JP2017025771A - エアタービン駆動スピンドル - Google Patents

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Teruyoshi Horiuchi
照悦 堀内
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Abstract

【課題】回転軸の回転効率の低下が抑制されているエアタービン駆動スピンドルを提供する。【解決手段】回転軸1は、軸部1Aと、軸部1Aに対しラジアル方向に延びるように形成されているスラスト板部1Bとを含み、スラスト板部1B上にスラスト方向に延びるように形成されている複数の回転翼15を有する。筐体は、回転軸1を回転可能に収容している。給気部は、筐体内において回転翼15に向かって駆動用気体を噴出可能に設けられている。排気部は、筐体内において回転翼15に供給された駆動用気体を排気可能に設けられている。筐体は、スラスト方向においてスラスト板部1Bが位置する側である後端側の表面6Bと、スラスト板部1Bおよび回転翼15とスラスト方向において対向するとともに、後端側の表面6Bよりスラスト板部1Bに近い位置に設けられている隔壁22とを含む。隔壁22には排気ポート19が形成されている。排気部は、排気ポート19と、スラスト方向において排気ポート19に対して後端側に位置する排気空間20とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、エアタービンにより回転駆動されるエアタービン駆動スピンドルに関する。
従来のエアタービン駆動スピンドルが、特開2006−102841号公報、および特開2013−245607号公報に開示されている。
特開2006−102841号公報には、エアタービンの回転翼が主軸の外周部に形成された凹部により構成されているエアタービン駆動スピンドル装置が開示されている。
特開2013−245607号公報には、タービン翼がフランジ部の平面から軸方向後端側に突出するように形成されており、タービン翼の突出方向に沿う平面で切断した境界部分の側面の断面形状が曲線であるスピンドル装置が開示されている。また、フランジ部の平面に気体が吹き付けられることにより生じる反力と釣り合う磁気力を発生させるための磁石が、アキシャル方向においてハウジングの後端側にフランジ部の平面に対向するように設けられていることが記載されている。
特開2006−102841号公報 特開2013−245607号公報
ここで、上述のような、エアタービンの回転翼が軸方向後端側に突出するように形成されているスピンドル装置では、タービンノズルから回転翼に向けて噴出されたタービンエア(駆動用気体)は、回転翼を回転させた後、回転翼に対し軸方向後端側に設けられた排気空間を経てスピンドル装置の外部に排気される。
しかしながら、上述のような従来のスピンドル装置では、回転翼に対して軸方向後端側に設けられた排気空間と隣接する回転翼間に挟まれた空間とは、遮られることなく連なっており、同一の空間を成している。そのため、回転軸が高速で回転すると、排気空間に流れた駆動用気体を含む多くの気体も回転軸とともに回転することになる。その結果、回転軸の回転抵抗が大きくなり、回転軸の回転効率が低下するという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、回転軸の回転効率の低下が抑制されているエアタービン駆動スピンドルを提供することにある。
本発明の一態様に係るエアタービン駆動スピンドルは、軸部と、軸部に対しラジアル方向に延びるように形成されているスラスト板部とを含み、スラスト板部上にスラスト方向に延びるように形成されている複数の回転翼を有する回転軸と、回転軸を回転可能に収容している筐体と、筐体内において回転翼に向かって気体を噴出可能に設けられている給気部と、給気部から回転翼に供給された気体を排気可能に設けられている排気部とを備える。回転軸は、複数の回転翼が給気部から噴出された気体を受けることにより回転中心を中心として回転可能に設けられている。筐体は、スラスト方向においてスラスト板部が位置する側である後端側の表面と、スラスト板部および回転翼とスラスト方向において対向するとともに、後端側の表面よりスラスト板部に近い位置に設けられている隔壁とを含む。隔壁には貫通孔が形成されている。排気部は、貫通孔と、スラスト方向において貫通孔に対して後端側に位置する排気空間とを含む。
本発明に依れば、回転軸の回転効率の低下が抑制されているエアタービン駆動スピンドルを提供することができる。
実施の形態1に係るエアタービン駆動スピンドルを説明するための断面図である。 図1中の線分II−IIから見た断面図である。 実施の形態1におけるエアタービン駆動スピンドルの隔壁を拡大して示す部分断面図である。 実施の形態1におけるエアタービン駆動スピンドルにおける隔壁の固定方法を説明するための部分断面図である。 実施の形態1におけるエアタービン駆動スピンドルにおいて、駆動用気体の流れを示す部分断面図である。 実施の形態1に係るエアタービン駆動スピンドルの変形例を説明するための断面図である。 実施の形態2に係るエアタービン駆動スピンドルの隔壁を拡大して示す部分断面図である。 図7中の線分VIII−VIIIから見た断面図である。 実施の形態2に係るエアタービン駆動スピンドルの変形例を説明するための断面図である。 実施の形態1および実施の形態2に係るエアタービン駆動スピンドルにおける隔壁の固定方法の変形例を説明するための部分断面図である。 実施の形態1および実施の形態2に係るエアタービン駆動スピンドルにおける隔壁の固定方法の他の変形例を説明するための部分断面図である。 実施の形態1および実施の形態2に係るエアタービン駆動スピンドルにおける隔壁の変形例を説明するための部分断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1〜図3を参照して、実施の形態1に係るエアタービン駆動スピンドル100について説明する。図1は、エアタービン駆動スピンドル100を説明するための断面図である。図2は、図1中の線分II−IIから見たエアタービン駆動スピンドル100の筐体を説明するための断面図であり、回転軸1は図示していない。図3は、エアタービン駆動スピンドル100の隔壁22を拡大して示す部分断面図である。
エアタービン駆動スピンドル100は、回転軸1と、回転軸1を回転可能に収容している筐体と、回転軸1に対して気体を噴出可能に設けられている給気部(駆動用給気路13および駆動用給気ノズル14)とを主に備える。
<回転軸1の構成>
回転軸1は、円筒形状を有する軸部1Aと、軸部1Aに対しラジアル方向に延びるように形成されているスラスト板部1Bとを含む。スラスト板部1Bは、軸部1Aのアキシャル方向における一方の端部に接続されている。以下、アキシャル方向においてスラスト板部1Bが設けられている軸部1Aの上記一方の端部側を後端側、軸部1Aのアキシャル方向においてスラスト板部1Bと反対側に位置する軸部1Aの他方の端部側を前端側という。軸部1Aおよびスラスト板部1Bには、スラスト方向に延びる第1貫通孔17が形成されている。エアタービン駆動スピンドル100が静電塗装機用に構成されている場合には、回転軸1の前側の端部には円錐形カップ(図示省略)が取り付けられ、第1貫通孔17の内部には円錐形カップに塗料を供給するための塗料供給管が配置される。
図1に示されるように、スラスト板部1Bは、ラジアル方向において外周側に位置する領域が中央側に位置する領域(厚肉部1C)よりもスラスト方向における厚みが薄い薄肉部1Dを有している。厚肉部1Cは上記第1貫通孔17を囲うように形成されており、薄肉部1Dは当該厚肉部1Cを囲うように形成されている。図1に示されるように、スラスト板部1Bにおいて、薄肉部1Dと厚肉部1Cとの境界領域は、スラスト方向における厚みがゆるやかに変化するように設けられている。スラスト板部1Bの後側に位置する面は、薄肉部1Dと厚肉部1Cとの間に曲面を有している。
回転翼15は、スラスト板部1Bの当該薄肉部1D上において、後側に位置する面からスラスト方向に延びるように形成されている。回転軸1は、回転翼15が駆動用給気ノズル14から噴出された気体を受けることにより回転可能に設けられている。回転翼15は円周方向に等間隔で複数形成されている。複数の回転翼15は、回転軸1の回転方向に互いに間隔(隙間部)を隔てて設けられている。複数の回転翼15は、スラスト板部1Bの外周に沿って配置されている。回転翼15と厚肉部1Cとは、ラジアル方向において間隔を隔てて設けられている。
<筐体の構成>
筐体は、図1に示されるように、回転軸1のスラスト板部1Bに対して前側に位置する部分と後側に位置する部分とを含んでいる。筐体は、当該前側に位置する部分において、ハウジングアッシ2とカバー5とを含んでいる。筐体は、当該後側に位置する部分において、ノズル板6および隔壁22を含んでいる。
<ノズル板6および隔壁22の構成>
ノズル板6は、図1に示されるように、筐体において回転軸1のスラスト板部1Bに対して後側に配置されている。ノズル板6は、スラスト方向においてスラスト板部1Bが位置する側である後端側の表面6Bを含む。ノズル板6は、表面6Bを有し、かつスラスト板部1Bとスラスト方向において対向する後方壁部28をさらに含む。
隔壁22は、スラスト板部1Bおよび回転翼15とスラスト方向において対向するとともに、後端側の表面6Bよりスラスト板部1Bに近い位置に設けられている。隔壁22は、後方壁部28に対しスラスト方向の前端側に間隔を隔てて設けられている。隔壁22は、筐体においてスラスト板部1Bおよび回転翼15と対向する領域の、スラスト方向において最も前端側に位置する表面22Aを構成している。隔壁22を構成する材料は、ノズル板6を構成する材料または他の周辺部材(たとえば回転軸1)を構成する材料と比べて熱伝導率の低い材料であるのが好ましい。隔壁22を構成する材料は、たとえばポリエチレン、アクリル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアセタール、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリカーボネートなどからなる群から選択される少なくとも1つである。さらに、エアタービン駆動スピンドル100が静電塗装機において使用される場合、隔壁22を構成する材料は、耐溶剤性を有する材料であるのが好ましく、たとえばポリプロピレン、ポリアセタール、PEEK、ポリカーボネートなどからなる群から選択される少なくとも1つである。また、隔壁22は、断熱効果を奏する任意の表面処理が施されていてもよい。隔壁22は、たとえばノズル板6を構成する材料または回転軸1を構成する材料と同等の熱伝導率を有する材料からなる母材と、当該母材上に形成され、ノズル板6を構成する材料または回転軸1を構成する材料と比べて熱伝導率の低い材料(ポリエチレン、アクリル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアセタール、PEEK、ポリカーボネートなどからなる群から選択される少なくとも1つ)からなる皮膜とで構成されていてもよい。隔壁22における上記皮膜は、任意の方法で形成され得るが、たとえば溶射または塗装により形成される。さらに、エアタービン駆動スピンドル100が静電塗装機において使用される場合、隔壁22における上記皮膜を構成する材料は、耐溶剤性を有する材料であるのが好ましく、たとえばポリプロピレン、ポリアセタール、PEEK、ポリカーボネートなどからなる群から選択される少なくとも1つである。
駆動用気体を回転翼15に給気する給気部は、図1に示されるように、ノズル板6の内部に形成されている。具体的には、ノズル板6には、給気部として、駆動用気体給気口12、駆動用給気路13、および駆動用給気ノズル14が形成されている。図1および図2に示されるように、給気部はラジアル方向においてスラスト板部1Bよりも外周側に位置するノズル板6の領域上に設けられている。言い換えると、給気部は、ノズル板6において隔壁22および後方壁部28よりもラジアル方向の外周側に設けられている。
駆動用気体を回転翼15から排気する排気部は、ノズル板6の後方壁部28と隔壁22との間に位置する領域内に形成されている。具体的には、排気部として、隔壁22には駆動用気体排気ポート19(貫通孔、以下「排気ポート」ともいう)が、隔壁22と後方壁部28との間には排気空間20が、後方壁部28には排気孔11が、それぞれ形成されている。排気部はスラスト方向においてスラスト板部1Bと重なるとともに、スラスト板部1Bよりも後端側に位置する筐体上に設けられている。駆動用気体は、給気部により回転翼15に対しラジアル方向の外周側から供給され、排気部により回転翼15に対しスラスト方向の後端側へ排気される。
図1に示されるように、排気ポート19は、隔壁22に形成されている。排気ポート19は、スラスト板部1Bよりもスラスト方向の後端側に位置する空間であって、回転翼15よりもラジアル方向の内周側に位置しかつスラスト板部1Bの厚肉部1Cよりもラジアル方向の外周側に位置する空間21と接するように設けられている。排気ポート19は、スラスト方向において当該空間21の少なくとも一部と重なるように設けられている。好ましくは、排気ポート19は、スラスト方向において当該空間21の全体と重なるように設けられている。排気ポート19は、上記空間21と排気空間20とを接続している。
図1に示されるように、排気ポート19のラジアル方向の外周側に位置する外周端部は、回転翼15のラジアル方向の内周側に位置する内周端部とスラスト方向において重なるように設けられていている。なお、排気ポート19の上記外周端部は、回転翼15の当該内周端部よりもラジアル方向の内周側に位置するように設けられていてもよい。排気ポート19のラジアル方向の内周側に位置する内周端部は、厚肉部1Cのラジアル方向の外周側に位置する外周端部とスラスト方向において重なるように設けられている。なお、排気ポート19の上記内周端部は、厚肉部1Cの当該外周端部よりもラジアル方向の内周側に位置するように設けられていてもよい。
図2に示されるように、排気ポート19は、ラジアル方向において、駆動用給気ノズル14の内周側に位置する先端部P2,P1から間隔を隔てた隔壁22上に形成されている。言い換えると、排気ポート19は、隔壁22において、外周端部22Eからラジアル方向に間隔を隔てた位置に形成されている。排気ポート19の上記外周端部と隔壁22の外周端部22Eとのラジアル方向における当該間隔は、回転翼15のラジアル方向における長さと同等以上であるのが好ましい。
図2に示されるように、排気ポート19は、回転軸1(図1参照)の回転中心Oから見て、少なくとも一部が駆動用給気ノズル14の先端部の位置する方向に重なる隔壁22の領域上に形成されている。具体的には、駆動用給気ノズル14は周方向に3箇所設けられており、それぞれの駆動用給気ノズル14にはノズルが2本(第1ノズル14a、第2ノズル14b)が設けられている。排気ポート19は、隔壁22上において、回転軸1の回転方向Rの進行側に位置する駆動用給気ノズル14の第1ノズル14aの先端部P1と回転中心Oとを結ぶ第1線分Aと、回転軸1の回転方向Rにおいて先端部P1よりも後側に位置する第2ノズル14bの先端部P2と回転中心Oとを結ぶ第2線分Bのそれぞれと重なる位置に設けられている。好ましくは、排気ポート19は、隔壁22上において、回転方向Rにおいて上記第1線分Aと重なる位置から上記第2線分Bと重なる位置まで延びるように設けられている。このとき、排気ポート19は、回転方向Rの進行側に位置する端部P3と、回転方向Rにおいて端部P3よりも後側に位置する端部P4とを有している。排気ポート19の端部P3は、第1線分Aに対し回転方向Rの進行側に位置している。なお、排気ポート19の端部P3は上記第1線分Aと重なる位置に形成されていてもよい。排気ポート19の端部P4は、第2線分Bに対し回転方向Rの後側に位置している。図2に示されるように、排気ポート19の端部P3と上記第1線分Aとの回転方向Rにおける距離L1は、排気ポート19の端部P4と上記第2線分Bとの回転方向Rにおける距離L2以上であるのが望ましい。
駆動用給気ノズル14が回転方向Rに沿って互いに間隔を隔てて複数形成されている場合には、排気ポート19は回転方向Rに沿って互いに間隔を隔てて複数形成されているのが好ましい。このとき、個々の排気ポート19は、それぞれ1つの駆動用給気ノズル14と上述した位置関係を満たすように設けられていればよい。
スラスト方向から見た排気ポート19の平面形状は、任意の形状であればよいが、たとえば回転軸1の回転方向Rに沿って延びる長穴形状である。具体的には、排気ポート19は、ラジアル方向の上記外周端部および上記内周端部が回転軸1の回転中心Oと中心とする円弧に沿うように形成されており、かつ、回転方向Rの両端部P3,P4がそれぞれ上記外周端部と上記内周端部とのラジアル方向における距離を直径とする円弧に沿うように形成されている。排気ポート19は、任意の方法により形成されていればよいが、たとえばドリルなどによって隔壁22に対して穴開け加工されることにより形成され得る。
図1に示されるように、排気空間20は、隔壁22と後方壁部28との間に形成されている。言い換えると、排気空間20は、隔壁22によってスラスト板部1Bよりも後端側に形成されている上記空間21と仕切られており、排気ポート19を介して上記空間21と接続されている。また、排気空間20は、後方壁部28によってノズル板6の後端側の表面6Bよりも後端側に位置するエアタービン駆動スピンドル100の外部空間と仕切られており、排気孔11を介して当該外部空間と接続されている。
排気孔11は、ノズル板6の表面6B上に開口するように後方壁部28に形成されている。排気孔11は、スラスト方向において排気ポート19の少なくとも一部と重なるように設けられている。言い換えると、排気孔11は、スラスト方向において排気空間20と接続するように設けられている。排気孔11は、たとえば排気ポート19と比べて開口面積が大きく設けられている。
図3に示されるように、スラスト方向における隔壁22と回転翼15との距離H2は、回転翼15のスラスト方向における幅H1よりも短い。スラスト方向における隔壁22とスラスト板部1Bにおいて回転翼15が形成されていない部分(厚肉部1C)との距離H3は回転翼15のスラスト方向における幅H1よりも短い。また、スラスト方向における隔壁22とスラスト板部1Bにおいて回転翼15が形成されていない部分(厚肉部1C)との距離H3は、スラスト方向における隔壁22と回転翼15との距離H2と同等以下である。このとき、隔壁22において回転翼15とスラスト方向において対向する部分(排気ポート19よりもラジアル方向の外周側に位置する部分)と、隔壁22において厚肉部1Cとスラスト方向において対向する部分(排気ポート19よりもラジアル方向の内周側に位置する部分)とは、スラスト方向における厚みが同等に設けられている。さらに、厚肉部1Cのスラスト方向における厚みが回転翼15のスラスト方向における幅H1よりも厚くなるように設けられている。
なお、厚肉部1Cのスラスト方向における厚みが回転翼15のスラスト方向における幅H1と同等に設けられていてもよい。この場合、隔壁22において回転翼15とスラスト方向において対向する部分(排気ポート19よりもラジアル方向の外周側に位置する部分)が、隔壁22において厚肉部1Cとスラスト方向において対向する部分(排気ポート19よりもラジアル方向の内周側に位置する部分)と比べてスラスト方向における厚みが薄くなるように設けられていればよい。
図1に示されるように、駆動用気体給気口12は、後方壁部28よりもラジアル方向において外周側に位置するノズル板6の後端側の表面6B上に形成されている。図1および図2に示されるように、駆動用給気路13は、駆動用気体給気口12と接続されておりスラスト方向に延びる給気路13aと、給気路13aおよび駆動用給気ノズル14と接続されており、回転軸1の回転方向Rに沿って延びる給気路13bとを有する。
図2に示されるように、駆動用給気ノズル14は、回転翼15に対し、ラジアル方向において回転軸1の外側から内側に向かって駆動用気体を噴出可能に設けられている。駆動用給気ノズル14は、上述のように、回転方向Rの進行側に位置する先端部P1と、回転方向Rにおいて先端部P1よりも後側に位置する先端部P2とを有している。
駆動用給気ノズル14は、回転方向Rに沿って互いに間隔を隔てて設けられており、第1ノズル14aと第2ノズル14bとを有している。駆動用給気ノズル14(第1ノズル14aおよび第2ノズル14b)は、隔壁22の外周端部22Eに対して鋭角を成すように設けられている。好ましくは、駆動用給気ノズル14(第1ノズル14aおよび第2ノズル14b)は、スラスト板部1Bの接線方向(回転方向)とほぼ平行な方向に延びるように設けられている。このとき、駆動用給気ノズル14(第1ノズル14aおよび第2ノズル14b)は、回転翼15に面している部分の回転方向Rの進行側に位置する端部が、駆動用給気路13と接続されている部分の回転方向Rの進行側に位置する端部よりも、回転方向Rの進行側に位置している。回転翼15に面している部分において、駆動用給気ノズル14の先端部P1は、第1ノズル14aの回転方向Rの進行側に位置する端部により構成されている。回転翼15に面している部分において、駆動用給気ノズル14の先端部P2は、第2ノズル14bの回転方向Rの進行側に位置する端部とは後側に位置する端部により構成されている。第2ノズル14bの上記先端部P2は、第2ノズル14bの駆動用給気路13と接続されている部分の回転方向Rの進行側に位置する端部よりも、回転方向Rの進行側に位置しているのが好ましい。同様に、第1ノズル14aの上記先端部P1は、第1ノズル14aの駆動用給気路13と接続されている部分の回転方向Rの進行側に位置する端部よりも、回転方向Rの進行側に位置しているのが好ましい。
駆動用給気ノズル14(第1ノズル14aおよび第2ノズル14b)は、回転方向Rにおいて互いに間隔を隔てて複数形成されていてもよい。つまり、駆動用給気ノズル14は、回転方向に任意の間隔を隔てて設けられている回転翼15に対して、同一の回転方向に同時に駆動用気体を供給可能に設けられていてもよい。
図4は、ノズル板6と隔壁22との固定方法を説明するための断面図である。図4を参照して、隔壁22は、排気ポート19よりもラジアル方向の外周側においてノズル板6と接している。ノズル板6と隔壁22とは、排気ポート19よりもラジアル方向の外周側において固定具60により互いに固定されている。具体的には、隔壁22には、排気ポート19よりもラジアル方向の外周側に固定具用貫通孔29が形成されている。言い換えると、隔壁22には、ノズル板6と固定されたときに回転翼15とスラスト方向において重なる領域上に、隔壁22の前端側の表面22Aから後端側の表面22Bまで達する固定具用貫通孔29が形成されている。ノズル板6には、回転翼15とスラスト方向において重なる領域上に固定具用挿入孔61が形成されている。固定具用貫通孔29および固定具用挿入孔61は、固定具60が内部に挿入されたときに互いに固定可能に設けられている。固定具60は、たとえばねじとして構成されており、少なくとも固定具用挿入孔61の内周面には螺旋状に設けられたねじ溝が形成されている。固定具用貫通孔29および固定具用挿入孔61は、回転方向Rに沿って互いに間隔を隔てて複数形成されており、一対の固定具用貫通孔29と固定具用挿入孔61とが固定具60により固定されている(図2参照)。固定具用貫通孔29は、隔壁22上において、図2に示されるように、中心(回転軸1の回転中心Oと重なる点)から見て少なくとも一部が排気ポート19と重なる領域に形成されているのが好ましい。言い換えると、固定具用挿入孔61は、ノズル板6上において、少なくとも一部が駆動用給気ノズル14よりもラジアル方向において内周側に位置する領域に形成されている。
なお、隔壁22および後方壁部28には、図1に示されるように、さらにそれぞれ2つの貫通孔が形成されている。隔壁22には、ラジアル方向の中央側に位置し第1貫通孔17とスラスト方向に連なるように第6貫通孔26が形成されている。隔壁22には、第6貫通孔26よりもラジアル方向の外周側であって駆動用気体排気ポート19よりもラジアル方向の中央側に第7貫通孔27が形成されている。後方壁部28には、図1に示すように、ラジアル方向の中央側に位置し第1貫通孔17および第6貫通孔26とスラスト方向に連なるように第4貫通孔23が形成されている。後方壁部28には、第4貫通孔23よりもラジアル方向の外周側であって駆動用気体排気ポート19よりもラジアル方向の中央側に第5貫通孔25が形成されている。第5貫通孔25および第7貫通孔27は、スラスト板部1B上に設けられている後述する被検出部24とスラスト方向において対向するように形成されている。第5貫通孔25および第7貫通孔27は、被検出部24に対してレーザ光などの光を照射し、反射光を得る回転検出センサ(図示省略)を挿入し、信号線を配線するために設けられている。回転検出センサは、被検出部24と対向するようにエアタービン駆動スピンドル100の外部から第5貫通孔25および第7貫通孔27内に挿入され、固定される。このような構成を備えることにより、エアタービン駆動スピンドル100では回転軸1の回転数を光学的に測定することができる。
<ハウジングアッシ2およびカバー5の構成>
図1に示されるように、ハウジングアッシ2は、回転軸1の軸部1Aの一部を収容しており、ハウジング3および軸受スリーブ4からなる。カバー5は、ハウジングアッシ2を収容しており、Oリングなどを介してハウジング3と接続されている。ハウジングアッシ2、およびカバー5は、回転軸1の軸部1Aと軸受スリーブ4との間およびスラスト板部1Bと軸受スリーブ4との間にそれぞれ軸受隙間を形成可能に設けられている。また、ハウジングアッシ2およびカバー5は、当該軸受隙間に気体を供給可能に設けられている。具体的には、ハウジングアッシ2およびカバー5は、それぞれ軸受気体供給路10を有しており、それぞれの軸受気体供給路10は互いに接続されている。軸受気体供給路10は、その一方端がカバー5の外周面上の軸受気体供給口9と接続されており、他方端が回転軸1の軸部1Aと軸受スリーブ4との軸受隙間、および回転軸1のスラスト板部1Bと軸受スリーブ4との軸受隙間に接続されている。軸受気体供給路10において軸受隙間と接続されている部分の孔径は軸受気体供給口9の孔径よりも小さく、軸受気体供給路10において軸受隙間と接続されている部分にはいわゆる絞りが形成されている。ジャーナル軸受7は、軸受気体供給口9から軸受気体供給路10に供給された気体が回転軸1の軸部1Aと軸受スリーブ4との軸受隙間に供給されることにより構成される。スラスト軸受8は、軸受気体供給口9から軸受気体供給路10に供給された気体が回転軸1のスラスト板部1Bと軸受スリーブ4との軸受隙間に供給されることにより押圧力と後述する磁石16の吸引力により構成される。
図1に示されるように、ハウジング3には、スラスト板部1Bとスラスト方向において対向する領域に磁石16が配置されている。磁石16はスラスト板部1Bに対して磁気力を印加可能に設けられている。磁石16は、たとえば永久磁石である。これにより磁石16はスラスト板部1Bを磁気力により吸引する。磁石16は、たとえば回転翼15が形成されているスラスト板部1Bの薄肉部1Dとスラスト方向において対向するように設けられている。磁石16は、スラスト方向から見たときの平面形状がたとえば円環形状である。
図1に示されるように、カバー5は、スラスト方向においてノズル板6と固定されている。ノズル板6は、上述した構成を備えており、回転軸1においてハウジングアッシ2およびカバー5に収容されていない部分(スラスト板部のラジアル方向における外周端面およびスラスト板部の後側に位置する面)を囲むように形成されている。
<エアタービン駆動スピンドルの動作>
次に、図2および図5を参照して、本実施の形態に係るエアタービン駆動スピンドルの動作について説明する。図示しないエアコンプレッサなどの駆動用気体供給源から供給された駆動用気体は、駆動用気体給気口12から駆動用給気路13を通じて駆動用給気ノズル14に供給される。駆動用給気ノズル14に供給された駆動用気体は、回転軸1のスラスト板部の回転翼15に向けて、スラスト板部1Bの接線方向(回転方向R)とほぼ平行な方向に沿って噴出される。回転翼15が噴出された駆動用気体を受けることにより、回転翼15には駆動用気体に与えた力の反力が作用し、回転軸1のスラスト板部は回転トルクを与えられる。これにより、回転軸1は回転方向Rに沿って回転する。回転翼15に噴出された駆動用気体は上記空間21に到達し、さらに駆動用気体排気ポート19から排気空間20に達して排気孔11から外部に排気される。回転軸1の回転数は、たとえば数万rpm以上とすることができる。つまり、上述したエアタービン駆動スピンドル100は、たとえば静電塗装機用スピンドルに好適である。
<作用効果>
エアタービン駆動スピンドル100は、回転軸1と、筐体と、給気部と、排気部とを備える。回転軸1は、軸部1Aと、軸部1Aに対しラジアル方向に延びるように形成されているスラスト板部1Bとを含み、スラスト板部1B上にスラスト方向に延びるように形成されている複数の回転翼15を有する。筐体は、回転軸1を回転可能に収容している。給気部は、筐体内において回転翼15に向かって駆動用気体を噴出可能に設けられている。排気部は、筐体内において回転翼15に供給された駆動用気体を排気可能に設けられている。回転軸1は、複数の回転翼15が給気部から噴出された気体を受けることにより回転中心を中心として回転可能に設けられている。筐体は、スラスト方向においてスラスト板部1Bが位置する側である後端側の表面6Bと、スラスト板部1Bおよび回転翼15とスラスト方向において対向するとともに、後端側の表面6Bよりスラスト板部1Bに近い位置に設けられている隔壁22とを含む。隔壁22には排気ポート19(貫通孔)が形成されている。排気部は、排気ポート19と、スラスト方向において排気ポート19に対して後端側に位置する排気空間20とを含む。
このようにすれば、回転翼15に供給された駆動用気体を排気するための排気部(排気空間20、隔壁22を含む)は、空間21よりも後端側に形成される。つまり、エアタービン駆動スピンドル100において、排気空間20はスラスト板部1Bと接していない。そのため、回転軸1が高速回転されるときにも、排気空間20内の気体は回転軸1によって回転されることが抑制されており、回転翼15の近傍での気流の乱れが抑制されている。その結果、エアタービン駆動スピンドル100は、回転軸1の回転効率の低下が抑制されている。
上記エアタービン駆動スピンドル100において、排気ポート19(貫通孔)は、隔壁22上において、回転軸1の回転中心Oから見て、少なくとも一部が給気部(駆動用給気ノズル14)の位置する方向に重なる領域に形成されているのが好ましい。
このようにすれば、給気部(駆動用給気ノズル14)と排気ポート19は、ラジアル方向において、回転翼15を挟んで連なるように設けられている。そのため、給気部によってラジアル方向の外周側から回転翼15に供給された駆動用気体を、回転翼15に対してラジアル方向の内周側において当該回転翼15の近傍に位置する空間(回転翼15よりもラジアル方向の内周側に位置しかつスラスト板部1Bの厚肉部1Cよりもラジアル方向の外周側に位置する空間21)から速やかに排気することができる。
上記エアタービン駆動スピンドル100において、好ましくは、隔壁22とスラスト板部1Bにおいて回転翼15が形成されていない部分(厚肉部1C)との距離H3は回転翼15のスラスト方向における幅H1よりも短く、隔壁22と回転翼15との距離H2は、回転翼15のスラスト方向における幅H1よりも短い。
このようにすれば、スラスト板部1Bと隔壁22の間に位置する空間の体積を抑制することができる。この結果、回転軸と共に高速回転する気体の量が減ることで回転抵抗を抑制することができる。
上記エアタービン駆動スピンドル100において、スラスト方向から見た排気ポート19(貫通孔)の平面形状は、たとえば回転軸1の回転方向に沿って延びる長穴形状である。
上記エアタービン駆動スピンドル100において、図2に示されるように、排気ポート19(貫通孔)は、進行側の駆動用給気ノズル14の先端部P1(一端)と回転軸1の回転中心Oとを結ぶ第1線分A、および先端部P1(一端)よりも後側に位置する先端部P2(他端)と回転軸1の回転中心Oとを結ぶ第2線分Bのそれぞれと重なる位置に設けられている。排気ポート19(貫通孔)は、隔壁22上において、回転方向Rにおいて第1線分Aと重なる位置から第2線分Bと重なる位置まで延びるように設けられている。
このようにすれば、駆動用給気ノズル14と排気ポート19とは、回転方向Rのより広い領域に渡って、回転翼15を挟んでラジアル方向に連なるように設けられている。そのため、駆動用給気ノズル14によりラジアル方向の外周側から回転翼15に供給された駆動用気体を、回転翼15に対してラジアル方向の内周側において当該回転翼15の近傍に位置する空間(上記空間21)から速やかに排気することができる。
上記エアタービン駆動スピンドル100において、駆動用給気ノズル14(給気口)の先端部P1(一端)は、回転方向Rにおける排気ポート19(貫通孔)の端部P3(一端)に対し回転方向Rに第1の距離L1を隔てて設けられている。駆動用給気ノズル14(給気口)の先端部P2(他端)は、回転方向Rにおける排気ポート19(貫通孔)の端部P4(他端)に対し回転方向Rと反対方向に(回転方向Rにおける後側に)第2の距離L2を隔てて設けられている。このとき、第1の距離L1は、第2の距離L2以上であるのが好ましい。
上述のように、駆動用給気ノズル14(第1ノズル14aおよび第2ノズル14b)は、隔壁22の外周端部22Eに対して鋭角を成すように設けられている。これにより、駆動用給気ノズル14に供給された駆動用気体は、回転軸1のスラスト板部1Bの回転翼15に向けて、スラスト板部1Bの接線方向(回転方向R)とほぼ平行な方向に沿って噴出される。回転翼15に噴出された駆動用気体は、駆動用給気ノズル14よりも回転方向Rの進行側において上記空間21に到達することになる。そのため、排気ポート19の回転方向Rの進行側に位置する端部P3が駆動用給気ノズル14の回転方向Rの進行側に位置する先端部P1よりも上記第1の距離L1だけ当該進行側に位置し、かつ第1の距離L1が第2の距離L2以上であることにより、上記空間21に到達した駆動用気体をより効率的に排気することができる。
上記エアタービン駆動スピンドル100において、隔壁22を構成する材料は、ノズル板6(収容部)を構成する材料と異なっていてもよい。この場合、隔壁22を構成する材料は、ノズル板6を構成する材料を構成する材料と比べて熱伝導率の低い材料であるのが好ましい。
回転翼15に供給された駆動用気体は、回転翼15から空間21へ排気される際に断熱膨張する。そのため、上記空間21と上記排気空間20とを仕切る隔壁22は、エアタービン駆動スピンドル100が駆動している間−20℃以下の低温環境下に置かれることになる。そこで、隔壁22を構成する材料をノズル板6を構成する材料と比べて熱伝導率の低い材料とすれば、エアタービン駆動スピンドル100の駆動に伴い隔壁22に隣接するノズル板6の温度が急激に低下することを防止することができる。
図6は、実施の形態1に係るエアタービン駆動スピンドル100の変形例を説明するための図である。図6に示されるように、排気ポート19は、スラスト方向から見た平面形状が円形状である複数の微小貫通孔部(たとえば第1微小貫通孔部19a,第2微小貫通孔部19b,第3微小貫通孔部19c,第4微小貫通孔部19d)を含んでいてもよい。複数の微小貫通孔部は、回転方向Rに沿って互いに間隔を隔てて配置されている。複数の微小貫通孔部は、それぞれ隔壁22の外周端部22Eからの距離が等しい。複数の微小貫通孔部は、任意の方法により形成され得るが、たとえばドリルなどを用いて容易に形成され得る。
このようにしても、回転翼15に供給された駆動用気体を排気するための排気部(排気空間20を含む)は、隔壁22よりも後端側に形成される。そのため、回転軸1が高速回転されるときにも、排気空間20内の気体は回転軸1によって回転されることが抑制されている。その結果、図6に示されるエアタービン駆動スピンドルは、図1〜図3に示されるエアタービン駆動スピンドル100と同様に、回転軸1の回転効率の低下が抑制されている。
図6に示されるように、このとき、排気ポート19を構成する複数の微小貫通孔部の少なくとも一部が、回転軸1の回転中心Oから見て、駆動用給気ノズル14(給気部)の位置する方向に重なる隔壁22の領域上に形成されている。具体的には、排気ポート19において、第2および第4微小貫通孔部19b,19dは、隔壁22上において、駆動用給気ノズル14の回転方向Rの進行側に位置する先端部P1と回転中心Oとを結ぶ第1線分Aと、駆動用給気ノズル14の回転方向Rにおいて先端部P1よりも後側に位置する先端部P2と回転中心Oとを結ぶ第2線分Bのそれぞれと重なる位置に設けられている。
好ましくは、排気ポート19において、第2および第4微小貫通孔部19b,19dの少なくとも一部と、第3微小貫通孔部19cは、隔壁22上において、回転方向Rにおいて上記第1線分Aと上記第2線分Bとの間に位置する領域上に設けられている。このとき、第1微小貫通孔部19aは、回転方向Rの進行側に位置する端部P3を有している。第4微小貫通孔部19dは、回転方向Rにおいて端部P3よりも後側に位置する端部P4を有している。上記端部P3は、第1線分Aに対し回転方向Rの後側に位置している。なお、上記端部P3は上記第1線分Aと重なる位置に形成されていてもよい。上記端部P4は、第2線分Bに対し回転方向Rの後側に位置している。図6に示されるように、排気ポート19の端部P3と上記第1線分Aとの回転方向Rにおける距離L1は、排気ポート19の端部P4と上記第2線分Bとの回転方向Rにおける距離L2よりも長く設けられているのが好ましい。このようにすれば、上記空間21に到達した駆動用気体をより効率的に排気することができる。
(実施の形態2)
次に、図7および図8を参照して、実施の形態2に係るエアタービン駆動スピンドル110について説明する。図7は、実施の形態2に係るエアタービン駆動スピンドル110の隔壁22を説明するための断面図である。図8は、実施の形態2に係るエアタービン駆動スピンドル110の隔壁22を説明するための平面図である。実施の形態2に係るエアタービン駆動スピンドル110は、基本的には実施の形態1に係るエアタービン駆動スピンドル100と同様の構成を備えるが、隔壁22が凸部50を有している点で異なる。
図7に示されるように、凸部50は、回転翼15側に向かって凸状に設けられている。凸部50は、ラジアル方向において、スラスト板部1Bの厚肉部1Cと回転翼15との間に設けられている。凸部50は、厚肉部1Cおよび回転翼15のそれぞれのスラスト方向の後端側の表面よりも、スラスト方向の前端側に突出している。凸部50のラジアル方向およびスラスト方向に対し垂直な断面形状は、任意の形状であればよいが、好ましくはスラスト板部1Bの厚肉部1Cと薄肉部1Dとの境界領域のスラスト方向の後端側の表面形状に沿うように設けられている。このとき、スラスト方向における当該境界領域と凸部50との距離H4の最大値は、スラスト方向における厚肉部1Cと隔壁22との距離H3と同等以下であるのが好ましい。また、スラスト方向における当該境界領域と凸部50との距離は、一定となるように設けられているのが好ましい。図7に示されるように、薄肉部1Dと厚肉部1Cとの境界領域がスラスト方向における厚みがゆるやかに変化するように設けられている場合、すなわち、スラスト板部1Bの後側に位置する面は薄肉部1Dと厚肉部1Cとの間に曲面を有している場合には、凸部50はスラスト方向の前端側に位置する表面が当該曲面に沿うように設けられているのが好ましい。
図8に示されるように、凸部50は、回転軸1の回転方向Rにおいて、排気ポート19と連なるように形成されているのが好ましい。排気ポート19が回転方向Rに沿って互いに間隔を隔てて複数形成されている場合には、凸部50は各排気ポート19間を接続するように設けられているのが好ましい。なお、凸部50は、回転軸1の回転方向Rにおいて排気ポート19に隣接する部分にのみ連なるように形成されていてもよい。凸部50は、回転軸1のラジアル方向において、排気ポート19の外周側に位置する端部よりも内周側で、かつ排気ポート19の内周側に位置する端部よりも外周側に位置する隔壁22の前端側の表面22A上に形成されている(図7参照)。
実施の形態2に係るエアタービン駆動スピンドル110において、隔壁22は、回転軸1の回転方向Rにおいて排気ポート19(貫通孔)と連なるように形成されており、かつ、回転翼15側に向かって凸状に設けられている凸部50を有している。これにより、エアタービン駆動スピンドル110におけるラジアル方向における回転翼15と厚肉部1Cとの上記空間21は、スラスト方向において排気ポート19と面しておらず凸部50に面している一部領域と、スラスト方向において排気ポート19と面している他の一部領域とを有している。上記空間21の全周における体積は、凸部50の体積分だけ小さい。そのため、エアタービン駆動スピンドル110によれば、回転翼15に駆動用気体が供給されて回転軸1が回転されたときに、空間21において回転軸1とともに回転される駆動用気体の量を減じることができる。これにより、エアタービン駆動スピンドル100と比べて、エアタービン駆動スピンドル110は、回転軸1の回転効率の低下が大きく抑制されている。
図9は、実施の形態2に係るエアタービン駆動スピンドル110の変形例を説明するための図である。図9に示されるように、エアタービン駆動スピンドル110における排気ポート19は、スラスト方向から見た平面形状が円形状である複数の微小貫通孔部(たとえば第1微小貫通孔部19a,第2微小貫通孔部19b,第3微小貫通孔部19c,第4微小貫通孔部19d)を含んでいてもよい。すなわち、エアタービン駆動スピンドル110の排気ポート19は、図6に示される排気ポート19と同様の構成を備えていてもよい。この場合、凸部50は、第1微小貫通孔部19aと回転方向Rの進行側に連なるように設けられている。また、凸部50は、第4微小貫通孔部19dと回転方向Rの進行側とは後側に連なるように設けられている。隔壁22に複数の排気ポート19が形成されている場合、凸部50は、1つの排気ポート19における第1微小貫通孔部19aと、当該1つの排気ポート19と回転方向Rの進行側において隣り合う他の排気ポート19における第4微小貫通孔部19dとの間において、回転方向Rに沿って延びるように設けられているのが好ましい。
図10は、上記エアタービン駆動スピンドル100,110において、ノズル板6と隔壁22との固定方法の変形例を説明するための断面図である。図10に示されるように、隔壁22には、排気ポート19よりもラジアル方向の外周側において、後端側の表面22Bからスラスト方向の前端側の表面22Aに延びるように形成されている固定具用挿入孔62が形成されていてもよい。ノズル板6には、回転翼15とスラスト方向において重なる領域上に、後端側の表面6Bから当該表面6Bの反対側に位置する面まで達する固定具用貫通孔63が形成されている。ノズル板6に形成された固定具用貫通孔63および隔壁22に形成された固定具用挿入孔62は、表面6B側から固定具60が内部に挿入されたときに互いに固定可能に設けられている。固定具60は、たとえばねじとして構成されており、少なくとも固定具用挿入孔62の内周面には螺旋状に設けられたねじ溝が形成されている。これにより、隔壁22は、固定具60が固定具用貫通孔63および固定具用挿入孔62にねじ止めされることによりノズル板6にされ得る。
図11(a)は、上記エアタービン駆動スピンドル100,110において、ノズル板6と隔壁22との固定方法の他の変形例を説明するための断面図であり、図11(b)は図11(a)中の領域XI(b)の部分拡大図である。図11(a),(b)に示されるように、隔壁22のラジアル方向における外周端部には、ラジアル方向に凸状に設けられている凸部64が形成されていてもよい。この場合、ノズル板6において隔壁22と接続される部分(駆動用給気ノズル14が形成されている領域においては駆動用給気ノズル14よりもスラスト方向の後端側に位置する部分)に、ラジアル方向に凹状に設けられており、かつ隔壁22の凸部64と係合可能な凹部65が形成されている。これにより、隔壁22は、ノズル板6にはめ込まれることにより、ノズル板6に固定され得る。
また、上記エアタービン駆動スピンドル100,110において、隔壁22はノズル板6と別体として設けられているが、これに限られるものでは無い。図12は、上記エアタービン駆動スピンドル100,110における隔壁22の変形例を説明するための断面図である。図12に示されるように、隔壁22は、ノズル板6と一体として設けられていてもよい。隔壁22は、筐体におけるスラスト方向の後端側の表面(ノズル板6の表面6B)と、スラスト板部1Bおよび回転翼15とスラスト方向において対向するとともに、当該後端側の表面6Bよりスラスト板部1Bに近い位置に設けられている。このようにしても、隔壁22は上記空間21と排気空間20とを仕切っており、排気空間20はスラスト板部1Bと接していない。そのため、上記構成を備え隔壁22とノズル板6とが一体として設けられているエアタービン駆動スピンドルは、隔壁22とノズル板6とが別体として設けられているエアタービン駆動スピンドル100,110と同様の効果を奏することができる。
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。駆動用気体排気ポート19の長穴形状は、一端が太く他端が細い形状のものでも、第1〜第4の微小貫通孔部は、その数は4個に限られず、適宜設定すれば良いし、その大きさも同じでなくても大小の孔径を組合しても良く、機体の排気効率が良いように適宜採用できるものである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
本発明は、エアタービンにより回転駆動されるエアタービン駆動スピンドルに適用され、特に高速回転されるエアタービン駆動スピンドルに有利に適用される。
1 回転軸、1A 軸部、1B スラスト板部、1C 厚肉部、1D 薄肉部、2 ハウジングアッシ、3 ハウジング、4 軸受スリーブ、5 カバー、6 ノズル板、7 ジャーナル軸受、8 スラスト軸受、9 軸受気体供給口、10 軸受気体供給路、11 排気孔、12 駆動用気体給気口、13 駆動用給気路、13a,13b 給気路、14 駆動用給気ノズル、14a 第1ノズル、14b 第2ノズル、15 回転翼、16 磁石、17 第1貫通孔、19 駆動用気体排気ポート、19a 第1微小貫通孔部、19b 第2微小貫通孔部、19c 第3微小貫通孔部、19d 第4微小貫通孔部、20 排気空間、21 空間、22 隔壁、22E 外周端部、23 第4貫通孔、24 被検出部、25 第5貫通孔、26 第6貫通孔、27 第7貫通孔、28 後方壁部、29 固定具用貫通孔、50 凸部、60 固定具、61 固定具用挿入孔、100,110 エアタービン駆動スピンドル。

Claims (11)

  1. 軸部と、前記軸部に対しラジアル方向に延びるように形成されているスラスト板部とを含み、前記スラスト板部上にスラスト方向に延びるように形成されている複数の回転翼を有する回転軸と、
    前記回転軸を回転可能に収容している筐体と、
    前記筐体内において前記回転翼に向かって気体を噴出可能に設けられている給気部と、
    前記給気部から前記回転翼に供給された気体を排気可能に設けられている排気部とを備え、
    前記回転軸は、複数の前記回転翼が前記給気部から噴出された気体を受けることにより回転中心を中心として回転可能に設けられており、
    前記筐体は、前記スラスト方向において前記スラスト板部が位置する側である後端側の表面と、前記スラスト板部および前記回転翼と前記スラスト方向において対向するとともに、前記後端側の表面より前記スラスト板部に近い位置に設けられている隔壁とを含み、
    前記隔壁には貫通孔が形成されており、
    前記排気部は、前記貫通孔と、前記スラスト方向において前記貫通孔に対して前記後端側に位置する排気空間とを含む、エアタービン駆動スピンドル。
  2. 前記貫通孔は、前記隔壁上において、前記回転軸の前記回転中心から見て、少なくとも一部が前記給気部の位置する方向に重なる領域に形成されている、請求項1に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  3. 前記隔壁と前記スラスト板部において前記回転翼が形成されていない部分との距離は前記回転翼の前記スラスト方向における幅よりも短く、前記隔壁と前記回転翼との距離は、前記回転翼の前記スラスト方向における幅よりも短い、請求項1または請求項2に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  4. 前記スラスト方向から見た前記貫通孔の平面形状は、前記回転軸の回転方向に沿って延びる長穴形状である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  5. 前記貫通孔は、前記スラスト方向から見た平面形状が円形状である複数の微小貫通孔部を含んでいる、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  6. 前記給気部は、前記回転翼に面している給気口を含み、
    前記貫通孔は、前記隔壁上において、少なくとも前記回転軸の回転方向における進行側の前記給気口の一端と前記回転軸の回転中心とを結ぶ第1線分、および前記一端よりも前記回転方向における後側に位置する前記給気口の他端と前記回転軸の回転中心とを結ぶ第2線分のそれぞれと重なる位置に設けられている、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  7. 前記貫通孔は、前記隔壁上において、前記回転方向において前記第1線分と重なる位置から前記第2線分と重なる位置まで延びるように設けられている、請求項6に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  8. 前記給気口の一端は、前記回転方向における前記貫通孔の一端に対し前記回転方向に第1の距離を隔てて設けられており、
    前記給気口の他端は、前記回転方向における前記貫通孔の他端に対し前記回転方向と反対方向に第2の距離を隔てて設けられており、
    前記第1の距離は、前記第2の距離以上である、請求項6または請求項7に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  9. 前記隔壁は、前記回転軸の回転方向において前記貫通孔と連なるように形成されており、かつ、前記回転翼側に向かって凸状に設けられている凸部を有している、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  10. 前記筐体は、前記給気部を収容している収容部をさらに含み、
    前記隔壁は、前記収容部と一体として設けられている、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  11. 前記筐体は、前記給気部を収容する収容部をさらに含み、
    前記隔壁は、前記収容部と別体として設けられている、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のエアタービン駆動スピンドル。
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