以下,本発明にかかる画像形成システムを具体化した第1の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置を含む画像形成システムに本発明を適用したものである。
本形態の画像形成システムは,複数台の画像形成装置が,ネットワークによって,互いに通信可能に接続されているシステムである。まず,本形態の画像形成システムに含まれる画像形成装置の一例であるプリンタ100について,図1を参照して説明する。
プリンタ100は,図1に示すように,外装101を備え,外装101の内部に,シートSに画像を印刷する画像形成部10が設けられている。さらに,プリンタ100は,印刷前のシートSを収容する給紙トレイ11と,印刷済みのシートSを収容する排紙トレイ12とを備えている。さらに,プリンタ100の内部には,給紙トレイ11から画像形成部10を経由して排紙トレイ12へと至るシートSの経路であるシート搬送路13が形成されている。
画像形成部10は,電子写真方式により,シート搬送路13を通って搬送されるシートSに画像を形成する。プリンタ100の画像形成部10は,図1に示すように,感光体51,帯電部52,露光部53,現像カートリッジ54,転写部55,クリーナ56,定着部57を有している。
感光体51は,図1の紙面に直交する方向に長い円筒形状の感光体ドラムである。感光体51は,図1中で時計回りに回転される。そして,帯電部52,露光部53,現像カートリッジ54,転写部55,クリーナ56は,感光体51の周方向に沿って,感光体51の回転方向についてこの順で配置されている。
帯電部52は,例えば,スコロトロン帯電器であり,感光体51の表面を帯電させる。露光部53は,例えば,レーザ露光器であり,感光体51に部分的にレーザ光を照射して感光体51の表面電位を低下させることにより,感光体51上に画像データに基づく静電潜像を形成させる。転写部55は,感光体51上のトナー像を電気的に引き寄せる。
現像カートリッジ54は,内部にトナーを収容し,外装101の内部に着脱可能なカートリッジとなっている。トナーは,印刷の実行により消費される。現像カートリッジ54は,消耗品カートリッジの一例であり,トナーは消耗品の一例である。現像カートリッジ54は,感光体51に対向して配置された現像ローラ541を備え,当該現像ローラ541にて静電潜像を現像することにより,感光体51上にトナー像を形成させる。
プリンタ100は,シートSへの印刷の実行時には,給紙トレイ11からシートSを給紙して,シート搬送路13を通って,感光体51と転写部55との間へと搬送する。そして,プリンタ100は,感光体51上にトナー像を形成し,形成したトナー像を転写部55によってシートSへ転写させる。さらに,プリンタ100は,シートSに載ったトナー像を,定着部57によってシートSに熱定着させる。プリンタ100は,画像の定着されたシートSを排紙トレイ12へ排紙する。クリーナ56は,転写後も感光体51に残るトナー等の付着物を除去する。
プリンタ100は,図1に示すように,外装101の一部が開閉可能となっているドア21と,ドア21が閉状態か否かによって異なる信号を出力するドアセンサ22と,を備えている。ドア21は,図1中に破線で示すように,外側へ倒すことで開状態となる。ドア21の開状態では,現像カートリッジ54を,プリンタ100に対して着脱可能である。また,ドア21は,図1中に実線で示すように,起こすことで閉状態となる。ドア21の閉状態では,現像カートリッジ54をプリンタ100に対して取り出したり収容したりすることはできない。外装101は,収容部の一例であり,ドア21は,外装101に形成されている開口部を開閉するドアの一例である。プリンタ100は,ドアセンサ22の信号に基づいて,ドア21が開状態であるか閉状態であるかを判断する。
そして,プリンタ100は,ドアセンサ22の信号に基づいて,ドア21が開状態から閉状態へと変化したと判断した場合に,現像カートリッジ54の初期駆動を行う。初期駆動として,プリンタ100は,例えば,現像カートリッジ54のトナー容器内で回転する回転部材を1回転させる。これにより,プリンタ100は,現像カートリッジ54が収容されているか否かを判断する。
さらに,初期駆動時には,プリンタ100は,収容されている現像カートリッジ54が未使用品であるか否かを判断できる。例えば,プリンタ100は,収容された現像カートリッジ54が未使用品であるか否かを判断するための機械的な構成を有している。機械的な未使用品検出の構成としては,例えば,未使用品の初期駆動時に回転する欠歯ギアを有する構成や,現像カートリッジ54を装置内に収容する動作によって変形する凸部を有する構成がある。例えば,未使用品の欠歯ギアは,プリンタ100の駆動ギアと噛み合って回転駆動力を受けて回転するが,所定角度まで回転した後は,欠歯部によって回転駆動力を受けないため回転しない。プリンタ100は,初期駆動時の欠歯ギアの回転位置を検出することで,収容された現像カートリッジ54が未使用品であるか否かを判断できる。
本形態のプリンタ100は,装置内に収容されている現像カートリッジ54が有するトナーの量を直接取得する手段を有していない。より具体的には,プリンタ100は,例えば,個別の現像カートリッジ54を識別する手段や,収容されている現像カートリッジ54中のトナーの量を検出する手段を有していない。
そのため,本形態のプリンタ100は,未使用品からのトナーの消費量を累積して,トナーの消費量としてNVRAM34(図2参照)に記憶している。そして,記憶しているトナーの消費量に基づいて,収容されている現像カートリッジ54のトナーの残量を推定する。具体的に,プリンタ100は,前述したように,収容された現像カートリッジ54が未使用品であると判断した場合,消費量を0とする。そして,プリンタ100は,印刷動作等のトナーの消費を伴う動作を行った場合に,当該動作によって消費したトナーの量を推定し,推定したトナー消費量を累積して記憶する。トナーの消費量としては,例えば,印刷枚数,現像ローラ541の回転数,印刷ドット総数,が該当する。
また,本形態のプリンタ100は,シート搬送路13中に複数のシートセンサ25,26,27を備えている。各シートセンサ25,26,27は,それぞれの検出位置でのシートの有無に応じて異なる信号を出力する。プリンタ100は,シートセンサ25,26,27の出力信号に基づいて,シート搬送路13中のシートSの通過位置を取得する。プリンタ100は,例えば,シートSのシート搬送路13中への給紙からの経過時間と,シートSの通過位置とに基づいて,シートSのジャムの発生を推定する。
プリンタ100は,ジャムが発生したと推定される場合,RAM33(図2参照)にジャム情報を記憶する。そして,プリンタ100では,ジャムを解消する場合にも,ユーザによって,ドア21が開状態とされる。プリンタ100は,例えば,ジャム情報が記憶されている状態でドア21が閉状態となった場合,短時間のシートの搬送動作を行い,ジャムが解消されたか否かを判断する。そして,プリンタ100は,ジャムが解消されたと判断した場合,RAM33に記憶したジャム情報を消去する。
続いて,プリンタ100の電気的構成について説明する。プリンタ100は,図2に示すように,CPU31と,ROM32と,RAM33と,NVRAM(不揮発性RAM)34とを含むコントローラ30を備えている。また,プリンタ100は,画像形成部10と,ドアセンサ22と,ネットワークIF(ネットワークインターフェース)37と,操作パネル40と,を備え,これらがコントローラ30に電気的に接続されている。
ROM32には,プリンタ100を制御するための各種制御プログラムや各種設定,初期値等が記憶されている。RAM33は,各種制御プログラムが読み出される作業領域として,あるいは,データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。NVRAM34は,各種の設定値等を記憶する記憶領域として利用される。CPU31は,ROM32から読み出した制御プログラムに従って,その処理結果をRAM33またはNVRAM34に記憶させながら,プリンタ100の各構成要素を制御する。
CPU31は,制御部の一例である。また,コントローラ30が制御部であってもよい。NVRAM34は,記憶部の一例である。なお,図2中のコントローラ30は,CPU31等,プリンタ100の制御に利用されるハードウェアを纏めた総称であって,実際にプリンタ100に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
ネットワークIF37は,ネットワークを介して接続された装置と通信を行うためのハードウェアである。ネットワークIF37は,通信部の一例である。通信方法は,有線でも無線でもよい。また,プリンタ同士の直接の通信であってもよいし,中継装置を介した通信であってもよい。
操作パネル40は,プリンタ100の外装101に設けられ,メッセージや設定内容を表示する表示パネル41と,ユーザからの入力操作を受け付ける入力部42と,を備える。表示パネル41は,表示部および報知部の一例である。入力部42は,電源ボタン,実行ボタン,キャンセルボタン等の各種のボタンを含む。また,表示パネル41としてタッチパネルを備え,ユーザがタッチパネルに指を接触させることによっても各種の入力を受け付ける場合には,表示パネル41は入力部の一例でもある。
そして,本形態の画像形成システム1は,図2に示すように,複数台のプリンタ100,プリンタ200,プリンタ300,プリンタ400を含み,各プリンタがネットワークを介して互いに通信可能に接続されているシステムである。プリンタ200とプリンタ300は,いずれもプリンタ100と同様のプリンタであり,少なくとも,プリンタ100の現像カートリッジ54と互換性のある現像カートリッジを使用する。また,プリンタ200もプリンタ300も,トナーの残量を直接検出する手段を備えておらず,それぞれ,未使用品からのトナーの消費量を記憶している。プリンタ400は,プリンタ100の現像カートリッジ54と互換性の無い現像装置を備えるプリンタである。なお,画像形成システム1としては,含まれるプリンタの台数は4台に限らないし,現像カートリッジ54の互換性のないプリンタは含まれていなくてもよい。
複数のプリンタを含む画像形成システム1では,例えば,プリンタ100に収容されていた未使用品ではない現像カートリッジ54と,プリンタ200やプリンタ300に収容されていた未使用品ではない現像カートリッジ54とが交換される可能性がある。例えば,プリンタ100にてトナーエンプティとなり,未使用品の現像カートリッジ54の買い置きがない場合に,プリンタ100を使用しているユーザが,プリンタ200やプリンタ300に収容されている現像カートリッジ54を入れ替えて使用する可能性がある。また,プリンタ100の現像カートリッジ54のトナー残量が少なく,実行しようとするジョブを完了できないかもしれないと考えた場合,ユーザが,ジョブの実行前に他のプリンタの現像カートリッジ54と交換する可能性がある。
一方で,プリンタ100は,前述したように,NVRAM34に記憶されている消費量に基づいて,トナーの残量を判断している。前述したように,プリンタ100は,現像カートリッジ54に収容されるトナーの量を検出できず,また,現像カートリッジ54から交換された情報を取得する手段もないからである。
そこで,本形態の画像形成システム1に含まれる各プリンタは,ドア21が開閉された場合,画像形成システム1に含まれる自装置以外のプリンタと,現像カートリッジ54が交換された可能性の有無を判断する。そして,各プリンタは,可能性があると判断したら,交換したか否かをユーザに問い合わせ,ユーザの回答に基づいて,NVRAM34に記憶されている消費量を書き換える。
具体的に,本形態の画像形成システム1では,図3に示すように,プリンタ間で情報のやり取りを行う。まず,図3のw1に示すように,プリンタ100にてドア21が開閉された場合,他のプリンタと現像カートリッジ54が交換された可能性が有るか否かを判断する。具体的に,プリンタ100は,ドア21が閉止された場合,未使用品ではない現像カートリッジ54が収容されている,かつ,ドア21の開閉前にジャム情報が記憶されていない,の条件を満たしていれば,現像カートリッジ54が交換された可能性が有ると判断する。判断の条件の詳細については後述する。
そして,現像カートリッジ54が交換された可能性が有ると判断した場合,プリンタ100は,図3のw2に示すように,画像形成システム1に含まれる他のプリンタ200,300,400に対して,確認情報を送信する。確認情報は,自装置以外の装置でも現像カートリッジ54の交換が行われた可能性があるか否かを,各装置に問い合わせる情報である。確認情報は,第1の確認情報の一例である。
次に,図3のw3に示すように,プリンタ200とプリンタ300とは,プリンタ100から確認情報を受信したことに応じて,プリンタ100に返信情報を送信する。返信情報は,確認情報を送信した装置と現像カートリッジ54が交換された可能性があることを示す情報である。プリンタ200とプリンタ300とは,現像カートリッジ54についてプリンタ100と互換性があることから,交換対象となり得る。一方,プリンタ400は,現像カートリッジ54についてプリンタ100と互換性がないことから,交換対象となり得ないので,返信情報を送信しない。
プリンタ200とプリンタ300とは,現像カートリッジ54の互換性だけでなく,交換された可能性がある場合に返信情報を送信する。具体的には,プリンタ200とプリンタ300とは,確認情報を受信するまでの一定時間以内にドア21が開状態となった,かつ,ドア21が閉状態で現像カートリッジ54が収容されている場合には,その現像カートリッジ54が未使用品でない,の条件を満たしている場合に,返信情報を送信する。判断の条件の詳細については後述する。図3のw3では,プリンタ200とプリンタ300とがともに条件を満たし,両方から返信情報が送信された場合を示している。返信情報は,第2の確認情報の一例である。
返信情報を送信したプリンタ200とプリンタ300とは,図3のw4に示すように,それぞれの操作パネル40に,ユーザに問い合わせるための問い合わせメッセージを表示する。問い合わせメッセージは,ユーザに対して,プリンタ100との間で現像カートリッジ54を入れ替えたか否かの入力を受け付けることを表示するメッセージである。
また,図3のw5に示すように,プリンタ100は,返信情報を受信した後,操作パネル40に,ユーザに問い合わせるための問い合わせメッセージを表示する。問い合わせメッセージは,w4のものと同様である。そして,問い合わせメッセージを表示した,プリンタ100,プリンタ200,プリンタ300は,それぞれ,ユーザの入力を受け付け可能な状態となる。
例えば,図3のw6に示すように,プリンタ200にて,プリンタ100との間で現像カートリッジ54を入れ替えたことを示すユーザの入力を受け付けた場合,プリンタ200は,プリンタ100に入力情報を送信する。入力情報は,ユーザによる入力を受け付けたことを示す情報である。プリンタ200は,ユーザの入力が現像カートリッジ54を入れ替えたことを示す肯定的な情報の入力であるか,入れ替えを否定する否定的な情報の入力であるかに応じて,異なる内容の入力情報を送信する。ここでは,プリンタ200は,肯定的な入力情報を送信したものとする。
そして,図3のw7に示すように,プリンタ200は,プリンタ100に肯定的な入力情報を送信した後,プリンタ100に対して消費量の情報を送信する。また,プリンタ100は,肯定的な入力情報を受信した後,プリンタ200に対して消費量の情報を送信する。プリンタ100とプリンタ200は,それぞれ,NVRAM34に記憶している消費量を,受信した消費量の情報に書き換える。
また,例えば,プリンタ300にて,入れ替えを否定する入力を受け付けた場合には,プリンタ100に対して否定的な入力情報が送信される。交換の可能性が全て否定された場合には,プリンタ100は,現像カートリッジ54の入れ替えは行われていないと判断し,消費量の情報の入れ替えは実行しない。
続いて,本形態の画像形成システム1に含まれるプリンタ100にて,現像カートリッジ54の交換可能性を判断して,ユーザに問い合わせる動作を実現するための交換可能性判断処理の手順について,図4のフローチャートを参照して説明する。以下では,プリンタ100について説明するが,他のプリンタも同様の処理を備える。交換可能性判断処理は,ドアセンサ22の出力信号に基づいて,ドア21がオープンされた,すなわち,ドア21が閉状態から開状態へ変化したことを契機に,プリンタ100のCPU31にて実行される。
交換可能性判断処理では,CPU31は,まず,RAM33にジャム情報が記憶されているか否かに基づいて,シートジャムが発生しているか否かを判断する(S101)。シートジャムが発生していると判断した場合(S101:YES),CPU31は,この交換可能性判断処理を終了する。シートジャムが発生している状態でドア21が開放された場合,ドア21は,シートジャムの解消のために開放されたと推定されるので,交換可能性の判断を行わずに終了する。
一方,シートジャムが発生していないと判断した場合(S101:NO),CPU31は,ドア21が開状態となった時刻である開時刻をRAM33またはNVRAM34に記憶する(S102)。そして,CPU31は,ドアセンサ22の出力信号に基づいて,ドア21がクローズされた,すなわち,開状態から閉状態へ変化したか否かを判断する(S103)。
ドア21がクローズされたと判断した場合(S103:YES),CPU31は,ドア21が閉状態となった時刻である閉時刻をRAM33またはNVRAM34に記憶する(S104)。なお,CPU31は,開時刻や閉時刻が既に記憶されている場合には,上書きする。交換可能性判断処理の終了時には,記憶した開時刻や閉時刻を消去してもよい。
そして,CPU31は,現像カートリッジ54が収容されているか否かを判断する(S105)。現像カートリッジ54が収容されていると判断した場合(S105:YES),CPU31は,収容された現像カートリッジ54が未使用品であるか否かを判断する(S106)。CPU31は,例えば,前述したように,初期駆動によって,収容された現像カートリッジ54が未使用品であるか否かを判断する。収容された現像カートリッジ54が未使用品であると判断した場合(S106:YES),CPU31は,この交換可能性判断処理を終了する。現像カートリッジ54が収容されていない場合には,まだ交換されておらず,未使用品が収容された場合には,もはや交換の可能性はない。
一方,収容された現像カートリッジ54が未使用品ではないと判断した場合(S106:NO),CPU31は,図3のw1に示したように,ネットワークIF37を使用し,ネットワークを介して,ネットワークに接続されている自装置以外の全てのプリンタに対して,確認情報を送信する(S107)。収容された現像カートリッジ54が未使用品ではない場合には,交換された可能性がある。そこで,他のプリンタ(ここでは,プリンタ200とプリンタ300)に交換の可能性を問い合わせる。S107は,第1の送信処理の一例である。
確認情報には,例えば,プリンタ100の識別情報と,現像カートリッジ54の互換性に関する情報とが含まれる。プリンタ100の識別情報は,情報を送信した装置を識別する情報であり,例えば,IPアドレス,ノード名が該当する。また,現像カートリッジ54の互換性に関する情報は,例えば,現像カートリッジ54の型番やプリンタ100の製品番号等,現像カートリッジ54の互換性を確認する情報である。
確認情報には,さらに,交換相手である可能性を補強するための情報として,トナー残量の情報や,閉時刻の情報を含んでいてもよい。トナー残量の情報は,プリンタ100の現像カートリッジ54のトナーの残量が少ない状態であるか否かの情報であり,例えば,NVRAM34に記憶されている消費量の情報,または,当該消費量が閾値より多いか否かの情報が該当する。トナーの残量が少ないことは,現像カートリッジ54の交換の動機となり得る。また,閉時刻の情報は,S104にて記憶した閉時刻の情報である。現像カートリッジ54の交換のためには,短時間の間に,双方の装置にて,ドアがオープンとされている可能性が高い。開時刻の情報を送信すれば,相手の装置にて交換可能性の判断材料となる。確認情報には,さらに,S102にて記憶した開時刻の情報を含んでもよい。
確認情報の送信後,CPU31は,確認情報への返信情報を受信したか否かを判断する(S108)。返信情報は,前述したように,交換の可能性がある場合に,自装置以外のプリンタからプリンタ100へ送信される情報である。返信情報を受信していないと判断した場合(S108:NO),CPU31は,タイムアウトとなったか否かを判断する(S109)。確認情報の送信後,所定の時間が経過しても返信情報を受信しない場合には,CPU31は,タイムアウトと判断し(S109:YES),交換可能性判断処理を終了する。一方,タイムアウトではないと判断した場合(S109:NO),CPU31は,S108に戻り,返信情報を受信したか否かを判断する。
一方,ドア21がクローズされていないと判断した場合(S103:NO),または,ドアクローズ時に現像カートリッジ54が収容されていないと判断した場合(S105:NO),CPU31は,確認情報を受信したか否かを判断する(S111)。プリンタ100のドア21が閉められるより前に,他のプリンタにてドアが開閉され,他のプリンタから送信された確認情報をプリンタ100が受信する場合もある。あるいは,他のプリンタの現像カートリッジ54と交換するために,現像カートリッジ54が収容されていない状態でドア21が閉められる可能性もある。
そして,確認情報を受信したと判断した場合(S111:YES),CPU31は,確認情報を送信したプリンタに対して,自装置が交換相手となり得るための所定の条件を満たすか否かを判断する(S112)。所定の条件は,図3のw3に示した返信情報を送信する条件であり,前述したように,現像カートリッジ54の互換性と,開時刻の条件と,未使用品の条件を含む。これらのうちの1つでも満たしていない場合には,CPU31は,返信情報を送信しない。
CPU31は,確認情報に含まれる現像カートリッジ54の互換性に関する情報に基づいて,現像カートリッジ54の互換性の条件を満たすか否かを判断する。確認情報を送信したプリンタと自装置とで,現像カートリッジ54の互換性がない場合には,CPU31は,自装置が交換相手となり得るための所定の条件を満たさないと判断する。
また,開時刻の条件は,例えば,S102にて記憶した開時刻が,確認情報を受信するまでの一定時間以内である条件である。一定時間としては,固定時間でもよいし,装置の位置関係によって異なる時間でもよい。あるいは,受信した確認情報に閉時刻の情報が含まれる場合には,S102にて記憶した開時刻が,確認情報に含まれる閉時刻より前である条件としてもよい。
確認情報の受信後にドア21が閉められた場合には,CPU31は,S106と同様に,未使用品か否かを判断する。未使用品であった場合には,CPU31は,交換相手となり得るための所定の条件を満たさないと判断し,交換可能性判断処理を終了するとよい。なお,返信情報を送信した後で未使用品が収容されたと判断した場合には,返信情報を取り消す情報を送信してもよい。
自装置が交換相手となり得るための所定の条件としては,トナーの残量の条件を更に含んでもよい。確認情報を送信した装置と自装置との両方でトナー残量が少ない場合には,交換される可能性は低い。つまり,確認情報にトナー残量の残量が所定の閾値より少ない情報が含まれる場合は,プリンタ100のトナー残量が所定の閾値より多いことを条件としてもよい。あるいは,両方の装置でトナーの残量が多い場合には,交換される可能性は低い。トナーの残量の条件として,確認情報にトナー残量が所定の閾値より多い情報が含まれる場合は,プリンタ100のトナー残量が所定の閾値より少ないことを条件としてもよい。なお,少ないと判断するための閾値と,多いと判断するための閾値とは,異なる閾値であってもよい。
一方,確認情報を受信していないと判断した場合(S111:NO),または,受信した確認情報に対して,自装置が交換対象となり得るための所定の条件を満たさないと判断した場合(S112:NO),CPU31は,S103に戻り,ドア21の閉止,または,確認情報の受信を待つ。なお,現像カートリッジ54が収容されない状態でドア21が閉められたまま,所定時間を超えても確認情報を受信しない場合には,この交換可能性判断処理を終了するとしてもよい。
そして,受信した確認情報に対して,交換対象となり得るための所定の条件を満たすと判断した場合(S112:YES),CPU31は,ネットワークIF37を使用し,ネットワークを介して,確認情報を送信したプリンタに対して,返信情報を送信する(S113)。確認情報を送信したプリンタの識別情報は,確認情報に含まれている。また,返信情報には,返信情報を送信した装置の識別情報が含まれ,S113では,プリンタ100の識別情報を含む返信情報を送信する。S113は,第3の送信処理の一例である。
CPU31は,確認情報を送信後に返信情報を受信したと判断した場合(S108:YES),または,S113にて返信情報を送信した後,操作パネル40に,ユーザへの問い合わせメッセージを表示させる(S115)。S115は,第1の表示処理および第2の表示処理の一例である。
確認情報を送信後に返信情報を受信した場合,プリンタ100と,返信情報を送信した装置と,の間で現像カートリッジ54の交換が行われた可能性がある。また,確認情報を受信後に返信情報を送信した場合,プリンタ100と,確認情報を送信した装置と,の間で現像カートリッジ54の交換が行われた可能性がある。そこで,図3のw4やw5に示したように,プリンタ100と,交換相手の可能性がある装置と,の両方にて,交換が行われたか否かをユーザに問い合わせる表示を行う。なお,交換相手の可能性がある装置が複数ある場合には,各装置のノード名等を表示し,ユーザによる選択入力を受け付けるとよい。
S115では,CPU31は,表示パネル41に,例えば,「○○プリンタと現像カートリッジを交換しましたか? 交換した場合には(OK)を押してください」と表示させる。あるいは,表示パネル41が入力の受け付けも可能なタッチパネルであれば,(交換した),(交換していない)の,2つのボタンを表示させてもよい。そして,CPU31は,表示したメッセージに対するユーザの入力操作を受け付ける入力処理を実行する(S117)。
次に,交換可能性判断処理のS117にて実行される入力処理の手順について,図5のフローチャートを参照して説明する。入力処理では,CPU31は,まず,操作パネル40にて,ユーザによるボタン押下等の入力操作を受け付けたか否かを判断する(S201)。
入力操作を受け付けたと判断した場合(S201:YES),CPU31は,図3のw6に示したように,ネットワークIF37を用いて,ネットワークを介して,交換相手の可能性がある装置へ入力情報を送信する(S202)。
交換可能性判断処理のS115にて実行した表示の内容に基づいて,CPU31は,受け付けたユーザの入力操作が,交換したことを示す操作であるか否かを判断できる。つまり,受け付けた入力操作に基づいて,CPU31は,現像カートリッジ54の交換が行われたか否かを確定する。なお,交換相手の可能性がある装置が複数ある場合には,交換可能性判断処理のS115にて複数の装置を表示し,S201では,それらのうちから1台を選択する入力を受け付ける。つまり,CPU31は,受け付けた入力操作に基づいて,交換相手の装置を確定する。
入力操作を受け付けていないと判断した場合(S201:NO),CPU31は,入力情報を受信したか否かを判断する(S203)。ユーザがプリンタ100以外のプリンタにて入力操作を行った場合,入力操作を受け付けたプリンタにて実行されている入力処理により,当該プリンタからプリンタ100へ入力情報が送信される。
入力情報を受信していないと判断した場合(S203:NO),CPU31は,所定のタイムアウト時間が経過したか否かを判断する(S204)。タイムアウト時間が経過していないと判断した場合(S204:NO),CPU31は,S201に戻り,入力操作の受付と,入力情報の受信とのいずれかを待機する。
S202の後,または,入力情報を受信したと判断した場合(S203:YES),CPU31は,入力情報が交換を確定する肯定的な情報であるか否かを判断する(S206)。肯定的な情報ではないと判断した場合(S206:NO),または,タイムアウト時間が経過したと判断した場合(S204:YES),CPU31は,入力処理を終了する。つまり,CPU31は,プリンタ100の現像カートリッジ54の交換は行われていないと確定し,消費量の情報を書き換えない。
一方,入力情報が肯定的な情報であった場合(S206:YES),CPU31は,確定した交換相手のプリンタと,消費量の情報を交換する。具体的には,プリンタ100は,ネットワークIF37を用いて,ネットワークを介して,NVRAM34に記憶している消費量を,交換相手に確定した装置へ送信する(S208)。S208は,第2の送信処理および第4の送信処理の一例である。
さらに,CPU31は,ネットワークIF37を用いて,ネットワークを介して,交換相手に確定した装置から消費量を受信したか否かを判断する(S209)。受信していないと判断した場合(S209:NO),CPU31は,受信するまで待機する。そして,消費量を受信したと判断した場合(S209:YES),CPU31は,NVRAM34に記憶している消費量を,受信した消費量に書き換え(S210),入力処理を終了する。S210は,書換処理の一例である。入力処理の終了後,CPU31は,交換可能性判断処理に戻り,交換可能性判断処理を終了する。
なお,交換相手への消費量の送信より前に,交換相手から消費量を受信した場合には,受信した消費量をRAM33に記憶する。この場合,S208の後,すぐにS209にてYESと判断され,CPU31は,S210にて,消費量を書き換える。
交換相手のプリンタでも,交換前にドアが開状態とされるため,プリンタ100と同様に,交換可能性判断処理が実行される。そして,交換相手のプリンタでも,プリンタ100と同様に,入力処理が実行され,消費量の情報が書き換えられる。つまり,現像カートリッジ54を交換した装置間で,記憶している消費量を交換して記憶するので,交換後の現像カートリッジ54の消費量に対応する消費量が記憶される。従って,適切な消費量が継続される可能性が高く,寿命管理の不具合の低減が期待できる。
本形態の画像形成システム1では,現像カートリッジ54の交換に伴って消費量の情報が交換されることから,現像カートリッジ54を交換することに不都合はない。そこで,画像形成システム1の各プリンタは,現像カートリッジ54の交換相手となり得る交換対象機を検索する指示を受け付ける。例えば,ユーザは,使用しているプリンタのトナー残量が少なくなった場合,現像カートリッジ54の交換相手となり得る他のプリンタを検索する指示を,プリンタの操作パネル40にて入力することができる。
次に,画像形成システム1のプリンタ100にて,交換対象機を検索する動作を実現する検索処理の手順について,図6のフローチャートを参照して説明する。この検索処理は,交換対象機を検索する指示入力を操作パネル40を介して受け付けたことを契機に,プリンタ100のCPU31にて実行される。
検索処理では,CPU31は,まず,自装置の現像カートリッジ54に関する情報であるカートリッジ検索情報を,ネットワークを介して接続されている自装置以外の全てのプリンタに送信する(S301)。カートリッジ検索情報は,現像カートリッジ54を識別する識別情報であり,例えば,現像カートリッジ54の型番,プリンタ100の機種情報である。
そして,CPU31は,交換可能情報を受信したか否かを判断する(S302)。交換可能情報を受信していないと判断した場合(S302:NO),CPU31は,所定のタイムアウト時間が経過したか否かを判断する(S303)。そして,所定のタイムアウト時間が経過していないと判断した場合(S303:NO),CPU31は,交換可能情報の受信を待つ。
交換可能情報は,カートリッジ検索情報を受信した他のプリンタから送信される情報である。カートリッジ検索情報を受信したプリンタは,カートリッジ検索情報の識別情報に基づいて,自装置の現像カートリッジとカートリッジ検索情報を送信したプリンタ100の現像カートリッジ54との間に,互換性があるか否かを判断する。そして,互換性があり,かつ,NVRAM34に記憶されている消費量が所定値より少ない場合に,カートリッジ検索情報を受信したプリンタは,ネットワークを介して交換可能情報をプリンタ100に送信する。
交換可能情報を受信したと判断した場合(S302:YES),CPU31は,交換可能なプリンタがあることを報知して(S305),検索処理を終了する。CPU31は,例えば,受信した交換可能情報に基づいて,交換可能情報を送信したプリンタのノード名等を表示パネル41に表示させる。なお,複数のプリンタから交換可能情報を受信した場合には,CPU31は,交換可能情報を送信した全てのプリンタの情報を表示させるとよい。また,交換可能情報として消費量の情報も受信して,交換可能なプリンタの情報と合わせて,消費量の情報も表示してもよい。
一方,交換可能情報を受信しないまま,所定のタイムアウト時間が経過したと判断した場合(S303:YES),CPU31は,交換可能なプリンタがないことを報知して(S306),検索処理を終了する。
次に,自装置以外のプリンタにて検索の指示入力を受け付け,検索処理のS301にて送信されるカートリッジ情報を当該プリンタから受信した場合の処理である検索受信処理の手順について,図7のフローチャートを参照して説明する。この検索受信処理は,カートリッジ情報を受信したことを契機に,プリンタ100のCPU31にて実行される。
検索受信処理では,CPU31は,まず,受信したカートリッジ情報に基づいて,自装置の現像カートリッジ54が,検索対象の現像カートリッジと互換性があるか否かを判断する(S311)。互換性があると判断した場合(S311:YES),CPU31は,NVRAM34に記憶されている消費量を参照して,収容されている現像カートリッジ54の消費量が所定の閾値よりも少ないか否かを判断する(S312)。
そして,消費量が少ないと判断した場合(S312:YES),CPU31は,受信したカートリッジ情報の送信元であるプリンタに対して,ネットワークIF37を用いて,ネットワークを介して,交換可能情報を送信する(S313)。さらに,CPU31は,プリンタ100が現像カートリッジ54の交換対象であることを報知して(S314),この検索受信処理を終了する。
事前に現像カートリッジ54の寿命が十分にあるプリンタを検索し,交換可能なプリンタとして報知することで,ユーザによる現像カートリッジ54の交換を簡便化できる。なお,報知方法は,例えば,表示パネル41へのメッセージ表示に限らず,音声を出力してもよいし,報知ランプの点灯であってもよい。報知ランプにて報知する場合,交換対象機であることを示す情報の報知(S314)と交換対象機が有ることを示す情報の報知(S305)とで別のランプを設けてもよいし,点灯態様(点灯色や点滅速度等)が異なってもよい。
また,検索処理にて,交換対象機が有ると判断した場合,プリンタ100は,検索処理に続いて,前述した入力処理を実行してもよい。つまり,プリンタ100は,検索処理のS305の報知とともに,交換を実行するか否かの選択入力を受け付ける表示を行い,ユーザの選択入力を受け付けてもよい。また,交換対象機が複数ある場合には,プリンタ100は,そのうちから交換するプリンタの選択入力を受け付けてもよい。
以上,詳細に説明したように,本形態の画像形成システム1のプリンタ100は,ドア21が開閉された場合であって,シートジャムでもなく,未使用品への交換でもない場合に,現像カートリッジ54が交換された可能性があると判断し,接続されているプリンタに確認情報を送信する。また,プリンタ100は,確認情報を受信した場合,受信までの一定時間以内にドア21が開状態となっており,さらに,その後にドア21が閉状態となっている場合には,収容された現像カートリッジ54が未使用品ではないことの条件を満たしていれば,確認情報を送信したプリンタに返信情報を送信する。プリンタ100は,確認情報を送信後に返信情報を受信した場合,または,返信情報を送信した場合,交換を確認するメッセージを表示する。さらに,メッセージに対して,交換を確定する入力を受け付けた場合,交換が確定したプリンタとの間で消費量の情報を交換する。つまり,現像カートリッジ54が交換されたことを示すユーザの入力を受け付けた場合に,それぞれの消費量を交換するので,適切な消費量が継続される可能性が高く,寿命管理の不具合の低減が期待できる。
続いて,本発明にかかる画像形成システムを具体化した第2の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,ネットワークに,複数のプリンタを管理する管理装置として,サーバが接続されている画像形成システムである。この点,サーバが接続されていない第1の形態と異なる。個々のプリンタは,第1の形態のプリンタ100と同様のものであり,第1の形態と同じ構成については,同じ符号を付して説明を省略する。
本形態の画像形成システム2は,図8に示すように,複数のプリンタ100,200,300と,サーバ900と,がネットワークを介して通信可能に接続されているシステムである。図8の例では,複数のプリンタ100,200,300は,いずれも,第1の形態のプリンタ100と同様のものである。サーバ900は,管理装置の一例である。なお,画像形成システム2としては,含まれるプリンタの台数は3台に限らないし,現像カートリッジ54の互換性のないプリンタも含まれていてもよい。
サーバ900は,図8に示すように,CPU931と,ROM932と,RAM933と,HDD934とを含むコントローラ930を備えている。また,サーバ900は,ネットワークIF937と,操作部940と,を備え,これらがコントローラ930に電気的に接続されている。CPU931は,管理制御部および制御部の一例であり,HDD934は,管理記憶部および記憶部の一例であり,ネットワークIF937は,管理通信部および通信部の一例である。
本形態の画像形成システム2では,各プリンタ100,200,300の現像カートリッジ54の使用量の情報は,例えば,図9に示すように,サーバ900のHDD934に設けられたプリンタ情報データベース(DB)999に,プリンタの識別情報と関連付けて記憶されている。各プリンタ100,200,300は,画像形成等を実行し,現像カートリッジ54に収容されているトナーを消費した場合に,その消費量をサーバ900に送信する。サーバ900は,各プリンタ100,200,300から消費量を受信した場合,HDD934のプリンタ情報DB999に記憶されている当該プリンタの消費量に,受信した消費量を加算し,累積値をプリンタ情報DB999に記憶する。
また,各プリンタは,第1の形態と同様にドア21の開閉を検知し,収容された現像カートリッジ54が未使用品であると判断した場合,サーバ900に未使用品が収容された情報を送信する。サーバ900は,未使用品が収容された情報を受信した場合,情報を送信したプリンタの消費量を0とする。
本形態の画像形成システム2では,各プリンタは,シートジャムではない状態でドア21の開閉を検知し,未使用品ではない現像カートリッジ54が収容されたと判断した場合,サーバ900に交換通知を送信する。そして,サーバ900が,現像カートリッジ54が交換された可能性の有無を判断し,可能性があると判断したら,交換したか否かをユーザに問い合わせる。そして,ユーザの回答に基づいて,サーバ900は,プリンタ情報DB999に記憶されている消費量を書き換える。
具体的に,本形態の画像形成システム2では,図10に示すように,サーバ900と各プリンタとで情報のやり取りを行う。まず,各プリンタは,シートジャムではない状態でドア21が開閉された場合,未使用品でない現像カートリッジ54が収容されている,かつ,ドア21の開閉前にジャム情報が記憶されていない,の条件を満たしていれば,現像カートリッジ54の交換が行われた可能性があると判断する。交換可能性の判断の条件は,第1の形態と同様である。
本形態では,現像カートリッジ54の交換が行われた可能性があると判断したプリンタは,自装置の消費量をサーバ900から受信し,消費量に応じて異なる交換通知(交換通知Aまたは交換通知B)を,サーバ900に送信する。具体的に,各プリンタは,自装置の消費量が閾値より少なくなければ交換通知Aを,自装置の消費量が閾値よりも多い上限値に達していなければ交換通知Bを,サーバ900に送信する。交換通知Aは,第1の交換通知の一例であり,交換通知Bは第2の交換通知の一例である。例えば,図10のz1に示すように,プリンタ100とプリンタ200とでドア21が開閉され,プリンタ100から交換通知Aが,プリンタ200から交換通知Bが,それぞれサーバ900に送信される。
例えば,消費量が閾値より少なくない場合,収容されているトナーの残量が少ないため,ユーザによる交換が行われる可能性がある。つまり,交換通知Aは,トナーの残量が少なく,交換の動機となり得る通知である。また,消費量が閾値よりも多い限界値に達していれば,収容されているトナーの残量はごく少なく,例えば,トナーエンプティの現像カートリッジ54である。そして,消費量が上限値に達していない場合,その現像カートリッジ54は,トナーエンプティではないので,交換相手となる可能性がある。つまり,交換通知Bは,トナーエンプティではなく,交換相手となり得る通知である。
サーバ900は,プリンタから交換通知を受信したことに応じて,現像カートリッジ54が交換された可能性のあるプリンタの組合せを抽出して,図10のz2に示すように,抽出したプリンタに,交換候補通知を送信する。交換候補通知は,交換された可能性のある組合せであることを,該当するプリンタに通知する情報である。サーバ900は,交換通知Aを送信したプリンタ100と交換通知Bを送信したプリンタ200とで現像カートリッジ54の互換性があり,交換通知Aを受信した時刻と交換通知Bを受信した時刻との差が一定時間内であれば,プリンタ100とプリンタ200とを,交換された可能性のあるプリンタの組合せであると判断する。
現像カートリッジ54を交換する場合には,一方のプリンタから取り出された現像カートリッジ54を,他方のプリンタに収容するまでに,長時間を要する可能性は低い。つまり,一定時間内に送信された複数の交換通知の組合せであれば,その交換通知を送信したプリンタの間で現像カートリッジ54が交換された可能性が高い。
交換候補通知を受信した各プリンタは,図10のz3に示すように,それぞれの操作パネル40に,現像カートリッジ54を交換したか否かをユーザに問い合わせるための問い合わせメッセージを表示し,ユーザの入力を受け付ける。本形態でも,ユーザの入力として,交換を肯定する入力と交換を否定する入力とを受け付ける。
そして,例えば,図10のz4に示すように,プリンタ100にて,現像カートリッジ54を入れ替えたことを示すユーザの入力を受け付けた場合,プリンタ100は,サーバ900に交換確定通知を送信する。交換確定通知は,交換を確定する入力を受け付けたことをサーバ900に通知する情報である。
交換確定通知を受信した後,サーバ900は,図10のz5に示すように,交換が確定したプリンタについて,プリンタ情報DB999に記憶されている消費量を交換して記憶する。なお,図10にてプリンタ300は,交換通知Aも交換通知Bも送信していないので,サーバ900から交換候補通知が送信されず,メッセージの表示も行わない。
続いて,本形態の画像形成システム2に含まれるプリンタ100にて,交換の可能性をサーバに問い合わせる動作を実現するための交換問い合わせ処理の手順について,図11のフローチャートを参照して説明する。以下では,プリンタ100について説明するが,他のプリンタ200やプリンタ300も,同様の処理を備える。交換問い合わせ処理は,ドアセンサ22の出力信号に基づいて,ドア21がオープンされたことを契機に,プリンタ100のCPU31にて実行される。
交換問い合わせ処理では,CPU31は,まず,RAM33にジャム情報が記憶されているか否かに基づいて,シートジャムが発生しているか否かを判断する(S401)。シートジャムが発生していると判断した場合(S401:YES),CPU31は,交換問い合わせ処理を終了する。
一方,シートジャムが発生していないと判断した場合(S401:NO),CPU31は,ドアセンサ22の出力信号に基づいて,ドア21がクローズされたか否かを判断する(S402)。そして,ドア21がクローズされていないと判断した場合(S402:NO),CPU31は,ドア21がクローズされるまで待機する。
ドア21がクローズされたと判断した場合(S402:YES),CPU31は,現像カートリッジ54が収容されているか否かを判断する(S403)。現像カートリッジ54が収容されていると判断した場合(S403:YES),CPU31は,収容された現像カートリッジ54が未使用品であるか否かを判断する(S404)。そして,現像カートリッジ54が収容されていないと判断した場合(S403:NO),または,収容された現像カートリッジ54が未使用品であると判断した場合(S404:YES),CPU31は,交換問い合わせ処理を終了する。
収容された現像カートリッジ54が未使用品ではないと判断した場合(S404:NO),CPU31は,ネットワークIF37を使用し,ネットワークを介して,サーバ900から消費量の情報の送信を要求し,サーバ900から自装置の消費量を受信する(S405)。CPU31は,例えば,消費量の情報の送信を要求するコマンドをサーバ900に送信し,サーバ900から消費量の情報を受信する。なお,自装置のNVRAM34等に自装置の消費量を記憶している場合は,サーバ900に問い合わせる必要はなく,CPU31は,記憶している情報を読み出す。
次に,CPU31は,自装置の消費量が,所定の閾値より大きいか否かを判断する(S406)。閾値は,ROM32またはNVRAM34に記憶されていてもよいし,サーバ900から受信してもよい。自装置の消費量が,所定の閾値より少なくないと判断した場合(S406:YES),CPU31は,ネットワークIF37を使用し,ネットワークを介して,サーバ900へ交換通知Aを送信する(S407)。
更に,CPU31は,自装置の消費量が,所定の上限値より小さいか否かを判断する(S408)。上限値は,閾値よりも多い量であり,ROM32またはNVRAM34に記憶されていてもよいし,サーバ900から受信してもよい。自装置の消費量が,所定の上限値に達していないと判断した場合(S408:YES),CPU31は,ネットワークIF37を使用し,ネットワークを介して,サーバ900へ交換通知Bを送信する(S409)。S407とS409とは,第1の送信処理の一例である。
交換通知Aと交換通知Bとは,前述したように,それぞれ,自装置の現像カートリッジ54が,他の装置の現像カートリッジ54と交換された可能性があることを,サーバ900に送信する通知である。プリンタ100は,他の装置の現像カートリッジ54と交換された可能性があると判断した場合,交換通知Aと交換通知Bとの少なくとも一方をサーバ900に送信する。ただし,消費量が,閾値よりも多く上限値よりも少ない場合には,プリンタ100は,交換通知Aと交換通知Bとの両方をサーバ900に送信する。また,交換通知Aと交換通知Bとには,現像カートリッジ54の互換性を識別するための識別情報も含まれてもよい。プリンタ情報DB999に各プリンタの現像カートリッジ54の識別情報が記憶されている場合は,識別情報を送信する必要はない。
次に,CPU31は,サーバ900から,ネットワークを介して,ネットワークIF37にて,交換候補通知を受信したか否かを判断する(S411)。交換候補通知は,プリンタ100との間で,現像カートリッジ54が交換された可能性のあるプリンタの組合せがある場合に,サーバ900から送信される通知である。
交換候補通知を受信していないと判断した場合(S411:NO),CPU31は,所定のタイムアウト時間が経過したか否かを判断する(S412)。そして,所定のタイムアウト時間が経過していないと判断した場合(S412:NO),CPU31は,交換候補通知の受信をさらに待つ。一方,所定のタイムアウト時間が経過したと判断した場合(S412:YES),CPU31は,交換問い合わせ処理を終了する。
タイムアウト時間が経過する前に,交換候補通知を受信したと判断した場合(S411:YES),CPU31は,操作パネル40に,交換したか否かをユーザに問い合わせるメッセージを表示させる(S413)。このメッセージでは,CPU31は,操作パネル40の表示パネル41に,交換候補通知にて通知されたプリンタの識別情報と,現像カートリッジ54を交換したか否かをユーザに問い合わせるメッセージとを表示する。S413は,表示処理の一例である。
そして,CPU31は,操作パネル40にて,入力操作を受け付けたか否かを判断する(S415)。入力操作を受け付けていないと判断した場合(S415:NO),CPU31は,所定のタイムアウト時間が経過したか否かを判断する(S416)。そして,所定のタイムアウト時間が経過していないと判断した場合(S416:NO),CPU31は,入力操作をさらに待つ。一方,所定のタイムアウト時間が経過したと判断した場合(S416:YES),CPU31は,交換問い合わせ処理を終了する。
入力操作を受け付けたと判断した場合(S415:YES),CPU31は,入力操作によって受け付けた情報が交換を確定する情報であるか否かを判断する(S418)。交換を確定する情報ではないと判断した場合(S418:NO),CPU31は,交換問い合わせ処理を終了する。なお,CPU31は,否定的な入力があったことを示す情報をサーバ900に送信してもよい。
一方,入力操作によって受け付けた情報が交換を確定する情報であると判断した場合(S418:YES),CPU31は,ネットワークIF37を使用し,ネットワークを介して,サーバ900へ交換確定通知を送信し(S419),交換問い合わせ処理を終了する。S419は,第2の送信処理の一例である。
続いて,本形態の画像形成システム2に含まれるサーバ900にて,交換候補をプリンタに通知し,交換が確定した場合に消費量を交換する動作を実現するための交換サーバ処理の手順について,図12のフローチャートを参照して説明する。交換サーバ処理は,プリンタ情報DB999に交換通知の受信時刻が記憶されていない状態で,接続されているプリンタから交換通知Aまたは交換通知Bを受信したことを契機に,サーバ900のCPU931にて実行される。
交換サーバ処理では,CPU931は,まず,交換通知Aまたは交換通知Bを受信した時刻を,図9に示したプリンタ情報DB999に書き込む(S501)。S501では,CPU931は,例えば,図9の(a)にて「時刻t1」として示すように,受信した交換通知の種類と当該交換通知を送信したプリンタの識別情報とに関連付けて,交換通知を受信した時刻を記憶させる。図9の例では,サーバ900が,時刻t1に,プリンタ100から,交換通知Aを受信したことを示している。
次に,CPU931は,他のプリンタから交換通知を受信したか否かを判断する(S504)。他のプリンタからの交換通知を受信していないと判断した場合(S504:NO),CPU931は,所定のタイムアウト時間が経過したか否かを判断する(S505)。そして,所定のタイムアウト時間が経過していないと判断した場合(S505:NO),CPU931は,交換通知の受信をさらに待つ。
所定のタイムアウト時間が経過する前に,他のプリンタから交換通知を受信したと判断した場合(S504:YES),CPU931は,受信した交換通知の種類と当該交換通知を送信したプリンタの識別情報とに関連付けて,交換通知を受信した時刻を,プリンタ情報DB999に書き込む(S508)。例えば,図9の(b)の例では,サーバ900が,時刻t2に,プリンタ300から,交換通知Bを受信したことを示している。S501とS508とは,記憶処理の一例である。
そして,CPU931は,プリンタ情報DB999に基づいて,現像カートリッジ54の互換性があり,かつ,受信した時間の差が一定時間以内である,交換通知Aと交換通知Bとの組合せがあるか否かを判断する(S510)。条件を満たす組合せが無いと判断した場合(S510:NO),CPU931は,S504に戻って,更に他の交換通知を受信したか否かを判断する。一方,条件を満たす組合せが有ると判断した場合(S510:YES),CPU931は,組合せのプリンタを交換候補として,両方のプリンタに交換候補通知を送信する(S511)。
図9の例で,プリンタ100とプリンタ300とに現像カートリッジ54の互換性があり,時刻t1と時刻t2との時間差が一定時間以内であれば,CPU931は,ネットワークIF937を用いて,ネットワークを介して,プリンタ100とプリンタ300とにそれぞれ交換候補通知を送信する。なお,交換候補通知には,交換相手の候補であるプリンタの識別情報が含まれる。S511は,送信処理の一例である。
さらに,CPU931は,交換確定通知を受信したか否かを判断する(S513)。交換確定通知は,交換問い合わせ処理のS419にてプリンタ100またはプリンタ300から送信される情報である。プリンタ100またはプリンタ300は,操作パネル40にて,交換を確定するユーザの入力操作を受け付けた場合に,交換確定通知をサーバ900に送信する。
交換確定通知を受信していないと判断した場合(S513:NO),CPU931は,所定のタイムアウト時間が経過したか否かを判断する(S514)。そして,所定のタイムアウト時間が経過していないと判断した場合(S514:NO),CPU931は,交換確定通知の受信をさらに待つ。
交換確定通知を受信したと判断した場合(S513:YES),CPU931は,プリンタ情報DB999の消費量の情報を書き換える(S516)。図9の例では,CPU931は,プリンタ100の消費量として記憶されている「m100」をプリンタ300の消費量の欄に記憶し,プリンタ300の消費量として記憶されている「m300」をプリンタ100の消費量の欄に記憶する。S516は,書換処理の一例である。なお,S513では,CPU931は,交換候補通知を送信したプリンタの少なくとも一方から交換確定通知を受信した場合に,当該交換候補通知の組合せでの交換が確定したと判断する。
さらに,CPU931は,S516の後,または,S505やS514にて所定のタイムアウト時間が経過したと判断した場合(S505:YES,または,S514:YES),交換の終了手続を行い(S517),交換サーバ処理を終了する。S517の終了手続では,CPU931は,プリンタ情報DB999中の交換通知A,交換通知B,交換候補,の各欄を全てクリアする。これにより,プリンタ情報DB999の内容は,図9の(c)に示すようになる。なお,プリンタ100またはプリンタ300から,交換を否定する通知を受信した場合は,タイムアウトを待たずにS517に進み,交換サーバ処理を終了する。
なお,S505にてタイムアウトとなった場合,サーバ900は交換候補通知を送信しない。そのため,交換通知を送信したプリンタでは,交換候補通知を受信せず,交換問い合わせ処理のS412にてタイムアウトとなる。
本形態の画像形成システム2では,プリンタからの交換通知を受信して,サーバ900にて交換された可能性が判断される。そして,ユーザの入力に基づいて,交換が確定した場合には,サーバ900に記憶されている消費量の情報が書き換えられる。本形態では,各プリンタの消費量の情報がサーバ900のHDD54に記憶されているので,情報の交換は容易である。
本形態の画像形成システム2においても,各プリンタにて,交換相手を検索する検索指示を受け付ける。検索指示の入力を受け付けたプリンタである交換要求装置は,検索指示を受け付けたことを示す情報である検索通知を,ネットワークIF37を用いて,ネットワークを介してサーバ900に送信する。検索通知を受信したサーバ900は,プリンタ情報DB999に基づいて,現像カートリッジ54の交換相手となり得る装置である交換対象装置を抽出し,抽出結果を,検索指示を受け付けたプリンタに報知させる。なお,サーバ900にて交換相手の検索を行う場合,プリンタ情報DB999には,各プリンタにて備えられる現像カートリッジ54の識別情報をも記憶されているとよい。
次に,サーバ900にて交換対象装置を抽出して報知する動作を実現する検索サーバ処理の手順について,図13のフローチャートを参照して説明する。この検索サーバ処理は,検索通知を受信したことを契機に,サーバ900のCPU931にて実行される。なお,以下では,検索通知を送信したプリンタがプリンタ100であるとして説明する。
検索サーバ処理では,CPU931は,プリンタ情報DB999に基づいて,プリンタ100以外のプリンタについて,プリンタ100と現像カートリッジ54の互換性があるか否かを判断する(S601)。プリンタ情報DB999に互換性に関する情報が記憶されていない場合には,各プリンタに問い合わせてもよい。検索サーバ処理では,CPU931は,各プリンタをプリンタ情報DB999の登録順に判断する。図9の例では,まず,プリンタ200について判断する。
プリンタ200の現像カートリッジ54とプリンタ100とで互換性があると判断した場合(S601:YES),CPU931は,プリンタ200の消費量が所定値より少ないか否かを判断する(S602)。所定量は,交換相手となり得る程度にトナーが残っていることを示す量であり,例えば,前述した交換通知A,Bの区別に用いた閾値や上限値と等しい値であってもよい。また,所定量は,固定値としてROM32またはNVRAM34に記憶される値であってもよいし,ユーザの入力等に基づいて決定する可変値であってもよい。
プリンタ200の消費量が所定値より少ないと判断した場合(S602:YES),CPU931は,プリンタ200を交換対象装置に決定する(S603)。そして,CPU931は,プリンタ情報DB999に登録されている全てのプリンタの検索が終了したか否かを判断する(S605)。検索が終了していないと判断した場合(S605:NO),CPU931は,S601に戻り,プリンタ情報DB999に登録されている次のプリンタについて判断する。図9の例では,プリンタ300について判断する。
一方,互換性がないと判断した場合(S601:NO),または,消費量が所定値以上であると判断した場合(S602:NO),CPU931は,そのプリンタを交換対象装置に決定せずに,S605に進み,検索が終了したか否かを判断する。例えば,図9の例で,プリンタ200の消費量は所定値以上であり,プリンタ300の消費量は所定値より少ない場合,プリンタ300だけが交換対象装置となる。
そして,プリンタ情報DB999の検索が終了したと判断したら(S605:YES),CPU931は,交換対象装置に決定したプリンタがあるか否かを判断する(S606)。交換対象装置に決定したプリンタがあると判断した場合(S606:YES),CPU931は,ネットワークIF937を用いて,ネットワークを介して,検索を要求したプリンタに,交換対象装置のリストとともに報知命令Aを送信する(S608)。
報知命令Aは,交換対象装置がある場合に,サーバ900から,ユーザが検索指示を入力したプリンタ100に送信される命令である。報知命令Aを受信したプリンタ100は,報知命令Aに付加されているプリンタのリストに基づき,交換対象装置の情報を操作パネル40に報知する。報知命令Aに交換対象装置の消費量の情報を付加して,プリンタ100に表示させてもよい。また,報知命令Aを受信したプリンタ100は,報知した交換対象装置から,1台のプリンタを選択する入力を受け付け,前述した入力処理を実行してもよい。
さらに,CPU931は,交換対象装置に決定したプリンタに,ネットワークIF937を用いて,ネットワークを介して,交換対象である旨を報知する報知命令Bを送信して(S609),検索サーバ処理を終了する。
報知命令Bは,サーバ900から,現像カートリッジ54の交換対象装置に決定したプリンタ(上記の例では,プリンタ300)に送信される命令である。報知命令Bを受信したプリンタ300は,プリンタ100の交換対象装置に決定したことを操作パネル40に報知する。報知命令Bは,無くてもよいが,報知命令Aに基づいてユーザが現像カートリッジ54の交換を行う場合には,報知されていることで交換対象装置であることが分かり易い。なお,サーバ900は,交換対象装置が複数ある場合には,各交換対象装置にそれぞれ,報知命令Bを送信する。
一方,交換対象装置に決定したプリンタが無い,つまり,交換の対象となるプリンタが抽出されなかった場合(S606:NO),CPU931は,交換対象装置が無いことを示す対象無し通知をプリンタ100に送信して(S610),検索サーバ処理を終了する。プリンタ100は,対象無し通知を受信した場合,交換対象装置が無いことを報知するメッセージを,操作パネル40に表示する。
事前に現像カートリッジ54の寿命が十分にあるプリンタを検索し,交換可能なプリンタとして報知することで,ユーザによる現像カートリッジ54の交換を簡便化できる。報知の態様は,第1の形態と同様のものとすればよい。
以上,詳細に説明したように,本形態の画像形成システム2のプリンタ100は,ドアが開閉された場合であって,シートジャムでもなく,未使用品への交換でもない場合に,自装置の消費量に基づいて,サーバ900に交換通知Aまたは交換通知Bを送信する。交換通知を受信したサーバ900は,送信したプリンタの識別情報と,受信時刻とに基づいて,交換された可能性のある組合せを抽出し,抽出した組合せのプリンタに交換候補通知を送信する。交換候補通知を受信したプリンタは,ユーザに交換を問い合わせるメッセージを表示し,ユーザの入力を受け付ける。メッセージに対して,交換を確定する入力を受け付けた場合,プリンタは,サーバ900に交換確定通知を送信する。サーバ900は,交換確定通知を受信した場合,交換が確定したプリンタの消費量を入れ替えてプリンタ情報DB999を書き換える。このようにしても,現像カートリッジ54が交換されたことを示す入力を受け付けた場合に,それぞれの消費量を交換するので,適切な消費量が継続される可能性が高く,寿命管理の不具合の低減が期待できる。
なお,第2の形態では,現像カートリッジ54の消費量をサーバ900にて記憶するので,消費量の情報の交換は容易である。また,サーバ900を用いることで,交換対象のプリンタを早期に特定し得る。一方,第1の形態では,サーバ900を用いないので,システムを構成する要素を少なくできる。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,プリンタに限らず,複写機,複合機,FAX装置等,画像形成機能と着脱可能な消耗品カートリッジを備えるものであれば適用可能である。また,モノクロプリンタに限らず,カラー画像の形成が可能な装置にも適用可能である。また,消耗品カートリッジとしては,現像カートリッジに限らず,トナーカートリッジやインクカートリッジ,または,感光体51を含むプロセスカートリッジでもよい。
また,各実施の形態では,消費量の多寡に基づいて,交換相手の候補とするか否かを判断しているが,消費量に関わらず,互換性がある現像カートリッジ54であれば,交換相手の候補であると判断してもよい。また,消費量の情報に代えて,トナーの残量または,使用可能残量等を用いてもよい。
また,各実施の形態では,各種のタイムアウトの判断を行っているが,各タイムアウト時間は,同じ時間でもよいし,異なる時間でもよい。また,各タイムアウト時間は,固定時間としてもよいし,可変時間としてもよい。
また,各実施の形態では,ユーザの入力として,入れ替えを否定する入力を受け付けるとしたが,受け付けなくてもよいし,プリンタごとに受け付けるものと受け付けないものとが含まれていてもよい。すなわち,各プリンタは,ユーザの入力として,少なくとも交換を確定する肯定的な入力を受け付け可能であればよい。
また,実施の形態に開示されている処理は,単一のCPU,複数のCPU,ASICなどのハードウェア,またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また,実施の形態に開示されている処理は,その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体,または方法等の種々の態様で実現することができる。