JP6626625B2 - アルミニウム合金 - Google Patents

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この発明は、耐食性に優れたアルミニウム合金に関するものである。
従来、熱交換器用のクラッド材には腐食環境に晒される側にZnを多量に添加した合金(防食層)を配置し、芯材にJISA3003合金あるいは3003合金にCu、Siを添加した合金などを使用し、ろう付熱処理時の熱拡散によって犠牲材から芯材に向かってのZn勾配、芯材から犠牲材に向かってのCu勾配により犠牲材から芯材に向かって貴となる電位勾配を形成させることで芯材を犠牲防食することで耐食性を確保している(例えば特許文献1参照)。
特開平5−263173号公報
しかし、近年、材料の薄肉化によりこのような電位勾配が確保しにくいことや、確保できたとしても防食層に多量のZnが添加されているため防食層の消耗速度が速く、長期間にわたって耐食性を確保することが困難となってきている。
本願発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、材料本来の特性として高い耐食性を有しているアルミニウム合金を提供することを目的とする。
すなわち、本発明のアルミニウム合金のうち、第1の本発明は、圧延加工によって製造されて、ろう付に供される熱交換器用クラッド材に用いられる材料であって、質量%で、Ti:0.05〜0.4%、Fe:0.05〜0.25%、Zn:0.05〜0.4%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする。
第2の本発明のアルミニウム合金は、圧延加工によって製造されて、ろう付に供される熱交換器用クラッド材に用いられる材料であって、質量%で、Ti:0.20〜0.4%、Fe:0.05〜0.25%、Zn:0.17〜0.4%を含有し、さらに、質量%で、Mn:0.5〜0.9%、Si:0.2〜0.6%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする。
第3の本発明のアルミニウム合金は、前記本発明において、前記組成に、さらに、質量%で、Cr:0.1〜0.5%を含有することを特徴とする。
の本発明のアルミニウム合金は、前記本発明において、前記アルミニウム合金が、熱交換器用クラッド材の芯材に用いられることを特徴とする。
以下に、本発明で規定する成分の作用および限定理由について説明する。なお、以下の成分含有量はいずれも質量で示されている。
Ti:0.05〜0.4%
Tiは鋳造時の包晶反応により形成された濃度分布が圧延時に残存し、腐食形態を層状とするため材料の耐食性を向上させる効果がある。その含有量が下限未満ではその効果が少なく、上限を超えると鋳造時に巨大な金属間化合物が生成する。このため、Ti含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で下限を0.2%、上限を0.35%とするのが望ましい。
Fe:0.05〜0.25%
Feはマトリックス中にAl−Mn−Fe系、Al−Mn−Fe−Si系第二相粒子(晶出物)を形成する。これらの第二相粒子はAl合金の腐食を促進するが、腐食の起点を増大させることで、腐食が特定箇所に集中して厚さ方向に腐食が進むのが防止され、その結果として腐食深さを浅くする効果がある。その含有量が下限未満では、高純度の地金を用いて作製する必要が生じるためにコスト増加を招き、上限を超えると晶出物が腐食を促進する効果が優先するため腐食深さが増大して耐食性が劣化する。このため、Fe含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で下限を0.05%、上限を0.15%とするのが望ましい。
Zn:0.05〜0.4%
Znは腐食の起点を増大させて腐食形態を局部腐食から均一腐食に変化させる効果がある。そのため適量を添加することで、腐食深さを浅くする効果がある。その含有量が下限未満ではその効果が少なく、上限を超えると腐食速度が増大することで腐食深さが深くなり、耐食性が劣化する。このため、Zn含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で下限を0.17%、上限を0.30%とするのが望ましい。
Mn:0.5〜0.9%
Mnはマトリックス中にAl−Mn−Si系、Al−Mn−Fe系、Al−Mn−Fe−Si系第二相粒子(晶出物)を形成することで、Al−Fe系化合物の形成を防止する効果やAl−Mn−Fe系、Al−Mn−Fe−Si系第二相粒子中のFeの含有率を低下させる作用があり、所望により含有させる。Al−Fe系化合物やFeを多く含有するAl−Mn−Fe系、Al−Mn−Fe−Si系第二相粒子に対して、Feを含有しない化合物やFe含有量の少ない化合物はAl合金の腐食速度を増加させにくい。したがって、Mnの含有によってAl合金の耐食性を向上させることができる。しかしその含有量が下限未満ではその効果が十分発揮されず、上限を超えると鋳造時に巨大な金属間化合物が生成しやすくなり製造が困難となる。このため、Mn含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で下限を0.6%、上限を0.8%とするのが望ましい。
Si:0.2〜0.6%
Siはマトリックス中にAl−Mn−Si系、Al−Mn−Fe−Si系第二相粒子(晶出物)を形成することで、Al−Fe系化合物の形成を防止し、また、Al−Mn−Fe系、Al−Mn−Fe−Si系第二相粒子中のFeの含有率を低下させるので、所望により含有させる。Al−Fe系化合物やFeを多く含有するAl−Mn−Fe系、Al−Mn−Fe−Si系第二相粒子に対して、Feを含有しない化合物やFe含有量の少ない化合物はAl合金の腐食速度を増加させにくい。したがって、Siの添加によってAl合金の耐食性を向上させることができる。しかしその含有量が下限未満ではその効果が十分発揮されず、上限を超えると鋳造時に巨大な金属間化合物が生成しやすくなり製造が困難となる。このため、Si含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で下限を0.3%、上限を0.5%とするのが望ましい。
Cr:0.1〜0.5%
CrはAl合金表面に生成する酸化皮膜を強固にすることでAl合金の耐食性を向上させる効果があるので所望により含有させる。しかしその含有量が下限未満ではその効果が十分発揮されず、上限を超えると鋳造時に巨大な金属間化合物が生成しやすくなり製造が困難となる。このため、Cr含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で下限を0.15%、上限を0.3%とするのが望ましい。
本発明によれば、高い耐食性を示すアルミニウム合金が得られる。
本実施形態では、熱交換器用クラッド材の耐食性の改善に際し、従来の犠牲防食ではなく、防食層に高耐食な合金を使用することでクラッド材の耐食性を確保するものとしている。しかしこれを実現するためには防食層に適用しうる高耐食性合金が必要である。そこで、高耐食化のための方策を検討した結果、Ti,Zn,Mn,Si,Crを適正量添加することで防食層に適用し得る耐食性に優れたアルミニウム合金を得ている。
本実施形態では、本発明で規定する組成を有する材料を常法により溶製することができ、例えば、半連続鋳造、連続鋳造のいずれにおいても製造することができる。
鋳塊を得る場合、必要に応じて均質化処理を行う。均質化処理の条件を限定するものではないが、例えば400〜620℃、1〜15時間の条件で行うことができる。また、均質化処理を省略したものとしてもよい。
鋳塊は、熱間圧延、冷間圧延により板材を得ることができる。熱交換器用クラッド材の防食層として用いる場合、芯材用アルミニウム合金と、ろう材用アルミニウム合金とをそれぞれ溶製し、上記アルミニウム合金と重ねて所望の厚さ(例えばクラッド率5〜30%)のクラッド材を得ることができる。
なお、本発明は上記工程に限定されるものではなく、例えば熱間圧延後の冷間圧延の途中に必要により中間焼鈍を施すこともできる。最終圧延率を10〜40%として、その前の調質焼鈍を300〜400℃×1〜5時間の範囲で実施することができる。また、例えば、最終焼鈍を300〜400℃×1〜5時間の範囲で実施することもできる。
本実施形態では、熱交換器用クラッド材の防食層に用いる材料として上記アルミニウム合金を説明したが、本発明としては、熱交換器用クラッド材の防食層に用いるものに限定されるものではなく、耐食性の要求される種々の用途に適用することができる。例えば、板厚を電縫溶接によって管形状としてパイプとして用いることができる。通常、耐食性の要求されるパイプは押出クラッド材が使用されるが、本発明品を使用することでコストダウンが可能となる。
以下に、本発明の実施例を説明する。
半連続鋳造により、表1に示す成分(残部がAlと不可避不純物)で材料を鋳造した。得られた材料に均質化処理(550℃×10時間)を実施し、その後、熱間圧延、中間焼鈍を含む冷間圧延により、厚さ1.0mmのH14調質のブレージングシートを作製した。作製した材料に、ろう付相当の熱処理を施して供試材を用意し、腐食試験に供して評価を行った。
評価方法(耐食性)
作製した供試材に、ろう付相当の熱処理を施した。具体的には、600℃まで約15分で昇温し、600℃で3分保持後、100℃/分の降温速度で降温冷却した。ろう付熱処理後のサンプルから30×100mmのサンプルを切り出した。切り出したサンプルをCASS試験(温度:40℃、腐食液:5%NaCl+(0.24g/リットル)CuClの連続噴霧試験)に20日間供した。腐食試験後のサンプルを沸騰させたリン酸クロム酸混合溶液に10分浸漬して腐食生成物を除去した後、腐食部の断面観察を実施して最大腐食深さを測定した。
測定結果を表1に示す。
Figure 0006626625

Claims (4)

  1. 圧延加工によって製造されて、ろう付に供される熱交換器用クラッド材に用いられる材料であって、質量%で、Ti:0.05〜0.4%、Fe:0.05〜0.25%、Zn:0.05〜0.4%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とするアルミニウム合金。
  2. 圧延加工によって製造されて、ろう付に供される熱交換器用クラッド材に用いられる材料であって、質量%で、Ti:0.20〜0.4%、Fe:0.05〜0.25%、Zn:0.17〜0.4%を含有し、さらに、質量%で、Mn:0.5〜0.9%、Si:0.2〜0.6%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とするアルミニウム合金。
  3. 前記組成に、さらに、質量%で、Cr:0.1〜0.5%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム合金。
  4. 前記アルミニウム合金が、熱交換器用クラッド材の芯材に用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金。
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