JP6640438B2 - 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法に関する。
近年、環境や燃費の観点から、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)、さらには燃料電池自動車が製造・販売され、新たな開発が続けられている。これらのいわゆる電動車両においては、充電・放電ができる電源装置の活用が不可欠である。この電源装置としては、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池や、電気二重層キャパシタ等が利用される。特に、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池はそのエネルギー密度の高さや繰り返し充放電に対する耐久性の高さから、電動車両に好適と考えられ、各種の開発が鋭意進められている。
電動車両への適用を指向した非水電解質二次電池は、高出力および高容量であることが求められる。このような非水電解質二次電池の正極に使用される正極活物質として、リチウムおよびマンガン等の遷移金属を含む固溶体正極活物質が知られている。特にマンガンは、資源として比較的豊富に存在することから、原料が安価でかつ入手しやすく、環境に対する負荷も少ないため、正極活物質に好適に使用されている。
このような固溶体正極活物質は、電池を繰り返し充放電するうちに、正極活物質中の遷移金属(例えば、Ni、Mn)が電解液に溶出することが知られている。遷移金属が溶出すると、正極活物質の結晶構造が変化して、十分なリチウムイオンを吸蔵できなくなるため、電池の容量が低下する、という問題が生じ得る。
遷移金属の溶出を防止するため、特許文献1では、組成式:xLiMO・(1−x)LiM’O(ここで、0<x<1、MはV、Mn、Fe、CoまたはNi、M’はMn、Ti、Zr、Ru、ReまたはPtである)で表される正極活物質が提案されている。さらに、当該文献の実施例には、溶融塩法および共沈法を用いて上記組成の正極活物質を製造することが記載されている。
米国特許出願公開第2004/0081888号明細書
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術を以てしても、正極活物質からの遷移金属の溶出は十分に防止されておらず、所望のサイクル特性を達成できなかった。
そこで、本発明は、非水電解質二次電池において、十分なサイクル特性を発揮し得る正極活物質およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者が鋭意研究を行った結果、遷移元素としてNi、MnまたはCoを含む固溶体正極活物質において、置換元素としてSnを固溶させることにより、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、組成式(1):Li1.5[NiMnCo[Li]Sn]O(式中、0.01≦e≦0.15、a+b+c+d+e=1.5、0.1≦d≦0.4、1.1≦[a+b+c+e]≦1.4であり、zは、原子価を満足する酸素数を表す)で表される。そして、X線回折測定において、20−23°、35−40°(101)、42−45°(104)および64−65(108)/65−66(110)に、岩塩型層状構造を示す回折ピークを有することを特徴とする。
本発明の正極活物質によると、Snを置換元素とすることにより、正極活物質中の遷移金属(特に、Mn)の溶出が抑制されるため、非水電解質二次電池において十分なサイクル特性を発揮することが可能となる。
実施例1で得られた正極活物質C1のX線回折パターンを示すチャートである。 実施例3で得られた正極活物質C3のX線回折パターンを示すチャートである。 比較例1で得られた正極活物質D1のX線回折パターンを示すチャートである。 実施例1で得られた正極活物質C1の透過型電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例1で得られた正極活物質D1の透過型電子顕微鏡(SEM)写真である。 本発明の一実施形態に係る並列に積層したリチウムイオン二次電池の全体構造を模式的に表した断面概略図である。
<正極活物質>
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本明細書では、「非水電解質二次電池用正極活物質」を単に「正極活物質」と、「非水電解質二次電池用正極」を単に「正極」と、「非水電解質二次電池」を単に「二次電池」または「電池」とも称する。
本発明の一形態に係る非水電解質二次電池用正極活物質は、組成式(1):Li1.5[NiMnCo[Li]Sn]O(式中、0.01≦e≦0.15、a+b+c+d+e=1.5、0.1≦d≦0.4、1.1≦[a+b+c+e]≦1.4であり、zは、原子価を満足する酸素数を表す)で表される。そして、X線回折測定において、20−23°、35−40°(101)、42−45°(104)および64−65(108)/65−66(110)に、岩塩型層状構造を示す回折ピークを有することを特徴とする。
本形態の正極活物質は、遷移金属(Ni、Mn、Co)層中で、置換元素としてSnが固溶することにより、結晶構造が安定化されるため、充放電の際にMnをはじめとする遷移金属の溶出が抑制されると考えられる。また、一般に、固溶体正極活物質において置換元素を固溶させると、結晶構造の安定化は図れるものの、電荷移動抵抗が上昇し、導電性が低下するという問題があった。しかしながら、本形態の正極活物質においては、置換元素であるSnが導電性酸化物を形成できるため、他の置換元素を用いる場合と比較して電荷移動抵抗が抑えられ、充放電の際にNiやCoの酸化還元反応が速やかに進行すると考えられる。その結果、充放電を繰り返しても電池の容量低下が防止でき、優れたサイクル特性が実現し得るとともに、高いレートでも優れた充放電特性が実現し得る。ただし、本発明は、上記メカニズムにより何ら限定されることはない。
上記組成式(1)において、a+b+c+eは、1.1≦[a+b+c+e]≦1.4を満たす。一般に、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びコバルト(Co)は、材料の純度向上及び電子伝導性向上という観点から、容量及び出力特性に寄与することが知られている。スズ(Sn)は、結晶格子中のMnの一部を置換する置換元素である。より好ましくは、1.1≦[a+b+c+e]≦1.2であることにより、各元素の含有量の最適化を図り、容量及び出力特性をより向上させることができる。したがって、この関係を満足する正極活物質をリチウムイオン二次電池に用いた場合、高い可逆容量を維持することにより、高容量を維持しつつ、優れた初期充放電効率を発揮することが可能となる。
上記組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5、1.1≦[a+b+c+e]≦1.4の関係を満足する限りにおいて、a、b及びcの値は特に限定されない。ただし、aは、0<a<1.4であることが好ましく、0.1≦a≦0.75であることがより好ましい。aが上記範囲であると、二次電池において、容量維持率をより向上させることができる。ここで、上記正極活物質は、ニッケル(Ni)が2価であることを条件として上記dの範囲内において正極活物質中にニッケルを含有する。したがって、上記正極活物質において、組成比によっては、結晶構造が安定化しないことがあるが、a≦0.75であると、正極活物質の結晶構造が岩塩型層状構造となり易い。
組成式(1)において、bは、0<b<1.4であることが好ましく、0.2≦b≦0.9であることがより好ましい。bが上記範囲であると、二次電池において、容量維持率をより向上させることができる。ここで、上記正極活物質は、マンガンが4価であることを条件として上記dの範囲内において正極活物質中にマンガンを含有し、さらに正極活物質中にニッケル(Ni)を含有する。したがって、上記正極活物質において、組成比によっては、結晶構造が安定化しないことがあるが、b≦0.9とすることにより、正極活物質の結晶構造が岩塩型層状構造となり易い。
組成式(1)において、cは、0≦c<1.4であることが好ましく、0≦c≦0.6であることがより好ましい。cが上記範囲であると、二次電池において、高い充放電特性を得ることができる。ここで、上記正極活物質は、コバルトが3価であることを条件として上記dの範囲内において正極活物質中にニッケルおよびマンガンを含有する。さらに、ニッケル(Ni)が2価、マンガン(Mn)が4価であることを条件として上記dの範囲内において正極活物質中にコバルト(Co)を含有する。そのため、正極活物質において、組成比によっては、結晶構造が安定化しないことがあるが、c≦0.6である場合は、正極活物質の結晶構造が岩塩型層状構造となり易い。
組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5である。この式を満たすことにより、正極活物質の結晶構造を安定化させることができる。
組成式(1)において、dは、0.1≦d≦0.4である。dの値を当該範囲とすると、正極活物質が岩塩型層状構造となり易い。特に、dが0.1以上であると、組成がLiMnOに近くなり難く、充放電が容易となる。逆に、dの値を当該範囲外とすると、正極活物質の結晶構造が安定化しないことがある。dは、0.15≦d≦0.35であることがより好ましい。
組成式(1)において、eは、0.01≦e≦0.15である。eの値を当該範囲とすると、置換元素であるSnによって、Mn4+を溶出が抑制される程度に十分に置換できる。逆に、eの値を当該範囲外とすると、当該置換元素が結晶構造に均一に固溶できず結晶構造が安定化しないことがある。eは、0.02≦e≦0.12であることが好ましい。
各元素のイオン半径は、Ni2+ 0.69Å、Mn4+ 0.54Å、Co3+0.61Å、Sn4+0.69Åであり、Sn4+は、Mn4+よりも大きくなっている。そのため、正極活物質中のMn4+がSnに置換されるにつれて、結晶格子が膨張し、岩塩型層状構造を示す回折ピークは低角度側にシフトする。逆に、回折ピークがより低角度側にシフトしていれば、SnによるMn4+の置換量がより大きく、結晶構造が安定しやすいということになる。すなわち、充放電の際のMnの溶出がより抑制され、二次電池における容量低下をより効果的に防止し得る。
上記の組成式(1)で表される正極活物質は、X線回折(XRD)測定において、20−23°、35−40°(101)、42−45°(104)および64−65(108)/65−66(110)に、岩塩型層状構造を示す回折ピークを有する。この際、岩塩型層状構造の回折ピーク以外に帰属されるピークを実質的に有していないものが好ましい。より好ましくは、35−40°(101)に3つの回折ピークを有し、42−45°(104)に1つの回折ピークを有するものが好適である。しかしながら、岩塩型層状構造の回折ピークに帰属されるものであれば、必ずしもそれぞれが3つおよび1つのピークに数えられなくてもよい。X線回折測定は、後述する実施例で記載する測定方法を採用するものとする。なお、64−65(108)/65−66(110)の表記は、64−65と65−66に近接する2つのピークがあり、組成によっては明確に分離されずにブロードに一つのピークとなる場合も含むことを意味する。
組成式(1)で表される正極活物質は、X線回折(XRD)測定において、特定の複数の回折ピークを有している。上記組成式の正極活物質は、LiMnOとLiMnOの固溶体系であり、上記で特定した複数の回折ピークのうち、20−23°の回折ピークは、LiMnOに特徴的な超格子回折ピークである。また、36.5−37.5°(101)、44−45°(104)および64−65(108)/65−66(110)の回折ピークは、LiMnOの岩塩型層状構造に特徴的なものである。
本形態の正極活物質では、岩塩型層状構造を示す回折ピークの一部として、35−40°(101)に3つ、42−45°(104)に1つの回折ピークを有することが好ましい。また、本形態の正極活物質には、これらの角度範囲に、岩塩型層状構造を示す回折ピーク以外のピーク、例えば不純物等に由来する他のピークが存在するものは含まれないことが好ましい。このような他のピークが存在する場合には、岩塩型層状構造以外の構造が正極活物質に含まれることを意味している。岩塩型層状構造以外の構造は含まれない方が、二次電池において、サイクル特性向上の効果を確実に得られる。
本形態の正極活物質は、Snが、遷移金属層中で、Mn4+を置換することにより固溶し、岩塩型層状構造を形成していると考えられる。Snが固溶することにより、結晶構造が安定化されるため、充放電の際にMnをはじめとする遷移金属の溶出が抑制されると考えられる。さらに、Snは導電性酸化物を形成できるため、Snが固溶することにより、活物質表層部および/あるいはバルク内の電荷移動抵抗が減少し、充放電の際にNiやCoの酸化還元反応が速やかに進行すると考えられる。その結果、充放電を繰り返しても電池の容量低下が防止でき、優れたサイクル特性が実現し得るとともに、高いレートでも優れた充放電特性が実現し得る。加えて、電池性能そのものの向上および耐久性の向上も図ることができる。Mnの溶出により岩塩型層状構造が変化すると、通常はスピネル相が形成され、正極活物質のX線回折(XRD)測定における回折ピークは、スピネル相を表すものとなる。スピネル相は、35−36°(101)および42.5−43.5°(104)に回折ピークが現れる。本形態の正極活物質では、充放電の繰り返しの後にもスピネル相は形成されず、岩塩型層状構造が維持されていると考えられる。しかしながら、本発明は、以上の考察に限定されない。
さらに、本形態における岩塩型層状構造を示す回折ピークは、低角度側にシフトしていることが好ましい。すなわち、本形態の正極活物質は、X線回折(XRD)測定において、20−23°、35.5−36.5°(101)、43.5−44.5°(104)および64−65(108)/65−66(110)に回折ピークを有することが好ましい。回折ピークの低角度側へのシフトは、Snが正極活物質中により多く固溶し、Mnを置換していることを示し、Mn溶出抑制の効果がより大きいと考えられる。
さらに、正極活物質の遷移金属層中に、SnがMn4+を置換して固溶することにより、置換元素と酸素との共有結合が強くなり、遷移金属の酸化に伴う結晶格子中の酸素の離脱も低減し得る。このことにより、酸素ガスの発生を抑制し、結晶構造内の酸素欠陥が減少し得る。
本形態の正極活物質のBET比表面積は、2〜10m/gであることが好ましく、3〜9m/gであることがより好ましい。BET比表面積が2m/g以上であると、電池において、十分な出力(レート特性)が得られうる。一方、BET比表面積が10m/g以下であると、NiやMnの溶出がより抑制されうる。なお、本明細書において、BET比表面積の値は、実施例に記載の方法で測定された値を採用するものとする。
本形態の正極活物質の平均粒子径(平均2次粒子径)は、10〜20μmであることが好ましく、12〜18μmであることがより好ましい。平均粒子径が10μm以上であると、Mnの溶出がより抑制されうる。一方、平均粒子径が20μm以下であると、正極の製造時における集電体への塗布工程において、箔切れや詰まり等が抑制されうる。なお、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法の粒度分布測定装置により計測されたものを採用する。具体的には、堀場製作所製の粒度分布分析装置(型式LA−920)を用いて測定することができる。
<正極活物質の製造方法>
本発明の一実施形態は、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法に関する。当該製造方法は、下記特定の原料を水系溶媒に溶解させた原料混合溶液を、噴霧乾燥させて、乾燥物を得る第1工程;第1工程で得られた乾燥物中に含まれる塩の少なくとも一部を、熱分解させて、前駆体を得る第2工程;および、第2工程で得られた前駆体を、400〜1000℃で焼成する第3工程を含む。そして、上記第1工程において、原料として、Snのクエン酸塩、Ni、MnおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の硝酸塩および/または分解温度が100℃〜350℃である、Ni、MnおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の有機酸塩、ならびに、硝酸リチウムおよび/または分解温度(分解点とも称される)が100℃〜350℃であるリチウムの有機酸塩を用いることを特徴とする。
本発明者らの検討によると、従来の溶融塩法や共沈法では、Snを置換元素とした場合に安定な結晶構造が得られないという問題が生じていた。溶融塩法では、高温での焼結・反応が必要であり、しばしば組成変動(局所的に一部の成分が遍在することによるモザイク様の組成のゆらぎ)が生じ、物性値が変動するなど、再現性に影響を与えることがあった。また、共沈法でも、沈殿の生成時や、乾燥時に、個々の成分が別々に凝集してしまうことがあった。このように、従来の溶融塩法や共沈法では、均一な組成とすることが難しいため、Snが固溶化されても、安定な結晶構造を構築できないと考えられた。
一方、本形態の製造方法は、有機酸塩(錯体)等の原料混合溶液を噴霧乾燥させて、原乾燥物(粉末)を得た後に、熱分解および焼成を行う点に特徴を有する。原料として有機酸塩(例えば、クエン酸スズ等)を使用することにより、乾燥時に個々の成分が別々に凝集するのを防ぐことができ、各元素が原子レベルで均一に混合された乾燥物を得ることができる。これを熱分解および焼成することにより、非常に均一な組成を有する固溶体を比較的低温で製造することが可能となる。その結果、Snを置換元素とした場合でも、安定な結晶構造を有する固溶体を得ることができるのである。さらに本形態の製造方法によれば、原料溶液を噴霧乾燥させるため、溶融塩法や共沈法と比較して、得られる正極活物質の比表面積を大きくすることができる。ただし、本発明は、上記メカニズムにより何ら限定されることはない。以下、本形態の製造方法の各工程について詳細に説明する。
[第1工程(噴霧乾燥工程)]
第1工程では、特定の原料を水系溶媒に溶解させた原料混合溶液を、噴霧乾燥(スプレードライ)させて、乾燥物を得る。そして原料として、以下の(1)〜(3)の塩を必須に用いることを特徴とする。(1)Snのクエン酸塩;(2)Ni、MnおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の硝酸塩および/または分解温度が100℃〜350℃である、Ni、MnおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の有機酸塩;ならびに、(3)硝酸リチウムおよび/または分解温度が100℃〜350℃であるリチウムの有機酸塩。
(1)Snのクエン酸塩
本形態の製造方法では、正極活物質中に含まれる置換元素の原料として、Snのクエン酸塩(クエン酸錯体あるいはクエン酸錯塩とも称される)を用いることを特徴とする。Snのクエン酸塩は、分解温度が約130℃であるため、後述の第2工程で容易に熱分解されうる。
Snのクエン酸塩は、例えば、下記方法で調製することができる。ただし、Snのクエン酸塩の入手方法は特に制限されず、購入したものであってもよいし、下記以外の方法により調製したものであっても勿論構わない。
Sn源としては、特に制限されないが、例えば、シュウ酸スズ(II)(シュウ酸第1スズ)、酢酸スズ等のスズの有機酸塩や、スズテトラn−ブトキシド、スズテトラtert−ブトキシド等のスズアルコキシドを使用することができる。
例えば、Sn源として、シュウ酸スズ(II)を使用して以下の方法を用いることによりSnのクエン酸塩を容易に調整することができる。まず、クエン酸1水和物を純水に加温溶解し、この溶解液に、シュウ酸スズ(II)加える。この際、Snとクエン酸とのモル比は、Sn/クエン酸=1/1〜1/3であることが好ましい。
次いで、得られた溶液に、塩基性水溶液(たとえば、1〜10体積%程度のアンモニア水)をゆっくり加え、pHを4〜8に調整することにより、Snのクエン酸塩水溶液(クエン酸錯体溶液)が得られる。
(2)Ni、MnおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の硝酸塩および/または分解温度が100℃〜350℃である、Ni、MnおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の有機酸塩
また、本形態の製造方法では、正極活物質中に含まれる遷移金属(Ni、MnまたはCo)の原料として、これらの元素の硝酸塩および/または分解温度が100℃〜350℃である有機酸塩を用いることを特徴とする。
硝酸塩としては、特に制限されないが、例えば、硝酸ニッケル・6水和物、硝酸マンガン・6水和物、硝酸コバルト・6水和物等の硝酸塩の水和物を用いることが好ましい。これらの硝酸塩は、分解温度が比較的低いため(例えば、硝酸ニッケル・6水和物:137℃、硝酸マンガン・6水和物:129℃、硝酸コバルト・6水和物:100〜105℃)、後述の第2工程(熱分解工程)で容易に熱分解されうる。
分解温度が100℃〜350℃である有機酸塩としては、特に制限されないが、例えば、クエン酸ニッケル、クエン酸マンガン、クエン酸コバルト等のクエン酸塩;酢酸ニッケル・4水和物、酢酸マンガン・4水和物、酢酸コバルト・4水和物等の酢酸塩等の水和物;を用いることが好ましい。なかでも、後述の第2工程で容易に熱分解させることができるという観点から、分解温度が100℃〜300℃である有機酸塩を用いると好ましく、分解温度が100℃〜280℃である有機酸塩を用いるとより好ましい。特に、上記酢酸塩は、分解温度が比較的低いため(例えば、酢酸ニッケル・4水和物:250℃、酢酸マンガン・4水和物:210℃、酢酸コバルト・4水和物:140℃)、後述の第2工程で容易に熱分解されうる。
(3)硝酸リチウムおよび/または分解温度が100℃〜350℃であるリチウムの有機酸塩
また、本形態の製造方法では、正極活物質中に含まれるリチウムの原料として、硝酸リチウム(LiNO)および/または分解温度が100℃〜350℃であるリチウムの有機酸塩が用いることを特徴とする。
分解温度が100℃〜350℃であるリチウムの有機酸塩としては、特に制限されないが、例えば、酢酸リチウム、クエン酸リチウム(CLi、CLi・4HO)、およびシュウ酸リチウム等が挙げられる。
上記リチウムの原料は、正極活物質の組成を均一にし、より安定な結晶構造を得る観点から、分解温度が100℃〜350℃であるリチウムの有機酸塩を少なくとも1種含むことが好ましい。さらに上記リチウムの原料は、分解温度が100℃〜300℃であるリチウムの有機酸塩を少なくとも1種含むことがより好ましく、酢酸リチウムおよび/またはクエン酸リチウムを含むことが特に好ましい。
本形態の製造方法では、原料として硫酸塩やハロゲン化物を用いず、上記(1)〜(3)の特定の硝酸塩や有機酸塩を用いることにより、生産性を向上させることができる。すなわち、原料として硫酸塩やハロゲン化物を用いると、硫酸やハロゲンを除去する工程が必須となるが、本形態のように、硝酸塩や有機酸塩を用いると、かような除去工程を行う必要がない。後述するように、硝酸塩や有機酸塩は、加熱(熱分解)することで、硝酸や有機酸を十分に除去することができるため、硝酸や有機酸の特別な除去工程は不要である。また、硝酸塩や有機酸塩を用いることにより、硫酸やハロゲンのように、電池特性を低下させる不純物の混入もまた抑制することができる。
第1工程において、上記原料を水系溶媒に溶解させた原料混合溶液の調製方法は、特に制限されない。なお、本明細書において、「水系溶媒」とは、水または水を主成分とした溶媒をいう。より具体的には、水、または水と水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン等との混合溶媒を挙げることができ、好ましくは水である。
上記原料の配合割合は、所望の正極活物質の組成により、当業者が適宜設定することができる。また、上記原料の混合順も特に制限されない。一例を挙げると、後述の実施例のように、純水に、Snのクエン酸錯体水溶液に、遷移金属(Ni、MnまたはCo)の硝酸塩および/または分解温度が100℃〜350℃である有機酸塩、硝酸リチウムおよび/または分解温度が100℃〜350℃であるリチウムの有機酸塩を順次溶解させる方法が挙げられる。
本形態の製造方法では、上記原料の他に、別途無水クエン酸を添加して原料混合溶液を調製してもよい。無水クエン酸を添加することにより、原料混合溶液中における上記Snのクエン酸錯体の安定化を図ることができ、当該クエン酸錯体を均一な状態で分散させることに寄与しうる。
また、本形態の製造方法では、必要に応じて、アンモニア水等の塩基性水溶液を用いて原料混合溶液のpH調整することが好ましい。具体的には、原料混合溶液のpHを8以下とすることが好ましく、pH4〜8とすることがより好ましく、pHを5〜7とすることがさらに好ましい。原料混合溶液のpHを上記範囲とすることにより、噴霧乾燥後に得られる乾燥物の粉体密度や嵩高さを好適な値とすることができる。さらに、原料混合溶液のpHを調整することにより、原料混合溶液中に沈殿を生じにくくすることができる。
第1工程では、上記原料混合溶液を噴霧乾燥させて、乾燥物を得る。具体的には、噴霧乾燥装置を用いて、原料混合溶液を噴霧し、熱風乾燥させる。これにより、原料混合溶液中の溶媒が除去され、金属元素がほぼ均一に混合された粉末状の乾燥物が得られる。
本工程において、原料混合溶液の噴霧に用いる噴霧ガスや、熱風乾燥の際の雰囲気として、不活性ガス(N等)や低酸素濃度ガス(酸素濃度5体積%以下)を用いることが好ましい。原料中の有機酸塩(クエン酸塩、酢酸塩等)が熱分解して有機物(クエン酸、酢酸)が発生し、発火するのを防ぐためである。
本工程において、乾燥の際の熱風温度は特に制限されないが、200〜350℃であることが好ましく、200〜300℃であることがより好ましい。熱風温度を当該範囲とすると、被乾燥物の実温度は、概ね150〜300℃となり、短時間での溶媒除去が可能となる。特に、原料混合溶液の溶媒が水である場合、被乾燥物の温度を上記範囲とすることで、十分に水を除去することができる。その結果、原料混合溶液に含まれる有機酸塩の吸湿を防止し、以下に続く第2工程を効率よく行うことが可能となる。また、有機酸塩の吸湿を防止することにより、噴霧乾燥後の乾燥物(粉末)の凝集を抑制することができる。なお、上記温度範囲においては、原料中の硝酸塩、有機酸塩(クエン酸、酢酸等)の一部が熱分解し得る。
[第2工程(熱分解工程)]
第2工程では、上記第1工程で得られた乾燥物中に含まれる塩の少なくとも一部を、熱分解させ、正極活物質の前駆体を得る。熱分解させる際の温度(熱処理温度)は、原料となる塩の熱分解温度により異なるが、150〜400℃であることが好ましく、200〜400℃であることがより好ましく、200〜350℃であることがより好ましい。また、熱処理時間も、原料となる塩の種類により異なるが、1〜48時間が好ましく、4〜12時間であることがより好ましい。なお、本工程では、乾燥物中に含まれる塩の全てを熱分解させる必要はなく、原料として、硝酸リチウム(分解温度:約600℃)を用いる場合は、本工程においても熱分解されずに残りうる。一方、Snのクエン酸塩、遷移元素(Ni、MnまたはCo)の硝酸塩および/または分解温度が100℃〜350℃である有機酸塩、分解温度が100℃〜350℃であるリチウムの有機酸塩は本工程により熱分解され、不要な、硝酸(NO)や、有機物(クエン酸、酢酸等)が除かれる。
本工程では、上述の第1工程(噴霧乾燥工程)と同様に、不活性ガス(N等)や低酸素濃度ガス(酸素濃度5体積%以下)雰囲気下で熱分解を行うことが好ましい。熱分解により、有機酸塩(クエン酸塩、酢酸塩等)から有機物(クエン酸、酢酸)が発生し、発火するのを防ぐためである。
また、本工程では、熱分解時に第1工程で得られた乾燥物(粉末)を流動させながら、熱処理することが好ましい。具体的には、流動焼成炉(ロータリーキルン)等の流動装置を用いて、乾燥物(粉末)を流動させながら熱処理する。このように熱処理することで、粒子(1次粒子、2次粒子)の成長が抑えられるため、得られる正極活物質のBET比表面積を大きくすることができる。
[第3工程(焼成工程)]
第3工程では、上記第2工程で得られた前駆体を焼成することによって、結晶構造が構築・安定化され、正極活物質が得られる。本工程における焼成は、特に制限されないが、焼成温度(熱処理温度)400〜1200℃で、焼成時間1〜48時間の範囲内で行うことが好ましい。また、焼成温度を低い温度から高い温度へと、段階的に、あるいは、連続的に上げながら焼成を行うことが好ましい。例えば、400〜600℃で1〜24時間仮焼成した後に、700〜1000℃で1〜24時間本焼成することが好ましい。このような焼成工程を経ることで、安定な結晶構造を有する正極活物質を得ることができる。
<非水電解質二次電池>
上述の正極活物質は、非水電解質二次電池に適用することにより、電池のサイクル特性を向上させることができる。したがって、本発明の他の一形態によると、集電体の表面に、上述の正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる、非水電解質二次電池用正極が提供される。さらに、本発明の他の一形態によると、当該正極と、電解質層と、集電体の表面に、負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極とを含む発電要素を有する、非水電解質二次電池が提供される。
以下、図面を参照しながら、本形態の正極活物質が適用されうる非水電解質二次電池について、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図6は、本発明の一実施形態に係る並列に積層したリチウムイオン二次電池(以下、単に「並列積層型電池」とも称する)の全体構造を模式的に表した断面概略図である。図6に示すように、本形態の並列積層型電池10aは、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素17が、電池外装材であるラミネートフィルム22の内部に封止された構造を有する。詳しくは、高分子−金属複合ラミネートフィルムを電池外装材として用いて、その周辺部の全部を熱融着にて接合することにより、発電要素17を収納し密封した構成を有している。
発電要素17は、負極集電体11の両面(発電要素の最下層用および最上層用は片面のみ)に負極活物質層12が配置された負極と、電解質層13と、正極集電体14の両面に正極活物質層15が配置された正極とを積層した構成を有している。具体的には、1つの負極活物質層12とこれに隣接する正極活物質層15とが、電解質層13を介して対向するようにして、負極、電解質層13、正極がこの順に積層されている。正極活物質層には、上述の特定の組成および構造の正極活物質を使用する。
これにより、隣接する負極、電解質層13、および正極は、1つの単電池層16を構成する。したがって、本形態の並列積層型電池10は、単電池層16が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するといえる。また、単電池層16の外周には、隣接する負極集電体11と正極集電体14との間を絶縁するためのシール部(絶縁層)(図示せず)が設けられていてもよい。発電要素17の両最外層に位置する最外層負極集電体11aには、いずれも片面のみに負極活物質層12が配置されている。なお、図6とは負極および正極の配置を逆にすることで、発電要素17の両最外層に最外層正極集電体が位置するようにし、該最外層正極集電体の片面のみに正極活物質層が配置されているようにしてもよい。
負極集電体11および正極集電体14には、各電極(負極および正極)と導通される負極集電板18および正極集電板19がそれぞれ取り付けられ、ラミネートフィルム22の端部に挟まれるようにラミネートフィルム22の外部に導出される構造を有している。負極集電板18および正極集電板19は、必要に応じて負極端子リード20および正極端子リード21を介して、各電極の負極集電体11および正極集電体14に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられていてもよい(図6にはこの形態を示す)。ただし、負極集電体11が延長されて負極集電板18とされ、ラミネートフィルム22から導出されていてもよい。同様に、正極集電体14が延長されて正極集電板19とされ、同様に電池外装材22から導出される構造としてもよい。
なお、ここでは、並列積層型電池を例に挙げて説明したが、本形態の正極活物質を適用可能な非水電解質二次電池の種類は特に制限されず、発電要素において単電池層が直列接続されてなる形式のいわゆる双極型電池などの従来公知の任意の非水電解質二次電池にも適用可能である。以下、並列積層型電池の主な構成要素について詳細に説明する。
[正極]
本発明の一形態に係る正極は、上記正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる。正極は、負極とともにリチウムイオンの授受により電気エネルギーを生み出す機能を有する。正極は、集電体および正極活物質層を必須に含み、集電体の表面に正極活物質層が形成されてなる。
(集電体)
集電体は導電性材料から構成され、その一方の面または両面に正極活物質層が配置される。集電体を構成する材料に特に制限はなく、例えば、金属や、導電性高分子材料または非導電性高分子材料に導電性フィラーが添加された導電性を有する樹脂が採用されうる。
金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼(SUS)、チタン、銅などが挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。これらのうち、導電性や電池作動電位の観点からは、アルミニウム、ステンレス鋼、または銅を用いることが好ましい。
また、導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、およびポリオキサジアゾールなどが挙げられる。かような導電性高分子材料は、導電性フィラーを添加しなくても十分な導電性を有するため、製造工程の容易化または集電体の軽量化の点において有利である。
非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE))、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、およびポリスチレン(PS)などが挙げられる。かような非導電性高分子材料は、優れた耐電位性または耐溶媒性を有しうる。
上記の導電性高分子材料または非導電性高分子材料には、必要に応じて導電性フィラーが添加されうる。特に、集電体の基材となる樹脂が非導電性高分子のみからなる場合は、樹脂に導電性を付与するために必然的に導電性フィラーが必須となる。導電性フィラーは、導電性を有する物質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、導電性、耐電位性、またはリチウムイオン遮断性に優れた材料として、金属および導電性カーボンなどが挙げられる。金属としては、特に制限されないが、Ni、Ti、Al、Cu、Pt、Fe、Cr、Sn、Zn、In、Sb、およびKからなる群から選択される少なくとも1種の金属もしくはこれらの金属を含む合金または金属酸化物を含むことが好ましい。また、導電性カーボンとしては、特に制限されないが、アセチレンブラック、バルカン(登録商標)、ブラックパール(登録商標)、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレンからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。導電性フィラーの添加量は、集電体に十分な導電性を付与できる量であれば特に制限はなく、一般的には、5〜35質量%程度である。
集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。例えば、高エネルギー密度が要求される大型の電池に用いられるのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。集電体の厚さについても特に制限はないが、通常は1〜100μm程度である。
(正極活物質層)
正極活物質層は上述の正極活物質を必須に含み、これ以外に、他の正極活物質や、導電助剤、バインダ等の添加剤をさらに含んでもよい。
導電助剤とは、活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。正極活物質層が導電性材料を含むことにより、正極活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性が向上しうる。
導電助剤としては、特に制限されないが、アセチレンブラック、カーボンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、グラファイト等のカーボン粉末や、気相成長炭素繊維(VGCF;登録商標)等の種々の炭素繊維、膨張黒鉛などが挙げられる。
正極活物質層の全量に対する導電助剤の含有量は、通常、0〜30質量%であり、好ましくは1〜10質量%であり、さらに好ましくは3〜7質量%である。
バインダは、活物質層中の構成部材同士または活物質層と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で添加される。
バインダとしては、特に制限されないが、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)などの合成ゴム系バインダ等が挙げられる。
正極活物質層の全量に対するバインダの含有量は、通常、0〜50質量%であり、好ましくは5〜45質量%であり、さらに好ましくは10〜25質量%であり、特に好ましくは15〜20質量%である。
[負極]
負極は、正極とともにリチウムイオンの授受により電気エネルギーを生み出す機能を有する。負極は、集電体および負極活物質層を必須に含み、集電体の表面に負極活物質層が形成されてなる。
(集電体)
負極に用いられうる集電体は、正極に用いられうる集電体と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(負極活物質層)
負極活物質層は負極活物質を含む。前記負極活物質層は、導電助剤、バインダ等の添加剤をさらに含んでもよい。
負極活物質は、放電時にリチウムイオンを放出し、充電時にリチウムイオンを吸蔵できる組成を有する。負極活物質は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるものであれば特に制限されないが、負極活物質の例としては、SiやSnなどの金属、あるいはTiO、Ti、TiO、もしくはSiO、SiO、SnOなどの金属酸化物、Li4/3Ti5/3もしくはLiMnNなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、Li−Pb系合金、Li−Al系合金、Li、または炭素粉末、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、もしくはハードカーボンなどの炭素材料などが好ましく挙げられる。このうち、リチウムと合金化する元素を用いることにより、従来の炭素系材料に比べて高いエネルギー密度を有する高容量および優れた出力特性の電池を得ることが可能となる。上記負極活物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。上記のリチウムと合金化する元素としては、以下に制限されることはないが、具体的には、Si、Ge、Sn、Pb、Al、In、Zn、H、Ca、Sr、Ba、Ru、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、Cd、Hg、Ga、Tl、C、N、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Cl等が挙げられる。
上記負極活物質のうち、炭素材料、ならびに/またはSi、Ge、Sn、Pb、Al、In、およびZnからなる群より選択される少なくとも1種以上の元素を含むことが好ましく、炭素材料、Si、またはSnの元素を含むことがより好ましく、炭素材料を用いることが特に好ましい。
前記炭素材料としては、リチウム対比放電電位が低い炭素質粒子が好ましく、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、天然黒鉛と人造黒鉛とのブレンド、天然黒鉛に非晶質をコートした材料、ソフトカーボン、ハードカーボン等を使用し得る。炭素質粒子の形状は、特に制限されず、塊状、球状、繊維状等のいずれの形状であってもよいが、鱗片状ではないことが好ましく、球状、塊状であることが好ましい。鱗片状でないものは、性能および耐久性の観点から好ましい。
また、炭素質粒子は、その表面を非晶質炭素で被覆したものが好ましい。その際、非晶質炭素は、炭素質粒子の全表面を被覆していることがより好ましいが、一部の表面のみの被覆であってもよい。炭素質粒子の表面が非晶質炭素で被覆されていることにより、電池の充放電時に、黒鉛と電解液とが反応することを防止できる。黒鉛粒子の表面に非晶質炭素を被覆する方法としては、特に制限はない。例えば、非晶質炭素を溶媒に溶解、または分散させた混合溶液に核となる炭素質粒子(粉末)を分散・混合した後、溶媒を除去する湿式方式が挙げられる。他にも、炭素質粒子と非晶質炭素を固体同士で混合し、その混合物に力学エネルギーを加え非晶質炭素を被覆する乾式方式、CVD法などの気相法等が挙げられる。炭素質粒子が非晶質炭素で被覆されていることは、レーザー分光法などの方法により確認することができる。
負極活物質のBET比表面積は、0.8〜1.5m/gであることが好ましい。比表面積が前記範囲にあれば、非水電解質二次電池のサイクル特性が向上しうる。また、負極活物質のタップ密度は、0.9〜1.2g/cmであることが好ましい。タップ密度が上記範囲であると、エネルギー密度の観点から好ましい。
負極活物質の平均粒子径は、特に制限されないが、負極活物質の高容量化、反応性、サイクル耐久性の観点からは、1〜100μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。
なお、負極に用いられうる導電助剤、バインダは、正極に用いられうるものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
[電解質層]
電解質層は、正極と負極との間の空間的な隔壁(スペーサ)として機能する。また、これと併せて、充放電時における正負極間でのリチウムイオンの移動媒体である電解質を保持する機能をも有する。電解質層を構成する電解質に特に制限はなく、液体電解質、ならびに高分子ゲル電解質および高分子固体電解質などのポリマー電解質が適宜用いられうる。本形態では、液体電解質が好ましい。
液体電解質は、有機溶媒にリチウム塩が溶解した形態を有する。有機溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、含フッ素環状カーボネート(フルオロエチレンカーボネート(FEC)等)、含フッ素鎖状カーボネート、含フッ素鎖状エーテルおよび含フッ素鎖状エステルの少なくとも一種が挙げられる。
また、リチウム塩としては、少なくともLiPFを使用することが好ましい。これ以外に、LiN(SO、LiN(SOCF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSOCFなどを用いることができる。リチウム塩濃度としては、0.1〜5mol/Lが好ましく、0.1〜2mol/Lがより好ましい。
さらに、液体電解質の場合は、添加剤として、有機スルホン系化合物、有機ジスルホン系化合物、ビニレンカーボネート誘導体、エチレンカーボネート誘導体、エステル誘導体、2価フェノール誘導体、テルフェニル誘導体、ホスフェート誘導体およびフルオロリン酸リチウム誘導体の少なくとも一種を含むことが好ましい。このうち、モノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウムなどのフルオロリン酸リチウム誘導体がより好ましい。これらの添加剤の使用は、性能および寿命特性の観点から好ましい。添加剤は、電解液中に0.1〜5質量%で含まれることが好ましく、より好ましくは、0.5〜3.5質量%である。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない高分子固体電解質に分類される。
ゲル電解質は、リチウムイオン伝導性を有するマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。リチウムイオン伝導性を有するマトリックスポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体などが挙げられる。かようなマトリックスポリマーには、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
なお、電解質層が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィンやポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)等の炭化水素、ガラス繊維などからなる微多孔膜が挙げられる。
高分子固体電解質は、上記のマトリックスポリマーにリチウム塩が溶解してなる構成を有し、有機溶媒を含まない。したがって、電解質層が高分子固体電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
高分子ゲル電解質や高分子固体電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発揮しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合などの重合処理を施せばよい。なお、上記電解質は、電極の活物質層中に含まれていてもよい。
[集電板(タブ)]
リチウムイオン二次電池においては、電池外部に電流を取り出す目的で、集電体に電気的に接続された集電板(タブ)が外装材であるラミネートフィルムの外部に取り出されている。
集電板を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板(正極タブ)と負極集電板(負極タブ)とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
[正極端子リードおよび負極端子リード]
負極および正極端子リードの材料は、公知の積層型二次電池で用いられるリードを用いることができる。なお、電池外装材から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆するのが好ましい。
[外装材;ラミネートフィルム]
外装材としては、従来公知の金属缶ケースを用いることができる。そのほか、図6に示すようなラミネートフィルム22を外装材として用いて、発電要素17をパックしてもよい。ラミネートフィルムは、例えば、ポリプロピレン、アルミニウム、ナイロンがこの順に積層されてなる3層構造として構成されうる。このようなラミネートフィルムを用いることにより、外装材の開封、容量回復材の添加、外装材の再封止を容易に行うことができる。
以上で説明したリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池は、本形態の正極活物質を使用するため、優れたサイクル特性を発揮し得る。また、当該電池は、放電容量および/または放電特性(特に高レート時)の点でも優れる。よって、本形態の正極活物質を適用した非水電解質二次電池は、電動車両の電源装置として好適である。
以下、実施例を通して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
[実施例1]
<正極活物質C1(Li1.5[Ni0.375Mn0.825[Li]0.25Sn0.05]O)の調製>
(スズクエン酸錯体水溶液の調製)
クエン酸1水和物(分子量210.14g/mol)21g(0.1mol)を純水1000mlに加え、溶解した。次いで、シュウ酸スズ(II)(分子量206.73g/mol、純度98%)10.5g(0.05mol)を加え、約10分間攪拌した。これに、5.6体積%アンモニア水(約100ml)をゆっくり加えて、pH=6に調整し可溶化させた。この溶液を濾紙で濾過し、不溶物を除去することにより、スズクエン酸錯体水溶液を得た。なお、当該スズクエン酸錯体水溶液に含まれるSnの濃度は、Snとして0.05mol/Lであった。
(原料混合溶液の調製)
純水2500mlに、上記スズクエン酸錯体水溶液(Snとして0.05mol/L)全量、酢酸マンガン・4水和物(分子量245.09g/mol)172.0g、酢酸ニッケル・4水和物(分子量248.84g/mol)62.0g、酢酸リチウム・2水和物(分子量102.02g/mol)153.0gを順に溶解させた。さらに、無水クエン酸183gを加えた。これに、5.6体積%アンモニア水をゆっくり加えて、pH=6に調整し、原料混合溶液を得た。
(第1工程(乾燥工程))
上記原料混合溶液を、不活性ガス(N)を用いたスプレー装置で、熱風温度250℃〜350℃で噴霧乾燥して水分を除去し、原料の混合物である乾燥物(粉末)を得た。
(第2工程(熱分解工程))
上記乾燥物(粉末)を、5体積%−O/Nバランスガス流通下、流動焼成炉を用い、300℃〜400℃で4時間有機酸塩の熱分解を行い、前駆体を得た。
(第3工程(焼成工程))
上記前駆体を、大気雰囲気下、900℃で12時間焼成を行い、正極活物質C1を得た。
上記正極活物質C1の試料を酸に溶解し、溶液中に含まれる各元素を誘導結合プラズマ発光分光分析法により定量した。なお、測定には、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製;誘導結合プラズマ発光分光分析装置SPS−3520型を使用した。その結果、正極活物質C1の組成は、以下の通りであった。
組成式:Li1.5[Ni0.375Mn0.825[Li]0.25Sn0.05]O
(組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5,d=0.25,a+b+c+e=1.25,e=0.05)。
<正極C11の作製>
(正極用スラリーの調製)
下記組成の正極用スラリーを調製した。
まず、PVDF6.8重量部をNMP30重量部に溶解してバインダ溶液を作製した。次に、導電助剤6.8重量部と正極活物質C1(粉末)100重量部の混合粉に、上記バインダ溶液36.8重量部を加え、プラネリーミキサー(浅田鉄工製、PVM100)にて混練し、その後、混練物にNMP40重量部を加えて、正極用スラリー(固形分濃度62重量%)を得た。
(正極用スラリーの塗布・乾燥)
20μm厚のアルミニウム箔集電体を走行速度1m/分で走行させながら、集電体の一方の面に、上記正極用スラリーを、ダイコーターを用いて塗布した。続いて、この正極用スラリーを塗布した集電体を、熱風乾燥炉にて乾燥(100℃〜110℃、3分間)させ、正極活物質層に残留するNMP量を0.02重量%以下とした。さらに集電体の他方の面にも上記と同様に正極用スラリーを塗布し、乾燥させ、集電体の両面に正極活物質層を有するシート状正極を作製した。
(正極のプレス)
上記シート状正極を、ローラープレスをかけて圧縮成形し、切断して、片面の正極活物質層の重量約11.0mg/cm、密度2.70g/cmとした。
(正極の乾燥)
次に、プレス後の正極を、真空乾燥炉にて乾燥処理した。乾燥炉内部に正極を設置した後、室温(25℃、以下同様)にて減圧(100mmHg(1.33×10Pa))し乾燥炉内の空気を除去した。続いて、窒素ガスを流通(100cm/分)しながら、10℃/分で120℃まで昇温し、120℃で再度減圧して炉内の窒素を排気したまま12時間保持した後、室温まで降温した。こうして正極C11を完成させた。
<負極A1の作製>
(負極用スラリーの調製)
下記組成の正極用スラリーを調製した。
まず、PVDF5.0重量部をNMP50重量部に溶解してバインダ溶液を作製した。次に、導電助剤1.0重量部と天然グラファイト粉100重量部の混合粉に、上記バインダ溶液55.0重量部を加え、プラネタリーミキサー(浅田鉄工製、PVM100)にて混練し、その後、混練物にNMP47重量部を加えて、負極用スラリー(固形分濃度52重量%)を得た。なお、負極活物質(天然グラファイト)の形状は走査型電子顕微鏡(SEM)により鱗片状でないことを確認した。天然グラファイトの比表面積は1.05m/g(測定装置:日本ベル製BELSORP−miniII)、タップ密度は1.1g/cm(測定装置:日本ルフト製タップ密度測定装置)であった。
(負極用スラリーの塗布・乾燥)
10μm厚の電解銅箔集電体を走行速度1.5m/分で走行させながら、集電体の一方の面に、上記負極用スラリーを、ダイコーターを用いて塗布した。続いて、この負極用スラリーを塗布した集電体を、熱風乾燥炉にて乾燥(100℃〜110℃、2分間)させ、負極活物質層に残留するNMP量を0.02重量%以下とした。さらに集電体の他方の面にも上記と同様に負極用スラリーを塗布し、乾燥させ、集電体の両面に負極活物質層を有するシート状負極を作製した。
(負極のプレス)
上記シート状負極を、ローラープレスをかけて圧縮成形し、切断して、片面の負極活物質層の重量約9.50mg/cm、密度1.45g/cmとした。なお、プレス後の負極活物質層の表面を観察したところ、クラックの発生は見られなかった。
(負極の乾燥)
次に、プレス後の負極を、真空乾燥炉にて乾燥処理した。乾燥炉内部に負極を設置した後、室温にて減圧(100mmHg(1.33×10Pa))し乾燥炉内の空気を除去した。続いて、窒素ガスを流通(100cm/分)しながら、10℃/分で135℃まで昇温し、135℃で再度減圧して炉内の窒素を排気したまま12時間保持した後、室温まで降温した。こうして負極A11を完成させた。
<電池の作製>
上記正極C11(正極活物質層面積 縦3.6cm×横5.3cm)と、負極A11(負極活物質層面積 縦3.8cm×横5.5cm)の集電体部分にタブを溶接した。これらタブを溶接した負極A11と正極C11との間に多孔質ポリプロピレン製セパレータ(S)(縦4.5cm×横6.0cm、厚さ25μm、空孔率55%)を挟んで5層からなる積層体(A11−S−C11−S−A11)を作製した。次いで、アルミラミネートフィルムからなる外装体(縦5.0cm×横6.5cm)で積層体の両面を挟み込み、外装体の3辺を熱圧着封止して積層体を収納した。
エチレンカーボネート(EC)30体積%とジエチルカーボネート(DEC)70体積%の混合溶媒に、1.0mol/LのLiPF(電解質)を溶解した。これに、添加剤として作用するフルオロリン酸リチウムとして、ジフルオロリン酸リチウム(LiPO)1.8重量%、モノフルオロリン酸リチウム(LiPOF)1.0重量%を溶解し電解液を得た。積層体を収納した袋状の外装体に、この電解液0.6cm/セルを注入した後、残りの1辺を熱圧着で仮封止し、ラミネート型セルを作製した。電解液を電極細孔内に十分に浸透させるため、面圧0.5MPaで加圧しながら、室温にて24時間保持し、電池を完成させた。
[実施例2]
上記「(原料混合溶液の調製)」において、原料の配合量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質C2および電池を作製した。上記正極活物質C2の組成を確認したところ、以下の通りであった。
組成式:Li1.5[Ni0.375Mn0.845[Li]0.25Sn0.03]O
(組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5,d=0.25,a+b+c+e=1.25,e=0.03)。
[実施例3]
上記「(原料混合溶液の調製)」において、原料の配合量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質C3および電池を作製した。上記正極活物質C3の組成を確認したところ、以下の通りであった。
組成式:Li1.5[Ni0.375Mn0.795[Li]0.25Sn0.10]O
(組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5,d=0.25,a+b+c+e=1.25,e=0.10)。
[実施例4]
上記「(原料混合溶液の調製)」において、無水クエン酸を加えなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質C4および電池を作製した。上記正極活物質C4の組成を確認したところ、以下の通りであった。
組成式:Li1.5[Ni0.375Mn0.825[Li]0.25Sn0.05]O
(組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5、d=0.25、a+b+c+e=1.25、e=0.05)。
[実施例5]
上記「(原料混合溶液の調製)」において、無水クエン酸を加えなかったこと以外は、実施例2と同様の方法で正極活物質C5および電池を作製した。上記正極活物質C5の組成を確認したところ、以下の通りであった。
組成式:Li1.5[Ni0.375Mn0.845[Li]0.25Sn0.03]O
(組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5,d=0.25,a+b+c+e=1.25,e=0.03)。
[実施例6]
上記「(原料混合溶液の調製)」において、無水クエン酸を加えなかったこと以外は、実施例3と同様の方法で正極活物質C5および電池を作製した。上記正極活物質C5の組成を確認したところ、以下の通りであった。
組成式:Li1.5[Ni0.375Mn0.795[Li]0.25Sn0.10]O
(組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5,d=0.25,a+b+c+e=1.25,e=0.10)。
[実施例7]
上記「(スズクエン酸錯体水溶液の調製)」および「(原料混合溶液の調製)」において、スズクエン酸錯体水溶液および原料混合溶液をpH=4に調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質C7および電池を作製した。上記正極活物質C7の組成を確認したところ、以下の通りであった。
組成式:Li1.5[Ni0.375Mn0.825[Li]0.25Sn0.05]O
(組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5、d=0.25、a+b+c+e=1.25、e=0.05)。
[実施例8]
上記「(スズクエン酸錯体水溶液の調製)」および「(原料混合溶液の調製)」において、スズクエン酸錯体水溶液および原料混合溶液をpH=8に調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質C8および電池を作製した。上記正極活物質C8の組成を確認したところ、以下の通りであった。
組成式:Li1.5[Ni0.375Mn0.825[Li]0.25Sn0.05]O
(組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5、d=0.25、a+b+c+e=1.25、e=0.05)。
[実施例9]
上記「(原料混合溶液の調製)」において、原料として、酢酸リチウム・2水和物に代えて、クエン酸リチウム・4水和物(分子量281.98g/mol)141.0gを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質C9および電池を作製した。上記正極活物質C9の組成を確認したところ、以下の通りであった。
組成式:Li1.5[Ni0.375Mn0.825[Li]0.25Sn0.05]O
(組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5、d=0.25、a+b+c+e=1.25、e=0.05)。
[実施例10]
上記「(原料混合溶液の調製)」において、無水クエン酸を加えなかったこと以外は、実施例9と同様の方法で正極活物質C10および電池を作製した。上記正極活物質C10の組成を確認したところ、以下の通りであった。
組成式:Li1.5[Ni0.375Mn0.825[Li]0.25Sn0.05]O
(組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5、d=0.25、a+b+c+e=1.25、e=0.05)。
[実施例11]
上記「(原料混合溶液の調製)」において、純水2500mlに、上記スズクエン酸錯体水溶液(Snとして0.05mol/L)全量、硝酸マンガン・6水和物(分子量287.04g/mol)126.6g、硝酸ニッケル・6水和物(分子量290.79g/mol)33.8g、硝酸コバルト・6水和物(分子量291.03)34.2g、硝酸リチウム(分子量68.945g/mol)74.5gを順に溶解させた。さらに、無水クエン酸126gを加えた。これに、5.6体積%アンモニア水をゆっくり加えて、pH=6に調整し、原料混合溶液を得た。これ以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質C11および電池を作製した。上記正極活物質C11の組成を確認したところ、以下の通りであった。
組成式:Li1.5[Ni0.225Mn0.750Co0.225[Li]0.25Sn0.05]O
(組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5、d=0.25、a+b+c+e=1.25、e=0.05)。
[実施例12]
上記「(原料混合溶液の調製)」において、無水クエン酸を加えなかったこと以外は、実施例11と同様の方法で正極活物質C12および電池を作製した。上記正極活物質C12の組成を確認したところ、以下の通りであった。
組成式:Li1.5[Ni0.225Mn0.750Co0.225[Li]0.25Sn0.05]O
(組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5、d=0.25、a+b+c+e=1.25、e=0.05)。
[比較例1]
<共沈法を用いた正極活物質D1(Li1.5[Ni0.375Mn0.875[Li]0.25]O)の調製>
硫酸ニッケルおよび硫酸マンガンの2mol/L水溶液をそれぞれ調製した。次いで、これらを所定量秤量して、混合溶液を調製した。更に、混合溶液を攪拌しながら、アンモニア水をpH7になるまで滴下した。更に、2mol/L炭酸ナトリウム水溶液を滴下して、ニッケル−マンガンの複合炭酸塩を沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過した後、水洗して、120℃で12時間乾燥した。この乾燥粉末に所定のモル比(Li/[Ni+Mn]=1.5)で水酸化リチウムを加え、自動乳鉢で約2時間混合した。次いで、500℃で6時間仮焼成した後、900℃で12時間本焼成を行い、正極活物質D1および電池を作製した。
上記正極活物質D1の組成を確認したところ、以下の通りであった。
組成式:Li1.5[Ni0.375Mn0.875[Li]0.25]O(組成式(1)において、a+b+c+d+e=1.5、d=0.25、a+b+c+e=1.25、e=0)。
<正極活物質のBET比表面積測定>
実施例1〜12、比較例1で得られた、正極活物質C1〜C12、D1について、窒素吸着BET一点法により比表面積を測定した。なお、測定には、マウンテック製の比表面積測定装置(MacLab1208)を使用した。
<正極活物質のX線回折(XRD)測定>
上記実施例1、3、比較例1で得られた、正極活物質C1、C3、D1、の結晶構造および結晶性を、X線回折測定により評価した。なお、測定には、リガク社製X線回折装置(SmartLab9kW)を使用し、X線源にはCu−Kα線を用い、測定条件は管電圧45KV、管電流200mA、走査速度2°/分、発散スリット幅0.5°、受光スリット幅0.15°で行った。それぞれのX線回折パターンを図1〜3に示す。
<正極活物質の走査型電子顕微鏡(SEM)観察>
上記実施例1、比較例1で得られた、正極活物質C1、D1について、走査型電子顕微鏡(SEM)観察をおこなった。前処理として、粉末を導通テープに固定した後、導通処理を施した。このとき、電界放射型走査電子顕微鏡(日立製作所製 S−4700)を用い、加速電圧3kVとした。結果を図4、5に示す。
<電池性能の評価>
上記実施例1〜12ならびに比較例1で得られた各電池を、評価セル取り付け冶具にセットし、正極リードと負極リードを電池の各タブ端部に取り付け、試験を行った。以下の条件で初充電処理及び活性化処理を行い、電池性能を評価した。
(初充電処理)
電池の初充電処理は、以下のように実施した。室温にて、定電流充電法で0.05C、4時間の充電(SOC約20%)を行った。次いで、充電を止め、その状態(SOC約20%)で約1日間(24時間)保持した。
(活性化処理)
初充電処理が終わった後、室温にて、定電流充電法で0.1Cで電圧が4.75Vとなるまで充電した後、2.0Vまで0.1Cで放電するサイクルを1回行った。
(ガス除去処理)
熱圧着で仮封止した一辺を開封し、10±3hPaで5分間ガス除去を行った後、当該一片を再度熱圧着し、仮封止した。さらに、ローラーで加圧成形し(面圧0.5±0.1MPa)、電極とセパレータとを十分に密着させた。
(性能評価)
電池性能の評価を、室温下で以下のようにして行った。まず、1.0Cレートにて最高電圧が4.45Vとなるまで充電し(定電流定電圧充電法)、その後、約0.5時間〜1.0時間保持し、電池の最低電圧が2.0Vとなるまで0.2Cレートで放電した(定電流放電法)。このときの0.2Cレートでの放電容量を「0.2C放電容量(mAh/g)」とした。
次いで、1.0Cレートにて最高電圧が4.45Vとなるまで充電し(定電流定電圧充電法)、その後、約0.5時間〜1.0時間保持し、電池の最低電圧が2.0Vとなるまで1.0Cレートで放電した(定電流放電法)。このときの1.0Cレートでの放電容量を「1.0C放電容量(mAh/g)」とした。
さらに、1.0Cレートにて最高電圧が4.45Vとなるまで充電し(定電流定電圧充電法)、その後、約0.5時間〜1.0時間保持し、電池の最低電圧が2.0Vとなるまで2.0Cレートで放電した(定電流放電法)。このときの2.0Cレートでの放電容量を「2.0C放電容量(mAh/g)」とした。
そして、下記式により「容量維持率(%)」を算出し、レート特性を評価した。結果を表1に示す。
(サイクル特性評価)
電池のサイクル特性試験は、上記1.0Cでの充放電を、室温下で300サイクル繰り返すことにより行った。そして、1サイクル後と、300サイクル後との電池性能を以下の条件で評価した。1.0Cレートにて最高電圧が4.45Vとなるまで充電し(定電流定電圧充電法)、その後、約0.5時間〜1.0時間保持し、電池の最低電圧が2.0Vとなるまで0.2Cレートで放電した(定電流放電法)。いずれも、室温下で行った。
そして、下記式により、「容量維持率(%)」を算出し、サイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明の製造方法により得られる実施例1〜12の正極活物質によると、電池において優れたサイクル特性が発揮されることがされた。また、実施例1〜12の正極活物質を用いた電池は、放電容量およびレート特性の点でも十分な性能をしめすものであった。さらに、実施例1〜12の正極活物質は、比較例1に対して、BET比表面積が大きいものであった。
10a 並列積層型電池、
11 負極集電体、
11a 最外層負極集電体、
12 負極活物質層、
13 電解質層、
14 正極集電体、
15 正極活物質層、
16 単電池層、
17 発電要素、
18 負極集電板、
19 正極集電板、
20 負極端子リード、
21 正極端子リード、
22 ラミネートフィルム。

Claims (5)

  1. 組成式(1):Li1.5[NiMnCo[Li]Sn]O
    (式中、0<a、0<b、0.01≦e≦0.15、a+b+c+d+e=1.5、0.1≦d≦0.4、1.1≦[a+b+c+e]≦1.4であり、zは、原子価を満足する酸素数を表す)
    で表される非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法であって、
    Snのクエン酸塩、
    Ni、MnおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の硝酸塩および/または分解温度が100℃〜350℃である、Ni、MnおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の有機酸塩、ならびに
    硝酸リチウムおよび/または分解温度が100℃〜350℃であるリチウムの有機酸塩、
    を水系溶媒に溶解させた原料混合溶液を、噴霧乾燥させて、乾燥物を得る第1工程と、
    前記第1工程で得られた乾燥物中に含まれる少なくとも一部の塩を、熱分解させて、前駆体を得る第2工程と、
    前記第2工程で得られた前駆体を、400〜1000℃で焼成する第3工程と、を含む、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 前記非水電解質二次電池用正極活物質は、X線回折測定において、20−23°、35−40°(101)、42−45°(104)および64−65(108)/65−66(110)に、岩塩型層状構造を示す回折ピークを有する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記非水電解質二次電池用正極活物質は、X線回折測定において、35−40°(101)に3つの回折ピークを有し、42−45°(104)に1つの回折ピークを有する、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記非水電解質二次電池用正極活物質は、X線回折測定において、20−23°、35.5−36.5°(101)、43.5−44.5°(104)および64−65(108)/65−66(110)に回折ピークを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. クエン酸およびシュウ酸スズ(II)を含む水溶液と、アンモニア水とを混合し、pH4〜8とすることにより前記Snのクエン酸塩を得る工程をさらに含み、かつ
    前記原料混合溶液を調製する際に無水クエン酸を添加することをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
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