JP6654003B2 - エアタービン駆動スピンドル - Google Patents

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Description

この発明は、精密加工機や静電塗装装置などに適用されるエアタービン駆動スピンドルに関し、特に回転軸を回転自在に保持しているハウジングアッシがOリングを用いて筐体に支持されているエアタービン駆動スピンドルに関する。
従来、精密加工機や静電塗装装置に用いられるエアタービン駆動スピンドルとして、回転軸と、回転軸の外周面を取り囲むように配置された軸受スリーブ(ハウジングアッシ)と、当該軸受スリーブを、Oリングを介して支持するハウジング(筐体)とを備えた静圧気体軸受スピンドルが知られている(たとえば、特開2008−138850号公報、特開平09−072338号公報参照)。
上記のようなエアタービン駆動スピンドルは、ハウジングアッシと筐体との間に隙間が形成されている。当該隙間は、スラスト方向およびラジアル方向に沿ってそれぞれ延びるように形成されている。当該隙間は、ハウジングアッシと筐体の設計自由度を大きくし、また、回転軸の振れ回り振動に伴う筐体に対するハウジングアッシの位置変動の許容値を大きくするために設けられている。Oリングは、当該隙間を気密シールし、また回転軸の振れ回り振動を減衰させるために設けられている。
上記のようなエアタービン駆動スピンドルにおいて、回転軸は、スラスト板部のラジアル方向における外周部から筐体に向かって突出する回転翼を有している。エアタービン駆動スピンドルの筐体内には、回転軸を回転駆動するための高圧の駆動用気体(圧縮空気など)を筐体の内外に給排気するための流通路が設けられている。当該流通路は筐体内において回転軸(回転翼および回転翼に隣接する部分)の周囲に形成されている。
また、筐体内において回転軸の周囲には上記流通路以外の他の空間も形成されている。たとえば、静電塗装装置の回転型霧化ヘッドに適用されるエアタービン駆動スピンドルでは、回転軸のラジアル方向における中心(軸中心)にスラスト方向に延びる貫通孔が形成されている。当該貫通孔は塗料噴射ノズルを挿入するためのものである。当該貫通孔内の空間と上記流通路とは、筐体内において回転軸の周囲に形成されるさらに別の空間(スラスト方向に対向する回転軸のスラスト板部と筐体との隙間に形成される空間)を介して接続されている。
特開2008−138850号公報 特開平09−072338号公報
ここで、駆動用気体の上記流通路は、筐体内において回転軸の周囲に形成される上記流通路以外の他の空間との間で気体の流通が抑制されているのが好ましい。これは、駆動用気体の上記流通路と上記他の空間との間で気体が容易に流通すると、回転軸に設けられた貫通孔内の圧力が高まる結果、たとえば静電塗装装置に適用されるエアタービン駆動スピンドルでは塗装品質に悪影響を及ぼすことが懸念されるためである。
上記気体の流通の抑制は、スラスト方向に対向する回転軸と筐体との隙間を小さく保つことにより形成される非接触シールにより実現される必要がある。これは、筐体内において回転軸は高速回転するためである。たとえば静電塗装装置に適用されるエアタービン駆動スピンドルの回転軸は、80000回転/分といった高速回転する。
しかしながら、上記エアタービン駆動スピンドルは、上述のように、ハウジングアッシと筐体との間の隙間がラジアル方向に沿って延びるように形成されているため、ハウジングアッシが筐体に対してスラスト方向にも相対的に移動可能に設けられている。そのため、ハウジングアッシが筐体に対してスラスト方向に相対的に移動すると、ハウジングアッシに支持されている回転軸も筐体に対してスラスト方向に相対的に移動する。このとき、スラスト方向に対向する回転軸と筐体との間隔が変動するため、非接触シールを維持することが困難であった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、ハウジングアッシの筐体に対する相対的な位置を変動可能としながらも、回転軸と筐体との間に高い気密性を有する非接触シールを備えるエアタービン駆動スピンドルを提供することにある。
本発明に係るエアタービン駆動スピンドルは、回転軸と、回転軸を回転自在に支持しているハウジングアッシと、回転軸およびハウジングアッシを収容する筐体とを備え、回転軸を回転駆動するための高圧の駆動用気体を筐体の内外に給排気するための流通路が筐体内に設けられている。筐体は、回転軸のスラスト方向に交差する方向に延びてハウジングアッシと接する基準面を含む。上記エアタービン駆動スピンドルは、基準面にハウジングアッシを付勢する弾性体をさらに備える。
本発明によれば、ハウジングアッシの筐体に対する相対的な位置を変動可能としながらも、回転軸と筐体との間に高い気密性を有する非接触シールを備えるエアタービン駆動スピンドルを提供することができる。
実施の形態1に係るエアタービン駆動スピンドルの断面図である。 図1中の線分II−IIから見た断面図である。 図2中の線分III−IIIから見た部分断面図である。 図1に示したエアタービン駆動スピンドルの回転軸先端にカップを取り付けた状態を示す断面図である。 図3に示したエアタービン駆動スピンドルの変形例を示す部分断面図である。 図3に示したエアタービン駆動スピンドルの他の変形例を示す部分断面図である。 実施の形態2に係るエアタービン駆動スピンドルの部分断面図である。 図7に示したエアタービン駆動スピンドルの変形例を示す部分断面図である。 図3に示したエアタービン駆動スピンドルのさらに他の変形例を示す部分断面図である。 図3に示したエアタービン駆動スピンドルのさらに他の変形例を示す部分断面図である。 図3に示したエアタービン駆動スピンドルのさらに他の変形例を示す部分断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
<エアタービン駆動スピンドルの構成>
図1〜図4を参照して、実施の形態1に係るエアタービン駆動スピンドル100について説明する。図1は、エアタービン駆動スピンドル100の断面図である。図2は、図1中の線分II−IIから見た断面図であり、回転軸1は図示していない。図3は、図2中の線分III−IIIから見たエアタービン駆動スピンドル100の基準状態を説明するための部分断面図である。図4は、エアタービン駆動スピンドル100を用いて構成された静電塗装装置の回転型霧化ヘッドの断面図である。
エアタービン駆動スピンドル100は、回転軸1と、回転軸1を回転可能に支持するハウジングアッシ2と、回転軸1およびハウジングアッシ2を収容する筐体とを備える。筐体は、ハウジングアッシ2の外周側に位置するカバー5と、回転軸1、ハウジングアッシ2、およびカバー5とスラスト方向において対向するように設けられているノズル板6とを含む。筐体(ノズル板6)は、回転軸1のスラスト方向に交差する方向に延びてハウジングアッシ2と接する基準面30を含む。エアタービン駆動スピンドル100は、基準面30にハウジングアッシ2を付勢する弾性体(第1のOリング28)をさらに備える。
回転軸1は、円筒形状を有する軸部1Aと、当該軸部1Aに対し回転軸1のラジアル方向に延びるように形成されているスラスト板部1Bとを含む。スラスト板部1Bは、回転軸1のスラスト方向における一方の端部に接続されている。以下、スラスト方向においてスラスト板部1Bが設けられている軸部1Aの上記一方の端部側を後側、スラスト方向においてスラスト板部1Bと反対側に位置する軸部1Aの他方の端部側を前側という。軸部1Aおよびスラスト板部1Bには、スラスト方向に延びる第1貫通孔17が形成されている。
スラスト板部1Bは、図3に示すように、ラジアル方向において外周側に位置する領域が中央側に位置する領域(厚肉部1C)よりもスラスト方向における厚みが薄い薄肉部1Dを有している。厚肉部1Cは上記第1貫通孔17を囲うように形成されている。薄肉部1Dは当該厚肉部1Cを囲うように形成されている。当該薄肉部1D上には、回転翼15がスラスト方向に延びるように形成されている。回転軸1は、図1に示すように、回転翼15が駆動用給気ノズル14(詳細は後述する)から噴出された気体を受けることにより、回転中心軸Aを中心として回転可能に設けられている。厚肉部1Cおよび薄肉部1Dの前側に位置する面は同一平面として構成されている。すなわち、スラスト板部1Bは前側に位置する平面を有している。
ハウジングアッシ2は、回転軸1の軸部1Aの外周面およびスラスト板部1Bの前側の平面の各一部に面しており軸部1Aの一部を囲むように形成されている軸受スリーブ4を含む。さらに、ハウジングアッシ2は、ラジアル方向において軸受スリーブ4よりも外周側に配置され、軸受スリーブ4と固定されているハウジング3を含む。ハウジング3を構成する材料は、たとえばアルミニウムまたはステンレスである。軸受スリーブ4を構成する材料は、たとえば銅合金、カーボン材、または樹脂である。
ハウジングアッシ2は、ハウジング3が第1のOリング28を介してカバー5とスラスト方向に接続されている。また、ハウジングアッシ2は、ハウジング3が第2のOリング27aおよび第3のOリング27bを介してカバー5とラジアル方向に接続されている。つまり、ハウジングアッシ2とカバー5とは、スラスト方向に互いに間隔を隔てて対向する部分と、ラジアル方向に互いに間隔を隔てて対向する部分とを有し、それぞれの部分において第1のOリング28、第2のOリング27aおよび第3のOリング27bを介して互いに接続されている。このとき、ハウジングアッシ2とカバー5との間には、第1のOリング28、第2のOリング27a、および第3のOリング27bによって互いに分断された隙間26が形成されている。さらに、ハウジングアッシ2は、ハウジング3が後述する基準面30とスラスト方向に接続されている。
ハウジング3は、円筒形状を有する軸部分と、当該軸部に対しラジアル方向に延びるように形成されているスラスト板部分とを含む。ハウジング3の外周面には、回転軸1の回転中心軸Aの周りを周回するように形成されている軸部分の円周面と、スラスト板部分の前側に位置する平面とが含まれている。ハウジング3の軸部分の円周面上には、回転中心軸Aの周りを周回するように2つの環状溝が形成されている。
カバー5の内周面には、ハウジング3の上記円周面とラジアル方向において対向するように形成されている円周面と、ハウジング3の上記スラスト板部分の前側に位置する平面とスラスト方向において対向するように形成されている平面とが含まれている。カバー5の当該平面上には、回転中心軸Aの周りを周回するように環状溝51が形成されている。
第1のOリング28は、図3に示すように、カバー5に形成された環状溝51の内部に配置されている。第1のOリング28は、前側に位置する部分が環状溝51の内周面と接しているとともに、後側に位置する部分がハウジング3の上記スラスト板部分の前側に位置する面と接している。第1のOリング28は、第2のOリング27aおよび第3のOリング27b(図1参照)よりも後側に配置されている。なお、ハウジング3のスラスト板部分の前側に位置する平面上には回転中心軸Aの周りを周回するように環状溝が形成されていてもよく、第1のOリング28は当該環状溝の内部に配置されていてもよい。
第2のOリング27aおよび第3のOリング27bは、図1に示すように、回転軸1の振れ回り振動を減衰するために設けられており、従来のエアタービン駆動スピンドルにおいて当該振れ回り振動を減衰するためのOリングと同様の構成を備えている。具体的には、第2のOリング27aおよび第3のOリング27bは、ラジアル方向の内周側に位置する部分がハウジング3に形成された2つの環状溝の内周面にそれぞれ接しているとともに、外周側に位置する部分がカバー5の内周面に接している。
第1のOリング28、第2のOリング27aおよび第3のOリング27bを構成する材料は、任意の弾性体であればよいが、好ましくは溶剤に対する耐性が高い材料であり、たとえばふっ素ゴムまたはパーフロロエラストマーである。当該材料は、より好ましくは導電性を有する弾性体であり、たとえば導電性シリコンゴムまたは導電性フッ素系ゴムなどである。このようにすれば、ハウジングアッシ2とカバー5との間で電位差が生じることを防止することができる。たとえば塗料に対して高電圧が印加される静電塗装装置に適用されるエアタービン駆動スピンドルにおいては、エアタービン駆動スピンドル内部での放電の発生を抑制することができる。
ノズル板6は、ハウジングアッシ2の後側に位置する面およびカバー5の後側に位置する面と接している前側に位置する面を含み、当該前側に位置する面の一部がハウジングアッシ2と接する基準面30として構成されている。図1および図2に示されるように、基準面30は、たとえばノズル板6の前側に位置する面上において、たとえば駆動用給気路13よりもラジアル方向の内周側に位置している。基準面30は、回転軸1の回転方向において、当該領域の一部上に形成されていればよいが、たとえば当該領域の全体に渡って形成されている。
基準面30およびハウジングアッシ2において基準面30に接触される面は、互いに高い摺動性を有しているのが好ましい。基準面30およびハウジングアッシ2において基準面30に接触される面の少なくともいずれかは、摺動性を向上させるための表面処理層(図示しない)が形成された面として構成されていてもよい。当該表面処理層は、ハウジングアッシ2またはノズル板6を構成する材料に応じて適宜選択され得るが、たとえばメッキ膜、アルマイト膜、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜、およびフッ素樹脂皮膜からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む。
ハウジング3には、スラスト板部1Bとスラスト方向において対向する領域に磁石16が配置されている。磁石16はスラスト板1B部に対して磁気力を印加可能に設けられている。磁石16は、たとえば永久磁石である。これにより磁石16はスラスト板部を磁気力により吸引する。磁石16は、たとえば回転翼15が形成されているスラスト板部の薄肉部1D(図1参照)とスラスト方向において対向するように設けられている。磁石16は、スラスト方向から見たときの平面形状がたとえば円環形状である。
ハウジングアッシ2およびカバー5は、回転軸1の軸部1Aと軸受スリーブ4との間および回転軸1のスラスト板部1Bと軸受スリーブ4との間にそれぞれ軸受隙間を形成可能に設けられている。また、ハウジングアッシ2およびカバー5は、当該軸受隙間に気体を供給可能に設けられている。具体的には、ハウジングアッシ2およびカバー5は、それぞれ軸受気体供給路10を有しており、それぞれの軸受気体供給路10は互いに接続されている。軸受気体供給路10は、その一方端がカバー5の外周面上の軸受気体供給口9と接続されており、他方端が回転軸1の軸部1Aと軸受スリーブ4との軸受隙間、および回転軸1のスラスト板部1Bと軸受スリーブ4との軸受隙間に接続されている。軸受気体供給路10において軸受隙間と接続されている部分の孔径は軸受気体供給口9の孔径よりも小さく、軸受気体供給路10において軸受隙間と接続されている部分にはいわゆる絞りが形成されている。回転軸1の軸部1Aと軸受スリーブ4との軸受隙間は、軸受気体供給口9から軸受気体供給路10に供給された気体が供給されることにより、ジャーナル軸受7を構成する。回転軸1のスラスト板部1Bと軸受スリーブ4との軸受隙間は、軸受気体供給口9から軸受気体供給路10に供給された気体が供給されることにより、磁石16とともに、スラスト軸受8を構成する。スラスト軸受8は、軸受気体供給口9から軸受気体供給路10に供給された気体が回転軸1のスラスト板部1Bと軸受スリーブ4との軸受隙間に供給されることによって生じる押圧力と、磁石16の吸引力とにより構成される。
カバー5とノズル板6とは固定されている。ノズル板6の内部には、回転軸1のスラスト板部上に形成されている回転翼15に駆動用気体が供給・排気される際に、駆動用気体が流通する流通路が形成されている。駆動用気体は、たとえば圧縮空気である。ノズル板6には、回転翼15に駆動用気体を供給するための駆動用給気路13および駆動用給気ノズル14が形成されている。駆動用給気路13は、その一方端がノズル板6の外周面上の駆動用気体給気口12と接続されており、他方端が駆動用給気ノズル14に接続されている。駆動用給気ノズル14は、回転翼15に対し、ラジアル方向において回転軸1の外側から内側に向かって駆動用気体を噴出可能に設けられている。駆動用給気路13および駆動用給気ノズル14は、たとえばノズル板6の前側に位置する面に対して後側に向かって凹んでいる凹部が、ハウジングアッシ2およびカバー5の後側に位置する面によって塞がれることにより構成されている。駆動用給気ノズル14は、上述のように、ノズル板6の前側に位置する面上において基準面30と回転中心軸Aの周方向に隣接している。駆動用給気路13および駆動用給気ノズル14は、たとえば回転方向において互いに間隔を隔てて複数形成されている。
ノズル板6の内部には、回転軸1のスラスト板部1Bよりも後側に位置し、スラスト板部1Bとスラスト方向において対向する隔壁22が設けられている。隔壁22は、ノズル板6において、駆動用給気ノズル14よりもラジアル方向の中央側に位置し、排気孔11よりも前側であって基準面30よりも後側に位置する部分に、回転軸1のスラスト板部1Bの後側の面と対向するように設けられている。ノズル板6および隔壁22には、駆動用給気ノズル14から回転翼15に供給された駆動用気体をスピンドルの外部に排気可能に設けられている駆動用気体排気ポート19、駆動用気体排気空間20、および排気孔11が形成されている。駆動用気体排気ポート19は隔壁22に形成されており、駆動用気体排気空間20はノズル板6と隔壁22との間に形成されている。
駆動用気体排気ポート19は、図3に示すように、回転軸1のスラスト板部1Bの薄肉部1Dと厚肉部1Cとの境界領域とスラスト方向に重なる位置に形成されているのが好ましい。スラスト板部1Bの薄肉部1Dと隔壁22とに挟まれており、かつ隣り合う回転翼15に挟まれている空間21は、駆動用給気ノズル14(図1参照)および駆動用気体排気ポート19とそれぞれ接続されている。厚肉部1Cと隔壁22とに挟まれている空間31は、ラジアル方向において上記空間21と第1貫通孔17内に形成される空間との間に位置し、これらを接続している。空間31のスラスト方向における幅(厚肉部1Cと隔壁22とのスラスト方向における間隔)は、空間21のスラスト方向における幅よりも狭い。
排気孔11は、ノズル板6において、駆動用給気路13(図1参照)および駆動用給気ノズル14(図1参照)よりもラジアル方向における中央側に形成されている。排気孔11は、駆動用気体排気空間20からノズル板6の外部に連通するように形成されている。ノズル板6において駆動用気体排気ポート19と排気孔11との間には駆動用気体排気空間20が形成されている。駆動用気体排気空間20は、回転軸1のスラスト板部1Bと隔壁22との間に形成される空間よりも体積が大きい。
ノズル板6および隔壁22には、さらにそれぞれ貫通孔が形成されている。図1に示すように、隔壁22には、ラジアル方向の中央側に位置し第1貫通孔17とスラスト方向に連なるように第2貫通孔23が形成されている。ノズル板6には、ラジアル方向の中央側に位置し第1貫通孔17および隔壁22の上記第2貫通孔23とスラスト方向に連なるように第3貫通孔24が形成されている。また、ノズル板6には、上記貫通孔よりもラジアル方向の外周側であって駆動用気体排気ポート19よりもラジアル方向の中央側に回転センサ挿入口18が形成されている。隔壁22には、回転センサ挿入口18とスラスト方向において重なる位置に回転センサ用貫通孔25が形成されている。上記回転センサ挿入口18および回転センサ用貫通孔25は、スラスト板部における被回転検出部とスラスト方向において対向するように形成されている。上記回転センサ挿入口18および回転センサ用貫通孔25は、被回転検出部に対してレーザ光などの光を照射し、反射光を得るための回転センサを配置するために形成されている。このような構成を備えることにより、上述したスピンドルでは回転軸1の回転数を光学的に測定することができる。
エアタービン駆動スピンドル100が静電塗装装置用に構成されている場合には、図4に示すように、回転軸1の前側の端部に円錐形のカップ40が取り付けられる。また、第1貫通孔17、第2貫通孔23および第3貫通孔24の内部にはカップ40に塗料を供給するための塗料供給管41が配置される。
<スピンドルの動作>
次に、本実施の形態に係るエアタービン駆動スピンドル100の動作について説明する。図示しないエアコンプレッサなどの駆動用気体供給源から供給された駆動用気体は、駆動用気体給気口12から駆動用給気路13を通じて駆動用給気ノズル14に供給される。駆動用給気ノズル14に供給された駆動用気体は、回転軸1のスラスト板部1Bの回転翼15に向けて、スラスト板部1Bの接線方向(回転方向)とほぼ平行な方向に沿って噴出される。回転翼15は噴出された駆動用気体を後方曲面部において受ける。このとき、回転翼15に噴出された駆動用気体は後方曲面部の外周側に到達し、後方曲面部に沿って流れることで向きを変えられ、駆動用気体排気ポート19から駆動用気体排気空間20に達して排気孔11から外部に排気される。回転翼15には駆動用気体に与えた力の反力が作用し、回転軸1のスラスト板部1Bは回転トルクを与えられる。これにより、回転軸1は回転方向に沿って回転する。回転軸1の回転数は、たとえば数万rpm以上とすることができる。つまり、上述したエアタービン駆動スピンドル100は、たとえば静電塗装機用スピンドルに好適である。
<作用効果>
背景技術の欄にて説明した従来のエアタービン駆動スピンドルでは、回転軸と筐体とのスラスト方向における間隔の変動を抑制することが困難であり、駆動用気体の上記流通路と筐体内の他の空間との間で気体の流通を抑制することが困難であった。
具体的には、たとえば静電塗装装置の回転型霧化ヘッドに適用されるエアタービン駆動スピンドルであれば、回転軸にはラジアル方向の中央部にスラスト方向に延びる貫通孔が形成されており、当該貫通孔内に塗料を供給するための塗料供給管が挿入される。上記駆動用気体の流通路と上記貫通孔内部の空間とは、ラジアル方向の中央部と外周部との間において回転軸と筐体との間に形成される空間により接続されている。そのため、上記流通路と、回転軸の上記貫通孔内部の空間とは、気体の流通が抑制されている必要がある。これは、回転軸の上記貫通孔内に駆動用気体が流入すると、カップの回転によって霧化されるべき塗料がカップに達した駆動用気体により押し出されてしまうため、塗料の霧化が均一に行われず、塗装品質が低下するという問題が生じるためである。
ここで、静電塗装装置に適用されるエアタービン駆動スピンドルは、上述のようにたとえば80000回転/分と高速回転するため、上記のような気密は非接触シールにより実現される必要がある。当該非接触シールは、上記流通路に含まれる回転軸と筐体との間の空間と、回転軸の上記貫通孔内部の空間との間を接続する、スラスト方向において間隔を隔てて対向する回転軸と筐体との隙間に形成される空間により、隙間シールとして構成されるのが好ましい。
しかし、従来のエアタービン駆動スピンドルでは、上述のようにハウジングアッシと筐体との間に隙間が形成されていることにより、その隙間の範囲でハウジングアッシが自由に移動し、ハウジングアッシ内に保持された回転軸も共に移動する。そのため、ハウジングアッシと筐体との隙間を確保しながら、回転軸と筐体とのスラスト方向における間隔の変動を抑制して、回転軸と筐体との間に形成される空間によって高い気密性を有する上記非接触シールを実現することは困難であった。
これに対し、エアタービン駆動スピンドル100は、回転軸1と、回転軸1を回転自在に支持しているハウジングアッシ2と、回転軸1およびハウジングアッシ2を収容する筐体(カバー5およびノズル板6)とを備える。筐体(ノズル板6)は、回転軸1のスラスト方向に交差する方向に延びてハウジングアッシ2と接する基準面30を含む。上記エアタービン駆動スピンドル100は、基準面30にハウジングアッシ2を付勢する弾性体(第1のOリング28)をさらに備える。上記エアタービン駆動スピンドル100において、弾性体(第1のOリング28)は、スラスト方向において基準面30と接するハウジングアッシ2の一部から見て、基準面30の位置する側と反対側において、ハウジングアッシ2とカバー5との間に配置されている。
そのため、上記エアタービン駆動スピンドル100は、第1のOリング28によってハウジングアッシ2がノズル板6の基準面30に付勢されて、両者が接している状態を基準状態として保持される。その結果、回転軸1とノズル板6とのスラスト方向における間隔、およびハウジングアッシ2とノズル板6とのスラスト方向における間隔が上記基準状態から変動することを抑制することができる。
具体的には、たとえば、回転軸1およびハウジングアッシ2が前側に向かう力を受けたとき、ハウジングアッシ2は弾性変形された第1のOリング28によって当該力を弱めるように(または打ち消すように)後側に付勢されるため、ハウジングアッシ2とノズル板6とのスラスト方向における間隔が上記基準状態から広がるように変動することを抑制することができる。また、回転軸1およびハウジングアッシ2が後側に向かう力を受けたときには、ハウジングアッシ2は基準面30に接しているために、ハウジングアッシ2とノズル板6とのスラスト方向における間隔が上記基準状態から狭まるように変動することを抑制することができる。
このとき、エアタービン駆動スピンドル100は、ハウジングアッシ2が上記のようなスラスト軸受8を含んでいるため、回転軸1とハウジングアッシ2とのスラスト方向における間隔の変動が抑制されている。そのため、ハウジングアッシ2とノズル板6とのスラスト方向における間隔の変動が抑制されていることにより、回転軸1とノズル板6とのスラスト方向における間隔の変動をより効果的に抑制することができる。そのため、回転軸1とノズル板6との間の空間31(厚肉部1Cと隔壁22とに挟まれている空間31)は、高い気密性を有する非接触シールとして機能することができる。これにより、空間31を介して接続される空間21と、カバー5およびノズル板6内において回転軸1の周囲に形成される他の空間(たとえば、回転軸1の第1の貫通孔17内の空間や、回転センサ用貫通孔25および回転センサ挿入口18内の空間)との間を、気密することができる。そのため、カバー5およびノズル板6内における駆動用気体の流れの変化を抑制することができる。
このようなエアタービン駆動スピンドル100は、静電塗装装置に用いられるエアタービン駆動スピンドルに特に有利に適用される。静電塗装装置の回転型霧化ヘッドに適用されたエアタービン駆動スピンドル100は、塗料の霧化を均一に行うことができ、高い塗装品質を実現できる。
また、図1および図3に示されるように、駆動用給気ノズル14の少なくとも一部が、ノズル板6に形成された凹部とハウジングアッシ2の後側に位置する面とにより囲まれた空間として構成されている場合には、ハウジングアッシ2とノズル板6とのスラスト方向における間隔の変動が抑制されていることにより、駆動用給気ノズル14の容積の変動を抑制することができる。その結果、エアタービン駆動スピンドル100は、回転軸1の回転数などについて高い制御性を有している。
また、エアタービン駆動スピンドル100において、上記基準状態は第1のOリング28により保持される。そのため、カバー5およびノズル板6の内部において回転軸1およびハウジングアッシ2を収容するための空間のスラスト方向の寸法の公差と、回転軸1およびハウジングアッシ2のスラスト方向の寸法の公差は、いずれも第1のOリング28がハウジングアッシ2を基準面30に付勢可能な限りにおいて、大きく取ることができる。つまり、これらの寸法のばらつきは、第1のOリング28の弾性変形量の変化として吸収可能な限りにおいて許容される。その結果、エアタービン駆動スピンドル100の製造コストを低減することができる。
<変形例1>
図5を参照して、ハウジングアッシ2は、基準面30と摺動可能に設けられている摺動部材32を含んでいてもよい。摺動部材32は、スラスト方向においてハウジング3とノズル板6との間に配置されている。言い換えると、ハウジング3とノズル板6とは、摺動部材32を介して接続されている。摺動部材32は、ハウジング3のスラスト板部分と摺動可能に設けられているのが好ましい。ハウジング3のスラスト板部分は、たとえば前側が後側よりもラジアル方向において凸状に形成されている。当該凸状に形成されている部分の後側に位置する面に摺動部材32の前側に位置する面が摺動可能に接続されているとともに、当該凸状に形成されている部分の後側に位置する面よりも後側に位置するスラスト板部分の外周面に摺動部材32の内周面が摺動可能に接続されている。摺動部材32は、磁石16よりもラジアル方向の外周側に配置されている。摺動部材32は、スラスト方向から見たときの平面形状がたとえば円環形状である。摺動部材32を構成する材料は、ハウジング3を構成する材料がノズル板6との間で高い摺動性を有する材料であればこれと同一であってもよく、たとえばアルミニウムまたはステンレスである。また、摺動部材32を構成する材料は、ハウジング3を構成する材料がノズル板6との間で摩擦抵抗が高い材料であれば、ハウジング3を構成する材料と異なる材料であってノズル板6との間で高い摺動性を有する材料であるのが好ましく、たとえばポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、カーボン材からなる群から選択される少なくとも1つである。
このようにしても、ハウジングアッシ2は、第1のOリング28によって後側に付勢されることにより摺動部材32がノズル板6の基準面30に接している状態を基準状態として保持される。そのため、エアタービン駆動スピンドル100と同様の効果を奏することができる。
さらに、摺動部材32はノズル板6に対して高い摺動性を有している。そのため、回転軸1およびハウジングアッシ2がカバー5およびノズル板6に対しラジアル方向に相対的に移動するような場合にも、当該相対的な移動を妨げることなくハウジングアッシ2とノズル板6とが接触した上記基準状態を維持することができる。たとえば回転軸1が回転駆動されることによって回転軸1およびハウジングアッシ2がカバー5およびノズル板6に対して相対的に振動するときにも、摺動部材32とノズル板6とは容易に摺動することができる。そのため、回転軸1およびハウジングアッシ2が第2のOリング27aおよび第3のOリング27b(図1参照)によってカバー5に対してラジアル方向に弾性支持されていれば、第2のOリング27aおよび第3のOリング27bによる上記振動の減衰効果を十分大きくすることができる。また、摺動部材32がノズル板6の基準面30と繰り返し摺動しても、摺動部材32およびノズル板6の摩耗を抑制することができる。
また、摺動部材32は、ハウジング3およびノズル板6に対する摺動性を向上させるための表面処理層(図示しない)を含んでいてもよい。当該表面処理層は、ハウジング3およびノズル板6を構成する材料に応じて適宜選択され得るが、たとえばメッキ膜、アルマイト膜、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜、およびフッ素樹脂皮膜からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む。また、摺動部材32は、ハウジングアッシ2を構成する他の部材と摺動可能に設けられていればよく、磁石16と摺動可能に設けられていてもよい。
<変形例2>
図6を参照して、第1のOリング28は、ハウジング3の軸部分の前側に位置する面とカバー5の前側においてハウジング3の上記面と対向する面との間に配置されていてもよい。異なる観点から言えば、第1のOリング28は、第2のOリング27a、第3のOリング27bよりも前側に配置されていれもよい。このようにしても、第1のOリング28は、スラスト方向において基準面30と接するハウジングアッシ2の一部から見て、基準面30の位置する側と反対側において、ハウジングアッシ2とカバー5との間に配置されている。そのため、第1のOリング28は、基準面30にハウジングアッシ2を付勢することができる。その結果、図6に示されるエアタービン駆動スピンドルによれば、図1〜図4に示されるエアタービン駆動スピンドル100と同様の作用効果を奏することができる。
(実施の形態2)
次に、図7を参照して、実施の形態2に係るエアタービン駆動スピンドル101について説明する。エアタービン駆動スピンドル101は、基本的には実施の形態1に係るエアタービン駆動スピンドル100と同様の構成を備えるが、カバー5が基準面30を有し、基準面30にハウジングアッシ2を付勢する第4のOリング29(弾性体)を備えている点で異なる。
カバー5は、ハウジングアッシ2を挟んでノズル板6と対向するように設けられている部分の後側に位置する面を含み、当該後側に位置する面上においてラジアル方向の内周側に位置する領域が基準面30として構成されている。基準面30は、カバー5の後側に位置する面上において、ラジアル方向の内周側に位置する領域上に形成されている。基準面30は、回転中心軸A(図1参照)の周方向において、当該領域の全体に渡って形成されている。
エアタービン駆動スピンドル101は、ハウジングアッシ2とノズル板6との間に配置され、ハウジングアッシ2およびノズル板6と摺動可能に設けられている摺動部材33をさらに備える。摺動部材33は、エアタービン駆動スピンドル100における摺動部材32(図5参照)と基本的には同様の構成を備えるが、その前側に位置する部分が第4のOリング29を介してハウジング3と接続されており、かつ後側に位置する部分が基準面30を含まないノズル板6に接している点で異なる。
ハウジング3、摺動部材33、および第4のOリング29は、それぞれ互いに摺動可能に接続されている。第4のOリング29は、前側に位置する部分がハウジング3のスラスト板部分において基準面30に接する前側に位置する面よりも後側に位置する面に接している。第4のOリング29の後側に位置する部分は、摺動部材33においてノズル板6に接する後側に位置する面よりも前側に位置する面に接している。言い換えると、第4のOリング29は、スラスト方向において基準面30と接するハウジングアッシ2の一部から見て、基準面30の位置する側と反対側において、ハウジングアッシ2と摺動部材33との間に配置されている。
摺動部材33は、スラスト方向から見たときの平面形状がたとえば円環形状である。摺動部材33の前側に位置する部分は、第4のOリング29の後側に位置する部分と接する領域と、第4のOリング29のラジアル方向の外周側に位置する部分と接する領域とを含む。つまり、第4のOリング29は、ラジアル方向およびスラスト方向において、ハウジング3と摺動部材33との間に配置されている。
摺動部材33を構成する材料は、ハウジング3を構成する材料がノズル板6との間で高い摺動性を有する材料であればハウジング3を構成する材料と同一であってもよく、たとえばアルミニウムまたはステンレスである。また、摺動部材33を構成する材料は、ハウジング3を構成する材料がカバー5との間で摩擦抵抗が高い材料であれば、ハウジング3を構成する材料と異なる材料であってカバー5との間で高い摺動性を有する材料であるのが好ましく、たとえばポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、カーボン材からなる群から選択される少なくとも1つである。
ノズル板6の前側に位置する面は、摺動部材33およびカバー5の後側に位置する面とそれぞれ接している。
このようにすれば、第4のOリング29によって、ハウジングアッシ2がカバー5の基準面30に接している状態を基準状態として維持できる。その結果、ハウジングアッシ2とノズル板6とのスラスト方向における間隔が上記基準状態から変動することを抑制することができる。
また、たとえば、回転軸1およびハウジングアッシ2が前側に向かう力を受けたときには、当該力によってハウジングアッシ2が基準面30に付勢されるため、ハウジングアッシ2がカバー5の基準面30に接している状態が維持される。また、回転軸1およびハウジングアッシ2が後側に向かう力を受けたときには、摺動部材33がノズル板6と接している状態が維持されるとともに、ハウジングアッシ2は第4のOリング29によって当該力を弱めるように(または打ち消すように)前側に付勢される。そのため、ハウジングアッシ2とノズル板6とのスラスト方向における間隔が上記基準状態から狭くなるように変動することを抑制することができる。そのため、エアタービン駆動スピンドル101は、エアタービン駆動スピンドル100と同様に、回転軸1とノズル板6との間の空間31(スラスト板部1Bの厚肉部1Cと隔壁22とに挟まれている空間31)は、高い気密性を有する非接触シールとして機能することができる。
なお、回転軸1が駆動用気体の供給を受けて回転駆動されているときには、回転軸1およびハウジングアッシ2の後側に大気圧よりも高い圧力の駆動用気体の流通路が形成されることにより、回転軸1およびハウジングアッシ2は前側に向かう力を受けている。そのため、上記第1のOリング28(図1参照)は、当該力を弱めるように(または打ち消すように)ハウジングアッシ2を後側に付勢する必要があるため、弾性限界が大きい材料で構成されているのが好ましい。これに対し、第4のOリング29は、当該力を弱めるように摺動部材33のみを後側に付勢すればよい。また、回転軸1およびハウジングアッシ2は後側に向かう力も受け得るが、上記回転駆動時において当該力は上記前側に向かう力によって弱められ、または打ち消され得る。そのため、第4のOリング29は、第1のOリング28と比べて弾性限界が小さい材料で構成され得る。
<変形例3>
図8を参照して、エアタービン駆動スピンドル101において、ハウジングアッシ2は、基準面30と摺動可能に設けられている摺動部材32をさらに含んでいてもよい。摺動部材32は、図5に示す上述したエアタービン駆動スピンドル100における摺動部材32と基本的には同様の構成を備える。エアタービン駆動スピンドル101における摺動部材32は、スラスト方向においてカバー5とハウジング3との間に配置されている。言い換えると、ハウジング3とカバー5とは、摺動部材32を介して接続されている。摺動部材32は、ハウジング3のスラスト板部分と摺動可能に設けられているのが好ましい。
このようにしても、ハウジングアッシ2は、第4のOリング29によって前側に付勢されることにより摺動部材32がカバー5の基準面30に接している状態を基準状態として保持される。そのため、エアタービン駆動スピンドル101と同様の効果を奏することができる。
さらに、摺動部材32はカバー5に対して高い摺動性を有している。そのため、上述のように、回転軸1およびハウジングアッシ2が第2のOリング27aおよび第3のOリング27bによってカバー5に対してラジアル方向に弾性支持されていれば、第2のOリング27aおよび第3のOリング27b(図1参照)による上記振動の減衰効果を十分大きくすることができる。また、摺動部材32がカバー5の基準面30と繰り返し摺動しても、摺動部材32およびノズル板6の摩耗を抑制することができる。
<変形例4>
エアタービン駆動スピンドル100において基準面30にハウジングアッシ2を付勢する弾性体は第1のOリング28であり、エアタービン駆動スピンドル101における当該弾性体は第4のOリング29であるが、これに限られるものでは無い。図9を参照して、上記弾性体は、ばね28として構成されていてもよい。ばね28はたとえばコイルばねである。ノズル板6に含まれる基準面30にハウジングアッシ2を付勢するばね28は、その前側に位置する一端がカバー5の後側に位置する面上に形成されている挿入孔52に嵌め込まれており、その後側に位置する他端がハウジング3の前側に位置する面と接している。この場合、ばね28の当該他端は、ハウジング3との間で摺動性を有するように設けられているのが好ましい。ばね28を構成する材料がハウジング3との間で摺動性を有する材料であってもよいし、ばね28の上記他端が上述した表面処理層で被覆されていてもよい。
<変形例5>
図10を参照して、エアタービン駆動スピンドル100,101において、ノズル板6は、回転軸1のスラスト板部1Bの厚肉部1Cと空間31を挟んでスラスト方向に対向する領域に軸受スリーブ34を含んでいてもよい。エアタービン駆動スピンドル100,101は、上述のように、回転軸1とノズル板6とのスラスト方向における間隔の変動が抑制されている。そのため、スラスト板部1Bの厚肉部1Cとノズル板6の軸受スリーブ34とに挟まれている空間31は、軸受隙間を構成し得る。当該軸受隙間、および回転軸1の前側に形成された回転軸1と軸受スリーブ4との軸受隙間は、それぞれ気体が供給されることにより、磁石16とともに、スラスト軸受8を構成し得る。スラスト軸受8は、軸受気体供給口9(図1参照)から軸受気体供給路10に供給された気体が回転軸1のスラスト板部1Bと軸受スリーブ4との軸受隙間、および回転軸1のスラスト板部1Bの厚肉部1Cと軸受スリーブ34との軸受隙間に供給されることによって生じる押圧力と、磁石16の吸引力とにより構成される。
ノズル板6は、回転軸1のスラスト板部1Bの厚肉部1Cと軸受スリーブ34との軸受隙間に気体を供給するための軸受気体供給路10を含んでいる。軸受気体供給路10は、たとえばカバー5内に設けられている軸受気体供給路10と接続されている。軸受気体供給路10は、その一方端がカバー5の外周面上の軸受気体供給口9(図1参照)と接続されており、他方端がスラスト板部1Bの厚肉部1Cと軸受スリーブ34との軸受隙間に接続されている。軸受気体供給路10において当該軸受隙間と接続されている部分の孔径は軸受気体供給口9(図1参照)の孔径よりも小さく、軸受気体供給路10において軸受隙間と接続されている部分にはいわゆる絞りが形成されている。なお、ノズル板6において、軸受気体供給路10は、回転中心軸Aの周方向において駆動用給気路13および駆動用給気ノズル14(図2参照)と重ならない位置に設けられていればよい。
このようにすれば、回転軸1は、スラスト軸受8によりスラスト方向の前後において支持されている。そのため、このようなエアタービン駆動スピンドルは、回転軸1に対し前側にのみ設けられているスラスト軸受8を備えるエアタービン駆動スピンドル100と比べて、スラスト方向における回転軸1の位置の変化をより抑制することができ、回転軸1をより安定して高速回転させることができる。また、上記エアタービン駆動スピンドルは、エアタービン駆動スピンドル100と比べて回転軸1とノズル板6とのスラスト方向における間隔の変動が抑制されている。ため、空間31はさらに高い気密性を有する非接触シールを構成することができる。
<変形例6>
図11を参照して、エアタービン駆動スピンドル100,101は、ノズル板6が軸受スリーブ34を含む場合、ハウジングアッシ2が磁石16(図10参照)を備えていてなくてもよい。
このようにしても、スラスト軸受8は、スラスト板部1Bの厚肉部1Cとノズル板6の軸受スリーブ34とに挟まれている軸受隙間および回転軸1の前側に形成された回転軸1と軸受スリーブ4との軸受隙間のそれぞれに気体が供給されることにより構成され得る。そのため、このようなスラスト軸受8を備えるエアタービン駆動スピンドルは、エアタービン駆動スピンドル100,101と同様の効果を奏することができる。
なお、上述した実施の形態および上記変形例の各々の構成は、互いに組み合わせて使用され得る。今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなく特許請求の範囲によって表され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明は、静電塗装装置などに用いられるエアタービン駆動スピンドルに特に有利に適用される。
1 回転軸、1A 軸部、1B スラスト板部、1C 厚肉部、1D 薄肉部、2 ハウジングアッシ、3 ハウジング、4,34 軸受スリーブ、5 カバー、6 ノズル板、7 ジャーナル軸受、8 スラスト軸受、9 軸受気体供給口、10 軸受気体供給路、11 排気孔、12 駆動用気体給気口、13 駆動用給気路、14 駆動用給気ノズル、15 回転翼、16 磁石、17 第1貫通孔、18 回転センサ挿入口、19 駆動用気体排気ポート、20 駆動用気体排気空間、22 隔壁、23 第2貫通孔、24 第3貫通孔、25 回転センサ用貫通孔、26 隙間、27a,27b Oリング、28 第1のOリング(弾性体),ばね(弾性体)、29 第4のOリング(弾性体)、30 基準面、32,33 摺動部材、40 カップ、41 塗料供給管、51 環状溝、52 挿入孔、100,101 エアタービン駆動スピンドル。

Claims (7)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸を回転自在に支持しているハウジングアッシと、
    前記回転軸および前記ハウジングアッシを収容する筐体とを備え、
    前記回転軸を回転駆動するための高圧の駆動用気体を前記筐体の内外に給排気するための流通路が前記筐体内に設けられているエアタービン駆動スピンドルにおいて、
    前記筐体は、前記回転軸のスラスト方向に交差する方向に延びて前記ハウジングアッシと接する基準面を含み、
    前記基準面に前記ハウジングアッシを付勢する弾性体をさらに備え、
    前記筐体は、前記ハウジングアッシの外周面の少なくとも一部を取り囲むカバーと、前記回転軸、前記ハウジングアッシ、および前記カバーと前記スラスト方向において対向するように設けられているノズル板とを含み、
    前記カバーは前記基準面を有し、
    前記ハウジングアッシと前記ノズル板との間に配置され、前記ハウジングアッシおよび前記ノズル板と摺動可能に設けられている摺動部材をさらに備え、
    前記弾性体は、前記スラスト方向において前記基準面と接する前記ハウジングアッシの一部から見て、前記基準面の位置する側と反対側において、前記ハウジングアッシと前記摺動部材との間に配置されている、エアタービン駆動スピンドル。
  2. 前記摺動部材は、メッキ膜、アルマイト膜、ダイヤモンドライクカーボン膜、およびフッ素樹脂皮膜からなる群から選択される少なくともいずれか1つの表面処理層を含む、請求項1に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  3. 前記摺動部材を構成する材料は、前記ハウジングアッシを構成する材料と同一である、請求項1または2に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  4. 前記摺動部材を構成する材料は、前記ハウジングアッシを構成する材料と異なる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  5. 前記摺動部材を構成する材料は、樹脂である、請求項4に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  6. 前記摺動部材を構成する材料は、カーボン材である、請求項4に記載のエアタービン駆動スピンドル。
  7. 前記弾性体は、Oリングまたはばねである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアタービン駆動スピンドル。
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