JP6634629B2 - 渦流探傷装置 - Google Patents
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Description
(1)従来のように渦流探傷プローブを回転させるのではなく、被検査材の長手方向に直交する短手方向に沿って複数の渦流探傷プローブを配置する。
(2)複数の渦流探傷プローブによる探傷範囲(被検査材の短手方向に沿って配置された各渦流探傷プローブの探傷範囲を合成して得られる探傷範囲)が被検査材の検査対象面の短手方向全体に亘るように、なお且つ、複数の渦流探傷プローブの被検査材の検査対象面からのリフトオフが互いに同等となるように、複数の渦流探傷プローブを位置決めする。
(3)渦流探傷を実行する際、複数の渦流探傷プローブが被検査材の長手方向に沿って相対的に移動する。
そのため、本発明者らは更に鋭意検討した結果、以下の(4)を更に満足する渦流探傷装置とすることで、被検査材の長手方向に沿って直線状に延びるきずであっても、きずの両端部のみならず全体からきず検出信号が得られ易くなり、きず検出精度が高まることを見出した。
(4)渦流探傷を実行する際、複数の渦流探傷プローブが被検査材の短手方向に沿って揺動する。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、第1の手段として、検査対象面が曲面である長尺の被検査材を探傷する渦流探傷装置であって、前記被検査材の検査対象面に対向し、前記被検査材の長手方向から見て、前記被検査材の長手方向に直交する短手方向に沿って配置された複数の渦流探傷プローブと、前記複数の渦流探傷プローブを前記被検査材の検査対象面に対して位置決めする位置決め手段と、前記複数の渦流探傷プローブを前記被検査材の短手方向に沿って揺動させる揺動手段とを備え、前記複数の渦流探傷プローブは、前記検査対象面に対向する面が平坦面であり、前記位置決め手段は、前記複数の渦流探傷プローブの前記被検査材の長手方向周りの回動位置を調整して位置決めすることが可能であり、前記複数の渦流探傷プローブは、前記被検査材の長手方向から見て、探傷範囲が前記被検査材の検査対象面の短手方向全体に亘ると共に、前記被検査材の検査対象面からのリフトオフが互いに同等となるように、前記位置決め手段によって位置決めされており、渦流探傷を実行する際、前記複数の渦流探傷プローブは、前記被検査材の長手方向に沿って相対的に移動すると共に、前記揺動手段によって前記被検査材の短手方向に沿って揺動することを特徴とする渦流探傷装置を提供する。
また、前記課題を解決するため、本発明は、第2の手段として、検査対象面が曲面である長尺の被検査材を探傷する渦流探傷装置であって、前記被検査材の検査対象面に対向し、前記被検査材の長手方向から見て、前記被検査材の長手方向に直交する短手方向に沿って配置された複数の渦流探傷プローブと、前記複数の渦流探傷プローブを前記被検査材の検査対象面に対して位置決めする位置決め手段と、前記複数の渦流探傷プローブを前記被検査材の短手方向に沿って揺動させる揺動手段とを備え、前記複数の渦流探傷プローブは、それぞれ渦流探傷センサを具備し、前記複数の渦流探傷プローブは、前記被検査材の長手方向から見て、探傷範囲が前記被検査材の検査対象面の短手方向全体に亘ると共に、前記被検査材の検査対象面からのリフトオフが互いに同等となるように、前記位置決め手段によって位置決めされており、渦流探傷を実行する際、前記複数の渦流探傷プローブは、前記被検査材の長手方向に沿って相対的に移動すると共に、前記揺動手段によって、前記被検査材の短手方向に沿った前記渦流探傷センサの有効探傷範囲と同程度の揺動幅で揺動することを特徴とする渦流探傷装置を提供する。
また、本発明の第1及び第2の手段に係る渦流探傷装置によれば、渦流探傷を実行する際、複数の渦流探傷プローブが、揺動手段によって被検査材の短手方向に沿って揺動する。このため、被検査材の長手方向に沿って直線状に延びるきずであっても、きずの両端部のみならず全体を検出し易くなり、きず検出精度が高まる。
以上のように、本発明の第1及び第2の手段に係る渦流探傷装置によれば、検査対象面が曲面である長尺の被検査材の検査対象面全体を精度良く探傷可能である。
本発明の第3の手段に係る渦流探傷装置によれば、励磁コイルが単一の構成に比べて、リフトオフの変化による影響を受け難いという利点を有する。励磁コイルが単一の場合、リフトオフの変化に伴い、被検査材の検査対象面に作用する交流磁界によって誘起される渦電流の強度が変化し、渦電流によって生じ検出コイルで検出される磁界の強度が変化するため、検出コイルの出力信号がリフトオフの変化に伴って変化する。しかしながら、本発明の第3の手段に係る渦流探傷装置によれば、一対の励磁コイルの双方がリフトオフの変化の影響を受けるものの、各励磁コイルによって生じ検出コイルで検出される各磁界が逆位相であり相殺されるため、リフトオフの変化に伴う検出コイルの出力信号の変化を抑制可能である。
この不感帯を抑制するには、被検査材の長手方向に沿って少なくとも一対の渦流探傷センサを並設し、被検査材の長手方向から見て、一方の渦流探傷センサの不感帯(検出コイルの直下近傍領域)が他方の渦流探傷センサの有効探傷範囲(検出コイルの直下近傍を除く領域)と重なるように、各渦流探傷センサの位置を被検査材の短手方向に沿ってずらして配置すればよい。
なお、上記の好ましい構成における「被検査材の短手方向に沿ったきず検出信号の強度分布」とは、被検査材に所定の人工きず(たとえば、一対の励磁コイル及び検出コイルよりも小さい幅で被検査材の長手方向に延びる人工きず)を設け、この人工きずに対して渦流探傷センサを被検査材の短手方向に沿って相対的に移動させた場合に得られる検出コイルの出力信号(きず検出信号)の強度分布を意味する。この強度分布は、渦流探傷センサが有する一対の励磁コイルの直下に人工きずが位置したときにピークになる(したがって、2つのピークを有する)と考えられる。
図1は、本発明の一実施形態に係る渦流探傷装置の概略構成を模式的に示す図である。図1(a)は被検査材の長手方向から見た正面図であり、図1(b)は被検査材の長手方向に直交する短手方向から見た側面図である。なお、図1(a)では、便宜上、渦流探傷装置が備える位置決め手段の図示を省略している。また、図1(a)では、便宜上、渦流探傷装置が備える複数の渦流探傷プローブのうち、3つの渦流探傷プローブを残りの3つの渦流探傷プローブよりも上方に図示しているが、実際には被検査材の検査対象面からのリフトオフが互いに同等であるため、残りの3つの渦流探傷プローブもほぼ同じ高さに位置する。
図2は、本実施形態に係る渦流探傷装置が備える位置決め手段及び揺動手段の概略構成を模式的に示す図である。図2(a)は被検査材の長手方向から見た正面図であり、図2(b)は裏面図である。
図1又は図2に示すように、本実施形態に係る渦流探傷装置100は、検査対象面S1が曲面である長尺の被検査材S(例えば、丸棒鋼など)を探傷する装置であり、複数の渦流探傷プローブ1(本実施形態では、6つの渦流探傷プローブ1a〜1f)と、位置決め手段2と、揺動手段3とを備えている。また、本実施形態に係る渦流探傷装置100は、各渦流探傷プローブ1に電気的に接続された探傷器4と、探傷器4及びPLC(Programmable Logic Controller、図示せず)に電気的に接続された制御装置5とを備えている。
筐体21は、渦流探傷プローブ1毎に設けられ、各渦流探傷プローブ1と揺動手段3の機構部とを収容している。ただし、各渦流探傷プローブ1の端部(被検査材Sの検査対象面S1に対向する側の端部)は、筐体21の外部に露出している。
エアシリンダ22は、筐体21毎に取り付けられ、進退動することによって各筐体21ひいては各渦流探傷プローブ1を上下方向(図1に示すZ方向)に沿って移動させる。
支持部材23は、エアシリンダ22毎に取り付けられ、各エアシリンダ22を被検査材Sの長手方向(X方向)周りに回動可能(図2に示すθ方向に回動可能)に軸支すると共に、被検査材Sの短手方向(Y方向)に移動可能に基台24に取り付けられている。各エアシリンダ22は、回転モータ(図示せず)を駆動源として回動可能とされており、各支持部材23は、一軸ステージ241によって被検査材Sの短手方向に沿って移動可能とされている。
基台24には、全ての支持部材23(本実施形態では6つの支持部材23)が取り付けられており、基台24は、上下方向(Z方向)に移動可能に構成されている。
具体的には、制御装置5から送信された制御信号に基づき、基台24は上下方向に移動する。これにより、基台24に連結された各渦流探傷プローブ1の上下方向(Z方向)位置が一律に粗調整される。次に、制御装置5から送信された制御信号に基づき、各支持部材23に取り付けられた一軸ステージ241が駆動し、各支持部材23ひいては各支持部材23に連結された各渦流探傷プローブ1のY方向位置が個別に調整される。図1(b)に示すように、各渦流探傷プローブ1と共に各筐体21も被検査材Sの長手方向にずれた位置に配置されているため、図1(a)に示すように、被検査材Sの長手方向から見た場合には各筐体21が干渉するように見えるものの、実際には干渉せずに各渦流探傷プローブのY方向位置を調整可能である。そして、制御装置5から送信された制御信号に基づき、回転モータ(図示せず)が駆動し、各エアシリンダ22のθ方向位置が個別に調整される。最後に、各筐体21の下部に取り付けられた車輪(図示せず)が被検査材Sの検査対象面S1に当接するまで各エアシリンダ22が伸長することで、各渦流探傷プローブ1の上下方向(Z方向)位置が個別に微調整される。
以上に説明した位置決め手段2の動作により、複数の渦流探傷プローブ1全体の探傷範囲が被検査材Sの検査対象面S1の短手方向全体に亘ると共に、被検査材Sの検査対象面S1からのリフトオフLが互いに同等となるように、複数の渦流探傷プローブ1が位置決めされる。
より具体的には、制御装置5から送信された制御信号に基づき、揺動手段3が具備する回転モータ31が回転し、この回転力が、駆動歯車32及び従動歯車33を介してカム34に伝達し、カム34が図2(b)の矢符に示す方向に回転する。これにより、カム34の外縁に接触する支持部材35がY方向に沿って揺動し、支持部材35に支持された渦流探傷プローブ1もY方向に沿って揺動する。本実施形態のカム34の外縁は楕円形であるため、図2(b)の上図に示すように、カム34の回転中心341から最も離れた外縁(楕円の長径に位置する箇所)が支持部材35に接触するときに、支持部材35ひいては渦流探傷プローブ1は、最も回転モータ31の回転中心から離れた位置になり、図2(b)の下図に示すように、カム34の回転中心341に最も近い外縁(楕円の短径に位置する箇所)が支持部材35に接触するときに、支持部材35ひいては渦流探傷プローブ1は、最も回転モータ31の回転中心に近い位置となる。このため、回転モータ31の回転に伴いカム34が1回転する毎に、渦流探傷プローブ1はY方向に沿って2往復揺動することになる。
なお、図2(b)の下図に示す状態(カム34が1回転する間に弾性部材36の長さが最も長くなる状態)においても、弾性部材36は自然長よりも縮んだ状態とされている。このため、弾性部材36によって支持部材35はカム34の外縁に向けて付勢されており、カム34の外縁と支持部材35とは安定した状態で接触可能である。
被検査材Sの長手方向に沿った複数の渦流探傷プローブ1の相対的な移動について、本実施形態では、複数の渦流探傷プローブ1が静止する一方、被検査材Sが所定の搬送手段によって長手方向に沿って移動する(例えば、搬送手段としての被検査材Sの下部を支持する搬送ロールが回転することによって、被検査材Sが長手方向に沿って搬送される)構成とされているが、本発明はこれに限るものではなく、被検査材Sが静止して、複数の渦流探傷プローブ1が被検査材Sの長手方向に沿って移動する構成(例えば、基台24をX方向に移動可能とし、基台24をX方向に移動させることで渦流探傷プローブ1を被検査材Sの長手方向に沿って移動させる構成)を採用することも可能である。
本実施形態に係る渦流探傷装置100によれば、複数の渦流探傷プローブ1が、被検査材Sの長手方向から見て、探傷範囲が被検査材Sの検査対象面S1の短手方向全体に亘ると共に、被検査材Sの検査対象面S1からのリフトオフが互いに同等となるように、位置決め手段2によって位置決めされている。そして、渦流探傷を実行する際、複数の渦流探傷プローブ1は、被検査材Sの長手方向に沿って相対的に移動する。このため、リフトオフの変化による影響を低減できると共に、被検査材Sの検査対象面S1全体を探傷可能である。
なお、図3では、便宜上、1つの渦流探傷プローブ1のみを図示しているが、実際には、前述のように、渦流探傷プローブ1毎に揺動手段3が設けられているため、複数の渦流探傷プローブ1が被検査材Sの短手方向(Y方向)に沿って揺動することになる。この際、各渦流探傷プローブ1の揺動が同期する(揺動の位相が同一になる)ように、各揺動手段3が具備する各回転モータ31の回転速度及び回転位相は同一とされている。また、後述のように、1つの渦流探傷プローブ1は複数の渦流探傷センサ11を具備するため、図3に示すようなきず検出信号は、各渦流探傷センサ11毎に出力される。
これに対し、図3(b)に示すように、本実施形態に係る渦流探傷装置100によれば、渦流探傷を実行する際、渦流探傷プローブ1が、揺動手段3によって被検査材Sの短手方向に沿って揺動するため、被検査材Sの長手方向に沿って直線状に延びるきずFであっても、きずの両端部のみならず全体からきず検出信号が得られ易くなり、きず検出精度が高まる。
なお、複数の渦流探傷プローブ1の被検査材Sの長手方向に沿った相対的な移動速度(本実施形態では、被検査材Sの搬送速度)が1m/sec程度で、検出対象とするきずFの長さが100mm以上である場合、揺動手段3による渦流探傷プローブ1の揺動周波数は、5Hz程度に設定することが好ましい。揺動周波数が5Hz、すなわち揺動周期が0.2secであれば、その間に被検査材Sは長手方向に200mmだけ移動するため、渦電流探傷プローブ1は、100mm以上の長さのきずFを少なくとも1回は被検査材Sの短手方向に横断することになるからである。このように、渦流探傷プローブ1の揺動周波数は、きずFを少なくとも1回は被検査材Sの短手方向に横断できるように、検出対象とするきずFの長さと、渦流探傷プローブ1の被検査材Sの長手方向に沿った相対的な移動速度とに基づき決定することが好ましい。
また、渦流探傷プローブ1の揺動幅Wは、後述するように、1つの渦流探傷センサ11の有効探傷範囲(被検査材Sの短手方向についての有効探傷範囲)と同程度にすることが好ましい。例えば、1つの渦流探傷センサ11の有効探傷範囲が1.5mm程度である場合、渦流探傷プローブ1の揺動幅Wは±0.75mm程度に設定することが好ましい。
図4は、本実施形態に係る渦流探傷装置100が備える渦流探傷プローブ1が具備する渦流探傷センサ11の概略構成及びきずの検出原理を模式的に説明する図である。図4(a)はきずが存在しない状態(又は、検出コイル113の直下近傍にきずFが存在する状態)における渦流探傷センサ11の概略構成及び磁界を示す正面図(被検査材の長手方向から見た正面図)であり、図4(b)はきずFが存在(検出コイル113の直下近傍を除く領域に存在)する状態における渦流探傷センサ11の概略構成及び磁界を示す正面図(被検査材の長手方向から見た正面図)である。
本実施形態の複数の渦流探傷プローブ1は、それぞれ複数(本実施形態では8つ。図2(b)及び後述の図6参照)の渦流探傷センサ11を具備する。
そして、図4に示すように、各渦流探傷センサ11は、一対の励磁コイル111、112と、検出コイル113とを有する。各コイル111〜113には、フェライト等の磁性材料が磁心として挿入されている。また、各コイル111〜113は、それぞれ探傷器4(図1参照)に電気的に接続されている。さらに、各コイル111〜113は、絶縁性材料(例えば、樹脂)でモールドされて、一体化されている。
検出コイル113は、一対の励磁コイル111、112の間に設けられている。具体的には、本実施形態の検出コイル113は、一対の励磁コイル111、112の中間点(Y方向の中間点)に設けられている。検出コイル113は、一対の励磁コイル111、112によって誘起された渦電流によって生じる磁界M3、M4を検出する。
本実施形態では、図5(a)に示すように、被検査材Sの長手方向(X方向)に沿って並設された一対の渦流探傷センサ11(ch1、ch2)のうち、一方の渦流探傷センサ11(ch1)における被検査材Sの短手方向(Y方向)に沿ったきず検出信号の強度分布のピークP11、P12の中間に、他方の渦流探傷センサ11(ch2)における被検査材Sの短手方向(Y方向)に沿ったきず検出信号の強度分布のピークP21が位置するように、一対の渦流探傷センサ11(ch1、ch2)が被検査材Sの短手方向(Y方向)に沿ってずれて配置されている。具体的には、一方の渦流探傷センサ11(ch1)における被検査材Sの短手方向(Y方向)に沿ったきず検出信号の強度分布の正のピークP11と負のピークP12の中間に、他方の渦流探傷センサ11(ch2)における被検査材Sの短手方向(Y方向)に沿ったきず検出信号の強度分布の正のピークP21が位置するように、一対の渦流探傷センサ11(ch1、ch2)が被検査材Sの短手方向(Y方向)に沿ってずれて配置されている。一対の渦流探傷センサ11における各コイル111〜113の配置位置や寸法が同等であれば、一方の渦流探傷センサ11(ch1)のピークP11、P12の中間に他方の渦流探傷センサ11(ch2)のピークP21が位置する場合には、他方の渦流探傷センサ11(ch2)のピークP21、P22の中間に一方の渦流探傷センサ11(ch1)のピークP12も位置することになる。
なお、「被検査材Sの短手方向に沿ったきず検出信号の強度分布」とは、被検査材Sに所定の人工きず(たとえば、一対の励磁コイル111、112及び検出コイル113よりも小さい幅で被検査材Sの長手方向に延びる人工きず)を設け、この人工きずに対して渦流探傷センサ11を被検査材Sの短手方向(Y方向)に沿って相対的に移動させた場合に得られる検出コイル113の出力信号(きず検出信号)の強度分布を意味する。この強度分布は、図5(b)に示すように、渦流探傷センサ11が有する一対の励磁コイル111、112の直下に人工きずが位置したときにピークになる(したがって、2つのピークP11、P12(又は、P21、P22)を有する)と考えられる。
図6に示すように、本実施形態では、図5を参照して前述した一対の渦流探傷センサ11が4組(A組〜D組)配置されている。A組〜D組のそれぞれを構成する一対の渦流探傷センサ11の位置関係は前述の通りであり、一方の渦流探傷センサ11の検出コイルと他方の渦流探傷センサ11の検出コイルとが、被検査材Sの短手方向(Y方向)に沿って約1.5mmずれて配置されている。これにより、A組〜D組のそれぞれを構成する一対の渦流探傷センサ11全体として不感帯が抑制されている。
また、A組を構成する一対の渦流探傷センサ11とB組を構成する一対の渦流探傷センサ11との間、B組を構成する一対の渦流探傷センサ11とC組を構成する一対の渦流探傷センサ11との間、及び、C組を構成する一対の渦流探傷センサ11とD組を構成する一対の渦流探傷センサ11との間も不感帯が抑制されるように位置決めされている。具体的には、A組とB組とをそれぞれ構成する一対の渦流探傷センサ11のうち、被検査材Sの短手方向(Y方向)について近い渦流探傷センサ11同士のずれ量が約4.2mmに設定されている。すなわち、A組を構成する一対の渦流探傷センサ11のうち図の上側に配置された渦流探傷センサ11の検出コイルと、B組を構成する一対の渦流探傷センサ11のうち図の下側に配置された渦流探傷センサ11の検出コイルとが、被検査材Sの短手方向(Y方向)に沿って約4.2mmずれて配置されている。その他の組の間についても同様である。
各組を構成する一対の渦流探傷センサ11のずれ量(約1.5mm)は、検出信号の強度分布の正のピークから負のピークに至るまでの時間(距離)に応じて設定されることになる。一方、各組間の渦流探傷センサ11のずれ量(約4.2mm)は、検出信号の強度分布が正のピークから2.5dB低下した状態から正のピークに至るまでの時間(距離)と負のピークから負のピークの2.5dB低下した状態に至るまでの時間(距離)との和に応じて設定されることになる。一般に、検出信号の強度分布の正のピークから負のピークに至るまでの時間よりも、正のピークから2.5dB低下した状態から正のピークに至るまでの時間と負のピークから負のピークの2.5dB低下した状態に至るまでの時間との和の方が大きいため、各組間の渦流探傷センサ11のずれ量(約4.2mm)を、各組を構成する一対の渦流探傷センサ11のずれ量(約1.5mm)より大きく設定しても、各組間の不感帯を抑制可能である。
本実施形態の各渦流探傷プローブ1は、全体として、被検査材Sの短手方向について約24mmの有効探傷範囲を有することになる。
2・・・位置決め手段
3・・・揺動手段
4・・・探傷器
5・・・制御装置
100・・・渦流探傷装置
S・・・被検査材
X・・・長手方向
Y・・・短手方向
Claims (4)
- 検査対象面が曲面である長尺の被検査材を探傷する渦流探傷装置であって、
前記被検査材の検査対象面に対向し、前記被検査材の長手方向から見て、前記被検査材の長手方向に直交する短手方向に沿って配置された複数の渦流探傷プローブと、
前記複数の渦流探傷プローブを前記被検査材の検査対象面に対して位置決めする位置決め手段と、
前記複数の渦流探傷プローブを前記被検査材の短手方向に沿って揺動させる揺動手段とを備え、
前記複数の渦流探傷プローブは、前記検査対象面に対向する面が平坦面であり、
前記位置決め手段は、前記複数の渦流探傷プローブの前記被検査材の長手方向周りの回動位置を調整して位置決めすることが可能であり、
前記複数の渦流探傷プローブは、前記被検査材の長手方向から見て、探傷範囲が前記被検査材の検査対象面の短手方向全体に亘ると共に、前記被検査材の検査対象面からのリフトオフが互いに同等となるように、前記位置決め手段によって位置決めされており、
渦流探傷を実行する際、前記複数の渦流探傷プローブは、前記被検査材の長手方向に沿って相対的に移動すると共に、前記揺動手段によって前記被検査材の短手方向に沿って揺動することを特徴とする渦流探傷装置。 - 検査対象面が曲面である長尺の被検査材を探傷する渦流探傷装置であって、
前記被検査材の検査対象面に対向し、前記被検査材の長手方向から見て、前記被検査材の長手方向に直交する短手方向に沿って配置された複数の渦流探傷プローブと、
前記複数の渦流探傷プローブを前記被検査材の検査対象面に対して位置決めする位置決め手段と、
前記複数の渦流探傷プローブを前記被検査材の短手方向に沿って揺動させる揺動手段とを備え、
前記複数の渦流探傷プローブは、それぞれ渦流探傷センサを具備し、
前記複数の渦流探傷プローブは、前記被検査材の長手方向から見て、探傷範囲が前記被検査材の検査対象面の短手方向全体に亘ると共に、前記被検査材の検査対象面からのリフトオフが互いに同等となるように、前記位置決め手段によって位置決めされており、
渦流探傷を実行する際、前記複数の渦流探傷プローブは、前記被検査材の長手方向に沿って相対的に移動すると共に、前記揺動手段によって、前記被検査材の短手方向に沿った前記渦流探傷センサの有効探傷範囲と同程度の揺動幅で揺動することを特徴とする渦流探傷装置。 - 検査対象面が曲面である長尺の被検査材を探傷する渦流探傷装置であって、
前記被検査材の検査対象面に対向し、前記被検査材の長手方向から見て、前記被検査材の長手方向に直交する短手方向に沿って配置された複数の渦流探傷プローブと、
前記複数の渦流探傷プローブを前記被検査材の検査対象面に対して位置決めする位置決め手段と、
前記複数の渦流探傷プローブを前記被検査材の短手方向に沿って揺動させる揺動手段とを備え、
前記複数の渦流探傷プローブは、それぞれ複数の渦流探傷センサを具備し、
前記複数の各渦流探傷センサは、
前記被検査材の短手方向に沿って並設され、前記被検査材の検査対象面に対して互いに逆位相の交流磁界を作用させて前記被検査材の検査対象面に渦電流を誘起する一対の励磁コイルと、
前記一対の励磁コイルの間に設けられ、前記一対の励磁コイルによって誘起された渦電流によって生じる磁界を検出する検出コイルとを有し、
前記複数の渦流探傷プローブは、前記被検査材の長手方向から見て、探傷範囲が前記被検査材の検査対象面の短手方向全体に亘ると共に、前記被検査材の検査対象面からのリフトオフが互いに同等となるように、前記位置決め手段によって位置決めされており、
渦流探傷を実行する際、前記複数の渦流探傷プローブは、前記被検査材の長手方向に沿って相対的に移動すると共に、前記揺動手段によって前記被検査材の短手方向に沿って揺動することを特徴とする渦流探傷装置。 - 前記複数の各渦電流探傷プローブは、前記被検査材の長手方向に沿って並設された少なくとも一対の前記渦流探傷センサを具備し、
前記一対の渦流探傷センサのうち、一方の渦流探傷センサにおける前記被検査材の短手方向に沿ったきず検出信号の強度分布のピークの中間に、他方の渦流探傷センサにおける前記被検査材の短手方向に沿ったきず検出信号の強度分布のピークが位置するように、前記一対の渦流探傷センサが前記被検査材の短手方向に沿ってずれて配置されていることを特徴とする請求項3に記載の渦流探傷装置。
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