JP4400094B2 - 遊技機および遊技システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機及びかかる遊技機を備えた遊技システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコやスロット等に代表される遊技機は、手軽に楽しむことができるので広く親しまれ、多くの遊技者に愛好されている。一般的に遊技機には液晶表示装置が設けられており、この液晶表示装置にて、識別情報としての図柄を動的表示させる変動表示ゲームが行われる。この変動表示ゲームが、予め定められた組み合わせの識別情報(予め定められた停止図柄)で停止すると、遊技状態は、大当たり状態に遷移する。
【0003】
変動表示ゲームは、始動入賞口に遊技球が入賞する事により開始される。この始動入賞口に遊技球が入賞すると、制御装置では、変動表示ゲームの終了により遷移する遊技状態(大当たり状態またはハズレ状態)や、変動表示ゲーム終了時に表示する停止図柄などが抽選され、入賞した遊技球に基づいて実行される遊技の内容が決定される。変動表示ゲーム実行中や大当たり状態中に、始動入賞口に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球に対応して抽選された遊技の内容はメモリに記憶される(変動表示ゲームの保留)。
【0004】
通常、遊技機は、所定数の変動表示ゲームを保留できるようになっており、実行中の変動表示ゲーム(または大当たり状態)が終了すると、保留された変動表示ゲームが実行される。抽選された遊技の内容は、対応する変動表示ゲームが実行される際に読み取られる。つまり、大当たり状態となるか否かは、始動入賞口に遊技球が入賞したタイミングで決定されるが、大当たり状態となるか否かの認識は、変動表示ゲームが実行されるタイミングにおいてなされる。変動表示ゲームの内容が読み取られると、その内容が、主制御装置から液晶表示装置を制御する表示制御装置に出力される。表示制御装置は、主制御装置から送信された変動表示ゲームの内容に応じた変動表示を実行する。また、表示制御装置は、実行中の変動表示ゲームの内、一部の変動表示ゲームについては、その変動表示ゲームが終了するまでの間に、大当たり状態となることを示唆する情報(期待情報)を現出させる演出(示唆演出)を実行する。
【0005】
かかる示唆演出は、大当たり状態に遷移する場合のみならず、否である場合にも実行される。これにより、大当たり状態に遷移しない場合にも、遊技者に大当たり状態に遷移する期待感を付与し、遊技者の興趣を遊技に引きつける事ができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平15−079837号公報。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のような示唆演出において、大当たり状態に遷移しない場合にも示唆演出を実行すると、大当たり状態に遷移する事が、遊技者には曖昧に通知されることになるという問題点があった。また、どの程度の信頼性で大当たり状態に遷移するかを、基本的に遊技者は認識できないという問題点があった。その結果、示唆演出が実行されても、遊技者がその示唆演出を軽視してしまい、効果的に示唆演出がなされないという問題点があった。また、示唆演出は、実行中の変動表示ゲームに対して実行されるので、遊技者に期待感に付与できる期間は、変動表示ゲームが開始されてからその変動表示ゲームが終了するまでの短い間だけになるという問題点があった。更に、従来のような示唆演出は、遊技機の内部的な処理で、その遊技機にて実行する示唆演出を決定するので、実行できる示唆演出に限界があり、画一的なものとなってしまうという問題点があった。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、単調な遊技となることを回避でき、大当たり状態に対する期待感を遊技者に効果的に付与することのできる遊技機および遊技システムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の遊技システムは、識別情報を表示する表示装置と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により前記始動条件の成立が検出されると前記表示装置にて動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される動的表示に対応して遷移する遊技状態を抽選する抽選手段と、前記動的表示実行手段により実行される動的表示の内、未実行の動的表示に対応する情報を記憶する実行前状態記憶手段とを備え、その実行前状態記憶手段に先に記憶された情報に基づいた遊技が終了するまで、前記実行前状態記憶手段にその後に記憶された情報に対応する動的表示の実行を保留する複数の遊技機と、その複数の遊技機のそれぞれと接続され各遊技機との間で情報の送受信を行う外部装置とを備えたものであり、前記複数の遊技機のそれぞれに対応つけて設けられると共に、前記外部装置により出力される信号に基づいて所定の演出を実行する演出装置を備えており、前記遊技機のそれぞれは、前記抽選手段により抽選された遊技状態が前記遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態である場合に、その抽選された特別遊技状態に対応する動的表示が終了する前に、前記特別遊技状態が発生することを示す特別状態発生情報を前記外部装置に出力する特別情報出力手段と、前記実行前状態記憶手段に未実行の動的表示に対応する情報が記憶されているかを示す保留情報を前記外部装置に出力する保留情報出力手段とを備え、前記外部装置は、前記保留情報出力手段により出力された保留情報を前記遊技機のそれぞれに対応付けて記憶する保留情報記憶手段と、前記特別情報出力手段により出力された特別状態発生情報を受信すると、前記保留情報記憶手段に記憶されている保留情報に基づいて、前記複数の遊技機の中から前記実行前状態記憶手段に未実行の動的表示に対応する情報が記憶されている遊技機を選択する遊技機選択手段と、その遊技機選択手段によって選択された遊技機のそれぞれに対応する前記演出装置にて所定の演出を実行させるために信号を出力する信号出力手段とを備えている。
【0012】
この請求項1記載の遊技システムによれば、遊技機において、始動条件の成立が検出手段により検出されると、動的表示実行手段により実行される動的表示に対応して遷移する遊技状態が、抽選手段により抽選される。動的表示実行手段により実行される動的表示の内、未実行の動的表示に対応する情報は、実行前状態記憶手段に記憶される。ここで、抽選手段により抽選された遊技状態が遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態であると、対応する動的表示が終了する前に、特別情報出力手段により、特別遊技状態が発生することを示す特別状態発生情報が、外部装置に出力される。外部装置では、遊技機の特別情報出力手段により出力された特別状態発生情報を受信すると、特別状態発生情報出力元の遊技機を含む複数の遊技機のそれぞれに対応する演出装置にて所定の演出を実行させるために、信号出力手段による信号出力が実行される。
【0013】
請求項2記載の遊技システムは、請求項1記載の遊技システムにおいて、前記遊技機のそれぞれは、前記特別遊技状態が発生中かを示す発生中情報を前記外部装置に出力する発生中情報出力手段を備え、前記外部装置は、前記発生中情報出力手段により出力された発生中情報を前記遊技機のそれぞれに対応付けて記憶する発生中情報記憶手段を備え、前記遊技機選択手段は、前記特別情報出力手段により出力された特別状態発生情報を受信すると、前記発生中情報記憶手段に記憶されている発生中情報に基づいて、前記複数の遊技機の中から前記特別遊技状態が発生中でない遊技機を選択する。
請求項3記載の遊技システムは、請求項1又は2に記載の遊技システムにおいて、前記遊技機のそれぞれは、前記特別遊技状態への遷移確率が通常時よりも高い確変状態かを示す確変情報を前記外部装置に出力する確変情報出力手段を備え、前記外部装置は、前記確変情報出力手段により出力された確変情報を前記遊技機のそれぞれに対応付けて記憶する確変情報記憶手段を備え、前記遊技機選択手段は、前記特別情報出力手段により出力された特別状態発生情報を受信すると、前記確変情報記憶手段に記憶されている確変情報に基づいて、前記複数の遊技機の中から前記確変状態にない遊技機を選択する。
請求項4記載の遊技システムは、請求項1から3のいずれかに記載の遊技システムにおいて、前記外部装置は、遅延時間を決定する遅延時間決定手段と、前記特別状態発生情報を受信してからその受信した前記特別状態発生情報に基づいた信号を前記信号出力手段により出力するまでの時間を、前記遅延時間決定手段により決定された遅延時間以上に保つために、前記遅延時間のウェイト処理を実行する計時手段とを備えており、前記信号出力手段は、その計時手段による前記遅延時間のウェイト後に、前記遊技機選択手段により選択された遊技機に対応する前記演出装置にて所定の演出を実行させるために信号を出力するものである。
請求項5記載の遊技システムは、請求項1から4のいずれかに記載の遊技システムにおいて、前記外部装置は、前記各遊技機のそれぞれの位置を示す配置情報を記憶する配置記憶手段と、特別状態発生情報出力元の遊技機の位置を認識する位置認識手段とを備えており、前記遊技機選択手段は、前記配置記憶手段が記憶する配置情報に基づいて、選択対象となる遊技機の中から、前記位置認識手段により認識された位置を基準として遊技機を選択するものである。
請求項6記載の遊技機は、請求項1から5のいずれかに記載された遊技システムに含まれている遊技機である。
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載の遊技システムによれば、遊技機において、始動条件の成立が検出手段により検出されると、動的表示実行手段により実行される動的表示に対応して遷移する遊技状態が、抽選手段により抽選される。動的表示実行手段により実行される動的表示の内、未実行の動的表示に対応する情報は、実行前状態記憶手段に記憶される。ここで、抽選手段により抽選された遊技状態が遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態であると、対応する動的表示が終了する前に、特別情報出力手段により、特別遊技状態が発生することを示す特別状態発生情報が外部装置に出力される。外部装置では、遊技機の特別情報出力手段により出力された特別状態発生情報を受信すると、特別状態発生情報出力元の遊技機を含む複数の遊技機のそれぞれに対応する演出装置にて所定の演出を実行させるために、信号出力手段による信号出力が実行される。
【0018】
よって、演出装置にて所定の演出が実行されると、対応する遊技機の内、少なくとも1の遊技機は、確実に特別遊技状態へ遷移することとなり、所定の演出が実行された演出装置に対応する遊技機で遊技中の遊技者に、非常に高い期待感を付与することができるという効果がある。また、所定の演出の実行は、(いずれか1の遊技機が)特別遊技状態に遷移する事を明確に示すこととなるので、かかる演出は信頼性の高い演出となって、その実行時には、遊技者の期待感を一層高める事ができるという効果がある。更に、所定の演出は、1の遊技機の内部的な処理のみによって実行されるものでなく、複数の遊技機で横断的に実行される演出とする事ができる。つまり、他の遊技機での遊技状態で自己の遊技機が特別遊技状態に遷移するか否かを判断できる。このため、遊技者に、他の遊技機の遊技状態と自己の遊技機の遊技状態とを比較させ、どちらが先に特別遊技状態に到達するかという心理的な競争心を付与することができ、他の遊技者との競争心によって、遊技者をますます遊技に熱中させることができるという効果がある。
請求項4記載の遊技システムによれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技システムの奏する効果に加え、外部装置は、特別状態発生情報を受信すると、受信した特別状態発生情報に基づいた信号を出力するための処理を実行するが、信号の出力は、直ちには実行されず、遅延時間決定手段により決定される遅延時間分、遅れて出力される。よって、特別状態発生情報出力元の遊技機がいずれの遊技機であるかを、遊技者に認識困難にすることができるという効果がある。
遊技機が、特別状態発生情報の出力を遊技を実行する一連の処理の中で実行すると、同じタイミングで(始動条件成立後に暫時を経て)、特別状態発生情報が出力される。このため、外部装置が、特別状態発生情報に応答して直ちに信号を出力すると、始動条件成立後の僅かなタイムラグを経て、特別状態発生情報出力元の遊技機に対応する演出装置にて所定の演出が実行されてしまう。
一方、外部装置は、特別状態発生情報出力元の遊技機以外の遊技機に対応する演出装置においても所定の演出を実行させるために信号を出力する。特別状態発生情報出力元の遊技機以外の遊技機は、必ずしも、特別遊技状態に遷移するものではない。ここで、特別状態発生情報出力元の遊技機でなければ、始動条件成立からの経過時間はまちまちである。その結果、外部装置が、特別状態発生情報に応答して直ちに信号を出力してしまうと、演出装置での所定の演出が開始されるタイミングと始動条件成立のタイミングとから、遊技者に、自己が遊技中の遊技機が、特別状態発生情報出力元の遊技機であるか否かを容易に判別させてしまいかねない。
そこで、外部装置を、特別状態発生情報に応答して直ちに信号を出力させるのでなく、遅延時間分、遅れて信号を出力する構成とすることにより、特別状態発生情報出力元の遊技機に対応する演出装置であっても、所定の演出が、始動条件成立後直ちに実行されることがない。このため、所定の演出が実行された場合に、その対応するいずれの遊技機にも特別遊技状態に遷移する可能性があるように見せかけることができ、遊技者の興趣を十分に引き付ける事ができるという効果がある。
請求項5記載の遊技システムによれば、請求項1から4のいずれかに記載の遊技システムの奏する効果に加え、位置認識手段により認識された位置を基準として遊技機を選択するので、特別状態発生情報出力元の遊技機近傍に位置する遊技機を選択して、所定の演出を実行させることができる。これにより、外部装置に、複数(多数)の遊技機が接続されていても、自己が遊技する遊技に対応する演出装置以外に、いずれの遊技機に対応する演出装置で所定の演出が実行されているかを、遊技者に認識し易くすることができる。このため、遊技者は、他の遊技者の結果(特別遊技状態に遷移したか否か)を的確に判断でき、自己が特別遊技状態に遷移するか否かを明確に認識することができるという効果がある。
所定の演出の実行は、その演出が実行された演出装置に対応する遊技機の内、少なくともいずれか1の遊技機が特別遊技状態に遷移することを通知するものである。故に、遊技者は、他の遊技者の動向に強く関心を寄せることとなる。そこで、いずれの遊技機に対応する演出装置で所定の演出が実行されているかを、遊技者に認識し易くすることにより、遊技者に競争心理を働かせて遊技者の興趣を高める上、所定の演出の信頼性(いずれかの遊技機は確実に特別遊技状態に遷移すること)を遊技者に認識させることができるという効果がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を備えた遊技システムの一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、パチンコ機10と島管理装置550とを備えた遊技システム1を模式的に示した外観図である。
【0020】
かかる遊技システム1は、1の遊技場内に設置されるものであり、多数のパチンコ機10が設けられている。各パチンコ機10は、複数の列状を形成して、配設されている。1の列は複数のパチンコ機10により構成されており、1の列内の各パチンコ機10は、その正面が通路(遊技者)側となり、かつ、少なくとも一方の側面が隣設するパチンコ機10側に位置するように設置される。
【0021】
1の列に属するパチンコ機10の背面側には、他の列のパチンコ機10が、その背面を向けて、即ち、互いの背面側が向かい合うように配設されている。また、1の列の通路を挟んだ対向面側には、更に別の列のパチンコ機10が、その正面側を通路側に向けて配列されている。本実施の形態の遊技システム1では、1の列と、その1の列の対向面側の1の列とを1のグループ(島)として形成している。島を形成する各パチンコ機10のそれぞれは、その島に対応して各々設けられた島管理装置550に、ケーブルを介して接続されている。また、各パチンコ機10は、接続される島管理装置550に遊技状態を示す情報を出力するよう構成されている。また、島管理装置550からの信号を受信すると、その中央電飾部103と環状電飾部102とを発光するように構成されている。
【0022】
尚、本実施の形態においては、1列に13台のパチンコ機10が設置され、1の島は26台のパチンコ機10で構成されているものとする。島に属するパチンコ機10のそれぞれには1から26の台番号が付与されている。本実施の形態においては、一方の列の最左端のパチンコ機10から右方に向かって、それぞれのパチンコ機10に「1」〜「13」の台番号が連番となるように付与されている。一方、他方の列においては、台番号「13」のパチンコ機10に対向する位置のパチンコ機10から該列の反対側端部のパチンコ機10へ向かって、それぞれのパチンコ機10に「14」〜「26」の台番号が連番で付与されている。
【0023】
島管理装置550は、各パチンコ機10との間で情報の送受信を実行するように構成されており、各パチンコ機10から送信される情報を受信し、その受信した情報に基づいて各パチンコ機10の状態を管理するものである。受信した情報が特別遊技状態(大当たり状態)が発生することを示す大当たり発生情報であると、島管理装置550は、大当たり情報送信元のパチンコ機10及び所定の条件に基づいて選択される3台のパチンコ機10に対し、ランプ出力信号を出力するための処理を実行する。
【0024】
島管理装置550から出力されたランプ出力信号がパチンコ機10に受信されると、パチンコ機10では、その中央電飾部103と環状電飾部102とが発光される。中央電飾部103と環状電飾部102とが発光した4台のパチンコ機10の内、1台のパチンコ機10は、大当たり情報送信元の遊技機である。このため、発光したパチンコ機10の内、少なくとも1台の遊技機は、作動保留球の消化内で、必ず、大当たり状態に遷移する。故に、かかる発光は、遊技者に、大当たり状態に遷移する期待感を付与する期待情報の現出(示唆演出)となる。かかる示唆演出は、演出が実行されたパチンコ機10の中で、少なくとも1のパチンコ機10が必ず大当たり状態に遷移することを示す演出であるので、示唆演出の実行された(中央電飾部103と環状電飾部102とが発光した)パチンコ機10の遊技者の興趣を大いに高めることができる。
【0025】
次に、図2から図23を参照して、本実施の形態のパチンコ機10の構造について詳細に説明する。図2はパチンコ機10の正面図であり、図3は、後述する外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。
【0026】
図2及び図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。よって、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて、構成部材の再利用が容易にされている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11を樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成するようにしてもよい。
【0027】
内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂により構成されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きいので、内枠12の構成材料として好適である。内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側に上下に延設されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようにされている。開閉軸線は遊技球発射ハンドル18の反体側に設けられているので、内枠12を大きく開放することができる。通常パチンコホールでは、パチンコ機10は互いに隣接して配設されるので、開閉軸線を遊技球発射ハンドル18側に設けると、内枠12と共に開放される遊技球発射ハンドル18が隣のパチンコ機10に当接して開放量が減少してしまうからである。
【0028】
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲で内枠12を覆うようにして前面枠セット14が取り付けられている。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。この内枠12の外周には、前面側へ突設された外周壁が形成されており、その外周壁の内側に前面枠セット14が配設される。即ち、内枠12に前面枠セット14を取り付けた状態では、前面枠セット14の側面外周は、内枠12の外周壁により囲繞されるので、内枠12と前面枠セット14との間への針金等の挿入を困難なものにして、不正行為を抑制することができる。
【0029】
内枠12の上部には、円柱状に突出した押しボタン型の開閉スイッチ25が設けられている。この開閉スイッチ25は、前面枠セット14の開閉状態を検出するためのスイッチである。前面枠セット14が内枠12に対して閉じられている場合には開閉スイッチ25が押圧状態となり、逆に、前面枠セット14が内枠12に対して開放されている場合には開閉スイッチ25は非押圧の突出状態となって、前面枠セット14の開閉状態を検出する。また、内枠12の左上部(図3参照)には、配線孔26が穿設されている。配線孔26は、前面枠セット14の配線を内枠12を通過させて遊技盤30の裏面に配線するための孔である。配線孔26の角部にはRが形成されており、配線孔26内に配線される各コードが、角部で損傷しないようにされている。なお、図5に示す通り、遊技盤30の左上部にも配線孔26に対応して、配線孔37が穿設されている。
【0030】
図4は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示した正面図である。図4では、便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。図4に示すように、下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16から排出された遊技球が下皿15内に貯留可能に構成されている。下皿ユニット13は、内枠12と同様に、難燃性のABS樹脂により形成されている。必ずしも、この下皿15のすべてをABS樹脂で形成することは必要でないが、少なくとも下皿15の表面部分、即ち下皿15の表面層と下皿15奥方の前面パネルとをABS樹脂で形成することが好ましい。下皿15には、火のついた煙草が放置される危険があるので、少なくともその表面部分を難燃性のABS樹脂で形成することにより、パチンコ機10の損傷や火災の発生を抑止できるからである。なお、前面パネルには、スピーカからの音を出力するためのスピーカ孔24が穿設されている。
【0031】
下皿15の正面下方部には、下皿15に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー17が設けられている。この球抜きレバー17は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿15の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー17の操作は、通常、下皿15の下方に、下皿15から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。また、下皿15の右方には、遊技球発射ハンドル18が下皿ユニット13から手前側へ突出した状態で配設されると共に、下皿15の左方には灰皿が片持状に取着されている。灰皿は下皿15に回転可能に取着された軸と共に手前方向及び奥方向へ回転可能にされている。このように、下皿15の一側に遊技球発射ハンドル18を、他側に灰皿を配設することにより、下皿ユニット13の左右の美的バランスを保ってパチンコ機10の装飾性を向上させている。
【0032】
一方、図2に示すように、下皿15の上方における前面枠セット14には、球受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置へ導出するためのものである。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方において内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。これは、本実施の形態の前面枠セット14は、従来のパチンコ機より大きく形成した遊技領域を外部から視認できるようにするために略楕円形状に大きく欠成された窓部101を備えているので、前面枠セット14の強度を少しでも向上させるべく、該前面枠セット14に上皿19を一体化して形成しているのである。この上皿19も下皿15と同様に、少なくとも表面層が難燃性のABS樹脂にて形成されている。なお、遊技領域が、従来のパチンコ機に比べて如何に大きく形成されているかについては後述する。
【0033】
また、図4において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。この樹脂ベース20の後側には、遊技盤30が内枠12に対して着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板より構成され、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。即ち、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成しているのである。
【0034】
次に、図5を参照して遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、大物口(始動口)33、小物門(スルーゲート)34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30の前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、大物口33に遊技球が入球し、後述する検出スイッチから所定の出力がなされると、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0035】
可変表示装置ユニット35には、小物門34の遊技球の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する小物図柄表示装置41と、大物口33への遊技球の入賞をトリガとして特別図柄を変動表示する図柄表示装置としての大物図柄表示装置42とが設けられている。小物図柄表示装置41は、普通図柄用の表示部43と保留ランプ44とを有し、遊技球が小物門34を通過する毎に、表示部43において表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に大物口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球の小物門34の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44に点灯表示される。なお、普通図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部43において複数のランプの点灯を切り換えることにより行うものの他、大物図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ44の点灯についても、大物図柄表示装置42の一部で行うようにしても良い。
【0036】
大物図柄表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述する表示制御装置45によって表示内容が制御される。大物図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして大物図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお、本実施の形態では、大物図柄表示装置42は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット35には、この大物図柄表示装置42を囲むようにして、センターフレーム47が配設されている。
【0037】
可変入賞装置32は、その中央部に横長矩形状に形成された大入賞口を備えている。大入賞口は、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっており、遊技状態が大当たり状態となった場合に、遊技球が入賞しやすい開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。詳しくは、大物口33に遊技球が入賞すると(始動入賞)、大物図柄表示装置42で図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったことを必要条件に特別遊技状態(大当たり状態)が発生する。特別遊技状態が発生(大当たり状態へ遷移)すると、可変入賞装置32の大入賞口が、遊技球が入賞しやすい状態、即ち所定の開状態となるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される(開状態となる)。
【0038】
遊技球が大物口33を通過した回数は最大4回まで保留され(変動表示の保留、作動保留球の発生)、その保留回数(作動保留球数N)が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。この保留ランプ46は、最大保留数分の4つ設けられ、大物図柄表示装置42の上方にバランス良く配設されている。なお、保留ランプ46を削除して、その点灯を、大物図柄表示装置42の一部で行うようにしても良い。
【0039】
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて遊技領域に案内される。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール部51と外レール取付部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されると共に、外レール取付部52は、その一部(主に左側部)が内レール部51に向かい合うようにして形成されている。これら内レール部51と外レール取付部52とにより誘導レールが構成され、この内レール部51と外レール取付部52とが所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、即ち手前側を開放した溝状に形成されている。
【0040】
内レール部51の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール取付部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図5の右上部:外レール取付部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって、勢いが減衰されて跳ね返される。外レール取付部52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状のステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
【0041】
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。更に、本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、即ち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
【0042】
内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路の入口には、その球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図4参照)へ導くためのものである。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられており、この貼着スペースK1,K2を確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。このように、遊技盤30自体に証紙等の貼着スペースK1,K2を設けているので、証紙を遊技盤30に直接貼付することにより、その証紙により遊技盤30を一義的に特定することができる。即ち、遊技盤の不正な交換を容易に発見することができる。
【0043】
従来のパチンコ機では、レールは遊技盤に直接打ち込まれていた。しかし、上述するように本実施の形態のパチンコ機10では、レールユニット50は、フランジ56にネジ等が挿通されて遊技盤30に締結されている。即ち、本実施の形態では、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成しているので、レールを遊技盤に直接打ち込むことができない。故に、レールユニット50をフランジ56と共に樹脂で一体成形し、このフランジ56をネジ止め等して遊技盤30に締結している。かかる構成を採用した本実施の形態によれば、廃棄時にレールユニット50を遊技盤30から容易に取り外すことができるので、樹脂成形されるレールユニット50を容易にリサイクルすることができる。なお、遊技球の発射を安定して行わせるために、遊技球の発射側のレールユニット50は、より多くのネジにより他のレールユニット50の部分に増してしっかりと固定されている。このレールユニット50を構成する樹脂材料としては、摩擦抵抗の小さいフッ素入りのポリカーボネートが好適である。
【0044】
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部に略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール取付部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール取付部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
【0045】
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール部51及び外レール取付部52によって囲まれる領域のうち、内レール部51及び外レール取付部52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール取付部52によってではなく内レール部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール取付部52によって特定される。従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
【0046】
ここで、遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更に460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。即ち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更には460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。即ち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
【0047】
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。更に好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。更には、80%以上であってもよい。
【0048】
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
【0049】
なお、可変表示装置ユニット35の両側に位置する小物門34は、該小物門34を通過した遊技球が遊技領域の中央へ寄せられる案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張された構成でも、遊技球を遊技領域中央の大物口33や可変入賞装置32の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞し難くなることによる興趣の低下を抑制することができる。更には、遊技領域が左右方向に拡張されているので、風車、小物門34、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができる。また、遊技領域が上下方向にも拡張されているので、更に風車、小物門34、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができる。
【0050】
図4に戻って説明する。前記樹脂ベース20において、窓孔21の下方(遊技盤30の下方)には、遊技球発射装置より発射された直後の遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後、前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて遊技領域に案内される。
【0051】
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないので、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くすると共に発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(即ち発射レール61を立ち上げるようにし)、更に発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保している。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合、特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
【0052】
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間が形成され、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15へ排出される。本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール61の先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
【0053】
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール取付部52に沿って流れ、外レール取付部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内される。よって、ファール球と次に発射される遊技球との干渉を抑制することができる。
【0054】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側とにそれぞれガイド部材65,66を設置したので、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球は常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作を実現できる。
【0055】
また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。この打球槌に関しては軽量化が望まれているので、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなる。
【0056】
排出口67は上皿19に通じており、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される(払い出される)。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられており、前面枠セット14を開放した状態(図4の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67を閉鎖するように構成されている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図3参照)によりシャッタ68が押し開けられるように構成されている。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
【0057】
図4に示すように、樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部の貼着スペースK1に張られたシール等は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
【0058】
図4における内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。また、前面枠セット14の図6の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図4参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14を開閉可能に装着することができる。更に、支持金具81の支持孔83は切欠を有し、且つ図6に図示する通り支持金具151の下端部は細く形成されているので、支持金具151を支持孔83から完全に抜かなくても、支持金具151の細い部分を支持孔83の切欠に通すことによって前面枠セット14を内枠12(パチンコ機10)から容易に取り外すことができる。
【0059】
次に、図2及び図6を参照して、前面枠セット14について説明する。図6は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には、遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。この窓部101の略中央部を直線状に形成してもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール取付部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35を比較的上方に配置することができる。なお、前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、更に望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
【0060】
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図6では右側に示されている)、即ち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図2及び図4を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール取付部52の左端部はもちろん、内レール部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール取付部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
【0061】
加えて、前面枠セット14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり状態において点灯や点滅を行って、大当たり中(大当たり状態)であることを報知する。更に、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
【0062】
本実施の形態のパチンコ機10では、上記したように、島管理装置550からの信号を受信すると、この中央電飾部103と環状電飾部102とを発光させる。そして、この発光を大当たり状態へ遷移することを示唆する示唆演出としている。
【0063】
また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。環状電飾部102が手前に凸に形成されているのに対し、小窓107は平らに形成されている。前述した通り、小窓107の背面には、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられているので、そこに貼着されたシール等の内容を、スキャナなどの読み取り装置によって光学的に読み取り可能とするために平らにされているのである。また、小窓107部分を平らに形成することによって、2台のパチンコ機10間に配設される球貸機(図示せず)の貸し球レールがパチンコ機10から遊技者側へ出っ張らないようにして、球貸機を配設することができる。
【0064】
窓部101の下方には貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には、球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化を図ることができる。
【0065】
図6に示すように、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図6の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。この樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134が前面枠セット14にて環状にループ接続されるのを防いでいる。金属製の補強板131〜134が環状にループ接続されていると、遊技球の発射動作に伴う電磁ノイズが遊技盤30の前面に配設された前面枠セット14の周囲をループし、遊技盤30に悪影響を及ぼして、パチンコ機10の誤動作を誘発するが、本実施の形態のパチンコ機10では、樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134の環状接続を回避しているので、かかるノイズの悪影響を抑制することができる。なお、金属製の補強板131〜134の一部に樹脂パーツ135を使用することによる強度の低下は、その樹脂パーツ135にリブを設けたり、樹脂パーツ135の厚さを増して、補っている。
【0066】
図6の右側の補強板131には、その中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図4参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりを防止することができる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等を抑制することができる。
【0067】
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図4参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となって、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないように機能している。
【0068】
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着される。
【0069】
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内レール部51及び外レール取付部52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
【0070】
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うように前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
【0071】
また、レールカバー140の右端部(即ち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図6の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
【0072】
更に、レールカバー140には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図6の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた場合には、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良い。かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させ難くなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
【0073】
次に、図7から図12を参照して、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図7はパチンコ機10の背面図であり、図8はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示した分解斜視図である。図9は、パチンコ機10裏面における第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203の配置を示す模式図であり、図10は、内枠12及び遊技盤30の構成を示す背面図である。図11は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図12は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。
【0074】
先ずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、更に、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称する。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成について後述する。
【0075】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、更にこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0076】
実際には、図9の概略図に示すように、各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお、図9において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
【0077】
第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1の軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
【0078】
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4の軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
【0079】
更に、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
【0080】
各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
【0081】
一方、図10は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態を示す背面図である。また、図11は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図12は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図10〜図12を用いて、内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
【0082】
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替え可能に構成されている。図10は、係止固定具211,212がロック位置にある状態を示している。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は、金属片を折り曲げ形成したL型の金具で構成され、遊技盤30を固定した状態では内枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具で構成される。
【0083】
遊技盤30の中央には、可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図5参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる大物図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
【0084】
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、大物口33(それぞれ図5参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10の外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図10に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、更に排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図4参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10の外部に排出される。
【0085】
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤30の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
【0086】
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられているので、上皿19に至る球排出口(図3の球通路樋69)より針金等を差し込み、更にその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機10の前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
【0087】
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などへの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222とカウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は入賞球をカウントするスイッチである。また、大物口33に対応する位置には作動口スイッチ224が設けられ、小物門34に対応する位置にはゲートスイッチ225が設けられている。
【0088】
入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、更にこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、更にこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置261に接続されている。
【0089】
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導くための入賞球振分板ソレノイドが設けられ、大物口33には、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。なお、図10において、パチンコ機10の裏面左下方部には打球槌等を備えるセットハンドル228が配設され、その右横には発射モータ229が配設されている。
【0090】
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(即ち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
【0091】
裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部には上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)232が設けられ、同左上部には係止爪片233が設けられている。
【0092】
内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12の右端部には、図13に示す長尺状の支持金具235が取り付けられている。図13に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット202用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット203用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット202用の支持金具と裏パックユニット203用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
【0093】
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。即ち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
【0094】
次に、図14〜図17を参照して、第1制御基板ユニット201を説明する。図14は第1制御基板ユニット201の正面図であり、図15は同ユニット201の斜視図であり、図16は同ユニット201の分解斜視図であり、図17は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
【0095】
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、遊技プログラムを記憶したROMと、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAMとを備え主たる制御を司るMPU(MPU501)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
【0096】
封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図15等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結される。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。即ち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0097】
また、音声ランプ制御装置262は、ROMとRAMとを備え、例えば主制御装置261又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るMPUや、その他、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力される。
【0098】
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
【0099】
一方の基板搭載面252上には、主制御装置261が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上には、音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置される。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているので、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図15等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できると共に、各制御装置を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
【0100】
図16及び図17に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合を回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
【0101】
取付台251には、図15等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図10等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図10等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図10等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、支持金具231及び支軸256が前記図9の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
【0102】
尚、第1制御基板ユニット201を説明する各図において、図示を省略しているが、第1制御基板ユニット201には、主制御装置261と音声ランプ制御装置262以外に、通信制御装置155が備えられている。
【0103】
次に、図18〜図20を参照して、第2制御基板ユニット202を説明する。図18は第2制御基板ユニット202の正面図であり、図19は同ユニット202の斜視図であり、図20は同ユニット202の分解斜視図である。
【0104】
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機10の前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
【0105】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
【0106】
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ358a部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータ358aが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
【0107】
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されるので、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
【0108】
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
【0109】
また、取付台301には、図18等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図10等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図10等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図9の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
【0110】
次に、図21及び図22を参照して、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、図21はパチンコ機10の背面から見た裏パックユニット203の背面図を示しており、図22はその分解斜視図を示している。
【0111】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
【0112】
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。即ち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、更にタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図22に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
【0113】
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際には、バイブレータ360を駆動することによって球詰まりを解消できるようになっている。このバイブレータ360は、ユニット化されているので、タンクレール356へ容易に取り付けることができる。
【0114】
図23を参照してタンクレール356の構成ついて詳述すると、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355から落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
【0115】
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、更にその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消される。なお、レール本体361は、黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
【0116】
図21及び図22に戻って説明する。払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0117】
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0118】
また、裏パック351には、図21等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図10等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図10等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図10等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。固定具242及び係止孔387の部分にナイラッチを使用しないのは、図21における係止孔387の左隣に遊技球を貯留するタンク355が設けられるので、この部分を強固に固定するためである。固定具242の固定時には、図10等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図9の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
【0119】
次に、図24を参照して、本遊技システム1の電気的構成について説明する。本遊技システム1には、複数のパチンコ機10とその複数のパチンコ機10に接続される島管理装置550とが備えられている。まず、パチンコ機1の電気的構成について説明する。
【0120】
主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0121】
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
【0122】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込処理(図37参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図29参照)において実行される。なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
【0123】
更に、RAM503には、通信制御装置155へ出力するデータを一時的に記憶するための通信バッファ503bが備えられている。本実施の形態の遊技システム1においては、遊技球の大物口33への入賞(始動入賞)に基づいて実行される遊技が大当たり状態(始動入賞を契機として読取られた(抽選された)大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりを示す値)であると、大当たり発生情報を島管理装置550に出力する必要がある。また、各パチンコ機10の遊技状態は、島管理装置550において管理されるようになっているので、パチンコ機の遊技状態を示す情報を島管理装置550に出力する必要がある。
【0124】
遊技状態や大当たり発生情報の発生は、主制御装置261において実行される処理においてMPU501に認識される。認識された遊技状態に対応する情報または大当たり発生情報は、主制御装置261から通信制御装置155へと出力するべく、この通信バッファ503bに書込まれる(図33大物図柄変動処理(S205)および図36始動入賞処理(S604)参照)。通信バッファ503bに書込まれた情報は、4ms毎に実行される次の通常処理の外部出力処理(S201)において、通信制御装置155へ出力される。
【0125】
また、RAM503には、大当たり状態フラグ503cが設けられている。大当たり状態フラグ503cは、パチンコ機10の遊技状態が大当たり状態にあることを示すフラグであり、大当たり状態が開始されるとオンされ、大当たり状態が終了するとオフされる。
【0126】
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45や、通信制御装置155、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
【0127】
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0128】
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
【0129】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
【0130】
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0131】
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
【0132】
通信制御装置155は、パチンコ機10と島管理装置550との間で情報の送受信を実行するための装置である。演算装置であるMPU156は、そのMPU156により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM157と、ワークメモリ等として使用されるRAM158とを備えている。
【0133】
主制御装置261から送信された情報がこの通信制御装置155に受信されると、受信された情報は、島管理装置550へと送信される。また、島管理装置550から送信された情報(信号)が、この通信制御装置155に受信されると、表示制御装置45に通知ランプ動作コマンドが出力される。表示制御装置45では、この通知ランプ動作コマンドの受信を契機として、音声ランプ制御装置262に、中央電飾部103および環状電飾部102を発光させることを指示する。
【0134】
通信制御装置155のMPU156には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン159を介して入出力ポート160が接続されている。入出力ポート160には、インターフェース161が接続されている。インターフェース161は、異なる装置間の電気的な接点の規格である。このインターフェース261を介して、通信制御装置155(パチンコ機10)と、島管理装置550とは、通信を実行することができるように電気的に接続される。また入出力ポート160には、インターフェース161以外に、主制御装置261と表示制御装置45とが接続されている。
【0135】
表示制御装置45は、小物図柄表示装置41における小物図柄(普通図柄)の変動表示と、大物図柄表示装置42における大物図柄(特別図柄)の変動表示とを制御するものである。表示制御装置45は、MPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御装置261の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、MPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には、小物図柄表示装置41が接続されている。更に、出力ポート528の出力側には、中央電飾部103や環状電飾部102などを制御する音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には大物図柄表示装置42が接続されている。
【0136】
表示制御装置45のMPU521は、主制御装置261から送信される図柄表示コマンドに基づいて小物図柄表示装置41及び大物図柄表示装置42の表示を制御する。ROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
【0137】
ビデオRAM524は、大物図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、大物図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、大物図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して大物図柄表示装置42に表示させるものである。
【0138】
更に、表示制御装置45のMPU521は、通信制御装置155から送信される通知ランプ動作コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置262に、中央電飾部103および環状電飾部102を発光させることを指示する通知ランプ出力コマンドを送信する。音声ランプ制御装置262では、通知ランプ出力コマンドを受信すると、中央電飾部103および環状電飾部102を所定時間(本実施の形態においては10秒間)発光させる。
【0139】
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323を有するRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては、払出制御装置311を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
【0140】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
【0141】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323が押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
【0142】
ここで、図26を参照して、大物図柄表示装置42の表示内容について説明する。大物図柄表示装置42には、左・中・右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成され、これら各主図柄及び副図柄がそれぞれ大物図柄を構成している。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。即ち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の大物図柄が設けられ、各図柄列毎に20個の大物図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示される。特に、左図柄列においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列及び右図柄列においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。大物図柄表示装置42には、各図柄列毎に上・中・下の3段に大物図柄が表示される。従って、大物図柄表示装置42には、3段×3列の計9個の大物図柄が表示される。また、大物図柄表示装置42には、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして、大当たり動画が表示される。
【0143】
次に、上記のように構成されたパチンコ機10に接続される島管理装置550の電気的構成を、図25のブロック図を参照して説明する。島管理装置550は、接続されるパチンコ機10の状態を管理すると共に、大当たり発生情報を受信すると、パチンコ機10において示唆演出(中央電飾部103、環状電飾部102を発光させる)を実行するか否かを決定し、また、大当たり発生情報送信元以外に示唆演出を実行させるパチンコ機10を選定する処理を実行する装置である。言い換えれば、パチンコ機10に示唆演出の実行を指示するものである。
【0144】
この島管理装置550は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU551が搭載されている。MPU551には、該MPU551により実行される各種の制御プログラムの一部や固定値データを記憶したROM552と、そのROM552内に記憶される制御プログラムや後述するハードディスク557に記憶されている制御プログラム557aの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM553とが、内蔵されている。
【0145】
RAM553には、受信バッファ553a、送信バッファ553b、待機フラグ553c、実行抽選カウンタ553d、台抽選カウンタ553e、遅延時間カウンタ553f、パチンコ情報メモリ553gが備えられている。受信バッファ553aは、各パチンコ機10からの受信情報を一時的に記憶するためのメモリである。島管理装置550には、複数のパチンコ機10が接続されているので、各パチンコ機10からの情報受信が頻繁に実行される。情報の受信速度はMPU551の処理速度に比べて遅いので、情報受信を実行しつつ、その受信情報に基づいた処理をMPU551に実行させると、受信の処理が影響し、MPU551の処理効率が低下する。そこで、この受信バッファ553aに、一旦、受信情報を書き込むことにより、MPU551に受信情報の処理を効率的に実行させることができる。受信バッファ553aに記憶された情報は、その情報に基づいた処理が実行された後、この受信バッファ553aから消去される。
【0146】
送信バッファ553bは、島管理装置550からランプ出力信号を送信するパチンコ機10の台番号を一時的に記憶するためのメモリである。島管理装置550は、断続的に実行される情報受信の合間に情報送信を実行する必要がある。このため、MPU551は、ランプ出力信号を送信するパチンコ機10の台番号を一旦送信バッファ553bに記憶させておき、情報を送信し得るタイミングが到来した際に、この送信バッファ553bに記憶される台番号に対応するパチンコ機10へランプ出力信号を出力する。記憶された台番号は、ランプ出力信号の出力を契機としてこの送信バッファ553bから消去される。
【0147】
待機フラグ553cは、ランプ出力信号を出力するための処理を禁止するフラグである。この待機フラグ553cは、1のパチンコ機10からの大当たり発生情報を受信することにより(信号出力までの遅延時間が決定されると)オンされる。オンされた待機フラグ553cは、ランプ出力信号の出力後にパチンコ機10における示唆演出の演出時間(略10秒)が経過することを契機として、または、ランプ出力信号の出力中止によりオフされる。
【0148】
待機フラグ553cがオンである場合には、MPU551は、パチンコ機1から大当たり発生情報を受信しても、大当たり発生情報に基づいて実行される処理を非実行とする。このため、先に受信した大当たり発生情報に基づいてパチンコ機10にランプ出力信号が出力されると、出力先のパチンコ機10において該ランプ出力信号に基づいた示唆演出が終了するまで、他のパチンコ機10においてランプ出力信号に基づく示唆演出は実行されない。
【0149】
ランプ出力信号に基づく(大当たり発生情報に基づく)示唆演出の実行は、示唆演出が実行された4台のパチンコ機10(1の大当たり発生情報に基づいて示唆演出の実行される1グループ)の内、少なくともいずれか1のパチンコ機10が大当たり状態に遷移することを示唆(通知)するものである。故に、遊技者は、自己の遊技するパチンコ機10以外に、大当たり状態に遷移することが示唆されているパチンコ機10、即ち、中央電飾部103及び環状電飾部102での演出が実行されているパチンコ機10に強く関心を寄せることとなる。遊技者は、該示唆演出中の他のパチンコ機10に大当たりが発生すると、ハズレ(ハズレである可能性が高いこと)を認識する。
【0150】
島管理装置550が、次々に、大当たり発生情報に基づいて、ランプ出力信号を出力してしまうと、複数のグループが入り乱れた示唆演出が実行される。このため、遊技者は、自己のパチンコ機10と関連して示唆演出が実行されているパチンコ機10の判別ができない。しかし、本実施の形態の遊技システム1においては、1の大当たり発生情報に基づいたランプ出力信号が出力されると、出力先のパチンコ機10において該ランプ出力信号に基づく示唆演出が終了するまで、島管理装置550から新たにランプ出力信号が出力されることはない。故に、遊技者は、自己のパチンコ機10と同様に示唆演出が実行されているパチンコ機10を容易に認識できる。
【0151】
実行抽選カウンタ553dは、大当たり発生情報を受信した場合に、その受信した大当たり発生情報に基づくランプ出力信号の出力を実行するか否かを抽選するカウンタである。この実行抽選カウンタ553dは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。例えば、実行抽選カウンタ553dは、0〜3の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(3)に達した後0に戻る構成となっており、信号出力の実行を決定するカウンタの値は、「0」である。
【0152】
この実行抽選カウンタ553dは、島管理装置550におけるメイン処理の各処理において更新される。MPU551は、大当たり発生情報を受信すると、この実行抽選カウンタ553dのカウンタ値を読み取り、ランプ出力信号を出力するか否かを決定する。尚、この実行抽選カウンタ553dのカウンタ値に基づくランプ出力信号の出力決定は、ランプ出力信号出力の条件の1つである。このため、他の条件(例えば、待機フラグ553cのオフなど)が満足されない場合には、実行抽選カウンタ553dにより、ランプ出力信号の出力が決定されても、ランプ出力信号は非出力となる。
【0153】
台抽選カウンタ553eは、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10以外に、ランプ出力信号を出力する台を決定するためのカウンタである。本実施の形態においては、受信した大当たり発生情報に基づいて示唆演出が実行されるパチンコ機10は、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10と、それ以外の3つのパチンコ機10との合計4台とされている。台抽選カウンタ553eは、かかる3つ(大当たり発生情報送信元のパチンコ機10以外)のパチンコ機10を選択するためのカウンタである。
【0154】
この台抽選カウンタ553eは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。台抽選カウンタ553dは、0〜3の範囲内で順に1ずつ加算され、その最大値(3)に達した後「0」に戻る構成となっている。この最大値は、選択されるパチンコ機10の台数となっている。台抽選カウンタ553eは、島管理装置550におけるメイン処理の各処理において更新される。
【0155】
台抽選カウンタ553eのカウンタ値は、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10の一方側に位置するパチンコ機10の台数を示すものである。尚、本実施の形態においては、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10の左側(台番号の小さい側)の台数を示している。
【0156】
具体的には、カウンタ値が「0」であれば、ランプ出力信号の送信先の4台のパチンコ機10の中で、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10が最左端に位置する。カウンタ値が「1」であれば、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10の左側にランプ出力信号が送信されるパチンコ機10が1台存在するように3台のパチンコ機10が選択される。同様に、カウンタ値が「2」であれば2台のパチンコ機10が、カウンタ値が「3」であれば3台のパチンコ機10が、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10の左側に存在するように3台のパチンコ機10が選択される。
【0157】
この台抽選カウンタ553eは、ランプ出力信号の出力が決定されると、そのカウンタ値がMPU551に読み取られ、3台のパチンコ機10が選定される。故に、大当たり発生情報に基づいて示唆演出が実行される4台のパチンコ機10の中で、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10の位置をランダムに変更することができる。また、選択される3台のパチンコ機10は、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10を基準として選択されることとなるので、その近傍のパチンコ機10が優先的に選択される。このため、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10が固定位置になることを回避でき、遊技者が、大当たり状態に遷移するかを予測することを困難として、いずれかのパチンコ機10が大当たり状態に遷移するまで、期待感をもって遊技を行わせることができる。
【0158】
遅延時間カウンタ553fは、ランプ出力信号の出力する時間を決定するためのカウンタである。遅延時間カウンタ553fは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後、初期値に戻るループカウンタとなっている。遅延時間カウンタ553fは、1〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、その最大値(4)に達した後「1」に戻る構成となっている。この台抽選カウンタ553eは、島管理装置550におけるメイン処理の各処理において更新される。
【0159】
この遅延時間カウンタ553fのカウンタ値は、遅延時間としてタイマ回路554にセットする秒数を示している。カウンタ値が「1」であれば1秒を示し、カウンタ値が「2」であれば2秒を示している。MPU551は、大当たり発生情報を受信すると、この遅延時間カウンタ553fのカウンタ値を読み取り、読み取ったカウンタの値が示す秒数後に、ランプ出力信号を出力するための処理(タイマ処理)を開始する。このため、ランプ出力信号が出力される時間は、少なくとも、この遅延時間後となる(タイマ処理のウェイト)。
【0160】
遅延時間の値は、大当たり発生情報を受信したタイミングで読み取られた遅延時間カウンタ553fのカウンタ値で決定されるので、ランプ出力信号が出力される時間はランダムに設定される。
【0161】
パチンコ情報メモリ553gは、島管理装置550に接続される26台のパチンコ機10のそれぞれに対応して設けられており、各パチンコ機10の遊技状態を記憶するメモリである。このパチンコ情報メモリ553gは、台番号メモリ553g1、大当たりフラグ553g2、保留有フラグ553g3、大当たり中フラグ553g4、確変中フラグ553g5を備えている。
【0162】
台番号メモリ553g1は、各パチンコ機10に付与された台番号を記憶するメモリである。大当たりフラグ553g2は、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10を示すためのフラグである。この大当たりフラグ553g2は、大当たり発生情報を受信すると(遅延時間がタイマ回路554にセットされたタイミングで)、大当たり発生情報送信元に対応するものがオンされる。オンされた大当たりフラグ553g2は、ランプ出力信号の出力を契機として、または、ランプ信号出力のための処理が中止となるとオフされる。
【0163】
保留有フラグ553g3、大当たり中フラグ553g4、確変中フラグ553g5は、それぞれパチンコ機10の状態を示すためのフラグであり、保留有フラグ553g3のオンは、変動表示の実行中であることを示すと共に、パチンコ機10に保留された変動表示が有ることを示すものである。保留有フラグ553g3は、対応するパチンコ機10からの保留有情報の受信によりオンされ、保留無情報の受信によりオフされる。大当たり中フラグ553g4のオンは、パチンコ機10が大当たり状態にあることを示すものである。この大当たり中フラグ553g4は、対応するパチンコ機10からの大当たり開始情報の受信によりオンされ、大当たり終了情報の受信によりオフされる。確変中フラグ553g5のオンは、パチンコ機10がいわゆる確変状態にあることを示すものである。確変中フラグ553g5は、対応するパチンコ機10からの確変確定情報の受信によりオンされ、確変終了情報の受信によりオフされる。
【0164】
MPU551には、タイマ回路554が接続されている。タイマ回路554は、時間を計時するための回路であり、計時する時間は、MPU551によりセットされる。このタイマ回路554に計時させる時間は、1つは、大当たり発生情報を受信した後、ランプ出力信号を出力するための処理(タイマ処理)を開始するまでの遅延時間である。もう1つは、パチンコ機10でランプ出力信号に基づいて実行される示唆演出(大当たり発生情報に基づく示唆演出)の演出時間(10秒)である。
【0165】
遅延時間は、大当たり発生情報を受信したタイミングで遅延時間カウンタ553fのカウンタ値を読み取ることにより決定され、その読み取られたカウンタ値が、このタイマ回路554にセットされる。またランプ出力信号が出力されると、パチンコ機10において示唆演出が開始されるので、その演出時間(10秒)が、タイマ回路554にセットされる。タイマ回路554は、セットされた時間の到来を認識すると、信号をMPU551に入力する。MPU551は、この信号入力を契機として、ウェイト中のタイマ処理を開始する。
【0166】
また、MPU551には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン555を介して入出力ポート556が接続されている。この入出力ポート556には、バスライン555以外に、後述するハードディスク557と接続端子558とが接続されている。
【0167】
ハードディスク557は、電源断後も記憶を保持する大容量の不揮発性のメモリであり、制御プログラム557aを備えている。後述する島管理装置550のメイン処理のプログラム(図44参照)及びタイマ処理のプログラム(図45参照)は、この制御プログラム557aの一部として記憶されている。
【0168】
接続端子558には、島に属する各パチンコ機10のそれぞれを接続するための端子が備えられており、1の端子は、予め定められた1のパチンコ機10を接続するように構成されている。また、各端子のそれぞれは、予め定められた入出力ポート556の1のポートに接続されている。このため、MPU551は、各端子を個別に認識することができ、各端子を、接続されるパチンコ機10の台番号に対応つけて管理している。故に、MPU551は、パチンコ機10からの情報を受信した場合に、情報の入力された端子の位置から、いずれのパチンコ機10からの情報受信かを認識することができ、受信情報をパチンコ機10の台番号に対応つけて管理することができる。また、ランプ出力信号を、送信先のパチンコ機10が接続される端子に出力することにより、目的のパチンコ機10へ送信することができる。
【0169】
次に、本実施の形態の遊技システム1において上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施の形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や大物図柄表示装置42の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図27に示すように、大当たり(大当たり状態への遷移)の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大物図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、大物図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、大物図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。また、小物図柄表示装置41の抽選には小物図柄乱数カウンタC4が用いられる。
【0170】
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、MPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、大物口33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
【0171】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜676)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる(遊技状態を大当たり状態へと遷移させる)乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、大物図柄の組合せが予め定められた確率変動図柄の組合せによって大当たり状態になり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時(確変状態)をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
【0172】
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、大物図柄表示装置42の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、大物図柄表示装置42において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されているので、50個(0〜49)のカウンタ値が用意されている。即ち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
【0173】
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、リーチ乱数カウンタC3=0,1は前後外れリーチに該当し、リーチ乱数カウンタC3=2〜21は前後外れ以外リーチに該当し、リーチ乱数カウンタC3=22〜238は完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、大物図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
【0174】
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
【0175】
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、大物図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
【0176】
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列大物図柄、中列大物図柄、右列大物図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の大物図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
【0177】
本実施の形態では、MPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する。即ち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、大物図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
【0178】
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
【0179】
小物図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。小物図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの小物門(スルーゲート)34を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
【0180】
次に、図29から図37のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子(ノンマスカブル割込端子)への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
【0181】
図35は、タイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置261のMPU501により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S602)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0182】
更に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する(S603)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。その後は、大物口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S604)。
【0183】
図36のフローチャートを参照して、この始動入賞処理を説明する。まず、遊技球が大物口33に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する(S701) 。遊技球が大物口33に入賞したと判別されると(S701:Yes)、大物図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S702)。大物口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S704)。
【0184】
そして、作動保留球数Nが0であるか否かを調べ(S705)、作動保留球数Nが0であれば(S705:Yes)、この始動入賞処理を終了する。また、S705の処理で調べた結果、作動保留球数Nが0でなければ(S705:No)、保留有情報を通信バッファ503bに書込む(S706)。次いで、S704の処理で保留球格納エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値は、大当たりを示す値か否かを確認する(S707)。確認の結果、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりを示す値でなければ(S707:No)、この始動入賞処理を終了する。一方、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりを示す値であれば(S707:Yes)、大当たり発生情報を通信バッファ503bに書込み(S708)、始動入賞処理を終了する。
【0185】
一方、大物口33への入賞がないか(S701:No)、或いは、大物口33への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No)、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理の終了後は、MPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
【0186】
なお、遊技球が大物口33に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後、大物図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値の格納処理(S704)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットする。具体的には、上記始動入賞処理は2ms周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1〜C3の値と共に、RAM503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する大物図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定される。
【0187】
図37は、NMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実行される。このNMI割込処理により、電源遮断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から主制御装置261内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。図37のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
【0188】
NMI割込処理では、まず、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し(S801)、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する(S802)。更に、電源遮断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し(S803)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する(S804)。RAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する(S805)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S806)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
【0189】
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、停電の発生等による電源遮断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から払出制御装置311内のMPU511のNMI端子に出力され、MPU511は実行中の制御を中断して図37のNMI割込処理を開始する。その内容はステップS804の電源遮断通知コマンドの送信を行なわない点を除き上記説明と同様である。
【0190】
図29は、主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する。払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信した後(S102)、RAM503のアクセスを許可する(S103)。
【0191】
その後は、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS114へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503のバックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS114へ移行する。バックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS114へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
【0192】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(S114〜S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(S114〜S116)に移行する。即ち、S114からのRAMの初期化処理では、RAM503の使用領域を0にクリアし(S114)、RAM503の初期値を設定する(S115)。その後、割込みを許可して(S116)、後述する通常処理に移行する。
【0193】
一方、RAM消去スイッチ323がオンされておらず(S104:No)、電源遮断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、復電時の処理では、電源遮断前のスタックポインタを復帰させ(S108)、電源遮断の発生情報をクリアする(S109)。次に、サブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時のコマンドを送信し(S110)、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる(S111)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S112)、割込みが許可状態であれば(S112:Yes)、割込みを許可し(S113)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S112:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
【0194】
次に、図30のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S207の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0195】
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する外部出力処理を実行する(S201)。ここで、図31を参照して、外部出力処理について説明する。外部出力処理では、まず、入賞検知情報の有無を判別し(S221)、入賞検知情報があれば(S221:Yes)、払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する(S222)。一方、入賞検知情報がなければ(S221:No)、S222の処理をスキップして、その処理をS223の処理に移行する。
【0196】
S223の処理では、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示に関するコマンドが設定されているか否かを確認する。そして、かかるコマンドが設定されていると(S223:Yes)、設定されているコマンドの内、予め定められた順に従って、1のコマンドを表示制御装置45に送信する(S224)。
【0197】
変動表示の実行に際しては、停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を設定し、かかるコマンドを表示制御装置45に送信する。なお、大物図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(即ち、4ms毎に1つずつ)コマンドが送信され、変動時間終了のタイミングで確定コマンドが送信されるようになっている。
【0198】
S223の処理で確認した結果、大物図柄の変動表示に関するコマンドが設定されていなければ(S223:No)、S224の処理をスキップして、その処理をS225の処理に移行する。そして、通信バッファ503bに記憶される情報があるか否かを確認する(S225)。その結果、通信バッファ503bに記憶される情報があれば(S225:Yes)、記憶されている情報を通信制御装置155に送信し(S226)、各処理を実行する(S227)。一方、記憶されている情報がなければ(S225:No)、S226の処理をスキップして、各処理を実行する(S227)。その後、この外部出力処理を終了する。尚、この各処理(S227)においては、例えば、出力された情報を「0」クリアする処理などが実行される。
【0199】
外部出力処理の実行後は、変動種別カウンタCS1,CS2の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。更に、外れ図柄カウンタ更新処理により、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する(S203)。
【0200】
ここで、図32を参照して、外れ図柄カウンタ更新処理を説明する。まず、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し(S301)、更新時期であれば(S301:Yes)、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する(S303)。次に、左図柄列の更新時期でなければ(S301:No)、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別し(S302)、更新時期であれば(S302:Yes)、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する(S304)。更に中図柄列の更新時期でなければ(S302:No)、右図柄列の更新時期なので、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する(S305)。
【0201】
上記S303〜S305の各処理における外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新されるので、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新される。
【0202】
その後、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせになっているか否かを判別し(S306)、大当たり図柄の組み合わせであれば(S306:Yes)、そのまま本処理を終了する。大当たり図柄の組み合わせでなければ(S306:No)、リーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し(S307)、リーチ図柄の組み合わせであれば(S307:Yes)、更にそれが前後外れリーチであるか否かを判別する(S308)。前後外れリーチの組み合わせであれば(S308:Yes)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する(S309)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせであれば(S308:No)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する(S310)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせでなく(S306:No)、且つリーチ図柄の組み合わせでもなければ(S307:No)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせは外れ図柄の組み合わせになっているので、かかる場合には、その外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の完全外れ図柄バッファに格納する(S311)。
【0203】
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理(S203)の終了後は、図30の通常処理へ戻って、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S204)、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示を行うための大物図柄変動処理を実行する(S205)。この大物図柄変動処理により、大当たり判定や大物図柄の変動パターンの設定などが行われる。なお、大物図柄変動処理の詳細は後述する。
【0204】
大物図柄変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置32の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する(S206) 。即ち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
【0205】
次に、小物図柄表示装置41による小物図柄(例えば「○」又は「×」の普通図柄)の表示制御を実行する(S207)。簡単に説明すると、遊技球が小物門(スルーゲート)34を通過したことを条件に、その都度の小物図柄乱数カウンタC4の値が取得されると共に小物図柄表示装置41の表示部43にて小物図柄の変動表示が実施される。そして、小物図柄乱数カウンタC4の値により小物図柄の抽選が実施され、小物図柄の当たり状態になると、大物口33に付随する電動役物が所定時間開放される。なお説明は省略したが、小物図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図35に示すタイマ割込処理により更新される。
【0206】
その後は、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
【0207】
一方、前回の通常処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまでの、即ち次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。まず、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S209)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。次に、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0208】
ここで、S201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
【0209】
次に、図33及び図34のフローチャートを参照して、大物図柄変動処理(S205)を説明する。大物図柄変動処理では、まず、今現在大当たり中(大当たり状態)であるか否かを判別する(S401)。大当たり中としては、大当たりの際に大物図柄表示装置42で表示される大当たり遊技の最中(可変入賞装置32の大入賞口が、遊技球が入賞しやすい状態、即ち所定の開状態とされる状態)と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
【0210】
大当たり中でなければ(S401:No)、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示中であるか否かを判別し(S402)、大物図柄の変動表示中でなければ(S402:No)、大当たり状態フラグ503cがオンされているか否かを確認する(S403)。ここで、大当たり状態フラグ503cがオフであれば(S403:No)、S404とS405との処理をスキップして、その処理をS406の処理に移行する。一方、大当たり状態フラグ503cがオンであれば(S403:Yes)、大当たり状態が終了したタイミングであるので、大当たり状態フラグ503cをオフし(S404)、大当たり終了情報を通信バッファ503bに書込む(S405)。
【0211】
その後、大物図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S406)。作動保留球数Nが0であれば(S406:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S406:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S407)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S408)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、大物図柄の変動開始処理を実行する(S409)。なお、変動開始処理については後述する。
【0212】
そして、データシフト処理の実行により作動保留球数Nが0となったか否かを確認し(S410)、作動保留球数Nが0であれば(S410:No)、保留中の変動表示ゲームがないことを示しているので、その旨を示す保留無情報を通信バッファ503bに書込んだ後(S411)、一方、作動保留球数Nが0であれば(S410:No)、そのまま、この大物図柄変動処理を終了する。
【0213】
S402の処理において、大物図柄の変動表示中である場合には(S402:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S412)。大物図柄の変動時間はその大物図柄の変動パターンに応じて決められており、この変動時間が経過するまで、S413以降の処理の実行をスキップして(S412:No)、この大物図柄変動処理を終了する。。一方、大物図柄の変動時間が経過すれば(S412:Yes)、停止図柄の確定のために設定されている確定コマンドを設定する(S413)。
【0214】
その後、実行エリアに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりを示す値であるか否かを調べ(S414)、ここで、記憶されている値が大当たりを示す値でなければ(S414:No)、この大物図柄変動処理を終了する。一方、記憶されている値が大当たりを示す値であると(S414:Yes)、実行エリアに記憶されている大当たり図柄カウンタC2の値が確率変動図柄を示す値であるか否かを確認する(S415)。確認の結果、確率変動図柄を示す値が記憶されていれば(S415:Yes)、確変確定情報を通信バッファ503bに書き込む(S416)。本実施の形態においては、確変状態移行後は、確変図柄でない大当たりの発生により、確変状態を終了するものとする。故に、S415の処理で確認した結果、記憶される値が、確率変動図柄を示す値でなければ(S415:No)、確変終了情報を通信バッファ503bに書き込む(S417)。
【0215】
S416、またはS417の処理の後は、大当たり開始情報を通信バッファ503bに書き込み(S418)、大当たり状態フラグ503cをオンして(S419)、この大物図柄変動処理を終了する。
【0216】
この大物図柄変動処理の実行により、パチンコ機10の遊技状態、即ち作動保留球数(未実行の変動表示)の有無、変動表示実行中であるか否か、大当たり状態にあるか否か、確変状態にあるか否かを島管理装置550に出力するべく、通信バッファ503bに書き込むことができる。これにより、島管理装置550に、パチンコ機10の現況の遊技状態を認識させることができる。
【0217】
次に、図34のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(S409)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S501)。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
【0218】
大当たりであると判別された場合(S501:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄を、即ち大当たり図柄を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S502)。このとき、大当たり図柄カウンタC2の数値0〜49は、全5つの有効ライン上における50通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち、予め定められた特定図柄(確変図柄)で揃った場合には以後確変状態に移行するが、予め定められていない特定図柄(非確変図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。
【0219】
次に、大当たり図柄で停止するまでの大物図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S503)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動パターンは、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけでパターン設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値でパターン設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。これは、後述する前後外れリーチ表示、前後外れ以外リーチ表示、完全外れ表示を行なう場合における変動パターンの設定でも同様である。
【0220】
S501の処理で大当たりではないと判別された場合には(S501:No)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し(S504)、リーチ発生の場合には(S504:Yes)、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する(S505)。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
【0221】
前後外れリーチ発生の場合(S505:Yes)、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S506)。また、前後外れリーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S507)。このとき、S503の処理と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。
【0222】
前後外れ以外リーチ発生の場合(S505:No)、RAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S508)。また、前後外れ以外リーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S509)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのはS503の処理と同様である。
【0223】
大当たりでなくリーチでもない場合には(S501:No,S504:No)、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S510)。また、完全外れ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S511)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのはS503の処理と同様である。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のいずれかで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
【0224】
次に、図38を参照して、払出制御装置311内のMPU511により実行される払出制御について説明する。図38は、払出制御装置311のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
【0225】
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、主制御装置261から送信される払出許可コマンドの受信を待機する(S902:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S902:Yes)、RAMアクセスを許可すると共に(S903)、外部割込ベクタの設定を行う(S904)。
【0226】
その後は、MPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し(S905)、オンされていれば(S905:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S905:No)、更にRAM513のバックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S906)、記憶されていなければ(S906:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS915へ移行する。バックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S906:Yes)、RAM判定値を算出し(S907)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S908:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
【0227】
S915からのRAMの初期化処理では、RAM513の使用領域を0にクリアし(S915)、RAM513の初期値を設定する(S916)。その後、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S917)、割込みを許可して(S918)、後述する払出制御処理に移行する。
【0228】
一方、RAM消去スイッチ323が押されておらず(S905:No)、電源遮断の発生情報が設定されており(S906:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S908:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、電源遮断前のスタックポインタを復帰させ(S909)、電源遮断の発生情報をクリアする(S910)。また、MPU511周辺デバイスの初期設定を行い(S911)、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる(S912)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S913)、割込みが許可状態であれば(S913:Yes)、割込みを許可し(S914)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S913:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
【0229】
次に、図39のフローチャートを参照して、払出制御処理を説明する。この払出制御処理は、払出制御装置311のメイン処理に続いて実行される。払出制御処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する(S1001)。発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い(S1002)、状態復帰スイッチ321をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1003)。
【0230】
その後、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1004)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1005)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1006)。
【0231】
次に、S1007〜S1009の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つS1001の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1007:No,S1008:No)、図40に示す賞球制御処理を開始する(S1009)。一方、賞球の払出不可状態(S1007:Yes)または総賞球個数が0であれば(S1008:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
【0232】
S1010〜S1012の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1010:No,S1011:Yes)、図41に示す貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S1010:Yes)または貸球払出要求を受信していなければ(S1011:No)、後続の球抜き処理を実行する(S1013)。なお、貸球制御処理は後述する。
【0233】
球抜き処理(S1013)では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続いて、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する(S1014)。その後は、本払出制御処理の先頭に戻り、以降は前述した処理を繰り返す。
【0234】
図40に示す賞球制御処理を説明する。賞球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1101)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1102)、正常でなければ(S1102:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1103)、その後、図39の払出制御処理に戻る。
【0235】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1102:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1104)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1104:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1105)、その後、図39の払出制御処理に戻る。
【0236】
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1104:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1106)、払出が完了していれば(S1106:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1107)、その後、図39の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1106:No)、そのまま、図39の払出制御処理に戻る。
【0237】
図41に示す貸球制御処理を説明する。貸球制御処理では、まず、払出モータ358aを逆方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1201)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1202)、正常でなければ(S1202:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1203)、その後、図39の払出制御処理に戻る。
【0238】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1202:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1204)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1204:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1205)、その後、図39の払出制御処理に戻る。
【0239】
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1204:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別し(S1206)、払出が完了していれば(S1206:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1207)、その後、図39の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1206:No)、そのまま、図39の払出制御処理に戻る。
【0240】
図42は、通信制御装置155内のMPU156により実行される通信処理を示したフローチャートである。通信処理は、パチンコ機10と島管理装置550との間で情報の送受信を実行するための処理であり、まず、情報の受信であるか否かが確認される(S810)。ここで、情報の受信でなければ(S810:No)、この通信処理を終了し、一方、情報の受信であれば(S810:Yes)、情報送信元装置が何であるかを確認する(S881)。通信制御装置155には、主制御装置261または島管理装置550のいずれかから情報が送信される。ここで、主制御装置261からの情報受信であるか島管理装置からの情報受信であるかは、入出力ポート160における信号の入力位置により判別される。
【0241】
情報送信元装置が、主制御装置261であれば(S811:主制御装置)、受信した情報は、島管理装置550に送信するべき情報である。このため、受信情報を島管理装置に送信し(S812)、この通信処理を終了する。一方、情報送信元装置が、島管理装置550であれば(S811:島管理装置)、受信情報は、ランプ出力信号である。よって、表示制御装置45に通知ランプ動作コマンドを出力し(S813)、この通信処理を終了する。
【0242】
図43は、表示制御装置45内のMPU521により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理では、まず、情報の受信されたか否かを確認し(S820)、受信情報があれば(S820:Yes)、受信情報が通知ランプ動作コマンドであるか否かを確認する(S821)。ここで、受信情報が通知ランプ動作コマンドであれば(S821:Yes)、島管理装置550からの信号受信であることを認識して、中央電飾部103と環状電飾部102との発光を指示する通知ランプ出力コマンドを音声ランプ制御装置262に送信する(S822)。通知ランプ出力コマンドを受信した音声ランプ制御装置262では、中央電飾部103と環状電飾部102とを10秒間発光させる。その後、各処理を実行した後(S823)、その処理をS820の処理に移行する。
【0243】
一方、S820の処理において情報受信でなかった場合(S820:No)には、各処理(S823)に移行して、表示装置41,42を制御するための処理など必要な処理を実行した後、S820の処理に移行して繰り返しS820からS823の処理を実行する。また、S821の処理で確認した結果、受信情報が通知ランプ動作コマンドでなければ(S821:No)、その処理を各処理(S823)に移行して、通知ランプ動作コマンド以外の受信情報に基づく処理を実行し、その後、その処理をS820の処理に移行する。
【0244】
これにより、パチンコ機10では、島管理装置550からのランプ出力信号に基づいて、大当たり状態に遷移することを示唆する示唆演出(中央電飾部103と環状電飾部102との10秒間の発光、大当たり発生情報に基づく示唆演出)が実行される。
【0245】
次に、図44と図45とを参照して、本遊技システム1の島管理装置550にて実行される処理について説明する。
【0246】
図44は、島管理装置550内のMPU551により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理では、各処理を実行した後(S1300)、受信バッファ553aに記憶される情報が何かを確認する(S1301)。ここで、受信バッファ553aに大当たり発生情報が記憶されていると(S1301:大当たり発生情報)、実行抽選カウンタ553dのカウンタ値がランプ出力信号の出力の実行を示す値であるか否かを確認する(S1302)。確認の結果、実行抽選カウンタ553dのカウンタ値がランプ出力信号の出力の実行を示す値(本実施の形態では「0」)であれば(S1302:Yes)、待機フラグ553cがオンされているか否かを確認し(S1303)、オフであれば(S1303:No)、現在、受信済の大当たり発生情報による信号出力のためのウェイト中ではない。故に、遅延時間カウンタ553fのカウンタ値(t)を取得する。このカウンタ値(t)が、受信した大当たり発生情報に基づいて出力するランプ出力信号の出力時間(遅延時間)となる。
【0247】
そして、この取得した遅延時間カウンタ553fのカウンタ値(t)をタイマ回路554にセットして(S1305)、待機フラグ553cをオンし(S1306)、新たに大当たり発生情報を受信しても、その新たに受信した大当たり発生情報に基づいて信号出力のための処理が実行されることを禁止する。その後、パチンコ情報メモリ553gを参照して、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10に対応する大当たりフラグ553g2をオンする(S1307)。
【0248】
また、受信バッファ553aに記憶される情報が大当たり開始情報であると(S1301:大当たり開始情報)、大当たり開始情報送信元のパチンコ機10の台番号に基づいてパチンコ情報メモリ553gを検索し、対応する大当たり中フラグ553g4をオンする(S1308)。
【0249】
更に、受信バッファ553aに記憶される情報が大当たり終了情報であると(S1301:大当たり終了情報)、大当たり終了情報送信元のパチンコ機10の台番号に基づいてパチンコ情報メモリ553gを検索し、対応する大当たり中フラグ553g4をオフする(S1309)。
【0250】
加えて、受信バッファ553aに記憶される情報が確変確定情報であると(S1301:確変確定情報)、確変確定情報送信元のパチンコ機10の台番号に基づいてパチンコ情報メモリ553gを検索し、対応する確変中フラグ553g5をオンする(S1310)。
【0251】
また、受信バッファ553aに記憶される情報が確変終了情報であると(S1301:確変終了情報)、確変終了情報送信元のパチンコ機10の台番号に基づいてパチンコ情報メモリ553gを検索し、対応する確変中フラグ553g5をオフする(S1311)。
【0252】
一方、受信バッファ553aに記憶される情報が保留有情報であると(S1301:保留有情報)、保留有情報送信元のパチンコ機10の台番号に基づいてパチンコ情報メモリ553gを検索し、対応する保留有フラグ553g3をオンする(S1312)。
【0253】
また、受信バッファ553aに記憶される情報が保留無情報であると(S1301:保留無情報)、保留無情報送信元のパチンコ機10の台番号に基づいてパチンコ情報メモリ553gを検索し、対応する保留有フラグ553g3をオフする(S1313)。
【0254】
各受信情報に対応して実行される一連の処理の終了後(S1307,S1308,S1309,S1310,S1311,S1312,S1313の実行後)は、その処理を各処理(S1300)に移行する。各処理では、実行抽選カウンタ553d、台抽選カウンタ553e、遅延時間カウンタ553fの更新処理を実行する。これにより、かかるカウンタ553d〜553fを、一連の処理の終了毎に更新することができ、ランプ出力信号を出力するために実行される処理において、使用するカウンタの値がランダムな値でセットされる。
【0255】
尚、情報が受信されると、受信情報は、直ちに受信バッファ553aに書込まれるが、1のパチンコ機10からの情報は、接続端子558の予め定められた(即ち、台番号に対応する)1の端子に受信される。このため、受信情報を台番号に対応つけて受信バッファ553aに記憶させることができ、その後の処理において、台番号に基づいて対応するパチンコ情報メモリ553gの値を更新することができるのである。
【0256】
図45は、島管理装置550で実行されるタイマ処理を示したフローチャートである。タイマ処理は、タイマ回路554から出力される信号を契機として実行される処理である。タイマ回路554は、図44の島管理装置550のメイン処理においてセットされた遅延時間が経過すると、MPU551に信号を入力する。これにより、MPU551は、ランプ出力信号を出力するための処理、即ちタイマ処理を開始するタイミングが到来したことを認識する(ウェイトの終了)。
【0257】
そして、大当たりフラグ553g2がオンであるパチンコ情報メモリ553gがあるか否かを確認し(S1400)、大当たりフラグ553g2がオンであるメモリがあれば(S1400:Yes)、受信した大当たり発生情報に基づくランプ出力信号は未出力であり、パチンコ機10の現況に応じてランプ出力信号を出力するか否かを決定するS1401以降の処理を実行する。
【0258】
このため、大当たりフラグ553g2がオンされたパチンコ情報メモリ553gの保留有フラグ553g3がオンであるか否かを確認する(S1401)。本実施の形態においては、パチンコ機10が作動保留球を保有していることを大当たり発生情報に基づいた示唆演出の対象としているので、保留有フラグ553g3がオフであれば(S1401:No)、S1402以降の処理をスキップして、その処理をS1413の処理に移行する。一方、保留有フラグ553g3がオンであれば(S1401:Yes)、大当たりフラグ553g2がオンされたパチンコ情報メモリ553gの確変中フラグ553g5がオンであるか否かを確認する(S1402)。
【0259】
本実施の形態では、パチンコ機10が確変状態に無いこと、即ち、通常時(低確率時)を大当たり発生情報に基づいた示唆演出の対象としているので、S1402の処理で確認した結果、大当たりフラグ553g2がオンされたパチンコ情報メモリ553の確変中フラグ553g5がオンであれば(S1402:Yes)、S1403以降の処理をスキップして、その処理をS1413の処理に移行する。また、その確認結果が、確変中フラグ553g5のオフであれば(S1402:No)、大当たりフラグ553g2がオンされたパチンコ情報メモリ553gの大当たり中フラグ553g4がオンであるか否かを確認する(S1403)。
【0260】
本実施の形態では、パチンコ機10が大当たり状態に無いこと(変動表示の実行状態にあること)を大当たり発生情報に基づいた示唆演出の対象としているので、S1403の処理で確認した結果、大当たり中フラグ553g4がオンであれば(S1403:Yes)、S1404以降の処理をスキップして、その処理をS1413の処理に移行する。また、その確認結果が、大当たり中フラグ553g4のオフであれば(S1403:No)、大当たり発生情報に基づいた示唆演出を実行する条件を満足しているので、大当たり発生情報送信元パチンコ機10と共に該示唆演出を実行させる他の3台のパチンコ機10を選択する。この3台のパチンコ機10を選択する処理について、図28を併用して説明する。
【0261】
かかる3台のパチンコ機を選択するために、パチンコ情報メモリ553gを検索し、保留有フラグ553g3がオンで且つ大当たり中フラグ553g4と確変中フラグ553g5とが共にオフであるメモリの台番号を抽出する(S1404)。これにより、島管理装置550に接続される全てのパチンコ機10の中から、作動保留球保を有し、且つ、大当たり状態でも確変状態でもない(稼働中の)パチンコ機10と、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10(例えば図28において台番号12のもの)とが選択される(図28(a)図28(b)参照)。
【0262】
次に、抽出数が4以上あるか否か、即ち、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10以外に、3台以上のパチンコ機10が抽出されたか否かを確認し(S1405)、4に満たなければ(S1405:No)、その処理を各処理(S1413)に移行する。一方、抽出台数が4以上であれば(S1405:Yes)、台抽選カウンタ553eの値(a)を取得する(S1406)。そして、抽出した台番号の内、大当たりフラグ553g2がオンされたパチンコ情報メモリ553gに記憶される台番号から、台番号の小さい側へ台抽選カウンタ553eの値(a)分移動した台番号(X1)を求める(S1407)。例えば、図28(b)に示す抽出状態において、取得した台抽選カウンタ553eの値(a)が1であれば、台番号11が(X1)となる(図28(c)参照)。
【0263】
尚、台番号の大きい側から小さい側へ向かう方向は、実際のパチンコ機10の配置では、台番号の大きい側から小さい側へ向かうUの字方向に沿って、左側へ向かう方向となる。
【0264】
そして、抽出した台番号の内、台番号(X1)を基準として、台番号の大きい側へ3つの台番号(X2〜X4)を選択する(S1408)。これにより、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10と、その近傍に位置する3つのパチンコ機10が選択されることとなる(図28(c)参照)。
【0265】
次に、4つの台番号(X1〜X4)を送信バッファ553bに書込み(S1409)、送信バッファ553bに記憶される台番号(X1〜X4)に対応する接続端子558の各端子へランプ出力信号を出力する(S1410)。これにより、各台番号に対応するパチンコ機10で、大当たり発生情報に基づいた示唆演出、即ち、中央電飾部103と環状電飾部102を10秒間出力する演出が実行される(図28(d)参照)。
【0266】
その後、送信バッファ553bに記憶される台番号を0クリアし(S1411)、10秒をタイマ回路にセットする(S1412)。この10秒は、パチンコ機10で実行される上記の示唆演出の演出時間である。次いで、オンされている大当たりフラグ553g2をオフしてこのタイマ処理を終了する。
【0267】
タイマ回路554は、ランプ出力信号を出力するための処理を開始するタイミングの到来のみを通知するものではなく、受信した大当たり発生情報によるランプ出力信号の出力に関する処理を許可するタイミングの到来についても通知する。つまり、S1412の処理においてセットされた時間が経過する、言い換えれば大当たり発生情報に基づいて実行された示唆演出が終了したタイミングで、MPU551に信号を入力する。これによりタイマ処理が開始されるが、S1400の処理で確認した結果、大当たりフラグ553g2がオンであるメモリがなければ(S1400:No)、MPU551により、大当たり発生情報に基づいて実行された示唆演出の終了が認識され、新たに受信する大当たり発生情報に基づいてランプ出力信号を出力するための処理を許可するために、待機フラグ553cをオフし(S1414)、このタイマ処理を終了する。
【0268】
このように、本実施の形態のパチンコ機10及び遊技システム1によれば、保留中の変動表示に対応して遷移する遊技状態が大当たり状態となることを、遊技者に示唆することができるので、大当たり状態となる期待感を1の変動表示に限られずに、遊技者に持続的に付与する事ができる。また、中央電飾部103と環状電飾部102とによる示唆演出が実行されると、対応するパチンコ機10の内、少なくとも1のパチンコ機10は、確実に大当たり状態へ遷移するので、遊技者に、非常に高い期待感を付与することができる。
【0269】
尚、上記実施の形態において、請求項1記載の遊技機及び後述する遊技機1における検出手段としては、図36のフローチャートのS701の処理が該当する。請求項1記載の遊技機及び後述する遊技機1における動的表示実行手段としては、図33のフローチャートのS401〜S409とS412,S413の処理が該当する。請求項1記載の遊技機及び後述する遊技機1における抽選手段としては、図36のフローチャートのS704の処理とS409の処理とが該当する。請求項1記載の遊技機及び後述する遊技機1における特別情報出力手段としては、図42のフローチャートのS812の処理が該当する。また、請求項1記載の遊技機及び後述する遊技機1における実行前状態記憶手段としては、保留球格納エリアの4つの保留エリアが該当する。
【0270】
請求項4記載の遊技システム及び後述する遊技システム1における検出手段としては、図36のフローチャートのS701の処理が該当する。請求項4記載の遊技システム及び後述する遊技システム1における動的表示実行手段としては、図33のフローチャートのS401〜S409とS412,S413の処理が該当する。請求項4記載の遊技システム及び後述する遊技システム1における抽選手段としては、図36のフローチャートのS704の処理が該当する。請求項4記載の遊技システム及び後述する遊技システム1における特別情報出力手段としては、図42のフローチャートのS812の処理が該当する。請求項4記載の遊技システム及び後述する遊技システム1におけ信号出力手段としては、図45のフローチャートのS1410の処理が該当する。請求項4記載の遊技システム及び後述する遊技システム1における実行前状態記憶手段としては、保留球格納エリアの4つの保留エリアが該当する。
【0271】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0272】
例えば、上記実施の形態では、作動保留球が保有され、且つ、大当たり状態でなく、確変状態にもないパチンコ機10を対象して示唆演出を実行したが、演出を実行させるパチンコ機の条件は、これに限られるものではない。例えば、稼働中もののみならず未稼働のパチンコ機10も示唆演出の対象として選択しても良い。更に、作動保留球Nが複数ある場合に、大当たり発生情報をパチンコ機10から出力するように構成しても良い。また、作動保留球数Nを島管理装置550において管理するように構成し、大当たり発生情報送信元のパチンコ機10と作動保留球数Nが同じものを示唆演出の対象として選択するように構成しても良い。
【0273】
更に、示唆演出を実行するパチンコ機10の台数は4台に限られるものでなく、2台以上のパチンコ機10を選択するものであればよい。また、本実施の形態においては、固定の台数を示唆演出対象のパチンコ機として選択するように構成したが、示唆演出を実行する台数を選択するカウンタを設け、そのカウンタの示す値に基づいて選択される台数、つまりランダムに選択される台数で示唆演出を実行するように構成しても良い。
【0274】
更に、パチンコ機10側においては、ランプの発光による演出のみならず、大物図柄表示装置42を用いた表示による演出や、音声による演出にて、示唆演出を行っても良く、変動表示ゲームの演出と関連性を持たせるように行っても良い。また、同様の示唆演出がいずれのパチンコ機10で行われているかを通知する情報を島管理装置550から、演出対象のパチンコ機10へ送信し、パチンコ機10において、自己のパチンコ機10と関連して示唆演出が実行されているパチンコ機10をより明確に把握できるように、その台番号を表示するようにしても良い。
【0275】
また、本実施の形態においては、パチンコ機10に元々備えられたランプを流用して示唆演出を実行するように構成したが、新たにランプを設けても良い。更に、パチンコ機と示唆演出を実行するランプとは、必ずしも一体で設けられる必要はなく、別体で(別の制御系統で制御されるように)設けても良い。
【0276】
以下に本発明の遊技機と遊技システムおよびそれらの変形例を示す。
【0277】
識別情報を表示する表示装置と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により前記始動条件の成立が検出されると前記表示装置にて動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される動的表示に対応して遷移する遊技状態を抽選する抽選手段と、前記動的表示実行手段により実行される動的表示の内、未実行の動的表示に対応する情報を記憶する実行前状態記憶手段とを備え、その実行前状態記憶手段に先に記憶された情報に基づいた遊技が終了するまで、前記実行前状態記憶手段にその後に記憶された情報に対応する動的表示の実行を保留する遊技機において、前記抽選手段により抽選された遊技状態が前記遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態である場合に、その抽選された特別遊技状態に対応する動的表示が終了する前に、前記特別遊技状態が発生することを示す特別状態発生情報を外部装置に出力する特別情報出力手段と、前記外部装置からの信号を受信する受信手段と、その受信手段により、前記外部装置からの信号を受信すると所定の演出を実行する演出実行手段とを備え、その演出実行手段は、前記特別情報出力手段により出力された特別状態発生情報または他の遊技機からの特別状態発生情報に基づいて前記外部装置から送信される信号が、前記受信手段により受信されると、前記所定の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機1。
【0278】
遊技機1において、前記抽選手段は、前記始動条件成立の検出を契機として、複数の状態情報の中から少なくとも1の状態情報を抽出する状態情報抽出手段を有し、複数の遊技状態の中から、その状態情報抽出手段により抽出される状態情報に応じた遊技状態を抽選するものであり、その状態情報抽出手段により抽出された状態情報を、対応する動的表示の実行前に、未実行の動的表示に対応する情報として前記実行前状態記憶手段に書込む状態情報書込手段と、その状態情報書込手段により書込まれる状態情報が、前記特別遊技状態に対応する特別遊技状態情報であるか否かを判断する判断手段とを備え、前記特別情報出力手段は、その判断手段により前記状態情報抽出手段により抽出された状態情報が特別遊技状態情報であると判断されると、前記特別状態発生情報を前記外部装置に出力するものであることを特徴とする遊技機2。
【0279】
始動条件成立の検出を契機として抽出される状態情報が、特別遊技情報であるか否かを判断し、その判断結果が特別遊技情報であると特別状態発生情報を外部装置に出力することができる。つまり、始動条件が成立すると直ちに(実行前状態記憶手段に先に記憶された情報に基づく遊技の終了前であっても)、遷移する遊技状態が特別遊技状態であるか否かを認識し、その遊技状態へ遷移する動的表示の実行前に、特別状態発生情報を外部装置に出力することができる。故に、出力した特別状態発生情報に基づく外部装置からの信号を、対応する動的表示の実行前の早い時期に受信し得る。これによれば、特別遊技状態に対応する動的表示のみならず、その動的表示に至るまでの他の動的表示において所定の演出を実行するといった、所定の演出の実行タイミングを多様化することができ、遊技者にさまざまな状況下で期待感を付与することができる。
【0280】
また、特別遊技状態に対応する動的表示のみならず、その動的表示に至るまでに実行される他の動的表示の内容を、遊技者の期待感を高めるような演出(リーチの発生する演出など)に変更することを容易とし、特別遊技状態となる期待感を遊技者に強く与えることができる。
【0281】
尚、状態情報抽出手段としては、例えば、予め所定の数値範囲において更新されるカウンタや、カウンタを更新する更新手段、更には、かかるカウンタの値を始動条件の成立を契機として取得する(取得する値は乱数値となる)取得手段などにより構成する手段が例示され、かかる場合の状態情報は、取得される乱数値が該当する。
【0282】
遊技機1または2において、前記特別情報出力手段は、遊技機の現況状態が所定の条件を満足していると前記特別状態発生情報を出力するものであることを特徴とする遊技機3。遊技機の現況状態が所定の条件を満足している場合に、特別状態発生情報を出力すれば、遊技状態が特別遊技状態となる全ての場合に特別状態発生情報が出力されるといった事態を回避でき、所定の演出の新鮮さを保持することができる。抽選手段により抽選された遊技状態が特別遊技状態である全ての場合に特別状態発生情報を出力すると、頻繁に、外部装置からの信号が送信されて、所定の演出が実行されることとなる。頻繁に同様の演出が行われると、かかる演出に遊技者が慣れてしまい、演出が実行されても遊技者の注意を引きつけることが困難となりかねない。しかし、遊技機の現況状態が所定の条件を満足している場合に、特別状態発生情報を出力すれば、所定の演出の実行によって、遊技者に期待感を付与し得、その興趣を向上させることができる。
【0283】
尚、所定の条件としては、例えば、遊技機の遊技状態が動的表示の実行中である(遊技者に所定の遊技価値が付与される状態でない、即ち、大当たり状態でない)ことや、特別遊技状態への遷移確率が低い状態など(いわゆる確変状態にない)ことなどが例示される。
【0284】
遊技状態が特別遊技状態にあると、遊技者の気分は高揚していることが多いので、所定の演出の実行が実行されても、それ以上の興趣を付与することができない。つまり、所定の演出を実行して特別遊技状態になることを示唆しても、遊技者の興趣を高める効果に乏しい。また、いわゆる確変状態にあると、遊技者は、特別遊技状態に遷移しやすい状態であることを認識していることが多いので、同様に、所定の演出を実行しても遊技者の興趣を高める効果に乏しい。故に、所定の条件を満足している場合に、特別状態発生情報を外部装置に出力することにより、(その効果が希薄な)無駄になる演出が実行されることを回避し、且つ、所定の演出が実行される場合の演出効果を増大させることができる。
【0285】
遊技機3において、前記所定の条件は、特別遊技状態への遷移に対応する動的表示に対応する情報以外に、未実行の動的表示に対応する情報が前記実行前状態記憶手段に記憶されていることとされていることを特徴とする遊技機4。このため、複数の動的表示が保留されている状態において、特別状態発生情報を外部装置に出力することができ、外部装置から信号を受信した際に、実行中(保留中)の動的表示がないという事態を回避できる。遊技機では、内部的な制御に基づいて、次々に動的表示が実行される。このため、特別状態発生情報出力時における動的表示の保留状態(実行状態)と、外部装置からの信号受信時における動的表示の保留状態(実行状態)とは異なることが多い。ここで、特別遊技状態への遷移に対応する動的表示に対応する情報以外に、未実行の動的表示に対応する情報が前記実行前状態記憶手段に記憶されている状態を特別状態発生情報出力の条件とすれば、外部装置からの信号受信時において、保留された動的表示を有する確実性を向上させることができる。故に、演出実行手段により実行される所定の演出が、保留中の動的表示に対応するものであることを明確にでき、演出の意図を遊技者に認識させやすくすることができる。
【0286】
遊技機1から4のいずれかにおいて、遊技機の現況状態を示す現況情報を前記外部装置に出力する現況情報出力手段を備えていることを特徴とする遊技機5。遊技機から現況情報を外部装置に送信すると、外部装置に、その現況情報を管理させることができる。
【0287】
外部装置が多数の遊技機に接続されている場合には、外部装置からの信号出力のパターンにより、複数の遊技機で(おおよそ同じタイミングで)所定の演出を実行させるなど、多様な演出が実行され得る。かかる場合に、特別情報出力手段が、遊技機の現況状態が所定の条件を満足していると特別状態発生情報を出力するものであれば、特別状態発生情報出力元の遊技機では、その現況状態が所定条件を満足した状態において、演出実行手段による所定の演出が実行される。一方で、特別状態発生情報出力元以外の遊技機においては、未実行の動的表示が遷移する遊技状態は必ずしも特別遊技状態ではない。このため、演出実行手段により所定の演出が実行される場合に、その遊技機の現況状態が所定の条件を満足しない状態であると、該所定の演出はダミーの演出であり特別遊技状態に遷移しないことが、遊技者に露呈しかねない。
【0288】
しかし、遊技機から外部装置に遊技機の現況情報が送信されていると、該現況情報を参照させることにより、外部装置に無造作に遊技機を選択させるので無く、現況状態が所定の条件を満足している遊技機を信号出力先として選択させることができ、かかる不具合を回避できる。
【0289】
尚、現況情報とは、現在の遊技機の状態(現況状態)を示す情報であって、例えば、実行中の遊技の遊技状態を示す情報や、保留中の遊技(動的表示)に関する情報、更には遊技機の稼働状態などを示す情報である。
【0290】
遊技機5において、前記現況情報出力手段は、前記実行前状態記憶手段に未実行の動的表示に対応する情報が記憶されると記憶有情報を出力し、且つ、前記実行前状態記憶手段に記憶された前記情報に対応する動的表示が実行されることにより該情報が前記実行前状態記憶手段に非記憶状態となると、記憶更新情報を出力することによって未実行の動的表示の数を示す動的表示保留情報を現況情報として前記外部装置に出力する保留情報出力手段を備えていることを特徴とする遊技機6。
【0291】
実行前状態記憶手段は、未実行の動的表示に対応する情報を記憶するものである。故に、実行前状態記憶手段に記憶された情報は、対応する動的表示が実行されることにより非記憶状態とされる。故に、この実行前状態記憶手段の記憶状態の変化により、未実行の動的表示の数を示すことができる。
【0292】
そして、未実行の動的表示の数を示す動的表示保留情報を現況情報として外部装置に出力することにより、(遊技が実行されることにより)頻繁に変動する未実行の動的表示の数、即ち保留中の動的表示の数(有無)を、的確に外部装置に認識させることができる。
【0293】
尚、遊技状態の情報が非記憶状態となるとは、未実行の動的表示に対応する情報が実行前状態記憶手段からクリアされることのみならず、実行済であることを示すコードなどを該情報に付すことにより、未実行の動的表示に対応する情報として認識されない状態とすることを意味する。
【0294】
遊技機5または6において、前記現況情報出力手段は、遊技機の現況状態が遊技者に有利な状態にある場合には、遊技者に有利な状態で稼働中であることを示す特別稼働情報を現況情報として前記外部装置に出力する特別稼働情報出力手段を備えていることを特徴とする遊技機7。
【0295】
遊技者に有利な状態で稼働中であることを示す特別稼働情報を現況情報として外部装置に出力することができるので、遊技機の現況状態が遊技者に有利な状態にあることを的確に外部装置に認識させることができる。尚、特別稼働情報は、遊技者に有利な状態の開始と終了とをそれぞれ示す情報によって構成されても良く、開始時に開始情報、終了時に終了情報を出力することにより遊技機が遊技者に有利な状態にあることを外部装置に認識させても良い。また、遊技者に有利な状態の開始時に、その状態の継続時間を外部装置に出力することにより遊技機が遊技者に有利な状態にあることを外部装置に認識させても良い。また、遊技者に有利な状態としては、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態であることや、特別遊技状態に遷移する確率が通常よりも高確率となっている状態などが例示される。
【0296】
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機8。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の出力時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれる情報等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0297】
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機9。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の出力に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0298】
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機10。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0299】
識別情報を表示する表示装置と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により前記始動条件の成立が検出されると前記表示装置にて動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される動的表示に対応して遷移する遊技状態を抽選する抽選手段と、前記動的表示実行手段により実行される動的表示の内、未実行の動的表示に対応する情報を記憶する実行前状態記憶手段とを備え、その実行前状態記憶手段に先に記憶された情報に基づいた遊技が終了するまで、前記実行前状態記憶手段にその後に記憶された情報に対応する動的表示の実行を保留する複数の遊技機と、その複数の遊技機のそれぞれと接続され各遊技機との間で情報の送受信を行う外部装置とを備えたものであり、前記複数の遊技機のそれぞれに対応つけて設けられると共に、前記外部装置により出力される信号に基づいて所定の演出を実行する演出装置を備えており、前記遊技機は、前記抽選手段により抽選された遊技状態が前記遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態である場合に、その抽選された特別遊技状態に対応する動的表示が終了する前に、前記特別遊技状態が発生することを示す特別状態発生情報を前記外部装置に出力する特別情報出力手段を備え、前記外部装置は、前記遊技機の特別情報出力手段により出力された特別状態発生情報を受信すると、特別状態発生情報出力元の前記遊技機を含む複数の遊技機のそれぞれに対応する前記演出装置にて所定の演出を実行させるために信号を出力する信号出力手段とを備えていることを特徴とする遊技システム1。
【0300】
遊技システム1において、前記遊技機の抽選手段は、前記始動条件成立の検出を契機として、複数の状態情報の中から少なくとも1の状態情報を抽出する状態情報抽出手段を有し、複数の遊技状態の中から、その状態情報抽出手段により抽出される状態情報に応じた遊技状態を抽選するものであり、前記遊技機は、その状態情報抽出手段により抽出された状態情報を、対応する動的表示の実行前に、未実行の動的表示に対応する情報として前記実行前状態記憶手段に書込む状態情報書込手段と、その状態情報書込手段により書込まれる状態情報が、前記特別遊技状態に対応する特別遊技状態情報であるか否かを判断する判断手段とを備え、前記遊技機の特別情報出力手段は、その判断手段により前記状態情報抽出手段により抽出された状態情報が特別遊技状態情報であると判断されると、前記特別状態発生情報を前記外部装置に出力するものであることを特徴とする遊技システム2。
【0301】
遊技機は、始動条件成立の検出を契機として抽出される状態情報が、特別遊技情報であるか否かを判断し、その判断結果が特別遊技情報であると特別状態発生情報を外部装置に出力することができる。つまり、始動条件が成立すると直ちに(実行前状態記憶手段に先に記憶された情報に基づく遊技の終了前であっても)、遷移する遊技状態が特別遊技状態であるか否かを認識し、その遊技状態へ遷移する動的表示の実行前に、特別状態発生情報を外部装置に出力することができる。
【0302】
外部装置では、受信した特別状態発生情報に基づいて、その対応する動的表示の実行前の早い時期に信号を出力し得る。このため、遊技機において特別遊技状態に対応する動的表示に至るまでの他の動的表示の実行時にも、演出装置にて所定の演出を実行できる。いいかえれば、所定の演出の実行タイミングを多様化することができ、遊技者にさまざまな状況下で期待感を付与することができる。
【0303】
尚、状態情報抽出手段としては、例えば、予め所定の数値範囲において更新されるカウンタや、カウンタを更新する更新手段、更には、かかるカウンタの値を始動条件の成立を契機として取得する(取得する値は乱数値となる)取得手段などにより構成する手段が例示され、かかる場合の状態情報は、取得される乱数値が該当する。
【0304】
遊技システム2において、前記外部装置は、特別状態発生情報を受信すると前記特別状態発生情報出力元の遊技機とは別の遊技機を選択する遊技機選択手段を備えており、前記信号出力手段は、その遊技機選択手段により選択された遊技機と前記特別状態発生情報出力元の遊技機とに対応する前記演出装置にて所定の演出を実行させるために信号を出力するものであることを特徴とする遊技システム3。
【0305】
遊技機選択手段により選択された遊技機に対応する演出装置において所定の演出を実行することができるので、(いずれかの遊技機を選択することなく)外部装置に接続された遊技機の全てに対応する演出装置にて所定の演出を実行する場合に比べ、より限定的に、所定の演出が実行される。このため、所定の演出の実行により、遊技者に、高確率で特別遊技状態に遷移することを認識させることができ、その興趣を高めることができる。
【0306】
遊技システム3において、前記外部装置は、遅延時間を決定する遅延時間決定手段と、前記特別状態発生情報を受信してからその受信した前記特別状態発生情報に基づいた信号を前記信号出力手段により出力するまでの時間を、前記遅延時間決定手段により決定された遅延時間以上に保つために、前記遅延時間のウェイト処理を実行する計時手段とを備えており、前記信号出力手段は、その計時手段による前記遅延時間のウェイト後に信号を出力するものであることを特徴とする遊技システム4。外部装置は、特別状態発生情報を受信すると、受信した特別状態発生情報に基づいた信号を出力するための処理を実行するが、信号の出力は、直ちには実行されず、遅延時間決定手段により決定される遅延時間分、遅れて出力される。故に、特別状態発生情報出力元の遊技機がいずれの遊技機であるかを、遊技者に認識困難にすることができる。
【0307】
遊技機が、特別状態発生情報の出力を遊技を実行する一連の処理の中で実行すると、同じタイミングで(始動条件成立後に暫時を経て)、特別状態発生情報が出力される。このため、外部装置が、特別状態発生情報に応答して直ちに信号を出力すると、始動条件成立後の僅かなタイムラグを経て、特別状態発生情報出力元の遊技機に対応する演出装置にて所定の演出が実行されてしまう。
【0308】
一方、外部装置は、特別状態発生情報出力元の遊技機以外の遊技機に対応する演出装置においても所定の演出を実行させるために信号を出力する。特別状態発生情報出力元の遊技機以外の遊技機は、必ずしも、特別遊技状態に遷移するものではない。ここで、特別状態発生情報出力元の遊技機でなければ、始動条件成立からの経過時間はまちまちである。その結果、外部装置が、特別状態発生情報に応答して直ちに信号を出力してしまうと、演出装置での所定の演出が開始されるタイミングと始動条件成立のタイミングとから、遊技者に、自己が遊技中の遊技機が、特別状態発生情報出力元の遊技機であるか否かを容易に判別させてしまいかねない。
【0309】
そこで、外部装置を、特別状態発生情報に応答して直ちに信号を出力させるのでなく、遅延時間分、遅れて信号を出力する構成とすることにより、特別状態発生情報出力元の遊技機に対応する演出装置であっても、所定の演出が、始動条件成立後直ちに実行されることがない。このため、所定の演出が実行された場合に、その対応するいずれの遊技機にも特別遊技状態に遷移する可能性があるように見せかけることができ、遊技者の興趣を十分に引き付ける事ができる。
【0310】
遊技システム4において、前記外部装置の遅延時間決定手段は、所定のタイミングで更新される遅延カウンタと、前記特別状態発生情報を受信するとその遅延カウンタの値を読取る読取手段とを備え、その読取手段により読取られた前記遅延カウンタの値に基づいて遅延時間を決定するものであることを特徴とする遊技システム5。始動条件の成立後直ちに(暫時を経て)所定の演出が実行されなくとも、遅延時間が常に一定の時間であると、自己が遊技中の遊技機が特別状態発生情報出力元の遊技機であるか否かを、遊技者に判別させてしまいかねない。遊技者が長時間に渡って遊技を実行すると、遊技に対する経験が積み重ねられ、始動条件成立から演出装置にて所定の演出が開始されるまでのタイミングを、感覚的に把握してしまうことが考えられるからである。
【0311】
しかし、特別状態発生情報を受信したタイミングで読み取った遅延カウンタの値に基づいて遅延時間を決定するので、外部装置においては、遅延時間が、特別状態発生情報の受信毎にランダムな値で設定される。故に、始動条件成立から演出装置にて所定の演出が開始されるまでのタイミングがランダムとなり、自己が遊技中の遊技機が特別状態発生情報出力元の遊技機であるか否かを、遊技者が、所定の演出開始のタイミングによって判別することを、より一層困難にすることができる。
【0312】
遊技システム4または5において、前記外部装置の遊技機選択手段は、前記計時手段による前記遅延時間のウェイト後に動作するものであることを特徴とする遊技システム6。遊技実行中の遊技機の状態は、常に変動する。このため、遅延時間のウェイト前とウェイト後では、当然、遊技機の状態には変化が生じている。遊技機選択手段を、遅延時間のウェイト後に遊技機の選択を実行するように構成することにより、信号出力のタイミングに近いタイミングで遊技機を選択できるので、現況に応じた的確な遊技機を選択できる。
【0313】
遊技システム3から6のいずれかにおいて、前記外部装置は、前記各遊技機のそれぞれの位置を示す配置情報を記憶する配置記憶手段と、特別状態発生情報出力元の遊技機の位置を認識する位置認識手段とを備えており、前記遊技機選択手段は、前記配置記憶手段が記憶する配置情報に基づいて、選択対象となる遊技機の中から、前記位置認識手段により認識された位置を基準として遊技機を選択するものであることを特徴とする遊技システム7。
【0314】
位置認識手段により認識された位置を基準として遊技機を選択するので、特別状態発生情報出力元の遊技機近傍に位置する遊技機を選択して、所定の演出を実行させることができる。これにより、外部装置に、複数(多数)の遊技機が接続されていても、自己が遊技する遊技に対応する演出装置以外に、いずれの遊技機に対応する演出装置で所定の演出が実行されているかを、遊技者に認識し易くすることができる。このため、遊技者は、他の遊技者の結果(特別遊技状態に遷移したか否か)を的確に判断でき、自己が特別遊技状態に遷移するか否かを明確に認識することができる。
【0315】
所定の演出の実行は、その演出が実行された演出装置に対応する遊技機の内、少なくともいずれか1の遊技機が特別遊技状態に遷移することを通知するものである。故に、遊技者は、他の遊技者の動向に強く関心を寄せることとなる。そこで、いずれの遊技機に対応する演出装置で所定の演出が実行されているかを、遊技者に認識し易くすることにより、遊技者に競争心理を働かせて遊技者の興趣を高める上、所定の演出の信頼性(いずれかの遊技機は確実に特別遊技状態に遷移すること)を遊技者に認識させることができる。
【0316】
尚、遊技機選択手段が、例えば、所定の条件を満たしている遊技機を選択する場合には、選択対象の遊技機は、全ての遊技機(特別状態発生情報出力元の遊技機を除く)ではなく、(特別状態発生情報出力元の遊技機を除いて)所定の条件を満たしている遊技機となる。
【0317】
遊技システム7において、前記外部装置は、所定のタイミングで更新される位置カウンタを備えており、前記遊技機選択手段は、前記配置記憶手段に記憶される配置情報に基づき、選択対象となる遊技機について、前記位置認識手段により認識された遊技機の位置からその位置カウンタが示す値分予め定めた一方方向にずれた位置を最端位置とし、その最端位置から前記一方方向とは反対の他方向に向かって、選択するべき数分の遊技機を選択するものであることを特徴とする遊技システム8。
【0318】
位置カウンタの値は定常的に更新されるので、遊技機選択手段に、位置カウンタの値に基づいて決定される位置を基準として遊技機を決定させることにより、選択される遊技機と、特別状態発生情報出力元の遊技機との位置関係を、変化させる事ができる。つまり、所定の演出が実行される演出装置に対応する遊技機の内で、特別状態発生情報出力元の遊技機の位置が、例えば、必ず左端(右端)に位置するなどといった固定位置になることを回避できる。故に、自己が遊技中の遊技機が特別状態発生情報出力元の遊技機であるか否かを、遊技者が、遊技する遊技機の位置によって判別することを困難にすることができる。このため、所定の演出の実行される演出装置に対応するいずれの遊技機の遊技者にも、期待感を付与する事ができ、遊技に熱中させる事ができる。
【0319】
尚、前記遊技機選択手段により選択される遊技機の数を最大値とする大きさで、位置カウンタを設計すれば、特別状態発生情報出力元の遊技機の近傍の遊技機を簡便な処理で選択する事ができる。例えば、選択される遊技機が3台であれば(所定の演出を実行する演出装置に対応する遊技機が4台)、位置カウンタの最大値を「3」とし、「0」〜「3」の値を取るように位置カウンタを設計する。これによれば、特別状態発生情報出力元の遊技機の一方側に位置する遊技機の数を「0」〜「3」とすることができ、また、特別状態発生情報出力元の遊技機近傍において、3台の遊技機を選択する事ができるのである。
【0320】
遊技システム3から8のいずれかにおいて、前記遊技機の判断手段による判断結果が特別遊技状態情報である場合に、該遊技機の現況状態が予め定めた条件を満足していると、その遊技機に対応する前記演出装置での所定の演出を許可する演出実行許可手段を備えており、前記遊技機は、遊技機の現況状態を示す現況情報を前記外部装置に出力する現況情報出力手段を備え、前記外部装置は、各遊技機の現況情報出力手段により出力された現況情報をその遊技機に対応つけて記憶する状態記憶手段と、新たに現況情報を受信するとその状態記憶手段に記憶される対応する現況情報を新たに受信した現況情報に更新する現況更新手段とを備え、前記遊技機選択手段は、その現況更新手段により更新される現況情報が、前記演出実行許可手段による演出許可のための前記予め定めた条件と同条件を満足している遊技機を選択対象とするものであることを特徴とする遊技システム9。
【0321】
遊技機の遊技状態が特別遊技状態に遷移する場合に、該遊技機の現況状態が予め定めた条件を満足していると、演出装置での所定の演出が演出実行許可手段により許可される。故に、遊技状態が特別遊技状態となる全ての場合に特別状態発生情報が出力されるといった事態を回避でき、所定の演出の新鮮さを保持することができる。
【0322】
また、外部装置は、各遊技機の現況情報をその遊技機に対応つけて記憶しており、前記遊技機選択手段は、その現況情報が予め定めた条件と同条件を満足している遊技機を選択対象とするものである。このため、特別状態発生情報出力元の遊技機と、特別状態発生情報出力元の遊技機以外に演出実行の対象とする他の遊技機とは、その現況状態が同じ条件に適合するものとなる。その結果、演出が実行された場合に、特別状態発生情報出力元の遊技機の側だけ(またはそれ以外の遊技機側だけ)が、特有の現況状態にあることを回避でき、自己が遊技中の遊技機が特別状態発生情報出力元の遊技機であるか否かを、遊技者に判別させることを困難にすることができる。
【0323】
尚、予め定めた条件としては、例えば、遊技機の遊技状態が動的表示の実行中である(遊技者に所定の遊技価値が付与される状態でない、即ち、大当たり状態でない)ことや、特別遊技状態への遷移確率が低い状態など(いわゆる確変状態にない)ことなどが例示される。
【0324】
また、現況情報とは、現在の遊技機の状態(現況状態)を示す情報であって、例えば、実行中の遊技の遊技状態を示す情報や、保留中の(未実行の)動的表示に関する情報、更には遊技機の稼働状態などを示す情報である。
【0325】
遊技システム9において、前記条件は、遊技機の現況状態が、未実行の動的表示を保有する状態とされていることを特徴とする遊技システム10。未実行の動的表示を保留している場合に、所定の演出を演出装置で実行するので、保留中の動的表示に対応して遷移する遊技状態が、特別遊技状態となる得ることを示唆することができる。その結果、遊技者に保留中の動的表示が実行されるまで、期待感を付与することができる。更に、遊技機からの特別状態発生情報の出力を契機として外部装置が信号を出力し、その信号出力に基づいて所定の演出を演出装置にて実行すると、所定の演出開始までにタイムラグが生ずる。一方で、遊技機の状態(動的表示の保留状態)は刻々と変化する。発生するタイムラグの間に遊技機での動的表示が終了してしまう(実行される動的表示がなくなる)と、動的表示に対応して遷移する遊技状態に期待感を持たせるためのものである該所定の演出が、意味をなさなくなる。しかし、未実行の動的表示を保留している場合に、所定の演出を演出装置で実行するので、所定の演出が、遊技機での動的表示が終了後(実行される動的表示がなくなってしまった後)に実行されるような事態を容易に回避でき、所定の演出の実行により、効果的に遊技者に期待感を付与できる。
【0326】
遊技システム9または10において、前記遊技機は、前記特別遊技状態への遷移確率が高い第1の状態と、その第1の状態よりも前記特別遊技状態への遷移確率が低い第2の状態とを取り得るように構成されており、前記条件は、遊技機の現況状態が第2の状態にあることとされていることを特徴とする遊技システム11。
【0327】
遊技機の現況状態が第2の状態にあると、遊技者は、特別遊技状態に比較的遷移し難い状態であることを認識していることが多い。かかる状態で、所定の演出を実行すれば、所定の演出が実行される場合の演出効果を増大させることができる。
【0328】
遊技システム9から11のいずれかにおいて、前記条件は、遊技機の現況状態が、動的表示の実行中にあることとされていることを特徴とする遊技システム12。遊技機において動的表示が実行中であると、その動的表示に対応する遊技状態へと遷移する。所定の演出は、遷移する遊技状態が特別遊技状態であることを期待させるものであるので、動的表示の実行中であることを条件として所定の演出を実行すれば、かかる所定の演出は、遊技の流れに沿った自然な演出となり、演出の意図を遊技者に容易に理解させることができる。
【0329】
また、動的表示の実行中は、遊技機は特別遊技状態にない。このため、遊技者は、比較的起伏のないルーチンの演出の中で、特別遊技状態に遷移することを期待しつつ遊技を継続している。かかる状態で、演出装置にて所定の演出を実行すると、ゲーム性に変化をもたらす事ができる上、特別遊技状態へ遷移することへの期待感を遊技者に付与でき、飽きさせる事なく遊技者に遊技を継続させる事ができる。
【0330】
遊技システム1から12のいずれかにおいて、前記1の遊技機から出力された特別状態発生情報に基づいた演出が前記演出装置で実行されている間は、前記1の遊技機からの特別状態発生情報発生後に発生した特別状態発生情報に基づいた演出を禁止する演出禁止手段を備えていることを特徴とする遊技システム13。
【0331】
所定の演出の実行は、その演出が実行された演出装置に対応する遊技機の内、少なくともいずれか1の遊技機が特別遊技状態に遷移することを示唆するものである。故に、遊技者は、いずれの遊技機が自己の遊技する遊技機と同じ立場にあるか、言い換えれば、いずれの遊技機が(自己の遊技機とともに)所定の演出を実行する演出装置の対象になっているかに注意を払うこととなる。
【0332】
一方で、遊技機が特別状態発生情報を送信するタイミングは未知であり、その送信は、遊技が実行されている以上、常時実行される。僅かな時間差で発生した特別状態発生情報に基づいて、所定の演出が演出装置にて次々に実行されると、遊技者は、いずれの遊技機が自己の遊技機と関連する演出の対象となっているかを判別できない。
【0333】
そこで、1の遊技機から出力された特別状態発生情報に基づいた演出が演出装置で実行されている間は、その演出の契機となった特別状態発生情報発生後に発生した特別状態発生情報に基づいた演出を禁止することにより、遊技者に、関心を払うべき他の遊技機を的確に示すことができる。
【0334】
尚、演出禁止手段は、遊技機からの特別状態発生情報の出力を禁止するものであってもよく、また、外部装置からの信号の出力を禁止するものであっても良い。更には、演出装置において、所定の演出の実行を禁止するものであっても良い。
【0335】
遊技システム1から13のいずれかにおいて、前記演出装置は、前記遊技機とは別体で設けられており、対応する遊技機とは別の制御系によって制御されると共に、前記外部装置から出力される信号を受信することにより所定の演出を実行するものであることを特徴とする遊技システム14。演出装置を遊技機と別体で設けることができるので、演出装置を、遊技機に限定されない所望の位置に配設でき、演出装置を遊技機に搭載する場合に比べて、自由度の高い多様な演出を提供することができる。
【0336】
また、演出装置は、遊技機とは別の制御系によって制御されるものであるので、遊技機によって、演出装置を制御する必要がない。故に、遊技機の制御負担を軽減できる。加えて、外部装置に接続される遊技機が多数になると、遊技機からから外部装置へは、特別状態発生情報が頻繁に送信される。かかる場合に、演出装置にて所定の演出を実行させるための信号を遊技機に送信すると、遊技機と外部装置との間で送受信するべき情報量が増大し、通信状態を悪化させかねない。
しかし、演出装置を遊技機によって制御する必要がないので、外部装置から直接的に演出装置に信号を送信して、所定の演出を実行させることができる。その結果、外部装置から遊技機に信号を送信する必要がなくなるので、外部装置と遊技機との間の通信環境を良好に保つことができる。
【0337】
遊技システム1から14のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技システム15。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の出力時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれる情報等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0338】
遊技システム1から14のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技システム16。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の出力に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0339】
遊技システム1から14のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技システム17。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における遊技システムの概略図である。
【図2】一実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。
【図3】外枠に対して内枠と前面枠セットとを開放した状態を示す斜視図である。
【図4】パチンコ機から前面枠セットを取り外した状態を示した正面図である。
【図5】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図6】前面枠セットの背面図である。
【図7】パチンコ機の背面図である。
【図8】パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示した分解斜視図である。
【図9】パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。
【図10】内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。
【図11】内枠を後方より見た斜視図である。
【図12】遊技盤を後方より見た斜視図である。
【図13】支持金具を示す斜視図である。
【図14】第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図15】第1制御基板ユニットの斜視図である。
【図16】第1制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図17】第1制御基板ユニットを裏面から見た分解斜視図である。
【図18】第2制御基板ユニットの正面図である。
【図19】第2制御基板ユニットの斜視図である。
【図20】第2制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図21】パチンコ機の背面から見た裏パックユニットの背面図である。
【図22】裏パックユニットの分解斜視図である。
【図23】タンクレールの構成を示した図である。
【図24】遊技システムの電気的構成を示したブロック図である。
【図25】島管理装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図26】大物図柄表示装置の表示内容を示す図である。
【図27】各種カウンタの概要を示した図である。
【図28】島管理装置のタイマ処理において実行されるパチンコ機の選択動作を説明する図である。
【図29】主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図30】主制御装置内のMPUにより実行される通常処理を示したフローチャートである。
【図31】図30の通常処理の中で実行される外部出力処理を示したフローチャートである。
【図32】図30の通常処理の中で実行される外れ図柄カウンタ更新処理を示したフローチャートである。
【図33】図30の通常処理の中で実行される大物図柄変動処理を示したフローチャートである。
【図34】図33の大物図柄変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。
【図35】タイマ割込処理を示したフローチャートである。
【図36】図35のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示したフローチャートである。
【図37】NMI割込処理を示したフローチャートである。
【図38】払出制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図39】払出制御装置内のMPUにより実行される払出制御処理を示したフローチャートである。
【図40】払出制御装置内のMPUにより実行される賞球制御処理を示したフローチャートである。
【図41】払出制御装置内のMPUにより実行される貸球制御処理を示したフローチャートである。
【図42】通信制御装置のMPUにより実行される通信処理を示したフローチャートである。
【図43】表示制御装置のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図44】島管理装置のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図45】島管理装置のMPUにより実行されるタイマ処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 遊技システム
10 パチンコ機(遊技機)
42 大物図柄表示装置(表示装置)
102 環状電飾部(演出実行手段の一部、演出装置)
103 中央電飾部(演出実行手段の一部、演出装置)
155 通信制御装置(受信手段)
262 音声ランプ制御装置(演出実行手段の一部)
550 島管理装置(外部装置)
Claims (6)
- 識別情報を表示する表示装置と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により前記始動条件の成立が検出されると前記表示装置にて動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される動的表示に対応して遷移する遊技状態を抽選する抽選手段と、前記動的表示実行手段により実行される動的表示の内、未実行の動的表示に対応する情報を記憶する実行前状態記憶手段とを備え、その実行前状態記憶手段に先に記憶された情報に基づいた遊技が終了するまで、前記実行前状態記憶手段にその後に記憶された情報に対応する動的表示の実行を保留する複数の遊技機と、その複数の遊技機のそれぞれと接続され各遊技機との間で情報の送受信を行う外部装置とを備えた遊技システムにおいて、
前記複数の遊技機のそれぞれに対応つけて設けられると共に、前記外部装置により出力される信号に基づいて所定の演出を実行する演出装置を備えており、
前記遊技機のそれぞれは、
前記抽選手段により抽選された遊技状態が前記遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態である場合に、その抽選された特別遊技状態に対応する動的表示が終了する前に、前記特別遊技状態が発生することを示す特別状態発生情報を前記外部装置に出力する特別情報出力手段と、
前記実行前状態記憶手段に未実行の動的表示に対応する情報が記憶されているかを示す保留情報を前記外部装置に出力する保留情報出力手段とを備え、
前記外部装置は、
前記保留情報出力手段により出力された保留情報を前記遊技機のそれぞれに対応付けて記憶する保留情報記憶手段と、
前記特別情報出力手段により出力された特別状態発生情報を受信すると、前記保留情報記憶手段に記憶されている保留情報に基づいて、前記複数の遊技機の中から前記実行前状態記憶手段に未実行の動的表示に対応する情報が記憶されている遊技機を選択する遊技機選択手段と、
その遊技機選択手段によって選択された遊技機のそれぞれに対応する前記演出装置にて所定の演出を実行させるために信号を出力する信号出力手段とを備えていることを特徴とする遊技システム。 - 前記遊技機のそれぞれは、
前記特別遊技状態が発生中かを示す発生中情報を前記外部装置に出力する発生中情報出力手段を備え、
前記外部装置は、
前記発生中情報出力手段により出力された発生中情報を前記遊技機のそれぞれに対応付けて記憶する発生中情報記憶手段を備え、
前記遊技機選択手段は、前記特別情報出力手段により出力された特別状態発生情報を受信すると、前記発生中情報記憶手段に記憶されている発生中情報に基づいて、前記複数の遊技機の中から前記特別遊技状態が発生中でない遊技機を選択することを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。 - 前記遊技機のそれぞれは、
前記特別遊技状態への遷移確率が通常時よりも高い確変状態かを示す確変情報を前記外部装置に出力する確変情報出力手段を備え、
前記外部装置は、
前記確変情報出力手段により出力された確変情報を前記遊技機のそれぞれに対応付けて記憶する確変情報記憶手段を備え、
前記遊技機選択手段は、前記特別情報出力手段により出力された特別状態発生情報を受信すると、前記確変情報記憶手段に記憶されている確変情報に基づいて、前記複数の遊技機の中から前記確変状態にない遊技機を選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技システム。 - 前記外部装置は、
遅延時間を決定する遅延時間決定手段と、
前記特別状態発生情報を受信してからその受信した前記特別状態発生情報に基づいた信号を前記信号出力手段により出力するまでの時間を、前記遅延時間決定手段により決定された遅延時間以上に保つために、前記遅延時間のウェイト処理を実行する計時手段とを備えており、
前記信号出力手段は、その計時手段による前記遅延時間のウェイト後に、前記遊技機選択手段により選択された遊技機に対応する前記演出装置にて所定の演出を実行させるために信号を出力するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技システム。 - 前記外部装置は、
前記各遊技機のそれぞれの位置を示す配置情報を記憶する配置記憶手段と、
特別状態発生情報出力元の遊技機の位置を認識する位置認識手段とを備えており、
前記遊技機選択手段は、前記配置記憶手段が記憶する配置情報に基づいて、選択対象となる遊技機の中から、前記位置認識手段により認識された位置を基準として遊技機を選択するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技システム。 - 請求項1から5のいずれかに記載された遊技システムに含まれている遊技機であることを特徴とする遊技機。
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