JP6645280B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トランジスター等の複数の回路素子が設けられた半導体装置、及び、そのような半導体装置の製造方法等に関する。
半導体装置において、異なる電圧範囲で動作する複数のトランジスターが設けられる場合がある。そのような場合に、例えば、複数のNウェルをP型の埋め込み拡散層及びPウェルで分離することによって、それらのNウェルに異なる電位が印加され、異なる電圧範囲で動作する複数のトランジスターがそれらのNウェルに設けられる。
関連する技術として、特許文献1には、自動ドーピングによりNウェルとN埋め込み層とを隔離してチップサイズを小さくできる半導体デバイスが開示されている。この半導体デバイスは、異なる電位にバイアスされた複数の低電圧Nウェル領域と、それらの低電圧Nウェル領域とN埋め込み層(NBL)との間に形成されている共通のP埋め込み層(PBL)とを備えている。さらに、複数の低電圧Pウェル領域が形成されて、PBLに接続される。
特開2006−179864号公報(段落0003−0006、図5)
特許文献1によれば、複数の低電圧Nウェル領域に異なる電位を印加することができるが、複数の低電圧Pウェル領域に異なる電位を印加する構成は開示されていない。また、複数の低電圧Pウェル領域に異なる電位を印加するために、特許文献1に開示されているNBL及びPBLと複数の低電圧Nウェル領域及び複数の低電圧Pウェル領域とを複数組設ける場合には、それらを周囲の領域から分離するために、NBLに達する深い高電圧Nウェル領域を複数設ける必要があり、そのようなウェル領域は大面積を占有するので、半導体装置を高密度化することが困難である。
本発明の幾つかの態様は、半導体基板の同一の素子領域に配置された複数のNウェルに異なる電位を印加すると共に、半導体基板の同一の素子領域に配置された複数のPウェルに異なる電位を印加することが可能な半導体装置を提供することに関連している。また、本発明の幾つかの態様は、そのような半導体装置を高密度化することに関連している。さらに、本発明の他の幾つかの態様は、そのような半導体装置の製造方法等を提供することに関連している。
本発明の第1の態様に係る半導体装置は、半導体基板と、半導体基板の第1の素子領域に離間して配置された第1導電型の第1のウェル及び第2のウェルと、少なくとも第1及び第2のウェルの下層に配置された第2導電型の第1の半導体層と、第1の半導体層と共に半導体基板内において第1及び第2のウェルの各々を囲む第2導電型の第3のウェルと、半導体基板の第2の素子領域に離間して配置された第2導電型の第4のウェル及び第5のウェルと、第4のウェルと第5のウェルとの間に配置された第1導電型の第6のウェルと、第6のウェルと共に半導体基板内において第4及び第5のウェルの各々を囲む第1導電型の第2の半導体層又は第1導電型の不純物領域とを備える。本願において、第1導電型がN型で、第2導電型がP型であっても良いし、第1導電型がP型で、第2導電型がN型であっても良い。
本発明の第1の態様によれば、半導体基板内において、第1の素子領域に配置された第1導電型の第1及び第2のウェルが第2導電型の第1の半導体層及び第3のウェルによって囲まれると共に、第2の素子領域に配置された第2導電型の第4及び第5のウェルが第1導電型の第2の半導体層又は不純物領域及び第6のウェルによって囲まれる。従って、第1の素子領域に配置された第1導電型の第1及び第2のウェルに異なる電位を印加すると共に、第2の素子領域に配置された第2導電型の第4及び第5のウェルに異なる電位を印加することが可能となる。
また、第4のウェルと第5のウェルとの間に配置された第6のウェルは、第1及び第2のウェルを囲む第3のウェルよりも小さくすることが可能であり、第1の素子領域を複数配置するよりも、第1及び第2の素子領域を配置することによって、半導体装置を高密度化することができる。
ここで、半導体装置が、第1の半導体層の下層に配置された第1導電型の第3の半導体層と、半導体基板内において第1の素子領域を平面視で囲むように配置され、第3の半導体層に接続されて第1の素子領域を周囲の領域から分離する第1導電型の第2の不純物領域とをさらに備えるようにしても良い。それにより、第1の半導体層及び第3のウェルを半導体基板から分離することができる。
また、半導体装置が、第2の半導体層の下層に配置された第1導電型の第4の半導体層をさらに備え、第1導電型の不純物領域が、半導体基板内において第2の素子領域を平面視で囲むように配置され、第4の半導体層に接続されて第2の素子領域を周囲の領域から分離するようにしても良い。それにより、第2の半導体層及び第6のウェルと半導体基板との間の耐圧を高めることができる。
さらに、半導体基板が、第2導電型の下地基板と、下地基板上に配置されたエピタキシャル層とを含み、第3又は第4の半導体層が、少なくとも下地基板の表層部に配置された埋め込み拡散層であっても良い。その場合には、下地基板に不純物を注入しておき、エピタキシャル層が配置された後に不純物を熱拡散させることによって、高濃度の埋め込み拡散層を実現することができる。
以上において、第1のウェルと第2のウェルとに異なる電位が供給され、第4のウェルと第5のウェルとに異なる電位が供給されるようにしても良い。それにより、第1のウェルと第2のウェルとに異なる電圧範囲で動作する複数のトランジスターを配置すると共に、第4のウェルと第5のウェルとに異なる電圧範囲で動作する複数のトランジスターを配置することができる。
本発明の第2の態様に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の第1の素子領域において第1導電型の第1のウェル及び第2のウェルと第2導電型の第3のウェルとを含み、半導体基板の第2の素子領域において第2導電型の第4のウェル及び第5のウェルと第1導電型の第6のウェルとを含む半導体装置の製造方法であって、第1の素子領域の下層に第2導電型の第1の半導体層を形成すると共に、半導体基板内において第2の素子領域を囲む第1導電型の第2の半導体層又は第1導電型の不純物領域を形成する工程と、第1の素子領域に、第1及び第2のウェルを離間して形成し、第1の半導体層と共に半導体基板内において第1及び第2のウェルの各々を囲む第3のウェルを形成する工程と、第2の素子領域に、第4及び第5のウェルを離間して形成し、第4のウェルと第5のウェルとの間に第6のウェルを形成して、第2の半導体層又は第1導電型の不純物領域、及び、第6のウェルが、半導体基板内において第4及び第5のウェルの各々を囲むようにする工程とを備える。
本発明の第2の態様によれば、半導体基板内において、第1の素子領域に配置された第1導電型の第1及び第2のウェルが第2導電型の第1の半導体層及び第3のウェルによって囲まれると共に、第2の素子領域に配置された第2導電型の第4及び第5のウェルが第1導電型の第2の半導体層又は不純物領域及び第6のウェルによって囲まれる。従って、第1の素子領域に配置された第1導電型の第1及び第2のウェルに異なる電位を印加すると共に、第2の素子領域に配置された第2導電型の第4及び第5のウェルに異なる電位を印加することが可能な半導体装置を製造することができる。
また、第4のウェルと第5のウェルとの間に配置された第6のウェルは、第1及び第2のウェルを囲む第3のウェルよりも小さく形成することが可能であり、第1の素子領域を複数形成するよりも、第1及び第2の素子領域を形成することによって、半導体装置を高密度化することができる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置の構成例を示す図。 図1に示す半導体装置の各部に印加される電位の例を示す図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造工程における断面図。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、重複する説明を省略する。
<半導体装置>
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の構成例を示す図である。図1(A)は、平面図であり、図1(B)は、図1(A)に示すB−Bにおける断面図である。図1(B)に示すように、この半導体装置は、半導体基板として、P型の下地基板10と、下地基板10上にP型半導体又はN型半導体をエピタキシャル成長させることによって設けられたエピタキシャル層(半導体層)20とを含んでいる。下地基板10及びエピタキシャル層20の材料としては、例えば、シリコン(Si)が用いられる。
また、半導体装置は、下地基板10の表層部において、半導体層として、N型の埋め込み拡散層(NBL)11及び12と、P型の埋め込み拡散層(PBL)13〜15とを含んでいる。なお、埋め込み拡散層11〜15の一部は、エピタキシャル層20に延在しても良い。P型の埋め込み拡散層13〜15上には、Pウェル37が配置されている。Pウェル37には、P型のコンタクト領域37aが配置されている。
さらに、半導体装置は、エピタキシャル層20において、半導体層として、P型の埋め込み拡散層(PBL)21と、ディープNウェル22とを含んでいる。なお、N型のエピタキシャル層20が設けられる場合には、ディープNウェル22を形成しなくても良い。また、半導体装置は、N型の埋め込み拡散層11に達する高濃度のN型の不純物拡散領域(Nプラグ)23と、N型の埋め込み拡散層12に達する高濃度のN型の不純物拡散領域(Nプラグ)24とを含んでいる。
Nプラグ23は、半導体基板内において第1の素子領域A1を平面視で囲むように配置され、N型の埋め込み拡散層11に接続されて第1の素子領域A1を周囲の領域から分離する。Nプラグ24は、半導体基板内において第2の素子領域A2を平面視で囲むように配置され、N型の埋め込み拡散層12に接続されて第2の素子領域A2を周囲の領域から分離する。なお、本願において、「平面視」とは、エピタキシャル層20の主面(図中の上面)に垂直な方向から各部を透視することを言う。
P型の半導体基板において、第1の素子領域A1を周囲の領域から分離するN型の埋め込み拡散層11及びNプラグ23や、第2の素子領域A2を周囲の領域から分離するN型の埋め込み拡散層12及びNプラグ24は、Nタブとも呼ばれている。Nプラグ23及び24には、Nタブに電位を与えるために、N型のコンタクト領域23a及び24aがそれぞれ配置されている。
第1の素子領域A1には、Nウェル31及び32が離間して配置されると共に、Pウェル33が配置されている。少なくともNウェル31及び32の下層にはP型の埋め込み拡散層21が配置されており、Pウェル33は、P型の埋め込み拡散層21と共に半導体基板内においてNウェル31及び32の各々を囲んでいる。それにより、Nウェル31及び32に異なる電位を印加することができる。また、P型の埋め込み拡散層21の下層にはN型の埋め込み拡散層11が配置されており、N型の埋め込み拡散層11及びNプラグ23によって、P型の埋め込み拡散層21及びPウェル33を半導体基板から分離することができる。
Nウェル31及び32やPウェル33には、MOS電界効果トランジスター等の複数の回路素子が配置されている。例えば、Nウェル31には、PチャネルMOSトランジスターQP1と、N型のコンタクト領域31aとが配置されている。トランジスターQP1は、Nウェル31内に配置されたP型のソース領域S及びドレイン領域Dと、Nウェル31上にゲート絶縁膜を介して配置されたポリシリコン等のゲート電極Gとを有している。
また、Nウェル32には、PチャネルMOSトランジスターQP2と、N型のコンタクト領域32aとが配置されている。トランジスターQP2は、Nウェル32内に配置されたP型のソース領域S及びドレイン領域Dと、Nウェル32上にゲート絶縁膜を介して配置されたポリシリコン等のゲート電極Gとを有している。
さらに、Pウェル33には、NチャネルMOSトランジスターQN3と、P型のコンタクト領域33aとが配置されている。トランジスターQN3は、Pウェル33内に配置されたN型のソース領域S及びドレイン領域Dと、Pウェル33上にゲート絶縁膜を介して配置されたポリシリコン等のゲート電極Gとを有している。
第2の素子領域A2には、Pウェル34及び35が離間して配置されると共に、Nウェル36がPウェル34とPウェル35との間に配置されている。少なくともPウェル34及び35の下層には、ディープNウェル22が配置されている。ディープNウェル22及びNプラグ24は、Nウェル36と共に半導体基板内においてPウェル34及び35の各々を囲んでいる。それにより、Pウェル34及び35に異なる電位を印加することができる。また、ディープNウェル22の下層には、N型の埋め込み拡散層12が配置されており、N型の埋め込み拡散層12及びNプラグ24によって、ディープNウェル22及びNウェル36と半導体基板との間の耐圧を高めることができる。
なお、N型のエピタキシャル層20が設けられてディープNウェル22が省略される場合には、N型のエピタキシャル層20及びNプラグ24が、Nウェル36と共に半導体基板内においてPウェル34及び35の各々を囲むことになる。
あるいは、N型の埋め込み拡散層11及びNプラグ23の替りに、トリプルウェル構造を構成するディープNウェルを半導体基板内に配置しても良い。また、N型の埋め込み拡散層12、Nプラグ24、及び、ディープNウェル22の替りに、トリプルウェル構造を構成するディープNウェルを半導体基板内に配置しても良い。その場合には、トリプルウェル構造を構成するディープNウェル(半導体層)が、Nウェル36と共に半導体基板内においてPウェル34及び35の各々を囲むことになる。
Pウェル34及び35やNウェル36には、MOS電界効果トランジスター等の複数の回路素子が配置されている。例えば、Pウェル34には、NチャネルMOSトランジスターQN4と、P型のコンタクト領域34aとが配置されている。トランジスターQN4は、Pウェル34内に配置されたN型のソース領域S及びドレイン領域Dと、Pウェル34上にゲート絶縁膜を介して配置されたポリシリコン等のゲート電極Gとを有している。
また、Pウェル35には、NチャネルMOSトランジスターQN5と、P型のコンタクト領域35aとが配置されている。トランジスターQN5は、Pウェル35内に配置されたN型のソース領域S及びドレイン領域Dと、Pウェル35上にゲート絶縁膜を介して配置されたポリシリコン等のゲート電極Gとを有している。
さらに、Nウェル36には、PチャネルMOSトランジスターQP6と、N型のコンタクト領域36aとが配置されている。トランジスターQP6は、Nウェル36内に配置されたP型のソース領域S及びドレイン領域Dと、Nウェル36上にゲート絶縁膜を介して配置されたポリシリコン等のゲート電極Gとを有している。
図1には示されていないが、エピタキシャル層20上には、層間絶縁膜が配置されており、層間絶縁膜上には、アルミニウム(Al)又は銅(Cu)等の配線層が配置されている。配線層に含まれている複数の配線が、Nプラグ23及び24のコンタクト領域23a及び24a、Nウェル31、32、36のコンタクト領域31a、32a、36a、Pウェル33〜35、37のコンタクト領域33a〜35a、37a、複数のトランジスターのソース領域S、ドレイン領域D、及び、ゲート電極Gにそれぞれ電気的に接続されている。
図2は、図1に示す半導体装置の各部に印加される電位の例を示す図である。半導体基板に配置されたPウェル37のコンタクト領域37aに基準電位VSS(例えば、0V)を印加することにより、P型の下地基板10に基準電位VSSが供給される。
図2(A)は、半導体基板の第1の素子領域A1に印加される電位の例を示している。Nプラグ23のコンタクト領域23aには、基準電位VSS以上のタブ電位VT1(例えば、+2V)が印加される。それにより、P型の下地基板10と第1のNタブ(N型の埋め込み拡散層11及びNプラグ23)との間のPN接合が逆バイアスされて、PN接合にリーク電流が流れないようにすることができる。
そのような場合に、Pウェル33のコンタクト領域33aには、タブ電位VT1以下の所望のウェル電位VW3を印加することができる(VW3≦VT1)。ただし、タブ電位VT1とウェル電位VW3との間の電位差が両者の耐圧を超えないようにする必要がある(例えば、VW3≧−5V)。
また、Nウェル31及び32のコンタクト領域31a及び32aには、ウェル電位VW3以上の所望のウェル電位VW1及びVW2を印加することができる(VW1、VW2≧VW3)。ただし、ウェル電位VW1とウェル電位VW3との間の電位差が両者の耐圧を超えないようにすると共に、ウェル電位VW2とウェル電位VW3との間の電位差が両者の耐圧を超えないようにする必要がある。Nウェル31及び32には、同電位を印加しても良いが、図2(A)に示すように、異なる電位を印加することもできる(例えば、VW1=+5V、VW2=−2V)。
上記の例においては、Nウェル31に、基準電位VSSよりも高いウェル電位VW1(+5V)が供給される。その場合には、Nウェル31に設けられたトランジスターQP1のソース領域S及びドレイン領域Dに、ウェル電位VW1(+5V)以下の電位を印加することができる。例えば、トランジスターQP1は、基準電位VSS以上の0V〜+5Vの電圧範囲で動作する。
また、Nウェル32に、基準電位VSSよりも低いウェル電位VW2(−2V)が供給される。その場合には、Nウェル32に設けられたトランジスターQP2のソース領域S及びドレイン領域Dに、ウェル電位VW2(−2V)以下の電位を印加することができる。例えば、トランジスターQP2は、基準電位VSSよりも低い−5V〜−2Vの電圧範囲で動作する。
図2(B)は、半導体基板の第2の素子領域A2に印加される電位の例を示している。Nプラグ24のコンタクト領域24aには、基準電位VSS以上のタブ電位VT2(例えば、+5V)が印加される。それにより、P型の下地基板10と第2のNタブ(N型の埋め込み拡散層12及びNプラグ24)との間のPN接合が逆バイアスされて、PN接合にリーク電流が流れないようにすることができる。
そのような場合に、Nウェル36のコンタクト領域(N)には、タブ電位VT2と同じウェル電位VW6(例えば、+5V)が印加される。また、Pウェル34及び35のコンタクト領域34a及び35aには、タブ電位VT2以下の所望のウェル電位VW4及びVW5を印加することができる(VW4、VW5≦VT2)。ただし、タブ電位VT2とウェル電位VW4との間の電位差が両者の耐圧を超えないようにすると共に、タブ電位VT2とウェル電位VW5との間の電位差が両者の耐圧を超えないようにする必要がある(例えば、VW4、VW5≧−5V)。Pウェル34及び35には、同電位を印加しても良いが、図2(B)に示すように、異なる電位を印加することもできる(例えば、VW4=−5V、VW5=−3V)。
上記の例においては、Pウェル34に、基準電位VSSよりも低いウェル電位VW4(−5V)が供給される。その場合には、Pウェル34に設けられたトランジスターQN4のソース領域S及びドレイン領域Dに、ウェル電位VW4(−5V)以上の電位を印加することができる。例えば、トランジスターQN4は、基準電位VSS以下の−5V〜0Vの電圧範囲で動作する。
また、Pウェル35に、基準電位VSSよりも低いウェル電位VW5(−3V)が供給される。その場合には、Pウェル35に設けられたトランジスターQN5のソース領域S及びドレイン領域Dに、ウェル電位VW5以上の電位を印加することができる。例えば、トランジスターQN5は、基準電位VSSを跨ぐ−3V〜+2Vの電圧範囲で動作する。
このように、Nウェル31とNウェル32とに異なる電圧範囲で動作する複数のトランジスターQP1及びQP2を配置すると共に、Pウェル34とPウェル35とに異なる電圧範囲で動作する複数のトランジスターQN4及びQN5を配置することができる。
本実施形態によれば、半導体基板内において、第1の素子領域A1に配置されたNウェル31及び32がP型の埋め込み拡散層21及びPウェル33によって囲まれると共に、第2の素子領域A2に配置されたPウェル34及び35が、例えば、ディープNウェル22とNプラグ24とNウェル36とによって囲まれる。従って、第1の素子領域A1に配置されたNウェル31及び32に異なる電位を印加すると共に、第2の素子領域A2に配置されたPウェル34及び35に異なる電位を印加することが可能となる。
また、Pウェル34とPウェル35との間に配置されたNウェル36は、Nウェル31及び32を囲むPウェル33よりも小さくすることが可能であり、第1の素子領域A1を複数配置するよりも、第1の素子領域A1及び第2の素子領域A2を配置することによって、半導体装置を高密度化することができる。
<製造方法>
次に、図1に示す半導体装置の製造方法について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造工程における断面図である。まず、P型の下地基板10として、例えば、P型不純物としてボロン(B)等を含むシリコン(Si)基板が用意される。
次に、図3(A)に示す工程において、フォトリソグラフィー法によって形成されたマスクを用いて、下地基板10の第1の領域B1及び第2の領域B2に、アンチモン(Sb)若しくは燐(P)イオン等のN型不純物が注入される。また、図3(B)に示すように、下地基板10の第3の領域B3〜第6の領域B6に、ボロン(B)イオン等のP型不純物が注入される。
次に、図3(C)に示す工程において、下地基板10上に、エピタキシャル層20として、P型又はN型の半導体層がエピタキシャル成長によって形成される。例えば、シリコン基板上にシリコン層をエピタキシャル成長させる際に、ボロン(B)等のP型不純物のガスを混合させることにより、所望の比抵抗を有するP型の半導体層を形成することができる。
次に、図3(D)に示す工程において、フォトリソグラフィー法によって形成されたマスクを用いて、エピタキシャル層20の複数の領域に、燐(P)イオン等のN型不純物が注入される。
その後、下地基板10及びエピタキシャル層20に注入された不純物を熱によって拡散させることにより、図3(E)に示すように、N型の埋め込み拡散層(NBL)11及び12と、P型の埋め込み拡散層(PBL)13〜15及び21とが形成される。その際に、不純物の熱拡散によって、埋め込み拡散層11〜15の一部がエピタキシャル層20に延在しても良く、P型の埋め込み拡散層21がエピタキシャル層20に形成されても良い。このように、下地基板10に不純物を注入しておき、エピタキシャル層20が配置された後に不純物を熱拡散させることによって、高濃度の埋め込み拡散層を実現することができる。
また、エピタキシャル層20に注入されたN型不純物がN型の埋め込み拡散層11及び12に到達して、Nプラグ23及び24が形成される。さらに、P型のエピタキシャル層20が設けられる場合には、ディープNウェル22が形成される。
それにより、第1の素子領域A1の下層にP型の埋め込み拡散層21が形成されると共に、半導体基板内において第2の素子領域A2を囲むディープNウェル22及びNプラグ24が形成される。なお、N型のエピタキシャル層20が設けられてディープNウェル22が省略される場合には、半導体基板内において第2の素子領域A2を囲むN型のエピタキシャル層20及びNプラグ24が形成されることになる。
あるいは、N型の埋め込み拡散層11及びNプラグ23の替りに、トリプルウェル構造を構成するディープNウェルを半導体基板内に形成しても良い。また、N型の埋め込み拡散層12、Nプラグ24、及び、ディープNウェル22の替りに、トリプルウェル構造を構成するディープNウェルを半導体基板内に形成しても良い。その場合には、トリプルウェル構造を構成するディープNウェルが、半導体基板内において第2の素子領域A2を囲むように形成されることになる。
次に、図3(F)に示す工程において、フォトリソグラフィー法によって形成されたマスクを用いて、エピタキシャル層20の複数の領域に、燐(P)イオン等のN型不純物が注入される。また、フォトリソグラフィー法によって形成されたマスクを用いて、エピタキシャル層20の複数の領域に、ボロン(B)イオン等のP型不純物が注入される。
それにより、第1の素子領域A1に、Nウェル31及び32が離間して形成され、P型の埋め込み拡散層21と共に半導体基板内においてNウェル31及び32の各々を囲むPウェル33が形成される。また、第2の素子領域A2に、Pウェル34及び35が離間して形成され、Pウェル34とPウェル35との間にNウェル36が形成される。さらに、Nプラグ23及び24の周囲にPウェル37が形成される。
その結果、ディープNウェル22又はN型のエピタキシャル層20、Nプラグ24、及び、Nウェル36が、半導体基板内においてPウェル34及び35の各々を囲むようになる。あるいは、トリプルウェル構造を構成するディープNウェルが半導体基板内に形成される場合には、トリプルウェル構造を構成するディープNウェル及びNウェル36が、半導体基板内においてPウェル34及び35の各々を囲むようになる。
次に、例えば、エピタキシャル層20の主面を熱酸化することによって、エピタキシャル層20の主面に酸化シリコン(SiO)等のゲート絶縁膜が形成される。さらに、不純物がドープされて導電性を有するポリシリコンがゲート絶縁膜上に形成されて、ポリシリコン及びゲート絶縁膜が、フォトリソグラフィー法によって形成されたマスクを用いてパターニングされる。
それにより、図1に示すように、Nウェル31、32、及び、36の一部の領域上に、トランジスターQP1、QP2、及び、QP6のゲート電極Gが、ゲート絶縁膜を介してそれぞれ形成される。また、Pウェル33〜35の一部の領域上に、トランジスターQN3〜QN5のゲート電極Gが、ゲート絶縁膜を介してそれぞれ形成される。
さらに、フォトリソグラフィー法によって形成されたマスクを用いて、Nプラグ23及び24、Nウェル31、32、36、及び、Pウェル33〜35の一部の領域に、燐(P)イオン等のN型不純物が注入される。それにより、Nプラグ23及び24に、N型のコンタクト領域23a及び24aがそれぞれ形成される。また、Nウェル31、32、及び、36に、N型のコンタクト領域31a、32a、及び、36aがそれぞれ形成される。さらに、Pウェル33〜35にトランジスターQN3〜QN5のソース領域S及びドレイン領域Dが形成される。
また、フォトリソグラフィー法によって形成されたマスクを用いて、Nウェル31、32、36、及び、Pウェル33〜35及び37の一部の領域に、ボロン(B)イオン等のP型不純物が注入される。それにより、Nウェル31、32、及び、36にトランジスターQP1、QP2、QP6のソース領域S及びドレイン領域Dが形成される。また、Pウェル33〜35及び37にP型のコンタクト領域33a〜35a及び37aがそれぞれ形成される。
不純物を注入する工程においては、ゲート電極G等がハードマスクとして用いられる。以降の工程は、通常の半導体装置の製造工程と同様である。即ち、所定数の層間絶縁膜及び配線層が形成される。各々のコンタクト領域及びゲート電極上において、層間絶縁膜にコンタクトホールが形成され、アルミニウム(Al)等の配線又はタングステン(W)等のプラグが、コンタクト領域及びゲート電極に接続される。
本実施形態によれば、半導体基板内において、第1の素子領域A1に配置されたNウェル31及び32がP型の埋め込み拡散層21及びPウェル33によって囲まれると共に、第2の素子領域A2に配置されたPウェル34及び35が、例えば、ディープNウェル22とNプラグ24とNウェル36とによって囲まれる。従って、第1の素子領域A1に配置されたNウェル31及び32に異なる電位を印加すると共に、第2の素子領域A2に配置されたPウェル34及び35に異なる電位を印加することが可能な半導体装置を製造することができる。
また、Pウェル34とPウェル35との間に配置されたNウェル36は、Nウェル31及び32を囲むPウェル33よりも小さく形成することが可能であり、第1の素子領域A1を複数形成するよりも、第1の素子領域A1及び第2の素子領域A2を形成することによって、半導体装置を高密度化することができる。
以上の実施形態においては、P型の下地基板を用いる例について説明したが、N型の下地基板を用いても良い。その場合には、他の半導体層及び不純物層においてP型とN型とが逆になる。さらに、本発明は、MOS電界効果トランジスターを備える半導体装置のみならず、他のトランジスター等の回路素子を備える半導体装置に適用することもできる。このように、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野において通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
10…下地基板、11、12…N型の埋め込み拡散層、13〜16、21…P型の埋め込み拡散層、20…エピタキシャル層、22…ディープNウェル、23、24…Nプラグ、23a、24a…コンタクト領域、31、32、36…Nウェル、33〜35、37…Pウェル、31a〜37a…コンタクト領域、QP1、QP2、QP6…PチャネルMOSトランジスター、QN3〜QN5…NチャネルMOSトランジスター。

Claims (6)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の第1の素子領域に離間して配置された第1導電型の第1のウェル及び第2のウェルと、
    少なくとも前記第1及び第2のウェルの下層に配置された第2導電型の第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層と共に前記半導体基板内において前記第1及び第2のウェルの各々を囲む第2導電型の第3のウェルと、
    前記半導体基板の第2の素子領域に離間して配置された第2導電型の第4のウェル及び第5のウェルと、
    前記第4のウェルと前記第5のウェルとの間に配置された第1導電型の第6のウェルと、
    前記第6のウェルと共に前記半導体基板内において前記第4及び第5のウェルの各々を囲む第1導電型の第2の半導体層又は第1導電型の不純物領域と、
    を備える半導体装置。
  2. 前記第1の半導体層の下層に配置された第1導電型の第3の半導体層と、
    前記半導体基板内において前記第1の素子領域を平面視で囲むように配置され、前記第3の半導体層に接続されて前記第1の素子領域を周囲の領域から分離する第1導電型の第2の不純物領域と、
    をさらに備える、請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記第2の半導体層の下層に配置された第1導電型の第4の半導体層をさらに備え、
    前記第1導電型の不純物領域が、前記半導体基板内において前記第2の素子領域を平面視で囲むように配置され、前記第4の半導体層に接続されて前記第2の素子領域を周囲の領域から分離する、請求項1又は2記載の半導体装置。
  4. 前記半導体基板が、第2導電型の下地基板と、前記下地基板上に配置されたエピタキシャル層とを含み、
    前記第3又は第4の半導体層が、少なくとも前記下地基板の表層部に配置された埋め込み拡散層である、請求項2又は3記載の半導体装置。
  5. 前記第1のウェルと前記第2のウェルとに異なる電位が供給され、前記第4のウェルと前記第5のウェルとに異なる電位が供給される、請求項1〜4のいずれか1項記載の半導体装置。
  6. 半導体基板の第1の素子領域において第1導電型の第1のウェル及び第2のウェルと第2導電型の第3のウェルとを含み、前記半導体基板の第2の素子領域において第2導電型の第4のウェル及び第5のウェルと第1導電型の第6のウェルとを含む半導体装置の製造方法であって、
    前記第1の素子領域の下層に第2導電型の第1の半導体層を形成すると共に、前記半導体基板内において前記第2の素子領域を囲む第1導電型の第2の半導体層又は第1導電型の不純物領域を形成する工程と、
    前記第1の素子領域に、前記第1及び第2のウェルを離間して形成し、前記第1の半導体層と共に前記半導体基板内において前記第1及び第2のウェルの各々を囲む前記第3のウェルを形成する工程と、
    前記第2の素子領域に、前記第4及び第5のウェルを離間して形成し、前記第4のウェルと前記第5のウェルとの間に前記第6のウェルを形成して、前記第2の半導体層又は前記第1導電型の不純物領域、及び、前記第6のウェルが、前記半導体基板内において前記第4及び第5のウェルの各々を囲むようにする工程と、
    を備える製造方法。
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