JP2018017016A - 汚物粉砕装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚物粉砕装置において、点検口を介して点検を行う際に、点検者に不快感を与えてしまうことを抑制すること。【解決手段】本発明に係る汚物粉砕装置は、便器と、前記便器からの洗浄水及び汚物を粉砕する粉砕部と、前記便器からの洗浄水及び汚物を前記粉砕部に導く汚物供給路と、前記粉砕部を点検する点検口と、を備え、前記汚物供給路は、前記汚物供給路の一部を膨出させるバッファ室を有し、前記点検口は、前記バッファ室の少なくとも一部に設けられる。【選択図】図4

Description

本発明は、汚物粉砕装置に関する。
従来から、便器と、便器から排出される汚物(例えば排泄物やトイレットペーパー等)及び洗浄水を貯留する貯留槽と、貯留槽の内部に設けられる粉砕部と、便器から排出される汚物及び洗浄水を粉砕部へ導く汚物供給路とを備えた汚物粉砕装置が知られている。このような汚物粉砕装置においては、便器から排出された汚物を洗浄水とともに貯留槽に貯留し、粉砕部を用いて洗浄水および汚物を撹拌することにより、汚物を貯留槽の内周壁に衝突させて粉砕し、下水管に圧送する。(例えば特許文献1参照)。
特開2012−77500号公報
ところで、便器には汚物以外の異物(例えば、硬質のライターや、軟質のオムツやハンカチ等)が誤って流される場合がある。このような異物が便器内に誤って流されると、粉砕部によって粉砕しきれずに粉砕部と貯留槽の間に異物が挟まってしまったり、粉砕部と異物とが絡み合ったりする等して、粉砕部を駆動しているモータ(駆動部)がロックされてしまうといった不具合が発生する。粉砕部を駆動しているモータがロックされてしまうと、粉砕部によって汚物等を粉砕できずに、汚物等を下流側へ流せなくなってしまう。
また、汚物粉砕装置は、モータ等によって粉砕部を駆動するといった機能部を有しているので、定期的に機能部等のメンテナンスを行う必要がある。
そこで、汚物粉砕装置において、粉砕部を点検する点検口を設けることによって、粉砕部や貯留槽内の異物を取り除いたり、機能部等のメンテナンスを行ったりすることができる。具体的には、点検口から手や清浄具等の器具を粉砕部や貯留槽に挿入し、異物を取り除いたり、汚物粉砕装置のメンテナンスを行ったりすることができる。
しかしながら、点検口を設けると、点検口を介して異物の除去を行う際に、点検口から汚物粉砕装置内部に堆積した汚物等が見えてしまい、点検者に不快感を与えてしまうといった懸念がある。ここで、汚物供給路における汚物の堆積を抑制するためには、汚物供給路の流路はできるだけ細くなるように形成されることが好ましいが、汚物供給路を細くしてしまうと、粉砕部から汚物供給路へ逆流が発生した場合に、汚物供給路から便器側まで汚水が逆流してしまうといった問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、便器側への汚水の逆流を抑制しつつ、点検口を介して点検を行う際に、点検者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる汚物粉砕装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る汚物粉砕装置によれば、便器と、便器からの洗浄水及び汚物を粉砕する粉砕部と、便器からの洗浄水及び汚物を粉砕部に導く汚物供給路と、粉砕部を点検する点検口と、を備え、汚物供給路は、汚物供給路の一部を膨出させるバッファ室を有し、点検口は、バッファ室の少なくとも一部に設けられる。
この構成によれば、汚物供給路はバッファ室を有しているので、粉砕部からの汚水の逆流が発生した際に、バッファ室に汚水を貯留することができる。そのため、汚物供給路から便器側まで汚水が逆流してしまうことを抑制することができる。さらに、この点検口は汚物供給路上に設けられ、少なくとも一部がバッファ室に設けられている、つまり、点検口は汚物が搬送される流路上に設けられている。ここで、汚物供給路には汚物とともに洗浄水が流れているため、汚物が堆積しにくい。この汚物供給路上に点検口が設けられているので、点検口を覗いたときに、汚物の堆積が見えてしまうことが抑制される。そのため、例えば点検者がより快適にメンテナンスを行うことができる。
また、点検口はバッファ室の少なくとも一部に設けられているので、バッファ室が設けられていない場合に比べて、バッファ室に形成されている分、点検口をより大きく形成することができる。そのため、点検口から手や清浄具等の器具を挿入しやすくなり、粉砕部等のメンテナンス性を向上させることができる。
また、本発明の一態様に係る汚物粉砕装置において、好ましくは、前記汚物供給路は、前記便器から前記バッファ室に向かって洗浄水及び汚物が流入するように流れを形成する水流形成手段を有している。
ここで、バッファ室を設けると、バッファ室において汚水が通過する部分と汚水が通過しない部分とに分かれ、その境目に汚物が堆積してしまう懸念がある。そのため、汚物が堆積した状態で点検口を覗いてしまうと、使用者又は点検者が不快感を持ってしまうといった懸念がある。
そこで、この構成によれば、汚物供給路は、便器からバッファ室に向かって洗浄水及び汚物が流入するように流れを形成する水流形成手段を有しているので、汚物供給路を汚水が流れる度に、水流形成手段によって形成された水流でバッファ室を洗浄することができる。そのため、バッファ室に汚物が堆積してしまうことを抑制し、点検口を覗いた際に、汚物の堆積が見えてしまうことをより一層抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る汚物粉砕装置において、好ましくは、前記水流形成部は、前記汚物供給路を形成する壁面から突出する凸部である。
この構成によれば、水流形成手段は、汚物供給路を形成する壁面から突出する凸部であるので、より簡便な構成で、バッファ室に汚物が堆積してしまうことを抑制し、点検口を覗いた際に、汚物の堆積が見えてしまうことをより一層抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る汚物粉砕装置において、好ましくは、水流形成手段は、バッファ室よりも上流側における汚物供給路の流路壁面に沿う接線と、バッファ室の少なくとも一部と、が交差することである。
この構成によれば、水流形成手段として、バッファ室よりも上流側における汚物供給路の流路壁面に沿う接線と、バッファ室の少なくとも一部の領域とが交差するように構成されているので、流入口からバッファ室へより確実に水流を指向させることができる。そのため、バッファ室に汚物が堆積してしまうことを抑制し、点検口を覗いた際に、汚物の堆積が見えてしまうことをより一層抑制することができる。
本発明によれば、汚物粉砕装置において、便器側への汚水の逆流を抑制しつつ、点検口を介して点検を行う際に、点検者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る汚物粉砕装置の概略図である。 本発明の一実施形態に係るタンク本体の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るタンク本体の上面図である。 本発明の一実施形態に係るタンク蓋を省略した場合における、タンク本体の上面図である。 図3のV−V線に沿ってみた断面図である。 本発明の一実施形態に係るタンク本体の正面図である。 本発明の一実施形態に係るタンク本体内における汚水の流れを模式的に表した説明図である。 本発明の他の実施形態に係るタンク本体の上面図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
<汚物粉砕装置の構成>
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る汚物粉砕装置について説明する。なお、以下においては、図中に示す方向を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る汚物粉砕装置の概略図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る汚物粉砕装置1は、便器TBと、便器TBからの洗浄水及び汚物を一時的に貯留するタンク本体THと、操作部10と、制御部12と、備えている。
便器TBは、汚物を受けるボウル部2と、ボウル部2と連通する排水トラップ流路4と、を有している。また、便器TBには、便器TBに洗浄水を供給する給水管6が接続されている。この給水管6の流路途中には、給水管6を開閉する開閉弁8が設けられている。制御部12によって開閉弁8が解放されることで、給水管6を介して便器TBのボウル部2へ洗浄水が供給される。
また、便器TBの背面には、排水トラップ流路4の出口である便器側排出口4aが開口している。
操作部10は、例えば便器TBへの洗浄水の供給といった汚物粉砕装置1の操作を行うためのである。また、制御部12は、開閉弁8と、操作部10と、後述する駆動手段60とに接続されており、操作部10が使用者等によって操作されると、操作部10からの情報が制御部12へ送信され、送信された情報に基づいて制御部12は開閉弁8を制御する。
タンク本体THは、汚物供給路20と、貯留槽30と、粉砕部40と、圧送部50と、駆動手段60と、を備えている。
汚物供給路20は、便器TBからの洗浄水及び汚物(例えば、排泄物やトイレットペーパー等)を粉砕部40に導くための流路である。汚物供給路20の流入口20aは、図示しない排水ソケット等を介して便器側排出口4aに接続されており、汚物供給路20の流出口20bは粉砕部40に接続されている。
貯留槽30は、汚物供給路20によって便器TBと接続されており、便器TB内の汚物や給水管6から供給される洗浄水は、汚物供給路20を介して貯留槽30へ流入する。そして、便器TBから排出された洗浄水及び汚物は、貯留槽30に貯留される。また、貯留槽30には、洗浄水及び汚物を汚物粉砕装置1の外部へ搬送するための排水管14が接続される排出口32が設けられている。
また、貯留槽30の内部には、貯留槽30内の水位を検知するための水位センサ(図示せず)が設けられている。この水位センサは制御部12に接続されており、貯留槽30内の水位が所定の水位になったことを検知すると、水位センサから制御部12に信号が送られる。制御部12は、水位センサからの信号を制御部12が受信すると、制御部12によって、操作部10からの操作の受付を停止する、開閉弁8を開く、あるいは、開閉弁8を閉じる等の制御が行われる。
粉砕部40は、貯留槽30の内部に設けられ、貯留槽30に流入した汚物を粉砕する。また、粉砕部40は、汚物供給路20の流出口20bと連通する略筒状の粉砕室42と、粉砕室42内の汚物を粉砕する粉砕歯44とを有している。粉砕室42は、周壁42aと底壁42bとによって形成され、粉砕室42の底壁42b近傍には、粉砕歯44が設置されている。また、粉砕室42には、汚物供給路20と連通する筒状管路である連通路46が接続されている。前述した汚物供給路20の流出口20bが連通路46の入口に相当し、粉砕室42の周壁42aに連通路46の出口が開口している。
さらに、粉砕室42の周壁42aに、粉砕室42にて粉砕された汚物を粉砕部40の下流側へ排出する複数の排出孔48が形成されている。この排出孔48は、連通路46の出口よりも下方に形成されている。
粉砕部40の粉砕歯44は、略円盤状に形成されており、駆動手段60によって回転する。この粉砕歯44が回転することによって、粉砕室42内の汚物が撹拌、粉砕される。具体的には、粉砕歯44を回転させることによって、粉砕室42内の洗浄水及び汚物が撹拌され、粉砕室42の周壁42aに汚物が衝突して粉砕される。粉砕された汚物は、排出孔48の径よりも小さくなると、粉砕室42から排出孔48を通って流出する。
ここで、粉砕部40の排出孔48から流出した洗浄水及び汚物は、排出孔48の下流である、流路34へ流出する。この流路34は、粉砕部40の周壁42aと、圧送部50の外壁(周壁52a、底壁52b)と、粉砕部40及び圧送部50を取り囲むように配置される貯留槽30との間に設けられる隙間である。
圧送部50は、粉砕部40の下流側に設けられており、排出孔48を通過した洗浄水及び汚物を加圧して排出口32に圧送する。圧送部50は、粉砕部40の下方に設けられる圧送室52と、圧送室52の内部に設けられるインペラ54と、圧送室52から排出口32へ洗浄水及び汚物を導く圧送流路56と、を有している。
圧送室52は、周壁52aと底壁52bと上壁52cによって形成されている。この圧送室52の上壁52cは、粉砕室42の底壁42bに相当する。また、圧送室52の底壁52bには、貯留槽30の流路34と連通する複数の流入孔58が設けられており、圧送室52の周壁52aには、圧送流路52が接続されている。
圧送部50のインペラ54は駆動手段60によって回転し、インペラ54が回転することによって、貯留槽30内の洗浄水及び汚物が加圧され、圧送室50から圧送流路52及び排出口32を介して排水管14へ洗浄水及び汚物が圧送される。
駆動手段60は、モータ62と、モータ62の駆動力を粉砕歯44及びインペラ54へ伝達する駆動軸64と、を有している。モータ62は、粉砕部40の上方に設けられており、モータ62から鉛直下方に向かって駆動軸64が延びている。より具体的には、駆動軸64は、上面視における粉砕室42及び圧送室54の略中央において、モータ62から粉砕室42の内部及び圧送室54内部を貫通するように鉛直方向に延びている。また、この駆動軸64には、粉砕室42と圧送室52の内部それぞれにおいて、粉砕歯44とインペラ54が接続されている。つまり、モータ62には、駆動軸64を介して粉砕歯44及びインペラ54が接続される。
<タンク本体の構成>
つぎに、図2〜図6を参照して、本発明の一実施形態に係るタンク本体について詳述する。
図2は、本発明の一実施形態に係るタンク本体の斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係るタンク本体の上面図である。図4は、本発明の一実施形態に係るタンク蓋を省略した場合における、タンク本体の上面図である。図5は、図3のV−V線に沿ってみた断面図である。図6は、本発明の一実施形態に係るタンク本体の正面図である。
図2〜図4に示すように、タンク本体THにおいて、左方側に貯留槽30、右方側に汚物供給路20が設けられている。より具体的には、汚物供給路20の上流部分は、流入口20a側(前方側)から後方側に向かって延びており、汚物供給路20の下流部分は、貯留槽30側(左方側)に向かって屈曲し、粉砕部40に接続されている。
また、このタンク本体THの貯留槽30及び汚物供給路20は上方に向かって開口しており、タンク本体THの開口を覆うように、タンク蓋70が設けられている。
なお、本実施形態においては、タンク本体THとタンク蓋70が別体であるが、タンク本体THとタンク蓋70が一体的に形成されていてもよい。
汚物供給路20は、汚物供給路20の一部を膨出させるバッファ室22を有している。具体的には、汚物供給路20には、汚物供給路20の下流部分が屈曲する方向とは異なる方向、つまり、貯留槽30側と反対方向に向かって、流路の一部を膨出させるバッファ室22が形成されている。
このように、汚物供給路20は、バッファ室22を有しているので、粉砕部40からの汚水の逆流が発生した際に、バッファ室22に汚水を貯留することができる。そのため、汚物供給路20から便器TB側まで汚水が逆流してしまうことを抑制することができる。
また、バッファ室22を形成している流路底面は、下流側(貯留槽30側)に向かって下方へ傾斜している(図5参照)。これにより、バッファ室22へ流入した洗浄水や汚物等が、下流側(貯留槽30側)に向かってスムーズに流れる。そのため、バッファ室22に洗浄水や汚物が残ってしまうことを抑制できる。
また、タンク本体THの上方には、粉砕部40を点検する点検口80が設けられている。具体的には、点検口80は、汚物供給路20及びバッファ室22の上部壁面に相当するタンク蓋70に設けられている。つまり、点検口80は、汚物供給路20上であって、少なくともバッファ室22の一部に設けられている。また、点検口80には、点検口80の開口を覆う点検口蓋(図示せず)が設けられている。
ここで、図5に示すように、点検口80は、例えば汚物粉砕装置1の点検者や使用者等が点検口80を覗いたとき粉砕部40又は汚物供給路20の少なくとも一方のみが見えるように配置されている。より詳しくは、点検口80の開口正面から点検口80を見たとき、つまり、上面視において点検口80を覗いたとき、バッファ室22の一部と、汚物供給路20の一部(バッファ室22以外の汚物供給路20の部分)が見える位置に点検口80が設けられている。一方で、点検口80の開口正面から斜めに点検口80を見たとき、つまり、上方から下方に向かって斜めに点検口80を覗いたとき、点検口80を介して粉砕部40の少なくとも一部が見える位置に、点検口80が設けられている。
言い換えると、点検口80の開口正面から点検口80を見たときは、粉砕部40は見えずに汚物供給路20のみが見える位置であって、点検口80の開口正面から斜めに点検口80を覗いたときに粉砕部40が見える位置に、点検口80が設けられている。この構成によれば、粉砕部40に対する点検作業を容易に行うことができるとともに、点検口80を覗いた際に汚物の堆積が見えてしまうことをより抑制することができる。また、点検口80の開口正面から点検口80を見たとき、粉砕部40又は汚物供給路20の少なくとも一方のみが見えるように点検口80が配置されているので、点検口80を介してメンテナンスが不要な部品が見えてしまうことが抑制される。そのため、点検口80を覗いた例えば点検者や使用者によってメンテナンスが不要な部品が操作されて汚物粉砕装置1が誤動作を起こしてしまうといったことを抑制することができる。
なお、点検者が点検口80を覗きながら粉砕部40へアプローチすること等の点検者の作業性を考慮すると、点検口80を介して粉砕部40が見える角度は、点検口80の開口正面に対して30°〜60°の範囲であることが好ましい。
また、本実施形態においては、点検口80の開口正面から点検口80を見たとき、汚物供給路20のみが見える構成を説明したが、点検口80の開口正面から点検口80を見たときに粉砕部40の一部が見える構成であってもよいし、点検口80の開口正面から点検口80を見たときに粉砕部40の一部及び汚物供給路20の一部のみが見える構成であってもよい。
図4にもどって、汚物供給路20は、便器TBからバッファ室22に向かって洗浄水及び汚物が流入するように、洗浄水及び汚物の流れを形成する凸部24を有している。この凸部24は、汚物供給路20を形成している壁面から突出している。具体的には、凸部24は、汚物供給路20の上流部分の左方側の壁面からバッファ室22が形成されている右方側に向かって突出している。また、この凸部24は、汚物供給路20の上流部分の左方側の壁面上部から底面にかけて形成されている(図6参照)。
なお、本実施形態において、凸部24が水流形成手段としての機能を果たす。
また、図6に示すように、前方側から汚物供給路20の流入口20aを見たときの流入口20aの開口面積に対して、前方側から汚物供給路20の流入口20aを見たときの流入口20aの開口への凸部24の投影面積が10%〜30%程度となるように、凸部24が形成されている。
このように、流入口20aの開口面積に対して、流入口20aへの凸部24の投影面積が10%〜30%の大きさであれば、流入口20aから凸部24を経由して汚物供給路20を流れる汚水の圧損を抑制することができるため、排水性能を維持する観点からより好ましい。
<動作及び作用>
つぎに、図7を参照して、本発明の一実施形態に係る汚物粉砕装置の動作及び作用について説明する。
図7は、本発明の一実施形態に係るタンク本体内における汚水の流れを模式的に表した説明図である。
図7に示すように、便器TBの便器側排出口4aから排出された洗浄水及び汚物は、流入口20aから汚物供給路20へ流入する。また、流入口20aから汚物供給路20へ流入した洗浄水及び汚物は、汚物供給路20の上流部分において、凸部24によってバッファ室22へ向かって流れる。
より具体的には、洗浄水及び汚物は、汚物供給路20の上流部分では前方から後方に向かって流れる。そして、洗浄水及び汚物が凸部24まで到達すると、凸部24によってその流れ方向が変更されて、凸部24に沿うようにバッファ室22に向かって流れる。バッファ室22に流れた洗浄水及び汚物は、そのまま汚物供給路20の下流に向かって流れて、流出口20bから粉砕部40へ流れる。粉砕部40へ流れた洗浄水及び汚物は、粉砕部40にて撹拌、粉砕され、流路34を介して圧送部50へと流れる。このとき、汚物は、粉砕部40によって所定の大きさ、具体的には、排出孔48よりも小さいサイズに粉砕される。そして、粉砕部40から流路34を介して圧送部50へ流れた洗浄水及び汚物は、圧送部50から排水管14へ圧送される。
このように、本発明の一実施形態に係る汚物粉砕装置1は、汚物を所定の大きさ、具体的には、排出孔48よりも小さいサイズに粉砕して排出口32から排出することで、貯留槽30よりも下流側の配管(例えば、排水管14)で汚物が詰まることを防止することができる。
ところで、貯留槽30及び粉砕部40には、例えば硬質のライターや、軟質のオムツやハンカチ等が誤って流される場合がある。このような異物が便器TB内に誤って流されると、粉砕部40によって粉砕しきれずに粉砕部40と貯留槽30の間に異物が挟まってしまったり、粉砕部40と異物とが絡み合ったりする等して、粉砕部40を駆動しているモータ62がロックされてしまうといった不具合が発生する懸念がある。このような場合に備えて、汚物粉砕装置1は、粉砕部40を点検する点検口80が設けられている。
しかしながら、点検口80を設けると、点検口80を介して異物の除去を行う際に、点検口80から汚物粉砕装置1のタンク本体TH内部に堆積した汚物等が見えてしまい、点検者や使用者に対して不快感を与えてしまうといった懸念がある。ここで、汚物供給路20における汚物の堆積を抑制するためには、汚物供給路20の流路はできるだけ細くなるように形成されることが好ましいが、汚物供給路20を細くしてしまうと、粉砕部40から汚物供給路20へ逆流が発生した場合に、汚物供給路20から便器TB側まで汚水が逆流してしまうといった問題がある。また、点検口80が汚物供給路20に設けられる場合、汚物供給路20を細くしてしまうと、その分点検口80が小さくなってしまって粉砕部40等のメンテナンス性が低下してしまうといった懸念もある。
そこで、本発明の一実施形態に係る汚物粉砕装置1においては、汚物供給路20はバッファ室22を有しているので、粉砕部40からの汚水の逆流が発生した際に、バッファ室22に汚水を貯留することができる。そのため、汚物供給路20から便器TB側まで汚水が逆流してしまうことを抑制することができる。
さらに、この点検口80は、汚物供給路20上に設けられ、少なくとも一部がバッファ室22に設けられている、つまり、点検口80は汚物が搬送される流路上に設けられている。ここで、汚物供給路20には汚物とともに洗浄水が流れているため、汚物が堆積しにくい。この汚物供給路20上に点検口80が設けられているので、点検口80を覗いたときに汚物の堆積が見えてしまうことが抑制される。そのため、例えば点検者や使用者がより快適にメンテナンスを行うことができる。
また、点検口80はバッファ室22の少なくとも一部に設けられているので、バッファ室22が設けられていない場合に比べて、バッファ室22に形成されている分、点検口80をより大きく形成することができる。そのため、点検口80から手や清浄具等の器具を挿入しやすくなり、粉砕部40等のメンテナンス性を向上させることができる。
また、汚物供給路20は、便器TBからバッファ室22に向かって洗浄水及び汚物が流入するように流れを形成する凸部24を有しているので、汚物供給路20を流れる洗浄水及び汚物は、凸部24によってバッファ室22内を上面視で迂回するように流れる。具体的には、便器TBから汚物供給路20へ流れてきた洗浄水及び汚物は、まず凸部24に衝突する。そして、凸部24に衝突した洗浄水及び汚物は、凸部24によってその流れが規制されながら、凸部24に沿うようにバッファ室22に流入する。バッファ室22へ流入した洗浄水及び汚物は、バッファ室22内の壁面に沿うように周回し、下流側(流出口20b)に向かって流れる。これにより、汚物供給路20を汚水が流れる度に、凸部24によって形成された水流でバッファ室22を洗浄することができる。そのため、バッファ室22に汚物が堆積してしまうことを抑制し、点検口80を覗いた際に、汚物の堆積が見えてしまうことをより一層抑制することができる。
また、本実施形態において凸部24が水流形成手段であるので、より簡便な構成でバッファ室22に汚物が堆積してしまうことを抑制し、点検口80を覗いた際に、汚物の堆積が見えてしまうことをより一層抑制することができる。
<他の実施形態>
つぎに、図8を参照して、本発明の他の実施形態に係る汚物粉砕装置の構成について説明する。
図8は、本発明の他の実施形態に係るタンク本体の上面図である。なお、説明の便宜上、タンク蓋については省略してある。
図8に示すように、本発明の他の実施形態に係る汚物粉砕装置1のタンク本体THは、汚物供給路20と、貯留槽30と、粉砕部40と、圧送部50と、駆動手段60と、を備えている。汚物供給路20は、便器TBからの洗浄水及び汚物(例えば、排泄物やトイレットペーパー等)を粉砕部40に導くための流路であり、汚物供給路20の流入口20aは、図示しない排水ソケット等を介して便器側排出口4aに接続されている。
また、汚物供給路20において、バッファ室22よりも上流側における汚物供給路20の流路壁面に沿う接線Aと、バッファ室22の少なくとも一部の領域とが交差するように形成されている。具体的には、バッファ室22よりも上流側であって、流入口20aからバッファ室22にかけて連続して形成されている汚物供給路20の流路の側壁面の一部に沿う接線Aが、バッファ室22の少なくとも一部の領域と交差するように、汚物供給路20が形成されている。
言い換えると、流入口20aから汚物供給路20へ流れる水の流れ方向と平行な仮想線が、バッファ室22の領域の少なくとも一部に交差するように、汚物供給路20が形成されている。つまり、流入口20aからバッファ室22にかけての流路は、流入口20aを通過した洗浄水及び汚物がバッファ室22へ指向されるように形成されている。
そのため、流入口20aから汚物供給路20へ流入した洗浄水及び汚物は、汚物供給路20の上流部分において、バッファ室22へ向かって流れる。つまり、流入口20aから汚物供給路20へ流入した水流は、バッファ室22全体に万遍なく流れることとなる。バッファ室22に流れた洗浄水及び汚物は、そのまま汚物供給路20の下流に向かって流れて、流出口20bから粉砕部40へ流れる。
このように、バッファ室22よりも上流側における汚物供給路20の流路壁面に沿う接線Aと、バッファ室22の少なくとも一部の領域とが交差するように形成されている構成が水流形成手段としての機能を果たす。
なお、本実施形態においても、凸部24が形成されていてもよい。
本発明の他の実施形態に係る汚物粉砕装置1によれば、水流形成手段として、バッファ室22よりも上流側における汚物供給路20の流路壁面に沿う接線Aと、バッファ室22の少なくとも一部の領域とが交差するように構成されているので、流入口20aからバッファ室22へより確実に水流を指向させることができる。そのため、バッファ室22に汚物が堆積してしまうことを抑制し、点検口80を除いた際に、汚物の堆積が見えてしまうことをより一層抑制することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態において、点検口80はタンク本体THの上面であるタンク蓋70に設けられている構成を説明したが、粉砕部40のメンテナンス性を考慮すると、点検口80はタンク本体THの汚物供給路20上の側方に設けられていてもよい。但し、点検口80からの汚水等の漏れや、タンク本体THの汚水の貯留量を考慮すると、点検口80は、タンク本体THの汚物供給路20の上方に設けることが好ましい。
また、本実施形態において、凸部24や、流入口20aの投影がバッファ室22の少なくとも一部と交差する構成が水流形成手段であることを説明したが、バッファ室22へ洗浄水や汚水を導く水流を形成するものであればよく、例えば、凹部やリブ等であってもよい。
前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 汚物粉砕装置
2 ボウル部
4 排水トラップ流路
4a 便器側排出口
6 給水管
8 開閉弁
10 操作部
12 制御部
14 排水管
20 汚物供給路
20a 流入口
20b 流出口
22 バッファ室
24 凸部(水流形成手段)
30 貯留槽
32 排出口
34 流路
40 粉砕部
42 粉砕室
42a 周壁
42b 底壁
44 粉砕歯
46 連通路
48 排出孔
50 圧送部
52 圧送室
52a 周壁
52b 底壁
52c 上壁
54 インペラ
56 圧送流路
58 流入孔
60 駆動手段
62 モータ
64 駆動軸
70 タンク蓋
80 点検口
TB 便器
TH タンク本体

Claims (4)

  1. 便器と、
    前記便器からの洗浄水及び汚物を粉砕する粉砕部と、
    前記便器からの洗浄水及び汚物を前記粉砕部に導く汚物供給路と、
    前記粉砕部を点検する点検口と、を備え、
    前記汚物供給路は、前記汚物供給路の一部を膨出させるバッファ室を有し、
    前記点検口は、前記バッファ室の少なくとも一部に設けられる
    汚物粉砕装置。
  2. 前記便器から前記バッファ室に向かって洗浄水及び汚物が流入するように流れを形成する水流形成手段を有している
    請求項1に記載の汚物粉砕装置。
  3. 前記水流形成手段は、前記汚物供給路を形成する壁面から突出する凸部である
    請求項2に記載の汚物粉砕装置。
  4. 前記水流形成手段は、前記バッファ室よりも上流側における前記汚物供給路の流路壁面に沿う接線と、前記バッファ室の少なくとも一部と、が交差することである
    請求項2または請求項3に記載の汚物粉砕装置。
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