JP6636396B2 - Ampk活性化用組成物 - Google Patents
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Description
パロアッスルの地上部の粗粉砕品30kg質量部に対し120L質量部の含水率50(v/v)%の含水エタノールを添加し、60℃で2時間浸漬して抽出物を得、その抽出物を濾過して液部を抽出液として回収した。この抽出液を、遠心薄膜型濃縮装置を用いて濃縮し、固形分50%の濃縮エキスを得た。この濃縮エキスにデキストリンを固形分あたり18質量%含有するように添加、混合し、プレート式殺菌装置に通して、120℃、1分の殺菌処理後、スプレードライにより乾燥粉末化した。粉末は80メッシュ(JIS規格)の篩で篩別して粒度をそろえた。以上のようにしてパロアッスル抽出エキス末を得た。
パロアッスルによってモデルマウスの空腹時血糖値がどのような影響を受けるかを以下の方法で調べた。
C57BL/6J系統雄マウス(日本エスエルシー)を用いた。通常時の餌としては脂肪カロリー比8.2%の普通食(MF、オリエンタル酵母)を使用した。
5週齢マウスを普通食で1週間馴化させた後、脂肪カロリー比60%の高脂肪食(HFD−60、オリエンタル酵母)に変更した。また、1週間当たり6回、パロアッスル抽出エキス末を250mg/kg(Palo low群)、又は1000mg/kg(Palo high群)を経口投与した。
餌を変更した日をWeek0とし、Week14に空腹時血糖値を測定した。採血前日の夜間(21時)から採血直前まで餌を取り除いて絶食状態とし、おおよそ9時に尾静脈より採血をした。血糖値はメディセーフミニGR−102(テルモ)を用いて測定した。
統計解析は、解析ソフトウエアStatLight(Yukms corp. 1997)を用い、2群の検定はStudent t−test法、多群の検定はDunnett法、又はTukey−Kramer test法にて検定を行い、p<0.05を有意とした。実験は独立して3回以上行い、データは平均値±標準偏差(mean ± S.D.)として表記した。
結果を図1に示す。なお、図中、NFDは普通食・蒸留水、CTLは高脂肪食・蒸留水、Paloは高脂肪食・パロアッスル250mg/kgを投与した群を表す。Palo群では、CTL群と比較して空腹時血糖値を減少させる傾向を示した。
3T3−L1細胞(マウス由来脂肪細胞)におけるグルコースの取り込みが、パロアッスルによってどのように影響を受けるかを、以下の方法で調べた。
製造例1で調製したパロアッスル抽出エキス末をDMSO(dimethyl sulfoxide)に溶解し、更に培養培地で適宜希釈して、細胞培養時に所定の最終濃度となるように添加した。なお、DMSOの最終濃度は0.1(v/v)%を超えないようにした。
3T3−L1細胞(マウス由来脂肪細胞)は、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所JCRB Cell Bankから入手し、用いた。
DMEM(Dulbecco’s modified eagle’s medium)に10%FBS(Fetal bovine serum)及び1%Penicillin-streptomycin試薬(GIBCO)(以下、「p/s」という。)を加えた培地を用いた。
細胞ストックを解凍し、培養培地で懸濁して100mmディッシュに播種した。培養は、37℃、5%CO2のインキュベーターで、2−3日ごとに培地交換を行いながら、セミコンフルエントまで行った。その後、培養培地を吸引してPBS(−)(Dulbecco’s PBS(-))でディッシュを洗い、0.25% Trypsin-EDTA solution(SIGMA)(以下、「T/E」という。)で37℃、3分間処理して細胞を剥がし、培養培地を混合してT/Eを失活させチューブに回収した。これを800rpmで3分間遠心し、上清を除去して回収した細胞を培養培地に再懸濁し、2.5×105cells/mLの濃度で100mmディッシュ、又は6ウェルプレートに継代した。1−2日後、コンフルエントになったことを確認し、培養培地を交換してさらに2日間培養した。その後、0.25μM DEX(Dexamethasone-water soluble、SIGMA)、0.5mM IBMX(3-Isobutyl-1-methylxanthine、SIGMA)、及び10μg/mLインスリン(Insulin solution human、SIGMA)からなる誘導溶液を培地に添加して脂肪細胞に分化誘導した。誘導溶液を添加した時点をday0とした。また、day2に、5μg/mLインスリンからなる成熟溶液を培地に添加した。day4以降は48時間ごとに新しい培地に交換した。
上記で培養したday14の細胞を用いて2−DGアッセイを行った。2−DGアッセイには、2-DG Uptake Measurement Kit(コスモバイオ)を用いた。細胞への糖取り込み(2−DG取り込み)、細胞試料の調製、及び2−DG取り込み量の測定はキットの説明に従って行った。
試験例1と同様に解析、及び統計処理をした。パロアッスルとインスリンのいずれも投与していない群(CTL)の値を1として、2−DGの取り込みの各相対値を求めた。
結果を図2に示す。パロアッスルはインスリン非依存下で、2−DGの取り込みを上昇させる傾向を示し、その効果はインスリン単独よりも顕著であった。また、インスリン存在下ではさらに有意に取り込みを上昇させた。
3T3−L1細胞(マウス由来脂肪細胞)におけるGLUT4の膜移行が、パロアッスルによってどのように影響を受けるかを、以下の方法で調べた。
試験例2と同様にパロアッスルを調製した。
試験例2と同様に3T3−L1細胞を用いた。
試験例2と同様の培地を用いた。
試験例2と同様に3T3−L1細胞を培養した。
上記で培養したday14の細胞を用いて細胞膜分画のタンパク質調製を行った。
96ウェルプレートに細胞回収用試薬(RIPA buffer:50 mM Tris(pH 8.0)、150 mM NaCl、1% Triton X-100、0.1% SDS、2 mM EDTA、0.2 mM PMSF、1% Protease inhibitor cocktail)で5倍希釈した上記タンパク質サンプル20μLを添加した。すぐにDC protein assay kit(Bio-Rad)にてキットの説明に従いタンパク質定量サンプルを準備し、15分後に吸光マイクロプレートリーダ(「Multiskan JX」、Labsystems)で650nmにおける吸光度を測定した。
常法に従い、SDS−PAGE/ウエスタンブロッティングを行った。1次抗体、2次抗体は表1に示したとおりに使用した。メンブレンをTBS−Tで3回洗浄した後、ECL反応(ImmobilonTM Western、MILLIPORE)を行いLAS−4000(FUJIFILM)で化学発光を検出してバンドを確認した。
ウエスタンブロッティングで検出したデータの画像はTIFF方式で保存し定量した。その他は、試験例1と同様に解析、及び統計処理をした。
結果を図3に示す。なお、図3左図において、PMは細胞膜分画、Post−PMは非細胞膜画分を表す。また、図3右図は、左図のバンドを定量し、GLUT4膜移行率を求めたものである。
パロアッスルとインスリンのいずれも投与していない群(CTL)のA値を1としたときの、各相対値をGLUT4膜移行率とした。
C2C12細胞(マウス由来筋芽細胞)におけるIR、Akt、ERK、IRS−1、PI3Kp85、AMPKが、パロアッスルによってどのように影響を受けるかを、以下の方法で調べた。
試験例2と同様にパロアッスルを調製した。
C2C12細胞(マウス由来筋芽細胞)は、理化学研究所バイオリソースセンターから入手し、用いた。
DMEMに10%FBS及び1%p/sを加えたものを、培養培地として用いた。
細胞ストックを解凍し、培養培地で懸濁して100mmディッシュに播種した。培養は、37℃、5%CO2のインキュベーターで、2日ごとに培地交換を行いながら、セミコンフルエントまで行った。セミコンフルエントまで培養した後、培養培地を吸引してPBS(−)でディッシュを洗い、PBSを完全に吸引した。T/Eで37℃、3分間処理して細胞を剥がし、培養培地を混合してT/Eを失活させチューブに回収した。これを1000rpmで3分間遠心し、上清を除去して回収した細胞を培養培地に再懸濁し、5×104cells/mLの濃度で6ウェルプレートに継代した。その後、80%コンフルエントになった時点をday0とした。day0、2、4に培養培地を交換し、さらに上記パロアッスルをDMSOに溶解したものを所定の最終濃度となるように培養培地で希釈して培地に添加した。また、インスリン添加群では、day4に、インスリンを培養培地で希釈したものを、最終濃度100nMとなるように添加した。
インスリンの添加から30分後に、PBS(−)でプレートを洗い、PBSを完全に吸引した。その後すぐに液体窒素に3秒、室温に30秒静止する操作を3回繰り返した。水分を完全に除去した後、RIPA bufferを100μL/ウェルでプレートに加え、セルスクレイパーで細胞を回収しチューブに移した。作業は氷上で行った。これを15,000rpm、4℃で20分間遠心した。上清を別のチューブに移してタンパク質サンプルとし、−80℃で保存した。
試験例3と同様にタンパク質濃度の測定をした。
試験例3と同様に行った。1次抗体、2次抗体は表2に示したとおりに使用した。
試験例3と同様に行った。
ウエスタンブロッティングの結果を図4〜図9に示す。また、検出されたバンドを定量し、それぞれの図中下段にグラフ化した。なお、図10には、GLUT4が細胞膜に輸送されるAMPK経路及びインスリンシグナル経路の作用機序の概略説明図を示す。
Claims (6)
- パロアッスル(学名:Cyclolepis genistoides D. Don)の溶媒抽出物又はパロアッスル(学名:Cyclolepis genistoides D. Don)の乾燥粉末を有効成分とし、老化の抑止のために用いられることを特徴とするAMPK活性化用組成物。
- パロアッスル(学名:Cyclolepis genistoides D. Don)の含水率20〜60(v/v)%の含水エタノール抽出物を有効成分とするものである、請求項1に記載のAMPK活性化用組成物。
- 機能性食品、サプリメント、又は医薬品の形態である、請求項1又は2記載のAMPK活性化用組成物。
- 老化の抑止のために用いられるAMPK活性化用組成物の調製のためのパロアッスル(学名:Cyclolepis genistoides D. Don)の溶媒抽出物又はパロアッスル(学名:Cyclolepis genistoides D. Don)の乾燥粉末の使用。
- パロアッスル(学名:Cyclolepis genistoides D. Don)の含水率20〜60(v/v)%の含水エタノール抽出物を使用するものである、請求項4に記載の使用。
- 前記AMPK活性化用組成物は、機能性食品、サプリメント、又は医薬品の形態である、請求項4又は5記載の使用。
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