JP6636939B2 - 樹脂粒子分散液及びその利用 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂粒子分散液及びその利用に関する。
化粧料に粒子を使用することで触感の改善や有効成分の保持などの機能を持たせることは広く行われている。しかしながら液体化粧料に関しては、含有した粒子が沈降するため長期保存後に粒子がブロッキングしてしまうことが多く使用前に振って粒子を再分散する必要があり、特にアルコールを含む液体化粧料では粒子同士のブロッキングが強固なため再分散が困難であり品質安定性の問題から粒子の使用が制限されている。このため、粒子のブロッキングを防ぐことで再分散性を向上させることがこの分野での大きな技術課題となっている。
現在は粒子のブロッキングを防ぐために粒子を表面処理することが主流となっている。たとえば、特許文献1では粒子を非イオン性物質で表面処理を行い、さらに無機塩もしくは有機塩を共存させることで再分散性を発現させている。特許文献2では粒子を疎水化処理し、さらに特定の界面活性剤を併用することで再分散性を発現させている。
しかしながら、粒子を表面処理することでコストがかかることやべたつき感があり製品展開する際に制限がかかっている。
表面処理を行わない粒子を使用する例としては特許文献3や特許文献4が挙げられる。特許文献3では真比重が1.3以下の粒子を使用することで再分散性が良いとしているが、粒子が軽いため沈降が遅くなる分、短期間の保管であれば効果は認められるものの長期の保管後での再分散性は不十分であった。また、特許文献4では粉体0.1〜20重量%、有機酸及び/又はその塩0.2〜5.0重量%、アルコール55.0〜99.7重量%の配合で再分散性を発現させているが、製品の配合によっては十分な効果が得られない場合もあり、さらに高いアルコール濃度が必要なことで、男性向け化粧料に限られるなど製品展開に制限があるのが現状である。
このように粒子を液体化粧料に配合させる要求はあるものの使用に際し制限があり十分に製品展開できているとは言えない。このため、粒子の再分散性と製品設計の自由度が高い処方が求められている。
日本国特開平11−292738号公報 日本国特開2009−234994号公報 日本国特開平6−271419号公報 日本国特開2001−354512号公報
本発明の目的は、長期保管後でも再分散性を有する樹脂粒子分散液及び樹脂粒子分散液を製造する方法と、長期保管後でも再分散性を有する化粧料とを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の樹脂粒子、水、アルコール及び有機酸分散液を特定の重量割合で含む樹脂粒子分散液の製造方法であれば、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明の樹脂粒子分散液の製造方法は、無機成分及び低分子界面活性剤を含む水性分散媒中に、重合性単量体を含む重合性成分を分散させる工程(I)、前記重合性成分を重合させて樹脂粒子を得る工程(II)、前記工程(II)後に樹脂粒子を含む水性分散媒から樹脂粒子の粉体を得る粉体化工程(IV)、前記工程(IV)後に前記樹脂粒子、水、アルコール、有機酸を混合し樹脂粒子分散液を得る混合工程(V)を含み、前記無機成分がコロイダルシリカ、リン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びピロリン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種であり、前記重合性単量体が、メタクリル酸メチル、スチレン系単量体、ニトリル系単量体、マレイミド系単量体及び塩化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種であり、前記有機酸がヒドロキシ酸、多価カルボン酸、アミノカルボン酸、フェノールスルホン酸、ヒドロキシ酸の一部が中和された塩、多価カルボン酸の一部が中和された塩、アミノカルボン酸の一部が中和された塩及びフェノールスルホン酸の一部が中和された塩から選ばれる少なくとも1種であり、前記ヒドロキシ酸が乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸から選ばれる少なくとも1種であり、前記多価カルボン酸がシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸及びフマル酸から選ばれる少なくとも1種であり、前記アミノカルボン酸がエチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸及びトリエチレンテトラアミン六酢酸から選ばれる少なくとも1種であり、前記フェノールスルホン酸がフェノールスルホン酸及びベンゾトリアゾリルブチルフェノールスルホン酸から選ばれる少なくとも1種である、樹脂粒子分散液の製造方法である。
前記樹脂粒子分散液に占める前記アルコールの重量割合が5〜40重量%であると好ましい。
前記工程(II)後に前記無機成分を溶解する工程(III)をさらに含むと好ましい。
工程(IV)後の前記樹脂粒子の平均粒子径が0.1〜100μm、嵩比重が0.8以下であると好ましい
本発明の樹脂粒子分散液は、樹脂粒子、水、アルコール及び有機酸を配合してなる樹脂粒子分散液であって、前記樹脂粒子の平均粒子径が0.1〜100μmであり、前記樹脂粒子の嵩比重が0.8以下であり、下記測定方法で測定される前記樹脂粒子の水溶性物質含有量が0.2重量%以下であり、前記有機酸がヒドロキシ酸、多価カルボン酸、アミノカルボン酸、フェノールスルホン酸、ヒドロキシ酸の一部が中和された塩、多価カルボン酸の一部が中和された塩、アミノカルボン酸の一部が中和された塩及びフェノールスルホン酸の一部が中和された塩から選ばれる少なくとも1種である、樹脂粒子分散液である。
(水溶性物質含有量測定方法:樹脂粒子20gを精密に測定し(A)、70mlのイオン交換水に加えて5分間100℃で煮沸する。これを20℃に冷却後、メスフラスコと20℃のイオン交換水を用いて100mlに調整する(B)。この分散液をメンブレンフィルター(ニトロセルロール製、目開き0.02μm)にてろ過する。ホールピペットを用いてこのろ液40mlを正確に採取し(C)、あらかじめ重量を精密に測定していたビーカーに移し(W)、水浴上で蒸発乾固し、110℃で1時間乾燥させる。蒸発乾固の残分とビーカーが吸湿しないようにデシケーター内で室温まで冷却した後、再度ビーカーの重量を精密に測定した(W)場合に、下記数式(4)から算出した値を水溶性物質含有量とする。)
水溶性物質含有量=(W−W)/{A×(C/B)}×100(重量%) (4)
本発明の樹脂粒子分散液は、樹脂粒子、水、アルコール及び有機酸を含む樹脂粒子分散液であって、前記樹脂粒子が、無機成分及び低分子界面活性剤を含む水性分散媒中に、重合性単量体を含む重合性成分を分散させ、前記重合性成分を重合させて得られる樹脂粒子であり、前記無機成分がコロイダルシリカ、リン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びピロリン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種であり、前記重合性単量体が、メタクリル酸メチル、スチレン系単量体、ニトリル系単量体、マレイミド系単量体及び塩化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種であり、
前記有機酸がヒドロキシ酸、多価カルボン酸、アミノカルボン酸、フェノールスルホン酸、ヒドロキシ酸の一部が中和された塩、多価カルボン酸の一部が中和された塩アミノカルボン酸の一部が中和された塩及びフェノールスルホン酸の一部が中和された塩から選ばれる少なくとも1種であり、前記ヒドロキシ酸が乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸から選ばれる少なくとも1種であり、前記多価カルボン酸がシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸及びフマル酸から選ばれる少なくとも1種であり、前記アミノカルボン酸がエチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸及びトリエチレンテトラアミン六酢酸から選ばれる少なくとも1種であり、前記フェノールスルホン酸がフェノールスルホン酸、ベンゾトリアゾリルブチルフェノールスルホン酸から選ばれる少なくとも1種である
前記樹脂粒子分散液に占める前記アルコールの重量割合が5〜40重量%であると好ましい。
本発明の樹脂粒子分散液は、下記数式(1)で定義される体積比が5以上であると好ましい。
体積比=沈降層体積/樹脂粒子体積(1)
(式(1)中、沈降層体積とは、樹脂粒子分散液の試験液100mlを100mlの円柱状のメスシリンダーに投入し、パラフィルムでフタをした状態で25℃、3ヶ月静置し、沈降した粒子から形成されている沈降層体積をメスシリンダーの目盛から読み取られる値である。樹脂粒子体積とは、下記数式(2)から算出した値である。)
樹脂粒子体積=樹脂粒子重量/樹脂粒子の真比重(2)
本発明の化粧料は、上記樹脂粒子分散液を含む。
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法で得られた樹脂粒子分散液は長期保管後でも再分散性を有するので、化粧料用途へ適用できる。本発明の樹脂粒子分散液は長期保管後でも再分散性を有するので、化粧料用途へ適用できる。本発明の化粧料は、長期保管後も樹脂粒子がブロッキングせず再分散性を有するため、品質安定性に優れる。
本発明の樹脂粒子分散液は、水、アルコール及び有機酸を含み、特定の樹脂粒子が分散しているものである。以下、各成分について説明する。
(樹脂粒子)
上記樹脂粒子は、無機成分及び低分子界面活性剤を含む水性分散媒中に、重合性単量体を含む重合性成分を分散させ、前記重合性成分を重合させて得られる樹脂粒子である。
通常、水性分散媒中で重合性成分を分散させて行う重合(以後、懸濁重合ということがある。)は、ポリビニルアルコールやメチルセルロース等の水溶性高分子を分散剤として使用して行われることが多いが、水溶性高分子を分散剤として使用して作製された樹脂粒子は、一部の水溶性高分子を樹脂粒子内に取り込んでいるため、洗浄を行っても分散剤を完全に取り除くことができない。この取り残された分散剤を基点にアルコールが樹脂粒子内に浸透し、樹脂粒子が膨潤することで樹脂粒子同士が凝集しやすくなり、強固なブロッキングを形成するに至る。
分散剤が無機成分及び低分子界面活性剤を含む場合は、樹脂粒子に分散剤が取り込まれにくくなるため、アルコール存在下でも樹脂粒子が凝集しにくくなる。分散剤が無機成分及び低分子界面活性剤からなる場合には、樹脂粒子に分散剤が取り込まれないため、アルコール存在下でも樹脂粒子が凝集しにくくなる精度が高まる。
前記重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、カルボキシル基含有単量体、スチレン系単量体、ニトリル系単量体、ビニル系単量体、アミド基含有単量体、マレイミド系単量体、塩化ビニリデンが、本願効果が得られやすい観点から好ましい。中でも、化粧料に使用される場合には、安全性が確認されているメタクリル酸メチル、スチレンがより好ましい。これらの単量体は1種又は2種以上を併用してもよい。なお、(メタ)アクリルとは、メタアクリル又はアクリルを意味するものとする。
前記懸濁重合は、重合性単量体を必須に含む重合性成分を、分散剤を必須に含む水性媒体中で懸濁させた後、重合するものである。重合性成分には、重合性単量体の他に、重合開始剤、架橋剤、造孔剤、内包剤を含んでいてもよい。
重合開始剤は、特に限定はなく、公知の重合開始剤を用いることができる。例えば、過酸化ジラウロイルや過酸化ベンゾイルのような有機過酸化物類;2,2´−アゾビスイソブチロニトリルや2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)のようなアゾ系重合開始剤を挙げることができる。
架橋剤とは重合性二重結合を2個以上有するラジカル重合性単量体であり、架橋剤を用いて重合させることにより、樹脂粒子の耐溶剤性が向上し高アルコール中でも形状を維持しやすくなる。架橋剤としては、特に限定はないが、たとえば、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル化合物;メタクリル酸アリル、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができる。
架橋剤の重量割合は、重合性成分に対して、好ましくは0〜40重量%、より好ましくは0.05〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜25重量%、特に好ましくは0.5〜20重量%である。架橋剤の重量割合が40重量%を超えると、未反応の重合性単量体が多く残ってしまい化粧料の安全性が損なわれる恐れがある。
造孔剤とは樹脂粒子を中空体とするための有機溶剤であり、反応前の重合性単量体は溶解するものの重合後のポリマーは溶解しない有機溶剤であれば特に限定はない。たとえば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどが挙げられる。
造孔剤の重量割合は、重合性成分に対して、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下である。造孔剤の重量割合が30重量%を超えると、樹脂粒子の物理的強度が低下してしまう可能性がある。好ましい下限値は0重量%である。
前記樹脂粒子は内包カプセルタイプでもよい。内包剤としてはスクワラン、流動パラフィン、シリコーンオイル、エステル油などの化粧油が挙げられる。化粧油を内包カプセル化することで保湿などの効果を樹脂粒子に追加するだけでなく、樹脂粒子を異型化させることが可能となり、異型粒子は後述する嵩比重が軽くなり再分散性が向上するため好ましい。
前記樹脂粒子の平均粒子径は、用途に応じて自由に設計することができるため特に限定されないが、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μm、特に好ましくは1.0〜30μmである。0.1μm未満の場合は製品の歩留まりが著しく低下しコスト面で不利となる可能性があり、100μmより大きいと製品にざらつき感がでてしまい使用感が悪化する可能性がある。
樹脂粒子の嵩比重は体積が既知である容器に樹脂粒子を充填し、その樹脂粒子の重量を容器の体積で割ることで算出される比重であり、嵩比重は粒子の体積、樹脂粒子間の空隙の体積、樹脂粒子と容器間の空隙の体積を含んでいる。嵩比重が重いことは粒子が密に充填されていることを指し、嵩比重が軽いことは粒子以外の空間が広いことを指す。
前記樹脂粒子分散液では嵩比重が軽いほど、樹脂粒子の接点が少なく凝集点が少なくなるとともに、沈降層内の樹脂粒子以外の空間が広いため振動を与えた際に液体成分が流動しやすくなるため再分散性が良くなる。
前記樹脂粒子の嵩比重は、用途に応じて自由に設計することができるため特に限定されないが、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.77以下、さらに好ましくは0.75以下、特に好ましくは0.7以下、最も好ましくは0.65以下である。嵩比重が0.8を超える場合は、樹脂粒子同士の接点が多く、長期保管中に凝集しやすくなり再分散性が低下する可能性がある。
好ましい下限値は、0.1である。嵩比重が0.1以下の場合、樹脂粒子が軽すぎるため樹脂粒子分散液中で混和性が損なわれる可能性がある。
前記樹脂粒子の水溶性物質含有量は用途に応じて自由に設計することができるため特に限定されないが、好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは0.15重量%以下、さらに好ましくは0.12重量%以下、最も好ましくは0.10重量%以下である。水溶性物質含有量が0.2重量%を超える場合、樹脂粒子がアルコールにより膨潤、凝集、ブロッキングなどの現象を発生しやすくなり、再分散性が低下してしまう可能性がある。
前記樹脂粒子の水溶性物質含有量の好ましい下限値は0重量%である。ここでいう前記樹脂粒子とは、乾燥後の粉体状態にある樹脂粒子のことをいう。水溶性物質含有量の測定方法は後述する。
樹脂粒子の形状は、球状、おわん状、お椀楕円状、表面凹凸状、微粒子付着状などが挙げられ、複数の樹脂粒子を組み合わせることも可能である。当該形状は、公知の方法により懸濁重合時の条件を調整することで自由に設計することができる。また樹脂粒子のうち50重量%未満であればナイロン、ウレタン、シリコーン、セルロールなどから構成される粒子を含んでいてもよい。
樹脂粒子の形状は、樹脂粒子分散液に求める再分散性以外の性能から自由に選択することができるが、球状である場合、化粧料に配合した際にサラサラ感が得られやすいため好ましい。
前記無機成分は、コロイダルシリカ、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム及びピロリン酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種であると、前記懸濁重合完了後にpH調整することで簡単に取り除くことができるため好ましい。
前記無機成分の重量割合は、用途に応じて自由に設計することができるため特に限定されないが、重合性成分に対して、好ましくは1.0〜80重量%、より好ましくは2.0〜60重量%、さらに好ましくは2.5〜50重量%、特に好ましくは3.0〜40重量%である。無機成分の重量割合が1重量%未満の場合、懸濁液の安定性が低下し樹脂粒子の歩留まりが著しく低下する可能性がある。無機成分の重量割合が80重量%を超える場合、懸濁液の粘度が増加し、重合時の制御が困難になる可能性がある。
前記無機成分は樹脂粒子分散液に求める再分散性以外の性能に応じて、樹脂粒子の重合後に溶解させることも可能である。無機成分がコロイダルシリカである場合には、後述する工程(II)で得られた樹脂粒子を含む水性媒体のpHを10.5以上に調整し、さらに50℃以上に加温することでコロイダルシリカがよく溶解する。
無機成分がリン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム及びピロリン酸マグネシウムである場合には、後述する工程(II)で得られた樹脂粒子を含む水性媒体のpHを7.0未満に調整することで無機成分がイオン分解する。
前記低分子界面活性剤とは、分子量が1000未満の界面活性剤である。低分子界面活性剤としては、低分子カチオン界面活性剤、低分子アニオン界面活性剤、低分子ノニオン界面活性剤、低分子両性界面活性剤が挙げられる。
前記低分子界面活性剤としては、特に限定はないが、例えば、N−ヒドロキシエチルプロピルアルキルアマイドニトレート、ラウリルトリメチルアンモニウムコロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの低分子カチオン界面活性剤;脂肪酸塩類、硫酸エステル塩であるラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル硫酸エステル塩、スルホン酸塩であるアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、リン酸エステル塩類などの低分子アニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンスチレン化フェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンヒマシ油類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド類、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド類、アジピン酸−ジエタノールアミン縮合物などの低分子ノニオン界面活性剤;アルキルベタイン類、アミドプロピルベタイン類、アルキレンオキサイド付加物ベタイン類などの低分子両性界面活性剤が挙げられる。
前記低分子界面活性剤の重量割合は、用途に応じて自由に設計することができるため特に限定されないが、好ましくは重合性成分に対して10重量%以下、さらに好ましくは8.0重量%以下、特に好ましくは5.0重量%以下、最も好ましくは3.0重量%以下である。低分子界面活性剤の重量割合が10重量%を超える場合、微粒子が多く発生してしまい樹脂粒子の歩留まりが著しく低下する可能性がある。好ましい下限値は0重量%である。
(有機酸)
有機酸は、本発明の樹脂粒子分散液に必須な成分であり、有機酸が樹脂粒子に吸着することでアルコールの樹脂粒子への浸漬を防ぐ役割を果している。
前記有機酸としては、上記理由により特に限定されるものではないが、ヒドロキシ酸、多価カルボン酸、アミノカルボン酸、フェノールスルホン酸、ヒドロキシ酸の一部が中和された塩、多価カルボン酸の一部が中和された塩、アミノカルボン酸の一部が中和された塩及びフェノールスルホン酸の一部が中和された塩から選ばれる少なくとも1種であると、樹脂粒子に吸着しやすいため好ましい。
一方で、前記有機酸のすべてのカルボキシル基が中和されている場合は、樹脂粒子への吸着性が低下し、アルコールの樹脂粒子への浸漬を防ぐことができず、樹脂粒子の強固な凝集を引き起こすため好ましくない。
前記ヒドロキシ酸は、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸が好ましい。
前記多価カルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸が好ましい。
前記アミノカルボン酸は、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸及びトリエチレンテトラアミン六酢酸が好ましい。
前記ヒドロキシ酸の一部が中和された塩は、乳酸、酒石酸、クエン酸又はリンゴ酸の一部が中和された塩が好ましい。ヒドロキシ酸の一部が中和された塩であれば上記理由から本願効果を発揮するため特に限定はされないが、ヒドロキシ酸の一部が中和された塩の中和剤としては、L−アルギニン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、2−アミノメチル−1−プロパノール、2−アミノメチル−プロパンジオール及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンから選ばれる一種以上の塩基性化合物を用いることが好ましい。具体例としては、クエン酸1ナトリウム、クエン酸2ナトリウム、乳酸1ナトリウム、リンゴ酸1ナトリウム、クエン酸1カリウム、クエン酸2カリウム、乳酸1カリウム、リンゴ酸1カリウムが挙げられる。
ヒドロキシ酸の一部が中和された塩の中和度としては、ヒドロキシ酸1当量に対する中和剤当量数で0.1〜0.9当量が好ましく、0.2〜0.8当量がより好ましく、0.3〜0.7当量がさらに好ましく、0.4〜0.6当量が特に好ましい。
化粧料に使用する場合は、安全性やコストの面から、クエン酸1ナトリウム、クエン酸2ナトリウム、クエン酸1カリウム及びクエン酸2カリウムから選ばれる少なくとも1種が好ましい
多価カルボン酸の一部が中和された塩は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸又はフマル酸の一部が中和された塩が好ましい。
多価カルボン酸の一部が中和された塩であれば上記理由から本願効果を発揮するため特に限定はされないが、多価カルボン酸の一部が中和された塩の中和剤としては、L−アルギニン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、2−アミノメチル−1−プロパノール、2−アミノメチル−プロパンジオール及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンから選ばれる一種以上の塩基性化合物を用いることが好ましい。具体例としては、コハク酸1ナトリウム、コハク酸1カリウム、グルタル酸1ナトリウム、グルタル酸1カリウムが挙げられる。
多価カルボン酸の一部が中和された塩の中和度としては、多価カルボン酸1当量に対する中和剤当量数で0.1〜0.9当量が好ましく、0.2〜0.8当量がより好ましく、0.3〜0.7当量がさらに好ましく、0.4〜0.6当量が特に好ましい。
化粧料に使用する場合は、安全性やコストの面からグルタル酸1ナトリウム、グルタル酸1カリウムが好ましい。
アミノカルボン酸の一部が中和された塩は、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸又はトリエチレンテトラアミン六酢酸の一部が中和された塩が好ましい。
アミノカルボン酸の一部が中和された塩であれば上記理由から本願効果を発揮するため特に限定はされないが、アミノカルボン酸の一部が中和された塩の中和剤としては、L−アルギニン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、2−アミノメチル−1−プロパノール、2−アミノメチル−プロパンジオール及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンから選ばれる一種以上の塩基性化合物を用いることが好ましい。具体例としては、エチレンジアミン四酢酸2水素2ナトリウム又はエチレンジアミン四酢酸2水素2カリウムが挙げられる。
アミノカルボン酸の一部が中和された塩の中和度としては、アミノカルボン酸1当量に対する中和剤当量数で0.1〜0.9当量が好ましく、0.2〜0.8当量がより好ましく、0.3〜0.7当量がさらに好ましく、0.4〜0.6当量が特に好ましい。
化粧料に使用する場合は、安全性やコストの面からエチレンジアミン四酢酸2水素2ナトリウムが好ましい。
フェノールスルホン酸の一部が中和された塩は、フェノールスルホン酸又はベンゾトリアゾリルブチルフェノールスルホン酸の一部が中和された塩が好ましい。
フェノールスルホン酸の一部が中和された塩であれば上記理由から本願効果を発揮するため特に限定はされないが、ナトリウム塩もしくは亜鉛塩が好ましい。具体例としてはフェノールスルホン酸ナトリウム、フェノールスルホン酸亜鉛、ベンゾトリアゾリルブチルフェノールスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
フェノールスルホン酸の一部が中和された塩の中和度としては、スルホン酸部分のみの中和でありフェノール部分は中和されていないことが好ましい。
化粧料に使用する場合は、安全性やコストの面からフェノールスルホン酸ナトリウムもしくはフェノールスルホン酸亜鉛が好ましい。
(水)
水としては、水道水、イオン交換水、精製水の他、硬水、軟水、天然水、海洋深層水、電解アルカリイオン水、電解酸性イオン水、イオン水、クラスター水が挙げられるが、化粧料に用いる場合は、さらにこれらの水が電子線照射、UV照射、加熱処理、塩素処理などで殺菌されていてもよい。コストの関係から、水道水、イオン交換水又は軟水が好ましい。
(アルコール)
アルコールは、本発明の樹脂粒子分散液に必須な成分であり、液体成分の揮発を速め、清涼感を与える役割がある。
アルコールとしては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられるが、化粧料として使用する際の安全性の観点から、エタノールが好ましい。
〔樹脂粒子分散液〕
上記樹脂粒子分散液に占める上記樹脂粒子の重量割合は1.0〜10.0重量%が好ましく、1.0〜9.0重量%がより好ましく、1.0〜8.0重量%がさらに好ましく、1.0〜7.0重量%が特に好ましく、1.0〜6.0重量%が最も好ましい。1.0重量%未満では、樹脂粒子が不足しサラサラ感が得られないことがある。10重量%超では、樹脂粒子が多く粉っぽい感触になることがある。
上記樹脂粒子分散液に占める上記アルコールの重量割合は5.0〜80重量%が好ましく、6.0〜70重量%がより好ましく、7.0〜60重量%がさらにより好ましく、8.0〜50重量%が特に好ましく、10〜40重量%が最も好ましい。5.0重量%未満では、清涼感が不足することがある。80重量%超では、アルコールによる刺激が強くなりすぎることがある。
上記樹脂粒子分散液に占める上記有機酸の重量割合は、好ましくは0.001〜5.0重量%、より好ましくは0.002〜4.8重量%、さらに好ましくは0.003〜4.5重量%、最も好ましくは0.005〜4.0重量%である。樹脂粒子分散液に占める有機酸の重量割合が0.001重量%未満の場合、樹脂粒子に吸着する有機酸が少なく、樹脂粒子が凝集してしまう可能性がある。樹脂粒子分散液に占める有機酸の重量割合が5.0重量%を超える場合、樹脂粒子分散液のpH調整が困難になる。
〔樹脂粒子分散液の製造方法〕
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法は、無機成分及び低分子界面活性剤を含む水性分散媒中に、重合性成分を分散させる工程(I)、前記重合性成分を重合させて樹脂粒子を得る工程(II)、粉体化工程(IV)及び混合工程(V)を含む。
(重合性成分を分散させる工程(I))
重合性成分を分散させる工程とは重合性成分を必須とする油性溶液を別に用意した無機成分及び低分子界面活性剤を含む水性分散媒中に分散させ懸濁液を得る工程である。本願効果を得られ易い観点から、無機成分及び低分子界面活性剤からなる水性分散媒中に分散させ懸濁液を得る工程であると好ましい。
重合性成分を懸濁分散させる方法としては、たとえば、ホモミキサー(たとえば、プライミクス社製)、ホモディスパー(たとえば、プライミクス社製)、クレアミクス(エムテクニック社製)等により攪拌する方法や、スタティックミキサー(たとえば、ノリタケエンジニアリング社製)等の静止型分散装置を用いる方法、膜乳化法、超音波分散法、マイクロチャネル法等の一般的な分散方法を挙げることができる。
(重合性成分を重合させて樹脂粒子を得る工程(II))
重合性成分を重合させて樹脂粒子を得る工程(II)とは工程(I)で得られた懸濁液を加熱して樹脂粒子を得る工程である。
重合温度は、重合開始剤の種類によって自由に設定されるが、好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは45〜90℃、特に好ましくは50〜85℃の範囲で制御される。重合初期圧力についてはゲージ圧で0〜5.0MPa、さらに好ましくは0.1〜3.0MPa、特に好ましくは0.2〜2.0MPaの範囲である。
重合反応中は、分散液を攪拌するのが好ましく、その攪拌は、たとえば、重合性成分の浮上や重合後の樹脂粒子の沈降を防止できる程度に緩く行えばよい。
(無機成分溶解工程(III))
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法は、樹脂粒子分散液に求める再分散性以外の性能に応じて、工程(II)終了後かつ次工程である粉体化工程(IV)前に前記無機成分を溶解させて前記無機成分の残存量を低減させる無機成分溶解工程(III)を含むことができる。
溶解工程を行う場合、用いた分散剤の種類によって操作方法が異なる。
無機成分がコロイダルシリカである場合には、工程(II)で得られた樹脂粒子を含む水性媒体のpHを10.5以上に調整し、50℃以上に加温した後に、次工程である粉体化工程(IV)を実施することで、無機成分の残存量を低減させることができる。
無機成分がリン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム及びピロリン酸マグネシウムである場合には、工程(II)で得られた樹脂粒子を含む水性媒体のpHを7.0以下に調整して無機成分溶解工程(III)後に、次工程である粉体化工程(IV)を実施することで、無機成分の残存量を低減させることができる。
(粉体化工程(IV))
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法は、工程(II)後に樹脂粒子を含む水性分散媒から樹脂粒子の粉体を得る粉体化工程(IV)を含む。
粉体化工程(IV)は、脱水工程(IV−1)及び/又は乾燥工程(IV−2)を含む。
脱水工程(IV−1)は、吸引ろ過、加圧ろ過、遠心脱水、遠心分離など一般的な脱水方法で行うことができる。脱水工程(IV−1)では、濾過等により、樹脂粒子の湿粉を得ることができる。湿粉とは、水分率が好ましくは5.0〜60重量%、更に好ましくは15〜50重量%、最も好ましくは20〜40重量%の水分と樹脂粒子からなる粉体である。また、得られた湿粉に再び水を加え、分散、脱水を繰り返すことで、樹脂粒子を精製することも可能である。
特に、遠心脱水機やフィルタープレス脱水機を使用した場合、濾過室に水を追加することで容易に樹脂粒子を水洗、精製することができる。
乾燥工程(IV−2)は、一般的な粉体の乾燥方法で行うことが可能であり、たとえば棚乾燥機(箱型乾燥機)、減圧乾燥機、凍結乾燥機、気流乾燥機、スプレードライで乾燥する方法などが挙げられる。乾燥工程(IV−2)前に脱水工程(IV−1)を含んでもよい。
ここでいう乾燥とは、樹脂粒子に対する水分量を5.0重量%未満、好ましくは2.0重量%以下、さらに好ましくは1.5重量%以下にすることをいう。
工程(IV−1)で得られた樹脂粒子を用いて工程(V)を行うことも可能だが、化粧料に使用する場合、水分が残存していると細菌類が増殖してしまう恐れがあるため、工程(IV−2)を行うことが好ましい。
(混合工程(V))
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法は、樹脂粒子、水、アルコール、有機酸を混合し樹脂粒子分散液を得る混合工程(V)を含む。当該混合は、一般的な混合方法によって行うことができるが、成分の不均一化や樹脂粒子の凝集が起こると樹脂粒子分散液の使用感に影響が出る恐れがあるため、水になじみやすい成分は水に溶解又は分散し、アルコールになじみやすい成分はアルコールに溶解又は分散したのち、両者を合せることが好ましい。なお、ここでいう樹脂粒子は、粉体化工程(IV)で得られた湿粉及び/又は乾燥した樹脂粒子である。化粧料に使用する場合、水分が残存していると細菌類が増殖してしまう恐れがあるため、乾燥した樹脂粒子が好ましい。
〔化粧料〕
本発明の化粧料は、上記樹脂粒子分散液を含む。
本発明の化粧料は、樹脂粒子分散液の分散性を阻害しない程度に、その他成分を含むことができる。本発明の化粧料の製造方法について、上記樹脂粒子分散液の製造方法以外のその他成分の配合は、公知の方法で製造することができる。
その他成分は、例えば、l―メントールなどの香料;グリセリン、ポリマー性グリコール(例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール)、マンニトール、ソルビトール及び1,3−ブチレングリコールなどの保湿剤;クエン酸3ナトリウムなどのpH調整剤、シクロデキストリンなどの吸着剤、アスパラギン酸ナトリウム、イソプロピルメチルフェノール及び塩化ベンザルコニウムなどの殺菌剤;エチルヘキシルグリセリンなどの消臭剤;硫酸亜鉛、ポリ塩化アルミニウムなどの収れん剤;スプレータイプの化粧料に使用する場合はLPG、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテルなどの噴射剤、防腐剤、顔料、色素、紫外線吸収剤、薬効成分など、化粧料に一般的に使用されているものが挙げられる。
また樹脂粒子の分散性を補助するため、樹脂粒子分散液の製造時に界面活性剤を配合しても良い。界面活性剤としては、特に限定はないが、例えば、N−ヒドロキシエチルプロピルアルキルアマイドニトレート、ラウリルトリメチルアンモニウムコロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどのカチオン界面活性剤;脂肪酸塩類、硫酸エステル塩であるラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル硫酸エステル塩、スルホン酸塩であるアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、リン酸エステル塩類などのアニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンスチレン化フェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンヒマシ油類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド類、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド類、アジピン酸−ジエタノールアミン縮合物などのノニオン界面活性剤;アルキルベタイン類、アミドプロピルベタイン類、アルキレンオキサイド付加物ベタイン類、などの両性界面活性剤;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子が挙げられる。
本発明の化粧料は、樹脂粒子分散液を含む液状化粧料であれば特に限定されないが、医薬部外品、医薬品等、化粧料全般を包含するものであり、目的に応じて選択することができる。例えば、乳液、化粧水、制汗剤、パック類、ひげ剃り用クリーム、マニキュア化粧品、洗髪用化粧品、染毛料、美容液、整髪料、日焼け止め製品、サンタン製品、クレンジング料、メーキャップ化粧料、ボディシャンプー、エアゾール、プレシェーブローション、ボディーローション等の形態が挙げられる。
以下、測定に用いた樹脂粒子は、特別な記載がない限り、乾燥した樹脂粒子を示す。
〔平均粒子径の測定〕
レーザー回折式粒度分布測定装置(マイクロトラック9320HRA×100、日機装社製)の湿式測定法により測定し、D50の値を平均粒子径とした。
〔再分散性評価〕
沈降した粒子の再分散性評価は下記数式(1)から算出される粒子から形成される沈降層体積と樹脂粒子体積の体積比にて行った。
体積比=沈降層体積/樹脂粒子体積 (1)
(沈降層体積)
樹脂粒子分散液の試験液100mlを100mlの円柱状のメスシリンダーに投入し、パラフィルムでフタをした状態で25℃、3ヶ月静置し、沈降した粒子から形成されている沈降層体積をメスシリンダーの目盛から読み取ることで算出した。
(粒子体積)
樹脂粒子体積は下記数式(2)から算出した
樹脂粒子体積=樹脂粒子重量/樹脂粒子の真比重 (2)
〔樹脂粒子の真比重測定〕
100mlメスフラスコの重量を量り(a)、次に試料を1部メスフラスコに加え重量を量る(b)。これにイソプロピルアルコールを100mlの標線まで正確に加え全重量を量る(c)。これとは別に、メスフラスコの空重量を量り(x)、これにイソプロピルアルコールを標線まで正確に加え全重量を量る(y)。これらの値を下記数式(3)に当てはめ比重を算出する。
真比重=(b−a)×(y−x)/{100(y−x)−(c−b)} (3)
〔樹脂粒子の嵩比重の測定〕
多機能型粉体物性測定器(マルチテスターMT−1001k型、セイシン企業社製)の固め嵩比重測定法により測定した。
〔樹脂粒子の水分の測定〕
カールフィッシャー水分計(MKA−510N型、京都電子工業株式会社製)を用いて測定した。
〔水溶性物質含有量の測定法〕
樹脂粒子20gを精密に測定し(A)、70mlのイオン交換水に加えて5分間100℃で煮沸する。これを20℃に冷却後、メスフラスコと20℃のイオン交換水を用いて100mlに調整する(B)。この分散液をメンブレンフィルター(ニトロセルロール製、目開き0.02μm)にてろ過する。ホールピペットを用いてこのろ液40mlを正確に採取し(C)、あらかじめ重量を精密に測定していたビーカーに移し(W)、水浴上で蒸発乾固し、110℃で1時間乾燥させる。蒸発乾固の残分とビーカーが吸湿しないようにデシケーター内で室温まで冷却した後、再度ビーカーの重量を精密に測定した(W)。
これらの値を下記数式(4)に当てはめ水溶性物質含有量を算出する。
水溶性物質含有量=(W−W)/{A×(C/B)}×100(重量%) (4)
(樹脂粒子の製法例1)
イオン交換水600部に、低分子ノニオン界面活性剤であるアジピン酸−ジエタノールアミン縮合物(濃度50重量%)1部、コロイダルシリカ(スノーテックスST−20、濃度20重量%、日産化学社製)30部を加えて混合した後、pHを3に調整することで水性分散媒を得た。
メチルメタクリレート190部、エチレングリコールジメタクリレート10部、ジラウリルパーオキシド1部を混合、溶解し油性混合物とした。
上記で得られた水性分散媒及び油性混合物をTKホモミキサー2.5型(プライミクス社)で攪拌(5000rpm×5min)して懸濁液を調製した。この懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.3MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度60℃で15時間重合を行い、樹脂粒子を含む水性分散媒を得た。
上記で得られた重合粒子を含む水性分散媒を水酸化カリウムにてpHを12に調整し65℃で3時間加温しシリカを溶解させた。次いでpHを7に再調整し、濾過で単離、乾燥して樹脂粒子Aを得た(水分1.1重量%)。樹脂粒子Aの物性は表1に示す。
(樹脂粒子の製法例2)
イオン交換水560部に、塩化マグネシウム・六水和物70部及び低分子両性界面活性剤であるN−ラウリル−N,N−ビス(POE(2))アミノ酢酸ベタイン水溶液(濃度40重量%)1.5部を加えた後、pHが9〜10.5程度になるよう水酸化ナトリウム水溶液(濃度30重量%)100部を徐々に滴下し、微粒子状の水酸化マグネシウムを含有する水性分散媒を調製した。
メチルメタクリレート190部、エチレングリコールジメタクリレート10部、ジラウリルパーオキシド1部を混合、溶解し油性混合物とした。
上記で得られた水性分散媒及び油性混合物をTKホモミキサー2.5型(プライミクス社)で攪拌(4000rpm×5min)して懸濁液を調製した。この懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.3MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度60℃で15時間重合を行い、樹脂粒子を含む水性分散媒を得た。
重合工程後、重合粒子を含む水性分散媒に硫酸を加え、水性分散媒のpHを4に低下させて水酸化マグネシウムを溶解させた。次いでpHを7に再調整し、濾過で単離、乾燥して樹脂粒子Bを得た(水分値0.4重量%)。樹脂粒子Bの物性は表1に示す。
(樹脂粒子の製法例3)
イオン交換水495部を70℃に加温しながら水溶性高分子であるメチルセルロース(メトセルK−35LV、ダウ社製)5部を溶解させ、完全に溶解した後に冷却して水性分散媒を調製した。
メチルメタクリレート190部、エチレングリコールジメタクリレート10部、ジラウリルパーオキシド1部を混合、溶解し油性混合物とした。
上記で得られた水性分散媒及び油性混合物をTKホモミキサー2.5型(プライミクス社)で攪拌(5000rpm×5min)して懸濁液を調製した。この懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.3MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度60℃で15時間重合を行い、樹脂粒子を含む水性分散媒を得た。
次いでpHを7に調整し、濾過で単離、乾燥して樹脂粒子Cを得た(水分1.2重量%)。樹脂粒子Cの物性は表1に示す。
(樹脂粒子の製法例4)
粒子の製法例2のうち、懸濁液を調整する際の攪拌条件を4000rpm×5minに変更した以外は同様に行うことで樹脂粒子Dを得た(水分値0.7重量%)。樹脂粒子Dの物性は表1に示す。
(樹脂粒子の製法例5)
粒子の製法例1のうち、懸濁液を調整する際の攪拌条件を3000rpm×5minに変更した以外は同様に行うことで樹脂粒子Eを得た(水分値1.0重量%)。樹脂粒子Eの物性は表1に示す。
(樹脂粒子の製法例6)
粒子の製法例1のうち、懸濁液を調整する際の攪拌条件を2500rpm×5minに変更した以外は同様に行うことで樹脂粒子Fを得た(水分値0.4重量%)。樹脂粒子Fの物性は表1に示す。
樹脂粒子Gは樹脂粒子Aを1部、樹脂粒子Fを99部、混合することで作製した(水分値0.5重量%)。
(樹脂粒子の製法例7)
イオン交換水600部に、低分子ノニオン界面活性剤であるアジピン酸−ジエタノールアミン縮合物(濃度50重量%)1部、コロイダルシリカ(スノーテックスST−20、濃度20重量%、日産化学社製)25部を加えて混合した後、pHを3に調整することで水性分散媒を得た。
メチルメタクリレート165部、エチレングリコールジメタクリレート20部、ジラウリルパーオキシド1部、流動パラフィン15部を混合、溶解し油性混合物とした。
上記で得られた水性分散媒及び油性混合物をTKホモミキサー2.5型(プライミクス社)で攪拌(5000rpm×5min)して懸濁液を調製した。この懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.3MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度60℃で15時間重合を行い、樹脂粒子を含む水性分散媒を得た。
コロイダルシリカは溶解させずに上記で得られた樹脂粒子を含む水性分散媒をpH7に調整し、濾過で単離、乾燥して樹脂粒子Hを得た(水分値1.2重量%)。樹脂粒子Hの物性は表1に示す。
(樹脂粒子の製法例8)
イオン交換水650部に、微粒子状のリン酸カルシウム10部及び低分子アニオン界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム0.5部を加えてリン酸カルシウムを含有する水性分散媒を調製した。
メチルメタクリレート190部、エチレングリコールジメタクリレート10部、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1部を混合、溶解し油性混合物とした。
上記で得られた水性分散媒及び油性混合物をTKホモミキサー2.5型(プライミクス社)で攪拌(5500rpm×5min)して懸濁液を調製した。この懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.3MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度65℃で15時間重合を行い、樹脂粒子を含む水性分散媒を得た。
重合工程後、重合粒子を含む水性分散媒に塩酸を加え、水性分散媒のpHを2に低下させてリン酸カルシウムを溶解させた。これを濾過、洗浄にてリン酸カルシウムを除去した後、pHを7に再調整し、濾過で単離、乾燥して樹脂粒子Iを得た(水分値0.6重量%)。樹脂粒子Iの物性は表1に示す。
(樹脂粒子の製法例9)
粒子の製法例8のうち、リン酸カルシウムをピロリン酸マグネシウムに変更した以外は同様に行うことで樹脂粒子Jを得た(水分値0.7重量%)。樹脂粒子Jの物性は表1に示す。
Figure 0006636939
〔実施例及び比較例〕
実施例1〜7は表2、実施例8〜14は表3、比較例1〜5は表4に示した配合量で各原料を混合し、超音波を5分かけることで樹脂粒子分散液を作製した。これらの樹脂粒子分散液について再分散性評価を行い、その結果を表2〜4に示した。但し、実施例12及び13は、それぞれ、参考例12及び13とする。
実施例5及び7は、ボディーローションに係る化粧料の実施例である。
表2〜4中、EDTA4H水溶液は、エチレンジアミン4酢酸を示し、EDTA2H2Na水溶液は、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム2水素を示し、EDTA4Naは、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウムを示す。5重量%メチルセルロース水溶液は、ダウ社製、メトセルK−35LVである。
沈降層体積と粒子体積による体積比で再分散性評価を行ったが、体積比が大きいほど再分散性が良く6以上を「◎」とし、6未満〜5以上を「○」、5未満〜3以上を「△」、3未満を「×」とし、「○」以上を合格とした。
通常、再分散性評価は実際に手で樹脂粒子分散液を振ることで行うが、この評価は個人差があり、結果が一定しないことが問題であったが、当評価法では定量的な評価が可能である。
体積比が6以上の場合は粒子体積に対し沈降層の体積が十分に大きい、このため粒子同士の接触が少なくブロッキングしにくくなり再分散性が良好のまま保たれ、1〜3回振るだけで粒子が均一に分散する。
体積比が6未満〜5以上の場合は若干の粒子同士のブロッキングはあるものの、比較的容易に再分散が可能な範疇であり、4〜10回の振動で再分散が可能である。
体積比が5未満〜3以上の場合は粒子同士のブロッキングが経時的に進行し、再分散には30回程度の振動を与える労力が必要になる。
体積比が3未満の場合は粒子が密に充填されており、時間の経過とともに強固にブロッキングしてしまい手で振動させる程度では再分散させることが難しい。
Figure 0006636939
Figure 0006636939
Figure 0006636939
表2、3から分かるように、実施例1〜11及び14では、水、アルコール及び有機酸を含み、特定の樹脂粒子が分散しているため、体積比はどれも5以上を示し、どれも容易に粒子が均一に分散し、再分散性に優れる樹脂粒子分散液が得られた。その中でも嵩比重の軽い粒子H を使用した実施例10では沈降層の体積が非常に大きく再分散性も良好であった。一方で嵩比重が重い粒子Fを使用した実施例9では実施例の中では沈降層の体積が小さい結果となった。
実施例5はボディーローションの処方(化粧料)である。樹脂粒子分散液に、保湿剤として1,3−ブチレングリコール、香料としてl−メントール、pH調整剤としてクエン酸3ナトリウムを加えても問題ないことが確認された。
実施例7では実施例5からさらにメチルセルロースを樹脂粒子分散液に添加したが、樹脂粒子の再分散性にはほとんど影響しなかった。これは樹脂粒子作製後にメチルセルロースを添加しているため、樹脂粒子内部にメチルセルロースが取り込まれることがないためと考えられる。
一方、比較例1〜5では、有機酸がない場合(比較例1)、完全中和されている有機酸を単独で配合した場合(比較例2及び4)、樹脂粒子作製時の分散剤が無機成分及び低分子界面活性剤のいずれにも該当しない場合(比較例3)には、体積比はどれも5.0未満を示し、粒子を再分散させることは難しかった。
これらのことから無機粒子及び/又は低分子界面活性剤を含む分散剤を用いて作製した粒子は、有機酸が共存することで高い再分散性が発現し、さらに嵩比重が軽いほど再分散性が向上することが判明した。
本発明の樹脂粒子分散液は、長期保管後でも再分散性を有するため、樹脂粒子を含む化粧料に好適に適用される。

Claims (8)

  1. 無機成分及び低分子界面活性剤を含む水性分散媒中に、重合性単量体を含む重合性成分を分散させる工程(I)、
    前記重合性成分を重合させて樹脂粒子を得る工程(II)、
    前記工程(II)後に樹脂粒子を含む水性分散媒から樹脂粒子の粉体を得る粉体化工程(IV)、
    前記工程(IV)後に前記樹脂粒子、水、アルコール、有機酸を混合し樹脂粒子分散液を得る混合工程(V)を含み、
    前記無機成分がコロイダルシリカ、リン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びピロリン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種であり、
    前記重合性単量体が、メタクリル酸メチル、スチレン系単量体、ニトリル系単量体、マレイミド系単量体及び塩化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種であり、
    前記有機酸がヒドロキシ酸、多価カルボン酸、アミノカルボン酸、フェノールスルホン酸、ヒドロキシ酸の一部が中和された塩、多価カルボン酸の一部が中和された塩、アミノカルボン酸の一部が中和された塩及びフェノールスルホン酸の一部が中和された塩から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記ヒドロキシ酸が乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸から選ばれる少なくとも1種であり、前記多価カルボン酸がシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸及びフマル酸から選ばれる少なくとも1種であり、前記アミノカルボン酸がエチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸及びトリエチレンテトラアミン六酢酸から選ばれる少なくとも1種であり、前記フェノールスルホン酸がフェノールスルホン酸及びベンゾトリアゾリルブチルフェノールスルホン酸から選ばれる少なくとも1種である、
    樹脂粒子分散液の製造方法。
  2. 前記樹脂粒子分散液に占める前記アルコールの重量割合が5〜40重量%である、請求項1に記載の樹脂粒子分散液の製造方法。
  3. 前記工程(II)後に前記無機成分を溶解する工程(III)をさらに含む、請求項1又は2に記載の樹脂粒子分散液の製造方法。
  4. 工程(IV)後の前記樹脂粒子の平均粒子径が0.1〜100μm、嵩比重が0.8以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂粒子分散液の製造方法。
  5. 樹脂粒子、水、アルコール及び有機酸を含む樹脂粒子分散液であって、
    前記樹脂粒子が、無機成分及び低分子界面活性剤を含む水性分散媒中に、重合性単量体を含む重合性成分を分散させ、前記重合性成分を重合させて得られる樹脂粒子であり、
    前記無機成分がコロイダルシリカ、リン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びピロリン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種であり、
    前記重合性単量体が、メタクリル酸メチル、スチレン系単量体、ニトリル系単量体、マレイミド系単量体及び塩化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種であり、
    前記有機酸がヒドロキシ酸、多価カルボン酸、アミノカルボン酸、フェノールスルホン酸、ヒドロキシ酸の一部が中和された塩、多価カルボン酸の一部が中和された塩アミノカルボン酸の一部が中和された塩及びフェノールスルホン酸の一部が中和された塩から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記ヒドロキシ酸が乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸から選ばれる少なくとも1種であり、前記多価カルボン酸がシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸及びフマル酸から選ばれる少なくとも1種であり、前記アミノカルボン酸がエチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸及びトリエチレンテトラアミン六酢酸から選ばれる少なくとも1種であり、前記フェノールスルホン酸がフェノールスルホン酸及びベンゾトリアゾリルブチルフェノールスルホン酸から選ばれる少なくとも1種である、
    樹脂粒子分散液。
  6. 前記樹脂粒子分散液に占める前記アルコールの重量割合が5〜40重量%である、請求項5に記載の樹脂粒子分散液。
  7. 下記数式(1)で定義される体積比が5以上である、請求項5又は6に記載の樹脂粒子分散液。
    体積比=沈降層体積/樹脂粒子体積 (1)
    (式(1)中、沈降層体積とは、樹脂粒子分散液の試験液100mlを100mlの円柱状のメスシリンダーに投入し、パラフィルムでフタをした状態で25℃、3ヶ月静置し、沈降した粒子から形成されている沈降層体積をメスシリンダーの目盛から読み取られる値である。樹脂粒子体積とは、下記数式(2)から算出した値である。)
    樹脂粒子体積=樹脂粒子重量/樹脂粒子の真比重 (2)
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の樹脂粒子分散液を含む、化粧料。
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