JP6622081B2 - 核磁気共鳴測定装置及び排ガス処理方法 - Google Patents

核磁気共鳴測定装置及び排ガス処理方法 Download PDF

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Description

本発明は核磁気共鳴測定装置に関し、特に、排ガスの処理に関する。
核磁気共鳴測定装置(NMR(Nuclear Magnetic Resonance)測定装置)は、固体、液体又は気体の試料にて生じる核磁気共鳴を測定する装置である。その測定中において、試料の温度を所定温度(例えば高温又は低温)にするために、温度制御用のガスが利用される。具体的には、試料を入れた試料管の周囲に対して、そのガスが供給され、ガスと試料管との間の熱交換により、試料の温度が所定温度に制御される。
ガスの温度を可変すれば、試料の温度を所望の温度にすることが可能である。そのようなガスは、試料用ガス、試料温度可変ガス、試料温度制御ガス、VT(Variable Temperature)ガス、等と呼ばれる。以下においては、そのガスをVTガスと呼ぶ。
特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、固体試料を測定対象とする核磁気共鳴測定装置が開示されている。その核磁気共鳴測定装置では、回転機構(スピナ)によって、試料を入れた試料管が所定角度傾けられた姿勢をもって回転駆動される。特許文献1及び特許文献3に開示された回転機構は、VTガス供給路、試料室、及び、VTガス排出路を有する。試料室内には、検出コイルと共に、試料管における試料部分が収容されている。その試料室内にVTガスが導入され、試料の温度がVTガスの温度に制御される。特許文献4には、気体又は液体の試料を測定する核磁気共鳴測定装置が開示されている。かかる装置においても、試料を入れた試料管の周囲にVTガスが供給されている。
特表平4−504308号公報 特開2000−81472号公報 特開2003−177172号公報 特開2004−212354号公報
回転機構から排出されたVTガスは、プローブヘッド容器内の空間に放出された上で、プローブヘッド上部開口及びそれに連通する排気管を介して排気される。VTガスの温度は、例えば、−35〜+120°Cの間である。つまり、VTガスの温度は、室温に対して、かなり低い又は高い温度になり得る。回転機構から高温のVTガス(排ガス)が排出されると、その排ガスによって、回転機構周囲に存在する又は回転機構よりも下流側に存在する構造物が高温となる。それにより、例えば、シムコイル、Oリング、接着剤、その他の部材が劣化しあるいは損傷する。一方、冷たい排ガスによって、回転機構周囲に存在する又は回転機構よりも下流側に存在する構造物が冷却されると、その表面上で凍結又は結露が生じる。それはプローブの電気的特性を悪化させるものである。
以上のような問題から、VTガスの温度可変範囲を無造作に拡大できないという制約が生じている。あるいは、上記問題を回避するために特別な断熱構造を採用しなければならないという別の問題が生じている。なお、この問題は、高温又は低温の排ガスが生じる核磁気共鳴測定装置全般に対して指摘され得るものである。
本発明の目的は、試料温度の制御にガスを利用する場合において、そのガスの利用後に生じる排ガスによる熱的影響を緩和し又は解消することにある。あるいは、核磁気共鳴測定装置内部で生じる排ガスについての新たな熱的処理法を実現することにある。
本発明に係る核磁気共鳴測定装置は、核磁気共鳴の測定対象としての試料を収容する空間であって前記試料の温度を所定温度にするための試料用ガスが導入される試料空間を有する構造体と、前記試料空間から出た試料用ガスである排ガスに対して添加ガスを混合し、これにより前記所定温度よりも室温に近い温度をもった混合排ガスを生じさせる排ガス処理機構と、を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、試料空間から出た排ガスに対して排ガス温度制御用の添加ガスが混合され、排ガスの温度よりも室温に近い温度をもった混合排ガスが生成される。その混合排ガスが排気される。例えば、高温の排ガスに対して室温の又は室温より低い温度の添加ガスが混合される。あるいは、低温の排ガスに対して室温の又は室温よりも高い温度の添加ガスが混合される。このようなガス混合という簡易な方法によって、排ガスの温度を操作することが可能である。コンプレッサ等により室温の圧縮ガスを生成し、それを添加ガスとして利用してもよい。
上記の構造体は、望ましくは、固体試料の測定で用いられる回転機構である。但し、試料用ガスを利用する核磁気共鳴測定装置一般に上記構成を適用することが可能である。例えば、液体又は気体の試料に対して測定を行う核磁気共鳴測定装置に対して上記構成を適用することも可能である。その場合において、上記構造体は、例えば試料管を収容する筒状部材である。ガス混合は、構造体の外部において実施されるのが望ましいが、構造体の内部であって試料室から排出開口まで延びる排出路上において実施されてもよい。構造体の外部においてガス混合が実施される場合、構造体を収容したプローブヘッドの内部においてガス混合が実施されるのが望ましいが、プローブヘッドに連なる排気用配管内においてガス混合が実施されてもよい。プローブ内外に存在する構造物に対する過度の加熱又は冷却を回避するには、構造体における排気口近くにおいてガス混合を生じさせるのが望ましい。
上記の排ガス処理機構は、望ましくは、添加ガス生成器、添加ガスの供給システム等を含む。望ましくは、供給システムは、添加ガス用配管、複数の添加ガス噴出孔、等により構成される。なお、添加ガスは、排気温度を操作するものであるから、試料用ガスの流量に匹敵するあるいは温度緩和という目的に適う流量をもって流されるものである。そのような意味において、添加ガスは、回転機構の空気軸受に供給されるベアリングガスや、回転機構において試料管のタービンに吹き付けられるドライブガスとは、区別される。望ましくは、添加ガスは、専用の配管(流路)を介して、構造物又はその付近に供給され、その流量は、独立して設定又は制御される。
望ましくは、前記構造体を収容した中空部材を含み、前記構造体は前記中空部材内へ前記排ガスを排出する排出口を有し、前記中空部材内において前記排出口から排出された前記排ガスに対して前記添加ガスが混合される。
上記の中空部材は、例えば、プローブ容器であり、あるいは、プローブ容器及び排気用配管、である。前者の場合、プローブ容器内でガス混合が実施される。後者の場合、排気用配管内においてガス混合が実施される。一般に、前者を採用するのが望ましいが、排気ポートの出口(排気口)が排気用配管の入口近くまで伸びている又はその内部まで伸びている場合には、後者が採用され得る。
望ましくは、前記中空部材は核磁気共鳴測定用プローブの容器であり、前記構造体は前記試料を入れた試料管を回転させる回転機構である。望ましくは、前記回転機構には、前記試料用ガスを送る第1の配管と、前記試料管を回転させるためのガスを送る第2の配管と、が連結され、前記排ガス処理機構は、前記第1の配管及び前記第2の配管とは別の配管であって、前記添加ガスを前記容器内へ送る第3の配管を含む。試料管を回転させるためのガスの概念には、上記のベアリングガス及びドライブガスの両者が含まれる。第3の配管がボア上側開口からボア内に挿入されてもよいし、あるいは、第3の配管がプローブ内に形成されてもよい。
望ましくは、前記排ガス処理機構は、前記第3の配管に連なり、前記容器内に前記添加ガスを噴出する少なくとも1つの噴出孔を含む。容器内において、添加ガスが排ガスに衝突して滞留を生じさせないように(2つの流れが完全に正面衝突しないように)、容器内において添加ガスの還流路(強制対流)を生じさせるのが望ましい。
望ましくは、前記排ガス処理機構は、前記回転機構の周囲に向けて前記添加ガスを噴出する複数の噴出孔を含む。この構成によれば、排出口を避けて添加ガスの噴出方向を定めることができる。望ましくは、添加ガスの各噴流が容器内面に沿って下向きで進行した上で、底面で折り返し、回転機構を包み込むように上方に上がってくる。そのような添加ガスの流路を形成するように、複数の噴出孔の位置や向きを定めるのが望ましく、またその流れを支援する仕切り部材を設けるのが望ましい。
望ましくは、前記容器内において前記排出口から延びる前記排ガスの流れに対して前記複数の噴出孔から延びる前記添加ガスの流れが合流する。このように、合流箇所において排ガスの流れ方向に添加ガスの流れ方向を適合させる、つまり、両方の流れが衝突し合わないようにする、のが望ましい。
望ましくは、前記中空部材内には偏向板が設けられ、前記偏向板によって前記排出口から出た前記排ガスが排気出口側へ導かれる。偏向板は容器とは別の部材であり、排ガス(及び添加ガス)の流れを操作するための部材である。例えば、排出口が容器のコーナー部分の方を向く場合、排ガスがそのコーナー部分に直接的に当たって当該部分を高温(又は低温)にしてしまう。その手前側に偏向板を設置すれば、排ガスの流れの向きを操作して(望ましくは排気用配管側へ誘導して)、排ガスが直接的にコーナー部分に到達することを防止できる。
望ましくは、前記偏向板によって前記排ガスの流れと前記添加ガスの流れとが仕切られる。この構成によれば、偏向板の第1面によって排ガスの流れが形成され、その第2面によって添加ガスの流れが形成される。
望ましくは、前記偏向板における前記排出口に向いた面は凹型湾曲面である。この構成によれば、排ガスを効果的に捕獲、誘導することが可能である。
望ましくは、前記構造体は前記混合排ガスの流出方向へ突出した排気ポートを有し、前記排気ポートの端が前記排出口である。この構成によれば、排ガスの排気方向を直接的に規定することが可能である。
望ましくは、前記容器に接続された配管構造を含み、前記配管構造は、前記混合排ガスが流れる第1の流路と、前記添加ガスが流れる第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路との間に設けられ、前記混合排ガスと前記添加ガスとの間での熱交換を防止又は低減するシールドガスが流れる第3の流路と、を含む。シールドガスによって、混合排ガスと添加ガスとの間の熱交換又は熱伝導を抑制できるから、添加ガスの作用を十分に発揮させることが可能である。第3の流路に代えて断熱構造(真空層)又は断熱部材を設けてもよい。
望ましくは、前記配管構造は、前記第1の流路内にその下流側へ向けて前記シールドガスを流すシールドガス噴出孔を含む。この構成によれば、第1の流路における混合排ガスの流速を上げて、プローブ側の気圧を低くし、混合排ガスの排気を促進させることが可能である。
本発明に係る方法は、核磁気共鳴の測定対象としての試料を収容する試料空間に対して、前記試料を加熱又は冷却するための試料用ガスを導入し、これにより前記試料の温度を所定温度にする工程と、前記試料空間から出た試料用ガスである排ガスに対して添加ガスを混合し、前記所定温度よりも室温に近い温度をもった混合排ガスを生じさせる工程と、前記混合排ガスを排気する工程と、を含む。
この方法は核磁気共鳴測定装置において実行されるものである。既存の核磁気共鳴測定装置に対して排ガス処理機構を付加してもよい。
本発明によれば、排ガスによる熱的影響を緩和し又は解消できる。あるいは、核磁気共鳴測定装置内部で生じる排ガスについての新たな熱的処理法を実現できる。
本発明に係る核磁気共鳴測定装置を示す図である。 プローブヘッド内におけるガス混合を説明するための断面図である。 偏向板を示す斜視図である。 第1実施例を示す断面図である A−A断面を示す断面図である。 B−B断面を示す断面図である。 変形例を示す図である。 第2実施例を示す断面図である。 添加ガスの流路を説明するための図である。 突出した排出ポートを有する回転機構を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る核磁気共鳴(NMR)測定装置の好適な実施形態が示されている。図示されたNMR測定装置は固体試料で生じる核磁気共鳴を測定するものである。
図1において、NMR測定装置は、簡略的又は模式的に表現されており、それは、静磁場発生装置10、NMR測定用プローブ(NMRプローブ)14、試料温度可変用VTガス生成部16、排ガス温度緩和用添加ガス生成部18、添加ガスの供給システム40、等を有している。後に説明するように、供給システム40の下流端が添加ガス供給口(複数の噴出孔)を構成している。添加ガス生成部18及び供給システム40は排ガス処理機構を構成するものである。以下に各構成について具体的に説明する。
静磁場発生装置10は、超伝導磁石等で構成され、静磁場を発生する。その磁場の中心に試料が設けられる。静磁場発生装置10は、図示の例において、上下方向に貫通した円形通路としてのボア12を有している。
NMRプローブ14は、ボア12内に挿入される挿入部22と、それに連なる基部20と、からなる。挿入部22は、ボア12の下側開口からボア12の内部に挿入されている。基部20は、静磁場発生装置10の下側に位置している。
NMRプローブ14の挿入部における上端部分はプローブヘッド24である。プローブヘッド24は、プローブ容器の一部としてのヘッド容器(以下単に「容器」という。)25を有している。容器25は中空部材であり、その内部には構造体あるいはスピナとしての回転機構26が設けられている。回転機構26は、試料を入れた試料管28を所定角度(マジック角度)傾けた状態で、試料管28を高速で回転させる機能である。プローブヘッド24の内部空間は、挿入部本体の内部空間に対して、隔壁27によって仕切られている。
回転機構26はハウジングを有し、その内部には空洞としての試料室が存在する。試料室内には、試料管の主要部分が収容され、また、その主要部分を取り囲むように検出コイルが設けられている。回転機構26の内部において、試料管は複数の空気軸受によってハウジングから非接触で保持される。試料管に設けられたタービンへのジェット流(エア)の吹き付けによって、試料管が回転駆動される。試料室にはVTガス(試料温度可変用ガス)が導入される。VTガスは、本実施形態において、−100℃から+200℃まで温度範囲内から選択された温度を有する。本実施形態では、排気温度を緩和する(室温に近付ける)排ガス処理機構を採用したため、VTガスについての温度範囲が従来の温度範囲よりも大幅に拡大されている。つまり、より低温のVTガス又はより高温のVTガスを利用することが可能である。これは今まで実現困難であった温度下で試料を測定できることを意味する。
回転機構26には、3つの配管が接続されている。具体的には、VTガス用配管、ベアリングガス用配管(図示省略)、及び、ドライブガス用配管(図示省略)、が接続されている。図1においては、VTガス用配管に対して符号30a,30bが付されている。符号30aは、基部20とVTガス生成部16との間の配管を示している。符号30bは、NMRプローブ14内に設けられた配管である。その途中に、必要に応じて、ヒーター32が設けられてもよい。VTガス生成部16は、ポンプ、ガス冷却器、ガス加熱器、流量計、流量制御器、等からなるものである。上記ヒーター32はガス加熱器であり、それが設けられる場合、ヒーター32は事実上、VTガス生成部16の一部を構成する。VTガスは、エア、窒素ガス、等により構成される。図1には、基部20に設けられた2つのポートとして、ベアリングガスが導入されるポート34と、ドライブガスが導入されるポート36と、が示されている。
次に、排ガス処理機構について詳述する。排ガス処理機構は、上記のように、添加ガス生成部18、供給システム40、等を有し、プローブヘッド24内に、室温(常温)の添加ガスを送り込み、それを高温又は低温の排ガスと混合し、これによって排気温度を緩和するものである。排ガス処理機構をガス混合機構と称することも可能である。
添加ガス生成部18は、ポンプ、流量計、流量制御器等を有する。そこにガス加熱器及びガス冷却器を設けるようにしてもよい。つまり、室温以外の温度をもった添加ガスを利用して、より効果的に排気温度を制御するようにしてもよい。通常、NMR測定システムには、圧縮空気を生成するコンプレッサが含まれる。そのようなコンプレッサによって添加ガス生成部を構成してもよい。望ましくは、添加ガス生成部18内に、添加ガスを乾燥ガス(乾燥エア)とするための乾燥器が設けられる。
供給システム40は、プローブヘッド24へ添加ガスを供給する機構であり、それは配管42及び配管43を含む。配管42は、ボア12内の配管構造と添加ガス生成部18との間に設けられ、配管43はボア12内に挿入された配管構造の一部を構成している。配管構造は、複数の流路を有する機械的なアセンブリ又はユニットである。図1に示す概念図において、配管構造は、中心軸を一致させつつ設けられた内側の配管38と外側の配管43とからなる。これにより配管構造においては、排気用流路41と添加ガス用流路46とが形成される。流路46の出口が添加ガス噴出部44を構成している。本実施形態では、その添加ガス噴出部44は例えば4つの噴出孔により構成されている。添加ガス噴出部44は供給システム40の一部を構成する。
回転機構26にはVTガスが連続的に供給される。そのVTガスは、回転機構26内の試料室に入り、試料管(及び試料)と熱交換し、その後、試料室に連通した排出路を介して排出口から排出される。つまり、プローブヘッド24内へ排ガスが排出される。一方、プローブヘッド24内には、添加ガスが連続的に供給されている。プローブヘッド24内において、回転機構26から出た(高温又は低温の)排ガスに対して、添加ガス噴出部44から出た(室温の)添加ガスが混合される。これにより混合排ガスが生じる。混合排ガスの温度は、VTガスの温度よりも室温に近い。本実施形態では、室温をもったエアが添加ガスとして利用されているが、VTガスが室温よりも低い温度の場合、室温よりも高い温度をもった添加ガスを利用し、一方、VTガスが室温よりも高い温度の場合、室温よりも低い温度をもった添加ガスを利用してもよい。VTガスの温度及び流量に応じて、添加ガスの流量を制御するのが望ましい。ガス混合により生じた混合排ガスは流路41を介して外部へ放出される。
図1に示す構成では、添加ガスがボア12の上側開口を経由してプローブヘッド24へ供給されているが、NMRプローブ14を経由して、つまりボア12の下側開口を経由して、プローブヘッド24へ供給されてもよい。
従来、排ガスからプローブヘッド24内外の構造物を熱的に保護するために、真空二重ガラス構造をもった容器や水冷ジャケット構造が採用されていたが、上記構成によれば、そのような特殊な構造を利用しなくてもよくなる。もっとも、例えば、VTガスの温度可変範囲をより拡大するために、上記のガス混合方式と共に、それらの特殊な構造を併せて採用してもよい。
図2には、図1に示したプローブヘッド24が拡大断面図として示されている。但し、同図においては、ガス混合作用の理解を促進するため、各部材や各ガスの流れ等が模式的に描かれている。
プローブヘッド24の内部空間62には、既に説明したように、回転機構26が設けられている。回転機構26は、容器25とは別の構造体であり、それは図示されていない支持部材によって容器25内に固定されている。回転機構26は、それ全体としてブロック状又は円柱状の形態を有し、その中心軸は試料管28の回転軸に一致している。中心軸は所定角度傾斜している。図2に示す態様において、中心軸に直交する2つの側面26a,26bは斜面であり、具体的には、側面26aが斜め上方を向いており、側面26bが斜め下方を向いている。上面26cは例えば平面あるいは円筒面として構成され、それは斜め上方を向いた斜面である。下面26dは例えば平面あるいは円筒面として構成され、それは斜め下方を向いた斜面である。回転機構26の周囲には一定の隙間が存在する。つまり、回転機構26は容器25の内壁面から離されて設けられている。隔壁27は、回転機構26を支持するベースとして機能し、また、内部空間62の底面側(図2において下方側)を閉じる仕切りとして機能する。
回転機構26は、試料管28の主要部(つまり試料を入れた部分)を収容した空洞としての試料室200を有する。試料室200には、VTガス用の供給ポートが連結されているが、それは図示されていない。供給ポートの入口には、VTガス用の配管が接続されている。その入口は、回転機構26のハウジングにおける上部、下部又は側面に設けられる。VTガス用の配管が容器25内におけるガスの流れを必要以上に妨げないように、供給ポートの入口の位置及びVTガス用配管の取り回し経路を定めるのが望ましい。
試料室200は、ガス溜りとして機能し、そこには連続的にVTガスが供給される。これにより、試料室200内にVTガスが充満する。VTガスと試料管28(つまり試料)との間で熱交換が生じ、これによって試料が所定温度に加熱され又は冷却される。但し、室温下で試料を測定する場合、当然ながらVTガスは利用されない。試料室200には、複数の排気ポート(排気路)が連結されており、それらの端をなす複数の開口202から、内部空間62へVTガスつまり排ガスが排出される。複数の開口202はそれ全体として排ガスの排出口として機能する。
図2に示す例では、複数の開口202から、回転機構26の中心軸に直交する方向で、斜め上方の方向に、つまり容器25の一部であるコーナー部分25aに向けて、排ガスが排出される。複数の開口202とコーナー部分25aとの間には、後に詳述する偏向板50が設けられている。
プローブヘッド24の上側には配管構造が設けられている。それは、図2に示す例では、内側の配管38と、外側の配管43と、からなる。つまり、同軸二重管構造が採用されている。配管38の内部は、排気用の流路41であり、そこに混合排ガスが流れる。流路41において、プローブヘッド24に近い側が上流側であり、プローブヘッド24から遠い側が下流側である。配管38と配管43との間が流路46である。添加ガスは、流路46を経由して、プローブヘッド24の内部空間62へ供給される。流路46の出口は図示の例において複数の噴出孔(添加ガス噴出部)44を構成している。複数の噴出孔44から、内部空間62へ垂直下向きに添加ガスが放出される。
図2において、内部空間62の一方側(回転機構26の両端部の内で下がった端部が存在する側)に放出された添加ガスの内で主な部分は、偏向板50の後面50Rと容器25の内壁面との間の隙間を通って流れ、続いて回転機構26の周囲の隙間を通って底面27aの方へ流れる。底面27aの作用で折り返した添加ガスが回転機構26の上側に、特に偏向板の前面50F側に、回り込むように流れる。そのような流れの全体が符号52によって示されている。一方、内部空間62の他方側(回転機構26の両端部の内で上がった端部が存在する側)に放出された添加ガスの内で主な部分は、容器25の内壁面に沿って下方へ流れ、続いて回転機構26の周囲の隙間を通って底面27aの方へ流れる。底面27aの作用で折り返した添加ガスが回転機構26の上側に回り込むように流れる。そのような流れの全体が符号54によって示されている。
排出口を構成する3つの開口202から出た排ガス56の内で主な部分が偏向板に捕獲されつつ流路41側へ案内される。残りの部分も流路41側へ向けて流れる。その際、回転機構26の下側から回転機構26を回り込みながら上昇してきた添加ガス52,54が排ガス56に混合され、これにより混合排ガス58が生じる。排ガス56は、例えば、高温又は低温の所定温度をもったガスであり、一方、添加ガス52,54は室温のガスであるから、両ガスの混合によって、排ガス56の温度が所定温度から室温側へ緩和される。つまり、熱的に緩和された混合排ガス58が生じる。これにより、プローブヘッド内外に存在する部材、特に熱に弱い部材、が過度に高温又は低温となることを防止できる。
以上の説明では、代表的な流れを説明したが、内部空間62における実際のガスの流れは複雑である。いずれにしても、複数の開口202から出た排ガス56に対して複数の噴出孔44から出た添加ガスが直接的に衝突しないように、換言すれば、排ガス56の流路に対して添加ガス52,54の流路が自然に合流するように、シミュレーションや実験等を利用して、複数の噴出孔44の位置や向きを最適化し、更に偏向板50の位置及び形状を最適化するのが望ましい。上記実施形態では、プローブヘッド24内においてガス混合が実行されていたが、その一部又は全部が配管38内において実行されてもよい。実際には、プローブヘッド24の内部空間62から流路41にかけて温度勾配が生じるものと理解される。
図2に示す構成では、偏向板50の前面50Fによって排ガスが捕獲、案内されており、つまり、コーナー部分25aへの排ガス56の直接的な吹き付けが回避されている。これにより、そのコーナー部分25aの温度上昇又は温度下降に伴う問題を防止又は緩和できる。特に、コーナー部分25aと偏向板50の後面50Rとの間に、室温の添加ガスが流されているので、コーナー部分25aの温度変化が効果的に抑制されている。
なお、回転機構26内の試料室200内にベアリングガスやドライブガスの一部が流れ込んだとしても、その流入ガスの量は一般に僅かである。それらのガスの一部が内部空間62に放出されても、それらの量は一般に僅かであるから、それらは排ガス温度を有意に操作するものではない。添加ガスの流量A(l/min)は、排ガスの流量B(l/min)に応じて定められ、本実施形態では、流量Aは流量Bよりも大きい。
図3には、偏向板50の形態が斜視図として示されている。偏向板50の前面50Fの形態は、凹型の湾曲形状である。そのような形態によれば排ガス56の捕獲作用、案内作用を高められる。排ガスの排気条件に応じてその形態を定めるのが望ましい。図3に示す例では、偏向板50の後面50Rの形態は、凸型の湾曲形状である。そのような形態によれば、添加ガス52の流れを回転機構の両側に自然に振り分けることが可能である。もっとも、図3に示した態様は例示に過ぎないものである。
以下に、上述した排ガス処理機構についての具体例として第1実施例及び第2実施例を説明する。
図4乃至図6には排ガス処理機構の第1実施例が示されている。添加ガス源については図示省略されている。プローブヘッド70の内部空間72には、回転機構74が設けられている。その斜め上方(排気口から出た排ガス76が向かう方向)には偏向板78が設けられている。それは上記のように湾曲した形態を有する。
プローブヘッド70の上側には、円板状又はリング状のプレート94が設けられている。図示の例では、プレート94はプローブヘッド70の容器の一部をなす。プローブヘッド70には、ジョイント部材96を介して、配管構造80が連結されている。ジョイント部材96も、図示の例では、プローブを構成する一部品である。ジョイント部材96が配管構造80の一部であってもよい。ジョイント部材96は、内部空間72に臨む4つの噴出孔100を有する。それらの配列は後に図5を用いて説明する。4つの噴出孔100から内部空間72へ添加ガスが勢いよく送出される。符号98は排気口を示している。
プローブ上側に設けられた配管構造80は、この例では、同軸三重管構造を有している。具体的には、配管構造80は、第1配管(内配管)82、第2配管(中配管)84及び第3配管(外配管)86からなる。第2配管84と第3配管86との間は、添加ガス92が流れる流路であり、第1配管82の内部は、混合排ガス(熱処理済み排ガス)88が流れる流路である。第1配管82と第2配管84との間はシールドガス90が入れられる流路である。混合排ガス用の流路と添加ガス用流路との間に、シールドガス層(断熱層)を形成することにより、それら2つの流路間(2つのガス間)での熱交換を低減することが可能であり、特に、添加ガスが冷却又は加温されてしまってガス混合の作用が弱まってしまうことを防止できる。シールドガスは、室温をもったエアや窒素ガス等である。断熱作用が高まるように、シールドガスの温度を可変するようにしてもよい。
第1実施例においては、シールドガスを排ガス用流路に噴出する噴出部102が設けられている。それはシールドガスを混合排ガス流路の下流側へ勢いよく噴出するものである。これにより、混合排ガスの流速が上げられる結果、噴出部102よりも上流側におけるガス圧が下がり、プローブヘッド70からの排気が促進される。複数の噴出部を設けるようにしてもよい。シールドガスではなく他のガスを噴出させて上記同様の作用を得るようにしてもよい。なお、混合排ガスの下流側で吸引を行うことも考えられる。図4において、配管構造80の上部を構成するT字状ジョイント部はボアの外側に設けられる。
図5には、図4に示すA−Aの位置での断面が示されている。そこには、リング状のプレート94と同じくリング状のジョイント部材96とが現れている。一点鎖線103は、回転機構が有する中心軸(回転軸)に相当しており、その中心軸を断面上に投影したものである。例えば、図5における左側において回転機構の一方端部が下がっており、図5における右側において回転機構の他方端部が上がっている。一方端部の両側(紙面上下方向の両側)に向けて、中心線を跨いで、添加ガスが噴出するように、2つの噴出孔100が設けられている。同じく、他方端部に両側に向けて、中心線を跨いで、添加ガスが噴出するように、2つの噴出孔100が設けられている。このような噴出孔レイアウトにより、プローブヘッド内において、添加ガスについての望ましい流路を形成することが可能である。もっとも、図5に示したレイアウトは一例であり、プローブヘッド内の構造その他に応じて、他の噴出孔レイアウトを採用してもよい。
図6には、図4に示すB−Bの位置での断面が示されている。但し図6は構造理解のための模式図であり、個々の配管の直径等は正確ではない。上記のように、配管構造80は同心円状に設けられた3つの配管82,84,86からなる。符号104は混合排ガスの流路を示しており、符号106はシールドガスの流路(貯留層)を示しており、符号108は添加ガスの流路を示している。流路104に入り込むように噴出部102が設けられている。
図7には変形例が示されている。配管構造80Aは同心円状に設けられた2つの配管82,86を含む。符号104は混合排ガスの流路を示しており、符号108Aは添加ガスの流路を示している。それらの流路104、108Aの間には断熱材110が設けられている。この断熱材110は中空円筒形を有し、その中心軸は配管82等の中心軸に一致している。図7に示す例では、配管82の外皮のように断熱材110が設けられている。配管82の内部に断熱材を設けることも可能である。真空二重管構造を採用するようにしてもよい。
図8及び図9には排ガス処理機構の第2実施例が示されている。第2実施例でも、添加ガス源については図示省略されている。第2実施例は、第1実施例に対して構造上、簡素化されており、第2実施例はより実用的な実施例である。図8中、左側には配管構造の上部120が示されており、右側には配管構造の中間部及び下部122が示されている。右側には、プローブヘッド124も示されている。
プローブヘッド124の内部空間126には、回転機構128が設けられている。その斜め上方(排気口から出た排ガスが向かう方向)には偏向板129が設けられている。それは湾曲した形態を有する。
プローブヘッド124の上側には、それぞれ中空部材である第1ジョイント部材130及び第2ジョイント部材132を介して、配管構造が連結されている。第1ジョイント部材130は、図示の例では、プローブの一部品を構成している。但し、第1ジョイント部材130がプローブ外の部品を構成してもよい。第2ジョイント部材132は、この例では、配管構造の下側に連結されている。それを配管構造の一部とみなしてもよい。
第1ジョイント部材130は上方に突出した中空の筒状部を有する。一方、第2ジョイント部材132は、中空形状を有する。第2ジョイント部材132が有する開口部内へ、第1ジョイント部材130が有する筒状部が挿入される。その挿入状態で、プローブに対して配管構造が連結される。筒状部の外面には上下方向に離れた2つのOリングもしくはシール部材が設けられている。それらは上記挿入状態においてシール機能を発揮する。
第1ジョイント部材130は、添加ガスが流し込まれる空隙を構成する環状凹部148を有し、その空隙にはそれぞれ垂直方向に伸びた4つの貫通孔150が連通している。4つの貫通孔150の出口が内部空間126に臨んでおり、それらは4つの噴出孔である。噴出孔レイアウトは図5に示したものと同様である。
配管構造は、排気流路136を構成する配管138と、その外側に設けられた配管146と、を有する。配管146の内部が添加ガスを流す流路である。配管146の上端にはポート142が連結されている。そのポート142内には別の配管から添加ガス144が送り込まれる。排気流路136の下流側つまり配管138の上端には第3ジョイント部材140が設けられている。第3ジョイント部材140及びポート142はボアの外部に位置するものである。
図9は、2つのジョイント部材130,132の連結部を示す模式図である。第1ジョイント部材130は、上方に突出した筒状部を有し、その上端部分には上下方向に離れて2つのリング溝152,156が形成されている。それらには2つのOリング154,158が収容されている。添加ガスは、配管146を介して、環状凹部148によって画定される隙間に送り込まれる。その隙間には4つの貫通孔150が連通しており、それらを介して添加ガス157がプローブヘッド内に送り込まれる。上記の2つのOリング154,158によって上記隙間空間の上側及び下側は密封されており、そこから添加ガスがリークすることはない。
この第2実施例においては、同軸多重管構造を採用しなくてもよいので、構成を簡易化できる。また、2つのジョイント部材130,132の連結によって添加ガス流路を簡便に形成できるという利点を得られる。すなわち、ボア内の下側開口から挿入された、第1ジョイント部材130を備えるプローブに対して、ボアの上側から、第2ジョイント部材132を備える配管構造を挿入することにより、添加ガス流路及び排気ガス流路を簡便に形成することが可能である。
ガス混合を利用した排ガス処理機構によれば、プローブヘッド内部空間において、排ガスに対して添加ガスを混合して混合排ガスを生じさせることができる。つまり、熱的に処理された排ガスを生成することができる。それに加えて、排ガスの流れを操作する偏向板を利用したので、プローブ内の構造物(シムコイル、樹脂、弾性体、接着剤、等)に熱的なダメージが及んでしまうことを効果的に防止できる。あるいは、VTガスの温度可変範囲を拡大できるという利点を得られる。例えば、その範囲を−100℃から+200℃まで拡大することが可能である。これは核磁気共鳴測定における試料温度をより広範に制御できることを意味する。すなわち、上記の排ガス処理機構によれば、従来装置では観測できなかった物質状態を観測できる。
図10には、回転機構の変形例が示されている。プローブヘッド160の内部空間162内には回転機構164が設けられている。回転機構164は、既に説明した回転機構と基本的に同じ構造を有するが、この回転機構164は煙突のように上方へ突出した排気ポート170を有している。排気ポート170の出口が排ガス172を排気する排出開口に相当する。添加ガス流路168から内部空間162へ送り込まれた添加ガス174,176がその内部空間を還流した上で排ガス172に対して混合される。これにより混合排ガス178が生じる。混合排ガス178の温度は、回転機構164に送り込まれたVTガスの温度よりも室温に近い。
図10に示す構成では偏向板は設けられていないが、排気ポート170によって排ガス172の流れ方向を規定することができる。つまり、排気路の下流側に向けて排ガスが排出されている。その流路の途中において添加ガスが混合されている。混合エリアは、プローブヘッド160内から配管構造(中空部材としてのジョイント部材を含む)の下部にまで及ぶ。図10に示す構成でも、プローブヘッド内の構造物が過度に高温又は低温となることを防止できる。基本的に、排ガスの流れに対して添加ガスの流れが衝突せず、2つのガス流路が自然に合流するので、滞留を防止しつつ、円滑なガス混合を期待できる。混合排ガスや混合前の排ガスが内部空間162に還流したり、そこで滞留したりしないように、個々のガスの流れを形成するのが望ましい。
上記のガス混合を用いた排ガス処理機構は、VTガスを利用する核磁気共鳴測定装置一般に適用することが可能である。もっとも、固体試料を測定する核磁気共鳴測定装置においては、回転機構から排ガスがプローブヘッド内に排出され、プローブヘッド内外の部材に熱的に影響を与え易いので、そのような装置に上記の排ガス処理機構を搭載するのが特に望ましい。
10 静磁場発生装置、14 NMRプローブ、16 試料温度可変用VTガス生成部、18 排ガス温度緩和用添加ガス生成部、24 プローブヘッド、26 回転機構、40 供給システム、44 噴出孔、50 偏向板、56 排ガス、52,54 添加ガス、58 混合排ガス、200 試料室。

Claims (12)

  1. 核磁気共鳴の測定対象としての試料を収容する空間であって前記試料の温度を所定温度にするための試料用ガスが導入される試料空間を有する構造体と、
    前記試料空間から出た試料用ガスである排ガスに対して添加ガスを混合し、これにより前記所定温度よりも室温に近い温度をもった混合排ガスを生じさせる排ガス処理機構と、
    を含み、
    核磁気共鳴測定用プローブの容器内に前記構造体が収容されており、
    前記構造体は前記試料を入れた試料管を回転させる回転機構であり、
    前記回転機構は前記容器内へ前記排ガスを排出する排出口を有し、
    前記容器内において前記排出口から排出された前記排ガスに対して前記添加ガスが混合される、
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  2. 請求項記載の装置において、
    前記回転機構には、
    前記試料用ガスを送る第1の配管と、
    前記試料管を回転させるためのガスを送る第2の配管と、
    が連結され、
    前記排ガス処理機構は、前記第1の配管及び前記第2の配管とは別の配管であって、前記添加ガスを前記容器内へ送る第3の配管を含む、
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  3. 請求項記載の装置において、
    前記排ガス処理機構は、前記第3の配管に連なり、前記容器内に前記添加ガスを噴出する少なくとも1つの噴出孔を含む、
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  4. 請求項記載の装置において、
    前記排ガス処理機構は、前記回転機構の周囲に向けて前記添加ガスを噴出する複数の噴出孔を含む、
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  5. 請求項記載の装置において、
    前記容器内において前記排出口から延びる前記排ガスの流れに対して前記複数の噴出孔から延びる前記添加ガスの流れが合流する、
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  6. 請求項記載の装置において、
    前記容器内には偏向板が設けられ、
    前記偏向板によって前記排出口から出た前記排ガスが排気出口側へ導かれる、
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  7. 請求項記載の装置において、
    前記偏向板によって前記排ガスの流れと前記添加ガスの流れとが仕切られる、
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  8. 請求項記載の装置において、
    前記偏向板における前記排出口に向いた面は凹型湾曲面である、
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  9. 請求項記載の装置において、
    前記構造体は前記混合排ガスの流出方向へ突出した排気ポートを有し、
    前記排気ポートの端が前記排出口である、
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  10. 請求項記載の装置において、
    前記容器に接続された配管構造を含み、
    前記配管構造は、
    前記混合排ガスが流れる第1の流路と、
    前記添加ガスが流れる第2の流路と、
    前記第1の流路と前記第2の流路との間に設けられ、前記混合排ガスと前記添加ガスとの間での熱交換を防止又は低減するシールドガスが流れる第3流路と、
    を含む、ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  11. 請求項10記載の装置において、
    前記配管構造は、前記第1の流路内にその下流側へ向けて前記シールドガスを流すシールドガス噴出孔を含む、
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  12. 核磁気共鳴の測定対象としての試料を収容する試料空間に対して、前記試料を加熱又は冷却するための試料用ガスを導入し、これにより前記試料の温度を所定温度にする工程と、
    前記試料空間から出た試料用ガスである排ガスに対して添加ガスを混合し、前記所定温度よりも室温に近い温度をもった混合排ガスを生じさせる工程と、
    前記混合排ガスを排気する工程と、
    を含み、
    核磁気共鳴測定用プローブの容器内に、前記試料空間を有する構造体が設けられ、
    前記構造体は前記試料を入れた試料管を回転させる回転機構であり、
    前記回転機構は前記容器内へ前記排ガスを排出する排出口を有し、
    前記容器内において前記排出口から排出された前記排ガスに対して前記添加ガスが混合される、
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置における排ガス処理方法。
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