JP6635135B2 - 腐食センサの設計方法および腐食センサの製造方法 - Google Patents

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本発明は、腐食センサの設計方法および腐食センサに関する。
社会資本である、橋梁、港湾、建築物などの鋼構造物や、自動車、列車などの鋼構造体を安全に長期間使用することは極めて重要なことであるが、これらの鋼構造物、鋼構造体には、劣化などの問題がある。劣化の主な原因の1つに腐食があり、腐食に対する耐久性は、耐食材料設計、防食仕様・方法、保守管理により決まる。鋼構造物、鋼構造体の劣化を防ぐまたは遅らせるために、これらを適切に行うには、鋼構造物、鋼構造体の腐食量を正確に把握することが重要となる。
腐食量を測定する技術としては、電気抵抗式の腐食センサが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。電気抵抗式の腐食センサは、センサ部に腐食量の評価対象の金属材料を用いることで、腐食による電気抵抗値の増加量から、腐食量の経時変化を求めることが可能である。
T.Prosek、外2名、「Materials and Corrosion」、2014年5月、第65巻、第5号、p.448−456
本発明者らが電気抵抗式の腐食センサについて検討した結果、センサ部として用いる金属材料の化学組成中にCrが含まれる場合、センサ部の腐食形態の凹凸が大きく、腐食形態が孔食に似た形状となることで、センサ部から出力される電気抵抗値が全面均一に腐食した場合より大きくなり、算出される腐食量が実際よりも大きくなることを見出した。
本発明は、より精度の高い電気抵抗式の腐食センサの設計方法および電気抵抗式の腐食センサを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、センサ部を構成するFeを90質量%以上含有する金属材料中のCr含有量を所定の(I)式を満たすように設定することで、より精度の高い電気抵抗式の腐食センサを設計できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[2]を提供する。
[1]腐食センサの設計方法であって、前記腐食センサは、任意の環境Aに暴露されるセンサ部と、前記任意の環境Aから遮断される参照部とを備え、前記センサ部の電気抵抗値および前記参照部の電気抵抗値に基づいて、前記センサ部の腐食量を測定する電気抵抗式の腐食センサであり、前記センサ部は、Feを90質量%以上含有する金属材料からなり、前記金属材料中のCr含有量(質量%)を、下記(I)式を満たすように設定する、腐食センサの設計方法。
1 > (0.05×log[Cr]+0.5)×logX ・・・(I)
ただし、前記(I)式における[Cr]は、前記金属材料中のCr含有量/質量%であり、Xは、前記任意の環境Aにおける、ISO9226に規定された炭素鋼の年間腐食量/μm・y−1であるか、または、ISO9223に規定された腐食予測式から求めた炭素鋼の年間腐食量/μm・y−1である。
[2]任意の環境Aに暴露されるセンサ部と、前記任意の環境Aから遮断される参照部とを備え、前記センサ部の電気抵抗値および前記参照部の電気抵抗値に基づいて、前記センサ部の腐食量を測定する電気抵抗式の腐食センサであって、前記センサ部は、Feを90質量%以上含有する金属材料からなり、前記金属材料中のCr含有量(質量%)が、下記(I)式を満たす、腐食センサ。
1 > (0.05×log[Cr]+0.5)×logX ・・・(I)
ただし、前記(I)式における[Cr]は、前記金属材料中のCr含有量/質量%であり、Xは、前記任意の環境Aにおける、ISO9226に規定された炭素鋼の年間腐食量/μm・y−1であるか、または、ISO9223に規定された腐食予測式から求めた炭素鋼の年間腐食量/μm・y−1である。
本発明によれば、より精度の高い電気抵抗式の腐食センサの設計方法および電気抵抗式の腐食センサを提供できる。本発明の腐食センサによれば、任意の環境において、評価対象の金属材料の腐食量、腐食速度を経時的に精度良く計測できる。
図1(A)は、電気抵抗式の腐食センサの一例を模式的に示す平面図である。図1(B)は、図1(A)のA−A線断面図である。 図2は、シル0.5/レンジと炭素鋼の腐食量の関係を示すグラフである。 図3は、b値とlogCrの関係を示すグラフである。 図4は、本実施例において行った腐食センサの腐食モニタリング結果と試験片の腐食量の関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施形態に限定されない。
まず、本発明の電気抵抗式の腐食センサの構造について、図1(A)および図1(B)に基づいて説明する。なお、図1(A)および図1(B)に基づいて説明する腐食センサは一例であり、本発明における腐食センサはこれに限定されるものではない。
図1(A)は、本発明の電気抵抗式の腐食センサの一例を模式的に示す平面図である。図1(B)は、図1(A)のA−A線断面図である。図1に示す電気抵抗式の腐食センサ1は、任意の環境Aに暴露されるセンサ部11と、センサ部11が暴露される任意の環境Aから遮断される参照部21とを有する。電気抵抗値は温度によっても変化するため、参照部21の電気抵抗値を参照し、センサ部11の電気抵抗値の変化分から温度起因による変化分を取り除くことで、腐食減肉による電気抵抗値の変化を正確に算出する。本実施形態においてセンサ部11および参照部21は、共に金属材料からなり、平板状の基板31の一面上に、絶縁シート41を介して、並列配置されている。
なお、センサ部11が暴露される「任意の環境A」は、センサ部11が腐食するような環境である「腐食環境」を含む、各種の環境を内包した概念である。すなわち、本発明の腐食センサ1は、センサ部11が腐食する腐食環境で使用されることはもちろん、センサ部11が腐食しない環境で使用されてもよい。
図1(B)に示すように、センサ部11および参照部21の断面は、所定の厚さを有する矩形(正方形を含む)である。センサ部11および参照部21の両側面は、絶縁性の樹脂51で覆われ、さらに、参照部21の上面は、絶縁性のカバー61で覆われている。
すなわち、図1(B)に示すように、腐食センサ1を断面視した場合、矩形である参照部21の両側面および上下面は各部材で覆われている。このため、腐食センサ1が任意の環境A下にあっても、参照部21は、この任意の環境Aから遮断される。
その一方で、センサ部11の上面は、カバー61で覆われていない。すなわち、図1(B)に示すように、腐食センサ1を断面視した場合、矩形であるセンサ部11の両側面および下面は各部材で覆われているが、上面は露出している。このため、腐食センサ1が任意の環境A下にある場合、センサ部11の上面は、この任意の環境Aに暴露される。腐食センサ1が特に腐食環境下にある場合は、上面が暴露されたセンサ部11は、その厚さ方向(上面側から下面側に向かう方向)に腐食が進行する。
なお、基板31としては、例えば、ステンレス鋼板が挙げられるが、これに限定されるものではない。ただし、基板31を熱伝導性の良い材料、例えば銅などの金属材料を用いることでセンサ部11と参照部21の温度を同じにして抵抗値補正を容易にすることができる。
基板31上に配置される絶縁シート41の材料としては、特に限定されず、従来公知の材料を使用でき、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステルが挙げられる。絶縁シート41の厚さ(図1(B)中の上下方向の長さ(以下、同様))は、例えばステンレス鋼板である基板31と、金属材料からなるセンサ部11および参照部21とを絶縁できる厚さであればよく、例えば、20〜200μmが挙げられる。また、絶縁シート41においても、熱伝導の良い絶縁材料、例えばポリイミドを用い、かつ薄膜化により熱伝導を良くし、センサ部11と参照部21の温度を同じにすることで抵抗値補正を容易にすることができる。
樹脂51の材料としては、特に限定されず、従来公知の材料を使用でき、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロンなどが挙げられる。樹脂51の厚さは、センサ部11および参照部21の厚さに準ずる。
カバー61の材料としては、特に限定されず、従来公知の材料を使用でき、例えば、ゴム、塗料などが挙げられ、耐候性を有するものが好ましい。カバー61の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1〜10mmが挙げられる。ただし、カバー61の材料においても、熱伝導の良い絶縁材料、例えばポリイミドを用い、かつ薄膜化により熱伝導を良くし、直に任意の環境Aに曝されるセンサ部11と同様に任意の環境Aからの入熱をセンサ部11にできるだけ近づけ、センサ部11と参照部21の温度を同じにすることで抵抗値補正を容易にすることができる。
センサ部11は、Feを90質量%以上含有する金属材料で構成される。本発明では、評価対象として、Feを90質量%以上含有する金属材料を想定している。センサ部11を、上記Feを90質量%以上含有する金属材料で構成することで、腐食センサの精度を高めることができる。センサ部11を構成する金属材料中のFe含有量は、評価対象の金属材料の化学組成等に応じて適宜に設定でき、例えば、93質量%以上とされてもよいし、95質量%以上とされてもよいし、97質量%以上とされてもよいし、98質量%以上とされてもよいし、99質量%以上とされてもよいし、99.5質量%以上とされてもよいし、100質量%であってもよい。
さらに本発明では、前記センサ部11を構成する金属材料中のCr含有量(質量%)を、所定の(I)式を満たすように設定する。当該(I)式は、センサ部11を構成する金属材料中のCr含有量の上限を設定するものである。つまり、Crを含有する金属材料でセンサ部11を構成する場合に、当該(I)式を適用する効果をより享受することができる。したがって、センサ部11を構成する金属材料中のFe含有量は100質量%未満であることが好ましい。当該(I)式を着想するに至った経緯については後述する。
なお、センサ部11を構成する金属材料中のFe含有量が90質量%未満であると、センサ部11の腐食挙動が、想定する評価対象の金属材料と異なる場合があり、センサ部11を構成する金属材料中のCr含有量を所定の(I)式を満たすように設定したことによる効果が得られなくなる場合がある。
また、参照部21は、参照部21の電気抵抗値を測定可能な材料で構成される。本実施形態において、参照部21は金属材料で構成されている。なお、参照部21は、センサ部11を構成する金属材料と同じ金属材料で構成されることが好ましい。
センサ部11および参照部21を構成する金属材料は、電気抵抗値の変化が測定されるため、一定の長さを持った長尺状の形状であることが好ましく、例えば、図1(A)に示すように、一定間隔で屈曲した蛇行形状が挙げられる。
このとき、センサ部11の長さ(全長)は、例えば、30〜500mmが挙げられる。また、図1(B)に示すようにセンサ部11を断面視した場合において、その幅は、例えば、1〜10mmが挙げられる。なお、これら数値範囲の下限は腐食センサ1の測定精度の観点から、上限は腐食センサ1の取り扱いの利便性の観点からそれぞれ決定される。
参照部21の形状は、センサ部11と同形状であることが好ましい。
そして、センサ部11と参照部21とは、例えば、図1(A)に示すように、連続した一連の長尺状の金属材料であってもよい。この場合、センサ部11および参照部21を構成する一連の金属材料の両端に電流源71が接続され、センサ部11の両端に電圧測定部81が接続され、参照部21の両端に電圧測定部91が接続される。
このような腐食センサ1において、電流源71から定電流を流し、電圧測定部81および電圧測定部91で電圧を測定することにより、センサ部11および参照部21の各々の電気抵抗値を求める。
このとき、センサ部11は、任意の環境Aに暴露されることにより次第に腐食が進行した場合、センサ部11の電気抵抗値は、当初の値から次第に増大する。一方で、参照部21はセンサ部11が暴露されている任意の環境Aから遮断されているため、腐食は進行せず、参照部21の電気抵抗値は、基本的には当初の値から不変である。
なお、センサ部11の腐食の進行と電気抵抗値の増大とが関係している理由は、一般的には、以下のように考えられている。センサ部11の金属材料の腐食が進行するに伴い、任意の環境Aに暴露している領域を起点にして厚さ方向に、減肉する。減肉分の金属材料は、表面から失われるか、腐食生成物に置き換わって表面に残存する。この腐食生成物は、不導体もしくは導電体であったとしても元の金属材料と比較して導電性が非常に低いものとなる。結果として、腐食による電気抵抗の増大は、センサ部の金属材料の減肉によるものと見なされるのが一般的である。
このようにして、腐食センサ1においては任意の一定間隔でセンサ部11および参照部21の電気抵抗値を求め、求めた電気抵抗値に基づいてセンサ部11の腐食量(腐食深さ)を測定(換算)する。より詳細には、腐食量の換算式は、下記式(II)で表される。
CD=tinit{(Rref,init/Rsens,init)−(Rref/Rsens)} ・・・(II)
CD:腐食量(腐食深さ)[μm]
init:センサ部の当初厚さ[μm]
ref,init:参照部の当初の電気抵抗値[Ω]
sens,init:センサ部の当初の電気抵抗値[Ω]
ref:参照部の測定時の電気抵抗値[Ω]
sens:センサ部の測定時の電気抵抗値[Ω]
次に、本発明者らが、センサ部を構成するFeを90質量%以上含有する金属材料中のCr含有量(質量%)を、所定の(I)式を満たすように設定することを着想するに至った経緯について説明する。
上述したように、本発明者らが電気抵抗式の腐食センサについて検討した結果、センサ部として用いる金属材料中にCrが含まれる場合、センサ部の腐食形態の凹凸が大きく、孔食に似た腐食形状となることで、センサ部から出力される電気抵抗値が全面均一に腐食した場合より大きくなり、センサ部の電気抵抗値から算出される腐食量が実際よりも大きくなることがわかった。
そこで、まず、センサ部の腐食形態の凹凸の大きさの指標を規定することを検討した。センサ部の腐食形態の凹凸の大きさの指標について説明する。大気腐食環境等の任意の環境Aにおいて、腐食形態は非常に複雑な凹凸を持つため、任意の環境Aに暴露された複数の試験片の腐食深さの平均値や最大値、凹凸の直径で前記指標を規定することは難しい。そこで、本発明ではその指標に空間におけるランダム現象の解析方法である空間統計学を用いた。例えばレーザー変位計などにより、試験片の腐食量の分布を計測し、その格子状座標に基づき離散化し、階級数を指定した経験セミバリオグラムプロッットを作成し(下記式(III))、経験セミバリオグラムへ理論セミバリオグラム(球型モデル)(下記式(IV))を適用することで、空間的自己相関の影響範囲を示す「レンジ」と空間的従属性を示す「シル」を算出することができる。腐食形態において、レンジ(本発明において単位「mm」)は腐食深さが影響を及ぼす範囲を表し、シル0.5(本発明において単位「mm」)は腐食深さの程度を表す。
本発明者らがCu、Ni、Cr、Moなどの各耐食性元素が、任意の環境Aに暴露された試験片の腐食形態におよぼす影響を評価した結果、前記試験片の腐食形態の凹凸が大きくなるのは試験片を構成する金属材料にCrが添加された場合のみであった。そこで、金属材料中のCr含有量に着目し、電気抵抗式の腐食センサにおいて、センサ部に生じた腐食形態の凹凸が、センサの出力に影響をおよぼす範囲をレンジおよびシルの関係から検討した。その結果、シル0.5/レンジが0.02より小さければセンサ部の腐食形態の凹凸がセンサの出力に影響をおよぼさないことが分かった。発明者らが実施してきた世界各地の暴露試験における試験片N=3(試験片数=3)の腐食量のばらつきが最大で±10%程度であることから、センサの出力に影響のない範囲のセンサの出力は、試験片の腐食量の±10%以内とした。
また、実験室的な検討から、センサ部の腐食形態の凹凸は、センサ部を構成する金属材料中のCr含有量だけでは決まらず、金属材料の腐食量も影響してくることを見出した。なお、ここでは、本発明で評価対象とするFeを90質量%以上含有する金属材料の腐食挙動が、ISO9226に規定された炭素鋼(以下、単に、「炭素鋼」ともいう)の腐食挙動とほぼ同様となることから、前記金属材料として炭素鋼を想定した。凹凸(シル0.5/レンジ)と炭素鋼の腐食量の関係は、図2で表される。その関係式は、シル0.5/レンジ×10=2×(炭素鋼の年間腐食量)となる。また、この式のb値は、図3に示すようにCr含有量/質量%の対数と線形の関係にあり、b=0.05×log(Cr含有量)+0.5の式となる。これらの式から、以下の(V)式が導かれる。
シル0.5/レンジ×10=2×(炭素鋼の年間腐食量)0.05×log(Cr含有量)+0.5 ・・・(V)
この式にシル0.5/レンジ<0.02の条件を入れ、Cr含有量を[Cr]、炭素鋼の年間腐食量をXと置き、式を整えると本発明の(I)式となる。
1 > (0.05×log[Cr]+0.5)×logX ・・・(I)
ここで前記(I)式における[Cr]は、金属材料中のCr含有量/質量%であり、Xは、計測を行う実環境(センサ部が暴露される任意の環境A)における、ISO9226に規定された炭素鋼の年間腐食量/μm・y−1である。
すなわち、センサ部を構成するFeを90質量%以上含有する金属材料からなるセンサ部の金属材料中のCr含有量を上記(I)式を満たすように設定することで、センサ部の腐食形態の凹凸がセンサの出力に影響をおよぼさない(評価対象の金属材料の腐食量に対するセンサの出力が±10%以内)ものとでき、算出される腐食量が実際よりも大きくなることを抑制でき測定精度を高めることができる。
また、計測を行う実環境での炭素鋼の年間腐食量が分からない場合には、上記実環境における炭素鋼の年間腐食量に替えて、ISO9223に規定された腐食予測式(Dose−response function)から、計測を行う実環境(センサ部が暴露される任意の環境A)における炭素鋼の年間腐食量を求め、これを上記(I)式のXに適用してもよい。具体的には、ISO9223で定められた腐食予測式(Dose−response function)を使用して、計測を行う実環境の温度、相対湿度、塩化物量、SO量から炭素鋼の年間腐食量を推定し、これを上記(I)式のXに適用することができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
炭素鋼の年間腐食量が、13.8μm、25.6μm、49.2μm、66.3μm、123.6μm、188.0μmであった6地域において、電気抵抗式の腐食センサを用いて腐食モニタリングおよび試験片の暴露試験を行った。腐食センサのセンサ部および試験片に用いた金属材料中のCr含有量は、0.01質量%、0.51質量%、3.11質量%とした。なお、金属材料中の残部はFeである。試験片は約2か月、6か月、1年の3期間でN=3(試験片数=3)で回収している。試験片の腐食量はISO 8407で定められた酸洗液で錆を除去したあと、試験前後の試験片の質量の差から算出した。比較を行ったグラフの例を図4(A)、(B)に示す。
図4(A)は、金属材料中のCr含有量が0.01質量%で、炭素鋼の年間腐食量が25.6μmの地域で試験を行った結果である。腐食センサを用いた腐食モニタリング結果と試験片の腐食量がよく一致していることがわかる。図4(B)は、金属材料中のCr含有量が0.51質量%で、炭素鋼の年間腐食量が123.6μmの地域で試験を行った結果である。図4(A)とは異なり、腐食センサを用いた腐食モニタリング結果と試験片の腐食量が大きく乖離していることがわかる。
表1にその他の条件の比較結果を示す。表1において、1年暴露後の試験片の腐食量に対するセンサ出力の差は、上記3期間で最も差が大きかったものを記載している。表1からわかるようにシル0.5/レンジが0.02より小さければ、電気抵抗式の腐食センサを用いてモニタリングを精度よく行うことができることがわかる。
1 腐食センサ
11 センサ部
21 参照部
31 基板
41 絶縁シート
51 樹脂
61 カバー
71 電流源
81 電圧測定部
91 電圧測定部

Claims (2)

  1. 腐食センサの設計方法であって、
    前記腐食センサは、任意の環境Aに暴露されるセンサ部と、前記任意の環境Aから遮断される参照部とを備え、前記センサ部の電気抵抗値および前記参照部の電気抵抗値に基づいて、前記センサ部の腐食量を測定する電気抵抗式の腐食センサであり、
    前記センサ部は、Feを90質量%以上含有する金属材料からなり、
    前記金属材料中のCr含有量(質量%)を、下記(I)式を満たすように設定する、腐食センサの設計方法。
    1 > (0.05×log[Cr]+0.5)×logX ・・・(I)
    ただし、前記(I)式における[Cr]は、前記金属材料中のCr含有量/質量%であり、Xは、前記任意の環境Aにおける、ISO9226に規定された炭素鋼の年間腐食量/μm・y−1であるか、または、ISO9223に規定された腐食予測式から求めた炭素鋼の年間腐食量/μm・y−1である。
  2. 任意の環境Aに暴露されるセンサ部と、前記任意の環境Aから遮断される参照部とを備え、前記センサ部の電気抵抗値および前記参照部の電気抵抗値に基づいて、前記センサ部の腐食量を測定する電気抵抗式の腐食センサの製造方法であって、
    前記センサ部は、Feを90質量%以上含有する金属材料からなり、
    前記金属材料中のCr含有量(質量%)を、請求項1に記載の腐食センサの設計方法により設定する、腐食センサの製造方法。
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