態に係る最適航路計算装置及び最適航路計算方法では、事前の想定航路の計算ではなく、その想定航路に基づく航海における航路修正に関する点で第1〜5の実施の形態と相違する。以下では、主に相違点について説明する。
本発明の第6の実施の形態に係る最適航路計算装置の構成例について、添付図面を参照して説明する。
図8は、本発明の第6の実施の形態に係る最適航路計算装置の接続例及び構成例を示すブロック図である。船舶8は、帆装船であり、最適航路計算装置1と、船舶操作装置5と、計測システム6とを具備している。最適航路計算装置1は、船舶操作装置5と双方向通信可能に接続されている。また、最適航路計算装置1は、無線のネットワーク3(例示:インターネット)を介して外部のデータベース2と双方向通信可能に接続されている。船舶操作装置5は、計測システム6と双方向通信可能に接続されている。
最適航路計算装置1は、少なくとも第1の実施の形態の機能を備えている(第2〜5の実施の形態の機能を備えていても良い)。それに加えて、内部や船舶操作装置5やデータベース2などからのデータに基づいて、航行時に航路を修正する機能や帆(図示されず)の動作を最適化する機能などを有している。その出力を船舶操作装置5へ送信する。船舶操作装置5は、最適航路計算装置1や計測システム6からのデータに基づいて、船舶を制御し、操船する機能を有している。計測システム6は、外部環境の状態を計測する機器・装置の集合であり、測定結果を船舶操作装置5へ出力する。計測システム6は、船上風速を測定するドップラーソーダを含んでいる。ドップラーソーダについては後述される。
最適航路計算装置1は、第1の実施の形態の構成(及び/又は第2〜5の実施の形態の構成)の他に、更に現在・将来データ取得部16と、帆計算部17と、航路データベース22とを具備している。現在・将来データ取得部16は、現在の気象データ及び海象データや、将来(予測・予報)の気象データ及び海象データを、計測システム6から船舶操作装置5を介して又は外部からネットワーク3を介して取得する。帆計算部17は、帆の特性と船上風速データと航路とに基づいて、最適な帆の操作を算出する。航路データベース22は、本発明の第1の実施の形態(及び/又は第2〜5の実施の形態)に係る最適航路計算方法で選定された最適な想定航路及び修正された想定航路、及び航海性能データ(帆の特性データを含む)が格納されている。ただし、これらはソフトウェア(コンピュータプログラム)であっても良いし、ハードウェアであっても良いし、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせであっても良い。
最適航路計算装置1は、更にメンテナンス部18とメンテナンスデータベース23とを備えていても良い。メンテナンス部18は、帆の操作の指示に対する帆の実際の動作に関するデータを船舶操作装置5から受信して、メンテナンスデータベース23に格納する。メンテナンスデータベース23は、帆の操作の指示と帆の実際の動作と時刻とを関連付けて格納する。このメンテナンスデータベース23は、その内容に基づいて帆のメンテナンス時期やメンテナンス内容を決定するために使用することができる。
次に、計測システム6のドップラーソーダについて説明する。図9は、ドップラーソーダによる風向風速の測定原理を示す概略図である。ドップラーソーダ52は、主に船舶8の船首側に向かって設けられている。ドップラーソーダ52は、電波又は音波のビーム56を発射し、それらが大気の乱れによって反射して戻ってくるまでの経過時間及び周波数変化を計測することにより、南北方向、東西方向及び鉛直方向の風速すなわち風向及び風速を計測することができる。本実施の形態では、特に円弧状にビーム56を発射することで、例えば数100m先の円弧状の地点58における風向及び風速を計測する。その円弧状の地点58は数分後に船舶8が到達する可能性のある範囲である。このような計測により、直近(数分後)の船上風速を予測することができる。この数分後の船上風速の予測は、帆51の操作に用いることができる。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る最適航路計算方法(最適航路計算装置の動作)について説明する。
図10は、本発明の第6の実施の形態に係る最適航路計算方法を示すフロー図である。
前提として、本発明の第1の実施の形態(及び/又は第2〜5の実施の形態)に係る最適航路計算方法(図5ステップS01〜S04)が実施され、選定された最適な想定航路が航路データベース22に格納されているものとする。
最適航路計算装置1の条件取得部11は、航海性能データ(帆の特性データを含む)を航路データベース22から取得する。また、現在・将来データ取得部16は、現在の気象データ及び海象データや、将来(予測・予報)の気象データ及び海象データや、現在の船舶の位置を示すデータを、計測システム6や、船舶操作装置5や、外部からネットワーク3を介して取得する(ステップS11)。
航路計算部14は、現在・将来データ取得部16が取得した現在や将来(予測・予報)の気象データ及び海象データや現在の船舶の位置と、条件取得部11が取得した航海性能データとに基づいて、公知のウェザールーティングにより現在地から目的地までの航路に関して、最適航路を計算する(ステップS12)。結果出力部15は、計算された最適航路を出力装置(例示:ディスプレイやプリンタや携帯端末)に表示すると共に、船舶操作装置5へ出力する(ステップS13)。船舶操作装置5は、新たな最適航路に基づいて、各予測時刻における最適航路を新たに選定し、現在の最適航路を修正する(ステップS14)。
船舶操作装置5は、計測システム6が計測した船上風速(直近のリアルタイムなデータ)及び修正された最適航路を、最適航路計算装置1へ出力する(ステップS15のステップS21)。最適航路計算装置1の帆計算部17は、帆の特性と船上風速と最適航路とに基づいて、帆の最適な操作を算出する(ステップS15のステップS22)。結果出力部15は、計算された帆の最適な操作を出力装置に表示すると共に、船舶操作装置5へ出力する(ステップS15のステップS23)。船舶操作装置5は、その新たな帆の最適な操作を実行して、(リアルタイムで)帆を所定の状態へ動かす(ステップS14)。
最適航路計算装置1がメンテナンス部18とメンテナンスデータベース23とを備えている場合、船舶操作装置5は、帆の最適な操作の指示及びそれに対する帆の実際の動作に関するデータを最適航路計算装置1へ出力する。最適航路計算装置1のメンテナンス部18は、帆の最適な操作の指示及びそれに対する帆の実際の動作に関するデータを、メンテナンスデータベース23に格納する。メンテナンスデータベース23は、帆の最適な操作の指示とれに対する帆の実際の動作に関するデータとデータの受信した時刻とを関連付けて格納する(S25)。
以下、ステップS11〜S15を目的地に到着するまで繰り返す。
以上のようにして、本実施の形態に係る最適航路計算方法(最適航路計算装置の動作)が実施される。
本実施の形態においても、第1の実施の形態(及び/又は第2〜5の実施の形態の実施)と同様の効果を得ることができる。
更に、風向風速の予測が特に重要な帆装船において、直近(数分後)の船上の風向風速を予測できるので、帆を最適に操作することができる。
(第7の実施の形態)
以下、本発明の第7の実施の形態に係る最適航路計算装置及び最適航路計算方法について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態に係る最適航路計算装置及び最適航路計算方法では、気象・海象データとして、概ね同じ航路を先に航行する先行船のデータを取得して、自身の航海に役立てる点で第6の実施の形態と相違する。例えば、商船などでは、概ね同じ航路(出発地及び目的地が同じで、且つ航路も原則同じだが、気象・海象の状況に応じて船舶ごとにずれが生じる場合あり)を複数の船舶が前後して航行している場合がある。そのような場合、先行する船舶が計測した現実の気象・海象データを後方の船舶に伝達して役立てることができる。以下では、主に相違点について説明する。
本発明の第7の実施の形態に係る最適航路計算方法(最適航路計算装置の動作)について説明する。本実施の形態に係る最適航路計算方法は、第6の実施の形態の最適航路計算方法のうちステップS15がステップS31に変更されている。
図11は、本発明の第7の実施の形態に係る最適航路計算方法のステップS31を示すフロー図である。
最適航路計算装置1の現在・将来データ取得部16は、更に先行船から、その先行船の位置での現在の風向データ及び風速データとその先行船の位置データとを、ネットワーク3を介して取得する。そして、その位置での船上風速として記憶装置に記憶する(ステップS31のステップS41)。船舶操作装置5は、修正された最適航路を、最適航路計算装置1へ出力する。最適航路計算装置1の現在・将来データ取得部16は、記憶装置に記憶された現在の船舶の位置での船上風速を出力する(ステップS31のステップS42)。帆計算部17は、帆の特性と船上風速と最適航路とに基づいて、帆の最適な操作を算出する(ステップS31のステップS43)。結果出力部15は、計算された帆の最適な操作を出力装置に表示すると共に、船舶操作装置5へ出力する(ステップS31のステップS44)現在・将来データ取得部16は、現在の船上での風向データ及び風速データや、現在の船舶の位置を示すデータを、計測システム6や、船舶操作装置5から取得して、ネットワーク3を介して後続船へ送信する(ステップS45)。
なお、最適航路計算装置1がメンテナンス部18とメンテナンスデータベース23とを備えている場合のステップS46は、図9のステップS25と同じである。
以上のようにして、本実施の形態に係る最適航路計算方法(最適航路計算装置の動作)が実施される。
本実施の形態においても、第6の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、概ね同じ航路を先行する先行船の船上風速データ等を用いるので、風向風速の予測が特に重要な帆装船において、帆を最適に操作することができる。
本発明のプログラム、データ構造は、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記録され、その記憶媒体から情報処理装置に読み込まれても良い。
本発明は上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施の形態における各技術は技術的矛盾の発生しない限り、相互に適用可能である。
1 最適航路計算装置
2 データベース
3 ネットワーク
5 船舶操作装置
6 計測システム
8 船舶
11 条件取得部
12 過去データ取得部
13 統計処理部
14 航路計算部
15 結果出力部
16 現在・将来データ取得部
17 帆計算部
18 メンテナンス部
21 統計データベース
22 航路データベース
23 メンテナンスデータベース
31 領域
33 メッシュ
51 帆
52 ドップラーソーダ
56 ビーム
58 円弧状の地点

Claims (17)

  1. 船舶の航路の出発地及び目的地を含む領域を分割して得られる複数のメッシュにおける過去の海象データ及び過去の気象データを取得する過去データ取得部と、
    取得された前記過去の海象データ及び前記過去の気象データを統計処理した統計データを算出する統計処理部と、
    前記統計データと前記船舶の航海性能データとに基づいて、前記出発地から前記目的地までの最適航路をウェザールーティングにより計算する航路計算部と
    を具備する
    最適航路計算装置。
  2. 請求項1に記載の最適航路計算装置において、
    前記統計処理部は、前記統計処理として、前記複数のメッシュの各々において、所定期間毎にデータの平均値を求める第1処理又は所定期間毎にデータの最頻値を求める第2処理を実行して、前記統計データとして前記平均値又は前記最頻値を算出する
    最適航路計算装置。
  3. 請求項2に記載の最適航路計算装置において、
    前記所定期間は、一年のうちの特定期間であって、かつ複数年分である
    最適航路計算装置。
  4. 請求項2又は3に記載の最適航路計算装置において、
    前記統計処理部は、前記統計処理として、前記複数のメッシュの各々において、前記第1処理又は前記第2処理にと共に、前記平均値又は前記最頻値の標準偏差を、前記統計データとして更に算出し、
    前記航路計算部は、
    前記出発地から前記目的地点までの所定の条件を満たす複数の航路を算出し、
    前記複数の航路のうち、通過するメッシュの前記標準偏差の合計を前記通過するメッシュの数で割った値である単位標準偏差値が最小となる航路、又は、前記単位標準偏差値が所定の値以下かつ前記所定の条件をより良く満たす航路を前記最適航路として選択する
    最適航路計算装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の最適航路計算装置において、
    前記航路計算部は、所定の自然現象が発生している場合、前記過去の海象データ及び前記過去の気象データのうち前記所定の自然現象が発生している年の前記統計データに基づいて、前記最適航路を計算する
    最適航路計算装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の最適航路計算装置において、
    前記統計処理部は、前記過去の気象データについての前記統計データに基づいて、高さ方向の分布を算出し、
    前記航路計算部は、前記過去の気象データについての前記統計データを用いる場合、前記船舶の高さに対応する前記統計データを用いる
    最適航路計算装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の最適航路計算装置において、
    現在又は予測の気象データ及び現在又は予測の海象データを取得する現在・将来データ取得部を更に具備し、
    前記航路計算部は、前記現在又は予測の海象データと前記航海性能データとに基づいて、現在位置から前記目的地までの航路をウェザールーティングにより再計算して前記最適航路を修正し、
    前記船舶の帆の特性と前記現在又は予測の気象データと前記修正後の最適航路とに基づいて、前記帆の最適な操作を算出する帆計算部を更に具備する
    最適航路計算装置。
  8. 請求項7に記載の最適航路計算装置において、
    前記現在・将来データ取得部は、前記現在又は予測の気象データを、前記船舶の前記航路と概ね同じ航路を先行して航行する先行船から取得する
    最適航路計算装置。
  9. 船舶の航路の出発地及び目的地を含む領域を分割して得られる複数のメッシュにおける過去の海象データ及び過去の気象データを取得するステップと、
    取得された前記過去の海象データ及び前記過去の気象データを統計処理した統計データを算出するステップと、
    前記統計データと前記船舶の航海性能データとに基づいて、前記出発地から前記目的地までの最適航路をウェザールーティングにより計算するステップと
    を具備する
    最適航路計算方法。
  10. 請求項9に記載の最適航路計算方法において、
    前記統計データを算出するステップは、前記統計処理として、前記複数のメッシュの各々において、所定期間毎にデータの平均値を求める第1処理又は所定期間毎にデータの最頻値を求める第2処理を実行して、前記統計データとして前記平均値又は前記最頻値を算出するステップを備える
    最適航路計算方法。
  11. 請求項10に記載の最適航路計算方法において、
    前記所定期間は、一年のうちの特定期間であって、かつ複数年分である
    最適航路計算方法。
  12. 請求項10又は11に記載の最適航路計算方法において、
    前記統計データを算出するステップは、前記統計処理として、前記複数のメッシュの各々において、前記第1処理又は前記第2処理にと共に、前記平均値又は前記最頻値の標準偏差を、前記統計データとして更に算出するステップを備え、
    前記最適航路を計算するステップは、
    前記出発地から前記目的地点までの所定の条件を満たす複数の航路を算出するステップと、
    前記複数の航路のうち、通過するメッシュの前記標準偏差の合計を前記通過するメッシュの数で割った値である単位標準偏差値が最小となる航路、又は、前記単位標準偏差値が所定の値以下かつ前記所定の条件をより良く満たす航路を前記最適航路として選択するステップと
    を備える
    最適航路計算方法。
  13. 請求項9乃至12のいずれか一項に記載の最適航路計算方法において、
    前記最適航路を計算するステップは、所定の自然現象が発生している場合、前記過去の海象データ及び前記過去の気象データのうち前記所定の自然現象が発生している年の前記統計データに基づいて、前記最適航路を計算するステップを備える
    最適航路計算方法。
  14. 請求項9乃至13のいずれか一項に記載の最適航路計算方法において、
    前記統計データを算出するステップは、前記過去の気象データについての前記統計データに基づいて、高さ方向の分布を算出するステップを備え、
    前記最適航路を計算するステップは、前記過去の気象データについての前記統計データを用いる場合、前記船舶の高さに対応する前記統計データを用いる
    最適航路計算方法。
  15. 請求項9乃至13のいずれか一項に記載の最適航路計算方法において、
    現在又は予測の気象データ及び現在又は予測の海象データを取得するステップと、
    前記現在又は予測の海象データと前記航海性能データとに基づいて、現在位置から前記目的地までの航路をウェザールーティングにより再計算して前記最適航路を修正するステップと、
    前記船舶の帆の特性と前記現在又は予測の気象データと前記修正後の最適航路とに基づいて、前記帆の最適な操作を算出するステップと
    を更に具備する
    最適航路計算方法。
  16. 請求項15に記載の最適航路計算方法において、
    前記現在又は予測の気象データ及び現在又は予測の海象データを取得するステップは、前記現在又は予測の気象データを、前記船舶の前記航路と概ね同じ航路を先行して航行する先行船から取得するステップを備える
    最適航路計算方法。
  17. 請求項9乃至16のいずれか一項に記載の最適航路計算方法をコンピュータに実行させるプログラム。
JP2011283059A 2011-12-26 2011-12-26 最適航路計算装置及び最適航路計算方法 Pending JP2013134089A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011283059A JP2013134089A (ja) 2011-12-26 2011-12-26 最適航路計算装置及び最適航路計算方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011283059A JP2013134089A (ja) 2011-12-26 2011-12-26 最適航路計算装置及び最適航路計算方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013134089A true JP2013134089A (ja) 2013-07-08

Family

ID=48910891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011283059A Pending JP2013134089A (ja) 2011-12-26 2011-12-26 最適航路計算装置及び最適航路計算方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013134089A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101556723B1 (ko) * 2013-12-20 2015-10-02 삼성중공업 주식회사 선박의 최적 항로 결정 장치
JP2017182729A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 富士通株式会社 回避行動判定プログラム、回避行動判定方法および回避行動判定装置
KR101850866B1 (ko) * 2016-11-21 2018-04-20 동강엠텍(주) 선박의 항로 산출 방법
WO2019004443A1 (ja) * 2017-06-30 2019-01-03 川崎重工業株式会社 最適航路演算装置および最適航路演算方法
WO2019004416A1 (ja) * 2017-06-30 2019-01-03 川崎重工業株式会社 最適航路探索方法及び装置
JP2020008443A (ja) * 2018-07-10 2020-01-16 古野電気株式会社 航法装置及びルート作成方法
WO2020129226A1 (ja) 2018-12-20 2020-06-25 富士通株式会社 航海支援方法、航海支援装置および航海支援プログラム
WO2020129225A1 (ja) 2018-12-20 2020-06-25 富士通株式会社 航海支援方法、航海支援装置および航海支援プログラム
JP2020172150A (ja) * 2019-04-09 2020-10-22 三菱重工業株式会社 航走体制御システム及び航走体制御方法
CN115394123A (zh) * 2022-07-18 2022-11-25 中国电子科技集团公司第二十八研究所 一种基于空管历史飞行数据预测航班飞行高度的方法
WO2023073376A3 (en) * 2021-10-27 2023-06-01 Drift Energy Ltd Improvements in renewable energy
KR20240019718A (ko) 2022-08-04 2024-02-14 스미도모쥬기가이 마린 엔지니어링 가부시키가이샤 정보 처리 장치, 및 선박

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101556723B1 (ko) * 2013-12-20 2015-10-02 삼성중공업 주식회사 선박의 최적 항로 결정 장치
JP2017182729A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 富士通株式会社 回避行動判定プログラム、回避行動判定方法および回避行動判定装置
KR101850866B1 (ko) * 2016-11-21 2018-04-20 동강엠텍(주) 선박의 항로 산출 방법
WO2019004443A1 (ja) * 2017-06-30 2019-01-03 川崎重工業株式会社 最適航路演算装置および最適航路演算方法
WO2019004416A1 (ja) * 2017-06-30 2019-01-03 川崎重工業株式会社 最適航路探索方法及び装置
JP2019012029A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 川崎重工業株式会社 最適航路探索方法及び装置
JP2019012043A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 川崎重工業株式会社 最適航路演算装置および最適航路演算方法
US11473914B2 (en) 2018-07-10 2022-10-18 Furuno Electric Co., Ltd. Navigation device and method of creating route
JP7084806B2 (ja) 2018-07-10 2022-06-15 古野電気株式会社 航法装置及びルート作成方法
JP2020008443A (ja) * 2018-07-10 2020-01-16 古野電気株式会社 航法装置及びルート作成方法
WO2020129226A1 (ja) 2018-12-20 2020-06-25 富士通株式会社 航海支援方法、航海支援装置および航海支援プログラム
WO2020129225A1 (ja) 2018-12-20 2020-06-25 富士通株式会社 航海支援方法、航海支援装置および航海支援プログラム
JP2020172150A (ja) * 2019-04-09 2020-10-22 三菱重工業株式会社 航走体制御システム及び航走体制御方法
JP7235573B2 (ja) 2019-04-09 2023-03-08 三菱重工業株式会社 航走体制御システム及び航走体制御方法
WO2023073376A3 (en) * 2021-10-27 2023-06-01 Drift Energy Ltd Improvements in renewable energy
CN115394123A (zh) * 2022-07-18 2022-11-25 中国电子科技集团公司第二十八研究所 一种基于空管历史飞行数据预测航班飞行高度的方法
CN115394123B (zh) * 2022-07-18 2024-02-13 中国电子科技集团公司第二十八研究所 一种基于空管历史飞行数据预测航班飞行高度的方法
KR20240019718A (ko) 2022-08-04 2024-02-14 스미도모쥬기가이 마린 엔지니어링 가부시키가이샤 정보 처리 장치, 및 선박
EP4342786A2 (en) 2022-08-04 2024-03-27 Sumitomo Heavy Industries Marine & Engineering Co., Ltd. Information processing apparatus and vessel

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2013134089A (ja) 最適航路計算装置及び最適航路計算方法
JP4934756B1 (ja) 船舶の最適航路計算システム、船舶の運航支援システム、船舶の最適航路計算方法、及び船舶の運航支援方法
CN110967022B (zh) 船舶航速优化辅助决策系统
EP2498056B1 (en) Maneuvering control method and maneuvering control system
JP5420723B2 (ja) 船舶の最適航路計算システム、船舶の運航支援システム、船舶の最適航路計算方法、及び船舶の運航支援方法
EP3330747B1 (en) Apparatus, method, and computer program product for providing a metocean forecast
JP5435418B2 (ja) 海流データ同化方法および同化システム
Simonsen et al. State-of-the-art within ship weather routing
JP6895700B1 (ja) 船舶のルーティング予測システム、及び当該ルーティング予測システムに用いるプログラム
JP5312425B2 (ja) 船舶運航支援システム
Tsou et al. An Ant Colony Algorithm for efficient ship routing
JP2008145312A (ja) 最適航路探索方法
JP6867898B2 (ja) 最適航路探索方法及び装置
CN105539797A (zh) 一种基于ecdis的风力助航船舶的航行方法及系统
JP6251842B2 (ja) 船舶の運航支援システム及び船舶の運航支援方法
Wang et al. Benchmark study of five optimization algorithms for weather routing
WO2014128915A1 (ja) 航行解析装置、航行解析方法、プログラム及び記録媒体
Calvert et al. A dynamic system for fuel optimization trans-ocean
Kytariolou et al. Ship routing optimisation based on forecasted weather data and considering safety criteria
KR20200022293A (ko) 선박의 최적항로 도출 시스템 및 방법, 동 방법을 컴퓨터에서 실행하기 위한 컴퓨터 프로그램이 기록된, 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체
Gibbons-Neff et al. Route planning for a micro-transat voyage
Mannarini et al. VISIR-1. b: Ocean surface gravity waves and currents for energy-efficient navigation
JP6913536B2 (ja) 最適航路演算装置および最適航路演算方法
Eskild Development of a method for weather routing of ships
KR20200038915A (ko) 선박의 최적항로 도출 시스템 및 방법, 동 방법을 컴퓨터에서 실행하기 위한 컴퓨터 프로그램이 기록된, 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체