JP5578702B2 - 熱交換器用アルミニウム合金フィン材および熱交換器 - Google Patents

熱交換器用アルミニウム合金フィン材および熱交換器 Download PDF

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本発明は、熱交換器用Al合金フィン材および該フィン材を用いてろう付法によって製造される自動車用熱交換器に関するものである。
従来、自動車用ラジエータ、オイルクーラ、インタークーラ、エアコン等の熱交換器では、軽量なAl合金材が多く使われている。熱交換器の構成部材のひとつであるフィン材にもAl合金材が用いられており、強度、耐食性、熱伝導性といった特性が要求されている。これまで、上記特性を向上するための種々の方法が検討されてきている。例えば、熱伝導性を向上するための方法としては、FeやNiなどのAlマトリックスに固溶し難い元素を添加する方法が提案されている(例えば特許文献1)。また、強度と耐食性を向上するための方法として、Al−Mn−Si−Zn合金系フィン材が提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−059939号公報 特開2008−280544号公報
しかしながら、フィン材において、強度、耐食性、熱伝導性といった特性は相反するものであり、従来のフィン材では、これら特性の全てを満足することは困難である。例えば、FeやNiを添加するものでは、FeやNiがマトリックスに固溶し難い元素であるため熱伝導性は向上するが、耐食性が著しく低下してしまう。また、特許文献2に開示されたものでは、強度、耐食性は向上するものの、熱伝導性は十分なものではない。このように従来技術のフィン材では強度、耐食性、熱伝導性の全ての特性を満足することができず、熱交換器性能の向上が不十分である。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、強度、耐食性、熱伝導性の全てに優れた熱交換器用Al合金フィン材を提供することを目的とする。さらに、該フィン材を使用して、ろう付法で製造される耐食性、熱交換性に優れた熱交換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明のうち、第1の本発明の高耐食性と高強度および高熱伝導性を有する熱交換器用Al合金フィン材は、質量%で、Mn:1.0〜1.8%(ただし、1.1%を除く)、Si:0.7〜1.4%、Fe:0.05〜0.3%の範囲で含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、MnとFeの含有量がFe/Mn<0.2の関係を満たすことを特徴とする。
第2の本発明の高耐食性と高強度および高熱伝導性を有する熱交換器用Al合金フィン材は、質量%で、Mn:1.0〜1.8%(ただし、1.1%を除く)、Si:0.7〜1.4%、Fe:0.05〜0.3%、Zn:0.25%以下の範囲で含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、MnとFeの含有量がFe/Mn<0.2の関係を満たすことを特徴とする。
第3の本発明の、高耐食性および高強度を有する熱交換性能に優れた熱交換器は、第1または第2の本発明のAl合金フィン材と、Al合金芯材の少なくとも片面にAl合金ろう材がクラッドされたAl合金ブレージングシートチューブとがろう付けされ、該ろう付け後の前記フィン材とチューブ芯材との孔食電位差が前記チューブ芯材が貴となるように90〜160mVの範囲にあることを特徴とする。
第4の本発明の、高耐食性および高強度を有する熱交換性能に優れた熱交換器は、前記第3の本発明において、前記Al合金芯材が、質量%でCuを1.3〜2.5%含有するAl合金芯材であることを特徴とする。
第5の本発明の、高耐食性および高強度を有する熱交換性能に優れた熱交換器は、前記第3または第4の本発明において、前記ろう付けが、非腐食性フラックスろう付けであることを特徴とする。
すなわち、本発明は、Mn、Si、Fe、Zn量を所定量に調整し、かつ、含有質量比でFe/Mn比を規定することによって、強度、耐食性、熱伝導性を全て満足するフィン材を得ることを特徴とする。さらに、フィン材とチューブ材とのろう付熱処理後の孔食電位差を所定値に調整することで、前記フィン材を用いた熱交換器では、フィン材がチューブ材に対して効果的な犠牲陽極効果を発揮できるようにしたことを特徴とする。これらを具備することにより、高耐食性を有し、熱交換性能に優れた熱交換器を得ることができる。
以下に本発明における条件規定の理由について説明する。なお、以下の成分含有量はいずれも質量%で表される。
(フィン材)
Mn:1.0〜1.8%(ただし、1.1%を除く)
MnはFeとAl−Mn−Fe系金属間化合物を形成することで、耐食性に悪影響を与えるAl−Fe系金属間化合物の生成を阻害してFeの害を抑制する効果がある。また、形成されたAl−Mn−Fe系金属間化合物がAlマトリックス中で分散することによって強度を向上させる効果もある。Mn含有量が1.0%未満ではその効果が十分発揮されず、1.8%を超えると電気伝導度が低下してしまう。そのため含有量は1.0〜1.8%に定める。なお、同様の理由により下限は1.3%、上限は1.8%とするのが好ましく、さらには下限は1.4%、上限は1.7%とするのがより好ましい。
Si:0.7〜1.4%
SiはMnおよびFeとAl−Mn−Si系またはAl−Mn−Si−Fe系金属間化合物を形成して電気伝導度を増加させる効果と強度を向上させる効果がある。また、腐食形態が全面状になりやすくなるため耐食性を向上させる効果がある。その含有量が0.7%未満ではその効果が十分発揮されず、1.4%を超えると単体Siが形成されるため耐食性が劣化し、さらに、固溶Siの増加によって電気伝導度も低下してしまう。そのため含有量は0.7〜1.4%に定める。なお、同様の理由により下限は0.8%、上限は1.3%とするのが好ましく、さらには下限は0.8%、上限は1.2%とするのがより好ましい。
Fe:0.05〜0.3%
FeはMnおよびSiとAl−Mn−Fe系金属間化合物、またはAl−Mn−Si−Fe系金属間化合物を形成して電気伝導度や強度を向上させる効果がある。その含有量が0.05%未満ではその効果が十分に発揮されず、0.3%を超えるとAl−Fe系金属間化合物が生成して耐食性が劣化する。そのため含有量は0.05〜0.3%に定める。なお、同様の理由により、下限は0.10%、上限は0.25%とするのが好ましく、さらには下限は0.10%、上限は0.23%とするのがより好ましい。
Zn:0〜0.25%
Znは、腐食形態を全面状として耐食性を向上させる効果や、電位を卑にして犠牲陽極効果を付与する効果があるので所望により含有させる。Znを含有させる場合、0.25%を超えると電気伝導度が低下してしまう。そのため含有量を0.25%以下に定める。なお、上記効果を十分に得るためには、Znを0.05%以上含有するのが望ましい。
なお、同様の理由により、下限は0.07%、上限は0.23%とするのが好ましく、さらには、下限は0.07%、上限は0.20%とするのが一層好ましい。
また、Znを含有させない場合にも、0.02%以下でZnを不純物として含有するものであってもよい。
Fe/Mn<0.2
Al中に含有するFeとMnは、Al−Mn−Fe系金属間化合物を形成するが、この金属間化合物に含まれるFeとMnの組成比しだいでは、耐食性に悪影響を与える場合がある。FeおよびMnの含有量比Fe/Mnを0.2未満とすることで、Al−Mn−Fe系金属間化合物の悪影響が軽減される。さらに、Fe/Mnが0.2未満の状態でZn含有量を0.25%以下にするとAl表面の酸化皮膜が強固となって耐食性が向上する。そのためFe/Mn比は0.2未満とするのが好ましい。なお、同様の理由により、含有量比Fe/Mnの上限を0.16とするのがより好ましい。
(チューブ芯材)
ブレージングシートチューブの芯材には、Cuを1.3〜2.5%含有するAl合金、例えばCuを1.3〜2.5%含有するAl−Cu系合金や、同じくCuを1.3〜2.5%含有するAl−Mn系合金が好適に用いられる。Al−Mn系合金におけるMnの好適な含有量は1.0〜1.8%である。その他に、Si:0.2〜1.2%、Fe:0.1〜0.4%、Mg:0.05〜0.5%、Ti:0.05〜0.3%、Zr:0.05〜0.3%の少なくとも1種を含有するものであってもよい。以下に、Cuの含有理由を説明する。
Cu:1.3〜2.5%
Cuは材料の電位を貴とする効果があるので、チューブ芯材に含有させることで、フィン材とチューブ材の電位差を大きくしてフィン材の犠牲陽極効果が得やすくなる効果がある。その含有量が下限未満ではその効果が十分発揮されず、上限を超えるとフィン材の腐食を過度に促進しすぎてフィン材の腐食量が増大してしまう。そのため含有量は1.3〜2.5%とする。なお、同様の理由により、下限は1.4%、上限は2.0%とするのが好ましい。
(チューブろう材)
チューブろう材に関しては、本発明としてはその組成が特に限定されるものではない。一般的にはAl−Si系合金が用いられる。
フィン材とチューブ芯材の孔食電位差:90〜160mV
フィン材とチューブ芯材の孔食電位差は、チューブに対するフィンの犠牲陽極効果の程度の目安となる。電位差が90mV未満ではフィンの犠牲陽極効果が不十分となりチューブに局部腐食が発生する。一方、電位差が160mVを超えるとフィンの腐食量が増加してしまい、いずれの場合も熱交換器としての耐食性が劣化する。そのため、電位差は90〜160mVに定める。なお、同様の理由により、下限は100mV、上限は150mVであるのが好ましく、さらには下限は120mV、上限は150mVであるのがより好ましい。
以上説明したように、本発明の熱交換器用Al合金フィン材は、質量%で、Mn:1.0〜1.8%(ただし、1.1%を除く)、Si:0.7〜1.4%、Fe:0.05〜0.3%、Zn:0〜0.25%の範囲で含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、MnとFeの含有量がFe/Mn<0.2の関係を満たすので、耐食性、強度および熱伝導性の全てを兼ね備える特性が得られる。
また、本発明の熱交換器は、前記のAl合金フィン材と、Al合金芯材の少なくとも片面にAl合金ろう材がクラッドされたAl合金ブレージングシートチューブとがろう付けされ、該ろう付け後の前記フィン材とチューブ芯材との孔食電位差が前記チューブ芯材が貴となるように90〜160mVの範囲にあるので、高耐食性、高強度の特性を有し、さらに優れた熱交換性能が得られる。
本発明のフィン材用Al合金は、上記した成分設定に従って、常法により溶製することができ、その溶解、鋳造方法は本発明としては特に限定されるものではない。
得られた鋳塊は、さらに常法により、熱間圧延や冷間圧延等の工程を得て薄肉の熱交換器用フィン材とする。その後、必要に応じてコルゲート加工などの成形が施される。
本発明のチューブ用ブレージングシートを製造するにあたっては、まず、芯材およびろう材を構成するAl合金を、通常は、半連続鋳造により造塊し、必要に応じて均質化処理した後、それぞれ所定厚さまで熱間圧延する。なお、連続鋳造圧延によってそれぞれの板材を得ることも可能である。芯材の組成は前記した組成に調整したAl合金が用いられる。ろう材の組成は、本発明としては特定のものに限定されるものではないが、一般にろう材として用いられているAl−Si系合金やAl−Si−Zn系合金を用いることができる。芯材およびろう材は、その後組み合わされ、熱間圧延によりクラッドし、最終的に所定厚さまで冷間圧延する工程を経てブレージングシートとなる。なお、犠牲材/芯材/ろう材から構成される3層クラッド材や両面ろう材なども使用することができる。
上記で得られたブレージングシートは、芯材が管内面となるように曲げ成形されて管状にされ、熱交換器用チューブ材となる。
上記したフィン材とチューブ材とは、必要に応じてヘッダープレートなどとともに互いに組みつけられて熱交換器用部材が構成され、ろう付けに供される。このとき、ろう付性を確保するために、非腐食性フラックスを接合部に予め塗布する。非腐食性フラックスは、一般に用いられているものでよく、特に限定されるものではない。また、ろう付けの際には、不活性雰囲気などの適当な雰囲気で適温に加熱して、ろう材を溶解させる。この際の加熱条件としては、600℃まで平均昇温速度40℃/分で昇温し、600℃で3分保持後、100℃/分の降温速度で降温冷却するものが例示される。ただし、これら温度および保持時間はあくまで例示であり、本発明としては特定の条件に限定されるものではない。
フィン材試験用板材を以下の手順に従って作製した。まず、半連続鋳造により表1に示す化学組成(残部Alと不可避不純物)を有するAl合金を溶製した。溶製したAl合金には450℃×8時間の条件で均質化処理を施し、その後、熱間圧延→冷間圧延→中間焼鈍(360℃×4時間)→冷間圧延の工程を行った。その結果、質別がH14、厚さ0.06mmの板材を得た。該板材をフィン材試験用板材として評価に供した。
次に、チューブ材は以下の手順に従って作製した。まず、半連続鋳造により表2に示す化学組成(残部Alと不可避不純物)を有する芯材用Al合金およびろう材用Al合金を溶製した。次いで、芯材用Al合金に580℃×8時間の均質化処理を施し、該芯材の鋳塊の片面に前記ろう材鋳塊を組み合わせて熱間圧延しクラッドした。さらに冷間圧延、300℃×4時間の中間焼鈍を行い、最終冷間圧延により厚さ0.20mm、質別H14の片面ろう材ブレージングシートを作製した。ブレージングシートにおける芯材とろう材の構成厚比は芯材:ろう材=80:20とした。得られたブレージングシートを、芯材が管内面となるように曲げ成形してチューブ材とした。
上記で作製した、フィン材とチューブ芯材との孔食電位差は次のようにして測定した。まず、フィン材試験用板材とチューブ芯材に対し、ろう付相当の熱処理を施した。熱処理の条件は以下のとおりである。
すなわち、600℃まで平均昇温速度40℃/分で昇温し、600℃で3分保持後、100℃/分の降温速度で降温冷却した。該ろう付相当熱処理を施したフィン材試験用板材、およびチューブ芯材について、40℃の2.67%AlCl溶液中で孔食電位(参照電極は飽和カロメル電極)を室温で測定し、両者の電位差(−(フィン材電位−チューブ芯材電位))を求めた。測定値を表3に示した。
試験用の熱交換器は、前記で作製したフィン材試験用板材およびチューブ材を用い、以下の手順に従って組み上げた。まず、前記フィン材試験用板材をコルゲート加工した。そして、前記チューブ材に前記フィン材を組み付けた。チューブ材のフィン材との接合部にフラックスを10g/mの分量で塗布し、ろう付け熱処理を行った。熱処理条件は以下のとおりである。すなわち、600℃まで平均昇温速度40℃/分で昇温し、600℃で3分保持した後、100℃/分の降温速度で降温冷却した。組み上がったものを試験用熱交換器とした評価に供した。
Figure 0005578702
Figure 0005578702
(フィン材の評価項目)
[ろう付後強度]
作製した前記フィン材試験用板材に、ろう付相当の熱処理を施した。具体的には、600℃まで平均昇温速度40℃/分で昇温し、600℃で3分保持後、100℃/分の降温速度で降温冷却した。その後、圧延方向と平行にサンプルを切り出してJIS13号B形状の試験片を作製し、引張試験を実施し、引張強さを測定した。その結果を表1に示した。表中において、測定値が130MPa以上のものには◎を、125MPa以上、130MPa未満のものには○を、125MPa未満のものには×を付した。
[電気伝導度]
Al合金においては、熱伝導度と電気伝導度とは相関関係にあるので、熱伝導性の代用評価として電気伝導度を測定した。前記フィン材試験用板材に前記と同様のろう付相当の熱処理を施した後、室温でダブルブリッジ法によって電気伝導度を測定した。その結果を表1に示した。表中において、測定値が46%IACS以上のものには◎を、44%IACS以上、46%IACS未満のものには○を、44%IACS未満のものには×を付した。
[腐食速度]
作製した前記フィン材試験用板材について、前記と同様にろう付相当の熱処理を施し、その後SWAAT試験(人工海水噴霧試験:ASTMのG85−Aに準拠)に7日間供した。試験後、腐食生成物を除去した後の腐食減量を測定し、腐食速度を求めた。その結果を表1に示した。表中において、腐食速度が、0.20mg/cm/day以下のものには◎を、0.20mg/cm/day超、0.25mg/cm/day以下のものには○を、0.25mg/cm/day超のものには×を付した。
[フィン材の総合評価]
以上の評価において、全ての評価項目が◎であったものについては、表1の総合欄に◎を付した。いずれの評価項目も○以上で、かつ◎が2つのものには○○を付した。いずれの評価項目も○以上で、かつ◎が1つ以下のものには○を付した。いずれかの評価項目が×のものには×を付した。
表1から明らかなように、本発明のフィン材は総合評価が○以上となり、ろう付後強度、電気伝導度、腐食速度の全てに良好な特性を示した。一方、比較材では3つの特性を全て満たすものは存在しない。
(熱交換器の評価項目)
[耐食性]
前記試験用熱交換器をSWAAT試験(ASTMのG85−Aに準拠)に30日間供した。試験後、腐食生成物を除去して、フィンの耐食性およびチューブの耐食性を評価した。フィンの耐食性は、フィンの残存率を元に評価し、該残存率は腐食生成物除去後の試験用熱交換器を撮影した写真においてフィンが残存している面積/腐食試験前の面積として求めた。また、チューブの耐食性は、断面観察写真より測定した最大腐食深さを元に評価した。評価の結果、フィンの残存率が70%以上、かつチューブの最大腐食深さが60μm未満のものについて、表3に○を付した。また、残存率70%未満および/またはチューブの最大腐食深さが60μm以上のものについては表3に×を付した。
[熱交換器の放熱性能]
熱交換器の放熱性能はフィンピッチなどのコア仕様が同じであれば、チューブ材の化学成分には依存せず、フィン材単体の熱伝導度に依存するところが大きい。このため、熱交換器としての放熱性能の評価はフィン材単体の電気伝導度の高さで代用し、その評価を表3に示した。評価の結果、電気伝導度が45%以上のものは○、電気伝導度が45%未満のものは×を付した。
[熱交換器の総合評価]
以上の評価において、熱交換器としての耐食性および熱交換器としての放熱性能がともに○であったものについては、表3の総合欄に○を付した。熱交換器としての耐食性、熱交換器としての放熱性能のいずれかが×、もしくは両方とも×であったものについては表3の総合欄に×を付した。
表3から明らかなように、本発明の熱交換器は、耐食性と放熱性能を兼ね備えている。一方、比較材では耐食性と放熱性能を同時に満たすものは存在しなかった。
Figure 0005578702

Claims (5)

  1. 質量%で、Mn:1.0〜1.8%(ただし、1.1%を除く)、Si:0.7〜1.4%、Fe:0.05〜0.3%の範囲で含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、MnとFeの含有量がFe/Mn<0.2の関係を満たすことを特徴とする高耐食性、高強度および高熱伝導性を有する熱交換器用Al合金フィン材。
  2. 質量%で、Mn:1.0〜1.8%(ただし、1.1%を除く)、Si:0.7〜1.4%、Fe:0.05〜0.3%、Zn:0.25%以下の範囲で含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、MnとFeの含有量がFe/Mn<0.2の関係を満たすことを特徴とする高耐食性、高強度および高熱伝導性を有する熱交換器用Al合金フィン材。
  3. 請求項1または請求項2に記載のAl合金フィン材と、Al合金芯材の少なくとも片面にAl合金ろう材がクラッドされたAl合金ブレージングシートチューブとがろう付けされ、該ろう付け後の前記フィン材とチューブ芯材との孔食電位差が前記チューブ芯材が貴となるように90〜160mVの範囲にあることを特徴とする、高耐食性および高強度を有する熱交換性能に優れた熱交換器。
  4. 前記Al合金芯材が、質量%でCuを1.3〜2.5%含有するAl合金芯材であることを特徴とする、請求項2または3に記載の高耐食性および高強度を有する熱交換性能に優れた熱交換器。
  5. 前記ろう付けが、非腐食性フラックスろう付けであることを特徴とする請求項3または4に記載の高耐食性および高強度を有する熱交換性能に優れた熱交換器。
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