JP6638856B2 - ねじ締め工具 - Google Patents

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Description

本発明は、付勢部材(スプリング)によってアンビル又は先端工具を前方に付勢押圧してカムアウトの発生を抑制でき、また、離脱トルクも低減することができるようにしたねじ締め工具に関する。
モータの回転力をハンマに伝達して、ハンマでアンビルに回転方向の打撃力を加えるねじ締め工具が知られており、その一例としてインパクトドライバ、インパクトレンチ、オイルパルスドライバがある。これらのねじ締め工具は、モータの回転力を間欠的な回転方向の打撃力に変換し、打撃力を用いて先端工具によってねじ等に対して締付作業を行うもので、木材へのねじ部材の締め付けや、コンクリートにボルトを固定する作業、及び、ねじ部材やボルトを緩める作業等に広く用いられている。インパクト工具のトリガスイッチのトリガを引くとモータが駆動されて、減速機構を介してスピンドルを回転させる。スピンドルが回転すると、ハンマスプリングとカムボールによりスピンドルに連結されているハンマが回転する。ハンマが回転すると、ハンマの打撃爪とアンビルの羽根部を介して回転力が伝達されてアンビルが回転する。アンビルの軸方向の先端には、例えば、先端工具の装着部が形成され、装着される六角ビット等の先端工具を介してねじやボルトの締め付けが行なわれる。
木材に対してねじの締め付け作業を行う場合、締め付け開始から当分の間はハンマとアンビルが同期して回転する(連続回転)。その後、締め付けの進行に応じて徐々にねじに生じる反トルクが高くなって、この反トルクがハンマスプリングのバネ圧を上回ると、ハンマはスピンドルカム溝とハンマカム溝の形状に沿ってハンマスプリングを徐々に圧縮しながらモータ側に徐々に後退する。このハンマの後退により、ハンマの打撃爪とアンビルの被打撃爪の前後方向の接触長さ(係合量)が小さくなっていく。ハンマの打撃爪とアンビルの被打撃爪の係合量が0となった時、回転方向に対するハンマのアンビルに対する係合が離脱することになる。この離脱する直前にハンマとアンビル間に作用するトルクの大きさが、ハンマとアンビルとが離脱する際の“離脱トルク”である。
ねじからの反力が離脱トルクを越えると、ハンマの打撃爪は、アンビルの被打撃爪を乗り越え、この後、ハンマはハンマスプリングの圧縮力で、先端工具側に押し出されながらアンビルの次の被打撃爪、又は、次の次の被打撃爪と衝突することになる。このようにしてハンマに設けられた打撃爪とアンビルに設けられた被打撃爪は、ねじの締め付けが完了するまで、離脱、係合の動作を繰り返す(打撃動作)。
打撃機構を有するねじ締め工具では、打撃機構の打撃による衝撃よって工具本体が浮き上がり先端工具がねじ頭から外れてしまうという、所謂カムアウトが発生してしまう場合がある。図13は従来のインパクト工具におけるねじ締め状況を説明するための図である。ここでは木材等の相手部材110に対してねじ100を締め付ける状態を示す。インパクト工具では、後退したハンマ140がアンビル160を打撃する際に、(1)の矢印99aの方向に力が働くことになり、一方、ハンマ140がアンビル160から離脱する際は矢印99aとは逆の方向、即ちインパクト工具を後退させる力が働くことになる。ねじ締め作業は、作業者がインパクト工具を把持してビット90をねじ100側に押しつけるように、即ち矢印99aの方向に押しつけながら作業を行うが、作業中に何らかの理由でインパクト工具1が(2)の矢印99bのように後退してしまうと、ねじ部93がねじ頭101から離れてしまう現象、即ちカムアウトが生じてしまう。(2)は、(1)の状態から、打撃時の反動で、インパクト工具1が上方に距離dだけ移動した状態を示している。このようなカムアウトの発生を抑えるために、特許文献1には、打撃機構を構成するアンビル内に弾性体を圧入し、この弾性体により先端工具を軸方向及び径方向に付勢することで先端工具の振れに起因するカムアウトを抑制する発明が開示されている。
特開2006−247792号公報
近年、インパクト工具の高トルク化が図られており、締め付けトルク150N・m以上の製品も市販されている。インパクト工具において締め付けトルクを高めるためには、ハンマをアンビル側に付勢するハンマスプリングのばね定数を高く設定する。しかしながら、ハンマスプリングのばね定数を高めて高出力化を図ると離脱トルクが高くなってしまうため、連続回転動作から打撃動作に移行するタイミングが遅くなるため、インパクト工具に作用する反トルクが大きくなる。また、高い締め付けトルクを必要としない柔らかい木材等へのねじ締めの場合には、ねじ締め作業中に離脱トルクに到達しないことがあり、なかなか打撃動作が行われないという問題があった。打撃動作が行われないと、ねじの十字溝から先端工具のねじ山が浮きやすく、先端工具が外れて弾かれたり、その場で空転してねじのねじ頭が痛んでしまう恐れがあった。特許文献1のインパクトドライバの構成では、アンビル内に弾性体を圧入しているが、先端工具の軸方向の可動量は弾性体の変形量だけで極めて小さいため、カムアウトを十分抑制することができない。別のカムアウト抑制のための対策として、ハンマとアンビルの係合が外れる離脱トルクを低く設定することが考えられる。この場合、ハンマを前方に付勢するハンマスプリングの押圧荷重を小さくすれば良いが、ねじ等の締め付けトルクが減少するので締め付け工具としての性能が低下してしまう問題がある。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、カムアウトの発生を抑制して使い易さを向上させたねじ締め工具を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、工具本体が浮いてカムアウトが発生しそうになった際に、先端工具を軸方向前方側に移動させるようにしたねじ締め工具を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、工具本体の離脱トルクを可変式とすることにあり、工具本体に対する押し付け荷重を小さくすることにより、離脱トルクを小さくすることができるようにしたねじ締め工具を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。本発明の一つの特徴によれば、ハウジングと、ハウジングに収容されるモータによって回転駆動する回転部材と、回転部材に連結され、先端工具を保持する先端工具保持部と、を備えたねじ締め工具において、先端工具及び先端工具保持部の少なくとも一方をハウジングに対して回転軸方向に移動可能に構成し、ハウジングに対して先端工具又は先端工具保持部を前方に付勢する付勢部材を設けた。先端工具と先端工具保持部の少なくとも一方をハウジングに対して回転軸方向に移動可能に構成し、先端工具をねじ部材にかみ合わせた状態で、ハウジングがねじ部材から離れる方向に移動した場合、付勢部材が先端工具又は先端工具保持部をねじ部材に向けて付勢するのでカムアウトの発生を抑制できる。先端工具保持部には、先端工具を保持するための保持部材が配置され、先端工具を保持するための金属球を収容するために径方向に貫通する回転軸方向に長い長穴を形成し、装着された先端工具が先端工具保持部に対して軸方向に相対移動できるようにした。付勢部材は、後端側が回転部材によって保持され、前端側が先端工具又は先端工具保持部に当接することにより先端工具又は先端工具保持部を前方に付勢し、回転軸方向においてスピンドルとアンビルが重なる領域と重複(オーバーラップ)するように配置される。
本発明の他の特徴によれば、ねじ締め工具は回転部材の回転を回転方向の間欠的な打撃力に変換する打撃機構部を備え、打撃機構部は回転部材を構成するスピンドルの径方向外側で回転部材の軸方向に移動可能なハンマと、ハンマによって打撃されるアンビルを有する。アンビルは回転部材と同軸でハンマの前方に設けられ、後方側にハンマの打撃部によって打撃される被打撃部を有し、前方側に先端工具保持部を有する。付勢部材によって、先端工具はアンビルに対して回転軸方向に移動可能であり、アンビルはスピンドルに対して回転軸方向に移動可能なように付勢される。付勢部材は、アンビルに対して先端工具を前方に付勢し、スピンドルに対してアンビルを前方に付勢する。また、付勢部材は、スピンドルに対して先端工具を前方に付勢する。付勢部材を回転軸方向におけるスピンドルとアンビルとの間であってハンマ又はスピンドルの前方側端面よりも後方側に設けた。この際、付勢部材は回転軸方向において、スピンドル及びアンビルと重なるように配置されると良い。また、スピンドルとハンマはカム機構を介して接続されており、付勢部材は回転軸方向において、カム機構と重なるように配置されると良い。また、カム機構は、スピンドルの径方向外側でハンマを回転軸方向に付勢するハンマスプリングを有し、付勢部材は回転軸方向において、ハンマスプリングと重なるように配置されると良い。付勢部材の一端側は、ハンマ又はスピンドルの前方側端面よりも後方側においてスピンドルに支持され、他端側は前方側端面よりも前方側においてアンビルに支持される。さらに、スピンドル及びアンビルは付勢部材の回転軸方向の移動を規制する規制部を有する。
本発明の他の特徴によれば、付勢部材は回転軸方向に延びて伸縮するスプリングであり、スプリングの端部には回転軸方向に移動可能であってアンビルに摺動可能に支持される移動部材が接続される。アンビルは、回転軸方向に貫通する貫通孔を有し、移動部材は貫通孔を介して先端工具を押圧する。移動部材の外周面とアンビルの内周面との間に弾性部材が介在され、先端工具を相手部材に押し付けない状態においてアンビルは付勢部材によって前方に付勢され、先端工具を相手部材に押し付けた状態においてアンビルは付勢部材の付勢力に抗して後方に移動し、先端工具の押し付け状態に応じて回転軸方向におけるハンマとアンビルとの係合量が変化する。尚、付勢部材は、全圧縮しない状態で設けられると良い。また、本発明の他の特徴によれば、アンビルは円筒状であって内部に内径が小さく制限された規制部を有する。アンビルの内部であって規制部の後方側から先端工具の後端部に当接する規制部よりも細径の当接部と、規制部に当接することにより回転軸方向前方側の移動を制限するための制限部と、を有する移動部材を有する。移動部材を後方側から付勢するスプリングを設け、スプリングの後端はスピンドルによって保持される。アンビルの後端側とスピンドルの前端側は径方向に重なり可能な円筒状に形成される。スプリングは回転軸方向にみてスピンドルの前端位置よりもスピンドル側及びアンビル側に延びるように配置される。スピンドルの円筒状部分の後端側には、スプリングを保持するよう閉鎖又は内径が小さく制限された当接部が形成される。スプリングの後端側に当接部と接するベース部材を設けた。また、ハンマとアンビルを収容するためのハンマケースを有し、アンビルはハンマケースにメタル又は軸受によって回転軸方向にわずかに移動可能に保持される。先端工具を相手部材に押し付けない状態においてアンビルはスプリングによって前方に付勢される。先端工具を相手部材に押し付けた状態においてアンビルはスプリングの付勢力に抗して後方に移動する。
本発明によれば、付勢部材(スプリング)によってアンビル又は先端工具を前方に付勢押圧することで、カムアウトを抑制することができ、また、離脱トルクも低減することができ、使い易さを向上させたねじ締め工具を実現できる。また、カムアウトを抑制することが可能となることから、使い易さを損ねることなく、更なる高出力のねじ締め工具を実現できる。さらに、既存のハンマとアンビルの大きさをほぼ変更することなく、付勢部材を設けるための配置スペースを十分確保することができるため、バネ圧の高いスプリングを用いることができる。
本発明の実施例に係るインパクト工具1の内部構造を示す縦断面図である。 インパクト工具1の回転機構及び打撃機構の形状を示す斜視図である。 図2の回転機構及び打撃機構の展開斜視図である。 図1のアンビル60へのビット90の装着状況を示す断面図であって、(1)はビット90の装着前の状態を示し、(2)はビット90の装着後の状態を示す。 図4の付勢手段70の先端付近の部分拡大図である。 図1の付勢手段70によるビット90の後退状況を説明するための図である。 本発明の実施例に係るインパクト工具1を用いたねじ締め状況を説明するための図である。 本発明の実施例に係るインパクト工具1の第一の変形例を示す縦断面図である。 本発明の実施例に係るインパクト工具1の第二の変形例を示す縦断面図である。 本発明の第二の実施例に係るインパクト工具の打撃機構を示す縦断面図である。 本発明の第三の実施例に係るインパクト工具の打撃機構を示す縦断面図である。 第三の実施例の変形例に係る打撃機構を示す縦断面図である。 従来のインパクト工具におけるねじ締め状況を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明において、上下左右、前後の方向は、図中に示した方向として説明する。本実施例ではねじ締め工具の一実施例としてインパクト工具を示している。
図1は本発明の実施例に係るインパクト工具1の内部構造を示す縦断面図である。インパクト工具1は、充電可能なバッテリ10を電源とし、モータ4を駆動源として回転打撃機構を駆動し、回転打撃機構によって回転部材の回転を回転方向の間欠的な打撃力に変換し、打撃機構部に連結された先端工具保持部(ビット保持部80)を駆動する。回転機構は減速機構20と回転部材(スピンドル30)を含んで構成され、打撃機構部はハンマ40とアンビル60を含んで構成される。インパクト工具1のハウジングは、本体ハウジング2とそれに設けられるハンマケース3によって構成される。出力軸であるアンビル60には、打撃機構から回転力と打撃力が与えられ、ビット保持部80に形成された装着孔63aに保持されるドライバビット等の図示しない先端工具に、回転打撃力が連続的に又は間欠的に伝達され、ねじ締めやボルト締め等の作業が行なわれる。
本体ハウジング2の胴体部2aから略直角に一体に延びるハンドル部2b内の上部にはトリガスイッチ6が配設され、トリガスイッチ6から本体ハウジング2の前方側には操作レバーたるトリガ6aが露出する。またトリガスイッチ6の上方には、モータ4の回転方向を切り替えるための正逆切替レバー7が設けられる。ハンドル部2b内の下部は、バッテリ10を取り付けるために拡径部2cが形成される。拡径部2cはハンドル部2bの長手方向中心軸から径方向(直交方向)に広がるように形成された部分で、拡径部2cの下側にバッテリ10が装着される。バッテリ10はニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池が用いられ、複数のセルをバッテリハウジング内に収容したバッテリパックが用いられる。拡径部2cの内部には、トリガ6aの引き動作によって前記モータ4の速度を制御する機能を備えた制御回路基板11が収容される。制御回路基板11は、略水平になるように配置される。制御回路基板11には、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と称する)が搭載される。また、拡径部2cの上側面には、動作モードの切替スイッチ等が配置された操作パネル12が設けられる。
ブラシレスDC方式のモータ4は、側面視で略T字状の形状を成す本体ハウジング2の筒状の胴体部2a内に収容される。モータ4の回転軸4cは、その軸線A1が胴体部2aの長手方向に伸びるように配置される。ロータ4aは、永久磁石によって形成される磁路を形成する。ステータコア4bは複数の磁極片にコイルが巻かれたものである。モータ4の軸方向後方には、モータ4を駆動するためのインバータ回路基板5が配設される。インバータ回路基板5は、略円環状の両面基板であり、この基板の後方側にはFET(Field effect transistor)等の複数のスイッチング素子15が搭載され、前方側であってロータ4aの永久磁石と対向する位置には、ホールIC等の回転位置検出素子16が所定間隔で複数搭載される。モータ4の前方側の回転軸4cには冷却ファン13が設けられ、モータ4と同期して回転する。冷却ファン13の回転によって本体ハウジング2の後方の吸気口17から外気が吸引されて、モータ4やスイッチング素子15等が冷却され、冷却ファン13の周囲に形成された図示しない排気口から外部に排出される。
ハンマ40とアンビル60を含んで構成される打撃機構と、回転部材たるスピンドル30と、減速機構20は、それらの回転中心が軸線A1に並ぶように配置され、先細り形状のハンマケース3の内部に収容される。ハンマケース3は金属製であって、合成樹脂製の本体ハウジング2の前方側に固定される。モータ4の回転駆動力は、回転軸4cから遊星歯車を用いた減速機構20を介してスピンドル30に伝達される。減速機構20はモータ4の出力を所定の減速比で減速してスピンドル30に伝達するものであり、ここでは、遊星歯車を用いた減速機構が用いられる。減速機構20は、モータ4の回転軸4cの先端に固定されるサンギヤ21と、サンギヤ21の外周側を距離を隔てて取り囲むように設けたリングギヤ23と、サンギヤ21及びリングギヤ23の間に配置され、これら双方のギヤに噛み合わされる複数(ここでは3つ)のプラネタリーギヤ22を含んで構成される。3つのプラネタリーギヤ22はシャフト24の回りを自転しつつサンギヤ21の回りを公転する。リングギヤ23は本体ハウジング2側に固定され、回転しない。シャフト24は、スピンドル30の後端部分に形成された遊星キャリア部(図2、図3で後述)に固定され、プラネタリーギヤ22の公転運動が遊星キャリア部の回転運動に変換され、スピンドル30が回転する。
スピンドル30は円筒状であって、スピンドルカム溝33(図3で後述)が形成される軸部31(図3で後述)の後方側に、減速機構20の遊星キャリア部を接続したもので、これらは金属の一体成形品にて製造される。スピンドル30のモータ4側の端部は円筒状に形成され、サンギヤ21の収容空間とされる。一方、スピンドル30のアンビル60側の端部は、アンビル後端の外周面を収容するような円筒状に形成される。
ハンマ40は、スピンドル30の軸部の外周面とハンマ40の内周面の後方側一部が接するように配置される。スピンドル30とハンマ40は、カムボール51を用いたカム機構によって接続され、ハンマ40はスピンドル30とほぼ連動するように回転するが、カムボール51が移動することによって、ハンマ40とスピンドル30の回転方向の相対位置が僅かに変動する。つまり、ハンマ40はスピンドル30に対して軸方向に僅かに移動可能であり、後方側には大きく移動可能とされる。また、ハンマ40は、ハンマスプリング54によってスピンドル30に対して常に前方側に付勢されるので、ハンマ40の後方側への移動はハンマスプリング54を圧縮しながらの移動となる。
アンビル60の羽根部とハンマ40の打撃部(打撃爪)は、軸線A1方向にみて重なるような位置関係となり、その軸方向に係合する長さは係合量Sとなる。ここで、係合量Sとは、軸線A1の方向に見てハンマ40の打撃爪46a〜46c(後述する図2参照)と、アンビル60の羽根部64a〜64c(後述する図2参照)の当接領域の軸方向長さであって、ハンマ40が最も前に位置する静止時又は打撃前の初期位置においてその係合量Sが大きくなる。係合量Sは、ハンマ40の後方向の移動によって変化するものであるが、アンビル60のハンマケース3に対する軸方向のわずかな移動によっても変化する。アンビル60が先端工具側から受ける力によりハンマ40に伝わる反トルクが大きくなると、カムボール51の位置が移動することによりハンマ40とアンビル60の相対的位置関係が変化する。ハンマスプリング54は圧縮スプリングであり、その前方側がハンマ40側に当接し、後方側はスピンドル30側に当接する。スピンドル30とアンビル60の回転体は、前方側でニードル式の軸受19aによってハンマケース3に軸支され、後方側でボール式の軸受19bにより軸受ホルダ8を介して本体ハウジング2に軸支される。アンビル60の後端部は、スピンドル30の前端付近の円筒部の内側に配置され、スピンドル30とアンビル60が相対回転可能なように保持される。
本実施例ではスピンドル30の回転軸方向の中央よりも前方側が中空状に形成され、アンビル60の回転軸方向の中央よりも後方側が中空状に形成され、スピンドル30とアンビル60の中空空間内には、付勢手段70が設けられる。付勢手段70は、先端工具とアンビル60の少なくとも一方を前方側に所定の力で付勢するものであって、後端側がスピンドル30によって保持されるが、その詳細については後述する。
図2は、インパクト工具1の回転機構及び打撃機構の形状を示す斜視図である。打撃機構部は、3本の打撃爪を有するハンマ40と、3本の羽根部(被打撃爪)を有するアンビル60とハンマスプリング54を含んで構成される。尚、ハンマ40の打撃爪、及びアンビルの羽根部の数は、従来例と同様に共に2本としても良いし、その他の本数であっても良い。ハンマ40は、カムボール51(図1参照)を有するカム機構によってスピンドル30に対して回転方向にわずかに相対回転可能とされ、回転軸後方側に後退可能なように保持される。スピンドル30の後方側は、遊星歯車を用いた減速機構20の遊星キャリアを構成する円盤状の遊星キャリア部(取付部37、38)が形成される。取付部37の円環面は軸線A1とは直交するよう延在し、回転方向には均等間隔で3つの嵌合穴37a〜37c(図では37bは見えない)が形成される。取付部37と所定の距離を隔てて後方側には、取付部37と平行な円環面を有する取付部38が設けられる。取付部38にも回転方向には均等間隔で3つの嵌合穴38a〜38c(図では38b、38cは見えない)が形成され、取付部37の嵌合穴37a〜37cと共に、プラネタリーギヤ22を軸支するシャフト24(ともに図1参照)を固定する。取付部38の後方側には軸受19bによって軸支されるための円筒状の後筒部32が形成される。ハンマ40と取付部37との間には圧縮コイル式のハンマスプリング54が介在され、ハンマ40を取付部37に対して前方側に付勢する。ハンマスプリング54の後方には段付き形状のワッシャ55が介在される。
アンビル60は金属の一体成形にて製造され、その円筒形の出力軸部61の後方に、3つの羽根部64a〜64cが形成されたものである。出力軸部61の前側は先端工具保持部となる。先端工具保持部は、出力軸部61の前側端部から軸方向後方に延びる断面形状が六角形の装着孔63aと、細径部61aの周方向の2箇所に形成され金属球69(図1参照)を配置するための径方向に貫通する2つの穴部(貫通長穴61c)と、細径部61aの外側に設けられるビット保持部80(図1参照)を含んで構成される。軸方向に見て貫通長穴61cと羽根部64a〜64cとの間は外周面が円柱の軸部61bが形成され、この軸部61bの外周側に軸受19a(図1参照)が配置されることによりアンビル60はハンマケース3(図1参照)により回転可能に軸支される。被打撃部となる3つの羽根部64a〜64cは、回転方向に見て120度ずつ隔てるように均等に配置され、径方向外側に伸びるような形状である。羽根部64a〜64cの回転方向の側面は、ハンマ40の打撃爪によって締め付け方向の回転時に打撃される被打撃面と、その反対側に形成され緩め方向の回転時に打撃される被打撃面の両面が形成される。
ハンマ40は図1でその断面を示すように内径の異なる2つの筒状部分の前方側を径方向に接続した形状とされる。ハンマ40は金属製であり、前面の外周付近の3カ所には、軸方向の前方側(アンビル60側)に突出する3つの打撃爪46a〜46cが形成される。打撃爪46a〜46cは、回転方向に見てその中心位置が回転角で120度ずつ隔てるように均等に配置される。打撃爪46a〜46cの回転方向の2つの側面は、アンビル60の3つの羽根部と衝突時に良好に面接触するように回転方向に所定の角度が付けられる。ハンマ40がハンマスプリング54の付勢力によって前方へ移動すると、ハンマ40の打撃爪46a〜46cが、回転後の次のアンビル60の羽根部64a〜64cに再び係合することにより強い打撃が行われ、ハンマ40とアンビル60は一体に回転し始める。回転側であるハンマ40の打撃爪46aは、アンビル60の羽根部64aの後方側を通過した後に、さらに回転してアンビル60の羽根部64cを打撃する。その次に、ハンマ40の打撃爪46aは、アンビル60の羽根部64cの後方側を通過した後に、さらに回転してアンビル60の羽根部64bを打撃する。尚、ハンマ40の打撃爪46aは、アンビル60の羽根部64aから離脱した後に、ハンマ40が回転角120度付近を通過して、羽根部64cに接触することなく、その次の羽根部64bに係合するように一つ飛ばし打撃をしても良い。この時の回動角度は約240度である。ハンマ40の約240度の相対回転が行われた後は、次もまた約240度の相対回転が行われる。このように一つ飛ばしの打撃によって強力な回転力をアンビル60に加えるようにしても良い。以後、同様の動作が繰り返されて先端工具からねじに回転打撃力が間欠的に繰り返し伝達される。
図3は図2の回転機構及び打撃機構の展開斜視図である。ハンマ40は、スピンドル30の軸部31の外周面とハンマ40の内周面の一部が接するように配置される。スピンドル30の軸部31の外周面には、側面視で略V字状の窪み部分となるスピンドルカム溝33が形成される。スピンドルカム溝33と対向するハンマ40の内周面には、ハンマカム溝44が形成される。スピンドル30とハンマ40は、スピンドルカム溝33とハンマカム溝44によって所定の空間が形成されるように組み合わされ、この空間の中に金属製のカムボール51が配置されることによってスピンドルカム機構が構成される。
スピンドル30の軸部31の前方側の内側部分には、嵌合孔31aが形成される。一方、アンビル60の後方側には円筒状の後筒部62が形成される。後筒部62の外径はスピンドル30の嵌合孔31aの内径とほぼ同じであり、後筒部62が嵌合孔31aの内部に収容される。スピンドル30側の嵌合孔31aからアンビル60側の後筒部62の内部空間となる嵌合孔63c(図4(2)参照)には付勢手段70が収容される。付勢手段70はスピンドル30とアンビル60、スピンドル30と先端工具を、回転軸の軸線A1方向に互いに離れるように付勢する手段であり、圧縮コイルバネ式のスプリング76と、その前側に配置される移動部材71と、スプリング76の後側に配置される後方部材77によって構成される。移動部材71は金属製の部材であり、先端側がアンビル60の装着孔63a内にまで突出するように細い径の押圧軸72aが形成される。押圧軸72aの先端は後述する先端工具の後端と当接する部分(当接部)であり、前端側中央には孔部71aが形成される。押圧軸72aの後方側には2本のフランジ部71b、71cが形成され、これらの間の円筒面72bにはゴム製のOリング75が装着される。Oリング75はスプリング76側に充填されるグリス(図示せず)が移動部材71とアンビル60の接触面から前方側に漏れないようにシールする。フランジ部71cの後方側は、スプリング76の前端部側が挿入される円筒部72cとなっている。
スプリング76は金属製のコイルバネである。ここでは図1のように付勢手段70を装着した際に、スプリング76が全圧縮しない状態で設けられるようにして、スピンドル30に対するアンビル60のわずかな後退や、先端工具のアンビル60に対する軸方向のわずかな移動の際に、スプリング76の復帰力によってアンビル60又は先端工具を軸方向前方側に移動させるように作用する。
スプリング76の後方側であって、スピンドル30の嵌合孔31aの内部空間には後方部材77が設けられる。後方部材77は軸方向中央付近にフランジ部77aが形成される。フランジ部77aよりも前方側の軸部78aがスプリング76の後端内側に装着される。また、フランジ部77aよりも後方側の軸部78bが、スピンドル30に形成された径が細く形成された規制部34(後述する図4(1)参照)に係合されることにより、後方部材77の軸方向後方側への移動が制限される。スピンドル30とアンビル60は、低負荷時には同じ速度で回転するが、高負荷時にハンマ40による打撃が行われる際には、スピンドル30の回転速度がアンビル60の回転速度よりも速くなる。この際には、スプリング76が後方部材77と相対回転をすることによってこれらの回転速度の差を吸収する。尚、この回転速度の差を吸収させるためには、移動部材71とアンビル60を相対回転させても、移動部材71とスプリング76を相対回転させるように構成してもいずれでも良い。しかしながら、移動部材71とアンビル60間はOリング75でシールすること、移動部材71はアンビル60に対して軸方向にわずかに前後移動させる関係から、移動部材71とアンビル60は相対回転させないで、後方部材77とスピンドル30間で相対回転させるようにすると良い。また、ハンマ40とスピンドル30が回転する空間内には多量のグリスが付与されるが、付勢手段70の収容される空間(スピンドル30の内側空間、アンビル60の後方側内側空間)にも同様にグリスを充填すると良い。
アンビル60の装着孔63aが形成される部分の前後方向の途中には径方向に貫通する2つの貫通長穴61cが形成される。貫通長穴61cはビット保持部80の構成要素となる金属球69(図1参照)を収容するための穴である。軸方向に見て細径部61aの後方の軸部61bは外周面が円柱状又は円筒状に形成され、この領域の外周側に軸受19a(図1参照)が配置されることによりアンビル60はハンマケース3(図1参照)に回転可能に軸支される。3つの羽根部64a〜64cの後方側には、軸部となる後筒部62が形成され、後筒部62の外周面がスピンドル30の嵌合孔31a(図2参照)の内周面と摺動することによってスピンドル30とアンビル60が相対回転可能なように軸支される。
次に図4を用いてアンビル60への先端工具たるビット90の装着状況を示す。図4(1)はビット90の装着前の状態を示し、(2)はビット90の装着後の状態を示す。アンビル60は内部が前端から後端まで空洞となった円筒状であって、途中に径が絞り込まれた細径部63bが形成される。スピンドル30も内部が前端から後端まで空洞となった円筒状であって、途中には規制部34が形成される。規制部34は断面形状が円形になるように細径にされた部分であるが、後方部材77の後方側の移動を規制できるならば、周方向に連続しないようにした軸線方向に飛び出す非連続の凸部であっても良い。アンビル60の先端には、ビット90を装着するための装着孔63aが形成される。アンビル60の後端付近の後筒部62は円筒状に形成され、後筒部62はスピンドル30の嵌合孔31aの内側に収容される。スピンドル30の嵌合孔31aよりもさらに後方側には、付勢手段70を収容するためのスプリング装着孔31bが形成される。スプリング装着孔31bの内径は、アンビル60の後筒部62の内径と同じである。スプリング装着孔31bの後方に径がさらに細く形成された規制部34が形成される。このようにスピンドル30を中空状に形成するために、スピンドル30の直径は従来のスピンドルに比べてやや太く形成される。それに伴い、2つのカムボール51の径方向距離も大きくなり、スピンドルカム溝33のカムリード角も大きめとなる。それに合わせてハンマスプリング54のバネ圧も従来よりもやや高めとすると良い。このようにしてスピンドル30とアンビル60の内側に付勢手段70を収容する空間を形成した。
アンビル60の前方側にはビット保持部80が設けられる。ビット保持部80はビット90をワンタッチで装着又は取り外しができるようにするものであって、アンビル60の細径部61a(図3参照)の外周部分に略円筒形のスリーブ81を装着する。スリーブ81の前方側から後方側に掛けて形成した円筒状溝部の内側には圧縮バネ82が装着され、圧縮バネ82の前方側を金属製のワッシャ83で抑えた状態でCリング84にて固定する。Cリング84はスピンドル30の先端側付近に形成された周方向に連続する溝部61dに装着される。スリーブ81の軸方向中央付近よりやや後方側には、径方向内側に突出する凸部81bが形成され、その後方に金属球69の径方向外側へのわずかな移動を許容する段差部81c(図4(2)参照)が形成される。金属球69は径方向外側に段差部81cが位置する際(図4(1)の状態)に径方向外側への移動が許容され、径方向外側に凸部81bが位置する際(図4(2)の状態)に径方向外側への移動が阻止される。
ビット90を装着する際には図4(1)のように作業者がスリーブ81を矢印86aのように前方側に移動させることによって、凸部81bが軸方向に見て金属球69と同位置から前方側に移動させる。その状態では2つの金属球69が径方向外側にわずかに移動可能な状態となるため、ビット90の六角形の軸部91の表面を金属球69が回転するか又は摺動することによりビット90が装着孔63aに装着できるようになる。ビット90を後方側の規定の位置に到達すると、2つの金属球69とビット90に形成された周方向に連続する保持溝94が同位置になるため、金属球69が保持溝94の内部に入り込むように径方向内側に移動する。図4(1)に示すビット90を装着する前の状態では、付勢手段70はスプリング76によって前後方向に延びている状態にあり、移動部材71のフランジ部71bが、アンビル60の細径部63bの後端と当接することにより軸方向前方側への移動を制限している状態にある。図4(2)のようにビット90を装着して作業者がスリーブ81の前方側の付勢を解除すると、圧縮バネ82の付勢力により矢印86bのようにスリーブ81が後方側に移動する。その結果、凸部81bが金属球69の外側に位置するため、金属球69の径方向外側への移動が阻止されると共に、金属球69は保持溝94の内部に位置するため、ビット90がアンビル60から抜けないように保持される。この際、ビット90の後端側ねじ部95が移動部材71の孔部71aに当接しているので、ビット90は装着孔63a内で前方側に位置し、金属球69は軸方向に長く形成された貫通長穴61cの前方側に位置する。この際の移動部材71は、フランジ部71bが細径部63bに当接している状態か、もしくはフランジ部71bが細径部63bとわずかに離合している状態にある。
次に図5を用いて付勢手段70によるビット90への付勢状態を説明する。図5は図4の移動部材71とビット90の後端付近の部分拡大図であって、(1)は図4(2)の同じ状態、即ち、ビット90に外力(工具本体への押し付け荷重)が加わっていない状態であり、(2)はビット90の先端側ねじ部93(図4(2)参照)から矢印96aの方向に外力が加わった状態を示している。(2)の状態は、言い換えれば作業者が工具を把持して、ビット90をねじ頭に押しつけた状態である。アンビル60の貫通長穴61cは、軸方向に所定の長さを有するように形成されるので、(1)では移動部材71から受ける付勢力によりビット90は前方側に移動し、金属球69も前方側に移動し、その位置にて保持される。この状態からねじ締め作業を行う。まず作業者がハンドル部2bを把持してビット90を図示しないねじの頭部に位置づけした後に、インパクト工具1を前方側に押しつけると、(2)に示すようにビット90が本体部に対して矢印96aの方向に相対移動する。この際、金属球69は貫通長穴61cの内部で後方側に移動可能であるため、ビット90の後端側ねじ部95が移動部材71をスプリング76の付勢力に抗して後方側に移動させる。この結果、移動部材71のフランジ部71bが細径部63bより後方側に離れることになり、(2)に示すように隙間67が生ずる。一方、ビット90は後端側ねじ部95が細径部63bの前側段差部と矢印63d付近で当接するためにそれ以上の後退はできないが、アンビル60をわずかにハンマ40側に後退させる。このアンビル60のハンマケース3に対する後退の結果、アンビル60の羽根部と、ハンマ40の打撃爪との係合量Sが変化することになる。
図6は付勢手段70によるビット90の後退状況を説明するための図である。付勢手段70のスプリング76の伸張時の軸方向の長さL20は、ハンマスプリング54の長さL1と軸方向にオーバーラップするように配置される。トリガ6aが引かれてモータ4が起動されると、正逆切替レバー7で設定された方向にモータ4が回転を開始し、その回転力は減速機構20によって所定の減速比で減速されてスピンドル30に伝達され、スピンドル30が所定の速度で回転駆動される。ここで、スピンドル30とハンマ40とはカム機構によって連結され、スピンドル30が回転駆動されると、その回転はカム機構を介してハンマ40に伝達される。ハンマ40は回転開始後に1/3回転もしないうちにハンマ40の打撃爪46a〜46cがアンビル60の羽根部64a〜64cに当接してアンビル60を回転させる。その際、アンビル60からの係合反力によってスピンドル30とハンマ40との間に相対回転が生ずると、ハンマ40はカム機構のスピンドルカム溝33に沿ってハンマスプリング54を圧縮しながらモータ4側へと後退を始める。そして、ハンマ40の後退動によってハンマ40の打撃爪46a〜46cがアンビル60の羽根部64a〜64cを乗り越えて両者の係合状態が解除されると、ハンマ40は、スピンドル30の回転力に加え、ハンマスプリング54に蓄積されていた弾性エネルギーとカム機構の作用によって回転方向に回転しながら前方に急速に加速される。このようにして打撃動作が行われるが、作業者が工具本体をねじに押しつけている状態である(2)の状態では(1)に比べてビット90の後方への移動量、即ちビットストローク量が3.6mmとなる。これは、移動部材71の細径部63bからの後退分が2.4mmであり、アンビル60のハンマ40側への後退分が1.2mmである。スプリング76の長さはL21に縮んだ状態になる。このハンマ40の後退により、アンビル60の羽根部64a〜64c(図では64cは見えない)と、ハンマ40の打撃爪46a〜46cとの係合量Sが変化するので、離脱トルクも変化することになる。つまり、(1)のようにビット90に対して外力が加わっていない際には、係合量Sが2.4mm程度であるので離脱トルクが小さいが、(2)のようにビット90が図示しないねじに押し当てられて、ビット保持部80も矢印96cの用に後方側に移動している際には係合量Sが3.4mmと増加する。このように係合量Sが(1)の2.4mmから3.4mmになるため、ビット90から強い反力がかからないとハンマ40とアンビル60との離脱が生じないことになり、強い打撃による高出力が期待できる。一方、作業中に工具本体の前方側への押しつけ力が弱くなると、付勢手段70の作用によって係合量Sが3.4mmから減少する方向に作用する。
図7はインパクト工具1を用いたねじ締め状況を説明するための図である。(1)は理想的なねじ締め時の状態である。インパクト工具1では、離脱したハンマ40がアンビル60を打撃する際に、(1)の矢印97aの方向に力が働くことになり、一方、ハンマ40がアンビル60から離脱する際、(2)の矢印97bに示すようにインパクト工具1を後退させる力が働くことになる。このため、作業者は、矢印97aの方向に一定以上の押付荷重を加えて、カムアウトを抑制している。(1)は、インパクト工具1に矢印97aの方向に一定以上の押付荷重を加えた状態を示しており、スプリング76は圧縮状態となっている。一方、(2)は、打撃時の反動、又は、何らかの理由でインパクト工具1が上方に移動してしまい、ビット90の先端側ねじ部93がねじ100のねじ頭101から離れようとする際の状態を示している。ここでは、スプリング76の力により、移動部材71とビット90を2.6mmほど前方側に押し出すことができるので、ビット90はねじ100のねじ頭101に係合した状態を保つことができて、カムアウトを効果的に抑制できる。また、スプリング76に荷重を加えない状態においては、ハンマ40とアンビル60との係合量Sが3.4mmから最大で2.4mmまで低下する。すると、打撃機構を構成するハンマ40とアンビル60の係合が外れるために必要な離脱トルクが低くなるため、ハンマ40による打撃が行われやすくなるので、カムアウトを抑制することができる。よって、本実施例により使い易さを大幅に向上させたねじ締め工具を実現できる。また、カムアウトの発生を抑制するために、ハンマ40を前方に付勢するスプリング76の押圧荷重を小さくする必要がないので、締め付けトルクの高いインパクト工具を実現できる。尚、ハンマ40を前方に付勢するハンマスプリング54の押圧荷重を大きくすると、結果として離脱トルクが高くなってしまう。さらに、付勢手段70の配置スペースは、スピンドル30とアンビル60の内側に設けたので、スピンドル30の直径を従来よりもやや太くする必要があるものの、アンビル60側の直径は従来通りで良く、インパクト工具1が大型化してしまう虞もない。
次に図8を用いて本実施例の第一の変形例を説明する。図8はインパクト工具の付勢手段70Aを改良したものである。付勢手段70A以外の構成は図1〜図7で示した構造と同一であり、同一番号の符号を付している。付勢手段70Aにおいては、前端側に移動部材71が設けられ、後方側に後方部材77が設けられる点は同じであるが、それらの間に1つのスプリングでなく、2つのスプリング76A、79Aを配置した。スプリング76A、79Aの間には金属製のワッシャ78Aが配置される。この際、ワッシャ78Aはアンビル60の後筒部62の開口部に固定する。このようにワッシャ78Aが後筒部62に固定されることによりスプリング76Aはビット90を前方側に付勢するために作用し、スプリング79Aはアンビル60を前方側に付勢するために作用する。ワッシャ78Aの後筒部62の固定は、圧入であっても良いし、溶接や接着であっても良い。スプリング76A、79Aは共に圧縮バネであるが、付勢する対象が異なるため、総巻数、基準荷重、許容荷重が異なるように最適なバネレートを選択すれば良い。このように2つのスプリング76A、79Aを用いることによって、ビット90とアンビル60に対する付勢力を高精度に制御できる。
図9は本実施例の第二の変形例である。図9はインパクト工具の付勢手段70を改良し部品点数を削減したものである。ここでは、図1〜図7で示した構造から後方部材77を省略した。スプリング76Bの前方側の移動部材71は第一の実施例と同一であり、2箇所のフランジ部71b、71cを設ける点、これらの間に弾性部材によるOリング75を装着する点も同じである。この構造ではスピンドル30を前端のスプリング装着孔31b側から後端のサンギヤ収容孔32a側までを貫通せずに中実として、スプリング76Bが当接する規制部34Bを形成する。尚、スプリング76Bの当接部分とスピンドル30Bとの相対回転をスムーズにさせるために、スプリング76Bの後端と規制部34Bの間に金属製の部材、例えばワッシャを介在させるようにしても良い。このようにスピンドルの規制部は、細径の貫通孔(図8の34参照)としても良いし、閉鎖壁(図9の34B参照)としても良い。規制部34Bのように閉鎖壁とするとスピンドル30Bの剛性を高くすることが可能である。
次に図10を用いて本発明の第二の実施例を説明する。第二の実施例では付勢手段によってビット90を付勢するものの、アンビル60に対する付勢を省略したものである。構造的には図8の構成から後方側のスプリング79Aと後方部材77を取り除いた構造と同じになる。ここで用いられるアンビル60とスピンドル30は第一の実施例と同じものである。アンビル60は後端側から前端側まで内側が貫通された略円筒状の軸部分を有し、中央付近には移動部材71の軸方向前方側への移動を規制する細径部63bが形成される。移動部材71の先端側の軸部分が細径部63bを貫通して装着孔63a側にまで延びる。スプリング76Cの後方側はワッシャ78Cによって後筒部62に保持される。ワッシャ78Cはアンビル60の後筒部62によって保持される。スピンドル30の前方側には嵌合孔31aが形成される。ここではスピンドル30として第一の実施例と共通の部品を用いたために、嵌合孔31aの後方にスプリング装着孔31bが形成されるが、スプリング装着孔31bを設けないような構造、即ち、図9で示したような規制部34Bが閉鎖壁のスピンドル30Bを採用しても良い。
図10(2)はビット90を装着した際の状況を示す図である。ビット90の後方の後端側ねじ部95が移動部材71の孔部71aに当接する。移動部材71は後方側からスプリング76Cにより付勢されているためビット90は前方側に移動して金属球69が貫通長穴61cの前端側に移動した状態にある。この際の状態から作業者がビット90を図示しないねじの頭部に位置づけした後に、インパクト工具1を前方側に押しつけると、(3)に示すようにビット90が本体部に対して矢印96aの方向に相対移動する。このときのスプリング76Cの圧縮によるビット90の後退量は最大2.6mmである。このように第2の実施例ではビット90の相対移動をアンビル60内に収容される付勢手段70Cによって実現したので、インパクト工具の改造箇所が少なくて済み、本実施例の構造を実現しやすい。尚、ハンマ40とアンビル60の相対移動によるビット90の後退もあるが、第二の実施例ではハンマ40とアンビル60の間がスプリングによって付勢されていないため、その係合量Sは積極的に変化しない。本実施例の形態は、軸受19bの構造上ハンマ40とアンビル60の相対移動できない場合や、インパクト工具以外の締め付け工具において適用する際に好適な形態である。
図11は本発明の第三の実施例に係るインパクト工具の回転打撃機構を示す縦断面図である。第二の実施例では、アンビル60とビット90の間を付勢するように構成したが、第三の実施例ではビット90に対して付勢せずに、スピンドル30とアンビル60の間だけを付勢手段70Dにより付勢する。アンビル60Dは、円筒状ではなくて従来から広く用いられるアンビル形状に近く、中央に中実部63dが形成され、その後方側に嵌合孔63eが形成される。スピンドル30は第一の実施例と同じ部品である。嵌合孔63eを形成する後筒部62Dは、スピンドル30の嵌合孔31aの内側に係合する。嵌合孔63eはアンビル60Dの後端部から所定の長さだけ窪まれた断面形状が円形の円柱溝であり、その内部に付勢手段70Dのスプリング76Dが配置される。スプリング76Dの後端側にはフランジ部77aが形成された後方部材77が設けられる。
以上のように構成することにより、ビット90のねじ頭101(図7参照)への押しつけ力が弱くなると、スプリング76Dの付勢力によりハンマ40とアンビル60との係合量Sが減るため、ハンマ40とアンビル60の離脱トルクが一時的に低くなるため、打撃が行われやすくなるので、カムアウトの発生を抑制することができる。
図12は本発明の第三の実施例の変形例に係るインパクト工具の回転打撃機構を示す縦断面図である。ここではアンビル160は先端工具(ソケット)が取り付けられる出力軸を形成するものであり、金属の一体品にて製造される。アンビル160の円柱状の軸部の前方側には、先端工具の取付部162が接続され、後方側に3つの羽根部が設けられる。取付部162はいわゆる“四角ドライブ部”とされているもので、軸線A1と直交する断面形状が正方形状に形成されるもので、4つの嵌合面162aを有し、そのうち対向する2つの嵌合面162aの中心を貫通するピン穴162bを形成したものである。アンビル160の後方側に形成された嵌合孔163はアンビル160の後端部からわずかに窪ませた断面形状が円形の円柱溝であり、その内部に付勢手段70Eのスプリング76Eが配置される。スプリング76Eの後端側にはフランジ部77aが形成された後方部材77が設けられる。
以上のように付勢手段70Eを設けたことで、ハンマ40とアンビル160の係合量Sを可変式にすることができ、四角ドライブ部に、プラスビット90を係合できるビットアダプタ(不図示)を取り付けて、ねじ締めを行う際に工具本体の押し付け荷重を小さくすることにより、離脱トルクも小さくすることができ、カムアウトを抑制することができる。尚、ビットアダプタを取り付けずに、四角ドライブ部に、ソケット(不図示)を取り付ければ、ボルト締付を行うこともできる。
本実施例によれば工具本体をねじに対して強く押しつけている際には、アンビルの羽根部とハンマの打撃爪が軸線方向に重なる係合量Sが最大となり、工具本体がねじに対して相対的に後退した場合には、係合量Sが小さくなるので、離脱トルクが小さくなりカムアウトの発生を効果的に抑制することができる。すなわち、高性能化と使い易さの向上を両立することができる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述のハンマ40は3本の打撃爪を配した構成にて説明したが、従来から広く用いられる2本の羽根のアンビルと、2本の打撃爪のハンマを用いるインパクト工具においても同様に適用できる。また、本発明はハンマが正方向と逆方向に交互に回転することによりアンビルを打撃する、いわゆる電子パルス方式のインパクト工具であっても同様に適用できる。さらに、図10に示した第二の実施例の付勢手段70Cは、インパクト工具だけでなくドライバドリル等のその他の締め付け工具にも適用できる。
1…インパクト工具、2…本体ハウジング、2a…胴体部、2b…ハンドル部、2c…拡径部、3…ハンマケース、4…モータ、4a…ロータ、4b…ステータコア、4c…回転軸、5…インバータ回路基板、6…トリガスイッチ、6a…トリガ、7…正逆切替レバー、8…軸受ホルダ、10…バッテリ、11…制御回路基板、12…操作パネル、13…冷却ファン、15…スイッチング素子、16…回転位置検出素子、17…吸気口、19a,19b…軸受、20…減速機構、21…サンギヤ、22…プラネタリーギヤ、23…リングギヤ、24…シャフト、30,30B…スピンドル、31…軸部、31a…嵌合孔、31b…スプリング装着孔、32…後筒部、32a…サンギヤ収容孔、33…スピンドルカム溝、34,34B…規制部、37…取付部、37a〜37c…嵌合穴、38…取付部、38a…嵌合穴、40…ハンマ、44…ハンマカム溝、46a〜46c…打撃爪、51…カムボール、54…ハンマスプリング、55…ワッシャ、60,60D…アンビル、61…出力軸部、61a…細径部、61b…軸部、61c…貫通長穴、61d…溝部、62,62D…後筒部、63a…装着孔、63b…細径部、63c…嵌合孔、63d…中実部、63e…嵌合孔、64a〜64c…羽根部、67…隙間、69…金属球、70,70A〜70E…付勢手段(付勢部材)、71…移動部材、71a…孔部、71b,71c…フランジ部、72a…押圧軸、72b…円筒面、72c…円筒部、75…Oリング、76,76A〜76E…スプリング、77…後方部材、77a…フランジ部、78A,78C…ワッシャ78a,78b…軸部、79A…スプリング、80…ビット保持部、81…スリーブ、81b…凸部、81c…段差部、82…圧縮バネ、83…ワッシャ、84…Cリング、90…ビット、91…軸部、92,94…保持溝、93…先端側ねじ部、95…後端側ねじ部、100…ねじ、101…ねじ頭、110…相手部材、130…スピンドル、140…ハンマ、160…アンビル、162…(羽根部の)取付部、162a…嵌合面、162b…ピン穴、163…嵌合孔、A1…(回転軸の)軸線、

Claims (15)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングに収容されるモータによって回転駆動する回転部材と、
    前方側に打撃部を有し、前記回転部材の径方向外側で前記回転部材の軸方向に移動可能なハンマと、
    前記回転部材と同軸で前記ハンマの前方に設けられ、後方側に前記打撃部によって打撃される被打撃部を有し、前方側に先端工具を保持する先端工具保持部を有するアンビルと、を備えたねじ締め工具であって、
    前記ハウジングに対して前記先端工具又は前記アンビルを前方に付勢する付勢部材を設け、
    前記先端工具と前記アンビルの少なくとも一方を前記ハウジングに対して回転軸方向に移動可能に構成し、
    前記先端工具をねじ部材にかみ合わせた状態で、前記ハウジングが前記ねじ部材から離れる方向に移動した場合、前記付勢部材が前記先端工具又は前記アンビルを前記ねじ部材に向けて付勢するように構成したことを特徴とするねじ締め工具。
  2. 前記先端工具保持部は、前記先端工具を保持するための保持部材が配置され径方向に貫通する穴部を有し、
    前記穴部は回転軸方向に長い長穴で構成されることを特徴とする請求項1に記載のねじ締め工具。
  3. 前記付勢部材は、後端側が前記回転部材によって保持され、前端側が前記先端工具又は前記先端工具保持部に当接することにより前記先端工具又は前記先端工具保持部を前方に付勢することを特徴とする請求項1又は2に記載のねじ締め工具。
  4. 記付勢部材によって、前記先端工具は前記アンビルに対して回転軸方向に移動可能であり、前記アンビルは前記回転部材を構成するスピンドルに対して回転軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のねじ締め工具。
  5. 前記付勢部材は、前記アンビルに対して前記先端工具を前方に付勢し、前記スピンドルに対して前記アンビルを前方に付勢する、又は、前記スピンドルに対して前記先端工具を前方に付勢することを特徴とする請求項4に記載のねじ締め工具。
  6. 前記付勢部材は、次の(1)〜(4)のいずれかのように配置されることを特徴とする請求項4又は5に記載のねじ締め工具。
    (1)回転軸方向における前記スピンドルと前記アンビルとの間であって前記ハンマ又は前記スピンドルの前方側端面よりも後方側に配置される。
    (2)回転軸方向において、前記スピンドル及び前記アンビルと重なるように配置される。
    (3)前記スピンドルと前記ハンマは、前記スピンドルの径方向外側で前記ハンマを回転軸方向に付勢するハンマスプリングを備えたカム機構を介して接続されており、回転軸方向において、前記ハンマスプリングと重なるように配置される。
    (4)回転軸方向において、前記スピンドルと前記アンビルが重なる領域と重複するように配置される。
  7. 前記付勢部材の一端側は、前記ハンマ又は前記スピンドルの前方側端面よりも後方側において前記スピンドルに保持され、
    前記付勢部材の他端側は、前記前方側端面よりも前方側において前記アンビルに保持されていることを特徴とする請求項4からのいずれか一項に記載のねじ締め工具。
  8. 前記付勢部材は回転軸方向に延びて伸縮するスプリングであり、前記スプリングの端部には回転軸方向に移動可能であって前記アンビルに摺動可能に支持される移動部材が接続され、
    前記アンビルは、回転軸方向に貫通する貫通孔を有し、
    前記移動部材は前記貫通孔を介して前記先端工具を押圧することを特徴とする請求項7に記載のねじ締め工具。
  9. 前記移動部材の外周面と前記アンビルの内周面との間に弾性部材を介在させたことを特徴とする請求項8に記載のねじ締め工具。
  10. 前記付勢部材は、全圧縮しない状態で設けられることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のねじ締め工具。
  11. 記アンビルは回転軸方向に移動可能であり、
    前記先端工具を相手部材に押し付けない状態において、前記アンビルは前記付勢部材によって前方に付勢され、
    前記先端工具を相手部材に押し付けた状態において、前記アンビルは前記付勢部材の付勢力に抗して後方に移動し、
    前記先端工具の押し付け状態に応じて、回転軸方向における前記ハンマと前記アンビルとの係合量を変更可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載のねじ締め工具。
  12. 回転軸方向における前記回転部材を構成するスピンドルと前記アンビルとの間であって、前記ハンマ又は前記スピンドルの前方側端面よりも後方側に前記付勢部材を設けたことを特徴とする請求項11に記載のねじ締め工具。
  13. 記アンビルは円筒状であって内部に内径が小さく制限された規制部を有し、
    前記アンビルの内部であって前記規制部の後方側から先端工具の後端部に当接する前記規制部よりも細径の当接部と、前記規制部に当接することにより回転軸方向前方側の移動を制限するための制限部と、を有する移動部材を設け、
    前記移動部材を後方側から付勢するスプリングを設け、
    前記スプリングの後端は前記回転部材を構成するスピンドルによって保持されることを特徴とする請求項1に記載のねじ締め工具。
  14. 前記アンビルの後端側と前記スピンドルの前端側は径方向に重なり可能な円筒状に形成され、
    前記スプリングは、回転軸方向にみて前記スピンドルの前端位置よりもスピンドル側及びアンビル側に延びるように配置されることを特徴とする請求項13に記載のねじ締め工具。
  15. 前記スピンドルの前記円筒状部分の後端側には、前記スプリングを保持するものであって閉鎖又は内径が小さく制限された当接部が形成され、
    前記スプリングの後端側に、前記当接部と接するベース部材を設けたことを特徴とする請求項14に記載のねじ締め工具。
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