本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態による起伏部材1が用いられたクレーン10の全体構成を示す。このクレーン10は、図1に示すように、クレーン本体12と、起伏部材1を含む作業装置13と、を備える。
クレーン本体12は、下部走行体20と、上部旋回体22と、を備える。下部走行体20は、左右のクローラ24を備える。下部走行体20は、これらのクローラ24の作動により地盤上を走行する。下部走行体20は、クローラ24に代えて複数のホイールを有するものでもよい。上部旋回体22は、垂直軸回りに旋回可能となるように下部走行体20に搭載される。
上部旋回体22は、図略の旋回モータにより旋回駆動されるアッパーフレーム26を有する。このアッパーフレーム26上に作業装置13が搭載されている。
作業装置13は、吊り作業を行うための装置である。作業装置13は、起伏部材1と、ブーム起伏装置30と、ジブ駆動装置32と、を含む。
起伏部材1は、クレーン本体12に起伏可能に取り付けられ、その先端から吊荷を吊るものである。この起伏部材1は、ブーム34と、ブームフットピン35と、ジブ36と、左右一対のジブフットピン38と、左右一対の内抱ピン40(図2参照)と、を有する。
ブーム34は、アッパーフレーム26の前部に起伏可能に、具体的にはブームフットピン35を中心に回動可能に、取り付けられる。図1に示されるブーム34は、複数の棒材を含むラチス構造を有し、その長手方向に並ぶ複数の部分に分割可能なものである。しかし、本発明ではブームの具体的な構造を問わない。ブーム34は、ブームフットピン35を介してアッパーフレーム26に起伏可能に支持される基端部41と、その反対側の先端部42とを有する。
ジブ36は、ブーム34の幅方向、すなわち上部旋回体22の前後方向に直交する幅方向に延びる軸回りに回動可能にブーム34の先端部42に連結される。換言すれば、ジブ36は、ブーム34の回動の軸、すなわちブームフットピン35の軸心と平行な軸回りに回動可能にブーム34の先端部42に取り付けられる。ジブ36は、ブーム34と同様、複数の棒材を含むラチス構造を有し、且つ、当該ジブ36の長手方向に並ぶ複数の部分に分割可能である。しかし、本発明におけるジブは、このような構造を有するものに限定されない。
ジブ36は、ブーム34の先端部42に連結される基端部43と、その反対側の先端部44とを有する。先端部44には、回転可能なトップシーブ45が設けられ、当該トップシーブ45から吊り荷ロープ46を介して吊り用のフック部材48が垂下される。吊り荷ロープ46は、アッパーフレーム26に搭載された図略の吊り荷用ウインチの駆動によって巻上げ及び巻下げ方向に駆動される。
ジブ36は、その回動により、図1に示される張出姿勢、すなわち、ブーム34の腹面50から大きく離間するように前方から上方へ張り出した姿勢と、内抱姿勢、すなわち図1に二点鎖線で示されるようにブーム34の腹面50に近接して当該腹面50に沿うようにブーム34に対して折り返された姿勢、とをとり得る。ブーム34の腹面50は、ブーム34が倒伏したときに下を向く面である。
ジブ36は、ブーム34に対して張出し方向と内抱き方向とに回動可能となっている。張出し方向は、ジブ36がブーム34から前方又は上方へ張り出す向きの回動方向であり、ブーム34の腹面50に対してジブ36が離れる方向である。すなわち、張出し方向は、ジブ36を内抱姿勢から張出姿勢へ移行させる回動方向である。ジブ36は、ブーム34に対して張出し方向に回動することにより、吊り作業の範囲を拡張する。また、内抱き方向は、張出し方向と反対の回動方向であり、ジブ36がブーム34の腹面50へ接近する方向である。すなわち、内抱き方向は、ジブ36を張出姿勢から内抱姿勢へ移行させる回動方向である。
ジブ36が内抱姿勢から張出姿勢へ移行するとき及び張出姿勢から内抱姿勢へ移行するときには、ブーム34の先端部42に対するジブ36の基端部43の連結形態が変化するようになっている。具体的には、ブーム34の先端部42とジブ36の基端部43との連結箇所がジブ36の姿勢に応じて変更されるようになっている。このブーム34の先端部42とジブ36の基端部43との連結構造の詳細については後述する。
ブーム起伏装置30は、ブーム34を起伏させるための装置である。ブーム起伏装置30は、図略の起伏用ウインチ、下部スプレッダ53、上部スプレッダ54、ガイライン56等を含む。下部及び上部スプレッダ53,54は複数のシーブの集合体である。下部スプレッダ53はアッパーフレーム26上に立設されたガントリ58の頂部に設けられ、上部スプレッダ54はガイライン56を介してブーム34の先端の近傍の特定部位に接続される。起伏用ウインチからはウインチロープ60が引き出され、このウインチロープ60は下部及び上部スプレッダ53,54間に掛渡される。起伏用ウインチは、ウインチロープ60の巻取り及び巻出しによって下部スプレッダ53と上部スプレッダ54との間の距離を変え、これによりブーム34を起伏方向に動かす。
なお、本発明においてブームを起伏させるための具体的な手段は問わない。当該手段は、例えば、上部旋回体に回動可能に設置されるマストを含むものでもよい。
ジブ駆動装置32は、ブーム34に対してジブ36を回動させるための装置である。ジブ駆動装置32は、図略のジブ駆動ウインチ、上部及び下部スプレッダ61,62、フロント及びリアストラット63,64等を含む。上部及び下部スプレッダ61,62は、複数のシーブの集合体である。下部スプレッダ62は、ブーム34の背面66すなわち前記腹面50と反対側の面に取付けられている。フロント及びリアストラット63,64は、それぞれ、ブーム34の先端部42に回動可能に連結される基端と、ロッド67を介して互いに連結される先端と、を有する。上部スプレッダ61は、ガイライン68を介して前記リアストラット64の先端に接続されている。フロントストラット63の先端は、ガイライン69を介してジブ36の先端部44に連結されている。ジブ駆動ウインチからはウインチロープ70が引き出され、このウインチロープ70は上部スプレッダ61と下部スプレッダ62との間に掛渡される。ジブ駆動ウインチは、ウインチロープ70の巻取り及び巻出しによって下部スプレッダ62と上部スプレッダ61との間の距離を変え、これによりフロント及びリアストラット63,64を回動させ、さらにはジブ36を回動させる。
本発明に係るジブを回動させるための具体的な手段も限定されない。例えば、ジブ駆動装置は、本実施形態のようにフロント及びリアストラットを含むものに限られず、単一のストラットのみを含むものであってもよい。また、フロント及びリアストラットの先端同士は前記のようにロッドを介して連結されているものに限定されず、それらの先端同士の間にロープが掛渡されたものでもよい。また、ロープがフロント及びリアストラットの各々の長手方向の中間部を通るように配索されたものでもよい。また、ジブ駆動ウインチは、ブームの下部、ガントリ、又は、上部旋回体に設置されてもよい。また、上部旋回体に別途設けられたマストにジブ駆動ウインチが設置されてもよい。また、ジブ駆動ウインチから引き出されたウインチロープがストラットやマスト等を介さずにジブに直接接続され、そのジブ駆動ウインチによるウインチロープの巻取り及び巻出しによってジブを回動させてもよい。また、以上のような種々のジブ駆動装置に関する構成において、ウインチロープとジブとを繋ぐ部材にスプレッダが含まれていてもよい。
次に、ブーム34の先端部42とジブ36の基端部43との連結構造について具体的に説明する。
ブーム34の先端部42は、ジブ36が張出姿勢をとるときにジブ36の基端部43を支持する左右一対の第1支持部74(図1、図6及び図7参照)と、ジブ36が内抱姿勢をとるときにジブ36の基端部43を支持する左右一対の第2支持部75(図1、図2及び図8参照)とを有する。また、ジブ36の基端部43は、ジブ36が張出姿勢をとるときにブーム34の一対の第1支持部74によって支持される左右一対の第1被支持部77(図5〜図7参照)と、ジブ36が内抱姿勢をとるときにブーム34の一対の第2支持部75によって支持される左右一対の第2被支持部78(図2、図3及び図8参照)とを有する。すなわち、ジブ36が張出姿勢をとるときにはブーム34の先端部42の第1支持部74とジブ36の基端部43の第1被支持部77とが連結され、ジブ36が内抱姿勢をとるときにはブーム34の先端部42の第2支持部75とジブ36の基端部43の第2被支持部78とが連結される。
第1支持部74は、ブーム34の先端部42の中で最も先端に配置されている。なお、ブーム34の先端部42において第1支持部74が配置される位置は、必ずしも当該先端部42の最先端に限定されるものではない。すなわち、第1支持部74は、ブーム34の先端部42においてその最先端以外の位置に配置されてもよい。各第1支持部74は、ジブフットピン38を介してジブ36の基端部43を回動可能に支持する。各第1支持部74は、一定の厚みを有する平板状をなし、その板厚方向がブーム34の幅方向(図7では上下方向、図1及び図3〜図6では紙面奥行方向)と平行になる向きで配置されている。
各第1支持部74には、ジブ36が内抱ピン40を中心として張出し方向へ回動するときに当該ジブ36に取り付けられたジブフットピン38を受け入れて保持する一方、ジブ36が内抱ピン40を中心として内抱き方向へ回動するときにジブフットピン38の離脱を許容する第1凹部80が設けられている。
各第1支持部74は、第1凹部80でジブフットピン38を保持することにより、ジブ36の基端部43がジブフットピン38を中心としてブーム34の先端部42に対して回動可能となるようにジブ36の基端部43をジブフットピン38を介して支持する。各第1支持部74は、ジブフットピン38の軸心がブーム34の幅方向と平行になるように当該ジブフットピン38を支持する。第1凹部80は、第1支持部74を板厚方向に貫通するとともにブーム34の先端側の端縁で開口している。第1凹部80は、ジブフットピン38の外周面にほぼ隙間なくフィットする円弧状の内周面を有する。
第1被支持部77は、ジブ36の基端部43の中で最も基端に配置されている。各第1被支持部77は、ジブフットピン38を介してブーム34の第1支持部74によって回動可能に支持される。各第1被支持部77は、左右一対の第1アーム81を含む。
各第1アーム81は、一定の厚みを有する平板状をなし、その板厚方向がジブ36の幅方向と平行となる向きで配置されている。すなわち、各第1被支持部77の一対の第1アーム81は、互いに平行な姿勢を有する。各第1アーム81には、ジブフットピン38が挿通される第1挿通孔82が設けられている。
第1挿通孔82は、各第1アーム81をその板厚方向、すなわちジブ36の長手方向と直交する幅方向に平行な方向に貫通している。各第1アーム81に設けられた第1挿通孔82にジブフットピン38が挿通され、それによって左右の各第1被支持部77に個別のジブフットピン38が取り付けられる。各第1被支持部77に取り付けられたジブフットピン38は、その軸心がジブ36の幅方向と平行になるように配置される。各第1被支持部77の一対の第1アーム81同士の間には、ブーム34の第1支持部74を受け入れることが可能な空間が確保されている。
各第1被支持部77の一対の第1アーム81同士の間の空間に第1支持部74が挿入され、且つ、第1挿通孔82に挿通されたジブフットピン38が第1支持部74の第1凹部80に嵌め込まれることによって、ジブ36の第1被支持部77は、ブーム34の第1支持部74をジブフットピン38の軸心方向の両側から挟み込んだ状態で、ジブフットピン38を中心として回動可能となるように、第1支持部74に連結される。
第2支持部75は、ブーム34の長手方向及び幅方向の両方に直交する方向においてブーム34の腹面50よりも外側へ突出している。各第2支持部75は、内抱ピン40を介してジブ36の基端部43を回動可能に支持する。各第2支持部75は、一定の厚みを有する平板状をなし、その板厚方向がブーム34の幅方向(図8では上下方向、図2〜図6では紙面奥行方向)と平行になる向きで配置されている。
各第2支持部75には、ジブ36がジブフットピン38を中心として張出姿勢から内抱き方向へ回動するときに当該ジブ36に取り付けられた内抱ピン40を受け入れて保持する一方、ジブ36がジブフットピン38を中心として張出し方向へ回動するときに内抱ピン40の離脱を許容する第2凹部84が設けられている。
各第2支持部75は、第2凹部84で内抱ピン40を保持することにより、ジブ36の基端部43が内抱ピン40を中心としてブーム34の先端部42に対して回動可能となるようにジブ36の基端部43を内抱ピン40を介して支持する。各第2支持部75は、内抱ピン40の軸心がブーム34の幅方向と平行になるように当該内抱ピン40を支持する。第2凹部84は、第2支持部75を板厚方向に貫通するとともにブーム34の先端側の端縁で開口している。第2凹部84は、内抱ピン40の外周面にほぼ隙間なくフィットする円弧状の内周面を有する。
第2被支持部78は、ジブ36の基端部43のうち第1被支持部77よりもジブ36の先端部44側の位置でジブ36の幅方向及び長手方向に対して直交する方向に突出するように設けられている。各第2被支持部78は、内抱ピン40を介してブーム34の第2支持部75によって回動可能に支持される。各第2被支持部78は、左右一対の第2アーム85を含む。
各第2アーム85は、一定の厚みを有する平板状をなし、その板厚方向がジブ36の幅方向と平行となる向きで配置されている。すなわち、各第2被支持部78の一対の第2アーム85は、互いに平行な姿勢を有する。各第2アーム85には、内抱ピン40が挿通される第2挿通孔86が設けられている。
第2挿通孔86は、各第2アーム85をその板厚方向、すなわちジブ36の幅方向と平行な方向に貫通している。各第2アーム85に設けられた第2挿通孔86に内抱ピン40が挿通され、それによって左右の各第2被支持部78に個別の内抱ピン40が取り付けられる。各第2被支持部78に取り付けられた内抱ピン40は、その軸心がジブ36の幅方向と平行になるように配置される。各第2被支持部78の一対の第2アーム85同士の間には、ブーム34の第2支持部75を受け入れることが可能な空間が確保されている。
各第2被支持部78の一対の第2アーム85同士の間の空間に第2支持部75が挿入され、且つ、第2挿通孔86に挿通された内抱ピン40が第2支持部75の第2凹部84に嵌め込まれることによって、ジブ36の第2被支持部78は、ブーム34の第2支持部75を内抱ピン40の軸心方向の両側から挟み込んだ状態で、内抱ピン40を中心として回動可能となるように、第2支持部75に連結される。
第1凹部80の内周面がなす円弧の中心O1と第2凹部84の内周面がなす円弧の中心O2との間の直線距離は、第1挿通孔82に挿通されたジブフットピン38の軸心C1と第2挿通孔86に挿通された内抱ピン40の軸心C2との間の間隔に等しい。これにより、第2挿通孔86に挿通されるとともに第2凹部84に嵌め込まれた内抱ピン40を中心としてジブ36が張出し方向へ回動するときの第1挿通孔82に挿通されたジブフットピン38の移動軌跡P1(図3参照)上に第1凹部80が配置されている。また、第1挿通孔82に挿通されるとともに第1凹部80に嵌め込まれたジブフットピン38を中心としてジブ36が内抱き方向へ回動するときの第2挿通孔86に挿通された内抱ピン40の移動軌跡P2(図6参照)上に第2凹部84が配置されている。
第1凹部80の開口はジブフットピン38の前記移動軌跡P1上で開口しており、内抱ピン40を中心としたジブ36の回動に伴ってジブフットピン38がこの開口を通って第1凹部80に出入可能となっている。また、第2凹部84の開口は内抱ピン40の前記移動軌跡P2上で開口しており、ジブフットピン38を中心としたジブ36の回動に伴って内抱ピン40がこの開口を通って第2凹部84に出入可能となっている。
また、起伏部材1は、ジブ36が張出姿勢をとったときにジブフットピン38が第1凹部80から離脱するのを阻止するための第1阻止機構88と、ジブ36が内抱姿勢をとったときに内抱ピン40が第2凹部84から離脱するのを阻止するための第2阻止機構89とを有する。
第1阻止機構88は、ジブ36の基端部43の第1被支持部77に着脱可能に設けられた第1抜止部91と、ブーム34の先端部42の第1支持部74に設けられた第1拘束部92とによって構成される。
第1抜止部91は、各第1被支持部77の一対の第1アーム81に着脱可能に設けられた一対の第1抜止ピン93を有する。第1アーム81は、第1挿通孔82が設けられた箇所よりもジブ36の基端側に突出した部分を有し、この部分をその板厚方向(ジブ36の幅方向)に貫通するように挿通孔が設けられている。この挿通孔に対して挿脱可能に第1抜止ピン93が挿通される。
第1抜止ピン93は、円柱状をなし、第1アーム81に取り付けられた状態で、当該第1抜止ピン93の軸心が第1アーム81の板厚方向と平行、すなわち第1挿通孔82に挿通されるジブフットピン38の軸心と平行になるように配置される。一対の第1抜止ピン93は、一対の第1アーム81からそれらの間の空間へ突出し、互いの間に第1支持部74を受け入れることが可能な隙間を残して互いに対向するように配置される。第1支持部74がジブフットピン38を介して第1被支持部77に連結された状態で、一対の第1抜止ピン93は、第1支持部74をジブフットピン38の軸心方向の両側から挟み込む状態で配置される。第1抜止ピン93は、ジブフットピン38を中心としたジブ36の回動に伴って、ジブフットピン38からそのジブフットピン38の径方向外側へ離れた位置でジブフットピン38の軸心C1を中心とした第1円弧A1(図4参照)に沿って移動する。
第1拘束部92は、前記第1円弧A1に沿った第1抜止ピン93の移動を許容しつつ、第1凹部80に嵌ったジブフットピン38が当該第1凹部80の開口を通って当該第1凹部80から離脱する方向へのジブ36の基端部43の変位を阻止するように第1抜止ピン93を前記第1円弧A1の径方向内側から拘束するものである。換言すれば、第1拘束部92は、第1抜止ピン93が第1凹部80側へ変位するのを阻止する。
第1支持部74は、ブーム34の幅方向外側を向く外側面74aと、ブーム34の幅方向内側を向く内側面74bとを有する。第1拘束部92は、第1支持部74の外側面74aと内側面74bとにそれぞれ設けられている。以下、外側面74aに設けられた第1拘束部92を外側の第1拘束部92と称し、内側面74bに設けられた第1拘束部92を内側の第1拘束部92と称する。
外側の第1拘束部92は外側面74aからブーム34の幅方向外側へ突出し、内側の第1拘束部92は内側面74bからブーム34の幅方向内側へ突出している。外側及び内側の第1拘束部92は、第1凹部80の円弧状の内周面に沿うように設けられている。各第1拘束部92は、それらが設けられた第1支持部74の各側面から突出する板体又はブロックからなる。外側の第1拘束部92は外側面74aに溶接され、内側の第1拘束部92は内側面74bに溶接されている。
各第1拘束部92は、第1抜止部91の第1抜止ピン93を拘束する第1拘束面92aを有する。第1拘束面92aは、第1拘束部92のうち第1凹部80の内周面の径方向において外側を向く端面であり、第1凹部80の円弧状の内周面に沿った円弧状の曲面である。換言すれば、第1拘束面92aは、第1凹部80の内周面がなす円弧の中心O1と同心の円弧状をなす。第1抜止ピン93は、ジブフットピン38が第1凹部80に嵌った状態でジブ36が回動するときに第1拘束面92aの外側で当該第1拘束面92aに近接しながら又は当該第1拘束面92aに接触しながら円弧状の当該第1拘束面92aに沿って移動する。第1拘束面92aは、前記第1円弧A1の径方向内側から第1抜止ピン93に接触し、第1抜止ピン93が第1凹部80側へ移動しようとするときにはその第1抜止ピン93の移動を阻止する。これにより、ジブフットピン38が第1凹部80の開口を通って第1凹部80から離脱する方向へのジブ36の基端部43の変位が阻止されるようになっている。
また、第1拘束面92aは、第1凹部80にジブフットピン38が保持され且つ第2凹部84に内抱ピン40が保持された両保持状態(図4参照)で、第1抜止ピン93に前記第1円弧A1の径方向内側から接触して当該径方向内側から第1抜止ピン93を拘束しつつ、内抱ピン40を中心とした内抱き方向へのジブ36の回動に伴う第1抜止ピン93の移動を許容するように構成されている。これにより、ジブ36が前記両保持状態から内抱ピン40を中心として内抱き方向へ回動するときには、その回動が第1拘束面92aによる第1抜止ピン93の拘束によって阻害されず、第1凹部80からのジブフットピン38の離脱が許容されるようになっている。
また、各第1拘束部92は、ストッパ92bを有する。ストッパ92bは、第1拘束面92aのうちジブフットピン38が第1凹部80に嵌り込んで最初に第1抜止ピン93を拘束する端部と反対側の端部に設けられており、第1拘束面92aから突出している。ストッパ92bは、第1抜止ピン93が第1拘束面92aの端部まで移動したときにその第1抜止ピン93に当接し、それ以上の第1抜止ピン93の移動を阻止するものである。このストッパ92bにより、第1抜止ピン93が第1拘束面92aに沿って移動しすぎて第1拘束面92aから外れるのが阻止される。
第2阻止機構89は、ジブ36の基端部43の第2被支持部78に着脱可能に設けられた第2抜止部96と、ブーム34の先端部42の第2支持部75に設けられた第2拘束部97とによって構成される。
第2抜止部96は、各第2被支持部78の一対の第2アーム85に着脱可能に設けられた一対の第2抜止ピン98を有する。第2抜止ピン98は、第1抜止ピン93と同様のものである。第2アーム85のうち第2挿通孔86の径方向外側の位置で当該第2アーム85の端縁に近接した位置に、当該第2アーム85をその板厚方向(ジブ36の幅方向)に貫通する挿通孔が設けられており、この挿通孔に対して挿脱可能に第2抜止ピン98が挿通される。
第2抜止ピン98は、円柱状をなし、第2アーム85に取り付けられた状態で、当該第2抜止ピン98の軸心が第2アーム85の板厚方向と平行、すなわち第2挿通孔86に挿通される内抱ピン40の軸心と平行になるように配置される。一対の第2抜止ピン98は、一対の第2アーム85からそれらの間の空間へ突出し、互いの間に第2支持部75を受け入れることが可能な隙間を残して互いに対向するように配置される。第2支持部75が内抱ピン40を介して第2被支持部78に連結された状態で、一対の第2抜止ピン98は、第2支持部75を内抱ピン40の軸心方向の両側から挟み込む状態で配置される。第2抜止ピン98は、内抱ピン40を中心としたジブ36の回動に伴って、内抱ピン40からその内抱ピン40の径方向外側へ離れた位置で内抱ピン40の軸心C2を中心とした第2円弧A2(図3参照)に沿って移動する。
第2拘束部97は、前記第2円弧A2に沿った第2抜止ピン98の移動を許容しつつ、第2凹部84に嵌った内抱ピン40が当該第2凹部84の開口を通って当該第2凹部84から離脱する方向へのジブ36の基端部43の変位を阻止するように第2抜止ピン98を前記第2円弧A2の径方向内側から拘束するものである。換言すれば、第2拘束部97は、第2抜止ピン98が第2凹部84側へ変位するのを阻止する。
第2支持部75は、ブーム34の幅方向外側を向く外側面75aと、ブーム34の幅方向内側を向く内側面75bとを有する。第2拘束部97は、第2支持部75の外側面75aと内側面75bとにそれぞれ設けられている。以下、外側面75aに設けられた第2拘束部97を外側の第2拘束部97と称し、内側面75bに設けられた第2拘束部97を内側の第2拘束部97と称する。
外側の第2拘束部97は外側面75aからブーム34の幅方向外側へ突出し、内側の第2拘束部97は内側面75bからブーム34の幅方向内側へ突出している。外側及び内側の第2拘束部97は、第2凹部84の円弧状の内周面に沿うように設けられている。各第2拘束部97は、それらが設けられた第2支持部75の各側面から突出する板体又はブロックからなる。外側の第2拘束部97は外側面75aに溶接され、内側の第2拘束部97は内側面75bに溶接されている。
各第2拘束部97は、第2抜止部96の第2抜止ピン98を拘束する第2拘束面97aを有する。第2拘束面97aは、第2拘束部97のうち第2凹部84の内周面の径方向において外側を向く端面であり、第2凹部84の円弧状の内周面に沿った円弧状の曲面である。換言すれば、第2拘束面97aは、第2凹部84の内周面がなす円弧の中心O2と同心の円弧状をなす。第2抜止ピン98は、内抱ピン40が第2凹部84に嵌った状態でジブ36が回動するときに第2拘束面97aの外側で当該第2拘束面97aに近接しながら又は当該第2拘束面97aに接触しながら円弧状の当該第2拘束面97aに沿って移動する。第2拘束面97aは、前記第2円弧A2の径方向内側から第2抜止ピン98に接触し、第2抜止ピン98が第2凹部84側へ移動しようとするときにはその第2抜止ピン98の移動を阻止する。これにより、内抱ピン40が第2凹部84の開口を通って第2凹部84から離脱する方向へのジブ36の基端部43の変位が阻止されるようになっている。
また、第2拘束面97aは、第1凹部80にジブフットピン38が保持され且つ第2凹部84に内抱ピン40が保持された両保持状態(図4参照)で、第2抜止ピン98に前記第2円弧A2の径方向内側から接触して当該径方向内側から第2抜止ピン98を拘束しつつ、ジブフットピン38を中心とした張出し方向へのジブ36の回動に伴う第2抜止ピン98の移動を許容するように構成されている。これにより、ジブ36が前記両保持状態からジブフットピン38を中心として張出し方向へ回動するときには、その回動が第2拘束面97aによる第2抜止ピン98の拘束によって阻害されず、第2凹部84からの内抱ピン40の離脱が許容されるようになっている。
また、前記両保持状態では、第1拘束部92の第1拘束面92aが前記第1円弧A1の径方向内側から第1抜止ピン93を拘束し、且つ、第2拘束部97の第2拘束面97aが前記第2円弧A2の径方向内側から第2抜止ピン98を拘束するようになっている。すなわち、第1凹部80、第2凹部84、第1抜止ピン93、第2抜止ピン98、第1拘束部92及び第2拘束部97の配置及び形状が、前記両保持状態で第1抜止ピン93が第1拘束部92の第1拘束面92aに掛かり且つ第2抜止ピン98が第2拘束部97の第2拘束面97aに掛かるように設定されている。これにより、ジブ36が内抱姿勢から張出姿勢へ移行する過程及び張出姿勢から内抱姿勢へ移行する過程で、第1抜止ピン93が第1拘束面92aに掛かる状態と第2抜止ピン98が第2拘束面97aに掛かる状態の少なくとも一方の状態が必ず形成されるようになっており、ブーム34からのジブ36の脱落防止の確実性が高められている。
次に、ブーム34に対するジブ36の内抱姿勢での取付作業と、その取付作業によって取り付けたジブ36が張出姿勢へ至る回動動作及びジブ36が張出姿勢から内抱姿勢へ至る回動動作について説明する。
ブーム34に対するジブ36の取り付け時には、倒伏させたブーム34の下にジブ36を略水平となる姿勢でブーム34に沿うように配置する。この時、ジブ36の基端部43がブーム34の先端部42の下に位置し、ジブ36の先端部44がブーム34の基端部41側に位置するようにジブ36を配置する。
ジブ36の各第2挿通孔86には内抱ピン40をそれぞれ挿通し、ジブ36の各第1挿通孔82にはジブフットピン38をそれぞれ挿通する。また、各第1アーム81の第1抜止用挿通孔94には第1抜止ピン93をそれぞれ挿通し、各第2アーム85の第2抜止用挿通孔99には第2抜止ピン98をそれぞれ挿通する。
その後、ジブ36の各第2被支持部78の一対の第2アーム85間にブーム34の各第2支持部75を挿入しつつ各内抱ピン40を各第2凹部84に嵌め込む。これにより、倒伏したブーム34に対し、ジブ36が内抱姿勢で連結される。また、このとき、ジブ36の幅方向外側の第2抜止ピン98(以下、外側の第2抜止ピン98と称する)を外側の第2拘束部97に掛けるとともに、ジブ36の幅方向内側の第2抜止ピン98(以下、内側の第2抜止ピン98と称する)を内側の第2拘束部97に掛ける。
その後、ブーム起伏装置30によりブーム34をブームフットピン35を中心として起立方向へ回動させるとともに、ジブ駆動装置32によりジブ36を内抱ピン40を中心として張出し方向へ回動させる。このジブ36の回動に伴い、図3及び図4に示すように、外側の第2抜止ピン98は外側の第2拘束部97の第2拘束面97aに沿って移動し、内側の第2抜止ピン98は内側の第2拘束部97の第2拘束面に沿って移動する。このとき、内抱ピン40が第2凹部84の開口を通って第2凹部84から離脱する方向へのジブ36の変位を生じさせるような外力等がジブ36に付加される場合であっても、その方向へのジブ36の変位は、外側の第2抜止ピン98が外側の第2拘束部97によって拘束されるとともに内側の第2抜止ピン98が内側の第2拘束部97によって拘束されることによって阻止される。このため、内抱ピン40を中心としたジブ36の張出し方向への回動中に第2凹部84から内抱ピン40が離脱するのが阻止される。
前記のジブ36の回動により、ジブフットピン38が図4に示すようにブーム34の第1凹部80の開口を通って当該第1凹部80に嵌り込む。このとき、ジブ36の幅方向外側の第1抜止ピン93(以下、外側の第1抜止ピン93と称する)が外側の第1拘束部92に掛かるとともに、ジブ36の幅方向内側の第1抜止ピン93(以下、内側の第1抜止ピン93と称する)が内側の第1拘束部92に掛かる。この時点で、各第2抜止ピン98はまだ第2拘束部97に掛かっている。
第1凹部80に嵌り込んだジブフットピン38は、第1凹部80の円弧状の内周面に当たってそれ以上先へ進めなくなる一方、この内周面に対して摺接しつつ当該ジブフットピン38の軸心回りに回転可能となるように当該第1凹部80に保持される。その結果、ジブ36の回動の中心が内抱ピン40からジブフットピン38に移行し、その後、ジブ36は図5に示すようにジブフットピン38を中心として張出し方向へ回動する。このとき、内抱ピン40は、第2凹部84の開口を通って第2凹部84から離脱する。
ジブ36がジブフットピン38を中心として張出し方向へ回動するとき、外側の第1抜止ピン93は外側の第1拘束部92の第1拘束面92aに沿って移動し、内側の第1抜止ピン93は内側の第1拘束部92の第1拘束面に沿って移動する(図5及び図6参照)。このとき、ジブフットピン38が第1凹部80の開口を通って第1凹部80から離脱する方向へのジブ36の変位を生じさせるような外力等がジブ36に付加される場合であっても、その方向へのジブ36の変位は、外側の第1抜止ピン93が外側の第1拘束部92によって拘束されるとともに内側の第1抜止ピン93が内側の第1拘束部92によって拘束されることによって阻止される。このため、ジブフットピン38を中心としたジブ36の張出し方向への回動中に第1凹部80からジブフットピン38が離脱するのが阻止される。
以上のようなジブ36の回動動作により、ジブ36が内抱姿勢から張出姿勢へ移行する。
次に、ジブ36が張出姿勢から内抱姿勢へ移行するときには、図6のようにジブフットピン38が第1凹部80に嵌った状態で、ジブ駆動装置32によりジブ36をジブフットピン38を中心として内抱き方向へ回動させる。このジブ36の回動時には、前記したジブ36の張出し方向への回動時と同様、ジブフットピン38が第1凹部80の開口を通って第1凹部80から離脱する方向へのジブ36の変位は、外側の第1抜止ピン93が外側の第1拘束部92によって拘束されるとともに内側の第1抜止ピン93が内側の第1拘束部92によって拘束されることによって阻止される。このため、ジブフットピン38を中心としたジブ36の内抱き方向への回動中に第1凹部80からジブフットピン38が離脱するのが阻止される。
その後、ジブ36の回動が進み、内抱ピン40がブーム34の第2凹部84の開口を通って当該第2凹部84に嵌り込む(図4参照)。このとき、外側の第2抜止ピン98が外側の第2拘束部97に掛かるとともに、内側の第2抜止ピン98が内側の第2拘束部97に掛かる。この時点で、各第1抜止ピン93はまだ第1拘束部92に掛かっている。
第2凹部84に嵌り込んだ内抱ピン40は、第2凹部84の円弧状の内周面に当接してそれ以上先へ進めなくなる一方、この内周面に対して摺接しつつ当該内抱ピン40の軸心回りに回転可能となるように当該第2凹部84に保持される。その結果、ジブ36の回動の中心がジブフットピン38から内抱ピン40に移行し、その後、ジブ36は内抱ピン40を中心として内抱き方向へ回動する。このとき、ジブフットピン38は、第1凹部80の開口を通って第1凹部80から離脱する。
ジブ36が内抱ピン40を中心として内抱き方向へ回動するときには、前記したジブ36の張出し方向への回動時と同様、内抱ピン40が第2凹部84の開口を通って第2凹部84から離脱する方向へのジブ36の変位は、外側の第2抜止ピン98が外側の第2拘束部97によって拘束されるとともに内側の第2抜止ピン98が内側の第2拘束部97によって拘束されることによって阻止される。このため、内抱ピン40を中心としたジブ36の内抱き方向への回動中に第2凹部84から内抱ピン40が離脱するのが阻止される。
以上のようなジブ36の回動動作により、ジブ36が張出姿勢から内抱姿勢へ移行する。
本実施形態では、従来の起伏部材のようなリンク機構を用いることなく、ブーム34とジブ36の連結を維持しながらジブ36の内抱姿勢から張出姿勢への移行及び張出姿勢から内抱姿勢への移行を可能とするブーム34とジブ36の連結構造が構成されている。
具体的に、ジブ36の内抱姿勢から張出姿勢への移行過程及び張出姿勢から内抱姿勢への移行過程においてジブ36が第1凹部80に保持されたジブフットピン38を中心として回動するときには、第1拘束部92が第1抜止ピン93を前記第1円弧A1の径方向内側から拘束することにより、ジブフットピン38が第1凹部80から離脱する方向へのジブ36の変位が阻止され、ジブフットピン38を介したブーム34の先端部42とジブ36の基端部43との連結を維持できる。また、前記移行過程においてジブ36が第2凹部84に保持された内抱ピン40を中心として回動するときには、第2拘束部97が第2抜止ピン98を前記第2円弧A2の径方向内側から拘束することにより、内抱ピン40が第2凹部84から離脱する方向へのジブ36の変位が阻止され、内抱ピン40を介したブーム34の先端部42とジブ36の基端部43との連結を維持できる。従って、本実施形態による起伏部材1では、従来の起伏部材のようなリンク機構を用いることなく、ブーム34とジブ36の連結を維持しながらジブ36の内抱姿勢から張出姿勢への移行及び張出姿勢から内抱姿勢への移行を可能とすることができる。
従来の起伏部材でジブとブームの連結に用いられるリンク機構は比較的大型で且つ大重量の多数のリンク部材やそのリンク部材をジブとブームに連結するための多数の連結部材を構成要素として含むため、ジブとブームの連結構造が複雑化するとともに重量が増大するが、本実施形態では、このようなリンク機構を用いず、比較的小型で軽量であり且つリンク機構の構成部材に比べて少数の第1抜止ピン93、第1拘束部92、第2抜止ピン98及び第2拘束部97によってリンク機構と同様の機能を得ることができるため、従来の起伏部材に比べてジブとブームの連結構造を簡素化でき且つ軽量化できる。
また、本実施形態の構成では、従来のリンク機構を用いた起伏部材のような多数のリンク部材のジブ及びブームへの取付作業が不要となり、ジブとブームの連結のための作業負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、第1凹部80にジブフットピン38が保持され且つ第2凹部84から内抱ピン40が離脱した状態では、第1拘束部92が第1抜止ピン93を前記第1円弧A1の径方向内側から拘束する一方、第2拘束部97による前記第2円弧A2の径方向内側からの第2抜止ピン98の拘束が解除される。このため、当該状態において、第1凹部80からのジブフットピン38の離脱を阻止してそのジブフットピン38を介したブーム34とジブ36の連結を維持しつつ、そのジブフットピン38を中心としたジブ36の回動が第2拘束部97による第2抜止ピン98の拘束によって阻害されるのを回避できる。
また、本実施形態では、第1凹部80からジブフットピン38が離脱し且つ第2凹部84に内抱ピン40が保持された状態では、第1拘束部92による前記第1円弧A1の径方向内側からの第1抜止ピン93の拘束が解除される一方、第2拘束部97が第2抜止ピン98を前記第2円弧A2の径方向内側から拘束する。このため、当該状態において、第2凹部84からの内抱ピン40の離脱を阻止してその内抱ピン40を介したブーム34とジブ36の連結を維持しつつ、その内抱ピン40を中心としたジブ36の回動が第1拘束部92による第1抜止ピン93の拘束によって阻害されるのを回避できる。
また、本実施形態の構成では、円弧状の第1拘束面92aをもつ板体又はブロックからなる第1拘束部92と第1抜止ピン93といった簡素な部材によって、第1凹部80にジブフットピン38が保持されたときにそのジブフットピン38を中心としたジブの回動を許容しつつ、第1凹部80からのジブフットピン38の離脱を阻止することが可能な構造を得ることができる。
また、本実施形態の構成では、円弧状の第2拘束面97aをもつ板体又はブロックからなる第2拘束部97と第2抜止ピン98といった簡素な部材によって、第2凹部84に内抱ピン40が保持されたときにその内抱ピン40を中心としたジブ36の回動を許容しつつ、第2凹部84からの内抱ピン40の離脱を阻止することが可能な構造を得ることができる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されない。本発明は、例えば下記のように、それ以外の態様を含むことが可能である。
起伏部材は、第1抜止部が第1拘束部に掛かったことを検出する第1検出装置と、第2抜止部が第2拘束部に掛かったことを検出する第2検出装置を備えていてもよい。これらの検出装置は、例えば近接スイッチを用いたものであってもよい。すなわち、第1検出装置は、近接スイッチにより第1抜止部が第1拘束部の第1拘束面に接触又は近接したことを検出するものであってもよい。また、第2検出装置は、近接スイッチにより第2抜止部が第2拘束部の第2拘束面に接触又は近接したことを検出するものであってもよい。
この構成によれば、第1抜止部が第1拘束部に掛かったことを第1検出装置によって検出できるため、第1抜止部と第1拘束部によって第1凹部からのジブフットピンの離脱が阻止される状態になっているか否かを確認できる。また、第2抜止部が第2拘束部に掛かったことを第2検出装置によって検出できるため、第2抜止部と第2拘束部によって第2凹部からの内抱ピンの離脱が阻止される状態になっているかを確認できる。
前記実施形態では、ジブの基端部に設けられた第1抜止部が第1抜止ピンであり、ブームの先端部に設けられた第1拘束部が板体又はブロックからなるが、この構成は逆であってもよい。すなわち、ジブの基端部に板体又はブロックからなる第1抜止部を設け、ブームの先端部に円柱状の抜止ピンからなる第1拘束部を設けてもよい。
また、前記実施形態では、ジブの基端部の設けられた第2抜止部が第2抜止ピンであり、ブームの先端部に設けられた第2拘束部が板体又はブロックからなるが、この構成は逆であってもよい。すなわち、ジブの基端部に板体又はブロックからなる第2抜止部を設け、ブームの先端部に円柱状の抜止ピンからなる第2拘束部を設けてもよい。
また、前記の構成において、円柱状の抜止ピンの代わりに円柱状とは異なる形状の部材を用いてもよい。例えば、抜止部として、拘束部の拘束面と線接触もしくは面接触する板状やブロック状の部材を用いてもよい。また、抜止部が拘束部の拘束面と面接触する板状やブロック状の部材である場合には、拘束面に接触する抜止部の接触面は拘束面の円弧に沿った円弧状(扇状)をなすものであってもよい。