JP6631151B2 - 最適タイヤ断面形状作成方法及び最適タイヤ断面形状作成装置 - Google Patents

最適タイヤ断面形状作成方法及び最適タイヤ断面形状作成装置 Download PDF

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Description

本発明は、基準タイヤの基準タイヤ断面形状を変更することにより、設定された少なくとも2つのタイヤ性能が目標値を達成する最適タイヤ断面形状を作成する最適タイヤ断面形状作成方法及び最適タイヤ断面形状作成装置に関する。
今日、物品の設計では、コンピュータ等による数値計算の高速処理の向上により、最適な特性を得るための数値計算による最適設計手法が種々提案されている。この最適設計手法により、効率よく所望の特性を満足する物品の最適設計を行うことができる。
例えば、タイヤ断面形状について、複数のタイヤ性能が、与えられた目標値を満足するタイヤ断面形状を有する最適解を探索する方法が知られている(特許文献1)。
図6は、特許文献1に開示する方法を用いて、タイヤ断面形状を定める方法を説明する図である。図6に示すように、基準タイヤ断面形状(図6中の実線)に対して断面形状の異なる複数の基底タイヤ断面形状A1、A2、・・・、An(図6中の点線)からなる群のそれぞれの基底タイヤ断面形状の、基準タイヤ断面形状からの形状の変化分を重みづけして線形加算することにより、合成タイヤ断面形状が複数定められる。
図6に示す方法で定められる合成タイヤ断面形状から、合成タイヤ断面形状を有するタイヤのタイヤ性能を評価する。図7は、合成タイヤ断面形状を有するタイヤ毎のタイヤ性能(横剛性及び転がり抵抗の値)をプロットした散布図である。具体的には、重みづけ係数φ1、φ2、・・・φnの各値が、予め定められた範囲の下、実験計画法に従って設定されて合成タイヤ断面形状が定められる。この合成タイヤ断面形状を有するタイヤのタイヤ性能(横剛性とタイヤの転がり抵抗の値)がコンピュータによるシミュレーション計算により算出されて、横軸に横剛性の値、縦軸に転がり抵抗の値が散布図上にプロットされている。
図8は、図7に示すプロットの情報を利用し、多目的GA(遺伝的アルゴリズム)を用いてパレート解を探索した結果の一例を示す図である。具体的には、図7に示すプロット情報(サンプリングデータ)を用いて、上記重みづけ係数φ1、φ2、・・・φnの設計変数の値と、タイヤ性能(横剛性とタイヤの転がり抵抗の値)との間の非線形関係が、非線形の近似式を用いて表される。これにより得られた非線形近似式を用いて、上記重み付け係数φ1、φ2、・・・φnの設計変数の値を、予め定められた範囲内で変更することによりタイヤ断面形状が作成され、上記範囲内で、予め定めた目的関数の望ましい方向(ここでは横剛性を向上させつつ、転がり抵抗を低減させる方向)に向かってパレート解が探索され、複数のパレート解が求められる。上記重み付け係数φ1、φ2、・・・φnの設計変数の値の変更は、周知の多目的GA(遺伝的アルゴリズム)が用いられている。
図8に示すように、上記方法によりタイヤ断面形状のパレート解を求めることができる。ここでパレート解とは、非劣解とも呼ばれ、複数ある目的関数とするタイヤ性能において1つ以上において優れ、なおかつ他の性能が劣っていない(支配されていない)解を示す。パレート解の判定手法の例として、パレートランキング法が挙げられる。例えば、個体Xiがni個の個体に優越されているとき、個体Xiのランクr(Xi)をr(Xi)=1+niとすると、ランクr(Xi)=1の解をパレート解とする手法である。図8に示す例では、横剛性が高く、転がり抵抗が低いことがタイヤ性能として望ましいことから、図8に示すグラフの右下にプロットされる程好ましい。図8に示す例では、パレート解は右下に略直線上に複数並んでパレートフロントを形成している。すなわち、図8に示す例では、右下の直線上の各パレート解に対して、横剛性の値と転がり抵抗の値のいずれも最良となる解(図8において、最も右下に位置するプロット)は存在しない。
このように、図8によれば、横剛性及び転がり抵抗が良好なパレート解を探索することができるが、抽出したパレート解では、依然として横剛性及び転がり抵抗の値が予め定めた目標値を満足しない場合がある。
これに対して、タイヤのタイヤ断面形状を定める設計変数と、この設計変数に基いて作られるタイヤ断面形状を有するタイヤ性能とを用いて、与えられたタイヤ性能がより確実に目標値を達成することができるタイヤ断面形状を求める方法が知られている(特許文献2)。
当該方法は、タイヤ断面形状を定める設計変数の値と、そのタイヤ断面形状を有するタイヤの少なくとも2つのタイヤ性能との間の非線形関係を規定する。次に、規定した非線形関係を用いて、合成タイヤ断面形状を複数生成することにより、タイヤ性能に関するパレート解を算出する。次に、タイヤ性能の変化に貢献するタイヤ断面形状を定める設計変数の種類を導出する。導出した設計変数の種類に関して、予め設定した許容範囲の外側を含む範囲を再設定して、タイヤ断面形状を定める複数の設計変数の値を変更しながら、変更した設計変数の値に基いて作られるタイヤ断面形状を有するタイヤの複数のタイヤ性能の評価を行なう。
特開2008−293315号公報 特開2014−48867号公報
上記特許文献2に記載の方法では、タイヤ性能の変化に貢献するタイヤ断面形状を定める設計変数の種類を導出し、導出した設計変数の種類に関して、予め設定した許容範囲の外側を含む範囲を再設定することにより、最適タイヤ断面形状を求める。
しかし、このような方法において、必ずしも、タイヤ性能が目標値を達成するようなタイヤ断面形状を求めることはできなかった。
そこで、本発明は、設定された少なくとも2つのタイヤ性能が目標値を達成する最適タイヤ断面形状を作成するとき、効率よく短時間に最適タイヤ断面形状を作成することができる最適タイヤ断面形状作成方法及び最適タイヤ断面形状作成装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、コンピュータを用いて、基準タイヤの基準タイヤ断面形状を変更することにより、設定された少なくとも2つのタイヤ性能が目標値を達成する最適タイヤ断面形状を作成する最適タイヤ断面形状作成方法である。
当該方法は、
前記基準タイヤ断面形状に対してタイヤ断面形状が異なる複数の基底タイヤ断面形状からなる群のそれぞれの基底タイヤ断面形状の、前記基準タイヤ断面形状からの形状の変化分を重みづけして線形加算することにより、コンピュータが、合成タイヤ断面形状を複数作成する第1ステップと、
作成した前記合成タイヤ断面形状から、前記コンピュータが、前記合成タイヤ断面形状を備えるタイヤのタイヤ性能を評価する第2ステップと、
前記コンピュータが、前記変化分の重みづけを行なう際に用いる前記基底タイヤ断面形状の重みづけ係数を設計変数として、前記設計変数と前記タイヤ性能の評価結果との間の関係を定め、前記関係を用いて、設定された範囲内で設計変数の値を変更することにより、前記範囲内でタイヤ断面形状の前記タイヤ性能に対するパレート解を複数求める第3ステップと、
前記コンピュータが、前記パレート解の少なくとも1つに基づいて作成したパレート解由来のタイヤ断面形状を含む新基底タイヤ断面形状の群を前記第1ステップで用いる前記基底タイヤ断面形状の群として定めて、前記第1ステップ、前記第2ステップ、及び、前記第3ステップを行なうことを、少なくとも1回以上行うことによって、前記タイヤ性能が目標性能を達成する最適タイヤ断面形状を求める第4ステップと、を備える。
前記第3ステップを再度行うとき、前記パレート解を求めるために用いる前記設計変数の前記範囲を調整する、ことが好ましい。
前記パレート解由来の基底タイヤ断面形状は、前記パレート解のうち、前記タイヤ性能それぞれの評価結果が最良となる限界パレート解のタイヤ断面形状の、前記基準タイヤ断面形状からの形状の変化分に基づいて作成された形状である、ことが好ましい。
前記パレート解由来の基底タイヤ断面形状は、前記タイヤ性能それぞれの評価結果が最良となる限界パレート解の少なくとも2つのタイヤ断面形状間のタイヤ断面形状の差分を、前記基準タイヤ断面形状に加えたタイヤ断面形状である、ことが好ましい。
前記第4ステップで、再度前記合成タイヤ断面形状を作成する際、前記新基底タイヤ断面形状の一部を除去することを含み、
前記新基底タイヤ断面形状の群のうち除去するタイヤ断面形状は、除去するタイヤ断面形状以外の前記新基底タイヤ断面形状の1つとの間で、前記基準タイヤ断面形状からの形状の変化分の類似度が所定値以上であるタイヤ断面形状である、あるいは、除去するタイヤ断面形状の前記基準タイヤ断面形状からの形状の変化分と、前記新基底タイヤ断面形状それぞれの前記基準タイヤ断面形状からの形状の変化分同士の和あるいは差との間の類似度が所定値以上であるタイヤ断面形状である、ことが好ましい。
前記第4ステップで、再度前記合成タイヤ断面形状を作成する際、前記第1ステップで用いた前記基底タイヤ断面形状からなる群のうち、前記タイヤ性能の少なくとも1つと、前記重み付け係数との間の相関係数が所定値以上であるものを、前記新基底タイヤ断面形状の1つとして残す、ことが好ましい。
さらに、前記第3ステップで、前記タイヤ性能に対するパレート解を求めるときのタイヤ性能の評価結果と前記重み付け係数との間の関係を、前記コンピュータが備えるディスプレイが可視化して表示する、ことが好ましい。
また、本発明の他の一態様は、基準タイヤの基準タイヤ断面形状を変更することにより、設定された少なくとも2つのタイヤ性能が目標値を達成する最適タイヤ断面形状を作成する最適タイヤ断面形状作成装置である。
当該装置は、
前記基準タイヤ断面形状に対してタイヤ断面形状が異なる複数の基底タイヤ断面形状からなる群のそれぞれの基底タイヤ断面形状の、前記基準タイヤ断面形状からの形状の変化分を重みづけして線形加算することにより、合成タイヤ断面形状を複数作成する第1ユニットと、
作成した前記合成タイヤ断面形状から、前記合成タイヤ断面形状を備えるタイヤのタイヤ性能を評価する第2ユニットと、
前記変化分の重みづけを行なう際に用いる前記基底タイヤ断面形状の重みづけ係数を設計変数として、前記設計変数と前記タイヤ性能の評価結果との間の関係を定め、前記関係を用いて、設定された範囲内で設計変数の値を変更することにより、前記範囲内でタイヤ断面形状のパレート解を複数求める第3ユニットと、
前記パレート解の少なくとも1つに基づいて作成したパレート解由来のタイヤ断面形状を含む新基底タイヤ断面形状の群を前記基底タイヤ断面形状の群として定めて、前記合成タイヤ断面形状を再度作成すること、再度作成した合成タイヤ断面形状を用いて前記タイヤ性能を再度評価すること、及び再度評価したタイヤ性能を用いて前記パレート解を求めること、を少なくとも1回以上行うことによって、前記タイヤ性能が目標値を達成する最適タイヤ断面形状を求めるように、前記第1ユニット、前記第2ユニット、及び前記第3ユニットを制御する第4ユニットと、を備える。
上述の態様の最適タイヤ断面形状作成方法及び最適タイヤ断面形状作成装置によれば、効率よく短時間に最適タイヤ断面形状を作成することができる。
本実施形態の最適タイヤ断面形状作成方法のフローを説明する図である。 本実施形態の最適タイヤ断面形状作成装置の一例の構成図である。 本実施形態で作成される基底タイヤモデルの一例が示す図である。 (a)は、本実施形態で用いる限界パレート解を説明する図であり、(b)は限界パレート解1,2に対応するタイヤ断面形状の例を示す図であり、(c)は、2つの限界パレート解のそれぞれに対応するタイヤ断面形状同士の形状の変化の例を示す図である。 本実施形態で用いる類似度の一例を説明する図である。 従来から行なっているタイヤ断面形状を定める方法を説明する図である。 合成タイヤ断面形状を有するタイヤ毎のタイヤ性能をプロットした散布図である。 図7に示すプロットの情報を利用し、多目的遺伝的アルゴリズムを用いてパレート解を探索した結果の一例を示す図である。
以下、本実施形態の最適タイヤ断面形状作成方法及び最適タイヤ断面形状作成装置を詳細に説明する。
(最適タイヤ断面形状作成方法の概要)
本実施形態の最適タイヤ断面形状作成方法の一例では、上述した図6及び図7に示す方法を経て、基底タイヤ断面形状に重み付け加算をする時に用いる重み付け係数とタイヤ性能と間の関係を定める非線形関数の非線形近似式を用いて、2つのタイヤ性能に関するパレート解を求める。このとき、図8に示すようなパレート解が求められたとしても、このパレート解のいずれも、タイヤ性能の目標値を達成しない場合がある。このため、以下の本実施形態の処理が施される。
すなわち、合成タイヤ断面形状を作成するための基底タイヤ断面形状の群を再設定し、かつ、重み付け係数についてもその値の範囲を調整する。具体的には、パレート解の少なくとも1つに基づいて作成したパレート解由来のタイヤ断面形状を含む新基底タイヤ断面形状の群を、合成タイヤ断面形状を作成するための基底タイヤ断面形状の群として再設定する。この新基底タイヤ断面形状の群を用いて、合成タイヤ断面形状の生成、タイヤ性能の評価、及び、複数のタイヤ断面形状のパレート解を求める処理を、繰り返す。
このように、新たな合成タイヤ断面形状の作成のために、基底タイヤ断面形状の群に、パレート解由来のタイヤ断面形状を含ませるので、タイヤ性能が目標値を達成する最適タイヤ断面形状を効率よく短時間に作成することができる。以下、この処理を詳細に説明する。
図1は、本実施形態の最適タイヤ断面形状作成方法のフローを説明する図である。図2は、最適タイヤ断面形状作成装置の一例の構成図である。図2に示す最適タイヤ断面形状作成装置(以降、単に装置という)10は、コンピュータで構成される。装置10は、コンピュータ本体部12、プリンタ14、ディスプレイ16、及びマウス・キーボード18を備える。コンピュータ本体部12に、プリンタ14、ディスプレイ16、及びマウス・キーボード18が接続されている。コンピュータ本体部12は、RAM、ROM、及びハート゛ディスク等を含む記憶部20、CPU22、及び解析処理部24を備える。
解析処理部24は、基準タイヤ断面形状作成部26、基底タイヤ断面形状作成部30、合成タイヤモデル作成部32、制御・管理部34、シミュレーション演算部36、及び決定部38を備える。基準タイヤ断面形状作成部26、基底タイヤ断面形状作成部30、合成タイヤモデル作成部(第1ユニット)32、制御・管理部(第4ユニット)34、シミュレーション演算部(第2ユニット)36、及び決定部(第3ユニット)38は、記憶部20に記憶されたプログラムを呼び出してCPU22でプログラムを実行することにより形成されるモジュールである。すなわち、解析処理部24は、解析処理部24の実質的な動作をCPU22が司るソフトウェアモジュールである。以下、基準タイヤ断面形状作成部26、基底タイヤ断面形状作成部30、合成タイヤモデル作成部32、制御・管理部34、シミュレーション演算部36、及び決定部38の機能を、図1に示すフローの説明とともに説明する。
まず、基準タイヤ断面形状作成部26は、基準タイヤの基準タイヤ断面形状を作成する(ステップS1)。基準タイヤ断面形状は、合成タイヤ断面形状を作成する上で基盤となる基底タイヤ断面形状の群を作成するために用いるものであり、最適タイヤ断面形状の探索を開始する時のスタート時点のタイヤ断面形状である。基準タイヤ断面形状は、オペレータの入力指示により、適宜設定される。タイヤ断面形状は、タイヤを、タイヤ回転軸を含むタイヤ回転軸に平行な面でタイヤを切断した時に得られるタイヤの輪郭形状を含み、具体的には、タイヤ断面の外側形状ライン、タイヤ断面の内側形状ラインを含み、さらには、タイヤのカーカスの形状ラインを含んでもよい。タイヤ断面形状は、例えば、X−Y直交座標系(例えばタイヤ軸方向に平行な軸をX軸とし、例えばタイヤ径方向に平行な軸をY軸として備える座標系)におけるx座標値及びy座標値で表されたデータで構成される。基準タイヤ断面形状は、例えば、市販されているタイヤのタイヤ断面形状であってもよいし、新規なタイヤ断面形状であってもよい。タイヤ断面形状はタイヤ性能に大きな影響を与えることから、所望のタイヤ性能が目標値を達成するように、本実施形態では、基準タイヤ断面形状を変更して、タイヤ性能が目標値を達成する最適タイヤ断面形状を探索する。
次に、制御・管理部34は、重み付け係数の値の範囲を設定する(ステップS2)。重み付け係数とは、合成タイヤ断面形状を作成するときに用いる、基底タイヤ断面形状を重み付け加算するための係数である。図6では、重み付け係数φ、φ、φ、・・・として示されている。各重み付け係数の値は設定された範囲内で自在に変更される。
次に、基底タイヤ断面形状作成部30は、基底タイヤ断面形状を作成する(ステップS3)。基底タイヤ断面形状は、図6に示すように、合成タイヤ断面形状を作成する際に基盤となるタイヤ断面形状であり、基準タイヤ断面形状に、予め設定された形状変化を加えたものである。基準タイヤ断面形状に形状変化を加えるとは、例えば、基準タイヤ断面形状のデータ(例えば、x座標値及びy座標値)に、形状変化分のデータ(例えばx座標値及びy座標値からなるデータ)を加算する処理を行うことをいう。基底タイヤ断面形状は複数設定される。上記形状の変化は、予めテンプレートとして設定されたものである。上記テンプレートは、基準タイヤ断面形状に対してトレッド部のショルダー領域が外側に飛び出すように設定された形状変化、サイド部のバットレス領域が、基準タイヤ断面形状に対して内側に凹むように設定された形状変化、サイド部のタイヤ最大幅のタイヤ径方向の位置が、基準タイヤ断面形状に対してタイヤ径方向内側に位置するように設定された形状変化等を含む。
さらに、基底タイヤ断面形状作成部30は、作成された基底タイヤ断面形状毎に、この基底タイヤ断面形状を備える基底タイヤモデルを作成してもよい。基底タイヤモデルは、有限要素モデルである。図3は、基底タイヤモデル40の一例を示す図である。有限要素モデルは、複数の節点と、複数の節点を結ぶ複数の辺によって構成された要素の集合体である。基底タイヤモデルは、三次元モデルあるいは、二次元軸対称タイヤモデルであってもよい。二次元軸対称モデルは、二次元のタイヤ断面形状が、タイヤ周方向に転写され、同一のタイヤ断面形状がタイヤ周方向に連続するようにモデル化されたものである。三次元モデルの場合、各要素として、例えば、ゴム部材を再現するための4〜6面体ソリッド要素、コード材を含むコード補強層を再現するための膜要素、シェル要素などが用いられる。2次元軸対称モデルの場合、各要素として、例えばゴム部材を再現するための三角形あるいは四角形のソリッド要素、コード材を含むコード補強層を再現するための膜要素、シェル要素などが用いられる。このように作成された基底タイヤモデルは、各要素の節点の番号、節点の座標値、要素形状が少なくとも設定されており、さらに各要素の材料定数が設定されており、これらの情報が、記憶部20に記憶される。なお、基底タイヤモデル及び後述する有限要素モデルである合成タイヤモデルは、いずれも節点の座標のみが異なり、要素の配置を含む構成は同じである。
なお、本実施形態で、有限要素モデルである基準タイヤモデルを作成することにより基準タイヤ断面形状を作成してもよい。この場合、基底タイヤ断面形状は、基準タイヤモデルの節点の座標値に上述したテンプレートによる形状の変化分を加算して基底タイヤモデルを作成することにより、作成することもできる。
次に、合成タイヤモデル作成部(第1ユニット)32は、複数の合成タイヤモデルを作成する(ステップS4)。合成タイヤモデル作成部32は、基底タイヤ断面形状の、基準タイヤ断面形状からの形状の変化分を重み付け加算した結果を基準タイヤ断面形状に加えることにより、合成タイヤ断面形状を作成する。合成タイヤモデル作成部32は、この合成タイヤ断面形状をタイヤ断面形状として有する有限要素モデルである合成タイヤモデルを作成する。有限要素モデルについては上述したので、その説明は省略する。ステップS3の基底タイヤ断面形状の作成が、基底タイヤモデルの作成により行われる場合、複数の作成された基底タイヤモデルを、重み付け係数を用いて重み付け加算することにより、合成タイヤモデルを作成する。具体的には、合成タイヤモデル作成部32は、基底タイヤモデルの節点の座標値に、重み付け係数を乗算して加算する処理を行う。したがって、基準タイヤタイヤモデル、基底タイヤモデル、及び合成タイヤモデルを構成する要素の構成は、同じであり、節点の座標値のみが異なる。重み付け係数は、例えば0より大きく1未満の係数であり、基底タイヤモデル毎に重み付け係数が付与される。このため、基底タイヤモデルを定めると、重みづけ係数によって合成タイヤモデルのタイヤ断面形状は一意的に定まる。合成タイヤモデルにおけるタイヤ断面形状は、合成タイヤ断面形状であり、基底タイヤ断面形状の基準タイヤ断面形状からの形状の変化分に対して重み付け加算した結果に、基準タイヤ断面形状を加えることにより得られる断面形状でもある。したがって、合成タイヤモデルを作成することは、合成タイヤ断面形状を作成することを意味する。なお、重み付け係数の値を自在に変更した場合、重み付け係数の値の合計は1を超え、あるいは1未満になる。このため、重み付け係数の値の合計は1になるように、変更後の重み付け係数の値は正規化された(重み付け係数の値の合計が1になるように調整された)ものが上記重み付け加算に用いられる。
次に、シミュレーション演算部(第2ユニット)36は、作成した合成タイヤモデルを用いて、タイヤの挙動を再現したシミュレーション演算を行って、タイヤ性能を評価する(ステップS5)。シミュレーション演算は、評価したいタイヤ性能毎に行なわれる。本実施形態では、評価したいタイヤ性能が少なくとも2つ設定される。このため、シミュレーション演算部36は、各合成タイヤモデルに対して、評価したいタイヤ性能の指標となる物理量をシミュレーションにより求めるために、タイヤ性能の数に応じてシミュレーション演算を複数種類行なう。このシミュレーションにより、合成タイヤモデルにおけるタイヤ性能の指標となる物理量が算出される。
タイヤ性能は、例えば、タイヤの転がり抵抗、トレッドの摩耗寿命、トレッドの偏摩耗、振動乗心地性能、タイヤ騒音、ベルトの耐久性能、タイヤの横バネ定数(横剛性)あるいは縦バネ定数(縦剛性)等を含む。シミュレーション演算部36は、予め設定されたタイヤ性能、例えば固有振動数、縦バネ定数、横バネ定数、前後バネ定数、転がり抵抗、ベルト間における層間剪断歪み、摩耗予測値、あるいは、タイヤが地面に接地したときの接地圧力の値等の物理量をシミュレーション演算によって算出する。これらの具体的な計算は、周知の方法であるので説明は省略される。
次に、決定部(第3ユニット)38は、パレート解を複数抽出する(ステップS6)。パレート解の例が図8に示されている。
まず、パレート解を複数抽出するために、決定部38は、合成タイヤ断面形状を一意的に定める重み付け係数と、シミュレーションにより得られるタイヤ性能との間の関係を定める処理を行う。具体的には、タイヤ断面形状の設計変数として重み付け係数を用い、タイヤ性能の物理量の値を前記設計変数に対する出力とする曲面近似関数を用いて応答曲面関数を定める。この応答曲面関数は、上記重み付け係数を設計変数とする。すなわち、応答曲面関数は、基底タイヤ断面形状に付与する重み付け係数を設計変数として、タイヤ性能の物理量の値を、曲面近似関数を用いて表したものである。例えば、6つの重み付け係数に値を定めることにより、1つのタイヤ断面形状が定まり、曲面近似関数によりタイヤ性能の物理量の値が得られる。曲面近似関数は、チェビシェフの直交多項式やn次多項式、動径基底関数法(RBF)やクリギング法等による関数が挙げられる。
さらに、決定部38は、得られた曲面近似関数に基づき、例えば多目的遺伝的アルゴリズムあるいは焼きなまし法、あるいは勾配法などの数理計画法を用いて最適タイヤ断面形状の探索を行なう。この処理を、タイヤ断面形状の最適化の処理という。すなわち、重み付け係数を設計変数とし、タイヤ性能の物理量を目的関数とし、設定された条件(目標値)を達成するように設計変数の値を変更することにより、上記目的関数が予め設定された条件を満足する合成タイヤ断面形状の探索を行う。このとき、図8に示されるようなパレート解が抽出される。
次に、決定部38は、タイヤ性能(具体的には、物理量の値)が目標値を達成したか否かを判定する(ステップS7)。設定した少なくとも2つのタイヤ性能が目標値を達成していれば、決定部38は、タイヤ性能が目標値を達成したパレート解を最適解とし、すなわち、パレート解の重み付け係数の値と基底タイヤ断面形状によって定まるタイヤ断面形状を最適なタイヤ断面形状として定め、ディスプレイやプリンタに出力する。一方、いずれのパレート解のタイヤ断面形状でも、設定した少なくとも2つのタイヤ性能が目標値を達成していない場合、決定部38は、基底タイヤ断面形状作成部30に、基底タイヤ断面形状を再設定する(ステップS8)ように、指示する。
具体的には、決定部38の指示により、基底タイヤ断面形状作成部30は、ステップS6で抽出した複数のパレート解の少なくとも1つに基づいてパレート解由来のタイヤ断面形状を作成する。パレート解由来のタイヤ断面形状は、パレート解から一意的に定まるタイヤ断面形状の他、パレート解から一意的に定まるタイヤ断面形状の一部を修正したもの、あるいは、複数のパレート解のそれぞれから一意的に定まるタイヤ断面形状間の形状の差分を基準タイヤ断面形状に付加したもの、を含む。パレート解から一意的に定まるタイヤ断面形状とは、パレート解における設計変数である重み付け係数から一意的に定まるタイヤ断面形状である。基底タイヤ断面形状作成部30は、作成したパレート解由来のタイヤ断面形状を、ステップS4の合成タイヤモデルの作成に用いた基底タイヤ断面形状の群に付加することにより、新基底タイヤ断面形状の群をつくる。特に、パレート解由来の基底タイヤ断面形状は、限界パレート解から一意的に定まるタイヤ断面形状の、基準タイヤ断面形状からの形状の変化分に基づいて作成されたタイヤ断面形状であることが、効率よく最適タイヤ断面形状を作成する点で好ましい。限界パレート解は、パレート解のうち、タイヤ性能それぞれの評価結果が最良となる解である。基準タイヤ断面形状からの形状の変化分に基づいて作成されたタイヤ断面形状には、基準タイヤ断面形状からの形状の変化分を修正し、修正後の変化分を基準タイヤ断面形状に加えることで得られるタイヤ断面形状が含まれる。限界パレート解から一意的に定まるタイヤ断面形状は、少なくとも2つのタイヤ性能のうち、1つのタイヤ性能において最良となったタイヤ断面形状である。図4(a)は限界パレート解を説明する図であり、図4(b)は、限界パレート解1,2のそれぞれから一意的に定まるタイヤ断面形状を示す図である。設定されたタイヤ性能が2つである場合、限界パレート解は2つある。この2つの限界パレート解のそれぞれから一意的に定まるタイヤ断面形状間の形状差分を基準タイヤ断面形状に加えたタイヤ断面形状を、パレート解由来のタイヤ断面形状として設定することも、効率よく最適タイヤ断面形状を作成する点で好ましい。図4(c)は、2つの限界パレート解のそれぞれから一意的に定まるタイヤ断面形状間の形状差分の例を示す図である。
例えば、基底タイヤ断面形状作成部30は、合成タイヤ断面形状の作成に用いた基底タイヤ断面形状の群に、少なくとも2つの限界パレート解から一意的に定まる少なくとも2つのタイヤ断面形状、及び、少なくとも2つの限界パレート解のそれぞれから一意的に定まるタイヤ断面形状間の形状差分を基準タイヤ断面形状に加えたタイヤ断面形状を、加えて、新基底タイヤ断面形状の群とする。
一方、基底タイヤ断面形状作成部30は、新基底タイヤ断面形状の一部を、基底タイヤ断面形状の類似度に応じて除去するか否かを判定する。この判定結果に応じて新基底タイヤ断面形状の一部を除去することが、効率よく最適タイヤ断面形状を作成する点で好ましい。このとき、新基底タイヤ断面形状の群のうち除去するタイヤ断面形状は、新基底タイヤ断面形状の1つとの間で、基準タイヤ断面形状からの形状の変化分に関する類似度が所定値以上であるタイヤ断面形状であることが好ましい。類似度は、例えば、タイヤ断面形状における形状ライン(外側形状ライン、内側形状ライン、あるいはカーカスの形状ライン)に沿った各位置における基準タイヤ断面形状からの変化分(例えば、x座標の変化分あるいはy座標の変化分)を、形状ライン上の位置に対する分布として表した時、比較するタイヤ断面形状における分布の重なりの程度を数値化したものである。図5は、類似度の一例を説明する図である。図中、ハッチング領域が、比較する2つの分布(実線及び破線)の重なった領域である。このような重なった領域の面積を、いずれか一方の分布における変化分の面積(分布が負の部分を含む場合、その部分は絶対値を用いる)で割った値を類似度としてもよい。また、上述したように基準タイヤモデル及び基底タイヤモデルが作成されている場合、新基底タイヤ断面形状を有する基底タイヤモデルを作成することにより、新基底タイヤ断面形状を作成してもよい。この場合、基準タイヤモデルと新基底タイヤ断面形状を有する基底タイヤモデルとの間の、同一の節点の位置座標の変化分を表したベクトルとし、このベクトルと、比較する新基底タイヤ断面形状に対応した基底タイヤモデルの上記変化分を表したベクトルとの間の相関係数を類似度として算出してもよい。
なお、ステップS8において基底タイヤ断面形状の再設定を、基底タイヤモデルを作成することで行なう場合、ステップS8では、新基底タイヤ断面形状を有する基底タイヤモデルが再設定される。
なお、本実施形態において用いる類似度は、2つのタイヤ断面形状間の類似度に制限されない。例えば、新基底タイヤ断面形状それぞれの基準タイヤ断面形状からの形状の変化分同士の和あるいは差と、他の新基底タイヤ断面形状の基準タイヤ断面形状からの形状の変化分との間の類似度であってもよい。
このような類似度が予め定めた所定の閾値以上である場合、決定部38は、新基底タイヤ断面形状が類似するとして、類似するタイヤ断面形状のいずれか一方の基底タイヤ断面形状を、新基底タイヤ断面形状の群から除去する。
さらに、決定部38は、合成タイヤ断面形状の作成に用いた基底タイヤ断面形状のうち、タイヤ性能の少なくとも1つと、基底タイヤ断面形状を一意的に定める重み付け係数との間の相関係数が所定値以上であるか否かを判定し、この判定結果に応じて、基底タイヤ断面形状作成部30は、上記相関係数が所定値以上になる基底タイヤ断面形状を新基底タイヤ断面形状の1つとして残すことが好ましい。これにより、効率よく最適タイヤ断面形状を抽出することができる。相関係数が低い基底タイヤ断面形状を新基底タイヤ断面形状の1つとして残しても、この基底タイヤ断面形状はタイヤ性能に対する貢献の程度は低い。このため、上記相関係数が所定値未満である基底タイヤ断面形状を、新基底タイヤ断面形状の群から除去することが好ましい。
したがって、基底タイヤ断面形状30は、まず、少なくとも2つの限界パレート解から一意的に定まるタイヤ断面形状を、基底タイヤ断面形状の群に加えて新基底タイヤ断面形状の群とし、さらに、少なくとも2つの限界パレート解のそれぞれから一意的に定まるタイヤ断面形状間の形状差分を基準タイヤ断面形状に加えたタイヤ断面形状を、新基底タイヤ断面形状の群に加える。
この後、新タイヤ断面形状の群のうち、2つのタイヤ断面形状に関する類似度が所定の閾値以上である場合、基底タイヤ断面形状30は、2つのタイヤ断面形状のうち、いずれか一方のタイヤ断面形状を、新タイヤ断面形状の群から除去する。更に、基底タイヤ断面形状作成部30は、タイヤ性能と重み付け係数との間の相関係数が所定値未満のタイヤ断面形状を、新タイヤ断面形状の群から除去する。
さらに、制御・管理部34は、ステップS6を再度行うとき、パレート解を求めるために用いる設計変数である重み付け係数の値を変化させる範囲を調整することが好ましい。具体的には、既に行なった最適化の処理で、タイヤ性能が目標値を達成しないことから、タイヤ性能が向上する方向に、重み付け係数の範囲を調整することが好ましい。これにより、次回の最適化の処理において、タイヤ性能が目標値を達成し易くすることができる。新基底タイヤ断面形状の群のうち、どのタイヤ断面形状を定める重み付け係数を調整の対象とするか、その範囲をどのように設定するかについては、特に制限はないが、例えば特開2014−48867号公報に記載されている内容を用いることができる。
こうして、基底タイヤ断面形状作成部30は、新基底タイヤ断面形状の群を、合成タイヤモデルを作成するために、ステップS4で用いるための基底タイヤ断面形状の群として再設定する。
この後、制御・管理部(第4ユニット)34は、ステップS7において、タイヤ性能が目標値を達成するまで、合成タイヤモデル作成部32、シミュレーション演算部36、及び決定部38を制御して、ステップS4〜S7及びS8を繰り返し行わせる。
上述した設計変数である重み付け係数のタイヤ性能に対する寄与の分析のために、制御・管理部34は、ステップS6でタイヤ性能に対するパレート解を求めるときのタイヤ性能の評価結果と重み付け係数との間の関係を、ディスプレイ16が可視化して表示するように、制御することが好ましい。タイヤ性能の評価結果と重み付け係数との間の関係には、重み付け係数の値とタイヤ性能との間の相関関係を示す散布図、重み付け係数の値とタイヤ性能との関係を表す自己組織化マップ、あるいは上記タイヤ性能の評価結果から決定木学習を行なって得られるタイヤ性能に関する決定木が含まれる。
本実施形態の効果を確認するために、タイヤサイズ195/65R15の市販のタイヤのタイヤ断面形状を基準タイヤ断面形状とし、タイヤ性能として横剛性と転がり抵抗を定めた。横剛性は、内圧230kPa、荷重4kNの接地条件で、10mm横方向に変位させた時の剛性である。転がり抵抗は、上記接地の条件で速度10km/時で転動させたときの転がり抵抗である。
横剛性の目標値は、基準タイヤの横剛性を基準(100)にしたとき、105以上となることとし、転がり抵抗の目標値は、基準タイヤの転がり抵抗を基準(100)にしたとき、97以下となることとした。
従来の方法として、最適化の処理を再度行う時、オペレータが、ディスプレイ16に表示された基底タイヤ断面形状の群から最適化に貢献しないと思われるタイヤ断面形状を選択して除去するとともに、新たなタイヤ断面形状を基底タイヤ断面形状の群に追加することを手動で行った。この場合、第3回目の最適化で、横剛性は目標値を達成し、転がり抵抗は目標値を達成した。
一方、本実施形態の方法では、2回目の最適化で目標値を達成し、転がり抵抗は目標値を達成した。
このように、本実施形態は、最適化の処理の回数を減らすことができ、効率よく短時間に最適タイヤ断面形状を作成することができる。
以上、本発明の最適タイヤ断面形状作成方法及び最適タイヤ断面形状作成装置について詳細に説明したが、本発明の最適タイヤ断面形状作成方法及び最適タイヤ断面形状作成装置は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 最適タイヤ断面形状作成装置
12 コンピュータ本体部
14 プリンタ
16 ディスプレイ
18 マウス・キーボード
20 記憶部
22 CPU
24 解析処理部
26 基準タイヤ断面形状作成部
30 基底タイヤ断面形状作成部
32 合成タイヤモデル作成部
34 制御・管理部
36 シミュレーション演算部
38 決定部
40 基底タイヤモデル

Claims (8)

  1. コンピュータを用いて、基準タイヤの基準タイヤ断面形状を変更することにより、設定された少なくとも2つのタイヤ性能が目標値を達成する最適タイヤ断面形状を作成する最適タイヤ断面形状作成方法であって、
    前記基準タイヤ断面形状に対してタイヤ断面形状が異なる複数の基底タイヤ断面形状からなる群のそれぞれの基底タイヤ断面形状の、前記基準タイヤ断面形状からの形状の変化分を重みづけして線形加算することにより、コンピュータが、合成タイヤ断面形状を複数作成する第1ステップと、
    作成した前記合成タイヤ断面形状から、前記コンピュータが、前記合成タイヤ断面形状を備えるタイヤのタイヤ性能を評価する第2ステップと、
    前記コンピュータが、前記変化分の重みづけを行なう際に用いる前記基底タイヤ断面形状の重みづけ係数を設計変数として、前記設計変数と前記タイヤ性能の評価結果との間の関係を定め、前記関係を用いて、設定された範囲内で設計変数の値を変更することにより、前記範囲内でタイヤ断面形状の前記タイヤ性能に対するパレート解を複数求める第3ステップと、
    前記コンピュータが、前記パレート解の少なくとも1つに基づいて作成したパレート解由来のタイヤ断面形状を含む新基底タイヤ断面形状の群を前記第1ステップで用いる前記基底タイヤ断面形状の群として定めて、前記第1ステップ、前記第2ステップ、及び、前記第3ステップを行なうことを、少なくとも1回以上行うことによって、前記タイヤ性能が目標性能を達成する最適タイヤ断面形状を求める第4ステップと、を備える、ことを特徴とする最適タイヤ断面形状作成方法。
  2. 前記第3ステップを再度行うとき、前記パレート解を求めるために用いる前記設計変数の前記範囲を調整する、請求項1に記載の最適タイヤ断面形状作成方法。
  3. 前記パレート解由来の基底タイヤ断面形状は、前記パレート解のうち、前記タイヤ性能それぞれの評価結果が最良となる限界パレート解のタイヤ断面形状の、前記基準タイヤ断面形状からの形状の変化分に基づいて作成された形状である、請求項1または2に記載の最適タイヤ断面形状作成方法。
  4. 前記パレート解由来の基底タイヤ断面形状は、前記タイヤ性能それぞれの評価結果が最良となる限界パレート解の少なくとも2つのタイヤ断面形状間のタイヤ断面形状の差分を、前記基準タイヤ断面形状に加えたタイヤ断面形状である、請求項1または2に記載の最適タイヤ断面形状作成方法。
  5. 前記第4ステップで、再度前記合成タイヤ断面形状を作成する際、前記新基底タイヤ断面形状の一部を除去することを含み、
    前記新基底タイヤ断面形状の群のうち除去するタイヤ断面形状は、除去するタイヤ断面形状以外の前記新基底タイヤ断面形状の1つとの間で、前記基準タイヤ断面形状からの形状の変化分の類似度が所定値以上であるタイヤ断面形状である、あるいは、除去するタイヤ断面形状の前記基準タイヤ断面形状からの形状の変化分と、前記新基底タイヤ断面形状それぞれの前記基準タイヤ断面形状からの形状の変化分同士の和あるいは差との間の類似度が所定値以上であるタイヤ断面形状である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の最適タイヤ断面形状作成方法。
  6. 前記第4ステップで、再度前記合成タイヤ断面形状を作成する際、前記第1ステップで用いた前記基底タイヤ断面形状からなる群のうち、前記タイヤ性能の少なくとも1つと、前記重み付け係数との間の相関係数が所定値以上であるものを、前記新基底タイヤ断面形状の1つとして残す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の最適タイヤ断面形状作成方法。
  7. さらに、前記第3ステップで、前記タイヤ性能に対するパレート解を求めるときのタイヤ性能の評価結果と前記重み付け係数との間の関係を、前記コンピュータが備えるディスプレイが可視化して表示する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の最適タイヤ断面形状作成方法。
  8. 基準タイヤの基準タイヤ断面形状を変更することにより、設定された少なくとも2つのタイヤ性能が目標値を達成する最適タイヤ断面形状を作成する最適タイヤ断面形状作成装置であって、
    前記基準タイヤ断面形状に対してタイヤ断面形状が異なる複数の基底タイヤ断面形状からなる群のそれぞれの基底タイヤ断面形状の、前記基準タイヤ断面形状からの形状の変化分を重みづけして線形加算することにより、合成タイヤ断面形状を複数作成する第1ユニットと、
    作成した前記合成タイヤ断面形状から、前記合成タイヤ断面形状を備えるタイヤのタイヤ性能を評価する第2ユニットと、
    前記変化分の重みづけを行なう際に用いる前記基底タイヤ断面形状の重みづけ係数を設計変数として、前記設計変数と前記タイヤ性能の評価結果との間の関係を定め、前記関係を用いて、設定された範囲内で設計変数の値を変更することにより、前記範囲内でタイヤ断面形状のパレート解を複数求める第3ユニットと、
    前記パレート解の少なくとも1つに基づいて作成したパレート解由来のタイヤ断面形状を含む新基底タイヤ断面形状の群を前記基底タイヤ断面形状の群として定めて、前記合成タイヤ断面形状を再度作成すること、再度作成した合成タイヤ断面形状を用いて前記タイヤ性能を再度評価すること、及び再度評価したタイヤ性能を用いて前記パレート解を求めること、を少なくとも1回以上行うことによって、前記タイヤ性能が目標値を達成する最適タイヤ断面形状を求めるように、前記第1ユニット、前記第2ユニット、及び前記第3ユニットを制御する第4ユニットと、を備える、ことを特徴とする最適タイヤ断面形状作成装置。
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