JP6631813B2 - GaN単結晶成長方法及びGaN単結晶成長装置 - Google Patents

GaN単結晶成長方法及びGaN単結晶成長装置 Download PDF

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Description

本発明は、GaN基板上にGaN単結晶を成長させるGaN単結晶成長方法と、このGaN単結晶成長方法を実施するGaN単結晶成長装置とに関する。
III 族元素窒化物の半導体は、例えば、ヘテロ接合高速電子デバイスや光電子デバイス(半導体レーザー、発光ダイオード、センサ等)の分野に使用されており、特に、窒化ガリウム(GaN)が注目されている。従来では、GaNの単結晶を得るために、Gaと窒素ガスとを直接反応させることが行われていた(J.Phys.Chem.Solids,1995 、56、639 参照) 。しかし、この場合、1300℃〜1600℃、8000atm〜17000atmという超高温超高圧を必要とする。
この問題を解決するために、ナトリウム(Na)フラックス中でGaN単結晶を成長させる技術が開発された(例えば、米国特許公報5868837号参照)。
かかる方法によれば、加熱温度は600℃〜800℃、圧力も50atm程度まで下げることができる。
この方法では、高温高圧下のGa−Na融液にGaN基板を浸漬し、Ga−Na融液中でGaN単結晶を成長させるものである。
米国特許公報5868837号
しかしながら、この方法ではGaN単結晶の表面に激しい凹凸が形成され、その結果、GaN単結晶中にインクルージョンと称されるGa−Na融液の塊が形成されてしまうという問題があった。インクルージョンが形成されると、デバイス製作中にインクルージョンが膨張し基板の破損を引き起こす他、デバイス中にインクルージョンの成分が取り込まれてしまい、デバイス性能の著しい低下を引き起こすという問題が生じるのである。
また、Ga−Na融液にGaN基板を浸漬すると、Ga−Na融液の表面からGaN基板までの距離が大きく、Ga−Na融液内に窒素が溶解するまでに時間がかかることになる。このため、GaN単結晶の成長速度が遅くなるという問題が生じる。
さらに、GaN基板以外の多くの場所でGaN多結晶が発生してしまうという問題もある。
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたもので、インクールジョンが形成されることなく、かつGaN単結晶の成長速度を向上させることができるGaN単結晶成長方法、Ga−Na融液及びGaN単結晶成長装置を提供することを目的としている。
本発明に係るGaN単結晶成長方法は、GaN基板上にGaN単結晶を成長させるGaN単結晶成長方法において、GaN基板をGaが溶解されたGa−Na融液に回転させることなく浸漬し、引き上げることでGaN基板の表面にGa−Na融液を付着させる工程と、前記Ga−Na融液が表面に付着したGaN基板を窒素雰囲気下で加熱することでGaN基板の表面にGaN単結晶を成長させる工程とを備えており、前記Ga−Na融液には2族元素としてCaにまたはSrが0.05〜2.0mol%の比率(Naと2族元素との合計量に対する2族元素の比率)で混合されている。
また、前記付着させる工程は、前記GaN基板を前記Ga−Na融液に対して水平を保ったまま浸漬し、水平を保ったまま引き上げるものである。
さらに、前記付着させる工程および前記成長させる工程を繰り返す工程をさらに包含するものであってもよい。
また、前記2族元素はCa又はSrが適している。
前記Ga−Na融液は、2族元素が0.1〜1.0mol%の比率で混合されている。なお、前記2族元素の比率とは、Naと2族元素との合計量に対する2族元素の比率を示している。
本発明に係るGaN単結晶成長装置は、Ga−Na融液を貯留するるつぼと、このるつぼを格納する圧力容器と、前記るつぼを加熱するヒーターと、前記圧力容器に窒素ガスを供給するガス供給部と、前記るつぼに貯留されたGa−Na融液にGaN基板を出し入れする基板浸漬部とを備えており、前記Ga−Na融液には、2族元素が混合されている。
特に、前記るつぼは、イットリア製であるとよい。
本発明に係るGaN単結晶成長方法は、GaN基板上にGaN単結晶を成長させるGaN単結晶成長方法において、GaN基板をGaが溶解されたGa−Na融液に回転させることなく浸漬し、引き上げることでGaN基板の表面にGa−Na融液を付着させる工程と、前記Ga−Na融液が表面に付着したGaN基板を窒素雰囲気下で加熱することでGaN基板の表面にGaN単結晶を成長させる工程とを備えており、前記Ga−Na融液には2族元素としてCaにまたはSrが0.05〜2.0mol%の比率(Naと2族元素との合計量に対する2族元素の比率)で混合されている。
このため、GaN基板の表面にはGa−Na融液が残り、窒素ガス雰囲気下でGaN単結晶が形成されることになるので、従来の液相中よりもインクルージョンが形成されることなく、かつ成長速度を向上させることができる。
本発明に係るGaN単結晶成長装置は、Ga−Na融液を貯留するるつぼと、このるつぼを格納する圧力容器と、前記るつぼを加熱するヒーターと、前記圧力容器に窒素ガスを供給するガス供給部と、前記るつぼに貯留されたGa−Na融液にGaN基板を回転させることなく出し入れする基板浸漬部とを備えており、前記基板浸漬部は、前記GaN基板を前記Ga−Na融液に対して水平を保ったまま浸漬し、水平を保ったまま引き上げるように構成されているので、従来の液相中よりもインクルージョンが形成されることなく、かつ成長速度を向上させることができる。
前記るつぼは、腐食性ガスやプラズマに対する耐食性に優れ、かつ化学的に安定しているイットリア製であるので、Ga−Na融液にるつぼ由来の不純物が混入することはなく、安定的にGaN単結晶を形成することができる。
本発明の実施の形態に係るGaN単結晶成長装置の概略的説明図である。 Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるLiを0.1mol%混合してなるGa−Na融液を使用してGaN単結晶を成長させようとしたGaN基板の表面の電子顕微鏡写真である。 Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるLiを0.5mol%混合してなるGa−Na融液を使用してGaN単結晶を成長させようとしたGaN基板の表面の電子顕微鏡写真である。 Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるCaを0.05mol%混合してなるGa−Na融液を使用してGaN単結晶を成長させようとしたGaN基板の表面の電子顕微鏡写真である。 Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるCaを0.2mol%混合してなるGa−Na融液を使用してGaN基板の表面に形成されたGaN単結晶の電子顕微鏡写真である。 Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるSrを0.1mol%混合してなるGa−Na融液を使用してGaN基板の表面に形成されたGaN単結晶の電子顕微鏡写真である。 Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるSrを0.5mol%混合してなるGa−Na融液を使用してGaN基板の表面に形成されたGaN単結晶の電子顕微鏡写真である。 Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるSrを1.0mol%混合してなるGa−Na融液を使用してGaN基板の表面に形成されたGaN単結晶の電子顕微鏡写真である。 Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるBaを0.1mol%混合してなるGa−Na融液を使用してGaN基板の表面に形成されたGaN単結晶の電子顕微鏡写真である。 Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるBaを0.5mol%混合してなるGa−Na融液を使用してGaN基板の表面に形成されたGaN単結晶の電子顕微鏡写真である。 Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるMgを0.1mol%混合してなるGa−Na融液を使用してGaN基板の表面に形成されたGaN単結晶の電子顕微鏡写真である。 Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるMgを0.5mol%混合してなるGa−Na融液を使用してGaN基板の表面に形成されたGaN単結晶の電子顕微鏡写真である。 Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるSrを1.0mol%混合してなるGa−Na融液を使用して、5回にわたって繰り返してGa−Na融液に浸漬したGaN基板の表面に形成されたGaN単結晶の電子顕微鏡写真である。
本発明の実施の形態に係るGaN単結晶成長装置1000は、Ga−Na融液を貯留するるつぼ100と、このるつぼ100を格納する圧力容器200と、前記るつぼ100を加熱するヒーター300と、前記圧力容器200に窒素ガスを供給するガス供給部400と、前記るつぼ100に貯留されたGa−Na融液にGaN基板Aを出し入れする基板浸漬部である昇降装置600とを備えており、前記Ga−Na融液には、2族元素が混合されている。
前記るつぼ100、圧力容器200及びヒーター300は、耐熱耐圧容器500に格納されている。この耐熱耐圧容器500の上方には、GaN基板AをGa−Na融液に出し入れするための昇降装置600が設けられている。
昇降装置600と圧力容器200との間には、耐熱耐圧容器500を貫通した耐圧チューブ700が設けられており、この耐圧チューブ700の内側には昇降装置600によって上下動させられるステンレス製の上下動シャフト710が格納されている。なお、上下動シャフト710の下端には、GaN基板Aを保持する基板保持部720が設けられている。
一方、ヒーター300は,圧力容器200を取り囲むように耐熱耐圧容器500内に配置されている。
前記昇降装置600は、上下動シャフト710を上下動させるものである。
上下動シャフト710を上下動させることでその先端の基板保持部720に保持されたGaN基板が圧力容器200の内部で上下動するようになっている。
また、前記耐圧チューブ700には、前記ガス供給部400が接続されている。このガス供給部400は、窒素ガスボンベ410と、減圧弁420及び手動弁430とを有しており、窒素ガスを耐圧チューブ700、ひいては圧力容器200内に供給するようになっている。
なお、前記るつぼ100には、腐食性ガスやプラズマに対する耐食性に優れ、かつ化学的に安定しているイットリア(Y2 3)製のものを使用する。このるつぼ100は、実験前に10分間のアセトン超音波洗浄を施した後、300℃で24時間加熱しておく。
このように構成されたGaN単結晶成長装置1000を用いてGaN基板AにGaN単結晶を成長させる手順について説明する。
まず、るつぼ100にGa−Na融液になるGa及びNaと2族元素とをセットするとともに、GaN基板Aを基板保持部720に保持させる。この作業は、昇温中に各原料元素が溶解してフラックス化する際の影響を避けるために、GaN単結晶成長装置1000全体をアルゴンガスが充填されたグローブボックス内に格納した状態で行う。
前記作業が完了した時点でGaN単結晶成長装置1000全体をグローブボックスから取り出し、圧力容器200、耐熱耐圧容器500、耐圧チューブ700を真空引きした後、ガス供給部400から窒素ガスを供給して圧力容器200、耐熱耐圧容器500、耐圧チューブ700内を窒素ガスで充填し、圧力容器200内の圧力を3.0MPaとする。
その後、ヒーター300を作動させて圧力容器200内の温度を830℃にまで昇温させる。圧力容器200内部が830℃にまで昇温したならば、るつぼ100内のGa−Na融液が均一になるために、15分程度830℃を維持する。
15分が経過したならば、昇降装置600を作動させて、GaN基板AをGa−Na融液に浸漬させ、すぐに引き上げる。Ga−Na融液から引き上げられたGaN基板Aを一定時間(育成時間)静止させた後、ヒーター300の動作を停止し、十分に冷却された後に圧力容器200等から窒素ガスを排気してGaN基板Aを取り出す。
なお、今回の実験においてGaN基板Aとしては、POWDEC社製の直径4インチのGaNウエハを一辺10mmの長方形状に切り出したものを使用した。
また、GaN基板AをGa−Na融液に浸漬する際、GaN基板Aは回転されることなく出し入れされる。すなわち、GaN基板は、Ga−Na融液に対して水平を保ったまま浸漬され、水平を保ったまま引き上げられるようになっている。
GaN基板AをGa−Na融液に浸漬して引き上げると、GaN基板Aの表面にGa−Na融液が付着して膜を形成する。この膜は薄いため、窒素ガス雰囲気下でGa−Na融液内に窒素が溶解するまでの時間が短くなる。このため、GaN基板Aの表面でのGaN単結晶の成長速度が速くなることになる。
なお、GaN基板Aは、Ga−Na融液に対して水平を保ったままで浸漬され、水平を保ったままの状態で引き上げられるようになっている。GaN基板Aが斜めになっていると、表面からGa−Na融液が滑り落ち、表面に膜を形成しないことがあるためである。
なお、このようにGaN基板AをGa−Na融液に浸漬し、さらに引き上げて気相中でGaN単結晶を成長させる方法をディッピング法と称する。
次に、各種条件で実験した結果を示す。
実験1)
Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるLiを0.1mol%混合してなるGa−Na融液を使用した。なお、育成時間を1時間とした。
実験2)
Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるLiを0.5mol%混合してなるGa−Na融液を使用した。なお、育成時間を1時間とした。
実験1の電子顕微鏡写真である図2からも判るように、2族元素としてLiを混合したGa−Na融液を使用しても、GaN基板Aの表面にはGaN単結晶はほとんど形成されない。
また、実験2の電子顕微鏡写真である図3からも判るように、2族元素としてLiを混合したGa−Na融液を使用すると、GaN基板Aの表面にごくわずかに部分的にGaN単結晶が形成されている。しかし、形成されたGaN単結晶の結晶モフォロジー(結晶形態)はあまりよくないことが判る。
すなわち、2族元素としてLiを混合したGa−Na融液は、GaN基板Aの表面にがそれほど付着しなかった、すなわち濡れ性がそれほど良くなかったと考えられる。
なお、Liの混合量が0.2〜0.4mol%での実験は行わなかったが、Liの混合量が0.1mol%の場合もLiの混合量が0.5mol%の場合も良いとはいえないので、同様であると考察される。
実験3)
Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるCaを0.05mol%混合してなるGa−Na融液を使用した。なお、育成時間を1時間とした。
2.38gのNaは0.1035mol、0.002gのCaは0.00005molであるので、2族元素の比率は、Naと2族元素であるCaとの合計に対する2族元素の比率となる。すなわち、{0.00005/(0.00005+0.1035)}×100=0.05mol%となる。
実験4)
Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるCaを0.2mol%混合してなるGa−Na融液を使用した。なお、育成時間を1時間とした。
2.42gのNaは0.1052mol、0.008gのCaは0.0002molであるので、2族元素の比率は、Naと2族元素であるCaとの合計量に対する2族元素の比率となる。{0.0002/(0.0002+0.1052)}×100=0.2mol%となる。
実験3の電子顕微鏡写真である図4からも判るように、2族元素としてCaを混合したGa−Na融液を使用すると、ごく僅か一部でGaN単結晶が成長していることが判る。 また、実験4の電子顕微鏡写真である図5もからも判るように、2族元素としてCaを混合したGa−Na融液を使用すると、GaN基板Aの全面でGaN単結晶は成長していることが判る。
すなわち、2族元素としてCaを混合したGa−Na融液は濡れ性が良好であったと考えられる。
しかしながら、他に行った実験でば再現性が得られなかったという結果から、2族元素としてCaを混合したGa−Na融液を使用した場合、るつぼ100からの不純物の影響を大きく受けていると考えられる。
ただし、図4からも判るように、GaN単結晶の結晶モフォロジー(結晶形態)はよくない。
また、図5からも判るように、GaN基板Aの全面でGaN単結晶は成長しているが、GaN基板Aとの密着性がはあまりよくないことが判る。
実験5)
Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるSrを0.1mol%混合してなるGa−Na融液を使用した。なお、育成時間を1時間とした。
2.43gのNaは0.1057mol、0.009gのSrは0.0001molであるので、2族元素の比率は、Naと2族元素であるSrとの合計量に対する2族元素の比率となる。{0.0001/(0.0001+0.1057)}×100=0.1mol%となる。
実験6)
Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるSrを0.5mol%混合してなるGa−Na融液を使用した。なお、育成時間を1時間とした。
2.38gのNaは0.1035mol、0.046gのSrは0.0005molであるので、2族元素の比率は、Naと2族元素であるSrとの合計量に対する2族元素の比率となる。{0.0005/(0.0005+0.1035)}×100=0.5mol%となる。
実験7)
Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるSrを1.0mol%混合してなるGa−Na融液を使用した。なお、育成時間を1時間とした。
2.32gのNaは0.1009mol、0.093gのSrは0.0011molであるので、2族元素の比率は、Naと2族元素であるSrとの合計量に対する2族元素の比率となる。{0.0011/(0.0011+0.1009)}×100=1.0mol%となる。
実験5の顕微鏡写真である図6、実験6の顕微鏡写真である図7及び実験7の顕微鏡写真である図8から判るように、2族元素としてSrを混合したGa−Na融液を使用すると、GaN基板Aの表面に結晶モフォロジー(結晶形態)が良好なGaN単結晶を得ることができた。すなわち、GaN基板Aの表面にGa−Na融液が適量付着した、すなわち2族元素としてSrを混合したGa−Na融液の濡れ性が良好であったと考えられる。
実験8)
Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるBaを0.1mol%混合してなるGa−Na融液を使用した。なお、育成時間を1時間とした。
2.46gのNaは0.107mol、0.015gのBaは0.0001molであるので、2族元素の比率は、Naと2族元素であるBaとの合計量に対する2族元素の比率となる。{0.0001/(0.0001+0.107)}×100=0.1mol%となる。
実験9)
Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるBaを0.5mol%混合してなるGa−Na融液を使用した。なお、育成時間を1時間とした。
2.32gのNaは0.1009mol、0.072gのBaは0.0005molであるので、2族元素の比率は、Naと2族元素であるBaとの合計量に対する2族元素の比率となる。{0.0005/(0.0005+0.1009)}×100=0.5mol%となる。
また、実験8の電子顕微鏡写真である図9及び実験9電子顕微鏡写真である図10からも判るように、GaN基板Aの表面にGaN単結晶はある程度成長した。すなわち、2族元素としてBaを混合したGa−Na融液は、GaN基板Aの表面にある程度は付着したが、それほど濡れ性が良くはないと考えられる。
しかも、Baを混合したことによってGaN基板Aの表面に形成されたGaN単結晶は、顕微鏡写真で観察した結果、結晶モフォロジー(結晶形態)が悪かったことが確認された。
実験10)
Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるMgを0.1mol%混合してなるGa−Na融液を使用した。なお、育成時間を1時間とした。
2.32gのNaは0.1009mol、0.002gのMgは0.0000833molであるので、2族元素の比率は、Naと2族元素であるMgとの合計量に対する2族元素の比率となる。{0.0000833/(0.1009+0.000083)}×100=0.1mol%となる。
実験11)
Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるMgを0.5mol%混合してなるGa−Na融液を使用した。なお、育成時間を1時間とした。
2.44gのNaは0.1061mol、0.013gのMgは0.000542molであるので、2族元素の比率は、Naと2族元素であるMgとの合計量に対する2族元素の比率となる。{0.000542/(0.1061+0.000542)}×100=0.5mol%となる。
また、実験10の電子顕微鏡写真である図11及び実験11の電子顕微鏡写真である図12から判るように、2族元素としてMgを混合したGa−Na融液を使用すると、図11ではGaN単結晶がほとんど成長しない一方、図12ではGaN単結晶が成長したことが確認できる。よって、2族元素としてMgを混合した場合、混合量が0.1mol%では濡れ性はほとんどなく、混合量が0.5mol%でかなり高い濡れ性を有すると思われる。
しかしながら、0.5mol%のMgを混合したことによってGaN基板Aの表面に形成されたGaN単結晶は、図12に示す電子顕微鏡写真からも判るように、GaN基板Aへの密着性が低いことが確認された。これは、Mg自体がGaN単結晶の成長過程において不純物として作用した結果と考えられる。
これらの実験1〜11から、Ga−Na溶液に混合する2族元素はSrが最も優れ、Caがそれに次ぐという結果を得ることができた(表12参照)。
○:濡れ性あり
×:濡れ性なし
△:濡れ性あるが高くない
実験1〜実験11の結果に基づいて、次の実験12を行った。
実験12)
Ga:Na=30mol%:70mol%で、2族元素であるSrを1.0mol%混合してなるGa−Na融液を使用した。なお、育成時間を1時間とし、それを連続して5回の計5時間にわったて行った。
2.29gのNaは0.0996mol、0.092gのSrは0.001molであるので、2族元素の比率は、Naと2族元素であるSrとの合計量に対する2族元素の比率となる。{0.001/(0.0996+0.001)}×100=1.0mol%となる。
この実験12では、5回の浸漬で得られたGaN単結晶は、1回の浸漬で得られるGaN単結晶の約5倍の厚さ寸法を有していることが確認された。
なお、上述した説明では、GaN単結晶成長装置1000は、Ga−Na融液を貯留するるつぼ100と、このるつぼ100を格納する圧力容器200と、前記Ga−Na融液を加熱するヒーター300と、前記圧力容器200に窒素ガスを供給するガス供給部400と、前記るつぼ100に貯留されたGa−Na融液にGaN基板Aを回転させることなく出し入れする基板浸漬部である昇降装置600とを備え、前記昇降装置600は、前記GaN基板Aを前記Ga−Na融液に対して水平を保ったまま浸漬し、水平を保ったまま引き上げるようになっているとしたが、Ga−Na融液を貯留する構成、それを格納する構成、Ga−Na融液を加熱する構成、Ga−Na融液の周囲に窒素ガスを供給する構成、Ga−Na融液にGaN基板Aを回転させることなく水平を保ったまま浸漬し、水平を保ったまま引き上げるように出し入れする構成を有していれば、上記構成に限定されるものでないことはいうまでもない。
100 るつぼ
200 圧力容器
300 ヒーター
400 ガス供給部
600 昇降装置(基板浸漬部)
A GaN基板

Claims (7)

  1. GaN基板上にGaN単結晶を成長させるGaN単結晶成長方法において、GaN基板をGaが溶解されたGa−Na融液に回転させることなく浸漬し、引き上げることでGaN基板の表面にGa−Na融液を付着させる工程と、前記Ga−Na融液が表面に付着したGaN基板を窒素雰囲気下で加熱することでGaN基板の表面にGaN単結晶を成長させる工程とを具備しており、前記Ga−Na融液には2族元素としてCaにまたはSrが0.05〜2.0mol%の比率(Naと2族元素との合計量に対する2族元素の比率)で混合されていることを特徴とするGaN単結晶成長方法。
  2. 前記付着させる工程は、前記GaN基板を前記Ga−Na融液に対して水平を保ったまま浸漬され、水平を保ったまま引き上げることを特徴とする請求項1記載のGaN単結晶成長方法。
  3. 前記付着させる工程および前記成長させる工程を繰り返す工程をさらに包含することを特徴とする請求項1記載のGaN単結晶成長方法。
  4. 前記Ga−Na融液は、2族元素が0.1〜1.0mol%の比率(Naと2族元素との合計量に対する2族元素の比率)で混合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のGaN単結晶成長方法。
  5. 前記2族元素は、Srであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のGaN単結晶成長方法。
  6. Ga−Na融液を貯留するるつぼと、このるつぼを格納する圧力容器と、前記るつぼを加熱するヒーターと、前記圧力容器に窒素ガスを供給するガス供給部と、前記るつぼに貯留されたGa−Na融液にGaN基板を回転させることなく出し入れする基板浸漬部とを具備しており、前記基板浸漬部は、前記GaN基板を前記Ga−Na融液に対して水平を保ったまま浸漬し、水平を保ったまま引き上げることを特徴とするGaN単結晶成長装置。
  7. 前記るつぼは、イットリア製であることを特徴とする請求項6記載のGaN単結晶成長装置。
JP2017141532A 2017-07-21 2017-07-21 GaN単結晶成長方法及びGaN単結晶成長装置 Active JP6631813B2 (ja)

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