JP6624426B2 - 水洗大便器装置 - Google Patents
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Description
このため、特許文献1の便器装置では、粉砕部にて所定以下の大きさまで粉砕された微細物のみが圧送部に流入するようにして、圧送部の流路詰まりを防止している。
この場合、洗浄水とともに繊維状の異物Fがこの隙間170に流入し、矢印a3に示すように、円盤部166と圧送部136との間の領域Bに流入し、繊維状の異物Fが領域Bで絡まり合って成長することにより、円盤部166すなわちインペラ162が回転できなくなりモーターロックされるという問題が発生する。また、汚物及び洗浄水が、さらに回転軸152の外周上の領域Cまで流入し、繊維状の異物Fが領域Cで絡まり合って成長することにより、回転軸152及び円盤部166すなわちインペラ162が回転できなくなりモーターロックされるという問題が発生する。
このように構成された本発明においては、便器本体に例えば「ボックスティッシュ」や「流せるおしり拭き」のような異物が流されると、粉砕部で粉砕されて繊維状となり圧送部に流入する。流入口から圧送部内に流入する繊維状の異物及び洗浄水は、インペラの回転によって発生する遠心力によって径方向流路から外側の周方向流路に向かって流れる。
径方向流路から外側の側壁の衝突領域に衝突する汚物及び洗浄水が、衝突領域から、側壁と円盤部との間に形成される隙間に流入する場合、洗浄水とともに繊維状の異物がこの隙間に流入し、繊維状の異物が円盤部と圧送部との間で絡まり合って成長することにより、円盤部すなわちインペラが回転できなくなりモーターロックされるという問題が発生する。しかしながら、本実施形態による水洗大便器装置によれば、圧送部の側壁は、インペラの回転によって発生する遠心力により径方向流路から周方向流路に向かって流れ且つ側壁の衝突領域に衝突する汚物及び洗浄水を、衝突領域から隙間部に流入しにくくする規制部を備えているので、繊維状の異物が円盤部と圧送部との間で絡まり合って成長することにより、円盤部すなわちインペラが回転できなくなりモーターロックされることを防止することができる。
また、隙間部は、内側側壁と円盤部との間に形成されるので、外側側壁の衝突領域に衝突する汚物及び洗浄水は、この衝突領域から、遠心力に逆らうように半径方向内側に流れにくく、衝突領域よりも半径方向内側に形成される隙間部に流入しにくくすることができる。
さらに、規制部及び隙間部が、円盤部の径方向流路側の径方向流路面の高さ以上の位置に設けられているため、径方向流路の径方向流路面から周方向流路に向かって流れる汚物及び洗浄水が、衝突領域に衝突する前に、隙間部に流入することをより確実に抑制することができる。
このように構成された本発明においては、規制部は、径方向流路面に沿って周方向流路及び衝突領域に向かって流れる汚物及び洗浄水の流れから高さ方向の上方側に所定距離離間した位置に設けられる。さらに、規制部が接続された内側側壁に設けられた隙間部についても、径方向流路面に沿って周方向流路及び衝突領域に向かって流れる汚物及び洗浄水の流れから高さ方向の上方側に所定距離離間した位置に設けられる。従って、径方向流路の径方向流路面から周方向流路に向かって流れる汚物及び洗浄水が、衝突領域に衝突する前に、隙間部に流入することをより確実に抑制することができる。
このように構成された本発明においては、粉砕部と、圧送部との間に共通の回転駆動軸が配置され、且つ共通の回転駆動軸の摩耗等を低減するような回転軸周囲流路が共通の回転駆動軸の外周面上を通るように形成され、且つ洗浄水とともに繊維状の異物が、一部が共通の回転駆動軸の外周面上に形成され及び他の一部が円盤部と圧送部との間に形成された回転軸周囲流路に流入できるような構造を有している場合においても、側壁の衝突領域に衝突する汚物及び洗浄水を、衝突領域から隙間部に流入しにくくする規制部を備えているので、繊維状の異物が円盤部と圧送部との間及び/又は共通の回転駆動軸上で絡まり合って成長することにより、円盤部すなわちインペラが回転できなくなりモーターロックされることを防止することができる。
また、給水装置24は、貯水タンクから洗浄水を供給するタンク方式のものであってもよい。
粉砕圧送装置4は、貯留槽46を備え、この貯留槽46の内部には、粉砕部34が設けられている。粉砕部34は、粉砕室48を有し、この粉砕室48は、周壁48aの内部に形成されている。粉砕室48の周壁48aは、その一方側で上述した排水トラップ管路26の排出口32と連通している。粉砕室48の下部には、粉砕室48内で汚物を撹拌するための円盤50が設けられている。この円盤50は、電動モーター38に取り付けられた回転軸52(共通の回転駆動軸)に直結され、回転可能となっている。さらに、この円盤50の上面には、多数の突起50aが形成され、これらの突起50aに汚物が引っ掛かり、撹拌され易くなっている。
圧送部36は高揚程が実現可能な遠心式ポンプを形成している。圧送部36は、ポンプ室56を備え、このポンプ室56の下部には、下部カバー57が取り付けられ、この下部カバー57の中央部に、汚物及び洗浄水が流入する流入口58が形成されている。ポンプ室56の外周側には汚物及び洗浄水が流出する流出口60が形成されている。
圧送部36は、さらに、このポンプ室56の側壁64の内側に配置され且つポンプ室56内で回転するインペラ62を備えている。このインペラ62は、円盤形状の円盤部66と、円盤部から部分的に下方に突出して設けられた突起部68と、を備えている。
圧送部36のポンプ室56の側壁64は、インペラ62の回転によって発生する遠心力により径方向流路74から周方向流路76に向かって流れる汚物及び洗浄水が衝突する側壁64の衝突領域78と、側壁64と円盤部66との間に形成される隙間部70との間に設けられ、且つ汚物及び洗浄水を、衝突領域78から隙間部70に流入しにくくする規制部80を備えている。
これらの所定距離D1は、径方向流路面66b上の径方向流路74から流出される洗浄水等の流れが上方に仮に拡がったとしても、この流れが直接隙間部70に流入する、又は内側側壁64bの下端64cに衝突することがないような距離とされている。
隙間部70は、ポンプの小型化及びポンプ性能の高効率化のため、円盤側面66cが内側壁面68aに近接して配置され、比較的小さな隙間の大きさに形成されている。隙間部70は、図6に示すような断面において、隙間部70の流路の幅が0.5mm〜20mmの範囲とされている。
粉砕部34の粉砕室48の下部には、圧送部36が設けられ、回転軸52が電動モーター38から粉砕部34内を貫通して圧送部36内に延びている。回転軸52は、粉砕部34において円盤50に取付けられ、且つ圧送部36内において円盤部66に取付けられている。
また、回転軸周囲流路82のうち円盤部66と圧送部36との間において形成されている隙間流路82cの部分においては、隙間流路82cが形成されることにより、円盤部66がポンプ室56の上面56aに対して接することなく回転駆動されることができる。
これに対し、他の実施形態として、ポンプ室の側壁は、内側側壁及び外側側壁の別々の平面に形成されず、側壁がポンプ室の下端から上端まで一つの縦壁面として形成され、よって、隙間部と衝突領域とが同一の壁面上に並んで配置される場合がある。この場合に、規制部を、隙間部と衝突領域との間において、この側壁から内側に突出するような突起部又は凸部として形成することができる。すなわち、規制部は、ポンプ室の側壁において、衝突領域と隙間部とを同一面上において直線的に結ぶ流路を妨げるように配置されている。すなわち衝突領域から隙間部に向かう汚物及び洗浄水の流れが規制部に衝突するため、隙間部に流入されにくくなっている。このように、他の実施形態においても、側壁が、インペラの回転によって発生する遠心力により径方向流路から周方向流路に向かって流れる汚物及び洗浄水が衝突する側壁の衝突領域と、側壁と円盤部との間に形成される隙間部との間に設けられ、且つ汚物及び洗浄水を、衝突領域から隙間部に流入しにくくする規制部を備えている。
先ず、本実施形態による水洗大便器装置1においては、便器本体2に例えば「ボックスティッシュ」や「流せるおしり拭き」のような異物が流されると、粉砕部34で粉砕されて繊維状となり圧送部36に流入する。流入口58から圧送部36内に流入する繊維状の異物F及び洗浄水は、インペラ62の回転によって発生する遠心力によって径方向流路74から外側の周方向流路76に向かって流れる。径方向流路74から外側の側壁64の衝突領域78に衝突する汚物及び洗浄水が、衝突領域78から、側壁64と円盤部66との間に形成される隙間に流入する場合、洗浄水とともに繊維状の異物Fがこの隙間に流入し、繊維状の異物Fが円盤部66と圧送部36との間で絡まり合って成長することにより、円盤部66すなわちインペラ62が回転できなくなりモーターロックされるという問題が発生する。
しかしながら、本実施形態による水洗大便器装置1によれば、圧送部36の側壁は、インペラ62の回転によって発生する遠心力により径方向流路74から周方向流路76に向かって流れ且つ側壁64の衝突領域78に衝突する汚物及び洗浄水を、衝突領域78から隙間部70に流入しにくくする規制部80を備えているので、繊維状の異物Fが円盤部66と圧送部36との間で絡まり合って成長することにより、円盤部66すなわちインペラ62が回転できなくなりモーターロックされることを防止することができる。
2 便器本体
4 粉砕圧送装置
6 屋内給水管
8 屋内排水管
10 床
12 脚
14 アームレスト
16 建物
16a 屋内
16b 屋外
18 屋外給水管
20 屋外排水管
22 ボウル部
24 給水装置
26 排水トラップ管路
28 給水弁
30 導水路
32 排出口
34 粉砕部
36 圧送部
38 電動モーター
40 操作部
42 報知部
44 制御部
46 貯留槽
48 粉砕室
48a 周壁
48b 通過開口
50 円盤
50a 突起
52 回転軸
54 流路
56 ポンプ室
56a 上面
57 下部カバー
58 流入口
60 流出口
62 インペラ
64 側壁
64a 外側側壁
64b 内側側壁
64c 下端
64d 上端
66 円盤部
66a 粉砕部側面
66b 径方向流路面
66c 円盤側面
68 突起部
68a 内側壁面
68b 外周側壁面
70 隙間部
74 径方向流路
76 周方向流路
78 衝突領域
80 規制部
82 回転軸周囲流路
82a 粉砕室下部流路
82b 外周面流路
82c 隙間流路
84 開口部分
136 圧送部
152 回転軸
162 インペラ
164 側壁
166 円盤部
170 隙間
174 径方向流路
178 衝突領域
F 繊維状の異物
Claims (3)
- 非据え付け型の水洗大便器装置であって、
便器本体と、
この便器本体に洗浄水を供給する給水手段と、
上記便器本体から洗浄水と共に排出された汚物を粉砕する粉砕部と、
この粉砕部により粉砕された汚物と洗浄水を圧送する圧送部と、
この圧送部により圧送された汚物と洗浄水を外部に排出するための可撓性の排水管と、 上記粉砕部と圧送部との間に設けられ、粉砕部で所定以下の大きさに粉砕された汚物を通過させて圧送部に送る通過規制部と、を有し、
上記圧送部は、
この圧送部の側壁の内側に配置され且つ上記圧送部内で回転するインペラであって、円盤状の円盤部と、上記円盤部から部分的に突出して設けられた突起部と、を備えている、上記インペラと、
上記圧送部の中央部に形成された流入口と、上記圧送部の外周部に形成された流出口と、上記突起部の間に形成され且つ上記流入口に連通し外周に向けて延びる径方向流路と、上記インペラの外周を周方向に延びて上記流出口に連通する周方向流路と、を備えた遠心式の圧送部であり、
上記圧送部の上記側壁は、上記インペラの回転によって発生する遠心力により上記径方向流路から上記周方向流路に向かって流れる汚物及び洗浄水が衝突する上記側壁の衝突領域と、上記側壁と上記円盤部との間に形成される隙間部との間に設けられ、且つ汚物及び洗浄水を、上記衝突領域から上記隙間部に流入しにくくする規制部を備え、
上記圧送部の上記側壁は、上記衝突領域を有する外側側壁と、上記外側側壁よりも半径方向内側に形成される内側側壁とを備え、
上記隙間部は、上記内側側壁と上記円盤部との間に形成され、
上記規制部は、上記圧送部の半径方向内側に向かって延び、且つ上記外側側壁と上記内側側壁とを接続しており、
上記規制部及び上記隙間部は、上記円盤部の上記径方向流路側の径方向流路面の高さ以上の位置に設けられている、水洗大便器装置。 - 上記規制部は、上記円盤部の上記径方向流路側の径方向流路面から高さ方向の上方側に所定距離離間した位置に設けられ、
上記隙間部は、上記円盤部の上記径方向流路側の径方向流路面から高さ方向の上方側に所定距離離間した位置に設けられる請求項1に記載の水洗大便器装置。 - 非据え付け型の水洗大便器装置であって、
便器本体と、
この便器本体に洗浄水を供給する給水手段と、
上記便器本体から洗浄水と共に排出された汚物を粉砕する粉砕部と、
この粉砕部により粉砕された汚物と洗浄水を圧送する圧送部と、
この圧送部により圧送された汚物と洗浄水を外部に排出するための可撓性の排水管と、 上記粉砕部と圧送部との間に設けられ、粉砕部で所定以下の大きさに粉砕された汚物を通過させて圧送部に送る通過規制部と、を有し、
上記圧送部は、
この圧送部の側壁の内側に配置され且つ上記圧送部内で回転するインペラであって、円盤状の円盤部と、上記円盤部から部分的に突出して設けられた突起部と、を備えている、上記インペラと、
上記圧送部の中央部に形成された流入口と、上記圧送部の外周部に形成された流出口と、上記突起部の間に形成され且つ上記流入口に連通し外周に向けて延びる径方向流路と、上記インペラの外周を周方向に延びて上記流出口に連通する周方向流路と、を備えた遠心式の圧送部であり、
上記圧送部の上記側壁は、上記インペラの回転によって発生する遠心力により上記径方向流路から上記周方向流路に向かって流れる汚物及び洗浄水が衝突する上記側壁の衝突領域と、上記側壁と上記円盤部との間に形成される隙間部との間に設けられ、且つ汚物及び洗浄水を、上記衝突領域から上記隙間部に流入しにくくする規制部を備え、
さらに、少なくとも上記粉砕部と上記圧送部との間に延び、且つ駆動源から上記粉砕部において洗浄水を攪拌する駆動力及び上記圧送部においてインペラを回転する駆動力を伝達する共通の回転駆動軸と、
上記粉砕部と上記圧送部とを連通し、且つ一部が上記粉砕部と上記圧送部との間の上記共通の回転駆動軸の外周面上を通るように形成され、且つ他の一部が上記円盤部と上記圧送部との間を通るように形成されている回転軸周囲流路と、を備えている、水洗大便器装置。
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