以下、図1から図7(図49)参照し、第1実施形態に係るフェンスの取付構造について説明する。
はじめに、本実施形態のフェンスは、例えば、敷地の外周などに設置し、敷地境界の明確化、敷地内の視認制限などを図るためのものであり、所定の間隔をあけて立設された複数の支柱1と、複数の支柱1に支持させてフェンス面を形成するように並設される複数のフェンス本体2とを備えて構成されている(図49参照)。
また、本実施形態では、図49に示すように、フェンス本体として縦筋2aと横筋2bを格子状に組み付けてなるメッシュフェンス2が用いられている。さらに、このメッシュフェンス2は、縦筋2aを円弧状に形成するなどして、その上部側が胴縁状に形成されている。
次に、本実施形態のフェンスの取付構造Aは、図1及び図2に示すように、支柱1にメッシュフェンス2を固定するための構造であり、所定の間隔をあけて立設される複数の支柱1と、各支柱1の一側面から反対側の他側面に貫通する挿通孔1aと、メッシュフェンス2の横筋2b(あるいは縦筋2a)に係止させつつ挿通孔1aに挿通し、支柱1の他側面から先端側を突出して配設される係止部材(係止部)10と、係止部材10の支柱1の他側面から突出した先端側に取り付けられて係止部材10が挿通孔1aから引き抜けることを防止するための保持部材(嵌合部)11とを備えて構成されている。
本実施形態の係止部材10は、図3、図4(図1、図2)に示すように、円弧状に形成され、後端側に設けられたフック部(係止部)10aと、フック部10aから直線状に延設された軸部10bとを備えて形成されている。
軸部10bは、例えば円柱棒状に形成され、その先端側に、軸部10bの軸線中心の径方向両側に対称配置され、外面から径方向内側に凹み、軸部10bを水平方向に配した状態で上下方向に延びて略半円状を呈するように形成された一対の溝部10cを備えて形成されている。
本実施形態の保持部材11は、図5、図6、図7(図1、図2)に示すように、横方向に突出する押圧部11aと、押圧部11aに上端を繋げ、下方に延出する本体部11bとを備えて、側面視逆L字状の略板状に形成されている。また、本体部11bは、幅方向中央に下端から上端側に凹む係合凹部(係合孔部)11cを備え、この係合凹部11cを挟んで幅方向両側に上端側から下端に延びる一対の保持片11dを備えて正面視略U字状に形成されている。
また、本実施形態では、係合凹部11cの上端部側の幅が係止部材10の軸部10bの外径よりも小さく、一対の溝部10cの間の幅と同等あるいは僅かに大きな寸法で形成され、この部分が保持部11eとされている。さらに、係合凹部11cの保持部11eよりも下方の部分に、係合凹部11cの保持部11e及び下端側よりも幅寸法を小にした引き抜け防止部(絞り部)11fが設けられている。
そして、本実施形態のフェンスの取付構造Aを用いてメッシュフェンス2を取り付ける際には、図1及び図2に示すように、まず、フック部10aをメッシュフェンス2の横筋2b(あるいは縦筋2a)に引っ掛け、軸部10bを支柱1の一側面側から挿通孔1aに挿通させて係止部材10を配設する。
次に、支柱1の他側面に突出した係止部材10の軸部10bの先端側の一対の溝部10cに一対の保持片11dを係合させて保持部材11を配設する。また、指などで押圧部11aを上方から下方に押圧し、軸部10bの一対の溝部10cに一対の保持片11dを押し込んでゆき、保持部11eに達するまで軸部10bを係合凹部11cに挿通させる。
そして、軸部10bが保持部11eに達した状態で、一対の保持片11dが一対の溝部10cに係合し、係止部材10の軸部10bが保持部材11によって保持され、支柱1の挿通孔1aから係止部材10の軸部10bが引き抜けることがない。これにより、フック部10aを引っ掛けて係止部材10で保持したメッシュフェンス2が係止部材10及び保持部材11によって支柱1に固定される。
したがって、本実施形態のフェンスの取付構造Aにおいては、メッシュフェンス2にフック部10aを引っ掛け、軸部10bを支柱1の挿通孔1aに挿通して係止部材10を配設し、この係止部材10の軸部10bに設けられた一対の溝部10cに一対の保持片11dを係合させつつ指などで押し込んで、保持部材11を係止部材10の軸部10bの先端側に取り付けることによって、メッシュフェンス2を支柱1に固定することができる。
よって、本実施形態のフェンスの取付構造Aによれば、メッシュフェンス2に係止させて支柱1の挿通孔1aに挿通配置した係止部材10に係合させて保持部材11を押し込むというワンタッチ操作(簡易な操作)によって、メッシュフェンス2と支柱1を容易に接続することが可能になる。すなわち、従来のように専用工具を用いずに、メッシュフェンス2と支柱1を容易に接続することが可能になる。
これにより、従来のフェンスの取付構造と比較し、取付作業の手間と労力を大幅に軽減してメッシュフェンス2を支柱1に接続固定することができ、ひいては大幅に施工コストを削減することが可能になる。
また、本実施形態のフェンスの取付構造Aにおいては、係合凹部11cの保持部11eよりも下方の部分に、係合凹部11cの保持部11e及び下端側よりも幅寸法を小にした引き抜け防止部(絞り部)11fを設けて保持部材11が形成されている。このため、保持部11eまで係止部材10の軸部10bを挿通すると、引き抜け防止部11fによって係止部材10の一対の溝部10cから保持部材11の一対の保持片11dが引き抜けることを防止できる。
これにより、作業者が保持部材11の押圧部11aを上方に押し上げる操作をしなければ、保持部材11が係止部材10から外れることがなく、係止部材10ひいてはメッシュフェンス2が支柱1に固着した状態を確実に維持することが可能になる。
以上、フェンスの取付構造の第1実施形態について説明したが、上記の第1実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、保持部材11が幅方向中央に下端から上端側に凹む係合凹部(係合孔部)11cを備え、この係合凹部11cを挟んで幅方向両側に上端側から下端に延びる一対の保持片11dを備えて略U字状に形成されているものとしたが、軸部10bの先端側を固定して保持することが可能であれば、保持部材11の構成を本実施形態のように限定する必要はない。
例えば図8から図10に示すように、本体部11bの略中央に、本体部11bの一面から他面に貫通して互いに連通する軸部挿通部11g及び保持部11eからなる係合孔部11cを形成し、略環状を呈するように保持部材11を形成してもよい。この場合においても、軸部挿通部11gに軸部10bを挿通し、保持部材11をスライド移動させて軸部10bを保持部11eに挿入すると、軸部10bの溝部10cに保持部材11を係合させて係止部材10の先端側を保持部材11で固定することができる。
また、図11、図12に示すように、保持部材11の係合凹部(係合孔部)11cに引き抜け防止部(絞り部)11fを設けるとともに、係止部材10の一対の溝部10cの内面10dを上方から下方に向かうに従い外側に傾斜するテーパー状に形成してもよい。この場合には、保持部材11の一対の保持片11dを係止部材10の一対の溝部10cに係合させ、保持部材11を押し込むと、引き抜け防止部11fが一対の溝部10cのテーパー状の内面10dに当接し、一対の保持片11dが外側に弾性変形する。そして、軸部10bが保持部11eに達すると、引き抜け防止部11fの一対の溝部10cのテーパー状の内面10dへの当接状態が解除され、弾性変形した一対の保持片11dが元に戻る。
これにより、引き抜け防止部11fによって、保持部11eに達した軸部10bの溝部10cから保持部材11の一対の保持片11dが本実施形態よりもさらに引き抜けにくくなる。よって、保持部材11が係止部材10から外れることがなく、係止部材10ひいてはメッシュフェンス2が支柱1に固着した状態をさらに確実に維持することが可能になる。
また、図13、図14、図15に示すように、保持部材11(図では一対の保持片11dの先端部)の支柱1の側面と対向する内面(一面)側に内面から突出する凸部11h(あるいは凹部)を設け、さらに支柱1に凹部1b(あるいは凸部)を設け、これら凸部11hと凹部1bで引き抜け防止部を構成するようにしてもよい。すなわち、保持部材11を係止部材10の先端側の溝部10cに係合させ、軸部10bが保持部11eに配されるとともに保持部材11の凸部11hが支柱1の凹部1bに係合するように構成してもよい。
この場合には、凸部11hと凹部1bが係合することによって、絞り部11fと同様に、保持部材11の引き抜けを防止することができる。
さらに、図16、図17に示すように、係止部材10の軸部10bの先端側に設けられる溝部10cを上方から下方に向かうに従い軸部10bの軸線O1方向後端側に傾斜するように形成してもよい。この場合には、保持部材11を上方から溝部10cに係合させて保持部11eで軸部10bを保持するように下方にスライド移動させるとともに係止部材10に対して軸線O1方向先端側の外側に引っ張る力(メッシュフェンス2を支柱1側に引き寄せる方向の力)Fを作用させることができる。これにより、メッシュフェンス2を保持した係止部材10がガタつくようなことがなく、より強固にメッシュフェンス2を固定して保持することが可能になる。
また、図18から図20(や図13から図15)に示すように、保持部材11(図では一対の保持片11dの先端部)の支柱1の側面と対向する内面(一面)側に内面から突出する凸部11h(あるいは凹部)を設け、軸部10bを保持部11eに挿通した状態で、凸部11hが支柱1の側面に当接し、保持部材11(本体部11b)を面外方向に弾性変形させる力が生じるようにしてもよい。
この場合においても、凸部11hが支柱1の側面に当接して保持部材11を面外方向に弾性変形させる力が作用することで、係止部材10に対して軸線O1方向先端側の外側に引っ張る力Fを作用させることができる。これにより、メッシュフェンス2を保持した係止部材10がガタつくようなことがなく、より強固にメッシュフェンス2を固定して保持することが可能になる。
また、本実施形態では、係止部材10の軸部10bの先端側に設けられた溝部10cに一対の保持片11dを係合させて保持部材11を係止部材10の先端側に取り付け、メッシュフェンス2を支柱1に固定するものとした。
これに対し、係止部材10の先端側に孔(貫通孔)を設け、この孔に保持部材11を挿入嵌合させて取り付け、メッシュフェンス2を支柱1に固定するようにしてもよい。そして、この場合においても、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施形態では、本発明に係る係止部が係止部材10、本発明に係る嵌合部が保持部材11であるものとして説明を行った。
これに対し、本発明に係る係止部と嵌合部は一体化されていてもよい。
次に、図1、図2、図21から図23(図49)を参照し、第2実施形態に係るフェンスの取付構造について説明する。
ここで、本実施形態は、第1実施形態と同様、支柱1にメッシュフェンス2を固定するためのフェンスの取付構造に関するものである。
そして、本実施形態のフェンスの取付構造Bは、第1実施形態と同様に、支柱1の一側面からこの一側面と反対の他側面に貫通する挿通孔1aと、メッシュフェンス2の横筋2b(あるいは縦筋2a)に後端側を係止させつつ挿通孔1aに挿通し、支柱1の他側面から先端側を突出して配設される係止部材12と、係止部材12の支柱1の他側面から突出した先端側に取り付けられて係止部材12が挿通孔1aから引き抜けることを防止するための保持部材11とを備えて構成されている。
よって、本実施形態では、第1実施形態と同様の構成に対して同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
一方、本実施形態のフェンスの取付構造Bでは、第1実施形態と異なり、図1、図2、図21に示すように、係止部材12が円弧状のフック部(係止部)12aとフック部12aの両端から平行に延設された一対の軸部12bを備えて略U字状に形成されている。
また、図21、図22に示すように、各軸部12bには、その先端側に、軸部12bの軸線中心の径方向両側の対称位置にそれぞれ設けられ、外面から径方向内側に凹み、軸部12bを水平方向に配した状態で上下方向に延びて略半円状を呈するように形成された一対の溝部12cを備えて形成されている。さらに、一方の軸部12bの溝部12cと他方の軸部12bの溝部12cは上下方向に延びる同一直線上に形成されている。
図1、図2、図23に示すように、保持部材11は、第1実施形態と同様、側面視逆L字状の略板状に形成されるとともに、幅方向中央に下端から上端側に凹む係合凹部(係合孔部)11cを備え、この係合凹部11cを挟んで幅方向両側に上端側から下端に延びる一対の保持片11dを備えて形成されている。また、係合凹部11cは、保持部11e、引き抜け防止部(絞り部)11fを備えて形成されている。
そして、上記構成からなる本実施形態のフェンスの取付構造Bを用いてメッシュフェンス2を取り付ける際には、一対の軸部12bの間にメッシュフェンス2の横筋2b(あるいは縦筋2a)を通して円弧状のフック部12aに引っ掛け、一対の軸部12bを支柱1に形成された一対の挿通孔1aにそれぞれ挿通させて係止部材12を配設する。
次に、支柱1の他側面に突出した係止部材12の各軸部12bの先端側の一対の溝部12cに一対の保持片11dを係合させて保持部材11を配設する。また、指などで押圧部11aを上方から下方に押圧し、一対の軸部12bの溝部12cに一対の保持片11dを押し込んでゆき、上方の軸部12bが保持部11eに達するまで各軸部12bを係合凹部11cに挿通させる。
そして、上方の軸部12bが保持部11eに達した状態で、一対の保持片11dが各軸部12bの溝部12cに係合し、係止部材12の一対の軸部12bが保持部材11によって保持される。このため、支柱1の挿通孔1aから係止部材12の両軸部12bが引き抜けることがない。これにより、フック部12aを引っ掛けて係止部材12で保持したメッシュフェンス2が係止部材12及び保持部材11によって支柱1に固定される。
したがって、本実施形態のフェンスの取付構造Bにおいては、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、メッシュフェンス2にフック部12aを引っ掛け、軸部12bを支柱1の挿通孔1aに挿通して係止部材12を配設し、この係止部材12の軸部12bに設けられた一対の溝部12cに一対の保持片11dを係合させつつ指などで押し込んで、保持部材11を係止部材12の軸部12bの先端側に取り付けることによって、メッシュフェンス2を支柱1に固定することができる。
よって、本実施形態のフェンスの取付構造Bにおいても、従来のように専用工具を用いずに、メッシュフェンス2に係止させて支柱1の挿通孔1aに挿通配置した係止部材12に係合させて保持部材11を押し込むというワンタッチ操作によって、メッシュフェンス2と支柱1を容易に接続することができる。
これにより、従来のフェンスの取付構造と比較し、取付作業の手間と労力を大幅に軽減してメッシュフェンス2を支柱1に接続固定することができ、ひいては大幅に施工コストを削減することが可能になる。
また、本実施形態のフェンスの取付構造Bにおいては、係止部材12が円弧状のフック部(係止部)12aとフック部12aの両端から平行に延設された一対の軸部12bを備えて略U字状に形成され、1つの保持部材11で2つの軸部12bを保持するように構成されている。
このため、第1実施形態と比較し、より強固に係止部材12ひいてはメッシュフェンス2を支柱1に固定することができる。すなわち、係止部材12と保持部材11によるメッシュフェンス2を固定する強度を第1実施形態よりも大きくすることができる。よって、第1実施形態よりも係止部材12及び保持部材11の設置数を減らし、コスト削減を図ることも可能になる。
以上、フェンスの取付構造の第2実施形態について説明したが、上記の第2実施形態に限定されるものではなく、第1実施形態の記載内容、変更例を含め、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態のように、係止部材12を、円弧状のフック部(係止部)12aとフック部12aの両端から平行に延設された一対の軸部12bを備えて略U字状に形成する場合には、図24、図25に示すように、係止部材12の各軸部12bの先端側に、軸線O1に交差する方向で、且つ一対の軸部12bの並設方向(上下方向)外側に突出し、先端から後端側に向かうに従い漸次並設方向外側に傾斜する傾斜面12dを備えた係合凸部12eを設けて構成するようにしてもよい。
この場合には、支柱1の一対の挿通孔1aに係止部材12の一対の軸部12bを挿入すると、各軸部12bの係合凸部12eの傾斜面12dが挿通孔1aの外周端に当接し、一対の軸部12bがそれぞれ並設方向内側に弾性変形する。そして、この状態で挿通孔1aにさらに挿入し係合凸部12eが挿通孔1aから支柱1の外側に出ると、係合凸部12eの傾斜面12dと挿通孔1aの外周端の当接状態が解除され、弾性変形した一対の軸部12bが元に戻る。
これにより、支柱1の側面に係合凸部12eが係合し、自動的に係止部材12の先端側が支柱1に固定して保持され、第1実施形態、第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、係止部材12の一対の軸部12bを並設方向内側に弾性変形させつつ係合凸部12eを挿通孔1a内に挿入し、引き抜くことによって係止部材12を取り外すことができる。
次に、図26から図33(図49)を参照し、本発明の第3実施形態に係るフェンスの取付構造について説明する。
ここで、本実施形態は、第1実施形態、第2実施形態のように支柱1にメッシュフェンス2を固定するのではなく、隣り合うメッシュフェンス2c、2d同士を接続して固定するためのフェンスの取付構造に関するものである。
そして、本実施形態のフェンスの取付構造Cは、図26から図28に示すように、例えば金属製や樹脂製の係合受け具13と係合保持具14を用いて隣り合うメッシュフェンス2c、2d同士を接続固定するように構成されている。
具体的に、本実施形態の係合受け具13は、図26から図30に示すように、略方形平板状に形成され、板面の一面をメッシュフェンス2の一面に面接触させるようにして配設される。また、この係合受け具13は、高さ方向略中央を間に、上方と下方にそれぞれ一面から他面に貫通する2つの係合受け孔13aを備えて形成されている。
一方、係合保持具14は、例えば矩形状の平板を折り曲げ加工して形成したものであり、図26から図28、図31から図33に示すように、押え部14aと、押え部14aの両端部からそれぞれ平行に延設された一対の側部14bと、各側部14bの先端側に設けられた係止片14cとを備えて略コ字状に形成されている。
また、各係止片14cは、係合保持具14の幅方向外側に突出し、側部14bの先端から基端側に向かうに従い漸次幅方向外側に傾斜する傾斜面14dを備えて形成されている。
さらに、本実施形態の係合保持具14においては、上下方向の高さ方向略中央に、幅方向両側の係止片14cから側部14bまで凹む横筋挿通凹部14eが形成されており、これにより、上方の幅方向両側に2つの係止片14c及び側部14b、下方の幅方向両側に2つの係止片14c及び側部14bが設けられ、計4つの係止片14cが設けられている。
そして、上記の係合受け具13と係合保持具14を用いて隣り合うメッシュフェンス2c、2d同士を接続固定する際には、係合受け具13を一方のメッシュフェンス2cの一側端部2eの縦筋2a及び他方のメッシュフェンス2dの一側端部2eの縦筋2aが幅方向略中央で重なるように、且つ上下の係合受け孔13aの間に一方のメッシュフェンス2cの一側端部2eの横筋2b及び他方のメッシュフェンス2dの一側端部2eの横筋2bが配されて重なるようにして、両メッシュフェンス2c、2dの背面側(あるいは前面側)に配設する。すなわち、縦筋2aと横筋2bの交差部に重なるようにして、両メッシュフェンス2c、2dの背面側に係合受け具13を配設する。
次に、係合受け具13と両メッシュフェンス2c、2dの一側端部2e(縦筋2aと横筋2bの交差部)を挟んで対向するように、両メッシュフェンス2c、2dの前面側(あるいは背面側)に係合保持具14を配設する。そして、係合受け具13の上方と下方の係合受け孔13aにそれぞれ、上方と下方の係止片14c及び側部14bを挿入するように、係合保持具14を一方のメッシュフェンス2c及び他方のメッシュフェンス2dの前面側から押し込む。
このとき、各係止片14cが傾斜面14dを備えて形成され、この傾斜面14dが係合受け孔13aの外周端に当接することで側部14bが弾性変形する。また、係止片14cが係合受け孔13aを通過するとともに側部14bが元に戻る。これにより、4つの係止片14cがそれぞれ係合受け具13に係合し、係合保持具14が係合受け具13に一体に接続される。
そして、係合保持具14を係合受け具13に接続するとともに、一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dの一側端部2eの横筋2bが係合保持具14の幅方向両側の横筋挿通凹部14eに挿通して保持される。さらに、係合保持具14を係合受け具13に接続するとともに、一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dの一側端部2eの横筋2b及び縦筋2aが、係合保持具14の押え部14a及び側部14bと係合受け具13によって囲繞されて拘束され、且つ係合保持具14の押え部14a及び側部14bと係合受け具13に挟み込まれて保持される。
これにより、係合保持具14と係合受け具13を用いることで、一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dの一側端部2e同士が一体に接続して固定される。
したがって、本実施形態のフェンスの取付構造Cにおいては、係合受け孔13aが貫通形成された係合受け具13と、押え部14a、側部14b及び係止片14cを備えた係合保持具14とを一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dの一側端部2eを挟んで対向配置し、係止片14cを係合受け孔13aに差し込んで係合させることにより、係合保持具14を係合受け具13に一体に接続することができる。
そして、係合保持具14と係合受け具13の間に一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dの一側端部2eの縦筋2aや横筋2bが挟み込まれて保持されることで、一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dの一側端部2e同士を一体に接続して固定することができる。
よって、本実施形態のフェンスの取付構造Cにおいては、従来のように専用工具を用いずに、一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dの一側端部2eを挟んで対向配置した係合受け具13の係合受け孔13aに係合保持具14の係止片14cを差し込む(係合受け具13に係合保持具14を押し込む)というワンタッチ操作によって、隣り合うメッシュフェンス2c、2dを容易に接続することができる。
また、係合受け具13の係合受け孔13aに係合保持具14の係止片14cを差し込むというワンタッチ操作はメッシュフェンス2c、2dの前面側と背面側のいずれか一方の側からだけで行うことができる。このため、メッシュフェンス2の前面側から背面側に、背面側から前面側に移動することなく、隣り合うメッシュフェンス2c、2dを接続することが可能になる。
これにより、従来のフェンスの取付構造と比較し、取付作業の手間と労力を大幅に軽減して隣り合うメッシュフェンス2c、2d同士を接続固定することができ、ひいては大幅に施工コストを削減することが可能になる。
また、本実施形態のフェンスの取付構造Cにおいては、係合受け具13に上下2つの係合受け孔13aを設け、係合保持具14に上下左右4つの係止片14cを設けることにより、これら係合受け具13と係合保持具14によって一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dの縦筋2aと横筋2bが交差する交差部で両メッシュフェンス2c、2dを接続することができる。これにより、1組の係合受け具13と係合保持具14によって強固で効果的に隣り合うメッシュフェンス2c、2dを接続固定することが可能になる。
以上、本発明に係るフェンスの取付構造の第3実施形態について説明したが、本発明は上記の第3実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、上下2つの係合受け孔13aを備えた係合受け具13と、上下に係止片14cをそれぞれ備えた係合保持具14を用い、一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dの縦筋2aと横筋2bが交差する交差部で両メッシュフェンス2c、2dを接続するものとして説明を行った。
これに対し、図34から図39に示すように、1つの係合受け孔13aを備えた係合受け具13と、押え部14a、左右2つの係止片14c及び側部14bを備えた係合保持具14を用い、一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dの隣接する一対の縦筋2aを保持して一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dを接続固定するようにしてもよい。この場合においても、ほぼ本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
また、例えば図34から図37に示すように、係合受け具13に一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dの横筋2bに引っ掛けて係止する係止部(フック部)13bを設け、より強固にメッシュフェンス2c、2d同士を接続できるようにしてもよい。そして、このように係止部13bを備えて横筋2bに係止させることによって、接続強度(接続耐力)を大幅に高めることが可能になる。
なお、図34、図35では、係合受け具13の上方に係止部13bを設け、上方の横筋2bを係止するように図示したが、上下逆にして、係合受け具13の下方に係止部13bを設け、下方の横筋2bを係止するようにしても勿論構わない。
さらに、図40から図45に示すように、係合保持具14の係止片14cをそれぞれ個別に挿入して係止させるように係合受け具13の係合受け孔13aが形成されていてもよい。この場合には、係合受け具13の係合受け孔13aの間に上下に延びる板部が残るため、この板部と係合保持具14の押え部14aによって隣り合うメッシュフェンス2c、2dの両縦筋2aを挟み込んで保持することができる。これにより、本実施形態よりもさらに強固にメッシュフェンス2c、2d同士を接続して固定することが可能になる。
次に、図46から図48(図49)を参照し、本発明の第4実施形態に係るフェンスの取付構造について説明する。
本実施形態は、第3実施形態と同様、隣り合うメッシュフェンス2c、2d同士を接続して固定するためのフェンスの取付構造に関するものである。
本実施形態のフェンスの取付構造Dは、図46から図48に示すように、例えば金属製や樹脂製の横筋係止具15と縦筋係止具16を用いて隣り合うメッシュフェンス2c、2d同士を接続固定するように構成されている。
横筋係止具15は、横筋2bに引っ掛けて係止するフック部(係止部)15aと、フック部15aに繋がって延設され、縦筋係止具16を着脱可能に接続するための接続部15bとを備えている。また、フック部15aは断面円弧状に形成され、接続部15bは凹部15cを備えて形成されている。
縦筋係止具16は、平板状の押え部16aと、押え部16aの両側部に繋がり、平行に延設された一対の側部16bとからなる縦筋嵌合部16cを備えるとともに、横筋係止具15の接続部15bが嵌合し、接続部15bの凹部15cに係合する凸部16dを有する接続受け部16eを備えて形成されている。
そして、本実施形態のフェンスの取付構造Dにおいては、図46に示すように、接続受け部16eに接続部15bを嵌合させ、凹部15cと凸部16dを係合させて横筋係止具15と縦筋係止具16を着脱可能に接続するとともに、横筋係止具15のフック部15aを一方のメッシュフェンス2cの一側端部2eの横筋2bと他方のメッシュフェンス2dの一側端部2eの横筋2bに引っ掛けて係止する。
次に、図46、図47、図48に示すように、一体に接続した横筋係止具15と縦筋係止具16をフック部15aに横筋2bを係止させつつ回動し、縦筋係止具16の押え部16aと一対の側部16bの内側、すなわち縦筋嵌合部16cの内側に、一方のメッシュフェンス2cの一側端部2eの縦筋2aと他方のメッシュフェンス2dの一側端部2eの縦筋2aを挿入して嵌合させる。
これにより、横筋係止具15と縦筋係止具16を用いることで、一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dの一側端部2e同士が一体に接続して固定される。
したがって、本実施形態のフェンスの取付構造Dにおいては、接続部15bに接続受け部16eを着脱可能に嵌合させ、横筋係止具15と縦筋係止具16を接続し、横筋係止具15のフック部15aを横筋2bに引っ掛けて係止させつつ回動し、縦筋係止具16の押え部16a、一対の側部16bの間に縦筋2aを嵌合させることによって、一方のメッシュフェンス2cと他方のメッシュフェンス2dの一側端部2e同士を一体に接続して固定することができる。
よって、本実施形態のフェンスの取付構造Dにおいては、従来のように専用工具を用いずに、横筋係止具15と縦筋係止具16を接続し、横筋係止具15のフック部15aを横筋2bに引っ掛けて係止させつつ回動するという簡便な操作によって、隣り合うメッシュフェンス2c、2dを容易に接続することができる。
また、横筋係止具15と縦筋係止具16を接続し、横筋係止具15のフック部15aを横筋2bに引っ掛けて係止させつつ回動するというワンタッチ操作はメッシュフェンス2c、2dの前面側と背面側のいずれか一方の側からだけで行うことができる。このため、メッシュフェンス2c、2dの前面側から背面側に、背面側から前面側に移動することなく、隣り合うメッシュフェンス2c、2dを接続することが可能になる。
これにより、従来のフェンスの取付構造と比較し、取付作業の手間と労力を大幅に軽減して隣り合うメッシュフェンス2c、2d同士を接続固定することができ、ひいては大幅に施工コストを削減することが可能になる。
以上、本発明に係るフェンスの取付構造の第4実施形態について説明したが、本発明は上記の第4実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。