JP6635644B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機等の遊技機に係り、特に、可変入球装置を備える遊技機に関する。
従来、この種の遊技機として、例えば、可変入球装置を備えるパチンコ機等の遊技機がある
特開平9−700号公報(第4頁、図1)
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある
すなわち、従来の遊技機は、入球検出に基づく変動表示時間を好適に短く設定し難いものとなっている。
また、入球検出に基づく変動表示の保留は、上限を超える入球検出は保留されずに無駄球になるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、入球検出に基づく識別情報の変動表示時間を好適に短くすることができるとともに無駄球を生じさせにくい遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段によって発射された遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球し易い第1状態と、該第1状態よりも遊技球が入球し難い第2状態とに可変する可変入球装置と、
前記可変入球装置に入球した遊技球を検出する該可変入球装置内に設けられた入球検出手段と、
前記入球検出手段による入球検出に基づいて遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させる抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段による抽選の結果に基づいて、前記特定遊技状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる識別情報の変動表示を実行させる実行制御手段と、
を備え、
前記可変入球装置は、所定の遊技状態において前記第2状態の時に遊技球を該可変入球装置上に設けられた所定の領域を次に前記第1状態となるまで転動させることにより、前記第1状態の時に前記遊技領域のうち前記所定の領域を含む特定の領域を流下する遊技球を概ね全て入球させることが可能なように構成され、
前記実行制御手段は、前記可変入球装置に2以上の遊技球が連続して入球する場合に、当該2以上の遊技球が前記特定遊技状態を発生させない抽選の結果となる場合、当該入球検出に基づく変動表示を続けて実行するように制御する
ことを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、入球検出に基づく識別情報の変動表示時間を好適に短くすることができるとともに無駄球を生じさせにくい遊技機を提供することができる。
本発明の実施例1のパチンコ機の概略正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第3図柄表示装置の表示内容を示す説明図であり、図5(a)は主装飾図柄が揃った状態を示し、図5(b)は副装飾図柄が揃った状態を示す。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 第1図柄変動処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 NMI割込み処理を示すフローチャートである。 払出制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 払出制御処理を示すフローチャートである。 賞球制御処理を示すフローチャートである。 貸球制御処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置のCPUにより実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。 サブ制御装置のCPUにより実行される通常処理の一例を示すフローチャートである。 第1可変入賞装置の斜視図であり、図20(a)は本体ケースを装着した状態、図20(b)は本体ケースからプレート部を除いた状態を示す。 第1可変入賞装置の正面図であり、図21(a)は本体ケースを装着した状態、図21(b)は本体ケースからプレート部を除いた状態を示す。 図21(a)に示される第1可変入賞装置のA−A線断面図であり、図22(a)は第1可変入賞装置の閉状態を示し、図22(b)は第1可変入賞装置の開状態を示す。 開閉扉及び駆動部の斜視図である。 図21(a)に示される第1可変入賞装置のB−B線断面図でありとくに停留部を示す図である。 遊技機の前側から見た第1可変入賞装置の分解斜視図である。 遊技機の後側から見た第1可変入賞装置の分解斜視図である。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 開閉扉の開閉動作を説明する斜視図であり、図28(a)は大当たり状態となる前の閉状態を示し、図28(b)は大当たり状態の1ラウンド目の開状態を示す。 図28に続く開閉扉の開閉動作を説明する斜視図であり、図29(a)は、1ラウンド目以降の閉状態を示し、図29(b)は、2ラウンド目以降の開状態を示す。 開閉扉の開閉タイミングと遊技球の検出タイミングとを示すタイミングチャートである。 実施例2に係るパチンコ機の遊技盤の正面図である。 実施例2に係る第3可変入賞装置の斜視図であり、図32(a)は本体ケースを装着した状態を示し、図32(b)は本体ケースのプレート部を除いた状態を示す。 実施例2に係る普通電動役物開閉処理を示すフローチャートである。 開閉扉の開閉タイミングと遊技球の検出タイミングとを示すタイミングチャートである。 実施例3の開閉扉の開閉タイミングと遊技球の検出タイミングと第3図柄表示装置の表示タイミングを示すタイミングチャートである。 第3可変入賞装置での遊技球の動きを説明する斜視図であり、図36(a)は、第1回目の開放状態を示し、図36(b)は、第1回目の開放終了後の閉鎖状態を示す。 図36に続く第3可変入賞装置での遊技球の動きを説明する斜視図であり、図37(a)は、第2回目の開放状態の前半を示し、図37(b)は、第2回目の開放状態の後半を示す。 図37に続く第3可変入球装置での遊技球の動きを説明する斜視図であり、図38(a)は、第2回目の開放終了後の閉鎖状態を示し、図38(b)は、第3回目の開放状態の前半を示す。 図38に続く第3可変入球装置での遊技球の動きを説明する斜視図であり、図39(a)は、第3回目の開放状態の後半を示し、図39(b)は、第3回目の開放終了後の閉鎖状態を示す。 実施例4の開閉扉の開閉タイミングと遊技球の検出タイミングと第3図柄表示装置の表示タイミングを示すタイミングチャートである。 実施例5の開閉扉の開閉タイミングと遊技球の検出タイミングと第3図柄表示装置の表示タイミングを示すタイミングチャートである。 変形例に係る第1可変入賞装置の斜視図であり、図42(a)は停留部の停留状態を示し、図42(b)は停留部の停留解除状態を示す。 別の変形例に係る第1可変入賞装置の斜視図であり、図43(a)は停留部の停留状態を示し、図43(b)は停留部の停留解除状態を示す。
本明細書は、次のような遊技機に係る発明と発明が解決しようとする課題についても開示している。
なお、以下の実施例において特に断りのない限り、上下左右及び前後(あるいは奥、手前)の方向は、遊技盤を正面から見た状態、すなわち遊技盤の正面視を基準にして説明する。また、本明細書中の「入球」は、遊技球が入球可能な入球口への遊技球の入球を意味し、賞球の払い出しが得られる入賞口への遊技球の入球すなわち「入賞」と、賞球の払い出しが得られない入球口への遊技球の入球とのいずれも含む意味である。
<第1課題>
[背景技術]従来、この種の遊技機として、例えば、遊技球を発射する発射装置と、この発射装置によって発射された遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、この遊技盤の遊技領域を流下する遊技球が入球し易い開状態と、該開状態よりも遊技球が入球し難い閉状態とに可変する可変入球装置と、この可変入球装置に入球した遊技球の入球検出に基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させる抽選を行い、この抽選の結果に基づいて、上述の特定遊技状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる識別情報の変動表示を実行するパチンコ機等の遊技機がある。この種の遊技機では、可変入球装置が開状態にあるか閉状態にあるかによって、遊技領域を流下する遊技球の可変入球装置への入球し易さが変わる。(特開平9−700号公報(第4頁、図1))
[解決しようとする課題]しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機は、このように遊技領域を流下する遊技球の可変入球装置への入球し易さが変わるので、上述の開状態に可変されている期間に可変入球装置に到達した遊技球は、可変入球装置に入球し易くなっているが、上述の閉状態に可変されている期間に可変入球装置に到達した遊技球は、可変入球装置に入球し難くなっている。そのため、一の入球検出が発生してから次の入球検出が発生するまでの時間を予測することが難しく、一の入球検出に基づく識別情報の変動表示時間を短くすることも難しいという問題がある。
変動表示時間を短くすることが難しい理由としては、以下の理由が考えられる。すなわち、一の入球検出に基づく変動表示時間を短く設定しても、次の入球検出が発生するまでに長い時間がかかる場合がある。この場合は、一の入球検出に基づく変動表示の終了後、次の入球検出に基づく変動表示が開始されるまでに変動表示が実行されない空き時間が多く生じる恐れがある。このような空き時間が長くなると、遊技者の退屈感が増す。そのため、入球検出に基づく変動表示時間を短く設定し難いものとなっている。
変動表示時間を短くすることが難しいからと言っても、変動表示時間を長めに設定した場合には次の問題がある。すなわち、変動表示が実行されている間は、可変入球装置において入球検出が発生しても、当該入球検出に基づく変動表示は保留される。入球検出に基づく変動表示の保留数は、例えば4個などの上限が定められている。そのため、変動表示時間が長く設定されると、保留がたまり易くなるが、上限を超える入球検出は保留されずに無駄球になるという問題がある。
以下の(A1)に係る発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、入球検出に基づく識別情報の変動表示時間を好適に短くすることができるとともに無駄球を生じさせにくい遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]以下の(A1)に発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
(A1) 遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段によって発射された遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球し易い第1状態と、該第1状態よりも遊技球が入球し難い第2状態とに可変する可変入球装置と、
前記可変入球装置に入球した遊技球を検出する入球検出手段と、
前記入球検出手段による入球検出に基づいて遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させる抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段による抽選の結果に基づいて、前記特定遊技状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる識別情報の変動表示を実行させる実行制御手段と、
を備え、
前記可変入球装置は、前記遊技領域のうち特定の領域を流下する遊技球を概ね全て入球させることが可能なように構成され、
前記実行制御手段は、前記可変入球装置に2以上の遊技球を連続して入球する場合に、前記入球検出手段の入球検出に基づく2以上の変動表示を予め決められた一定の時間間隔で連続して実行するように制御する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A1)に記載の発明によれば、可変入球装置は、遊技領域のうち特定の領域を流下する遊技球を概ね全て入球する。実行制御手段は、可変入球装置に2以上の遊技球を連続して入球する場合に、入球検出手段の入球検出に基づく2以上の変動表示を予め決められた一定の時間間隔で連続して実行する。すなわち、遊技領域のうち特定の領域を流下する遊技球が概ね全て可変入球装置に入球するので、可変入球装置に入球した遊技球は一定の時間間隔で連続して入球検出手段にて入球検出される。これにより、識別情報の変動表示は、入球検出手段の一定の入球検出タイミングに合わせて、予め決められた一定の時間間隔で連続して実行される。その結果、一の入球検出が発生してから次の入球検出が発生するまでの時間のばらつきが低減されるので、識別情報の変動表示を一定の時間間隔で連続して実行しても、一の入球検出に基づく変動表示の終了後、次の入球検出に基づく変動表示が開始されるまでに変動表示が実行されない空き時間が多く生じる恐れが低減される。また、変動表示時間を長めに設定する必要もないので、保留数の上限を超えて入球検出が保留されずに無駄球になるという恐れも低減される。
また、遊技領域のうち特定の領域を流下する遊技球が入球検出手段にて入球検出される時間間隔が分かれば、それに合わせて識別情報の変動表示の時間間隔も分かる。遊技機を新たに設計する場合において、この入球検出の時間間隔から、識別情報の変動表示の時間間隔を設定することができる。すなわち、入球検出の時間間隔が長いタイプの遊技機であれば、それに合わせて変動表示の時間間隔を長く調節することが予め可能となる。また反対に、入球検出の時間間隔が短いタイプの遊技機であれば、それに合わせて変動表示の時間間隔を短く調節することが予め可能となる。その結果、変動表示の時間間隔を長短いずれに調節しても、一の入球検出に基づく変動表示の終了後、次の入球検出に基づく変動表示が開始されるまでの間に変動表示が実行されない不要な空き時間が生じることもないし、保留数の上限を超えて入球検出が保留されずに無駄球になることを心配して変動表示時間を長めに設定する必要もない。
また、入球検出に基づく変動表示の保留が発生する場合でも、当該保留分の変動表示も含めて一定の時間間隔で連続して実行されるので、変動表示の保留が溜まりにくい。また、変動表示の保留が溜まったとしても、当該保留分の変動表示も一定の時間間隔で連続して実行されて、次々と消化されていくので、保留数の上限を超えて変動表示の保留が溜まりにくい。したがって、遊技領域のうち特定の領域を流下して可変入球装置に入球した遊技球の入球検出に基づく変動表示を概ね全て実行することができるので、無駄球が発生しにくく、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
したがって、入球検出に基づく識別情報の変動表示時間を好適に短くすることができるとともに無駄球を生じさせにくい。その結果、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
(A2) 前記(A1)に記載の遊技機において、
前記一定の時間間隔は、前記入球検出手段によって検出される連続する2つの入球検出の時間間隔と同じ間隔かまたはそれより短い間隔である
ことを特徴とする遊技機。
前記(A2)に記載の発明によれば、識別情報の変動表示が行われる一定の時間間隔は、連続する2つの入球検出の時間間隔と同じ間隔かまたはそれより短い間隔であるので、入球検出タイミングと識別情報の変動表示タイミングとがほぼ同期する。これにより、さらにテンポよく遊技を進めることが可能となる。
(A3) 前記(A1)または(A2)に記載の遊技機において、
前記発射手段は、前記特定の領域に、所定時間内に所定数の遊技球を発射可能なものであり、
前記可変入球装置は、前記発射手段によって所定時間内に所定数の遊技球が発射された場合に、前記特定の領域を流下する前記所定数の遊技球を概ね全て入球させることが可能なものである
ことを特徴とする遊技機。
前記(A3)に記載の発明によれば、所定時間内に所定数発射されて遊技盤の特定の領域を流下する遊技球が概ね全て可変入球装置に入球するので、遊技者は所定時間内に所定数の遊技球を発射しているだけで、遊技盤の特定の領域を流下する遊技球を概ね全て可変入球装置に入球させることができる。したがって、遊技者は、所定時間内に所定数の遊技球を発射している間に不必要に遊技球を失うことないうえに、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
(A4) 前記(A1)ないし(A3)に記載の遊技機において、
前記発射手段は、遊技者によって操作される操作部と、遊技球を打ち出す打ち出し部と、前記操作部の操作に基づいて前記打ち出し部を動作させるモーターまたはソレノイドを有するものであり、
前記可変入球装置は、前記打ち出し部によって打ち出された遊技球の飛距離が最大となるように前記モーターまたはソレノイドが動作する場合に、前記特定の領域を流下する前記所定数の遊技球を概ね全て入球させることが可能なものである
ことを特徴とする遊技機。
前記(A4)に記載の発明によれば、打ち出し部によって打ち出された遊技球の飛距離が最大となるように遊技者が操作部を操作する場合に、遊技盤の特定の領域を流下する所定数の遊技球が概ね全て可変入球装置に入球するので、遊技者は、打ち出し部によって打ち出された遊技球の飛距離が最大となるように操作部を操作するだけで、打ち出された遊技球を概ね全て可変入球装置に入球させることができる。したがって、発射手段の操作に不慣れな遊技者であっても、不必要に遊技球を失うことがないうえに、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
(A5) 前記(A1)ないし(A4)に記載の遊技機において、
前記遊技盤は、前記特定の領域を流下する遊技球に衝突して遊技球の流下方向を前記可変入球装置の方向へ変える遊技部品が配設されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(A5)に記載の発明によれば、遊技盤には、特定の領域を流下する遊技球に衝突して遊技球の流下方向を可変入球装置の方向へ変える遊技部品が配設されているので、遊技者は、遊技盤に配設される遊技部品の配置を特別に意識しなくても、打ち出された遊技球を概ね全て可変入球装置に入球させることができる。したがって、遊技部品の配置の仕方の良し悪しに関するに知識に乏しい遊技者であっても、不必要に遊技球を失うことないうえに、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
(A6) 前記(A1)ないし(A5)に記載の遊技機において、
前記可変入球装置は、遊技球が入球可能な入球部と、前記入球部に遊技球が入球し易い開状態と前記開状態よりも前記入球部に遊技球が入球し難い閉状態とに開閉動する開閉動作部材とを有するものであって、
前記可変入球装置は、前記特定遊技状態の期間において前記開閉動作部材が開状態と閉状態のいずれの状態にある場合も、前記遊技領域のうち特定の領域を流下する遊技球を概ね全て前記入球部に入球させることが可能なように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(A6)に記載の発明によれば、可変入球装置は、特定遊技状態の期間において開閉動作部材が開状態と閉状態のいずれの状態にある場合も、遊技領域のうち特定の領域を流下する遊技球を概ね全て入球部に入球させることが可能なよう構成されているので、打ち出された遊技球が開閉動作部材の開状態と閉状態いずれの状態にあるときに可変入球装置に到達したとしても、可変入球装置に到達した全ての遊技球を可変入球装置の入球部に入球させることが可能となる。したがって、遊技球の発射タイミングを考慮しなくても、不必要に遊技球を失うことがないうえに、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
(A7) 前記(A6)に記載の遊技機において、
前記実行制御手段は、遊技者にとって有利な特定遊技状態となる第1条件の成立に応じて、前記開閉動作部材を開状態とし、第1所定時間の経過または所定数の入球の少なくともいずれかに基づいて、前記開閉動作部材を閉状態とし、第1所定時間よりも短く設定された第2所定時間が経過した後、前記開閉動作部材を開状態に戻す遊技を所定回数繰り返し、
前記可変入球装置は、前記開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する前記特定遊技状態の期間において、閉状態にある前記開閉動作部材に接触した遊技球が、前記開閉動作動部材が開状態に戻されるまでの間停留され、前記開閉動作部材が開状態に戻された場合に停留中の遊技球が前記入球部に向けて排出されるように構成される停留部を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(A7)に記載の発明によれば、遊技者にとって有利な特定遊技状態となる第1条件の成立に応じて、開閉動作部材を開状態とし、第1所定時間の経過または所定数の入球の少なくともいずれかに基づいて、開閉動作部材を閉状態とし、第1所定時間よりも短く設定された第2所定時間が経過した後、開閉動作部材を開状態に戻す遊技が所定回数繰り返される。可変入球装置は、停留部を備えているので、このような特定遊技状態の期間において、閉状態にある開閉動作部材に接触した遊技球を開閉動作部材が開状態に戻されるまでの間停留し、開閉動作部材が開状態に戻された場合に停留中の遊技球が入球部に向けて排出することができる。これにより、(A6)で上述したように、遊技球の発射タイミングを考慮しなくても、不必要に遊技球を失うことがないうえに、テンポよく遊技を進めることが好適に実現される。
<第2の課題>
[背景技術]従来、この種の遊技機として、例えば、遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤を備え、遊技球が入球可能な入球部と、この入球部に遊技球が入球し易い開状態とこの開状態よりも入球部に遊技球が入球し難い閉状態とに動作する開閉動作部材とを有する可変入球装置を備えるパチンコ機等の遊技機がある。この種の遊技機は、始動口への入球を契機として行われる抽選の結果が遊技者にとって有利な特定遊技状態への当選である場合に、所定の遊技価値を付与する。この所定の遊技価値は、例えば、開閉動作部材を第1所定時間だけ開状態とし、この第1所定時間の経過や所定数の入球があったこと等に基づいて、開閉動作部材を閉状態とし、この第1所定時間よりも短い時間の第2所定時間の経過後、開閉動作部材を開状態に戻す遊技を複数回行い、入球部への入球に対して所定の遊技価値を付与する。上述の開閉動作部材には、第1所定時間中、開閉動作部材を開放させ続けることによって入球部に遊技球が入球し易い開状態となるものや、第1所定時間中、開閉動作部材を複数回開閉させることによって入球部に遊技球が入球し易い開状態となるもの等がある。(特開平9−700号公報(第4頁、図1))
[解決しようとする課題]しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機は、開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する特定遊技状態の期間中に遊技球を発射したとしても、遊技球が可変入球装置に到達したときに開閉動作部材が閉状態となっている場合、遊技球は入球部に入球できない。そのため、開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する特定遊技状態の期間全体にかかる時間をこれ以上短くすることができないという問題がある。
また、従来、特定遊技状態の期間全体にかかる時間を短くすることを試みる手法として、特定遊技状態における開状態の間に設けられる閉状態の時間を短くしたり無くしたりする場合があった。このような手法では、前の開状態の期間中に入球部に入球した遊技球が当該開状態の期間の終了時点で残存球として残り、次の開状態の期間中に検出されてしまうことがあった。このような事態は、遊技者の利益を損なうものであるので、特定遊技状態における開状態と閉状態との間の時間を短くし難く、依然として、大当たり状態の期間全体にかかる時間を十分に短くすることができないという問題が残っている。
以下の(1)に係る発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する特定遊技状態の期間全体にかかる時間を好適に短くすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]以下の(1)に係る発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
(1) 遊技球が流下可能な特定遊技領域を有する遊技盤と、
遊技球が入球可能な入球部と、前記入球部に遊技球が入球し易い開状態と前記開状態よりも前記入球部に遊技球が入球し難い閉状態とに開閉動する開閉動作部材とを有する可変入球装置とを備え、
遊技者にとって有利な遊技状態となる第1条件の成立に応じて、前記開閉動作部材を開状態とし、第1所定時間の経過または所定数の入球の少なくともいずれかに基づいて、前記開閉動作部材を閉状態とし、第1所定時間よりも短く設定された第2所定時間が経過した後、前記開閉動作部材を開状態に戻す遊技を所定回数繰り返す遊技機であって、
前記可変入球装置は、
前記開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する前記特定遊技状態の期間において、閉状態にある前記開閉動作部材に接触した遊技球が、前記開閉動作動部材が開状態に戻されるまでの間停留され、前記開閉動作部材が開状態に戻された場合に停留中の遊技球が前記入球部に向けて排出されるように構成される停留部を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(1)に記載の発明によれば、遊技球が入球可能な入球部と、入球部に遊技球が入球し易い開状態とこの開状態よりも入球部に遊技球が入球し難い閉状態とに開閉動する開閉動作部材とを有する可変入球装置は、遊技者にとって有利な特定遊技状態となる第1条件の成立に応じて、開閉動作部材を開状態とし、第1所定時間の経過または所定数の入球の少なくともいずれかに基づいて、開閉動作部材を閉状態とし、第1所定時間よりも短く設定された第2所定時間が経過した後、開閉動作部材を開状態に戻す遊技を所定回数繰り返す。可変入球装置は、開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する前記特定遊技状態の期間において、閉状態にある開閉動作部材に接触した遊技球が、開閉動作動部材が開状態に戻されるまでの間停留され、開閉動作部材が開状態に戻された場合に停留中の遊技球が入球部に向けて排出されるように構成される停留部を備える。
これにより、開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する特定遊技状態の期間において、閉状態にある開閉動作部材に接触した遊技球は、開閉動作動部材が開状態に戻されるまでの間停留部に停留される。停留された遊技球は、開閉動作部材が開状態に戻された場合に入球部に向けて排出される。したがって、従来の遊技機では入球部に入球させることができなかった、開閉動作部材が閉状態にあるタイミングで可変入球装置に到達する遊技球であっても、入球部に入球させることができる。したがって、開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する特定遊技状態の期間全体にかかる時間を好適に短くすることができる。
また、特定遊技状態の期間全体にかかる時間が短くなる分だけ、遊技者は、同じ時間であっても従来の遊技機と比較してより多くの回数、特定遊技状態を発生させるか否かの抽選の機会を得られる可能性があるので、遊技の興趣性を高めることもできる。
また、従来、特定遊技状態の期間全体にかかる時間を短くすることを試みる手法として、特定遊技状態における開状態と閉状態との間に設けられる時間を短くしたり無くしたりする場合があった。このような手法では、前の開状態の期間中に入球部に入球した遊技球が当該開状態の期間の終了時点で残存球として残り、次の開状態の期間中に検出されてしまうことがあった。このような事態は、遊技者の利益を損なうものであるので、特定遊技状態における開状態と閉状態との間の時間を短くし難く、依然として、大当たり状態の期間全体にかかる時間を十分に短くすることができなかった。しかしながら、前記(1)に記載の発明にかかる可変入球装置を備えることにより、特定遊技状態における開状態と閉状態との間の時間中には、遊技球は停留部に停留されているので、入球部内に残存球として残ることがなく、その停留球を利用して次の開状態の期間に検出させることができる。これにより、特定遊技状態における開状態と閉状態との間に所定時間を空けなくても残存球を適切に処理することができ、且つ、特定遊技状態の期間全体にかかる時間を好適に短くすることができる。
(2) 前記(A7)及び(1)に記載の遊技機において、
前記入球部は、遊技球が入球可能な第1入球領域と、遊技球が入球可能な領域であって前記第1入球領域とは異なる位置に設けられた第2入球領域とを有し、
前記開閉動作部材は、開閉動作することによって前記第1入球領域と前記第2入球領域とを開状態と閉状態とに変化させるものであり、
前記停留部は、前記開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する前記特定遊技状態の期間において、前記第1入球領域に入球しようとして前記開閉動作部材に接触した遊技球を前記開閉動作部材が閉状態である間停留し、前記開閉動作部材が開状態に戻されたときに前記第2入球領域に向けて排出する
ことを特徴とする遊技機。
前記(2)に記載の発明によれば、入球部は、第1入球領域と、この第1入球領域とは異なる位置に設けられた第2入球領域とを有する。開閉動作部材は、第1入球領域と第2入球領域とを開状態と閉状態とに変化させる。開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する前記特定遊技状態の期間において、第1入球領域に入球しようとして開閉動作部材に接触した遊技球は、開閉動作部材が閉状態である間停留部に停留する。停留された遊技球は、開閉動作部材が開状態に戻されたときに第2入球領域に向けて排出される。
この点、従来の遊技機は、開閉動作部材が開状態となっている期間に遊技球が可変入球装置に到達した場合であっても、到達した全ての遊技球が入球部に入球できない場合があった。すなわち、開閉動作部材が開状態となっている期間に連続して遊技球が可変入球装置に到達するような場合、可変入球装置に到達した全ての遊技球を入球部に入球させるまでに時間がかかり、可変入球装置に到達した遊技球のうちいくつかが可変入球装置の外に溢れ出てしまうことがある。
これに対して、上記(2)のように構成することで、可変入球装置に到達した遊技球は、最初に開閉動作部材が開状態である間、遊技球は第1入球領域に入球可能となるが、停留部に遊技球が停留されていないので、遊技球は第2入球領域に入球しない。次に開閉動作部材が閉状態である間、遊技球は第1入球領域にも第2入球領域にも入球しないで、停留部に停留可能となる。次に開閉動作部材が開状態である間、遊技球は第1入球領域に入球可能となるとともに、停留部に遊技球が停留されている場合は、停留されていた遊技球は第2入球領域に入球可能となる。次に開閉動作部材が閉状態である間、再び、遊技球は第1入球領域にも第2入球領域にも入球されずに停留部に停留可能となる。次に開閉動作部材が開状態に戻されたときには、再び、遊技球は第1入球領域に入球可能となるとともに、停留部に遊技球が停留されている場合は、停留されていた遊技球は第2入球領域に入球可能となる。以降、所定回数に到達するまで、開閉動作部材は開閉動作する。
このように、初回を除いて、可変入球装置に到達した遊技球は、開閉動作部材が開状態である間、第1入球領域からも第2入球領域からも入球可能となる。したがって、開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する期間において連続して遊技球が可変入球装置に到達するような場合でも、可変入球装置に到達した遊技球を第1入球領域からも第2入球領域からも入球させることができるので、可変入球装置に到達した遊技球を迅速に入球部に入球させることができる。その結果、可変入球装置に到達した遊技球が可変入球装置の外に溢れ出てしまうことに起因する時間のロスを低減できるので、開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する特定遊技状態の期間全体にかかる時間を好適に短くすることができる。
また、入球部に入球しようとして遊技領域を流下する遊技球が入球しようとする入球領域と、停留部に停留された遊技球が入球しようとする入球領域とは、同じ入球部の中で異なる位置に設けられているので、遊技領域を流下してきた遊技球と停留部で停留された遊技球とが衝突して一部の遊技球が入球部に入球できなくなるおそれが低減される。その結果、開閉動作部材が開状態に変化する期間中に遊技球どうしが衝突して入球できなくなることに起因する時間のロスが低減されるので、特定遊技状態の期間全体にかかる時間を好適に短くすることができる。
(3) 前記(2)に記載の遊技機において、
前記第1入球領域と前記第2入球領域とは、前記遊技盤の正面視で前記遊技領域の左右方向に並べて配設され、
前記停留部は、前記第1入球領域と前記第2入球領域との間に位置する
ことを特徴とする遊技機。
前記(3)に記載の発明によれば、第1入球領域と第2入球領域とは、遊技盤の正面視で遊技領域の左右方向に並べて配設されている。停留部は、第1入球領域と第2入球領域との間に位置する。したがって、開閉動作部材が閉状態である間に、開閉動作部材に接触した遊技球を円滑に停留部に停留させることができるとともに、停留部に停留された遊技球を円滑に第2入球領域の方へ送ることができる。その結果、遊技者にとって有利な遊技状態を終了するまでに掛かる時間を短くすることができる。
(4) 前記(2)または(3)に記載の遊技機において、
前記第1入球領域は、前記遊技盤の正面視で前記遊技領域の上下方向での高さが前記第2入球領域よりも高くなるように配設され、
前記停留部は、前記第1入球領域から前記第2入球領域へ向けて遊技球を下り方向に案内する下り案内部を有する
ことを特徴とする遊技機。
前記(4)に記載の発明によれば、第1入球領域は、遊技盤の正面視で遊技領域の上下方向での高さが第2入球領域よりも高くなるように配設され、停留部は、第1入球領域から第2入球領域へ向けて遊技球を下り方向に案内する下り案内部を有する。したがって、停留中の遊技球は、第1入球領域から第2入球領域へ向けて勢いよく案内される。その結果、開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する期間において第1入球領域へ向けて遊技球を次々と発射しても、可変入球装置の内部で停留中の遊技球が詰まるおそれが低減される。
(5) 前記(2)乃至(4)の少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記可変入球装置は、前記停留部で停留されている遊技球の進行方向を変更させながら前記第1入球領域から前記第2入球領域へ向けて遊技球を案内する停留通路を形成する通路形成部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(5)に記載の発明によれば、停留部で停留されている遊技球は、通路形成部にて形成される停留通路によって進行方向を変更されながら第1入球領域から第2入球領域へ向けて案内される。したがって、停留部内での遊技球の進行方向を変えることで、進行方向を変えないで第1入球領域から第2入球領域へ向けて遊技球を案内する場合に比べて、遊技球の停留時間を長く設定することができる。
(6) 前記(5)に記載の遊技機において、
前記通路形成部は、少なくとも、遊技球を前記遊技盤の盤面の手前側から奥側へ案内する奥向き案内部と、遊技球を前記遊技盤の盤面の奥側から手前側へ案内する手前向き案内部とを組み合わせたものである
ことを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の発明によれば、通路形成部は、少なくとも、遊技球を前記遊技盤の盤面の手前側から奥側へ案内する奥向き案内部と、遊技球を前記遊技盤の盤面の奥側から手前側へ案内する手前向き案内部との組み合わせによって形成されるので、奥向き案内部と奥側案内部と手前向き案内部との組み合わせ方によって、遊技球の停留時間を自由に設計できる。
(7) 前記(2)乃至(6)の少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記停留部は、前記第1入球領域から前記第2入球領域へ案内される遊技球の速度を落とす減速部を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(7)に記載の発明によれば、停留部に停留される遊技球は、第1入球領域から第2入球領域へ案内される際に減速部によって速度が落とされるので、開閉動作部材が閉状態とされる第2所定時間を確保することができる。
(8) 前記(2)乃至(7)の少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記可変入球装置は、前記第1入球領域への遊技球の入球を検出する第1入球検出部と、前記第2入球領域への遊技球の入球を検出する第2入球検出部とを備え、
前記第1検出部と前記第2検出部とは、前記第1入球領域と前記第2入球領域の真下にそれぞれ配設されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(8)に記載の発明によれば、第1入球領域への遊技球の入球を検出する第1入球検出部は、第1入球領域の真下に配設され、第2入球領域への遊技球の入球を検出する第2入球検出部は第2入球領域の真下に配設されている。したがって、停留状態が解除されて、第1入球領域への入球と第2入球領域への入球とが同時に連続して発生する場合であっても、入球部内での球詰まりの低減や検出時間の低減を実現することができる。
(9) 前記(A1)乃至(A7)、(1)乃至(8)の少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技盤には、前記開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する前記特定遊技状態の期間中に所定のキャラクター画像を動作させる特別遊技動画を表示させる画像表示装置が配設され、
前記遊技領域は、前記画像表示装置の横幅よりも狭い領域であって、前記画像表示装置の左横側に形成される左幅狭領域と、前記画像表示装置の右横側に形成される右幅狭領域とを有し、
前記可変入球装置は、前記左幅狭領域か前記左幅狭領域の下方のいずれか、または、前記右幅狭領域か前記右幅狭領域の下方のいずれかに配設されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(9)に記載の発明によれば、遊技領域は、画像表示装置の横幅よりも狭い左幅狭領域と右幅狭領域とを有し、左幅狭領域は画像表示装置の左横側に形成され、右幅狭領域は画像表示装置の右横側に形成されている。可変入球装置は、左幅狭領域か左幅狭領域の下方のいずれか、または、右幅狭領域か前記右幅狭領域の下方のいずれかに配設されている。したがって、可変入球装置に向けて発射した遊技球をできるだけ多く可変入球装置の入球部に入球させることができる。つまり、可変入球装置が遊技領域の中央に配設されている場合には、遊技領域を流下する遊技球は、遊技領域に配設される釘や風車などの遊技部材に衝突することによって流下方向が変えられて、可変入球装置の入球部から外れてしまうことが多い。これに対して、可変入球装置が遊技領域の左幅狭領域や右幅狭領域に配設される場合には、遊技領域を流下する遊技球は、前述の遊技部材の影響を受けても左幅狭領域や右幅狭領域の横幅内しか流下方向が変わらないので、可変入球装置の入球部に入球し易くなっている。これは、可変入球装置が左幅狭領域の下方や右幅狭領域の下方に配設されている場合も同様である。したがって、開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する特定遊技状態の期間全体にかかる時間を好適に短くすることができる。
(10) 前記(A7)、(1)乃至(9)の少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記停留部は、その上部が覆い部で覆われていることを特徴とする遊技機。
前記(10)に記載の発明によれば、停留部の上部が覆い部によって覆われているので、遊技領域を流下する遊技球と停留部で停留されている遊技球とが衝突することを防止することができる。
(11) 前記(A7)、(1)乃至(10)の少なくともいずれか1つに記載の遊技機において、
前記停留部は、遊技球を停留可能な停留状態と、停留状態を解除して停留中の遊技球を前記入球部に向けて排出する停留解除状態とに動作されるものであり、
前記停留部は、前記開閉動作部材が閉状態に動作された場合に停留状態に動作され、前記開閉動作部材が開状態に動作された場合に停留解除状態に動作される
ことを特徴とする遊技機。
前記(11)に記載の発明によれば、停留部は、開閉動作部材が閉状態に動作された場合に、遊技球を停留可能な停留状態に動作され、開閉動作部材が開状態に動作された場合に、停留状態を解除して停留中の遊技球を入球部に向けて排出する停留解除状態に動作される。したがって、開閉動作部材が開状態に動作された場合に停留中の遊技球は強制的に排出される。その結果、停留状態と次の開状態とを迅速に切り換えることができる。
(12) 前記(11)に記載の遊技機において、
前記開閉動作部材は、その上面に前記停留部を備え、
前記停留部は、前記開閉動作部材が閉状態に動作された場合に前記停留状態となり、前記開閉動作部材が開状態に動作された場合に前記停留解除状態となる
ことを特徴とする遊技機。
前記(12)に記載の発明によれば、開閉動作部材は、その上面に停留部を備え、停留部は、開閉動作部材が閉状態に動作された場合に停留状態となり、開閉動作部材が開状態に動作された場合に停留解除状態となる。したがって、開閉動作部材を動作させるだけで遊技球の停留状態と停留解除状態とに切り換えることができる。その結果、遊技球を停留させるための部材を設けなくてよい分だけ、遊技球を停留する機能を備える可変入球装置の部品点数の削減及び小型化を実現できる。
(13) 前記(A7)、(1)乃至(12)の少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記開閉動作部材は、前後に進退可能な進退部材であって、
前記進退部材は、前記遊技盤の盤面より奥側に後退することによって前記入球部を開状態とし、前記遊技盤の盤面より手前側に前進することによって前記入球部を閉状態ととするものであって、
前記停留部は、閉状態とされた前記進退部材の上を通った遊技球を停留するように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(13)に記載の発明によれば、開閉動作部材は、前後に進退可能な進退部材である。進退部材が遊技盤の盤面より奥側に後退すると、入球部は開状態となり、進退部材が遊技盤の盤面より手前側に前進すると、入球部は閉状態となる。閉状態とされた進退部材の上を通った遊技球は、停留部に停留される。したがって、開閉動作部材の回動によって入球部が開状態や閉状態となる構成と比べて、開状態と閉状態となるために必要な可変入球装置内での上下幅を小さくすることができる。その結果、遊技球を停留する機能を備える可変入球装置の小型化を実現できる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置の表示内容を示す説明図であり、図5(a)は主装飾図柄が揃った状態を示し、図5(b)は副装飾図柄が揃った状態を示す。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
図1に示すように、内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、外形が矩形状の樹脂ベース(図示省略)に着脱自在に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。
図1に示すように、下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
また、前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
図1に示すように、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。また、前面枠セット14には、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている略楕円形状で中央が空洞とした枠体であり、その枠体の空洞部分に略楕円形状のガラス板137が取り付けられたものである。このガラス板137は二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
また、前面枠セット14は、図1に示すように、上皿19の左下側の箇所に、遊技者による操作指示(例えば、押下指示)を受ける枠ボタン20(演出ボタン)を備えている。図4に示すように、枠ボタン20はサブ制御装置262に接続されている。例えば、所定の操作有効条件成立時には、当該枠ボタン20の操作が有効となり、枠ボタン20を押下するなどにより、第3図柄表示装置42の画面表示が変化したり、出力音を変更したり、ランプ表示を変更したりするなど、遊技者が遊技に積極的に参加できるようになっている。
加えて、前面枠セット14は、その前面側で窓部101の周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
遊技盤30は、図2に示すように、四角形状の合板よりなり、その周縁部が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。なお、前述したように、上部側の第1の始動口33aには作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。また、下部側の第2の始動口33bにも作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第2の始動口33bへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。すなわち、遊技球の第1の始動口33aへの入球または遊技球の第2の始動口33bへの入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無い。
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。第1図柄,第2図柄,第3図柄は、それぞれ、第1図柄,第2図柄,第3図柄の変動表示の結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態への当否を遊技者に識別させる識別情報である。
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cとを備えている。遊技球が第1の始動口33a,33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。このLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させる。例えば、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、第1特別遊技状態(例えば通常大当り状態)に当選したことを示す。また、LED40aが青色発光状態で停止するとともにLED40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、第2特別遊技状態(例えば時短大当り状態)に当選したことを示す。また、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、第3特別遊技状態(例えば確変大当り状態)に当選したことを示す。また、LED40aが赤色発光状態で停止するとともにLED40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、外れ(特別遊技状態に落選したこと)を示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当りを示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当りを示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると時短大当たりを示し、LEDが第4の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。また、第3図柄表示装置42には、開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する期間中に所定のキャラクター等の画像を動作させる特別遊技動画も表示可能となっている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、9.3インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第3図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における画像表示装置に相当する。
図2に示すように、第1可変入賞装置32a、第2可変入球装置32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に第1可変入賞装置32aや第2可変入球装置32bのいずれかが開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特別遊技状態が発生する。
本実施例では、第1可変入賞装置32aは、通常大当たり状態または確変大当たりのいずれかに当選した場合に、その大入賞口32Aが所定の開状態となり、遊技球が入賞しやすい状態になるよう構成されている。具体的には、第1可変入賞装置32aは、当該開状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aが所定回数(例えば16回、つまり16ラウンド)繰り返し開放される。また、第2可変入賞装置32bは、時短大当たりに当選した場合に、その大入賞口32Bが所定の開状態となり、遊技球が入賞しやすい状態になるよう構成されている。具体的には、第2可変入賞装置32bは、第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aの開放回数よりも少ない所定回数(例えば8回、つまり8ラウンド)繰り返し開放される。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、正面視した状態で周囲外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域30aの拡張が図られるようになっている。
内レール51及び外レール52間の球案内通路49の入口には、当該球案内通路49の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域30aまで至らず球案内通路49内を逆流してくるファール球を内枠12に設けられたファール球通路(図示省略)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図2のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域30aの幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域30aの高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,33bに対応する位置には作動口スイッチがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第2の始動口34への遊技球の通過を当該作動口スイッチで検出される。ている。
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
第1可変入賞装置32aには、大入賞口32Aを開放するための後述する大入賞口ソレノイド432が設けられ、第2可変入賞装置32bには、図示は省略するが、大入賞口32Bを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられている。また、下部側の第1の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に主制御装置261とサブ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、本実施例では、例えば5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット(図示省略)を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板261aの不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力されるようになっている。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板(図示省略)が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板(図示省略)は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板(図示省略)は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて前記上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、後述する図8の通常処理を最後までを実行、つまり、ステップS216のRAMアクセス禁止が終了するまでを遂行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図13の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理(図13参照)と払出制御処理の後半部分のステップS1015,S1016(図15参照)とによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイドの制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レールに遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆部するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図13のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、第3図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、複数種類(例えば、●、▲、■など)の図柄の副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが例えば上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZまたは副装飾図柄FZが所定の組合せで揃うことが可能となっている。
具体的には、第3図柄表示装置42は、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球と、主制御装置261のCPU501での判定結果とに基づいて、通常大当たり状態や時短大当たり状態や確変大当たり状態などの当否を知らせるための所定の識別情報変動表示演出(第3図柄の変動表示演出)を行う。第3図柄表示装置42の表示画面に主装飾図柄SZ(第3図柄)が例えば偶数図柄で揃った状態の確定表示をすることで、通常大当たり状態の当選を遊技者に示す。また、第3図柄表示装置42の表示画面に主装飾図柄SZ(第3図柄)が例えば奇数図柄で揃った状態(図5(a)に示すラインL5で「1」の主装飾図柄SZが揃った状態)の確定表示をすることで、確変大当たり状態の当選を遊技者に示す。また、第3図柄表示装置42の表示画面に副装飾図柄FZが揃った状態(図5(b)に示すラインL2で「●」の副装飾図柄FZが揃った状態)の確定表示をすることで、時短大当たり状態の当選を遊技者に示す。そして、第3図柄表示装置42は、主装飾図柄SZや副装飾図柄FZが大当たり図柄の組合せで揃えば、大当たりとして特別遊技動画を表示する。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、役物作動に係る乱数と、遊技の用に供するその他の乱数とを用いて、第1図柄表示装置40の抽選(大当たり抽選:第1図柄の大当たり抽選)や図柄表示の設定や、第2図柄表示装置41の抽選(第2図柄の当たり抽選)や図柄表示の設定や、第3図柄表示装置42の装飾図柄(第3図柄)の変動表示に関する抽選やその設定を行うこととしている。
具体的には、本実施例のパチンコ機10では、役物作動に係る乱数として、図6に示すように、第1図柄表示装置40の大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第1図柄表示装置40の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、第2図柄表示装置41の当たりの抽選に使用する第2図柄乱数カウンタC4と、第2図柄乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値第2図柄乱数カウンタCINI2と、を用いている。
また、このパチンコ機10では、遊技の用に供するその他の乱数として、図6に示すように、第3図柄表示装置42の装飾図柄の変動パターン選択に際して大まかにその変動パターンの種類を特定するための停止パターンの選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、第3図柄表示装置42の装飾図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3と、第2図柄表示装置41の外れ図柄選択に使用する第2図柄外れ図柄カウンタC5と、を用いている。上述した各カウンタは、CPU501で実行されるプログラムにより構成されている。
例えば、「停止パターン0」は複数種類の完全外れ変動パターンからなる完全外れ変動パターン群を示すものであり、「停止パターン1」は複数種類の前後外れリーチ変動パターンからなる前後外れリーチ変動パターン群を示すものであり、「停止パターン2」は複数種類の前後外れ以外リーチ変動パターンからなる前後外れ以外リーチ変動パターン群を示すものであり、「停止パターン3」は複数種類の通常大当たり変動パターンからなる通常大当たり変動パターン群を示すものであり、「停止パターン4」は複数種類の時短大当たり変動パターンからなる時短大当たり変動パターン群を示すものであり、「停止パターン5」は複数種類の確変大当たり変動パターンからなる確変大当たり変動パターン群を示すものである。
これら全てのカウンタC1〜C5,CINI1〜CINI2,CS1〜CS3は、その更新の都度、前回値に「1」が加算され(以下、「更新」という)、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値が図6に示すRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜それぞれ格納される。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
上述した各カウンタについて図6を用いて以下に詳細に説明する。大当たり乱数カウンタC1は、例えば「0」〜「738」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「738」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なおss、初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜738)、後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回更新されるとともに、後述する通常処理(図8参照)の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態では後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
大当たり乱数カウンタC1の当り値、つまり、大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は2個で、その値は「350,700」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は14個で、その値は 「50,101,160,209,257,310,361,418,480,517,578,635,677,730」である。なお、高確率時とは、例えば予め定められた確率変動図柄によって大当たりになり、付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「確変」の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際における、第1図柄表示装置40(2個のLED40a,40bからなる)の変動停止時の図柄(本実施例では2個のLED40a,40bの変動表示後の最終発光状態)を決定するものである。本実施例では、大当たり図柄カウンタC2は、例えば「0」〜「5」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「5」)に達した後「0」に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は、前述の大当たり乱数カウンタC1の場合と同様に、定期的に(後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。例えば、大当たり乱数カウンタC1が大当たりで、かつ、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」,「4」の場合には、第1図柄表示装置40の両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止し、通常大当たり状態への当選を示す。また、大当たり乱数カウンタC1が大当たりで、かつ、大当たり図柄カウンタC2の値が「1」,「3」の場合には、LED40aが青色発光状態で停止するとともにLED40bが赤色発光状態で停止し、時短大当たり状態への当選を示す。また、大当たり乱数カウンタC1が大当たりで、かつ、大当たり図柄カウンタC2の値が「2」の場合には、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止し、確変大当たり状態への当選を示す。大当たり乱数カウンタC1が外れの場合には、大当たり図柄カウンタC2の値に関わらず、両方のLED40a,40bが消灯状態で停止し、外れを示す。
また、停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0」〜「238」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後「0」に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置42での装飾図柄のリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、C3=0〜201が完全外れに該当し、C3=202〜208が前後外れリーチに該当し、C3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。なお、停止パターン選択カウンタC3の抽選(リーチの抽通)内容は、パチンコ機10が低確率時であるか高確率であるか、第1図柄表示装置40の変動時間短縮機能が未作動であるか作動であるか、第1図柄の変動開始時の作動保留球数が何個であるか等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。停止パターン選択カウンタC3は、定期的に(後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、3つの変動種別カウンタCS1〜CS3のうち、変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜198」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「198」)に達した後「0」に戻る構成となっており、変動種別カウンタCS2は、例えば「0〜240」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「240」)に達した後「0」に戻る構成となっており、変動種別カウンタCS3は、例えば「0〜162」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「162」)に達した後「0」に戻る構成となっている。以下の説明では、変動種別カウンタCS1を「第1変動種別カウンタ」、変動種別カウンタCS2を「第2変動種別カウンタ」、変動種別カウンタCS3を「第3変動種別カウンタ」とも適宜に呼ぶこととする。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のように装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別や、完全外れの種別など、大まかな装飾図柄の変動パターン群が決定される。ここでは、例えば、停止パターン選択カウンタC3が「停止パターン1」を示す値(つまり、前後外れリーチ変動パターン群を示す値)のものであったとし、前後外れリーチ変動パターン群の中でも第1変動種別カウンタCS1によってノーマルリーチ群(種類の異なる複数個のノーマルリーチからなる)の変動パターンが決定されたとする。
続いて、このように第1変動種別カウンタCS1で決定された変動パターン群の中からさらに一の変動パターンが、第2変動種別カウンタCS2によって決定される。ここでは、例えばノーマルリーチ群の中から一の種類のノーマルリーチが第2変動種別カウンタCS2によって決定されたとする。なお、種類の異なる複数個のノーマルリーチとしては、リーチ発生後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では例えば中装飾図柄)が停止するまでの経過時間が異なる等の違いを持たせることで実現することが挙げられる。
さらに続いて、このように第2変動種別カウンタCS2で決定された一の変動パターンにおいて変動時間加算を何れの時間とするかが、第3変動種別カウンタCS3によって決定される。例えば、この加算時間としては、第3図柄表示装置42での中装飾図柄列の装飾図柄(第3図柄)が滑り停止するなどの場合には、当該中装飾図柄列の装飾図柄が滑りその後に停止表示されるまでの時間である附加時間が挙げられる。このように、変動種別カウンタCS1〜CS3によって、より細かな装飾図柄変動態様を決定することができる。つまり、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。
なお、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と第2変動種別カウンタCS2だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1および第2変動種別カウンタCS2と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
変動種別カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。したがって、図6に示すように、変動種別カウンタCS1〜CS3は、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動開始時に取得することとしているので、保留球格納エリアに保存しておく必要はなく、カウンタ用バッファに逐次更新記憶しておくだけでよい。
なお、上述した各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、図6に示すように、第2図柄表示装置41の第2図柄の抽選には、第2図柄乱数カウンタC4が用いられる。第2図柄乱数カウンタC4は、例えば「0」〜「250」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。第2図柄乱数カウンタC4は、定期的に(後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2の始動口34を通過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149個あり、その範囲は「5〜153」である。
特に、第2図柄乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の値が当該第2図柄乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2は、第2図柄乱数カウンタC4と同様のループカウンタであり(値=0〜250)、後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回更新されるとともに、後述する通常処理(図8参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第2図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態では後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動口34を通過したタイミングでRAM503の第2図柄保留格納エリアに格納される。
つまり、RAM503には、保留球格納エリアとは別のエリアたる第2図柄保留格納エリアも有しており、1つの第2図柄用の実行エリアと4つの第2図柄用の保留エリア(第2図柄用保留第1〜第4エリア)とからなる第2図柄保留格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第2の始動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、第2図柄乱数カウンタC4の各値が時系列的に格納されるようになっている。
また、第2図柄外れ図柄カウンタC5は、後述する図8での通常処理の第2図柄制御処理が1回実行される毎に1回更新され、その値がカウンタ用バッファの第2図柄外れ図柄バッファに更新取得され、第2図柄乱数カウンタC4の第2図柄保留球格納エリアへの記憶の際に、この第2図柄外れ図柄バッファに更新取得された第2図柄外れ図柄カウンタC5も第2図柄保留球格納エリアに記憶される。したがって、図6に示すように、第2図柄乱数カウンタC4の値が落選の場合には、第2図柄保留球格納エリアの第2図柄外れ図柄カウンタC5の値に基づいて、「×」が描かれた表示部41bの点灯表示される。なお、第2図柄外れ図柄カウンタC5を備えず、第2図柄乱数カウンタC4のみに基づいて第2図柄変動表示結果を行うようにしてもよい。つまり、第2図柄乱数カウンタC4が当選なら「○」が描かれた表示部41aを点灯表示し、落選なら「×」が描かれた表示部41bの点灯表示するごとくである。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図7〜図17のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図11において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS602では、初期値乱数カウンタCINI1と初期値第2図柄乱数カウンタCINI2との更新を実行する。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「738」)に達した際「0」にクリアし、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「250」)に達した後の1インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する(図6参照)。
また、図11に示すように、続くステップS603では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、「738」,「4」,「250」)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する(図6参照)。
その後、図11に示すように、ステップS604では、第1の始動口33a,33bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図12のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞したか否かを作動口スイッチの検出情報により判別する。遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞したと判別されると、続くステップS702では、第1図柄表示装置40の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。第1の始動口33a,33bへの入賞があり、かつ作動保留球数N<4であることを条件にステップS703に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。
また、続くステップS704では、第1図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、図6に示したRAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうちの最初のエリアに格納する。
また、図11に示すように、続くステップS605では、発射制御処理を実行する。具体的には、発射制御処理では、主制御装置261のCPU501は、図4に示すように、発射制御装置312からの発射許可信号S7がONである場合に、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力し、発射装置229による遊技球発射制御が行われる。このように発射制御処理をした後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図13は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリアに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図13のNMI割込み処理を開始する。図13のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
図13のNMI割込み処理において、ステップS801では、電源断の発生情報をバックアップエリアに設定する。本実施例では、電源断の発生情報のフラグを立ててバックアップエリアに記憶させる。
次に、メイン処理について説明する。
図7は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、主制御装置261のCPU501は、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。また、ステップS102では、主制御装置261のCPU501は、サブ側の制御装置(サブ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。続くステップS103では、主制御装置261のCPU501は、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、主制御装置261のCPU501は、電源監視基板261bに設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、オフであればステップS105に進み、オンであればステップS113に進む。続くステップS105では、主制御装置261のCPU501は、RAM503のバックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否か(電源断の発生情報のフラグが立っているか否か)を判別する。また、ステップS106では、主制御装置261のCPU501は、RAM判定値を算出し、続くステップS107では、主制御装置261のCPU501は、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、使用RAM領域をクリアおよびRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113では、主制御装置261のCPU501は、RAM503の使用領域を「0」にクリアし、RAM503の初期化処理を実行する。
続くステップS114では、主制御装置261のCPU501は、払出初期化コマンドを送信する。このように、払出初期化コマンドは、主制御装置261が初期化された時に払出制御装置311に出力される。
また、ステップS115では、主制御装置261のCPU501は、電源投入時のコマンドをサブ制御基板262aに送信する。この電源投入時のコマンドは、パチンコ機の機種を判別するためのコマンドを含むものであり、サブ制御基板262aや表示制御装置45などのサブ側で当該コマンド内容に基づいて機種を判別することができるようになっている。
また、ステップS116では、主制御装置261のCPU501は、CTC(Counter/Timer Circuit)の初期設定を実行する。ステップS117では、主制御装置261のCPU501は、割込み許可を設定し、後述する通常処理(図8参照)に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS109では、主制御装置261のCPU501は、払出復帰コマンドを払出制御装置311に送信し、払出制御開始を払出制御装置311に指示する。詳細は後述するが、払出制御装置311は、主制御装置261から払出復帰コマンドを受信すると、復帰し、払出制御を開始する。
ステップS110では、主制御装置261のCPU501は、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に複帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、主制御装置261のCPU501は、CTC(Counter/Timer Circuit)の初期設定を実行する。さらに、ステップS112では、割込み許可を設定し、それから後述する通常処理(図8参照)に移行する。例えば、通常処理の途中で電源断が発生したとしても、当該通常処理の最後のステップ(図8に示す「RAMアクセス禁止」のステップ)まで実行してから電源断状態となるので、復電後は通常処理の最初のステップたるステップS201から実行されることになる。
次に、通常処理の流れを図8のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS210,S211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
図8において、先ずステップS201では、主制御装置261のCPU501は、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信するという外部出力処理を行う。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第1図柄表示装置40の第1図柄変動表示(2個のLED40a,40bの変動表示)に連動して第3図柄表示装置42による装飾図柄(第3図柄)の変動表示も行われるのであるが、第1図柄表示装置40の第1図柄の変動表示に際して変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、全停止コマンド(確定コマンド)等を外部出力処理においてサブ制御装置262に送信する。
なお、このパチンコ機10では、第1図柄の変動開始時において、変動パターン指定コマンド→演出コマンド(変動時間の変更等を指定するためのコマンド)→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されるようになっている。また、第1図柄の変動開始後において、変動パターン指定コマンド→→演出コマンド→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されるようにしてもよい。
変動パターン指定コマンドは、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変動パターンを指定するためのコマンドである。変動パターン指定コマンドは、主制御装置261からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信される。表示制御装置45は、送信されてきた変動パターン指定コマンドに基づいて、装飾図柄の変動パターンを表示実行するように第3図柄表示装置42を制御する。
装飾図柄指定コマンドは、第3図柄表示装置42での装飾図柄(第3図柄)の変動表示演出が、通常大当たり、時短大当たり、確変大当り、外れの何れとなるかを指定するためのコマンドである。装飾図柄指定コマンドは、主制御装置261からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信される。表示制御装置45は、装飾図柄の変動パターンの表示結果を、送信されてきた装飾図柄指定コマンドに応じた結果となるように第3図柄表示装置42を表示制御する。
全停止コマンドは、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変動パターンの停止を指示するためのコマンドである。全停止コマンドは、主制御装置261からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信される。表示制御装置45は、送信されてきた全停止コマンドに基づいて、装飾図柄の変動パターンを停止表示するように第3図柄表示装置42を制御する。
また、主制御装置261のCPU501は、通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて、変動パターン指定コマンドと演出コマンド(変動時間の変更等を指定するためのコマンド)とをサブ制御装置262に送信することがある。つまり、変動種別カウンタCS3の値に基づいて変動時間加算(前述した装飾図柄の滑り演出による附加時間)を何れの時間とするかが決定され、このような加算時間を適切にサブ制御装置262に指示するために、演出コマンドが用いられるのである。したがって、第1図柄の変動開始後において、変動パターン指定コマンド→演出コマンド→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されることがある。
次に、ステップS202では、主制御装置261のCPU501は、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当する図6に示すバッファ領域に格納する。
続く図8のステップS203では、主制御装置261のCPU501は、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号や下皿満タン信号を読み込む。その後、ステップS204では、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動表示を行うための第1図柄変動処理を実行する。この第1図柄変動処理により、大当たり判定や第1図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、第1図柄変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS205では、主制御装置261のCPU501は、大当たり状態である場合において第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aまたは第2可変入賞装置32bの大入賞口32Bを開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口32Aを例にあげて説明する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口32Aを開放し、そのラウンド毎に、大入賞口32Aの最大開放時間が経過したか、又は大入賞口32Aに遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立するとそのラウンドにおける大入賞口32Aの開放を止めて閉鎖し、残りのラウンドがある場合には、大入賞口32Aの開放を残りラウンド数繰り返し実行する。なお、大入賞口32Bも同様である。
また、ステップS206では、主制御装置261のCPU501は、第2図柄表示装置41による第2図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2の始動口34を通過したことを条件に、その都度の第2図柄乱数カウンタC4が取得されると共に第2図柄表示装置41の表示部41a,41bにて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2図柄乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、主制御装置261のCPU501は、ステップS207に示すように、下部側の第1の始動口33bを所定時間開放するという第1の始動口33bの開放処理を行う。なお説明は省略したが、第2図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3と同様に、図11に示すタイマ割込処理にて更新されるようになっている。
また、ステップS208では、主制御装置261のCPU501は、RAM503のバックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否か(電源断の発生情報のフラグが立っているか否か)を判別する。電源断の発生情報が設定されていない場合には、ステップS209に進み、電源断の発生情報が設定されている場合には、ステップS212に進む。
その後、ステップS209では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を繰り返し実行する(ステップS210,S211)。つまり、ステップS210では、初期値乱数カウンタCINI1及び初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の更新を実行する。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「738」)に達した後の1インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。これと同様に、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「250」)に達した後の1インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS211では、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「198」,「240」,「162」)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1,初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)及び初期値第2図柄乱数カウンタCINI2(すなわち、第2図柄乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
また、ステップS208において、電源断の発生情報が設定されていて、ステップS212に進んだ場合には、主制御装置261のCPU501は、割込み禁止を設定する。続いて、ステップS213では、主制御装置261のCPU501は、電源が速断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。続いて、ステップS214では、主制御装置261のCPU501は、制御信号の出力を停止する。続いて、ステップS215では、主制御装置261のCPU501は、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。続いて、ステップS216では、主制御装置261のCPU501は、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
次に、前記ステップS205の第1図柄変動処理を図9のフローチャートを参照して説明する。
図9において、ステップS401では、主制御装置261のCPU501は、今現在大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に第3図柄表示装置42で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS402では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに第1図柄の変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装置40の作動保留球数Nが「0」よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが「0」である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、第1図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、主制御装置261のCPU501は、作動保留球数Nを「1」減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2ユリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS406では、主制御装置261のCPU501は、変動開始処理を実行する。ここで、図10のフローチャートを用いて変動開始処理を詳細に説明すると、ステップS501では、主制御装置261のCPU501は、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモード(確変状態であるのか通常状態であるのか)との関係に基づいて判別され、前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値「0」〜「738」のうち「350,700」が当たり値(2個)であり、高確率時には「50,101,160,209,257,310,361,418,480,517,578,635,677,730」が当たり値(14個)である。
主制御装置261のCPU501は、大当たりであると判別した場合、ステップS502では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する大当たり図柄、すなわち、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bで表示される、通常大当たりを示す両LED40a,40bの青色点灯表示か、時短大当たりを示すLED40の青色点灯とLED40bの赤色点灯との組合せ点灯表示か、確変大当たりを示す両LED40a,40bの赤色点灯表示か、または、通常大当たりを示すLED40の赤色点灯とLED40bの青色点灯との組合せ点灯表示の何れかとする停止図柄(停止表示)を求める。つまり、大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル(図示省略)に基づいて、大当たり図柄カウンタC2の値に対応する大当たり図柄を求める。
次に、ステップS503では、主制御装置261のCPU501は、大当たり時における変動パターン(大当たり演出パターン)を決定する。具体的には、主制御装置261のCPU501は、停止パターン選択カウンタC3を用いることなく、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値及び変動種別カウンタCS1,CS2の値をその順に確認し、変動パターンを決定する。
つまり、大当たり図柄カウンタC2の値に基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄を通常大当たりの「停止パターン3」で表示するのか、第3図柄表示装置42での装飾図柄を時短大当たりの「停止パターン4」で表示するのか、または、第3図柄表示装置42での装飾図柄を確変大当たりの「停止パターン5」で表示するのか、を決定する。このように決定した「停止パターン3」から「停止パターン5」の種別をさらに第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて決定する。つまり、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のように装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別など、大まかな装飾図柄の変動パターン群を決定する。続いて、このように決定した大まかな装飾図柄の変動パターン群の中から、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、一の変動パターンを決定する。例えば、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、リーチ発生後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では中装飾図柄)が停止するまでの経過時間を所定時間にする等、より細かな装飾図柄変動態様を決定する。なお、大当たりの場合における次の各関係、つまり、大当たり図柄カウンタC2の数値と停止パターンとの関係、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動パターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれに大当たり用のテーブル等により予め規定されている。
一方、ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS504において、主制御装置261のCPU501は、外れ図柄、すなわち第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bにて色違いで停止表示させるという停止図柄に設定する。
次に、ステップS505では、主制御装置261のCPU501は、外れ時における変動パターン(外れ演出パターン)を決定し、当該外れ変動パターンを変動パターン指定コマンドに設定する。具体的には、主制御装置261のCPU501は、RAM503の保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1,CS2の値をその順に確認し、変動パターンを決定する。
つまり、停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄のリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」である「停止パターン1」と、同じくリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」である「停止パターン2」と、リーチ発生しない「完全外れ」である「停止パターン0」との何れの停止パターンにするかを決定する。例えば、この決定した停止パターンが例えば前後外れリーチとなる「停止パターン1」である場合には、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、前後外れリーチ変動パターン群の中からノーマルリーチ、スーパーリーチ等のような装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別が特定された変動パターンが決定されるなど、大まかな装飾図柄の変動パターン群を決定する。なおここではノーマルリーチが決定されたとする。続いて、このように決定した大まかな装飾図柄のノーマルリーチ変動パターン群の中から、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、さらに一の変動パターンを決定する。例えば、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、リーチ発生後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では中装飾図柄)が停止するまでの経過時間を所定時間にする等、より細かな装飾図柄変動態様を決定する。なお、外れの場合における次の各関係、つまり、停止パターン選択カウンタC3の数値と停止パターンとの関係、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動パターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれに外れ用のテーブル等により予め規定されている。
本実施の形態では、上述の外れ用のテーブルのうちの一つとしては、例えば、低確率時で、第1図柄表示装置40の変動時間短縮機能の状態で、第1図柄の変動開始時の当該第1図柄の作動保留数が「0」の場合に採用されるものがあり、停止パターン選択カウンタC3の値が「0〜201」の場合にはリーチなし(完全外れ)に該当し、「202〜208」が前後外れリーチに該当し、「209〜238」が前後外れ以外リーチに該当するものが挙げられる。
続いて、ステップS506では、主制御装置261のCPU501は、演出時間加算の決定、つまり、ステップS503で決定された大当たり変動パターンまたはステップS505で決定された外れ変動パターンの演出時間の加算の決定を行う。より具体的には、変動種別カウンタCS3の値に基づいて、第3図柄表示装置42での中装飾図柄列の装飾図柄(第3図柄)が滑り停止するなどによる演出時間の増加(当該中装飾図柄列の装飾図柄が滑りそれが停止表示されるまでの時間の増加)を含む変動パターンが決定される。
また、ステップS507では、主制御装置261のCPU501は、ステップS503で決定された大当たり変動パターンに対応する変動パターン指定コマンド、または、ステップS505で決定された外れ変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを設定する。
続いて、ステップS508では、主制御装置261のCPU501は、ステップS502,S503を経てきた場合には、ステップS502で決定された第1図柄表示装置40の大当たり図柄に対応する装飾図柄指定コマンドを設定し、ステップS504,S505を経てきた場合には、ステップS504で決定された第1図柄表示装置40の外れ図柄に対応する装飾図柄指定コマンドを設定する。
続いて、ステップS509では、主制御装置261のCPU501は、ステップS506で決定された演出時間加算に対応する演出時間加算指定コマンドを設定し、本処理を終了する。
図9の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第1図柄の変動表示中である場合には、ステップS407に進み、主制御装置261のCPU501は、第1図柄の変動時間が経過したか否かを判別する。この第1図柄の変動時間は、図10を用いて前述したように決定された変動パターン及び演出時間加算に基づいて決められており、つまり、第1図柄の変動パターンに応じて当該第1図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS407が肯定判別される。変動時間が経過していなければステップS408に進み、変動時間が経過していればステップS409に進む。
そして、ステップS408では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装置40での第1図柄の変動表示を更新する。つまり、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bの変動表示を継続し、本処理を終了する。
一方、ステップS409では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄の変動表示を停止し、第1図柄の停止図柄を表示図柄へ設定する。つまり、図10のステップS502で、通常大当たりに決定された場合には、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bの変動表示後に、この両LED40a,40bを青色点灯表示し、通常大当たりを示す。時短大当たりに決定された場合には、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bの変動表示後に、LED40を青色点灯表示するとともにLED40bの赤色点灯表示し、時短大当たりを示す。確変大当たりに決定された場合には、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bの変動表示後に、この両LED40a,40bを赤色点灯表示し、確変大当りを示し、図10のステップS504で外れ図柄に決定された場合には、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bの変動表示後に、LED40を赤色点灯表示するとともにLED40bを青色点灯表示し、外れを示す。
続いて、ステップS410では、主制御装置261のCPU501は、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変動パターンの停止を指示するための全停止コマンドを設定し、その後本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図14は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、払出制御装置311のCPU511は、スタックアドレスと割込みモードを設定する。また、ステップS902では、払出制御装置311のCPU511はRAMアクセスを許可し、ステップS903では、払出制御装置311のCPU511は外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS904では、払出制御装置311のCPU511は、RAM513のバックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS905では、払出制御装置311のCPU511は、RAM判定値を算出し、続くステップS906では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
続いて、ステップS907では、払出制御装置311のCPU511は、復電時のRAM513の初期設定を行う。具体的には、主制御装置261が初期化されるとこの主制御装置261から払出初期化コマンドが払出制御装置311に送信され、払出制御装置311のCPU511は、主制御装置261からの払出初期化コマンドを受けると、このステップS907で復電時のRAM513の初期設定を行う。つまり、RAM領域の初期化を行い、遊技球の払出しの制御を開始する。
したがって、電源投入時にRAM消去スイッチ323が押下(ON)されている場合には、主制御装置261が初期化されるとともに、この主制御装置261から払出制御装置311に払出初期化コマンドが送信されることになり、払出制御装置311のCPU511は、主制御装置261からの払出初期化コマンドに基づいて、RAM513の初期化処理が行われる。
続いて、ステップS908では、払出制御装置311のCPU511は、当該CPU511の周辺デバイスの初期設定を行う。具体的には、CPU周辺デバイスとは、CTC(Counter/Timer Circuit)と呼ばれるタイマ制御デバイスであり、このCTCを所定値に設定してタイマ割込みを2ミリ秒(ms)毎に発生させる。
続いて、ステップS909では、払出制御装置311のCPU511は、割込み許可設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、ステップS904にて電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS906にてRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、払出制御装置311のCPU511はRAM513の全領域を「0」にクリア(ステップS910)し、初期化処理を行う(ステップS911)。
次に、払出制御処理の流れを図15のフローチャートを参照しながら説明する。
図15において、ステップS1001では、払出制御装置311のCPU511は、主制御装置261からのコマンドを取得し記憶する。ここで、この記憶するコマンドとしては、15種類の賞球コマンド(1個〜15個の払出しを指示するための15種類の賞球コマンド)や、払出制御装置311への払出制御開始を指示するための払出復帰コマンドや、払出制御装置311への払出初期化を指示するための払出初期化コマンドの合わせて17種類のコマンドが挙げられる。
ステップS1002では、払出制御装置311のCPU511は、払出許可を受信済みか否かを判別する。つまり、払出復帰コマンドや賞球コマンドを受けたか否かを判別する。また、ステップS1003では、払出制御装置311のCPU511は、状態復帰スイッチ(図示省略)をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS1004では、払出制御装置311のCPU511は、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。
また、ステップS1005では、払出制御装置311のCPU511は、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1006では、払出制御装置311のCPU511は、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が「0」でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図16)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図17)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続のバイブモータ制御(ステップS1013)を実行する。
ステップS1013では、払出制御装置311のCPU511は、バイブレータ360(図3参照)の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、ステップS1014では、払出制御装置311のCPU511は、停電発生か否かを判別する。停電発生であればステップS1015に進み、そうでなければステップS1001に戻る。ステップS1015では、払出制御装置311のCPU511は、電源断の発生情報を設定し、ステップS1016では、RAM判定値を作成する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ここで、図16に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
また、図17に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリアに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図13のNMI割込み処理を開始する。その内容は図13で説明した通りである。
次に、サブ制御装置262のメイン処理と通常処理とについて図18及び図19を用いて説明する。図18は、サブ制御装置262のCPU551により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。図19は、サブ制御装置262のCPU551により実行される通常処理の一例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1301では、サブ制御装置262のCPU551は、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、ポートの設定(ポートI/O切り替えおよび初期値出力)と、タイマの設定(1ミリ秒インターバルタイマ、液晶コマンドストローブ出力タイマ)と、割込み設定(サブコマンドストローブ割込み)とを行う。
また、ステップS1302では、サブ制御装置262のCPU551は、電源断処理が未完了か否かを判別する。具体的には、パチンコ機10の前面枠セット14の各種ランプ(環状電飾部102や中央電飾部103等)が全消灯しており、かつ、スピーカが消音状態となっているか否かを判別する。そして、電源断処理が未完了であればステップS1304に進み、そうでなければステップS1303に進む。
続いて、ステップS1303では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMが破壊されているか否かを判別し、破壊されていればステップS1304に進み、そうでなければステップS1307に進む。ステップS1304では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAM領域読み書きチェックを行う。そして、ステップS1305では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMは正常か否かを判別する。サブ制御装置262のRAMが正常であればステップS1306に進み、異常であればステップS1311に進む。ステップS1306では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM553のエリア毎にRAM破壊チェック用のデータを書き込み、その読み出し異常があれば破壊されていると判別するためのRAM破壊チェックデータの設定を行う。
そして、ステップS1307では、サブ制御装置262のCPU551は、電源断後の電源投入であるのか否かを判別する。電源断後の電源投入であればステップS1308に進み、そうでなければステップS1309に進む。
ステップS1308では、サブ制御装置262のCPU551は、未処理化RAM領域以外のRAM領域をクリアする。具体的には、未処理化RAM領域は、データをクリアするとシステム上問題となる情報を保存する領域であり、RAM領域破壊時以外は残したい情報のエリアのことである。例えば、サブコマンド受信バッファや電源投入情報などが挙げられる。主制御装置261が電源断して、サブ制御装置262がリセットした場合(主制御装置261から電源断通知コマンドを受信した場合)に、未処理化RAM領域以外のRAM領域をクリアする。
ステップS1309では、サブ制御装置262のCPU551は、割込み許可を設定する。ステップS1310では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMの初期値設定を行い、図19に示す通常処理に移行する。
なお、ステップS1311では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM異常報知を行い、無限ループに入る。例えば、所定のランプを無条件で点灯させるなどの報知を行うことが挙げられる。
図19に示すように、ステップS1401では、サブ制御装置262のCPU551は、通常処理開始時から1ms以上経過したか否かを判別する。1ms以上経過していれば、ステップS1402に進み、経過していなければステップS1410に進む。
ステップS1402では、サブ制御装置262のCPU551は、ランプ出力処理を行う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄(第3図柄)の変動パターン演出に合わせたランプ出力を行う。
ステップS1403では、サブ制御装置262のCPU551は、電源投入報知を行う。具体的には、電源投入コマンドによる30秒間の報知を行う。
ステップS1404では、サブ制御装置262のCPU551は、客待ち演出を行う。具体的には、タイトル/静止画の切り替えを行う。つまり、いわゆるデモ画面表示を行う。
ステップS1405では、サブ制御装置262のCPU551は、第1図柄変動の保留個数表示更新処理を行う。具体的には、この保留個数表示更新処理は、第1図柄表示装置40の保留ランプ40cに対応した表示を第3図柄表示装置42でも行うための処理であるため、第1図柄表示装置40の保留ランプ40cのみで表示するパチンコ機の場合には本処理は不要となる。
ステップS1406では、サブ制御装置262のCPU551は、枠ボタン入力監視・演出処理を行う。具体的には、この枠ボタン入力監視・演出処理は、遊技者が押下可能な枠ボタン20を備えたパチンコ機において、枠ボタン20の押下による機種別の演出を行うためのものである。したがって、このような枠ボタン20を備えないパチンコ機においては、本処理は不要である。
ステップS1407では、サブ制御装置262のCPU551は、ランプ編集処理を行う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出に対応(同期)したランプ点灯パターンを編集するという処理を行う。
ステップS1408では、サブ制御装置262のCPU551は、音編集・出力処理を行う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出に対応(同期)した音を鳴動させるという処理を行う。
ステップS1409では、サブ制御装置262のCPU551は、液晶演出実行管理処理を行う。具体的には、ランプと音声と液晶演出(第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出)とを同期させる時間管理等を行う。
ステップS1410では、サブ制御装置262のCPU551は、第3図柄表示装置42で行うべき装飾図柄の変動パターンおよび音声ランプの演出を決定するための乱数の値を更新する処理を行う。具体的には、この乱数は例えば「0」〜「32767」の値をとるものであって、上限値「37268」に達すると「0」に戻るものが挙げられる。
ステップS1411では、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からコマンドを受信した場合に、各コマンドに対応した処理を行う。
具体的には、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの変動パターン指定コマンドを受信した場合に、この変動パターン指定コマンドをコマンド変換して表示制御装置45に送信する。なお、変動パターン指定コマンドをそのままスルー出力するようにしてもよい。また、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの装飾特別図柄指定コマンドを受信した場合に、この装飾特別図柄指定コマンドと予告演出コマンドとを表示制御装置45に送信する。この予告コマンドとしては、予告としての例えば魚群の出現の有無が挙げられる。また、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの全停止コマンド(確定コマンド)を受信した場合に、この全停止コマンドをそのまま表示制御装置45に送信する。
ステップS1412では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMが破壊されているか否かを判別する。RAM破壊されていなければステップS1401に戻り、破壊されていれば無限ループに入る。
なお、表示制御装置45では、サブ制御装置262からの各コマンド(変動パターン指定コマンド、装飾特別図柄指定コマンド、予告演出コマンド、全停止コマンド)に基づいて、第3図柄表示装置42で行うべき装飾図柄の変動パターンの画像生成制御を行う。具体的には、表示制御装置45は、第3図柄表示装置42での装飾図柄変動パターンについての画像生成処理を実行し、例えばフレームレート30(1秒間に30枚の画像)で画像生成し、それらの生成画像をビデオRAM524(例えばフレームバッファ)に記憶し、それを適宜に第3図柄表示装置42に表示するようにすることで、第3図柄表示装置42での装飾図柄変動表示が実現されている。
次に、本発明のパチンコ機10のさらなる特徴部分の構成について図20〜図25を用いて説明する。
図20は、第1可変入賞装置32aの斜視図であり、図20(a)は本体ケース400を装着した状態を示し、図20(b)は本体ケース400からプレート部402を除いた状態を示す。図21は、第1可変入賞装置32aの正面図であり、図21(a)は本体ケース400を装着した状態を示し、図21(b)は本体ケース400からプレート部402を除いた状態を示す。図22は、図21(a)に示される第1可変入賞装置32aのA−A線断面図であり、図22(a)は第1可変入賞装置32aの閉状態を示し、図22(b)は第1可変入賞装置32aの開状態を示す。図23は、開閉扉410及び駆動部430の斜視図である。図24は、図21(a)に示される第1可変入賞装置32aのB−B線断面図でありとくに停留部450を示す図である。図25は、遊技機の前側から見た第1可変入賞装置32aの分解斜視図である。図26は、遊技機の後側から見た第1可変入賞装置32aの分解斜視図である。なお、必要に応じて図2など他の図面も参照する。
まず、遊技領域30a内での第1可変入賞装置32aの位置関係について説明する。
遊技領域30aには、中央部からやや上方の位置に第3図柄表示装置42が配設され、第3図柄表示装置42の左横側に第3図柄表示装置42の横幅より狭い左幅狭領域30a1が形成され、第3図柄表示装置42の右横側に第3図柄表示装置42の横幅よりも狭い右幅狭領域30a2が形成されている。
第1可変入賞装置32aは右幅狭領域30a2のすぐ下方に配設され、第1可変入賞装置32aの上方の右幅狭領域30a2内には第2可変入賞装置32bが配設されている。すなわち、第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとは、右幅狭領域30a2及びその近辺に配置される。これにより、第3図柄表示装置42の下方に位置する場合よりも、第1可変入賞装置32aや第2可変入賞装置32bに向けて発射した遊技球が従来より多く第1可変入賞装置32aや第2可変入賞装置32bに入賞する。
すなわち、従来例のように大入賞口を備える可変入賞装置が遊技領域30aの中央下方に配設されている場合には、遊技領域30aを流下する遊技球は、可変入賞装置よりも上流に配設される釘や風車などの遊技部材に衝突することによって、可変入賞装置に入球し難い流下方向に変わってしまうことが多い。例えば、上述の遊技部材に衝突した遊技球は、進路を変えて、一般入賞口が配設されている方向に流下する場合がある。これに対して、第1可変入賞装置32aや第2可変入賞装置32bは、右幅狭領域30a2及びその近辺に配置されている。とくに、第1可変入賞装置32aは、右幅狭領域30a2の出口付近を塞ぐような幅を有し、右幅狭領域30a2から出てきた遊技球を受け入れ易くなっている。また、遊技盤30は、右幅狭領域30a2の出口付近において、遊技領域30aを流下する遊技球がセンターフレーム47の右側に設けられた流入部48bからステージ48aへ流入しないように、センターフレーム47の右側に設けられた流入部48bに沿って釘が植設されて、遊技領域30aを流下する遊技球が第1可変入球装置32aへ遊技球が入球し易くなるように構成されている。また、右幅狭領域30a2に発射されて右幅狭領域30a2を流下する遊技球は、途中で釘などの遊技部材に衝突しても、この右幅狭領域30a2の横幅内でしか流下方向が変わらないので、第1可変入賞装置32aや第2可変入賞装置32bに入賞し易い。
また、従来例においては、大入賞口を備える可変入賞装置が遊技領域30aの中央下方に配設され、その左斜め上方や右斜め上方に一般入賞口が配設されていたので、遊技領域30aを流下する遊技球は、釘や風車などに衝突して進行方向が変えられ、可変入賞装置の大入賞口に到達する前に一般入賞口に入球してしまう場合があった。これに対して、本実施例では、第1可変入賞装置32aが一般入賞口31よりも上流側に配設されており、釘や風車などによって遊技球が第1可変入賞装置32a以外の方向へ流下方向を変更することがないように構成されているので、遊技領域30aを流下する遊技球が第1可変入賞装置32aに到達する前に一般入賞口31に入球してしまう恐れがない。また、第1可変入賞装置32aの下流側にも一般入賞口31を設けているので、第1可変入賞装置32aに入賞しなかった遊技球にも一般入賞口31への入賞の可能性が残されている。これにより、第1可変入賞装置32aに入賞せずに通過した遊技球の挙動にも遊技者の興味を引きよせることができる。
次に、第1可変入賞装置32aの構成について説明する。第1可変入賞装置32aは、大きく分けると、大入賞口スイッチ223a,223b等が収容される本体ケース400と、本体ケース400の裏面側を塞ぐように取り付けられる裏面側部材420と、大入賞口32Aを開閉する開閉扉410と、開閉扉410を開状態と閉状態とに駆動させる駆動部430とから構成されている。なお、大入賞口スイッチ223a,223bが本発明における第1入球検出部,第2入球検出部に相当する。
本体ケース400は、第1可変入賞装置32aの最前面側に位置する透過性を有する樹脂材料で形成されたプレート部402と、プレート部402から裏面側に向けて突出する枠状部材403と、枠状部材403の上方に少なくとも遊技球が通過可能な間隔を開けて裏面側へ向けて突出する覆い部404とが設けられるケース部材である。
枠状部材403は、その裏面側が裏面側部材420に塞がれることによって、遊技領域30aを流下する遊技球が流入可能な開口を形成する球流入部406と、球流入部406に流入した遊技球が入球可能な開口を形成する第1入球領域412a,第2入球領域412bと、第1入球領域412a及び第2入球領域412bに入球した遊技球を下方に案内する案内通路を形成する第1前案内通路部422a,第2前案内通路部422bと、第1入球領域412a,第2入球領域412bに入球しなかった遊技球を遊技領域30aに流出させるための開口を形成する球流出部407とが設けられている。また、枠状部材403には、第1前案内通路部422a及び第2前案内通路部422bを通過する遊技球を検出する大入賞口スイッチ223a,223bが収納される第1収納部424a,第2収納部424bが形成されている。上述の第1入球領域412aと第2入球領域412bとが大入賞口32Aを構成している。なお、図20及び図21では、大入賞口32Aが開閉扉410で閉じられた状態が図示されている。
裏面側部材420は、遊技盤30に取り付けられる裏面側プレート部421を有する。裏面側プレート部421と上述の本体ケース400のプレート部402との間には、遊技球が通過可能な間隔が開けられている。裏面側プレート部421には、大入賞口スイッチ223a,223bを挿入するスイッチ挿入孔h1や、第1前案内通路部422a及び第2前案内通路部422b上の遊技球を通過させる球通過孔h2や、後述する停留部450に停留される遊技球を通過させる停留球通過孔h3や、開閉扉410が挿入される扉挿入孔h4などが形成されている。また、裏面側プレート部421には、本体ケース400の第1前案内通路部422a,第2前案内通路部422bに繋がっている第1後案内通路部423a,第2後案内通路部423bなどが裏面側に向けて突出するように設けられている。また、裏面側プレート部421には、停留部450に停留される遊技球を通過させる停留通路451を形成する通路形成部i1が停留球通過孔h3の前側及び後側に設けられている。なお、上述した停留部450が本発明における停留部に相当し、上述した停留通路451が本発明における下り案内部に相当する。
停留通路451は、停留部450で停留されている遊技球の進行方向を下流側へ向けて変更させながら、第1入球領域412aから第2入球領域412bへ向けて遊技球を案内するものである。停留通路451は、停留部450に流入した遊技球を遊技盤30の盤面の手前側から奥側へ案内する奥向き案内部451a,451cと、奥向き案内部451a,451cで案内されてきた遊技球を遊技盤30の盤面の奥側から手前側へ案内する手前向き案内部451b,451dとを交互に繋ぎ合せたものである。つまり、停留通路451は、U字状の通路を2つ繋げたような形状の通路である。停留部450を停留通路451によって構成することで、停留部450の限られたスペースで遊技球の停留時間を長く設定することができる。また、停留通路451を構成する通路部451a〜451dごとの傾斜角度や、停留通路451の全体の傾斜角度や、通路部451a〜451dの曲がり角度などを変えることによって、遊技球の停留時間を所定の時間に決定できる。遊技球の停留時間が決定されると、その停留時間に応じた長さで大当たり状態中の各ラウンド間のインターバル時間を決定できる。具体的には、インターバル時間は、停留時間と同じ長さ、または、それよりも少し長い時間に決定される。例えば、本実施例では、第1可変入球装置32aを水平に載置した状態で遊技球を停留通路451に通過させたときの停留時間が5秒間であったので、インターバル時間は、停留時間よりも短い3秒間に決定されている。
開閉扉410は、本体ケース400の大入賞口32Aの第1入球領域412aと第2入球領域412bとを少なくとも遊技球が入球不可となる程度に閉鎖した閉状態と、遊技球が入球可能に開放した開状態と、に開閉動する。具体的には、開閉扉410は、扉挿入孔h4の奥側に後退することで大入賞口32Aが開状態となり、扉挿入孔h4の手前側に前進することで大入賞口32Aが閉状態となる。このように構成することで、第1可変入賞装置32aは、従来例のような扉部材の回動によって大入賞口が開閉される可変入賞装置と比べて、上下幅を小さくなる。
開閉扉410は、正面視で第1入球領域412aの上部から第2入球領域412bの上部まで延びた横長の板状部材であり、第1入球領域412a側から第2入球領域412b側へ向けて左下がりとなるように形成されている。また、開閉扉410は、第1入球領域412a側が球流入部406とほぼ同じ高さとなるように形成され、第2入球領域412b側が球流出部407とほぼ同じ高さとなるように形成されている。これにより、球流入部406から流入した遊技球が開閉扉410から停留通路451に流入し易くなり、停留通路451を通過し終えた遊技球が球流出部407から流出され易くなっている。また、開閉扉410は、後端側で駆動部430に接続されている。
駆動部430は、開閉扉410を動作させるための動力を付与する大入賞口ソレノイド432と、大入賞口ソレノイド432によって付与された動力を開閉扉410を前後に進退させる力に変換する変換機構440とを備えている。
大入賞口ソレノイド432は、図22(a)に示す第1位置P1と、この第1位置P1よりも奥側に後退した図22(b)に示す第2位置P2とに変位する可動片434を備える。
上述した裏面側部材420の裏面側には、大入賞口ソレノイド432の後部側を収容するソレノイド収容部437と、開閉扉410を収容する扉収容部438とを有するガイドフレーム439と、ガイドフレーム439の後側で第1可変入賞装置32aの奥方向の終端に位置する終端フレーム470が取り付けられている。このソレノイド収容部437に収容された大入賞口ソレノイド432は、前端が固定用プレート436で固定された状態で裏面側部材420に取り付けられる。
変換機構440は、略水平方向で可動片434の進退方向とは直交する方向を回動軸442として回動する回動本体部444と、この回動本体部444の基端側に設けられた、可動片434に係止される係止部446と、回動本体部444の先端部に設けられた、開閉扉410の後部に形成された係止孔に係止された状態で開閉扉410を前後に押し出す押出部448と、を備えている。
駆動部430が可動片434を第1位置P1から第2位置P2に後退させることで、回動本体部444が後方に回動する。このとき、回動本体部444の押出部448が開閉扉410を後方に押し出すことによって、開閉扉410が奥側に後退して開状態となり、遊技球の停留をし難い状態となる。これとは逆に、駆動部430が可動片434を第2位置P2から第1位置P1に前進させることで、回動本体部444が前方に回動さする。このとき、回動本体部444の押出部448が開閉扉410を前方に押し出すことによって、開閉扉410が手前側に前進して閉状態となり、遊技球を停留可能な状態となる。
なお、上述した第1可変入賞装置32aが本発明における可変入球装置に相当し、上述した大入賞口32Aが本発明における入球部に相当し、上述した開閉扉410が本発明における開閉動作部材に相当する。
次に、図27を参照して、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理には、第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aの開閉処理と、第2可変入賞装置32bの大入賞口32Bの開閉処理とが含まれている。図27は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。
大入賞口開閉処理は、図8を用いて前述したように、主制御装置261のCPU501が行う通常処理における大入賞口開閉処理(ステップS205)に対応するものである。
ステップS1501では、主制御装置261のCPU501は、大当たり乱数カウンタC1が大当たりか否かを判定する。大当たりであればステップS1502に進み、外れであれば本処理を終了する。
ステップS1502では、主制御装置261のCPU501は、大当たり乱数カウンタC2が通常大当たり状態への当選または確変大当たり状態への当選のいずれかであるか否かを判定する。通常大当たり状態への当選または確変大当たり状態への当選のいずれかであればステップS1503に進み、これらのいずれでもなければステップS1511に進む。
ステップS1503では、主制御装置261のCPU501は、第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aを開状態にするように駆動部430を制御するとともに、タイマ機能によって開時間の計時を開始する。大入賞口32Aを開状態にすることによって1のラウンドが開始される。
なお、ステップS1503とステップS1504との間で、大入賞口32Aを構成する第1入球領域412aへの入球がある場合は、当該遊技球を第1大入賞口スイッチ223aで検出し、大入賞口32Aを構成する第2入球領域412bへの入球がある場合は、当該遊技球を第1大入賞口スイッチ223bで検出する。
ステップS1504では、主制御装置261のCPU501は、第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aに所定数(例えば10個)の遊技球の入賞があったか否かを検出するとともに、タイマ機能によって最大開放時間(例えば、30秒)を経過したかどうかを検出する。第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aに所定数の遊技球の入賞があった場合や、タイマ機能による計時が最大開放時間を経過した場合には、ステップS1505に進み、第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aに所定数の遊技球の入賞が未だ無い場合や、タイマ機能による計時が最大開放時間を経過していない場合には、ステップS1504を繰り返す。
ステップS1505では、主制御装置261のCPU501は、第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aを閉状態にするように駆動部430を制御するとともに、タイマ機能による計時を停止し、ステップS1507に進む。大入賞口32Aを閉状態とすることにより1のラウンドが終了する。
ステップS1506では、主制御装置261のCPU501は、各ラウンドの間での大入賞口32Aを閉状態とする所定時間(本実施例では3秒)、大入賞口32Aの閉状態を継続するように駆動部430を制御する。
ステップS1507では、主制御装置261のCPU501は、通常大当たり状態または確変大当たり状態として設定された16ラウンドの遊技を終了したか否か判定し、16ラウンドの遊技を終了すれば本処理を終了する。16ラウンドの遊技を終了していなければ、ステップS1503に戻り、ステップS503〜ステップS1507を繰り返す。
ステップS1511では、ステップS1502で通常大当たり状態または確変大当たり状態のいずれでもないと判定された場合に、主制御装置261のCPU501は、大当たり乱数カウンタC2が時短大当たり状態への当選であるか否かを判定する。時短大当たり状態への当選であればステップS1512に進み、時短大当たり状態への当選でなければ、外れであると判定して本処理を終了する。
ステップS1512では、主制御装置261のCPU501は、第2可変入賞装置32bの大入賞口32Bを開状態にするように大入賞口ソレノイドを制御するとともに、タイマ機能によって開時間の計時を開始する。大入賞口32Bを開状態にすることによって1のラウンドが開始される。
なお、ステップS1512とステップS1513との間で、大入賞口32Bへの入球がある場合は、当該遊技球を大入賞口B用の大入賞口スイッチで検出する。
ステップS1513では、主制御装置261のCPU501は、第2可変入賞装置32bの大入賞口32Bに所定数(例えば10個)の遊技球の入賞があったか否かを検出するとともに、タイマ機能によって最大開放時間(例えば、30秒)を経過したかどうかを検出する。第2可変入賞装置32bの大入賞口32Bに所定数の遊技球の入賞があった場合や、タイマ機能による計時が最大開放時間を経過した場合には、ステップS1514に進み、第2可変入賞装置32bの大入賞口32Bに所定数の遊技球の入賞が未だ無い場合や、タイマ機能による計時が最大開放時間を経過していない場合には、ステップS1513を繰り返す。
ステップS1514では、主制御装置261のCPU501は、第2可変入賞装置32bの大入賞口32Bを閉状態にするように大入賞口ソレノイドを制御するとともに、タイマ機能による計時を停止し、ステップS1515に進む。大入賞口32Bを閉状態とすることにより1のラウンドが終了する。
ステップS1515では、主制御装置261のCPU501は、各ラウンドの間での大入賞口32Aを閉状態とする所定時間(本実施例では3秒)、大入賞口32Bの閉状態を継続するように大入賞口32B用の駆動部を制御する。
ステップS1516では、主制御装置261のCPU501は、時短大当たり状態として設定された8ラウンドの遊技を終了したか否か判定し、8ラウンドの遊技を終了すれば本処理を終了する。8ラウンドの遊技を終了していなければ、S1510に戻り、ステップS1512〜1516を繰り返す。
なお、上述した通常大当たり状態または確変大当たり状態が本発明の特定遊技状態に相当し、通常大当たり状態への当選または確変大当たり状態への当選が本発明の第1条件に相当する。また、上述した10個の遊技球の入賞が本発明の所定数の入球に相当し、上述した30秒の最大開放時間が本発明の第1所定時間に相当する。また、上述した大入賞口32Aを閉状態とする3秒の時間が本発明の第2所定時間に相当し、上述した通常大当たり状態または確変大当たり状態として設定された16ラウンドが本発明の所定回数に相当する。本発明の所定数の入球や最大開放時間や第2所定時間や所定回数は、遊技内容や遊技価値に応じて決まるため、上述した内容に限られない。
次に、図28,29を参照して、第1可変入賞装置32aにおける開閉扉410の開閉動作について説明する。
図28は、開閉扉410の開閉動作を説明する斜視図であり、図28(a)は大当たり状態となる前の閉状態を示し、図28(b)は大当たり状態の1ラウンド目の開状態を示す。図29は、図28に続く開閉扉410の開閉動作を説明する斜視図であり、図29(a)は、1ラウンド目以降の閉状態を示し、図29(b)は、2ラウンド目以降の開状態を示す。なお、図28,29は、図20(b)と同様に、本体ケース400からプレート部402を除いた図である。
まず、通常大当たり状態または確変大当たり状態が開始される前の通常の遊技状態における第1可変入賞装置32aについて説明する。この通常の遊技状態において、大入賞口ソレノイド432は非動作状態であり、開閉扉410は大入賞口32Aの第1入球領域412aと第2入球領域412bとを閉塞したままの状態である。この状態において、遊技領域30aを流下する遊技球は、球流入部406から第1可変入賞装置32a内に流入可能であるが、球流入部406から流入した遊技球は、大入賞口32Aに入賞しない。すなわち、球流入部406から流入した遊技球は、開閉扉410の上を通って停留通路451内に入り、停留通路451を通過し終えた遊技球は、開閉扉410の上を通って球流出部407から第1可変入賞装置32aの外部に位置する遊技領域30aに再び流出される。これにより、通常の遊技状態においても、右幅狭領域30a2を出た遊技球の流下経路が十分に確保される。
第1の始動口33a,33bへの入球に基づく抽選により、通常大当たり状態または確変大当たり状態に当選した場合、大入賞口ソレノイド432が動作状態となり、開閉扉410は大入賞口32Aの第1入球領域412aと第2入球領域412bとを開放する状態となる。大当たり状態の1ラウンド目では、通常、停留部450には遊技球が停留されていないので、球流入部406から流入した遊技球は、第1入球領域412aのみに入球する。第1入球領域412aに入球した遊技球は、その直下に配備された第1大入賞口スイッチ223aによって検出される。
第1大入賞口スイッチ223aでの入球検出が所定数に達するか又は最大開放時間が経過すると、開閉扉410は閉状態に戻される。開閉扉410が閉状態とされている時間(本実施例では3秒間)、球流入部406から流入した遊技球は、開閉扉410の上を通って停留部450に停留される。すなわち、開閉扉410の上を通った遊技球は、停留通路451に流入し、停留通路451を通過し終えるまで、停留部450に停留される。このように、停留部450に停留される遊技球が多くなると、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する期間中に第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aに入球可能となる遊技球の球数が増える。大当たり状態中の1のラウンド中に大入賞口32Aに入球可能となる遊技球の球数が増えることで、大当たり状態全体にかかる時間(例えば、大当たり状態が16ラウンドまで継続する場合は、16ラウンド終了までにかかる時間)を短くすることができる。すなわち、従来、大当たり状態全体にかかる時間を短くする手法として、ラウンド間のインターバル時間を短くしたり無くしたりする場合があった。このような手法では、前のラウンド中に大入賞口に入球した遊技球が当該ラウンドの終了時点で残存球として残り、次のラウンド中に入賞検出されてしまうことがあった。このような事態は、遊技者の利益を損なうものであるので、ラウンド間のインターバル時間を短くし難く、大当たり状態全体にかかる時間を十分に短くすることができなかった。しかしながら、本実施例にかかる第1可変入球装置32aを備えることにより、インターバル時間中には、遊技球は停留部451に停留されているので、大入賞口32A内に残存球として残ることがなく、その停留球を利用して次のラウンドで入賞検出させることができる。これにより、インターバル時間のメリットを活かして残存球を適切に処理しつつも、大当たり状態全体にかかる時間を好適に短くすることができる。
停留通路451に流入した遊技球は、まず奥向き案内部451a、手前向き案内部451b、奥向き案内部451c、手前向き案内部451dの順に案内される。最初に停留通路451に流入した遊技球が停留通路451を通過している間、開閉扉410の閉状態が継続されている。そして、この最初に停留通路451に流入した遊技球が停留通路451を通過し終えた後、開閉扉410は再び開状態に戻される。開閉扉410は開状態に戻されるタイミングは、少なくとも最初に停留通路451に流入した遊技球が停留通路451を通過し終えて第2入球領域412bに入球するまでのタイミングであるが、最初に停留通路451に流入した遊技球が停留通路451を通過し終える直前に開状態に戻されていることが設計上好ましい。なお、このように遊技盤30の前後を出入りする遊技球の通過態様は、透過性を有するプレート部402を介して遊技者に視認されるので、大当たり状態中の遊技に対して面白味を加えることができる。
開閉扉410が開状態である期間中に、大入賞口32Aに所定数(例えば10個)の遊技球の入賞があったことが検出されるか、タイマ機能によって最大開放時間(例えば、30秒)を経過したことが検出されれば、2ラウンド目に移行する。
2ラウンド目において、停留通路451を通過し終えた遊技球は、開閉扉410が開状態となっている間、第2入球領域412bに入球可能となる。また、第2入球領域412bの開放と同時に第1入球領域412aも開くので、球流入部406から流入した遊技球は、第1入球領域412aに入球可能となる。このように、2ラウンド目以降は、開閉扉410が開状態となると、それまで停留部450で停留されていた遊技球と、新たに第1可変入賞装置32aに流入した球とが大入賞口32Aの異なる箇所で同時に入球可能となる。したがって、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する期間中に第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aに入球する遊技球の球数を増やすことができる。
また、第1可変入賞装置32aに停留部450を設けて、流入した遊技球を大入賞口32Aの異なる箇所で入球可能となるように構成することにより、通常大当たり状態または確変大当たり状態の各ラウンドにおいて、大入賞口32Aに入球した遊技球が10球カウントされた時点で次のラウンドに移行する場合の、各ラウンドにかかる時間を短くすることができる。図30を参照してこの点を説明する。図30は、開閉扉410の開閉タイミングと遊技球の検出タイミングとを示すタイミングチャートである。
この説明では、遊技領域30aを流下する遊技球が第1可変入賞装置32aの球流入部406に流入した時点から第1大入賞口スイッチ223aに検出されるまでにかかる時間を1秒とする。また、第1可変入賞装置32aの球流入部406には、開閉扉410の開状態となる各ラウンドの開始直後から遊技球が1秒間隔で入球するものとする。
第1ラウンドは、第1大入賞口スイッチ223aのみによって10球の入球が検出される。これは、第1ラウンドは、通常、停留部450に停留されている遊技球がないため、大入賞口32Aが開状態となっても第2入球領域412bに入球する遊技球がないからである。第1大入賞口スイッチ223aが10球目の入球を検出した後、大入賞口32Aは閉状態となり、第1ラウンドが終了する。よって、第1ラウンドにかかる時間は、1秒×10球=10秒である。
第1ラウンドが終了した後、大入賞口32Aが閉状態となった直後に、停留部450への遊技球の停留が開始され、大入賞口32Aの閉時間(本実施例では3秒)中に3球の遊技球が1秒間隔で停留されるものとする。大入賞口32Aの閉時間を経過後、大入賞口32Aが再び開状態とされて、第2ラウンドが開始される。
第2ラウンドでは、停留部450に遊技球が停留されているので、第1入球領域412aと同時に第2入球領域412bでも遊技球の入球が可能となる。ただし、本実施例では、停留時間がインターバル時間よりも長いので、現実に停留球が第2入球領域412bに入球されるのは、第2入球領域412bの開放より後のタイミングからとなる。停留部450に停留されていた遊技球は、第2ラウンドの開始から約2秒後に、第2入球領域412bに3球の遊技球が1秒間隔で入球する。第1大入賞口スイッチ223bは、第2入球領域412bに入球した3球の遊技球を検出する。また、大入賞口32Aの開放の直後に、球流入部406に流入した遊技球が第1入球領域412aに1秒間隔で7球入球する。第1大入賞口スイッチ223aは、第1入球領域412aに入球した7球の遊技球を検出する。第1大入賞口スイッチ223aが7球目の遊技球を検出し終えた後、大入賞口32Aは再び閉状態となり、第2ラウンドが終了する。よって、第2ラウンドにかかる時間は、1秒×7球=7秒である。これは、第1大入賞口スイッチ223aで検出すべき遊技球が、第1大入賞口スイッチ223bで検出される3球分つまり停留されている球数分少なくなるからである。
第2ラウンドが終了した後、大入賞口32Aが閉状態となった直後に、停留部450への遊技球の停留が開始され、大入賞口32Aの閉時間(本実施例では3秒)中に4球の遊技球が1秒間隔で停留されるものとする。大入賞口32Aの閉時間を経過後、大入賞口32Aが再び開状態とされて、第3ラウンドが開始される。
3ラウンド目でも、停留部450に遊技球が停留されているので、第1入球領域412aと同時に第2入球領域412bでも遊技球の入球が可能となる。停留部450に停留されていた遊技球は、第3ラウンドの開始から約2秒後に、第2入球領域412bに4球の遊技球が連続して入球する。第1大入賞口スイッチ223bは、第2入球領域412bに入球した4球の遊技球を検出する。また、大入賞口32Aの開放の直後に、球流入部406に流入した遊技球が第1入球領域412aに6球の遊技球が1秒間隔で入球する。第1大入賞口スイッチ223aは、第1入球領域412aに入球した6球の遊技球を検出する。第1大入賞口スイッチ223aが6球目の遊技球を検出し終えた後、大入賞口32Aは再び閉状態となり、第3ラウンドが終了する。よって、第3ラウンドにかかる時間は、1秒×6球=6秒である。これは、停留部450に停留される遊技球の数が増えた分、第1大入賞口スイッチ223aで検出すべき遊技球が、第2ラウンドよりも少なくなるからである。
以降、第16ラウンドが終了するまで、停留部450に停留される遊技球がある場合は、停留のなかった第1ラウンドにかかる時間よりも短い時間でラウンドを終えることができる。
これに対して、従来例の可変入賞装置において、16ラウンドの通常大当たり状態や確変大当たり状態が行われる場合、本実施例の第1ラウンドと同様の入賞及び検出態様が第16ラウンドまで続く。すなわち、1つの入球領域しかもたない大入賞口に遊技球が入賞し、大入賞口に入賞した遊技球を1つの大入賞口スイッチで検出する。そのため、第2ラウンド以降のラウンドにかかる時間を短くすることができない。よって、16ラウンドの通常大当たり状態や確変大当たり状態を終える時間も、本実施例よりも長くなり易い。
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、遊技球が入球可能な大入賞口32Aと、大入賞口32Aに遊技球が入球し易い開状態とこの開状態よりも大入賞口32Aに遊技球が入球し難い閉状態とに開閉動する開閉扉410とを有する第1可変入賞装置32aは、通常大当たり状態への当選または確変大当たり状態への当選のいずれかに応じて、開閉扉410を開状態とし、最大開放時間(例えば、30秒)の経過または所定数の入球(例えば、10球)に基づいて、開閉扉410を閉状態とし、最大開放時間よりも短く設定された閉時間(本実施例では3秒)が経過した後、開閉扉410を開状態に戻す大当たり状態の遊技を所定回数(例えば、16ラウンド)繰り返す。第1可変入賞装置32aは、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する大当たり状態の期間において、閉状態にある開閉扉410に接触した遊技球が、開閉扉410が開状態に戻されるまでの間停留され、開閉扉410が開状態に戻された場合に停留中の遊技球が大入賞口32Aに向けて排出されるように構成される停留部450を備える。
これにより、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する大当たり状態の期間において、閉状態にある開閉扉410に接触した遊技球は、開閉扉410が開状態に戻されるまでのインターバル時間の間停留部450に停留される。停留された遊技球は、開閉扉410が開状態に戻された場合に大入賞口32Aに向けて排出される。したがって、従来の遊技機では大入賞口に入球させることができなかった、アタッカーなどの開閉動作部材が閉状態にあるタイミングで大入賞口装置などの可変入賞装置に到達する遊技球であっても、大入賞口32Aに入球させることができる。したがって、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する大当たり状態の期間全体にかかる時間(例えば、大当たり状態が16ラウンドまで継続する場合は、16ラウンドが終るまでにかかる時間)を短くすることができる。
また、大当たり状態の期間全体にかかる時間が短くなる分だけ、遊技者は、同じ時間であっても従来の遊技機と比較してより多くの回数、大当たり状態を発生させるか否かの抽選の機会を得られる可能性があるので、遊技の興趣性を高めることもできる。
また、従来、大当たり状態の期間全体にかかる時間を短くすることを試みる手法として、ラウンド間のインターバル時間を短くしたり無くしたりする場合があった。このような手法では、前のラウンド中に大入賞口に入球した遊技球が当該ラウンドの終了時点で残存球として残り、次のラウンド中に入賞検出されてしまうことがあった。このような事態は、遊技者の利益を損なうものであるので、ラウンド間のインターバル時間を短くし難く、大当たり状態の期間全体にかかる時間を十分に短くすることができなかった。しかしながら、本実施例にかかる第1可変入球装置32aを備えることにより、インターバル時間中には、遊技球は停留部451に停留されているので、大入賞口32A内に残存球として残ることがなく、その停留球を利用して次のラウンドで入賞検出させることができる。これにより、インターバル時間を設けなくても残存球を適切に処理することができ、且つ、大当たり状態の期間全体にかかる時間を好適に短くすることができる。
また、大入賞口32Aは、第1入球領域412aと、この第1入球領域412aとは異なる位置に設けられた第2入球領域412bとを有する。開閉扉410は、第1入球領域412aと第2入球領域412bとを開状態と閉状態とに変化させる。開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する期間において、第1入球領域412aに入球しようとして開閉扉410に接触した遊技球は、開閉扉410が閉状態である間停留部450に停留する。停留された遊技球は、開閉扉410が開状態に戻されたときに第2入球領域412bに向けて排出される。
この点、従来の遊技機は、アタッカーなどの開閉動作部材が開状態となっている期間に遊技球が大入賞口装置などの可変入賞装置に到達した場合であっても、到達した全ての遊技球が大入賞口に入球できない場合があった。すなわち、開閉動作部材が開状態となっている期間に連続して遊技球が可変入賞装置に到達するような場合、可変入賞装置に到達した全ての遊技球を大入賞口に入球させるまでに時間がかかり、可変入賞装置に到達した遊技球のうちいくつかが可変入賞装置の外に溢れ出てしまうことがある。
これに対して、本実施例1のパチンコ機10のように構成することで、第1可変入賞装置32aに到達した遊技球は、第1ラウンドにおいて開閉扉410が開状態である間、遊技球は第1入球領域412aに入球可能となるが、停留部450に遊技球が停留されていないので、遊技球は第2入球領域412bに入球しない。次に開閉扉410が閉状態である間、遊技球は第1入球領域412aにも第2入球領域412bにも入球しないで、停留部450に停留可能となる。次に第2ラウンドで開閉扉410が開状態である間、遊技球は第1入球領域412aに入球可能となるとともに、停留部450に遊技球が停留されている場合は、停留されていた遊技球は第2入球領域412bに入球可能となる。次に開閉扉410が閉状態である間、再び、遊技球は第1入球領域412aにも第2入球領域412bにも入球されずに停留部450に停留可能となる。次の第3ラウンドで開閉扉410が開状態に戻されたときには、再び、遊技球は第1入球領域412aに入球可能となるとともに、停留部450に遊技球が停留されている場合は、停留されていた遊技球は第2入球領域412bに入球可能となる。以降のラウンドにおいて、所定回数(例えば、16回)に到達するまで、開閉扉410は開閉動作する。
このように、第1ラウンドを除いて、第1可変入賞装置32aに到達した遊技球は、開閉扉410が開状態である間、第1入球領域412aからも第2入球領域412bからも入球可能となる。したがって、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する期間において連続して遊技球が第1可変入賞装置32aに到達するような場合でも、第1可変入賞装置32aに到達した遊技球を第1入球領域412aからも第2入球領域412bからも入球させることができるので、第1可変入賞装置32aに到達した遊技球を迅速に大入賞口32Aに入球させることができる。その結果、第1可変入賞装置32aに到達した遊技球が第1可変入賞装置32aの外に溢れ出てしまうことに起因する時間のロスを低減できるので、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する大当たり状態の期間全体にかかる時間を好適に短くすることができる。
また、大入賞口32Aに入球しようとして遊技領域を流下する遊技球が入球しようとする入球領域と、停留部450に停留された遊技球が入球しようとする入球領域とは、同じ大入賞口32Aの中で異なる位置すなわち第1入球領域412aと第2入球領域412bとに設けられているので、遊技領域を流下してきた遊技球と停留部450で停留された遊技球とが衝突して一部の遊技球が大入賞口32Aに入球できなくなるおそれが低減される。その結果、開閉扉410が開状態に変化する期間中に遊技球どうしが衝突して入球できなくなることに起因する時間のロスが低減されるので、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する大当たり状態全体にかかる時間を好適に短くすることができる。
また、第1入球領域412aと第2入球領域412bとは、遊技盤30の正面視で遊技領域の左右方向に並べて配設されている。停留部450は、第1入球領域412aと第2入球領域412bとの間に位置する。したがって、開閉扉410が閉状態である間に、開閉扉410に接触した遊技球を円滑に停留部450に停留させることができるとともに、停留部450に停留された遊技球を円滑に第2入球領域412bの方へ送ることができる。その結果、遊技者にとって有利な遊技状態を終了するまでに掛かる時間を短くすることができる。
また、第1入球領域412aは、遊技盤の正面視で遊技領域の上下方向での高さが第2入球領域412bよりも高くなるように配設され、停留部450は、第1入球領域412aから第2入球領域412bへ向けて遊技球を下り方向に案内する停留通路451を有する。したがって、停留中の遊技球は、第1入球領域412aから第2入球領域412bへ向けて勢いよく案内される。その結果、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する期間において第1入球領域412aへ向けて遊技球を次々と発射しても、第1可変入賞装置32aの内部で停留中の遊技球が詰まるおそれが低減される。
また、停留部450で停留されている遊技球は、停留通路451の通路形成部i1によって進行方向を変更されながら第1入球領域412aから第2入球領域412bへ向けて案内される。したがって、停留部450内での遊技球の進行方向を変えることで、進行方向を変えないで第1入球領域412aから第2入球領域412bへ向けて遊技球を案内する場合に比べて、遊技球の停留時間を長く設定することができる。
また、停留通路451の通路形成部i1は、遊技球を遊技盤30の盤面の手前側から奥側へ案内する奥向き案内部451aと、遊技球を遊技盤30の盤面の奥側で案内する奥側案内部451bと、遊技球を遊技盤30の盤面の奥側から手前側へ案内する手前向き案内部451cとの組み合わせによって形成されるので、奥向き案内部451aと奥側案内部451bと手前向き案内部451cとの組み合わせ方によって、遊技球の停留時間を自由に設計できる。
また、第1入球領域412aへの遊技球の入球を検出する第1大入賞口スイッチ223aは、第1入球領域412aの真下に配設され、第2入球領域412bへの遊技球の入球を検出する第1大入賞口スイッチ223bは第2入球領域412bの真下に配設されている。したがって、停留状態が解除されて、第1入球領域412aへの入球と第2入球領域412bへの入球とが同時に連続して発生する場合であっても、大入賞口32A内での球詰まりの低減や検出時間の低減を実現することができる。
また、遊技領域30aは、第3図柄表示装置42の横幅よりも狭い左幅狭領域30a1と右幅狭領域30a2とを有し、左幅狭領域30a1は第3図柄表示装置42の左横側に形成され、右幅狭領域30a2は第3図柄表示装置42の右横側に形成されている。第1可変入賞装置32aは、左幅狭領域30a1か左幅狭領域30a1の下方のいずれか、または、右幅狭領域30a2か前記右幅狭領域30a2の下方のいずれかに配設されている。したがって、第1可変入賞装置32aに向けて発射した遊技球をできるだけ多く第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aに入球させることができる。つまり、第1可変入賞装置32aが遊技領域30aの中央に配設されている場合には、遊技領域を流下する遊技球は、遊技領域に配設される釘や風車などの遊技部材に衝突することによって流下方向が変えられて、第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aから外れてしまうことが多い。これに対して、第1可変入賞装置32aが遊技領域の左幅狭領域30a1や右幅狭領域30a2に配設される場合には、遊技領域を流下する遊技球は、前述の遊技部材の影響を受けても左幅狭領域30a1や右幅狭領域30a2の横幅内しか流下方向が変わらないので、第1可変入賞装置32aの大入賞口32Aに入球し易くなっている。これは、第1可変入賞装置32aが左幅狭領域30a1の下方や右幅狭領域30a2の下方に配設されている場合も同様である。したがって、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する大当たり状態の期間全体にかかる時間を好適に短くすることができる。
また、停留部450の上部が覆い部404によって覆われているので、遊技領域を流下する遊技球と停留部450で停留されている遊技球とが衝突することを防止することができる。
また、開閉扉410は、前後に進退可能な進退部材である。進退部材が遊技盤30の盤面より奥側に後退すると、大入賞口32Aは開状態となり、進退部材が遊技盤30の盤面より手前側に前進すると、大入賞口32Aは閉状態となる。閉状態とされた進退部材の上を通った遊技球は、停留部450に停留される。したがって、開閉扉410の回動によって大入賞口32Aが開状態や閉状態となる構成と比べて、開状態と閉状態となるために必要な第1可変入賞装置32a内での上下幅を小さくすることができる。その結果、遊技球を停留する機能を備える第1可変入賞装置32aの小型化を実現できる。
次に、実施例2のパチンコ機10について図31〜33を参照して説明する。図31は、実施例2に係るパチンコ機10の遊技盤30の正面図である。図32は、実施例2に係る第3可変入賞装置32cの斜視図であり、図32(a)は本体ケース400を装着した状態を示し、図32(b)は本体ケース400のプレート部402を除いた状態を示す。図33は、実施例2に係る普通電動役物開閉処理を示すフローチャートである。
実施例1との相違点について説明する。実施例2では、実施例1の第1可変入賞装置32aと同様に構成された第3可変入賞装置32cが、実施例1と同様に右幅狭領域30a2の下方に配設されている。ただし、第3可変入賞装置32cは、大入賞口32Aではなく第3の始動口33cを有する。また、実施例1では、第2図柄表示装置41が第2の始動口34への入賞をトリガとして普通図柄としての第2図柄を変動表示していたが、実施例2では、第2図柄表示装置41が第3の始動口33cへの入賞をトリガとして特別図柄としての第2図柄を変動表示するとともに、第3図柄表示装置42も第3の始動口33cへの入賞をトリガとして装飾図柄としての第3図柄を変動表示する。また、実施例2では、第2の始動口34bへの通過検出をトリガとして普通図柄を変動表示する表示部43a,43bを有する普通図柄表示装置43が可変表示装置ユニット35の一つとして設けられている。また、表示部43a,43bでの変動表示の保留数(最大4回)を示す保留表示部43cが第3図柄表示装置42の表示画面に表示されている。普通図柄の変動表示の結果が当たりであった場合に、後述するように第3の始動口33cが閉状態から開状態に変位し、普通図柄の変動表示の結果が外れであった場合に、第3の始動口33cは閉状態を維持する。実施例1で設けられていた第2の始動口34aは、実施例2の遊技盤30には設けられていない。また、第3図柄表示装置42の下方には、実施例1では第1の始動口33a,33bが設けられていたが、実施例2では羽根などの動作部材を有しない第1の始動口33のみが設けられている。第1の始動口33への入賞をトリガとして、第1図柄表示装置40において特別図柄としての第1図柄が変動表示されるとともに第3図柄表示装置42において装飾図柄としての第3図柄が変動表示される。
また、実施例2では、第4可変入賞装置32dが大入賞口32Dを有し、第1の始動口33の下方に配設されている。また、第4可変入賞装置32dは、通常大当たり状態,確変大当たり状態,時短大当たり状態のいずれの大当たり状態においても大入賞口32Dに設けられた扉部材を開閉動作させる。上述の第1図柄および第3図柄の変動表示の結果が大当たり状態への当選である場合に、大入賞口32Dに設けられた扉部材が開状態と閉状態とに変位する大当たり状態に移行する。また、第3の始動口33cの下流には大入賞口32Eを有する第5可変入賞装置32eが設けられている。上述の第2図柄および第3図柄の変動表示の結果が大当たり状態への当選である場合に、大入賞口32Eに設けられた扉部材が開状態と閉状態とに変位する大当たり状態に移行する。第5可変入賞装置32eは、第4可変入賞装置32dと同じ大当たり状態を採用してもよいし、異なる大当たり状態を採用したり、同じ大当たり状態を採用するが遊技者に与える遊技価値を異ならせたりしてもよい。その他の構成で実施例1と共通の内容は、実施例1と共通の符号を付しており、対応する実施例1の記載を参照するものとする。
遊技領域30a内での入球部品の位置関係について説明する。遊技領域30aには、右幅狭領域30a2に第2の始動口34b(スルーゲート)が配設されている。右幅狭領域30a2の出口の下方には、第3の始動口33cを有する第3可変入賞装置32cが配設されている。第3可変入賞装置32cの出口の左下には第5可変入賞装置32eが設けられ、第5可変入賞装置32eの左下で且つ第1の始動口33の下方には第4可変入賞装置32dが設けられている。
第3可変入賞装置32cの配置位置は、実施例1の第1可変入賞装置32aと同じである。また、第1の始動口33a,33bの下方には、大入賞口32Dを有する第4可変入賞装置32dが配設されている。
次に、第3可変入賞装置32cの構成について説明する。
第3可変入賞装置32cは、第3の始動口33cを構成する第1入球領域412aへの入球を検出する第3始動口スイッチ461aと、第3の始動口33cを構成する第2入球領域412bへの入球を検出する第3始動口スイッチ461bとを備えている。また、第3可変入賞装置32cが第3の始動口33cを開閉させる開閉扉410や、開閉扉410を動作させるための動力を付与するソレノイドなどを備えている点は実施例1と同様である。
第3可変入賞装置32cは、第1の始動口33への入球を契機として行われる大当たり抽選の結果が、時短大当たりへの当選である場合に、第4可変入賞装置32dでの8回のラウンド遊技の終了後に行われる時短状態において、第3の始動口33cを所定回数開閉可能となる。
この時短状態としては、第3可変入賞装置32cに遊技球が入球し易くなるという状態を採用している。具体的には、時短状態となると、右幅狭領域30a2の第2の始動口34bへの入球を契機として第2図柄表示装置41にて行われる第2図柄(普通図柄)の変動表示時間が短く、かつ、第2図柄(普通図柄)の変動表示が当りである場合に通常状態よりも長く第3の始動口33cが開放状態となる。具体的には、第3の始動口33cは、通常状態では第2図柄の変動表示が当りである場合に開閉扉410の開動作によって例えば0.1秒間で1回開放される程度であるが、時短状態では第2図柄の変動表示が当りである場合に開閉扉410の開動作によって3秒間開放された後に、開閉扉410の閉動作によって1秒間閉鎖される動作を3回繰り返す。これにより、通常状態では、第3の始動口33cに遊技球が入球し難いので、第1の始動口33を狙って遊技球が発射されるが、時短状態では、第3の始動口33cに遊技球が入球し易くなり、第3の始動口33cに遊技球が入球すると第1図柄及び第3図柄の変動表示が保留されるので、次々と第1図柄及び第3図柄の変動表示がされる状態となる。実施例2の時短状態では、時短大当たり発生から第1図柄及び第3図柄の変動表示が所定回数(例えば、100回)行われるまでは当該時短状態を継続するという「回数切りの時短状態」を採用している。
そのため、時短状態では、遊技者は、遊技領域30aに打ち込まれた遊技球が第3可変入賞装置32cに向かうように、右幅狭領域30a2を狙って遊技球を発射する右打ちを行う。また、時短状態での第2図柄および第3図柄の変動表示の結果、大当たり状態が発生した場合も、遊技領域30aに打ち込まれた遊技球が第5可変入賞装置32eに向かうように、遊技者は右打ちを行う。通常遊技状態、または、時短状態を発生させない大当たり状態では、遊技者は、遊技領域30aに打ち込まれた遊技球が第1の始動口33または第4可変入賞装置32dに向かうように、左幅狭領域30a1を狙って遊技球を発射する左打ちを行う。なお、第1の始動口33への入球を契機として行われる大当たり抽選の結果が、通常大当たり状態への当選または確変大当たり状態への当選である場合は、第4可変入賞装置32dにおいて16回のラウンド遊技が実行される。
また、第3可変入賞装置32cは、実施例1の停留通路451よりも全長が短い停留通路453によって構成される停留部452を備える。具体的には、停留通路453は、奥向き案内部452eと、奥向き案内部452eで案内された遊技球を遊技盤30の盤面の奥側で、盤面に対して平行に下流側へ遊技球を案内する奥側案内部452fと、奥側案内部452fで案内された遊技球を遊技盤30の盤面の奥側から手前側へ案内する手前向き案内部452gとの組合せを1つ備えている。つまり、実施例1の停留通路453は、U字状の通路が2つで構成されていたが、停留通路452は、U字状の通路が1つで構成されている。本実施例では、第3可変入賞装置32cを水平に載置した状態で遊技球を停留通路453に通過させたときの停留時間が2秒間であったので、上述のインターバル時間がこの停留時間よりも短い1秒間に決定されている。
次に、実施例2に係る普通電動役物開閉処理について説明する。
実施例2に係る普通電動役物開閉処理は、時短状態において第2の始動口34bへの遊技球の通過を契機として行われる普通図柄の抽選が当たりであった場合に、第3の始動口33cを開閉させる処理である。なお、普通電動役物開閉処理は、図8を用いて前述したように、主制御装置261のCPU501が行う通常処理における普通電動役物開閉処理(ステップS207)に対応するものである。
ステップS1601では、主制御装置261のCPU501は、第2の始動口34bへの入球検出があるか又は第2の始動口34bでの通過検出による保留数が1以上あるか否かを判定する。第2の始動口34bへの入球検出があるか又は保留数が1以上であればステップS1602に進み、1未満つまり0であれば本処理を終了する。なお、保留数が1以上であってステップS1602に進む場合は、保留数を1減らす。
ステップS1602では、主制御装置261のCPU501は、第2図柄大当たり乱数カウンタC4の値が当選であるか否かを判定する。当選であればステップS1603へ進み、当選でなければ本処理を終了する。時短状態においては、普通図柄の抽選の当選確率は、99パーセントから100パーセントの高確率に変更される場合がある。これにより、第2の始動口34bでの通過検出に基づく普通図柄の抽選が行われれば、ほとんど全ての抽選結果が当選となる。
ステップS1603では、主制御装置261のCPU501は、第3可変入賞装置32cの第3の始動口33cを開状態にするように駆動部430を制御するとともに、タイマ機能によって開時間の計時を開始する。例えば開時間は、時短状態では3秒間に決定されている。第2の始動口34bへの1球の通過検出を契機して行われる第2図柄の抽選が当選であることによって、第3可変入賞装置32cの開閉扉410は、合計3回開閉動作を繰り返すように構成されている。本ステップS1603は、そのうちの1回に対応する。
なお、ステップS1603とステップS1604との間で、第3可変入賞装置32cの第3の始動口33cへの遊技球の入球があった場合、第3始動口スイッチ461a,第3始動口スイッチ461bは当該遊技球の入球を検出する。第3の始動口33cへの入球検出に基づいて、第2図柄及び第3図柄の変動表示が開始されるか、または、第2図柄及び第3図柄の変動表示中であれば当該入球分は保留される。
ステップS1604は、主制御装置261のCPU501は、第3可変入賞装置32cの第3の始動口33cに所定数(例えば3球)の遊技球の入賞があったか否かを検出するとともに、第3の始動口33cの最大開放時間(例えば3秒)が経過したか否かを判定する。第3の始動口33cに所定数の遊技球の入賞があった場合や、最大開放時間を経過していればステップS1605に進み、第3の始動口33cに所定数の遊技球の入賞が未だ無い場合や所定の最大開放時間を経過していなければ最大開放時間を経過するまで本ステップS1604を繰り返す。
ステップS1605では、主制御装置261のCPU501は、第3可変入賞装置32cの第3の始動口33cを閉状態にするように駆動部430を制御するとともに、タイマ機能による計時を停止し、ステップS1606に進む。
ステップS1606では、主制御装置261のCPU501は、第3可変入賞装置32cの開閉扉410を閉状態とする所定時間(本実施例では1秒間)、第3の始動口33cの閉状態を継続するように駆動部430を制御する。
ステップS1607では、第3可変入賞装置32cの開閉扉410が3回目の開動作を終了したか否かを判定する。3回目の開動作を終了していれば本処理を終了する。3回目の開動作を終了していなければステップS1604に戻り、3回目の回動を終了するまでステップS1604からステップS1607までの処理を繰り返す。
このように第3可変入賞装置32cに停留部452を設けて、流入した遊技球を第3の始動口33cの異なる箇所で入球可能となるように構成することによって、開閉扉410が開状態とされる予め定められた時間(3秒間)において、第3の始動口33cに入球する遊技球の球数を増やすことができる。図34を参照してこの点を説明する。図34は、開閉扉410の開閉タイミングと遊技球の検出タイミングとを示すタイミングチャートである。
この説明では、実施例1と同様に、遊技領域30aを流下する遊技球が第3可変入賞装置32cの球流入部406に流入した時点から第3始動口スイッチ461aに検出されるまでにかかる時間を1秒とする。また、実施例1と同様に、第3可変入賞装置32cの球流入部406には、開閉扉410が開状態となった直後から遊技球が1秒間隔で入球するものとする。
第1回目の開放では、第3始動口スイッチ461aのみによって3球の入球が検出される。実施例1と同様に時短大当たり状態が発生するまでは、停留部452に停留されている遊技球がないため、第3始動口33cが開状態となっても第2入球領域412bに入球する遊技球がないからである。第3始動口スイッチ461aが3球目の入球を検出した直後に、第3の始動口33cは閉状態となり、第1回目の開放は終了する。第1回目の開放における開放時間は、概ね3秒である。
第1回目の開放が終了した後、第3の始動口33cが閉状態となった直後に、停留部452への遊技球の停留が開始され、第3の始動口33cの閉時間(本実施例では1秒)中に2球の遊技球が連続して停留部452に停留されるものとする。第3の始動口33cの閉時間を経過後、第3の始動口33cが再び開状態とされて、第2回目の開放が開始される。
第2回目の開放では、第3の始動口33cが開状態となった直後から、球流入部406に流入した遊技球が第1入球領域412aに2球流入する。第3始動口スイッチ461aは、第1入球領域412aに入球した2球の遊技球を検出する。停留部452に停留されていた遊技球は、第2回目の開放後、約1秒後に第2入球領域412bに1球入球する。つまり、第1入球領域412a,第2入球領域412b,第1入球領域412aの順に遊技球が第3の始動口33cに入球する。第3始動口スイッチ461aが第1入球領域412aに入球した2球目(つまり計3球目)の遊技球を検出した直後に、第3の始動口33cは閉状態となり、第2回目の開放は終了する。第2回目の開放における開放時間は、概ね2秒である。なお、第3の始動口33cが閉状態となる前に、停留部452に停留されていた2球目の遊技球が第2入球領域412bに入球する場合もある。このような場合、第2回目の開放では、第1回目の開放中の入球数(3球)よりも多い計4球の遊技球が入球することもある。
第2回目の開放が終了した後、遊技球が2球連続して停留される。第3回目の開放でも第2回目の開放と同様に、第2入球領域412bへの入球開始の直後から、球流入部406に流入した遊技球が第1入球領域412aに2球流入する。第3始動口スイッチ461aは、第1入球領域412aに入球した2球の遊技球を検出する。停留部452に停留されていた遊技球は、第3回目の開放後、約1秒後に第2入球領域412bに1球入球する。第3始動口スイッチ461aが第1入球領域412aに入球した2球目(つまり計3球目)の遊技球を検出した直後に、第3の始動口33cは閉状態となり、第3回目の開放は終了する。第3回目の開放における開放時間も、概ね3秒である。以降、回数切りの時短状態が終了するまで、停留部452に停留される遊技球がある場合は、第2の始動口34bへの遊技球の通過検出をトリガとする普通図柄の変動表示の結果が当たりであるごとに、停留がなかった第1回目の開放よりも短い開放時間で第3の始動口33cの所定回数(例えば3回)の開放を終えることができる。これにより、時短状態全体にかかる時間を短くすることができる。例えば、回数切りの時短状態であれば、100回などの所定回数を終了するまでにかかる時間を短くすることができる。その結果、時短状態でのテンポのよい遊技を遊技者に提供することができる。
これに対して、従来例の始動入球装置では普通図柄の変動表示の結果が当たりである場合、前述の第1回目の開放と同様の開放時間(概ね3秒)が所定回数(例えば3回)続く。すなわち、1つの入球領域しかもたない始動口に遊技球が入賞し、始動口に入賞した遊技球を1つの始動口スイッチで検出する。そのため、第2回目以降の開放における開放時間を短くすることができない。よって、時短状態全体にかかる時間も、本実施例よりも長くなり易い。
なお、上述した第3可変入賞装置32cが本発明における可変入球装置に相当し、上述した第3の始動口33cが本発明における入球部に相当する。また、上述した時短状態が本発明における特定遊技状態に相当し、上述した普通図柄の変動表示結果の当たりが本発明の第1条件に相当する。また、上述した第3の始動口33cの3秒の最大開放時間が本発明の第1所定時間に相当し、上述した第3の始動口33cへの3球の入球が本発明の所定数の入球に相当する。また、上述した第3の始動口33の1秒の閉時間が本発明の第2所定時間に相当し、上述した回数切りの時短状態の100回が本発明の所定回数に相当する。また、上述した停留部452が本発明における停留部に相当する。なお、本発明の第1所定時間や所定数の入球や第2所定時間や所定回数は、遊技内容や遊技価値に応じて決定されるため、上述した内容に限らない。
上述したように、本実施例2のパチンコ機10によれば、遊技球が入球可能な第3の始動口33cと、第3の始動口33cに遊技球が入球し易い開状態とこの開状態よりも第3の始動口33cに遊技球が入球し難い閉状態とに開閉動する開閉扉410とを有する第3可変入賞装置32cは、時短大当たり発生から第1図柄及び第3図柄の変動表示が所定回数(例えば、100回)行われるまでの間で且つ第2の始動口34bへの入球に応じて、開閉扉410を第1所定時間(例えば、3秒間)だけ開状態とし、第1所定時間の経過または所定数の入球(例えば3球)に基づいて、開閉扉410を閉状態とし、第1所定時間よりも短く設定された第2所定時間(本実施例では1秒間)が経過した後、開閉扉410を開状態に戻す時短状態の遊技(本実施例では3回の開閉動作)を、所定回数(例えば、3回)繰り返す。第3可変入賞装置32cは、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する期間において、閉状態にある開閉扉410に接触した遊技球が、開閉扉410が開状態に戻されるまでの間停留され、開閉扉410が開状態に戻された場合に停留中の遊技球が第3の始動口33cに向けて排出されるように構成される停留部452を備える。
これにより、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する時短状態の期間において、閉状態にある開閉扉410に接触した遊技球は、開閉扉410が開状態に戻されるまでの間停留部452に停留される。停留された遊技球は、開閉扉410が開状態に戻された場合に第3の始動口33cに向けて排出される。したがって、従来の遊技機では始動口に入球させることができなかった、入賞案内扉が閉状態にあるタイミングで可変入賞装置に到達する遊技球であっても、第3の始動口に入球させることができる。したがって、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する時短状態の期間全体にかかる時間を短くすることができる。例えば、回数切りの時短状態であれば、100回などの所定回数を終了するまでにかかる時間を短くすることができる。その結果、時短状態でのテンポのよい遊技を遊技者に提供することができる。
また、時短状態の期間全体にかかる時間が短くなる分だけ、遊技者は、同じ時間であっても従来の遊技機と比較してより多くの回数、普通図柄の抽選の機会を得られる可能性があるので、遊技の興趣性を高めることもできる。
また、時短状態の期間全体にかかる時間を短くすることを試みる手法として、時短状態における開状態の間に設けられた閉状態の時間(インターバル時間)を短くしたり無くしたりする手法が考えられる。このような手法では、前の開状態の期間中に始動口を有する可変入賞装置に入球した遊技球が当該開状態の期間の終了時点で残存球として残り、次の開状態の期間中に入賞検出されてしまう場合があると考えられる。このような事態は、遊技者の利益を損なうものであるので、時短状態における開状態の間に設けられたインターバル時間を短くし難く、時短状態の期間全体にかかる時間を十分に短くすることができないと考えられる。しかしながら、本実施例にかかる第3可変入賞装置32cを備えることにより、インターバル時間中には、遊技球は停留部452に停留されているので、第3の始動口33c内に残存球として残ることがなく、その停留球を利用して次の開状態の期間に入賞検出させることができる。これにより、インターバル時間を設けなくても残存球を適切に処理することができ、且つ、時短状態の期間全体にかかる時間を好適に短くすることができる。
また、第3の始動口33cは、第1入球領域412aと、この第1入球領域412aとは異なる位置に設けられた第2入球領域412bとを有する。開閉扉410は、第1入球領域412aと第2入球領域412bとを開状態と閉状態とに変化させる。開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する時短状態の期間において、第1入球領域412aに入球しようとして開閉扉410に接触した遊技球は、開閉扉410が閉状態である間停留部452に停留する。停留された遊技球は、開閉扉410が開状態に戻されたときに第2入球領域412bに向けて排出される。
この点、従来の遊技機は、羽根などの開閉動作部材が開状態となっている期間に遊技球が始動入賞装置などの可変入賞装置に到達した場合であっても、到達した全ての遊技球が始動口に入球できない場合があった。すなわち、入賞案内扉が開状態となっている期間に連続して遊技球が可変入賞装置に到達するような場合、可変入賞装置に到達した全ての遊技球を始動口に入球させるまでに時間がかかり、可変入賞装置に到達した遊技球のうちいくつかが可変入賞装置の外に溢れ出てしまうことがある。
これに対して、本実施例2のパチンコ機10のように構成することで、第2の始動口34bに連続して遊技球が通過することによって、第3可変入賞装置32cの開閉扉410が開閉動作を連続して行う場合、第3可変入賞装置32cに到達した遊技球は、開閉扉410が第1回目の開状態である間、遊技球は第1入球領域412aに入球可能となるが、停留部452に遊技球が停留されていないので、遊技球は第2入球領域412bに入球しない。次に開閉扉410が閉状態である間、遊技球は第1入球領域412aにも第2入球領域412bにも入球しないで、停留部452に停留可能となる。次に開閉扉410が第2回目の開状態である間、遊技球は第1入球領域412aに入球可能となるとともに、停留部452に遊技球が停留されている場合は、停留されていた遊技球は第2入球領域412bに入球可能となる。次に開閉扉410が閉状態である間、再び、遊技球は第1入球領域412aにも第2入球領域412bにも入球されずに停留部452に停留可能となる。次に開閉扉410が第3回目の開状態である間は、再び、遊技球は第1入球領域412aに入球可能となるとともに、停留部452に遊技球が停留されている場合は、停留されていた遊技球は第2入球領域412bに入球可能となる。以降、第2の始動口34bへの通過検出があり、且つ、時短大当たり発生から第1図柄及び第3図柄の変動表示が所定回数(例えば、100回)に到達するまで、開閉扉410は開閉動作する。
このように、第1回目の開放を除いて、第3可変入賞装置32cに到達した遊技球は、開閉扉410が開状態である間、第1入球領域412aからも第2入球領域412bからも入球可能となる。したがって、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する時短状態の期間において連続して遊技球が第3可変入賞装置32cに到達するような場合でも、第3可変入賞装置32cに到達した遊技球を第1入球領域412aからも第2入球領域412bからも入球させることができるので、第3可変入賞装置32cに到達した遊技球を迅速に第3の始動口33cに入球させることができる。その結果、第3可変入賞装置32cに到達した遊技球が第3可変入賞装置32cの外に溢れ出てしまうことに起因する時間のロスを低減できるので、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する時短状態の期間全体にかかる時間を短くすることができる。
また、第3の始動口33cに入球しようとして遊技領域を流下する遊技球が入球しようとする入球領域と、停留部452に停留された遊技球が入球しようとする入球領域とは、同じ第3の始動口33cの中で異なる位置(第1入球領域412aと第2入球領域412b)に設けられているので、遊技領域を流下してきた遊技球と停留部452で停留された遊技球とが衝突して一部の遊技球が第3の始動口33cに入球できなくなるおそれが低減される。その結果、第3可変入賞装置32cの開放時間中に遊技球どうしが衝突して入球できなくなることに起因する時間のロスが低減されるので、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する時短状態の期間全体にかかる時間を短くすることができる。
また、第1入球領域412aへの遊技球の入球を検出する第3始動口スイッチ461aは、第1入球領域412aの真下に配設され、第2入球領域412bへの遊技球の入球を検出する第3始動口スイッチ461bは第2入球領域412bの真下に配設されている。したがって、停留状態が解除されて、第1入球領域412aへの入球と第2入球領域412bへの入球とが同時に連続して発生する場合であっても、第3の始動口33c内での球詰まりの低減や検出時間の低減を実現することができる。
また、第2の始動口34bは、右幅狭領域30a2内に配設され、第3可変入賞装置32cは、右幅狭領域30a2の下方に配設されている。したがって、第3可変入賞装置32cに向けて発射した遊技球をできるだけ多く第2の始動口34b及び第3可変入賞装置32cの第3の始動口33cに入球させることができる。つまり、第3可変入賞装置32cが遊技領域の中央に配設されている場合には、遊技領域30aを流下する遊技球は、遊技領域30aに配設される釘や風車などの遊技部材に衝突することによって流下方向が変えられて、他の一般入賞口などの入球口に入球してしまい、可変入賞装置の始動口から外れてしまうことが多い。これに対して、第3可変入賞装置32cが遊技領域の右幅狭領域30a2の下方に配設される場合には、遊技領域30aを流下する遊技球は、前述の遊技部材の影響を受けても右幅狭領域30a2の横幅内しか流下方向が変わらないので、第3可変入賞装置32cの第3の始動口33cに入球し易くなっている。したがって、開閉扉410が開状態と閉状態とに変化する時短状態の期間全体にかかる時間を短くすることができる。
次に、実施例3のパチンコ機10について図35およびその他の図面を参照して説明する。図35は、実施例3の開閉扉410の開閉タイミングと遊技球の検出タイミングと第3図柄表示装置42の表示タイミングを示すタイミングチャートである。なお、このタイミングチャートは、実施例2と同様の時短状態やその他の確変状態などにおいて、通常の遊技状態よりも第3の始動口33cへの入賞が発生し易い遊技状態で発生するタイミングを示すものである。実施例3のパチンコ機10は、遊技盤30の構成や遊技性は実施例2のパチンコ機10と同様であり、その他基本的な構成は実施例1のパチンコ機10と同様に構成されている。ただし、いくつかの構成は本実施例で補足説明するように構成されている。
まず、図1乃至4を参照して、遊技球発射装置38についての説明を補足する。なお、以下の説明は実施例1,2のパチンコ機10に備えられる遊技球発射装置38にも共通である。遊技球発射装置38は、遊技領域30aの特定の領域に、所定時間内に所定数の遊技球を発射可能なものである。遊技球発射装置38を構成する遊技球発射ハンドル18は、遊技者によって操作される操作部を有する。また、遊技球発射装置38を構成する発射装置229は、遊技球を打ち出す打ち出し部や、操作部の操作に基づいて打ち出し部を動作させるモーターまたはソレノイドなどを有する。遊技球発射装置38は、例えば最大で1分間に100発の遊技球を打ち出すことができるように構成されている。遊技球の打ち出し数は、適宜調整可能である。
次に、図31を参照して遊技盤30についての説明を補足する。遊技盤30は、遊技領域30aの特定の領域を流下する遊技球に衝突して遊技球の流下方向を第3可変入賞装置32cの方向へ変える遊技部品が配設されている。この遊技領域30aの特定の領域は、例えば実施例1,2で説明したような、遊技領域30aの右幅狭領域30a2である。この遊技部品は、例えば実施例1,2で説明したような、センターフレーム47の右側に設けられた流入部48bに沿って植設されて、遊技領域30aを流下する遊技球が第3可変入賞装置32cへ遊技球が入球し易くなるように構成されている釘列である。
第3可変入賞装置32cは、右幅狭領域30a2を流下する遊技球を概ね全て入球させることが可能なように構成されている。より詳細には、第3可変入賞装置32cは、遊技球発射装置38が所定時間内に所定数の遊技球を発射した場合に、右幅狭領域30a2を流下する所定数の遊技球を概ね全て入球させることが可能なように構成されている。
具体的には、第3可変入賞装置32cは、遊技者が右幅狭領域30a2を狙って遊技球を発射する右打ちを行い、打ち出し部によって打ち出された遊技球の飛距離が最大となる場合に、右幅狭領域30a2を流下する所定数の遊技球を概ね全て入球させることが可能なように構成されている。
概ね全て入球させることが可能とする第1の理由は、遊技球が一定の力で打ち出されていることが必要であるからである。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作が安定していない状況では、最初に打ち出された数発の遊技球が第3可変入賞装置32cに到達しない場合もあるからである。また、第2の理由は、遊技盤30に植設される釘の配置具合によっては、遊技球が一定の力で打ち出されていても、遊技領域30aの特定の領域を流下する遊技球の一部が第3可変入賞装置32cに入球しない場合もあるからである。その他、時短状態において最初に第3の始動口33cが開放されるまでの期間に第3可変入賞装置32cに遊技球が到達した場合には、当該遊技球が第3の始動口33cに入賞しないことなどもあるからである。
第3可変入賞装置32cは、実施例2の第3可変入賞装置32cと同様に構成されている。また、その他の部材も実施例2と同様に構成されている。
主制御装置261のCPU501は、第3可変入賞装置32cに2以上の遊技球を連続して入球する場合に、第3始動口スイッチ461aおよび第3始動口スイッチ461bの入球検出に基づき、第3図柄表示装置42において第3図柄の2以上の変動表示を予め決められた一定の時間間隔で連続して実行するように制御する。
後述するように、第3図柄の2以上の変動表示が一定の時間間隔で連続して実行されるのは、第3可変入賞装置32cの停留部452に遊技球が停留されてからである。そのため、主制御装置261のCPU501は、例えば停留部452に停留された遊技球が第3始動口スイッチ461bに入球検出されたか否かに基づいて、第3図柄の2以上の変動表示を一定の時間間隔で連続して実行するか否かを判断する判断機能を備えていてもよい。または、第3図柄の2以上の変動表示が一定の時間間隔で連続して実行されるためには、遊技者が右打ちなどの一定の操作を行って、発射装置229の打ち出し部が一定の力で遊技球を打ち出していることが必要である。そのため、主制御装置261のCPU501は、所定期間内に打ち出された球数を検出するなどして遊技球が一定の力で打ち出されているか否かを判断する判断機能を備えていてもよい。
次に、図35を参照して、第3の始動口33cの1回目の開放における、開閉扉410の開閉タイミングと遊技球の検出タイミングと第3図柄表示装置42の表示タイミングについて説明する。なお、実施例2と同様に、第3図柄表示装置42における第3図柄の変動表示に同期して第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示も行われているが、以下では、第3図柄の変動表示についてのみ述べている。
作動口スイッチの通過検出S1は、第2の始動口34bを遊技球が通過する際に作動口スイッチに通過検出されるタイミングを表している。t1,t2,t3,…は、作動口スイッチの各通過検出タイミングを示している。図35では、各通過検出タイミングの時間間隔taは一定の時間間隔のように図示されているが、遊技球が一定のタイミングで発射されていても、遊技領域30aを流下する遊技球が釘などと接触する際の飛び跳ね方の違いなどから、各通過検出タイミングの時間間隔taは必ずしも一定ではない。また、上述の遊技球の飛び跳ね方の違いなどから、第2の始動口34bを遊技球が通過しない場合(例えばタイミングt4,t8,t11)もあるので、各通過検出タイミングの時間間隔taは不定期な時間間隔と言える。ただし、最低限、第3の始動口33cの1回の開放期間が終了するまでの間に、第2の始動口34bを1球以上の遊技球が通過するように遊技盤30の盤面が形成されているものである。
普通図柄表示S2は、作動口スイッチでの遊技球の通過検出に基づく普通図柄の抽選が行われる場合の普通図柄表示装置43における普通図柄の変動表示のタイミングを表している。普通図柄表示S2は、ONが普通図柄の変動表示中であることを示し、OFFが変動表示が行われていないこと示す。なお、第3の始動口33cの開放中は普通図柄表示S2が行われないので、この間の普通図柄の変動表示は保留されることになる。
第3始動口ソレノイドの動作S3は、開閉扉410を動作させる第3始動口ソレノイド433の動作タイミングを表している。第3始動口ソレノイドの動作S3は、OFFが開閉扉410の閉状態を示し、ONが開閉扉410の開状態を示している。この説明では、時短状態における普通図柄抽選の当選確率が例えば99パーセントの高確率に設定されているため、普通図柄の当選が連続して発生して、第3の始動口33cの開放が一定の時間間隔で発生している場合を示している。
第3始動口スイッチ461aの入球検出S4および第3始動口スイッチ461bの入球検出S5はそれぞれ、第3始動口スイッチ461aおよび第3始動口スイッチ461bの入球検出タイミングを表している。第3図柄表示S6は、第3始動口スイッチ461aおよび第3始動口スイッチ461bの入球検出に基づく第3図柄の抽選が行われる場合の第3図柄表示装置42における第3図柄の変動表示のタイミングを表している。第3図柄表示S6は、ONが第3図柄の変動表示中を示し、OFFが変動表示が行われていないことを示す。
タイミングt1での作動口スイッチでの遊技球の通過検出に基づく普通図柄の抽選の結果が当たりである場合、第3始動口ソレノイド33は、タイミングt3の直前のタイミングで開閉扉410を開状態に変位するように動作し、タイミングt6の直前のタイミングで開閉扉410を閉状態に変位するように動作する。開閉扉410の閉状態は、タイミングt7の直前のタイミングまで継続される。開閉扉410の1回目の開時間tbは、実施例2と同様に3秒間である。また、開閉扉410の閉時間tdは、1回目とそれ以降の回も、実施例2と同様に1秒間に設定されている。
タイミングt3において、第3始動口スイッチ461aが1球目の遊技球を入球検出する。以降、タイミングt4において第3始動口スイッチ461aが2球目の遊技球を入球検出し、タイミングt5において第3始動口スイッチ461aが3球目の遊技球を入球検出する。遊技者が右打ちで遊技球を発射している場合、遊技球が第3始動口スイッチ461aに入球検出される時間間隔teは、実施例2と同じく1秒間隔である。
1回目の開放では、遊技球が停留部452に停留されていないので、第3始動口スイッチ461bでの入球検出は無しである。ただし、開閉扉410が閉鎖した直後のタイミングt6において、遊技球が停留部452に停留されている。なお、停留開始のタイミングは、第3始動口スイッチ461bの入球検出S5に破線で示している。停留部452での停留時間tfは、実施例2と同様に、2秒間に設定されている。
第3図柄表示装置42では、タイミングt3において1球目の遊技球の入球検出に基づく1回目の第3図柄の変動表示が開始され、タイミングt4が到来する前に1球目の第3図柄の変動表示が終了する。以降、タイミングt4において2球目の遊技球の入球検出に基づく2回目の第3図柄の変動表示が開始され、タイミングt5が到来する前に2回目の第3図柄の変動表示が終了する。また、タイミングt5において3球目の遊技球の入球検出に基づく3回目の第3図柄の変動表示が開始され、タイミングt6が到来する前に3回目の第3図柄の変動表示が終了する。なお、3回目の第3図柄の変動表示の終了後、タイミングt6では、第3始動口スイッチ461a,461bでの入球検出が存在しないので、第3図柄の変動表示は行われていない。
第3図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの変動表示時間tgは、0.8秒に設定されている。遊技者が右打ちで遊技球を発射している場合に、第3始動口スイッチ461a,461bの入球検出タイミングは、一定の時間間隔であるので、一定の入球検出タイミングに合わせた変動表示時間が設定されている。本実施例では、第3始動口スイッチ461aの入球検出の時間間隔(1秒)よりも0.2秒短い時間間隔(0.8秒時間)で変動表示を実行しているが、第3始動口スイッチ461aの入球検出の時間間隔に応じて変動表示時間を決定すればよいので、上記時間間隔に限定されるものではない。例えば、1分間に100発の遊技球が発射され、0.6秒間隔で第3始動口スイッチ461aが入球検出する場合であれば、変動表示時間tgを例えば0.4秒の時間間隔として変動表示を行うことも可能である。
このように第3図柄の変動表示は極めて短い時間で実行されるので、第3図柄表示装置42の表示画面には第3図柄の変動表示の結果のみが連続して表示される。もちろん、第3図柄を多少変動させる過程があっても構わない。これらの場合、2つの第3図柄が揃うリーチが成立している場合でも、リーチ演出を省略することが考えられる。
次に、第3の始動口33cの2回目の開放における、開閉扉410の開閉タイミングと遊技球の検出タイミングとについて説明する。
タイミングt2〜t5での作動口スイッチでの遊技球の通過検出に基づくいずれかの普通図柄の抽選の結果が当たりである場合、第3の始動口33cの2回目の開放が行われる。すなわち、第3始動口ソレノイド33は、1回目の第3の始動口33cの閉時間が終了するタイミング(タイミングt7の直前のタイミング)が到来すると、開閉扉410を開状態に変位するように動作する。
タイミングt7において、第3始動口スイッチ461aが1球目の遊技球を入球検出し、タイミングt8において第3始動口スイッチ461aが2球目の遊技球を入球検出する。
1回目の閉時間中のタイミングt6で停留部452に停留された遊技球は、2回目の開時間中のタイミングt8において、第3始動口スイッチ461bで入球検出される。タイミングt8において3球目の遊技球が第3始動口スイッチ461bで入球検出されると、タイミングt9の直前のタイミングで第3始動口ソレノイド33は開閉扉410を閉状態に変位する。つまり、開閉扉410の2回目以降の開時間tcは、実施例2と同様に2秒間である。開閉扉410が閉鎖した直後のタイミングt9において、遊技球が停留部452に停留される。
次に、第3の始動口33cの3回目の開放における、開閉扉410の開閉タイミングと遊技球の検出タイミングとについて説明する。第3の始動口33cの3回目の開放は、第3の始動口33cの2回目の開放と基本的に同じであるので、要点のみを説明する。
タイミングt3〜t8での作動口スイッチでの遊技球の通過検出に基づくいずれかの普通図柄の抽選の結果が当たりである場合、第3の始動口33cの3回目の開放が行われる。すなわち、第3始動口ソレノイド33は、2回目の第3の始動口33cの閉時間が終了するタイミング(タイミングt10の直前のタイミング)が到来すると、開閉扉410を開状態に変位するように動作する。
タイミングt10において、第3始動口スイッチ461aが1球目の遊技球を入球検出し、タイミングt11において第3始動口スイッチ461aが2球目の遊技球を入球検出する。
2回目の閉時間中のタイミングt9で停留部452に停留された遊技球は、3回目の開時間中のタイミングt11において、第3始動口スイッチ461bで入球検出される。タイミングt11において3球目の遊技球が第3始動口スイッチ461bで入球検出されると、タイミングt12の直前のタイミングで第3始動口ソレノイド33は開閉扉410を閉状態に変位する。開閉扉410が閉鎖した直後のタイミングt12において、遊技球が停留部452に停留される。以降、回数切りの時短状態の終了タイミングが到来するか又は第3図柄の抽選の結果として大当たり状態が発生するまで、作動口スイッチへの通過検出および普通図柄抽選の当選がある限り、第3の始動口の開放が同じタイミングで繰り返される。
次に、第3の始動口33cの2回目以降の開放における第3図柄の変動表示のタイミングについて説明する。
第3図柄表示装置42では、タイミングt7において第3始動口スイッチ461aでの1球目の遊技球の入球検出に基づく1回目の第3図柄の変動表示が開始され、タイミングt8が到来する前に1球目の第3図柄の変動表示が終了する。タイミングt8において第3始動口スイッチ461aでの2球目の遊技球の入球検出に基づく2回目の第3図柄の変動表示が開始され、タイミングt9が到来する前に2回目の第3図柄の変動表示が終了する。次に、タイミングt8において第3始動口スイッチ461bは、3球目の遊技球を入球検出するが、タイミングt8では2回目の第3図柄の変動表示が行われている。そのため、タイミングt8における第3始動口スイッチ461bでの3球目の遊技球の入球検出に基づく3回目の第3図柄の変動表示は、保留される。当該保留分の変動表示は、2回目の第3図柄の変動表示が終了した後のタイミングt9において開始される。3回目の第3図柄の変動表示は、タイミングt10が到来する前に終了する。
タイミングt10では、第3の始動口33cの3回目の開放中の入球検出が存在するので、第3図柄の変動表示が行われる。以降、第3の始動口33cの3回目以降の開放における第3図柄の変動表示は、タイミングt7ないしタイミングt9と同様に行われる。つまり、第3の始動口33cの2回目以降の開放における第3図柄の変動表示は、第3始動口スイッチ461a,461bの一定の入球検出タイミングに合わせて、一定の時間間隔th,th,th,…で連続して実行されている。とくに、本実施例では、始動口スイッチ461aの入球検出の時間間隔(1秒)よりも0.2秒短い時間間隔(0.8秒時間)で連続して実行されている。なお、第3の始動口33cの1回目の開放において停留球が存在しないため変動表示が行われない時間間隔tiも考慮に入れれば、第3図柄の変動表示は、第3の始動口33cの1回目以降の開放から、一定の時間間隔th,th,th,ti,th,th,th,…で連続して実行することも可能である。
次に、図36から図38までを参照して、実施例3に係る第3可変入賞装置32cでの遊技球の動きについて説明する。図36は、第3可変入賞装置32cでの遊技球の動きを説明する斜視図であり、図36(a)は、第1回目の開放状態を示し、図36(b)は、第1回目の開放終了後の閉鎖状態を示す。図37は、図36に続く第3可変入賞装置32cでの遊技球の動きを説明する斜視図であり、図37(a)は、第2回目の開放状態の前半を示し、図37(b)は、第2回目の開放状態の後半を示す。図38は、図37に続く第3可変入球装置32cでの遊技球の動きを説明する斜視図であり、図38(a)は、第2回目の開放終了後の閉鎖状態を示し、図38(b)は、第3回目の開放状態の前半を示す。図39は、図38に続く第3可変入球装置32cでの遊技球の動きを説明する斜視図であり、図39(a)は、第3回目の開放状態の後半を示し、図39(b)は、第3回目の開放終了後の閉鎖状態を示す。
図36から図39に示す遊技球B1〜B12は、図35に示す作動口スイッチの通過検出S1におけるタイミングt1〜t12において、作動口スイッチに通過検出された遊技球または作動口スイッチに通過検出されなかったが第3可変入賞装置32cに到達する遊技球に対応している。また、遊技球B1〜B12は、右打ちによって連続して発射されている遊技球の一部である。
図36を参照する。遊技球B1の作動口スイッチでの通過検出に基づく普通図柄の抽選結果が当選であったので、図36(a)に示すように、第3可変入賞装置32cの開閉扉410が開放される。この第1回目の開放状態の開時間中に、遊技球B1,B2,B3は、球流入部406から第3可変入賞装置32c内に流入し、連続して第1入球領域412a(つまり第3の始動口33c)に入球して、第3始動口スイッチ461aで入球検出される。この第3始動口スイッチ461aでの入球検出に基づき、第3の始動口33cの開時間中に、第3図柄の変動表示が実行され、終了する。変動表示の結果は外れである。
遊技球B3の入球検出に基づく第3図柄の変動表示の終了後、図36(b)に示すように、第3の始動口33cの開閉扉410が閉鎖される。この閉鎖状態の閉時間中に、遊技球B4は、球流入部406から第3可変入賞装置32c内に流入し、開閉扉410の上を通って、停留部452で停留される。
次に、図37を参照する。遊技球B2の作動口スイッチでの通過検出に基づく普通図柄の抽選結果が当選であるので、開閉扉410の閉時間の終了後、図37(a)に示すように、第3可変入賞装置32cの開閉扉410が開放される。この第2回目の開放状態の開放直後に、遊技球B5が球流入部406から第3可変入賞装置32c内に流入し、第1入球領域412a(つまり第3の始動口33c)に入球して、第3始動口スイッチ461aで入球検出される。この第3始動口スイッチ461aでの入球検出に基づき、第3図柄の変動表示が実行され、終了する。変動表示の結果は外れである。このとき、遊技球B4は、停留部452の中央付近に位置しており、停留部452に停留されたままである。遊技球B6は、図37(b)に示すように、遊技球B5の入球に続いて、第3可変入賞装置32c内に流入し、第1入球領域412a(つまり第3の始動口33c)に入球して、第3始動口スイッチ461aで入球検出される。遊技球B6の第3始動口スイッチ416aでの入球検出に基づき、第3図柄の変動表示が実行され、終了する。変動表示の結果は外れである。次に、遊技球B6が第1入球領域412aに入球されるとほぼ同時に、遊技球B4が停留部452での停留を終えて、第2入球領域412b(つまり第3の始動口33)に入球して、第3始動口スイッチ461bで入球検出される。第3始動口スイッチ461bでの入球検出時点では、遊技球B6の入球検出に基づく変動表示が実行されているので、遊技球B4の入球検出に基づく変動表示は保留される。第3可変入賞装置32cでの開時間中に第3の始動口33cへの3球の入球検出があったので、第2回目の第3の始動口の開時間が終了して、開閉扉410が閉鎖する。開閉扉410の開放時間の終了後の閉時間中に、遊技球B4の入球検出に基づく変動表示が実行され、終了する。変動表示の結果は外れである。
次に、図38を参照する。図37(b)に示した遊技球B4の入球検出に基づく第3図柄の変動表示の終了後、図38(a)に示すように、第3の始動口33cの開閉扉410が閉鎖される。この閉鎖状態の閉時間中に、遊技球B7は、球流入部406から第3可変入賞装置32c内に流入し、開閉扉410の上を通って、停留部452で停留される。
遊技球B3の作動口スイッチでの通過検出に基づく普通図柄の抽選結果が当選であるので、図38(b)に示すように、第3可変入賞装置32cの開閉扉410が開放される。この第3回目の開放状態の開放直後に、遊技球B8が球流入部406から第3可変入賞装置32c内に流入し、第1入球領域412a(つまり第3の始動口33c)に入球して、第3始動口スイッチ461aで入球検出される。この第3始動口スイッチ461aでの入球検出に基づき、第3図柄の変動表示が実行され、終了する。変動表示の結果は外れである。このとき、遊技球B7は、停留部452の中央付近に位置しており、停留部452に停留されたままである。
次に、図39を参照する。図38(b)に示す遊技球B8の入球に続いて、遊技球B9は、図39(a)に示すように、第3可変入賞装置32c内に流入し、第1入球領域412a(つまり第3の始動口33c)に入球して、第3始動口スイッチ461aで入球検出される。遊技球B9の第3始動口スイッチ416aでの入球検出に基づき、第3図柄の変動表示され、終了する。変動表示の結果は外れである。次に、遊技球B9が第1入球領域412aに入球されるとほぼ同時に、遊技球B7が停留部452での停留を終えて、第32入球領域412b(つまり第3の始動口33)に入球して、第3始動口スイッチ461bで入球検出される。第3始動口スイッチ461bでの入球検出時点では、遊技球B9入球検出に基づく変動表示が実行されているので、遊技球B7の入球検出に基づく変動表示は保留される。第3可変入賞装置32cでの開時間中に第3の始動口33cへの3球の入球検出があったので、第2回目の第3の始動口の開時間が終了して、開閉扉410が閉鎖する。開閉扉410の開放時間の終了後の閉時間中に、遊技球B7の入球検出に基づく変動表示が実行され、終了する。変動表示の結果は外れである。
遊技球B7の入球検出に基づく第3図柄の変動表示の終了後、図39(b)に示すように、第3の始動口33cの開閉扉410が閉鎖される。この閉鎖状態の閉時間中に、遊技球B10は、球流入部406から第3可変入賞装置32c内に流入し、開閉扉410の上を通って、停留部452で停留される。
以上のように、時短状態中に右打ちで一定の時間間隔で発射された遊技球は、第2の始動口34bを通過する場合や通過しない場合があるものの、最終的に概ね全ての遊技球が第3の始動口33cに入賞する。当該入賞検出に基づく変動表示は、次々と実行されるので、保留数の上限を超えた入球検出分が無駄球となる状態も起こり難い。この状態は、第3図柄の抽選結果が大当たり状態への当選となって、大当たり状態が発生するまでの間、継続することになる。
ここで、第2図柄および第3図柄の抽選の結果が大当たり状態への当選である場合について補足する。第2図柄および第3図柄の抽選の結果が大当たり状態への当選である場合、実施例2と同様に、第3の始動口33cの下流に設けられた第5可変入賞装置32eの大入賞口32Eが開閉する大当たり状態に移行する。この大当たり状態においても、遊技者は右打ちで遊技球を発射することになるので、右幅狭領域30a2を流下する遊技球は、概ね全て第3可変入賞装置32cを通過することになる。そこで、大当たり状態中は、第3可変入賞装置32cが開閉扉410を閉状態に変位して、右幅狭領域30a2を流下する遊技球が第3可変入賞装置32cを通過し易くすることが考えられる。
このように、遊技者が右打ちで遊技球を発射している場合、右幅狭領域30a2を流下する所定数の遊技球が概ね全て第3可変入賞装置32cの第3の始動口33cに入球するので、この所定数の遊技球は一定の時間間隔teで連続して第3の始動口33cにて入球検出される。これにより、第3図柄の変動表示は、第3始動口スイッチ461a,461bの一定の入球検出タイミングに合わせて、一定の時間間隔th,th,th,…で連続して実行される。その結果、一の入球検出が発生してから次の入球検出が発生するまでの時間のばらつきが低減されるので、第3図柄の変動表示を一定の時間間隔th,th,th,…で連続して実行しても、一の入球検出に基づく変動表示の終了後、次の入球検出に基づく変動表示が開始されるまでに変動表示が実行されない空き時間が多く生じる恐れが低減される。また、変動表示時間tgを長めに設定する必要もないので、保留数の上限を超えて入球検出が保留されずに無駄球になるという恐れも低減される。
また、遊技者が右打ちで遊技球を発射している場合に、右幅狭領域30a2を流下する遊技球が第3の始動口33cにて入球検出される時間間隔teが分かれば、それに合わせて第3図柄の変動表示の時間間隔thも分かる。遊技機を新たに設計する場合において、この入球検出の時間間隔teから、第3図柄の変動表示の時間間隔thを設定することができる。すなわち、入球検出の時間間隔teが長いタイプの遊技機であれば、それに合わせて変動表示の時間間隔thを長く調節することが予め可能となる。また反対に、入球検出の時間間隔teが短いタイプの遊技機であれば、それに合わせて変動表示の時間間隔thを短く調節することが予め可能となる。その結果、変動表示の時間間隔thを長短いずれに調節しても、一の入球検出に基づく変動表示の終了後、次の入球検出に基づく変動表示が開始されるまでの間に変動表示が実行されない不要な空き時間が生じることもないし、保留数の上限を超えて入球検出が保留されずに無駄球になることを心配して変動表示時間tgを長めに設定する必要もない。また、その結果、遊技者が右打ちで遊技球を発射している期間中に、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
なお、上述した遊技球発射装置38が本発明の発射手段に相当し、上述した第3可変入賞装置32cが可変入球装置に相当し、上述した第3始動口スイッチ461a,461bが本発明の入球検出手段に相当し、上述した主制御装置261のCPU501が本発明の抽選手段および実行制御手段に相当する。また、上述した開閉動作部材410は本発明の開閉動作部材に相当し、上述した停留部452は本発明の停留部に相当する。
上述したように、本実施例3のパチンコ機10によれば、第3可変入賞装置32cは、右幅狭領域30aを流下する遊技球を概ね全て入球する。主制御装置261のCPU501は、第3可変入賞装置32cに2以上の遊技球を連続して入球する場合に、第3始動口スイッチ461a,461bの入球検出に基づく2以上の第3図柄の変動表示を予め決められた一定の時間間隔thで連続して実行する。すなわち、右幅狭領域30aを流下する遊技球が概ね全て第3可変入賞装置32cに入球するので、第3可変入賞装置32cに入球した遊技球は一定の時間間隔te,tfで連続して第3始動口スイッチ461a,461bにて入球検出される。これにより、第3図柄の変動表示は、第3始動口スイッチ461a,461bの一定の入球検出タイミングに合わせて、予め決められた一定の時間間隔thで連続して実行される。その結果、一の入球検出が発生してから次の入球検出が発生するまでの時間のばらつきが低減されるので、第3図柄の変動表示を一定の時間間隔thで連続して実行しても、一の入球検出に基づく変動表示の終了後、次の入球検出に基づく変動表示が開始されるまでに変動表示が実行されない空き時間が多く生じる恐れが低減される。また、変動表示時間tgを長めに設定する必要もないので、保留数の上限を超えて入球検出が保留されずに無駄球になるという恐れも低減される。
また、右幅狭領域30aを流下する遊技球が第3始動口スイッチ461a,461bにて入球検出される時間間隔te,tfが分かれば、それに合わせて第3図柄の変動表示の時間間隔thも分かる。遊技機を新たに設計する場合において、この入球検出の時間間隔te,tfから、第3図柄の変動表示の時間間隔thを設定することができる。すなわち、入球検出の時間間隔teが長いタイプの遊技機であれば、それに合わせて変動表示の時間間隔thを長く調節することが予め可能となる。また反対に、入球検出の時間間隔teが短いタイプの遊技機であれば、それに合わせて変動表示の時間間隔thを短く調節することが予め可能となる。その結果、変動表示の時間間隔thを長短いずれに調節しても、一の入球検出に基づく変動表示の終了後、次の入球検出に基づく変動表示が開始されるまでの間に変動表示が実行されない不要な空き時間が生じることもないし、保留数の上限を超えて入球検出が保留されずに無駄球になることを心配して変動表示時間tgを長めに設定する必要もない。
また、第3の始動口33cへの入球検出に基づく変動表示の保留が発生する場合でも、当該保留分の変動表示も含めて一定の時間間隔で連続して実行されるので、変動表示の保留が溜まりにくい。また、変動表示の保留が溜まったとしても、当該保留分の変動表示も一定の時間間隔で連続して実行されて、次々と消化されていくので、保留数の上限を超えて変動表示の保留が溜まりにくい。したがって、遊技領域のうち特定の領域を流下して第3可変入賞装置32cに入賞した遊技球の入球検出に基づく変動表示を概ね全て実行することができるので、無駄球が発生しにくく、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
したがって、第3始動口スイッチ461a,461bでの入球検出に基づく第3図柄の変動表示時間tgを好適に短くすることができるとともに無駄球を生じさせにくい。また、その結果、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
また、第3図柄の変動表示が行われる一定の時間間隔thは、連続する2つの入球検出の時間間隔teと同じ間隔かまたはそれより短い間隔であるので、入球検出タイミングと第3図柄の変動表示タイミングとがほぼ同期する。これにより、さらにテンポよく遊技を進めることが可能となる。
また、所定時間内に所定数発射されて右幅狭領域30a2を流下する遊技球が概ね全て第3可変入賞装置32cに入球するので、遊技者は所定時間内に所定数の遊技球を発射しているだけで、右幅狭領域30a2を流下する遊技球を概ね全て第3可変入賞装置32cに入球させることができる。したがって、遊技者は、所定時間内に所定数の遊技球を発射している間に不必要に遊技球を失うことないうえに、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
また、発射装置229の打ち出し部によって打ち出された遊技球の飛距離が最大となるように遊技者が遊技球発射ハンドル18の操作部を操作する場合に、右幅狭領域30a2を流下する所定数の遊技球が概ね全て第3可変入賞装置32cに入球するので、遊技者は、発射装置229の打ち出し部によって打ち出された遊技球の飛距離が最大となるように遊技球発射ハンドル18の操作部を操作するだけで、打ち出された遊技球を概ね全て第3可変入賞装置32cに入球させることができる。したがって、遊技球発射装置38の操作に不慣れな遊技者であっても、不必要に遊技球を失うことがないうえに、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
また、遊技盤には、右幅狭領域30a2を流下する遊技球に衝突して遊技球の流下方向を第3可変入賞装置32cの方向へ変える釘列などの遊技部品が配設されているので、遊技者は、遊技盤に配設される釘列などの遊技部品の配置を特別に意識しなくても、打ち出された遊技球を概ね全て第3可変入賞装置32cに入球させることができる。したがって、釘列などの遊技部品の配置の仕方の良し悪しに関するに知識に乏しい遊技者であっても、不必要に遊技球を失うことがないうえに、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
また、第3可変入賞装置32cは、特定遊技状態の期間において開閉扉410が開状態と閉状態のいずれの状態にある場合も、右幅狭領域30aを流下する遊技球を概ね全て入球部に入球させることが可能なよう構成されているので、打ち出された遊技球が開閉扉410の開状態と閉状態いずれの状態にあるときに第3可変入賞装置32cに到達したとしても、第3可変入賞装置32cに到達した全ての遊技球を第3可変入賞装置32cの入球部に入球させることが可能となる。したがって、遊技球の発射タイミングを考慮しなくても、不必要に遊技球を失うことがないうえに、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
また、作動口スイッチでの遊技球の通過検出に基づく普通図柄の抽選の結果が当たりであることに応じて、開閉扉410を開状態とし、開閉扉410の開時間tb(本実施例では3秒間)の経過または3球の入球の少なくともいずれかに基づいて、開閉扉410を閉状態とし、開閉扉410の開時間tbよりも短く設定された開閉扉410の閉時間td(本実施例では1秒)が経過した後、開閉扉410を開状態に戻す遊技が回数切りの時短状態の終了タイミングが到来するまで繰り返される。第3可変入賞装置32cは、停留部452を備えているので、このような特定遊技状態の期間において、閉状態にある開閉扉410に接触した遊技球を開閉扉410が開状態に戻されるまでの間停留し、開閉扉410が開状態に戻された場合に停留中の遊技球が入球部に向けて排出することができる。これにより、上述したように、遊技球の発射タイミングを考慮しなくても、不必要に遊技球を失うことがないうえに、テンポよく遊技を進めることが可能となる。
次に、実施例4のパチンコ機10について図40を参照して説明する。図40は、実施例4の開閉扉410の開閉タイミングと遊技球の検出タイミングと第3図柄表示装置42の表示タイミングを示すタイミングチャートである。実施例4のパチンコ機10は、遊技盤30の構成や遊技性は実施例3のパチンコ機10と同様であり、その他基本的な構成は実施例1,2のパチンコ機10と同様に構成されている。以下では、実施例3のパチンコ機10と異なる点を説明する。
本実施例では、第3始動口ソレノイドS3がONである第3の始動口33cの開放時間は、例えば3秒間の一定時間である。主制御装置261のCPU501は、第3可変入賞装置32cの第3の始動口33cに10球の遊技球の入賞があったか否かを検出するとともに、第3の始動口33cの最大開放時間が3秒を経過したか否かを判定する。第3可変入賞装置32cでは、3秒間に10球の遊技球が入賞することは難しいように構成されているので、常に第3の始動口33cの最大開放時間の3秒間が確保される。
第3の始動口33cの最大開放時間の3秒間が常に確保されるように設定することによって、作動口スイッチの通過検出に基づく保留が溜まりやすくなる。具体的には、タイミングt1での作動口スイッチの通過検出は、同じくタイミングt1の普通図柄表示にて消化される。タイミングt2での作動口スイッチの通過検出は、同じくタイミングt2の普通図柄表示にて消化される。タイミングt3での作動口スイッチの通過検出は、タイミングt3が普通図柄抽選の当り状態(つまり第3の始動口33cの開状態)中なので、保留される(保留数:1)。タイミングt4では、作動口スイッチの通過検出がない。タイミングt5では、タイミングt3と同様に、作動口スイッチの通過検出が保留される(保留数:2)。タイミングt6では、第3の始動口33cの開状態が終了したので、タイミングt3での保留分が消化される(保留数:1)。タイミングt6での作動口スイッチの通過検出は保留される(保留数:2)。タイミングt7での作動口スイッチの通過検出は、第3の始動口33cの開状態中なので、保留される(保留数:3)。タイミングt8では、作動口スイッチの通過検出がない。タイミングt9では、タイミングt7と同様に、の作動口スイッチの通過検出が保留される(保留数:4)。このように、第3の始動口33cの第2回目の開状態が終了した時点で、作動口スイッチの通過検出に基づく保留が4個溜まることになる。
図35に示す実施例3の場合と比較する。実施例3では、タイミングt1からタイミングt7までは本実施例と同様であるが、タイミングt8での第3の始動口33cの3球目の入球検出に基づいて第3の始動口33cの第2回目の開状態が終了する。つまり、第3の始動口33cの第2回目の開時間は、2秒間しかない。そのため、実施例3では、本実施例のタイミングt9における作動口スイッチの通過検出に基づく保留がないので、第2回目の開状態が終了した時点での作動口スイッチの通過検出の保留数(3個)が本実施例の保留数(4個)よりも少ない。
これにより、本実施例では、実施例3に比べて作動口スイッチの通過検出に基づく保留が溜まりやすく設定されるので、遊技領域30aを流下する遊技球が釘などと接触する際の飛び跳ね方の違いなどから、多少、第2の始動口34bを通過し難くなったとしても、第3の始動口33cの開状態の契機となる保留を途切れさせ難くすることができる。また、遊技領域30aの盤面設計に多少の誤差があったとしても、作動口スイッチの通過検出に基づく保留が溜まりやすく設定されているので、当該誤差によって作動口スイッチの通過検出に基づく保留が溜まり難くなることが低減される。これにより、遊技盤30の盤面設計がし易くなる。
また、本実施例では、第3の始動口33cの第2回目以降の開状態においても最大開放時間の3秒間が確保されるので、第3始動口スイッチ461aの入球検出に基づく保留もたまり易くなっているが、実施例3と同様に、当該保留分が消化しやすくなっている。例えば、タイミングt9では、第3の始動口33cの開時間中に、第3始動口スイッチ461bの入球検出に基づく保留が発生するが、当該保留分は、第3の始動口33cが閉状態となったタイミングt10において消化されている。これにより、時短状態において次に大当たりが発生するまでの間、保留数の上限を超える無駄玉の発生を抑えて、テンポのよい遊技を実現可能となる。
また、遊技盤30の盤面の設計によっては、第3の始動口33cの開時間の3秒間に、5球以上の遊技球が入球する場合も考えられる。そのため、本実施例では、第3の始動口33cの入球検出に基づく保留が上限(4個)を超えないようにする構成を備えている。例えば、保留数が上限値まで溜まった場合に、当該保留を消化するために、通常の第3図柄の変動表示の時間間隔thよりも短い時間間隔で保留分の変動表示を消化していく構成が挙げられる。この場合、変動表示の結果のみを表示することが考えられる。保留数が上限値に達しなくなった場合は、再び一定の時間間隔thで変動表示を実行してもよい。
次に、実施例5のパチンコ機10について図41を参照して説明する。図41は、実施例5の開閉扉410の開閉タイミングと遊技球の検出タイミングと第3図柄表示装置42の表示タイミングを示すタイミングチャートである。実施例5のパチンコ機10は、遊技盤30の構成や遊技性は実施例3,4のパチンコ機10と同様であり、その他基本的な構成は実施例1,2のパチンコ機10と同様に構成されている。以下では、実施例3,4のパチンコ機10と異なる点を説明する。
実施例3,4では、100回の回数切り時短状態における全ての開状態において、右打ちで発射されて右幅狭領域30a2を流下する概ね全ての遊技球が第3の始動口33cに入球するように設定されていたが、本実施例では100回の回数切り時短状態において、所定回数までの時短状態では、右打ちで発射されて右幅狭領域30a2を流下する概ね全ての遊技球が第3の始動口33cに入球するように設定されているが、所定回数以降の時短状態では、右打ちで右幅狭領域30a2に発射しても、右幅狭領域30a2を流下する遊技球が第3の始動口33cに入球しない場合が所定回数までの時短状態よりも多くなるように設定されている。
このような設定は、例えば、所定回数以降の時短状態においては、第3の始動口33cの開時間が一定でない場合である。具体的には例えば、第1回目から第50回目までの時短状態においては、実施例4と同様に、第3の始動口33cの開時間が一定の時間(3秒間)に設定されているが、第51回目から第100回目までの時短状態においては、開時間が3秒間に設定される回の他に開時間が1秒間に設定される回などがあるように設定されている。
図41は、第51回目から第100回目までの時短状態のうちの一部の時短状態、例えば第51回目から第53回目までの時短状態を示しているものとする。第51回目及び第53回目の時短状態では、開時間がそれぞれ3秒間に設定されているが、第52回目の時短状態では、開時間が1秒間に設定されている。そのため、タイミングt1,t2,t3で作動口スイッチに通過検出された遊技球B1,B2,B3は、第51回目の開時間中に第3の始動口33cにて入球検出される。タイミングt4で作動口スイッチを通過せずに第3可変入賞装置32cに到達した遊技球は、第51回目の開時間の後の閉時間中に停留部452に停留されるが、停留部452を停留し終えるタイミングt8では、第52回目の開時間の終了後の閉時間であるので、第3始動口33c(第2入球領域416b)に入球せずに球流出部407から第3可変入賞装置32c外へ流出する。そのため、タイミングt8では、第3図柄の変動表示が行われない時間間隔tiが発生している。
このように、回数切り時短状態内において、所定回数を境に第3の始動口33cへの入球し易さに差をつけることによって、時短状態の種別を増やすことができる。このような時短状態の種別は、時短大当たり状態の種類(例えば第3図柄の種類など)によって決定してもよい。時短状態の種別が増えることにより、時短大当たり状態の発生を示す抽選結果に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
[1]実施例1の第1可変入賞装置32aや実施例2から実施例5までの第3可変入賞装置32cは、開閉扉410を備えて、開閉扉410を開閉させることで、遊技球が入球し易い開状態と該開状態よりも遊技球が入球し難い閉状態とに可変されていたが、開閉扉410以外の構成によって、遊技球が入球し易い第1状態と該第1状態よりも遊技球が入球し難い第2状態とに可変される構成であっても構わない。例えば、第1可変入賞装置32aや第3可変入賞装置32cに到達した遊技球が大入賞口32Aや第3の始動口33cに誘導される通路と、遊技球が停留部450や停留部452に誘導される通路とが切り換える切り換え部を備える構成が考えられる。つまり、切り換え部が遊技球を大入賞口32Aや第3の始動口33cに誘導するように切り換えられた状態が第1状態に対応し、切り換え部が遊技球を停留部450や停留部452に誘導するように切り換えられた状態が第2状態に対応する。本変形例に関する記載は、例えば上記(A1)の構成についても適用可能である。
[2]実施例1乃至5では、遊技盤30の遊技領域30aのうちの特定の領域を流下する遊技球を概ね全て入球させることが可能な構成として、閉状態にある開閉扉410に接触した遊技球が、開閉扉410が開状態に戻されるまでの間停留部450または停留部452に停留され、開閉扉410が開状態に戻された場合に停留中の遊技球が大入賞口32Aや第3の始動口33cに向けて排出される構成を採用していたが、[1]で上述したような構成によって、遊技盤30の遊技領域30aのうちの特定の領域を流下する遊技球を概ね全て入球させることが可能な構成を実現しても構わない。この場合、切り換え部が第2状態に切り換えられている間に遊技球が停留され、第1状態に戻された場合に停留中の遊技球が大入賞口32Aや第3の始動口33cに向けて排出されるように構成することが考えられる。本変形例に関する記載は、例えば上記(A6)または(A7)の構成についても適用可能である。
[3]実施例1の大入賞口32Aと実施例2から実施例5までの第3の始動口33cとは、第1入球領域412aと第2入球領域412bの2つの入球領域に区画されていたが、1つの入球領域であっても構わない。この1つの入球領域に入球した遊技球は、内部において2つの方向に分かれて案内され、検出される。本変形例に関する記載は、例えば上記(1)の構成についても適用可能である。
[4]実施例1から実施例5までの第1入球領域412aと第2入球領域412bとは、左右に並べられて配置されていたが、上下に分かれて配置されていても構わない。この場合、停留部450,452は、上下に分かれて配置される第1入球領域412aと第2入球領域412bとの間に位置する。本変形例に関する記載は、例えば上記(2)及び(3)の構成についても適用可能である。
[5]実施例1から実施例5までの第1入球領域412aは、遊技領域30aの上下方向での高さが第2入球領域412bよりも高くなるように配設されていたが、第2入球領域412bが第1入球領域412aよりも高くなるように配設されていても構わない。また、第1入球領域412aと第2入球領域412bとが同じ高さであっても構わない。本変形例に関する記載は、例えば上記(4)の構成についても適用可能である。
[6]実施例1の第1可変入賞装置32aや実施例2から実施例5までの第3可変入賞装置32cは、通路形成部i1を備えていたが、通路形成部i1を備えずに停留部450で停留されている遊技球の進行方向を変更させながら第1入球領域412aから第2入球領域412bへ向けて遊技球を案内する構成であっても構わない。例えば、後述するように遊技盤30の盤面の手前側に停留部450,452が形成されているような構成である。本変形例に関する記載は、例えば上記(5)の構成についても適用可能である。
[7]停留通路451,453の形状は、実施例1から実施例5までに記載されたものに限定されず、例えば、遊技盤30の盤面の手前側と奥側とを交互に出入りするような形状の他の通路であってもよい。本変形例に関する記載は、例えば上記(6)の構成についても適用可能である。
[8]実施例1の第1可変入賞装置32a及び実施例2から実施例5までの第3可変入賞装置32cは、停留部450,452で停留されている遊技球の進行方向を変更させながら第1入球領域412aから第2入球領域412bへ向けて遊技球を案内していたが、進行方向を変更させずに第1入球領域412aから第2入球領域412bへ向けて遊技球を案内する構成であっても構わない。例えば、遊技盤30の盤面の手前側のみで遊技球を停留される構成である。このような構成の場合、停留部450,452には、第1入球領域412aから第2入球領域412bへ案内される遊技球の速度を落とす減速部を備えることが望ましい。例えば、減速部は、凹凸面や摩擦面が考えられる。本変形例に関する記載は、例えば上記(7)の構成についても適用可能である。
[9]実施例1の第1大入賞口スイッチ223a及び第1大入賞口スイッチ223bや、実施例2から実施例5までの第3始動口スイッチ461a及び第3始動口スイッチ451bは、第1入球領域412a及び第2入球領域412bの真下に設けられていたが、これよりも奥側の例えば第1後案内通路部423aや第2後案内通路部423bに設けられていても構わない。本変形例に関する記載は、例えば上記(8)の構成についても適用可能である。
[10]実施例1の第1可変入賞装置32aは右幅狭領域30a2の下方に配設され、第2可変入賞装置32bは右幅狭領域30a2内に配設されていたが、第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとは遊技領域30aのその他の領域に配設されても構わない。例えば、第1可変入賞装置32aは右幅狭領域30a2内に配設されても構わないし、左幅狭領域30a1内またはその下方に配設されても構わないし、第3図柄表示装置42の下方寄りの位置に配置されても構わない。また、実施例2から実施例5までの第3可変入賞装置32c、第4可変入賞装置32dも同様である。本変形例に関する記載は、例えば上記(9)の構成についても適用可能である。
[11]実施例1及び2の停留部450,452は、その上部が覆い部404で覆われていたが、停留部450の上方が覆い部404で覆われていない構成であっても構わない。本変形例に関する記載は、例えば上記(10)の構成についても適用可能である。
[12]実施例1から実施例5までの開閉扉410の閉時間の経過後、停留部450,452を通過し終えた遊技球が第2入球領域412bに入球するように構成されていたが、開閉扉410の閉状態の時間の経過後、停留部450から強制的に遊技球を排出されることにより第2入球領域412bに入球するように構成されていても構わない。以下、停留部450から強制的に遊技球を排出する構成の停留部450をとくに停留部450Aと呼ぶ。本変形例に関する記載は、例えば上記(11)の構成についても適用可能である。
停留中の遊技球を強制的に排出させる構成の一例について、図42を参照して説明する。図42は、変形例に係る第1可変入賞装置32aの斜視図であり、図42(a)は停留部450Aの停留状態を示し、図42(b)は停留部450Aの停留解除状態を示す。図42(b)では、停留状態の停留部450Aを二点鎖線で示し、停留解除状態の停留部450Aを破線及び実線で示す。
停留部450Aは、遊技球を停留可能な停留状態と、停留状態を解除して停留中の遊技球を第2入球領域412bに向けて排出する停留解除状態とに動作される。停留部450Aは、開閉扉410が閉状態に動作された場合に停留状態に動作され、開閉扉410が開状態に動作された場合に停留解除状態に動作される。したがって、開閉扉410が開状態に動作された場合に停留中の遊技球は強制的に排出される。その結果、停留状態と次の開状態とを迅速に切り換えることができる。
具体的には、停留部450Aは裏面側部材420から分離可能に構成されている。また、停留部450Aは、開閉扉410の開閉動作に合わせて、前後に進退されるように構成されている。停留部450Aの進退動作は、例えば、大入賞口ソレノイド432による開閉扉410の開閉動作に連動させて行う構成によって実現される。具体的には、図22に示した回動本体部444のような部材が、開閉扉410と同時に通路形成部i1を進退動作させることによって実現される。なお、大入賞口ソレノイド432とは別に通路形成部i1を進退動作させるソレノイドを設けても構わない。開閉扉410が閉状態であり且つ停留部450Aに遊技球が停留されている状態から、開閉扉410が開状態となり且つ停留部450Aが停留解除状態となった場合に、停留部450Aに停留している遊技球が枠状部材403の上面403a(枠状部材403の上面のうち、第1入球領域412aと第2入球領域412bとの間に位置する面)に落ちる。このような作用は、裏面側部材420の通路形成部i1の奥壁部i2に停留部450Aを挿通させるための図示されない挿通孔を形成することによって実現される。すなわち、開閉扉410が後退し、停留部450Aが停留解除状態に切り換えられるとき、停留部450Aに停留された遊技球は奥壁部i2に押し出されて、枠状部材403の上面403aに落ちるように構成されている。枠状部材403の上面403aに落下した遊技球は、枠状部材403の上面403aの傾斜を利用して第2入球領域412bへ案内される。これにより、実施例1に係る第1可変入賞装置32aと同様の作用効果を奏する。また、この構成は、実施例2から実施例5までの第3可変入賞装置32cに適用することも可能である。
[13]第1可変入賞装置32aには開閉扉410と停留部450とが別々に設けられていたが、開閉扉410と停留部450とが一の部材として構成しても構わない。以下、停留部450と一体的に形成された開閉扉410をとくに開閉扉411と呼ぶ。また、開閉扉411における停留部450に相当する部位をとくに停留部454と呼ぶ。開閉扉410と停留部450とが一の部材として構成する一例を、図43を参照して説明する。図43は、別の変形例に係る第1可変入賞装置32aの斜視図であり、図43(a)は停留部454の停留状態を示し、図43(b)は停留部454の停留解除状態を示す。図43(b)では、停留状態の停留部454を有する開閉扉411を二点鎖線で示し、停留解除状態の停留部452を有する開閉扉411を破線及び実線で示す。本変形例に関する記載は、例えば上記(12)の構成についても適用可能である。
具体的には、開閉扉411は、第1入球領域412aの上部と第2入球領域412bの上部とを除く部位が停留部454として機能する。開閉扉411が前進され閉状態に動作されると、停留部454は停留状態となる。開閉扉411が後退され開状態に動作されると、停留部454は停留解除状態となる。本変形例においても、裏面側部材420の通路形成部i1の奥壁部i2には、停留部454を挿通させるための図示されない挿通孔が形成されている。開閉扉411が進退されるとき、停留部454は挿通孔を通過して停留状態と停留解除状態とに切り換えられる。停留部454が停留解除状態に切り換えられるとき、停留部454に停留された遊技球は奥壁部i2に押し出されて、枠状部材403の上面403aに落ちて、第2入球領域412bに案内される。これにより、実施例1に係る第1可変入賞装置32aと同様の作用効果を奏する。したがって、開閉扉411を進退動作させるだけで遊技球の停留状態と停留解除状態とに切り換えることができる。しかも、遊技球を停留させるための部材を開閉扉とは別個の部材として設けなくてよい分だけ、遊技球を停留する機能を備える第1可変入賞装置32aの部品点数の削減及び小型化を実現できる。なお、この構成は、実施例2の第3可変入賞装置32cに適用することも可能である。
[14]実施例1から実施例5までの開閉扉410は、前後に進退可能な進退部材であったが、開状態と閉状態とに回動する回動扉であっても構わない。本変形例に関する記載は、例えば上記(13)の構成についても適用可能である。
[15]実施例1の遊技盤30には第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとが2つ設けられていたが、第1可変入賞装置32aのみ設ける構成であっても構わない。この場合、第1可変入賞装置32aにおいて通常大当たり状態や確変大当たり状態や時短大当たり状態などの特別遊技状態における所定ラウンドの遊技が行われる。なお、この時短大当たり状態は、本発明における特定遊技状態に相当する。
[16]実施例2から実施例5まででは、第1図柄及び第3図柄の変動表示の契機となる始動口として第1の始動口33を設けていたが、第1の始動口33を設けないで第3の始動口33cのみを設ける構成であってもよい。この構成は、例えば、通常状態において、第2の始動口34a又は34bの通過検出があると、第2図柄による抽選が行われ、該抽選に当選した場合に、第3の始動口33cが1回(例えば1秒間)開放され、第3の始動口33cの開放中に入球が検出されると、第1図柄及び第3図柄の変動表示中でない場合は第1図柄及び第3図柄の変動表示が開始され、第1図柄及び第3図柄の保留がある場合は第1図柄及び第3図柄の変動表示は開始されずに該入球検出を保留する。時短状態では、第3の始動口33cは、例えば3秒間開放し、1秒間閉鎖する過程を3回繰り返す。第2の始動口33bと第3の始動口33cとの間の距離を実施例2よりも広くすることで、第2の始動口33bの通過検出から第3の始動口33cの開放までのタイミングを適切に合わせてもよい。
[17]実施例1の第1可変入賞装置32aでは、第1大入賞口スイッチ223aと第1大入賞口スイッチ223bとが設けられていたが、共通の大入賞口スイッチを利用する構成であっても構わない。また、実施例2の第3可変入賞装置32cでは、第3始動口スイッチ461aと第3始動口スイッチ461bとが設けられていたが、共通の始動口スイッチを利用する構成であっても構わない。このような構成として、例えば実施例1では、第1前案内通路部422aと第2前案内通路部422bとが、下流側で合流して1つの通路として形成され、その通路の所定箇所に1つの大入賞口スイッチが設けられる構成が考えられる。実施例2から実施例5まででも同様に、下流側で合流された一つの通路の所定箇所に1つの始動口スイッチが設けられる構成が考えられる。
[18]本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球など遊技球を使用する各種遊技機として実施するようにしてもよい。
[19]発明を実施すための形態、各実施例1から実施例5まで、及び、上述の変形実施例に記載された発明は、各々相反するものでない限り、適宜変更や置換や削除や組み合わせなどした構成とすることも可能である。
以上のように、本発明は、パチンコ機等の遊技機に適している。
30 …遊技盤
30a …遊技領域
30al …左幅狭領域
30ar …右幅狭領域
32A …大入賞口
32a …第1可変入賞装置
32b …第2可変入賞装置
32c …第3可変入賞装置(可変入球装置)
32d …第4可変入賞装置
33c …第3の始動口(入球部)
34b …第2の始動口
38 …遊技球発射装置(発射手段)
42 …第3図柄表示装置
223a …第1大入賞口スイッチ
223b …第1大入賞口スイッチ
261 …主制御装置(抽選手段,実行制御手段)
404 …覆い部
410 …開閉扉(開閉動作部材)
412a …第1入球領域
412b …第2入球領域
461a …第3始動口スイッチ(入球検出手段)
461b …第3始動口スイッチ(入球検出手段)
450 …停留部
451 …停留通路(下り案内部)
452 …停留部(停留部)
501 …CPU(抽選手段,実行制御手段)
i1 …通路形成部

Claims (1)

  1. 遊技球を発射する発射手段と、
    前記発射手段によって発射された遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、
    前記遊技領域を流下する遊技球が入球し易い第1状態と、該第1状態よりも遊技球が入球し難い第2状態とに可変する可変入球装置と、
    前記可変入球装置に入球した遊技球を検出する該可変入球装置内に設けられた入球検出手段と、
    前記入球検出手段による入球検出に基づいて遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させる抽選を行う抽選手段と、
    前記抽選手段による抽選の結果に基づいて、前記特定遊技状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる識別情報の変動表示を実行させる実行制御手段と、
    を備え、
    前記可変入球装置は、所定の遊技状態において前記第2状態の時に遊技球を該可変入球装置上に設けられた所定の領域を次に前記第1状態となるまで転動させることにより、前記第1状態の時に前記遊技領域のうち前記所定の領域を含む特定の領域を流下する遊技球を概ね全て入球させることが可能なように構成され、
    前記実行制御手段は、前記可変入球装置に2以上の遊技球が連続して入球する場合に、当該2以上の遊技球が前記特定遊技状態を発生させない抽選の結果となる場合、当該入球検出に基づく変動表示を続けて実行するように制御する
    ことを特徴とする遊技機。
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