JP6627553B2 - 耐吸湿性に優れる塗膜を有する端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板及びその製造方法 - Google Patents
耐吸湿性に優れる塗膜を有する端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6627553B2 JP6627553B2 JP2016023507A JP2016023507A JP6627553B2 JP 6627553 B2 JP6627553 B2 JP 6627553B2 JP 2016023507 A JP2016023507 A JP 2016023507A JP 2016023507 A JP2016023507 A JP 2016023507A JP 6627553 B2 JP6627553 B2 JP 6627553B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating film
- steel sheet
- chromate
- red rust
- coating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
〔1〕亜鉛系めっき鋼板の両面にクロメートフリー型化成処理層と、その上に形成した、最上層塗膜及びそれに隣接した下層塗膜を少なくとも含む複数の塗膜とを有するクロメートフリー型プレコート鋼板であって、片面の最上層塗膜は下記(1)〜(4)の条件を満たし、かつ該最上層の塗膜に隣接する下層塗膜は、端面の赤錆発生の防止に有効な1種又は2種以上の潮解性の防錆顔料を含有していることを特徴とする、耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板:
(1)塗膜表面の水に対する接触角が65〜75°、
(2)塗膜の膜厚が0.5〜10μm、
(3)塗膜中の顔料の含有量が、乾燥塗膜質量に対し15〜70質量%、及び
(4)前記顔料のうち、平均一次粒径1μm以上のものの合計量が乾燥塗膜質量に対し5質量%以上。
〔2〕前記潮解性の防錆顔料が、タングステン酸塩及びケイ酸塩、アルカリ金属のリン酸塩及び塩化物、並びにアルカリ土類金属の次亜リン酸塩よりなる群から選ばれることを特徴とする、上記〔1〕に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板。
〔3〕前記タングステン酸塩が、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸リチウム、タングステン酸マグネシウム又はそれらの混合物であることを特徴とする、上記〔2〕に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板。
〔4〕前記ケイ酸塩が、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム又はそれらの混合物であることを特徴とする、上記〔2〕に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板。
〔5〕前記アルカリ金属リン酸塩が、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和物又はそれらの混合物であることを特徴とする、上記〔2〕に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板。
〔6〕前記アルカリ金属塩化物が塩化ナトリウムであることを特徴とする、上記〔2〕に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板。
〔7〕前記次亜リン酸塩が次亜リン酸カルシウムであることを特徴とする、上記〔2〕に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板。
〔8〕亜鉛系めっき鋼板の両面にクロメートフリー型化成処理層を形成し、その上に最上層塗膜及びそれに隣接した下層塗膜を少なくとも含む複数の塗膜を形成する、クロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法であって、片面の最上層塗膜に隣接する下層塗膜として、端面の赤錆発生の防止に有効な1種又は2種以上の潮解性の防錆顔料を含有する塗膜を形成し、該下層塗膜の上に、下記(1)〜(4)の条件を満たす最上層塗膜を形成することを特徴とする、耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法:
(1)塗膜表面の水に対する接触角が65〜75°、
(2)塗膜の膜厚が0.5〜10μm、
(3)塗膜中の顔料の含有量が、乾燥塗膜質量に対し15〜70質量%、及び
(4)前記顔料のうち、平均一次粒径1μm以上のものの合計量が乾燥塗膜質量に対し5質量%以上。
〔9〕前記潮解性の防錆顔料が、タングステン酸塩及びケイ酸塩、アルカリ金属のリン酸塩及び塩化物、並びにアルカリ土類金属の次亜リン酸塩よりなる群から選ばれることを特徴とする、上記〔8〕に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法。
〔10〕前記タングステン酸塩が、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸リチウム、タングステン酸マグネシウム又はそれらの混合物であることを特徴とする、上記〔9〕に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法。
〔11〕前記ケイ酸塩が、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム又はそれらの混合物であることを特徴とする、上記〔9〕に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法。
〔12〕前記アルカリ金属リン酸塩が、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和物又はそれらの混合物であることを特徴とする、上記〔9〕に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法。
〔13〕前記アルカリ金属塩化物が塩化ナトリウムであることを特徴とする、上記〔9〕に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法。
〔14〕前記次亜リン酸塩が次亜リン酸カルシウムであることを特徴とする、上記〔9〕に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法。
(1)塗膜表面の水に対する接触角が65〜75°、
(2)塗膜の膜厚が0.5〜10μm、
(3)塗膜中の顔料の含有量が、乾燥塗膜質量に対し15〜70質量%、及び
(4)前記顔料のうち、平均一次粒径1μm以上のものの合計量が乾燥塗膜質量に対し5質量%以上、
の条件を満たす塗膜を設けることで、上述の目的を達成できることを見いだして、本発明を完成するに至った。
(1)塗膜表面の水に対する接触角が65〜75°、
(2)塗膜の膜厚が0.5〜10μm、
(3)塗膜中の顔料の含有量が、乾燥塗膜質量に対し15〜70質量%、及び
(4)前記顔料のうち、平均一次粒径1μm以上のものの合計量が乾燥塗膜質量に対し5質量%以上、
という条件を満たす必要がある。ここでの「顔料」とは、着色や、あるいは防錆などを目的とした顔料全体をいう。また、乾燥塗膜質量(塗膜の乾燥状態での質量)を構成する成分として、バインダー、顔料、およびビーズなどの他の成分が挙げられる。ここで言う膜厚は、当該塗膜層の平均膜厚、すなわち最上層塗膜層の表面と下層塗膜との界面との距離の平均である。膜厚は上述の下層塗膜の膜厚測定の際に併せて行うことができる。なお、下層塗膜に添加した防錆顔料の粒径が大きく下層塗膜の樹脂から最上層塗膜中に突出している場合は、その突出した顔料表面を下層塗膜層との界面とみなす。
防錆顔料の例としては、トリポリリン酸アルミニウム、リン酸および亜リン酸のZn、Mg、Al、Ti、Zr、及びCe塩、Caイオン交換シリカ、並びに吸油量100〜1000ml/100g、比表面積200〜1000m2/g、平均粒径2〜30μmの非晶質シリカ粒子が挙げられる。
こうして作製した実施例および比較例から選択したプレコート鋼板から切り出した50×100mmの試験片を、様々な温度と相対湿度に調整した試験環境に30分間暴露して、裏面の吸湿による塗膜の濡れを観察した。結果は図1(a)〜(c)に示す3パターンに集約された。本発明の実施例のプレコート鋼板では、特に常温(20℃)付近で観測される濡れがなくなっている(図1(c)参照)。これを要約して○と評価し、表1に記載した。これは、前述のとおり、最上層皮膜に接した気体としての水(水蒸気)に対して最上層塗膜がバリア層となり、隣接した下層塗膜中の防錆顔料の潮解作用による吸湿を抑制した結果であると考えられる。プレコート鋼板を使用して最終製品を製造する需要家でのステッカーや発泡材等の貼付材の貼り付け作業効率の向上にとって極めて有利である(一旦貼り付けたステッカー等は、その後プレコート鋼板表面に濡れが生じる環境下に置かれても、剥がれることはない)。なお、最上層皮膜の膜厚が本発明の下限(0.5μm)である実施例3では、複数回の試験で結果がばらついて塗膜の濡れが観察されるケースもあった。よって、最上層皮膜の膜厚は1μm以上がより好ましいと考えられる。一方、潮解性を持った端面赤錆耐食性顔料を含有する塗膜を裏面に形成していない比較例7、8、10のプレコート鋼板では、裏面塗膜表面の濡れは観測されなかった(図1(a)参照)。これを要約して◎と評価し、表1に記載した。また、裏面の最上層に本発明の最上層塗膜を設けずに潮解性を持った端面赤錆耐食性顔料を含有する塗膜を形成した比較例3、4と、最上層塗膜が膜厚の点で本発明の要件を満たさない比較例1と、最上層塗膜が潮解性の端面赤錆耐食性顔料を含有している比較例5、6、9のプレコート鋼板では、10〜20℃の温度領域で裏面塗膜表面の濡れが観測された(図1(b)参照)。これを要約して×と評価し、表1に記載した。
各試験片の裏面塗膜の高湿度条件下での貼付材の接着性を試験した。各試験片を20℃、相対湿度95%の環境に30分間放置後、図2に示したように試験片1の塗膜にエアコン分野で用いられている各種の貼付材2(15mm幅)を貼り付け、その直後に貼付材2の一端をばねばかり3で塗膜と垂直方向に引っ張って剥離荷重を測定した。測定結果を図3に示し、その要約を表1に示す。本発明の実施例4のプレコート鋼板では、高湿度環境下で貼付材を貼付しても高い接着強度が示されることが分かった(表1における評価「○」)。それに対し、比較例5のプレコート鋼板における接着強度は格段に低かった(表1における評価「×」)。
非電解質の湿潤環境下で短期間に発生する赤錆に対する耐性を簡易的に評価する目的で、蒸留水浸漬試験を行った。実施例および比較例から選択した各プレコート鋼板について、10×40mmの試験片20枚をそれぞれ、直径80mmのシャーレに入れた蒸留水40mlに浸漬して、端面の赤錆発生の推移を次の基準による評点で評価した。
評点5: 赤錆の発生全くなし。
評点4: 赤錆5点以下。
評点3: 赤錆が端面面積の1/4未満。
評点2: 赤錆が端面面積の1/2未満。
評点1: 赤錆が端面面積の1/2以上。
得られた結果を表2に示す。
評点5: 白錆の発生全くなし。
評点4: 若干の白錆発生。
評点3: 白錆が端面面積の1/4未満。
評点2: 白錆が端面面積の1/2未満。
評点1: 白錆が端面面積の1/2以上。
プレコート鋼板において端面赤錆が最も発生しやすい部位のひとつであるノックアウト部の曝露試験を行った。試験は、ノックアウト部(30×40mm)を設けた試験片を、新日鐵住金社のウェザリングサイト君津(千葉県君津市の海岸沿岸から十分に離れた内陸山間部にある屋外曝露場)に梅雨時期から3か月間(6〜8月)暴露して行った。ノックアウト部の曝露試験の評価は、全く赤錆が発生していないものを◎、赤錆の発生が若干にとどまるもの(赤錆発生長さが概ね5%未満)を○、それを超える赤錆が発生しているものを×とした。
各種プレコート鋼板の裏面塗膜の加工密着性として、耐屈曲性(20℃における0T、1T、2T、3T、および4T曲げ試験による)、およびカップ成形性を評価した。耐屈曲性は、先ず各T曲げ後の亀裂の程度を、評点7を最高評価(亀裂なし)、評点1を最低評価(激しい亀裂)として、7〜1の7段階にて評価した。その後、T曲げ頭頂部のセロハンテープによる剥離試験を行い、剥離の程度を、評点Aを最高評価(剥離なし)、評点Gを最低評価(全面剥離)として、A〜Gの7段階にて評価した。カップ成形性は、対象面(裏面)を外側にして絞り比2.0でカップ成形後、カップ胴部中央の塗膜にカッターナイフでXカットを入れ、沸騰水に1時間浸漬したのち、Xカット部からの最大剥離幅を測定した。本試験方法での剥離幅が1.0mm以上になると、厳しい加工性が要求される場合に加工部から剥離が発生する等の実使用上の問題が発生することがわかっている。以上の加工密着性の結果を総合的に評価し、裏面の加工性として全く問題のないものを◎、十分に優れるものを◎〜○、過不足ないものを○、若干問題があると判断されるものを△、問題があると判断されるものを×と評価した。結果を表3(その1)〜表3(その3)に示すとともに、その要約を表1に示す。表3(その1)〜表3(その3)の評価項目「カップ成形性」において、n1およびn2はそれぞれ、同一試験をそれぞれ2回ずつ実施した結果を示している。加工密着性は、種々の要因によって変化する。それは、原板の種類によっても変化し、本発明による実施例および比較例では、GIのほうがSDよりも比較的良好である。これは加工時のめっきの亀裂がGIのほうが少ないため、塗膜へのダメージが少なく密着性が維持されるためと考えられる。下層あるいは最上層皮膜の膜厚が厚くなると加工密着性は低下傾向にある(実施例8、10および11、比較例2)。これは、塗膜の膜厚が厚くなることで加工時に塗膜に亀裂などのダメージが生じやすくなり、密着性が低下するためと考えられる。潮解性の防錆顔料を含有する塗膜が単層の比較例3および4では、テープ剥離により塗膜が凝集破壊しやすく加工密着性は低下する。特許文献3によるめっき層上に直接水透過性皮膜を設けたプレコート金属板(比較例8)は、水透過性皮膜の原板との密着性が悪いためテープ剥離した時に剥離しやすく、加工密着性は低下する。平均一次粒径1μm以上の顔料濃度が増加しても、加工密着性は低下傾向にある。実施例20および21では、平均一次粒径1μm以上の顔料が30%以上となり加工密着性が低下している。なお、厳しい加工性を要求されない用途においては、本判定が×であっても支障は無い。
2 貼付材
3 ばねばかり
11 プレコート鋼板のノックアウト部
Claims (14)
- 亜鉛系めっき鋼板の両面にクロメートフリー型化成処理層と、その上に形成した、最上層塗膜及びそれに隣接した下層塗膜を少なくとも含む複数の塗膜とを有するクロメートフリー型プレコート鋼板であって、片面の最上層の塗膜は下記(1)〜(4)の条件を満たし、かつ該最上層の塗膜に隣接する下層塗膜は、端面の赤錆発生の防止に有効な1種又は2種以上の潮解性の防錆顔料を含有していることを特徴とする、耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板:
(1)塗膜表面の水に対する接触角が65〜75°、
(2)塗膜の膜厚が0.5〜10μm、
(3)塗膜中の顔料の含有量が、乾燥塗膜質量に対し15〜70質量%、及び
(4)前記顔料のうち、平均一次粒径1μm以上のものの合計量が乾燥塗膜質量に対し5質量%以上。 - 前記潮解性の防錆顔料が、タングステン酸塩及びケイ酸塩、アルカリ金属のリン酸塩及び塩化物、並びにアルカリ土類金属の次亜リン酸塩よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板。
- 前記タングステン酸塩が、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸リチウム、タングステン酸マグネシウム又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板。
- 前記ケイ酸塩が、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板。
- 前記アルカリ金属リン酸塩が、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和物又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板。
- 前記アルカリ金属塩化物が塩化ナトリウムであることを特徴とする、請求項2に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板。
- 前記次亜リン酸塩が次亜リン酸カルシウムであることを特徴とする、請求項2に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板。
- 亜鉛系めっき鋼板の両面にクロメートフリー型化成処理層を形成し、その上に最上層塗膜及びそれに隣接した下層塗膜を少なくとも含む複数の塗膜を形成する、クロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法であって、片面の最上層塗膜に隣接する下層塗膜として、端面の赤錆発生の防止に有効な1種又は2種以上の潮解性の防錆顔料を含有する塗膜を形成し、該下層塗膜の上に、下記(1)〜(4)の条件を満たす最上層塗膜を形成することを特徴とする、耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法:
(1)塗膜表面の水に対する接触角が65〜75°、
(2)塗膜の膜厚が0.5〜10μm、
(3)塗膜中の顔料の含有量が、乾燥塗膜質量に対し15〜70質量%、及び
(4)前記顔料のうち、平均一次粒径1μm以上のものの合計量が乾燥塗膜質量に対し5質量%以上。 - 前記潮解性の防錆顔料が、タングステン酸塩及びケイ酸塩、アルカリ金属のリン酸塩及び塩化物、並びにアルカリ土類金属の次亜リン酸塩よりなる群から選ばれることを特徴とする、請求項8に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法。
- 前記タングステン酸塩が、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸リチウム、タングステン酸マグネシウム又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項9に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法。
- 前記ケイ酸塩が、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項9に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法。
- 前記アルカリ金属リン酸塩が、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和物又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項9に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法。
- 前記アルカリ金属塩化物が塩化ナトリウムであることを特徴とする、請求項9に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法。
- 前記次亜リン酸塩が次亜リン酸カルシウムであることを特徴とする、請求項9に記載の耐吸湿性に優れる塗膜を有し端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015075421 | 2015-04-01 | ||
JP2015075421 | 2015-04-01 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016193593A JP2016193593A (ja) | 2016-11-17 |
JP6627553B2 true JP6627553B2 (ja) | 2020-01-08 |
Family
ID=57322628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016023507A Active JP6627553B2 (ja) | 2015-04-01 | 2016-02-10 | 耐吸湿性に優れる塗膜を有する端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6627553B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6760489B2 (ja) * | 2017-04-05 | 2020-09-23 | 日本製鉄株式会社 | 塗膜の耐傷付き性及び耐吸湿性が良好で端面赤錆耐食性に優れるプレコート鋼板 |
-
2016
- 2016-02-10 JP JP2016023507A patent/JP6627553B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016193593A (ja) | 2016-11-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN103298891B (zh) | 包含片状硅酸盐颜料的涂层组合物和用于生成透明或半透明的发射性涂层的方法 | |
ES2773898T3 (es) | Agente inorgánico libre de cromo para tratamiento de superficie metálica | |
KR101485307B1 (ko) | 메탈릭조 외관을 갖는 크로메이트 프리 코트 금속판 및 그 제조에 사용하는 수계 도료 조성물 | |
JP5080922B2 (ja) | 端面耐食性に優れた非クロム系樹脂塗装金属板 | |
US20170107624A1 (en) | Corrosion-Resistant Coating Composition | |
US9752046B2 (en) | Aqueous hydrophilic coating composition capable of forming coating film having excellent self-cleaning ability against stains adhered thereon, and surface-treated material having formed thereon coating film having excellent self-cleaning ability against stains adhered thereon | |
JP5299532B2 (ja) | 耐端面赤錆性に優れたクロムフリー塗装鋼板 | |
JP5103111B2 (ja) | 塗装鋼板 | |
JP6627553B2 (ja) | 耐吸湿性に優れる塗膜を有する端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板及びその製造方法 | |
KR20150073654A (ko) | 내식성 및 내흑변성이 우수한 마그네슘 함유 합금 도금 강판용 코팅 조성물 및 이를 포함하는 강판 | |
JP2011219791A (ja) | コンクリート構造用塗装めっき鋼材 | |
JP6760489B2 (ja) | 塗膜の耐傷付き性及び耐吸湿性が良好で端面赤錆耐食性に優れるプレコート鋼板 | |
JP4947025B2 (ja) | 耐端面赤錆性に優れたクロムフリー塗装鋼板 | |
JP5433950B2 (ja) | 金属塗装材 | |
JP5187221B2 (ja) | クロムフリー塗装鋼板およびこれを用いてなる筐体 | |
JP5271748B2 (ja) | 塗装方法及び防食塗膜 | |
KR101357881B1 (ko) | 단부면 적녹 내식성이 우수한 크로메이트 프리형 프리코트 강판 | |
JP5531986B2 (ja) | クロムフリー塗装鋼板およびこれを用いてなる筐体 | |
JP5225466B2 (ja) | 端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板 | |
JP5103096B2 (ja) | 端面の耐食性に優れる塗装鋼板 | |
KR101682479B1 (ko) | 방식성 이중 도료 조성물, 이의 제조방법 및 이를 이용한 코팅방법 | |
JP2009235340A (ja) | 塗装済み金属部材 | |
AU2010309188A1 (en) | Precoated steel sheet and process for producing the same |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181003 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190613 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190618 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190814 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191105 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191118 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6627553 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |