JP2003177172A - 固体nmr測定用高速スピナー - Google Patents

固体nmr測定用高速スピナー

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JP2003177172A
JP2003177172A JP2002266255A JP2002266255A JP2003177172A JP 2003177172 A JP2003177172 A JP 2003177172A JP 2002266255 A JP2002266255 A JP 2002266255A JP 2002266255 A JP2002266255 A JP 2002266255A JP 2003177172 A JP2003177172 A JP 2003177172A
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solid
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Katsuya Hioka
克哉 樋岡
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Jeol Ltd
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    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/30Sample handling arrangements, e.g. sample cells, spinning mechanisms
    • G01R33/307Sample handling arrangements, e.g. sample cells, spinning mechanisms specially adapted for moving the sample relative to the MR system, e.g. spinning mechanisms, flow cells or means for positioning the sample inside a spectrometer

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Abstract

(57)【要約】 【課題】複合型のタービンでありながら、気体の吹き付
けに対する回転効率が良く、しかも安定な高速回転を保
証できる固体NMR測定用高速スピナーを提供する。 【解決手段】ロータ部に、吹き付けられた気体を半径方
向から所定の角度だけ後方に向けて排気することによっ
てロータ部自身に回転力を与えるタービンを設けた。ま
た、ロータ部に、気体の吹き付けノズルの数よりも多
く、しかも気体の吹き付けノズルの数と互いに素となる
ような数の翼を備えたタービンを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体NMR測定用
高速スピナーに関し、特に、気体の吹き付けに対する回
転効率が良く、しかも安定な高速回転を保証できる固体
NMR測定用高速スピナーに関する。
【0002】
【従来の技術】固体状態の試料のNMRスペクトルに
は、双極子相互作用のような、溶液中では回転ブラウン
運動で消去されている相互作用がそのまま現れるため、
スペクトルの線幅が極端に広くなり、化学シフト項が覆
い隠されてしまう。そのため、NMRスペクトルにおい
て、測定分子の各部位のシグナルピークが分離できず、
結果的に固体NMR法は、分子構造解析には不向きであ
ると考えられていた。
【0003】この現象を克服し、シャープな固体NMR
スペクトルを得る方法が、1958年にE.R.And
rewによって発見された。それは、試料管を静磁場の
方向からある角度だけ傾けて高速回転させることによ
り、異方的な相互作用を取り除き、化学シフト項を取り
出すことができるという原理であり、MAS(Magi
c Angle Sample Spinning)法
と呼ばれるものである。
【0004】MAS法を実現させるためには、静磁場中
に置かれた固体試料を高速で回転させなければならない
が、必要な回転速度とされる数kHz〜十数kHz程度
の回転速度を得ることは容易ではない。そこで、この回
転速度を得るために、従来、気体軸受の技術が採用さ
れ、いろいろな方式が提案されてきた。
【0005】図6は、従来の固体NMR測定用高速スピ
ナーを示したものである。図中11は筒状のステータ
で、固体試料を封入したロータ12の周囲を、わずかな
隙間を隔てて取り囲んでいる。ロータ12の下端には、
筒状のステータ11の底部に蓋をする役割を負ったスラ
ストステータ13に対向して、ロータ12のスラスト方
向の位置を保持するためのスラストロータ14が設けら
れている。また、ロータ12の上部には、ステータ11
に設けられたタービンノズル15から噴出される気体ジ
ェットによって、ロータ12に回転力を付与するための
タービン16が設けられている。そして、ロータ12、
スラストロータ14、タービン16の3つが一体となっ
た「軸」と呼ばれる部分が、高速で回転する構成になっ
ている。
【0006】図7は、図6の従来の固体NMR測定用高
速スピナーをb線で切ったときの断面図を示したもので
ある。図7から明らかなように、ステータ11に設けら
れた複数個の給気孔20からステータ11の内側に向け
て気体を連続供給することにより、ステータ11とロー
タ12の隙間に気体の薄い層ができ、ジャーナル気体軸
受が形成される。これにより、ステータ11とロータ1
2の間に極めて磨擦抵抗の少ない状態が作られ、ステー
タ11内において「軸」を高速回転させることが可能に
なる。
【0007】また、図8は、図6の従来の固体NMR測
定用高速スピナーをc線で切ったときの断面図を示した
ものである。図8から明らかなように、ステータ11に
偏心して設けられた複数個のタービンノズル15から噴
出される気体ジェットがタービン16の翼に作用して、
「軸」に回転する力を与える。タービン16に作用した
気体ジェットは方向を変え、図6に示す気体の流れ17
となって高速スピナーの外部に放出される。
【0008】このような静圧軸受を用いた高速スピナー
の開発は、Doty(特許文献1)を嚆矢とする。その
後、Bartuskaら(特許文献2)は、静圧軸受と
動圧軸受を組み合わせた高速スピナーを提案し、Dot
yら(特許文献3)は、静圧軸受の改良を試みている。
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,456,882号明細書
【特許文献2】米国特許第4,511,841号明細書
【特許文献3】米国特許第5,508,615号明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような構成におい
て、従来の固体NMR測定用高速スピナーには、いくつ
かの問題点があり、スピナーの回転速度の高速化の大き
な障害となっていた。
【0011】まず、第1の問題点は、スピナーの回転速
度が高速になると、ジャーナル軸受部での気体の粘性に
よる抵抗が増大する一方で、気体ジェットがタービンに
作用する力の効率は低下するため、スピナーの高速回転
を得るためには、大きなエネルギーの気体ジェットを必
要とすることである。
【0012】次に、第2の問題点は、従来のNMR用ス
ピナーでは、軸流型、ラジアル(半径流)型、複合型に
分けられる一般的なタービンのうち、気体ジェットが半
径方向からタービンに吹き付けられ、タービンに力が作
用している最中に軸方向の運動速度が変化する複合型が
用いられているが、この方式は、簡便な構造である反
面、タービンに対して軸方向の力が加わるために、軸方
向の安定性に欠け、特に高速回転を目指して気体ジェッ
トの流量を増大させると、スラストロータとスラストス
テータの接触を招くことになり、高速化の大きな障害と
なることである。
【0013】このような2つの問題点を克服するため
に、Dotyら(特許文献3)は、ラジアルインフロー
型のタービンを採用している。しかしながら、ラジアル
インフロー型のタービンは、翼の形状から、強度が弱く
なるという欠点がある。NMR用スピナーでは、被測定
試料が頻繁に交換されるので、タービンの損傷が起こり
やすく、実用性の点で不利である。
【0014】また、このほかにも、ノズルの一周あたり
の穴数とタービンの翼の枚数とが、互いに公約数を持つ
ような関係になっていたため、タービンが一周する間
に、トルクの大きさが周期的に変動し、回転が不安定に
なるという問題があった。
【0015】本発明の目的は、上述した点に鑑み、複合
型のタービンでありながら、気体の吹き付けに対する回
転効率が良く、安定な高速回転を保証でき、しかも高速
の回転数を正確にモニターすることのできる固体NMR
測定用高速スピナーを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明にかかる固体NMR測定用高速スピナーは、
試料を封入可能なロータ部と、ロータ部を取り囲むステ
ータ部とから成り、該ロータ部とステータ部の隙間に気
体を供給することによって気体軸受を形成する固体NM
R測定用高速スピナーにおいて、前記ロータ部に、吹き
付けられた気体を半径方向から所定の角度だけ後方に向
けて排気することによってロータ部自身に回転力を与え
るタービンを設けたことを特徴としている。
【0017】また、試料を封入可能なロータ部と、ロー
タ部を取り囲むステータ部とから成り、該ロータ部とス
テータ部の隙間に気体を供給することによって気体軸受
を形成する固体NMR測定用高速スピナーにおいて、前
記ロータ部に、気体の供給孔の数よりも多く、しかも気
体の供給孔の数と互いに素となるような数の翼を備えた
タービンを設けたことを特徴としている。
【0018】また、試料を封入可能なロータ部と、ロー
タ部を取り囲むステータ部とから成り、該ロータ部とス
テータ部の隙間に気体を供給することによって気体軸受
を形成する固体NMR測定用高速スピナーにおいて、前
記ロータ部に、吹き付けられた気体を半径方向から所定
の角度だけ後方に向けて排気することによってロータ部
自身に回転力を与えるタービンであって、しかも、気体
の供給孔の数よりも多く、気体の供給孔の数と互いに素
となるような数の翼を備えたタービンを設けたことを特
徴としている。
【0019】また、前記ロータ部のスラスト方向には、
ロータ部を回転させながら担持する補助スラストステー
タを設けたことを特徴としている。
【0020】また、タービンに吹き付けられた気体が、
半径方向から後方に向けて排気される際の所定の角度
は、30゜以上、60゜以下であることを特徴としてい
る。
【0021】また、ロータ部の直径は、2mm以上、4
mm以下であることを特徴としている。
【0022】また、気体軸受の長さは、ロータ部の直径
の50%以上、100%以下であることを特徴としてい
る。
【0023】また、ロータ部とステータ部の隙間は、ロ
ータ部の直径の0.68%以上、2.1%以下であるこ
とを特徴としている。
【0024】また、ロータ部とステータ部の隙間は、2
7μm以上、42μm以下であることを特徴としてい
る。
【0025】また、ロータ部とステータ部の隙間に気体
を供給する供給孔の数は、6個以上、10個以下である
ことを特徴としている。
【0026】また、ロータ部とステータ部の隙間に気体
を供給する供給孔の直径は、0.2mm以上、0.4m
m以下であることを特徴としている。
【0027】また、ロータの一部に光を反射する金属薄
膜を付けたことを特徴としている。
【0028】また、金属薄膜は金の薄膜であることを特
徴としている。
【0029】また、金属薄膜の厚みは10nm以上、1
000nm以下であることを特徴としている。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図1は、本発明にかかる固体N
MR測定用高速スピナーの一実施例を示したものであ
る。ロータの形状を複雑にすることなく、気体ジェット
の吹き付けによるロータの回転の効率と安定性とを向上
させ、前述した数々の問題点を解決して、NMR測定装
置の検出部のスピナーの回転速度の高速化を図ろうとす
る発明を示している。
【0031】図1において、NMR測定のための被測定
試料を内部に入れることが可能な円筒状のロータ2の一
方の端(図では右端)には、気体ジェットを受けるため
の翼と被測定試料をロータ内部に封入するための蓋とが
一体となったタービン4が取り付けられている。また、
もう一方の端(図では左端)には、被測定試料をロータ
内部に封入するためのキャップ5が取り付けられてい
る。これら3点の部品は、回転時には、一体の「軸」と
なって回転する。ロータ2の直径は2〜4mm程度であ
ることが好ましい。
【0032】また、キャップ5に対向して、ロータ2全
体を支えるスラストステータ6が設けられている。ま
た、タービン4に対向して、ロータ2の回転を安定化さ
せ、ロータ2とスタストステータ6との間の接触を防ぐ
ための補助スラストステータ7が設けられている。これ
は、タービン4と補助スラストステータ7との隙間に滞
留する気体を、タービン4の周囲を流れる高圧ガスの流
れとともに外部に引き出させることにより、ベルヌーイ
の法則に従って、タービン4と補助スラストステータ7
との隙間の気体の静圧を低下させ、結果的に、ロータ2
とスタストステータ6との間の接触を防ごうとする意図
で設けられたものである。また、ロータ2の周囲には、
円筒状の2つのステータ(気体軸受部)1、1'が設け
られている。
【0033】また、キャップ5に対向する位置には、ロ
ータ2の回転数を検出するための光ファイバー8が設け
られている。これについては、図4の説明の中で詳述す
る。
【0034】次に、図2について説明する。図2(a)
は、図1で示した固体NMR測定用高速スピナーの軸受
部分を、ロータの回転軸を含む平面で切った断面図、図
2(b)は、図1で示した固体NMR測定用高速スピナ
ーの軸受部分を、ロータの回転軸に直交する平面で切っ
た断面図を示したものである。
【0035】図2(a)において、ステータ1とロータ
2の隙間の値(Cr)は、27〜42μm程度であるこ
とが好ましい。そして、ロータ2の直径(φD)に対す
る比率としては、0.68〜2.1%程度であることが
好ましい。また、軸受部の長さ(L)は、ロータ2の直
径の50〜100%程度であることが好ましい。このよ
うに構成することにより、ステータ1とロータ2の隙間
の値(Cr)は、従来の一般的な静圧軸受に比べると相
当大きく、軸受部の長さ(L)は、従来の一般的な静圧
軸受に比べると比較的短くなるので、高圧気体の粘性に
よる復元力は、ロータ2に対して、ほとんど働かなくな
る。その結果、ジャーナル軸受を用いた高速スピナーに
特有な、ロータ2の回転軸がすりこぎ運動を起こす、い
わゆる振れ回り(Whirl)現象を効果的に防ぐこと
ができる。
【0036】ステータ1、1'には、好ましくは、個々
の直径が0.2〜0.4mm程度で、ステータ1、1'
の周方向に一列あたり6〜10個程度から成る一列ない
し複数列の給気孔群が設けられる。これらの給気孔群か
らは、ロータ2との隙間(Cr)に向かって高圧の気体
が供給され、ステータ1、1'とロータ2との間で気体
軸受を形成して、ロータ2が保持される。図2(b)の
例では、周方向に一列あたり8個の給気孔を持ってい
る。
【0037】図3は、図1で示した固体NMR測定用高
速スピナーのタービン付近を、ロータの回転軸に直交す
る平面で切った断面図を示したものである。
【0038】タービン4の周囲には、タービンの半径方
向に対して斜め方向に傾斜させた複数個の給気孔を備え
たタービンノズル3が設けられている。タービンノズル
3の給気孔からタービン4に向かって吹き付けられる高
圧の気体ジェットにより、タービン4に、回転のための
トルクが与えられる。タービン4の翼は、回転方向と反
対の方向に向けて、半径方向から所定の角度αだけ傾斜
させてあるので、タービン4の翼に吹き付けられた気体
ジェットは、翼の傾斜方向に沿って流れ、半径方向と所
定の角度αを成しながら、タービン4の回転方向に対し
て後方に向かい、翼から排気される。その後、気体ジェ
ットは、更に、補助スラストステータ7に設けられた穴
を通して、大気中に放出される。なお、この所定の角度
αの値は、好ましくは、30〜60゜程度であり、図3
の例では、およそ42゜に設定されている。
【0039】このように、気体ジェットがタービン4の
翼から排気される方向を、タービン4の回転に対して半
径方向から外側後方に向けることにより、気体ジェット
がタービン4に作用する際の効率を向上させることがで
きる。
【0040】また、本発明では、タービン4が一周する
間に、トルクの大きさが周期的に変動して、振れ回りな
ど、回転が不安定になることがないようにするために、
タービン4の翼の数は、タービンノズル3に設けられた
ノズルの穴数よりも多くし、しかも互いの数が公約数を
持たないように、互いに素となる数を選ぶように構成し
ている。
【0041】例えば、図3の例では、タービンノズル3
に設けられたノズルの穴数が5個であるのに対して、タ
ービン4の翼の数は7枚となるように構成している。こ
れにより、タービン4の翼の数「5」とタービンノズル
3に設けられたノズルの穴数「7」とは、1以外の公約
数を持たない、互いに素となる数となるので、タービン
4の翼にかかるトルクの大きさが周期的に変動したり、
振れ回りなど、回転が不安定になったりする現象をなく
すことができる。
【0042】図4は、図1で示した固体NMR測定用高
速スピナーのキャップ5と光ファイバー8の関係を示し
たものである。
【0043】キャップ5の周上の一部には、金属の薄膜
が付けてあり、所定の角度でキャップ5と対向した一対
の光ファイバー8の内の1つから、キャップ5に向け
て、光が照射される。キャップ5がロータ2と一体で回
転し、金属薄膜を付けた部分が光ファイバー8の前を通
過すると、光ファイバー8から照射された光が、金属薄
膜によって反射される。その反射光を、一対の光ファイ
バー8の内のもう1つで受光する。こうして検出される
反射光の周期をモニターすることによって、高速で回転
するロータ2の回転速度を正確に測定することができ
る。
【0044】この金属薄膜は、上述した例では、キャッ
プ5の周上に付けられているが、本発明は、これに限定
されるものではない。たとえば、ロータ2自身の一部に
付けられていても良い。広い意味においては、キャップ
5もロータの一部分と見なすことができる。
【0045】なお、金属薄膜が光の波長に対して極端に
薄いと、照射光を反射することができない。また逆に、
金属薄膜が厚すぎると、ロータ2の高速回転により発生
する強い遠心力のため、金属薄膜が剥離してしまう。し
たがって、金属薄膜の厚さには制限があり、好ましい厚
さは、10〜1000nm、より好ましくは、30〜1
00nmの範囲である。本実施例では、金属薄膜とし
て、化学的に安定で、長期に渡って反射能力が劣化しな
い金の薄膜を採用した。
【0046】図5は、本発明の設計思想に基づいて作成
された高速スピナーの実験結果を示したものである。図
の横軸は、タービンノズル3に供給される高圧ガスの印
加圧力(単位:kPa)を示し、縦軸は、ロータ2の回
転速度(単位:kHz)を示している。
【0047】このデータを測定するにあたって、採用さ
れた高速スピナーの寸法と数値は、次の通りである。
【0048】 ロータの直径(φD):4mm。
【0049】 軸受部の長さ(L):2.4mm(φ
Dの60%)。
【0050】 軸受の隙間(Cr):30μm(φD
の0.75%)。
【0051】 給気孔数(n):8個/列。
【0052】 給気孔径:0.3mm。
【0053】 タービンの翼の角度(α):42゜。
【0054】 タービンの翼の数:7枚。
【0055】 タービンノズルの穴数:5個。
【0056】図5から明らかなように、タービンノズル
3に供給される高圧ガスの印加圧力を400kPaまで
上昇させると、ロータ2の回転速度は、その印加圧力に
ほぼ正比例して、20kHz(毎秒2万回転に相当す
る)まで回転速度が上昇する。タービンノズル3に供給
される高圧ガスの印加圧力が400kPaを超えると、
ロータ2の回転速度の上昇は、やや飽和を示すが、それ
でも21.5kHz付近まで回転速度を上昇させること
が可能であった。この結果は、従来知られていた固体N
MR測定用高速スピナーの回転速度記録を大きく超える
ものであった。
【0057】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の固体NMR
測定用高速スピナーによれば、吹き付けられた気体を半
径方向から所定の角度だけ後方に向けて排気することに
よってロータ部自身に回転力を与えるタービンを設けた
ので、気体ジェットがタービンに作用する効率が向上し
た。
【0058】また、ロータ部に、気体の吹き付けノズル
の数よりも多く、しかも気体の吹き付けノズルの数と互
いに素となるような数の翼を備えたタービンを設けたの
で、タービン4の翼にかかるトルクの大きさが周期的に
変動したり、回転が不安定になったりすることがなくな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる固体NMR測定用高速スピナー
の一実施例を示す図である。
【図2】本発明にかかる固体NMR測定用高速スピナー
の軸受部分の一実施例を示す図である。
【図3】本発明にかかる固体NMR測定用高速スピナー
のタービン部分の一実施例を示す図である。
【図4】本発明にかかる固体NMR測定用高速スピナー
の回転速度検出器部分の一実施例を示す図である。
【図5】本発明にかかる固体NMR測定用高速スピナー
の実験結果を示す図である。
【図6】従来の固体NMR測定用高速スピナーを示す図
である。
【図7】従来の固体NMR測定用高速スピナーを示す図
である。
【図8】従来の固体NMR測定用高速スピナーを示す図
である。
【符号の説明】
1・・・ステータ、2・・・ロータ、3・・・タービンノズル、
4・・・タービン、5・・・キャップ、6・・・スラストステー
タ、7・・・補助スラストステータ、8・・・光ファイバー、
11・・・ステータ、12・・・ロータ、13・・・スラストス
テータ、14・・・キャップ、15・・・タービンノズル、1
6・・・タービン、17・・・気体の流れ、20・・・給気孔。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料を封入可能なロータ部と、ロータ部を
    取り囲むステータ部とから成り、該ロータ部とステータ
    部の隙間に気体を供給することによって気体軸受を形成
    する固体NMR測定用高速スピナーにおいて、前記ロー
    タ部に、吹き付けられた気体を半径方向から所定の角度
    だけ後方に向けて排気することによってロータ部自身に
    回転力を与えるタービンを設けたことを特徴とする固体
    NMR測定用高速スピナー。
  2. 【請求項2】試料を封入可能なロータ部と、ロータ部を
    取り囲むステータ部とから成り、該ロータ部とステータ
    部の隙間に気体を供給することによって気体軸受を形成
    する固体NMR測定用高速スピナーにおいて、前記ロー
    タ部に、気体の供給孔の数よりも多く、しかも気体の供
    給孔の数と互いに素となるような数の翼を備えたタービ
    ンを設けたことを特徴とする固体NMR測定用高速スピ
    ナー。
  3. 【請求項3】試料を封入可能なロータ部と、ロータ部を
    取り囲むステータ部とから成り、該ロータ部とステータ
    部の隙間に気体を供給することによって気体軸受を形成
    する固体NMR測定用高速スピナーにおいて、前記ロー
    タ部に、吹き付けられた気体を半径方向から所定の角度
    だけ後方に向けて排気することによってロータ部自身に
    回転力を与えるタービンであって、しかも、気体の供給
    孔の数よりも多く、気体の供給孔の数と互いに素となる
    ような数の翼を備えたタービンを設けたことを特徴とす
    る固体NMR測定用高速スピナー。
  4. 【請求項4】前記ロータ部のスラスト方向には、ロータ
    部を回転させながら担持する補助スラストステータを設
    けたことを特徴とする請求項1、2、または3記載の固
    体NMR測定用高速スピナー。
  5. 【請求項5】タービンに吹き付けられた気体が、半径方
    向から後方に向けて排気される際の所定の角度は、30
    ゜以上、60゜以下であることを特徴とする請求項1ま
    たは3記載の固体NMR測定用高速スピナー。
  6. 【請求項6】ロータ部の直径は、2mm以上、4mm以
    下であることを特徴とする請求項1、2、または3記載
    の固体NMR測定用高速スピナー。
  7. 【請求項7】気体軸受の長さは、ロータ部の直径の50
    %以上、100%以下であることを特徴とする請求項
    1、2、または3記載の固体NMR測定用高速スピナ
    ー。
  8. 【請求項8】ロータ部とステータ部の隙間は、ロータ部
    の直径の0.68%以上、2.1%以下であることを特
    徴とする請求項1、2、または3記載の固体NMR測定
    用高速スピナー。
  9. 【請求項9】ロータ部とステータ部の隙間は、27μm
    以上、42μm以下であることを特徴とする請求項1、
    2、または3記載の固体NMR測定用高速スピナー。
  10. 【請求項10】ロータ部とステータ部の隙間に気体を供
    給する供給孔の数は、6個以上、10個以下であること
    を特徴とする請求項1、2、または3記載の固体NMR
    測定用高速スピナー。
  11. 【請求項11】ロータ部とステータ部の隙間に気体を供
    給する供給孔の直径は、0.2mm以上、0.4mm以
    下であることを特徴とする請求項1、2、または3記載
    の固体NMR測定用高速スピナー。
  12. 【請求項12】ロータの一部に光を反射する金属薄膜を
    付けたことを特徴とする請求項1、2、または3記載の
    固体NMR測定用高速スピナー。
  13. 【請求項13】金属薄膜は金の薄膜であることを特徴と
    する請求項12記載の固体NMR測定用高速スピナー。
  14. 【請求項14】金属薄膜の厚みは10nm以上、100
    0nm以下であることを特徴とする請求項12記載の固
    体NMR測定用高速スピナー。
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