JP2014077661A - Nmr測定用スピナ - Google Patents

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Abstract

【課題】タービン機構を有するNMR測定用スピナにおいて、回転体の回転速度を高められるようにする。
【解決手段】回転体の周囲にスクロール(渦巻き状流路)44が設けられる。スクロール44はチャンバ66とその内側に設けられたノズル列68とからなる。チャンバ66の断面積が上流側から下流側にかけて小さくなっており、各ノズルの断面積も上流側から下流側にかけて小さくなっている。チャンバ66に導入された気体の流れとしてチャンバ66内に回転流が生じる(符号76,78,80)。その回転流の内側から複数の内巻き流が生じる。各内巻き流が各ノズル出口から噴出し、これにより複数のジェット流が生じる。複数のジェット流が回転体に設けられた羽根車に吹き付けられ、これにより回転体が高速で回転する。
【選択図】図3

Description

本発明はNMR測定用スピナに関し、特に、固体試料を収容した試料管を高速で回転させる機構に関する。
固体試料に対するNMR(核磁気共鳴)測定では、固体試料を収容した試料管が、静磁場方向に対して所定角度(マジック角)をもって傾けられつつ、回転駆動される。そのための機構がスピナ(試料管回転装置)である。より詳しくは、スピナはNMR測定用プローブのヘッドに搭載される機構であり、それはNMR測定用プローブの一部として静磁場発生装置のボア内に挿入される。スピナは試料管を取り囲むように設けられた送受信コイルを有している。試料管を高速で回転させた状態において、送受信コイルにて変動磁場が生成され、またNMR信号が検出される。
特許文献1、2に開示されたスピナはロータ(回転体)とステータ(構造体)とからなる。ロータは試料管とそれに連結された羽根車(特許文献1ではタービン)とを有し、羽根車は複数のジェット流を受ける複数の羽根を備えている。ステータは、ロータを非接触で保持するための複数の空気軸受を有しており、また、羽根車に対して複数のジェット流を吹き付けるために羽根車を取り囲んで放射状に設けられた複数のタービンノズルを有している。特許文献1、2に開示されたスピナにおいて、複数のタービンノズルはいずれもストレートに伸長した単純な孔(キリ穴)である。同スピナにおいて、複数のタービンノズルの周囲にはそれらに対して気体を送り込む気体室(チャンバ)が設けられているが、その気体室の形態は単純な円環状である。また、各タービンノズルは気体室に対して直角又はそれに近い角度をもって接続されている。
特許文献3に開示されたスピナは、それぞれ直線的な形状をもった複数のタービンノズルを有する。各タービンノズルの断面積は気体の流れ方向に沿って連続的に小さくなっている。複数のタービンノズルの周囲に形成された気体室は単純な円環状の空洞として構成されている。この特許文献3の図5には、斜め方向にジェット流を生じさせる傾斜したタービンノズルが開示されている。但し、そのタービンノズルもストレートな形態を有している。
特開2001−141800号公報 特開2003−177172号公報 米国特許5202633号明細書
高分解能測定のためには試料管の回転速度(回転数)をできる限り上げる必要があり、つまり、各ジェット流の速度又はパワーをできる限り上げる必要がある。しかしながら、スピナへの気体の導入に当たって単に気体圧力を上げても、スピナ内部において気体が流れる過程で流体力学上の縮流、剥離等の乱れが生じてしまうならば、圧力損失が増大し、その結果、試料管の回転速度の引き上げは困難となる。
従来のスピナにおいては、気体室及び複数のタービンノズルを含む気体流路の全体において圧力損失低減のための構造的な配慮が不十分であったと言いうる。このため、回転速度の上限を引き上げることが困難であった。
本発明の目的は、回転体を高速で回転させることが可能なNMR測定用スピナを提供することにある。あるいは、本発明の目的は、縮流、剥離等の乱れが生じやすい部位では流速を抑えつつその後において縮流、剥離等の乱れをできるだけ生じさせずに流速を十分に引き上げることが可能なNMR測定用スピナを提供することにある。
本発明に係るNMR測定用スピナは、NMR測定の対象となる試料を収容した収容部と、複数のジェット流を受けて回転する羽根車と、を有する回転体と、前記回転体の周囲に設けられた部材であって、外部から導入された気体の流れとして回転流を生じさせるチャンバと、前記チャンバの内側に設けられ前記回転流に連なる複数の内巻き流を生じさせる複数の湾曲ノズルと、を有する構造体と、を含み、前記複数の内巻き流が前記複数のノズルから噴出することにより前記複数のジェット流が生じる、ことを特徴とする。
上記の構造体は、ロータとしての回転体に対し、ステータを構成するものである。構造体中の外側部分には、回転体の周囲において回転する流れ(つまり回転流)を生じさせるチャンバが設けられる。回転流は基本的に回転体の回転方向と同じ方向に回転する流れである。一方、構造体中の内側部分には、複数の内巻き流を生じさせる複数の湾曲ノズルが設けられる。各内巻き流は、望ましくは、回転流の内側から出て回転体をその回転方向に巻き込むように湾曲した延長流あるいは支流である。各内巻き流から各ジェット流が生じる。このような構成によれば、チャンバから各湾曲ノズルへの気体の送り込みに際して自然な流れ(乱れのない又は少ない流れ)を生じさせることが可能であり、また、各湾曲ノズル内においても自然な流れを形成できるから、従来構成に比べて、気体流通過程で生じる圧力損失を大幅に低減して、各ジェット流の速度又はパワーを高めることが可能である。これは回転体の回転速度の向上をもたらすものである。
チャンバの入口部分又はそれよりも手前側の部分(つまり気体導入部)においては、どうしても屈曲流路や大きな断面積変化が生じやすい。それにも拘わらず気体導入圧力を無造作に高めるならば、気体導入部での流速が上がるもののそこで縮流や剥離等の現象が生じ、圧力損失が増大してしまい、その結果、期待通りの結果を得ることが困難となる。
これに対し、上記構成によれば、チャンバ内への気体導入後において乱れのない又は乱れの少ない流れを形成することができるから、つまりその過程で流速を十分に高めることが可能となるから、その反射的効果として、気体導入部での流速を無理に引き上げなくてもよくなる。つまり、気体導入部での流速を抑えてそこで縮流や剥離等の現象が生じることを防止又は軽減できる。そのようにしても各ジェット流の速度又はパワーを十分に高められる。もっとも、気体導入部での流れの乱れが少なくなるような流路形態を採用した上で気体導入部での流速を高めるようにしてもよい。そのような構成によれば回転体の回転速度を更に引き上げることが可能となる。
なお、気体導入部での流速を抑制する一方において、そこでの通過断面積を十分に大きくして流量を確保するのが望ましい。上記のスピナは基本的に固体試料のNMR測定で利用されるものである。回転体の複数箇所に複数の羽根車を設け、それらを駆動する場合には上記構造体を複数箇所に設ければよい。
望ましくは、前記各内巻き流は前記回転流の内側に滑らかに連なる湾曲した流れであり、前記各湾曲ノズルにおいては、ノズル入口からノズル出口にかけて、前記気体の流れ方向に直交する断面の面積が連続的に小さくなっており、且つ、湾曲度合いが連続的に大きくなっている。この構成によれば、各内巻き流が回転流の内側に滑らかに連なっているので、各湾曲ノズルへの気体導入時における圧力損失を低減できる。また、各湾曲ノズルの断面が流れの方向に沿って連続的に小さくなっているから、乱れを防止しつつ流速を高めることが可能である。各湾曲ノズルの基本形態として、対数螺旋形状、インボリュート曲線形状、その他の渦巻き類似の形態をあげることができる。ノズル入口からノズル出口までの流路中における主要部分において上記のような連続的な断面積変化が生じていればよく、例えば流路中の一部の断面積が一定であってもよい。いずれにしても各湾曲ノズル内において断面積の急峻な変化や大きな段差が生じないように滑らかな形態を採用するのが望ましい。
望ましくは、前記チャンバにおける前記気体の流れ方向に直交する断面の面積が上流側から下流側にかけて連続的に小さくなっている。この構成によれば、チャンバ内において流速を連続的に引き上げることが可能である。必要に応じて、複数のジェット流を均一に形成するために、各湾曲ノズルのサイズや形状を調整するようにしてもよい。気体導入位置から360度の角度範囲にわたってチャンバの断面積を連続的に変化させるようにしてもよいし、その中の主要部分において断面積を連続的に変化させるようにしてもよい。チャンバ内における流れ方向に沿って断面積の急峻な変化や大きな段差が生じないように滑らかな形態を採用するのが望ましい。
望ましくは、前記チャンバにおける外周面が螺旋形状を有する。螺旋形状は渦巻き状の形状であり、それには連続的に減少する半径によって描かれる多様な形態が含まれる。特に対数螺旋形状を採用するのが望ましい。望ましくは、前記チャンバにおける内周面上に前記複数の湾曲ノズルが有する複数のノズル入口が均等間隔をもって形成される。
望ましくは、前記チャンバの気体導入位置における断面積は、前記複数の湾曲ノズルが有する複数のノズル出口についての合計断面積の2倍以上である。諸条件にもよるが、気体導入部での流速を抑える一方において、各ジェット流の速度又はパワーを十分に高めるためには、一般に、チャンバにおける気体導入位置での流れ方向と直交する断面の面積を複数のノズル出口について合計断面積の2倍以上としておくのが望ましい。
望ましくは、前記構造体は、前記チャンバ及び前記複数の湾曲ノズルに対応した溝構造を有する第1部品と、前記第1部品に接合されて前記溝構造を覆う第2部品と、を含む。この構成によれば、第1部品の切削加工等によって溝構造を形成した上で、それに第2部品を貼り合わせるだけで、チャンバ及び複数の湾曲ノズルを製作することが可能である。
本発明によれば、NMR測定時において、回転体を高速で回転させることが可能なスピナを提供できる。あるいは、本発明によれば、縮流や剥離等が生じやすい部位では流速を抑えつつその後において縮流や剥離等をできるだけ生じさせずに気体の速度を十分に引き上げることが可能なスピナを提供できる。
本発明に係るNMR測定用スピナの好適な実施形態を示す断面図である。 静磁場発生装置内にNMR測定用スピナを設置した状態を示す図である。 スクロール(渦巻き状流路)を示す平面図である。 スクロールにおけるノズル列を示す拡大図である。 スクロールの斜視図である。 2つの部材の貼り合わせによるスクロール製作を示す図である。 図1に示したNMR測定用スピナの一部拡大図である。 変形例を示す一部拡大図である。 気体圧力と回転体の回転数との関係を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係るNMR測定用スピナ(試料管回転機構)の好適な実施形態が示されており、図1はその断面図である。
図1において、スピナ10は、NMR測定用プローブの一部として、静磁場発生装置が有するボアの内部に配置され、その状態でロータとしての回転体12を高速で回転させる機構である。回転体12は、固体試料を収容した円筒形状を有する試料管であり、それは試料収容部16と羽根車(タービン)18とからなるものである。回転体12の直径は、一般に数mm〜数十mm程度であるが、本実施形態においては0.75mmである。すなわち、高速回転を実現するために非常に細い試料管が利用されている。但し、本願明細書に記載したいずれの数値も例示に過ぎないものである。回転体の両端に羽根車を設けることも可能であり、その場合には2つの羽根車に対応して2つのタービンノズル構造が設けられる。スピナ10は必要に応じて冷却状態におかれる。
構造体14は回転体12の周囲を取り囲む部材であり、それはステータを構成する。構造体14の内部には、回転体を収容する空洞部が形成されており、その空洞内において、回転中心軸方向に離れて設けられた複数の空気軸受20によって、回転体12が非接触で保持される。気体導入ポート26から導入された気体28が流路24を経由して複数の空気軸受20に供給されている。空洞部内には、回転体における試料収容部16を取り囲む送受信コイル21が配置されている。回転体12の高速回転状態において、送受信コイルで高周波磁場が生成される。その後の受信期間において送受信コイル21にてNMR信号が検出され、その信号を解析することにより分光スペクトルが得られる。なお、そのような固体試料のNMR測定に当たっては、回転体12の回転中心軸が静磁場方向に対してマジック角度(arccos √(1/3))をもって傾けられ、その角度を維持した状態で回転体12が駆動される。なお、図1において、X方向は回転中心軸と並行な方向であり、Z方向はX方向に直交する方向である。X方向及びZ方向の両方向に直交する方向が後に図3等に示すY方向である。
構造体14は、本実施形態において、X方向に積層された複数の部材22,30,32,34,36からなるものである。それらの部材はNMR測定に影響を与えない材料、つまりセラミック、樹脂、複合材等により構成される。部材22は本体を構成しており、そこには空気軸受用の流路24及び気体導入ポート26が形成されている(図1において構造体14の上部を参照)。また、本体22には、タービン駆動用の気体42が導入される気体導入ポート40が形成されており、それに連なる導入路38も形成されている(図1において構造体14の下部を参照)。導入路38は、図示のように、Z方向に並行な第1部分と、第1部分に連なる部分であってX方向に並行な第2部分と、からなり、それ全体として屈曲路が構成されている。第1部分及び第2部分のいずれも円筒形状であり、それらは流れ方向の各位置において大きな断面積を有している。なお、上記の気体として、空気の他、窒素やヘリウム等の不活性ガスがあげられる。
本体22のX方向一方側にはプレート状の部材30及び同じくプレート状の部材32が設けられており、本体22のX方向他方側にはプレート状の部材34及び同じくプレート状の部材36が設けられている。つまり、構造体14は積層体である。部材34は、YZ面に沿って広がる部材であり、そこには後に詳述するスクロール(渦巻き状流路)44が形成されている。スクロール44には、気体導入ポート40を経由して気体42が送り込まれている。部材34に対する切削加工等によりスクロール44が溝構造として形成され、構造体14の組立時に部材34に対して部材36が接合される。これにより溝構造の開放側が部材36によって完全に覆われる。部材36には奥側から出口側にかけてラッパ状に広がった形態を有する放出口46が形成されている。放出口46は、羽根車18に対して複数のジェット流を吹き付けた後に生じる気体48を放出するものである。
図2には、スピナ10の設置例が示されている。スピナ10は静磁場発生装置50が有するボア52内に配置される。具体的にはスピナ10はNMR測定用プローブ54のヘッドを構成するものである。回転体12の回転中心軸が静磁場方向(紙面上下方向)に対して所定のマジック角をもって傾斜するように、スピナ10が設置される。図2には示されていないが、スピナ10に対しては気体を送り込む配管等が接続される。
図3には、スクロール44の平面図が示されている。図1においては、回転体12を収容する空洞部の下側に導入路が現れていたが、図3においては説明の都合上、空洞部(スクロール44の中心開口)の右側に導入路の端面に相当する気体導入開口58が現れている。なお、図3において紙面奥側がX軸正方向である。
図3において、板状の部材34にはスクロール44が形成されている。スクロール44は回転体の周囲に設けられる構造であり、それは外側構造62と内側構造64とからなる。内側構造64は外側構造62によって取り囲まれている。外側構造62は、円形の気体導入開口58と、それに連通する空間としてのチャンバ66と、を有している。内側構造64は、渦巻き状の配列を有する複数のノズル70によって構成されるノズル列68を有している。気体導入開口58から導入された気体の流れとして、チャンバ66内において回転流が生じる(符号76,78,80を参照)。その回転流の回転方向は回転体の回転方向に一致している。回転流の内側から回転流の一部が複数のノズル70の中に流れ込み、これにより複数の支流(延長流)として複数の内巻き流(ノズル流)が生じる。各内巻き流は螺旋状(渦巻き状)の形態を有しており、回転体をその回転方向に巻き込むような流れである。回転流に対して各内巻き流が滑らかに接続されている。外側の回転流及び内側の複数の内巻き流がそれら全体として渦流を構成している。
外側構造62について具体的に説明する。YZ面上において、チャンバ66における外周面72は本実施形態において対数螺旋形状を有しており、チャンバにおける内周面74は円形を有している。内周面74上には後に説明する複数のパネル入口が均等間隔をもって形成されている。YZ面上においてチャンバ66における気体流れ方向(流線、中心線)に直交する横幅は上流から下流にかけて連続的に小さくなっている。
説明の都合上、空洞部中心から見て、気体導入開口58が設けられている方位が0度とされており、そこから気体の流れ方向につまり時計回り方向に360度の角度が定義されている。0度の方位においてチャンバ66の横幅が最も大きく、それは気体導入開口58の直径d1と隙間部分d5とを加算した大きさに相当する。90度の方位において横幅はd2となっており、180度の方位において横幅はd3となっており、270度の方位において横幅はd4となっている。ここでd2>d3>d4>d5の関係が成立している。d5の大きさをより小さくし又は事実上ゼロにすることも可能である。流気体導入部において流速を下げても十分な流量を確保するためにd1は大きい方が望ましい。d1の条件については後に説明する。チャンバ66においては気体の流れ方向に沿って横幅つまり断面積が連続的に小さくされているので、上流側から下流側にかけて流速が増大することになる。チャンバ66内には流れを乱すような構造が格別存在していないので、縮流や剥離等を効果的に抑制することができる。なお、チャンバ66におけるX方向の厚みは本実施形態において一定であり、これについては後に図7を用いて説明する。
図4には、図3に示した内側構造(特にノズル列68)の拡大図が示されている。ノズル列68は、チャンバ66の内側に形成されるものであり、それは複数のノズル(タービンノズル)70からなる。図4に示す例では、6個のノズル70が形成されている。一般にノズル数としては4個以上で20個以下が適当であるが、それらの数値も例示である。各ノズル70は、回転流84の一部を取り込んで内巻き流94を生じさせるものである。各内巻き流94の回転方向は、回転体及び回転流の回転方向に一致している。隣接する2つのノズル70の間に湾曲した仕切り壁76が設けられている。各ノズル70は、その内部から見て、滑らかに凹形に湾曲した第1案内面86と、滑らかに凸形に湾曲した第2案内面88と、を有する。この他、X方向の両面として底面及び天井面を有する。底面は本実施形態において平面であり、天井面は、本実施形態において、スクロールを覆う部材の表面により構成され、それは平面である。よって、各ノズル70において、湾曲した流れの中心軸に直交する断面は、いずれの位置においても基本的に矩形の形状を有している。但し、矩形以外の形状を採用することも可能である。また、後に図8に示すように底面を傾斜面として構成することも可能である。
ノズル70の断面積は、ノズル入口92からノズル出口90にかけて連続的に小さくなっている(符号98,100,102を参照)。これによりノズル70内においても流速が連続的に高められている。ノズル出口90の位置及び形態は、ジェット流104が所定位置において所定方向に形成されるように定められる。羽根車18が有する複数の羽根に対して、複数のジェット流が吹き付けられ、これによって回転体を駆動する推進力が生成される。羽根車の構造としては各種のものを採用可能である。ノズル入口92は、符号96で示すように、円周方向に大きく広がっており、回転流から気体が自然に取り込まれるように構成されている。図4に示した内側構造は一例であり、ノズル列68の構成及び各ノズル70の形態としては各種のものを採用可能である。いずれの場合においても、回転流から滑らかに連なるノズル流が生じるように構成するのが望ましい。また、ノズルにおいて流れの乱れが生じないように構成するのが望ましい。
図5にはスクロール44の斜視図が示されている。上述したように、スクロール44は、外側において回転流を生じさせるチャンバ66と、内側において複数の内巻き流を生じさせるノズル列68と、を有する。スクロール44の設計に当たっては、気体力学的観点から見て、チャンバ66の入口に相当する断面積(スクロール44の入口断面積)A1は、複数のノズル出口についての合計断面積(スクロール44の出口断面積)A2の2倍以上とするのが望ましい。この場合、入口断面積A1は、円形の気体導入開口の直径d1にチャンバ66の厚みt1を乗算したものとして定義され得る。その上で、入口断面積A1よりもかなり大きな断面積をもって気体導入開口以前の気体導入部を構成するのが望ましい。そのような構成によれば、気体導入部内に屈曲流路や大きな断面積変化があっても、そこでの流速が小さくなるから、そこで縮流や剥離等が発生することを防止又は軽減できる。このように比較的に低速流として導入された気体が、チャンバ66内及び各ノズル内において加速されて高速流となる。その高速流が各ノズル出口から噴出し、これにより複数の高速ジェット流が生じる。
図6にはスクロール44の製作過程が示されている。円形プレート状の部材34には切削加工等によって、スクロール44の主要部をなす溝構造が形成される。また、部材34には円筒形状を有する気体導入開口58も形成される。気体導入開口58は気体104を受け入れる開口である。一方、円形プレート状の部材36には円筒形状を有する放出口106が形成される。それは羽根車に吹き付けつけられた後の気体108を排出するものである。所定の加工が施された2つの部材34、36が図示のように結合される。これにより上記溝構造における開放面が部材36の一方面にて覆われ、スクロール44が完成する。
図7は図1に示したスピナの一部を表した拡大図であり、そこにはスクロール44の断面が示されている。スクロール44は、回転体の周囲に形成された構造体の一部であり、スクロール44は符号62Aで示す外側構造と符号64Aで示す内側構造とからなるものである。部材34は一定の厚みt3を有している。外側構造に含まれるチャンバは一定の厚みt1を有しており、内側構造に含まれる各ノズル70は一定の厚みt2を有している。本実施形態では加工の都合上、t1>t2となっているが、両者の差は小さく、段差部分での流れの乱れはかなり小さなものとなっている。もちろん、チャンバの厚みt1と各ノズルの厚みt2を一致させてもよい。図7において、チャンバにおける流れ方向に直交する断面の形状は矩形であるが、楕円形状等を採用することも可能である。同じく、ノズルにおける流れ方向に直交する断面の形状は矩形であるが、それを楕円形状等にしてもよい。ノズルの底面(図7において右側)を湾曲面とし、ノズルの天井面(図7において左側)を平面とするようにしてもよい。
図8にはノズル70の変形例が示されている。この変形例では、ノズル70の底面が斜面112と水平面114とにより構成されている。斜面は、チャンバの厚みからノズル出口の厚みまで、底面と天井面との間の距離を連続的に変化させるものである。水平面114はノズル出口においてジェット流を適切な方向へ安定して形成するためのものである。
図9には本実施形態に係るスクロールの性能がグラフとして示されている。前提となる条件を説明すると、試料管の直径は0.75mmであり、ノズル数は4である。スクロール入口断面積A1はスクロール出口断面積A2の2.5倍である(A1/A2=2.5)。ノズルの断面形状は上記の通り矩形である。グラフにおける横軸は気体圧力(駆動圧)を示しており、縦軸は回転数を示している。グラフに示されているように最高回転数として117kHzを得ている。これは、回転速度(周速)に換算して275m/sに相当する。同じような条件で、これまでの上限は240〜270m/s程度であった。これとの対比から明らかなように本実施形態のスクロールによれば回転数の上限を確実に引き上げ得るものである。この実験結果は一例であり、スクロール中の各部の形状をより流線形状に近付けることにより、また、上記A1/A2の比をより大きくすることにより、回転数の更なる向上を期待できる。
スクロールの形態としては各種のものをあげることができる。上記実施形態では、チャンバの断面積が上流から下流にかけて連続的に小さくなっていたが、流速を十分に高められる限りにおいて、断面積を一定にすることも可能である。また、上記実施形態では、ノズルの断面積が上流から下流にかけて連続的に小さくなっていたが、必要なジェット流を形成できる限りにおいて、断面積を一定にすることも可能である。いずれの場合においても回転流の内側から滑らかに複数の内巻き流が形成されるように構成するのが望ましい。
10 スピナ、12 回転体(ロータ)、14 構造体(ステータ)、18 羽根車(タービン)、44 スクロール、66 チャンバ、68 ノズル列。

Claims (7)

  1. NMR測定の対象となる試料を収容した収容部と、複数のジェット流を受けて回転する羽根車と、を有する回転体と、
    前記回転体の周囲に設けられた部材であって、外部から導入された気体の流れとして回転流を生じさせるチャンバと、前記チャンバの内側に設けられ前記回転流に連なる複数の内巻き流を生じさせる複数の湾曲ノズルと、を有する構造体と、
    を含み、
    前記複数の内巻き流が前記複数のノズルから噴出することにより前記複数のジェット流が生じる、ことを特徴とするNMR測定用スピナ。
  2. 請求項1記載のスピナにおいて、
    前記各内巻き流は前記回転流の内側に滑らかに連なる湾曲した流れであり、
    前記各湾曲ノズルにおいては、ノズル入口からノズル出口にかけて、前記気体の流れ方向に直交する断面の面積が連続的に小さくなっており、且つ、湾曲度合いが連続的に大きくなっている、
    ことを特徴とするNMR測定用スピナ。
  3. 請求項1又は2記載のスピナにおいて、
    前記チャンバにおける前記気体の流れ方向に直交する断面の面積が上流側から下流側にかけて連続的に小さくなっている、ことを特徴とするNMR測定用スピナ。
  4. 請求項3記載のスピナにおいて、
    前記チャンバにおける外周面が螺旋形状を有する、ことを特徴とするNMR測定用スピナ。
  5. 請求項4記載のスピナにおいて、
    前記チャンバにおける内周面上に前記複数の湾曲ノズルが有する複数のノズル入口が均等間隔をもって形成された、ことを特徴とするNMR測定用スピナ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスピナにおいて、
    前記チャンバの気体導入位置におけるの断面積は、前記複数の湾曲ノズルが有する複数のノズル出口についての合計断面積の2倍以上である、ことを特徴とするNMR測定用スピナ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のスピナにおいて、
    前記構造体は、
    前記チャンバ及び前記複数の湾曲ノズルに対応した溝構造を有する第1部品と、
    前記第1部品に接合されて前記溝構造を覆う第2部品と、
    を含むことを特徴とするNMR測定用スピナ。
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