JP6627219B2 - オレフィンの製造方法 - Google Patents

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本発明は、エタノールを出発物質としてオレフィンを製造するオレフィン製造方法に関する。
オレフィンのうち、ブタジエン(1,3−ブタジエン)は、スチレン・ブタジエンゴム、ニトリル・ブタジエンゴム等の合成ゴムや、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene copolymer)等の合成樹脂の原料となることから、需要が高く、製造量が多い。従来ブタジエンは、石油ナフサをクラッキング(接触分解)することによって製造されていた。
一方、近年、リグノセルロース系バイオマスからエタノールを製造する技術が開発されており、エタノールを出発物質としてブタジエンを製造する技術が注目されている。このような技術として、エタノールからブタジエンへの変換反応を促進する触媒を1の反応器に収容しておき、反応器にエタノールを導入することで、触媒による、エタノールからブタジエンへの変換反応を促進させる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
エタノールからブタジエンへの変換反応を促進する触媒として、特許文献1には、周期表第4〜第13属の金属酸化物と、MgO(酸化マグネシウム)と、SiO(二酸化ケイ素)との混合物が開示されている。また、当該触媒の調整方法として、混練法、含浸法、気相蒸着法、担持錯体分解法が例示されている。
国際公開第2013/125389号
上述した、エタノールを出発物質としてブタジエン等のオレフィンを製造する技術において、オレフィンのさらなる製造効率(収率)の向上が希求されている。
本発明は、このような課題に鑑み、ブタジエン等のオレフィンの製造効率を向上させることが可能なオレフィン製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のオレフィン製造方法は、エタノールを出発物質として1,3−ブタジエンを製造するオレフィン製造方法であって、マグネシウムアルコキシドと、シリコンアルコキシドとを、加水分解させ、縮合重合させて、ゲル状態のMgOと、ゲル状態のSiO との混合物を生成する工程と、混合物を乾燥させる工程と、乾燥させた混合物を焼成して酸塩基触媒を製造する工程と、脱水素触媒によってエタノールを変換してアセトアルデヒドを生成する工程と、アセトアルデヒドを生成する工程を遂行することによって生成された生成物からアセトアルデヒドを分離する工程と、分離する工程で分離されたアセトアルデヒド、および、エタノールを酸塩基触媒によって1,3−ブタジエンに変換する工程と、を含む
また、脱水素触媒は、少なくともZnOを含んで構成されるとしてもよい。
また、酸塩基触媒におけるMgとSiのモル比は、9:1であるとしてもよい。
本発明によれば、ブタジエン等のオレフィンの製造効率を向上させることが可能となる。
エタノールから1,3−ブタジエンを合成(製造)する際に考えられている反応機構を説明するための図である。 実施形態にかかるオレフィン製造装置を説明するための図である。 ZnOを含んで構成される脱水素触媒によるアセトアルデヒドの選択率について説明するための図である。 実施形態にかかる脱水素触媒の製造方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 実施形態にかかる酸塩基触媒の製造方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 MgO/SiOにおけるMgOとSiOとの比率の検討結果を説明するための図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、エタノールから1,3−ブタジエンを合成(製造)する際に考えられている反応機構を説明するための図である。図1に示すように、まず、エタノール(COH)が、脱水素反応(図1中、1−Aで示す)によってアセトアルデヒド(CHCHO)となる。得られたアセトアルデヒドは、縮合反応(図1中、2−Bで示す)によって、3−ヒドロキシブタナール(CHCH(OH)CHCHO)となる。
3−ヒドロキシブタナールは、脱水反応(図1中、3−Cで示す)によって、クロトンアルデヒド(CHCH=CHCHO)となり、クロトンアルデヒドは、エタノールとともに、水素化反応(図1中、4−Dで示す)によって、2−ブテン−1−オール(CHCH=CHCHOH)となる。
そして、2−ブテン−1−オールは、脱水反応(図1中、5−Cで示す)によって、1,3−ブタジエン(CH=CH−CH=CH)となる。このようにして、エタノールから1,3−ブタジエンが製造される。
かかる反応機構のうち、脱水素反応(1−A)においては、脱水素触媒が用いられ、縮合反応(2−B)、脱水反応(3−C、5−C)、水素化反応(4−D)においては、酸塩基触媒が用いられることとなる。
従来、エタノールを出発物質として、1,3−ブタジエン等のオレフィンを製造する際には、脱水素触媒としても酸塩基触媒としても機能する1の触媒を反応器に収容し、当該反応器にエタノールを導入することでオレフィンを製造していた。しかし、この場合、原料であるエタノールの脱水素反応と脱水反応が競合してしまう。脱水反応を低減するように最適化すると、1,3−ブタジエン等のオレフィンを製造に不可欠な反応(縮合反応、脱水反応、および、水素化反応)が適切ではなくなってしまうため、最適化することができず、オレフィンの製造効率の向上には限界があった。
そこで、本実施形態では、脱水素触媒によって促進される反応と、酸塩基触媒によって促進される反応とを双方ともに最適化することで、オレフィンの製造効率を向上させることができるオレフィン製造装置について説明する。
(オレフィン製造装置100)
図2は、本実施形態にかかるオレフィン製造装置100を説明するための図である。図2に示すように、オレフィン製造装置100は、第1反応器110と、分離器120と、第2反応器130と、精製器140とを含んで構成され、エタノールを出発物質としてオレフィンを製造する。
第1反応器110には、脱水素反応を促進する脱水素触媒が収容されており、エタノールが導入される。第1反応器110にエタノールが導入されると、脱水素触媒によって、エタノールが変換されてアセトアルデヒドを含む第1生成物が生成される。なお、第1生成物には、主生成物であるアセトアルデヒドに加えて、未反応のエタノールや、副生成物のエチレン、アセトン、水素等が含まれることとなる。
第1反応器110に収容される脱水素触媒は、例えば、ZnO(酸化亜鉛)を含んで構成され、好ましくは、NaCO(炭酸ナトリウム)で調製されたZnO(以下、「NaCO/ZnO」と称する)を含んで構成される。
ここで、ZnOを含んで構成される3種の脱水素触媒を用いて、エタノールからアセトアルデヒドの変換反応(脱水素反応)を遂行させ、得られた第1生成物中のアセトアルデヒドの含有率(以下、「アセトアルデヒドの選択率」と称する)を測定した結果について説明する。なお、ZnOを含んで構成される脱水素触媒として、NaCO/ZnO、NHOH(アンモニア水)で調製されたZnO(以下、「NHOH/ZnO」と称する)、Pt(白金)がドープされたZnO(以下、「Pt/ZnO」と称する)を用いた。
図3は、ZnOを含んで構成される脱水素触媒によるアセトアルデヒドの選択率について説明するための図である。図3中、NaCO/ZnOを白で、NHOH/ZnOを黒で、Pt/ZnOをハッチングで示す。
図3に示すように、NaCO/ZnOを用いた場合、アセトアルデヒドの選択率は80%を超えているが、NHOH/ZnOを用いた場合、アセトアルデヒドの選択率は45%程度と低い。したがって、エタノールからアセトアルデヒドへの変換反応(脱水素反応)を促進する脱水素触媒として、NaCO/ZnOは、NHOH/ZnOよりも優れていることが分った。
一方、Pt/ZnOを用いた場合、アセトアルデヒドの選択率は90%を超えており、NaCO/ZnOよりもアセトアルデヒドの選択率が高い。しかし、Pt/ZnOは、レアメタルであるPtを含むため、NaCO/ZnOよりも極めてコストが高い。したがって、脱水素触媒としてNaCO/ZnOを採用することにより、低コストで、Pt/ZnOと同程度に効率よく、エタノールをアセトアルデヒドに変換させることが可能となる。
図2に戻って説明すると、分離器120は、例えば、分留塔で構成され、第1反応器110によって生成された第1生成物を分留して、アセトアルデヒド、エタノール、その他(エチレン、アセトン、水素等)に分離する。そして、分離器120によって分離されたアセトアルデヒドおよびエタノールの一部は、後段の第2反応器130に送出される。
分離器120を備える構成により、第2反応器130において遂行される反応の出発物質となる物質(アセトアルデヒド、および、エタノール)のみを第2反応器130に導入することができ、第2反応器130における主生成物の収率を向上させることが可能となる。
なお、第2反応器130においては、アセトアルデヒドとエタノールとのモル比が1:1である場合に最も効率よく反応が進行する。したがって、分離器120において分離されたエタノールであって、効率を高めるために第2反応器130に送出されるエタノールの量が決定された後、第2反応器130で余剰となるエタノールは、分離器120から第1反応器110に返送される。
第2反応器130には、縮合反応、脱水反応、および、水素化反応を促進する酸塩基触媒が収容されており、分離器120で分離されたアセトアルデヒドおよびエタノールが導入される。第2反応器130にアセトアルデヒドおよびエタノールが導入されると、酸塩基触媒によって、アセトアルデヒドおよびエタノールが変換されて、1,3−ブタジエン等のC4オレフィン、1,3−ペンタジエン等のC5オレフィン、2,4−ヘキサジエン、1,3,5−ヘキサトリエン等のC6オレフィンといったオレフィンを含む第2生成物が生成される。
ここで、第2反応器130に収容される酸塩基触媒は、例えば、MgOおよびSiOを含んで構成される。MgOおよびSiOを含んで構成される酸塩基触媒(以下、「MgO/SiO」と称する)は、アセトアルデヒドおよびエタノールからオレフィンへの変換反応(縮合反応、脱水反応、水素化反応)を遂行させて得られた第2生成物中のオレフィンの含有率(以下、「オレフィンの選択率」と称する)が40%程度と極めて高い。したがって、酸塩基触媒として、MgO/SiOを用いることにより、アセトアルデヒドおよびエタノールを効率よくオレフィンに変換させることが可能となる。
精製器140は、例えば、分留塔で構成され、第2反応器130によって生成された第2生成物を分留して、C4オレフィン、C5オレフィン、C6オレフィン、その他に分離する。こうして、精製されたC4オレフィン、C5オレフィン、C6オレフィンを製造することができる。
以上説明したように、本実施形態にかかるオレフィン製造装置100によれば、脱水素触媒を用いる反応場と、酸塩基触媒を用いる反応場とを別々に設けることで、脱水素触媒によって促進される反応(脱水素反応)を最適化するとともに、酸塩基触媒によって促進される反応(縮合反応、脱水反応、および、水素化反応)を最適化することができる。これにより、オレフィンの全体的な製造効率を向上することが可能となる。
(脱水素触媒の製造方法)
続いて、脱水素触媒として機能する上記NaCO/ZnOの製造方法について説明する。図4は、本実施形態にかかる脱水素触媒の製造方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。図4に示すように、脱水素触媒の製造方法は、水溶液調製工程S110と、沈殿生成工程S120と、洗浄工程S130と、乾燥工程S140と、焼成工程S150とを含む。以下、各工程について詳述する。
(水溶液調製工程S110)
水溶液調製工程S110では、Zn(NO・6HO(硝酸亜鉛六水和物)を水に溶解させ、硝酸亜鉛水溶液を調製する。また、NaCO(炭酸ナトリウム)を水に溶解させ、炭酸ナトリウム水溶液を調製する。
(沈殿生成工程S120)
沈殿生成工程S120では、水溶液調製工程S110で調製した硝酸亜鉛水溶液に、pH8になるまで炭酸ナトリウム水溶液を加える。これにより、ZnCO(炭酸亜鉛)の沈殿を生成することができる。
(洗浄工程S130)
洗浄工程S130では、沈殿生成工程S120で得られた炭酸亜鉛の沈殿を含む溶液を吸引濾過し、炭酸亜鉛を分離する。続いて、分離した炭酸亜鉛を水に分散させて洗浄した後、再度吸引濾過を遂行し、炭酸亜鉛を分離する。
(乾燥工程S140)
乾燥工程S140では、洗浄工程S130を遂行することで洗浄された炭酸亜鉛を、約100℃で、約24時間乾燥させる。
(焼成工程S150)
焼成工程S150では、乾燥工程S140で乾燥させた炭酸亜鉛を、例えば、電気炉を用いて、400℃で4時間加熱して焼成する。こうして、NaCO/ZnO(NaCOで調製されたZnO)を製造することができる。
(酸塩基触媒の製造方法)
続いて、酸塩基触媒として機能する上記MgO/SiOの製造方法について説明する。図5は、本実施形態にかかる酸塩基触媒の製造方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。図5に示すように、酸塩基触媒の製造方法は、溶液調製工程S210と、ゲル状混合物生成工程S220と、減圧乾固工程S230と、乾燥工程S240と、焼成工程S250とを含む。以下、各工程について詳述する。
(溶液調製工程S210)
溶液調製工程S210では、マグネシウムアルコキシドと、シリコンアルコキシドをエタノールに溶解させ、さらに、エタノールと実質的に等しい体積量の水を添加して、マグネシウムアルコキシドおよびシリコンアルコキシドのエタノール−水溶液を調製する。なお、マグネシウムアルコキシドとしては、例えば、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、マグネシウムプロポキシド、マグネシウムブトキシドの群から選択される1または複数を用いることができる。また、シリコンアルコキシドとしては、例えば、シリコンメトキシド、シリコンエトキシド(テトラエチルオルソシリケート)、シリコンプロポキシド、シリコンブトキシドの群から選択される1または複数を用いることができる。
(ゲル状混合物生成工程S220)
ゲル状混合物生成工程S220では、溶液調製工程S210で調製したマグネシウムアルコキシドおよびシリコンアルコキシドのエタノール−水溶液を約70℃に加熱しながら1時間攪拌する。続いて、マグネシウムアルコキシドおよびシリコンアルコキシドのエタノール−水溶液にアンモニア水(50vol/%)を添加して塩基性にした後、約70℃に維持したまま、さらに1時間攪拌する。そして、得られた溶液を室温(例えば、25℃)まで冷却しながら約24時間攪拌する。そうすると、加水分解反応および縮合重合反応が進行し、ゲル状態のMgOとゲル状態のSiOの混合物が生成される。
(減圧乾固工程S230)
減圧乾固工程S230では、ゲル状混合物生成工程S220で得られた、ゲル状態のMgOとゲル状態のSiOの混合物の懸濁液を、減圧下におき、溶媒を蒸発させ、ゲル状態のMgOとゲル状態のSiOの混合物を乾固させる。
(乾燥工程S240)
乾燥工程S240では、減圧乾固工程S230で減圧乾固されたMgOとSiOの混合物を、約100℃で、約24時間乾燥させる。
(焼成工程S250)
焼成工程S250では、乾燥工程S240で乾燥させたMgOとSiOの混合物を、例えば、電気炉を用いて、500℃で4時間加熱して焼成する。こうして、MgO/SiOを製造することができる。
(製造方法の相違によるMgO/SiOのブタジエンの選択率の検討)
上記図5に示す酸塩基触媒の製造方法(以下、「ゾルゲル法」と称する)、および、混練法の2種の製造方法でMgO/SiOを製造し、それぞれのMgO/SiOを用いて、エタノールから1,3−ブタジエンの変換反応(脱水素反応、縮合反応、脱水反応、水素化反応)を遂行させ、得られた生成物中の1,3−ブタジエンの含有率(以下、「ブタジエンの選択率」と称する)を測定した。
その結果、ゾルゲル法で製造したMgO/SiOを用いた場合、ブタジエンの選択率は37%となり、混練法で製造したMgO/SiOを用いた場合、ブタジエンの選択率は22%となった。
以上の結果より、ゾルゲル法で製造した方が、ブタジエンの選択率が高いMgO/SiOを製造できることが分った。
(MgO/SiOにおけるMgとSiとの比率の検討)
また、MgO/SiOにおけるMgとSiとの最適な比率について検討した。ここで、MgとSiとの比率が100:0(mol%)、90:10(mol%)、75:25(mol%)、50:50(mol%)の4種類のMgO/SiOを製造してブタジエンの選択率およびエチレンの選択率を測定した。
図6は、MgO/SiOにおけるMgOとSiOとの比率の検討結果を説明するための図である。図6中、ブタジエンの選択率を丸で、エチレンの選択率を四角で示す。
図6に示すように、MgO/SiOにおけるMgとSiの比率が50:50(mol%)の場合、ブタジエンの選択率は35%、エチレンの選択率は44%であった。そして、MgO/SiOにおいてMgの比率を増加させていくと、ブタジエンの選択率は上昇し、エチレンの選択率は低下することが分った。詳細に説明すると、MgとSiとの比率が75:25(mol%)のMgO/SiOでは、ブタジエンの選択率が37%、エチレンの選択率は20%となり、MgとSiとの比率が90:10(mol%)のMgO/SiOでは、ブタジエンの選択率が40%、エチレンの選択率は18%となった。なお、MgとSiとの比率が100:0(mol%)の化合物、すなわち、MgOでは、ブタジエンの選択率が17%、エチレンの選択率は15%であった。
以上の結果から、MgO/SiOにおけるMgとSiのモル比は、9:1であると、ブタジエンの選択率が最も高いことが分った。したがって、酸塩基触媒として、MgとSiのモル比が9:1のMgO/SiOを採用することにより、アセトアルデヒドおよびエタノールを効率よくオレフィンに変換させることが可能となる。
なお、上記ゾルゲル法を用いる場合、溶液調製工程S210において調製する、マグネシウムアルコキシドおよびシリコンアルコキシドのエタノール−水溶液中の、マグネシウムアルコキシドと、シリコンアルコキシドとの比率を調整することで、MgとSiのモル比が9:1のMgO/SiOを製造することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、第1反応器110に収容される脱水素触媒として、NaCO/ZnOを例に挙げて説明した。しかし、脱水素触媒として、少なくともZnOを含む化合物を用いることができ、例えば、Pt/ZnOを用いてもよい。また、脱水素反応を促進してエタノールをアセトアルデヒドに変換することができれば、ZnOを含まない他の物質であってもよい。
また、上記実施形態において、第2反応器130に収容される酸塩基触媒として、MgO/SiOを例に挙げて説明した。しかし、縮合反応、脱水反応、および、水素化反応を促進してアセトアルデヒドおよびエタノールをオレフィンに変換することができれば、他の物質であってもよい。
また、上記実施形態において、第1反応器110に収容される脱水素触媒と第2反応器130に収容される酸塩基触媒とが異なる物質である場合を例に挙げて説明した。しかし、第1反応器110に収容される脱水素触媒と、第2反応器130に収容される酸塩基触媒が同一の物質(脱水素触媒としても酸塩基触媒としても機能する物質)であってもよい。
また、上記実施形態において、第2反応器130には、分離器120で分離されたエタノールが導入される構成を例に挙げて説明した。しかし、第2反応器130には、分離器120で分離されたエタノールに加えて、または、代えて、他のエタノールが導入されるとしてもよい。
また、上記実施形態において、分離器120で分離され、第2反応器130において余剰するエタノールを第1反応器110に返送する構成を例に挙げて説明した。しかし、分離器120で分離され、第2反応器130において余剰するエタノールを、第1反応器110に返送せずともよい。
また、上記実施形態において、マグネシウムアルコキシドとして、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、マグネシウムプロポキシド、マグネシウムブトキシドの群から選択される1または複数を例に挙げて説明したが、他のマグネシウムアルコキシドを利用することもできる。同様に、シリコンアルコキシドとして、シリコンメトキシド、シリコンエトキシド、シリコンプロポキシド、シリコンブトキシドの群から選択される1または複数を例に挙げて説明したが、他のシリコンアルコキシドを利用することもできる。
なお、本明細書の脱水素触媒の製造方法、および、酸塩基触媒の製造方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的な処理を含んでもよい。
本発明は、エタノールを出発物質としてオレフィンを製造するオレフィン製造方法に利用することができる。
100 オレフィン製造装置
110 第1反応器
120 分離器
130 第2反応器
S210 溶液調製工程
S220 ゲル状混合物生成工程
S230 減圧乾固工程
S240 乾燥工程
S250 焼成工程

Claims (3)

  1. エタノールを出発物質として1,3−ブタジエンを製造するオレフィン製造方法であって、
    マグネシウムアルコキシドと、シリコンアルコキシドとを、加水分解させ、縮合重合させて、ゲル状態のMgOと、ゲル状態のSiO との混合物を生成する工程と、
    前記混合物を乾燥させる工程と、
    乾燥させた前記混合物を焼成して酸塩基触媒を製造する工程と、
    水素触媒によってエタノールを変換してアセトアルデヒドを生成する工程と、
    前記アセトアルデヒドを生成する工程を遂行することによって生成された生成物からアセトアルデヒドを分離する工程と、
    記分離する工程で分離された前記アセトアルデヒド、および、エタノールを前記酸塩基触媒によって1,3−ブタジエンに変換する工程と、
    含むオレフィン製造方法
  2. 前記脱水素触媒は、少なくともZnOを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン製造方法
  3. 前記酸塩基触媒におけるMgとSiのモル比は、9:1であることを特徴とする請求項1または2に記載のオレフィン製造方法
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