以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。よって、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて、構成部材の再利用が容易にされている。本実施形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11を樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成するようにしてもよい。
内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂により構成されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きいので、内枠12の構成材料として好適である。内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて球発射ハンドル18の設置箇所の反対側に上下に延設されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようにされている。開閉軸線は球発射ハンドル18の反体側に設けられているので、内枠12を大きく開放することができる。通常パチンコホールでは、パチンコ機10は互いに隣接して配設されるので、開閉軸線を球発射ハンドル18側に設けると、内枠12と共に開放される球発射ハンドル18が隣のパチンコ機10に当接して開放量が減少してしまうからである。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲で内枠12を覆うようにして前面枠セット14が取り付けられている。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。この内枠12の外周には、前面側へ突設された外周壁が形成されており、その外周壁の内側に前面枠セット14が配設される。即ち、内枠12に前面枠セット14を取り付けた状態では、前面枠セット14の側面外周は、内枠12の外周壁により囲繞されるので、内枠12と前面枠セット14との間への針金等の挿入を困難なものにして、不正行為を抑制することができる。
内枠12の上部には、円柱状に突出した押しボタン型の開閉スイッチ25が設けられている。この開閉スイッチ25は、前面枠セット14の開閉鎖状態を検出するためのスイッチである。前面枠セット14が内枠12に対して閉じられている場合には開閉スイッチ25が押圧状態となり、逆に、前面枠セット14が内枠12に対して開放されている場合には開閉スイッチ25は非押圧の突出状態となって、前面枠セット14の開閉鎖状態を検出する。また、内枠12の左上部(図2参照)には、配線孔26が穿設されている。配線孔26は、前面枠セット14の配線を内枠12を通過させて遊技盤30の裏面に配設するための孔である。配線孔26の角部にはRが形成されており、配線孔26内に配線される各コードが、角部で損傷しないようにされている。なお、図4に示す通り、遊技盤30の左上部にも配線孔26に対応して、配線孔37が穿設されている。
図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である。図3では、便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。図3に示すように、下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16から排出された球が下皿15内に貯留可能に構成されている。下皿ユニット13は、内枠12と同様に、難燃性のABS樹脂により形成されている。必ずしも、この下皿15のすべてをABS樹脂で形成することは必要でないが、少なくとも下皿15の表面部分、即ち下皿15の表面層と下皿15奥方の前面パネルとをABS樹脂で形成することが好ましい。下皿15には、火のついた煙草が放置される危険があるので、少なくともその表面部分を難燃性のABS樹脂で形成することにより、パチンコ機10の損傷や火災の発生を抑止できるからである。なお、前面パネルには、図示しないスピーカからの音を出力するためのスピーカ孔24が穿設されている。
下皿15の正面下方部には、下皿15に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー17が設けられている。この球抜きレバー17は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿15の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー17の操作は、通常、下皿15の下方に、下皿15から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。また、下皿15の右方には、球発射ハンドル18が下皿ユニット13から手前側へ突出した状態で配設されると共に、下皿15の左方には灰皿が片持状に取着されている。灰皿は下皿15に回転可能に取着された軸と共に手前方向及び奥方向へ回転可能にされている。このように、下皿15の一側に球発射ハンドル18を、他側に灰皿を配設することにより、下皿ユニット13の左右の美的バランスを保ってパチンコ機10の装飾性を向上させている。
一方、図1に示すように、下皿15の上方における前面枠セット14には、球受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射装置へ導出するためのものである。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方において内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたが、本実施形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。これは、本実施形態の前面枠セット14は、従来のパチンコ機より大きく形成した遊技領域を外部から視認できるようにするために略楕円形状に大きく欠成された窓部101を備えているので、前面枠セット14の強度を少しでも向上させるべく、該前面枠セット14に上皿19を一体化して形成しているのである。この上皿19も下皿15と同様に、少なくとも表面層が難燃性のABS樹脂にて形成されている。なお、遊技領域が、従来のパチンコ機に比べて如何に大きく形成されているかについては後述する。
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。この樹脂ベース20の後側には、遊技盤30が内枠12に対して着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板より構成され、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。即ち、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成しているのである。
次に、図4を参照して遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30には、球が入賞することによって後述する開閉部材33a1(図6参照)を開閉駆動させる役物開放口32L,32Rと、球が入賞することによって遊技者に所定の遊技価値(大当たり)を付与するV入賞口(図示せず)へ球を導出するV案内部33b4aを有した役物可変入賞装置33等とがルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30の前面側から木ネジ等により取付けられている。
周知の通り、開放口32(32L,32R)、並びに、役物可変入賞装置33に内蔵されたV案内部33b4a及び非V案内部33b4b(図6及び図7参照)に球が入球し、後述する各検出スイッチから所定の出力がなされると(所謂、入賞)、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤30には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
役物開放口32L,32Rは、遊技盤30下方に設けられた2つの開放口である。これらの役物開放口32L,32Rには、それぞれ、左開放口スイッチ222L及び右開放口スイッチ222R(いずれも図29参照)が配設されており、役物開放口32L,32Rに入球した球を検出できるように構成されている。
これらの役物開放口32L,32Rに球が入球した場合、左開放口スイッチ222L又は右開放口スイッチ222Rによって球が検出されたことを契機として、役物可変入賞装置33の開閉部材33a1が1回開閉駆動するように構成されている。
ここで、図5及び図6を参照して、役物可変入賞装置33について説明する。図5は、役物可変入賞装置33の斜視図であり、図6は、役物可変入賞装置33の分解斜視図である。役物可変入賞装置33は、複数の部材を組み立てて構成しており、役物部33aと、回転体部33bとで構成されている。
役物部33aは、開閉部材33a1と、その開閉部材33a1を開閉駆動させる開閉部材駆動ソレノイド33a2と、役物可変入賞装置33に入賞した球を検出する役物入賞検出スイッチ33a3と、大当たり時に役物可変入賞装置33に入賞した球をV案内部33b4aへ入球させ易くするための役物33a4と、その役物33a4を駆動させる役物駆動モータ33a5と、遊技盤30の前面に取着される前面部材33a8と、その前面部材33a8の背面に配設される背面部材33a9と、役物可変入賞装置33に入賞した球を球誘導部材33b3へ誘導する第1誘導経路33a7とを備えている。
また、回転体部33bは、役物可変入賞装置33へ入賞した球を後述する回転体33b6へ誘導する第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2を有した球誘導部材33b3と、V案内部33b4a又は非V案内部33b4bのいずれかに球を振り分ける振分装置としての回転体33b6と、その回転体33b6を回転駆動させる回転体駆動モータ33b7と、V案内部33b4aに入球した球を検出するV入賞検出スイッチ33b8とを備えている。
役物可変入賞装置33に入賞した球は、役物部33aに形成された第1誘導経路33a7(図5参照)を流下して球誘導部材33b3へ誘導される。球誘導部材33b3に誘導された球は、球誘導部材33b3に設けられた振分部材33b9によって第2誘導経路33b1又は第3誘導経路33b2のいずれかに振り分けられ、その一方の誘導経路を流下し、回転体33b6への流入領域33b10(図7参照)へ流入する。
流入領域33b10へ流入した球は、回転体33b6に設けられたV案内部33b4a又は非V案内部33b4bのいずれかに振り分けられて入球する。
V案内部33b4aに球が入球した場合には、その球は回転体33b6の下方に設けられたV入賞検出スイッチ33b8で検出され、V入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されることに基づいて、開閉部材33a1及び役物33a4を所定駆動させて、役物可変入賞装置33に球が入賞し易い大当たり(特別遊技状態)が発生する。一方、非V案内部33b4bに球が入球した場合には、その球は、回収通路216及び排出通路218(いずれも図15参照)を介してパチンコ機10の外部に排出される。
ここで、役物可変入賞装置33の各構成部材について説明する。開閉部材33a1は、遊技領域に打ち込まれた球を役物可変入賞装置33内へ入賞し易くするための部材であり、役物可変入賞装置33内へ球を入球させるための開口部(入球部(図示せず))の左右両側に配設されている。この開閉部材33a1は、球が遊技領域の左右いずれかの役物開放口32L,32Rへ入球した場合に1回、開閉部材駆動ソレノイド33a2により開閉駆動するように構成されている。
開閉部材駆動ソレノイド33a2は、上記した開閉部材33a1を駆動するために開閉部材33a1と連結されており、役物部33aの背面側(図6の紙面右側)、即ち、遊技盤30に役物可変入賞装置33を配設した場合に遊技者から視認できない位置に配設されている。この開閉部材駆動ソレノイド33a2は、役物開放口32(32L,32R)への球の入球に伴ってオンされる。開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされると、この開閉部材駆動ソレノイド33a2に連結された開閉部材33a1が開放駆動し、役物可変入賞装置33内に球が入賞し易い状態となるように構成されている。
役物入賞検出スイッチ33a3は、役物可変入賞装置33内に入賞した球を検出するためのスイッチである。なお、役物入賞検出スイッチ33a3は、後述する球誘導部材33b3へ球を誘導する第1誘導経路33a7に配設されているので、役物可変入賞装置33内に球が入球された直後に、その入球された球を検出することができる。
役物駆動モータ33a5は、役物33a4を所定駆動させるためのものであり、役物部33aの背面側(図6の紙面右側)、即ち、遊技盤30に役物可変入賞装置33を配設した場合に遊技者から視認できない位置に配設されている。この役物駆動モータ33a5は、V案内部33b4aに球が入球した場合に発生する大当たり時において役物33a4を所定駆動させ、役物可変入賞装置33に入賞した球をV案内部33b4aへ誘導し得るように構成されている。
前面部材33a8は、その上部に、開閉部材33a1が開放した場合に球が流入する入口33a8aが設けられている。入口33a8aから流入した球は、前面部材33a8と背面部材33a9とで形成される第1誘導経路33a7(図5参照)を介して回転体33b6まで誘導される。役物可変入賞装置33は、この前面部材33a8を遊技盤30にビス止めすることにより遊技盤30に装着される。
球誘導部材33b3は、役物可変入賞装置33に入賞した球をV案内部33b4a及び非V案内部33b4bを有した回転体33b6へ誘導するための部材である。ここで、図7及び図8を参照して球誘導部材33b3について説明する。図7(a)は、役物可変入賞装置33の回転体部33bの平面図であり、図7(b)は、役物可変入賞装置33の回転体部33bの正面図であり、図8は、役物可変入賞装置33の球誘導部材33bを部分的に拡大視した模式図である。球誘導部材33b3は、第1誘導経路33a7によって誘導された球をその第1誘導経路33a7の左右の誘導経路(第2誘導経路33b1、第3誘導経路33b2)に振り分ける振分部材33b9と、その振分部材33b9によって振り分けられた球を誘導する第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2と、その第2誘導経路33b1又は第3誘導経路33b2によって誘導された球が流入する流入領域33b10とを備えている。
振分部材33b9は、その上面が正面視略三角形状(図7(b)参照)に形成されており、第1誘導経路33a7を流下する球の流下方向に対して左右同一勾配の勾配面33b9a,33b9bで構成されている。この振分部材33b9は、第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2の上方に設けられている。第1誘導経路33a7を流下した球は、この振分部材33b9によって、略1/2の確率で第2誘導経路33b1又は第3誘導経路33b2に振り分けられ、各誘導経路に転がり落ちる。
第2誘導経路33b1と第3誘導経路33b2とは、左右対称の上面視略円弧状に形成されている。第2誘導経路33b1は、球が流下する底面33b1aとその底面33b1aの両縁から立設される側壁33b1b,33b1cとから形成される溝で形成されている。第3誘導経路33b2も同様に、球が流下する底面33b2aとその底面33b2aの両縁から立設される側壁33b2b,33b2cとから形成される溝で形成されている。第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2は、流入領域33b10へ向かって下降傾斜している。このため、第1誘導経路33a7を流下した球は、自重によって流入領域33b10へ向かって第2誘導経路33b1又は第3誘導経路33b2を流下する。
第2誘導経路33b1の底面33b1aには、球誘導部材33b3の上方へ突出すると共に第2誘導経路33b1に沿って下流に向かって下降傾斜したリブ33b11が底面33b1aに固定されて設けられている。振分部材33b9によって第2誘導経路33b1に振り分けられた球は、リブ33b11上を流下する。一方、第3誘導経路33b2にはリブ33b11は設けられていないので、球は第3誘導経路33b2の底面33b2aを流下する。振分部材33b9によって、第1誘導経路33a7を流下した球が第2誘導経路33b1側に振り分けられる場合には、球は、振分部材33b9からリブ33b11の頂部33b12a近傍上に転がり落ちる(図8参照)。
一方、第3誘導経路33b2側に振り分けられる場合には、球は、振分部材33b9から第3誘導経路33b2の底面33b2aに落ちる。このため、それぞれの誘導経路(第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2)を流下する流下開始位置の高さが異なる。更に、球が転がり落ちた位置からリブ33b11が設けられている第2誘導経路33b1の区間と、それに対置した第3誘導経路33b2の区間では経路の勾配が異なる。よって、第2誘導経路33b1では、球は、第3誘導経路33b2より高い位置からリブ33b11上を流下し、一方、第3誘導経路33b2では、球は第2誘導経路33b1より低い位置からリブ33b11より勾配の小さい第3誘導経路33b2の底面33b2aを流下する(図8参照)。従って、第2誘導経路33b1と第3誘導経路33b2とにおいて、球の流下速度を異ならせることができるので、球が流入領域33b10へ流入するタイミングを誘導経路によって異ならせることができる。
また、回転体部33bは、リブ33b11の前面(図7(a)の紙面下側)を遊技領域の前面側に向けて役物部33aと一体化される。リブ33b11の前面側(図7(a)の紙面下側)即ち、リブ33b11の遊技領域の前面側には、リブ33b11を遊技領域の前面側から遮蔽する遮蔽壁33b12,33b13が第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2の側壁として設けられている(図7参照)。このため、リブ33b11は、遮蔽壁33b12によって、遊技領域の前面側(遊技者側)から遮蔽される。また、リブ33b11は、第2誘導経路33b1に沿って互いに隙間を保って2個設けられている。このため、第2誘導領域33b1を流下する球は、この隙間上を流下するので、第2誘導経路33b1をスムースに流下させることができる。
ここで、遮蔽壁33b12は、遮蔽壁33b12の最頂部33b12aとリブ33b11の最頂部33b11aとの高さの差(B)が、球の直径(A)より小さく形成されている(図8参照)。このため、第2誘導経路33b1を流下する球が遮蔽壁33b12によって完全に遊技者側から遮蔽されずに、遊技者に、その球の一部が視認される。
図6に戻って、役物可変入賞装置33の各構成部材についての説明を続ける。流入領域33b10は、第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2の終端にそれぞれ設けられており、それぞれの誘導経路を流下した球は、この流入領域33b10へ流入し、回転体33b6によってV案内部33b4a又は非V案内部33b4bのいずれかに振り分けられる。
ここで、V案内部33b4aの下方には、図示しないストッパが配設されている。このストッパは、大当たり中において1のラウンドが開始されると、V案内部33b4aの下方部分を閉塞し、V案内部33b4aに入賞した球を後述するV入賞検出スイッチ33b8へ流下させないようにする部材である。このストッパは、大当たり中において、例えば、役物可変入賞装置33に10個の球が入賞した場合や、開閉部材33a1が18回開放された場合に、V案内部33b4aの閉塞状態を解除して、V案内部33b4aに入球している球がV入賞検出スイッチ33b8に流下させ得るように構成されている。
回転体33b6は、流入領域33b10に流入した球をV案内部33b4a又は非V案内部33b4aへ振り分けるための部材である。回転体33b6は、上面視略円形状に形成されると共に、外周に流入領域33b10へ流入した球を受入可能な10個の球受入部33b4を有している。球受入部33b4の内、一つはV案内部33b4aとされ、残りの9個は非V案内部33b4bとされている。回転体33b6は、後述する回転体駆動モータ33b7によって1方向に回転駆動されている。役物可変入賞装置33に入賞した球が、流入領域33b10へ流入すると、回転体33b6によってV案内部33b4a又は非V案内部33b4bへ振り分けられる。よって、簡単な構成で振分装置を構成することができる。
回転体駆動モータ33b7は、回転体33b6を回転駆動させるために回転体33b6と連結されており、回転体部33bの下側(図6の紙面下側)に配設されていると共に、遊技盤30に役物可変入賞装置33を配設した場合に遊技者から視認できない位置に配設されている。この回転体駆動モータ33b7は、ステッピングモータで構成されており、後述する主制御装置261から出力されるパルス信号に基づいて回転体33b6を駆動させるように構成されている。
V入賞検出スイッチ33b8は、V案内部33b4aへ入球した球を検出するためのスイッチであり、回転体33b6の下側(図6の紙面下側)に配設されている。このV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されることにより、後述するラウンド抽選カウンタ503b(図27参照)を用いてラウンド抽選を行い、そのラウンド抽選の抽選結果に応じたラウンド構成を有する大当たりが発生するように構成されている。なお、ラウンド抽選の抽選結果は、役物可変入賞装置33の下方に設けられている図柄表示装置60(図4参照)に表示されるように構成されている。
以上説明したように、役物可変入賞装置33に入賞した球は、第1誘導経路33a7を流下して、球誘導部材33b3に設けられた振分部材33b9によって第2誘導経路33b1又は第3誘導経路33b2のいずれか一方に振り分けられる。振分部材33b9によって振り分けられた球は、第2誘導経路33b1又は第3誘導経路33b2のいずれか一方を流下する。ここで、第2誘導経路33b1と第3誘導経路33b2とでは球の流下速度が異なるように構成されている。即ち、第2誘導経路33b1にはその経路に沿って下降傾斜したリブ33b11が設けられており、一方、第3誘導経路33b2には設けられていない。第2誘導経路33b1に振り分けられた球は、リブ33b11上を流下するので、第3誘導経路33b2に比べて高速で流下する。このため、球が流入領域33b10へ流入するタイミングが誘導経路によって異なるので、遊技者は球が役物可変入賞装置33内に入球する毎に、期待感を味わうことができる。
図4に戻って説明する。図4に示すように、役物可変入賞装置33の下方には、図柄表示装置60が設けられている。この図柄表示装置60は、通常の遊技状態におけるV入賞検出スイッチ33b8による球の検出を契機として行われるラウンド抽選の抽選結果を示すための表示装置であり、小型LED表示装置により構成されている。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、ラウンド抽選による抽選結果は3通り存在する構成となっている。そのため、図柄表示装置60には、これらの抽選結果を区別可能とする図柄が表示されるように構成されている。具体的には、ラウンド抽選による抽選結果が、遊技者に対する有利度が最も高いラウンド構成であれば、図柄表示装置60には「王冠」の図柄が表示され、一方で、遊技者に対する有利度が最も低いラウンド構成であれば、図柄表示装置60には「魚」の図柄が表示されるように構成されている。また、ラウンド抽選によって、中間の有利度を遊技者に付与するラウンド構成が選出された場合には、図柄表示装置60には「カップ(賞杯)」の図柄が表示される。遊技者は、大当たりに伴う抽選結果を図柄として視覚的に捕らえることにより、自身に与えられた有利度がどの程度であるか確認することができる。
また、遊技盤30には、球発射装置から発射された球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された球はレールユニット50を通じて遊技領域に案内される。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール部51と外レール取付部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されると共に、外レール取付部52は、その一部(主に左側部)が内レール部51に向かい合うようにして形成されている。これら内レール部51と外レール取付部52とにより誘導レールが構成され、この内レール部51と外レール取付部52とが所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、即ち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール取付部52には、球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール取付部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム54に当たって、勢いが減衰されて跳ね返される。外レール取付部52の内側面には、球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状のステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなれる。更に、本実施形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、即ち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路の入口には、その球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)へ導くためのものである。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられており、この貼着スペースK1,K2を確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。このように、遊技盤30自体に証紙等の貼着スペースK1,K2を設けているので、証紙を遊技盤30に直接貼付することにより、その証紙により遊技盤30を一義的に特定することができる。即ち、遊技盤の不正な交換を容易に発見することができる。
従来のパチンコ機では、レールは遊技盤に直接打ち込まれていた。しかし、上述するように本実施形態のパチンコ機10では、レールユニット50は、フランジ56にネジ等が挿通されて遊技盤30に締結されている。即ち、本実施形態では、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成しているので、レールを遊技盤に直接打ち込むことができないため、レールユニット50をフランジ56と共に樹脂で一体成形し、このフランジ56をネジ止め等して遊技盤30に締結している。かかる構成を採用した本実施形態によれば、廃棄時にレールユニット50を遊技盤30から容易に取り外すことができるので、樹脂成形されるレールユニット50を容易にリサイクルすることができる。なお、球の発射を安定して行わせるために、球の発射側のレールユニット50は、より多くのネジにより他のレールユニット50の部分に増してしっかりと固定されている。このレールユニット50を構成する樹脂材料としては、摩擦抵抗の小さいフッ素入りのポリカーボネートが好適である。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部に略円形状に区画形成されており、特に本実施形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施形態では、外レール取付部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール取付部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール部51及び外レール取付部52によって囲まれる領域のうち、内レール部51及び外レール取付部52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール取付部52によってではなく内レール部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール取付部52によって特定される。従って、本実施形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更に460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。即ち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更には460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。即ち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。更に好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。更には、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
なお、遊技領域が左右方向に拡張されているので、風車、複数の釘(球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、役物可変入賞装置33の左右両側の遊技領域での球の挙動を一層面白くすることができる。また、遊技領域が上下方向にも拡張されているので、更に風車、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の球の挙動をより一層面白くすることができる。
再度図3に戻って説明する。前記樹脂ベース20において、窓孔21の下方(遊技盤30の下方)には、球発射装置より発射された直後の球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後、前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて遊技領域に案内される。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないので、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施形態では、球の発射位置を低くすると共に発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(即ち発射レール61を立ち上げるようにし)、更に発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保している。これにより、球発射装置から発射された球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合、特に、発射レール61を、球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間が形成され、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、球発射装置から発射された球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15へ排出される。本実施形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール61の先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール取付部52に沿って流れ、外レール取付部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内される。よって、ファール球と次に発射される球との干渉を抑制することができる。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から球が1つずつ供給される。この際、本実施形態では球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側とにそれぞれガイド部材65,66を設置したので、前面枠セット14側の球出口から供給される球は常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作を実現できる。
また、球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い球が発射される。この打球槌に関しては軽量化が望まれているので、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなる。
排出口67は上皿19に通じており、この排出口67を介して球が上皿19に排出される(払い出される)。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられており、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67を閉鎖するように構成されている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるように構成されている。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図3に示すように、樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部の貼着スペースK1に張られたシール等は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
図3における内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。また、前面枠セット14の図9の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14を開閉可能に装着することができる。更に、支持金具81の支持孔83は切欠を有し、且つ図9に図示する通り支持金具151の下端部は補足形成されているので、支持金具151を支持孔83から完全に抜かなくても、支持金具151の細い部分を支持孔83の切欠に通すことによって前面枠セット14を内枠12(パチンコ機10)から容易に取り外すことができる。
次に、図1及び図9を参照して、前面枠セット14について説明する。図9は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には、遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。この窓部101の略中央部を直線状に形成してもよい。本実施形態において、窓部101の上端(外レール取付部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の役物可変入賞装置30を比較的上方に配置することができる。なお、前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、更に望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図10では右側に示されている)、即ち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール取付部52の左端部はもちろん、内レール部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように球が一時的に視認困難となったとしても、それは、球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール取付部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行って、大当たり中であることを報知する。更に、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。環状電飾部102が手前に凸に形成されているのに対し、小窓107は平らに形成されている。前述した通り、小窓107の背面には、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられているので、そこに貼着されたシール等の内容を、スキャナなどの読み取り装置によって光学的に読み取り可能とするために平らにされているのである。また、小窓107部分を平らに形成することによって、2台のパチンコ機10間に配設される球貸機(図示せず)の貸し球レールがパチンコ機10から遊技者側へ出っ張らないようにして、球貸機を配設することができる。
窓部101の下方には貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には、球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化を図ることができる。
図9に示すように、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図9の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。この樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134が前面枠セット14にて環状にループ接続されるのを防いでいる。金属製の補強板131〜134が環状にループ接続されていると、球の発射動作に伴う電磁ノイズが遊技盤30の前面に配設された前面枠セット14の周囲をループし、遊技盤30に悪影響を及ぼして、パチンコ機10の誤動作を誘発するが、本実施形態のパチンコ機10では、樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134の環状接続を回避しているので、かかるノイズの悪影響を抑制することができる。なお、金属製の補強板131〜134の一部に樹脂パーツ135を使用することによる強度の低下は、その樹脂パーツ135にリブを設けたり、樹脂パーツ135の厚さを増して、補っている。
図9の右側の補強板131には、その中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりを防止することができる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等を抑制することができる。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となって、発射レール61から球がこぼれ落ちないように機能している。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着される。
前述の通り本実施形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内レール部51及び外レール取付部52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、球発射装置より発射された球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うように前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(即ち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図11の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
更に、レールカバー140には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図9の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた場合には、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良い。かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させ難くなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
次に、図10から図15を参照して、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図10はパチンコ機10の背面図であり、図11はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。図12は、パチンコ機10裏面における第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203の配置を示す模式図であり、図13は、内枠12及び遊技盤30の構成を示す背面図である。図14は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図15は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。
先ずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、更に、球を供給するための球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称する。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成について後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、更にこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図12の概略図に示すように、各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお、図12において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1の軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4の軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
更に、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図13は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態を示す背面図である。また、図14は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図15は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図13〜図15を用いて、内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替え可能に構成されている。図15は、係止固定具211,212がロック位置にある状態を示している。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は、金属片を折り曲げ形成したL型の金具で構成され、遊技盤30を固定した状態では内枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具で構成される。
遊技盤30の中央には、役物可変入賞装置ユニット35が配置されている。役物可変入賞装置ユニット35においては、役物可変入賞装置33(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、役物可変入賞装置33が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、役物可変入賞装置33に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、役物可変入賞装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した球を回収するための球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した役物開放口32及び役物可変入賞装置33(それぞれ図3参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10の外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図13に仮想線で例示するように、役物可変入賞装置33等に入賞した球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、更に排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった球も排出通路218を介してパチンコ機10の外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤30の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられているので、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、更にその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機10の前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金等を利用して役物可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などへの球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の役物開放口32L,32Rには左右の各開放口スイッチ222L,222Rが設けられている。
各開放口スイッチ222L,222Rは、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板(図示せず)に接続され、更にこの盤面中継基板が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。その他図示は省略するが、図13において、パチンコ機10の裏面左下方部には打球槌等を備えるセットハンドル228が配設され、その右横には発射モータ229が配設されている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(即ち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部には上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)232が設けられ、同左上部には係止爪片233が設けられている。
内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12の右端部には、図16に示す長尺状の支持金具235が取り付けられている。図16に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット202用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット203用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット202用の支持金具と裏パックユニット203用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための球分配部245が設けられている。即ち、球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピーカ(図示せず)の背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、図17〜図20を参照して、第1制御基板ユニット201を説明する。図17は第1制御基板ユニット201の正面図であり、図18は同ユニット201の斜視図であり、図19は同ユニット201の分解斜視図であり、図20は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図17等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結される。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。即ち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して音声ランプ制御装置262に出力される。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
一方の基板搭載面252上には、主制御装置261が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上には、音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置される。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているので、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図17等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できると共に、各制御装置を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、役物可変入賞装置33やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図19及び図20に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合を回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図18等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図13等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図15等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図15等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、支持金具231及び支軸256が前記図12の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、図21〜図23を参照して、第2制御基板ユニット202を説明する。図21は第2制御基板ユニット202の正面図であり、図22は同ユニット202の斜視図であり、図23は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機10の前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ358a部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータ358aが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されるので、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
また、取付台301には、図21等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図14等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図14等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図12の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、図24及び図25を参照して、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と球の払出機構部352とを一体化したものであり、図24はパチンコ機10の背面から見た裏パックユニット203の背面図を示しており、図25はその分解斜視図を示している。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも役物可変入賞装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の役物可変入賞装置ユニット35等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。即ち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、更にタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された球は図25に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際には、バイブレータ360を駆動することによって球詰まりを解消できるようになっている。このバイブレータ360は、ユニット化されているので、タンクレール356へ容易に取り付けることができる。
図26を参照してタンクレール356の構成ついて詳述すると、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355から落下してきた球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、更にその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の球群が流れ込んできても、球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消される。なお、レール本体361は、黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
図24及び図25に戻って説明する。払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図24等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図13等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図13等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図14等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。固定具242及び係止孔387の部分にナイラッチを使用しないのは、図24における係止孔387の左隣に球を貯留するタンク355が設けられるので、この部分を強固に固定するためである。固定具242の固定時には、図13等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図12の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
次に、図27を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
ここで、ROM502には、制御プログラムや固定値データの他に、ポインタ決定テーブル502aと、最大ラウンド数テーブル502bと、制御時間テーブル502cと、ラウンドデータアドレステーブル502dと、ラウンドデータテーブル502eとを備えている。
ポインタ決定テーブル502aは、後述するラウンド抽選カウンタ503bが示す値に応じた大当たり種別ポインタの値を記憶したテーブルである。このポインタ決定テーブル502aは、後述する大当たり処理(図36)において参照され、ラウンド抽選カウンタ503bの値に対応する大当たり種別ポインタが取得される。
なお、このポインタ決定テーブル502aからラウンド抽選カウンタ503bの値に応じて取得された大当たり種別ポインタは、1回の大当たりにおけるラウンド構成の詳細を決定するものである。即ち、この大当たり種別ポインタは、後述する最大ラウンド数テーブル502c、制御時間テーブル502d、及びラウンドデータアドレステーブル502dにおいて参照されて、1回の大当たりにおけるラウンド構成の詳細(最大ラウンド数、大当たり中に開閉部材33a1を開閉するために必要とされる制御時間値、各ラウンドにおける開閉部材33a1の開閉パターンなど)を決定する。
本実施形態では、大当たり種別ポインタは、「0」、「1」及び「2」の3つの値から構成されており、これらの大当たり種別ポインタに対応するラウンド構成は、「2」である場合に遊技者に対する有利度が最も高く、「0」である場合に遊技者に対する有利度が最も低く構成されている。即ち、大当たり種別ポインタの値が「2」である場合には、結果的に、上述した図柄表示装置60に表示される図柄は「王冠」となる。同様に、大当たり種別ポインタの値が「1」である場合には、「カップ(賞杯)」が図柄表示装置60に表示され、「0」である場合には、「魚」が表示される。
また、本実施形態では、このポインタ決定テーブル502aにおいて、ラウンド抽選カウンタ503bにおける「0」に対し、大当たり種別ポインタの「0」が対応付けられ、ラウンド抽選カウンタ503bにおける「1」に対し、大当たり種別ポインタの「1」が対応付けられ、ラウンド抽選カウンタ503bにおける「2」に対し、大当たり種別ポインタの「2」が対応付けられている。
最大ラウンド数テーブル502bは、後述するラウンド抽選カウンタ503bによる抽選結果に応じた最大ラウンド数を記憶したテーブルである。この最大ラウンド数テーブル502bには、大当たり種別ポインタの各値と、1回の大当たりで実行可能な最大ラウンド数とが対応付けられている。よって、詳細は大当たり処理(図36)を参照しつつ後述するが、上記したポインタ決定テーブル502aから、ラウンド抽選カウンタ503bの値に応じた大当たり種別ポインタが取得されると、そのように取得された大当たり種別ポインタの値に応じた最大ラウンド数が、最大ラウンド数テーブル502bにより決定されることになる。
なお、本実施形態では、大当たり種別ポインタの値が「0」である場合に1回の大当たりで実行可能な最大ラウンド数は2ラウンドであり、大当たり種別ポインタの値が「1」である場合に1回の大当たりで実行可能な最大ラウンド数は15ラウンドであり、大当たり種別ポインタの値が「2」である場合に1回の大当たりで実行可能な最大ラウンド数は16ラウンドであるように構成されている。よって、本実施形態では、この最大ラウンド数テーブル502bによって、大当たり種別ポインタ「0」と最大ラウンド数「2」とが対応付けられ、大当たり種別ポインタ「1」と最大ラウンド数「15」とが対応付けられ、大当たり種別ポインタ「2」と最大ラウンド数「16」とが対応付けられている。
制御時間テーブル502cは、後述するラウンド抽選カウンタ503bによる抽選結果に応じた制御時間値(大当たり中に開閉部材33a1を開閉するために必要とされる制御値)を記憶したテーブルである。ここで、図28を参照して、この制御時間テーブル502cについて説明する。図28は、制御時間テーブル502cの構成を示す模式図である。
図28に示すように、制御時間テーブル502cは、大当たり種別ポインタの値の各々に対し、「大当たりオープニング時間」と「大当たり開放時間1」と「大当たり開放時間2」と「大当たり開放時間3」と「大当たり閉鎖時間1」と「大当たり閉鎖時間2」とが1組の制御時間(タイマ制御値)として記憶されている。
詳細は大当たり処理(図36)を参照しつつ後述するが、上記したポインタ決定テーブル502aから、ラウンド抽選カウンタ503bの値に応じた大当たり種別ポインタが取得されると、そのように取得された大当たり種別ポインタの値に応じた制御時間(タイマ制御値)の組が、制御時間テーブル502cから取得されることになる。
なお、詳細は大当たり閉鎖中処理(図37)などを参照しつつ後述するが、この制御時間テーブル502cにおける「大当たりオープニング時間」は、通常の遊技状態においてV入賞検出スイッチ33b8による球の検出を契機として発生した大当たりにおける第1ラウンドと第2ラウンドとの間における開閉部材33a1の閉鎖期間(閉鎖状態持続期間)に相当する値(制御時間)である。詳細は後述するが、大当たり処理(図36参照)において、この「大当たりオープニング時間」として記憶されていた値が、第1大当たり制御タイマ504に設定されると、その結果として、開閉部材33a1が、開閉部材33a1が、第2ラウンドを開始する前に所定期間だけ閉鎖される。また、この「大当たりオープニング時間」に従う閉鎖期間(オープニング期間)において、図柄表示装置60において、図柄の変動表示が行われ、最終的に、ラウンド抽選カウンタ503bによる抽選結果に応じた図柄(魚、カップ、又は王冠)の表示が行われる。
なお、図28に示すように、本実施形態における「大当たりオープニング時間」としては、全ての大当たり種別ポインタの値(「0」〜「2」)に対して7.5s(7.5秒)が記憶されている。よって、本実施形態では、いずれの値の大当たり種別ポインタが取得された場合であっても、第1ラウンドの終了後、第2ラウンドが開始されるまで、開閉部材33a1が7.5s間閉鎖され、この閉鎖期間において、図柄表示装置60において、図柄の変動表示が行われ、最終的に、ラウンド抽選カウンタ503bによる抽選結果に応じた図柄(魚、カップ、又は王冠)が表示される。
また、「大当たり開放時間1」、「大当たり開放時間2」、及び「大当たり開放時間3」は、大当たりにおける第2ラウンド(即ち、V入賞検出スイッチ33b8による球の検出を契機とする大当たりの発生後の最初のラウンド)以降の各ラウンド全体の期間又はラウンド内における開閉部材33a1の開放期間(開放状態持続期間)に相当する値(制御時間)である。
一方で、「大当たり閉鎖時間1」及び「大当たり閉鎖時間2」は、大当たりにおける第2ラウンド以降のラウンド外の期間又はラウンド内における開閉部材33a1の閉鎖期間に相当する値(制御時間)が記憶されている。
ここで、図28に示すように、本実施形態における「大当たり開放時間2」としては、全ての大当たり種別ポインタの値(「0」〜「2」)に対して29.5sが記憶されている。詳細は後述するが、大当たり閉鎖中処理(図37参照)において、この「大当たり開放時間2」として記憶されていた値が、第1大当たり制御タイマ504及び第2大当たり制御タイマ505に設定されると、開閉部材33a1が1回のラウンド全体(本実施形態では29.5s)に亘って連続的に開放される。即ち、本実施形態において「大当たり開放時間2」として記憶されている値は、開閉部材33a1の開閉パターンを、1回のラウンド全体に亘って連続的に開放するパターンとするために必要とされる制御時間である。
一方で、本実施形態における「大当たり開放時間1」は、ラウンド内における開閉部材33a1の開放期間に相当する値(制御時間)である。本実施形態では、図28に示すように、大当たり種別ポインタの値が「1」である場合には、「大当たり開放時間1」として0.8sが記憶され、大当たり種別ポインタの値が「0」又は「2」である場合には、「大当たり開放時間1」として0sが記憶されている。
また、本実施形態における「大当たり閉鎖時間1」は、ラウンド内における開閉部材33a1の閉鎖期間に相当する値(制御時間)である。本実施形態では、図28に示すように、大当たり種別ポインタの値が「1」である場合には、「大当たり閉鎖時間1」として0.8sが記憶され、大当たり種別ポインタの値が「0」又は「2」である場合には、「大当たり閉鎖時間1」として0sが記憶されている。
また、「大当たり開放時間3」は、開閉部材33a1が「大当たり開放時間1」及び「大当たり閉鎖時間1」に従って開閉部材33a1の開閉を行うラウンド全体の期間に相当する値(制御時間)である。本実施形態では、図28に示すように、大当たり種別ポインタの値が「1」である場合には、「大当たり開放時間3」として28sが記憶され、大当たり種別ポインタの値が「0」又は「2」である場合には、「大当たり開放時間3」として0sが記憶されている。
詳細は後述するが、例えば、ポインタ決定テーブル502aから取得された大当たり種別ポインタの値が「1」であった場合には、大当たり閉鎖中処理(図37参照)において、「大当たり開放時間3」及び「大当たり開放時間1」として記憶されていた値が、それぞれ、第1大当たり制御タイマ504及び第2大当たり制御タイマ505に設定され、その結果として、1回のラウンド期間内(本実施形態では28s)において、開閉部材33a1が、所定の開放期間(本実施形態では0.8s)の開放と、所定の閉鎖期間(本実施形態では0.8s)の閉鎖とを繰り返す。即ち、本実施形態における「大当たり開放時間1」、「大当たり開放時間3」、及び「大当たり閉鎖時間1」としてそれぞれ記憶されている値は、開閉部材33a1の開閉パターンを、1回のラウンド期間中に開閉部材33a1の開放を間欠的に生じさせるパターンとするために必要とされる制御値である。
なお、一方で、ポインタ決定テーブル502aから取得された大当たり種別ポインタの値が「0」又は「2」であった場合には、「大当たり開放時間1」、「大当たり開放時間3」、及び「大当たり閉鎖時間1」としてそれぞれ記憶されている制御時間(タイマ制御値)がいずれも0sであるので、上記した大当たり種別ポインタの値が「1」である場合のような、1回のラウンド期間中に開閉部材33a1の開放を間欠的に生じさせる開閉パターンは出現しない。
また、本実施形態における「大当たり閉鎖時間2」は、大当たりにおける第2ラウンド以降のラウンド外の期間に相当する値(制御時間)である。詳細は後述するが、ラウンド終了処理(図39参照)において、この「大当たり閉鎖時間2」として記憶されていた値が、第1大当たり制御タイマ504に設定されると、その結果として、開閉部材33a1が、各回のラウンド終了後から次のラウンドが開始されるまでの間だけ閉鎖される。
なお、図28に示すように、本実施形態における「大当たり閉鎖時間2」としては、全ての大当たり種別ポインタの値(「0」〜「2」)に対して5.5sが記憶されている。よって、いずれの値の大当たり種別ポインタが取得された場合であっても、第2ラウンド以降では各回のラウンド終了後、次のラウンドが開始されるまで、開閉部材33a1が5.5s間閉鎖されることになる。
再度図27に戻って説明する。ラウンドデータアドレステーブル502dは、後述するラウンド抽選カウンタ503bによる抽選結果に応じたラウンドデータテーブル502eの先頭アドレスを記憶したテーブルである。このラウンドデータアドレステーブル502dには、大当たり種別ポインタの各値と、ラウンドデータテーブル502eの先頭アドレスとが対応付けられている。
なお、本実施形態では、このラウンドデータアドレステーブル502dによって、大当たり種別ポインタ「0」と先頭アドレス「RNDDT1」とが対応付けられ、大当たり種別ポインタ「1」と先頭アドレス「RNDDT2」とが対応付けられ、大当たり種別ポインタ「2」と先頭アドレス「RNDDT3」とが対応付けられている。
ラウンドデータテーブル502eは、1回の大当たりの中で発生する第n番目(nは2以上の整数)のラウンド(第nラウンド)と、その第nラウンドにおける開閉部材33a1の開閉パターンを規定する判定値(特許請求の範囲における「開閉切換情報」に該当する)とを対応付けたテーブルである。
このラウンドテーブル502eは、大当たり種別ポインタの値の数だけ設けられている。即ち、大当たり種別ポインタにより規定されるラウンド構成の種別毎に設けられている。本実施形態では、大当たり種別ポインタの値が「0」〜「3」であるので、ラウンドテーブル502eは、3種類のラウンドテーブル502e1〜502e3から構成されている。
ここで、図29を参照して、このラウンドテーブル502e(502e1〜502e3)について説明する。図29(a)は、大当たり種別ポインタの値が「0」である場合に使用されるラウンドテーブル502e1の模式図であり、図29(b)は、大当たり種別ポインタの値が「1」である場合に使用されるラウンドテーブル502e2の模式図であり、図29(c)は、大当たり種別ポインタの値が「2」である場合に使用されるラウンドテーブル502e3の模式図である。
図29(a)〜(c)に示すように、ラウンドテーブル502e1〜502e3のそれぞれ右側に、図面の理解を容易にする目的で、各判定値に対応するラウンドカウンタ503cの値を併記した。なお、詳細は後述するが、ラウンドカウンタ503cによるラウンド回数の計数は「0」を初期値として行われるように構成されているために、ラウンドカウンタ503cの示す値mと、大当たり中における第n番目のラウンドとの間には、n=m+1の関係がある。即ち、ラウンドカウンタ503cの値が「1」である場合には、大当たり中のラウンドが2番目のラウンド(第2ラウンド)にあることを示す。
図29(a)に示すように、ラウンドテーブル502e1は、第2ラウンドに対して、判定値「0」が対応付けられている。また、図29(b)に示すように、ラウンドテーブル502e2は、第2〜7ラウンド及び第9〜15ラウンドに対して、判定値「0」が対応付けられ、第8ラウンドに対してのみ判定値「1」が対応付けられている。また、図29(c)に示すように、ラウンドテーブル502e3は、第2〜16ラウンドに対し、全て判定値「0」が対応付けられている。
上記したように、ラウンドテーブル502e(502e1〜502e3)における判定値は、第nラウンドにおける開閉パターンを規定する値であり、後述する大当たり閉鎖中処理(図37)において参照され、その結果として、開閉部材33a1の開閉パターンを規定する。本実施形態では、判定値が「0」又は「1」の値を取り得るように構成されており、判定値が「0」である場合には、開閉部材33a1の開閉パターンを、1回のラウンド全体に亘って連続的に開放するパターンとし、一方で、判定値が「1」である場合には、開閉部材33a1の開閉パターンを、1回のラウンド期間中に開閉部材33a1の開放を間欠的に生じさせるパターンとするように構成されている。
よって、大当たり種別ポインタの値が「0」又は「2」である場合には、大当たり中に発生される全てのラウンド(ただし第1ラウンドは除く)において、1回のラウンド全体に亘って開閉部材33a1が連続的に開放されるように制御される。一方で、大当たり種別ポインタの値が「1」である場合には、大当たり中に発生される全15回のラウンドのうち、第8ラウンド以外(ただし第1ラウンドは除く)は、1回のラウンド全体に亘って開閉部材33a1が連続的に開放されるように制御されるが、第8ラウンドだけは、1回のラウンド期間中に開閉部材33a1の開放が間欠的に生じるように制御される。
なお、ラウンドテーブル502e1〜502e3のうち、どのラウンドテーブルが実際に選定されて使用されるかは、後述する大当たり閉鎖中処理(図37)において、大当たり種別ポインタの値に基づいてラウンドデータアドレステーブル502dから取得される先頭アドレスにより決定される。即ち、大当たり種別ポインタの値が「0」である場合には、先頭アドレスが「RNDDT1」であるラウンドテーブル502e1が選定され、大当たり種別ポインタの値が「1」である場合には、先頭アドレスが「RNDDT2」であるラウンドテーブル502e2が選定され、大当たり種別ポインタの値が「3」である場合には、先頭アドレスが「RNDDT3」であるラウンドテーブル502e3が選定される。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。このRAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aと、ラウンド抽選カウンタ503bと、ラウンドカウンタ503cと、V入賞カウンタ503dと、始動入賞フラグ503eと、V入賞フラグ503fと、変動中フラグ503gと、大当たり中フラグ503hと、オープニングフラグ503iと、ラウンド中フラグ503jと、最終ラウンドフラグ503kと、最大ラウンド数メモリ503lと、制御タイマメモリ503mとを備えている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込処理(図40参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図31参照)において実行される。なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
ラウンド抽選カウンタ503bは、大当たり時におけるラウンド構成を決定するためのカウンタであり、「0」〜「2」の範囲で更新されるように構成されている。このラウンド抽選カウンタ503bは、大当たりが発生した場合、即ち、通常の遊技状態においてV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出された場合に参酌され、その時点でのラウンド抽選カウンタ503bの値に基づいて、その大当たりのラウンド構成が決定される。
具体的には、V入賞検出スイッチ33b8によって球が検出された時点において、ラウンド抽選カウンタ503bの値が「0」であった場合には、ポインタ決定テーブル502aから大当たり種別ポインタ「0」が取得され、その結果として、遊技者に対する有利度が最も低いラウンド構成からなる大当たり遊技が選定される。同様に、ラウンド抽選カウンタ503bの値が「1」であった場合には、ポインタ決定テーブル502aから大当たり種別ポインタ「1」が取得され、その結果として、遊技者に対する有利度が3つのラウンド構成の中で中間となるラウンド構成からなる大当たり遊技が選定される。また、ラウンド抽選カウンタ503bの値が「2」であった場合には、ポインタ決定テーブル502aから大当たり種別ポインタ「2」が取得され、その結果として、遊技者に対する有利度が最も高いラウンド構成からなる大当たり遊技が選定される。
ラウンドカウンタ503cは、大当たり中における実行中のラウンドが何番目のラウンドであるかを計数するためのカウンタである。このラウンドカウンタ503cの値は、通常の遊技状態においてV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されると、後述するスイッチ読み込み処理(図33参照)において初期値「0」に設定され、ラウンドが更新される毎に「1」ずつ加算されるように構成されている。なお、大当たり遊技におけるラウンド期間中にV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されない場合(所謂、パンク)には、ラウンドカウンタ503cの値が「0」クリアされるように構成されている。
V入賞カウンタ503dは、大当たり遊技で実行されるラウンド期間中にV入賞検出スイッチ33b8によって検出された球を計数するためのカウンタである。このV入賞カウンタ503dの値は、主制御装置261への電源投入時に「0」に初期化され、大当たり遊技におけるラウンド期間中にV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出される毎に「1」ずつ加算されるように構成されている。なお、このV入賞カウンタ503dは、1回のラウンドが終了すると「0」クリアされるように構成されている。
始動入賞フラグ503eは、始動入賞に伴う開閉部材33a1の開放期間中であるか否かを示すフラグである。具体的には、この始動入賞フラグ503eは、通常の遊技状態において、始動入賞が検出される、即ち、左開放口スイッチ222L又は右開放口スイッチ222Rによって球が検出されるとオンされ、その始動入賞に伴う開閉部材33a1の開放期間が終了するとオフされる。
V入賞フラグ503fは、大当たりの発生条件が成立したか、即ち、通常の遊技状態においてV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されたか否かを示すフラグである。具体的には、このV入賞フラグ503fは、通常の遊技状態において、V入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されるとオンされる。そして、そのようにV入賞フラグ503fがオンされた後、ラウンド抽選カウンタ503bによる抽選が行われると、V入賞フラグ503bはオフされる。
変動中フラグ503gは、図柄表示装置60による図柄の変動表示中であるか否かを示すフラグである。具体的には、この変動中フラグ503gは、図柄表示装置60による図柄の変動表示が開始されるとオンされ、ラウンド抽選の抽選結果に対応する図柄が図柄表示装置60に停止図柄として表示されるとオフされる。
大当たり中フラグ503hは、大当たり中であるか、即ち、通常の遊技状態においてV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されたことを契機として発生した大当たりの実行中であるかを示すフラグである。具体的には、この大当たり中フラグ503hは、通常の遊技状態において、V入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されるとオンされる。そして、そのように大当たり中フラグ503hがオンされた後、大当たりが終了すると、大当たり中フラグ503hはオフされる。なお、大当たりの終了としては、ラウンド抽選の結果として規定された数のラウンドが全て実行された場合(即ち、後述する最大ラウンド数メモリ503lに記憶された数に相当するラウンドが全て実行された場合)、又は、大当たり中に発生されるラウンド期間中にV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されなかった場合(所謂、パンク)が挙げられる。
オープニングフラグ503iは、大当たり中におけるオープニング期間、即ち、大当たりの発生後、最初のラウンドが実行されるまでの期間)であるか否かを示すフラグである。具体的には、このオープニングフラグ503iは、通常の遊技状態において、V入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されるとオンされ、オープニング期間が終了するとオフされる。
ラウンド中フラグ503jは、大当たり中に発生されたラウンド(第2ラウンド以降のラウンド)中であるか否かを示すフラグである。具体的には、このラウンド中フラグ503jは、大当たりの発生条件の成立(即ち、通常の遊技状態においてV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されること)後にラウンドが発生される毎にオンされ、ラウンドの終了に伴ってオフされる。
最終ラウンドフラグ503kは、大当たり中に発生されたラウンドが、ラウンド抽選の結果として規定された最大ラウンド数の最後のラウンド(最終ラウンド)であるか否かを示すフラグである。具体的には、この最終ラウンドフラグ503kは、最終ラウンドが発生されるとオンされ、その最終ラウンドの終了に伴ってオフされる。
なお、上記したフラグ503e〜503kは、いずれも、主制御装置261への電源投入時にオフに初期化されるように構成されている。
最大ラウンド数メモリ503lは、後述する大当たり処理(図36参照)において、ラウンド抽選による抽選結果に基づいて最大ラウンド数テーブル502bから取得された最大ラウンド数を記憶するものである。この最大ラウンド数メモリ503lに記憶された値は、後述する大当たり閉鎖中処理(図37参照)において、ラウンドカウンタ503cの値と比較することによって、大当たり中において発生されるラウンドが最終ラウンドであるか否かの判定を行うために使用される。
制御タイマメモリ503mは、後述する大当たり処理(図36参照)において、ラウンド抽選による抽選結果に基づいて制御時間テーブル502cから取得された制御時間値(大当たり中に開閉部材33a1を開閉するために必要とされる制御値)を記憶するものである。
ここで、図30を参照して、この制御時間テーブル502cについて説明する。図30は、制御時間テーブル502cに記憶されている各制御時間値が、制御タイマメモリ503m及び後述する第1大当たり制御タイマ504に記憶される場合の、各制御時間値の対応関係を示す模式図である。
図30に示すように、本実施形態における制御タイマメモリ503mは、第1開放制御タイマメモリ503m1と、第2開放制御タイマメモリ503m2と、第3開放制御タイマメモリ503m3と、第1閉鎖制御タイマメモリ503m4と、第2閉鎖制御タイマメモリ503m5とから構成されている。後述する大当たり処理(図36)において、制御時間テーブル502cに記憶されている制御時間値の組の中で、ラウンド抽選結果に応じた組の制御時間値が、これらの制御タイマメモリ503m1〜503m5の各々に記憶される。具体的には、図30に示すように、「大当たり開放時間1」が、第1開放制御タイマメモリ503m1に記憶され、「大当たり開放時間2」が、第2開放制御タイマメモリ503m2に記憶され、「大当たり開放時間3」が、第3開放制御タイマメモリ503m3に記憶され、「大当たり閉鎖時間1」が、第1閉鎖制御タイマメモリ503m4に記憶され、「大当たり閉鎖時間2」が、第2閉鎖制御タイマメモリ503m5に記憶される。なお、図30に示すように、制御時間テーブル502cに記憶されている制御時間値の中で、「大当たりオープニング時間」は第1大当たり制御タイマ504に設定される。
第1大当たり制御タイマ504は、大当たり中に発生されるラウンド(第2ラウンド以降のラウンド)の期間、又は、各ラウンドの間の期間(第1ラウンドと第2ラウンドとの間の期間を含む)を計時(管理)するタイマである。
詳細は後述するが、この第1大当たり制御タイマ504には、大当たり閉鎖処理(図37参照)において、第2ラウンド以降のラウンドの発生タイミングが到来すると、そのラウンド期間に対応する値が設定される。その一方で、大当たり処理(図36参照)又はラウンド終了処理(図39参照)において、各回のラウンド(第1ラウンドを含む)が終了し、ラウンド外の期間が発生するタイミングが到来すると、そのラウンド期間に対応する値が、第1大当たり制御タイマ504に設定される。
この第1大当たり制御タイマ504は、設定された値が、所定時間毎(大当たり閉鎖中処理(図37参照)又はラウンド中処理(図38参照)の実行毎)に、1ずつ減算されることによって、大当たり中に発生されるラウンドの期間、又は、各ラウンドの間の期間を計時する。この第1大当たり制御タイマ504の値が減算された結果として、最終的に0に到達すると、設定された期間(ラウンド期間又はラウンド外の期間)の計時が終了したことを示す。
第2大当たり制御タイマ505は、大当たり中に発生されるラウンド(第2ラウンド以降のラウンド)の期間内において、開閉部材33a1が開放される期間(開放状態維持期間)、又は、開閉部材33a1が閉鎖される期間(閉鎖状態維持期間)を計時(管理)するタイマである。
詳細は後述するが、この第2大当たり制御タイマ505には、大当たり閉鎖処理(図37参照)又はラウンド中処理(図38参照)において、ラウンド期間中に開閉部材駆動ソレノイド33a2をオンすることによって開閉部材33a1が開放するタイミングが到来すると、開放期間(開放状態維持期間)に対応する値が設定される。その一方で、ラウンド中処理(図38参照)において、開閉部材駆動ソレノイド33a2をオフすることによってラウンド期間中に開閉部材33a1が閉鎖されるタイミングが到来すると、閉鎖期間(閉鎖状態維持期間)に対応する値が、第2大当たり制御タイマ505に設定される。
この第2大当たり制御タイマ505は、設定された値が、所定時間毎(ラウンド中処理(図38参照)の実行毎)に、1ずつ減算されることによって、ラウンド中における、開閉部材33a1の開放期間又は閉鎖期間を計時する。この第2大当たり制御タイマ505の値が減算された結果として、最終的に0に到達すると、設定された期間(開閉部材33a1の開放期間又は閉鎖期間)の計時が終了したことを示す。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート506が接続されている。入出力ポート506には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、左開放口スイッチ222L、右開放口スイッチ222R、V入賞検出スイッチ33b8、開閉部材駆動ソレノイド33a2、役物駆動モータ33a5、回転体駆動モータ33b7、図柄表示装置60、又は、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで球が発射される。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323を有するRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては、払出制御装置311を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323が押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
次に、図31から図40のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。
図31は、主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する。払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信した後(S102)、RAM503のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS114へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503のバックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合
にも、処理をS114へ移行する。バックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS114へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(S114〜S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(S114〜S116)に移行する。即ち、S114からのRAMの初期化処理では、RAM503の使用領域を0にクリアし(S114)、RAM503の初期値を設定する(S115)。その後、割込みを許可して(S116)、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323がオンされておらず(S104:No)、電源遮断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、復電時の処理では、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S108)、電源遮断の発生情報をクリアする(S109)。次に、サブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時のコマンドを送信し(S110)、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる(S111)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S112)、割込みが許可状態であれば(S112:Yes)、割込みを許可し(S113)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S112:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図32のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S207の各処理が実行され、その残余時間でS208が実行される構成となっている。
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。
次に、ラウンド抽選カウンタ503cの値を更新する(S202)。具体的には、ラウンド抽選カウンタ503cの値を「1」加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では「2」)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、ラウンド抽選カウンタ503cの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
次に、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、図柄変動処理を行い(S204)、図柄表示装置60による図柄の変動表示が実行される。なお、この図柄変動処理(S204)における詳細な処理については、図34を参照しつつ後述する。
図柄変動処理(S204)の実行後、始動入賞時開閉処理を行い(S205)、始動入賞(通常の遊技状態において、左開放口スイッチ222L又は右開放口スイッチ222Rによって球が検出された場合)を契機として行う開閉部材33a1の開閉動作の制御が行われる。なお、この始動入賞時開閉処理(S205)における詳細な処理については、図35を参照しつつ後述する。
始動入賞時開閉処理(S205)の実行後、大当たり処理を行い(S206)、大当たり判定や大当たり遊技等が実行する。なお、この大当たり処理(S206)における詳細な処理については、図36を参照しつつ後述する。
大当たり処理(S206)の実行後、その他の各処理を実行する(S207)。そして、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間が経過するまで待機する一方、所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
図33は、タイマ割込処理によって2ms(ミリ秒)毎に実行されるスイッチ読み込み処理を示すフローチャートである。スイッチ読み込み処理では、各スイッチの状態が検出され、その検出結果に応じてメモリやカウンタにそれぞれの所定値が設定される。
まず、大当たり中フラグ503hがオンされているかを確認し(S301)大当たり中フラグ503hがオンされていれば、(S301:Yes)、S302〜S307の処理をスキップしてS308へ移行する。これは、大当たり中フラグ503hがオンしている状態では、大当たり処理(S206)が実行され、その大当たり処理内で必要となるスイッチの読み込みが行われるからである。
一方で、S301の処理において、大当たり中フラグ503hがオンされていなければ(S301:No)、始動入賞フラグ503eがオンされているかを確認し(S302)、始動入賞フラグ503eがオフであれば(S302:No)、左開放口スイッチ222L又は右開放口スイッチ222Rがオンされたかを確認する(S303)。
S303の処理により確認した結果、左開放口スイッチ222L又は右開放口スイッチ222Rがオンされた場合には(S303:Yes)、始動入賞フラグをオンし(S304)、S305へ移行する。一方で、S303の処理により確認した結果、左開放口スイッチ222L又は右開放口スイッチ222Rがオンされていない場合には(S303:No)、S308の処理へ移行する。
また、S302の処理により確認した結果、始動入賞フラグ503eがオンであれば(S302:Yes)、始動入賞に伴う開閉部材33a1の開放期間中であるので、S303,S304の処理をスキップして、S305へ移行する。
S305では、V入賞検出スイッチ33b8がオンされたかを確認する。このS305の処理により確認した結果、V入賞検出スイッチ33b8がオンされていれば(S305:Yes)、大当たりの発生となるので、V入賞フラグ503fをオンすると共に、ラウンドカウンタ502cの値を0クリアし(S307)、S308へ移行する。一方で、S305の処理により確認した結果、V入賞検出スイッチ33b8がオンされていない場合もまた(S305:No)、S308の処理へ移行する。
S308では、その他のスイッチ読み込み処理が実行される。その他のスイッチ読み込み処理では、主に、各開放口スイッチ222R,222Lや、役物入賞検出スイッチ33a3、その他の入賞口などがオンされたか否かが確認され、いずれかのスイッチがオンされた場合に、その入賞に対応した賞球個数(入賞検知情報)が設定され、通常処理のS201の処理において払出制御基板に送信される。その他のスイッチ読み込み処理を実行することにより、大当たり処理(S206)の実行中や、各開放口スイッチ222R,222Lの検出をスキップする場合(S302:Yes)する場合であっても、入賞に対応した賞球個数を確実に払い出すことができ、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、その他のスイッチ読み込み処理により、V入賞検出スイッチ33b8がオンされたことが確認された場合(即ち、大当たりにおけるラウンド期間中にV入賞検出スイッチ33b8がオンされたことが確認された場合)には、V入賞検出スイッチ33b8のオンが1回確認される毎にV入賞カウンタ503dの値が「1」ずつ加算される。
その他のスイッチ読み込み処理(S308)の実行後、このスイッチ読み込み処理を終了する。
次に、図34を参照して、上記した図柄変動処理(S204)について説明する。図34は、図32の通常処理の中で実行される図柄変動処理(S204)を示すフローチャートである。この図柄変動処理では、図柄表示装置60による図柄の変動表示に対する制御が実行される。
この図柄変動処理(S204)では、まず、オープニングフラグ503iがオンであるかを確認し(S321)、オープニングフラグ503iがオンであれば(S321:Yes)、オープニング期間中であるので、次いで、変動中フラグ503gがオンであるかを確認する(S322)。
S322の処理により確認した結果、変動中フラグ503gがオフであれば(S322:No)、図柄表示装置60において図柄の変動表示がまだ行われていないので、図柄変動表示を開始する(S326)。このS326の処理の結果として、図柄表示装置60に、魚、カップ、又は王冠の図柄をランダムに変動させつつ表示される。S326の処理後、変動中フラグをオンし(S327)、この図柄変動処理(S204)を終了する。
一方で、S322の処理により確認した結果、変動中フラグ503gがオンであれば(S322:Yes)、変動開始後から所定の変動時間(例えば、6.5s)が経過したかを確認する(S323)。なお、この変動時間の経過は非図示のタイマにより計時される。
S323の処理により確認した結果、所定の変動時間が経過したのであれば(S323:Yes)、図柄表示装置60で行われていた図柄変動表示を、ラウンド抽選カウンタ503bによる抽選結果に応じた、魚、カップ、又は王冠の図柄で停止する(S324)。S324の処理後、変動中フラグをオフし(S325)、この図柄変動処理(S204)を終了する。
一方で、S323の処理により確認した結果、変動開始後から所定の変動時間が未だ経過していなければ(S323:No)、そのまま、この図柄変動処理(S204)を終了する。
また、S321の処理により確認した結果、オープニングフラグ503iがオフであれば(S321:No)、オープニング期間外であるので、そのまま、この図柄変動処理(S204)を終了する。
次に、図35を参照して、上記した始動入賞時開閉処理(S205)について説明する。図35は、図32の通常処理の中で実行される始動入賞時開閉処理(S205)を示すフローチャートである。この開閉部材開閉処理では、通常の遊技状態において左開放口スイッチ222L又は右開放口スイッチ222Rがオンされたことによって始動入賞した場合における、開閉部材駆動ソレノイド33a2のオン又はオフの制御などが実行される。
この始動入賞時開閉処理(S205)では、まず、始動入賞フラグ503eがオンであるかを確認し(S341)、オンであれば(S341:Yes)、始動入賞に伴う開閉部材33a1の開放期間内であるので、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされているかを確認する(S342)。
S342の処理により確認した結果、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオフである場合には(S342:No)、開閉部材駆動ソレノイド33a2をオンし(S342)、S344へ移行する。S342の処理によって、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされると、開閉部材33a1の状態が閉鎖状態から開放状態へと変化する。
一方で、S342の処理により確認した結果、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンである場合には(S342:Yes)、開閉部材33a1の状態は、既に開放状態とされているので、S343の処理をスキップして、S344へ移行する。
S344では、非図示のタイマによって、始動入賞に伴う開閉部材33a1の開放期間(例えば、0.5s)が経過したかを確認する。このS344の処理により、開閉部材33a1の開放期間が経過したことが確認された場合には(S344:Yes)、開閉部材駆動ソレノイド33a2をオフし(S345)、始動入賞フラグ503eをオフし(S346)、この始動入賞時開閉処理(S205)を終了する。S345の処理によって、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオフされると、開閉部材33a1の状態が開放状態から閉鎖状態へと変化する。
一方で、S344の処理により確認した結果、開閉部材33a1の開放期間が未だ経過していなければ(S344:No)、開閉部材33a1の開放状態を継続するために、S345,S346の処理をスキップして、この始動入賞時開閉処理(S205)を終了する。
また、S341の処理により確認した結果、始動入賞フラグ503eがオフであれば(S341:No)、始動入賞に伴う開閉部材33a1の開放期間外であるので、そのまま、この始動入賞時開閉処理(S205)を終了する。
次に、図36を参照して、上記した大当たり処理(S206)について説明する。図36は、図32の通常処理の中で実行される大当たり処理(S206)のフローチャートである。この大当たり処理では、大当たり遊技において各スイッチの検出結果等に応じて開閉部材33a1や各役物の駆動制御等が実行される。
この大当たり処理(S204)では、まず、大当たり中フラグ503hがオンされているかを確認し(S361)、大当たり中フラグ503hがオフであれば(S361:No)、V入賞フラグ503fがオンされているかを確認する(S362)。
S362の処理により確認した結果、V入賞フラグ503fがオンであれば(S362)、通常の遊技状態においてV入賞検出スイッチ33b8がオンされたことに伴って大当たりが発生したことを示すので、RAM503の該当するバッファ領域に格納されているラウンド抽選カウンタ503bの値を読む(S363)。
S363の処理後、ポインタ決定テーブル502aを参照し、S363において読んだラウンド抽選カウンタ503bの値に対応する大当たり種別ポインタを取得する(S364)。このS364の処理によって、ラウンド抽選カウンタ503bの値に応じた、「0」、「1」又は「2」のいずれかの大当たり種別ポインタが取得される。
次いで、制御時間テーブル502cを参照して、S364において取得した大当たり種別ポインタに対する各制御時間値を読み出し、それらの各値をそれぞれ対応する制御タイマ及び制御タイマメモリに設定(記憶)する(S365)。
具体的には、制御時間テーブル502cから、S364において取得した大当たり種別ポインタに対応する「大当たりオープニング時間」、「大当たり開放時間1」、「大当たり開放時間2」、「大当たり開放時間3」、「大当たり閉鎖時間1」、及び「大当たり閉鎖時間2」(図28参照)を読み出し、読み出したこれらの制御時間値を、それぞれ、第1大当たり制御タイマ504、第1開放制御タイマメモリ503m1、第2開放制御タイマメモリ503m2、第3開放制御タイマメモリ503m3、第1閉鎖制御タイマメモリ503m4、及び第2閉鎖制御タイマメモリ503m5に設定又は記憶する(図30参照)。
なお、制御時間テーブル502cに記憶される制御時間値の単位は、図28に示すように秒単位であるが、第1大当たり制御タイマ504及び第2大当たり制御タイマ505は、4ms(ミリ秒)毎に通常処理が実行される毎に値を1ずつ減算することによって計時を行うものであるので、このS365において第1大当たり制御タイマ504に設定される値、及び各制御タイマメモリ503m1〜503m5に記憶される値は、それぞれ、4ms毎の減算による計時に相当する値に換算された値が設定又は記憶される。例えば、制御時間テーブル502cにおいて「大当たり開放時間2」として記憶されている29.5sという値は、S365において、7375という値に換算された上で、第2開放制御タイマメモリ503m2に記憶される。
S365の処理後、最大ラウンド数テーブル502bを参照して、S364において取得した大当たり種別ポインタに対応する最大ラウンド数の値を読み出し、その値を最大ラウンド数メモリ503lに記憶する(S366)。
S366の処理後、V入賞フラグ503fをオフし(S367)、大当たり中フラグ503hをオンし(S368)、オープニングフラグ503iをオンし(S369)、ラウンド中フラグ503jがオンであるかを確認する(S370)。
S370の処理により確認した結果、ラウンド中フラグ503jがオフであれば(S370:No)、後述する大当たり閉鎖中処理を実行し(S371)、この大当たり処理(S206)を終了する。
一方で、S370の処理により確認した結果、ラウンド中フラグ503jがオンであれば(S370:Yes)、後述するラウンド中処理を実行し(S372)、この大当たり処理(S206)を終了する。
また、S361の処理により確認した結果、大当たり中フラグ503hがオンであれば(S361:Yes)、大当たり中であるために、S362〜S369の処理をスキップして、S370の処理を実行する。
また、S362の処理により確認した結果、V入賞フラグ503fがオフであれば(SS362:No)、大当たりの発生していない状態(通常の遊技状態)であるので、そのまま、この大当たり処理(S206)を終了する。
次に、図37を参照して、上記した大当たり閉鎖中処理(S371)について説明する。図37は、図36の大当たり処理の中で実行される大当たり閉鎖中処理(S371)のフローチャートである。この大当たり閉鎖中処理では、大当たり遊技におけるラウンド外の期間中での開閉部材33a1や各役物の駆動制御等が実行される。
この大当たり閉鎖中処理(S371)では、まず、第1大当たり制御タイマ504の値が0であるかを確認し(S401)、0でなければ(S401:No)、ラウンド外の期間が未だ終了していないので、第1大当たり制御タイマ504の値を1減算し(S415)、この大当たり閉鎖中処理(S371)を終了する。
一方で、S401の処理により確認した結果、第1大当たり制御タイマ504の値が0であれば(S401:Yes)、オープニングフラグ503iがオンであるかを確認する(S402)。
S402の処理により確認した結果、オープニングフラグ503iがオンであれば(S402:Yes)、オープニング期間が終了し、第2ラウンドの到来タイミングであるので、オープニングフラグ503jをオフし(S416)、役物駆動モータ33a5をオンすることによって、役物33a4を駆動させる(S417)。S417の処理後、ラウンドカウンタ502cの値を1加算する(S405)。
一方で、S402の処理により確認した結果、オープニングフラグ503iがオフであれば(S402:No)、第2ラウンド以降におけるラウンドラウンド外の期間が終了し、次の動作の到来タイミングであるので、最終ラウンドフラグ503kがオンであるかを確認する(S403)。
S403の処理により確認した結果、最終ラウンドフラグ503kがオフであれば(S403:No)、次のラウンドの到来タイミングであるので、V入賞カウンタ503dの値が1以上であるかを確認し(S404)、(V入賞カウンタ503dの値)≧1であれば(S404:Yes)、直前のラウンド期間中にV入賞検出スイッチ33b8によって少なくとも1球の球が検出され、次のラウンドを実行するための条件が充足されているので、S405へ以降し、ラウンドカウンタ502cの値を1加算する。
S405の処理後、ラウンドデータアドレステーブル502dを参照し、S364において取得した大当たり種別ポインタに対するラウンドデータテーブル502eの先頭アドレスを取得する(S406)。S406の処理後、取得した先頭アドレスが示すラウンドデータテーブル502eを参照し、ラウンドカウンタ502cの値に対応する判定値を取得する(S407)。
S407の処理後、取得した判定値が「1」であるかを確認し(S408)、判定値が「1」であれば(S408:Yes)、第3開放制御タイマメモリ503m3に記憶されている値を、第1大当たり制御タイマ504に設定し(S409)、第1開放制御タイマメモリ503m1に記憶されている値を、第2大当たり制御タイマ505に設定し(S410)、S411へ移行する。
一方で、S408の処理により確認した結果、判定値が「1」でなく、「0」であれば(S408:No)、第2開放制御タイマメモリ503m2に記憶されている値を、第1大当たり制御タイマ504に設定し(S421)、第2開放制御タイマメモリ503m2に記憶されている値を、第2大当たり制御タイマ505に設定し(S422)、S411へ移行する。
よって、S409及びS410、又は、S421及びS422の処理によって、ラウンド抽選の結果(大当たり種別ポインタ)とラウンドカウンタ502cの値とにより予めラウンドデータテーブル502eにおいて規定されている判定値に応じた制御時間値が、第1大当たり制御タイマ504と第2大当たり制御タイマ505とに設定されることになる。
詳細は後述するが、判定値が、上記のようにラウンド抽選の結果(大当たり種別ポインタ)とラウンドカウンタ502cの値とに基づいて取得され、そのように取得された判定値に応じた制御時間値が、第1大当たり制御タイマ504と第2大当たり制御タイマ505とに設定されることにより、開閉部材33a1は、1回のラウンド期間中において種々の開閉パターンで開閉動作させることが可能となるのである。
S410又はS422の処理後、開閉部材駆動ソレノイド33a2をオンし(S411)、ラウンド中フラグ503jをオンする(S412)。S411の処理によって、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされると、開閉部材33a1の状態が閉鎖状態から開放状態へと変化する。
S412の処理後、(最大ラウンド数メモリ503lに記憶されている値)≦(ラウンドカウンタ502cの値+1)であるかを確認する(S413)。即ち、S413では、次のラウンドが最終ラウンドであるかを確認する。S413の処理により確認した結果、(最大ラウンド数メモリ503lに記憶されている値)≦(ラウンドカウンタ502cの値+1)であれば(S413:Yes)、最終ラウンドフラグ503kをオンし(S414)、この大当たり閉鎖中処理(S371)を終了する。
一方で、S413の処理により確認した結果、(最大ラウンド数メモリ503nに記憶されている値)≦(ラウンドカウンタ502cの値+1)でなければ(S413:No)、S414の処理をスキップして、この大当たり閉鎖中処理(S371)を終了する。
また、S403の処理により確認した結果、最終ラウンドフラグ503kがオンであれば(S403:No)、大当たり終了のタイミングであるので、最終ラウンドフラグ503kをオフし(S418)、大当たり中フラグ503hをオフし(S419)、役物駆動モータ33a5をオフし(S420)、この大当たり閉鎖中処理(S371)を終了する。
また、S404の処理により確認した結果、(V入賞カウンタ503dの値)=0であれば(S404:No)、直前のラウンド期間中にV入賞検出スイッチ33b8によって1球も球が検出されず、次のラウンドを実行するための条件が充足されなかったこと(所謂、パンク)を示すので、S419へ移行する。
このように、S404の処理により、次のラウンドを発生させるための要件の充足が確認されなかった場合には、次のラウンドの発生が禁止される。よって、大当たり遊技中であっても、遊技者の緊張感が保たれ、その結果、遊技者に与える単調な印象を回避し、遊技の興趣を喚起させることができる。
次に、図38を参照して、上記したラウンド中処理(S372)について説明する。図38は、図36の大当たり処理の中で実行されるラウンド中処理(S372)のフローチャートである。このラウンド中処理では、大当たり遊技におけるラウンド期間中での開閉部材33a1の駆動制御等が実行される。
このラウンド中処理では、まず、第1大当たり制御タイマ504の値が0であるかを確認し(S441)、0でなければ(S441:No)、ラウンド期間が未だ終了していないので、第1大当たり制御タイマ504の値を1減算する(S442)。
S442の処理後、V入賞カウンタ503dの値が9以上であるかを確認し(S443)、(V入賞カウンタ503dの値)<9であれば(S443:No)、第2大当たり制御タイマ505の値が0であるかを確認する(S444)。
S444の処理により確認した結果、第2大当たり制御タイマ505の値が0でなければ(S444:No)、第2大当たり制御タイマ505により計時(管理)されている開閉部材33a1の開放期間又は閉鎖期間が未だ終了していないので、第2大当たり制御タイマ505の値を1減算し(S449)、このラウンド中処理(S372)を終了する。
一方で、S444の処理により確認した結果、第2大当たり制御タイマ505の値が0であれば(S444:Yes)、第2大当たり制御タイマ505により計時(管理)されている開閉部材33a1の開放期間又は閉鎖期間が終了し、開閉部材33a1の開放と閉鎖とを切り換えるタイミングの到来であるので、次いで、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされているかを確認する(S445)。
S445の処理により確認した結果、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオフであれば(S445:No)、開閉部材駆動ソレノイド33a2をオンする(S446)。S446の処理によって、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされると、開閉部材33a1の状態が閉鎖状態から開放状態へと変化する。
S446の処理後、第1開放制御タイマメモリ503m1に記憶されている値を、第2大当たり制御タイマ505に設定し(S447)、このラウンド中処理(S372)を終了する。S447の処理によって、第1開放制御タイマメモリ503m1に記憶されている値が第2大当たり制御タイマ505に設定された結果として、開閉部材33a1の開放期間が第2大当たり制御タイマ505によって計時されることになる。
一方で、S445の処理により確認した結果、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンであれば(S445:Yes)、開閉部材駆動ソレノイド33a2をオフする(S450)。S450の処理によって、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオフされると、開閉部材33a1の状態が開放状態から閉鎖状態へと変化する。
S450の処理後、第1閉鎖制御タイマメモリ503m4に記憶されている値を、第2大当たり制御タイマ505に設定し(S451)、このラウンド中処理(S372)を終了する。S451の処理によって、第1閉鎖制御タイマメモリ503m4に記憶されている値が第2大当たり制御タイマ505に設定された結果として、開閉部材33a1の閉鎖期間が第2大当たり制御タイマ505によって計時されることになる。
一方で、S441の処理により確認した結果、第1大当たり制御タイマ504の値が0であれば(S441:Yes)、ラウンド期間が終了したので、後述するラウンド終了処理を実行し(S448)、このラウンド中処理(S372)を終了する。
また、S443の処理により確認した結果、(V入賞カウンタ503dの値)≧9であれば(S443:Yes)、ラウンドの終了条件が充足されたので、この場合もまた、後述するラウンド終了処理を実行し(S448)、このラウンド中処理(S372)を終了する。
上記したように、このラウンド中処理(S372)によれば、第1大当たり制御タイマ504の値が0であることがS441において確認されるまでの間、即ち、大当たり遊戯中におけるラウンド期間にある間は、第2大当たり制御タイマ505による開閉部材33a1の開閉期間の計時が行われる。
ここで、先に説明した大当たり閉鎖中処理(S371)のS409及びS410の処理が実行された結果として、第1大当たり制御タイマ504に設定される時間制御値が、第2大当たり制御タイマ505に設定される時間制御値より大きい場合(判定値が「1」である場合)には、S441の処理によって第1大当たり制御タイマ504の値が0であることが確認される前に、S444の処理によって第2大当たり制御タイマ505の値が0であることが確認されることになる。
この場合、開閉部材33a1が開放状態であれば、S450の処理によって、開閉部材33a1の状態が閉鎖状態に反転されて、S451の処理によって、第3開放制御タイマメモリ503m3に記憶されている時間制御値に対応する閉鎖期間(本実施形態では、0.8s)が、第2大当たり制御タイマ505に初期値として設定される。その結果として、新たに生じた開閉部材33a1の閉鎖状態の期間が、第2大当たり制御タイマ505によって計時されることになる。
一方で、開閉部材33a1が閉鎖状態であれば、S446の処理によって、開閉部材33a1の状態が開放状態に反転されて、S447の処理によって、第1開放制御タイマメモリ503m1に記憶されている時間制御値に対応する開放期間(本実施形態では、0.8s)が、第2大当たり制御タイマ505に初期値として設定される。その結果として、新たに生じた開閉部材33a1の開放状態の期間が、第2大当たり制御タイマ505によって計時されることになる。
従って、先に説明した大当たり閉鎖中処理(S371)のS409及びS410の処理が実行された結果として、第1大当たり制御タイマ504に設定される時間制御値が、第2大当たり制御タイマ505に設定される時間制御値より大きい場合には、大当たり遊技中における1回のラウンド期間中に、開閉部材33a1は、所定の閉鎖期間(本実施形態では、0.8s)を介して間欠的に、所定の開放期間(本実施形態では、0.8s)で開放されることになる。
また、上記したラウンド中処理(S372)によれば、第1大当たり制御タイマ504の値が0であるかを確認するS441が、第2大当たり制御タイマ505の値が0であるかを確認するS445に先立って行われるので、S441において、第1大当たり制御タイマ504の値が0であると確認されると、第2大当たり制御タイマ505に残存する値とは無関係に、処理が後述するラウンド終了処理(S448)へと移行し、実行中のラウンドを終了するための処理が実行される。
その結果、先に説明した大当たり閉鎖中処理(S371)のS421及びS422の処理が実行された結果として、第1大当たり制御タイマ504に設定される時間制御値と、第2大当たり制御タイマ505に設定される時間制御値とが等しい場合(判定値が「0」である場合)には、大当たり遊技中における1回のラウンド期間の全体に亘って開閉部材33a1が連続的に開放されることになる。
また、上記のように、第1大当たり制御タイマ504の値が0であるかを確認するS441が、第2大当たり制御タイマ505の値が0であるかを確認するS445に先立って行われるので、S441において、第1大当たり制御タイマ504の値が0であると確認されると、第2大当たり制御タイマ505に残存する値とは無関係に、処理がラウンド終了処理(S448)へと移行されて、強制的にラウンドの終了が図られる。
よって、第1大当たり制御タイマ504により管理されるラウンド期間が確実に遵守され、ラウンド期間の終了と共に、開閉部材33a1が確実に閉鎖状態とされるので、遊技への信頼性を損なうことがない。
次に、図39を参照して、上記したラウンド終了処理(S448)について説明する。図39は、図38のラウンド中処理の中で実行されるラウンド終了処理(S448)のフローチャートである。このラウンド終了処理では、大当たり遊技におけるラウンド期間の終了に伴う開閉部材33a1の駆動制御等が実行される。
このラウンド終了処理(S448)では、まず、ラウンド中フラグ503jをオフし(S501)、開閉部材駆動ソレノイド33a2をオフする(S502)。S502の処理によって、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオフされると、開閉部材33a1の状態が開放状態から閉鎖状態へと変化する。
S502の処理後、第2閉鎖制御タイマメモリ503m5に記憶されている値を、第1大当たり制御タイマ504に設定し(S503)、このラウンド終了処理(S371)を終了する。S503の処理によって、第2閉鎖制御タイマメモリ503m4に記憶されている値が第1大当たり制御タイマ504に設定された結果として、ラウンド外の期間が第1大当たり制御タイマ504によって計時されることになる。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10では、第1大当たり制御タイマ504と第2大当たり制御タイマ505との2つのタイマのみによって、1回の大当たり遊技の中で発生される1回当たりのラウンド期間内での開閉部材33a1の開閉パターンとして、ラウンド期間の全体に亘って連続的に開放状態に維持するパターンと、ラウンド期間中に開放状態を間欠的に生じさせるパターンとを混在させることが可能である。
これは、本実施形態のパチンコ機10では、制御タイマメモリ503mに記憶されている制御時間値が、ラウンド抽選の結果(大当たり種別ポインタ)とラウンドカウンタ502cの値によって決まる判定値に応じて、適宜、第2大当たり制御タイマ505に開放時間又は閉鎖時間の初期値として設定されるからであり、その結果として、判定値の数(本実施形態では2)に相当する数だけの開閉パターンを、1つの第2大当たり制御タイマ505で管理することができることに起因する。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、開閉部材33a1における複数の開閉パターンを、1つの第2大当たり制御タイマ505によって管理することができるので、開閉パターンの数に応じてタイマの数を増加させることなく、複雑な(多様な)開閉パターンに対する時間管理を行うことができる。
換言すれば、本実施形態のパチンコ機10によれば、タイマの数を増やすことなく、1回の大当たり遊技に多様な開閉パターンを含めることができるので、タイマの数を増加させた場合に生じる弊害である遊技機全体の処理性能の低下を抑制しつつ、遊技者に与える単調な印象を回避し、遊技の興趣を喚起させることができるのである。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、大当たり遊技中における開閉部材の開閉パターンを、大当たり遊技中における1回のラウンド期間の全体に亘って連続的に開放するパターンにする場合には、制御タイマメモリ503mの中から、同じ値(本実施形態では、第2開放制御タイマメモリ503m2)が、第1大当たり制御タイマ504と第2大当たり制御タイマ505との両方に設定されるように構成されているので、制御が容易である。
また、この場合には、第2開放制御タイマメモリ503m2に記憶されている1つの値を、第1大当たり制御タイマ504により計時されるラウンド期間と、第2大当たり制御タイマ505により計時される開放期間とに共通して使用するので、制御タイマメモリ503mに記憶される制御時間値のデータ数の増加を抑制させ得る。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、1回の大当たり遊技において第n番目(nは、1以上の整数)に発生されるラウンドと、開閉部材33a1の開閉パターンを規定する判定値とが、ラウンドデータテーブル502eにより対応付けられて記憶されており、大当たり遊技中に第n番目のラウンドを発生させる場合において、このラウンドデータテーブル502eが参照されることによって、各ラウンドにおける開閉パターンが決定される。
このように、大当たり遊技中における開閉パターンの現出順が、1つのラウンドデータテーブル502eによって管理されているので、1回の大当たり遊技中において現出する開閉パターンが複数種類存在する場合であっても、そのような場合における開閉部材33a1の複雑な動作を容易に制御することができるのである。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、ラウンドデータテーブル502e2には2種類の判定値「0」又は「1」が含まれており、ラウンド抽選の結果(大当たり種別ポインタ)とラウンドカウンタ502cの値とに基づいて、いずれか一方の値が取得されるように構成されている。
よって、このようなラウンドデータテーブル502e2が使用された場合には、その結果として、1回の大当たり遊技において、ラウンド期間の全体に亘って開閉部材33a1が連続的に開放状態に維持される開閉パターンと、ラウンド期間中に開閉部材33a1の開放状態が間欠的に生じる開閉パターンとの両方が現出することになる。
一般的には、ラウンド期間の全体に亘って開閉部材33a1が連続的に開放状態に維持される開閉パターンの方が、ラウンド期間中に開閉部材33a1が間欠的に開放状態とされる開閉パターンに比べ、開閉部材33a1による球の入球の妨害が少ない分、遊技者に有利な状態となり得る。
従って、本実施形態のパチンコ機10によれば、1回の大当たり遊技中に、遊技者に有利な時間帯(開閉部材33a1が連続的に開放状態に維持されるラウンド期間)と不利な時間帯(開閉部材33a1の開放状態が間欠的に生じるラウンド期間)とを区別して現出させることができるのである。
このように、1回の大当たり遊技中に、遊技者に有利な時間帯と不利な時間帯とを区別して現出させることができるので、遊技者が遊技に対して抱く興味や期待感に抑揚をつけることができ、結果として、遊技に対する興趣を多大に喚起させることができるのである。
また、本実施形態のパチンコ機10には、大当たり遊技中における開閉パターンの現出順を管理するラウンドデータテーブル502eが、テーブルに記憶されている内容の違いによって、3種類、即ち、ラウンドデータテーブル502e1〜502e3が存在する。大当たり遊技が発生する際に、これらの3種類のラウンドテーブル502e1〜502e3の中から、いずれのラウンドテーブルを使用するかは、ラウンド抽選カウンタ503bを用いた抽選によって決定される。
ここで、図29に示したように、これらのラウンドデータテーブル502e1〜502e3のうち、ラウンドデータテーブル502e1,502e3には、判定値が「0」しか存在しないが、ラウンドデータテーブル502e2には、判定値として、「0」と「1」とが混在する。従って、ラウンドデータテーブル502e1,502e3を使用した場合には、大当たり遊技中に発生される全てのラウンドにおいて、開閉部材33a1が、ラウンド期間全体に亘って開閉され、その一方で、ラウンドデータテーブル502e2を使用した場合には、1回の大当たり遊技の中で、ラウンド期間の全体に亘って開閉部材33a1が連続的に開放状態に維持される開閉パターンと、ラウンド期間中に開閉部材33a1が間欠的に開放状態とされる開閉パターンとが混在して現出する。
また、ラウンド回数が16であり、いずれのラウンドに対しても判定値「0」が割り当てられているラウンドデータテーブル502e3を用いた場合の大当たり遊技が、遊技者にとって最も有利度が高く、一方で、ラウンド回数が1であるラウンドデータテーブル502e1を用いた場合の大当たり遊技が、遊技者にとって最も有利度が低い。このように、ラウンドデータテーブル502e1〜502e3は、その内容(例えば、発生されるラウンド回数や判定値)によって、遊技者に与える有利度に格差が必然的に生じる。
よって、複数のラウンドデータテーブル502e1〜502e3の存在によって、1回の大当たり遊技中においてなされる開閉部材33a1の動作のバリエーションを増やすことができる上に、遊技者にとっての有利度が異なるラウンドデータテーブル502e1〜502e3が、ラウンド抽選カウンタ503bを用いた抽選によって選定されるので、入賞口から入球した球がV案内部33b4aに振り分けられた場合に、遊技者に与える期待感を高め、結果として、遊技に対する興趣を多大に喚起させることができるのである。
また、本実施形態のパチンコ機10では、ラウンドデータテーブル502e1〜502e3の各々に従って大当たり時の制御を行う場合に必要とされる制御時間値が、1つのラウンドテーブル毎に1組として、制御時間テーブル502cに管理されているので、1回の大当たり遊技中においてなされる開閉部材33a1の複雑な動作を容易に制御し得るのである。
図40は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実行される。このNMI割込処理により、電源遮断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から主制御装置261内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。図40のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
NMI割込処理では、まず、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し(S801)、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する(S802)。更に、電源遮断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し(S803)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する(S804)。RAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する(S805)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S806)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、停電の発生等による電源遮断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から払出制御装置311内のMPU511のNMI端子に出力され、MPU511は実行中の制御を中断して図40のNMI割込処理を開始する。その内容はステップS804の電源遮断通知コマンドの送信を行なわない点を除き上記説明と同様である。
次に、図41を参照して、払出制御装置311内のMPU511により実行される払出制御について説明する。図41は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、主制御装置261から送信される払出許可コマンドの受信を待機する(S902:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S902:Yes)、RAMアクセスを許可すると共に(S903)、外部割込ベクタの設定を行う(S904)。
その後は、MPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し(S905)、オンされていれば(S905:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S905:No)、更にRAM513のバックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S906)、記憶されていなければ(S906:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS915へ移行する。バックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S906:Yes)、RAM判定値を算出し(S907)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S908:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S915からのRAMの初期化処理では、RAM513の使用領域を0にクリアし(S915)、RAM513の初期値を設定する(S916)。その後、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S917)、割込みを許可して(S918)、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されておらず(S905:No)、電源遮断の発生情報が設定されており(S906:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S908:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S909)、電源遮断の発生情報をクリアする(S910)。また、MPU511周辺デバイスの初期設定を行い(S911)、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる(S912)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S913)、割込みが許可状態であれば(S913:Yes)、割込みを許可し(S914)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S913:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図42のフローチャートを参照して、払出制御処理を説明する。この払出制御処理は、払出制御装置311のメイン処理に続いて実行される。払出制御処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する(S1001)。発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い(S1002)、状態復帰スイッチ321をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1003)。
その後、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1004)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1005)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1006)。
次に、S1007〜S1009の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つS1001の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1007:No,S1008:No)、図43に示す賞球制御処理を開始する(S1009)。一方、賞球の払出不可状態(S1007:Yes)又は総賞球個数が0であれば(S1008:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
S1010〜S1012の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1010:No,S1011:Yes)、図44に示す貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S1010:Yes)又は貸球払出要求を受信していなければ(S1011:No)、後続の球抜き処理を実行する(S1013)。なお、貸球制御処理は後述する。
球抜き処理(S1013)では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続いて、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する(S1014)。その後は、本払出制御処理の先頭に戻り、以降は前述した処理を繰り返す。
図43に示す賞球制御処理を説明する。賞球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1101)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1102)、正常でなければ(S1102:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1103)、その後、図42の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1102:Yes)、球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1104)。球のカウントが正常でなければ(S1104:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1105)、その後、図42の払出制御処理に戻る。
更に、球のカウントが正常であれば(S1104:Yes)、払出カウントスイッチによる球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1106)、払出が完了していれば(S1106:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1107)、その後、図42の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1106:No)、そのまま、図42の払出制御処理に戻る。
図44に示す貸球制御処理を説明する。貸球制御処理では、まず、払出モータ358aを逆方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1201)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1202)、正常でなければ(S1202:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1203)、その後、図42の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1202:Yes)、球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1204)。球のカウントが正常でなければ(S1204:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1205)、その後、図42の払出制御処理に戻る。
更に、球のカウントが正常であれば(S1204:Yes)、払出カウントスイッチによる球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別し(S1206)、払出が完了していれば(S1206:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1207)、その後、図42の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1206:No)、そのまま、図42の払出制御処理に戻る。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、入賞装置である役物可変入賞装置33を備えているパチンコ機10において、開口部(入球部)から役物可変入賞装置33内へ入賞(入球)した球が、特定領域であるV案内部33b4aへ振り分けられた場合に、遊技の状態が大当たり遊技(特別遊技状態)へ遷移する構成を例示した。
しかし、本発明は、上記実施形態において例示した構成の遊技機(パチンコ機10)に限定されるものではない。別の実施形態としては、図柄作動口へ球が入賞(入球)したことを契機として抽選(例えば、乱数の取得による抽選)を行い、その抽選結果が当選であった場合に、遊技の状態が大当たり遊技(特別遊技状態)へ遷移するパチンコ機などが挙げられる。
また、上記実施形態では、開口部(入球部)から役物可変入賞装置33内へ球が入賞(入球)した結果として大当たり遊技へ遷移した場合に、該開口部(入球部)の入口33a8a近傍に配設されている開閉部材33a1が、第1大当たり制御タイマ504及び第2大当たり制御タイマ505による時間管理下で開閉される構成を例示した。即ち、上記実施形態では、遊技の状態を大当たりとするか否かの契機となる役物可変入賞装置33の開口部(特許請求の範囲における「第1入球部」に該当する)と、大当たり遊技に遷移したことによって開閉される開閉部材33a1が入口近傍に配設されている入球部とが同じであるパチンコ機10を例示した。
しかし、本発明は、上記実施形態において例示した構成の遊技機(パチンコ機10)に限定されるものではなく、遊技の状態を大当たりとするか否かの契機となる入球部と、その入球部とは異なる入球部の入口近傍に配設されている開閉部材が大当たり遊技に遷移したことによって開閉されるパチンコ機であってもよい。
かかる構成を有するパチンコ機としては、例えば、図柄作動口(特許請求の範囲における「第2入球部」に該当)へ球が入賞(入球)したことを契機として行われた抽選(例えば、乱数の取得による抽選)の抽選結果が当選であった場合に、遊技の状態が大当たり遊技へ遷移し、その結果、図柄作動口とは異なる特定入賞口(特許請求の範囲における「第1入球部」に該当する)の入口近傍に配設されている開閉部材が、2つの大当たり制御タイマ(第1大当たり制御タイマ504及び第2大当たり制御タイマ505に対応するタイマ)による時間管理下で開閉されるパチンコ機などを挙げることができる。
あるいは、入賞装置(役物可変入賞装置33に対応する入賞装置)の開口部(入球部)とは異なる入球部であって、その入口近傍に開閉部材が配設されている入球部(「入球部A」と称する)が設けられているパチンコ機において、入賞装置の開口部(特許請求の範囲における「第2入球部」に該当する)から役物可変入賞装置33内へ球が入賞(入球)した結果として大当たり遊技へ遷移した場合に、入球部A(特許請求の範囲における「第1入球部」に該当する)の入口近傍に配設されている開閉部材が、2つの大当たり制御タイマ(第1大当たり制御タイマ504及び第2大当たり制御タイマ505に対応するタイマ)による時間管理下で開閉される構成であってもよい。
また、上記実施形態では、ROM502に記憶されている制御時間テーブル502cの制御時間値を、一旦、RAM503における制御タイマメモリ503mに記憶し、この制御タイマメモリ503mに記憶されている値を、S409,S410,S421,S422,S447,S451,S503の処理において、第1大当たり制御タイマ504又は第2大当たり制御タイマ505に設定するように構成した。これに換えて、制御タイマメモリ503mに記憶させることなく、制御時間テーブル502cに記憶されている制御時間値を、第1大当たり制御タイマ504又は第2大当たり制御タイマ505に設定する構成であってもよい。この構成の場合、請求項1における「タイマ制御値記憶手段」としては、制御時間テーブル502cが該当することになる。
また、上記実施形態では、ラウンド抽選カウンタ503bが「0」〜「2」の値を取り得、ラウンド抽選カウンタ503bの1つの値に対して1の抽選結果(1のラウンド構成)が対応付けられた構成とされているが、抽選方法はこれに限定されるものではない。例えば、ラウンド抽選カウンタ503bを、取り得るラウンド構成を超える数(例えば、0〜99)の数を取り得る乱数カウンタとして構成する共に、ポインタ決定テーブル502aを、現出するラウンド構成の比率に応じてラウンド抽選カウンタ503bと開放回数決定ポインタとを対応付けるテーブルとして構成することにより、より遊技性の高い遊技を提供することが可能である。
また、上記実施形態では、1回の大当たり遊技の中で、ラウンド期間の全体に亘って開閉部材33a1が連続的に開放状態に維持される開閉パターンで開閉される場合として、同じラウンド期間(開放期間)についてのみ考慮したが、異なるラウンド期間(開放期間)が混在していてもよい。このように、異なるラウンド期間(開放期間)が混在する場合であっても、必要な制御時間値を制御時間テーブル502cに含めておくことにより対応可能である。
この場合、1回の大当たり遊技において、ラウンド期間の全体に亘って開閉部材33a1が連続的に開放状態に維持される開閉パターンが、開放期間(ラウンド期間)の違いによって複数種類現出することになる。
一般的には、開閉部材33a1の開放期間が長い程、遊技者に有利な状態となり得るので、ラウンド期間の全体に亘って開閉部材33a1が連続的に開放状態に維持される開閉パターンとして、開放期間(ラウンド期間)の違いによる開閉パターンを混在させることによって、1回の特別遊技状態の間に、開放期間(ラウンド期間)が長く遊技者に有利な時間帯と、開放期間(ラウンド期間)が比較的短く不利な時間帯とを区別して現出させることができるのである。
このように、1回の大当たり遊技中に、遊技者に有利な時間帯と不利な時間帯とを区別して現出させることができるので、遊技者が遊技に対して抱く興味や期待感に抑揚をつけることができ、結果として、遊技に対する興趣を多大に喚起させることができるのである。
また、上記実施形態では、ラウンド外の期間を可変にすることについては考慮されていないが、第1大当たり制御タイマ504へ設定する値を変えることによって、ラウンド外の期間を可変とすることも可能である。
また、上記実施形態では、ラウンドデータテーブル502e(502e1〜502e3)に記憶されている判定値としては、「0」又は「1」の2種類しか存在しないが、これに限定されるものではなく、3種類以上の判定値が存在する構成であってもよい。
このように、ラウンドデータテーブル502eが3種類以上の判定値を含む構成とした場合であっても、本実施形態のパチンコ機10によれば、タイマの数を増やすことなく、第1大当たり制御タイマ504と第2大当たり制御タイマ505との2つのタイマによって、大当たり遊技中の時間管理を行うことができるので、、開閉部材33a1の開閉をより多様な形態で現出させることが可能となる。なお、ラウンドデータテーブル502eが3種類以上の判定値を含む構成とする場合には、開閉部材33a1の開閉パターンに応じて必要とされる制御時間値を、制御時間テーブル502cに記憶させておくようにすればよい。
また、上記実施形態では、制御時間テーブル502cには、各制御時間値が秒単位で記憶されている構成となっているが、各制御時間値が、第1大当たり制御タイマ504及び第2大当たり制御タイマ505によるカウント単位(本実施形態では、1s(1秒)=400カウント)で記憶されている構成であってもよい。
また、上記実施形態では、S421において、第1大当たり制御タイマ504に設定された制御時間値(第2開放制御タイマメモリ503m2に記憶されている制御時間値)と同じ値を、第2大当たり制御タイマ505に設定するように構成したが、この場合に第2大当たり制御タイマ505に設定される時間制御値は、第1大当たり制御タイマ504に設定された制御時間値より大きい値であればよい。しかし、第1大当たり制御タイマ504と第2大当たり制御タイマ505とに設定する値を共通化することによって、制御タイマメモリ503mや制御時間テーブル503cに記憶される制御時間値のデータ数の増加を抑制させ得る。
また、上記実施形態におけるS413(図37)では、(最大ラウンド数メモリ503lに記憶されている値)≦(ラウンドカウンタ502cの値+1)であるかを確認する構成としたが、(最大ラウンド数メモリ503lに記憶されている値)=(ラウンドカウンタ502cの値+1)であるかを確認する構成であってもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、所謂パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。球が入球する入球部である第1入球部と、その第1入球部の入口近傍に配置され、該第1入球部への前記球の入球を妨害する閉鎖状態又はその閉鎖状態に比べて該第1入球部への入球を容易にする開放状態をとり得る開閉部材と、その開閉部材を開放状態又は閉鎖状態のいずれかに位置させる駆動手段と、前記第1入球部又は該第1入球部とは異なる入球部である第2入球部へ球が入球した場合に遊技の状態を決定する遊技状態決定手段と、その遊技状態決定手段により、遊技の状態が遊技者に有利な特別遊技状態に決定された場合に、遊技の状態が遊技者に有利な特別遊技状態に遷移するものであって、前記特別遊技状態において、前記開閉部材を連続的又は間欠的に開放状態とし、前記第1入球部への球の入球を促進する入球促進期間を少なくとも1回発生する入球促進期間発生手段と、前記特別遊技状態が維持されている間、前記入球促進期間発生手段により発生された前記入球促進期間、又はその入球促進期間以外の期間の経過を計時する入球促進期間計時手段と、その入球促進期間計時手段により計時される前記入球促進期間内において、前記開閉部材が前記駆動手段によって開放状態に維持される期間である開放状態持続期間、又は前記開閉部材が前記駆動手段によって閉鎖状態に維持される期間である閉鎖状態持続期間の経過を計時する開閉パターン計時手段と、その開閉パターン計時手段により計時中の前記開放状態持続期間又は前記閉鎖状態持続期間が終了したかを判定する第1期間終了判定手段と、その第1期間終了判定手段による判定が、前記開放状態持続期間又は前記閉鎖状態持続期間の終了を示すものである場合には、前記駆動手段を駆動し、前記開閉部材を、開放状態から閉鎖状態、又は閉鎖状態から開放状態に変更する開閉鎖状態変更手段と、制御値を記憶する制御値記憶手段と、前記入球促進期間中における前記開閉部材の開閉パターンの種類を指定する開閉切換情報を、前記入球促進期間発生手段によって前記入球促進期間が発生されるタイミングで取得する開閉切換情報取得手段と、前記制御値記憶手段に記憶されている制御値の中から、前記開閉切換情報取得手段により取得された開閉切換情報によって指定される開閉パターンに従う前記開放状態持続期間又は前記閉鎖状態持続期間に対応する制御値を、前記開閉部材変更手段による前記開閉部材の開閉鎖状態の変更タイミングに応じて取得し、前記開閉パターン計時手段に設定する第1期間設定手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1において、前記制御値記憶手段に記憶されている制御値の中から、前記入球促進期間に対応する制御値を、前記入球促進期間発生手段による前記入球促進期間の発生タイミングに応じて、前記入球促進期間計時手段に設定する第2期間設定手段を備え、前記開閉切換情報取得手段により取得される開閉切換情報に対応する開閉パターンが、前記入球促進期間の全体に亘って前記開閉部材を連続的に開放状態に維持するパターンである場合には、前記第2期間設定手段により前記入球促進期間計時手段に設定される前記制御値が、前記第1期間設定手段によって前記開閉パターン計時手段にも前記開放状態維持期間として設定されることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、開閉切換情報取得手段により取得される開閉切換情報に対応する開閉パターンが、入球促進期間の全体に亘って開閉部材を連続的に開放状態に維持するパターンである場合には、制御値記憶手段に記憶されている制御値の中から1つの制御値が、入球期間促進期間計時手段及び開閉パターン計時手段の両方に、それぞれ、第2期間設定手段及び第1期間設定手段によって、入球促進期間及び開放状態維持期間として設定される。
よって、入球期間促進期間計時手段により計時される入球促進期間の全体に亘って、開閉パターン計時手段による開放状態維持期間が計時されるので、その結果として、第1入球部の入口近傍に配置されている開閉部材は、入球促進期間の全体に亘って開放されることとなる。
従って、開閉部材を入球促進期間の全体に亘って開放する場合には、制御値記憶手段に記憶されている制御値の中から、入球促進期間と開放状態維持期間とに共通する1つの制御値を、入球期間促進期間計時手段及び開閉パターン計時手段に設定すればよく、制御が容易である。
また、制御値記憶手段に記憶されている1つの制御値を、入球促進期間と開放状態維持期間とに共通させて使用するので、制御値記憶手段に記憶される制御値のデータ数の増加を抑制できる。
遊技機1又は2において、前記入球促進期間発生手段によって第n番目(nは、1以上の整数)に発生される入球促進期間と、前記開閉パターンを指定する前記開閉切換情報とを対応付けて記憶する開閉切換情報記憶手段を備え、前記開閉切換情報取得手段は、前記入球促進期間発生手段によって第n番目の入球促進期間が発生される場合に、前記開閉切換情報記憶手段に記憶される開閉切換情報の中から、第n番目の入球促進期間に対応する開閉切換情報を取得することを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、入球促進期間発生手段によって第n番目(nは、1以上の整数)に発生される入球促進期間と、開閉パターンを指定する開閉切換情報とが対応付けられて、開閉切換情報記憶手段に記憶されている。
ここで、入球促進期間発生手段によって第n番目の入球促進期間が発生される場合には、開閉切換情報取得手段により、開閉切換情報記憶手段に記憶される開閉切換情報の中から、第n番目の入球促進期間に対応する開閉切換情報が取得される。
その結果、入球促進期間発生手段によって第n番目の入球促進期間が発生される場合において、開閉パターン計時手段には、開閉切換情報記憶手段に記憶される第n番目の入球促進期間に対応する開閉切換情報に従って、開放状態維持期間又は閉鎖状態維持期間が設定されることになる。
よって、特別遊技状態中における各種開閉パターンの現出順が1つの開閉切換情報記憶手段によって管理されているので、1回の特別遊技状態においてなされる開閉部材の複雑な動作を容易に制御することができる。
遊技機3において、前記開閉切換情報記憶手段は、前記開閉パターンとして、前記入球促進期間発生手段により発生された入球促進期間の全体に亘って前記開閉部材を連続的に開放状態に維持するパターンと、前記入球促進期間中に前記開閉部材の開放状態を間欠的に生じさせるパターンとを含むことを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、開閉切換情報記憶手段には、開閉パターンとして、入球促進期間発生手段により発生された入球促進期間の全体に亘って開閉部材を連続的に開放状態に維持するパターン(本実施形態における、判定値が「0」である場合に対応する開閉パターン)と、入球促進期間中に開閉部材の開放状態を間欠的に生じさせるパターン(本実施形態における、判定値が「1」である場合に対応する開閉パターン)とが含まれている。
このような開閉切換情報記憶手段を用いた結果として、入球促進期間の全体に亘って開閉部材が連続的に開放状態に維持される開閉パターンと、入球促進期間中に開閉部材の開放状態が間欠的に生じる開閉パターンとの両方が、1回の特別遊技状態の間に現出することになる。
一般的には、入球促進期間の全体に亘って開閉部材が連続的に開放状態に維持される開閉パターンの方が、入球促進期間中に開閉部材が間欠的に開放状態とされる開閉パターンに比べ、開閉部材による球の入球の妨害が少ない分、遊技者に有利な状態となり得る。
よって、遊技機4によれば、1回の特別遊技状態の間に、遊技者に有利な時間帯(開閉部材が連続的に開放状態に維持される入球促進期間)と不利な時間帯(開閉部材の開放状態が間欠的に生じる入球促進期間)とを区別して現出させることができるのである。
このように、1回の特別遊技状態の間に、遊技者に有利な時間帯と不利な時間帯とを区別して現出させることができるので、遊技者が遊技に対して抱く興味や期待感に抑揚をつけることができ、結果として、遊技に対する興趣を多大に喚起させることができる。
遊技機3又は4において、前記開閉切換情報記憶手段は、前記開閉パターンとして、前記入球促進期間発生手段により発生される入球促進期間の長さが異なるパターンを少なくとも2種類含むことを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、開閉切換情報記憶手段には、開閉パターンとして、入球促進期間発生手段により発生される入球促進期間の長さが異なるパターンが少なくとも2種類含まれている。このような開閉切換情報記憶手段を用いた結果として、異なる入球促進期間で開閉部材の開閉が行われる状況が生じることになる。
ここで、入球促進期間が長い程、遊技者に有利な状態となり得る。例えば、入球促進期間の全体に亘って開閉部材が連続的に開放状態に維持される開閉パターン同士で比較する場合には、当然、入球促進期間が長い方が遊技者にとって有利である。
よって、遊技機5によれば、1回の特別遊技状態の間に、入球促進期間が長く遊技者に有利な時間帯と、入球促進期間が比較的短く不利な時間帯とを区別して現出させることができるのである。
このように、1回の特別遊技状態の間に、遊技者に有利な時間帯と不利な時間帯とを区別して現出させることができるので、遊技者が遊技に対して抱く興味や期待感に抑揚をつけることができ、結果として、遊技に対する興趣を多大に喚起させることができる。
遊技機3から5のいずれかにおいて、前記開閉切換情報記憶手段は、内容の相違に応じて複数種類存在し、前記遊技状態決定手段により、遊技の状態が前記特別遊技状態に決定された場合に、前記複数種類の開閉切換情報記憶手段の中から、1種類の開閉切換情報記憶手段を抽選により選定する抽選手段を備え、前記開閉切換情報取得手段は、前記抽選手段による抽選の結果として選定された開閉切換情報記憶手段に記憶される開閉切換情報の中から、前記入球促進期間発生手段により発生される第n番目の入球促進期間に対応する開閉切換情報を取得することを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、遊技状態決定手段により、遊技の状態が特別遊技状態に決定された場合には、複数種類存在する開閉切換情報記憶手段の中から、1種類の開閉切換情報記憶手段が抽選手段による抽選によって選定される。ここで、複数種類の開閉切換情報記憶手段は、それぞれ、内容(即ち、入球促進期間発生手段によって第n番目に発生される入球促進期間と開閉切換情報との対応付け方の相違)が相違する。
抽選手段により1種類の開閉切換情報記憶手段が選定されると、その選定された開閉切換情報記憶手段に記憶される開閉切換情報の中から、入球促進期間発生手段により発生される第n番目の入球促進期間に対応する開閉切換情報が、開閉切換情報取得手段により取得される。
その結果、入球促進期間発生手段によって第n番目の入球促進期間が発生される場合において、開閉パターン計時手段には、開閉切換情報記憶手段に記憶される第n番目の入球促進期間に対応する開閉切換情報に従って、開放状態維持期間又は閉鎖状態維持期間が設定されることになる。
ここで、開閉切換情報記憶手段に含まれる開閉切換情報の種類(即ち、1の入球促進期間における開閉部材の開閉パターンの種類)や、開閉切換情報の数(即ち、1回の特別遊技状態において発生される入球促進期間の回数に相当する数)などの諸要素により、遊技者にとって有利な特別遊技状態を形成する開閉切換情報記憶手段と、遊技者にとって比較的不利な特別遊技状態を形成する開閉切換情報記憶手段とを区別して設けることができる。
よって、遊技機6によれば、複数種類の開閉切換情報記憶手段の存在によって、1回の特別遊技状態においてなされる開閉部材の動作のバリエーションを増やすことができる上に、遊技者にとっての有利度が異なる開閉切換情報記憶手段が抽選手段による抽選によって選定されるので、遊技状態決定手段によって遊技の状態が特別遊技状態に決定された場合に、遊技者に与える期待感を高め、結果として、遊技に対する興趣を多大に喚起させることができる。
遊技機6において、前記制御値記憶手段は、1つの前記開閉切換情報記憶手段に含まれる前記開閉切換情報によって指定される前記開閉パターンに必要な制御値を1組として記憶するものであり、前記抽選手段による抽選の結果として1つの前記開閉切換情報記憶手段が選定された場合、前記第1期間設定手段又は前記第2期間設定手段は、前記制御値記憶手段における該選定された開閉切換情報記憶手段に対応する制御値の組の中から、前記開放状態持続時間、前記閉鎖状態持続時間、又は前記入球促進期間に対応する制御値を、前記開閉パターン計時手段又は前記入球促進期間計時手段に設定することを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、制御値記憶手段には、1つの開閉切換情報記憶手段に含まれる開閉切換情報によって指定される開閉パターンに必要な制御値が、1組として記憶されている。ここで、抽選手段による抽選の結果として1の開閉切換情報記憶手段が選定されると、制御値記憶手段における該選定された開閉切換情報記憶手段に対応する制御値の組の中から、開放状態持続時間、閉鎖状態持続時間、又は入球促進期間に対応する制御値が、第1期間設定手段又は第2期間設定手段によって、開閉パターン計時手段又は入球促進期間計時手段に設定される。
よって、1つの開閉切換情報記憶手段に対して必要とされる制御値が1組として取り扱われているので、1回の特別遊技状態においてなされる開閉部材の複雑な動作を容易に制御し得る。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記入球促進期間計時手段により計時中の前記入球促進期間が終了したかを判定する第2期間終了判定手段(本実施形態における図38のS441の処理に該当する)を備え、その第2期間終了判定手段による判定が、前記入球促進期間の終了前であることを示すものである場合には、前記開閉パターン計時手段による前記開放状態持続期間又は閉鎖状態持続期間の経過の計時を行い、その一方で、前記第2期間終了判定手段による判定が、前記入球促進期間の終了を示すものである場合には、前記開閉パターン計時手段による前記開放状態持続期間又は閉鎖状態持続期間の経過の計時を禁止すると共に、前記駆動手段によって前記開閉部材を閉鎖状態に位置させることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、第2期間終了判定手段による判定が、入球促進期間の終了前であることを示すものである場合には、開閉パターン計時手段による前記開放状態持続期間又は閉鎖状態持続期間の経過の計時を行う。
その一方で、該第2期間終了判定手段による判定が、入球促進期間計時手段により計時中の入球促進期間が終了したことを示すものである場合には、開閉パターン計時手段による開放状態持続期間又は閉鎖状態持続期間の経過の計時を禁止すると共に、駆動手段によって開閉部材を閉鎖状態に位置させる。
即ち、入球促進期間計時手段によって計時されている入球促進期間が終了したと判定されると、開閉パターン計時手段の残存時間に依らず、開閉パターン計時手段による計時を禁止、即ち、開閉パターン計時手段による計時を続行することなく、開閉部材が閉鎖状態に位置される。
よって、入球促進期間計時手段によって管理される入球促進期間が確実に遵守され、その入球促進期間の終了と共に開閉部材が閉鎖(閉鎖状態)されるので、結果として、遊技への信頼性を損なうことがないという効果がある。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記入球促進期間発生手段により発生される1回の入球促進期間内に、規定の要件を充足したかを確認する要件確認手段(本実施形態における図37のS404の処理に該当する)と、その要件確認手段による確認の結果、入球促進期間内に充足されるべき規定の要件が未充足である場合に、前記入球促進期間発生手段による入球促進期間の発生を禁止する入球促進期間発生禁止手段とを備えていることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、規定の条件を満たさない限り、入球促進期間の発生が禁止されるので、特別遊技状態の間であっても、遊技者の緊張感が保たれる。よって、遊技者に与える単調な印象を回避し、遊技の興趣を喚起させることができるという効果がある。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機10。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機11。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機12。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお、請求項1記載の入球促進期間発生手段としては、図37におけるS412の処理が該当し、請求項1記載の第1期間終了判定手段としては、図38におけるS444の処理が該当し、請求項1記載の開閉鎖状態変更手段としては、図38におけるS446の処理が該当し、請求項1記載の開閉切換情報取得手段としては、図37におけるS407の処理が該当し、請求項1記載の第1期間設定手段としては、図37におけるS410,S422,S447,S451の処理が該当する。
また、請求項2記載の第2期間設定手段としては、図37におけるS409,S421の処理が該当する。また、請求項4記載の抽選手段としては、図36におけるS364の処理が該当する。