JP2013209752A - アルミニウム合金クラッド材 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄肉化した場合にも、高耐食性を長期に維持できる熱交換器用アルミニウム合金クラッド材を提供する。
【解決手段】心材と、この心材の一面側にクラッドされた犠牲陽極材と、前記心材の他面側にクラッドされたAl−Si系合金からなるろう材とを備えるアルミニウム合金クラッド材であって、前記心材は、Mn:0.3〜2.0質量%、Si:0.15〜1.6質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Mg:0.1〜1.0質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、前記犠牲陽極材は、Zn:7.0〜12.0質量%、Mn:0.3〜1.8質量%、Si:0.3〜1.2質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、厚さが10〜30μmであることを特徴とする。犠牲陽極材において、高濃度のZnにより耐孔食性を付与し、一方、Mn,Siを添加することで自己防食性を付与する。
【選択図】なし
【解決手段】心材と、この心材の一面側にクラッドされた犠牲陽極材と、前記心材の他面側にクラッドされたAl−Si系合金からなるろう材とを備えるアルミニウム合金クラッド材であって、前記心材は、Mn:0.3〜2.0質量%、Si:0.15〜1.6質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Mg:0.1〜1.0質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、前記犠牲陽極材は、Zn:7.0〜12.0質量%、Mn:0.3〜1.8質量%、Si:0.3〜1.2質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、厚さが10〜30μmであることを特徴とする。犠牲陽極材において、高濃度のZnにより耐孔食性を付与し、一方、Mn,Siを添加することで自己防食性を付与する。
【選択図】なし
Description
本発明は、自動車用の熱交換器等に使用されるブレージングシートとするアルミニウム合金クラッド材に関する。
自動車に搭載されるラジエータ、コンデンサー、エバポレーター等の熱交換器は、軽量で熱伝導性に優れるアルミニウム合金の板材を成形、組み立て、ろう付けして製造されることが多い。このようなアルミニウム合金板は、例えばラジエータ等のチューブとした場合、外面は大気に曝され、内面は冷却水等の冷媒に曝される。これらの腐食環境に曝されると、局所的に腐食(孔食)が進行して、貫通孔形成に至る虞がある。チューブ外面の防食対策としては、チューブを形成するアルミニウム合金よりも電位の卑なAl−Zn合金等で形成したフィン材を接触させる、いわゆる陰極防食法(電気防食法)が一般的であり、効果的であることが知られている。チューブ内面の防食対策としても陰極防食法が適用される場合が多く、具体的には、基材(心材)のアルミニウム合金に対して電位の卑なAl−Zn系合金を犠牲陽極材として内面側に積層したクラッド材でチューブを形成することが一般的である。また、外面側にはフィン材等とのろう付けのため、Al−Si系合金からなるろう材がクラッドされた3層以上のクラッド材(ブレージングシート)とされることも多い。一方、機器の軽量化の観点から、クラッド材の板厚は0.3mm以下程度に薄肉化が要求されている。
このような薄肉材としても熱交換器に必要な強度および耐食性を備える熱交換器用アルミニウム合金材として、前記アルミニウム合金クラッド材(ブレージングシート)について、例えば以下に示すような対策を施したものが開示されている。特許文献1には、耐食性を高めるため、Zn:1.0〜6.0質量%にMnをさらに添加したアルミニウム合金として、Al−Mn系金属間化合物の粒径や分布を制御されることでその腐食電流値を低減させた犠牲陽極材が、ろう材と共にアルミニウム合金心材にクラッドされた3層材が開示されている。なお、金属間化合物の粒径や分布は、前記犠牲陽極材とするアルミニウム合金の鋳塊の均質化処理やクラッド圧延における温度を調整することで制御されている。また、特許文献2には、所定量のMn,Mgを添加した心材の一方の面に、Mnを添加したアルミニウム合金からなる中間材を介してろう材を、他方の面にZn:0.5〜10質量%にMnをさらに添加したアルミニウム合金からなる犠牲陽極材を、それぞれクラッドされた4層材が開示されている。心材だけでなく犠牲陽極材にもMnを添加することで強度を向上させ、また、犠牲陽極材に分散させたAl−Mn系金属間化合物がそれぞれ孔食の起点となることで局所的に孔食が発生することを防止している。また、特許文献3には、犠牲陽極材をZn:0.2〜8.0質量%にさらにSc、およびMn,Fe,Si,Cu,Mg,Zrの1種以上を添加したアルミニウム合金とすることで、強度および耐エロージョン性を向上させた3層材が開示されている。
ここで、薄肉化されたクラッド材においては、強度を確保する上で心材の薄肉化には限界があるため、犠牲陽極材も薄肉化する必要がある。クラッド材は、前記したように、表面(犠牲陽極材)と内部(心材)との電位差によって表面全体(全面)を優先的に溶解させることで局部腐食を抑制するため、犠牲陽極材が薄肉化されると、その損耗が早くなって防食効果の寿命が短くなる。前記従来技術に記載されたクラッド材は、孔食すなわち局所的な腐食に対する耐食性については対応しているが、全面における腐食について対応するものではなく、薄肉化された場合は早期に犠牲陽極材が損耗する虞がある。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、薄肉化した場合にも、高耐食性を長期に維持できる熱交換器用アルミニウム合金クラッド材を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明者らは、孔食を防止するために、薄肉化した犠牲陽極材としても心材との電位差を十分なものとなるように、Zn濃度を従来の犠牲陽極材よりも高く設定した。その一方で、前記電位差による全面の腐食を抑制するための方法を検討した結果、犠牲陽極材にさらにSi,Mnを添加することでアルミニウム合金が自己防食を起こして全面腐食が抑制されることを見出した。
すなわち、本発明に係るアルミニウム合金クラッド材は、心材と、この心材の一面側にクラッドされた犠牲陽極材と、前記心材の他面側にクラッドされたAl−Si系合金からなるろう材からなり、前記心材は、Mn:0.3〜2.0質量%、Si:0.15〜1.6質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Mg:0.1〜1.0質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、前記犠牲陽極材は、Zn:7.0〜12.0質量%、Mn:0.3〜1.8質量%、Si:0.3〜1.2質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、厚さが10〜30μmであることを特徴とする。
このように、犠牲陽極材は、Zn濃度を高くすることで薄肉化しても心材との電位差により孔食を防止でき、さらにSi,Mnを合わせて添加することで、強度を向上させると同時に犠牲陽極材に自己防食を生じさせて全面腐食を抑制できる。一方、心材にもSi,Mnを添加することで強度を向上させ、Cu,Mgを添加することでさらに強度を向上させると同時に、電位を貴にするCuにより犠牲陽極材との電位差を適正なものとし、腐食生成物が保護皮膜を形成するMgにより、心材が腐食環境に曝されても孔食を防止する。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材は、前記心材が、Ti:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、Nb:0.01〜0.5質量%の1種以上をさらに含有してもよい。また、前記犠牲陽極材が、Ti:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、Nb:0.01〜0.5質量%の1種以上をさらに含有してもよい。これらの元素を添加することによって、アルミニウム合金クラッド材の局部の耐食性および全面の耐食性をさらに向上させることができる。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材によれば、犠牲陽極材が薄肉化しても、全面腐食と局部腐食の両方を抑制できるため、アルミニウム合金クラッド材も薄肉化できて、熱交換器の軽量化および長寿命化に有効である。
以下、本発明に係るアルミニウム合金クラッド材を実現するための実施形態について説明する。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材は、アルミニウム合金からなる心材の一方の面に犠牲陽極材がクラッドされ、他方の面にろう材がクラッドされた3層材である。アルミニウム合金クラッド材の厚さは特に限定されないが、好ましくは0.1〜0.3mmである。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材は、アルミニウム合金からなる心材の一方の面に犠牲陽極材がクラッドされ、他方の面にろう材がクラッドされた3層材である。アルミニウム合金クラッド材の厚さは特に限定されないが、好ましくは0.1〜0.3mmである。
〔心材〕
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の心材は、Mn:0.3〜2.0質量%、Si:0.15〜1.6質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Mg:0.1〜1.0質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で形成される。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の心材は、Mn:0.3〜2.0質量%、Si:0.15〜1.6質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Mg:0.1〜1.0質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で形成される。
(心材Mn:0.3〜2.0質量%)
MnはSiと同様にアルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、特に後記のSiと共存することでAl−Mn−Si系金属間化合物を形成して、これによりさらに強度を高めることができる。アルミニウム合金クラッド材の強度を十分なものとするため、心材におけるMn含有量は0.3質量%以上とし、0.35質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がさらに好ましい。一方、Mnが過剰に添加されると粗大な晶出物が析出して、アルミニウム合金クラッド材の加工性が低下する。したがって、心材におけるMn含有量は2.0質量%以下とし、1.9質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がさらに好ましい。
MnはSiと同様にアルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、特に後記のSiと共存することでAl−Mn−Si系金属間化合物を形成して、これによりさらに強度を高めることができる。アルミニウム合金クラッド材の強度を十分なものとするため、心材におけるMn含有量は0.3質量%以上とし、0.35質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がさらに好ましい。一方、Mnが過剰に添加されると粗大な晶出物が析出して、アルミニウム合金クラッド材の加工性が低下する。したがって、心材におけるMn含有量は2.0質量%以下とし、1.9質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がさらに好ましい。
(心材Si:0.15〜1.6質量%)
SiはMnと同様にアルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、特にMnと共存することでAl−Mn−Si系金属間化合物を形成して、これによりさらに強度を高めることができる。アルミニウム合金クラッド材の強度を十分なものとするため、心材におけるSi含有量は0.15質量%以上とし、0.25質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。一方、Siはアルミニウム合金の融点を降下させるため、過剰に添加されるとろう付け時に心材の溶融が生じる。したがって、心材におけるSi含有量は1.6質量%以下とし、1.55質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましい。
SiはMnと同様にアルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、特にMnと共存することでAl−Mn−Si系金属間化合物を形成して、これによりさらに強度を高めることができる。アルミニウム合金クラッド材の強度を十分なものとするため、心材におけるSi含有量は0.15質量%以上とし、0.25質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。一方、Siはアルミニウム合金の融点を降下させるため、過剰に添加されるとろう付け時に心材の溶融が生じる。したがって、心材におけるSi含有量は1.6質量%以下とし、1.55質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましい。
(心材Cu:0.1〜1.0質量%)
Cuはアルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、また、アルミニウム合金の電位を貴にする作用があるため、犠牲陽極材に対する電位を貴にして犠牲陽極材の犠牲防食効果を高める。これらの効果を十分なものとするため、心材におけるCu含有量は0.1質量%以上とし、0.15質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がさらに好ましい。一方、Cuが過剰に添加されると、粒界にCu化合物が多く析出して粒界腐食を生じ易くなり、また、犠牲陽極材との電位差が過大となって全面腐食が促進される虞がある。したがって、心材におけるCu含有量は1.0質量%以下とし、0.95質量%以下が好ましく、0.9質量%以下がさらに好ましい。
Cuはアルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、また、アルミニウム合金の電位を貴にする作用があるため、犠牲陽極材に対する電位を貴にして犠牲陽極材の犠牲防食効果を高める。これらの効果を十分なものとするため、心材におけるCu含有量は0.1質量%以上とし、0.15質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がさらに好ましい。一方、Cuが過剰に添加されると、粒界にCu化合物が多く析出して粒界腐食を生じ易くなり、また、犠牲陽極材との電位差が過大となって全面腐食が促進される虞がある。したがって、心材におけるCu含有量は1.0質量%以下とし、0.95質量%以下が好ましく、0.9質量%以下がさらに好ましい。
(心材Mg:0.1〜1.0質量%)
Mgはアルミニウム合金の電位を卑にする作用があるが、Siと共存することでMg2Si等の化合物を析出させて、アルミニウム合金の強度をさらに高めることができる。また、Mgは、当該アルミニウム合金が腐食環境に曝されると腐食生成物として塩化マグネシウム(MgCl2)を生成し、この塩化マグネシウムがアルミニウム合金の表面の酸化皮膜を腐食環境から遮断する保護皮膜として作用する。本発明に係るアルミニウム合金クラッド材においては、クラッドやろう付けの際に心材からMgが犠牲陽極材に拡散してその表面(腐食環境側表面)で保護皮膜を形成するため、耐局部腐食性向上に有効である。これらの効果を得るために、心材におけるMgの含有量は0.1質量%以上が好ましく、0.12質量%以上がより好ましく、0.14質量%以上がさらに好ましい。しかし、前記したようにMgはアルミニウム合金の電位を卑にする作用があるため、過剰に添加されると犠牲陽極材との電位差が不十分となって犠牲防食効果が低下する。さらにMgはろう付け性を低下させる作用があるため、過剰に添加されると、ろう付け時にろう材までMgが拡散してろう付け性が低下する。したがって、心材におけるMgの含有量は1.0質量%以下とし、0.95質量%以下が好ましく、0.9質量%以下がさらに好ましい。
Mgはアルミニウム合金の電位を卑にする作用があるが、Siと共存することでMg2Si等の化合物を析出させて、アルミニウム合金の強度をさらに高めることができる。また、Mgは、当該アルミニウム合金が腐食環境に曝されると腐食生成物として塩化マグネシウム(MgCl2)を生成し、この塩化マグネシウムがアルミニウム合金の表面の酸化皮膜を腐食環境から遮断する保護皮膜として作用する。本発明に係るアルミニウム合金クラッド材においては、クラッドやろう付けの際に心材からMgが犠牲陽極材に拡散してその表面(腐食環境側表面)で保護皮膜を形成するため、耐局部腐食性向上に有効である。これらの効果を得るために、心材におけるMgの含有量は0.1質量%以上が好ましく、0.12質量%以上がより好ましく、0.14質量%以上がさらに好ましい。しかし、前記したようにMgはアルミニウム合金の電位を卑にする作用があるため、過剰に添加されると犠牲陽極材との電位差が不十分となって犠牲防食効果が低下する。さらにMgはろう付け性を低下させる作用があるため、過剰に添加されると、ろう付け時にろう材までMgが拡散してろう付け性が低下する。したがって、心材におけるMgの含有量は1.0質量%以下とし、0.95質量%以下が好ましく、0.9質量%以下がさらに好ましい。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の心材は、さらに、Ti:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、およびNb:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有してもよい。
(心材Ti,Zr,Nb:各0.01〜0.5質量%)
Ti,Zr,Nbは、いずれもアルミニウム合金の腐食環境側表面に堆積した腐食生成物を微細化して、当該腐食生成物による保護性を高めて耐局部腐食性および耐全面腐食性を向上する効果を有する。本発明に係るアルミニウム合金クラッド材においては、腐食が心材に到達した場合にこれらの元素が前記作用を発現する。この効果を得るために、心材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.01質量%以上が好ましい。一方、Ti,Zr,Nbはアルミニウム合金の加工性を低下させるため、心材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.5質量%以下とする。
Ti,Zr,Nbは、いずれもアルミニウム合金の腐食環境側表面に堆積した腐食生成物を微細化して、当該腐食生成物による保護性を高めて耐局部腐食性および耐全面腐食性を向上する効果を有する。本発明に係るアルミニウム合金クラッド材においては、腐食が心材に到達した場合にこれらの元素が前記作用を発現する。この効果を得るために、心材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.01質量%以上が好ましい。一方、Ti,Zr,Nbはアルミニウム合金の加工性を低下させるため、心材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.5質量%以下とする。
なお、心材における不可避的不純物として、Fe:0.2質量%以下、Cr:0.1質量%以下、およびB:0.1質量%以下を含有してもよい。
〔犠牲陽極材〕
(犠牲陽極材厚さ:10〜30μm)
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材は、当該アルミニウム合金クラッド材において厚さが10〜30μmとする。犠牲陽極材の厚さが10μm未満では、犠牲陽極材に含有されるZnの絶対量が不足するため、心材に対して電位が十分に卑とならずに犠牲防食効果が低下する。また、アルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材側の面をろう付けする場合には、心材から拡散するMgが犠牲陽極材側表面に到達してろう付け性が低下する。一方、犠牲陽極材は30μmを超えて厚くしても、犠牲防食効果の向上は飽和する上、アルミニウム合金クラッド材の板厚が厚くなる、あるいは心材の絶対厚さが薄くなってアルミニウム合金クラッド材の強度が低下する。
(犠牲陽極材厚さ:10〜30μm)
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材は、当該アルミニウム合金クラッド材において厚さが10〜30μmとする。犠牲陽極材の厚さが10μm未満では、犠牲陽極材に含有されるZnの絶対量が不足するため、心材に対して電位が十分に卑とならずに犠牲防食効果が低下する。また、アルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材側の面をろう付けする場合には、心材から拡散するMgが犠牲陽極材側表面に到達してろう付け性が低下する。一方、犠牲陽極材は30μmを超えて厚くしても、犠牲防食効果の向上は飽和する上、アルミニウム合金クラッド材の板厚が厚くなる、あるいは心材の絶対厚さが薄くなってアルミニウム合金クラッド材の強度が低下する。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材は、Zn:7.0〜12.0質量%、Mn:0.3〜1.8質量%、Si:0.3〜1.2質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で形成される。
(犠牲陽極材Zn:7.0〜12.0質量%)
Znはアルミニウム合金の電位を卑にする作用があり、心材との電位差を十分なものとして、犠牲防食効果を付与する。この効果を十分なものとするため、犠牲陽極材におけるZn含有量は7.0質量%以上とし、7.2質量%以上が好ましく、7.4質量%以上がさらに好ましい。一方、Znが過剰に添加されると、犠牲陽極材自体の耐食性が劣化して腐食速度が速くなるため犠牲防食効果の持続期間が短くなる。したがって、犠牲陽極材におけるZn含有量は12.0質量%以下とし、11.5質量%以下が好ましく、11.0質量%以下がさらに好ましい。
Znはアルミニウム合金の電位を卑にする作用があり、心材との電位差を十分なものとして、犠牲防食効果を付与する。この効果を十分なものとするため、犠牲陽極材におけるZn含有量は7.0質量%以上とし、7.2質量%以上が好ましく、7.4質量%以上がさらに好ましい。一方、Znが過剰に添加されると、犠牲陽極材自体の耐食性が劣化して腐食速度が速くなるため犠牲防食効果の持続期間が短くなる。したがって、犠牲陽極材におけるZn含有量は12.0質量%以下とし、11.5質量%以下が好ましく、11.0質量%以下がさらに好ましい。
(犠牲陽極材Mn:0.3〜1.8質量%、Si:0.3〜1.2質量%)
Mn,Siは、それぞれアルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、特に両者が共存することでAl−Mn−Si系金属間化合物を形成して、さらに強度を高めることができる。また、Mn,Siは、それぞれ水(冷却水、結露水等)に溶出すると、不溶性の皮膜を形成して自己防食効果を生じ、特にMn,Siの両者および溶出を促進するZnが共存すると、自己防食効果が相乗的に向上して犠牲陽極材の全面腐食を抑制する。これらの効果を十分なものとするため、犠牲陽極材において、Mn,Siの各含有量は0.3質量%以上とし、0.32質量%以上が好ましく、0.34質量%以上がさらに好ましい。
Mn,Siは、それぞれアルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、特に両者が共存することでAl−Mn−Si系金属間化合物を形成して、さらに強度を高めることができる。また、Mn,Siは、それぞれ水(冷却水、結露水等)に溶出すると、不溶性の皮膜を形成して自己防食効果を生じ、特にMn,Siの両者および溶出を促進するZnが共存すると、自己防食効果が相乗的に向上して犠牲陽極材の全面腐食を抑制する。これらの効果を十分なものとするため、犠牲陽極材において、Mn,Siの各含有量は0.3質量%以上とし、0.32質量%以上が好ましく、0.34質量%以上がさらに好ましい。
一方、Mnは過剰に添加されると、粗大な晶出物が析出して、アルミニウム合金クラッド材の加工性が低下し、またこの晶出物がカソードサイトとして作用して腐食を促進させるため耐孔食性が低下する虞がある。したがって、犠牲陽極材におけるMn含有量は1.8質量%以下とし、1.75質量%以下が好ましく、1.7質量%以下がさらに好ましい。また、Siは過剰に添加されると、アルミニウム合金の粒界腐食感受性が増大して耐孔食性および自己防食効果が低下し、また融点を降下させるため、ろう付け時に犠牲陽極材の溶融が生じる。特に本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材は高濃度のZnにより融点がある程度降下しているため、犠牲陽極材におけるSi含有量は1.2質量%以下とし、1.0質量%以下が好ましく、0.9質量%以下がさらに好ましい。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材は、さらに、Ti:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、およびNb:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有してもよい。
(犠牲陽極材Ti,Zr,Nb:各0.01〜0.5質量%)
Ti,Zr,Nbは、いずれもアルミニウム合金クラッド材の表面すなわち犠牲陽極材の表面に堆積したアルミニウム合金の腐食生成物を微細化して、当該腐食生成物による保護性を高めて耐局部腐食性および耐全面腐食性を向上する効果を有する。この効果を得るために、犠牲陽極材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.01質量%以上が好ましい。一方、Ti,Zr,Nbはアルミニウム合金の加工性を低下させるため、犠牲陽極材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.5質量%以下とする。
Ti,Zr,Nbは、いずれもアルミニウム合金クラッド材の表面すなわち犠牲陽極材の表面に堆積したアルミニウム合金の腐食生成物を微細化して、当該腐食生成物による保護性を高めて耐局部腐食性および耐全面腐食性を向上する効果を有する。この効果を得るために、犠牲陽極材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.01質量%以上が好ましい。一方、Ti,Zr,Nbはアルミニウム合金の加工性を低下させるため、犠牲陽極材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.5質量%以下とする。
犠牲陽極材における不可避的不純物として、Mg,Cuを各0.1質量%以下含有してもよい。Mgはろう付け性を低下させる作用があるため、0.1質量%を超えて含有すると、アルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材側の面をろう付けする場合に、ろう付け性が低下する虞がある。Cuはアルミニウム合金の電位を貴にする作用があり、0.1質量%を超えて含有すると、心材との電位差が不十分となって犠牲防食効果が不足する虞がある。
〔ろう材〕
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材のろう材は、当該アルミニウム合金クラッド材においてその厚さは特に限定されないが、良好なろう付け性を得るために10〜40μmとすることが好ましい。また、本発明に係るアルミニウム合金クラッド材のろう材は、アルミニウム合金材のろう付けにおいて通常用いられる6〜15質量%程度のSiを含有するAl−Si系合金、例えばJIS4343,4045相当のAl−Si合金等が適用できる。また、Si以外にZnを添加して、ろう材側にも犠牲防食効果を付与してもよい。さらにCu,Mn,Mg等を含有してもよい。ただし、Mgについては、0.1質量%を超えるとろう付け性が低下する虞があるため、Mg:0.1質量%以下であれば含有してもよい。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材のろう材は、当該アルミニウム合金クラッド材においてその厚さは特に限定されないが、良好なろう付け性を得るために10〜40μmとすることが好ましい。また、本発明に係るアルミニウム合金クラッド材のろう材は、アルミニウム合金材のろう付けにおいて通常用いられる6〜15質量%程度のSiを含有するAl−Si系合金、例えばJIS4343,4045相当のAl−Si合金等が適用できる。また、Si以外にZnを添加して、ろう材側にも犠牲防食効果を付与してもよい。さらにCu,Mn,Mg等を含有してもよい。ただし、Mgについては、0.1質量%を超えるとろう付け性が低下する虞があるため、Mg:0.1質量%以下であれば含有してもよい。
ろう材における不可避的不純物として、例えば、Ti:0.05質量%以下、Zr:0.2質量%以下、B:0.1質量%以下、Fe:0.2質量%以下等を含有していても、本発明の効果を妨げるものではない。なお、ろう材において、このような不可避的不純物の含有量が合計で0.4質量%まで許容できる。
〔アルミニウム合金クラッド材の製造方法〕
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の製造方法は特に限定されず、例えば公知のクラッド材の製造方法により製造される。以下にその一例を説明する。
まず、心材、犠牲陽極材、ろう材のそれぞれの成分組成のアルミニウム合金を、溶解、鋳造し、さらに必要に応じて面削(鋳塊の表面平滑化処理)、均質化処理して、それぞれの鋳塊を得る。均質化処理は、例えば、450〜550℃×6時間以下の熱処理およびその後の冷却速度を0.5〜2℃/分の条件で行う。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の製造方法は特に限定されず、例えば公知のクラッド材の製造方法により製造される。以下にその一例を説明する。
まず、心材、犠牲陽極材、ろう材のそれぞれの成分組成のアルミニウム合金を、溶解、鋳造し、さらに必要に応じて面削(鋳塊の表面平滑化処理)、均質化処理して、それぞれの鋳塊を得る。均質化処理は、例えば、450〜550℃×6時間以下の熱処理およびその後の冷却速度を0.5〜2℃/分の条件で行う。
次に、それぞれの鋳塊を熱間圧延により、所定のクラッド率になるようにそれぞれ所定厚さの板材とする。次に、心材用の板材を、犠牲陽極材用の板材とろう材用の板材で挟んで重ね合わせ、この重ね合わせ材に熱処理(再加熱)を行った後、熱間圧延により圧着して一体の板材とし、さらに所定の最終板厚となるまで冷間圧延を行い、アルミニウム合金クラッド材とする(クラッド圧延)。前記冷間圧延において、必要に応じて中間焼鈍(連続焼鈍)を行ってもよい。また、最終板厚とした後に仕上げ焼鈍を実施してもよい。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材を熱交換器に利用する場合は、例えば、その犠牲陽極材が腐食環境側となるように成形し、必要に応じてフィン材等の他の部材と組み合わせてろう付け加熱する。この場合、特に自動車のラジエータとして、犠牲陽極材を内面にしてチューブ材に使用することが好ましく、内面の冷却水に対する耐食性を向上させることができる。
以上、本発明を実施するための形態について述べてきたが、以下に、本発明の効果を確認した実施例を、本発明の要件を満たさない比較例と比較して具体的に説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(供試材作製:供試材No.1〜23)
表1に示す組成を有する心材用アルミニウム合金(合金No.C1)を溶解し、鋳造温度700℃にて鋳造して鋳塊を製造した後、均質化処理として、530℃で6時間の熱処理後、冷却速度0.5℃/分で冷却し、熱間圧延して心材用の板材を作製した。また、表2に示す組成を有する犠牲陽極材用アルミニウム合金(合金No.S1〜S22)を溶解し、鋳造温度700〜760℃にて鋳造して鋳塊を製造した後、均質化処理として、450〜550℃で6時間の熱処理後、冷却速度0.5℃/分で冷却し、熱間圧延して犠牲陽極材用の板材を作製した。また、Si:11質量%を含有するAl−Si合金のろう材用アルミニウム合金を溶解し、通常行われる条件として、鋳造温度700℃にて鋳造して鋳塊を製造した後、均質化処理として500℃で3時間の熱処理の後、熱間圧延してろう材用の板材を作製した。
表1に示す組成を有する心材用アルミニウム合金(合金No.C1)を溶解し、鋳造温度700℃にて鋳造して鋳塊を製造した後、均質化処理として、530℃で6時間の熱処理後、冷却速度0.5℃/分で冷却し、熱間圧延して心材用の板材を作製した。また、表2に示す組成を有する犠牲陽極材用アルミニウム合金(合金No.S1〜S22)を溶解し、鋳造温度700〜760℃にて鋳造して鋳塊を製造した後、均質化処理として、450〜550℃で6時間の熱処理後、冷却速度0.5℃/分で冷却し、熱間圧延して犠牲陽極材用の板材を作製した。また、Si:11質量%を含有するAl−Si合金のろう材用アルミニウム合金を溶解し、通常行われる条件として、鋳造温度700℃にて鋳造して鋳塊を製造した後、均質化処理として500℃で3時間の熱処理の後、熱間圧延してろう材用の板材を作製した。
心材用の板材を、犠牲陽極材用、ろう材用のそれぞれの板材で挟んで重ね合わせて、400〜550℃で熱間圧延を行い、その後、冷間圧延を行い、表2に示す供試材No.1〜23のアルミニウム合金クラッド材の供試材とした。なお、心材の板厚は0.180mm、ろう材の板厚は20μm、犠牲陽極材の板厚は、表2に示すように供試材No.16は7μm、それ以外の供試材は20μmとした。
(供試材作製:供試材No.24〜38)
表3および表4に示す組成を有する心材用アルミニウム合金(合金No.C2〜C16)にて合金No.C1と同様にして心材用の板材を作製した。また、供試材No.4,17〜23と同様に、合金No.S4,S16〜S22の犠牲陽極材用の板材、ならびにAl−11質量%Si合金のろう材用の板材を作製した。
表3および表4に示す組成を有する心材用アルミニウム合金(合金No.C2〜C16)にて合金No.C1と同様にして心材用の板材を作製した。また、供試材No.4,17〜23と同様に、合金No.S4,S16〜S22の犠牲陽極材用の板材、ならびにAl−11質量%Si合金のろう材用の板材を作製した。
合金No.C2〜C9の心材用の板材は、表3に示すように、供試材No.1と同様にして、合金No.S4の犠牲陽極材用の板材とろう材用の板材とで挟んで重ね合わせて、供試材No.24〜31のアルミニウム合金クラッド材の供試材とした。合金No.C10〜C16の心材用の板材は、供試材No.17〜23と同様にして、合金No.S16〜S22の犠牲陽極材用の板材とろう材用の板材とで表4に示す組合せで挟んで重ね合わせて、供試材No.32〜38のアルミニウム合金クラッド材の供試材とした。なお、心材の板厚は0.180mm、ろう材および犠牲陽極材の板厚は各20μmとした。
得られた供試材No.1〜38に、ろう付け加熱に相当する600℃で5分間の加熱処理を施した。加熱後の供試材について、以下の腐食試験を行った。
(腐食試験)
ラジエータ内面環境での腐食特性を評価するため、腐食試験として、前記加熱後の供試材(試験片)を冷却水を模擬した試験溶液に浸漬して、1ヶ月間温度サイクルを与えた。加熱後の供試材を80mm×70mmの試験片に切り出し、アセトンで洗浄した後、犠牲陽極材側の表面の中央の70mm×60mmを試験面として、試験面以外の表面、すなわち犠牲陽極材側の表面における端から5mmの領域、ならびにろう材側の表面および端面をシリコンシーラントで被覆した。なお、試験片は供試材の仕様毎に5枚作製した。試験溶液としては、OY水(Cl-:195質量ppm、SO4 2-:60質量ppm、Cu2+:1質量ppm、Fe3+:30質量ppm、pH:3.0)を使用した。温度サイクルは、試験溶液を、室温から1時間で88℃まで加熱し、この88℃で7時間保持した後、室温まで1時間で冷却し、この室温にて15時間保持する1日1サイクルとした。
ラジエータ内面環境での腐食特性を評価するため、腐食試験として、前記加熱後の供試材(試験片)を冷却水を模擬した試験溶液に浸漬して、1ヶ月間温度サイクルを与えた。加熱後の供試材を80mm×70mmの試験片に切り出し、アセトンで洗浄した後、犠牲陽極材側の表面の中央の70mm×60mmを試験面として、試験面以外の表面、すなわち犠牲陽極材側の表面における端から5mmの領域、ならびにろう材側の表面および端面をシリコンシーラントで被覆した。なお、試験片は供試材の仕様毎に5枚作製した。試験溶液としては、OY水(Cl-:195質量ppm、SO4 2-:60質量ppm、Cu2+:1質量ppm、Fe3+:30質量ppm、pH:3.0)を使用した。温度サイクルは、試験溶液を、室温から1時間で88℃まで加熱し、この88℃で7時間保持した後、室温まで1時間で冷却し、この室温にて15時間保持する1日1サイクルとした。
腐食試験後、試験片を硝酸に浸漬して表面の腐食生成物を除去し、最大腐食深さおよび板厚減少量を測定した。最大腐食深さは、光学顕微鏡を用いて焦点深度法により試験面(犠牲陽極材側の表面)の腐食深さを測定し、試験面における最も深い腐食深さの、さらに5枚の試験片の最大値とした。また、板厚減少量は、腐食試験後の試験片の断面埋め込み試料を作製し、試験片の孔食の発生していない部分の残存板厚を10点測定して試験前の板厚との差分より板厚減少量を求め、各試験片の10点の平均値を求め、さらに5枚の試験片の平均値とした。
特許文献1〜3の犠牲陽極材と同程度のZn:4.5質量%を含有するアルミニウム合金(合金No.S1)を犠牲陽極材とした比較例(従来例)の供試材No.1を基準とし、その最大腐食深さおよび板厚減少量をそれぞれ100として換算した値を、局部腐食深さDLCおよび全面腐食量DGNとした。局部腐食深さDLCは耐孔食性の、全面腐食量DGNは耐全面腐食性(自己防食性)の、それぞれ評価指標である。耐食性の合格基準は、局部腐食深さDLCが50以下、かつ全面腐食量DGNが60以下であることとする。また、局部腐食深さDLCについて、20以下を「◎◎」、20を超え40以下を「◎」、40を超え50以下を「○」、50を超え60以下を「△」、60を超え80以下を「×」、80を超えるものを「××」で、全面腐食量DGNについて、40以下を「◎◎」、40を超え50以下を「◎」、50を超え60以下を「○」、60を超え80以下を「△」、80を超え100以下を「×」、100を超えるものを「××」で、表2〜4に示す。なお、表3には、表2に示した供試材No.4について、心材用アルミニウム合金(合金No.C1)の組成および耐食性の評価も示した。
(犠牲陽極材による評価)
表2に示すように、供試材No.2は、従来例である供試材No.1に対してZnの含有量のみを増加させたため、心材との電位差拡大により、耐孔食性はある程度向上したが、自己防食性は劣化した。これに対して、供試材No.3〜5,8,9,12〜14は、犠牲陽極材のアルミニウム合金にZnに加えて本発明の範囲のMn,Siを共に含有している実施例であるため、耐孔食性および自己防食性の両方が向上した。ただし、供試材No.16は、供試材No.4と同じ組成の犠牲陽極材を備えてもその厚さが不足しているため、Znの絶対量が不足して犠牲防食効果が十分に得られなかった。また、供試材No.6はZn含有量が過剰であるため、電位差が過大となって全面腐食を生じた。供試材No.7,11は、Mn,Siの一方の含有量が不足しているため、自己防食性を生じるに至らず、供試材No.2と同程度の腐食を生じた。また、供試材No.10はMn含有量が過剰であるため、析出した粗大な晶出物により耐食性が低下した。また、供試材No.15はSi含有量が過剰であるため、粒界腐食感受性が増大して耐食性が低下した。
表2に示すように、供試材No.2は、従来例である供試材No.1に対してZnの含有量のみを増加させたため、心材との電位差拡大により、耐孔食性はある程度向上したが、自己防食性は劣化した。これに対して、供試材No.3〜5,8,9,12〜14は、犠牲陽極材のアルミニウム合金にZnに加えて本発明の範囲のMn,Siを共に含有している実施例であるため、耐孔食性および自己防食性の両方が向上した。ただし、供試材No.16は、供試材No.4と同じ組成の犠牲陽極材を備えてもその厚さが不足しているため、Znの絶対量が不足して犠牲防食効果が十分に得られなかった。また、供試材No.6はZn含有量が過剰であるため、電位差が過大となって全面腐食を生じた。供試材No.7,11は、Mn,Siの一方の含有量が不足しているため、自己防食性を生じるに至らず、供試材No.2と同程度の腐食を生じた。また、供試材No.10はMn含有量が過剰であるため、析出した粗大な晶出物により耐食性が低下した。また、供試材No.15はSi含有量が過剰であるため、粒界腐食感受性が増大して耐食性が低下した。
(心材による評価)
表3に示すように、供試材No.4は、本発明の心材のアルミニウム合金を適用した実施例であり、前記したように本発明のZn,Mn,Siを含有する犠牲陽極材と組み合わせることにより良好な耐食性を示した。これに対して、供試材No.24,26は、Mn,Siの含有量がそれぞれ不足したことで、犠牲陽極材のMn,Siが心材に拡散して減少、不足したため、耐食性が不十分となった。一方、供試材No.25はMn含有量が過剰であるため、Mnが犠牲陽極材に拡散して、粗大な晶出物を析出させて耐食性が低下した。また、供試材No.27はSi含有量が過剰であるため、Siが犠牲陽極材に拡散して、粒界腐食感受性を増大させて耐食性が低下した。また、供試材No.28はCu含有量が不足している(含有しない)ため、犠牲陽極材との電位差が小さく耐孔食性が不十分であった。一方、供試材No.29はCu含有量が過剰であるため、粒界腐食により腐食深さが増大し、また電位差が過大となって全面腐食を生じた。また、供試材No.30はMg含有量が不足している(含有しない)ため、犠牲陽極材に拡散したMgが不足して、耐孔食性が不十分であった。一方、供試材No.31はMg含有量が過剰であるため、犠牲陽極材との電位差が小さく耐孔食性が不十分であった。
表3に示すように、供試材No.4は、本発明の心材のアルミニウム合金を適用した実施例であり、前記したように本発明のZn,Mn,Siを含有する犠牲陽極材と組み合わせることにより良好な耐食性を示した。これに対して、供試材No.24,26は、Mn,Siの含有量がそれぞれ不足したことで、犠牲陽極材のMn,Siが心材に拡散して減少、不足したため、耐食性が不十分となった。一方、供試材No.25はMn含有量が過剰であるため、Mnが犠牲陽極材に拡散して、粗大な晶出物を析出させて耐食性が低下した。また、供試材No.27はSi含有量が過剰であるため、Siが犠牲陽極材に拡散して、粒界腐食感受性を増大させて耐食性が低下した。また、供試材No.28はCu含有量が不足している(含有しない)ため、犠牲陽極材との電位差が小さく耐孔食性が不十分であった。一方、供試材No.29はCu含有量が過剰であるため、粒界腐食により腐食深さが増大し、また電位差が過大となって全面腐食を生じた。また、供試材No.30はMg含有量が不足している(含有しない)ため、犠牲陽極材に拡散したMgが不足して、耐孔食性が不十分であった。一方、供試材No.31はMg含有量が過剰であるため、犠牲陽極材との電位差が小さく耐孔食性が不十分であった。
(Ti,Zr,Nbの添加による評価)
表2に示すように、供試材No.17〜23は、本発明の犠牲陽極材用アルミニウム合金に、さらにTi,Zr,Nbの1種以上を添加した実施例であり、これらの元素の作用により耐局部腐食性および耐全面腐食性がさらに向上した。さらに供試材No.32〜38は、表4に示すように、犠牲陽極材に加えて心材用アルミニウム合金にもTi,Zr,Nbの1種以上を添加した実施例であり、さらに防食効果が向上した。
表2に示すように、供試材No.17〜23は、本発明の犠牲陽極材用アルミニウム合金に、さらにTi,Zr,Nbの1種以上を添加した実施例であり、これらの元素の作用により耐局部腐食性および耐全面腐食性がさらに向上した。さらに供試材No.32〜38は、表4に示すように、犠牲陽極材に加えて心材用アルミニウム合金にもTi,Zr,Nbの1種以上を添加した実施例であり、さらに防食効果が向上した。
すなわち、本発明に係るアルミニウム合金クラッド材は、心材と、この心材の一面側にクラッドされた犠牲陽極材と、前記心材の他面側にクラッドされたAl−Si系合金からなるろう材からなり、前記心材は、Mn:0.3〜2.0質量%、Si:0.15〜1.6質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Mg:0.1〜1.0質量%を含有し、さらにTi:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、前記犠牲陽極材は、Zn:9.0〜12.0質量%、Mn:0.3〜1.8質量%、Si:0.3〜1.2質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、厚さが10〜30μmであることを特徴とする。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材は、前記犠牲陽極材が、Ti:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、Nb:0.01〜0.5質量%の1種以上をさらに含有してもよい。これらの元素を添加することによって、アルミニウム合金クラッド材の局部の耐食性および全面の耐食性をさらに向上させることができる。
〔心材〕
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の心材は、Mn:0.3〜2.0質量%、Si:0.15〜1.6質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Mg:0.1〜1.0質量%を含有し、さらに、Ti:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で形成される。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の心材は、Mn:0.3〜2.0質量%、Si:0.15〜1.6質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Mg:0.1〜1.0質量%を含有し、さらに、Ti:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で形成される。
(心材Ti,Zr:各0.01〜0.5質量%)
Ti,Zrは、いずれもアルミニウム合金の腐食環境側表面に堆積した腐食生成物を微細化して、当該腐食生成物による保護性を高めて耐局部腐食性および耐全面腐食性を向上する効果を有する。本発明に係るアルミニウム合金クラッド材においては、腐食が心材に到達した場合にこれらの元素が前記作用を発現する。この効果を得るために、心材におけるTi,Zrの各含有量は0.01質量%以上が好ましい。一方、Ti,Zrはアルミニウム合金の加工性を低下させるため、心材におけるTi,Zrの各含有量は0.5質量%以下とする。
Ti,Zrは、いずれもアルミニウム合金の腐食環境側表面に堆積した腐食生成物を微細化して、当該腐食生成物による保護性を高めて耐局部腐食性および耐全面腐食性を向上する効果を有する。本発明に係るアルミニウム合金クラッド材においては、腐食が心材に到達した場合にこれらの元素が前記作用を発現する。この効果を得るために、心材におけるTi,Zrの各含有量は0.01質量%以上が好ましい。一方、Ti,Zrはアルミニウム合金の加工性を低下させるため、心材におけるTi,Zrの各含有量は0.5質量%以下とする。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材は、Zn:9.0〜12.0質量%、Mn:0.3〜1.8質量%、Si:0.3〜1.2質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で形成される。
(犠牲陽極材Zn:9.0〜12.0質量%)
Znはアルミニウム合金の電位を卑にする作用があり、心材との電位差を十分なものとして、犠牲防食効果を付与する。この効果を十分なものとするため、犠牲陽極材におけるZn含有量は9.0質量%以上とする。一方、Znが過剰に添加されると、犠牲陽極材自体の耐食性が劣化して腐食速度が速くなるため犠牲防食効果の持続期間が短くなる。したがって、犠牲陽極材におけるZn含有量は12.0質量%以下とし、11.5質量%以下が好ましく、11.0質量%以下がさらに好ましい。
Znはアルミニウム合金の電位を卑にする作用があり、心材との電位差を十分なものとして、犠牲防食効果を付与する。この効果を十分なものとするため、犠牲陽極材におけるZn含有量は9.0質量%以上とする。一方、Znが過剰に添加されると、犠牲陽極材自体の耐食性が劣化して腐食速度が速くなるため犠牲防食効果の持続期間が短くなる。したがって、犠牲陽極材におけるZn含有量は12.0質量%以下とし、11.5質量%以下が好ましく、11.0質量%以下がさらに好ましい。
(犠牲陽極材による評価)
表2に示すように、供試材No.2は、従来例である供試材No.1に対してZnの含有量のみを増加させたため、心材との電位差拡大により、耐孔食性はある程度向上したが、自己防食性は劣化した。これに対して、供試材No.3〜5,8,9,12〜14は、犠牲陽極材のアルミニウム合金にZnに加えて本発明の範囲のMn,Siを共に含有している参考例であるため、耐孔食性および自己防食性の両方が向上した。ただし、供試材No.16は、供試材No.4と同じ組成の犠牲陽極材を備えてもその厚さが不足しているため、Znの絶対量が不足して犠牲防食効果が十分に得られなかった。また、供試材No.6はZn含有量が過剰であるため、電位差が過大となって全面腐食を生じた。供試材No.7,11は、Mn,Siの一方の含有量が不足しているため、自己防食性を生じるに至らず、供試材No.2と同程度の腐食を生じた。また、供試材No.10はMn含有量が過剰であるため、析出した粗大な晶出物により耐食性が低下した。また、供試材No.15はSi含有量が過剰であるため、粒界腐食感受性が増大して耐食性が低下した。
表2に示すように、供試材No.2は、従来例である供試材No.1に対してZnの含有量のみを増加させたため、心材との電位差拡大により、耐孔食性はある程度向上したが、自己防食性は劣化した。これに対して、供試材No.3〜5,8,9,12〜14は、犠牲陽極材のアルミニウム合金にZnに加えて本発明の範囲のMn,Siを共に含有している参考例であるため、耐孔食性および自己防食性の両方が向上した。ただし、供試材No.16は、供試材No.4と同じ組成の犠牲陽極材を備えてもその厚さが不足しているため、Znの絶対量が不足して犠牲防食効果が十分に得られなかった。また、供試材No.6はZn含有量が過剰であるため、電位差が過大となって全面腐食を生じた。供試材No.7,11は、Mn,Siの一方の含有量が不足しているため、自己防食性を生じるに至らず、供試材No.2と同程度の腐食を生じた。また、供試材No.10はMn含有量が過剰であるため、析出した粗大な晶出物により耐食性が低下した。また、供試材No.15はSi含有量が過剰であるため、粒界腐食感受性が増大して耐食性が低下した。
(心材による評価)
表3に示すように、供試材No.4は、本発明の心材のアルミニウム合金を適用した参考例であり、前記したように本発明のZn,Mn,Siを含有する犠牲陽極材と組み合わせることにより良好な耐食性を示した。これに対して、供試材No.24,26は、Mn,Siの含有量がそれぞれ不足したことで、犠牲陽極材のMn,Siが心材に拡散して減少、不足したため、耐食性が不十分となった。一方、供試材No.25はMn含有量が過剰であるため、Mnが犠牲陽極材に拡散して、粗大な晶出物を析出させて耐食性が低下した。また、供試材No.27はSi含有量が過剰であるため、Siが犠牲陽極材に拡散して、粒界腐食感受性を増大させて耐食性が低下した。また、供試材No.28はCu含有量が不足している(含有しない)ため、犠牲陽極材との電位差が小さく耐孔食性が不十分であった。一方、供試材No.29はCu含有量が過剰であるため、粒界腐食により腐食深さが増大し、また電位差が過大となって全面腐食を生じた。また、供試材No.30はMg含有量が不足している(含有しない)ため、犠牲陽極材に拡散したMgが不足して、耐孔食性が不十分であった。一方、供試材No.31はMg含有量が過剰であるため、犠牲陽極材との電位差が小さく耐孔食性が不十分であった。
表3に示すように、供試材No.4は、本発明の心材のアルミニウム合金を適用した参考例であり、前記したように本発明のZn,Mn,Siを含有する犠牲陽極材と組み合わせることにより良好な耐食性を示した。これに対して、供試材No.24,26は、Mn,Siの含有量がそれぞれ不足したことで、犠牲陽極材のMn,Siが心材に拡散して減少、不足したため、耐食性が不十分となった。一方、供試材No.25はMn含有量が過剰であるため、Mnが犠牲陽極材に拡散して、粗大な晶出物を析出させて耐食性が低下した。また、供試材No.27はSi含有量が過剰であるため、Siが犠牲陽極材に拡散して、粒界腐食感受性を増大させて耐食性が低下した。また、供試材No.28はCu含有量が不足している(含有しない)ため、犠牲陽極材との電位差が小さく耐孔食性が不十分であった。一方、供試材No.29はCu含有量が過剰であるため、粒界腐食により腐食深さが増大し、また電位差が過大となって全面腐食を生じた。また、供試材No.30はMg含有量が不足している(含有しない)ため、犠牲陽極材に拡散したMgが不足して、耐孔食性が不十分であった。一方、供試材No.31はMg含有量が過剰であるため、犠牲陽極材との電位差が小さく耐孔食性が不十分であった。
(Ti,Zr,Nbの添加による評価)
表2に示すように、供試材No.17〜23は、本発明の犠牲陽極材用アルミニウム合金に、さらにTi,Zr,Nbの1種以上を添加した参考例であり、これらの元素の作用により耐局部腐食性および耐全面腐食性がさらに向上した。さらに供試材No.32〜38は、表4に示すように、犠牲陽極材に加えて心材用アルミニウム合金にもTi,Zr,Nbの1種以上を添加した実施例および参考例であり、さらに防食効果が向上した。
表2に示すように、供試材No.17〜23は、本発明の犠牲陽極材用アルミニウム合金に、さらにTi,Zr,Nbの1種以上を添加した参考例であり、これらの元素の作用により耐局部腐食性および耐全面腐食性がさらに向上した。さらに供試材No.32〜38は、表4に示すように、犠牲陽極材に加えて心材用アルミニウム合金にもTi,Zr,Nbの1種以上を添加した実施例および参考例であり、さらに防食効果が向上した。
Claims (3)
- 心材と、この心材の一面側にクラッドされた犠牲陽極材と、前記心材の他面側にクラッドされたAl−Si系合金からなるろう材と、からなるアルミニウム合金クラッド材であって、
前記心材は、Mn:0.3〜2.0質量%、Si:0.15〜1.6質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Mg:0.1〜1.0質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、
前記犠牲陽極材は、Zn:7.0〜12.0質量%、Mn:0.3〜1.8質量%、Si:0.3〜1.2質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、厚さが10〜30μmであることを特徴とするアルミニウム合金クラッド材。 - 前記心材は、さらに、Ti:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、Nb:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金クラッド材。
- 前記犠牲陽極材は、さらに、Ti:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、Nb:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルミニウム合金クラッド材。
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