JP2004016362A - 遊技機 - Google Patents

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Shohachi Ugawa
鵜川 詔八
Isamu Ishida
石田 勇
Kazuyoshi Seki
關 和敬
Toshiyuki Takeishi
竹石 俊之
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Abstract

【課題】短時間に比較的多くの遊技球を確実に始動領域に進入させること。
【解決手段】遊技機は、遊技球が打込まれる遊技領域に設けられた特別図柄始動口6に遊技球が進入したことを条件として表示状態が変化可能な特別図柄表示装置4の表示結果が導出表示され、該表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であって、遊技領域に設けられ、該遊技領域に打込まれた遊技球を貯留可能な貯留部33を有し、該貯留部33で貯留されている貯留玉を特別図柄始動口6に向けて開放する貯留解除状態と貯留玉を貯留部に保持する貯留保持状態とに変化可能な貯留装置30と、特別図柄表示装置4の表示結果が特定の表示態様とは異なる所定表示態様になったときに貯留装置30を貯留保持状態から貯留解除状態に制御する遊技制御部11とを備えている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、パチンコ遊技機やコイン遊技機等で代表される遊技機に関する。詳しくは、遊技球が打込まれる遊技領域に設けられた始動領域に遊技球が進入したことを条件として表示状態が変化可能な可変表示装置の表示結果が導出表示され、該表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、遊技領域に打込まれた遊技球が始動領域に進入したことを条件として可変表示装置の表示結果が導出表示され、その表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)に制御されるように構成されたものがあった。
【0003】
そして、前述の始動領域をたとえば電動役物等の可変入賞球装置で構成し、所定条件の成立によりその可変入賞球装置を開放する等して比較的短時間に遊技球が多くその始動領域に進入できるように構成されたものがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来の遊技機においては、可変入賞球装置で構成された始動領域が開放して遊技球がその始動領域に進入しやすくなるものの、進入するか否かは、やはり遊技領域に打込まれて流下する遊技球がその開放している始動領域にまで到達するか否かにかかっており、遊技球をその始動領域に積極的に投入するというものではないために、遊技球の自然流下に依存した不安定性が否めなかった。
【0005】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、所定の遊技状態の発生に基づいて遊技球を積極的に始動領域に投入できるようにし、短時間に比較的多くの遊技球が確実に始動領域に進入する遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 遊技球が打込まれる遊技領域に設けられた始動領域(特別図柄始動口6)に遊技球が進入したことを条件として表示状態が変化可能な可変表示装置(特別図柄表示装置4)の表示結果が導出表示され、該表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当たり状態)に制御可能となる遊技機(パチンコ遊技機1,1A)であって、
前記遊技領域に設けられ、該遊技領域に打込まれた遊技球を貯留可能な貯留部(貯留部33、貯留皿40)を有し、該貯留部で貯留されている貯留玉を前記始動領域に向けて開放する貯留解除状態と貯留玉を前記貯留部に保持する貯留保持状態とに変化可能な貯留手段(貯留装置30、貯留皿40、貯留皿支持部材41、固定部材43、貯留皿ソレノイド13d)と、
前記可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様とは異なる所定表示態様(たとえば、2つの図柄が同じ図柄となった場合、少なくとも1つの図柄が特定の図柄であった場合、3つの図柄が連続する図柄)になったときに前記貯留手段を貯留保持状態から貯留解除状態に制御する貯留解除制御手段(遊技制御部11、SD04)とを備えていることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、貯留手段に貯留されている貯留玉が貯留解除状態になることにより始動領域に向けて開放されて比較的多くの貯留玉がその始動領域に進入することとなり、遊技球を始動領域に向けて積極的に投入することによりより確実に多くの遊技球を始動領域に進入させることができ、メリハリの利いた遊技により興趣を向上させることができる。
【0008】
しかも、貯留している貯留玉を開放する貯留解除状態が、可変表示装置の表示結果が特定の表示態様とは異なる所定表示態様になったときに行なわれるために、可変表示装置の表示結果に対し遊技者が特定遊技状態の発生ばかりでなく貯留解除状態の発生の期待も持つことができ、表示結果に対する面白味を向上させることができる。
【0009】
(2) 前記始動領域に進入した遊技球を上限記憶個数(たとえば4または10)の範囲内で記憶する始動記憶手段(遊技制御部11)と、
該始動記憶手段に記憶されている始動記憶数を用いて前記可変表示装置の表示結果を導出表示させるための可変表示制御を行なう可変表示制御手段(表示制御部14a)と、
前記始動記憶手段の前記上限記憶個数を、前記貯留解除制御手段により貯留解除状態に制御されたときには貯留保持状態時に比べて増加した状態に制御する上限記憶数制御手段(遊技制御部11、SB01およびSB02)とをさらに備えていることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、貯留解除状態となって比較的多くの遊技球が始動領域に進入したにも拘らず始動記憶手段に上限記憶数を越えて進入してきた遊技球が無視されることによる遊技者の不満を極力解消することができる。
【0011】
(3) 前記始動領域に進入した遊技球を上限記憶個数の範囲内で記憶する始動記憶手段(遊技制御部11)と、
該始動記憶手段の前記上限記憶数は前記貯留手段の貯留保持状態時と貯留解除状態時とで一定であり、かつ、前記貯留解除状態時に前記貯留手段から開放されて前記始動領域に進入し得る貯留玉の最大個数(たとえば9)と前記上限記憶数との大小関係が、前記上限記憶数の方が大きな値(たとえば10)となるように設定されていることを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、貯留解除状態となって比較的多くの遊技球が始動領域に進入したにも拘らず始動記憶手段に上限記憶数を越えて進入してきた遊技球が無視されることによる遊技者の不満を極力解消することができる。
【0013】
(4) 前記貯留手段は、遊技球が前記貯留部に進入可能な進入可能状態(電動チューリップ型役物41a,41bの開放状態)と遊技球が前記貯留部に進入できない進入不可能状態(電動チューリップ型役物41a,41bの閉じた状態)とに変化可能であり、
前記貯留手段を所定期間前記進入不可能状態から前記進入可能状態に制御する貯留制御手段(遊技制御部11、SD01およびSD02)をさらに備えていることを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、貯留手段が、遊技球が前記貯勇武に進入可能な進入可能状態と遊技球が前記貯留部に進入できない進入不可能状態とに変化可能であり、所定期間進入可能状態に制御されて遊技球が貯留される状態となるために、貯留手段自体の進入可能状態を進入不可能状態との変化による遊技の変化性を向上させることができ、興趣を向上させることができる。
【0015】
(5) 遊技球が打込まれる遊技領域に設けられた第1の始動領域(特別図柄始動口6)と、表示状態が変化可能な可変表示装置(特別図柄表示装置4)とを備え、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能(SC01、S310)になる遊技機(パチンコ遊技機1A)であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入したことを条件として前記可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示が行なわれるように定められた第2の始動領域(特別図柄始動口6A)と、
前記第1の始動領域の下部位置に設けられ、該遊技領域に打込まれた遊技球を貯留可能な貯留部(貯留皿40)を有し、該貯留部で貯留されている貯留玉を前記第2の始動領域に向けて開放する貯留解除状態(貯留皿40が傾いた状態)と貯留玉を前記貯留部に保持する貯留保持状態(貯留皿40が傾かない状態)とに変化可能な貯留手段(貯留皿40、貯留皿支持部材41、固定部材43、貯留皿ソレノイド13d)とを備えていることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、貯留手段に貯留されている貯留玉が貯留解除状態になることにより始動領域に向けて開放されて比較的多くの貯留玉がその始動領域に進入することとなり、遊技球を始動領域に向けて積極的に投入することによりより確実に多くの遊技球を始動領域に進入させることができ、メリハリの利いた遊技により興趣を向上させることができる。
【0017】
しかも、第1の始動領域に向けて発射した遊技球がその第1の始動領域に進入しなかったとしてもその下部に位置する貯留手段にその遊技球が貯留される状態となり、その貯留された貯留玉が貯留解除状態となることにより第2の始動領域に向けて開放されてその第2の始動領域に進入可能となるために、たとえ第1の始動領域に進入しなかった遊技球であっても貯留されることにより無駄玉とはならず、遊技者に満足感を与えて興趣を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。本実施形態における遊技機としては、LCD等からなる画像表示装置(可変表示装置)により特図ゲームを行なう遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行なうカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機を例に採って説明する。しかし、適用対象となる遊技機としては、画像表示装置を有するものであれば、たとえば、第2種あるいは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカード(将来的にはICコイン等も含む価値媒体)によって球貸しを行なうCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行なうパチンコ遊技機にも適用可能である。
【0019】
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の概略構成を示すブロック図である。図1を参照して、パチンコ遊技機(遊技機)1は、特別図柄表示装置4と、普通図柄表示装置(左右一対のLED)18と、それらの表示を制御するための可変表示制御部14aと、特別図柄始動口(スタートチャッカ)6と、パチンコ遊技機の遊技状態を制御するための遊技制御部11と、貯留装置30とを含む。
【0020】
貯留装置30は、特別図柄始動口の右上方に設けられる。貯留装置30は、貯留嘴状部ソレノイド13a(図3参照)により開閉駆動される貯留嘴状部31a,31bと、貯留嘴状部31a,31bが開放状態にあるときに貯留装置30に進入した遊技球を貯留する貯留部33と、貯留開放扉ソレノイド13b(図3参照)により開閉駆動され、開放状態にあるときに貯留部33に貯留された遊技球を特別図柄始動口6に向けて開放する貯留開放扉32とを含む。
【0021】
従って、貯留装置30は、貯留嘴状部ソレノイド13aにより開成駆動された貯留嘴状部31a,31bが開成状態にあるときに、遊技領域に打込まれた遊技球が貯留部33に進入可能な進入可能状態となり、貯留嘴状部ソレノイド13aにより閉成駆動された貯留嘴状部31a,31bが閉成状態にあるときに、遊技領域に打込まれた遊技球が貯留部33に進入できない進入不可能状態となる。
【0022】
また、貯留装置30は、貯留開放扉ソレノイド13bにより開放駆動された貯留開放扉32が閉じた状態にあるときに貯留装置30に進入した遊技球を貯留部33に保持する貯留保持状態となり、貯留開放扉ソレノイド13bにより開放駆動された貯留開放扉32が開放状態にあるときに貯留部33に貯留された遊技球を特別図柄始動口6に向けて開放する貯留解除状態となる。
【0023】
貯留部33に貯留された遊技球は、貯留装置30が開放状態にあるとき、特別図柄始動口6に向けて開放される。貯留部33から開放された遊技球は、貯留開放扉32と特別図柄始動口6との間に設けられた釘により特別図柄始動口6に誘導される。このため、貯留部33から開放された遊技球のほとんどが特別図柄始動口6に入賞する。
【0024】
遊技制御部11は、表示制御部14aに対して、特別図柄表示装置4の表示結果および普通図柄表示装置18の表示結果を送信する。表示制御部14aは、遊技制御部11から受信した表示結果に基づき、特別図柄表示装置4および普通図柄表示装置18の表示結果を導出表示する。
【0025】
普通図柄表示装置18は、表示結果が当りの場合には「○」を表示し、表示結果が当りでない場合には「×」を表示する。
【0026】
また、遊技制御部11は、普通図柄表示装置18の表示結果が所定の表示態様、たとえば「○」となった場合に、貯留嘴状部ソレノイド13aを励磁して、貯留装置30の貯留嘴状部31a,31bを所定時間開放状態にする。貯留嘴状部31a,31bは、通常は閉じた状態となっており、この状態では、遊技領域に打ち込まれた遊技球は、貯留装置30に進入することはない。貯留嘴状部ソレノイド13aが励磁されて、貯留嘴状部31a,31bが所定時間開放状態にあるとき、遊技領域に打ち込まれた遊技球が、貯留装置30に進入可能となる。貯留開放扉32は、通常は閉じた状態となっており、この状態では、貯留装置30に進入した遊技球は、貯留部33に貯留される。
【0027】
さらに、遊技制御部11は、特別図柄表示装置4で導出表示された際の導出表示態様が大当たりとなる特定表示態様とは異なる所定の表示態様となっている場合に、貯留開放扉ソレノイド13bを励磁して、貯留開放扉32を開放状態とする。貯留開放扉32が開放状態では、貯留部33に貯留している遊技球(貯留玉)が特別図柄始動口6に向けて開放される。
【0028】
特別図柄表示装置4で導出表示された際の導出表示態様が大当たりとなる特定表示態様とは異なる所定の表示態様とは、たとえば、2つの図柄が同じ図柄となった場合、少なくとも1つの図柄が特定の図柄であった場合、3つの図柄が連続する図柄の場合等である。
【0029】
図2は、本実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2を含む。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されており、遊技領域のほぼ中央位置には、特別図柄表示装置(可変表示装置)4が設けられている。特別図柄表示装置4の上部には、普通図柄を表示するための普通図柄表示装置18(左右一対のLED)が設けられている。なお、特別図柄表示装置4は、複数の可変表示部で特別図柄(識別情報)を個々に可変表示し、複数の可変表示部に設定される有効ライン上に特別図柄が同一図柄で揃った場合を大当りとする。
【0030】
特別図柄表示装置4の下方位置には、特別図柄始動口(スタートチャッカ)6と、大当り発生(特定遊技状態の発生)時にソレノイド等を駆動することで開放動作を行なう大入賞口(第1種特別電動役物)7とが上下に並んで配設されており、特別図柄始動口6の左の側方位置には、通過ゲート19が配設されている。大入賞口7は、特別図柄始動口6への入賞タイミングに基づいて特図ゲームが行われた結果、大当りとなった場合に前面に設けられた大入賞口扉7aの開放動作を行なう。通過ゲート19は、打球の通過に伴って普通図柄表示装置18(普通図柄)の変動開始(普図ゲーム)を許可する。
【0031】
特別図柄表示装置4の下方やや右側で、特別図柄始動口の右上方に貯留装置30が設けられている。
【0032】
また、図示しないが遊技盤を周辺で支持する遊技機用枠の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカが設けられている。さらには、遊技領域内及び遊技領域周辺部には、光装飾用のランプ・LED9が設けられている。
【0033】
図3は、遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、主として、電源部(電源基板)10と、遊技制御部(主基板)11と、入力部12と、出力部13と、演出制御部(演出制御基板)14と、払出制御部(払出制御基板)15と、盤用外部端子板16と、枠用外部端子板17とを備えている。
【0034】
電源部10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。遊技制御部11は、遊技制御基板内に設けられた各種回路から構成されており、特図ゲームにおいて用いる乱数の生成機能、入力部12を介して信号の入力を行なう機能、出力部13を介して信号の出力を行なう機能、演出制御部14及び払出制御部15に対し、それぞれ制御コマンド信号を出力する機能、ホールの管理コンピュータに対し、各種情報を出力する機能を備えている。
【0035】
入力部12は、始動口スイッチ12a、ゲートスイッチ12b、特定領域スイッチ12c、カウントスイッチ12d等から構成され、遊技球の検出を行なうようになっている。出力部13は、貯留嘴状部ソレノイド13a、貯留開放扉ソレノイド13b、大入賞口扉ソレノイド13c等から構成され、役物の開閉動作を行なうようになっている。
【0036】
演出制御部14は、遊技制御部11から送信される制御コマンド信号に基づいて、特図ゲームにおける特図表示制御、普図ゲームにおける普図表示制御、音声出力制御、ランプ表示制御を、それぞれ遊技制御部11とは独立して実行するものである。払出制御部15は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を行なうものである。盤用外部端子板16及び枠用外部端子板17は、各種遊技関連情報を外部に出力するためのものである。
【0037】
ここで、特別図柄表示装置4上に表示される特別図柄の仮停止タイミングや変動時間等は、後述する変動パターン指定コマンドに従って一意に定まっている。すなわち、演出制御部14、変動パターン指定コマンドを受け取ったタイミングから、特別図柄表示装置4上における特別図柄の変動、スピーカからの音声出力及びランプ・LED9の明滅表示が連動して行なわれるように制御を行っている。
【0038】
演出制御部14は、遊技制御部11とは独立して特図及び普図の各ゲームにおける表示制御を行なう表示制御部14a、スピーカ8L,8Rからの音の発生制御を行なう音声制御部14b、ランプ・LED9の発光制御を行なうランプ制御部14c、プログラムに従って各制御部14a〜14cの制御動作を行なうCPU(Central Processing Unit)、遊技制御部11からの信号に従って所定の構成部材を制御するプログラムや発光,発音のパターン等を記憶するROM(ReadOnly Memory)、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM(Random Access Memory)から構成されている。
【0039】
表示制御部14aは、遊技制御部11から出力される表示制御コマンドデータ(変動パターン指定コマンド)に基づいて特図ゲームに用いられる画像を特別図柄表示装置4上に表示する。このため、表示制御部14aは、画像処理プロセッサとしてのGCL(Graphics Controller LSI)と、動画圧縮・伸張部と、キャラクタのデータを格納するCGROMと、フレームバッファ、キャラクタのソースデータ、パレットデータを格納するSDRAM(VRAM:Video  RAM)と、特別図柄表示装置4に信号を出力するための表示制御部及びDACと、普通図柄表示装置18に信号を出力するための普通図柄駆動回路とを備えている。なお、GCLは、描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標等を指定するためのパラメータとなるアトリビュートを解析するためのアトリビュート解析部、SDRAMにおけるアドレス情報を生成するためのVRAMアドレス生成部、クリッピング部、半透明輝度変調部、パレットバッファ、CGデータバッファから構成されている。
【0040】
音声制御部14bは、遊技制御部11からの信号に従って音声や効果音を発生する音声ICと、音声データ等を記憶する音声ROMと、音声信号を増幅してスピーカ8L,8Rに出力するための低周波増幅回路と、低周波増幅回路から出力される音声信号の出力レベルを設定されている音量に応じたレベルにするデジタルボリュームとを備えている。
【0041】
ランプ制御部14cは、ランプ・LED9を構成する遊技状態飾りランプに信号を出力するためのランプ駆動回路と、ランプ・LED9を構成する遊技状態飾りLEDに信号を出力するためのLED駆動回路とを備えている。
【0042】
次に、本実施形態の動作(作用)を説明する。
まず、本実施形態のパチンコ遊技機における遊技の流れの概略について説明する。パチンコ遊技機1の右下位置に設けられたハンドルを操作することにより、遊技領域中に遊技球が発射される。遊技制御部11では、入力部12を構成する始動口スイッチ12a等の入力の有無を監視しており、遊技球が特別図柄始動口6に入賞した場合、始動口スイッチ12aにおいて遊技球の入賞が検出される。また、特別図柄始動口6において、遊技球の入賞が検出された場合、入賞した遊技球の数、入賞時の乱数の抽選値が特別図柄判定用バンクに保管される。そして、保管されたデータに基づいて特別図柄表示装置4において特図ゲームを開始する。
【0043】
図4は、遊技制御部11におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電源が投入されると、メイン処理おいて、CPUは、必要な初期設定処理を行なう。
【0044】
初期設定処理において、CPUは、まず、割り込み禁止に設定する(ステップS101:以下、単にS101と記す)。次に、割り込みモードを割り込みモード2に設定し(S102)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S103)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行なう(S104)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化を行った後(S105)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S106)。
【0045】
この実施形態で用いられているCPUには、マスク可能な割り込み(INT)のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割り込みが発生すると、CPUは、自動的に割り込み禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0046】
割り込みモード0:割り込み要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPUは、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPUは自動的に割り込みモード0になる。よって、割り込みモード1または割り込みモード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割り込みモード1または割り込みモード2に設定するための処理を行なう必要がある。
【0047】
割り込みモード1:割り込みが受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0048】
割り込みモード2:CPUの特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割り込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割り込み番地を示すモードである。すなわち、割り込み番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ、下位アドレスが割り込みベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、飛び飛びではあるが任意の偶数番地に割り込み処理を設けることができる。各内蔵デバイスは割り込み要求を行なうときに割り込みベクタを送出する機能を有している。
【0049】
よって、割り込みモード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割り込み要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割り込み処理を設けることが可能になる。さらに、割り込みモード1とは異なり、割り込み発生要因毎のそれぞれの割り込み処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施形態では、初期設定処理のS102において、CPUは割り込みモード2に設定される。
【0050】
次に、遊技機に設けられているクリアスイッチがオン状態であるか否かを判別する(S107)。クリアスイッチがオン状態である場合(S107;Yes)、後述するS110に移行する一方、クリアスイッチがオン状態でない場合(S107;No)、電源断時にバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえば、パリティデータの付加等)が行なわれたか否かを確認する(S108)。この実施形態では、不測の電源断が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような保護処理が行なわれていた場合をバックアップありとする。すなわち、バックアップなしを確認したら、CPUはS110以降の初期化処理を実行する。
【0051】
バックアップありを確認したら、CPUは、遊技制御部11の内部状態と演出制御部14等の電気部品制御手段の制御状態とを電源断の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう(S109)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに再設定され、そのアドレスに復帰する。
【0052】
初期化処理では、CPUは、まず、RAMクリア処理を行なう(S110)。また、所定の作業領域(たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、払出コマンド格納ポインタ等)に初期値を設定する初期値設定処理も行なわれる。さらに、サブ基板(図柄制御基板、音声制御基板、ランプ制御基板、払出制御基板等)を初期化するための処理を実行する(S111)。サブ基板を初期化する処理としては、たとえば、初期設定コマンドを送出する処理を行ない、初期設定コマンドとして、払出可能状態の場合に払出制御部15に出力される払出可能状態指定コマンドまたは払出不能状態の場合に払出停止状態指定コマンド等を送出する。払出不能状態として、たとえば、球切れスイッチまたは満タンスイッチ(共に図示せず)がオンしていた状態がある。すなわち、CPUは、球切れスイッチまたは満タンスイッチをオンしていたら払出制御部15に払出停止状態指定コマンドを送出し、そうでなければ、払出可能状態指定コマンドを送出する。なお、払出可能状態指定コマンドまたは払出停止状態指定コマンドは、S109の遊技状態復旧処理においても実行されるように構成してもよい。
【0053】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割り込みがかかるように、CPUに設けられているCTCのレジスタの設定が行なわれる(S112)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0054】
その後、割り込み禁止状態に設定(S113)した後に、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する表示図柄乱数更新処理(S114)及び初期値決定用乱数更新処理(S115)を実行し、その後、割り込み許可状態に設定する処理(S116)が繰り返し実行される。
【0055】
なお、割り込み禁止は、割り込み禁止命令を発行したり、割り込み禁止用のレジスタを禁止に設定したり、マスクレジスタをセットすることによって実現され、割り込み許可は、割り込み許可命令を発行したり、割り込み禁止用のレジスタを許可に設定したり、マスクレジスタをリセットすることによって実現される。また、初期値決定用乱数とは、大当り判定用乱数の初期値を決定するための乱数である。
【0056】
表示図柄乱数更新処理(S114)及び初期値決定用乱数更新処理(S115)におけるカウンタのカウンタ更新処理(数値更新処理)は、割り込み禁止状態で実行される。従って、数値更新処理が実行されているときに、タイマ割り込み等のマスク可能割り込みがかかることはない。すなわち、数値更新処理は、割り込み処理によって中断されることなく実行される。
【0057】
この実施形態では、CPUの内蔵CTCが繰り返しタイマ割り込みを発生するように設定される。この実施形態では、繰り返し周期は2msに設定される。そして、タイマ割り込みが発生すると、図4に例示するようなタイマ割り込み処理が実行される。
【0058】
図5は、タイマ割り込み処理を示すフローチャートである。タイマ割り込み処理では、CPUは、レジスタの退避処理を実行した後、S202〜S215の各遊技制御処理を実行する。遊技制御処理が完了したら、レジスタの復帰処理を行ない(S216)、割り込み許可状態にする(S217)。
【0059】
遊技制御処理において、CPUは、まず、スイッチ回路(図示せず)を介して、ゲートスイッチ、始動口スイッチ、カウントスイッチ、及び入賞口スイッチ(共に図示せず)等のスイッチの状態を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S202)。
【0060】
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行なわれ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:S203)。
【0061】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する乱数更新処理を行なう(S204)。なお、この乱数更新処理では、大当り時に特別図柄表示装置4へ導出表示する図柄を決定するための大当り図柄用乱数の更新処理も行なう。CPUは、さらに、初期値決定用乱数更新処理(S205)と表示図柄乱数更新処理(S206)とを行なう。なお、S205及びS206の処理の内容は、S115及びS114の処理と同じである。
【0062】
さらに、CPUは、詳細を後述する特別図柄プロセス処理を行なう(S207)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、CPUは、詳細を後述する普通図柄プロセス処理を行なう(S208)。普通図柄プロセス処理では、左右一対のLEDによる普通図柄表示装置18の点灯を所定態様で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0063】
次いで、CPUは、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAMの所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行なう(特別図柄コマンド制御処理:S209)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAMの所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行なう(普通図柄コマンド制御処理:S210)。
【0064】
CPUは、貯留装置30の貯留嘴状部31a,31bの開閉制御、および、貯留開放扉32の開閉制御を行なう貯留装置制御処理を行なう(S211)。
【0065】
さらに、CPUは、たとえば、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S212)。
【0066】
また、CPUは、所定の条件が成立したときにソレノイド回路(図示せず)に駆動指令を行なう(S213)。ソレノイド回路は、駆動指令に応じて貯留嘴状部ソレノイド13a、貯留開放扉ソレノイド13bおよび大入賞口扉ソレノイド13cを駆動し、貯留嘴状部31a,31b、貯留開放扉32および大入賞口7それぞれを開状態または閉状態とする。
【0067】
そして、CPUは、各入賞口への入賞を検出するためのスイッチの検出出力に基づいて賞球数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S214)。具体的には、入賞検出に応じて払出制御部15に払出制御コマンドを出力する。払出制御部15に搭載されている払出制御用CPU(図示せず)は、払出制御コマンドに応じて球払出装置(図示せず)を駆動する。
【0068】
以上の制御によって、この実施形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。また、遊技制御処理の全てが実行されるまでは、割り込み許可状態とはされないので、他の割り込みまたは次回のタイマ割り込みが発生することはなく、遊技制御処理中の全ての各処理が確実に実行完了する。
【0069】
図6は、CPUが実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図6に示す特別図柄プロセス処理は、図5のフローチャートにおけるS207の具体的な処理である。CPUは、特別図柄プロセス処理を行なう際に、変動短縮タイマ減算処理を行ない(S301)、次に、特別図柄始動口6の始動口スイッチ(第一種始動口スイッチ)12aがオン状態であるか否かを判別する(S302)。第一種始動口スイッチ12aがオン状態である場合(S302;Yes)、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を+1するとともに大当り判定用乱数等を抽出する第一種始動口スイッチ通過処理(S303)を行なう。一方、第一種始動口スイッチがオン状態でない場合(S302;No)、S303の処理を行なわずにそのまま、内部状態(特図フラグ情報)に応じて、S304〜S312のうちいずれかの処理を行なう。なお、始動入賞時に記憶された記憶情報が所定時間経過した後に特図ゲームに使用された場合、当該特図ゲームにおいて変動時間を短縮するか否かを決定するが、その所定時間を計測するためのタイマが変動短縮タイマである。また、特図フラグ情報の値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0070】
特図フラグ情報の値が“00H”のとき、特図ゲームにおいて抽選した乱数値が大当り値と一致するか否かを判定したり、それを外部に報知する処理等の通常の遊技状態における「特別図柄通常処理」を実行する(S304)。
【0071】
特図フラグ情報の値が“01H”のとき、特別図柄表示装置4上で行なわれる特図ゲームにおける停止図柄を設定する「特別図柄停止図柄設定処理」を実行する(S305)。なお、この特別図柄停止図柄設定処理では、前記特別図柄通常処理で判定された大当りに関する情報に基づいて停止図柄を決定する。具体的には、ハズレが決定された場合は表示図柄用乱数からの所得値に基づいて停止図柄を決定し、大当りが決定された場合は大当り図柄用乱数からの所得値に基づいて停止図柄を決定する。
【0072】
特図フラグ情報の値が“02H”のとき、特別図柄表示装置4上で行なわれる特図ゲームの図柄の可変表示態様を設定する「変動パターン設定処理」を実行する(S306)。なお、この変動パターン設定処理では、前記特別図柄停止図柄設定処理で決定された停止図柄に基づいて可変表示態様を決定する。
【0073】
特図フラグ情報の値が“03H”のとき、特別図柄表示装置4において特図ゲームにおける変動処理を行なう「特別図柄変動処理」を実行する(S307)。なお、この特別図柄変動処理では、前記変動パターン設定処理で決定された可変表示態様毎に設定された演出時間の期間中、特図ゲームにおける変動処理を行なう。
【0074】
特図フラグ情報の値が“04H”のとき、特別図柄の停止表示後の処理を行なう「特別図柄停止処理」を実行する(S308)。なお、この特別図柄停止処理では、図柄停止表示後のパチンコ遊技機1の動作を設定する。具体的には、大当りであれば、大当り演出を行なう設定を行った後に以下に示す特図フラグ“05H”へ移行する処理を行なう。一方、ハズレであれば、次回の図柄の可変表示を行なうため、前記特図フラグ“00H”へ移行する処理を行なう。
【0075】
特図フラグ情報の値が“05H”のとき、大当り動作のための初期化処理を行なう「大入賞口開放前処理」を実行する(S309)。なお、この大入賞口開放前処理では、大当り前の動作に関する処理を行なう。具体的には、大入賞口7を開放させるために大入賞口扉ソレノイド13cを駆動する処理を行ない、表示制御部14a、音声制御部14b、及びランプ制御部14cへ大当りを演出するためのコマンドデータを送信する処理を行なう。
【0076】
特図フラグ情報の値が“06H”のとき、大当り動作に関する様々な処理、及び1回当たりの大入賞口7の開放時間をチェックする「大入賞口開放中処理」を実行する(S310)。なお、この大入賞口開放中処理では、大当り中の動作に関する処理を行なう。具体的には、大入賞口7への遊技球の入賞球数や特定領域の通過を監視すると共に、大入賞口7の開放時間を監視する。
【0077】
特図フラグ情報の値が“07H”のとき、特定領域スイッチへの遊技球の通過を監視し、特別図柄プロセスが終了したかどうかを判定する「特定領域有効時間処理」を実行する(S311)。なお、この特定領域有効時間処理では、大入賞口7の閉成後、所定時間内における特定領域の遊技球の通過を監視する。具体的には、大入賞口7の閉成直前に入賞した遊技球が特定領域を通過することによる処理を担保するための処理を行なう。
【0078】
特図フラグ情報の値が“08H”のとき、特別図柄プロセスの終了かどうか判定し、終了ならば、デモ表示(大当り中の画面)フラグのクリア、大当り時特別図柄のクリア、大当り終了表示のクリア、及び大当り中情報のクリアを行なう「大当り終了処理」を実行する(S312)。なお、この大当り終了処理は、大当り終了か否かを判定する処理を行なう。具体的には、最終ラウンドであるか否かを判定し、最終ラウンドでなければ次のラウンドへの継続条件を満たしているか否かを判定する。以上の結果、大当りが終了すると判定されると、デモ表示フラグ等のデータをクリアすると共に、確率変動条件を満たすものである場合(たとえば、確変図柄で大当りした場合等)には、高確率状態へ移行するために確変フラグをセットし、特図フラグ“00H”をセットする。また、次のラウンドへの継続条件を満たしている場合には、次のラウンドにおける大入賞口7を開放するための処理を行なうために特図フラグ“05H”をセットする処理を行なう。
【0079】
なお、特別図柄プロセス処理において実行される各処理としては、前述した処理だけに限るものではなく、他の処理に置換したり、さらに他の処理を追加しても構わない。また、特図フラグ情報の値によって分岐される各処理の処理内容が複雑化して、タイマ割り込み時間内で処理を完了させることができない場合には、同一処理を複数追加するようにしてもよい。
【0080】
特図ゲームでは、遊技球が特別図柄始動口6を通過したとき、判定用乱数の値によって特別図柄の大当り、ハズレを判定する。判定の結果、大当りとなった場合には、大当り図柄用乱数の値に対応する特別図柄の組み合わせを特別図柄表示装置4に表示する。一方、ハズレとなった場合には、表示図柄用乱数の値に対応する特別図柄を表示する。
【0081】
次に、図6のステップS303で実行される第1種始動口スイッチ通過処理について説明する。図7は、図6のステップS303で実行される第1種始動口スイッチ通過処理の流れを示すフローチャートである。この第1種始動口通過処理は、遊技球が特別図柄始動口6に入賞し、第1種始動口スイッチ(始動口スイッチ)12aにおいて遊技球の入賞が検出されて(オンである)ことを条件に実行される処理である。
【0082】
まず、SB01では、後述する始動記憶増大フラグがONか否かが判断される。始動記憶増大フラグがONの場合にはステップSB02に進みそうでない場合にはステップSB03に進む。ステップSB02では、始動記憶数が「10」であるか否かの判別がなされる。始動入賞記憶数が「10」であった場合は第1種始動口通過処理を終了し、始動入賞記憶数が「10」でなかった場合にはSB03に移行する。ステップSB03では、始動記憶数が「4」以上であるか否かの判別がなされる。始動入賞記憶数が「4」以上であった場合は第1種始動口通過処理を終了し、始動入賞記憶数が「4」以上でなかった場合にはSB04に移行する。ステップSB04では、始動記憶数に「1」加算する処理が行なわれる。これにより、始動記憶増大フラグがONの場合には、始動記憶数が10になるまで、遊技球が特別図柄始動口6への入賞に応じて加算され、始動記憶増大フラグがONでない場合には、始動記憶数が4になるまで、遊技球が特別図柄始動口6への入賞に応じて加算されることになる。
【0083】
次に、SB05では、ランダム1カウンタのカウンタ値を抽出する処理が行なわれる。SB06では、SB05で抽出したランダウ1カウンタのカウンタ値を大当たり判定用の乱数記憶領域に記憶する処理が行なわれる。
【0084】
ここで、各種ランダムカウンタについて説明する。ランダム1カウンタは、始動記憶がある場合にその始動記憶にもとづく特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否かを始動入賞時に決定するために用いられる大当り決定用ランダムカウンタである。このランダム1カウンタは、タイマ割込毎(具体的には2msec)に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である300まで加算更新された後再度0から加算更新される。
【0085】
ランダム2カウンタは、ランダム1カウンタで大当りと決定された場合の停止図柄(左,中,右が同一の停止図柄)を始動入賞時に決定するために用いられるランダムカウンタである。また、ランダム2カウンタでの抽出値が奇数であるか偶数であるかにより、確率変動状態へ移行されるか否かが決定される。
【0086】
ランダム3カウンタは、(3−1,3−2,3−3)は、ランダム1カウンタの抽出値にもとづいて特別図柄の可変表示の結果をはずれとすることが決定された場合に、はずれ図柄の種類を決定するために用いられる停止図柄決定用ランダムカウンタである。
【0087】
ランダム3−1は左図柄決定用であり、0から加算されてその上限である11まで加算されると再度0から加算される。ランダム3−2は、中図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である11まで加算されると再度0から加算される。ランダム3−2は、ランダム3−1の桁上げ毎に1ずつ加算される。ランダム3−3は、右図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である11まで加算された後再度0から加算される。ランダム3−3は、ランダム3−2の桁上げ毎に1ずつ加算される。
【0088】
ランダム4カウンタは、普通図柄の表示結果が当りか否かを決定するためのランダムカウンタである。ランダム4カウンタのカウンタ値は、遊技球が通過ゲート19を通過した場合、ゲートスイッチ12bにおいて遊技球の通過が検出されたことを条件に抽出され、普通図柄用の乱数記憶領域に抽出されたカウンタ値が記憶される。普通図柄用の乱数記憶領域には、抽出された順に最大で4つのカウンタ値を記憶することが可能である。記憶されたカウンタ値は、普通図柄の表示結果を判断する際に、記憶された順に読出される。
【0089】
次に、特別図柄停止図柄設定処理について説明する。図8は、図6のステップS305で実行される特別図柄停止図柄設定処理の流れを示すフローチャートである。図8を参照して、特別図柄停止図柄設定処理では、まず、遊技球が特別図柄始動口6に入賞し、第1種始動口スイッチ(始動口スイッチ)12aにおいて遊技球の入賞が検出されたことを条件に実行される第1種始動口通過処理において、抽出されたランダム1カウンタのカウンタ値が大当たり判定用の乱数記憶領域から読出される(SC01)。大当たり判定用の乱数記憶領域には、後述するように上限値の数まで複数のカウンタ値を記憶することが可能であるため、SC01では、大当たり判定用の乱数記憶領域に記憶された複数のカウンタ値を記憶された順に読出す。大当たり判定用の乱数記憶領域からカウンタ値が読出されると、大当たり判定用の乱数記憶領域から読出されタカウンタ値が削除される。これにより、次のランダム1カウンタの値を記憶することが可能となる。
【0090】
そして、読出されたランダム1が大当たりの判定値か否かが判定される(SC02)。読出されたランダム1が大当たりの判定値の場合にはSC03に進み、そうでない場合にはSC08に進む。大当たりの判定値は、予め定められており、たとえば「7」である。
【0091】
SC03では、ランダム2カウンタのカウンタ値が抽出される。そして、抽出されたランダム2カウンタのカウンタ地に基づき、左図柄が決定される(SC04)。次のSC05では、中図柄と右図柄とが左図柄に合わされる。これにより、左図柄、中図柄および右図柄がすべて同じ図柄に決定される。
【0092】
次に、決定された左図柄、中図柄および右図柄の組合せが、貯留解除用の図柄の組合せか否かが判断される(SC06)。貯留解除用の図柄の組合せは、予め定められており、たとえば、奇数の図柄の組合せ、偶数の図柄の組合せ、数字以外の図柄の組合せ等である。貯留解除用の図柄の組合せと判断された場合は、SC07に進み、そうでない場合はSC09に進む。
【0093】
SC07では、始動記憶増大フラグがONに設定される。始動記憶増大フラグとは、第1種始動口通過処理は、遊技球が特別図柄始動口6に入賞し、第1種始動口スイッチ(始動口スイッチ)12aにおいて遊技球の入賞が検出されたことを条件に実行される第1種始動口通過処理において、抽出されたランダム1カウンタのカウンタ値を大当たり判定用の乱数記憶領域に記憶することのできる数の上限値を変更するためのフラグである。本実施の形態においては、始動記憶増大フラグがONに設定されていない場合には、大当たり判定用の乱数記憶領域に記憶することのできるカウンタ値の数の上限値を「4」とし、始動記憶増大フラグがONに設定されている場合には、大当たり判定用の乱数記憶領域に記憶することのできるカウンタ値の数の上限値を「10」としている。なお、上限値は、これに限定されることなく、始動記憶増大フラグがONに設定されている場合の上限値が、始動記憶増大フラグがONに設定されいない場合の上限値よりも大きければよい。
【0094】
そして、プロセスフラグが「02H」に設定されて処理を終了する。
一方、SC02において、読出されたランダム1が大当たりの判定値でない場合には、外れ図柄決定処理が実行される(SC08)。外れ図柄決定処理では、上述したように、ランダム3カウンタ(3−1,3−2,3−3)の抽出値にもとづいて、停止させる特別図柄が決定される。
【0095】
次に、貯留装置制御処理について説明する。図9は、貯留装置制御処理の流れを示すフローチャートである。貯留装置制御処理は、図5に示したタイマ割り込み処理のS211で実行される処理である。図9を参照して、貯留装置制御処理では、まず、普通図柄表示装置18の表示結果が当りか否かが判断される(SD01)。普通図柄表示装置18の表示結果は、普通図柄用の乱数記憶領域に、遊技球が通過ゲート19を通過した場合、ゲートスイッチ12bにおいて遊技球の通過が検出されたことを条件に抽出され、記憶されたランダム4カウンタの値に基づき判断される。読出されたランダム4カウンタの値が当りの場合にはSD02に進み、そうでない場合にはSD02をスキップしてSD03に進む。
【0096】
SD02では、貯留嘴状部ソレノイド13aを所定の時間励磁する。これにより、貯留装置30の貯留嘴状部31a,31bが所定時間開放する。貯留装置30が貯留嘴状部31a,31bを開放している状態では、遊技領域に打ち込まれた打玉が貯留装置30に進入することが可能となる。
【0097】
次のSD03では、特別図柄表示装置4の表示結果が貯留解除用の図柄の組合せか否かが判断される。特別図柄表示装置4の表示結果が貯留解除用の図柄の組合せの場合にはSD04に進み、そうでない場合には貯留装置制御処理を終了する。
【0098】
特別図柄表示装置4の表示結果は、図8を用いて説明した特別図柄停止図柄設定処理のSC05またはSC08で決定された特別図柄の組合せに基づいて判断される。SC05またはSC08では、決定された特別図柄の組合せを所定の記憶領域に記憶する。このため、SD03では、この記憶領域に記憶された特別図柄の組合せを読出すことにより、特別図柄表示装置4の表示結果を取得する。そして、取得した表示結果が貯留解除用の図柄の組合せに該当するか否かを判断する。貯留解除用の図柄の組合せとは、予め定められた図柄の組合せである。たとえば、2つの図柄が同じ図柄となった場合、少なくとも1つの図柄が特定の図柄であった場合、3つの図柄が連続する図柄の場合等である。
【0099】
SD04では、貯留開放扉ソレノイド13bを所定時間励磁する。これにより、貯留装置30の貯留開放扉32が所定時間開く。貯留装置30が貯留開放扉32を開いている状態では、貯留装置30に貯留された遊技球が、特別図柄始動口6に向けて開放される。これにより、貯留装置30に貯留された遊技球が、連続して特別図柄始動口6に入賞しやすくなる。特別図柄始動口6に連続して遊技球が入賞すると、特別図柄表示装置4の表示結果が導出表示されるまでの間に複数の遊技球が特別図柄始動口6に入賞することが可能となるので、大当たり判定用の乱数記憶領域にランダム1カウンタのカウンタ値が複数記憶されることになる。
【0100】
次に、始動記憶増大フラグがOFFに設定される(SD05)。これにより、大当たり判定用の乱数記憶領域に記憶可能なランダム1カウンタのカウンタ値の数の上限値が「4」に設定されることになる。
【0101】
次に、第1種始動口スイッチ通過処理の変形例について説明する。図10は、変形された第1種始動口スイッチ通過処理の流れを示すフローチャートである。変形された第1種始動口スイッチ通過処理が実行される遊技機においては、大当たり判定用の乱数記憶領域には、最大「10」までの数のランダム1カウンタのカウンタ値を記憶可能としている。すなわち、大当たり判定用の乱数記憶領域に記憶可能なカウンタ値の上限値は「10」である。
【0102】
従って、この変形例においては、始動記憶増大フラグは不用である。このため、図8に示した特別図柄停止図柄設定処理のSC06およびSC07の処理、図9の貯留装置制御処理のSD05の処理は不要である。
【0103】
また、貯留装置30の貯留部33には、大当たり判定用の乱数記憶領域の上限値を超えない数の遊技球が貯留可能である。なお、上限値の数は、「10」に限定されず、貯留装置30の貯留部33に貯留可能な数以上の数とすればよい。
【0104】
なお、貯留部33に貯留されていた遊技球のすべてが特別図柄始動口6に入賞することなく、その一部が特別図柄始動口6に入賞する場合には、貯留部33に貯留可能な遊技球の数を、大当たり判定用の乱数記憶領域の上限値よりも大きな数としてもよい。たとえば、貯留部33に貯留可能な遊技球の数を「12」とし、大当たり判定用の乱数記憶領域の上限値を「10」とした場合には、2個の遊技球が特別図柄始動口6に入賞しなくても、10個の遊技球が特別図柄始動口6に入賞するので、大当たり判定用の乱数記憶領域には、上限値「10」までの乱数値が記憶されることになる。すなわち、大当たり判定用の乱数記憶領域の上限値は、貯留部33に貯留された遊技球のうち特別図柄始動口6に進入し得る遊技球の数よりも大きな値であればよい。このようにすることで、貯留部33に貯留されていた遊技球の貯留が解除された場合に、大当たり判定用の記憶領域に上限値となるまで乱数値が記憶される確率を大きくすることができる。
【0105】
図10を参照して、まず、始動記憶数が「10」であるか否かの判別がなされる(SE01)。始動入賞記憶数が「10」であった場合は第1種始動口通過処理を終了し、始動入賞記憶数が「10」でなかった場合にはSE02に移行する。ステップSE02では、始動記憶数に「1」加算する処理が行なわれる。これにより、始動記憶数が10になるまで、遊技球が特別図柄始動口6への入賞に応じて加算されることになる。
【0106】
次に、ランダム1カウンタのカウンタ値が抽出され(SE03)、抽出されたランダウ1カウンタのカウンタ値が大当たり判定用の乱数記憶領域に記憶される(SE04)。
【0107】
このように、貯留装置30の貯留部33に貯留可能な遊技球の数を、大当たり判定用の乱数記憶領域の上限値を超えないようにすることで、貯留装置30の貯留部33に貯留された遊技球が、特別図柄始動口6に入賞した場合に無駄になるのをできるだけ防止することができる。なお、貯留装置30の貯留部33に貯留可能な遊技球の数を、大当たり判定用の乱数記憶領域の上限値と同じ数とするのではなく、大当たり判定用の乱数記憶領域の上限値よりも少ない数とすることにより、貯留装置30の貯留部33に貯留された遊技球が、特別図柄始動口6に入賞した場合に無駄になるのをより防止することができる。
【0108】
次にパチンコ遊技機の変形例について説明する。図11は、本実施形態における別のパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1Aは、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2Aを含む。遊技盤2Aにはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されており、遊技領域のほぼ中央位置には、特別図柄表示装置(可変表示装置)4が設けられている。特別図柄表示装置4の上部には、特別図柄始動口(スタートチャッカ)6と、貯留皿40と、貯留皿40の後方に特別図柄始動口6Aが設けられている。
【0109】
なお、特別図柄始動口6を、たとえば入賞により所定の数の遊技球を払出すための入賞口、入賞により別に設けられた普通図柄表示装置の可変表示を開始させるための普通図柄始動口、遊技者に何らかの特典を与えるための入賞口、通過ゲートとしてもよい。
【0110】
特別図柄表示装置4の下方位置には、大当り発生(特定遊技状態の発生)時に大入賞口扉ソレノイド13c等を駆動することで開放動作を行なう大入賞口(第1種特別電動役物)7が配設されている。大入賞口7は、特別図柄始動口6への入賞タイミングに基づいて特図ゲームが行なわれた結果、大当りとなった場合に前面に設けられた大入賞口扉7aの開放動作を行なう。
【0111】
また、図示しないが遊技盤を周辺で支持する遊技機用枠の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカが設けられている。さらには、遊技領域内及び遊技領域周辺部には、光装飾用のランプ・LED9が設けられている。
【0112】
別のパチンコ遊技機1Aは、次の点を除いて、上述したパチンコ遊技機1と同様の構成とすることができる。
【0113】
(1) 図3に示した遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図において、普通図柄表示装置18は不要である。また、貯留嘴状部ソレノイド13aおよび貯留開放扉ソレノイド13bに代えて、貯留皿ソレノイド13dが備えられる。
【0114】
(2) また、図5に示したタイマ割り込み処理のS211における貯留装置制御処理に代えて、貯留皿駆動制御処理が実行される。
【0115】
図12は、本実施の形態の変形例におけるパチンコ遊技機1Aの貯留皿近傍の部分的な断面図である。図12を参照して、貯留皿40は、特別図柄始動口6の下方に設けられ、特別図柄始動口6の近傍を通過した遊技球を受け止め、貯留することが可能である。なお、貯留皿40は、特別図柄始動口6の下方であれば、特別図柄始動口6の真下位置、または、真下から左右にずれた位置にあってもよい。
【0116】
貯留皿40は、貯留皿支持部材41に固定されている。貯留皿支持部材は、支点42を中心にして回転自在に固定部材43で支持されている。貯留皿支持部材41の支点42と反対側の端部は、貯留皿ソレノイド13dと回転自在に接続されている。固定部材43は、L字状の形状であり、支点42と反対側の端部が遊技盤2に固定されている。
【0117】
遊技制御部11は、特別図柄表示装置4で導出表示された際の導出された表示態様が大当たりとなる特定表示態様とは異なる所定の表示態様となっている場合に、貯留皿ソレノイド13dを励磁する。貯留皿ソレノイド13dが励磁されると、貯留皿支持部材41と貯留皿ソレノイド13dとの接続部が下方に移動する。すると、貯留皿支持部材41が支点42を中心にして図12で反半時計方向に回転する。この回転に伴い貯留皿40が傾く。このため、貯留皿40は、貯留皿40に貯留された遊技球を特別図柄始動口6Aに向けて開放する貯留解除状態となり、貯留皿40に貯留されていた遊技球が特別図柄始動口6Aに流れ込む。
【0118】
特別図柄始動口6に入賞した遊技球と、特別図柄始動口6Aに入賞した遊技球とはともに同じ誘導路に導かれ、始動口スイッチ12aを通過する。
【0119】
貯留皿ソレノイド13dが励磁されていない状態では、貯留皿40は貯留皿40に進行した遊技球を保持する貯留保持状態となる。なお、貯留皿40が貯留保持状態にあるとき、貯留皿40は特別図柄始動口6Aの少なくとも一部を塞ぐ状態となるため、特別図柄始動口6Aへ遊技球が入賞することはない。
【0120】
図13は、図5に示したタイマ割り込み処理のS211における貯留装置制御処理に代えて、実行される貯留皿駆動制御処理の流れを示すフローチャートである。図13を参照して、貯留皿駆動制御処理では、まず、特別図柄表示装置4の表示結果が貯留皿駆動用の図柄の組合せか否かが判断される(SF01)。特別図柄表示装置4の表示結果が貯留皿駆動用の図柄の組合せの場合にはSF02に進み、そうでない場合には貯留皿駆動制御制御処理を終了する。
【0121】
特別図柄表示装置4の表示結果は、図8を用いて説明した特別図柄停止図柄設定処理のSC05またはSC08で決定された特別図柄の組合せに基づいて判断される。SC05またはSC08では、決定された特別図柄の組合せを所定の記憶領域に記憶する。このため、SF01では、この記憶領域に記憶された特別図柄の組合せを読出すことにより、特別図柄表示装置4の表示結果を取得する。そして、取得した表示結果が貯留皿駆動用の図柄の組合せに該当するか否かを判断する。貯留解除用の図柄の組合せとは、予め定められた図柄の組合せである。たとえば、盃を表した特別図柄の組合せとなった場合、2つの図柄が同じ図柄となった場合、少なくとも1つの図柄が特定の図柄であった場合、3つの図柄が連続する図柄の場合等である。
【0122】
SF02では、貯留皿ソレノイド13dを所定時間励磁する。これにより、貯留皿40が傾く。これにより、貯留皿40上に貯留されていた遊技球が、特別図柄始動口6Aに流れ込む。特別図柄始動口6Aに連続して遊技球が入賞すると、特別図柄表示装置4の表示結果が導出表示されるまでの間に複数の遊技球が特別図柄始動口6に入賞することが可能となるので、大当たり判定用の乱数記憶領域にランダム1カウンタのカウンタ値が複数記憶されることになる。
【0123】
別のパチンコ遊技機1Aにおいても図10に示した変形された第1種始動口スイッチ通過処理を適用することができる。この場合において、貯留皿40には、大当たり判定用の乱数記憶領域の上限値より小さい数の遊技球、たとえば9個の遊技球が貯留可能である。なお、大当たり判定用の乱数記憶領域の上限値の数は、「10」に限定されず、貯留皿40に貯留可能な数より大きな数とすればよい。
【0124】
なお、貯留皿40に貯留されていた遊技球のすべてが特別図柄始動口6Aに入賞することなく、その一部が特別図柄始動口6Aに入賞する場合には、貯留皿40に貯留可能な遊技球の数を、大当たり判定用の乱数記憶領域の上限値よりも大きな数としてもよい。たとえば、貯留皿40に貯留可能な遊技球の数を「12」とし、大当たり判定用の乱数記憶領域の上限値を「10」とした場合には、2個の遊技球が特別図柄始動口6Aに入賞しなくても、10個の遊技球が特別図柄始動口6Aに入賞するので、大当たり判定用の乱数記憶領域には、上限値「10」までの乱数値が記憶されることになる。すなわち、大当たり判定用の乱数記憶領域の上限値は、貯留皿40に貯留された遊技球のうち特別図柄始動口6Aに進入し得る遊技球の数よりも大きな値であればよい。このようにすることで、貯留皿40に貯留されていた遊技球の貯留が解除された場合に、大当たり判定用の記憶領域に上限値となるまで乱数値が記憶される確率を大きくすることができる。
【0125】
本実施の形態の変形例におけるパチンコ遊技機においては、特別図柄始動口6の下方に貯留皿40を設け、特別図柄表示装置4の表示結果が所定の表示態様となった場合に、貯留皿40に貯留された遊技球を特別図柄始動口6Aに入賞させるようにした。このため、遊技領域に打ち込まれた遊技球が、特別図柄始動口6に入賞しなかった場合でも、入賞しなかった遊技球が貯留皿40に貯留され、その後、特別図柄始動口6Aに入賞する可能性が残るため、遊技者は、遊技球を無駄にすることがない。
【0126】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるパチンコ遊技機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるパチンコ遊技機を示す正面図である。
【図3】遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図4】遊技制御部におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】タイマ割り込み処理を示すフローチャートである。
【図6】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図7】第1種始動口スイッチ通過処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】特別図柄停止図柄設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】貯留装置制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】変形された第1種始動口スイッチ通過処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本実施形態における別のパチンコ遊技機の正面図である。
【図12】別のパチンコ遊技機の貯留皿近傍の部分的な断面図である。
【図13】貯留皿駆動制御処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,1A パチンコ遊技機、2,2A 遊技盤、4 特別図柄表示装置、6,6A 特別図柄始動口、7 大入賞口、7a 大入賞口扉、9 ランプ・LED、10 電源部、11 遊技制御部、12 入力部、12a 始動口スイッチ、12b ゲートスイッチ、12c 特定領域スイッチ、12d カウントスイッチ、13 出力部、13a 貯留嘴状部ソレノイド、13b 貯留開放扉ソレノイド、13c 大入賞口扉ソレノイド、13d 貯留皿ソレノイド、14 演出制御部、14a 表示制御部、14b 音声制御部、14c ランプ制御部、15 払出制御部、8L,8R スピーカ、16 盤用外部端子板、17 枠用外部端子板、18 普通図柄表示装置、19 通過ゲート、30 貯留装置、31a,31b 貯留嘴状部、32 貯留開放扉、33 貯留部、40 貯留皿、41 貯留皿支持部材、43 固定部材、41a,41b 電動チューリップ型役物。

Claims (5)

  1. 遊技球が打込まれる遊技領域に設けられた始動領域に遊技球が進入したことを条件として表示状態が変化可能な可変表示装置の表示結果が導出表示され、該表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
    前記遊技領域に設けられ、該遊技領域に打込まれた遊技球を貯留可能な貯留部を有し、該貯留部で貯留されている貯留玉を前記始動領域に向けて開放する貯留解除状態と貯留玉を前記貯留部に保持する貯留保持状態とに変化可能な貯留手段と、
    前記可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様とは異なる所定表示態様になったときに前記貯留手段を貯留保持状態から貯留解除状態に制御する貯留解除制御手段とを備えていることを特徴とする、遊技機。
  2. 前記始動領域に進入した遊技球を上限記憶個数の範囲内で記憶する始動記憶手段と、
    該始動記憶手段に記憶されている始動記憶数を用いて前記可変表示装置の表示結果を導出表示させるための可変表示制御を行なう可変表示制御手段と、
    前記始動記憶手段の前記上限記憶個数を、前記貯留解除制御手段により貯留解除状態に制御されたときには貯留保持状態時に比べて増加した状態に制御する上限記憶数制御手段とをさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記始動領域に進入した遊技球を上限記憶個数の範囲内で記憶する始動記憶手段と、
    該始動記憶手段の前記上限記憶数は前記貯留手段の貯留保持状態時と貯留解除状態時とで一定であり、かつ、前記貯留解除状態時に前記貯留手段から開放されて前記始動領域に進入し得る貯留玉の最大個数と前記上限記憶数との大小関係が、前記上限記憶数の方が大きな値となるように設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
  4. 前記貯留手段は、遊技球が前記貯留部に進入可能な進入可能状態と遊技球が前記貯留部に進入できない進入不可能状態とに変化可能であり、前記貯留手段を所定期間前記進入不可能状態から前記進入可能状態に制御する貯留制御手段をさらに備えていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 遊技球が打込まれる遊技領域に設けられた第1の始動領域と、表示状態が変化可能な可変表示装置とを備え、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能になる遊技機であって、
    前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入したことを条件として前記可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示が行なわれるように定められた第2の始動領域と、
    前記第1の始動領域の下部位置に設けられ、該遊技領域に打込まれた遊技球を貯留可能な貯留部を有し、該貯留部で貯留されている貯留玉を前記第2の始動領域に向けて開放する貯留解除状態と貯留玉を前記貯留部に保持する貯留保持状態とに変化可能な貯留手段とを備えていることを特徴とする、遊技機。
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