JP6637625B2 - 構造体の余寿命を推定する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、構造体の余寿命を推定する方法に関するものである。
材料が破断するまで荷重を材料に対して繰り返し加え、材料の疲労限度を示すS−N曲線を取得する方法が知られている。S−N曲線を取得するためには、多数の試験片を用意し、回転曲げ疲労試験装置などの疲労試験装置を用いて試験片の疲労試験を行う。回転曲げ疲労試験装置は、重りを用いて試験片に曲げ荷重を加えつつモータを用いて試験片を回転させる装置である。
図10はS−N曲線を示す図である。図10において、横軸は試験片が破断するまで負荷される荷重の繰り返し数を示しており、縦軸は試験片に発生する応力[MPa]を示している。図10に示す複数の点は材料が破断したときの応力と、そのときの荷重の繰り返し数とを示している。
特開2010−223957号公報 特開2012−163420号公報 特開2013−250114号公報
図10に示すようなS−N曲線を取得するためには、多数の試験片を用意し、それぞれの試験片が破断するまで繰り返し荷重を試験片に加える必要がある。したがって、試験片の疲労限度を推定するためには、最低でも6〜8回の疲労試験を行う必要がある。さらに、試験片の疲労限度を求めるためには、各試験片はおよそ10回の負荷に耐えられる必要があり、試験片の回転速度を3000min−1としても3日程度を要する。このような試験をすべて完了し、S−N曲線を作成するためには、数週間程度を要し、人的、金銭的なコストがかかってしまう。
また、得られたS−N曲線から、応力と繰り返し荷重の回数との関係は分かるが、材料の寿命を判断することは難しく、特に、現場に既に設置されている構造体の余寿命を推定することは難しかった。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、材料の疲労特性を簡易に評価する方法を提供する。また、本発明は、構造体の余寿命を推定することができる方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一実施形態は、試験片が破断するまで該試験片に荷重を繰り返し加えながら、前記試験片の温度を測定し、前記試験片の温度の上昇率の変化点を決定し、前記荷重を前記試験片に加え始めたときから前記変化点が現れるまでの時間と、前記荷重を前記試験片に加え始めたときから前記試験片が破断するまでの時間との比の値を算出し、前記試験片と同じ材料から構成された構造体の温度を測定し、前記構造体の温度の上昇率の変化点を検出し、前記検出された変化点から前記構造体の余寿命を推定することを特徴とする方法である。
本発明の一参考例は、材料に荷重を繰り返し加えることで前記材料に応力を生じさせながら、前記材料の温度変化量を取得し、前記材料に加える荷重を変えながら、前記温度変化量を取得する工程を複数回繰り返して、複数の応力についての前記温度変化量の時間変化を取得し、同一の時点において、前記複数の応力にそれぞれ対応する複数の温度変化量を取得し、前記複数の温度変化量と、前記複数の応力とから特定される座標系上の複数のデータ点を2つのグループに分割し、前記2つのグループに属する前記データ点に線形回帰を実行して、2つの回帰式を作成し、前記複数の温度変化量と、前記複数の応力を前記2つの回帰式に代入して得られた複数の数値との残差の合計を算出し、グループに属する前記データ点の組み合わせを変えながら、前記データ点の2つのグループへの分割、前記2つの回帰式の作成、および前記残差の合計の算出を繰り返し、前記残差の合計が最小となる2つのグループを決定し、前記決定された2つのグループについて作成された2つの回帰式を決定し、前記決定された2つの回帰式で表される2つの直線の交点から特定される応力を、前記材料の疲労限界と推定することを特徴とする方法である。
上記参考例の好ましい態様は、前記同一の時点は、前記温度変化量が定常状態に達する前の時点であることを特徴とする。
従来の方法よりも速やかに、かつ簡易に材料の疲労特性を評価することができる。したがって、人的、金銭的なコストを低減することができる。
また、構造体の温度の上昇率は、荷重にかかわらず、概ね構造体の寿命のうちのある割合に達したときに変化する。したがって、構造体の温度の上昇率の変化点を検出することにより、構造体の余寿命を推定することができる。
回転曲げ疲労試験装置を示す図である。 試験片の温度変化量と時間との関係を示す図である。 試験片の温度変化量と試験片に発生する応力との関係を示すグラフである。 同一の時点において取得された温度変化量と応力との関係を示す図である。 温度変化量と応力との関係を示す曲線の傾きが大きく変わる変化点の決定方法を説明するための図である。 残差の合計の算出結果を示す図である。 複数の試験片に加えた荷重の繰り返し数と複数の試験片の温度変化量との関係を示す図である。 図7に示す曲線を基準化したグラフを示す図である。 試験片の疲労試験を複数回に亘って中断および再開した場合の試験片の温度変化量を示す図である。 S−N曲線を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、材料の疲労特性として、材料の疲労限度を推定する方法について説明する。
図1は回転曲げ疲労試験装置を示す図である。図1に示すように、評価すべき材料からなる試験片1の両端はチャック2,2に保持されている。チャック2,2の一部は収容部材9,9内に収容されている。チャック2,2は収容部材9,9内を延びており、チャック2,2のうちの一方には、モータMが接続されている。モータMの駆動により、チャック2,2に保持された試験片1が回転する。
収容部材9,9は、ベース4に保持されたピボット軸3,3により回転可能に支持されている。収容部材9,9の先端は連結棒11,11に連結されており、連結棒11,11の間には支持バー12が延びている。支持バー12には吊り下げ棒13を介して重り14が吊り下げられている。吊り下げ棒13は支持バー12の中央に取り付けられている。
重り14の荷重が吊り下げ棒13、支持バー12、および連結棒11,11を介してチャック2,2および収容部材9,9に作用すると、チャック2,2および収容部材9,9はピボット軸3,3を支点として下向きに回動する。その結果、チャック2,2に保持された試験片1に曲げ荷重が加わり、試験片1に応力が発生する。より具体的には、試験片1の上側には圧縮応力が発生し、試験片1の下側には引っ張り応力が発生する。この状態で、モータMを駆動すると、チャック2,2および試験片1は回転し、試験片1の上側および下側には、圧縮応力および引っ張り応力が繰り返して発生する。このようにして、試験片1の疲労試験が行われる。本実施形態において、モータMの回転速度は3000min−1である。
試験片1の近傍には、試験片1の温度を測定する温度測定装置20が配置されている。温度測定装置20として、サーモグラフィまたは温度センサを用いてもよい。温度測定装置20は、試験片1の温度変化量を計算し、記録するコンピュータ(情報処理装置)21に接続されている。
図2は上述した試験方法によって得られた試験片1の温度変化量と時間との関係を示す図である。図2において、横軸は時間tを示しており、縦軸は試験片1の温度変化量ΔTを示している。回転曲げ疲労試験装置(図1参照)が試験片1に荷重を繰り返し加えると、試験片1の上側および下側には、圧縮応力および引っ張り応力が繰り返し発生する。図2に示す例では、単一の試験片1に対して異なる荷重を繰り返し加えており、試験片1には、異なる荷重に対応する応力σ1,σ2,σ3,σjが発生する(σ1<σ2<σ3<σj)。
試験片1に荷重を繰り返し加えると、試験片1の温度変化量ΔTが上昇する。温度測定装置20は試験片1に荷重を繰り返し加えているときの試験片1の温度を測定し、コンピュータ21は、試験片1の初期温度に対する試験片1の温度変化量を算出する。すなわち、時系列に沿って測定された試験片1の温度から試験片1の初期温度を減算することによって、各時点での試験片1の温度変化量ΔTを決定する。このような温度の測定および温度変化量の算出を、試験片1に加える荷重を変えながら複数回繰り返して、図2に示すような、複数の応力σ1,σ2,σ3,σjについて温度変化量ΔTの時間変化を取得する。
定常状態にある温度変化量ΔTは、繰り返し荷重を受けた試験片1に発生する応力に対応する。図3は、試験片1の温度変化量ΔTと試験片1に発生する応力との関係を示すグラフである。図3に示すように、応力と試験片1の温度変化量ΔTとの関係を示す曲線には、曲線の傾きが大きく変わる変化点が存在する。この変化点を決定することで、試験片1の疲労限度の推定が可能である。
しかしながら、図2に示すように、試験片1の温度変化量ΔTは時間の経過とともに上昇し続け、温度変化量ΔTは定常状態とならない。特に、応力が大きいほど温度変化量ΔTの上昇傾向は著しい。このため、定常状態にある温度変化量ΔTを決定することができない。そこで、本実施形態では、非定常状態のときの温度変化量ΔTと応力との関係に基づいて、試験片1の疲労限度を推定する。以下、試験片1の疲労限度の推定方法について説明する。
まず、図2に示すように、同一の時点における複数の応力σ1,σ2,σ3,σjのそれぞれに対応する温度変化量ΔTを取得する(図2に示す長方形で囲まれた温度変化量ΔT)。より具体的には、時点t1における応力σ1,σ2,σ3,σjのそれぞれに対応する温度変化量ΔTを取得し、時点t2における応力σ1,σ2,σ3,σjのそれぞれに対応する温度変化量ΔTを取得し、時点tiにおける応力σ1,σ2,σ3,σjのそれぞれに対応する温度変化量ΔTを取得する。
上述した同一の時点は、試験片1の温度が定常状態に達する前の時点である。温度変化量ΔTを取得する時点は任意に決定することができる。さらに、図2に示す例では、3つの時点における温度変化量ΔTが取得されているが、温度変化量ΔTを取得する時点の数はこの例に限定されず、1つの時点における温度変化量ΔTを取得してもよい。
図4は時点t1,t2,tiにおいて取得された温度変化量ΔTと応力との関係を示す図である。図4において、横軸は試験片1に発生する応力を示しており、縦軸は試験片1の温度変化量ΔTを示している。図4に示すように、時点t1,t2,tiのいずれにおいても、応力の増加に従って、温度変化量ΔTが増加している。
図4に示す曲線の傾きが大きく変わる変化点を求めることで、試験片1の疲労限度を推定することができる。しかしながら、実測データによっては変化点が明瞭でない場合がある。したがって、以下の方法によって、曲線の変化点を客観的に決定する。
図5は温度変化量ΔTと応力との関係を示す曲線の傾きが大きく変わる変化点の決定方法を説明するための図である。図5において、横軸は応力を示しており、縦軸は温度変化量ΔTを示している。図5では、図4に示す複数の曲線から選択された1つの曲線が示されている。まず、図5に示される曲線の変化点を決定するために、図5に示すように、応力と、対応する温度変化量ΔTとから特定される座標系上の複数のデータ点を2つのグループ(すなわち、低温側のグループおよび高温側のグループ)に分割する。より具体的には、複数のデータ点は、設定された応力値から定められる分割点を境界として高温側のグループと低温側のグループとに分けられる。座標系は、試験片1に発生する応力をX軸、試験片1の温度変化量ΔTをY軸に持つXY座標系である。
2つのグループにそれぞれ属するデータ点について線形回帰を行い、それぞれのグループについて回帰式を作成する。この回帰式は、一次関数であり、直線で表される。次いで、複数の応力に対応する複数の温度変化量ΔTと、これら複数の応力を回帰式に代入することによって得られる複数の数値との残差の合計を算出する。この残差は、回帰式で表される直線、すなわち回帰直線と、データ点との距離に相当する。
さらに、分割点を定める応力値を変えながら、あり得る全てのグループ分けを実行する。具体的には、グループに属するデータ点の組み合わせを変えながら、複数のデータ点を2つのグループに分割する。このようなグループ分けを実行するたびに、2つの回帰式を作成し、残差の合計を算出する。そして、残差の合計が最小となる分割点、すなわち応力値を決定する。
図6は残差の合計の算出結果を示す図である。図6において、横軸は、複数のデータ点を2つのグループに分けるための分割点を定める応力値[MPa]を示している。縦軸は、温度変化量ΔTと、回帰式から決定される数値との残差の合計を示している。図6に示すように、残差の合計が最も小さいときの分割点の応力値は338MPaである。したがって、338MPaの分割点で分けられた2つのグループについて作成された2つの回帰式を決定し、この決定された2つの回帰式で表される2つの直線(回帰直線)の交点を、曲線の変化点と決定する。この2つの直線の交点によって特定される応力は、試験片1の疲労限度と推定される。
試験片1の温度変化量が定常状態に達するまで、試験片1の温度を測定し続けるには、多大な時間を要する。しかも、応力によっては、試験片1の温度変化量が定常状態に達しない場合もある。本実施形態によれば、試験片1の温度変化量ΔTが定常状態に達する前の同一の時点での温度変化データ、つまり、非定常状態の温度変化データ(図2参照)から試験片1の疲労限度を推定することができる。したがって、試験片1の温度測定時間を大幅に削減することができる。試験片1の温度変化量が定常状態に達する必要はないため、試験片1の温度測定時間は数分以内とすることができる。
さらに、本実施形態では、試験片1が破断するまで繰返し荷重を加える必要はないため、単一の試験片1のみを用いることができる。したがって、短い測定時間で、かつ簡易に材料の疲労限度を推定することができる。結果として、測定時間および費用のコストを大幅に削減することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態では、構造体の温度の上昇率の変化点に基づいて構造体の余寿命を推定する方法について説明する。
図7は複数の試験片1に加えた荷重の繰り返し数Nと複数の試験片1の温度変化量ΔTとの関係を示す図である。図7において、横軸は荷重の繰り返し数(負荷回数)Nを示しており、縦軸は試験片1の温度変化量ΔTを示している。図7では、8つの曲線が描かれている。図7に示す実験では、複数の(図7に示す例では、8つの)試験片1に対して、これら試験片1が破断するまでそれぞれ異なる荷重を加えた。これら異なる荷重をそれぞれの試験片1に加えた時に発生する応力は、σa,σb,σc,σd,σe,σf,σg,σhで表されている(σa>σb>σc>σd>σe>σf>σg>σh)。
図7に示すように、試験片1に発生する応力が増加するに従い、試験片1の温度変化量ΔTが上昇している。荷重の繰り返し数Nが1×10回に到達している2つの曲線(応力σg,σhに対応する曲線)は、応力σg,σhが試験片1の疲労限度よりも小さいことを示し、試験片1は破断しなかったことを示している。荷重の繰り返し数Nが1×10回に到達していない6つの曲線(応力σa,σb,σc,σd,σe,σfに対応する曲線)は、応力σa,σb,σc,σd,σe,σfが試験片1の疲労限度よりも大きく、試験片1が破断していることを示している。試験片1が破断したときの繰り返し数Nfは、試験片1に発生した応力によって異なる。
図8は、図7に示す曲線を基準化したグラフを示す図である。図8において、横軸は、荷重の繰り返し数Nを、試験片1が破断したときの荷重繰り返し数Nfで除算することで得られる基準化値UF(=N/Nf)を示しており、縦軸は荷重の繰り返し数Nでの試験片1の温度変化量ΔTを示している。図8では、図7に示す曲線のうち、応力σa,σb,σc,σd,σeに対応する5つの曲線が描かれている。
図8に示すように、試験片1の温度変化量ΔTの上昇率(図8に示す曲線の傾き)は、応力の大きさにかかわらず、基準化値UFが約0.3であるときに低下している。つまり、試験片1の温度変化量ΔTの上昇率の変化点は、基準化値UFが約0.3であるときに現れる。
試験片1は、基準化値UFが1のときに破断している。荷重を試験片1に加え始めたときから試験片1が破断するまでの時間は、試験片1の寿命に相当する。本実施形態では、荷重を試験片1に加え始めたときから前記変化点が現れるまでの時間と、荷重を試験片1に加え始めたときから試験片1が破断するまでの時間との比の値は、約0.3と算出される。したがって、試験片1の温度変化量ΔTの上昇率の変化点が検出された時点は、試験片1の寿命の約30%に達した時点と判断することができる。試験片1の温度変化量ΔTの上昇率は、試験片1の温度の上昇率に相当する。このように、試験片1の温度変化量ΔTの上昇率(温度の上昇率)の変化点から、試験片1の余寿命を推定することができる。
図9は試験片1の疲労試験を複数回に亘って中断および再開した場合の試験片1の温度変化量ΔTを示す図である。図9において、横軸は基準化値UF(=N/Nf)を示しており、縦軸は試験片1の温度変化量ΔTを示している。図9において、曲線RL1および曲線RL2は、疲労試験を中断しなかった場合の比較結果1および比較結果2をそれぞれ示しており、曲線DL1および曲線DL2は、疲労試験を複数回に亘って中断および再開した場合の試験結果1および試験結果2をそれぞれ示している。
図9に示す疲労試験では、異なる荷重を試験片1に繰り返し加え、異なる応力が試験片1に発生した場合における2つの結果が示されている。曲線DL1で示されるように、試験結果1では、試験片1の疲労試験の中断回数および再開回数は3回であり、試験結果2では、曲線DL2で示されるように、試験片1の疲労試験の中断回数および再開回数は5回である。
図9に示す疲労試験では、疲労試験を中断した後、試験片1の温度変化量ΔTが0になった時点、つまり、試験片1が初期温度に戻った時点で、疲労試験を再開している。疲労試験の中断時間は、試験片1の温度変化量ΔTが0にまで低下する約10分〜20分である。疲労試験を中断した場合の試験結果1および試験結果2を示す曲線DL1および曲線DL2と、疲労試験を中断しなかった場合の比較結果1および比較結果2を示す曲線RL1および曲線RL2とを比較すると、温度変化量ΔTに若干の差があるものの、疲労試験を中断した後、再開してからある程度の時間(図9に示す例では、約1時間)が経つと、試験片1の温度は、疲労試験を中断しなかった場合の試験片1の温度と同等程度まで回復している。
図9に示す結果から、繰り返し荷重の印加の中断による試験片1の温度変化量ΔTへの影響は実質的になく、試験片1の温度変化は荷重の繰り返し数に依存していることがわかる。つまり、試験片1に断続的に荷重が加わった場合でも、図8に示す場合と同じように、試験片1の温度変化量ΔTの上昇率には変化点が現れる。したがって、温度変化量ΔTの上昇率の変化点から、試験片1の余寿命を推定することができる。
本実施形態に係る方法は、試験片1と同じ材料からなる構造体の余寿命の推定に適用することができる。すなわち、現場に設置されている機械などの構造体の温度を測定し、構造体の温度の上昇率の変化点を検出し、検出された変化点から構造体の疲労の進行具合、すなわち構造体の余寿命を推定することができる。繰り返し荷重の印加の中断による材料の温度変化への影響はないため、機械のメンテナンス時に機械を構成する構造体の温度を測定し、余寿命を推定してもよい。さらに、定期的に構造体の温度を測定し、その温度変化の傾向を調べることにより、構造体の損傷状況を監視することができる。
材料の温度の上昇率の変化点は、材料の種類によって異なる時期に現れ得る。したがって、図7および図8に示した試験を、材料ごとに予め実施しておくことで、材料の種類に対応した余寿命の推定が可能となる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 試験片(評価対象となる材料)
2 チャック
3 ピボット軸
4 ベース
9 収容部材
10 ピボット軸
11 連結棒
12 支持バー
13 吊り下げ棒
14 重り
20 温度測定装置
21 コンピュータ

Claims (1)

  1. 試験片が破断するまで該試験片に荷重を繰り返し加えながら、前記試験片の温度を測定し、
    前記試験片の温度の上昇率の変化点を決定し、
    前記荷重を前記試験片に加え始めたときから前記変化点が現れるまでの時間と、前記荷重を前記試験片に加え始めたときから前記試験片が破断するまでの時間との比の値を算出し、
    前記試験片と同じ材料から構成された構造体の温度を測定し、
    前記構造体の温度の上昇率の変化点を検出し、
    前記検出された変化点および前記比の値から前記構造体の余寿命を推定することを特徴とする方法。
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