JP6627003B1 - 縫製装置 - Google Patents

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秀隆 後藤
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辰男 佐子
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Abstract

【課題】 被縫製物に対して所要の縫製を行うに際し、設置上の省スペース化を図ることができると共に生産性向上、生産コストの低減を期し得る縫製装置を提供する。【解決手段】 被縫製物2を保持した保持枠体3を固定状態に設置するための縫製台部5に、X方向に延長する直線状ガイドレール6を設ける。直線状ガイドレール6のX方向で見た左右側に位置させて第1のミシン7と第2のミシン9の2台のミシンを設ける。該第1のミシン7と該第2のミシン9は共に、該直線状ガイトレール6をX方向で往復移動し得る移動支持台10を具える。移動支持台10には、Y方向で往復移動し得るミシン本体11を設ける。第1、第2のミシン7,9が縫製中において、その何れか一方が、直線状ガイドレール6の一方側からその中央部を越えてその他方側に向けて移動できる。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の車室に設置されるカーテンエアバッグ装置を構成するための長さの長いカーテンエアバッグのような長尺の被縫製物や、短尺の被縫製物片が一直線上で多数枚並べられることによって全体として長尺を呈する被縫製物を縫製するに際し、省スペース化を図って設置できると共に生産性向上、生産コストの低減に寄与し得る縫製装置に関するものである。
長尺の被縫製物の一例としての、自動車の車室に設置されるカーテンエアバッグ装置を構成するカーテンエアバッグは、車室においてサイドドアガラスに沿って前後方向に長く設置されるものであり、その一例が特許文献1に記載されている。該カーテンエアバッグは、例えば図16に示すように、長尺物として構成されたエアバッグ本体aの縁部分bに車両への取付け片cが所要間隔で取り付けられてなり、該取付け片cの基部dが該縁部分bに縫製により止着されている。そして該エアバッグ本体aは、例えば2m程度の長さを有しており、複数のチャンバーが設けられると共に、インフレータから噴出する高圧のガスがガス流入口eを介して該各チャンバーに供給されることによって展開状態に膨張し得る。
かかる構成を有するエアバッグ本体aの前記縁部分bに前記取付け片cの前記基部dを縫製する従来縫製の一例は、前記縁部分bに止着される例えば9枚の前記取付け片c(図16(a))の夫々に対応させて設けた9台のミシンを用いて行っていた。該9台のミシンは、例えば図17に示すように、L字壁fの入隅部g側に配設されており、第1〜第4のミシンh1,h2,h3,h4の4台が、該L字壁fの該入隅部gの一辺側jに固定状態に並設されており、第5〜第9のミシンh5,h6,h7,h8,h9が、該L字壁fの入隅部gの他辺側kに固定状態に並設されていた。
そして前記第1のミシンh1が、前記エアバッグ本体aの一端側に止着される第1の取付け片c1の基部d(図16(B))を前記縁部分bに所要の縫製パターンで縫製し、又、前記第2のミシンh2が、該第1の取付け片c1に続く第2の取付け片c2の基部dを前記縁部分bに所要の縫製パターンで縫製するといったように、対応のミシンが対応の取付け片cの基部dを前記縁部分bに順次縫製するものであり、作業者が所要の取付け片cの基部dを前記ミシンの縫製部にあてがって全ての取付け片cを前記縁部分bに縫製することとしていた。
この縫製は通常2名の作業者が共同して行い、一端側の4枚の取付け片c1〜c4を1番目の作業者が担当し、その作業終了後に前記エアバッグ本体aを2番目の作業者に受け渡し、該2番目の作業者が残りの5枚の取付け片c5〜c9の縫製を担当し、これによって、全ての取付け片cの基部dを前記縁部分bに縫製し該エアバッグ本体aに対する該取付け片cの止着を完了していた。しかしながら、かかる人手に頼る縫製作業は生産能率が悪かったこと及び、各作業者について見たとき、前記基部dの縫製に関与するミシンは1台ずつであり、該1台のミシンによる縫製の間、残りのミシンはストップしており、ミシン全体の稼働効率が悪かったことによってエアバッグの生産コストの上昇を招く問題があった。
そこで図18に示す縫製装置m1を用いる縫製方法が実施されていた。該縫製装置m1は、縫製台nの定位置に1台のミシンpが固定され、前記エアバッグ本体aを保持したパレットqが該縫製台n上で横移動可能となされていた。そして、前記エアバッグ本体aの前記縁部分bに基部d(図16(B))が仮取り付けされている所要枚数の取付け片cの夫々の該基部dを、該パレットqの横移動に伴い該縁部分bに順次縫製するようになされていた。該縫製方法によるときは、エアバッグ本体aの前記縁部分bに対する全ての取付け片cの基部dの縫製を1台のミシンpで行うことができると共に、全ての取付け片cの縫製を前記パレットqの自動的な横移動によって順次行うことができるため、前記縫製方法に比して生産性向上を期し得る利点があった。
図19は、一層の生産性向上の要求に応じるために開発された縫製装置m2を示すものである。該縫製装置m2は、前記と同様構成のパレットqを設置するための縫製台nの全長が、図18に示す縫製台nの全長の約2倍に設定されていた。そして該縫製台nに、所要間隔を置いて第1、第2の2台のミシンr1,r2が定位置に固定状態に配置されると共に、第1のパレットq1と第2のパレットq2の2台のパレットが、該縫製台n上で一直線上に横移動可能に設けられていた。
該縫製装置m2を用いる縫製方法は例えば図19に示すように、前記第1のミシンr1によって、第1のパレットq1に保持されている前記エアバッグ本体aの、図16に示す略右側半分に止着される前記取付け片cの前記基部dを前記縁部分bに縫製した後、該第1のパレットq1を前記第2のミシンr2側に移動させ、該第2のミシンr2によって、残りの略左側半分に止着される前記取付け片cの前記基部dを前記縁部分bに縫製することとしていた。そして該第2のミシンr2が該略左側半分での縫製を行っている間に、前記第1のミシンr1が新たなパレットq2に保持されている前記エアバッグ本体aの略右側半分において前記縫製を行うようになされている。即ち、該第1のミシンr1と該第2のミシンr2が、縫製しているエアバッグ本体aは異なるが、前記第1のパレットq1に保持されているエアバッグ本体aに対する縫製と、前記第2のパレットq2に保持されているエアバッグ本体aに対する縫製を同時進行で行うことができるのである。
このように該縫製装置m2を用いて縫製するときは、前記パレットqが前記縫製台nを端から端まで横移動する間に前記エアバッグ本体aの前記縁部分bに対する全ての取付け片cの夫々の基部dの縫製を行うことができるのであり、これによって、定位置に固定した1台のミシンに対してパレットqを横移動可能とする前記縫製方法に比して生産性を2倍程度に高めることができた。
しかしながら、1台のミシンpが設置されてなる前記縫製台n上で前記パレットqを横移動させる前記縫製装置によるときは、縫製装置の設置のために、前記エアバッグ本体aの長さ(2m程度)の2倍程度の長さ(4m程度)のスペースが必要となり、長い設置スペースを要する問題点があった。特に第1、第2のミシンr1,r2を設置して行う前記縫製装置によるときは、1台のミシンを設置して行う縫製装置に比べて2倍程度の長さ(8m程度)の相当広い設置スペースを要することとなった。このように縫製装置の設置スペースが大きくなるため、工場内スペースの単位面積当りのコスト上昇を招き、従って設備コストの上昇を招き、エアバッグ1枚当りの生産コストの上昇を招く問題があった。
次に、長尺の被縫製物を縫製する縫製装置の他の従来例として、特許文献2が開示する縫製装置を説明する。特許文献2に係る縫製装置は、基台上の両側に個別に平行して配置された2本の直線状ガイドレールの夫々にミシンが設けられており、両ミシンが、X軸方向に各々直線移動可能に構成されている。しかしながら夫々のミシンは、予め定められた別々のワーキングエリアでの縫製を行うことができるだけであり、両ミシンが同一のワーキングエリアでの縫製を行うということはできなかった。又、基台上の両側に配置された2本の直線状ガイドレールの夫々にミシンが設けられてなる構成を採用しているために該基台の幅寸法が大であり、従って、該縫製装置の設置のために広いスペースを要する問題もあった。
国際公開番号WO2008/065964 特開平4−26448号公報
本発明は、縫製物に対して所要の縫製を行うに際し、設置上の省スペース化を図ることができると共に生産性向上、生産コストの低減を期し得る縫製装置の提供を課題とするものである。
前記課題を解決するために本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る縫製装置の第1の態様は、被縫製物を保持したパレットを固定状態に設置するための縫製台部に、X方向に延長する直線状ガイドレールが設けられ、同一の該直線状ガイドレールの該X方向で見た左右側に位置させて第1のミシンと第2のミシンの2台のミシンが設けられており、該第1のミシンと該第2のミシンは共に、該直線状ガイドレールを前記X方向で往復移動し得る移動支持台を具え、該移動支持台には、Y方向で往復移動し得るミシン本体が設けられている。該第1のミシンと該第2のミシンは、互いに衝突しない限り前記直線状ガイドレールを前記X方向で往復移動でき、且つ該第1、第2のミシンが縫製中において、その何れか一方が、前記直線状ガイドレールの一方側からその中央部を越えてその他方側に向けて移動できるようにプログラム制御されており、該第1のミシンと該第2のミシンが衝突することがないように衝突防止の安全装置が設けられており、該第1のミシンと該第2のミシンによる縫製は、該第1、第2のミシンがプログラム制御によってXY方向で所要に移動することによって行われるようになされていることを特徴とするものである。
本発明に係る縫製装置の第2の態様は、前記第1の態様において、前記第1、第2のミシンが前記縫製のために前記直線状ガイドレールをX方向で移動する該直線状ガイドレールの縫製移動範囲の左端に、該直線状ガイドレールの延長方向外方に向けて延長する第1の退避レール部が設けられると共に、該縫製移動範囲の右端に、該直線状ガイドレールの延長方向外方に向けて延長する第2の退避レール部が設けられており、前記第1、第2のミシンが縫製中において前記第1のミシンに不具合が生じたときは、これを該第1の退避レール部に移動させて退避させ得る一方、前記第2のミシンに不具合が生じたときは、これを前記第2の退避レール部に移動させて退避させ得ると共に、不具合のない他方のミシンは前記縫製移動範囲の全体で前記縫製を行うようになされていることを特徴とするものである。
本発明に係る縫製装置の第3の態様は、前記第1の態様において、前記第1、第2のミシンが前記縫製のために前記直線状ガイドレールをX方向で移動する該直線状ガイドレールの縫製移動範囲の左端に、該直線状ガイドレールの延長方向外方に向けて延長する第1の退避レール部が設けられると共に、該縫製移動範囲の右端に、該直線状ガイドレールの延長方向外方に向けて延長する第2の退避レール部が設けられており、前記第1、第2のミシンが縫製中において前記第1のミシンに不具合が生じたときは、これを該第1の退避レール部に移動させて退避させ得る一方、前記第2のミシンに不具合が生じたときは、これを前記第2の退避レール部に移動させて退避させ得ると共に、不具合のない他方のミシンは前記縫製移動範囲の全体で前記縫製を行うようになされており、且つ、前記第1の退避レール部又は前記第2の退避レール部の何れか一方に、前記第1、第2のミシンを共に移動させることができることを特徴とするものである。
本発明に係る縫製装置の第4の態様は、前記第1の態様又は前記第2の態様において、以下の構成を採用するものである。即ち、前記パレットを、平面視で長方形を描くように所要順序で移動させるための水平循環移動路を具え、該水平循環移動路は、左右方向に延長する前の辺部と左右方向に延長する後の辺部が前後方向で所要間隔を隔てて設けられている。該前の辺部の左側部分は第1の作業ステーションとされ、その右側部分は第2の作業ステーションとされ、前記後の辺部の右側部分は第3の作業ステーションとされ、その左側部分は第4の作業ステーションとされており、該第1の作業ステーションと該第2の作業ステーションと該第3の作業ステーションと該第4の作業ステーションにおいて、前記パレットが一時停止するようになされており、前記第1の作業ステーションにある前記パレットが保持する前記被縫製物に対して前記第1、第2のミシンによる縫製が行われるようになされている。そして、この縫製が行われている間に、前記第3の作業ステーションと前記第4の作業ステーションにある前記パレットに対して、新たな前記被縫製物が保持されるようになされており、前記第1の作業ステーションにおいて、前記パレットに保持されている被縫製物に対する縫製が完了すると、該パレットは前記第2の作業ステーションに移動して、一時停止状態となり、該第2の作業ステーションにおいて、縫製完了物が前記パレットから除去され、その後該パレットは前記第3の作業ステーションに移動して一時停止状態となり、その後第4の作業ステーションに移動して一時停止状態となり、該第3の作業ステーションと該第4の作業ステーションにおいて、前記パレットに被縫製物が保持され、該被縫製物が保持されてなる該パレットは前記第1の作業ステーションに移動し、前記のように該被縫製物に縫製が施されるようになされていることを特徴とするものである。
本発明は、前記構成を採用するため、被縫製物に対して所要の縫製を行うに際し、設置上の省スペース化を図ることができると共に生産性向上、生産コストの低減を期し得る。以下、これをより具体的に説明する。
(1)本発明は、図19に基づいて説明した前記縫製装置m2のように、2台のミシンを所要間隔で固定状態に設けると共に前記パレットを前記縫製台で移動させつつ縫製を行うという構成のものではなく、前記パレットを前記縫製台部に固定状態に設置した状態で縫製を行うと共に、2台のミシンを、同一の直線状ガイドレールで往復移動させる構成を採用している。
従って本発明によるときは、装置の長さ方向での設置スペースを少なくして縫製装置を設置でき、かかる省スペース化によって、工場内スペースの単位面積当たりのコスト削減を図ることができ、従って設備コストを低減でき、エアバッグ等の縫製物の生産コストの低減を期し得ることとなる。
(2)又、前記第1、第2のミシンは共に、その何れか一方が、前記ガイドレールの一方側からその中央部を越えてその他方側に向けて移動できるようにプログラム制御されており、該第1のミシンと該第2のミシンが衝突することがないように衝突防止の安全装置が設けられており、該第1のミシンと該第2のミシンによる縫製は、該第1、第2のミシンがプログラム制御によってXY方向で所要に移動することによって行われる構成を採用している。従って本発明によるときは、同一の被縫製物に対して、前記第1のミシンと前記第2のミシンが縫製できるエリアが広く、該エリア内であれば被縫製物の形状やその大きさ、縫製パターンに制限がなく、どのような形状や大きさの被縫製物であっても、プログラムの変更によって生産性よく縫製できる。
(3)前記第1、第2のミシンが縫製のために前記直線状ガイドレールをX方向で移動する該直線状ガイドレールの縫製移動範囲の左端に前記第1の退避レール部を設けると共に、該縫製移動範囲の右端に前記第2の退避レール部を設ける構成を採用する場合は、前記第1のミシンに不具合が生じたとき、これを該第1の退避レール部に移動させて退避させ得る一方、前記第2のミシンに不具合が生じたときは、これを前記第2の退避レール部に移動させて退避させることができる。そして、不具合のない他方のミシンによって前記縫製移動範囲の全体で前記縫製を継続できる。
従って、かかる構成の縫製装置によるときは、第1、第2のミシンの何れかに不具合が発生した場合に、縫製装置全体の稼働を停止させることなく、不具合のないミシンによって全体の縫製を継続できる利点がある。
(4)前記第1、第2の退避レール部の何れか一方に、前記第1、第2のミシンが共に移動できるように構成する場合は、該第1、第2のミシンを前記退避レール部に共に移動させることによって、前記第1、第2のミシンについての不具合の有無の確認や不具合の解消を2台のミシンについてまとめて行うことができる。例えば、該退避レール部で、第1、第2のミシンの始業時の点検や清掃、ミシンの縫製動作の調整を行うことができると共に、針等の消耗部品の交換や故障したミシンの修理等を行うことができる。
(5)前記パレットを、平面視で長方形を描くように所要順序で移動させるための水平循環移動路を設け、該水平循環移動路は、左右方向に延長する前の辺部と左右方向に延長する後の辺部が前後方向で所要間隔を隔てて設けられたものとし、該前の辺部の左側部分を第1の作業ステーションとし、その右側部分を第2の作業ステーションとし、前記後の辺部の右側部分を第3の作業ステーションとし、その左側部分を第4の作業ステーションとして構成する場合は、一層の生産性向上を期し得る縫製装置を提供できることとなる。
即ち、このように構成することにより、第1、第2のミシンによる縫製時間の間に、前記第2の作業ステーションにおける縫製完了物の取り外し作業と、前記第3、第4の作業ステーションにおける前記パレットに対しての被縫製物の保持作業を、時間的余裕を以って行い得ることとなる。かかることから、前記第1、第2のミシンによる縫製動作を無駄に停止させることがなく、これらのミシンによる縫製動作を連続して行わせることができるのであり、これによって、前記第1、第2のミシンによる前記生産性向上の利点を最大限発揮させ得ることとなる。
本発明に係る縫製装置を、縫製を停止した状態で示す平面図である。 本発明に係る縫製装置を、縫製を行っている状態で示す平面図である。 本発明に係る縫製装置を、縫製を停止した状態で示す側面図である。 本発明に係る縫製装置を、縫製を行っている状態で示す側面図である。 被縫製物としてのエアバッグ本体を、パレットに保持した状態で示す平面図である。 エアバッグ本体の縁部分に取付け片を縫製により取り付ける縫製工程を説明する平面図である。 エアバッグ本体の縁部分に取付け片を縫製により取り付ける縫製工程を説明する平面図である。 縫製装置の移動支持台をX方向で往復移動させるための構成を説明する斜視図である。 縫製装置の移動支持台をX方向で往復移動させる構成と、ミシン本体をY方向で往復移動させる構成を説明する説明図である。 ミシン本体をY方向で往復移動させる構成を説明する斜視図である。 パレット交換装置を説明する説明図である。 第1、第2の退避レール部と水平循環移動型のパレット移動装置を具える縫製装置を説明する説明図である。 第1のミシンが第1の退避レール部に退避した状態を示す説明図である。 第2のミシンが第2の退避レール部に退避した状態を示す説明図である。 第1、第2のミシンが共に第1の退避レール部に移動した状態を示す説明図である。 カーテンエアバッグを構成するエアバッグ本体の一例を示す平面図である。 エアバッグ本体の縁部分に取付け片を縫製により取り付ける従来の縫製工程を説明する平面図である。 定位置に固定されている1台のミシンに対してパレットを横移動可能とした従来の縫製装置を説明する説明図である。 定位置に固定されている2台のミシンに対してパレットを横移動可能とした従来の縫製装置を説明する説明図である。
図1〜4において本発明に係る縫製装置1は、被縫製物2を保持したパレット3を固定状態に設置するための縫製台部5に、X方向に延長する直線状ガイドレール6が設けられ、同一の該直線状ガイドレール6の該X方向で見た左右側に位置させて第1のミシン7と第2のミシン9の2台のミシンが設けられている。該第1のミシン7と該第2のミシン9は共に、該直線状ガイドレール6を前記X方向で往復移動し得る移動支持台10を具え、該移動支持台10には、Y方向で往復移動し得るミシン本体11が設けられている。そして、該第1のミシン7と該第2のミシン9は、互いに衝突しない限り前記直線状ガイドレール6を前記X方向で往復移動できる。且つ該第1、第2のミシン7,9が縫製中において、図2に矢印F1、F2で示すように、その何れか一方が、前記直線状ガイドレール6の一方側からその中央部を越えてその他方側に向けて移動できるようにプログラム制御されており、該第1のミシン7と該第2のミシン9が衝突することがないように衝突防止の安全装置が設けられている。そして、該第1のミシン7と該第2のミシン9による縫製は、該第1、第2のミシン7,9がプログラム制御によってXY方向で所要に移動することによって行われるようになされている
該縫製装置1は本実施例においては図1〜2に示すように、例えばカーテンエアバッグを構成するエアバッグ本体13(前記被縫製物2)の延長する縁部分15に車両への取付け片16を所要間隔で取り付けるに際し該取付け片16の基部17(図6〜7)を該縁部分15に縫製するために応用されている。以下、これをより具体的に説明する。
前記直線状ガイドレール6は、本実施例においては図1〜4に示すように、前記Y方向で見て所要間隔を隔てて前記X方向に延長する第1のガイドレール19と第2のガイドレール20とからなる。そして、該第1のガイドレール19と該第2のガイドレール20との間には、図1〜4、図8に示すように、前記X方向に延長するラック21が配設されており、前記移動支持台10,10の夫々には、該ラック21に噛合し得るピニオン22が設けられている。
前記第1のミシン7と前記第2のミシン9に係る前記ミシン本体11は同一の構成を有しており、図3〜4、図8〜10に示すように、例えばY方向に長い矩形板状を呈する前記移動支持台10と、該移動支持台10上において該Y方向で往復移動し得るベース部材23と、該ベース部材23上に設けられたベッド部25と、該ベッド部25上のY方向で見た外側部位で立設された脚柱部26と、該脚柱部26の上部で水平状態に突設されたアーム部27を具えている。該ベース部材23は例えば図10に示すように、前記Y方向に長い矩形板状を呈しており、該ベッド部25には下糸を供給する釜が設けられている。又、前記アーム部27の頭部29には、ミシン針30を上下動させる針棒駆動機構が設けられており、前記釜との協働によって、前記取付け片16の前記基部17(図6)を前記縁部分15に縫製する。
そして図3〜4、図8〜9に示すように、前記移動支持台10の下面部31の、前記Y方向で見た両側部位に、前記第1のガイドレール19と前記第2のガイドレール20に案内されてX方向に往復移動可能となされた摺動部材32,32が設けられている。又図1、図8〜9に示すように、前記移動支持台10の一側部分33(図8〜9)のY方向で見た中央部位で突設された張出し片35には、サーボモータやステッピングモータ等の数値制御モータ36が設けられており、該張出し片35の中央部位に設けられている透孔を挿通して下方に突出するモータ出力軸37(図3)に、前記ラック21に噛合し得る前記ピニオン22が固着されている。然して、該数値制御モータ36の正逆回転に伴って該ピニオン22が正逆回転すると前記移動支持台10が、前記第1のガイドレール19と前記第2のガイドレール20に案内されて前記X方向に移動でき、その移動量はプログラムにより所要に制御される。なお図8においては、説明の便宜上、前記移動支持台10を一点鎖線で示している。
又図3〜4、図9〜10に示すように、前記移動支持台10の上面部39の、X方向で見た両側部位に、Y方向に延長する第1のレール40と第2のレール41が設けられており、前記ベース部材23の下面部42のX方向で見た両側部位には、該第1のレール40と該第2のレール41に案内されてY方向に往復移動可能となされた摺動部材43,43が設けられている。
そして、図1〜4、図10に示すように、該第1のレール40と該第2のレール41との間に、該ベース部材23をY方向で往復移動させる移動装置46が設けられている。今、説明の便宜上、Y方向で見て前記縫製台部5が存する側を「前側」乃至「前」といい、該縫製台部5が存する側に向かう方向を「前方向」という。又、これと逆側を「後側」乃至「後」といい、該逆側に向かう方向を「後方向」という。
前記移動装置46は図3〜4、図10に示すように、該第1のレール40と該第2のレール41との間に、例えばボールネジからなる駆動ネジ軸47がY方向に延長する如く配設されており、該駆動ネジ軸47の前端部分49が軸受50に支持されると共に、該駆動ネジ軸47の外端部に、サーボモータやステッピングモータ等の数値制御モータ52のモータ出力軸が連結されている。又、前記ベース部材23の下面部42の略中央部位には、図3〜4、図9〜10に示すように、前記駆動ネジ軸47に螺合し得るナット部材53が固定されている。なお図10においては、説明の便宜上、前記ベース部材23を一点鎖線で図示している。
然して、前記駆動ネジ軸47が前記数値制御モータ52により正回転されることにより、図2に示し、又図3に矢印F1で示すように、前記ベース部材23は前方向に向けて移動でき、従って、前記ミシン本体11が前方向に向けて移動できる。例えば300mm程度移動できる。又、該駆動ネジ軸47が逆回転されることにより、図4に矢印F2で示すように、前進状態にある該ベース部材23は後方向に向けて移動でき、従って、前記ミシン本体11が後方向に向けて移動できる。
本実施例においては、前記第1 のミシン7と前記第2のミシン9のX方向での往復移動の範囲は、図1〜2に示すように、該第1のミシン7が、前記エアバッグ本体13(前記被縫製物2)の前記縁部分15の左側部分(前記延長方向で見た一側部分)15Aで前記縫製を行い、前記第2のミシン9が、前記縁部分15の右側部分(前記延長方向で見た他側部分)15Bで前記縫製を行うようになされている。そして前記のように、該第1のミシン7と該第2のミシン9は同一の直線状ガイドレール6をX方向で往復移動するため、かかる縫製を行う際に両者が衝突することがないように、前記のように、衝突防止の安全装置が設けられている。該安全装置は本実施例においては、例えば、検知装置の検知信号を受けて前記ピニオン22を停止させることができるように前記数値制御モータ36を所要にプログラム制御する構成のものである。
前記縫製台部5に設置される前記パレット3は図1〜2に示すように、X方向に長い矩形状枠体55を以て構成されている。そして、該矩形状枠体55の内側空間部56に、前記カーテンエアバッグを構成する前記エアバッグ本体13(被縫製物2)が所要に配置される。図1〜2、図5においては、該エアバッグ本体13の、吊下状態で見たときの上の縁部分57の右側部分15Bにおいて、間隔を置いて4枚の前記取付け片16,16,16,16の夫々が、例えば図6に示すように、その基部17を該上の縁部分57に挟み込んだ状態で、平面視で前記外方に向けて突出するように仮に取り付けられている。
又図1〜2、図5に示すように、該上の縁部分57の左側部分15Aにおいて、間隔を置いて配置された3枚の取付け片16,16,16の夫々が、図6に示すと同様に、その基部17を該上の縁部分57に挟み込んだ状態で、平面視で前記外方に向けて突出するように仮に取り付けられている。
又図5、図7に示すように、エアバッグ本体13の左右側の縁部分58,58の前記上の縁部分57寄り部位に、1枚の取付け片16が、その基部17を該縁部分58に挟み込んだ状態で、平面視で側方に向けて突出する状態で仮に取り付けられている。側方に向けて突出する該取付け片16の取付け部位は、例えば前記上の縁部分57の端縁57aから200mm程度離れている。
このようにして取付け片16が仮取付けされてなる該エアバッグ本体13は、前記矩形状枠体55の内周縁部59に適宜に取り付けられるクランプ装置(図示せず)を介して保持される。このように保持する際、前記取付け片16の基部17(図6〜7)を該エアバッグ本体13の縁部分15に縫製により止着する必要から、該基部17が存する部分はクランプされないようにする。
このようにしてエアバッグ本体13が保持された前記パレット3は、前記縫製台部5に固定状態に設置され、前記第1、第2のミシン7が前記縁部分15の前記縫製を行う。
図1、図3は、前記第1のミシン7と前記第2のミシン9が縫製を停止している状態を示すものであり、該第1、第2のミシン7,9は共に、その全体が前記移動支持台10に存する。又図2、図4は、前記基部17を前記縁部分15に縫製するために前記ミシン本体11が所要量前進した状態を示している。前記ミシン本体11が前記前進した状態で、図4に示すように、前記縫製台部5に固定状態に設置されている前記パレット3の後の部分60が、前記アーム部27と前記ベッド部25との間に挿入された状態を呈し得る。前記縫製は、前記パレット3が前記縫製台部5に該固定状態で行われるものであり、前記第1、第2のミシン7,9がプログラム制御によってXY方向で所要に移動することによって行われる。
本発明に係る縫製装置1は、前記したように、前記第1のミシン7と前記第2のミシン9は、互いに衝突しない限り前記直線状ガイドレール6を前記X方向で往復移動でき、且つ該第1、第2のミシン7,9が縫製中において、その何れか一方が、前記直線状ガイドレール6の一方側からその中央部を越えてその他方側に向けて移動できるようにプログラム制御されており、該第1のミシン7と該第2のミシン9が衝突することがないように衝突防止の安全装置が設けられている。
該第1、第2のミシン7,9が縫製中において、その何れか一方が、前記直線状ガイドレール6の中央部を超えて該直線状ガイドレール6の他方に向けて移動して縫製を行う場合の一例は次のようである。即ち、該第1のミシン7が被縫製物2の前記縁部分15の左側部分15Aの縫製を主として担当し、該第2のミシン9が該被縫製物2の右側部分15Bの縫製を主として担当するとしたとき、被縫製物によっては、必要な縫製個所の縫製量が該左側部分15Aで多い場合や該右側部分15Bで多い場合が生じることがある。このようなときは、例えば右側部分15Bにおける縫製量が多い場合には、該第1のミシン7が前記中央部を超えて該右側部分15Bにも移動して、第1のミシン7が第2のミシン9の縫製を応援することができる。
逆に、該左側部分15Aにおける縫製量が多い場合は、該第2のミシン9が前記中央部を超えて該左側部分15Aにも移動して、第2のミシン9が第1のミシン7の縫製を応援することができる。これによって、縫製すべき量に応じた縫製時間、即ち、被縫製物全体としての縫製に要する時間を該第1、第2のミシン7,9に振り分けることができ、該第1、第2のミシン7,9の縫製時間を略同程度に設定できる。その故に、個々のミシンの停止時間を少なくして縫製装置の稼働率を上げることができるのである。これによって、縫製の生産性向上、生産コストの低減を期し得ることとなる。
該縫製に伴って、前記被縫製物2を保持した前記パレット3を前記第1のミシン7と前記第2のミシン9の縫製部61(図3)に順次供給する必要がある。前記パレット3のかかる移動は人手によって行ってもよいのであるが、本実施例においては、省力化によって生産性向上を図るために、該移動作業を、上下循環移動路62で前記パレット3を移動させる上下循環移動型のパレット移動装置63(図1、図11)を用いて行うこととしている。
該上下循環移動型のパレット移動装置63は、図11に示すように、4枚のパレット3,3,3,3を、側面視で長方形を描くように移動させるものである。今、該4枚のパレットを便宜上、図11で反時計回りで見て、第1パレット3aと第2パレット3bと第3パレット3cと第4パレット3dとする。該第1パレット3aに保持されている前記エアバッグ本体13(被縫製物2)に対して前記第1、第2のミシン7,9が所要の縫製を行っている間に、作業者は、該第1パレット3aの前側に配置されている第2パレット3bに保持されている縫製完了物を除去すると共に、新たな被縫製物2を保持させる。第1パレット3aに保持されている被縫製物2の縫製が完了すると、前記上下循環移動型のパレット交換装置63は該第1パレット3aを、第1、第2のミシン7,9から離れる前方向に向けて横移動させる。これに伴い、新たな被縫製物2が保持されている前記第2パレット3bを下降させる。これと同時に、被縫製物2が保持されている第3パレット3cを第1、第2のミシン7,9が存する後方向に向けて横移動させ、且つ、被縫製物2が保持されている第4パレット3dを上昇させる。該上昇した第4パレット3dは、前記縫製台部5に固定状態に設置された状態とされる。前記第1、第2のミシン7,9は、前記と同様にして、該第4パレット3dに保持されている被縫製物2に対して所要の縫製を行う。このサイクルが繰り返されて前記被縫製物2が順次縫製される。
次に、前記第1のミシン7と前記第2のミシン9による縫製についてより具体的に説明する。該縫製は、前記被縫製物2の縫製時間を最も短縮できるように、該第1、第2のミシン7,9の縫製動作がプログラム制御される。今、図5において右側部分15Bに存する各取付け片16を、右端に存するものから順に、第1の取付け片16a、第2の取付け片16b、第3の取付け片16c、第4の取付け片16d、第5の取付け片16eとする。又、左側部分15Aに存する各取付け片16を、中央側に存するものから順に、第6の取付け片16f、第7の取付け片16g、該8の取付け片16h、第9の取付け片16iとする。
前記第2のミシン9は、プログラム制御により、前記第1の取付け片16aの基部17(図6〜7)を所要の縫製パターンで前記縁部分15に縫製した後、前記第2の取付け片16bの基部17を所要の縫製パターンで前記縁部分15に縫製し、その後、前記第3〜第5の取付け片16c,16d,16eの夫々の基部17を順次所要の縫製パターンで前記縁部分15に縫製して行く。そして該第2のミシン9は、本実施例においては縫製開始と略同時に、プログラムされたところに従って、前記第6〜9の取付け片16f,16g,16h,16iの夫々の基部17(図6〜7)を順次所要の縫製パターンで前記縁部分15に縫製して行く。そして本実施例においては、該第1、第2のミシン7,9による前記取付け片16の前記基部17に対する所要の縫製が略同時に完了するようにプログラムされている。
このように、前記第2のミシン9が前記縁部分15の前記右側部分15B(図1)で前記縫製を行い、且つ、前記第1のミシン7が前記縁部分15の前記左側部分15A(図1)で前記縫製を行う。そして、該第1、第2のミシン7,9による縫製は、縫製開始までに多少の時間差をあっても、又、縫製の途中で幾らかの縫製停止時間があっても、両ミシンによる縫製は略同時進行で行われる。かかることから、定位置に固定した1台のミシンpに対してパレットqを横移動可能としたパレット移動方式の前記縫製装置m1(図14)による場合に比し、生産性を2倍程度に向上できる。又、該パレット移動方式の縫製装置によるときは、エアバッグ本体aの長さの約2倍の設置スペースを要したのであるが、本実施例に係る縫製装置1によるときは、該縫製装置m1との対比で省スペース化を達成できる。これによって、工場内スペースの単位面積当りのコスト低減、即ち設備コストの低減を図ることができる。これと相まって、前記生産性向上を期し得ることから、縫製物の生産コストの低減を期し得ることとなる。
又、2台のミシンr1,r2を定位置に固定してなる前記縫製装置m2(図15)によるときは、エアバッグ本体aの長さの4倍程度の設置スペースを要したのであるが、本実施例に係る縫製装置1によるときは、該縫製装置m2との対比で、省スペース化を達成できる。これによって、工場内スペースの単位面積当りのコスト低減、即ち設備コストの低減、を図ることができ、縫製物の生産コストの低減を期し得ることとなる。
図12は、本発明に係る縫製装置1の他の実施例を示すものである。本実施例に係る縫製装置1は、前記第1、第2のミシン7,9が前記縫製のために前記直線状ガイドレール6をX方向で移動する、該直線状ガイドレール6の縫製移動範囲63の左端65に、該直線状ガイドレール6の延長方向外方に向けて延長する第1の退避レール部66が設けられている。又、該縫製移動範囲64の右端67に、該直線状ガイドレール6の延長方向外方に向けて延長する第2の退避レール部69が設けられている。そして、前記第1、第2のミシン7,9が縫製中において前記第1のミシン7に不具合が生じたときは、図13に示すように、これが該第1の退避レール部66に移動して退避できる一方、前記第2のミシン9に不具合が生じたときは、図14に示すように、これが前記第2の退避レール部69に移動して退避できると共に、不具合のない他方のミシンは前記縫製移動範囲64の全体で前記縫製を行うようになされている。
又、前記実施例においては、前記パレット3の移動作業を、上下循環移動路62で該パレット3を循環移動させる上下循環移動型のパレット移動装置62を用いて行うこととしているが、本実施例においては、これに代えて、水平循環移動路70でパレット3を移動させる水平循環移動型のパレット移動装置71を用いて前記パレット3の移動を行うこととしている。
前記水平循環移動型のパレット移動装置71は、前記水平循環移動路70で前記パレット3を、本実施例においては、図12において時計回りで、平面視で長方形を描くように所要順序で移動させる。
該水平循環移動路70は、図12(B)に示すように、左右方向に延長する前の辺部72と左右方向に延長する後の辺部73が前後方向で所要間隔を隔てて平行して設けられている。該前の辺部72の左側部分72Aは第1の作業ステーション75とされ、その右側部分72Bは第2の作業ステーション76とされ、前記後の辺部73の右側部分73Aは第3の作業ステーション77とされ、その左側部分73Bは第4の作業ステーション79とされている。そして、該第1の作業ステーション75と該第2の作業ステーション76と該第3の作業ステーション77と該第4の作業ステーション79において、前記パレット3が一時停止するようになされており、前記第1の作業ステーション75にある前記パレット3(3Aとする)が保持する前記被縫製物2に対して前記第1、第2のミシン7,9による縫製が行われるようになされている。
この縫製が行われている間に、前記第3の作業ステーション77にある前記パレット3(3Cとする)と前記第4の作業ステーション79にある前記パレット3(3Dとする)に対して、前記被縫製物2が保持されるようになされている。そして、前記パレット3Aに保持されている被縫製物2に対する縫製が完了すると、該パレット3Aは前記第2の作業ステーション76に移動され、該第2の作業ステーション76において、縫製完了物が前記パレット3(3Bとする)から除去され、その後、該パレット3は前記第3の作業ステーション77に移動して一時停止状態となり、その後第4の作業ステーション79に移動して一時停止状態となる。
そして、該第3の作業ステーション77と該第4の作業ステーション79において、前記パレット3C、3Dに新たな被縫製物2を保持させる作業が人手によって行われ、該被縫製物2が保持されてなる該パレット3Dが前記第1の作業ステーション75に移動し、前記のように該被縫製物2に縫製が施されるようになされている。
これらのパレット3の移動は、例えば、上下動でき且つ上面部が一方向に向けて周回する周回ベルトを具備するコンベア装置を用いて行うことができる。該コンベア装置の上昇によって該周回ベルトの上面部で前記パレット3を支持でき、この状態で該周回ベルトを所要に周回させることによって該パレット3を所要の進行方向に向けて移動させることができる。
本実施例に係る縫製装置1のその他の構成は実施例1に関して説明したところと同様であるため、その具体的な説明は省略する。
本実施例に係る縫製措置1によるときは、前述のように、前記直線状ガイドレール6の前記縫製移動範囲64の左端に前記第1の退避レール部66を設けると共に、該縫製移動範囲63の右端に前記第2の退避レール部69を設ける構成を採用しているため、前記第1のミシン7に不具合が生じたときは、図13に示すように、該第1のミシン7を該第1の退避レール部66に移動させて退避させ得る一方、前記第2のミシン9に不具合が生じたときは、図14に示すように、該第2のミシン9を前記第2の退避レール部69に移動させて退避させることができる。そして、不具合のない他方のミシンによって前記縫製移動範囲64の全体で前記縫製を継続できる。
従って、かかる構成の縫製装置1によるときは、第1、第2のミシン7,9の何れかに不具合が発生した場合、縫製装置全体の稼働を停止させることなく、不具合のない他方のミシンによって全体の縫製を継続できる利点がある。
又本実施例において、更に、前記第1、第2の退避レール部66,69の何れか一方(例えば前記第1の退避レール部66)に、前記第1、第2のミシン7,9が共に移動できるように構成する場合は、図15に示すように、該第1、第2のミシン7,9を該退避レール部66に共に移動させることによって、該第1、第2のミシン7,9についての不具合の有無の確認や不具合の解消を2台のミシンについてまとめて行うことができる。例えば、該退避レール部66で、第1、第2のミシン7,9の始業時の点検や清掃、ミシンの縫製動作の調整を行うことができると共に、針等の消耗部品の交換や故障したミシンの修理等を行うことができる。
又本実施例に係る縫製装置1が、前記水平循環移動型のパレット移動装置71を具える場合は、前記第1、第2のミシン7,9による縫製時間の間に、前記第2の作業ステーション76における縫製完了物の取り外し作業と、前記第3の作業ステーション77と第4の作業ステーション79における前記パレット3に対しての被縫製物2の保持作業を時間的余裕を以って行い得ることとなる。このように本実施例に係る縫製装置1によるときは、実施例1で説明した、上下循環移動型のパレット移動装置を用いる縫製装置1による場合に比し、作業者による作業場所を1箇所から3箇所に拡充できる利点がある。
かかることから、該利点を、例えば図11に示す前記上下循環移動型のパレット移動装置と対比して説明すれば次のようである。即ち、該上下循環移動型のパレット移動装置のように、前記パレット3に対しての被縫製物2の保持作業が前記第1、第2のミシン7,9の縫製時間の間に行うことができないことによって該第1、第2のミシン7,9による縫製動作を無駄に停止させざるを得ないというような不具合を生じさせることがなく、該第1、第2のミシン7,9による縫製動作を連続して行わせることができる。これによって、前記第1、第2のミシンによる前記生産性向上の利点を最大限発揮させ得ることとなる。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1)前記直線状ガイドレール6は、前記実施例においては、前後に位置された第1のガイドレール19と第2のガイドレール20とから構成されているが、前記第1、第2のミシン7,9をX方向で安定的に走行させることができるならば、ガイドレールの本数は限定されず、1本のレールを以て構成されてもよい。
(2)前記ミシン本体11が設けられてなる前記移動支持台10を前記Y方向で安定的に走行させることができるならば、前記第1のレール40と前記第2のレール41を、1本のレールで兼用するように構成してもよい。
(3)前記第1、第2のミシン7,9を構成する前記移動支持台10をX方向で往復移動させる手段を、前記したラック21とピニオン22を以て構成する場合は、構成の簡素化によって縫製装置1の製造コストの低減を期し得て好ましい。この場合、該ラック21を前記第1のガイドレール19又は前記第2のガイドレール20に設けてもよい。
又、前記移動支持台10を前記X方向で往復移動させる手段としては、ボールネジを用いる移動手段やタイミングベルトを用いる移動手段等、公知の各種手段を用いることができる。
(4)前記ベース部材23を前記Y方向で往復移動させる手段は、前記したボールネジ等からなる駆動ネジ軸47を用いる手段の他、ラックとピニオンを以て構成する手段やタイミングベルトを用いて構成する手段等、公知の各種手段を用いて構成できる。
(5)前記第1のミシン7と前記第2のミシン9の縫製のための動作は多様であり、この動作は、必要時に衝突防止の安全装置を作動させて行われる。従って本発明による縫製は、前記被縫製物2の縫製時間を極力短縮できるようにプログラム制御して行うことができる。
(6)本発明に係る縫製装置1は、前記したカーテンエアバッグの製造に際して用い好適であるが、一般のカーテンの上縁部分にその全長に亘って所望の縫製を施す場合や、長さの長い被縫製物に刺繍を施す場合等、長さが長く且つ縫製工程が多い場合に応用して好ましい。
(7)本発明に係る縫製装置において、前記長尺の被縫製物2としては、例えば、短尺の被縫製物片を一直線上で多数枚並べることによって全体として長尺とした被縫製物も含む。この場合は、多数の短尺の被縫製物片についての縫製を1度に行うことができ、多数個取りの縫製が可能となる。
1 縫製装置
2 被縫製物
3 パレット
5 縫製台部
6 直線状ガイドレール
7 第1のミシン
9 第2のミシン
10 移動支持台
11 ミシン本体
13 エアバッグ本体
15 縁部分
16 取付け片
17 基部
19 第1のガイドレール
20 第2のガイドレール
21 ラック
22 ピニオン
66 第1の退避レール部
69 第2の退避レール部
71 水平循環移動型のパレット移動装置
75 第1の作業ステーション
76 第2の作業ステーション
77 第3の作業ステーション
79 第4の作業ステーション

Claims (2)

  1. 被縫製物を保持したパレットを固定状態に設置するための縫製台部に、X方向に延長する直線状ガイドレールが設けられ、同一の該直線状ガイドレールの該X方向で見た左右側に位置させて第1のミシンと第2のミシンの2台のミシンが設けられており、該第1のミシンと該第2のミシンは共に、該直線状ガイドレールを前記X方向で往復移動し得る移動支持台を具え、該移動支持台には、Y方向で往復移動し得るミシン本体が設けられてなる縫製装置を制御する縫製装置の縫製制御方法であって、
    前記第1のミシンと前記第2のミシンを、互いに衝突しない限り前記直線状ガイドレールで前記X方向に往復移動させ、
    且つ前記第1、第2のミシンが縫製中において、その何れか一方が、前記直線状ガイドレールの一方側からその中央部を越えてその他方側に向けて移動できるようにプログラム制御し、
    該第1のミシンと該第2のミシンが衝突することがないように安全装置で該衝突を防止し、
    該第1のミシンと該第2のミシンによる縫製を、該第1、第2のミシンをプログラム制御によってXY方向で所要に移動させることによって行わせることを特徴とする縫製装置の縫製制御方法。
  2. 被縫製物を保持したパレットを固定状態に設置するための縫製台部に、X方向に延長する直線状ガイドレールが設けられ、同一の該直線状ガイドレールの該X方向で見た左右側に位置させて第1のミシンと第2のミシンの2台のミシンが設けられており、該第1のミシンと該第2のミシンは共に、該直線状ガイドレールを前記X方向で往復移動し得る移動支持台を具え、該移動支持台には、Y方向で往復移動し得るミシン本体が設けられてなる縫製装置を用いる縫製物の製造方法であって、
    前記第1のミシンと前記第2のミシンを、互いに衝突しない限り前記直線状ガイドレールで前記X方向に往復移動させ、
    且つ前記第1、第2のミシンが縫製中において、その何れか一方が、前記直線状ガイドレールの一方側からその中央部を越えてその他方側に向けて移動できるようにプログラム制御し、
    該第1のミシンと該第2のミシンが衝突することがないように安全装置で該衝突を防止し、
    該第1のミシンと該第2のミシンによる縫製を、該第1、第2のミシンをプログラム制御によってXY方向で所要に移動させることによって行わせることを特徴とする縫製物の製造方法。
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