JP6621250B2 - ポリカルボン酸系重合体水溶液及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明はそして、上記ポリカルボン酸系重合体水溶液と無機粒子とを含む無機粒子分散体でもある。
以下に本発明を詳述する。以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も本発明の好ましい形態である。
本発明のポリカルボン酸系重合体水溶液(単に「重合体水溶液」とも称す)は、ポリカルボン酸系重合体を1種又は2種以上含む。必要に応じて、ポリカルボン酸系重合体以外の成分(「他の成分」とも称す)を1種又は2種以上含んでいてもよい。重合体水溶液中のポリカルボン酸系重合体の割合は特に限定されないが、例えば、重合体水溶液100質量%に対し、80質量%以上であることが好ましい。より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。また、上限は100質量%でもよいが、100質量%未満でもよく、99質量%以下であることが好ましい。
ポリカルボン酸系重合体は、エチレン性不飽和カルボン酸の周期表第2族元素の水酸化物による部分中和物に由来する構成単位を有する。
ここで、当該部分中和物に由来する構成単位とは、エチレン性不飽和カルボン酸が有する炭素炭素二重結合(C=C)が単結合(C−C)となった構造を意味する。なお、この構成単位を構成するエチレン性不飽和カルボン酸や、周期表第2族元素の水酸化物等の中和剤成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
なお、上記部分中和物が周期表第2族元素の水酸化物のみにより中和されたものである場合、すなわち他のアルカリ成分による中和率が0モル%である場合は、経時的に安定して高分散性を発揮できるという本発明の作用効果が最も発揮されることになる。
エチレン性不飽和カルボン酸は、エチレン性不飽和二重結合(C=C)とカルボキシル基(COOH)とをそれぞれ1又は2以上有する化合物であれば特に限定されるものではない。中でも、1分子中に1つのカルボキシル基を含むモノカルボン酸;1分子中に2つのカルボキシル基を含むジカルボン酸;が好適である。この場合、本発明の重合体水溶液は、より高い分散性能を発揮できる。
周期表第2族元素の水酸化物としては特に限定されず、例えば、水酸化ベリリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。中でも、入手容易性や反応性等の観点から、水酸化カルシウム、水酸化バリウムが好ましく、より好ましくは水酸化カルシウムである。
本明細書中、周期表第2族元素の水酸化物の平均粒径(平均一次粒子径)は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
本明細書中、塩酸不溶分濃度は、後述する実施例に記載の方法にて求めることができる。
周期表第2族元素の水酸化物以外のアルカリ成分(他のアルカリ成分とも称す)としては特に限定されないが、例えば、アルカリ金属化合物、アンモニア、有機アミン等が挙げられる。アルカリ金属化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩が好ましく、塩として、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸塩、アルミン酸塩、有機アミン塩等が挙げられる。有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン;エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のポリアミン基;等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属水酸化物が好ましく、より好ましくは水酸化ナトリウムである。
なお、他のアルカリ成分は、1種又は2種以上を使用することができる。
ここで、当該他の単量体単位とは、他の単量体が有する炭素炭素二重結合(C=C)が単結合(C−C)となった構造を意味する。
本明細書中、重量平均分子量及び数平均分子量は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
本発明の重合体水溶液は、更に、リン化合物を含むことが好ましい。これにより、経時的に安定して高分散性を発揮するという本発明の作用効果をより一層発揮することができる。中でも、リン化合物の含有量は、重合体水溶液の総量100質量%に対し、0.1〜10質量%であることが好ましい。すなわち上記ポリカルボン酸系重合体水溶液は、該重合体水溶液100質量%に対し、リン化合物を0.1〜10質量%含むことが好適である。リン化合物の含有量の上限は、より好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下であり、下限は、より好ましくは0.4質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上である。
本明細書中、リン化合物の含有量は、後述する実施例に記載の方法のように、仕込み量から求めることができる。その他、以下の陰イオン濃度分析法により求めることもできる。
陰イオン濃度分析は、下記条件にてイオンクロマト分析を行い、次亜リン酸イオン及び亜リン酸イオン量を測定し、それぞれ、溶液中の溶存次亜リン酸Na塩及び亜リン酸Na塩に換算することが可能である。
装置 :Metrohm社製(762 Interface)
検出器 :Metrohm社製(732 IC Detecter)
イオン分析方式:サプレッサー法
カラム :Shodex IC SI−90 4E
ガードカラム :Shodex SI−90 G
カラム温度 :40℃
溶離液 :NaHCO3水(2gを水で2000gに希釈)
流速 :1.0mL/min
なお、次亜リン酸(塩)には、次亜リン酸塩の水和物も含むものとする。
本発明の重合体水溶液は、上述した部分中和物を含む単量体成分を重合して得られるものであることが好ましい。具体的には、エチレン性不飽和カルボン酸を部分的に周期表第2族元素の水酸化物で中和する中和工程と、該中和工程で得られる周期表第2族元素の水酸化物による部分中和物を含む単量体成分を重合する重合工程とを含む製造方法によって得ることが好ましい。この製造方法を用いれば、本発明の重合体水溶液を簡便かつ容易に製造することができる。このような製造方法は、本発明の1つである。なお、通常の重合体製造時に行われる他の工程を1又は2以上含んでもよい。
以下、各工程について更に説明する。
中和工程は、エチレン性不飽和カルボン酸を部分的に周期表第2族元素の水酸化物で中和する工程である。この際、周期表第2族元素の水酸化物による中和率を20〜70モル%に設定する。この中和率になるよう中和したエチレン性不飽和カルボン酸を後の重合工程に供することで、初期分散性と経時的な分散性との両方に極めて優れる重合体水溶液を与えることが可能になる。上記中和率は、好ましくは25モル%以上、より好ましくは30モル%以上であり、更に好ましくは35モル%以上であり、また、好ましくは65モル%以下、更に好ましくは60モル%以下であり、特に好ましくは55モル%以下である。
周期表第2族元素の水酸化物及びエチレン性不飽和カルボン酸は上述したとおりである。
重合工程は、上記中和工程で得られる周期表第2族元素の水酸化物による部分中和物を含む単量体成分を重合する重合工程である。この単量体成分は、当該部分中和物を1種又は2種以上含むものであればよいが、必要に応じ、更に他の単量体を1種又は2種以上含んでもよい。当該部分中和物及び他の単量体については上述したとおりである。
なお、塩としては特に限定されず、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が例示される。
なお、塩としては特に限定されず、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が例示される。
上記溶媒としては、水;有機溶剤;水と有機溶剤との混合溶媒;が挙げられる。有機溶剤としては特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等の低級ケトン類;ジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアルデヒド等のアミド類;等が挙げられる。中でも、水を含むこと、すなわち、水、又は、水と有機溶剤との混合溶媒が好適である。より好ましくは、溶媒の総量100質量%に対して水を50質量%以上含むことであり、更に好ましくは80質量%以上含むこと、特に好ましくは90質量%以上含むことである。最も好ましい溶媒は水である。
上記製造方法はまた、その他の工程等を1又は2以上含んでもよい。例えば、熟成工程、重合後の中和工程、重合開始剤や連鎖移動剤の失活工程、希釈工程、乾燥工程、濃縮工程、精製工程等が挙げられる。
なお、重合中に周期表第2族元素の水酸化物を用いて中和すると、不溶分が発生し、重合を継続することができないことがあるため、重合中には周期表第2族元素の水酸化物を用いた中和反応を行わないことが好適である。
本発明のポリカルボン酸系重合体水溶液は、上述したように経時的に安定して高分散性を発揮することができるため、分散剤用途に用いることが特に有用である。このように上記ポリカルボン酸系重合体水溶液を含む分散剤もまた、本発明の1つである。また、本発明の分散剤を用いれば、低粘度で粘性の経時安定性を有し、かつ高濃度の無機粒子分散体を得ることが可能となる。このような上記ポリカルボン酸系重合体水溶液と無機粒子とを含む無機粒子分散体は、本発明の1つである。
なお、本発明の分散剤は、無機物質を粉砕して無機微粒子を製造する際の粉砕助剤として使用することもできる。
本発明の分散剤は、上述した本発明のポリカルボン酸系重合体水溶液を含むが、必要に応じ、他の配合剤として、縮合リン酸及びその塩、ホスホン酸及びその塩、ポリビニルアルコール等を含んでいてもよい。各含有成分はそれぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
本発明の無機粒子分散体(「無機粒子スラリー」とも称す)は、上述したポリカルボン酸系重合体、水及び無機粒子を含むが、必要に応じて、上述した他の配合剤等を含んでもよい。各含有成分はそれぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
無機粒子の平均粒径(平均一次粒子径)は、例えば、レーザー粒度分布計又はX線検出器を有する粒度分布計にて計測された粒径である。
本明細書中、分散体(スラリー)の粘度及び固形分濃度は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
なお、物性等は、以下の測定方法に従って測定した。
(1)平均粒径(平均一次粒子径)の測定方法
日立社製のレーザー式粒度分布測定装置LA−950V2にて測定した。
「JIS K8001(1998年)5.3不溶分(3)」の方法を参考に分析した。
具体的には、以下の手順で分析を行った。
1)試料74.1gと水200gとを、撹拌装置を有する1Lセパラブルフラスコに測り取り、撹拌翼にてウォーターバスで50℃に加熱する。
2)ここに、撹拌しながら滴下漏斗より35%塩酸250gを加えて加熱して溶かし、水75gを加え冷却する。
3)この溶液を、吸引瓶を用いて、ポアサイズ0.45μmのメンブレンフィルターを通して濾過する。
4)そして、このメンブレンフィルターを適当なサイズのシャーレに高温乾燥機にて105℃で恒量になるまで乾燥して、残渣の質量を求める。
計算式は、以下の通りとなる。
塩酸不溶分濃度=[残渣の質量(g)]÷[試料質量:74.1g]×100(質量%)
(1)重合体水溶液の固形分測定方法
試験例1〜5では、130℃に加熱したオーブンで重合体水溶液(重合体1g+水3g)を1.5時間放置して乾燥処理した。試験例6、7では、170℃に加熱したオーブンで重合体水溶液(重合体1g+水3g)を1時間放置して乾燥処理した。それぞれ乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と揮発成分(%)とを算出した。
重合体の重量平均分子量及び数平均分子量の測定は、下記条件で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて行った。
装置:東ソー社製、TOSOH ECOSEC HLC−8320GPC
検出器:HITACHI RI Detector L−2490
カラム:東ソー社製、TSK−GEL G3000PWXL
カラム温度:40℃
流速:0.5mL/min
検量線:創和科学社製、POLY SODIUM ACRYLATE STANDARD
溶離液:リン酸二水素ナトリウム12水和物/リン酸水素二ナトリウム2水和物(34.5g/46.2g)の混合物を純水にて5000gに希釈した溶液。
有効成分値は、重合して得られた各重合体のカルボキシル基濃度として、平沼産業社製の自動滴定装置COM−1500にて測定し、算出した。
具体的にいうと、まず1N水酸化ナトリウム水溶液で重合体中のカルボン酸(カルボキシル基)を完全に中和した後、1N塩酸水溶液にて滴定曲線を作成し、その曲線の第2変曲点と第1変曲点との差(1N塩酸水溶液量)から、以下のように算出した。
有効成分値(%)=9.4×(第2変曲点での1N塩酸量(質量)−第1変曲点での1N塩酸量(質量))×塩酸力価/分析物量(質量)
なお、分析物量とは、分析した重合体水溶液の質量を表す。
重合体水溶液を得るための総仕込量を100質量%としたときの、リン化合物(試験例1〜7ではホスフィン酸ナトリウム)の固形分総量を「リン化合物の含有量」とした。
具体的にいうと、例えば、試験例1では、45%SHPを合計で90g使用し、総仕込量は2476gであり、また、SHP(ホスフィン酸ナトリウム・1水和物)の分子量は106、SHPのうち結晶水を除いた部分の分子量は88であるから、「1.36%(={90g×0.45×(88/106)}÷2476g×100(%))」となる。
(1)スラリー中の粒子の平均粒径(平均一次粒子径)の測定方法
日立社製のレーザー式粒度分布測定装置LA−950V2にて測定した。
市販の重質炭酸カルシウム粉体(丸尾カルシウム社製)200部(スラリー液全仕込量100%に対し、76.3%)を、500mlのSUS製容器に投入し、ガラス製四つ口セパラブルフラスコの蓋上部の一番広い口に撹拌シールを取り付けたものに3段ピンを装着したSUS製撹拌翼を装着し、残りの口はシリコーンゴム栓で蓋をして、SUS製容器とガラス製蓋上部とを固定用の止め具で3箇所固定する。このSUS製撹拌翼と強力な撹拌モーターとを接続し、粉砕途中で絡まないように容器全体を支柱にしっかりと固定した。
回収したスラリーの粘度を1時間25℃で保管した後、B型粘度計(回転子No.4、60rpm)で5分後の粘度を測定した(スラリー初期粘度)。なお、回収したスラリーは、測定直前まで25℃の環境下で保存した。
このサンプルを24時間又は168時間、25℃で保存した後、B型粘度計(回転子No.4、60rpm)で5分後の粘度を測定した(スラリー経時粘度)。
空気雰囲気下、150℃に加熱したオーブンでスラリーを0.5時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)を算出した。
2Lセパラブルフラスコに、アルドリッチ社製の水酸化カルシウム粉体(SAJ特級、平均粒径:15μm、塩酸不溶分濃度:0.03%以下)及びイオン交換水を表1に示す量だけ仕込み、撹拌しながら、80%アクリル酸水溶液(「80%AA」とも称す)を表に示す量だけ1時間かけて滴下し、10分撹拌した。このようにして調製体(1)を得た。
表1に示す処方としたこと以外は調製例1と同様に行い、調製体をそれぞれ得た。
調製例1において、アルドリッチ社製の水酸化カルシウム粉体に代えて、和光純薬社製の水酸化カルシウム粉体(試薬特級、平均粒径:75μm、塩酸不溶分濃度:0.1%以下)、ナカライテスク社製の水酸化カルシウム粉体(特級、平均粒径:75μm)、及び、奥多摩工業社製の水酸化カルシウム粉体(タマエースU(特号)、平均粒径:75μm)をそれぞれ用い、このそれぞれに80%AAを滴下したところ、いずれもダマが発生して、調製体を得ることが困難であった。
2.5Lセパラブルフラスコにイオン交換水600gを仕込み、撹拌しながら沸点を維持するよう加熱した。その条件下で、調製例1で得た調製体(1)1006gを180分間、45%ホスフィン酸ナトリウム水溶液(「45%SHP」とも称す)90gを180分間(このうち20gを最初の20分間で供給し、残りの70gをその後の160分間で供給する。つまり2段階の供給速度で供給する)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(「15%NaPS」とも称す)48gを185分間で、それぞれ別々の供給経路を通じて滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。
滴下終了後、液温を沸点に維持しながら30分間撹拌した。
その後、70℃以下まで冷却した後、48%水酸化ナトリウム水溶液(「48%NaOH」とも称す)732gを滴下して重合体を中和した。
得られた重合体水溶液(1)中の重合体の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)をGPCにより測定した。結果を表3に示す。
表2に示す処方としたこと以外は試験例1と同様に行い、重合体水溶液をそれぞれ得た。
試験例1〜5は、重合に供したアクリル酸の中和率(水酸化カルシウムによる中和率)の点で主に相違する。この相違の下、得られた重合体水溶液を含むスラリーの経時粘度を比較すると、この中和率を10モル%とした重合体水溶液(1)を用いた場合に比べ、20〜70モル%の範囲内とした重合体水溶液(2)〜(5)を用いた場合の方が、粘度上昇が大幅に抑制されていることが分かる(評価例1〜5参照)。また、試験例6は、重合には未中和のアクリル酸を用い、重合後に水酸化ナトリウムにより中和した例であり、試験例7は、重合には未中和のアクリル酸を用い、重合後に水酸化ナトリウム及び水酸化カルシウムにより中和した例であり、いずれも得られた重合体の総中和率としては試験例(2)〜(5)と同じ98モル%とした例である。得られた重合体水溶液(6)又は(7)を含むスラリーの粘度を、重合体水溶液(2)〜(5)を含むスラリーの粘度と比較すると、重合体水溶液(6)又は(7)を含むスラリーは、初期粘度も高いうえ、経時の粘度上昇が著しいことが分かる(評価例2〜7参照)。したがって、本発明の重合体水溶液の構成とすることで、経時的に安定して高分散性を発揮することが可能になることが確認された。また、本発明の製造方法を採用すれば、このような本発明の重合体水溶液を簡便かつ容易に製造できることも分かった。
Claims (2)
- ポリカルボン酸系重合体水溶液の製造方法であって、
該ポリカルボン酸系重合体水溶液は、ポリカルボン酸系重合体を含む水溶液であり、
該ポリカルボン酸系重合体は、エチレン性不飽和カルボン酸の水酸化カルシウム又は水酸化バリウムによる部分中和物に由来する構成単位を有し、
該部分中和物は、水酸化カルシウム又は水酸化バリウムによる中和率が20〜70モル%であり、
該重合体の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、2.0以下であり、
該重合体の重量平均分子量は、3000〜10000であり、
該ポリカルボン酸系重合体水溶液は、該重合体水溶液100質量%に対し、次亜リン酸(塩)を0.1〜10質量%含み、
該製造方法は、エチレン性不飽和カルボン酸を部分的に水酸化カルシウム又は水酸化バリウムで中和する中和工程と、該中和工程で得られる水酸化カルシウム又は水酸化バリウムによる部分中和物を含む単量体成分を重合する重合工程とを含み、
該水酸化カルシウム又は水酸化バリウムによるエチレン性不飽和カルボン酸の中和率は、20〜70モル%であり、
該重合工程は、過硫酸(塩)及び次亜リン酸(塩)の存在下で行われ、
該水酸化カルシウム又は水酸化バリウムは、平均粒径が50μm以下であり、塩酸不溶分濃度が0.5質量%以下である
ことを特徴とするポリカルボン酸系重合体水溶液の製造方法。 - 前記水酸化カルシウム又は水酸化バリウムは、塩酸不溶分濃度が0.05質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリカルボン酸系重合体水溶液の製造方法。
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