以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお以下では、図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的には繰返さないものとする。
図1は、本発明の実施の形態に従うエネルギ表示装置が適用されるエネルギシステムの構成例を示すブロック図である。
図1を参照して、エネルギシステム100は、ユーザインタフェースのためのリモートコントロール装置200(以下、単に「リモコン200」とも称する)へのユーザ入力に応じて制御される。以下の説明で明らかになるように、図1に例示されたエネルギシステム100は、コージェネレーションシステムとして構成されている。
エネルギシステム100は、ガスエンジンで構成される熱源機25と、熱源機25からの動力によって運転される発電機20と、ソーラ電池パネル26とを備える。すなわち、エネルギシステム100は、複数の発電要素を有する。ソーラ電池パネル26による発電電力は、パワーコンディショナ27によって、系統電源と同等の交流電力に変換された後、屋内分電盤28に送られる。発電機20は、作動時には、系統電源と同等の交流電力を屋内分電盤28へ送出する。
屋内分電盤28は、家屋内の各所へ電力を分配する。発電機20およびパワーコンディショナ27から屋内分電盤28へ出力された発電電力よりも、屋内分電盤28から家屋内へ供給される消費電力が大きい場合には、不足分の電力が系統電源より買電される。反対に、発電電力が消費電力よりも大きい場合には、太陽光発電による発電電力のうち、余剰分の電力が系統電源へ売電される。売電量および買電量は、電力量計29aによって計測される。
エネルギシステム100は、さらに、熱交換器を有する加熱装置21と、貯湯タンク22と、補助熱源機23と、コントローラ24とを備える。
加熱装置21は、熱源機25からの排熱を利用した熱交換によって、入水を加熱することによって温水を生成する。加熱装置21で生成された温水は貯湯タンク22に貯留される。補助熱源機23は、たとえば、ガス燃焼方式の熱源機によって構成される。貯湯タンク22に貯留された温水は、補助熱源機23によって加熱され、または加熱されることなく所定温度に調整されて、一般給湯用に用いられる。エネルギシステム100への入水量は、水量計29cによって計測される。また、熱源機25および補助熱源機23における燃料ガスの消費量は、ガス流量計29bによって計測される。
エネルギシステム100の各部の動作は、リモコン200へのユーザ指示(運転オン/オフおよび温度設定、時刻設定等)に従ってエネルギシステム100が動作するように、コントローラ24によって制御される。コントローラ24は、代表的には、マイクロコンピュータによって構成される。
また、電力量計29a、ガス流量計29b、および水量計29cからの各種エネルギの使用量あるいは売買量のデータは、このコントローラ24に送信される。なお、補助熱源機23をガス燃焼方式の熱源機とした場合、そのガス消費量をガス流量計29bで計測させることは可能であるが、必ずしもこれに限定されず、たとえば湯水加熱に要した熱量や燃料ガスの発熱量に基づいて演算する手法を用いることも可能である。
したがって、コントローラ24は、電力量計29a、ガス流量計29b、および水量計29cによる計測値に基づいて、上述の「エネルギ処理状況に関するデータ」を取得することができる。
リモコン200は、たとえば台所や浴室の壁面に固定されて使用される壁掛け方式のものであり、樹脂製の筐体(図示せず)に格納されて構成される。すなわち、リモコン200は複数個配置されてもよい。
リモコン200は、制御部210と、スピーカ213と、マイク214と、通信部220と、操作部230と、表示部300とを含む。
制御部210は、代表的にはマイクロコンピュータによって構成されて、リモコン200の各部の動作制御やデータ処理を実行する。通信部220は、エネルギシステム100のコントローラ24(図1)との間でデータ通信を実行するように構成される。
表示部300は、ユーザが視認できる態様で情報やデータを表示するために、液晶パネルあるいは有機ELパネルなどを用いて構成される。後述するように、表示部300は、所定部位におけるユーザの押圧動作を認識可能に構成できるタッチパネルによって構成されることが好ましい。表示部300における表示内容は、制御部210によって制御される。
操作部230は、ユーザ指示を入力するための操作スイッチ(図示せず)を含んで構成される。操作部230は、上記タッチパネル上に操作ボタンの態様で表示された所定領域を含む。
スピーカ213は、制御部210から指令された音声データや音楽データを出力する。これにより、ユーザが聴認される情報を出力できる。また、マイク214およびスピーカ213を用いて、複数のリモコン200間でユーザ同士の会話が可能となる。
なお、エネルギシステム100のコントローラ24および/またはリモコン200の制御部210には、現在日時などを検知するためのカレンダ・クロック(図示せず)がさらに設けられる。
制御部210は、表示部300を利用したデータ表示を制御することができる。これにより、タッチパネルを含む操作部230のスイッチ操作などに基づいて、所定の期間におけるエネルギ消費量や発電量などの「エネルギ処理状況に関するデータ」を表示部300に表示することができる。すなわち、本実施の形態では、リモコン200によって「エネルギ表示装置」が構成される。
特に、本実施の形態に従うエネルギ表示装置では、ユーザによって選択可能な特定期間における「エネルギ処理状況に関するデータ」を、表示画面のグラフ表示エリアにグラフ表示する。エネルギ表示装置はさらに、当該特定期間の一部期間における「エネルギ処理状況に関するデータ」に関連する数値情報を、当該グラフ表示されている表示画面に数値表示する。
以下では、当該特定期間における「エネルギ処理状況に関するデータ」を、単に、「特定データ」とも称する。また、当該一部期間における「エネルギ処理状況に関するデータ」を、単に、「部分データ」とも称する。すなわち、本実施の形態に従うエネルギ表示装置は、特定データのグラフ表示とともに、当該グラフ表示と同一画面に、部分データに関連する数値情報の数値表示を行なうように構成される。
本実施の形態において、「部分データに関連する数値情報」とは、「部分データを示す数値」、「一部期間を示す数値」および「部分データを変換した数値」の少なくとも1つである。すなわち、部分データに関連して1個の数値情報が存在する場合と、部分データに関連して複数の数値情報が存在する場合とがある。
制御部210は、上記データ表示に必要となる、電力などのエネルギの量を料金に換算するためのデータや、過去のエネルギ消費量のデータなどの種々のデータを記憶している。これらのデータは、コントローラ24から通信によって取得することができる。あるいは、制御部210は、コントローラ24を介さずに、電力量計29a、ガス流量計29b、および水量計29cとの直接の通信によって、これらのデータを取得することも可能である。
また、これらのデータはエネルギシステム100のコントローラ24に記憶されてもよい。この場合には、データ表示のための制御部210からの要求に応じて、コントローラ24から制御部210へ通信部220を経由しでデータが送信される。
次に、本実施の形態に従うエネルギ表示装置を構成するリモコン200の構成例について説明する。図2は、図1におけるリモコン200の前面図である。
図2を参照して、リモコン200の筐体201の前面部には、表示部300および操作部230が設けられる。
操作部230は、表示画面310上に操作ボタンの態様で表示された所定領域を含む。操作部230はさらに、操作スイッチ230a〜230fを含む。メニュースイッチ230aは、エネルギシステム100の動作条件(たとえば、目標給湯温度)などを設定変更するために操作される。エネルギスイッチ230bは、エネルギ消費量などのエネルギ処理状況を確認するために操作される。十字方向スイッチ230dは、選択項目の切替えに用いられる。具体的には、十字方向スイッチ230dの上下左右の各所(以下、上位置、下位置、左位置、右位置という)を押圧することにより、表示画面310に表示されている選択対象項目を上下左右に切替えることが可能に構成される。OKスイッチ230eは、十字方向スイッチ230dを用いた選択項目の切替えを確定するために操作される。操作ボタン230fは、所定の動作を実行させるために用いられる。
次に、本実施の形態に従うエネルギ表示装置におけるデータ表示について、表示部300に表示される画面の具体例を挙げて説明する。なお、図2は、表示部300に表示画面310が表示された状態を示している。表示画面310は、特定データのグラフ表示と、部分データに関連する数値情報の数値表示とを同一画面に表示するものである。
ユーザは、表示画面310上で横方向に配列された複数のタブに選択的にタッチすることによって、特定データにおけるデータ項目を選択することができる。以下、本実施の形態ではユーザがタブ303を選択することによって、エネルギシステム100での「使用電力量」が特定データにおけるデータ項目に選択されている場合の画面例を説明する。図2の例では、「エネルギ処理状況に関するデータ」として、上記使用電力量の他に、系統電源に対する売電電力量、系統電源からの買電電力量、燃料ガスの使用量、エネルギシステム100からのCO2排出量、エネルギシステム100への入水量、ソーラ電池パネル26による発電量等を選択可能である。
ユーザはさらに、表示画面上310で縦方向に配列された複数のタブ301,302にタッチすることによって、特定期間を選択することができる。図2の例では、タブ302を選択することによって、特定期間が「昨日」(たとえば、6月22日)に選択されている。なお、図示は省略するが、タブ301を選択することによって、特定期間が「今日」(たとえば、6月23日)に選択される。なお、特定期間の期間長として、上記「日」の他、「月」、「年」等を選択可能である。
図2では、表示画面310には、特定データD1に相当する、昨日(6月22日)の使用電力量が、グラフ表示される。たとえば、6月22日における使用電力量を1時間毎にさらに細分化した内訳データを示すグラフG1によって、棒グラフの態様で特定データD1が表示される。すなわち、グラフG1において、棒グラフを構成する複数本の棒の各々は、各時間における使用電力量を示す。以下の説明では、グラフG1が表示されているエリアを、グラフ表示エリアとも称する。
図2の状態で、ユーザは、グラフG1上の複数本の棒の中から1本の棒を選択することによって、特定データD1の中から、特定期間(昨日)の一部期間のデータである部分データD2を選択することができる。
部分データD2は、特定データD1を1時間毎に細分化した内訳データの1つに相当する。図2のように、たとえば、特定期間の期間長が「日」である場合、一部期間の期間長を「時間」とすることができる。特定期間の期間長が「月」である場合、一部期間の期間長を「日」とすることができる。また、特定期間の期間長が「年」である場合、一部期間の期間長を「月」とすることができる。
図2の例では、当該一部期間が、「12〜13時」に選択されている。この場合において、昨日(6月22日)の12〜13時における使用電力量が、部分データD2となる。特定データD1から部分データD2を選択する方法(第1の選択手段)については後述する。
なお、昨日の12〜13時における使用電力量が部分データD2に選択されていることをユーザに認識させるべく、グラフG1において、12〜13時における使用電力量を示す棒を強調表示させることが好ましい。図2の例では、12〜13時における使用電力量を示す棒の表示色を、その他の棒の表示色とは異ならせている。強調表示には、表示色の変更の他に、表示輝度の変更や点灯表示などが適用可能である。
この結果、部分データD2に相当する、昨日の12〜13時における使用電力量に関連する数値情報N2が、グラフG1と同一画面に、数値表示される。図2の例では、数値情報N2として、当該使用電力量を料金に換算した値(たとえば、20円)が数値表示されている。
上記数値表示では、表示される数値情報N2が部分データD2に関連するものであることをユーザに認識させるべく、グラフ表示エリア内において、数値情報N2を部分データD2の周辺に表示することが好ましい。図2の例では、部分データD2から吹出した態様の数値画像I2を表示画面310に表示させている。ただし、上記数値表示は、グラフ表示エリア内の空きスペース(たとえば、各棒の上方領域)を用いて行なうことが好ましい。数値画像I2が棒グラフの一部の棒を覆うことでグラフ表示の視認性が低下することを防ぐためである。
ここで、「部分データD2に関連する数値情報N2」としては、上記のように、「部分データD2を料金に換算した値」の他に、「部分データD2を示す数値」、「一部期間を示す数値」等を含めることが可能である。図2の例では、数値情報N2として、「昨日の12〜13時における使用電力量を料金に換算した値」(たとえば、20円)、「昨日の12〜13時における使用電力量」(たとえば、60kWh)、および、「昨日の12〜13時」を含めることができる。そして、これらの数値情報の中から少なくとも1つを選択して表示画面310に数値表示することができる。数値表示する数値情報N2を選択する方法(第2の選択手段)については後述する。
このように、特定データのグラフ表示と同一画面に、部分データに関連する数値情報の数値表示を行なうことにより、ユーザは、表示画面310上で、特定データの時間的推移と、部分データに関連する数値情報とを同時に取得することができる。これにより、ユーザは、部分データの数値情報を取得するために、特定データがグラフ表示された表示画面(以下、グラフ表示画面とも称する)を、当該数値情報を数値表示するための表示画面(以下、数値表示画面とも称する)に切替えるための操作が不要となる。したがって、データ表示におけるユーザの利便性を向上させることができる。
なお、図2の例では、ユーザは、表示画面310上で、特定期間における使用電力量の時間的推移を取得するとともに、当該特定期間の一部期間における電気料金を取得することができる。そのため、使用電力量を表示するためのグラフ表示画面と、電気料金を表示するための数値表示画面とを切替えるための操作が不要となる。
(部分データD2の選択方法)
次に、特定データD1の中から部分データD2を選択する手段(第1の選択手段)の具体的方法について説明する。部分データD2の選択は操作部230を用いて行なうことができる。以下では、操作スイッチ230d,230eを用いて部分データD2を選択する方法(図3参照)、および、タッチパネルを用いて部分データD2を選択する方法(図4参照)を例示して説明する。
図3は、本実施の形態に従うエネルギ表示装置におけるデータ表示の第1の画面例を示す図である。
図3(a),(b)に示される表示画面310は、表示部300に表示される。図3(b)を参照して、ユーザは、十字方向スイッチ230dおよび決定スイッチ230eを操作することによって、部分データD2を選択することができる。
図3(a)に示される表示画面310は、図2に示した表示画面310と同様である。すなわち、図3(a)に示される表示画面310には、特定データD1に相当する、昨日(6月22日)の使用電力量が、棒グラフの態様からなるグラフG1によって、グラフ表示されている。図3(a)の例では、部分データD2が、昨日(6月22日)の12〜13時における使用電力量に選択されている。そして、当該部分データD2に関連する数値情報N2に相当する、当該使用電力量を料金に換算した値(たとえば、20円)を数値表示するための数値画像I2が、表示画面310に表示されている。
図3(a)の状態で、ユーザは、十字方向スイッチ230dの左右の各所を押圧することによって、部分データD2を切替えることができる。たとえば、ユーザが十字方向スイッチ230dの左位置を押圧する毎に、一部期間は、12〜13時よりも早い時間に1時間ずつ切替わる。一方、ユーザが十字方向スイッチ230dの右位置を押圧する毎に、一部期間は、12〜13時よりも遅い時間に1時間ずつ切替わる。これにより、ユーザは、12〜13時よりも早い時間、または、12〜13時よりも遅い時間における使用電力量を、部分データD2に選択することができる。
なお、ユーザが十字方向スイッチ230dを押圧することによって部分データD2が切替わると、グラフG1上において強調表示される棒も切替わる。したがって、ユーザは、表示画面310上で確認しながら、所望の部分データD2を選択することができる。そして、所望の部分データD2を選択した後に、決定スイッチ230eを押圧することにより、当該選択を確定することができる。
図3(b)の例では、十字方向スイッチ230dの左位置が1回押圧された後に決定スイッチ230eが押圧されたことによって、部分データD2が、昨日(6月22日)の11〜12時における使用電力量に選択されている。したがって、表示画面310には、当該部分データD2に関連する数値情報N2に相当する、当該使用電力量を料金に換算した値(たとえば、18円)を数値表示するための数値画像I2が表示されている。
図4は、本実施の形態に従うエネルギ表示装置におけるデータ表示の第2の画面例を示す図である。
図4に示される表示画面320は、表示部300に表示される。表示画面320には、特定データD1に相当する、昨日(6月22日)の使用電力量が、棒グラフの態様からなるグラフG1によって表示されている。
表示画面320上には、部分データD2を選択するためのアイコン304,305がさらに設けられる。ユーザがアイコン304を操作する毎に、一部期間が切替わる。たとえば、ユーザがアイコン304を1回操作する毎に、一部期間が1時間ずつ切替わる。
あるいは、ユーザがアイコン304を操作すると、表示画面320上に、2次元に配列された複数のキーを含むテンキーを表示する構成としてもよい。この場合、ユーザは、当該テンキーにより所望の時間を入力することによって、当該時間における使用電力量を部分データD2に選択することができる。
ユーザがアイコン304を操作することによって部分データD2が切替わると、グラフG1上において強調表示される棒も切替わる。したがって、ユーザは、表示画面320上で確認しながら、所望の部分データD2を選択することができる。そして、所望の部分データD2を選択した後に、アイコン305を押圧することにより、当該選択を確定することができる。
図4の例では、部分データD2が、昨日(6月22日)の12〜13時における使用電力量に選択されている。そして、当該部分データD2に関連する数値情報N2に相当する、当該使用電力量を料金に換算した値(たとえば、20円)を数値表示するための数値画像I2が、表示画面320に表示されている。
なお、図4では、表示画面320上に、部分データD2を選択するためのアイコン304,305を設ける構成について説明したが、グラフG1(棒グラフ)を構成する複数本の棒の各々を、部分データD2を選択するためのアイコンとして機能させることも可能である。この場合、ユーザは、表示画面320上で横方向に配列された複数本の棒に選択的にタッチすることによって、部分データD2を選択することができる。このとき、グラフG1上において、ユーザがタッチした棒は強調表示(表示色または表示輝度の変更、点灯表示など)される。したがって、ユーザは、表示画面320上で確認しながら、所望の部分データD2を選択することができる。
(表示レンジの変更)
図5は、本実施の形態に従うエネルギ表示装置におけるデータ表示の第3の画面例を示す図である。
図5(a)に示される表示画面310は、表示部300に表示される。表示画面310には、特定データD1に相当する、昨日(6月22日)の使用電力量が、棒グラフの態様からなるグラフG1によって、グラフ表示されている。図5(a)の例では、部分データD2が、昨日(6月22日)の18〜19時における使用電力量に選択されている。そして、当該部分データD2に関連する数値情報N2に相当する、当該使用電力量を料金に換算した値(たとえば、30円)を数値表示するための数値画像I2が、表示画面310に表示されている。
図5(a)に示されるように、グラフ表示エリア内に部分データD2と数値画像I2とを並べて表示すると、棒グラフを構成する各棒の高さによっては、数値画像I2がグラフG1の一部分と重なってしまう場合がある。そのため、グラフG1が見難くなり、却ってユーザの利便性を損なってしまう可能性がある。
そこで、数値画像I2がグラフG1と重なる場合には、グラフG1の表示レンジを変更することが好ましい。図5(a)の例では、数値画像I2がグラフG1の各棒と重ならないように、グラフG1の表示レンジの数値を大きくする。表示レンジの数値を大きくすることによって、図5(b)に示されるように、棒グラフを構成する各棒の高さが、相対的な比率を維持しながら、短くなる。したがって、グラフG1が表現する使用電力量の時間的推移が損なわれることがない。この結果、ユーザは、グラフ表示から特定データの時間的推移を取得するとともに、部分データに関連する数値情報を取得することができる。
(数値情報の選択)
次に、部分データD2に関連する複数の数値情報の中から、数値表示する数値情報N2を選択する手段(第2の選択手段)の具体的方法について説明する。数値情報N2の選択は、操作部230を用いて行なうことができる。以下では、操作スイッチ230d,230eを用いて数値情報N2を選択する方法(図6参照)、および、タッチパネルを用いて数値情報N2を選択する方法(図示せず)を例示して説明する。
図6は、本実施の形態に従うエネルギ表示装置におけるデータ表示の第4の画面例を示す図である。
図6(a)〜(c)に示される表示画面310は、表示部300に表示される。図6(c)を参照して、ユーザは、十字方向スイッチ230dおよび決定スイッチ230eを操作することによって、数値情報N2を選択することができる。
図6(a)に示される表示画面310は、図2に示した表示画面310と同様である。すなわち、図6(a)に示される表示画面310には、特定データD1に相当する、昨日(6月22日)の使用電力量が、棒グラフの態様からなるグラフG1によって、グラフ表示されている。図6(a)の例では、部分データD2が、昨日(6月22日)の12〜13時における使用電力量に選択されている。そして、当該部分データD2に関連する数値情報N2に相当する、「使用電力量を料金に換算した値」(たとえば、20円)を数値表示するための数値画像I2が、グラフ表示エリア内に表示されている。
図6(a)の状態で、ユーザは、十字方向スイッチ230dの上下の各所を押圧することによって、数値情報N2を切替えることができる。たとえば、ユーザが十字方向スイッチ230dの上位置を押圧すると、表示画面310は図6(b)の状態に切替えられる。
図6(b)を参照して、表示画面310には、図6(a)と同様のグラフG1が表示されるとともに、部分データD2に関連する数値情報N2として、部分データD2を示す数値に相当する、「昨日(6月22日)の12〜13時における使用電力量」(たとえば、60kWh)が数値表示されている。
一方、図6(a)の状態で、ユーザが十字方向スイッチ230dの下位置を押圧すると、表示画面310は図6(c)の状態に切替えられる。
図6(c)を参照して、表示画面310には、図6(a)と同様のグラフG1が表示されるとともに、部分データD2に関連する数値情報N2として、一部期間を示す数値に相当する、「(昨日の)12〜13時」が数値表示されている。
ユーザは、表示画面310上で確認しながら、所望の数値情報N2を選択することができる。そして、所望の数値情報N2を選択した後に、決定スイッチ230eを押圧することにより、当該選択を確定することができる。
上述した数値情報N2の選択は、タッチパネルを用いて行なうこともできる。たとえば、数値画像I2を、数値情報N2を選択するためのアイコンとして機能させることも可能である。この場合、ユーザは、数値画像I2をアイコンとして操作する毎に、数値情報N2が切替わる。たとえば、図6(a)の状態でユーザが数値画像I2を1回操作すると、表示画面310は、図6(b)の状態に切替えられる。図6(b)の状態でユーザが数値画像I2をさらに1回操作すると、表示画面310は、図6(c)の状態に切替えられる。このようにして、ユーザは、表示画面310上で確認しながら、所望の数値情報N2を選択することができる。
なお、図6では、操作部230を用いて数値情報N2を選択する構成を示したが、複数の数値情報を時間的に切替えて数値表示する構成とすることもできる。すなわち、数値表示される数値情報N2は、所定の時間間隔で自動的に切替えられる。図6の例では、表示画面310が、図6(a)の状態、図6(b)の状態および図6(c)の状態の間で時間的に切替えられる。
また、図6では、複数の数値情報の中から選択された1つの数値情報N2を数値表示するときの表示例を示したが、図7に示されるように、当該複数の数値情報を一括して数値表示することもできる。図7には、本実施の形態に従うエネルギ表示装置におけるデータ表示の第5の画面例が示される。
図7を参照して、表示画面310には、特定データD1に相当する、昨日(6月22日)の使用電力量が、棒グラフの態様からなるグラフG1によって、グラフ表示されている。図7の例では、部分データD2が、昨日(6月22日)の12〜13時における使用電力量に選択されている。
表示画面310にはさらに、部分データD2に関連する数値情報N2に相当する、「使用電力量を料金に換算した値」(たとえば、20円)、「昨日の12〜13時における使用電力量」(たとえば、60kWh)、および「(昨日の)12〜13時」が数値表示されている。図7の例では、これら3つの数値表示を上下方向に並べた数値画像I2が、グラフG1内に表示されている。数値画像I2は、これに限定されず、たとえば3つの数値表示を左右方向に並べることを可能である。なお、数値画像I2がグラフG1と重なる場合には、図5と同様に、グラフG1の表示レンジを変更することが好ましい。
(数値情報の表示態様)
図2〜図7では、数値情報N2の表示態様として、部分データD2から吹出した態様の数値画像I2を表示画面310に表示させる例を説明したが、図8に示されるように、グラフ表示エリアの空きスペースの予め定められた位置に、数値画像I2を表示することもできる。図8には、本実施の形態に従うエネルギ表示装置におけるデータ表示の第6の画面例が示される。図8の例では、数値画像I2は、略矩形形状を有する枠内に数値を配置した構成となっている。数値画像I2は、グラフG1の縦軸の周辺の空きスペースに表示されている。
以上説明したように、本実施の形態に従うエネルギ表示装置によれば、特定データがグラフ表示されている表示画面上において、特定データの一部データに関連する数値情報が数値表示されるため、データ表示におけるユーザの利便性を向上させることができる。
また、数値表示を、グラフ表示エリアの空きスペースを用いて行なうことで、グラフ表示の視認性を低下することを防ぐことができる。また、数値表示を行なうための新たなスペースが不要となるため、表示画面が大型化することがない。
さらに、数値情報を表す数値画像がグラフ表示の一部分と重ならないように、グラフ表示の表示レンジを変更することによっても、上述した効果を維持することができる。
[変形例]
上記の実施の形態では、棒グラフの態様でグラフ表示された特定データD1の中から部分データD2を選択し、部分データD2に関連する数値情報N2を数値表示するときの表示例について説明したが、特定データD1のグラフ表示の態様はこれに限定されない。以下では、本実施の形態の変形例として、折れ線グラフの態様でグラフ表示された特定データD1の中から部分データD2を選択し、部分データD2に関連する数値情報N2を数値表示するときの表示例について説明する。
図9は、本実施の形態の変形例に従うエネルギ表示装置の表示部300に表示画面330が表示された状態を示している。表示画面330は、特定データD1のグラフ表示と、部分データD2に関連する数値情報N2の数値表示とを同一画面に表示するものである。
ユーザは、表示画面330上で横方向に配列された複数のタブに選択的にタッチすることによって、表示されるデータ項目を選択することができる。以下、本変形例ではユーザがタブ308を選択することによってエネルギシステム100での「光熱量」が表示対象に選択されている場合の画面例を説明する。図8の例では、「エネルギ処理状況に関するデータ」として、上記光熱量の他に、系統電源に対する売電電力量、系統電源からの買電電力量、燃料ガスの使用量、エネルギシステム100への入水量等を選択可能である。
さらに、表示画面上330で縦方向に配列された複数のタブ306,307にタッチすることによって特定期間を選択することができる。図9の例では、タブ307を選択することによって、特定期間が「先月」(たとえば、2015年5月)に選択されている。なお、図示は省略するが、タブ306を選択することによって、特定期間が「今月」(たとえば、2015年6月)に選択される。
図9では、表示画面330には、特定データD1に相当する、先月(2015年5月)の光熱量が、グラフ表示される。たとえば、先月における光熱量を1日毎にさらに細分化した内訳データを示すグラフG2によって、折れ線グラフの態様で特定データD1が表示される。すなわち、グラフG2において、折れ線グラフを構成する複数の点の各々は、各日(1日〜末日)における光熱量を示す。
図9の状態で、ユーザは、グラフG2上の複数の点の中から1点を選択することによって、特定データD1の中から、特定期間(先月)の一部期間(日間)のデータである部分データD2を選択することができる。図9の例では、当該一部期間が、「5月10日」に選択されている。この場合において、2015年5月10日における光熱量が、部分データD2となる。
特定データD1から部分データD2を選択する方法(第1の選択手段)については、図3と同様に、操作スイッチ230d,230eを用いて行なうことができる。または、図4と同様に、表示画面330上に設けられた、部分データD2を選択するためのアイコン(図示せず)を操作することによって行なうことができる。あるいは、グラフG2(折れ線グラフ)を構成する複数の点の各々を、部分データD2を選択するためのアイコンとして機能させることも可能である。この場合、ユーザは、表示画面330上で複数の点に選択的にタッチすることによって、部分データD2を選択することができる。
本変形例においても、5月10日における光熱量が部分データD2に選択されていることをユーザに認識させるべく、グラフG2において、5月10日における光熱量を示す点を強調表示させることが好ましい。図9の例では、5月10日における光熱量を示す点の表示サイズを、その他の点の表示サイズとは異ならせている。強調表示には、表示サイズの変更の他に、表示色または表示輝度の変更や点灯表示などが適用可能である。
この結果、部分データD2に相当する、9月10日における光熱量に関連する数値情報N2が、グラフG2と同一画面に、数値表示される。図9の例では、数値情報N2として、当該光熱量(たとえば、15000円)が数値表示されている。
上記数値表示では、表示される数値情報N2が部分データD2に関連するものであることをユーザに認識させるべく、グラフ表示エリア内において、数値情報N2を部分データD2と並べて表示することが好ましい。図9の例では、部分データD2から吹出した態様の数値画像I2を表示画面330に表示させている。
図6に示した表示画面310と同様に、図9に示す表示画面330においても、部分データD2に関連する複数の数値情報の中から、数値表示させる数値情報N2を選択することができる。また、図7に示した表示画面310と同様に、部分データD2に関連する複数の数値情報を一括して数値表示することも可能である。
これにより、実施の形態の変形例に従うエネルギ表示装置においても、実施の形態に従うエネルギ表示装置と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態およびその変形例が適用される、エネルギシステム100およびリモコン200の構成(図1および図2)は例示に過ぎず、本発明は適用されるシステムの構成に特に限定することなく、「エネルギ処理状況に関するデータ」の表示に共通に適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。