JP2005110822A5 - - Google Patents

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遊技機
本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
従来の遊技機には、図柄の変動表示が行われる特別図柄表示装置を備えたパチンコ機や、遊技球が入球すると大当たりとなる特定口(Vゾーン)を有した入賞抽選装置を備えたパチンコ機がある。例えば、特別図柄表示装置を備えたパチンコ機では、遊技球が釘、風車、図柄開始口等が配設された遊技盤に沿って流下し、図柄開始口へ遊技球が入球すると、特別図柄表示装置で図柄の変動表示が行われると共に制御プログラムによって大当たり抽選が行われる。その抽選の結果、大当たりとなると、特別図柄表示装置に大当たりを示す図柄が表示され、遊技価値としての賞球が遊技者に多量に付与されるように構成されている。
また入賞抽選装置を備えたパチンコ機では、入賞抽選装置へ入球した遊技球が複数の入球口へ選択的に導かれ、それら入球口のうち特定の入球口(特定口)へ遊技球が導かれた場合に大当たりとなり、多量の賞球が遊技者に付与されるように構成されている。つまり、入賞抽選装置を備えたパチンコ機は、特別図柄表示装置を備えたパチンコ機とは異なり、入賞抽選装置へ入球した遊技球が特定口へ導かれるか否かという物理的な遊技球の挙動により大当たり抽選が行われるのである。
ここで、特別図柄表示装置を備えたパチンコ機では、遊技者は、図柄開始口へ入球し易い位置を考慮して遊技球の発射操作を行う。図柄開始口へ到達するまでの釘や風車等の配置は一般に遊技の途中で変化するものでないので、略同一の位置を狙って遊技球を遊技領域へ打ち込めば図柄開始口へ略一定の確率で遊技球が入球し得る。また、入賞抽選装置を備えたパチンコ機においても入賞抽選装置へ到達するまでの釘や風車等の配置は一般に遊技の途中で変化するものでなく、略同一の位置を狙って遊技球を遊技領域へ打ち込めば入賞抽選装置へ略一定の確率で遊技球が入球し得る。
また従来のパチンコ機は、特別図柄表示装置または入賞抽選装置のいずれか一方を1つだけ備えたものが一般的であり、遊技性が機種毎に固定的なものとなっている。そこで、パチンコ機の遊技性を多様にするために、複数の入賞抽選装置を一台の遊技機に設けたり、複数の図柄開始口とそれぞれの図柄開始口に対応した複数の特別図柄表示装置とを一台のパチンコ機に設ける等、複数種類の遊技を実行し得る遊技機は遊技場や遊技者にとって斬新で望ましいものとなる。
特開2002−360859号公報
しかしながら、複数種類の遊技を実行し得るパチンコ機であっても、従来のように遊技者が略同一の位置を狙って遊技領域に遊技球を打ち込んだ場合には、遊技球は固定的な割合で図柄開始口または入賞抽選装置に入球する。このため、複数種類の遊技が実行される割合が固定的になって単調な遊技性になり易いという問題点があった。一方、複数種類の遊技を行う割合を変えて変化に富んだ遊技を遊技者が試みようとした場合には、遊技中に頻繁に狙い位置を調整しなければならないという煩わしさが生じてしまうという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、複数種類の遊技を異なった割合で容易に行うことができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の遊技機は、遊技球が投入される遊技領域を備えており、前記遊技領域に設けられると共に遊技球が入球可能な入口と、その入口から入球した遊技球を第1の経路とその第1の経路とは異なる第2の経路とを含む複数の経路へ振り分ける可動部材と、その可動部材に駆動力を付与して前記複数の経路へ振り分けられる遊技球の割合を切り替える可動部材駆動手段とを有し、前記入口から入球した遊技球を前記可動部材の態様に応じた別々の割合で前記複数の経路へ振り分ける振分装置と、前記振分装置によって前記第1の経路に振り分けられた遊技球が前記第1の経路を経由して入球し得る第1入球口と、その第1入球口への遊技球の入球に基づいて第1の遊技を実行する第1遊技実行手段と、前記振分装置によって前記第2の経路に振り分けられた遊技球が前記第2の経路を経由して入球し得る入球口であって前記第1入球口とは異なる位置に配設される第2入球口と、その第2入球口への遊技球の入球に基づいて前記第1の遊技とは遊技態様が異なる第2の遊技を実行する第2遊技実行手段とを備え、前記第1遊技実行手段は、前記第1入球口への遊技球の入球に基づいて抽選を行う第1抽選手段と、その第1抽選手段によって所定の抽選結果が導出された場合に第1の遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段とを備え、前記第2遊技実行手段は、前記第2入球口への遊技球の入球に基づいて前記第1抽選手段とは異なる抽選態様で抽選を行う第2抽選手段と、その第2抽選手段によって所定の抽選結果が導出された場合に第2の遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段とを備えている。
この請求項1記載の遊技機によれば、遊技領域へ投入され、振分装置の入口から振分装置へ入球した遊技球は、可動部材によって第1の経路とその第1の経路とは異なる第2の経路を含む複数の経路に振り分けられる。振分装置によって第1の経路へ振り分けられた遊技球が第1入球口へ入球した場合には、第1遊技実行手段によって第1の遊技が実行される。具体的には、第1入球口への遊技球の入球に基づいて第1抽選手段によって抽選が行われ、その第1抽選手段によって所定の抽選結果が導出された場合に第1遊技価値付与手段によって第1の遊技価値が付与される。一方、振分装置によって第2の経路へ振り分けられた遊技球が第2入球口へ入球した場合には、第2遊技実行手段によって第1の遊技とは遊技態様が異なる第2の遊技が実行される。つまり別々の入球口への遊技球の入球に基づいて別々の遊技が実行される。具体的には、第2入球口への遊技球の入球に基づき、第2抽選手段により、第1抽選手段とは異なる抽選態様で抽選が行われ、その第2抽選手段によって所定の抽選結果が導出された場合に、第2遊技価値付与手段によって第2の遊技価値が付与される。
また、振分装置の入口へ入球した遊技球は、可動部材の態様に応じた別々の割合で複数の経路へ振り分けられる。このため、遊技の途中で可動部材駆動手段によって可動部材の態様が切り替えられると、複数の経路へ振り分けられる遊技球の割合が変化し、複数種類の遊技が可動部材の態様に応じた別々の割合で行われる。従って、遊技者が振分装置の入口に対して一定の位置を狙って遊技球を遊技領域に打ち込んでも、振分装置を経由した遊技球が複数の経路へ振り分けられる割合が変化し、別々の遊技が可動部材の態様に応じた異なった割合で行われる。
なお、遊技態様とは、遊技における抽選の態様(抽選態様)、抽選結果とその抽選結果が表示されるまでの途中を表示する態様(表示態様)、遊技者に付与される遊技価値またはこれらを2以上組み合わせた態様が該当する。
なお、抽選態様としては、抽選方法と抽選確率との一方または双方を意味しており、異なる抽選態様とは抽選方法と抽選確率とのうち少なくとも一方が異なる抽選の仕組みを意味している。抽選方法としては、遊技球が所定の入球領域へ入球しその入球領域への遊技球の入球を検出する検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期が特定の検出時期であった場合を所定の抽選結果の導出に対する必要条件若しくは十分条件とする方法、遊技球が所定の入球領域へ入球しその入球領域への遊技球の入球を所定の抽選結果の導出に対する必要条件若しくは十分条件とする方法、若しくは、これら2つの条件の組み合わせ又はこれら2つの条件の少なくとも一方に他の条件を加えた組み合わせを所定の抽選結果の導出に対する必要条件または十分条件とする方法を意味している。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記第2抽選手段は、前記第1抽選手段とは異なる抽選確率で前記所定の抽選結果を導出する態様で抽選を行うものであり、前記第1抽選手段または前記第2抽選手段のうち前記所定の抽選結果が導出される確率が高く設定された一方の抽選手段に対応する遊技価値付与手段は、他方の抽選手段に対応する遊技価値付与手段が付与する遊技価値より少量の遊技価値を付与する。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記第1抽選手段は、前記第1入球口より下流側に設けられ遊技球が入球し得る第1所定領域と、その第1所定領域へ入球した遊技球の入球を検出する第1検出手段と、その第1検出手段による遊技球の入球検出時期に基づいて抽選を行う第1内部抽選手段とを備え、前記第2抽選手段は、前記第2入球口より下流側に設けられ遊技球が選択的に入球し得ると共に前記第1所定領域とは異なる位置に配設される第2所定領域と、その第2所定領域への遊技球の入球を検出する第2検出手段とを備え、前記第2遊技価値付与手段は、前記第2検出手段によって遊技球の入球が検出されたことを十分条件として前記第2の遊技価値を付与する。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技領域に遊技球が入球可能な開口部を形成すると共にその開口部を開閉する可動片を有した可変入賞装置を備え、前記第1遊技価値付与手段は、前記第1抽選手段によって前記所定の抽選結果が導出された場合に前記可動片を開閉駆動して前記第1の遊技価値を付与するものであり、前記第2遊技価値付与手段は、前記第2抽選手段によって前記所定の抽選結果が導出された場合には、前記第1遊技価値付与手段により開閉駆動される前記可動片を開閉駆動して前記第2の遊技価値を付与する。
請求項5記載の遊技機は、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記可動部材の態様に対応する可動部材識別情報を表示する第3表示装置と、その第3表示装置に表示される前記可動部材識別情報を前記可動部材の態様に応じて切り替える制御を行う第3表示制御手段とを備えている。
請求項6記載の遊技機は、請求項1から5のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技領域が外部から視認可能に形成された窓部を有した前面枠と、遊技球を前記遊技領域へ発射する遊技球発射装置と、遊技球を貯留すると共に前記遊技球発射装置へ遊技球を導出する球受皿とを備え、その球受皿は前記前面枠に一体形成されている。
請求項1記載の遊技機によれば、振分装置の入口へ入球した遊技球は、可動部材の態様に応じた別々の割合で複数の経路へ振り分けられる。このため、遊技の途中で可動部材駆動手段によって可動部材の態様が切り替えられると、複数の経路へ振り分けられる遊技球の割合が変化し、複数種類の遊技が可動部材の態様に応じた別々の割合で行われる。よって、遊技者は、振分装置の入口を狙うだけで、別々の遊技を異なった割合で行うことができる。従って、複数種類の遊技を行うために遊技球を打ち分ける煩わしさが解消され、遊技者は一定位置を狙って発射操作を行って複数種類の遊技を異なった割合で容易に行うことができるという効果がある。
また、別々の入球口への遊技球の入球に基づいて、別々の抽選手段によって異なる抽選態様で抽選が行われ、いずれかの抽選手段によって所定の抽選結果が導出されると遊技価値付与手段によって遊技価値が付与される。抽選態様は、遊技者が遊技機を選定する上で重要視する要素であり、その抽選態様の異なる遊技が可動部材の態様に応じた別々の割合で行われると、同一の抽選態様で遊技が行われるより遊技性の変化に対する印象が強くなる。よって、遊技者は一定位置を狙って発射操作を行いつつ、異なる種々の遊技性を容易に楽しむことができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、第1抽選手段または第2抽選手段のうち所定の抽選結果が導出される確率が高く設定された一方の抽選手段に対応する遊技価値付与手段は、他方に対応する遊技価値付与手段より少量の遊技価値を付与する。このため、所定の抽選結果の導出確率は高くて付与される遊技価値が少ない1の遊技と、所定の抽選結果の導出確率が低くて付与される遊技価値が多い他の遊技とが、一台の遊技機で行われる。よって、遊技者は一定位置を狙って発射操作を行いつつ、遊技価値の付与され易さと、その付与される遊技価値の量が異なる複数の遊技性を一台の遊技機で容易に楽しむことができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、第1入球口へ入球した遊技球が第1所定領域へ入球すると、その遊技球の入球は第1検出手段によって検出される。第1検出手段によって遊技球の入球が検出されると、その入球検出時期に基づいて抽選が行われる。一方、第2入球口へ入球した遊技球は第2所定領域へ選択的に導かれ、第2所定領域へ遊技球が入球すると、第2検出手段によって遊技球の入球が検出される。遊技球の入球が第2検出手段によって検出されると、第2遊技価値付与手段によって第2の遊技価値が付与される。このため、第1入球口を遊技球が経由した場合には、第1所定領域への遊技球の入球検出時期に基づいて抽選が行われる。一方、第2入球口を遊技球が経由した場合には、遊技球が第2所定領域へ入球するか否か、即ち、第2検出手段によって遊技球が検出されるか否かという遊技球の物理的な挙動によって抽選が行われる。よって、遊技者は一定位置を狙って発射操作を行いつつ、遊技球の入球検出時期に基づいて抽選が行われる遊技と、遊技球の挙動によって抽選が行われる遊技とを共に行うことができ、しかもそれらの遊技の実行割合を可動部材の態様に応じて変化させることができるので、異なる種々の遊技性を容易に楽しむことができる。従って、一方の遊技を好む遊技者に対しても別の種類の遊技を行わせることができ、遊技者の興味の幅を広げて遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、第2遊技価値付与手段が、第1遊技価値付与手段により開閉駆動される可動片を開閉駆動して第2の遊技価値を付与するので、第1遊技実行手段と第2遊技実行手段とにおける可変入賞装置が共通化される。よって、第1遊技実行手段及び第2遊技実行手段のそれぞれに対応して別々の可変入賞装置を設ける場合に比べて遊技領域が狭められることがなく、遊技領域を有効に利用することができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、可動部材の態様に対応する可動部材識別情報が、第3表示制御手段によって可動部材の態様に応じて切り替えて第3表示装置に表示される。このため、遊技者は、第3表示装置に表示される可動部材識別情報に基づいて、可動部材の態様を認識することができる。よって、遊技者が可動部材を注視する必然性を低減することができるという効果がある。また、可動部材の動作状態が遊技者から視認し難い場合でも、第3表示装置に表示される可動部材識別情報に基づいて、可動部材の態様を認識することができるという効果がある。
なお、請求項5記載の遊技機において、第3表示装置は、表示装置とは別に設けられたものであっても良い。可動部材識別情報の表示によって識別情報の動的表示の表示領域が狭められることを防止することができる。遊技者は、遊技中に識別情報の動的表示が行われる表示装置に注目しているので、その表示装置に可動部材識別情報の表示を行うことで遊技者に可動部材の態様を簡単に視認させることができる。また、第3表示装置としては、例えば、液晶表示装置(LCD)、発光ダイオードによる点灯装置などが例示される。
請求項6記載の遊技機によれば、請求項1から5のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技球を貯留すると共にその貯留された遊技球を遊技球発射装置へ導出する球受皿は、遊技領域が外部から視認可能に形成された窓部を有した前面枠に一体形成されている。このため、前面枠の強度を保ちつつ、窓部と球受皿とを近づけることができ、遊技領域を視認する窓部を球受皿側に大きく形成して、遊技機の外形に対して遊技領域を視認できる領域の比率を高くすることができる。従って、遊技領域に複数の入賞装置や表示装置を配設しても各部材を大型化することができ、遊技領域を有効に使用することができるという効果がある。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。よって、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて、構成部材の再利用が容易にされている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11を樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成するようにしても良い。
内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂により構成されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きいので、内枠12の構成材料として好適である。内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側に上下に延設されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようにされている。開閉軸線は遊技球発射ハンドル18の反体側に設けられているので、内枠12を大きく開放することができる。通常パチンコホールでは、パチンコ機10は互いに隣接して配設されるので、開閉軸線を遊技球発射ハンドル18側に設けると、内枠12と共に開放される遊技球発射ハンドル18が隣のパチンコ機10に当接して開放量が減少してしまうからである。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲で内枠12を覆うようにして前面枠セット14が取り付けられている。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。この内枠12の外周には、前面側へ突設された外周壁が形成されており、その外周壁の内側に前面枠セット14が配設される。即ち、内枠12に前面枠セット14を取り付けた状態では、前面枠セット14の側面外周は、内枠12の外周壁により囲繞されるので、内枠12と前面枠セット14との間への針金等の挿入を困難なものにして、不正行為を抑制することができる。
内枠12の上部には、円柱状に突出した押しボタン型の開閉スイッチ25が設けられている。この開閉スイッチ25は、前面枠セット14の開閉状態を検出するためのスイッチである。前面枠セット14が内枠12に対して閉じられている場合には開閉スイッチ25が押圧状態となり、逆に、前面枠セット14が内枠12に対して開放されている場合には開閉スイッチ25は非押圧の突出状態となって、前面枠セット14の開閉状態を検出する。また、内枠12の左上部(図2参照)には、配線孔26が穿設されている。配線孔26は、前面枠セット14の配線を内枠12を通過させて遊技盤30の裏面に配線するための孔である。配線孔26の角部にはRが形成されており、配線孔26内に配線される各コードが、角部で損傷しないようにされている。なお、図4に示す通り、遊技盤30の左上部にも配線孔26に対応して、配線孔37が穿設されている。
図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示した正面図である。図3では、便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。図3に示すように、下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16から排出された遊技球が下皿15内に貯留可能に構成されている。下皿ユニット13は、内枠12と同様に、難燃性のABS樹脂により形成されている。必ずしも、この下皿15のすべてをABS樹脂で形成することは必要でないが、少なくとも下皿15の表面部分、即ち下皿15の表面層と下皿15奥方の前面パネルとをABS樹脂で形成することが好ましい。下皿15には、火のついた煙草が放置される危険があるので、少なくともその表面部分を難燃性のABS樹脂で形成することにより、パチンコ機10の損傷や火災の発生を抑止できるからである。なお、前面パネルには、スピーカからの音を出力するためのスピーカ孔24が穿設されている。
下皿15の正面下方部には、下皿15に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー17が設けられている。この球抜きレバー17は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿15の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー17の操作は、通常、下皿15の下方に、下皿15から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。また、下皿15の右方には、遊技球発射ハンドル18が下皿ユニット13から手前側へ突出した状態で配設されると共に、下皿15の左方には灰皿が片持状に取着されている。灰皿は下皿15に回転可能に取着された軸と共に手前方向及び奥方向へ回転可能にされている。このように、下皿15の一側に遊技球発射ハンドル18を、他側に灰皿を配設することにより、下皿ユニット13の左右の美的バランスを保ってパチンコ機10の装飾性を向上させている。
一方、図1に示すように、下皿15の上方における前面枠セット14には、球受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置へ導出するためのものである。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方において内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。これは、本実施の形態の前面枠セット14は、従来のパチンコ機より大きく形成した遊技領域を外部から視認できるようにするために略楕円形状に大きく欠成された窓部101を備えているので、前面枠セット14の強度を少しでも向上させるべく、該前面枠セット14に上皿19を一体化して形成しているのである。この上皿19も下皿15と同様に、少なくとも表面層が難燃性のABS樹脂にて形成されている。なお、遊技領域が、従来のパチンコ機に比べて如何に大きく形成されているかについては後述する。
上皿19の左側部分には、図1に示すように、正面視正方形状の3つの操作ボタン108a〜108cが横一列に並んで設けられている。操作ボタン108a〜108cは、振分装置110に設けられる可動部材111(図4参照)を遊技者に操作させるためのものである。可動部材111は、遊技球の流路を切り替えるためのものであり、遊技者によって操作ボタン108a〜108cのいずれかが押下されると可動部材111に連結される可動部材モータ410(図26参照)が作動し、可動部材111が動作する。操作ボタン108a〜108cの奥側には、各ボタンに連動してオンオフが切り替わる押しボタン式のスイッチ411〜413(図26参照)が内蔵されており、いずれかの操作ボタン108a〜108cが押下されると、その押下された操作ボタンに対応したスイッチ411〜413のいずれかがオンとなり、そのオン信号が表示制御装置45に入力される。表示制御装置45は、スイッチ411〜413のいずれかからオン信号が入力されると、可動部材モータ410を駆動して可動部材111を動作させる。
図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。この樹脂ベース20の後側には、遊技盤30が内枠12に対して着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板より構成され、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。即ち、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成しているのである。
次に、図4から図7を参照して遊技盤30の構成を説明する。図4は、遊技盤30の構成を示す正面図であり、図5は、遊技盤30に設けられる振分装置110の動作を説明するために遊技球が振り分けられる各状態を示した図である。図6は、図4のVI−VI線における振分装置110の断面図であり、図7は、遊技盤30に設けられる入賞抽選装置72の斜視図である。なお、図4および図6においては主要な部材のみを示し、その他を省略して示している。
遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、大物口(始動口)33、大物図柄表示装置42、入賞抽選装置72、保留ランプ46、振分装置110、振分方向表示装置74,75等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30の前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り、一般入賞口31、可変入賞装置32、大物口33、入賞抽選装置72に遊技球が入球し、後述する各検出スイッチから所定の出力がなされると、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘(図4には一部のみ表示)が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
振分装置110は、遊技領域の上方略中央部に配設されており、振分装置110より下側(即ち、遊技球の流下方向下流側)に配設される大物口33と入賞抽選装置72とに遊技球が振り分けられる割合を変化させるための部材である。振分装置110には、上方に向けて遊技球の直径より大きく開口形成された入口110aと、入口110aから入球した遊技球を大物口33へ導く球の流路(第1経路)112または入賞抽選装置72へ導く球の流路(第2経路)113のいずれかに振り分ける可動部材111とを備えている。なお、第1経路112および第2経路113は、振分装置110のケースと遊技盤30の裏面側に取着される経路形成部材により形成される部材であるが、遊技球の流路を形成する部材は一般的であるので、説明を省略する。
可動部材111は、振分装置110の入口110aに入球した遊技球を第1流路112と第2流路113とへ異なる割合で振り分けるための部材である。可動部材111は、正面視において上端部を薄くして両側面に下降傾斜を形成した板状の合成樹脂で形成され、下端部が遊技盤30の盤面に直行する回動軸を中心に回動可能に可動部材モータ410に支持されている。
可動部材モータ410は、可動部材111を作動させるために可動部材111と回動軸により連結されており、図6に示すように、遊技盤30の裏面側(図6の右側)に配設されている。可動部材モータ410は、パチンコ機10の前面側に設けられる各操作ボタン108a〜108c(図1参照)の押下操作に連動するように表示制御装置45により制御されるものであり、制御内容については図26以降を参照して後述する。この可動部材モータ410は、直流式のサーボモータで構成されており、可動部材モータ410の回動軸と一体となって回転するスリットが設けられた円盤(図示せず)と、その円盤を挟むように形成されたセンサ414(可動部材検出センサ、図26参照)とから構成される所謂、光学式エンコーダによって回動量の制御が行われる。
ここで、図5を参照して、可動部材111の態様に対応して遊技球が振り分けられる各状態について説明する。図5(a)は第1経路112と第2経路113との両方に遊技球が振り分けられる状態を示した図であり、図5(b)は遊技球が第1経路112に振り分けられる状態を示した図であり、(c)は遊技球が第2経路113に振り分けられる状態を示した図である。
図5(a)は、第1経路112と第2経路113との両方に遊技球が振り分けられる状態(中立状態)を示しており、可動部材111は起立して、その上端部が真上の方向(図中のZ2線に沿った方向)を向いて静止し、可動部材111の左右両側には、入口110aと、第1経路112および第2経路113との双方とを連続するように経路が形成される。この中立状態は、パチンコ機10の電源投入時または中央の操作ボタン(中央ボタン)108bが押下された場合に形成される。パチンコ機10においては、その電源投入時に行われる立ち上げ時の処理により、可動部材111が起立して中立状態となるように制御が行われるものであり、遊技者により左側の操作ボタン(左ボタン)108aまたは右側の操作ボタン(右ボタン)108cの押下操作がなければ中立状態が維持される。
図5(a)に示す中立状態においては、遊技領域へ打ち込まれた遊技球が振分装置110の入口110aへ入球すると、遊技球は可動部材111の上端部に当接して左側(図5(a)の矢印E1方向側)又は右側(図5(a)の矢印E2方向側)のいずれかに振り分けられる。可動部材111の上部先端は、入口110aに対して中央真下に位置するものであり、左右の両側に1対1の割合で遊技球が振り分けられる。なお、必ずしも中立状態において可動部材111の上部先端を入口110aの中央真下に位置するように可動部材の静止位置を表示制御装置45で制御する必要はなく、右側または左側に僅かに位置がずれるようにして、可動部材111の左右両側へ遊技球が流下するものの、一方側へ多くの遊技球が流下するように構成しても良い。
遊技球が左側へ振り分けられると、遊技球は第1経路112の入口112aに入球し、第1経路112(図4参照)を経由して、第1経路112の出口112bから遊技盤30の前面へ排出される。第1経路112の出口112bは、大物口33の真上に近接する位置まで連続するように形成され、大物口33へほぼ確実に入賞するようになっている。
一方、遊技球が右側へ振り分けられると、遊技球は第2経路113の入口113aに入球し、第2経路113(図4参照)を経由して、第2経路113の出口113bから遊技盤30の前面へ排出される。第2経路113の出口113bは、入賞抽選装置72の入口72aに近接する位置まで連続するように形成され、その入口72aと第2経路113の出口113bとの間の釘により、出口113bから流出した遊技球が概ね30球に1球の割合で入賞抽選装置72の入口72aに入球する。
なお、第1経路112の出口112bと大物口33との間の釘配置と、第2経路113の出口113bと入賞抽選装置72の入口72aとの間の釘配置とは、上記実施形態の割合で遊技球が各入球口33,72aへ入球する構成とする必要はない。釘の配置を調整したり、各経路112,113の出口112b,113b位置を各入球口33,72aから離間させる等して各出口112b,113bから排出された遊技球が上記実施形態とは異なる割合で各入球口33,72aに入球するようにしても良い。
図5(b)は、振分装置110の入口110aに入球した遊技球が第1経路112にのみ振り分けられる状態(左側優先状態)を示している。可動部材111は、中立状態から右側に傾倒することによりその上端部が右斜め上方向(図中のZ3線に沿った方向)を向いて静止し、可動部材111の左側には、振分装置110の入口110aと第1経路112とを連続するように経路が形成される。この左側優先状態は、左ボタン108a(図1参照)が押下された場合に形成され、遊技者により中央ボタン108bまたは右ボタン108cの押下操作が行われるまで左側優先状態が維持される。
図5(b)に示す左側優先状態においては、遊技領域へ打ち込まれた遊技球が振分装置110の入口110aへ入球すると、その遊技球はすべて可動部材111の左側面に当接して左側(図5(a)の矢印E1方向側)に案内され、第1経路112の入口112aに入球する。第1経路112の出口112bは、図4に示すように、大物口33の真上に形成されるため、振分装置110の入口110aへ入球した遊技球は、大物口33へほぼ確実に入賞するように振分装置110により遊技球が振り分けられる。また、左側優先状態においては、遊技球は第2経路113の入口113aには入球しなくなり、入賞抽選装置72へは遊技球が全く流入しなくなる。なお、必ずしも左側優先状態において遊技球が全く右側の第2経路113へ流入しないように構成する必要はなく、可動部材111および振分装置110のケースを実施形態とは異ならせて第2経路113へも時折遊技球が入球するように構成しても良い。
図5(c)は、振分装置110の入口110aに入球した遊技球が第2経路113にのみ振り分けられる状態(右側優先状態)を示している。可動部材111は、中立状態から左側に傾倒することにより、その上端部が左斜め上方向(図中のZ1線に沿った方向)を向いて静止し、可動部材111の右側には、振分装置110の入口110aと第1経路113とを連続するように経路が形成される。この右側優先状態は、右ボタン108c(図1参照)が押下された場合に形成され、遊技者により左ボタン108aまたは中央ボタン108bの押下操作が行われるまで右側優先状態が維持される。
図5(c)に示す右側優先状態においては、遊技領域へ打ち込まれた遊技球が振分装置110の入口110aへ入球すると、その遊技球はすべて可動部材111の右側面に当接して右側(図5(a)の矢印E2方向側)に案内され、第2経路113の入口113aに入球する。第2経路113の出口113bは、図4に示すように、入賞抽選装置72の上側に形成されるため、振分装置110の入口110aへ入球した遊技球は、入賞抽選装置72の入口72a側へ案内されるように振分装置110により遊技球が振り分けられる。また、右側優先状態においては、遊技球は第1経路112の入口112aには入球しなくなり、大物口33へは遊技球が全く流入しなくなる。なお、必ずしも右側優先状態において遊技球が全く左側の第1経路112へ流入しないように構成する必要はなく、可動部材111および振分装置110のケースを実施形態とは異ならせて第1経路112へも時折遊技球が入球するように構成しても良い。
このように、可動部材111は、3つの操作ボタン108a〜108cによる遊技者の操作に応じて、中立状態、左側優先状態、右側優先状態の3つの状態に切り替えられるので、遊技者は、振分装置110の入口110aへ流入した遊技球を別々の割合で複数の経路112,113へ振り分けることができる。よって、遊技者は、遊技者の意志に基づいて振分装置110の入口110aを固定的に狙いつつも、振分装置110を経由した遊技球を異なる割合で複数の経路112,113へ流下させることができ、各経路112,113の下流側に設けられる大物口33と入賞抽選装置72とによる異なる遊技を複数種類の割合で行わせることができる。
図4に戻って説明する。可変表示装置ユニット35には、大物口33への遊技球の入賞をトリガとして大物図柄(特別図柄)を変動表示する図柄表示装置としての大物図柄表示装置42が設けられている。大物図柄表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述する表示制御装置45によって表示内容が制御される。大物図柄表示装置42には、左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして大物図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお、本実施の形態では、大物図柄表示装置42は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されている。
可変入賞装置32は、その中央部に横長矩形状に形成された大入賞口と、その大入賞口を開閉する可動片とを備えている。大入賞口は、通常時は、可動片によって遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たりの際に可動片がその下側の一辺を軸に前方に傾倒して大入賞口を開口して、遊技球が入賞しやすい開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。詳しくは、大物口33に遊技球が入賞すると、大物図柄表示装置42で図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組み合わせとなったことを必要条件に特別遊技状態が発生する。特別遊技状態が発生すると、可変入賞装置32の大入賞口が、遊技球が入賞しやすい状態、即ち所定の開状態となるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される(開状態となる)。
大物口33は、遊技球が入賞することによって大当たり抽選を行うと共に、大物図柄表示装置42で大物図柄の変動表示を行わせるための入賞口である。遊技球が大物口33に入賞すると、後述する大物口スイッチ224により検出され、主制御装置261によって大当たり抽選が行われ、更に、大物図柄表示装置42で大物図柄の変動表示が行われる。この大物口33を遊技球が通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。
保留ランプ46は、最大保留数分の4つ設けられ、大物図柄表示装置42の上方に配設されている。大物図柄表示装置42で変動表示が行われている最中に、遊技球が新たに大物口33に入賞した場合はその入賞による変動表示を即座に開始することはできないので、実行中の変動表示が終了するまで、その変動表示が保留される。なお、保留ランプ46を削除して、その点灯を、大物図柄表示装置42の一部で行うようにしても良い。
入賞抽選装置72は、入賞抽選装置72内に設けられたV入賞口72bへの遊技球の入賞に基づいて特別遊技状態(大当たり)を発生させるための装置であり、入賞口72bと普通入賞口72cとは中央側が凹んだ皿状の部位に形成された所謂クルーンが設けられている。入賞抽選装置72には、合成樹脂のケースによって、図7に示すように、その上側に開口形成された入口72aと、その入口72aより下側に5つの入賞口72b,72cとが形成されている。5つの入賞口72b,72cのうち、パチンコ機10の前面側(図7の左下側)の入賞口72bは、遊技球の入球に基づいて所定数の賞球が払い出されると共に大当たりが発生するV入賞口72bであり、V入賞口72b以外は、遊技球の入球に基づいて所定数の賞球の払い出しのみが行われる普通入賞口72cである。
遊技球が入賞抽選装置72の入口72aに入球すると、入賞抽選装置72内に形成される経路(図示せず)を経由して、V入賞口72bと普通入賞口72cとの周りを周回し、遊技球の勢いが弱まるといずれかの入賞口72b,72cに選択的に導かれる。このため、入賞抽選装置72へ入球した遊技球がV入賞口72bへ入賞する確率は1/5となる。入賞抽選装置72へ入球した遊技球がV入賞口72bへ入賞すると、後述するV入賞検出スイッチ225によって遊技球が検出され、その検出に基づいて15個の賞球の払い出しが行われると共に大当たりとなって可変入賞装置32の可動片が開閉する特別遊技状態となる。普通入賞口72cへ遊技球が入賞した場合には、15個の賞球の払い出しのみが行われる。
振分方向表示装置74,75は、振分装置110へ入球した遊技球が可動部材111によっていずれの方向へ振り分けられるかを示すためのものである。振分方向表示装置74,75は、矢印形状に形成された透明な合成樹脂製の左表示部材74aおよび右表示部材75aと、その各表示部材74a,75aを点灯表示するために各表示部材74a,75aの奥側に内蔵された左LED259および右LED260とを備えている。
振分装置110へ入球した遊技球が可動部材111により左側、即ち、第1流路112側へ振り分けられる左側優先状態(図5(b)の状態)においては左LED259が点灯し、パチンコ機10の正面視において左表示部材74aが点灯表示される。一方、振分装置110へ入球した遊技球が可動部材111により右側、即ち、第2経路113側へ振り分けられる右側優先状態(図5(c)の状態)においては右LED260が点灯し、パチンコ機10の正面視において右表示部材75bが点灯表示される。このため、可動部材111の振分状態が遊技者から視認し難かったり、その振り分け方向が判りにくい場合にも、振分方向表示装置74,75の点灯状態に基づいて、可動部材111の振分状態を認識することができる。また、振分方向表示装置74,75は、大物図柄表示装置42とは別に設けられているので、可動部材111の振分状態の点灯表示によって大物図柄の変動表示の表示領域が狭められることを防止することができる。
なお、振分方向表示装置74,75は、必ずしも大物図柄表示装置42とは別に設ける必要はなく、大物図柄表示装置42に可動部材111の態様に対応した表示をして、振り分け方向を示すように構成しても良い。遊技者は、遊技中に大物図柄の変動表示が行われる大物図柄表示装置42に注目しているので、その大物図柄表示装置42に可動部材111の振分状態の表示を行うことで遊技者に可動部材111の振分状態を簡易に視認させることができる。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて遊技領域に案内される。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール部51と外レール取付部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されると共に、外レール取付部52は、その一部(主に左側部)が内レール部51に向かい合うようにして形成されている。これら内レール部51と外レール取付部52とにより誘導レールが構成され、この内レール部51と外レール取付部52とが所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、即ち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール部51の先端部分(図7の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール取付部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図7の右上部:外レール取付部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって、勢いが減衰されて跳ね返される。外レール取付部52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状のステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。更に、本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、即ち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路の入口には、その球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)へ導くためのものである。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられており、この貼着スペースK1,K2を確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。このように、遊技盤30自体に証紙等の貼着スペースK1,K2を設けているので、証紙を遊技盤30に直接貼付することにより、その証紙により遊技盤30を一義的に特定することができる。即ち、遊技盤の不正な交換を容易に発見することができる。
従来のパチンコ機では、レールは遊技盤に直接打ち込まれていた。しかし、上述するように本実施の形態のパチンコ機10では、レールユニット50は、フランジ56にネジ等が挿通されて遊技盤30に締結されている。即ち、本実施の形態では、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成しているので、レールを遊技盤に直接打ち込むことができないので、レールユニット50をフランジ56と共に樹脂で一体成形し、このフランジ56をネジ止め等して遊技盤30に締結している。かかる構成を採用した本実施の形態によれば、廃棄時にレールユニット50を遊技盤30から容易に取り外すことができるので、樹脂成形されるレールユニット50を容易にリサイクルすることができる。なお、遊技球の発射を安定して行わせるために、遊技球の発射側のレールユニット50は、より多くのネジにより他のレールユニット50の部分に増してしっかりと固定されている。このレールユニット50を構成する樹脂材料としては、摩擦抵抗の小さいフッ素入りのポリカーボネートが好適である。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部に略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール取付部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール取付部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール部51及び外レール取付部52によって囲まれる領域のうち、内レール部51及び外レール取付部52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール取付部52によってではなく内レール部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール取付部52によって特定される。従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更に460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。即ち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更には460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。即ち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組み合わせについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。更に好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。更には、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
このように、パチンコ機10においては、従来のパチンコ機より遊技領域が拡張されることにより、風車、複数の釘(遊技球を誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができる。
図3に戻って説明する。前記樹脂ベース20において、窓孔21の下方(遊技盤30の下方)には、遊技球発射装置より発射された直後の遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後、前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて遊技領域に案内される。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないので、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くすると共に発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(即ち発射レール61を立ち上げるようにし)、更に発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保している。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合、特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間が形成され、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15へ排出される。本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール61の先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール取付部52に沿って流れ、外レール取付部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内される。よって、ファール球と次に発射される遊技球との干渉を抑制することができる。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側とにそれぞれガイド部材65,66を設置したので、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球は常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作を実現できる。
また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。この打球槌に関しては軽量化が望まれているので、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなる。
排出口67は上皿19に通じており、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される(払い出される)。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられており、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67を閉鎖するように構成されている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるように構成されている。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図3に示すように、樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部の貼着スペースK1に張られたシール等は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
図3における内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。また、前面枠セット14の図8の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14を開閉可能に装着することができる。更に、支持金具81の支持孔83は切欠を有し、且つ図8に図示する通り支持金具151の下端部は細く形成されているので、支持金具151を支持孔83から完全に抜かなくても、支持金具151の細い部分を支持孔83の切欠に通すことによって前面枠セット14を内枠12(パチンコ機10)から容易に取り外すことができる。
次に、図1及び図8を参照して、前面枠セット14について説明する。図8は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には、遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。この窓部101の略中央部を直線状に形成してもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール取付部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなる。なお、前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、更に望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図8では右側に示されている)、即ち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール取付部52の左端部はもちろん、内レール部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール取付部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行って、大当たり中であることを報知する。更に、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。環状電飾部102が手前に凸に形成されているのに対し、小窓107は平らに形成されている。前述した通り、小窓107の背面には、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられているので、そこに貼着されたシール等の内容を、スキャナなどの読み取り装置によって光学的に読み取り可能とするために平らにされているのである。また、小窓107部分を平らに形成することによって、2台のパチンコ機10間に配設される球貸機(図示せず)の貸し球レールがパチンコ機10から遊技者側へ出っ張らないようにして、球貸機を配設することができる。
窓部101の下方には貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には、球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化を図ることができる。
図8に示すように、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図8の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。この樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134が前面枠セット14にて環状にループ接続されるのを防いでいる。金属製の補強板131〜134が環状にループ接続されていると、遊技球の発射動作に伴う電磁ノイズが遊技盤30の前面に配設された前面枠セット14の周囲をループし、遊技盤30に悪影響を及ぼして、パチンコ機10の誤動作を誘発するが、本実施の形態のパチンコ機10では、樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134の環状接続を回避しているので、かかるノイズの悪影響を抑制することができる。なお、金属製の補強板131〜134の一部に樹脂パーツ135を使用することによる強度の低下は、その樹脂パーツ135にリブを設けたり、樹脂パーツ135の厚さを増して、補っている。
図8の右側の補強板131には、その中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりを防止することができる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等を抑制することができる。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となって、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないように機能している。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着される。
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内レール部51及び外レール取付部52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うように前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(即ち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図8の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
更に、レールカバー140には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図8の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた場合には、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良い。かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させ難くなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
次に、図9から図14を参照して、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図9はパチンコ機10の背面図であり、図10はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示した分解斜視図である。図11は、パチンコ機10裏面における第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203の配置を示す模式図であり、図12は、内枠12及び遊技盤30の構成を示す背面図である。図13は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図14は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。
先ずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、更に、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称する。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成について後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、更にこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図11の概略図に示すように、各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお、図11において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1の軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4の軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
更に、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図12は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態を示す背面図である。また、図13は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図14は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図12〜図14を用いて、内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替え可能に構成されている。図12は、係止固定具211,212がロック位置にある状態を示している。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は、金属片を折り曲げ形成したL型の金具で構成され、遊技盤30を固定した状態では内枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具で構成される。
遊技盤30の中央には、可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35には、液晶表示装置たる大物図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。また表示制御装置45以外にも、遊技盤30に設けられたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。可変表示装置ユニット35の上側には、振分装置110が遊技盤30の背面側に突出して設けられており、振分装置110の入口110aと、その下流側に設けられる大物口33および入賞抽選装置72とを連結する経路112,113がその突出した部分の内側に形成される。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、大物口33(それぞれ図7参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10の外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図12に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、更に排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10の外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤30の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられているので、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、更にその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機10の前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などへの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222とカウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は入賞球をカウントするスイッチである。また、大物口33に対応する位置には大物口スイッチ224が設けられ、図示はしないものの入賞抽選装置72のV入賞口72bに対応する位置にはV入賞検出スイッチ225が設けられると共に普通入賞口72cに対応する位置には入賞口スイッチが設けられる。
入賞口スイッチ221は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、更にこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、更にこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、大物口スイッチ224およびV入賞検出スイッチ225は中継基板を介さずに直接主制御装置261に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導くための入賞球振分板ソレノイドが設けられている。なお、図12において、パチンコ機10の裏面左下方部には打球槌等を備えるセットハンドル228が配設され、その右横には発射モータ229が配設されている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(即ち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部には上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)232が設けられ、同左上部には係止爪片233が設けられている。
内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12の右端部には、図15に示す長尺状の支持金具235が取り付けられている。図15に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット202用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット203用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット202用の支持金具と裏パックユニット203用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。即ち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、図16〜図19を参照して、第1制御基板ユニット201を説明する。図16は第1制御基板ユニット201の正面図であり、図17は同ユニット201の斜視図であり、図18は同ユニット201の分解斜視図であり、図19は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図17等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結される。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。即ち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力される。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
一方の基板搭載面252上には、主制御装置261が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上には、音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置される。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているので、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図17等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できると共に、各制御装置を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図18及び図19に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合を回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図17等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図12等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図12等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図12等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、支持金具231及び支軸256が前記図11の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、図20〜図22を参照して、第2制御基板ユニット202を説明する。図20は第2制御基板ユニット202の正面図であり、図21は同ユニット202の斜視図であり、図22は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機10の前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ358a部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータ358aが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されるので、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
また、取付台301には、図20等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図12等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図12等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図11の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、図23及び図24を参照して、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、図23はパチンコ機10の背面から見た裏パックユニット203の背面図を示しており、図24はその分解斜視図を示している。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。即ち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、更にタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図24に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際には、バイブレータ360を駆動することによって球詰まりを解消できるようになっている。このバイブレータ360は、ユニット化されているので、タンクレール356へ容易に取り付けることができる。
図25を参照してタンクレール356の構成ついて詳述すると、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355から落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、更にその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消される。なお、レール本体361は、黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
図23及び図24に戻って説明する。払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図23等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図12等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図12等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図12等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。固定具242及び係止孔387の部分にナイラッチを使用しないのは、図23における係止孔387の左隣に遊技球を貯留するタンク355が設けられるので、この部分を強固に固定するためである。固定具242の固定時には、図12等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図11の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
次に、図26を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、Vフラグ503b、中断格納エリア503cその他各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアが設けられると共に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込処理(図37参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図29参照)において実行される。なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
Vフラグ503bは、遊技状態が大当たり中か否かを認識するためのフラグである。このVフラグ503bは、通常の遊技状態においてはオフされている。V入賞検出スイッチ225によって入賞抽選装置72のV入賞口72b(図7参照)への遊技球の入球が検出されて大当たりとなった場合または大物口33への入賞に基づく大当たり抽選に当選して大当たりとなった場合にオンされ、逆に、大当たり終了時にオフされるように構成されている。
中断格納エリア503cは、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示中に、入賞抽選装置72のV入賞口72bへ遊技球が入賞して大当たりが発生した場合に、その変動表示の大物図柄に関するデータ(停止図柄及び変動パターン)を一時的に格納するためのエリアである。この中断格納エリア503cへの停止図柄及び変動パターンの格納は、大物図柄表示装置42において大物図柄の変動表示中に入賞抽選装置72のV入賞口72bへ遊技球が入賞して大当たりとなった場合に実行される。中断格納エリア503cに格納されている停止図柄及び変動パターンは、入賞抽選装置72のV入賞口72bへの入賞に基づく大当たりが終了した場合に、大物図柄変動処理(S205、図32参照)において各コマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド)に設定される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、大物口スイッチ224、V入賞検出スイッチ225、表示制御装置45、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
大物口スイッチ224は、大物口33に入賞した遊技球を検出するためのスイッチであり、遊技盤30の裏側に配設されている。大物口スイッチ224によって遊技球が検出されると、払出制御装置311の制御によって5個の賞球が払い出される。また、大物口スイッチ224に遊技球が検出された場合には、その検出タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値がそれぞれ後述する保留球格納エリアに格納され、その格納された各値に基づいて大当たり抽選および大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示が実行される。
V入賞検出スイッチ225は、入賞抽選装置72内のV入賞口72bへの遊技球の入球を検出するためのスイッチであり、遊技盤30の裏側に配設されている。このV入賞検出スイッチ225によって遊技球の入球が検出されると、払出制御装置311の制御によって15個の賞球が払い出されると共に、主制御装置261の制御により大当たりが発生する。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
表示制御装置45は、大物図柄表示装置42における大物図柄(特別図柄)の変動表示を制御すると共に、振分装置110の可動部材モータ410を駆動して可動部材111の態様を制御するものである。表示制御装置45は、MPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御装置261の出力側と、左スイッチ411と、中スイッチ412と、右スイッチ413とが接続され、入力ポート527の出力側には、MPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には可動部材モータ410と、音声ランプ制御装置262とが接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には大物図柄表示装置42が接続されている。また、音声ランプ制御装置262には、振分装置110による遊技球の振分方向を点灯表示するための左LED259及び右LED260が接続されている。
左スイッチ411、中スイッチ412、及び、右スイッチ413は、パチンコ機10の前面側に設けられる操作ボタン108a〜108cが押下されたことを検出するためのスイッチであり、各操作ボタン108a〜108cの裏面側に配設されている。各操作ボタン108a〜108cのいずれかが押下されると、それぞれに対応した各スイッチ411〜413がオンとなってオン信号が表示制御装置45に入力される。具体的には、左ボタン108aが押下された場合には左スイッチ411がオンとなってオン信号が表示制御装置45に入力される。また、中央ボタン108bが押下された場合には中作動スイッチ412がオンとなってオン信号が表示制御装置45に入力される。更に、右ボタン108cが押下された場合には右スイッチ108cがオンとなってオン信号が表示制御装置45に入力される。各オン信号が表示制御装置45に入力されると各スイッチ411〜413に対応した各作動フラグ(左作動フラグ523a、中作動フラグ523b、右作動フラグ523c)がオンされ、振分装置駆動処理(図38参照)において可動部材モータ410が駆動されて可動部材111が作動される。
表示制御装置45のMPU521は、主制御装置261から送信される図柄表示コマンドに基づいて大物図柄表示装置42の表示や、可動部材モータ410の駆動を制御する。ROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、左作動フラグ523aと、中作動フラグ523bと、右作動フラグ523cとを備えている。
左作動フラグ523aは、左ボタン108aが押下されたことを記憶しておくためのフラグである。この左作動フラグ523aは、遊技者によって左ボタン108aが押下された場合にオンされ、逆に、図5(b)に示すように、可動部材モータ410によって振分装置110の可動部材111がZ3の位置まで回転駆動された場合にオフされるように構成されている。
中作動フラグ523bは、中ボタン108bが押下されたことを記憶しておくためのフラグである。この中作動フラグ523bは、遊技者によって中ボタン108bが押下された場合にオンされ、逆に、図5(a)に示すように、可動部材モータ410によって、振分装置110の可動部材111がZ2まで回転駆動された場合にオフされるように構成されている。
右作動フラグ523cは、右ボタン108cが押下されたことを記憶しておくためのフラグである。この右作動フラグ523cは、遊技者によって右ボタン108cが押下された場合にオンされ、逆に、図5(c)に示すように、可動部材モータ410によって、振分装置110の可動部材111がZ1まで回転駆動された場合にオフされるように構成されている。
ビデオRAM524は、大物図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、大物図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、大物図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して大物図柄表示装置42に表示させるものである。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323を有するRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては、払出制御装置311を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323が押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
ここで、図27を参照して、大物図柄表示装置42の表示内容について説明する。大物図柄表示装置42には、左・中・右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成され、これら各主図柄及び副図柄がそれぞれ大物図柄を構成している。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。即ち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の大物図柄が設けられ、各図柄列毎に20個の大物図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示される。特に、左図柄列においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列及び右図柄列においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。大物図柄表示装置42には、各図柄列毎に上・中・下の3段に大物図柄が表示される。従って、大物図柄表示装置42には、3段×3列の計9個の大物図柄が表示される。また、大物図柄表示装置42には、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組み合わせ(本実施の形態では、同一の主図柄の組み合わせ)で揃えば大当たりとして、大当たり動画が表示される。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施の形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や大物図柄表示装置42の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図28に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大物図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、大物図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、大物図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、MPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、大物口33へ入賞した遊技球が大物口スイッチ224によって検出されるタイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜299)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞し、大物口スイッチ224によって検出されたタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「145,298」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「30,60,90,120,150,200,231,266,300,330」である。なお、高確率時とは、大物図柄の組み合わせが予め定められた確率変動図柄の組み合わせによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、大物図柄表示装置42の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、大物図柄表示装置42において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されているので、50個(0〜49)のカウンタ値が用意されている。即ち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、リーチ乱数カウンタC3=0,1は前後外れリーチに該当し、リーチ乱数カウンタC3=2〜21は前後外れ以外リーチに該当し、リーチ乱数カウンタC3=22〜238は完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、大物図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、大物図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列大物図柄、中列大物図柄、右列大物図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の大物図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、MPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する。即ち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、大物図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
次に、図29から図37のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図35は、タイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置261のMPU501により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S602)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
更に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する(S603)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。その後は、大物口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S604)。
図36のフローチャートを参照して、この始動入賞処理を説明する。まず、遊技球が大物口33に入賞(始動入賞)したか否かを大物口スイッチ224の検出情報により判別する(S701)。遊技球が大物口33に入賞したと判別されると(S701:Yes)、大物図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S702)。大物口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S704)。一方、大物口33への入賞がないか(S701:No)、或いは、大物口33への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No)、S703及びS704の各処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理の終了後は、MPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
なお、遊技球が大物口33に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後、大物図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値の格納処理(S704)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットする。具体的には、上記始動入賞処理は2ms周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1〜C3の値と共に、RAM503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する大物図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定される。
図37は、NMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実行される。このNMI割込処理により、電源遮断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から主制御装置261内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。図37のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
NMI割込処理では、まず、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し(S801)、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する(S802)。更に、電源遮断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し(S803)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する(S804)。RAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する(S805)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S806)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、停電の発生等による電源遮断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から払出制御装置311内のMPU511のNMI端子に出力され、MPU511は実行中の制御を中断して図37のNMI割込処理を開始する。その内容はステップS804の電源遮断通知コマンドの送信を行なわない点を除き上記説明と同様である。
図29は、主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する。払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信した後(S102)、RAM503のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS114へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503のバックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS114へ移行する。バックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS114へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(S114〜S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(S114〜S116)に移行する。即ち、S114からのRAMの初期化処理では、RAM503の使用領域を0にクリアし(S114)、RAM503の初期値を設定する(S115)。その後、割込みを許可して(S116)、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323がオンされておらず(S104:No)、電源遮断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、復電時の処理では、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S108)、電源遮断の発生情報をクリアする(S109)。次に、サブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時のコマンドを送信し(S110)、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる(S111)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S112)、割込みが許可状態であれば(S112:Yes)、割込みを許可し(S113)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S112:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図30のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS208,S209のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、大物図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(即ち、4ms毎に1つずつ)コマンドが送信され、変動時間終了のタイミングで確定コマンドが送信されるようになっている。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。更に、外れ図柄カウンタ更新処理により、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する(S203)。
ここで、図31を参照して、外れ図柄カウンタ更新処理を説明する。まず、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し(S301)、更新時期であれば(S301:Yes)、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する(S303)。次に、左図柄列の更新時期でなければ(S301:No)、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別し(S302)、更新時期であれば(S302:Yes)、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する(S304)。更に中図柄列の更新時期でなければ(S302:No)、右図柄列の更新時期なので、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する(S305)。
上記S303〜S305の各処理における外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新されるので、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新される。
その後、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせになっているか否かを判別し(S306)、大当たり図柄の組み合わせであれば(S306:Yes)、そのまま本処理を終了する。大当たり図柄の組み合わせでなければ(S306:No)、リーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し(S307)、リーチ図柄の組み合わせであれば(S307:Yes)、更にそれが前後外れリーチであるか否かを判別する(S308)。前後外れリーチの組み合わせであれば(S308:Yes)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する(S309)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせであれば(S308:No)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する(S310)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせでなく(S306:No)、且つリーチ図柄の組み合わせでもなければ(S307:No)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせは外れ図柄の組み合わせになっているので、かかる場合には、その外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の完全外れ図柄バッファに格納する(S311)。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理(S203)の終了後は、図30の通常処理へ戻って、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S204)、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示を行うための大物図柄変動処理を実行する(S205)。この大物図柄変動処理により、大当たり判定や大物図柄の変動パターンの設定などが行われる。なお、大物図柄変動処理の詳細は後述する。
大物図柄変動処理の終了後は、入賞抽選装置72のV入賞口72bへの入賞に基づいて大当たりを発生させると共に、大当たりとなった場合に可変入賞装置32の大入賞口を開放又は閉鎖する大当たり処理が実行される(S206)。この大当たり処理の詳細については、図34を参照して後述する。
その後は、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S207)、既に所定時間が経過していれば(S207:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S207:No)、所定時間に至るまでの、即ち次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(S208,S209)。まず、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S208)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。次に、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(S209)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
次に、図32及び図33のフローチャートを参照して、大物図柄変動処理(S205)を説明する。図32は、通常処理の中で実行される大物図柄変動処理(S205)のフローチャートである。大物図柄変動処理では、まず、Vフラグ503bがオンされた大当たり中であるか否か、即ち、大当たりとなって大入賞口が開閉される特別遊技状態中であるか否かを判別する(S401)。この大当たり中としては、大当たりの際に大物図柄表示装置42で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、Vフラグ503bがオンされていれば、即ち、大当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
Vフラグ503bがオンでなければ(S401:No)、中断格納エリア503cに停止図柄、変動パターンのデータが格納されているか否かを判別する(S402)。中断格納エリア503cに停止図柄、変動パターンが格納されている場合には(S402:Yes)、中断格納エリア503cに格納されている停止図柄を停止図柄コマンドに設定し(S412)、更に、中断格納エリア503cに格納されている変動パターンを変動パターンコマンドに設定し(S413)、本処理を終了する。一方、S402の処理において、中断格納エリア503cに停止図柄、変動パターンのデータが格納されていなければ(S402:No)、即ち、中断された大物図柄の変動表示に関するデータが格納されていなければ、S403以降の処理を実行して新たに待機中の変動表示がある場合に変動表示を開始させる。S402の処理により、中断された大物図柄の変動表示に関するデータが格納されている場合にはそのデータを優先して変動表示を開始することができる。
ここで、変動表示の中断は、変動表示中に入賞抽選装置72のV入賞口72bへ遊技球が入球して大当たりとなった場合に後述する大当たり処理(S206)の中で行われるものであり、この大当たりによる特別遊技状態の後に開始される変動表示は、前回の途中における変動表示となる。このため、途中まで実行中であった変動表示が大当たりである場合に大当たり遊技が重複して発生して一方が無効にされることがなく、遊技者にとって無駄になる大当たりの発生が防止される。
S402の処理において、中断格納エリア503cに停止図柄、変動パターンのデータが格納されていなければ(S402:No)、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示中であるか否かを判別する(S403)。大物図柄の変動表示中でなければ(S403:No)、大物図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別し(S404)、作動保留球数Nが0であれば(S404:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S404:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S405)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S406)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
データシフト処理(S406)の後は、大物図柄の変動開始処理を実行する(S407)。なお、変動開始処理の内容詳細については図33を参照して後述する。S403の処理において、大物図柄の変動表示中である場合には(S403:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S408)。大物図柄の変動時間はその大物図柄の変動パターンに応じて決められており、この変動時間が経過するまで、S409〜S411の処理の実行をスキップする(S408:No)。一方、大物図柄の変動時間が経過すれば(S408:Yes)、停止図柄の確定のために設定されている確定コマンドを設定する(S409)。その後、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S410)。
大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
判別の結果、大当たりであると判別された場合(S410:Yes)、Vフラグ503bをオンして(S411)本処理を終了する。一方、判別の結果、大当たりでないと判別された場合には(S410:No)、S411の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図33のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(S406)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S501)。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S501:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄を、即ち大当たり図柄を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S502)。このとき、大当たり図柄カウンタC2の数値0〜49は、全5つの有効ライン上における50通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち、予め定められた特定図柄(確変図柄)で揃った場合には以後確変状態に移行するが、予め定められていない特定図柄(非確変図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。
次に、大当たり図柄で停止するまでの大物図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S503)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動パターンは、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけでパターン設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値でパターン設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。これは、後述する前後外れリーチ表示、前後外れ以外リーチ表示、完全外れ表示を行なう場合における変動パターンの設定でも同様である。
S501の処理で大当たりではないと判別された場合には(S501:No)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し(S504)、リーチ発生の場合には(S504:Yes)、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する(S505)。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
前後外れリーチ発生の場合(S505:Yes)、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S506)。また、前後外れリーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S507)。このとき、S503の処理と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。
前後外れ以外リーチ発生の場合(S505:No)、RAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S508)。また、前後外れ以外リーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S509)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのはS503の処理と同様である。
大当たりでなくリーチでもない場合には(S501:No,S504:No)、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S510)。また、完全外れ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S511)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのはS503の処理と同様である。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のいずれかで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
次に、図34を参照して、通常処理の中で実行される大当たり処理(S206)について説明する。図34は、通常処理の中で実行される大当たり処理(S206)のフローチャートである。この大当たり処理(S206)では、まず、Vフラグ503bがオンされた大当たり中であるか否かを判別する(S1301)。判別の結果、Vフラグ503bがオンされていなければ(S1301:No)、V入賞検出スイッチ225がオンされたか否かを判別する(S1302)。V入賞検出スイッチ225がオンされていれば(S1302:Yes)、入賞抽選装置72に入球した遊技球が入賞抽選装置72内のV入賞口72bに入賞した場合であるので、まず、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示を中断するために、大物図柄表示装置42によって大物図柄が変動表示中であるか否かを判別し(S1303)。大物図柄の変動表示中であれば(S1303:Yes)、その変動表示を中断するために変動表示中断コマンドを設定し(S1304)、実行エリアに格納されている停止図柄、変動パターンを中断格納エリア503cに格納する(S1305)。変動表示中断コマンドは、主制御装置261から表示制御装置45へ送信されるコマンドであり、このコマンドの送信により表示制御装置45へ実行中の変動表示を中断し、大当たり中の表示演出を大物図柄表示装置42により行わせる。
S1305の処理後には、Vフラグ503bをオンして(S1306)、本処理を終了する。また、S1303の処理において、大物図柄表示装置42によって大物図柄が変動表示中でなければ(S1303:No)、S1304〜S1306の処理をスキップしてVフラグ503bをオンし(S1306)、本処理を終了する。S1302の処理において、V入賞検出スイッチ225のオンが検出されなければ(S1302:No)、変動中の大物図柄を中断させる必要はなく、Vフラグ503bをオンする必要もないので、S1303〜S1306の処理をスキップして本処理を終了する。
S1301の処理において、Vフラグ503bがオンされている場合には、大当たり中の特別遊技として可変入賞装置32の大入賞口を開放又は閉鎖する大入賞口開閉処理を実行し(S1307)、遊技状態を特別遊技状態とする。この大入賞口開閉処理(S1307)では、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。また、所定ラウンド(例えば、15ラウンド)の終了時には、Vフラグ503bをオフする。この大入賞口開閉処理を実行した後には、大当たり処理を終了する。
次に、図38を参照して、表示制御装置45のMPU521により実行される振分装置駆動処理について説明する。振分装置駆動処理は、表示制御装置45により定期的に(例えば4ms毎に)行われるタイマ割り込み処理の一部である。なお、表示制御装置45により行われる大物図柄の変動表示の処理については一般的な処理であるので、その説明を省略する。
図38は、振分装置駆動処理のフローチャートである。この振分装置駆動処理では、まず、右スイッチ413がオンされているか否かを判別する(S1401)。判別の結果、右スイッチ413がオンされていれば、右作動フラグ523cをオン(S1402)、中作動フラグ523をオフ(S1403)、左作動フラグ523aをオフとし(S1404)、処理をS1413に移行する。
右スイッチ413がオンされていなければ(S1401:No)、中スイッチ412がオンされているか否かを判別する(S1405)。中スイッチ412がオンされていれば(S1405:Yes)、中作動フラグ523bをオン(S1406)、右作動フラグ523cをオフ(S1407)、左作動フラグ523aをオフとし(S1408)、処理をS1413に移行する。
右スイッチ413と中スイッチ412とが共にオンされていなければ(S1405:No)、左スイッチ411がオンされているか否かを判別する(S1409)。判別の結果、左スイッチ411がオンされていれば(S1409:Yes)、左作動フラグ523aをオン(S1410)、右作動フラグ523cをオフ(S1411)、中作動フラグ523bをオフとし(S1412)、処理をS1413に移行する。
S1409の処理において左スイッチ411がオンされていなければ(S1409:No)、右スイッチ413、中スイッチ412、及び左スイッチ411のいずれもオンされていない場合であり、S1410〜S1412の処理をスキップして処理をS1413に移行する。このS1401からS1412の処理により、いずれかのスイッチ411〜413がオンされた場合に、そのオンされたスイッチに対応した作動フラグ523a〜523cを1つだけオンとすることができる。
S1413の処理では、右作動フラグ523cがオンされているか否かを判別する(S1413)。判別の結果、右作動フラグ523cがオンであれば(S1413:Yes)、可動部材111の位置がZ1に沿った位置で右側優先状態(図5(c)参照)となっているか否かを可動部材検出センサ414の出力に基づいて判別する(S1414)。右側優先状態となっていなければ(S1414:No)、可動部材モータ410をパチンコ機10の正面視左回りに回転駆動して(S1415)、可動部材111をZ1側に移動して本処理を終了する。振分装置駆動処理は、タイマ割り込みにより定期的に行われる処理であるので、右作動フラグ523cがオンとなった後には、可動部材111がZ1に沿った位置に達するまでS1415の処理が繰り返される。S1414の処理において可動部材111がZ1に沿った位置に達していれば(S1414:Yes)、右作動フラグ523cをオフする(S1416)。
S1416の処理後には、右LED260をオン、左LED259をオフするコマンドを音声ランプ制御装置262へ出力し(S1417)、本処理を終了する。S1417の処理によって、右側優先状態が形成された場合に右LED260のみをオンして左右の表示部材72a,72bのうち右表示部材75aのみを点灯させることができる。これにより、遊技者には、右側優先状態中であることを判り易く示すことができる。
S1413の処理で、右作動フラグ523cがオンされていなければ(S1413:No)、中作動フラグ523bがオンされているか否かを判別する(S1418)。判別の結果、中作動フラグ523bがオンであれば(S1419:Yes)、可動部材111の位置がZ2に沿った位置で中立状態(図5(a)参照)となっているか否かを可動部材検出センサ414の出力に基づいて判別する(S1419)。
中立状態となっていなければ(S1419:No)、可動部材111がZ2へ沿った位置へ近づく側へ可動部材モータ410を回転駆動し(S1420)、本処理を終了する。なお、S1420の処理では、可動部材111が左側に傾倒していれば右回りに、可動部材111が右側に傾倒していれば左回りに可動部材モータ410を回転駆動する。
中作動フラグ523bのオン後には、可動部材111がZ2に沿った位置に達するまでS1420の処理が繰り返される。S1419の処理において可動部材111がZ2に沿った位置に達していれば(S1419:Yes)、中作動フラグ523bをオフし(S1416)、右LED260と左LED259とを共にオフするコマンドを音声ランプ制御装置262へ出力して(S1417)、本処理を終了する。S1416の処理により、可動部材モータ410の回転駆動が停止され、また、S1417の処理により右表示部材75aと左表示部材75bとが共に消灯されて中立状態であることが遊技者に示される。
S1418の処理で、中作動フラグ523bがオンされていなければ(S1418:No)、左作動フラグ523aがオンされているか否かを判別する(S1423)。判別の結果、左作動フラグ523aがオンであれば(S1424:Yes)、可動部材111の位置がZ3に沿った位置で左側優先状態(図5(b)参照)となっているか否かを可動部材検出センサ414の出力に基づいて判別する(S1424)。
左側優先状態となっていなければ(S1424:No)、可動部材モータ410をパチンコ機10の正面視右回りに回転駆動して(S1425)、可動部材111をZ3側に移動して本処理を終了する。左作動フラグ523aのオン後には、可動部材111がZ3に沿った位置に達するまでS1425の処理が繰り返される。S1424の処理において可動部材111がZ2に沿った位置に達していれば(S1424:Yes)、左作動フラグ523aをオフし(S1426)、右LED260をオフ、左LED259をオンするコマンドを音声ランプ制御装置262へ出力して(S1427)、本処理を終了する。S1426の処理により、可動部材モータ410の回転駆動が停止され、また、S1427の処理によって、左側優先状態が形成された場合に左LED259のみをオンして左右の表示部材72a,72bのうち左表示部材75aのみを点灯して、遊技者には、左側優先状態中であることを判り易く示すことができる。
S1423の処理で、左作動フラグ523aがオンされていなければ(S1423:No)、3つの作動フラグ523a〜523cのいずれもオンされてなく、スイッチ411〜413のオンに対応した位置に可動部材111が位置しているときである。この場合には、可動部材モータ410を回転駆動する制御を行わずに、停止状態にして本処理を終了する。
次に、図39を参照して、払出制御装置311内のMPU511により実行される払出制御について説明する。図39は、払出制御装置311のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、主制御装置261から送信される払出許可コマンドの受信を待機する(S902:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S902:Yes)、RAMアクセスを許可すると共に(S903)、外部割込ベクタの設定を行う(S904)。
その後は、MPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し(S905)、オンされていれば(S905:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S905:No)、更にRAM513のバックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S906)、記憶されていなければ(S906:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS915へ移行する。バックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S906:Yes)、RAM判定値を算出し(S907)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S908:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S915からのRAMの初期化処理では、RAM513の使用領域を0にクリアし(S915)、RAM513の初期値を設定する(S916)。その後、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S917)、割込みを許可して(S918)、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されておらず(S905:No)、電源遮断の発生情報が設定されており(S906:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S908:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S909)、電源遮断の発生情報をクリアする(S910)。また、MPU511周辺デバイスの初期設定を行い(S911)、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる(S912)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S913)、割込みが許可状態であれば(S913:Yes)、割込みを許可し(S914)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S913:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図40のフローチャートを参照して、払出制御処理を説明する。この払出制御処理は、払出制御装置311のメイン処理に続いて実行される。払出制御処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する(S1001)。発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い(S1002)、状態復帰スイッチ321をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1003)。
その後、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1004)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1005)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1006)。
次に、S1007〜S1009の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つS1001の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1007:No,S1008:No)、図41に示す賞球制御処理を開始する(S1009)。一方、賞球の払出不可状態(S1007:Yes)または総賞球個数が0であれば(S1008:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
S1010〜S1012の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1010:No,S1011:Yes)、図42に示す貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S1010:Yes)または貸球払出要求を受信していなければ(S1011:No)、後続の球抜き処理を実行する(S1013)。なお、貸球制御処理は後述する。
球抜き処理(S1013)では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続いて、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する(S1014)。その後は、本払出制御処理の先頭に戻り、以降は前述した処理を繰り返す。
図41に示す賞球制御処理を説明する。賞球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1101)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1102)、正常でなければ(S1102:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1103)、その後、図40の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1102:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1104)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1104:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1105)、その後、図40の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1104:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1106)、払出が完了していれば(S1106:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1107)、その後、図40の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1106:No)、そのまま、図40の払出制御処理に戻る。
図42に示す貸球制御処理を説明する。貸球制御処理では、まず、払出モータ358aを逆方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1201)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1202)、正常でなければ(S1202:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1203)、その後、図40の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1202:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1204)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1204:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1205)、その後、図40の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1204:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別し(S1206)、払出が完了していれば(S1206:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1207)、その後、図40の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1206:No)、そのまま、図40の払出制御処理に戻る。
次に、上記したように構成されたパチンコ機10における遊技について、図1、図4および図5を主に参照して説明する。パチンコ機10の電源が投入されると、図4に示すように、可動部材111は上方に向いて起立した中立状態となっている。本実施形態のパチンコ機10においては、遊技者が大当たりを発生させて遊技をする上での価値(遊技価値)として多量の賞球を獲得するには、上述したように2つの方法がある。1つ目は、大物口33へ遊技球を入賞させて大当たり抽選に当選する方法であり、もう1つは、入賞抽選装置72のV入賞口72bへ遊技球を入賞させて大当たりとする方法である。
遊技者が、パチンコ機10に対向して遊技球発射ハンドル18を右回りに回動操作すると、遊技球が遊技領域へ向けて発射され、遊技領域内を流下する。電源投入後にパチンコ機10の前面側に設けられる操作ボタン108a〜108cを全く操作しないで遊技を行うと、振分装置110の入口110aへ入球した遊技球は、大物口33側と入賞抽選装置72側とへ1対1の割合で可動部材111により振り分けられる。遊技者は、振分装置110の入口110aへ多くの遊技球が入球するように遊技球発射ハンドル18の回動量を調整することにより、大物項33への入賞と、入賞抽選装置72の入口72aへの入球とが両方とも頻繁に発生することとなる。
遊技球が大物口33へ入賞すると、その入賞タイミング(入賞を検出したタイミング)で大当たり乱数カウンタC1が取得され、その値に基づいて大当たり抽選がパチンコ機10の制御において内部的に行われる。つまり、遊技球の入球が検出された時期に基づいて大当たり抽選が行われる。また、大物口スイッチ224によって遊技球が検出されると、変動表示に関する各カウンタ値も取得される。大当たり抽選の結果は、大物図柄表示装置42に表示され、大物図柄の変動表示(動的表示)が開始された後、停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組み合わせ(本実施形態においては左右方向に沿って3つの図柄が同一図柄で並んだ組み合わせ)となって大当たりとなる。
一方、遊技球が入賞抽選装置72へ入球すると、入賞抽選装置72内のV入賞口72bまたは普通入賞口72cのいずれかに選択的に導かれる(図7参照)。遊技球がV入賞口72bへ入賞した場合には大当たりが発生し、一方、普通入賞口72cへ入賞した場合には、15個の賞球の払い出しのみが行われる。つまり、入賞抽選装置72における大当たりの抽選は、V入賞検出スイッチ225によって検出されるか否かに基づいて行われる、即ち、遊技球がV入賞口72bへ入球するか否かという遊技球の挙動によって抽選が行われるのである。
ここで、パチンコ機10においては、大物口33への遊技球の入球検出時期に基づく大当たり抽選の遊技と、遊技球がV入賞口72bへ入球するか否かという遊技球の挙動による大当たり抽選の遊技との2種類があり、遊技者のボタン操作によっていずれか一方の遊技を数多く行うことができる。
例えば、パチンコ機10の前面側に設けられた左ボタン108aを押下操作すると、図5(b)に示すように、遊技球が第1経路112のみに振り分けられる状態となる。振分装置110の入口110aへ入球した遊技球は、全て第1経路112を経由して大物口33の真上へと案内され、大物口33への遊技球の入球に基づく遊技が頻繁に行われる。よって、大物口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選による遊技を望む遊技者は、パチンコ機10の前面側の左ボタン108aを操作するだけで、振分装置110の可動部材111により振り分けられる遊技球の割合を切り替えることができる。
一方、パチンコ機10の前面側に設けられた右ボタン108aを押下操作すると、図5(c)に示すように、遊技球が第2経路113のみに振り分けられる状態となる。振分装置110の入口110aへ入球した遊技球は、全て第2経路113を経由して入賞抽選装置72側へと案内され、入賞抽選装置72に設けられるV入賞口72bへ入球するか否かという遊技球の挙動による大当たり抽選の遊技が頻繁に行われる。よって、遊技球の挙動による大当たり抽選の遊技を望む遊技者は、パチンコ機10の前面側の右ボタン108bを操作するだけで、振分装置110の可動部材111により振り分けられる遊技球の割合を変化させることができる。
従来、遊技者が遊技の途中で別の遊技を行おうとする場合には、遊技を行う場所を移動して別の遊技機で遊技を行わなければならなかったが、パチンコ機10によれば、大物口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選による遊技と、遊技球の挙動による大当たり抽選の遊技とが一台の遊技機で実行できる。よって、複数種類の遊技を実行し得ることにより、遊技場や遊技者にとって斬新で望ましい遊技機を提供することができる。なお、パチンコ機10における大当たり抽選の方法は、必ずしも大入賞口への入賞に基づく制御装置の制御による抽選と、遊技球の挙動による抽選との2種類とする必要はなく、いずれか一方の抽選を当選確率を異ならせてパチンコ機における複数種類の遊技としても良く、又は大入賞口への入賞に基づく制御装置の制御による抽選と遊技球の挙動による抽選とをいずれか一方の遊技としてパチンコ機における複数種類の遊技を構成しても良い。
また、パチンコ機10においては、可動部材111の位置に応じて別々の経路112,113へ遊技球が振り分けられる割合が変化する。このため、遊技者は、振分装置110の入口110aに入りやすい一定の位置を狙いつつ遊技球を遊技領域に打ち込んでも、振分装置110を経由した遊技球が複数の経路112,113へ振り分けられる割合が変化し、別々の遊技が可動部材111の態様に応じた異なった割合で行われる。よって、遊技者が複数種類の遊技を切り替えるためにわざわざ遊技球を移動したり、また狙い位置を調整して遊技球を入賞抽選装置72や大物口33の位置に応じて打ち分ける煩わしさが解消され、遊技者は一定位置を狙って発射操作を行って複数種類の遊技を異なった割合で容易に行うことができる。また、遊技に不慣れで発射操作による狙いが定まりにくい遊技者であっても、遊技領域の中央より上側にあって狙い位置が定まり易い振分装置110の入口110aを狙って遊技球を発射するだけで、希望する遊技を簡易かつ頻繁に行わせることができる。
また、振分装置110により遊技球が振り分けられる割合を変化させて別の遊技が頻繁に行われるようにするためには操作ボタン108a〜108cを操作するだけで遊技球の飛び量の調整は行う必要が無い。振分装置110が無ければ、大物口33と入賞抽選装置72とが設けられる位置を狙って遊技球の飛び量を調整しなければならないため、丁度遊技球が大物口33や入賞抽選装置72の入口に入りやすくなるまでには無駄な遊技球を消費しなければならず、なかなか別の遊技を開始し難いものであった。パチンコ機10によれば、遊技球の飛び量の調整を行うことなく、別の遊技が頻繁に行われるようにすることができるので、遊技者にとっても遊技の内容を気軽に変化させて種々の遊技性を楽しませることができる。
また、大物口33と入賞抽選装置72の入口72aという別々の入球口への遊技球の入球に基づいて、別々の抽選が行われ、いずれかの抽選によって大当たりとなると、大入賞口が開閉されて賞球が払い出される。抽選方法は、遊技者が遊技機を選定する上で重要視する要素であり、その抽選の方法が異なる遊技が可動部材111の位置変化に応じた別々の割合で行われると、同一の抽選の方法で遊技が行われるより遊技性の変化に対する印象が強くなる。よって、遊技者は一定位置を狙って発射操作を行いつつ、異なる種々の遊技性を容易に楽しむことができる。特に、遊技球の入球検出時期によって行われる抽選と、遊技球の挙動に基づく抽選とは、抽選の方法が全く異なるものであるので、遊技者には、顕著に違いのある複数種類の遊技を容易に楽しませることができる。また、一方の遊技を好む遊技者に対しても別の種類の遊技を、場所の移動をしなくとも簡易に行わせることができ、遊技者の興味の幅を広げて遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、主制御装置261は、大物口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選に当選した場合と、入賞抽選装置72のV入賞口72bへの入球による大当たりとなった場合とのいずれであっても、可変入賞装置32の大入賞口を開閉する可動片を開閉駆動して大当たりによる賞球の払い出しを行うので、複数の遊技を行う場合の可変入賞装置が共通化される。よって、各遊技に対して、それぞれに対応して別々の可変入賞装置を設ける場合に比べて遊技領域が狭められることがなく、遊技領域を有効に利用することができる。
また、パチンコ機10においては、遊技球を貯留すると共にその貯留された遊技球を遊技球発射装置へ導出する球受皿(上皿19および下皿15)が、遊技領域が外部から視認可能に形成された窓部101を有した前面枠セット14に一体形成されている。このため、前面枠セット14の強度を保ちつつ、窓部101と球受皿とを近づけることができ、遊技領域を視認する窓部101を球受皿側に大きく形成して、パチンコ機10の外形に対して遊技領域を視認できる領域の比率を高くすることができる。従って、遊技領域に複数の入賞抽選装置72と大物図柄表示装置42を大型化することができ、遊技領域を有効に使用することができる。
次に、上述したパチンコ機10とは異なって構成される第2の実施形態のパチンコ機について説明する。以下、第2の実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10に対して遊技盤に配設される部材が異なるものであり、その遊技盤450のみを図43に図示している。また、第2の実施形態の説明にあたり、第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
図43は、第2実施形態のパチンコ機の遊技盤450の構成を示した図である。第2の実施形態の遊技盤450には、第1の実施形態に対して、複数の大物図柄表示装置461,471と、複数の入賞抽選装置462,472と、複数の大物口463,473と、複数の保留ランプ464,474とが設けられている。
第1大物図柄表示装置461は、遊技盤450の正面視左側に配設されている。この第1大物図柄表示装置461は、第1の実施形態の大物図柄表示装置42と同様に、液晶表示装置により構成され、第1大物口463に遊技球が入賞することに基づいて、大物図柄の変動表示が行われる。第1入賞抽選装置462は、遊技盤450の正面視左側であって第1大物図柄表示装置461の下側に配設されている。第1入賞抽選装置462の内部には、1つの特定穴(図示せず)と2つの普通穴(図示せず)とが皿状に形成された所謂クルーンが設けられる。第1入賞抽選装置462へ入球した遊技球が特定穴へ入球した場合は第1入賞抽選装置462の下方に設けられた大物口463へ入賞し、普通穴へ入球した場合には遊技盤450の裏面側へと導かれて5個の賞球が払い出される。このため、第1入賞抽選装置462の入口へ入球した遊技球が、第1大物口463へ入賞する確率は1/3となる。
第1大物口463は、第1入賞抽選装置462の下方に配設され、第1の実施形態における大物口33と同様、遊技球が入賞することによって第1大物図柄表示装置461で大物図柄の変動表示が行われる。この第1大物口463を遊技球が通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ464にて点灯表示されるようになっている。かかる第1大物口463へ遊技球が入賞した場合に大当たりが発生する抽選確率は、主制御装置の制御により1/50に設定される。なお、第2実施形態における主制御装置の制御内容については、大物口への入賞に基づく大物図柄表示装置の制御を複数設けて実施できるものであるので、その説明は省略する。
第2大物図柄表示装置471は、遊技盤450の正面視右側であって第1大物図柄表示装置461の右側に並んで配設されている。この第2大物図柄表示装置471も液晶表示装置により構成され、第1の実施形態の大物口33と同様、第2大物口473に遊技球が入賞することにより大当たり抽選が行われると共に第2大物図柄表示装置に表示される大物図柄の変動表示が行われる。この第2大物口473を遊技球が通過した回数も最大4回まで保留され、その保留回数は保留ランプ474にて点灯表示されるようになっている。また第2大物図柄表示装置471により表示される大物図柄は、第1大物図柄表示装置により表示される大物図柄とは別の魚を模したキャラクタで構成され、その図柄が表示制御装置の制御により第2大物図柄表示装置に表示される。
第2入賞抽選装置472は、第1入賞抽選装置462の右側であって第2大物図柄表示装置471の下方に配設されている。第2入賞抽選装置472には、1つの特定穴(図示せず)と4つの普通穴(図示せず)とが形成された所謂クルーンが設けられ、第2入賞抽選装置472へ入球した遊技球が特定穴へ入賞する確率は1/5となっている。第2入賞抽選装置472の特定穴へ遊技球が入球した場合は第2入賞抽選装置472の下方に設けられる第2大物口473へ入賞する一方、普通穴へ入賞した場合には5個の賞球が払い出されるのみとなっている。
第2大物口473は、第2入賞抽選装置472の下方に配設され、第1の実施形態における大物口33と同様、遊技球が入賞することによって第2大物図柄表示装置471で大物図柄の変動表示が行われる。この第2大物口473へ遊技球が入賞した場合の大当たり抽選確率は、主制御装置の制御により、1/30に設定される。
遊技領域へ打ち込まれた遊技球が振分装置110の入口110aに入球すると、可動部材111によってその遊技球は左右の経路460,470のいずれかに振り分けられる。左側の経路460に振り分けられた遊技球は、第1入賞抽選装置462へ入球し、その後に1/3の確率で特定穴へ入球して第1大物口463へ入賞する。第1大物口463への入賞があると、その入賞に基づいて第1大物図柄表示装置461で大物図柄の変動表示が行われる。第1大物口463への入賞により大当たりが発生する確率は、1/50であるので、可動部材111によって左側の経路460に遊技球が振り分けられた場合に大当たりが発生する確率は1/30の確率に、第1入賞抽選装置462による1/3の確率を乗じた1/150となる。
一方、可動部材111によって右側の経路470に振り分けられた遊技球は、第2入賞抽選装置472へ入球し、その後に1/5の確率で特定穴へ入球して第2大物口473へ入賞する。第2大物口473への入賞があると、その入賞に基づいて第2大物図柄表示装置471で大物図柄の変動表示が行われる。第2大物口473への入賞により大当たりが発生する確率は、1/30であるので、可動部材111によって右側の経路470に遊技球が振り分けられた場合に大当たりが発生する確率は1/30の確率に、第2入賞抽選装置472による1/5の確率を乗じた1/150となり、左側の経路460を経由した場合と同一となっている。
このように、振分装置110によって左右の経路460,470のいずれへ遊技球が振り分けられた場合にも、全く同一の1/150の確率で大当たりの当選となる。このため、大物口への入賞確率が高いが大当たり確率が低い遊技と、大物口への入賞確率が低いが大当たり確率が高い遊技とを振分装置110の可動部材111を動作させて遊技者に選択させることができる。
ここで、振分装置110によって左右の経路460,470へ振り分けられた遊技球に基づいて必ずしも全く同一の確率で大当たりが発生するように構成する必要は無く、異なる確率となるように設定しても良いが、遊技者にとって一方の遊技を有利なものとしてしまうと、他方の遊技を行う遊技者が少なくなったり、一部の遊技者に不利益となったりしてしまう。このため、左右の経路460,470へ振り分けられた遊技球に基づく大当たりの当選確率は、ほぼ同一の確率となるように、その違いが10パーセント以下であることが好ましく、1パーセント以下であることが好適である。
また左側の経路460の入口へ入球した遊技球が第1大物口463へ入球する確率と、右側の経路470の入口へ入球した遊技球が第2大物口473へ入球する確率とは、左右の入賞抽選装置462,472により異ならされている。更に、主制御装置の制御によって、振分装置110を経由した遊技球が大物口へ到達する確率が低く設定された第2大物口473への入賞に基づく大当たり抽選の制御は、第1大物口463における大当たり抽選の制御より大当たりの当選確率が高く設定されている。このため、遊技球が大物口へ到達する確率が各大物口における大当たり抽選の制御で互いに異なっていても、左右の経路460,470の入口への遊技球の入球に基づいて大当たりの抽選結果が導出される抽選確率を互いに近づけて同一とすることができる。よって、可動部材111によって左右の経路460,470のいずれに遊技球が振り分けられても遊技者に同様の遊技価値の付与を期待させつつ、複数の遊技性を遊技者に容易に楽しませることができる。
また、左側の経路460の入口への遊技球の入球に基づいて表示制御装置の制御によって第1大物図柄表示装置461に表示される大物図柄の変動表示と大当たりとなって遊技者に遊技価値を付与する場合に現出する大物図柄の組み合わせと、右側の経路470の入口への遊技球の入球に基づいて第2大物図柄表示装置471に表示される大物図柄の変動表示および大当たりとなって現出する魚のキャラクタによる大物図柄の組み合わせとは、異なる表示態様となる。このため、遊技者が一定位置を狙って発射操作を行っても、表示装置に表示される変動表示の表示態様が異なる遊技が可動部材111の位置に応じた別々の割合で行われる。よって、表示装置に表示される動的表示の表示態様が異なる複数種類の遊技を遊技者に容易に行わせることができる。
なお、左右の大物口463,473への入賞に基づいて別々の変動表示を実行するために必ずしも別々の表示装置461,471を備える必要はなく、1の表示装置においてそれぞれで異なる表示態様で大物図柄の変動表示が行われるようしても良い。また左右の大物口463,473への入賞に基づいて行われる変動表示は、大物図柄の表示態様が異なる同一の変動パターンの変動表示としても良く、大物図柄が同じで異なる変動パターンの変動表示としても良く、または大物図柄と変動パターンとが共に異なる変動表示としても良い。また変動パターンが異なる場合には、大当たりの抽選結果を表示する有効ラインの数が異なるようにしても良く、例えば、左側の表示装置の有効ラインを第1実施形態のパチンコ機10と同様の5列とし、右側の表示装置の有効ラインを横一列としても良い。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態においては、合成樹脂により形成した可動部材111を移動することにより遊技球が振り分けられる経路が変化するように構成したが、必ずしも可動部材111を移動して経路を変化させる必要はない。可動部材111をゴムなどの弾性体を一部に用いて形成し、その弾性変形を利用して複数の経路を閉鎖または開放するように可動部材111の形状自体を変化させて遊技球が振り分けられる経路を変化させても良い。また振分装置110により遊技球が振り分けられる経路の数とその経路によって行われる大当たり抽選の遊技の数は、必ずしも上記した各実施形態と同一の2つに限定されるものでなく、3つ以上にしても良い。
また、上記した各実施形態では、可動部材111は、遊技者による操作ボタン108a〜108cの押下操作に基づいて作動する可動部材モータ410によって駆動されるように構成していた。これに代えて、可動部材モータ410を一定時間毎(例えば、1分ごと)に駆動して左側優先状態、中立状態、右側優先状態を順に繰り返すなど予め定められた動作パターンで繰り返して可動部材111が動作するように可動部材モータ410を制御しても良い。遊技者には、可動部材111の動作タイミングによっていずれの経路へどの位の割合で遊技球が振り分けられるかを推測させることができる。よって、遊技者に、遊技者自らがより多く振り分けられたいと思う一方の経路に、可動部材111によってより数多くの遊技球が振り分けられるタイミングを狙って遊技球を打ち込む新たな遊技性を提供することができると共に、遊技への参加意識を高めることができる。
また、上記した各実施形態では、可動部材111によって複数の経路に振り分けられた遊技球に基づく大当たりによって付与される遊技価値の量としてのラウンド数は同一の15ラウンドに構成していた。これに代えて、各経路に振り分けられた遊技球に基づく大当たりによって付与されるラウンド数を異ならせるなど、遊技価値の量を異ならせても良い。この場合には、大当たりの当選確率が高く設定された一方の抽選遊技に対応して遊技価値を付与する制御は、他方の抽選遊技に当選して付与される遊技価値より少量の遊技価値(例えば、少ないラウンド数)としても良い。大当たりの当選確率は高くて付与される遊技価値が少ない1の遊技と、大当たりの当選確率が低くて付与される遊技価値が多い他の遊技とが、一台の遊技機で行われる。よって、遊技者は一定位置を狙って発射操作を行いつつ、遊技価値の付与され易さと、その付与される遊技価値の量が異なる複数の遊技性を一台の遊技機で容易に楽しむことができる。
また、各経路に振り分けられた遊技球に基づく大当たりによって付与される遊技価値の量を異ならせる場合に、可動部材111によって複数の経路に振り分けられた遊技球に基づく大当たりの当選確率を同一またはほぼ同一の当選確率としても良い。遊技者は、遊技価値が付与される確率が各遊技で同一またはほぼ同一である場合には、付与される遊技価値が多い方の遊技を好む。このため、大当たりの当選確率を同一またはほぼ同一にしつつ、遊技者に異なる遊技価値が付与されると、可動部材111の態様に応じて異なる期待感を抱かせることができる。よって、遊技者に、可動部材111の態様に基づいて、より多くの遊技価値が付与される遊技が実行される一方の経路に、より多くの遊技球が振り分けられることを期待させる遊技性を付与することができる。なお、複数の経路に振り分けられた遊技球に基づく大当たりの当選確率を同一またはほぼ同一の当選確率とする場合には、操作ボタン108a〜108cによる入力操作を無効にして遊技者による可動部材111の操作を不能とし、可動部材モータ410を定期的に駆動して可動部材111の態様が定期的に変化するように構成することは好ましい。より高い遊技価値が付与される遊技が実行される一方の経路に、より数多くの遊技球が振り分けられるタイミングを狙って遊技球を投入して多量の遊技価値を獲得する技術介入性を備えた遊技性を付与することができる。
また、上記した各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる表示演出なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、図柄と共に或いは図柄とは別に、識別情報として用いられる。
本発明を上記した各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。遊技球が投入される遊技領域を備えた遊技機において、前記遊技領域に設けられると共に遊技球が入球可能な入口と、その入口から入球した遊技球を第1の経路とその第1の経路とは異なる第2の経路とを含む複数の経路へ振り分ける可動部材と、その可動部材に駆動力を付与して前記複数の経路へ振り分けられる遊技球の割合を切り替える可動部材駆動手段とを有し、前記入口から入球した遊技球を前記可動部材の態様に応じた別々の割合で前記複数の経路へ振り分ける振分装置と、前記振分装置によって前記第1の経路に振り分けられた遊技球が前記第1の経路を経由して入球し得る第1入球口と、その第1入球口への遊技球の入球に基づいて第1の遊技を実行する第1遊技実行手段と、前記振分装置によって前記第2の経路に振り分けられた遊技球が前記第2の経路を経由して入球し得る入球口であって前記第1入球口とは異なる位置に配設される第2入球口と、その第2入球口への遊技球の入球に基づいて前記第1の遊技とは遊技態様が異なる第2の遊技を実行する第2遊技実行手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。なお、可動部材の態様とは、可動部材の位置が移動することにより変化する態様と、可動部材自体が変形することにより変化する態様の両方を意味している。
遊技機1において、前記第1遊技実行手段は、前記第1入球口への遊技球の入球に基づいて抽選を行う第1抽選手段と、その第1抽選手段によって所定の抽選結果が導出された場合に第1の遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段とを備え、前記第2遊技実行手段は、前記第2入球口への遊技球の入球に基づいて前記第1抽選手段とは異なる抽選態様で抽選を行う第2抽選手段と、その第2抽選手段によって所定の抽選結果が導出された場合に第2の遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段とを備えていることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、別々の入球口への遊技球の入球に基づいて、別々の抽選手段によって異なる抽選態様で抽選が行われ、いずれかの抽選手段によって所定の抽選結果が導出されると遊技価値付与手段によって遊技価値が付与される。抽選態様は、遊技者が遊技機を選定する上で重要視する要素であり、その抽選態様の異なる遊技が可動部材の態様に応じた別々の割合で行われると、同一の抽選態様で遊技が行われるより遊技性の変化に対する印象が強くなる。よって、遊技者は一定位置を狙って発射操作を行いつつ、異なる種々の遊技性を容易に楽しむことができる。
なお、抽選態様としては、抽選方法と抽選確率との一方または双方を意味しており、異なる抽選態様とは抽選方法と抽選確率とのうち少なくとも一方が異なる抽選の仕組みを意味している。抽選方法としては、遊技球が所定の入球領域へ入球しその入球領域への遊技球の入球を検出する検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期が特定の検出時期であった場合を所定の抽選結果の導出に対する必要条件若しくは十分条件とする方法、遊技球が所定の入球領域へ入球しその入球領域への遊技球の入球を所定の抽選結果の導出に対する必要条件若しくは十分条件とする方法、若しくは、これら2つの条件の組み合わせ又はこれら2つの条件の少なくとも一方に他の条件を加えた組み合わせを所定の抽選結果の導出に対する必要条件または十分条件とする方法を意味している。
遊技機2において、前記第2抽選手段は、前記第1抽選手段とは異なる抽選確率で前記所定の抽選結果を導出する態様で抽選を行うものであり、前記第1抽選手段または前記第2抽選手段のうち前記所定の抽選結果が導出される確率が高く設定された一方の抽選手段に対応する遊技価値付与手段は、他方の抽選手段に対応する遊技価値付与手段が付与する遊技価値より少量の遊技価値を付与することを特徴とする遊技機3。従来、表示装置に表示される変動表示の内容を同一にしつつも、所定の抽選結果が導出される抽選確率や遊技者に付与される遊技価値の量が異なる設定の複数種類の遊技機がある。しかし、それらの設定は従来では機種毎に異なる設定となっているので、異なった設定の遊技を行いたい場合には遊技者は遊技を行う遊技機を替えるために座席を移動したり、或いは、別の遊技場に出向いて遊技を行わなければならなかった。
遊技機3によれば、第1抽選手段または第2抽選手段のうち所定の抽選結果が導出される確率が高く設定された一方の抽選手段に対応する遊技価値付与手段は、他方に対応する遊技価値付与手段より少量の遊技価値を付与する。このため、所定の抽選結果の導出確率は高くて付与される遊技価値が少ない1の遊技と、所定の抽選結果の導出確率が低くて付与される遊技価値が多い他の遊技とが、一台の遊技機で行われる。よって、遊技者は一定位置を狙って発射操作を行いつつ、遊技価値の付与され易さと、その付与される遊技価値の量が異なる複数の遊技性を一台の遊技機で容易に楽しむことができる。
また、所定の抽選結果の導出確率は高くて付与される遊技価値が少ない1の遊技と、所定の抽選結果の導出確率が低くて付与される遊技価値が多い他の遊技とは、遊技価値の付与され易さと、その遊技価値の付与される量とに対して一長一短のある遊技となる。よって、可動部材によって第1の経路または第2の経路のいずれに振り分けられても遊技者に期待を抱かせる遊技価値の差を少なくして、複数の遊技性を遊技者に容易に楽しませると共に、何れか一方の遊技が多く行われる場合であっても遊技者に抱かせる不満感を軽減することができる。
なお、遊技機3に記載の「第1抽選手段または第2抽選手段のうち所定の抽選結果が導出される確率が高く設定された一方の抽選手段に対応する遊技価値付与手段」は、所定の抽選結果が導出される確率が高く設定された抽選手段が第1抽選手段の場合には、その第1抽選手段を備えた第1遊技実行手段が有する第1遊技価値付与手段を意味する一方、所定の抽選確率が導出される確率が高く設定された抽選手段が第2抽選手段の場合には、その第2抽選手段を備えた第2遊技実行手段が有する第2遊技価値付与手段を意味する。また遊技機3に記載の「他方の抽選手段に対応する遊技価値付与手段」とは、他方の抽選手段が第1抽選手段の場合には、その第1抽選手段を備えた第1遊技実行手段が有する第1遊技価値付与手段を意味し、他方の抽選手段が第2抽選手段の場合には、その第2抽選手段を備えた第2遊技実行手段が有する第2遊技価値付与手段を意味する。
また、遊技機3における少量の遊技価値としては、例えば、1の入賞口への入賞に対する賞球数を少なくする場合、開状態と閉状態とを変化させる可変式の入賞口の開閉回数を少なくする場合、1回の開状態に対して入賞口へ入球し得る遊技球の数を少なくする場合、開状態が形成される回数を少なくする場合等が例示される。
遊技機1において 前記第1遊技実行手段は、前記第1入球口への遊技球の入球に基づいて抽選を行う第1抽選手段と、その第1抽選手段によって所定の抽選結果が導出された場合に第1の遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段とを備え、前記第2遊技実行手段は、前記第2入球口への遊技球の入球に基づいて、前記第1抽選手段と同一またはほぼ同一の抽選確率で前記所定の抽選結果を導出する態様で抽選を行う第2抽選手段と、その第2抽選手段によって前記所定の抽選結果が導出された場合に前記第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段とを備えていることを特徴とする遊技機4。遊技者は、遊技価値が付与される所定の抽選結果が導出される抽選確率が各遊技で同一またはほぼ同一である場合には、付与される遊技価値が多い方の遊技を好む。
遊技機4によれば、可動部材の態様に応じて別々の入球口への遊技球の入球に基づいて、別々の抽選手段によって抽選が行われる。第1抽選手段によって、所定の抽選結果が導出されると、第1遊技価値付与手段によって第2の遊技価値とは異なる第1の遊技価値が付与される。ここで、第1抽選手段と第2抽選手段とは、同一またはほぼ同一の抽選確率で所定の抽選結果を導出する態様で抽選する。このため、所定の抽選結果が導出される抽選確率を同一またはほぼ同一にしつつ、遊技者に異なる遊技価値が付与されるので、可動部材の態様に応じて異なる期待感を抱かせることができる。よって、遊技者に、可動部材の態様に基づいて、より多くの遊技価値が付与される遊技が実行される一方の経路に、より多くの遊技球が振り分けられることを期待させる遊技性を付与することができる。
なお、遊技機4において、可動部材駆動手段を定期的に駆動して可動部材の態様が定期的に変化するように構成することは好ましい。より高い遊技価値が付与される遊技が実行される一方の経路に、より数多くの遊技球が振り分けられるタイミングを狙って遊技球を投入して多量の遊技価値を獲得する技術介入性を備えた遊技性を付与することができる。
遊技機2から4のいずれかにおいて、前記第2抽選手段は、前記第1抽選手段とは異なる抽選方法で前記所定の抽選結果を導出する態様で抽選を行うことを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、第2抽選手段は、第1抽選手段とは異なる抽選方法で所定の抽選結果を導出する態様で抽選を行うので、遊技の途中で可動部材の態様が切り替わると、異なる抽選方法で行われる遊技の実行割合が変化する。よって、遊技者が、振分装置の入口へ入球し易い一定位置を狙って固定的に遊技球が遊技領域へ投入されるように操作しても、別々の抽選方法で行われる遊技の実行割合が変化し、遊技者は、顕著に違いのある複数種類の遊技を容易に楽しむことができる。
遊技機5において、前記第1抽選手段は、前記第1入球口より下流側に設けられ遊技球が入球し得る第1所定領域と、その第1所定領域へ入球した遊技球の入球を検出する第1検出手段と、その第1検出手段による遊技球の入球検出時期に基づいて抽選を行う第1内部抽選手段とを備え、前記第2抽選手段は、前記第2入球口より下流側に設けられ遊技球が選択的に入球し得ると共に前記第1所定領域とは異なる位置に配設される第2所定領域と、その第2所定領域への遊技球の入球を検出する第2検出手段とを備え、前記第2遊技価値付与手段は、前記第2検出手段によって遊技球の入球が検出されたことを十分条件として前記第2の遊技価値を付与することを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、第1入球口へ入球した遊技球が第1所定領域へ入球すると、その遊技球の入球は第1検出手段によって検出される。第1検出手段によって遊技球の入球が検出されると、その入球検出時期に基づいて抽選が行われる。一方、第2入球口へ入球した遊技球は第2所定領域へ選択的に導かれ、第2所定領域へ遊技球が入球すると、第2検出手段によって遊技球の入球が検出される。遊技球の入球が第2検出手段によって検出されると、第2遊技価値付与手段によって第2の遊技価値が付与される。このため、第1入球口を遊技球が経由した場合には、第1所定領域への遊技球の入球検出時期に基づいて抽選が行われる。一方、第2入球口を遊技球が経由した場合には、遊技球が第2所定領域へ入球するか否か、即ち、第2検出手段によって遊技球が検出されるか否かという遊技球の物理的な挙動によって抽選が行われる。よって、遊技者は一定位置を狙って発射操作を行いつつ、遊技球の入球検出時期に基づいて抽選が行われる遊技と、遊技球の挙動によって抽選が行われる遊技とを共に行うことができ、しかもそれらの遊技の実行割合を可動部材の態様に応じて変化させることができるので、異なる種々の遊技性を容易に楽しむことができる。従って、一方の遊技を好む遊技者に対しても別の種類の遊技を行わせることができ、遊技者の興味の幅を広げて遊技機の稼働率を向上させることができる。
遊技機5において、前記第1抽選手段は、前記第1入球口より下流側に設けられ遊技球が入球し得る第1所定領域と、その第1所定領域へ入球した遊技球の入球を検出する第1検出手段と、その第1検出手段による遊技球の入球検出時期に基づいて抽選を行う第1内部抽選手段とを備え、前記第2抽選手段は、前記第2入球口より下流側に設けられ遊技球が入球し得ると共に前記第1所定領域とは異なる位置に配設される第3所定領域と、その第3所定領域へ入球した遊技球の入球を検出する第3検出手段と、その第3検出手段による遊技球の入球検出時期に基づいて抽選を行う第2内部抽選手段とを備え、前記第1抽選手段または前記第2抽選手段の少なくとも一方は、前記第1入球口へ入球した遊技球が前記第1所定領域へ入球する確率と前記第2入球口へ入球した遊技球が前記第3所定領域へ入球する確率とを異ならせる入球率変更部材を備え、前記第1抽選手段または前記第2抽選手段のうち前記入球率変更部材により遊技球が所定領域へ到達する確率が低く設定された一方の抽選手段は、他方の抽選手段より前記所定の抽選結果が導出される抽選確率が高く設定されていることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、入球率変更部材によって、第1入球口へ入球した遊技球が第1所定領域へ入球する確率と第2入球口へ入球した遊技球が第3所定領域へ入球する確率とが異ならされている。更に、第1抽選手段または第2抽選手段のうち入球率変更部材により遊技球が所定領域へ到達する確率が低く設定された一方の抽選手段は、他方の抽選手段より所定の抽選結果が導出される抽選確率が高く設定されている。このため、遊技球が所定領域へ到達する確率が第1抽選手段と第2抽選手段とで互いに異なっていても、第1入球口への遊技球の入球に基づいて所定の抽選結果が導出される抽選確率と、第2入球口への遊技球の入球に基づいて所定の抽選結果が導出される抽選確率とを互いに近づけることができる。しかも、入球率変更部材と抽選確率とを調整して、第1入球口への遊技球の入球に基づいて所定の抽選結果が導出される抽選確率と、第2入球口への遊技球の入球に基づいて所定の抽選結果が導出される抽選確率とを互いに同一またはほぼ同一の確率とすることもできる。よって、可動部材によって第1の経路または第2の経路のいずれに振り分けられても遊技者に同様の遊技価値の付与を期待させつつ、複数の遊技性を遊技者に容易に楽しませることができる。
遊技機2から7のいずれかにおいて、前記遊技領域に遊技球が入球可能な開口部を形成すると共にその開口部を開閉する可動片を有した可変入賞装置を備え、前記第1遊技価値付与手段は、前記第1抽選手段によって前記所定の抽選結果が導出された場合に前記可動片を開閉駆動して前記第1の遊技価値を付与するものであり、前記第2遊技価値付与手段は、前記第2抽選手段によって前記所定の抽選結果が導出された場合には、前記第1遊技価値付与手段により開閉駆動される前記可動片を開閉駆動して前記第2の遊技価値を付与することを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、第2遊技価値付与手段が、第1遊技価値付与手段により開閉駆動される可動片を開閉駆動して第2の遊技価値を付与するので、第1遊技実行手段と第2遊技実行手段とにおける可変入賞装置が共通化される。よって、第1遊技実行手段及び第2遊技実行手段のそれぞれに対応して別々の可変入賞装置を設ける場合に比べて遊技領域が狭められることがなく、遊技領域を有効に利用することができる。
遊技機1から8のいずれかにおいて、識別情報を表示する表示装置を備え、前記第1遊技実行手段は、前記第1入球口への遊技球の入球に基づいて前記表示装置に前記識別情報の動的表示を行わせると共に遊技者に遊技価値を付与する場合に前記表示装置に予め定めた第1表示結果を現出する制御を行う第1表示制御手段を備え、前記第2遊技実行手段は、前記表示装置に前記第1表示制御手段とは異なる表示態様で前記表示装置に識別情報の動的表示を行わせると共に遊技者に遊技価値を付与する場合に前記表示装置に予め定めた表示結果であって前記第1表示結果とは異なる表示態様の第2表示結果を現出する制御を行う第2表示制御手段を備えていることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、第1入球口への遊技球の入球に基づいて第1表示制御手段によって表示装置に表示される識別情報の動的表示および遊技者に遊技価値を付与する場合に現出する第1表示結果と、第2入球口への遊技球の入球に基づいて第2表示制御手段によって表示装置に表示される識別情報の動的表示および遊技者に遊技価値を付与する場合に現出する第2表示結果とは、異なる表示態様となる。このため、遊技者が一定位置を狙って発射操作を行っても、表示装置に表示される動的表示の表示態様が異なる遊技が可動部材の態様に応じた別々の割合で行われる。よって、表示装置に表示される動的表示の表示態様が異なる複数種類の遊技を遊技者に容易に行わせることができる。
なお、遊技機9における表示装置は、別々の遊技実行手段毎にに専用の表示装置を備え、その表示装置のそれぞれで異なる表示態様で識別情報の動的表示が行われるように構成しても良い。また、遊技機9に記載の異なる表示態様で識別情報の動的表示を行わせるとは、識別情報が異なる同一の変動パターンの動的表示を表示すること、識別情報が同じで異なる変動パターンの動的表示を表示すること、または識別情報と変動パターンとが共に異なる動的表示を表示することを意味ずる。また変動パターンが異なる場合には、抽選結果を表示する有効ラインの数が異なることが好ましく、これにより、遊技性に大きな違いを持たせることができる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記可動部材の態様に対応する可動部材識別情報を表示する第3表示装置と、その第3表示装置に表示される前記可動部材識別情報を前記可動部材の態様に応じて切り替える制御を行う第3表示制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機10。遊技機10によれば、可動部材の態様に対応する可動部材識別情報が、第3表示制御手段によって可動部材の態様に応じて切り替えて第3表示装置に表示される。このため、遊技者は、第3表示装置に表示される可動部材識別情報に基づいて、可動部材の態様を認識することができる。よって、遊技者が可動部材を注視する必然性を低減することができる。また、可動部材の動作状態が遊技者から視認し難い場合でも、第3表示装置に表示される可動部材識別情報に基づいて、可動部材の態様を認識することができる。
なお、遊技機10に記載の遊技機において、第3表示装置は、表示装置とは別に設けられたものであっても良い。可動部材識別情報の表示によって識別情報の動的表示の表示領域が狭められることを防止することができる。更に、遊技機9に記載の遊技機において、第3表示装置は、表示装置により構成されるものであっても良い。遊技者は、遊技中に識別情報の動的表示が行われる表示装置に注目しているので、その表示装置に可動部材識別情報の表示を行うことで遊技者に可動部材の態様を簡単に視認させることができる。また、第3表示装置としては、例えば、液晶表示装置(LCD)、発光ダイオードによる点灯装置などが例示される。
遊技機1から10のいずれかにおいて、遊技者の操作情報を入力する入力手段を備え、前記可動部材駆動手段は、前記入力手段によって入力された操作情報に応じて前記可動部材に駆動力を付与して前記複数の経路へ振り分けられる遊技球の割合を切り替えることを特徴とする遊技機11。
遊技機11によれば、振分装置の可動部材は、入力手段によって入力された遊技者の操作情報に応じて可動部材駆動手段によって駆動力が付与され、遊技球を別々の割合で複数の経路へ振り分ける。よって、遊技領域へ投入された遊技球が振分装置へ入球した場合には、複数の経路に振り分けられる遊技球の割合を遊技者の意志に基づいて異ならせることができる。従って、振分装置に入球し易い略同一の位置に固定的に遊技球が投入されるように操作しても、遊技者に、遊技者の意志に基づいて、異なる割合で複数種類の遊技を行わせることができる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記可動部材を予め定められた動作パターンで繰り返して動作させるように前記可動部材駆動手段を制御する可動部材制御手段を備えていることを特徴とする遊技機12。
遊技機12によれば、可動部材は、可動部材駆動手段によって、予め定められた動作パターンで繰り返して駆動される。このため、遊技者に、遊技球が可動部材の態様に応じて複数の経路の各経路にどの位の割合で振り分けられるかのタイミングを推測させることができる。よって、遊技者に、遊技者自らがより多く振り分けられたいと思う一方の経路に、より数多くの遊技球が振り分けられるタイミングに合わせて遊技球の発射操作をさせることができる。よって、遊技者がそのタイミングを狙って遊技球を投入することで、継続して遊技球を発射するより遊技球が複数の経路へ振り分けられる割合を変化させることができ、遊技への参加意識を高めることができる。
遊技機1から12のいずれかにおいて、前記遊技領域が外部から視認可能に形成された窓部を有した前面枠と、遊技球を前記遊技領域へ発射する遊技球発射装置と、遊技球を貯留すると共に前記遊技球発射装置へ遊技球を導出する球受皿とを備え、その球受皿は前記前面枠に一体形成されていることを特徴とする遊技機13。
遊技機13によれば、遊技球を貯留すると共にその貯留された遊技球を遊技球発射装置へ導出する球受皿は、遊技領域が外部から視認可能に形成された窓部を有した前面枠に一体形成されている。このため、前面枠の強度を保ちつつ、窓部と球受皿とを近づけることができ、遊技領域を視認する窓部を球受皿側に大きく形成して、遊技機の外形に対して遊技領域を視認できる領域の比率を高くすることができる。従って、遊技領域に複数の入賞装置や表示装置を配設しても各部材を大型化することができ、遊技領域を有効に使用することができる。
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機14。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技球を所定の遊技領域へ発射し、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機15。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機16。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
一実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。 外枠に対して内枠と前面枠セットとを開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機から前面枠セットを取り外した状態を示した正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a)は第1経路と第2経路との両方に遊技球が振り分けられる状態を示した図であり、(b)は遊技球が第1経路に振り分けられる状態を示した図であり、(c)は遊技球が第2経路に振り分けられる状態を示した図である。 図4のVI−VI線における振分装置の断面図である。 入賞抽選装置の斜視図である。 前面枠セットの背面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示した分解斜視図である。 パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。 内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。 内枠を後方より見た斜視図である。 遊技盤を後方より見た斜視図である。 支持金具の斜視図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第1制御基板ユニットの斜視図である。 第1制御基板ユニットの分解斜視図である。 第1制御基板ユニットを裏面から見た分解斜視図である。 第2制御基板ユニットの正面図である。 第2制御基板ユニットの斜視図である。 第2制御基板ユニットの分解斜視図である。 パチンコ機の背面から見た裏パックユニットの背面図を示した図である。 裏パックユニットの分解斜視図を示した図である。 タンクレールの構成を示した図である。 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。 大物図柄表示装置の表示内容を示す図である。 各種カウンタの概要を示した図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される通常処理を示したフローチャートである。 図30の通常処理の中で実行される外れ図柄カウンタの更新処理を示したフローチャートである。 図30の通常処理の中で実行される大物図柄変動処理を示したフローチャートである。 図32の大物図柄変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。 通常処理の中で実行される大当たり処理を示したフローチャートである。 タイマ割込処理を示したフローチャートである。 図35のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示したフローチャートである。 NMI割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される振分装置駆動処理のフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される払出制御処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される賞球制御処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される貸球制御処理を示したフローチャートである。 第2実施形態のパチンコ機の遊技盤の構成を示した図である。
符号の説明
10 パチンコ機(遊技機)
32 可変入賞装置(第1遊技実行手段の一部、第2遊技実行手段の一部)
33 大物口(第1入球口)
261 主制御装置(第1遊技実行手段の一部、第2遊技実行手段の一部)
42 表示装置(第1遊技実行手段の一部)
45 表示制御装置(第1遊技実行手段の一部)
72 入賞抽選装置(第2遊技実行手段の一部)
72a 入球口(第2入球口)
110 振分装置
110a 入口
111 可動部材
112 第1経路(第1の経路)
113 第2経路(第2の経路)
410 可動部材モータ(可動部材駆動手段)

Claims (6)

  1. 遊技球が投入される遊技領域を備えた遊技機において、
    前記遊技領域に設けられると共に遊技球が入球可能な入口と、その入口から入球した遊技球を第1の経路とその第1の経路とは異なる第2の経路とを含む複数の経路へ振り分ける可動部材と、
    その可動部材に駆動力を付与して前記複数の経路へ振り分けられる遊技球の割合を切り替える可動部材駆動手段とを有し、前記入口から入球した遊技球を前記可動部材の態様に応じた別々の割合で前記複数の経路へ振り分ける振分装置と、
    前記振分装置によって前記第1の経路に振り分けられた遊技球が前記第1の経路を経由して入球し得る第1入球口と、
    その第1入球口への遊技球の入球に基づいて第1の遊技を実行する第1遊技実行手段と、
    前記振分装置によって前記第2の経路に振り分けられた遊技球が前記第2の経路を経由して入球し得る入球口であって前記第1入球口とは異なる位置に配設される第2入球口と、
    その第2入球口への遊技球の入球に基づいて前記第1の遊技とは遊技態様が異なる第2の遊技を実行する第2遊技実行手段とを備え
    前記第1遊技実行手段は、前記第1入球口への遊技球の入球に基づいて抽選を行う第1抽選手段と、その第1抽選手段によって所定の抽選結果が導出された場合に第1の遊技価値を付与する第1遊技価値付与手段とを備え、
    前記第2遊技実行手段は、前記第2入球口への遊技球の入球に基づいて前記第1抽選手段とは異なる抽選態様で抽選を行う第2抽選手段と、その第2抽選手段によって所定の抽選結果が導出された場合に第2の遊技価値を付与する第2遊技価値付与手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記第2抽選手段は、前記第1抽選手段とは異なる抽選確率で前記所定の抽選結果を導出する態様で抽選を行うものであり、
    前記第1抽選手段または前記第2抽選手段のうち前記所定の抽選結果が導出される確率が高く設定された一方の抽選手段に対応する遊技価値付与手段は、他方の抽選手段に対応する遊技価値付与手段が付与する遊技価値より少量の遊技価値を付与することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記第1抽選手段は、前記第1入球口より下流側に設けられ遊技球が入球し得る第1所定領域と、その第1所定領域へ入球した遊技球の入球を検出する第1検出手段と、その第1検出手段による遊技球の入球検出時期に基づいて抽選を行う第1内部抽選手段とを備え、
    前記第2抽選手段は、前記第2入球口より下流側に設けられ遊技球が選択的に入球し得ると共に前記第1所定領域とは異なる位置に配設される第2所定領域と、その第2所定領域への遊技球の入球を検出する第2検出手段とを備え、前記第2遊技価値付与手段は、前記第2検出手段によって遊技球の入球が検出されたことを十分条件として前記第2の遊技価値を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記遊技領域に遊技球が入球可能な開口部を形成すると共にその開口部を開閉する可動片を有した可変入賞装置を備え、
    前記第1遊技価値付与手段は、前記第1抽選手段によって前記所定の抽選結果が導出された場合に前記可動片を開閉駆動して前記第1の遊技価値を付与するものであり、
    前記第2遊技価値付与手段は、前記第2抽選手段によって前記所定の抽選結果が導出された場合には、前記第1遊技価値付与手段により開閉駆動される前記可動片を開閉駆動して前記第2の遊技価値を付与することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 前記可動部材の態様に対応する可動部材識別情報を表示する第3表示装置と、
    その第3表示装置に表示される前記可動部材識別情報を前記可動部材の態様に応じて切り替える制御を行う第3表示制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
  6. 前記遊技領域が外部から視認可能に形成された窓部を有した前面枠と、
    遊技球を前記遊技領域へ発射する遊技球発射装置と、
    遊技球を貯留すると共に前記遊技球発射装置へ遊技球を導出する球受皿とを備え、
    その球受皿は前記前面枠に一体形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
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