[1]機械的構成および電気的構成の説明
パチンコホールの台島には、図1に示すように、外枠1が設置されている。この外枠1は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1の前端面には前枠2が左側部の垂直な軸を中心に回動可能に装着されている。この前枠2の前面には横長な長方形状の上皿板3および横長な長方形状の下皿板4が上下2段に固定されており、上皿板3の前面には上面が開口する上皿5が固定され、下皿板4の前面には上面が開口する下皿6が固定されている。
下皿板4の前面には右端部に位置してハンドル台7が固定されており、ハンドル台7には発射ハンドル8が前後方向へ延びる軸を中心に回動可能に装着されている。このハンドル台7の後方には発射ソレノイド9が固定されており、発射ソレノイド9には打球槌10が連結されている。この発射ソレノイド9は打球槌10の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル8が回動操作されたときには発射ソレノイド9に駆動電圧が印加され、打球槌10が駆動することに基づいて上皿5内の遊技球を上皿5内から弾き出す。
前枠2の前面には窓枠11が装着されている。この窓枠11は円形孔状の窓部12を有するものであり、窓部12の内周面には透明なガラス窓13が固定されている。この窓枠11の後面には左上隅部および右上隅部のそれぞれに位置してスピーカ14が固定されており、各スピーカ14の前方には網状のスピーカカバー15が配置されている。これら各スピーカカバー15は窓枠11に固定されたものであり、各スピーカ14が再生する効果音は前方のスピーカカバー15を通して放出される。窓枠11には各スピーカカバー15の下方に位置して2個のランプカバー16が固定されており、各ランプカバー16の後方には複数の電飾LED17(図5参照)が配置されている。これら各電飾LED17は窓枠11に固定されたものであり、各ランプカバー16は後方の電飾LED17が発光することに基づいて照明される。
前枠2には、図2に示すように、遊技盤18が装着されており、遊技盤18は窓枠11のガラス窓13により前方から覆われている。この遊技盤18の前面には外レール19および内レール20が固定されている。これら外レール19および内レール20相互間には円弧状の発射通路21が形成されており、打球槌10が弾いた遊技球は発射通路21を通して遊技領域22内に放出される。この遊技領域22内には複数の障害釘23が固定されており、遊技領域22内に放出された遊技球は障害釘23に当りながら遊技領域22内を落下する。この遊技領域22は外レール19および内レール20によって囲まれた領域のうち発射通路21を除く円形状の領域を称するものであり、遊技球が転動可能な最大範囲である転動領域に相当する。
遊技領域22内には始動口24が固定されている。この始動口24は上面が開口するポケット状をなすものであり、遊技領域22内を転動する遊技球は始動口24内に上面から入賞可能にされている。この始動口24内には始動口センサ25(図5参照)が固定されており、始動口センサ25は始動口24内に遊技球が入賞したことを検出して始動信号を出力する。
遊技領域22内には、図2に示すように、有色不透明な円形状の表示台枠26が固定されており、表示台枠26には装飾図柄表示器27が固定されている。この装飾図柄表示器27は図柄表示器に相当するものであり、カラー液晶表示器から構成されている。この装飾図柄表示器27は横長な長方形状の表示領域110を有するものであり、装飾図柄表示器27の表示領域110には装飾図柄が表示される。この装飾図柄は左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素の3列の組合せ図柄から構成されたものであり、大当りおよび外れを識別する識別図柄に相当する。表示台枠26には特別図柄表示器28が固定されている。この特別図柄表示器28はLED表示器から構成されたものであり、特別図柄表示器28には特別図柄が表示される。
表示台枠26には、図3に示すように、装飾図柄表示器27の上方に位置して特別入賞口29が固定されている。この特別入賞口29は前面が開口する四角筒状をなすものであり、表示台枠26には特別入賞口29の前方に位置して扉30が下端部の水平な軸31を中心に回動可能に装着されている。この扉30は特別入賞口ソレノイド32(図5参照)に連結されており、特別入賞口ソレノイド32は、図3に実線で示すように、扉30を垂直状態に回動操作することに基づいて特別入賞口29の前面を遊技球が入賞不能に閉鎖し、図3に二点鎖線で示すように、扉30を前方へ倒れた水平状態に回動操作することに基づいて特別入賞口の29前面を遊技球が入賞可能に開放する。この特別入賞口29は可変入賞口に相当するものである。
特別入賞口29の底板には、図4に示すように、左右方向の中央部に位置して上排出孔33が形成されている。この上排出孔33は特別入賞口29の内部に入賞した遊技球を特別入賞口29の外部に排出するものであり、上排出孔33の直径寸法は1個の遊技球が通過可能な大きさに設定されている。特別入賞口29の内部には上排出孔33の左方および上排出孔33の右方のそれぞれに位置して傾斜面34が形成されている。左方の傾斜面34は左から右へ向って下降するものであり、右方の傾斜面34は右から左へ向って下降するものであり、特別入賞口29内に入賞した遊技球は左方の傾斜面34および右方の傾斜面34のいずれかに沿って転動することに基づいて上排出孔33に案内され、上排出孔33を通って下方へ落下する。
表示台枠26には、図2に示すように、球樋35が固定されている。この球樋35は上下方向へ真直ぐに延びる直管状の入口通路36と右から左へ向って下降する直管状の左上傾斜通路37と左から右へ向って下降する直管状の右上傾斜通路38と上下方向へ真直ぐに延びる直管状の左演出通路39と上下方向へ真直ぐに延びる直管状の右演出通路40と左から右へ向って下降する直管状の左下傾斜通路41と右から左へ向って下降する直管状の右下傾斜通路42を有するものであり、入口通路36〜右下傾斜通路42のそれぞれは無色透明な合成樹脂を材料に形成されている。この球樋35の入口通路36は、図4に示すように、特別入賞口29の上排出孔33に接続されたものであり、上排出孔33から下方へ落下した遊技球は入口通路36内に進入する。この入口通路36は、図3に示すように、表示台枠26の後方に配置されたものであり、表示台枠26によって前方の遊技者から視覚的に認識不能に隠されている。
球樋35の左上傾斜通路37および右上傾斜通路38のそれぞれは、図4に示すように、入口通路36の下端部に接続されたものであり、左上傾斜通路37の内径寸法および右上傾斜通路38の内径寸法のそれぞれは1個の遊技球が通過可能な値に設定されている。これら左上傾斜通路37および右上傾斜通路38のそれぞれは表示台枠26の後方に配置されたものであり、表示台枠26よって前方の遊技者から視覚的に認識不能に隠されている。これら左上傾斜通路37および右上傾斜通路38相互間の交差部分には、図3に示すように、ステッピングモータからなる振分けモータ44が固定されている。この振分けモータ44は表示台枠26の後方に配置されたものであり、表示台枠26によって前方の遊技者から視覚的に認識不能に隠されている。この振分けモータ44は駆動源に相当するものであり、前後方向へ延びる回転軸45を有している。
振分けモータ44の回転軸45は、図3に示すように、球樋35の内部に突出しており、回転軸45には、図4に示すように、球樋35の内部に位置して振分け板46が固定されている。この振分け板46は表示台枠26の後方に配置されたものであり、表示台枠26によって前方の遊技者から視覚的に認識不能に隠されている。この振分け板46は可動部材に相当するものであり、図4に実線で示すように、振分けモータ44が時計回り方向へ正転することに基づいて右位置に回動操作され、図4に二点鎖線で示すように、振分けモータ44が反時計回り方向へ逆転することに基づいて左位置に回動操作される。右位置は右上傾斜通路38の上端部を閉鎖して左上傾斜通路37の上端部を開放する位置であり、振分け板46が右位置に回動操作された状態では入口通路36内に進入した遊技球が振分け板46に当って左上傾斜通路37内に進入する。左位置は左上傾斜通路37の上端部を閉鎖して右上傾斜通路38の上端部を開放する位置であり、振分け板46が左位置に回動操作された状態では入口通路36内に進入した遊技球が振分け板46に当って右上傾斜通路38内に進入する。
左上傾斜通路37の外周面には左カウントセンサ47が固定され、右上傾斜通路38の外周面には右カウントセンサ48が固定されている。これら左カウントセンサ47および右カウントセンサ48のそれぞれは表示台枠26の後方に配置されたものであり、表示台枠26によって前方の遊技者から視覚的に認識不能に隠されている。これら左カウントセンサ47および右カウントセンサ48のそれぞれは近接スイッチからなるものであり、左カウントセンサ47は左上傾斜通路37内を転動する遊技球を検出して左カウント信号を出力し、右カウントセンサ48は右上傾斜通路38内を転動する遊技球を検出して右カウント信号を出力する。これら左カウントセンサ47および右カウントセンサ48のそれぞれは可変入賞口センサに相当するものである。
球樋35の左演出通路39は、図2に示すように、左上傾斜通路37の下端部に接続されたものであり、右演出通路40は右上傾斜通路38の下端部に接続されたものである。これら左演出通路39および右演出通路40のそれぞれは表示台枠26の前方に配置されたものであり、前方から視覚的に認識可能にされている。左演出通路39は装飾図柄表示器27の表示領域110の左端部の前方に重ねて配置されたものであり、左上傾斜通路37内に進入した遊技球は左演出通路39内を上から下へ真直ぐに落下する。右演出通路40は装飾図柄表示器27の表示領域110の右端部の前方に重ねて配置されたものであり、右上傾斜通路38内に進入した遊技球は右演出通路40内を上から下へ真直ぐに落下する。これら左演出通路39および右演出通路40のそれぞれは無色透明な透光性を有するものであり、装飾図柄表示器27の表示領域110の左端部は前方から左演出通路39を通して視覚的に認識可能にされ、装飾図柄表示器27の表示領域110の右端部は前方から右演出通路40を通して視覚的に認識可能にされ、左演出通路39内を落下する遊技球は左演出通路39の前板を通して前方から視覚的に認識可能にされ、右演出通路40内を落下する遊技球は右演出通路40の前板を通して前方から視覚的に認識可能にされている。これら左演出通路39および右演出通路40のそれぞれは演出通路に相当するものである。
球樋35の左下傾斜通路41は、図2に示すように、左演出通路39の下端部に接続されたものであり、右下傾斜通路42は右演出通路40の下端部に接続されたものであり、左演出通路39内を落下する遊技球は左下傾斜通路41内に進入し、右演出通路40内を落下する遊技球は右下傾斜通路42内に進入する。これら左下傾斜通路41および右下傾斜通路42のそれぞれは、図3に示すように、表示台枠26の後方に配置されたものであり、表示台枠26によって前方の遊技者から視覚的に認識不能に隠されている。
球樋35には、図2に示すように、左下傾斜通路41および右下傾斜通路42相互間の交差部分に位置して下排出孔49が形成されており、下排出孔49には裏樋の上端部が接続されている。この裏樋は遊技盤18の後方に配置されたものであり、裏樋の下端部は球回収装置に接続されている。この球回収装置は外枠1の下方に設置されたものであり、左下傾斜通路41内に進入した遊技球および右下傾斜通路42内に進入した遊技球のそれぞれは装飾図柄表示器27の表示領域110の下方で遊技盤18の後方に回り込み、遊技盤18の後方の裏樋から球回収装置に回収される。
図5のメイン制御回路50は遊技内容を制御する最上位の制御手段であり、CPU51とROM52とRAM53を有している。このメイン制御回路50のROM52には制御プログラムおよび制御データが記録されており、CPU51はRAM53をワークエリアとしてROM52の制御プログラムおよび制御データに基づいて制御動作を実行する。出力回路54は始動口センサ25からの始動信号と左カウントセンサ47からの左カウント信号と右カウントセンサ48からの右カウント信号のそれぞれを波形成形してメイン制御回路50に出力するものであり、メイン制御回路50は出力回路54からの始動信号と左カウント信号と右カウント信号のいずれかを検出することに基づいて賞球コマンドを設定する。タイマ回路55はメイン制御回路50に一定の時間間隔(4msec)でパルス信号を出力するものであり、メイン制御回路50はタイマ回路55からのパルス信号を検出する毎にタイマ割込処理を実行する。
ソレノイド回路56は特別入賞口ソレノイド32を通断電するものであり、メイン制御回路50はソレノイド回路56を駆動制御することに基づいて特別入賞口29の扉30を開閉操作する。LED回路57は特別図柄表示器28に特別図柄を表示するものであり、メイン制御回路50はLED回路57を駆動制御することに基づいて特別図柄表示器28の表示内容を制御する。モータ回路58は振分けモータ44を正転操作および逆転操作するものであり、メイン制御回路50はモータ回路58を駆動制御することに基づいて振分け板46を右位置および左位置相互間で回動操作する。このメイン制御回路50は当落判定手段と大当り遊技手段と駆動制御手段のそれぞれに相当するものである。
払出制御回路60は賞品球の払出動作を制御するものであり、CPU61とROM62とRAM63を有している。この払出制御回路60のROM62には制御プログラムおよび制御データが記録されており、CPU61はRAM63をワークエリアとしてROM62の制御プログラムおよび制御データに基づいて賞品球の払出動作を実行する。この払出制御回路60はメイン制御回路50から賞球コマンドが送信されるものであり、賞球コマンドを検出することに基づいて駆動信号を設定する。モータ回路64は払出制御回路60から駆動信号の設定結果が与えられるものであり、払出制御回路60からの駆動信号に基づいて払出モータ65を駆動する。この払出モータ65は遊技球を上皿5内に賞品球として払出す賞球払出装置の駆動源に相当するものであり、上皿5内には払出モータ65が駆動することに基づいて賞球コマンドに応じた個数の賞品球が払出される。
演出制御回路70は装飾図柄遊技の演出内容を総括的に制御するものであり、CPU71とROM72とRAM73を有している。この演出制御回路70のROM72には制御プログラムおよび制御データが記録されており、CPU71はRAM73をワークエリアとしてROM72の制御プログラムおよび制御データに基づいて処理動作を実行する。この演出制御回路70はメイン制御回路50からコマンドが送信されるものであり、メイン制御回路50からのコマンドを検出することに基づいてコマンドを設定する。タイマ回路74は演出制御回路70に一定の時間間隔(4msec)でパルス信号を出力するものであり、演出制御回路70はタイマ回路74からのパルス信号を検出する毎にタイマ割込処理を実行する。この演出制御回路70は図柄設定手段と指令手段に相当するものである。
図柄制御回路80はCPU81とROM82とRAM83とVDP84とVROM85とVRAM86を有している。この図柄制御回路80のCPU81は演出制御回路70からのコマンドに基づいて制御データを設定し、制御データの設定結果に応じたビデオデータの再生をVDP84に指令するものであり、VDP84は指令内容に応じたビデオデータをVROM85から検出し、ビデオデータの検出結果に基づいて表示信号を生成する。このVDP84は表示信号の設定結果をLCD回路87に出力するものであり、LCD回路87はVDP84からの表示信号に応じた映像を装飾図柄表示器27に表示する。これら一連の動作はCPU81がROM82に記録された制御プログラムおよび制御データに基づいて実行するものであり、RAM83はCPU81のワークメモリとして機能する。この図柄制御回路80は遊技映像表示手段と演出映像表示手段のそれぞれに相当するものである。
音制御回路90はCPU91とROM92とRAM93を有している。この音制御回路90のCPU91は演出制御回路70からのコマンドに応じた音データをROM92から検出し、音データの検出結果に基づいて音信号を生成してスピーカ回路94に出力するものであり、スピーカ回路94は音信号に応じた音を両スピーカ14から出力する。このCPU91の一連の動作はROM92に記録された制御プログラムおよび制御データに基づいて行われるものであり、RAM93はCPU91のワークメモリとして機能する。
電飾制御回路100はCPU101とROM102とRAM103を有している。この電飾制御回路100のCPU101は演出制御回路70からのコマンドに応じた電飾データをROM102から検出し、電飾データの検出結果に基づいて電飾信号を生成してLED回路104に出力するものであり、LED回路104は複数の電飾LED17を電飾信号に応じた内容で発光させる。このCPU101の一連の動作はROM102に記録された制御プログラムおよび制御データに基づいて行われるものであり、RAM103はCPU101のワークメモリとして機能する。
[2]遊技機能の説明
[2−1]特別図柄遊技機能
遊技者が上皿5内に遊技球を投入して発射ハンドル8を回動操作すると、遊技盤18の遊技領域22内に遊技球が発射され、障害釘23に当りながら落下する。この遊技球が始動口24内に入賞したときには賞球払出装置から設定個数の遊技球が上皿5内に賞品球として払出され、特別図柄遊技が開始される。この特別図柄遊技は特別図柄表示器28に特別図柄を変動状態および変動停止状態で順に表示するものであり、特別図柄の変動停止時の態様には、図12に示すように、確変大当りの態様と通常大当りの態様と外れの態様の3種類が設定されている。
[2−2]大当り遊技機能
特別図柄表示器28に特別図柄が確変大当りの態様および通常大当りの態様のいずれかで停止表示されたときには大当り遊技が開始される。この大当り遊技は特別入賞口29を開放し、特別入賞口29内に遊技球が入賞することを許容する遊技者有利の状態を発生させるものであり、特別入賞口29は上限値(例えば10個)の遊技球が入賞する個数条件または開放時間が上限値(例えば30sec)に達する時間条件が満足されるまで開放状態に保持される。この特別入賞口29の個数条件および時間条件を基準とする開閉動作は大当りラウンドと称されるものであり、大当りラウンドは固定的な設定回数(例えば15回)だけ繰返される。この大当りラウンドの繰返しは大当り遊技に相当するものであり、各回の大当りラウンド中には装飾図柄表示器27に大当り遊技を映像的に演出する大当りラウンド表示が行われ、両スピーカ14から大当りラウンド表示を音的に演出する効果音が出力され、複数の電飾LED17が大当りラウンド表示の表示内容に応じて発光する。
[2−3]特別図柄遊技保留機能
特別図柄遊技を即座に開始できない特別図柄遊技中および大当り遊技中に遊技球が始動口24内に入賞したときには特別図柄遊技が保留される。この特別図柄遊技の保留回数には上限値(例えば4回)が設定されており、保留回数が上限値に到達した状態で遊技球が始動口24内に入賞したときには特別図柄遊技が保留されない。この特別図柄遊技が保留されない遊技球の入賞を無効な入賞と称し、特別図柄遊技が保留される入賞を有効な入賞と称する。
[2−4]装飾図柄遊技機能(図柄遊技機能)
遊技球が始動口24内に入賞したときには特別図柄遊技に連動して装飾図柄遊技が開始される。この装飾図柄遊技は装飾図柄表示器27に映像を表示し、両スピーカ14から装飾図柄表示器27の映像に応じた効果音を出力し、複数の電飾LED17を装飾図柄表示器27の映像に応じて発光させることで組成されるものである。この装飾図柄遊技の映像は装飾図柄を変動状態および変動停止状態で順に表示し、装飾図柄の変動停止時の態様に基づいて大当りおよび外れの判定結果を遊技者に報知するものである。この装飾図柄の変動開始は特別図柄の変動開始に時間的に同期して行われるものであり、装飾図柄の変動停止は特別図柄の変動停止に時間的に同期して行われるものであり、特別図柄が外れの態様で変動停止するときには装飾図柄が完全外れの組合せおよび外れリーチの組合せのいずれかで変動停止し、特別図柄が確変大当りの態様および通常大当りの態様のいずれかで変動停止するときには装飾図柄が大当りの組合せで変動停止し、大当り遊技は装飾図柄が大当りの組合せで変動停止した後で開始される。
[2−5]確率変動機能
確率変動モードは大当りを確率変動モードの無効状態に比べて高い一定確率で判定する高確率モードを称する。この確率変動モードは装飾図柄が大当りの組合せ「111」「222」「333」「444」「555」「666」「777」「888」のいずれかで停止表示された場合に「1/2」の確率で有効化されているものであり、確率変動モードの有効状態で装飾図柄が大当りの組合せで新たに停止表示された時点で無効化される。
[2−6]確変報知機能
大当り遊技中には振分け部材46が右位置および左位置相互間で回動操作され、特別入賞口29内に入賞した遊技球が左演出通路39内および右演出通路40内のいずれかを落下する。この振分け部材46は1回目と3回目と5回目と7回目と9回目と11回目と13回目と15回目の奇数回の大当りラウンドでは右位置に保持され、2回目と4回目と6回目と8回目と10回目と12回目と14回目の偶数回の大当りラウンドでは左位置に保持され、奇数回の大当りラウンドでは遊技球が左演出通路39内を落下し、偶数回の大当りラウンドでは遊技球が右演出通路40内を落下する。
奇数回の大当りラウンドでは、図35に示すように、お姫様の図柄121が左演出通路39の後方に表示され、遊技球が左演出通路39内をお姫様の図柄121に目掛けて落下し、お姫様の図柄121が右側に倒れる映像および右側に避ける映像のいずれかが表示される。偶数回の大当りラウンドでは、図36に示すように、お殿様の図柄122が右演出通路40の後方に表示され、遊技球が右演出通路40内をお殿様の図柄122に目掛けて落下し、お殿様の図柄122が左側に倒れる映像および左側に避ける映像のいずれかが表示される。これらお姫様の図柄121およびお殿様の図柄122のそれぞれは確率変動モードの設定状態を報知するものであり、確率変動モードが無効化されたときにはお姫様の図柄121およびお殿様の図柄122のそれぞれが倒れる映像が表示され、確率変動モードが有効化されたときにはお姫様の図柄121およびお殿様の図柄122のそれぞれが避ける映像が表示される。
[3]メイン制御回路50の内部処理
[3−1]メイン処理
メイン制御回路50のCPU51は電源が投入されると、図6のステップS1の電源投入処理でRAM53の全データを初期設定し、ステップS2でタイマ割込フラグの設定状態を判断する。このタイマ割込フラグはCPU51がタイマ回路55からのパルス信号を受信することに基づいてタイマ割込処理でオンするものであり、CPU51はステップS2でタイマ割込フラグのオンを検出したときにはステップS3へ移行し、タイマ割込フラグをオフする。
CPU51はステップS3でタイマ割込フラグをオフすると、ステップS4の入力処理〜ステップS6のデータ取得処理を順に実行する。このステップS6のデータ取得処理を終えたときにはステップS7の大当り判定処理〜ステップS12の大当り遊技処理をメイン制御フラグの設定状態に基づいて択一的に実行し、ステップS7の大当り判定処理〜ステップS12の大当り遊技処理のいずれかを終えたときにはステップS2に復帰する。このメイン制御フラグはステップS1の電源投入処理で大当り判定処理に初期設定されるものであり、CPU51はステップS2に復帰したときにはタイマ割込フラグのオンを新たに検出することに基づいてステップS3へ移行する。
[3−2]入力処理
図7はステップS4の入力処理の詳細を示すものであり、CPU51は図7のステップS21で出力回路54からの始動信号の出力状態を判断する。ここで始動信号がないことを判断したときにはステップS22で始動信号フラグをオフし、始動信号があることを判断したときにはステップS23で始動信号フラグをオンする。即ち、遊技球が始動口24内に入賞したときには出力回路54から始動信号が出力され、始動信号フラグがオンされる。
[3−3]カウンタ更新処理
CPU51は図6のステップS5のカウンタ更新処理へ移行すると、ランダムカウンタR1〜R4の計測値のそれぞれに「1」を加算する。これらランダムカウンタR1〜R4のそれぞれの加算内容は次の通りである。
(1)ランダムカウンタR1は変動パターンを選択する乱数値に相当するものであり、図8に示すように、初期値「0」から上限値「100」に加算された後に初期値「0」に戻して循環的に加算される。
(2)ランダムカウンタR2は外れの判定時に判定結果を完全外れおよび外れリーチに振分ける乱数値に相当するものであり、初期値「0」から上限値「49」に加算された後に初期値「0」に戻して循環的に加算される。
(3)ランダムカウンタR3は大当りの発生の有無を抽選する乱数値に相当するものであり、初期値「0」から上限値「1000」に加算された後に初期値「0」に戻して循環的に加算される。
(4)ランダムカウンタR4は特別図柄の種類を抽選する乱数値に相当するものであり、初期値「0」から上限値「39」に加算された後に初期値「0」に戻して循環的に加算される。
[3−4]データ取得処理
図9は図6のステップS6のデータ取得処理の詳細を示すものであり、CPU51は図9のステップS31で始動信号フラグの設定状態を判断する。例えば遊技球が始動口24内に入賞したときには図7の入力処理で始動信号フラグがオンされている。この場合にはCPU51は図9のステップS31で始動信号フラグのオンを判断し、ステップS32でランダムカウンタR1〜R4のそれぞれの計測値を取得する。
メイン制御回路50のRAM53には、図10に示すように、保留データエリア1〜保留データエリア4が設定されている。これら保留データエリア1〜保留データエリア4のそれぞれはランダムカウンタR1〜R4の取得結果を記録しておくものであり、CPU51は図9のステップS33へ移行したときには保留データエリア1にランダムカウンタR1〜R4が記録されているか否かを判断する。ここで保留データエリア1にランダムカウンタR1〜R4が記録されていないことを判断したときにはステップS34へ移行し、ランダムカウンタR1〜R4の取得結果を保留データエリア1に記録する。
CPU51は図9のステップS33で保留データエリア1にランダムカウンタR1〜R4が記録されていることを判断すると、ステップS35で保留データエリア2にランダムカウンタR1〜R4が記録されているか否かを判断する。ここで保留データエリア2にランダムカウンタR1〜R4が記録されていないことを判断したときにはステップS36へ移行し、ランダムカウンタR1〜R4の取得結果を保留データエリア2に記録する。
CPU51はステップS35で保留データエリア2にランダムカウンタR1〜R4が記録されていることを判断すると、ステップS37で保留データエリア3にランダムカウンタR1〜R4が記録されているか否かを判断する。ここで保留データエリア3にランダムカウンタR1〜R4が記録されていないことを判断したときにはステップS38へ移行し、ランダムカウンタR1〜R4の取得結果を保留データエリア3に記録する。
CPU51はステップS37で保留データエリア3にランダムカウンタR1〜R4が記録されていることを判断すると、ステップS39で保留データエリア4にランダムカウンタR1〜R4が記録されているか否かを判断する。ここで保留データエリ4にランダムカウンタR1〜R4が記録されていないことを判断したときにはステップS40へ移行し、ランダムカウンタR1〜R4の取得結果を保留データエリア4に記録する。即ち、ランダムカウンタR1〜R4の記録数には上限値「4組」が設定されており、上限組のランダムカウンタR1〜R4がRAM53に記録されている状態で遊技球が始動口24内に入賞したときにはステップS41でランダムカウンタR1〜R4の取得結果がクリアされ、遊技球が始動口24内に入賞したことが無効化される。
[3−5]大当り判定処理
CPU51はメイン制御フラグが大当り判定処理にセットされていることを判断すると、図6のステップS6のデータ取得処理からステップS7の大当り判定処理へ移行する。図11はステップS7の大当り判定処理の詳細を示すものであり、CPU51は図11のステップS51で保留データエリア1にランダムカウンタR1〜R4が記録されているか否かを判断する。ここで保留データエリア1にランダムカウンタR1〜R4が記録されていることを判断したときにはステップS52へ移行し、確率変動フラグの設定状態を判断する。この確率変動フラグは確率変動モードの現在の設定状態を示すものであり、CPU51は確率変動モードの有効状態ではステップS52で確率変動フラグのオンを判断してステップS53へ移行し、確率変動モードの無効状態ではステップS52で確率変動フラグのオフを判断してステップS54へ移行する。
CPU51はステップS53へ移行すると、ROM52から10個の大当り値「7,107,207,307,407,507,607,707,807,907」を選択する。そして、ステップS55で保留データエリア1からランダムカウンタR3の取得結果を検出し、ランダムカウンタR3の検出結果を10個の大当り値「7〜907」のそれぞれと比較する。ここでランダムカウンタR3の検出結果が10個の大当り値「7〜907」のいずれかと同一であることを判断したときには大当りと判定し、ステップS56で大当りフラグをオンする。また、ランダムカウンタR3の検出結果が10個の大当り値「7〜907」のいずれとも相違していることを判断したときには外れと判定し、ステップS64で大当りフラグをオフする。
CPU51はステップS54へ移行すると、ROM52から3個の大当り値「7,307,607」を選択する。そして、ステップS55で保留データエリア1からランダムカウンタR3の取得結果を検出し、ランダムカウンタR3の検出結果を3個の大当り値「7〜607」のそれぞれと比較する。ここでランダムカウンタR3の検出結果が3個の大当り値「7〜607」のいずれかと同一であることを判断したときには大当りと判定し、ステップS56で大当りフラグをオンする。また、ランダムカウンタR3の検出結果が3個の大当り値「7〜607」のいずれとも相違していることを判断したときには外れと判定し、ステップS64で大当りフラグをオフする。即ち、ステップS55は当落判定手段に相当するものであり、確率変動モードの有効状態では大当りを「10/1001」の高確率で判定し、確率変動モードの無効状態では大当りを「3/1001」の低確率で判定する。
CPU51はステップS56で大当りフラグをオンすると、ステップS57で保留データエリア1からランダムカウンタR4の取得結果を検出し、ランダムカウンタR4の検出結果を20個の確率変動値「0〜19」と比較する。これら20個の確率変動値「0〜19」のそれぞれはROM52に記録されたものであり、CPU51はステップS57でランダムカウンタR4の検出結果が20個の確率変動値「0〜19」のいずれかと同一であることを判断したときにはステップS58へ移行し、特別図柄を確変大当りの態様(図12参照)に設定する。そして、図11のステップS59で確率変動フラグをオンすることに基づいて確率変動モードを有効化し、ステップS60で演出制御回路70に確変大当りコマンドを送信し、ステップS71でメイン制御フラグに変動パターン設定処理をセットする。
CPU51はステップS57でランダムカウンタR4の検出結果が20個の確率変動値「0〜19」のいずれとも相違していることを判断すると、ステップS61で特別図柄を通常大当りの態様(図12参照)に設定する。そして、図11のステップS62で確率変動フラグをオフすることに基づいて確率変動モードを無効化し、ステップS63で演出制御回路70に通常大当りコマンドを送信し、ステップS71でメイン制御フラグに変動パターン設定処理をセットする。即ち、確率変動モードは大当りが判定されたことを条件に「1/2」の確率で有効化され、「1/2」の確率で無効化される。
CPU51はステップS64で大当りフラグをオフすると、ステップS65で特別図柄を外れの態様(図12参照)に設定する。そして、図11のステップS66で保留データエリア1からランダムカウンタR2の取得結果を検出し、5個の外れリーチ値「0〜4」のそれぞれと比較する。これら5個の外れリーチ値「0〜4」のそれぞれはROM52に記録されたものであり、CPU51はステップS66でランダムカウンタR2の検出結果が5個の外れリーチ値「0〜4」のいずれかと同一であることを判断したときには外れリーチと判定し、ステップS67で外れリーチフラグをオンする。次に、ステップS68で演出制御回路70に外れリーチコマンドを送信し、ステップS71でメイン制御フラグに変動パターン設定処理をセットする。
CPU51はステップS66でランダムカウンタR2の検出結果が5個の外れリーチ値「0〜4」のいずれとも相違していることを判断すると、完全外れと判定する。そして、ステップS69で外れリーチフラグをオフし、ステップS70で演出制御回路70に完全外れコマンドを送信し、ステップS71でメイン制御フラグに変動パターン設定処理をセットする。
[3−6]変動パターン設定処理
CPU51はメイン制御フラグが変動パターン設定処理にセットされていることを検出すると、図6のステップS6のデータ取得処理からステップS8の変動パターン設定処理へ移行する。図13はステップS8の変動パターン設定処理の詳細を示すものであり、CPU51は図13のステップS81で大当りフラグの設定状態を判断する。例えば直前の大当り判定処理で大当りを判定したときにはステップS81で大当りフラグのオンを判断し、ステップS82へ移行する。
メイン制御回路50のROM52には大当り用の変動パターンテーブルおよび外れ用の変動パターンテーブルが記録されている。これら各変動パターンテーブルはランダムカウンタR1と変動パターンと変動表示時間の相関関係を示すものであり、CPU51はステップS82へ移行したときにはROM52から大当り用の変動パターンテーブルを選択する。図14は大当り用の変動パターンテーブルの記録内容を示すものであり、大当り用の変動パターンテーブルには変動パターンP1〜P4が設定され、変動パターンP1〜P4のそれぞれにはランダムカウンタR1および変動表示時間の双方が設定されている。
CPU51は図13のステップS82で大当り用の変動パターンテーブルを選択すると、ステップS84で保留データエリア1からランダムカウンタR1の取得結果を検出し、大当り用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1の検出結果に応じた大当り用の変動パターンを選択する。そして、ステップS85へ移行し、大当り用の変動パターンテーブルから変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間を選択する。例えばランダムカウンタR1の検出結果が「40」であるときには変動パターンP1が選択され、変動パターンの選択結果がP1であるときには変動表示時間「16.0sec」が選択される。
CPU51は直前の大当り判定処理で外れリーチまたは完全外れを判定したときには図13のステップS81で大当りフラグのオフを判断し、ステップS83でROM52から外れ用の変動パターンテーブルを選択する。そして、ステップS84で保留データエリア1からランダムカウンタR1の取得結果を検出し、外れ用の変動パターンテーブルから外れ用の変動パターンを選択する。
図15は外れ用の変動パターンテーブルの記録内容を示すものであり、外れ用の変動パターンテーブルには大当り用の変動パターンテーブルとは相違する変動パターンP5〜P9が設定されている。変動パターンP5〜P8のそれぞれは外れリーチの判定時に選択対象となる外れリーチ用のものであり、CPU51は直前の大当り判定処理で外れリーチを判定したときには大当りフラグのオフおよび外れリーチフラグのオンを順に判断し、ステップS84で変動パターンP5〜P8のうちからランダムカウンタR1の検出結果に応じたものを選択する。そして、ステップS85へ移行し、変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間を選択する。図15の変動パターンP9は完全外れの判定時に選択対象となる完全外れ用のものであり、CPU51は直前の大当り判定処理で完全外れを判定したときには大当りフラグのオフおよび外れリーチフラグのオフを順に判断し、ステップS84でランダムカウンタR1の検出結果に拘らず完全外れ用の変動パターンP9を選択する。そして、ステップS85へ移行し、変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間を選択する。
CPU51は図13のステップS85で変動表示時間を選択すると、ステップS86で変動パターンの選択結果を変動パターンコマンドとして演出制御回路70に送信する。そして、ステップS87で変動表示時間の選択結果をタイマT1にセットし、ステップS88で保留データエリア1に記録されているランダムカウンタR1〜R4をクリアする。
CPU51はステップS88で保留データエリア1のランダムカウンタR1〜R4をクリアすると、ステップS89で保留データエリア2の記録データを保留データエリア1にシフトし、ステップS90で保留データエリア3の記録データを保留データエリア2にシフトする。そして、ステップS91で保留データエリア4の記録データを保留データエリア3にシフトし、ステップS92でメイン制御フラグに特別図柄変動開始処理をセットする。これら保留データエリア1〜保留データエリア4のそれぞれはランダムカウンタR1等が格納されていない状態でデフォルトデータが記録されるものであり、保留データエリア2〜保留データエリア4にランダムカウンタR1等が記録されているときにはステップS89〜ステップS91のそれぞれでランダムカウンタR1等がシフトされ、ランダムカウンタR1等が格納されていないときにはデフォルトデータがシフトされる。
[3−7]特別図柄変動開始処理
CPU51はメイン制御フラグが特別図柄変動開始処理にセットされていることを検出すると、図6のステップS6のデータ取得処理からステップS9の特別図柄変動開始処理へ移行する。図16はステップS9の特別図柄変動開始処理の詳細を示すものであり、CPU51は図16のステップS101でLED回路57に特別図柄変動開始信号を出力する。すると、LED回路57は特別図柄変動開始信号を検出することに同期して特別図柄の変動表示を開始する。この特別図柄の変動表示は特別図柄を(1)通常大当りの態様(2)確変大当りの態様(3)外れの態様(4)通常大当りの態様・・・の循環的な順序で可変表示するものである。
CPU51はステップS101で特別図柄変動開始信号を出力すると、ステップS102で演出制御回路70に装飾図柄遊技開始コマンドを送信し、ステップS103でメイン制御フラグに特別図柄変動停止処理をセットする。この装飾図柄遊技開始コマンドは装飾図柄遊技の開始指令に相当するものであり、演出制御回路70は装飾図柄遊技開始コマンドを受信することに基づいて装飾図柄遊技の映像的な演出を開始することを図柄制御回路80に指示し、装飾図柄遊技の音的な演出を開始することを音制御回路90に指示し、装飾図柄遊技の電飾的な演出を開始することを電飾制御回路100に指示する。
[3−8]特別図柄変動停止処理
CPU51はメイン制御フラグが特別図柄変動停止処理にセットされていることを検出すると、図6のステップS6のデータ取得処理からステップS10の特別図柄変動停止処理へ移行する。図17はステップS10の特別図柄変動停止処理の詳細を示すものであり、CPU51は図17のステップS111でタイマT1の計測値から設定値ΔT(4msec)を減算することに基づいて特別図柄遊技の残り時間を更新する。そして、ステップS112へ移行し、タイマT1の減算結果を「0」と比較する。この特別図柄遊技は装飾図柄遊技に時間的に同期して行われるものであり、特別図柄遊技の残り時間は装飾図柄遊技の残り時間と同一である。
CPU51はステップS112でタイマT1の減算結果が「0」であることを検出すると、特別図柄遊技の終了を判断する。そして、ステップS113へ移行し、LED回路57に特別図柄変動停止信号を出力する。この特別図柄変動停止信号は特別図柄の変動表示を大当り判定処理の選択結果で停止することを指示するものであり、大当り判定処理で通常大当りが判定されたときには特別図柄が図12の通常大当りの態様で停止表示され、大当り判定処理で確変大当りが判定されたときには特別図柄が図12の確変大当りの態様で停止表示され、大当り判定処理で外れリーチおよび完全外れのいずれかが判定されたときには特別図柄が図12の外れの態様で停止表示される。
CPU51は図17のステップS113でLED回路57に特別図柄変動停止信号を出力すると、ステップS114で演出制御回路70に装飾図柄遊技停止コマンドを送信する。この装飾図柄遊技停止コマンドは装飾図柄遊技の停止指令に相当するものであり、演出制御回路70は装飾図柄遊技停止コマンドを検出することに基づいて装飾図柄遊技の映像的な演出を停止することを図柄制御回路80に指示し、装飾図柄遊技の音的な演出を停止することを音制御回路90に指示し、装飾図柄遊技の電飾的な演出を停止することを電飾制御回路100に指示する。即ち、装飾図柄遊技は特別図柄の変動開始に同期して始まり、特別図柄の変動停止に同期して終わるものであり、特別図柄の変動表示時間は装飾図柄遊技の所要時間に相当する。
CPU51はステップS114で装飾図柄遊技停止コマンドを送信すると、ステップS115でタイマT2にウェイト時間(2.0sec)をセットする。そして、ステップS116へ移行し、メイン制御フラグにウェイト処理をセットする。このウェイト時間は特別図柄遊技が保留されている場合に保留された次の特別図柄遊技を開始するまの待機時間を称するものであり、ROM52に予め記録されている。
[3−9]ウェイト処理
CPU51はメイン制御フラグがウェイト処理にセットされていることを検出すると、図6のステップS6のデータ取得処理からステップS11のウェイト処理へ移行する。図18はステップS11のウェイト処理の詳細を示すものであり、CPU51は図18のステップS121でタイマT2の計測値から設定値ΔT(4msec)を減算することに基づいて残りウェイト時間を更新する。そして、ステップS122へ移行し、タイマT2の減算結果を「0」と比較する。
CPU51はステップS122でタイマT2の減算結果が「0」であることを判断すると、ステップS123で大当りフラグの設定状態を判断する。ここで大当りフラグのオフを判断したときにはステップS124へ移行し、メイン制御フラグに大当り判定処理をセットする。そして、ステップS125で大当りフラグをオフし、ステップS126で外れリーチフラグをオフする。
CPU51はステップS123で大当りフラグのオンを判断すると、ステップS127でメイン制御フラグに大当り遊技処理をセットし、ステップS128でカウンタN1にROM52に予め記録された大当りラウンド数(15)をセットする。この大当りラウンド数は大当り遊技処理での大当りラウンドの繰返し数を示すものであり、CPU51はステップS128でカウンタN1に大当りラウンド数をセットしたときにはステップS129へ移行し、左演出通路フラグをオンする。そして、ステップS125で大当りフラグをオフし、ステップS126で外れリーチフラグをオフする。この大当り遊技の開始前には振分け板46が右位置に回動操作されており、CPU51は左演出通路フラグをオンすることに基づいて左演出通路39が開放されていることを記録する。
[3−10]大当り遊技処理
CPU51はメイン制御フラグが大当り遊技処理にセットされていることを検出すると、図6のステップS6のデータ取得処理からステップS12の大当り遊技処理へ移行する。図19はステップS12の大当り遊技処理の詳細を示すものである。このステップS12は大当り遊技手段に相当するものであり、CPU51は図19のステップS141で扉開放フラグの設定状態を判断する。この扉開放フラグは特別入賞口29の開放状態でオンされ、特別入賞口29の閉鎖状態でオフされるものであり、CPU51は1回目の大当りラウンドの開始前にはステップS141で扉開放フラグのオフを判断してステップS142へ移行する。
CPU51はステップS142へ移行すると、ROM52に予め記録された入賞限度数(10)をカウンタN2にセットする。この入賞限度数は各回の大当りラウンドで特別入賞口29内に入賞することが可能な遊技球の最大個数を示すものであり、CPU51はステップS142でカウンタN2をセットしたときにはステップS143へ移行し、タイマT3に開放限度時間(30.0sec)をセットする。この開放限度時間は各回の大当りラウンドで特別入賞口29を開放しておくことが可能な最大時間を示すものであり、CPU51はステップS143でタイマT3をセットしたときにはステップS144へ移行し、ソレノイド回路56に扉開放信号を出力する。すると、ソレノイド回路56は扉開放信号が与えられることに基づいて特別入賞口ソレノイド32をオンし、特別入賞口29の扉30を開放状態に回動操作することに基づいて1回目の大当りラウンドを開始する。この1回目の大当りラウンドは振分け板46が右位置に静止した左演出通路39の開放状態で行われるものであり、遊技球が特別入賞口29内に入賞したときには左演出通路39に沿って落下する。
CPU51はステップS144で扉開放信号を出力すると、ステップS145で扉開放フラグをオンすることに基づいて1回目の大当りラウンドが開始されたことを記録する。そして、ステップS146へ移行し、演出制御回路70にカウンタN1の計測値を送信する。このカウンタN1は大当りラウンドの残り回数を示すものであり、CPU51はステップS146で演出制御回路70にカウンタN1の計測値を送信したときにはステップS147で大当りラウンド開始コマンドを送信する。この大当りラウンド開始コマンドは大当りラウンドの演出開始指令に相当するものであり、演出制御回路70は大当りラウンド開始コマンドを受信することに基づいて大当りラウンドの映像的な演出を開始することを図柄制御回路80に指示し、大当りラウンドの音的な演出を開始することを音制御回路90に指示し、大当りラウンドの電飾的な演出を開始することを電飾制御回路100に指示する。
CPU51は1回目の大当りラウンドを開始すると、ステップS141で扉開放フラグのオンを判断し、ステップS148でタイマT3の計測値から単位時間(4msec)を減算することに基づいて特別入賞口29の残り開放時間を更新する。そして、ステップS149へ移行し、タイマT3の減算結果をROM52に予め記録された限度値「0」と比較する。ここで「T3=0」を判断したときにはステップS161へ移行し、ソレノイド回路56に扉閉鎖信号を出力する。次にステップS162で扉開放フラグをオフし、ステップS163で左落下コマンドフラグをオフし、ステップS164で右落下コマンドフラグをオフする。すると、ソレノイド回路56は扉閉鎖信号が与えられることに基づいて特別入賞口ソレノイド32をオフし、特別入賞口29の扉30を閉鎖状態に回動操作することに基づいて1回目の大当りラウンドを終える。
CPU51はステップS149で「T3>0」を判断すると、ステップS150で左演出通路フラグの設定状態を判断する。この1回目の大当りラウンドでは振分け板46が右位置に回動操作されることに基づいて左演出通路39が開放され、左演出通路フラグがオンされている。従って、CPU51はステップS150で左演出通路フラグのオンを判断し、ステップS151で左カウントセンサ47からの左カウント信号の有無を判断する。ここで左カウントセンサ47からの左カウント信号が有ることを判断したときにはステップS152へ移行し、左落下コマンドフラグの設定状態を判断する。
CPU51はステップS152で左落下コマンドフラグがオフされていることを判断すると、ステップS153で演出制御回路70に左落下コマンドを送信し、ステップS154で左落下コマンドフラグをオンする。この左落下コマンドは装飾図柄表示器27の表示内容を変更することを指令するものであり、CPU51はステップS154で左落下コマンドフラグをオンしたときにはステップS155へ移行する。この左落下コマンドフラグのオン状態ではステップS152で左落下コマンドフラグのオンが判断されるので、左落下コマンドが送信されない。
CPU51はステップS155へ移行すると、カウンタN2の計測値からROM52に予め記録された単位個数「1」を減算する。そして、ステップS156へ移行し、カウンタN2の減算結果をROM52に予め記録された限度値「0」と比較する。ここで「N2=0」を判断したときにはステップS161へ移行し、特別入賞口29の扉30を閉鎖状態に回動操作することに基づいて1回目の大当りラウンドを終え、ステップS162で扉開放フラグをオフし、ステップS163で左落下コマンドフラグをオフし、ステップS164で右落下コマンドフラグをオフする。即ち、各回の大当りラウンドは特別入賞口29の開放時間が開放限度値に到達または遊技球の入賞個数が入賞限度値に到達することに基づいて終了する。
CPU51はステップS164で右落下コマンドフラグをオフすると、ステップS165で左演出通路フラグの設定状態を判断する。この1回目の大当りラウンドの終了時にはステップS165で左演出通路フラグのオンを判断してステップS166へ移行し、モータ回路58に逆転信号を出力する。すると、モータ回路58は振分けモータ44の回転軸45を反時計回り方向へ設定量だけ回動操作し、振分け板46を右位置から左位置に回動操作する。この振分け板46が左位置に回動操作された状態では左演出通路39が閉鎖され、右演出通路40が開放される。このステップS166は駆動制御手段に相当するものである。
CPU51はステップS166で左演出通路39に換えて右演出通路40を開放すると、ステップS167で左演出通路フラグをオフする。そして、ステップS170でカウンタN1からROM52に予め記録された単位量「1」を減算し、大当りラウンドの残り回数を更新する。次にステップS171へ移行し、カウンタN1の減算結果をROM52に予め記録された限度値「0」と比較する。
CPU51は1回目の大当りラウンドが終了した時点ではステップS141で扉開放フラグのオフを判断し、ステップS142でカウンタN2に入賞限度数を再びセットし、ステップS143でタイマT3に開放限度時間を再びセットする。そして、ステップS144で特別入賞口29を再び開放することに基づいて2回目の大当りラウンドを開始し、ステップS145で扉開放フラグをオンし、ステップS146でカウンタN1の減算結果を演出制御回路70に送信し、ステップS147で大当りラウンド開始コマンドを演出制御回路70に送信する。この2回目の大当りラウンドは振分け板46が左位置に静止した右演出通路40の開放状態で行われるものであり、遊技球が特別入賞口29内に入賞したときには右演出通路40に沿って落下する。
CPU51は2回目の大当りラウンドではステップS150で左演出通路フラグのオフを判断し、ステップS157で右カウントセンサ48からの右カウント信号の有無を判断する。ここで右カウント信号が有ることを判断したときにはステップS158へ移行し、右落下コマンドフラグの設定状態を判断する。ここで右落下コマンドフラグがオフされていることを判断したときにはステップS159へ移行し、演出制御回路70に右落下コマンドを送信する。この右落下コマンドは装飾図柄表示器27の表示内容を変更することを指令するものであり、CPU51はステップS159で右落下コマンドを送信したときにはステップS160で右落下コマンドフラグをオンする。この右落下コマンドフラグのオン状態ではステップS158で右落下コマンドフラグのオンが判断されるので、右落下コマンドが送信されない。
CPU51はステップS160で右落下コマンドフラグをオンすると、ステップS155でカウンタN2の計測値から単位個数「1」を減算する。そして、ステップS156へ移行し、カウンタN2の減算結果を限度値「0」と比較する。ここで「N2=0」を判断したときにはステップS161へ移行し、特別入賞口29の扉30を閉鎖状態に回動操作し、ステップS162で扉開放フラグをオフする。次にステップS163で左落下コマンドフラグをオフし、ステップS164で右落下コマンドフラグをオフする。即ち、2回目の大当りラウンドは特別入賞口29の開放時間が開放限度値に到達または遊技球の入賞個数が入賞限度値に到達することに基づいて終了する。
CPU51はステップS164で右落下コマンドフラグをオフすると、ステップS165で左演出通路フラグの設定状態を判断する。この2回目の大当りラウンドの終了時にはステップS165で左演出通路フラグのオフを判断してステップS168へ移行し、モータ回路58に正転信号を出力する。すると、モータ回路58は振分けモータ44の回転軸45を時計回り方向へ設定量だけ回動操作し、振分け板46を左位置から右位置に回動操作する。この振分け板46が右位置に回動操作された状態では左演出通路39が開放され、右演出通路40が閉鎖される。このステップS168は駆動制御手段に相当するものである。
CPU51はステップS168で右演出通路40に換えて左演出通路39を開放すると、ステップS169で左演出通路フラグをオンする。そして、ステップS170でカウンタN1から単位量「1」を減算し、ステップS171でカウンタN1の減算結果を限度値「0」と比較する。即ち、奇数の各回の大当りラウンドでは左演出通路39が開放され、遊技球が左演出通路39内を落下する。これら奇数の各回の大当りラウンドでは左カウントセンサ47からの左カウント信号に基づいて遊技球の特別入賞口29に対する入賞個数N2が計測されており、遊技球が左演出通路39内を最初に落下するときに左落下コマンドが演出制御回路70に送信される。また、偶数の各回の大当りラウンドでは右演出通路40が開放され、遊技球が右演出通路40内を落下する。これら偶数の各回の大当りラウンドでは右カウントセンサ48からの右カウント信号に基づいて遊技球の特別入賞口29に対する入賞個数が計測されており、遊技球が右演出通路40内を最初に落下するときに右落下コマンドが演出制御回路70に送信される。
CPU51は15回目の大当りラウンドを終えると、ステップS171で「N1=0」を判断する。そして、ステップS172で演出制御回路70に大当り遊技停止コマンドを送信し、ステップS173でメイン制御フラグを大当り判定処理にセットする。この大当り遊技停止コマンドは大当り遊技の演出停止指令に相当するものであり、演出制御回路70は大当り遊技停止コマンドを検出することに基づいて最終回の大当りラウンドの映像的な演出を停止することを図柄制御回路80に指示し、最終回の大当りラウンドの音的な演出を停止することを音制御回路90に指示し、最終回の大当りラウンドの電飾的な演出を停止することを電飾制御回路100に指示する。
[4]演出制御回路70の内部処理
[4−1]メイン処理
演出制御回路70のCPU71は電源が投入されると、図20のステップS201の電源投入処理でRAM73の全データを初期設定する。そして、ステップS202へ移行し、タイマ割込フラグの設定状態を判断する。このタイマ割込フラグはCPU71がタイマ回路74からのパルス信号を受信することに基いてタイマ割込処理でオンするものであり、CPU71はステップS202でタイマ割込フラグのオフを検出したときにはステップS203のカウンタ更新処理1へ移行し、ステップS202でタイマ割込フラグのオンを検出したときにはステップS204へ移行する。このステップS204でタイマ割込フラグをオフし、ステップS205のカウンタ更新処理2およびステップS206のコマンド処理を順に実行する。
[4−2]INT割込処理
演出制御回路70のCPU71はメイン制御回路50からのストローブ信号(INT信号)を受信すると、INT割込処理を起動する。このストローブ信号はメイン制御回路50がコマンドと共に送信するものであり、CPU71はINT割込処理を起動したときには図21のステップS211でコマンドを受信し、ステップS212でコマンドの受信結果をRAM73に記録する。そして、ステップS213へ移行し、コマンド処理フラグをコマンドの受信結果に応じてセットする。このコマンド処理フラグはステップS201の電源投入処理でコマンド待ち処理に初期設定されるものであり、図22はメイン制御回路50から送信されるコマンドの種類とコマンド処理フラグの設定内容との関係を示している。
CPU71はメイン制御回路50からの通常大当りコマンドと確変大当りコマンドと外れリーチコマンドと完全外れコマンドのいずれかを受信したときにはコマンド処理フラグを当落コマンド処理にセットし、変動パターンコマンドを受信したときにはコマンド処理フラグを変動パターンコマンド処理にセットし、装飾図柄遊技開始コマンドを受信したときにはコマンド処理フラグを装飾図柄遊技開始コマンド処理にセットし、装飾図柄遊技停止コマンドを受信したときにはコマンド処理フラグを装飾図柄遊技停止コマンド処理にセットする。また、大当りラウンド開始コマンドを受信したときにはコマンド処理フラグを大当りラウンド開始コマンド処理にセットし、左落下コマンドを受信したときにはコマンド処理フラグを左落下コマンド処理にセットし、右落下コマンドを受信したときにはコマンド処理フラグを右落下コマンド処理にセットし、大当り遊技停止コマンドを受信したときにはコマンド処理フラグを大当り遊技停止コマンド処理にセットする。
[4−3]カウンタ更新処理1
図23はステップS203のカウンタ更新処理1の詳細を示すものであり、CPU71は図23のステップS221でランダムカウンタR11の現在の計測値に「1」を加算する。このランダムカウンタR11は装飾図柄の各列の図柄要素を設定するためのものであり、3桁のカウンタから構成されている。このランダムカウンタR11の1桁目は、図24に示すように、「0」から「7」に加算された後に「0」に戻して循環的に加算され、2桁目は1桁目が「7」から「0」に加算される桁上げ毎に「1」だけ加算され、3桁目は2桁目が「7」から「0」に加算される桁上げ毎に「1」だけ加算される。
CPU71は図23のステップS221でランダムカウンタR11を更新すると、ステップS222でランダムカウンタR11の更新結果の1桁目と3桁目とを比較する。ここで両者が相違していることを検出したときにはステップS223へ移行し、ランダムカウンタR11の更新結果をRAM73の完全外れ図柄エリアに格納する。即ち、完全外れ図柄エリアは、図24に示すように、左列および右列が相違する完全外れ図柄の基礎データが格納されるものであり、完全外れ図柄エリアの格納データは次回のステップS223で更新される。
CPU71は図23のステップS222でランダムカウンタR11の1桁目と3桁目とが同一であることを検出すると、ステップS224でランダムカウンタR11の1桁目と2桁目を比較する。ここで両者が相違していることを検出したときにはステップS225へ移行し、ランダムカウンタR11の更新結果をRAM73の外れリーチ図柄エリアに格納する。即ち、外れリーチ図柄エリアは、図24に示すように、左列および右列が同一で中列が相違する外れリーチ図柄の基礎データが格納されるものであり、外れリーチ図柄エリアの格納データは次回のステップS225で更新される。
[4−4]カウンタ更新処理2
CPU71は図20のステップS205のカウンタ更新処理2へ移行すると、ランダムカウンタR12の計測値に「1」を加算する。このランダムカウンタR12は大当り図柄を抽選する乱数値に相当するものであり、初期値「0」から上限値「7」に加算された後に初期値「0」に戻して循環的に加算される。
[4−5]コマンド処理
図25は図20のステップS206のコマンド処理の詳細を示すものであり、CPU71はステップS206のコマンド処理では図25のステップS241のコマンド待ち処理〜ステップS249の大当り遊技停止コマンド処理をコマンド処理フラグの設定状態に基いて択一的に実行する。
[4−5−1]コマンド待ち処理
CPU71はコマンド処理フラグがコマンド待ち処理にセットされていることを検出すると、図25のステップS241のコマンド待ち処理を経て図20のステップS202に復帰する。このコマンド待ち処理はメイン制御回路50からのコマンドを待つ処理であり、実質的な処理動作が行われない。
[4−5−2]当落コマンド処理
メイン制御回路50が図11の大当り判定処理で演出制御回路70に通常大当りコマンドと確変大当りコマンドと外れリーチコマンドと完全外れコマンドのいずれかを送信したときには演出制御回路70のCPU71がコマンド処理フラグをコマンド待ち処理から当落コマンド処理に書き換える。このコマンド処理フラグが当落コマンド処理にセットされた状態ではCPU71は図25のコマンド処理でステップS242の当落コマンド処理を実行する。
図26はステップS242の当落コマンド処理の詳細を示すものであり、CPU71はステップS251でRAM73からコマンドの受信結果を検出し、ステップS252でコマンドの検出結果を確変大当りコマンドと比較する。ここでコマンドの検出結果が確変大当りコマンドであることを判断したときにはステップS253へ移行し、確変大当りフラグをオンする。そして、ステップS254へ移行し、装飾図柄を大当りの組合せに設定する。このステップS254は図柄設定手段に相当するものである。
図27は演出制御回路70のROM72に記録された大当り図柄テーブルを示すものである。この大当り図柄テーブルにはランダムカウンタR12および図柄要素相互間の対応関係が記録されており、CPU71は図26のステップS254でランダムカウンタR12の計測値を取得し、図27の大当り図柄テーブルからランダムカウンタR12の取得結果に応じた図柄要素を選択し、左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを図柄要素の選択結果に設定する。例えばランダムカウンタR12の取得結果が「5」であるときには図柄要素「6」が選択され、左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれが共通の「6」に設定され、装飾図柄が大当りの組合せ「666」に設定される。この大当り図柄テーブルには図柄要素として「1」〜「8」の8種類が設定されており、メイン制御回路50が確変大当りを判定したときには装飾図柄が「111」「222」「333」「444」「555」「666」「777」「888」のいずれかの大当りの組合せに設定される。
CPU71は図26のステップS252でコマンドの検出結果が確変大当りコマンドと相違していることを判断すると、ステップS255でコマンドの検出結果を通常大当りコマンドと比較する。ここでコマンドの検出結果が通常大当りコマンドであることを判断したときにはステップS254へ移行し、装飾図柄を大当りの組合せに設定する。即ち、装飾図柄は確変大当りが判定された場合および通常大当りが判定された場合のいずれであっても「111」「222」「333」「444」「555」「666」「777」「888」のいずれかの大当りの組合せに設定される。
CPU71はステップS255でコマンドの検出結果が通常大当りコマンドと相違していることを判断すると、ステップS256でコマンドの検出結果を外れリーチコマンドと比較する。ここでコマンドの検出結果が外れリーチコマンドであることを判断したときにはステップS257へ移行し、RAM73の外れリーチ図柄エリアからランダムカウンタR11の計測値を取得する。そして、ランダムカウンタR11の検出結果の3桁目と2桁目と1桁目のそれぞれに「1」を加算し、左列の図柄要素を3桁目の加算結果に設定し、中列の図柄要素を2桁目の加算結果に設定し、右列の図柄要素を1桁目の加算結果に設定する。例えばランダムカウンタR11の3桁目が「1」であるときには左列の図柄要素が「2」に設定され、ランダムカウンタR11の2桁目が「0」であるときには中列の図柄要素が「1」に設定され、ランダムカウンタR11の1桁目が「1」であるときには右列の図柄要素が「2」に設定され、装飾図柄が外れリーチの組合せ「212」に設定される。即ち、ステップS257は図柄設定手段に相当するものである。
CPU71は図26のステップS256でコマンドの検出結果が外れリーチコマンドと相違していることを判断すると、完全外れコマンドであると判断する。この場合にはステップS258へ移行し、RAM73の完全外れ図柄エリアからランダムカウンタR11の計測値を取得する。そして、ランダムカウンタR11の検出結果の3桁目と2桁目と1桁目のそれぞれに「1」を加算し、左列の図柄要素を3桁目の加算結果に設定し、中列の図柄要素を2桁目の加算結果に設定し、右列の図柄要素を1桁目の加算結果に設定する。例えばランダムカウンタR11の3桁目が「1」であるときには左列の図柄要素が「2」に設定され、ランダムカウンタR11の2桁目が「7」であるときには中列の図柄要素が「8」に設定され、ランダムカウンタR11の1桁目が「3」であるときには右列の図柄要素が「4」に設定され、装飾図柄が完全外れの組合せ「284」に設定される。即ち、ステップS258は図柄設定手段に相当するものである。
CPU71は装飾図柄を大当りの組合せと外れリーチの組合せと完全外れの組合せのいずれかに設定すると、図26のステップS259でRAM73に記録されているコマンドの受信結果(確変大当りコマンド,通常大当りコマンド,外れリーチコマンド,完全外れコマンド)をクリアする。そして、ステップS260で左列の図柄要素の設定結果と中列の図柄要素の設定結果と右列の図柄要素の設定結果のそれぞれを図柄制御回路80に送信し、ステップS261でコマンド処理フラグにコマンド待ち処理をセットする。
[4−5−3]変動パターンコマンド処理
メイン制御回路50が図13の変動パターン設定処理で演出制御回路70に変動パターンコマンドを送信したときには演出制御回路70のCPU71がコマンド処理フラグをコマンド待ち処理から変動パターンコマンド処理に書き換える。このコマンド処理フラグが変動パターンコマンド処理にセットされた状態ではCPU71は図25のコマンド処理でステップS243の変動パターンコマンド処理を実行する。図28はステップS243の変動パターンコマンド処理の詳細を示すものであり、CPU71は図28のステップS271でRAM73から変動パターンコマンドの受信結果を検出し、ステップS272へ移行する。
演出制御回路70のROM72には演出パターンテーブルが記録されている。この演出パターンテーブルは、図29に示すように、変動パターンコマンドおよび演出パターンコマンド相互の対応関係を示すものであり、CPU71は図28のステップS272へ移行したときには図29の演出パターンテーブルから変動パターンコマンドの受信結果に応じた演出パターンコマンドを選択する。そして、図28のステップS273で図柄制御回路80と音制御回路90と電飾制御回路100のそれぞれに演出パターンコマンドの選択結果を送信し、ステップS274でRAM73に記録されている変動パターンコマンドの受信結果をクリアし、ステップS275でコマンド処理フラグにコマンド待ち処理をセットする。例えば変動パターンコマンドP1の受信時には演出パターンコマンドC1が選択され、図柄制御回路80と音制御回路90と電飾制御回路100のそれぞれに演出パターンコマンドC1が送信される。
図柄制御回路80のVROM85には、図30に示すように、複数のビデオデータが記録されている。これら各ビデオデータには1個の演出パターンコマンドが割付けられており、図柄制御回路80のCPU81は演出パターンコマンドを受信したときには複数のビデオデータのうちから演出パターンコマンドの受信結果に応じた種類を選択し、VDP84にビデオデータの種類の選択結果を送信する。すると、VDP84はCPU81の選択結果に応じたビデオデータをVROM85から検出し、ビデオデータの検出結果を解凍してVRAM86に記録する。このビデオデータの解凍結果はメイン制御回路50から装飾図柄遊技開始コマンドが送信されることに同期して再生開始され、メイン制御回路50から装飾図柄遊技停止コマンドが送信されることに同期して再生停止されるものであり、各ビデオデータの再生時間は装飾図柄遊技開始コマンドが送信されてから装飾図柄遊技停止コマンドが送信されるまでの所要時間である変動表示時間と同一値に設定されている。例えばビデオデータV1は演出制御回路70が演出パターンコマンドC1を設定したときに選択されるものであり、演出パターンコマンドC1はメイン制御回路50が変動パターンP1を設定したときに選択される。このビデオデータV1の再生時間は変動パターンP1の変動表示時間と同一値「16.0sec」に設定されている。
音制御回路90のROM92には装飾図柄遊技用の複数の音データが記録されている。これら各音データには1個の演出パターンコマンドが割付けられており、音制御回路90のCPU91は演出制御回路70からの演出パターンコマンドを受信したときには演出パターンコマンドの受信結果に応じた音データをROM92から検出し、音データの検出結果をRAM93に記録する。電飾制御回路100のROM102には装飾図柄遊技用の複数の電飾データが記録されている。これら各電飾データには1個の演出パターンコマンドが割付けられており、電飾制御回路100のCPU101は演出制御回路70からの演出パターンコマンドを受信したときには演出パターンコマンドの受信結果に応じた電飾データをROM102から検出し、電飾データの検出結果をRAM103に記録する。
[4−5−4]装飾図柄遊技開始コマンド処理
メイン制御回路50が図16の特別図柄変動開始処理で演出制御回路70に装飾図柄遊技開始コマンドを送信したときには演出制御回路70のCPU71がコマンド処理フラグをコマンド待ち処理から装飾図柄遊技開始コマンド処理に書換える。このコマンド処理フラグが装飾図柄遊技開始コマンド処理にセットされた状態ではCPU71は図25のコマンド処理でステップS244の装飾図柄遊技開始コマンド処理を実行する。図31はステップS244の装飾図柄遊技開始コマンド処理の詳細を示すものであり、CPU71は図31のステップS281で図柄制御回路80と音制御回路90と電飾制御回路100のそれぞれに装飾図柄遊技開始コマンドを送信する。そして、ステップS282でRAM73に記録されている装飾図柄遊技開始コマンドの受信結果をクリアし、ステップS283でコマンド処理フラグにコマンド待ち処理をセットする。
装飾図柄遊技開始コマンドは装飾図柄遊技を開始するスタートコマンドに相当するものであり、図柄制御回路80のCPU81は装飾図柄遊技開始コマンドを受信したときにはVDP84に再生開始コマンドを送信する。すると、VDP84はVRAM86に記録されているビデオデータの解凍結果を再生することに基づいて装飾図柄表示器32にビデオデータに応じた背景の映像を表示し、ビデオデータにキャラクタデータを重ねることに基づいて装飾図柄の各列の図柄要素を変動状態および変動停止状態で順に表示する。この装飾図柄の停止表示は、図32に示すように、VDP84が(1)左列の図柄要素(2)右列の図柄要素(3)中列の図柄要素の順序で行うものであり、VDP84は最終の中列の図柄要素がビデオデータの再生時間内で変動停止するように左列の図柄要素の停止タイミング〜中列の図柄要素の停止タイミングのそれぞれを演出パターンコマンドの受信結果に応じて設定する。これら左列の図柄要素の停止表示と右列の図柄要素の停止表示と中列の図柄要素の停止表示のそれぞれはVDP84が演出制御回路70の設定結果で行うものであり、装飾図柄は3列の変動表示を開始してから変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間内で3列が全て停止表示され、遊技者には大当りおよび外れのいずれが発生したかが装飾図柄の変動停止状態での組合せによって報知される。
電飾制御回路100のCPU101は装飾図柄遊技開始コマンドを受信すると、RAM103に記録されている電飾データを再生することに基づいて複数の電飾LED17を電飾データに応じたパターンで点滅させる。音制御回路90のCPU91は装飾図柄遊技開始コマンドを受信すると、RAM93に記録されている音データを再生することに基づいて両スピーカ14から音データに応じた効果音を出力する。
[4−5−5]装飾図柄遊技停止コマンド処理
メイン制御回路50が図17の特別図柄変動停止処理で演出制御回路70に装飾図柄遊技停止コマンドを送信したときには演出制御回路70のCPU71がコマンド処理フラグをコマンド待ち処理から装飾図柄遊技停止コマンド処理に書き換える。このコマンド処理フラグが装飾図柄遊技停止コマンド処理にセットされた状態ではCPU71は図25のコマンド処理でステップS245の装飾図柄遊技停止コマンド処理を実行する。
図33はステップS245の装飾図柄遊技停止コマンド処理の詳細を示すものであり、CPU71は図33のステップS291で図柄制御回路80と音制御回路90と電飾制御回路100のそれぞれに装飾図柄遊技停止コマンドを送信し、ステップS292でRAM73に記録されている装飾図柄遊技停止コマンドをクリアする。そして、ステップS293へ移行し、コマンド処理フラグをコマンド待ち処理にセットする。
装飾図柄遊技停止コマンドは装飾図柄遊技の停止を指令するエンドコマンドに相当するものであり、図柄制御回路80のCPU81は演出制御回路70からの装飾図柄遊技停止コマンドを受信したときにはVDP84に装飾図柄遊技用のビデオデータの再生停止を指令し、VDP84は再生停止が指令されることに基づいて装飾図柄遊技用のビデオデータの再生処理を停止する。音制御回路90のCPU91は演出制御回路70からの装飾図柄遊技停止コマンドを受信したときには装飾図柄遊技用の音データの再生処理を停止し、電飾制御回路100のCPU101は演出制御回路70からの装飾図柄遊技停止コマンドを受信したときには装飾図柄遊技用の電飾データの再生処理を停止する。
[4−5−6]大当りラウンド開始コマンド処理
メイン制御回路50が図19の大当り遊技処理で演出制御回路70に大当りラウンド開始コマンドを送信したときには演出制御回路70のCPU71がコマンド処理フラグをコマンド待ち処理から大当りラウンド開始コマンド処理に書き換える。このコマンド処理フラグが大当りラウンド開始コマンド処理にセットされた状態ではCPU71は図25のコマンド処理でステップS246の大当りラウンド開始コマンド処理を実行する。
図34はステップS246の大当りラウンド開始コマンド処理の詳細を示すものであり、CPU71は図34のステップS301で図柄制御回路80にカウンタN1の受信結果を送信し、ステップS302で図柄制御回路80と音制御回路90と電飾制御回路100のそれぞれに大当りラウンド開始コマンドを送信する。この大当りラウンド開始コマンドは大当りラウンドの演出を開始することを指令するものであり、図柄制御回路80のCPU81は大当りラウンド開始コマンドを受信したときにはVDP84にカウンタN1の受信結果を送信し、大当りラウンド用のビデオデータを再生することを指令する。
図柄制御回路80のVROM85には、図30に示すように、大当りラウンド用のビデオデータVhおよびVtが記録されており、VDP84はカウンタN1の受信結果が奇数であるときにはビデオデータの再生が指令されることに基づいてVROM85からビデオデータVhを選択し、ビデオデータVhを再生することに基づいて装飾図柄表示器32に大当りラウンド用の演出映像を表示する。また、カウンタN1の受信結果が偶数であるときにはビデオデータの再生が指令されることに基づいてVROM85からビデオデータVtを選択し、ビデオデータVtを再生することに基づいて装飾図柄表示器32に大当りラウンド用の演出映像を表示する。図35はビデオデータVhの再生結果を示すものであり、ビデオデータVhの再生時には橋の映像が表示される。図36はビデオデータVtの再生結果を示すものであり、ビデオデータVtの再生時には城の映像が表示される。
音制御回路90のCPU91は大当りラウンド開始コマンドを受信したときにはROM92から大当りラウンド用の音データを選択し、大当りラウンド用の音データを再生することに基づいて両スピーカ14から大当りラウンド用の効果音を出力する。電飾制御回路100のCPU101は大当りラウンド開始コマンドを受信したときにはROM102から大当りラウンド用の電飾データを選択し、大当りラウンド用の電飾データを再生することに基づいて複数の電飾LED17を大当りラウンド用の電飾パターンで点滅させる。
CPU71は図34のステップS302で大当りラウンド開始コマンドを送信すると、ステップS303でRAM73からカウンタN1の受信結果を検出し、カウンタN1の検出結果を「1」「3」「5」「7」「9」「11」「13」「15」のそれぞれと比較する。ここでカウンタN1の検出結果が「1」〜「15」のいずれかと同一であることを判断したときにはステップS304へ移行し、図柄制御回路80に左キャラクタコマンドを送信する。そして、ステップS306でRAM73に記録されている大当りラウンド開始コマンドの受信結果およびカウンタN1の受信結果のそれぞれをクリアし、ステップS307でコマンド処理フラグをコマンド待ち処理にセットする。
CPU71はステップS303でカウンタN1の検出結果が「1」〜「15」のいずれとも相違していることを判断すると、S305へ移行する。ここで図柄制御回路80に右キャラクタコマンドを送信し、ステップS306でRAM73に記録されている大当りラウンド開始コマンドの受信結果およびカウンタN1の受信結果のそれぞれをクリアし、ステップS307でコマンド処理フラグをコマンド待ち処理にセットする。
図柄制御回路80のCPU81は左キャラクタコマンドを受信すると、VDP84に左キャラクタコマンドを送信する。すると、VDP84はVROM85から左キャラクタコマンドに応じたキャラクタデータを選択し、キャラクタデータの選択結果をビデオデータに重ねて表示する。図35はVDP84が左キャラクタコマンドの受信時に装飾図柄表示器27に表示する映像を示すものであり、左キャラクタコマンドの受信時には、図35の(a)に示すように、左演出通路39の後方にキャラクタデータの選択結果に基づいてお姫様の図柄121が表示される。即ち、今回の大当りラウンドで遊技球が左演出通路39内を落下するときには今回の大当りラウンドの開始時に左演出通路39の後方にお姫様の図柄121が表示される。
図柄制御回路80のCPU81は右キャラクタコマンドを受信すると、VDP84に右キャラクタコマンドを送信する。すると、VDP84はVROM85から右キャラクタコマンドに応じたキャラクタデータを選択し、キャラクタデータの選択結果をビデオデータに重ねて表示する。図36はVDP84が右キャラクタコマンドの受信時に装飾図柄表示器27に表示する映像を示すものであり、右キャラクタコマンドの受信時には、図36の(a)に示すように、右演出通路40の後方にキャラクタデータの選択結果に基づいてお殿様の図柄122が表示される。
[4−5−7]左落下コマンド処理
メイン制御回路50が図19の大当り遊技処理で演出制御回路70に左落下コマンドを送信したときには演出制御回路70のCPU71がコマンド処理フラグをコマンド待ち処理から左落下コマンド処理に書き換える。このコマンド処理フラグが左落下コマンド処理にセットされた状態ではCPU71は図25のコマンド処理でステップS247の左落下コマンド処理を実行する。
図37はステップS247の左落下コマンド処理の詳細を示すものであり、CPU71は図37のステップS311で確変大当りフラグの設定状態を判断する。ここで確変大当りフラグがオフされていることを判断したときにはステップS312へ移行し、図柄制御回路80に左衝突コマンドを送信する。このステップS312は指令手段に相当するものであり、CPU71はステップS312で左衝突コマンドを送信したときにはステップS314でRAM73に記録されている左落下コマンドの受信結果をクリアし、ステップS315でコマンド処理フラグにコマンド待ち処理をセットする。
図柄制御回路80のCPU81は左衝突コマンドを受信すると、VDP84に左衝突コマンドを送信する。すると、VDP84はVROM84から左衝突コマンドに応じたキャラクタデータを選択し、図35の(b)に示すように、大当りラウンド用のビデオデータにキャラクタデータを重ねることに基づいてお姫様の図柄121が左演出通路39の後方で前のめりに倒れた映像を表示する。左落下コマンドは遊技球が左演出通路39内を落下する場合にメイン制御回路50から送信されるものであり、確率変動モードの非設定時には1回目と3回目と5回目と7回目と9回目と11回目と13回目と15回目のそれぞれの大当りラウンド中にお姫様の図柄121が左演出通路39内を落下する遊技球に当って左演出通路39の後方で前のめりに倒れた様子が演出される。
CPU71は図37のステップS311で確変大当りフラグがオンされていることを判断すると、ステップS313で図柄制御回路80に右移動コマンドを送信する。このステップS313は指令手段に相当するものであり、CPU71はステップS313で右移動コマンドを送信したときにはステップS314でRAM73に記録されている左落下コマンドの受信結果をクリアし、ステップS315でコマンド処理フラグにコマンド待ち処理をセットする。
図柄制御回路80のCPU81は右移動コマンドを受信すると、VDP84に右移動コマンドを送信する。すると、VDP84はVROM84から右移動コマンドに応じたキャラクタデータを選択し、図35の(c)に示すように、大当りラウンド用のビデオデータにキャラクタデータを重ねることに基づいてお姫様の図柄121が左演出通路39の後方から右側へ移動した映像を表示する。左落下コマンドは遊技球が左演出通路39内を落下する場合にメイン制御回路50から送信されるものであり、確率変動モードの設定時には1回目と3回目と5回目と7回目と9回目と11回目と13回目と15回目のそれぞれの大当りラウンド中にお姫様の図柄121が左演出通路39内を落下する遊技球を避けて左演出通路39の後方から右側へ移動した様子が演出される。
[4−5−8]右落下コマンド処理
メイン制御回路50が図19の大当り遊技処理で演出制御回路70に右落下コマンドを送信したときには演出制御回路70のCPU71がコマンド処理フラグをコマンド待ち処理から右落下コマンド処理に書き換える。このコマンド処理フラグが右落下コマンド処理にセットされた状態ではCPU71は図25のコマンド処理でステップS248の右落下コマンド処理を実行する。
図38はステップS248の右落下コマンド処理の詳細を示すものであり、CPU71は図38のステップS321で確変大当りフラグの設定状態を判断する。ここで確変大当りフラグがオフされていることを判断したときにはステップS322へ移行し、図柄制御回路80に右衝突コマンドを送信する。このステップS322は指令手段に相当するものであり、CPU71はステップS322で右衝突コマンドを送信したときにはステップS324でRAM73に記録されている右落下コマンドの受信結果をクリアし、ステップS325でコマンド処理フラグにコマンド待ち処理をセットする。
図柄制御回路80のCPU81は右衝突コマンドを受信すると、VDP84に右衝突コマンドを送信する。すると、VDP84はVROM84から右衝突コマンドに応じたキャラクタデータを選択し、図36の(b)に示すように、大当りラウンド用のビデオデータにキャラクタデータを重ねることに基づいてお殿様の図柄122が右演出通路40の後方で前のめりに倒れた映像を表示する。右落下コマンドは遊技球が右演出通路40内を落下する場合にメイン制御回路50から送信されるものであり、確率変動モードの非設定時には2回目と4回目と6回目と8回目と10回目と12回目と14回目のそれぞれの大当りラウンド中にお殿様の図柄122が右演出通路40内を落下する遊技球に当って右演出通路40の後方で前のめりに倒れた様子が演出される。
CPU71は図38のステップS321で確変大当りフラグがオンされていることを判断すると、ステップS323で図柄制御回路80に左移動コマンドを送信する。このステップS323は指令手段に相当するものであり、CPU71はステップS323で左移動コマンドを送信したときにはステップS324でRAM73に記録されている右落下コマンドの受信結果をクリアし、ステップS325でコマンド処理フラグにコマンド待ち処理をセットする。
図柄制御回路80のCPU81は左移動コマンドを受信すると、VDP84に左移動コマンドを送信する。すると、VDP84はVROM84から左移動コマンドに応じたキャラクタデータを選択し、図36の(c)に示すように、大当りラウンド用のビデオデータにキャラクタデータを重ねることに基づいてお殿様の図柄122が右演出通路40の後方から左側へ移動した映像を表示する。右落下コマンドは遊技球が右演出通路40内を落下する場合にメイン制御回路50から送信されるものであり、確率変動モードの設定時には2回目と4回目と6回目と8回目と10回目と12回目と14回目のそれぞれの大当りラウンド中にお殿様の図柄122が右演出通路40内を落下する遊技球を避けて右演出通路40の後方から左側へ移動した様子が演出される。
[4−5−9]大当り遊技停止コマンド処理
メイン制御回路50が図19の大当り遊技処理で演出制御回路70に大当り遊技停止コマンドを送信したときには演出制御回路70のCPU71がコマンド処理フラグをコマンド待ち処理から大当り遊技停止コマンド処理に書き換える。このコマンド処理フラグが大当り遊技停止コマンド処理にセットされた状態ではCPU71は図25のコマンド処理でステップS249の大当り遊技停止コマンド処理を実行する。図39はステップS249の大当り遊技停止コマンド処理の詳細を示すものであり、CPU71は図39のステップS331で図柄制御回路80と音制御回路90と電飾制御回路100のそれぞれに大当り遊技停止コマンドを送信し、ステップS332で確変大当りフラグをオフする。そして、ステップS333でRAM73に記録されているメイン制御回路50からの大当り遊技停止コマンドをクリアし、ステップS334でコマンド処理フラグをコマンド待ち処理にセットする。
図柄制御回路80のCPU81は大当り遊技停止コマンドを受信したときにはVDP84に大当りラウンド用のビデオデータの再生停止を指令し、VDP84は再生停止が指令されることに基づいて大当りラウンド用のビデオデータの再生処理を停止する。音制御回路90のCPU91は大当り遊技停止コマンドを受信したときには大当りラウンド用の音データの再生処理を停止し、電飾制御回路100のCPU101は大当り遊技停止コマンドを受信したときには大当りラウンド用の電飾データの再生処理を停止する。
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
左演出通路39を装飾図柄表示器27の表示領域110の前方に重ねて配置したので、装飾図柄表示器27の上方に特別入賞口29を配置する場合であっても特別入賞口29に入賞した遊技球を球回収装置に流す左演出通路39の配置スペースを装飾図柄表示器27に邪魔されることなく容易に確保することができる。しかも、左演出通路39を装飾図柄表示器27の表示領域110を前方から透視することが可能な透光性の材料から形成したので、装飾図柄表示器27の表示領域110に表示される図柄遊技の映像の視認性および大当りラウンド表示の映像の視認性のそれぞれが左演出通路39の影響で大きく低下することを防止できる。この効果は右演出通路40についても同一である。
左カウントセンサ47および右カウントセンサ48のそれぞれが大当り遊技中に遊技球を検出することに基づいて演出制御回路70が図柄制御回路80に大当りラウンド表示の映像の表示内容を変更することを指令するように構成した。このため、大当り遊技中に特別入賞口29に入賞した遊技球が装飾図柄表示器27の表示領域110の前方を落下するときに大当りラウンド表示の映像の表示内容が変化するので、遊技球を表示領域110の前方を通して球回収装置に流すだけではなく大当りラウンド表示の映像用の小道具として有効に利用することができる。
メイン制御回路50が大当りラウンド毎に振分けモータ44を駆動し、大当り遊技中に振分け部材46を右位置および左位置相互間で複数回移動させる構成した。このため、大当り遊技中に複数の遊技球が特別入賞口29に同時に入賞することに基づいて振分け部材46で詰まった場合に振分け部材46が振分けモータ44の駆動力で強制的に移動するので、遊技球の詰まりが解消されることに基づいて遊技球が左演出通路39および右演出通路40のいずれかに流れるようになる。従って、特別入賞口29に入賞した遊技球が振分け部材46で詰まったままの状態になることが防止される。しかも、左カウントセンサ47を左演出通路39に振分け部材46の下流側に位置して固定し、右カウントセンサ48を右演出通路40に振分け部材46の下流側に位置して固定した。このため、特別入賞口29に入賞した遊技球が振分け部材46で詰まることに基づいて左カウントセンサ47の検出エリア内および右カウントセンサ48の検出エリア内のそれぞれに停留することがなくなるので、特別入賞口29に入賞した遊技球を正確に検出することができる。
18は遊技盤、22は遊技領域、24は始動口、25は始動口センサ、27は装飾図柄表示器、29は特別入賞口、39は左演出通路、40は右演出通路、44は振分けモータ、46は振分け部材、47は左カウントセンサ、48は右カウントセンサ、50はメイン制御回路、70は演出制御回路、80は図柄制御回路、110は表示領域を示している。