JP6643173B2 - 導電部材、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収納装置 - Google Patents

導電部材、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収納装置 Download PDF

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Description

本発明は、導電部材、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収納装置に関する。
複数のセルを電気的に直列に接続してなるセルスタック装置において、隣り合うセル同士を電気的に接続するにあたり導電部材が用いられている。従来、このような導電部材としては、左右に配置される接続部間に渡された複数の帯状の接合部を、接続部に対して前後に交互に折り曲げて導電部が構成され、この導電部の複数個を、導電性連結片を介して接続し、導電部をセルの長手方向に沿って連続的に設けることで一繋がりとした導電部材が例示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−192273号公報
ところで、上述のセルにおいては、温度の高い部位に電流が集中する傾向にあり、電流が集中した場合に、発電効率の低下や、局所的な劣化を引き起こすおそれがあった。ここで、特許文献1記載の導電部材では、セルに生じた電流は、一方の帯状の接合部から接合部を左右で接続する接続部を流れたのちに、他方の帯状の接合部に流れることから、隣り合う接合部へ電流を流すための電流経路が長くなり、電流集中に関して改善余地があった。
それゆえ、本発明の目的は、電流集中を抑制できる導電部材、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収納装置を提供することにある。
本発明の導電部材は、複数の柱状のセルを電気的に接続するための導電部材であって、該導電部材は、前記セルの幅方向に沿って伸びる複数の帯状導電部と、該帯状導電部の両端にそれぞれ接続され、前記セルの幅方向の中央部に向けて曲がって設けられた折り曲げ部と、隣り合う前記帯状導電部同士を接続する3つ以上の第1の接続片とを有し、該第1の接続片が前記セルの幅方向に沿ってそれぞれ等間隔に設けられていることを特徴とする。
本発明の導電部材は、複数の柱状のセルを電気的に接続するための導電部材であって、該導電部材は、前記セルの幅方向に沿って伸びる複数の帯状導電部と、該帯状導電部の両端にそれぞれ接続され、前記セルの幅方向の中央部に向けて曲がって設けられた複数の折り曲げ部と、隣り合う前記帯状導電部同士を接続する4つ以上の第1の接続片とを有し、前記第1の接続片が、前記帯状導電部の前記セルの幅方向における両端側及び中央部側に設けられていることを特徴とする。
本発明の導電部材は、複数の柱状のセルを電気的に接続するための導電部材であって、該導電部材は、前記セルの幅方向に沿って伸びる複数の帯状導電部と、該帯状導電部の両端にそれぞれ接続され、前記セルの幅方向の中央部に向けて曲がって設けられた複数の折り曲げ部と、隣り合う前記帯状導電部同士を接続する2つの第1の接続片とを有し、前記帯状導電部のセルの長さ方向の一方側に接続された前記第1の接続片と、セルの長さ方向の他方側に接続された前記第1の接続片とが異なる位置に設けられていることを特徴とする。
また、本発明のセルスタック装置は、複数の上記セルと、該セル間に配置された上記導電部材とを備えることを特徴とする。
また、本発明のモジュールは、上記のセルスタック装置を収納容器内に収納してなることを特徴とする。
さらに、本発明のモジュール収納装置は、上記のモジュールと、該モジュールを作動させるための補機とを、外装ケース内に収納してなることを特徴とする。
本発明の導電部材は、電流集中を抑制できる導電部材とすることができる。また、この導電部材を備えることで、性能が向上したセルスタック装置、モジュールおよびモジュール収納装置を提供できる。
本実施形態のセルスタック装置の一例を示し、(a)はセルスタック装置を概略的に示す側面図、(b)は(a)のセルスタック装置の破線で囲った部分の一部を拡大して示す断面図である。 本実施形態の導電部材の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。 (a)〜(c)は、本実施形態の導電部材の他の一例を示す背面図である。 本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。 本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。 本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。 本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。 本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。 本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。 本実施形態の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。 本実施形態のモジュール収納装置の一例を、一部を省略して示す斜視図である。
図1〜図12を用いて、本実施形態の導電部材、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収納装置について説明する。
図1は、本実施形態のセルスタック装置の一例を示したものであり、(a)はセルスタック装置11を概略的に示す側面図、(b)は(a)のセルスタック装置11の一部を拡大した平面図であり、(a)で示した点線枠で囲った部分を抜粋して示している。なお、同一の部材については同一の番号を付するものとし、以下同様とする。また、(b)において(a)で示した点線枠で囲った部分に対応する部分を明確とするために矢印にて示している。さらに、以下の説明においては、特に断りがない限り、セルとして燃料電池セルを用いて説明する。
図1に示すセルスタック装置11は、複数個のセル10を備えている。セル10は、一対の対向する平坦面をもつ柱状の導電性支持体1(以下、支持体1と略す場合がある。)の一方側の平坦面上に内側電極層としての燃料極層3と、固体電解質層4と、外側電極層としての酸素極層6とを順に積層してなる柱状(中空平板状)とされている。この隣接するセル10間に導電部材13を介して電気的に直列に接続してセルスタック12とされている。セルスタック12は、各セル10の下端部が、セル10に燃料ガスを供給するマニホールド16に固定されている。また、セルスタック装置11は、セル10の配列方向(以下、セル配列方向と略す場合がある。)の両端からセルスタック12を挟持するように、マニホールド16に下端が固定された端部導電部材14を具備している。なお、以降の説明において、特に断りのない限り、内側電極層を燃料極層3とし、外側電極層を酸素極層6として説明する。
さらに、図1に示す端部導電部材14においては、セル10の配列方向に沿って外側に向けて延びた形状で、セルスタック12(セル10)の発電により生じる電流を引出すための電流引出し部15が設けられている。
さらに、セル10の他方側の平坦面上にはインターコネクタ8が設けられており、支持体1の内部には、セル10に燃料ガス(反応ガス)を流すためのガス流路2が複数設けられている。
以下に、図1において示すセル10について説明する。
燃料極層3は、一般的に公知のものを使用することができ、多孔質の導電性セラミックス、例えば希土類元素酸化物が固溶しているZrO(安定化ジルコニアと称し、部分安定化ジルコニアも含む)とNiおよび/またはNiOとから形成することができる。
固体電解質層4は、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有することが必要とされ、3〜15モル%の希土類元素酸化物が固溶したZrOから形成される。なお、上記特性を有する限りにおいては、他の材料等を用いて形成してもよい。
酸素極層6は、一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成することができる。酸素極層6はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
インターコネクタ8は、導電性セラミックスから形成することができるが、燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガス(空気等)と接触するため、耐還元性および耐酸化性を有することが必要であり、それゆえランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)が好適に使用される。インターコネクタ8は支持体1に形成されたガス流路2を流通する燃料ガス、およびセル10の外側を流通する酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好ましい。
支持体1としては、燃料ガスを燃料極層3まで透過するためにガス透過性であること、さらには、インターコネクタ8を介して集電するために導電性であることが要求される。したがって、支持体1としては、かかる要求を満足するものを材質として採用する必要があり、例えば導電性セラミックスやサーメット等を用いることができる。
また図1に示したセル10において、柱状の支持体1は、セル10の立設方向に細長く延びる板状片であり、一対の対向する平坦面と半円形状の両側面を有する中空平板状である。そしてセル10の下端部と後述する導電部材13の下端部とが、セル10に燃料ガスを供給するマニホールド16に、例えば耐熱性に優れた接合材(ガラスシール材等)によって固定され、支持体1に設けられたガス流路2が、マニホールド16内の燃料ガス室(図示せず)に通じている。
ちなみに、セル10を作製するにあたり、燃料極層3または固体電解質層4との同時焼成により支持体1を作製する場合においては、Ni等の鉄属金属成分とY等の特定希土類元素酸化物とから支持体1を形成することが好ましい。また、支持体1は、燃料ガス透過性を備えるために開気孔率が20%以上、特に25〜50%の範囲にあるのが好適であり、そしてまたその導電率は300S/cm以上、特に440S/cm以上であるのが好ましい。
ここで、セル10は、燃料極層3と酸素極層6とが固体電解質層4を介して対面している部分が発電の素子部として機能する。即ち、酸素極層6の外側に空気等の酸素含有ガスを流し、且つ支持体1内のガス通路2に燃料ガス(水素含有ガス)を流し、所定の作動温度まで加熱することにより発電する。そして、かかる発電によって生成した電流は、支持体1に設けられているインターコネクタ8を介して、後述する導電部材13で集電される。
図2は本実施形態の導電部材の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。図2に示した導電部材13は、セル10の幅方向Wに沿って伸びる複数の帯状導電部13aと、該帯状導電部13aの両端にそれぞれ接続され、セル10の幅方向Wの中央部に向けて曲がって設けられた折り曲げ部13bと、隣り合う帯状導電部13a同士を接続する第1の接続片13cとを有している。なお、帯状導電部13aと折り曲げ部13bは一体的に設けてもよい。また、図2に示す導電部材13においては、第1の接続片13cを複数有し、それぞれの第1の接続片13cが帯状導電部13aのセル10の幅方向における両端側に設けられている例を示している。
ここで、隣り合うセル10のうち、折り曲げ部13bが接する側のセル10で電流集中が生じる場合には、折り曲げ部13bを流れる電流は、少なくともその一部が、第1の接続片13cを介して、折り曲げ部13bと一体となった帯状導電部13aと隣り合う帯状導電部13aに流れることができる。
一方、帯状導電部13aが接する側のセル10で電流集中が生じる場合には、帯状導電部材13aを流れる電流は、第1の接続片13cを介して、隣り合う帯状導電部13aに流れることができる。
すなわち、導電部材13と接するいずれのセル10において電流集中が生じたとしても、効率よく隣り合う帯状導電部13aに電流を伝えることができ、電流を分散することができることから、電流集中を抑制することができる導電部材13とすることができる。
特に、第1の接続片13cが帯状導電部13aのセル10の幅方向における両端側に設けられている場合には、折り曲げ部13bが接する側のセル10で電流集中が生じた場合に、折り曲げ部13bから隣り合う帯状導電部13aまでの電流経路を短くすることができ、より効率よく、隣り合う帯状導電部13aに電流を伝えることができる。
ところで、たとえば図1に示したセル10のように、支持体1の一方側に酸素極層6を、他方側にインターコネクタ8を設けたセルの場合、製造時や発電時において、インター
コネクタ8が還元収縮や還元膨張を伴う場合があり、それに伴ってセル10が変形する場合がある。それゆえ、導電部材13を、インターコネクタ8に対して、折り曲げ部13bが接続するように配置することが好ましい。それによって、折り曲げ部13bがインターコネクタ8の還元収縮や還元膨張に追従することが容易となり、セルスタック装置11の長期信頼性を向上することもできる。
図3(a)〜(c)は、本実施形態の導電部材の他の一例を示す背面図である。図3(a)は、複数の第1の接続片13cをセル10の幅方向に沿って等間隔に設けた例で、これにより、電流がほぼ均等に流れ、電流集中をより抑制できる。この場合の第1の接続片13cの数は3つ以上である。
また、図3(b)は、複数の第1の接続片13cのそれぞれの間隔が、中央部側よりも端部側が広くなっている例である。言い換えると、端部側は中央部側よりも、隣り合うそれぞれの第1の接続片13cの間隔が広くなっている。電流集中はセル10の中央部側で特に生じやすいことから、中央部側の間隔をせまくすることで、電流集中を効率よく抑制することができる。一方、当該導電部材の帯状導電部13aを酸素極層に接続する場合には、第1の接続片13cの間隔を広げることで、効率よく酸素極層に酸素含有ガスである空気を供給することができ、空気利用率を向上し、発電効率を向上することができる。ここで、図3(b)に示す導電部材においては、隣り合うそれぞれの第1の接続片13cを、端部側の間隔を中央部側よりも広くすることで、電流集中を抑制しつつ、発電効率を向上することができる。この場合の第1の接続片13cの数は4つ以上である。
また、図3(c)は、帯状導電片13aの一方側(図における上側)に接続された第1の接続片13cと、他方側(図における下側)に接続された第1の接続片13cとが異なる位置に設けられている。つまり、図3(c)に示す例は、上下に隣接する帯状導電部13bを接続する第1の接続片13cが幅方向Wに2つ配置されている例で、上下に設けられた第1の接続片13cの位置がそれぞれ異なっている。これにより、端部側で電流集中の分散を効率よく行うことができる。一方、第1の接続片13cの数が少なく、また端部側に配置していることから、中央部において、酸素極層により効率よく酸素含有ガスである空気を供給することができ、発電効率を向上することができる。さらに、第1の接続片13cの数が少ないことから、導電部材13の剛性を小さくできるため、セルスタック装置11の運転に伴い生じるセル10の変形に容易に追従することができることで、セル10の応力を緩和でき、セル10のクラック発生を抑制できる。
図4は、本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。図4に示した導電部材13は、セル10の幅方向に沿って伸びる複数の帯状導電部13aと、該帯状導電部13aの両端にそれぞれ接続され、セル10の幅方向の中央部に向けて曲がって設けられた複数の折り曲げ部13bと、セル10の長手方向に隣り合う折り曲げ部13b同士を接続する第2の接続片13dとを有している。これにより、セル10の長手方向に隣り合うセル10のうち、折り曲げ部13bが接する側のセル10で電流集中が生じる場合に、折り曲げ部13bを流れる電流が第2の接続片13dを介してセル10の長手方向に隣り合う折り曲げ部13bに流れることができ、電流を効率よく分散できるので、電流集中を抑制することができる。
また、図4に示すように、第2の接続片13dは、セル10の長手方向において同じ位置に設けられていることが好ましい。これにより、第2の接続片13dを介して長手方向に隣り合う折り曲げ部13b同士の電流経路を短くすることができ、より効率よく隣り合う折り曲げ部13bに電流を伝えることができる。
図5は、本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図で
ある。図5に示した導電部材13は、隣り合う折り曲げ部13bの間に複数の第2の接続片13dを有し、それぞれの折り曲げ部13bの間にある第2の接続片13dの数が同じである。それぞれの折り曲げ部13bの間に第2の接続片13dが複数あることから、セル10の長手方向に隣り合う折り曲げ部13bに、より電流が伝わりやすくなる。さらに折り曲げ部13bを接続する第2の接続片13dの数が同じであることから、それぞれの折り曲げ部13bにおいて流れる電流の偏りを抑制でき、電流を効率よく分散でき、電流集中を抑制することができる。
さらに、図5に示すように、複数の第2の接続片13dのうちの折り曲げ部13bの先端側に位置する第2の接続片13dは、折り曲げ部13bの先端に位置させることが好ましい。これにより、セル10の長手方向に隣り合う折り曲げ部13bの先端同士を、第2の接続片13dを介して接続することで、折り曲げ部13bの先端部の変形を抑制することができる。
図6は、本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。図6に示した導電部材13は、セル10の幅方向に沿って伸びる複数の帯状導電部13aと、該帯状導電部13aの両端にそれぞれ接続され、セル10の幅方向の中央部に向けて曲がって設けられた複数の折り曲げ部13bと、隣り合う帯状導電部13a同士を接続する第1の接続片13cと、隣り合う折り曲げ部13b同士を接続する第2の接続片13dとを有している。これにより、隣り合うセル10のうち、帯状導電部13aが接する側のセル10で電流集中が生じる場合には、帯状導電部材13aを流れる電流は、第1の接続片13cを介して、隣り合う帯状導電部13aに流れることができる。さらに、折り曲げ部13bが接する側のセル10で電流集中が生じる場合に、折り曲げ部13bを流れる電流が第2の接続片13dを介してセル10の長手方向に隣り合う折り曲げ部13bに流れることができ、電流を効率よく分散できるので、電流集中を抑制することができる。
すなわち、隣り合うセル10のうち、帯状導電部13aが接する側のセル10で電流集中が生じる場合、折り曲げ部13bが接する側のセル10で電流集中が生じる場合のいずれの場合においても、第1の接続片13cおよび第2の接続片13dを介して、電流を効率よく分散でき、電流集中を抑制することができる。
また、図6に示すように、第1の接続片13cと第2の接続片13dとが、正面からからみて重ならない位置にあることが好ましい。これにより、第1の接続片13cを有する面(帯状導電部13aの面)と、第2の接続片13dを有する面(折り曲げ部13bの面)とにおいて、発電時に導電部材13が熱集中することを抑制できるので、電流集中を抑制することができる。
図7は、本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。図7に示した導電部材13は、第1の接続片13cと第2の接続片13dとが、正面からみて重なる位置にある。これにより、第1の接続片13cを有する面(帯状導電部13aの面)と、第2の接続片13dを有する面(折り曲げ部13bの面)とにおいて、流れる電流の偏りを抑制でき、電流を効率よく分散でき、電流集中を抑制することができる。
図8は、本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図である。図8(a)、(b)に示す導電部材13は、折り曲げ部13bは、セル10の幅方向に沿って伸びる複数の帯状部13fと、該帯状部13fと帯状導電部13aとを接続する屈曲部13eとを有し、第2の接続片13dが屈曲部13eに設けられている。例えば、図1に示したセル10のように、支持体1の一方側に酸素極層6を、他方側にインター
コネクタ8を設けたセル10を図1に示すようなセルスタック装置11に用いた際に、導電部材13の折り曲げ部13bがセル10の酸素極層6に接触している場合は、発電時において、セル10の発電部に取り込まれる空気(酸素)を第2の接続片13dでさえぎることなく、電流集中を抑制することができる。一方、導電部材13の折り曲げ部13bがセル10のインターコネクタ8に接触している場合は、上記したように折り曲げ部13bがインターコネクタ8の還元収縮や還元膨張に追従することが容易となり、セルスタック装置11の長期信頼性を向上することができる。
図9は、本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。図9に示すように、第1の接続片13cにおけるセル10の幅方向の長さt2は、第2の接続片13dにおけるセル10の幅方向の長さt1以下であることが好ましい。これにより、第1の接続片13cは第2の接続片13dよりも太さが細いので、第1の接続片13cで、セル10の発電部に取り込まれる空気(酸素)をさえぎることなく、電流集中を抑制することができる。
図10は、本実施形態の導電部材の他の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。図10は、導電部材13が、板状部13gと、該板状部13gの両端にそれぞれ接続され、セル10の幅方向の中央部に向けて曲がって設けられた複数の折り曲げ部13bと、セル10の長手方向に隣り合う折り曲げ部13b同士を接続する第2の接続片13dとを有している例を示している。この例の場合も、セル10の長手方向に隣り合うセル10のうち、折り曲げ部13bが接する側のセル10で電流集中が生じる場合に、折り曲げ部13bを流れる電流が第2の接続片13dを介してセル10の長手方向に隣り合う折り曲げ部13bに流れることができ、電流を効率よく分散できるので、電流集中を抑制することができる。なお、板状部13gは、帯状導電部13aと同じ幅の1つの第1の接続片13cが、隣り合う帯状導電部13a同士を接続しているものとみなすことができる。
以上説明した本実施形態の導電部材13の作製方法の一例について説明する。
上述の導電部材13を作製するにあたっては、基材として、耐食性のあるステンレス鋼を用いる。具体的には、少なくとも合金に対して4〜30原子%のCr、70〜96原子%のFeを含有する基材を用意する。
次に、基材をエッチング加工もしくはプレス加工することで、複数の帯状導電部およびそれ同士を接続する複数の第1の接続片を有する導電部材となる。さらに、複数の折り曲げ部およびそれ同士を接続する複数の第2の接続片も、同様に上記基材をエッチング加工もしくはプレス加工することで作製することができる。
次に、プレス曲げ加工で帯状導電部の両端をセルの幅方向の中央部に向けて曲げて、上記導電部材に折り曲げ部を形成する。
図11は、セルスタック装置11を収納容器内に収納してなるモジュールであるモジュール18の一例を示す外観斜視図であり、直方体状の収納容器19の内部に、図1に示したセルスタック装置11を収納して構成されている。
なお、セル1にて使用する燃料ガスを得るために、天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器20をセルスタック12の上方に配置している。そして、改質器20で生成された燃料ガスは、ガス流通管21を介してマニホールド16に供給され、マニホールド16を介してセル10の内部に設けられたガス通路2に供給される。
なお、図11においては、収納容器19の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されているセルスタック装置11および改質器20を後方に取り出した状態を示している。図11に示したモジュール18においては、セルスタック装置11を、収納容器19内にスライドして収納することが可能である。なお、セルスタック装置11は、改質器20を含むものとしても良い。
また収納容器19の内部に設けられた酸素含有ガス導入部材22は、図11においてはマニホールド16に並置された一対のセルスタック12の間に配置されるとともに、酸素含有ガスが燃料ガスの流れに合わせて、セル10の側方を下端部から上端部に向けて流れるように、セル10の下端部に酸素含有ガスを供給する。そして、セル10のガス通路2より排出される燃料ガスを酸素含有ガスと反応させてセル10の上端部側で燃焼させることにより、セル10の温度を上昇させることができ、セルスタック装置11の起動を早めることができる。また、セル10の上端部側にて、セル10のガス通路2から排出される燃料ガスと酸素含有ガスとを燃焼させることにより、セル10(セルスタック12)の上方に配置された改質器20を温めることができる。それにより、改質器20で効率よく改質反応を行うことができる。
さらに、本実施形態のモジュール18では、上述したセル10を用いたセルスタック装置11を収納容器19内に収納してなることから、集電効率が高く性能が向上したモジュール18とすることができる。
図12は、外装ケース内に図11で示したモジュール18と、セルスタック装置11を動作させるための補機とを収納してなるモジュール収納装置である燃料電池装置の一例を示す斜視図である。なお、図12においては一部構成を省略して示している。
図12に示すモジュール収納装置23は、支柱24と外装板25とから構成される外装ケース内を仕切板26により上下に区画し、その上方側を上述したモジュール18を収納するモジュール収納室27とし、下方側をモジュール18を動作させるための補機類を収納する補機収納室28として構成されている。なお、補機収納室28に収納する補機類は省略して示している。
また、仕切板26には、補機収納室28の空気をモジュール収納室27側に流すための空気流通口29が設けられており、モジュール収納室27を構成する外装板25の一部に、モジュール収納室27内の空気を排気するための排気口30が設けられている。
このようなモジュール収納装置23においては、上述したように、集電効率が高く性能が向上したモジュール18をモジュール収納室27に収納して構成されることにより、集電効率が高く性能が向上したモジュール収納装置23とすることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。
例えば、第1の接続片13cをセル10の幅方向Wに沿って複数設け、それぞれの第1の接続片13cの間隔を、端部側よりも中央部側を広くすることができる。この場合は、電流集中を抑制できつつ、さらに帯状導電部13aを酸素極層6に接続する場合には、発電効率が高いセル10の中央部において酸素極層6に効率よく酸素含有ガスである空気を供給することができ、空気利用率を向上し、発電効率を向上することができる。この場合の第1の接続片13cの数は4つ以上である。
また、第2の接続片13dは、セル10の長手方向において異なる位置に設けることが
できる。この場合は、発電時に導電部材13が熱集中することを抑制できるので、電流集中を抑制することができる。
さらに、上記形態ではセルとして燃料電池セルを用いてしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、セルに水蒸気と電圧とを付与して水蒸気(水)を電気分解することにより、水素と酸素(O)を生成するセル(電解セル、SOEC)にも適用することができる。
10:セル
11:セルスタック装置
12:セルスタック
13:導電部材
13a:帯状導電部
13b:折り曲げ部
13c:第1の接続片
13d:第2の接続片
13e:屈曲部
13f:帯状部
18:モジュール(燃料電池モジュール)
23:モジュール収納装置(燃料電池装置)

Claims (15)

  1. 複数の柱状のセルを電気的に接続するための導電部材であって、
    該導電部材は、前記セルの幅方向に沿って伸びる複数の帯状導電部と、該帯状導電部の両端にそれぞれ接続され、前記セルの幅方向の中央部に向けて曲がって設けられた折り曲げ部と、隣り合う前記帯状導電部同士を接続する3つ以上の第1の接続片とを有し、
    該第1の接続片が前記セルの幅方向に沿ってそれぞれ等間隔に設けられていることを特徴とする導電部材。
  2. 複数の柱状のセルを電気的に接続するための導電部材であって、
    該導電部材は、前記セルの幅方向に沿って伸びる複数の帯状導電部と、該帯状導電部の両端にそれぞれ接続され、前記セルの幅方向の中央部に向けて曲がって設けられた折り曲げ部と、隣り合う前記帯状導電部同士を接続する4つ以上の第1の接続片とを有し、
    前記第1の接続片が、前記帯状導電部の前記セルの幅方向における両端側及び中央部側に設けられていることを特徴とする導電部材。
  3. れぞれの前記第1の接続片の間隔が、中央部側よりも端部側が広くなっていることを特徴とする請求項2に記載の導電部材。
  4. れぞれの前記第1の接続片の間隔が、端部側よりも中央部側が広くなっていることを特徴とする請求項2に記載の導電部材。
  5. 前記中央部側における前記第1の接続片の間隔が等間隔であることを特徴とする請求項または請求項に記載の導電部材。
  6. 前記帯状導電部の前記セルの長さ方向の一方側に接続された前記第1の接続片と、前記セルの長さ方向の他方側に接続された前記第1の接続片とが、前記セルの幅方向の異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の導電部材。
  7. 複数の柱状のセルを電気的に接続するための導電部材であって、
    該導電部材は、前記セルの幅方向に沿って伸びる複数の帯状導電部と、該帯状導電部の両端にそれぞれ接続され、前記セルの幅方向の中央部に向けて曲がって設けられた折り曲げ部と、隣り合う前記帯状導電部同士を接続する2つの第1の接続片とを有し、
    前記帯状導電部のセルの長さ方向の一方側に接続された前記第1の接続片と、セルの長さ方向の他方側に接続された前記第1の接続片とが異なる位置に設けられていることを特徴とする導電部材。
  8. 隣り合う前記折り曲げ部同士を接続する第2の接続片をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の導電部材。
  9. 前記第1の接続片と前記第2の接続片とが、正面からからみて重ならない位置にあることを特徴とする請求項に記載の導電部材。
  10. 前記第1の接続片と前記第2の接続片とが、正面からからみて重なる位置にあることを特徴とする請求項に記載の導電部材。
  11. 前記折り曲げ部は、前記セルの幅方向に沿って伸びる複数の帯状部と、該帯状部と前記帯状導電部とを接続する屈曲部とを有し、
    前記第2の接続片が前記屈曲部に設けられていることを特徴とする請求項に記載の導電部材。
  12. 前記第1の接続片における前記セルの幅方向の長さは、前記第2の接続片における前記セルの幅方向の長さ以下であることを特徴とする請求項または請求項10に記載の導電部材。
  13. 複数の前記セルと、該セル間に配置され請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の導電部材とを備えることを特徴とするセルスタック装置。
  14. 請求項13に記載のセルスタック装置を収納容器内に収納してなることを特徴とするモジュール。
  15. 請求項14に記載のモジュールと、該モジュールを作動させるための補機とを、外装ケース内に収納してなることを特徴とするモジュール収納装置。
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