JP6620578B2 - ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス、特には、低温焼結が可能であり高密度回路基板を作製する際の結着用バインダーガラスとして好適なガラス、また、リチウムイオン伝導性が高いことで、リチウムイオン伝導性ガラスとして好適なガラス、および該ガラスを含む固体電解質に関する。
ガラス材料は結晶からなるセラミックス材料とは異なり、比較的低い温度で軟化、融着することが可能である。この性質を利用して、ガラス粉末は低温同時焼成セラミックス多層基板のセラミックス粉末や電極粉末の結着材として広く使用されてきた。信頼性の高い無機材料で構成された高密度回路基板を一体形成するのにガラス材料は不可欠である。
特許文献1には、誘電体セラミック成分に酸化バリウム、酸化ケイ素及び酸化ホウ素からなるガラス成分を混合し、焼結温度が低く、高い基板強度と優れた基板特性を有するセラミック多層基板が提案されている。しかし、該ガラスでは、軟化点が高く、充分に低温で焼結することができなかった。
ガラスの軟化点を低減するのに、ガラス組成中へのアルカリ金属元素の添加は効果的であり、その中でもリチウムは最も効果的であるが、リチウムを多量に含有するガラスは電気絶縁性に乏しく、絶縁材料としては避けられてきた。しかし、軟化点が低いため、低温焼結性に優れるガラス粉体として期待できる。高密度回路基板において機能性セラミックス粉体にガラス粉体を混合することにより、低温焼結性に優れる誘電体、絶縁体層として、また、金属など導電粉体にガラス粉体を混合することにより、低温焼結性に優れる導電層として機能することが期待できる。
アルカリ金属元素、特には、リチウムを多量に含有するガラスは、一方で、イオン伝導性が高い固体電解質として機能することも期待できる。例えば、従来から、リチウムイオン二次電池用の電解質には、炭酸エチレン、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルのような有機溶媒系の液体電解質が使用されている。しかし、これら有機溶媒系の液体電解質は、可燃性で発火するおそれがある。また、有機溶媒系の液体電解質は、高電圧が印加されると分解または変質しやすいという問題がある。
そこで、次世代のリチウムイオン二次電池用の電解質として、不燃性で、電圧印加に対して高い安定性を有する無機固体電解質が期待されている。そして、無機固体電解質として、酸化物系のガラスまたはガラスセラミックスからなる固体電解質が提案されている。
特許文献2には、カチオンとして、Li、B3+、P5+、Ta5+、Nb5+、V5+およびGe4+をそれぞれ所定の割合で含有するリチウムイオン伝導性ガラスが提案されている。しかしながら、該ガラスはイオン伝導度が十分に高いとは言えなかった。
特開2000−281436号公報 特開2015−63447号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、低温焼結が可能であり高いイオン伝導度を有する、高密度回路基板に適した結着用バインダーガラスやリチウムイオン伝導性ガラスに好適なガラスおよび該ガラスを含む固体電解質の提供を目的とする。
本発明は、カチオン%表記で、Liを55%以上70%以下、P5+を20%以上35%以下、ならびに、Ta5+およびW6+から選ばれる少なくとも1種を0%超20%以下、含有するとともに、アニオン%表記で、O2−を75%以上100%未満、およびMX―を0%超25%以下含有することを特徴とするガラスを提供する。ここで、MX−とは電気陰性度が3.44未満のアニオンを示す。ここで、電気陰性度はPauling の電気陰性度(Allred の改定値)の定義によるものであり、例えば、Oは3.44、Fは3.98で与えられる。(参考文献;A. L. Allred, J. Inorg. Nucl. Chem., 17, 215 (1961))
また、本発明は、カチオン%表記で、Liを55%以上70%以下、P5+を20%以上35%以下、Ta5+を0%超20%以下、ならびに、W6+、Nb5+、およびMo6+からなる群から選ばれる少なくとも1種を0%超20%以下、含有するとともに、アニオン%表記で、O2−を100%含有することを特徴とするガラスを提供する。
なお、ガラス中のカチオン、アニオンの価数は状態により、価数変動する場合もありうるが、本発明のカチオン、アニオンの元素記号のイオン表記での価数の記載は典型的にとりうる価数で表現している。
本発明のガラスにおいて、当該ガラスのガラス転移点をTgとし、当該ガラスの結晶化ピーク温度をTcとしたとき、(Tc−Tg)が50℃以上であることがガラス安定化の点で好ましい。
本発明のガラスのTgは良好な低温焼結性を確保する点で、250〜550℃が好ましい。
本発明のガラスにおいては、イオン伝導度が1.6×10−6S/cm以上が好ましい。1.9×10−6S/cm以上がより好ましく、2.5×10−6S/cm以上が特に好ましい。
本発明の固体電解質は、前記本発明のガラスを含むことを特徴とする。
本発明のガラスは、不燃性で、電圧印加に対して高い安定性を有するとともに、ガラスとしての安定性が高く、焼結性が高く、さらにイオン伝導度にも優れる。そして、本発明のガラスを結着用バインダーガラスとして用いることにより、高温で劣化しやすい機能性セラミックスや電極材料が含まれていても、安定的に緻密な積層セラミックスコンデンサや低温同時焼成セラミックス多層基板を得ることができる。また、本発明のガラスを固体電解質として用いることで、電池性能の高いリチウムイオン二次電池を得ることができる。
本発明のガラスを積層セラミックスコンデンサに用いた例を模式的に示した図である。 本発明のガラスを低温同時焼成セラミックス多層基板に用いた例を模式的に示した図である。 本発明のガラスをリチウムイオン二次電池に用いた例を模式的に示した図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<ガラス>
本発明の第一の実施形態は、カチオン%表記で、Liを55%以上70%以下、P5+を20%以上35%以下、ならびに、Ta5+およびW6+から選ばれる少なくとも1種を0%超20%以下、含有するとともに、アニオン%表記で、O2−を75%以上100%未満、およびMX―を0%超25%以下含有することを特徴とするガラスである。ここで、MX−とは電気陰性度が3.44未満のアニオンを示す。
本発明の第二の実施形態は、カチオン%表記で、Liを55%以上70%以下、P5+を20%以上35%以下、Ta5+を0%超20%以下、ならびに、W6+、Nb5+、およびMo6+からなる群から選ばれる少なくとも1種を0%超20%以下、含有するとともに、アニオン%表記で、O2−を100%含有するガラスである。なお、以下で本発明のガラスという場合には、第一の実施形態と第二の実施形態を含むものとする。
本明細書において、「カチオン%」および「アニオン%」とは、以下のとおりの単位である。まず、ガラスの構成成分をカチオン成分とアニオン成分とに分ける。そして、「カチオン%」とは、ガラス中に含まれる全カチオン成分の合計含有量を100モル%としたときに、各カチオン成分の含有量を百分率で表記した単位である。「アニオン%」とは、ガラス中に含まれる全アニオン成分の合計含有量を100モル%としたときに、各アニオン成分の含有量を百分率で表記した単位である。
本発明のガラスにおける各カチオン成分の含有量は、得られたガラスの誘導結合プラズマ(ICP-AES:Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectroscopy)分析の結果から求められる。また、各アニオン成分の含有量は石英管燃焼イオンクロマトグラフ法の結果から求められる。
以下、本発明のガラスのカチオン成分およびアニオン成分について説明する。
(カチオン成分)
本発明のガラスにおいて、LiはTgを低下させる元素であり、さらに、電荷移動を担う元素であり、必須である。カチオン成分におけるLiの含有量は55%以上70%以下である。Liの含有量が55%以上であることで高いイオン伝導度が実現可能であり、70%以下とすることでガラスとしての安定性が保持される。Liの含有量は、好ましくは56%以上67%以下、より好ましくは58%以上65%未満である。
本発明のガラスにおいて、P5+はガラス形成元素であり必須である。カチオン成分におけるP5+の含有量は20%以上35%以下である。P5+の含有量が20%以上であることでガラスとしての安定性が保持され、35%以下とすることで高いイオン伝導度が実現可能である。P5+の含有量は、好ましくは22%以上33%以下、より好ましくは23%以上31%以下である。
本発明の第一の実施形態のガラスにおいて、Ta5+とW6+の、少なくともどちらかは高いイオン伝導度とガラスの安定化の両立を実現するために必須であるが、Ta5+とW6+とが共に含有されていることが好ましい。カチオン成分におけるTa5+およびW6+の少なくとも1種の含有量は0%超20%以下である。Ta5+またはW6+の含有量が0%超であることで高いイオン伝導度とガラスの安定化の両立が実現可能であり、20%以下とすることで、ガラスとしての安定性が保持される。Ta5+およびW6+の少なくとも1種の含有量は、好ましくは2%以上19%以下、より好ましくは4%以上18%以下である。
本発明の第二の実施形態のガラスにおいて、Ta5+は高いイオン伝導度とガラスの安定化の両立を実現するために必須である。カチオン成分におけるTa5+の含有量は0%超20%以下である。Ta5+の含有量が0%超であることで高いイオン伝導度とガラスの安定化の両立が実現可能であり、20%以下とすることで、ガラスとしての安定性が保持される。Ta5+の含有量は、好ましくは1%以上15%以下、より好ましくは2%以上12%以下である。
本発明の第二の実施形態のガラスにおいては、W6+、Nb5+、およびMo6+から選ばれる少なくとも1種は高いイオン伝導度とガラスの安定化の両立を実現するための必須成分である。カチオン成分における、W6+、Nb5+、およびMo6+から選ばれる少なくとも1種の含有量は0%超20%以下である。W6+、Nb5+、およびMo6+から選ばれる少なくとも1種の含有量は、好ましくは1%以上15%以下、より好ましくは2%以上12%以下である。
本発明の第一の実施形態のガラスがLi、P5+、Ta5+、W6+以外に、本発明の第二の実施形態のガラスが、Li、P5+、Ta5+、W6+、Nb5+、Mo6+以外に、含有可能なその他のカチオンとして、具体的には、B3+、Fe2+、Fe3+、Sc3+、Y3+、La3+、Ce3+、Ce4+、Gd3+、Ti4+、Zr4+、Cr3+、Mn2+、Mn3+、Mn4+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+、Zn2+、Al3+、Ga3+、In3+、Ge4+、Sn2+、Sn4+、Sb3+、Sb5+、Bi3+等が挙げられる。本発明の第一の実施形態のガラスは、Nb5+、Mo6+を含有してもよい。
(アニオン成分)
本発明の第一の実施形態のガラスは、酸化物を主体とすることに特徴がある。酸化物は化学安定性が高く、安全性の高い電気化学デバイスに用いることができる。しかしながら前記に記載したように、酸化物系のガラスにおいて、酸素イオンはLiイオンを大きく拘束することが考えられる。酸素イオンをLiイオンの拘束が小さいアニオンに交換することにより、Liイオンの伝導性を向上できることが考えられる。電気陰性度の観点から考察すると、酸素の電気陰性度以下であれば、Liイオンの拘束力が小さくなる。本発明の第一の実施形態のガラスは、Liイオンの伝導性を本発明に求められるレベルに向上させる観点から、電気陰性度が3.44未満のアニオンMX−を含有する。
アニオン成分におけるO2−の含有量は75%以上100%未満である。MX−の含有量は0%超25%以下である。アニオン成分のO2−を75%以上、MX−の含有量を25%以下とすることで、ガラスとしての安定性が保持できる。
アニオン混合組成において、O2−の含有量は75%以上100%未満である。O2−の含有量を75%以上とすることで、ガラスとしての安定性を保持している。O2−の含有量を100%未満とすることで、O2−とO2−以外のアニオンとの混合アニオン効果が得られる。O2−の含有量は、好ましくは76%以上100%未満、より好ましくは77%以上100%未満である。
アニオン混合組成において、MX−の含有量は0%超25%以下である。MX−の含有量が0%超であることでO2−とMX−の混合アニオン効果が得られる。MX−の含有量を25%以下とすることで、ガラスとしての安定性を保持している。MX−の含有量は、好ましくは0%超24%以下、より好ましくは0%超23%以下である。
アニオン混合組成において、O2−とともに用いるアニオンとして、MX−を用いることで、上記含有割合においてO2−との混合アニオン効果が得られる。混合アニオン効果により、Liイオンの移動に関する活性化エネルギーが低下し高いイオン伝導度が達成できる。ここで、Fの電気陰性度が3.44以上であるため、FはMX−の範疇には入らない。すなわち、第一の実施形態のガラスはFを含有しない。また、第二の実施形態のガラスもFを含有しない。本明細書においてガラスがFを含有しないとは、該ガラスが不可避量まではFを含有してもよいが、不可避量を超えてFを含有しないことをいう。
X−として、Cl、Br、I、S2−、Se2−、Te2−が好適であり、酸化物主体のガラスの安定性が高くなるCl、Br、Iがさらに好適である。
本発明の第一の実施形態のガラスは、上記特定の組成において、カチオン成分がLi、P5+、ならびに、Ta5+およびW6+の少なくとも1種を主体として構成され、アニオン成分としてO2−と、MX−を含有する構成であり、それにより、ガラスとしての安定性が高く、さらにイオン伝導度にも優れる。
本発明の第二の実施形態のガラスでは、カチオン成分にLi、P5+、Ta5+に加えて、W6+、Nb5+、およびMo6+から選ばれる少なくとも1種とを含有しており、アニオン成分におけるO2−の含有量は100%である。カチオン成分に、W6+、Nb5+、およびMo6+から選ばれる少なくとも1種とを含有する場合、Liイオンの移動に関する低い活性化エネルギーを維持できるため、高いイオン伝導度が達成できる。O2−の含有量が100%でありガラスとしての安定性が高い。
本発明のガラスは、当該ガラスの結晶化ピークをTc、ガラス転移点をTgとしたときに、(Tc−Tg)が50℃以上であることが好ましい。例えば、(Tc−Tg)が50℃以上であることで、ガラスはその粉砕品を焼結したときに緻密で安定なガラス(非晶質)組織を有することができる。
本発明のガラスは、ガラス転移点Tgが250℃以上550℃以下であるのが好ましく、260〜500℃がより好ましい。280〜480℃がさらに好ましい。280℃〜460℃が特に好ましい。本発明のガラスは、高密度回路基板の結着用バインダーガラスとして用いる場合には、通常、Tgを超えTc未満の温度で結晶化が起きないように焼結して用いられる。その場合、後述のようにして本発明のガラスを含む組成物、および電極材料をそれぞれペースト化後、積層して一括焼成により低温同時焼成セラミックス多層基板等の高密度回路基板の積層ユニットを作製する場合がある。
その場合、Tgが550℃以下であれば、ガラスと電極材料など構成材料との反応を抑制することができる。この観点から、Tgは低いほど良いが、低すぎるとガラスを含む組成物をペースト化するときに用いる樹脂材料が焼成時に熱分解するのを阻害するおそれがある。Tgが250℃以上であれば、その樹脂材料の熱分解阻害を抑制でき、その結果、樹脂材料が熱分解した後に残る熱分解残留物の量を低減できる。そのため熱分解残留物による発泡が抑制され、緻密な焼結体を得ることができ、信頼性の高い高密度回路基板を得ることが可能となる。
ここで、TgおよびTcは、いずれもガラスの組成に固有の温度であり、ガラスの示差熱分析(DTA)により、発熱−吸熱量を示すDTA曲線の変曲点、ピーク等を用いて求めることができる。
本発明のガラスは、十分に高いイオン伝導度を有する。イオン伝導度は、1.6×10−6S/cm以上が好ましい。1.9×10−6S/cm以上がより好ましく、2.5×10−6S/cm以上が特に好ましい。
本明細書において、イオン伝導度は、室温(20℃〜25℃)での交流インピーダンス測定により得られた値である。すなわち、イオン伝導度は、両面に電極を形成したサンプルを用い、交流インピーダンス法により測定される。具体的には、測定条件を印加電圧50mV、測定周波数域1Hz〜1MHzとし、交流インピーダンス測定により得られたNiquistプロットの円弧径から、イオン伝導度を算出する。
(本発明のガラスの製造方法)
本発明のガラスの製造方法は、特に限定されない。例えば、以下に示す方法で製造することができる。
まず、原料混合物を準備する。原料は、通常の酸化物系のガラスの製造に用いる原料であれば特に限定されず、酸化物や炭酸塩等を用いることができる。得られるガラスにおいて、上記組成範囲となるように原料の種類および割合を適宜調整して原料組成物とする。
次に、原料混合物を公知の方法で加熱して溶融物を得る。加熱溶融する温度(溶融温度)は、900〜1200℃が好ましく、1000〜1100℃がより好ましい。加熱溶融する時間は、20〜50分が好ましく、30〜40分がより好ましい。
その後、溶融物を冷却し固化することにより、本発明のガラスを得ることができる。冷却方法は特に限定されない。ロールアウトマシン、プレスマシン、冷却液体への滴下等により急冷する方法をとることもできる。得られるガラスは完全に非晶質である、すなわち結晶化度が0%であることが好ましい。ただし、本発明の効果を損なわない範囲であれば、結晶化した部分を含んでいてもよい。
こうして得られる本発明のガラスは、いかなる形態であってもよい。例えば、ブロック状、板状、薄い板状(フレーク状)、粉末状等であってもよい。
本発明のガラスは、低温焼結が可能であり、積層セラミックスコンデンサや低温同時焼成セラミックス多層基板等の高密度回路基板を作製する際の結着用バインダーガラスとして有用である。本発明のガラスはまた、リチウムイオン二次電池の固体電解質として有用である。そして、本発明の固体電解質は、金属空気電池または全固体電池の固体電解質に適用できる。
<積層セラミックスコンデンサ>
積層セラミックスコンデンサもしくはキャパシタは、電極層間に誘電体層が配置された積層体から構成される。前記積層体を1単位として(以下「積層ユニット」ともいう)、これを1個有する構成であってもよく、2個以上の積層ユニットが積層された構成であってもよい。誘電体層を薄くして、電極層間の距離を小さくすること、また、積層ユニットを多く積層することで、小型でありながら大きな電気容量を得ることができる。
図1に積層セラミックスコンデンサの構成の一例を概略的に示す。積層セラミックスコンデンサ10は、誘電体層11と内部電極層12が順次積層された積層体(ただし、最下層と最上層は誘電体層11である。)と該積層体を挟持する1対の外部電極13からなり、内部電極層12は交互に外部電極13のいずれか一方に接続している。このような積層セラミックスコンデンサ10において、本発明のガラスは、例えば、誘電体層11の形成に用いられる。積層セラミックスコンデンサ10は、例えば、以下のようにして製造される。
積層セラミックスコンデンサの製造方法を以下に簡単に記述する。まず、誘電体層を構成するために必要な機能性セラミックスを選択する。比誘電率を大きくする場合、ペロブスカイト型構造をとるチタン酸バリウム(BaTiO)などの粉末を準備すればよい。これに、本発明のガラスの粉末を混合して混合粉末を得る。本発明のガラス粉末の添加量は、上記混合粉末の全量に対して1〜10体積%の割合が望ましい。
積層セラミックスコンデンサの形成方法としては、印刷法、グリーンシート法があるが、グリーンシート法を例示する。上記混合粉末と、樹脂材料を溶媒に溶解したビヒクル、および可塑剤や分散剤とを適宜混合し、誘電体ペーストもしくはスラリーと呼ばれる粘性液体を調製する。比較的高粘度の粘性液体をペーストと呼び低粘度のものをスラリーと呼ぶことが一般的である。誘電体ペーストもしくはスラリーは離型処理など表面処理を施したPET(ポリエチレンテレフタレート)等のフィルム基材の上にドクターブレード法などで流延することによりシート状に成型することができる。これを乾燥することにより、含有する溶媒を揮発させたものは上記混合粉末が樹脂材料などで粘結されたものでありグリーンシートと呼ぶ。ペーストもしくはスラリーの塗布方法は、特に限定されず、スクリーン印刷、転写、ドクターブレード等の公知の方法を採用することができる。
上記樹脂材料は以下のようなものが列挙される。例えば、ポリビニルブチラール樹脂はペースト、スラリーの安定性を高めるのに好適であり、グリーンシートの強度、柔軟性、積層時の熱圧着性を得やすいが、熱分解性に乏しく、特に低温焼成した場合、熱分解残渣が残りやすく、グリーンシートの焼結性を損ねたり、焼結体にその熱分解ガスによる膨れを生じたりする難点がある。アクリル、メタアクリル系樹脂は、熱分解性が良好な傾向であり、特に低温焼成した場合に良好な焼結体を得るために好適である。反面、グリーンシートの強度、柔軟性、積層時の熱圧着性を得にくい面があるが、各種官能基を付与したものを共重合させることにより、その欠点を抑制することができる。その他、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸ブチルセルロース、酢酸プロピルセルロース、ポリαメチルスチレン、ポリプロピレンカーボネート、ポリエチレンカーボネートなども使用できる。
次いで、グリーンシート上の必要な部分に内部電極層を形成するために、銀や銅を主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷やグラビア印刷する塗布手法にて、形成する。この導電性ペーストにも本発明のガラスを添加することにより、層間接着性を向上することができる。その後、これらのシートを複数枚積層して、適宜、熱や圧力を加えて圧着し一体化し、積層シートを得る。圧着は加熱しながら行うが、加熱温度は例えば40〜80℃とする。これを、カットして、個片化(チップ化)する。切断された個片(チップ)を大気中、不活性ガス中、真空中など所定の雰囲気で焼成炉を用いて加熱し、樹脂材料成分などを燃焼させた後、焼結させ、焼成積層体を得ることができる。焼成温度は、本発明のガラスのTgより30℃以上高く、かつ該ガラスのTc未満の温度範囲とするのが好ましい。上記焼成温度の下限未満では、前記樹脂材料成分の燃焼が十分に進行しないためその燃焼残留成分が焼結を阻害し、焼結が十分に進行しないことがあり、上限を超えるとガラスが結晶化し、焼結が進まない上に、機能性セラミックスや電極材料の熱劣化反応が促進されることがあり好ましくない。
上記焼成温度として、具体的には280〜600℃が好ましく、焼成の促進、製造コストの低減の点で、焼成温度は280〜550℃の範囲がより好ましい。焼成時間は、例えば1〜3時間とする。
焼成積層体に必要に応じ、外部電極となる導電性ペーストを塗布、乾燥、焼成し、さらに必要に応じてNiやSnのメッキを施す。この導電性ペーストにも本発明のガラスを添加することにより、層間接着性を向上することができる。このような工法を採ることで積層セラミックスコンデンサを得ることができる。
本発明のガラスを用いることにより、低温で焼成が可能になるため、高温で劣化しやすい機能性セラミックスや電極材料でも安定的に緻密な積層セラミックスコンデンサが得られる。一括焼成を行うことで、各層間の密着性に優れ、誘電性能や経時安定性に優れる積層セラミックスコンデンサとすることができる。
<低温同時焼成セラミックス多層基板>
低温同時焼成セラミックス多層基板は、電極配線層が絶縁体層で隔離配置された立体配線を形成する積層体から構成される。前記積層体を1単位として(以下「積層ユニット」ともいう)、これを1個有する構成であってもよく、2個以上の積層ユニットが積層された構成であってもよい。絶縁体層を薄くして、電極配線層間の距離を小さくすること、また、積層ユニットを多く積層することで、小型でありながら複雑な配線基板を得ることができる。
図2に低温同時焼成セラミックス多層基板の構成の一例を概略的に示す。図2に示す低温同時焼成セラミックス多層基板20は、基板本体が誘電体(絶縁体)層21で構成され、基板本体の内部および外部に、基板本体の主面に平行する主面を有する複数の平面電極22を有する。さらに、基板本体の内部に所定の平面電極22同士を電気的に接続するように配置された、基板本体の主面に直交する主面を有する内部垂直電極23を有する。また、基板本体の内部に内部実装部品25が(内部)平面電極22と接触するように配置され、表面実装部品24が(外部)平面電極22と接触するように配置されている。表面実装部品24は電極を有し、該電極と上記とは別の(外部)平面電極22が給電ワイヤ27により電気的に接続されている。低温同時焼成セラミックス多層基板20は、基板本体を貫通するように放熱ビア26を有し、その直上に表面実装部品24が実装された構成である。
このような低温同時焼成セラミックス多層基板20において、本発明のガラスは、例えば、誘電体層21の形成に用いられる。低温同時焼成セラミックス多層基板20は、例えば、以下のようにして製造される。
低温同時焼成セラミックス多層基板の製造方法を以下に簡単に記述する。誘電体層を構成するために必要な機能性セラミックスを選択する。強度を高くする場合、アルミナなどを準備し、本発明のガラスの粉末を混合して混合粉末を得る。本発明のガラス粉末の割合は上記混合粉末の全量に対して40〜70体積%の割合が望ましい。
低温同時焼成セラミックス多層基板の形成方法としては、印刷法、グリーンシート法があるが、グリーンシート法を例示する。上記混合粉末と、前記ビヒクル、および可塑剤や分散剤とを適宜混合し、誘電体(絶縁体)ペーストもしくはスラリーと呼ばれる粘性液体を調製する。誘電体ペーストもしくはスラリーは離型処理など表面処理を施したPET等のフィルム基材の上にドクターブレード法などで流延することによりシート状に成型することができる。これを乾燥することにより、含有する溶媒を揮発させたものは上記混合粉末が樹脂材料などで粘結されたものでありグリーンシートと呼ぶ。ペーストもしくはスラリーの塗布方法は、特に限定されず、スクリーン印刷、転写、ドクターブレード等の公知の方法を採用することができる。
次いで、グリーンシート上の必要な部分に内部配線もしくは最外部の場合、外部配線となる平面電極層を形成するために、銀や銅を主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷やグラビア印刷する塗布手法にて、形成する。この導電性ペーストにも本発明のガラスを添加することにより、層間接着性を向上することができる。抵抗体層を形成する場合は、酸化ルテニウムを主成分とする抵抗体ペーストをスクリーン印刷やグラビア印刷する塗布手法にて、形成する。内部垂直電極は、グリーンシートに予め穴あけ処理を施しておき、その部分に銀や銅を主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷などにより穴埋め塗布し、形成する。放熱ビアも同様にグリーンシートに予め穴あけ処理を施しておき、その部分に銀や銅を主成分とする熱伝導性の高い材料で構成されるペーストをスクリーン印刷などにより穴埋め塗布し、形成する。また、必要に応じて内部実装部品を載置してもよい。
その後、これらのシートを複数枚積層して、適宜、熱や圧力を加えて圧着し一体化し、積層シートを得る。圧着は加熱しながら行うが、加熱温度は例えば40〜80℃とする。積層シートは大気中、不活性ガス中、真空中など所定の雰囲気で焼成炉を用いて加熱し、樹脂材料成分などを燃焼させた後、焼結させ、焼成積層体を得ることができる。焼成温度は、本発明のガラスのTgより30℃以上高く、かつ該ガラスのTc未満の温度範囲とするのが好ましい。上記焼成温度の下限未満では、前記樹脂材料成分の燃焼が十分に進行しないためその燃焼残留成分が焼結を阻害し、焼結が十分に進行しないことがあり、上限を超えるとガラスが結晶化し、焼結が進まない上に、機能性セラミックスや電極材料の熱劣化反応が促進されることがあり好ましくない。
上記焼成温度として、具体的には280〜600℃が好ましく、焼成の促進、製造コストの低減の点で、焼成温度は280〜550℃の範囲がより好ましい。焼成時間は、例えば1〜3時間とする。
焼成積層体は必要に応じ、外部電極となる部分にNiやAuのメッキを施す。また、必要に応じて、焼成する前の積層シートをハーフカットしておき、焼成後に割断し、チップ化する。もしくは、ダイシングソーなどを用いて、チップ化する。このような工法を採ることで低温同時焼成セラミックス多層基板を得ることができる。さらに、例えば、外部電極上に表面実装部品や表面実装部品が有する電極と外部電極を接続する給電ワイヤを設ける。
本発明のガラスを用いることにより、低温で焼成が可能になるため、高温で劣化しやすい機能性セラミックスや電極材料でも安定的に緻密な低温同時焼成セラミックス多層基板が得られる。一括焼成を行うことで、各層間の密着性に優れ、信頼性の高い経時安定性に優れる低温同時焼成セラミックス多層基板とすることができる。
<固体電解質>
本発明の固体電解質は、本発明のガラスを含有する。固体電解質は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲でガラス以外の成分を含んでいてもよい。含有可能なその他の成分としては、イオン伝導性結晶等が挙げられる。固体電解質における本発明のガラスの含有割合は、40〜100体積%が好ましく、より好ましくは70〜100体積%、さらに好ましくは100体積%である。
<全固体リチウムイオン二次電池>
全固体リチウムイオン二次電池は、正極、負極、および前記正極と前記負極の間に配置された固体電解質層を有するリチウムイオン二次電池である。この固体電解質層に本発明の固体電解質は好適である。固体電解質層を挟んで正極および負極が配置された積層体を1単位として(以下「積層ユニット」という。)、これを1個有する構成であってもよく、2個以上の積層ユニットが積層された構成であってもよい。固体電解質層を薄くして、電極層間の距離を小さくすること、また、積層ユニットを多く積層することで、小型でありながら大きなエネルギー密度を得ることができる。
リチウムイオン二次電池は、固体電解質層が本発明の固体電解質からなることにより、成形性に優れ、例えば、上記積層ユニットが複数個積層された積層構造(以下、「多層構造」ともいう)のリチウムイオン二次電池を容易に作製可能である。特に、後述の一括焼成により多層構造のリチウムイオン二次電池を作製でき、それにより、各層間の密着性に優れることで、電池性能や経時安定性に優れるリチウムイオン二次電池が得られる。
図3に、リチウムイオン二次電池の構成の一例として多層全固体型でありかつ直列型のリチウムイオン二次電池を概略的に示す。
図3に示すように、リチウムイオン二次電池30は、正極(カソード電極)31、負極(アノード電極)32、および正極31と負極32との間に配設された固体電解質層33を有する複数の積層ユニット34が、電子伝導体層35を介して積層され、直列に接続された構造を有する。図3中、丸でかこまれた「+」および「−」の符号は、それぞれ正極端子および負極端子を示す。
正極31には、例えば、LiCoO、LiMn、LiFePO等が使用される。負極32には、例えば、金属リチウム、グラファイトまたはLiTi12等が使用される。ただし、これらは、一例であって、正極31および負極32に、その他の電極材料を使用してもよい。
また、図3に示すような直列型の多層全固体型のリチウムイオン二次電池30において、積層ユニット34は上記以外の層を有していてもよい。さらに、リチウムイオン二次電池30は、積層ユニット34や電子伝導体層35以外の層を有していてもよい。
また、多層全固体型リチウムイオン二次電池を並列型とする場合、例えば、図3に示す直列型のリチウムイオン二次電池30において、電子伝導体層35を絶縁体層に変えるとともに、各積層ユニット34中の各正極31を、配線(正極配線)を介して一括して正極端子に接続するとともに、各積層ユニット34中の各負極32を、配線(負極配線)を介して一括して負極端子に接続すればよい。
固体電解質層が、本発明のガラスを含む固体電解質からなるリチウムイオン二次電池では、従来の有機溶媒系の液体電解質が使用された電池に比べて、不燃性で安全性が高いうえに、電圧印加に対して高い安定性を有する。また、固体電解質に含有されるガラスが、焼結性が高く、安定性が高いので、製造が容易である。また、ガラスが十分に高いイオン伝導度を有するので、良好な電池性能を発揮する。
以下に、図3に示す多層全固体型リチウムイオン二次電池を例にその製造方法を説明する。リチウムイオン二次電池30は、例えば、これを構成する正極31、負極32、固体電解質層33、電子伝導体層35の各層を別々に製造した後に、図3に示す順に積層し加熱圧着等により一体化することで製造できる。
また、リチウムイオン二次電池30は、例えば、正極31を構成する正極活物質、固体電解質層33を構成する固体電解質、負極32を構成する負極活物質、および電子伝導体層35を構成する電子伝導性材料を、それぞれペーストもしくはスラリー化し、塗布し乾燥してグリーンシートを作製し、そのようなグリーンシートを図3に示す順に積層したものを、一括焼成することによっても製造することができる。
ペースト化の方法は、特に限定されないが、例えば、前記ビヒクルに上記各材料の粉末を混合してペーストを得ることができる。ペーストもしくはスラリーの塗布方法は、特に限定されず、ダイコート、スクリーン印刷、転写、ドクターブレード等の公知の方法を採用することができる。なお、平面のパターンを形成したい時は、前記グリーンシートにパンチングや切断を施せばよく、また、ペーストを基材にスクリーン印刷やグラビア印刷する塗布手法をとってもよい。リチウムイオン二次電池の製造方法においては、一括焼成を適用することが好ましい。
作製された正極31用、固体電解質層33用、負極32用、電子伝導体層35用の各グリーンシートを図3に示す順で積み重ね、必要に応じてアライメント、切断等を行い、積層体を作製する。なお、必要に応じて、正極の端面と負極の端面が一致しないようにアライメントを行い、積層してもよい。
次いで、作製された積層体を一括して圧着する。圧着は加熱しながら行うが、加熱温度は、例えば、40〜80℃とする。圧着した積層体を、例えば、大気雰囲気で加熱し焼成を行う。焼成温度は、固体電解質が含有するリチウムイオン伝導性ガラスのTgより30℃以上高く、かつ該ガラスのTc未満の温度範囲とするのが好ましい。上記焼成温度の下限未満では、前記樹脂材料成分の燃焼が十分に進行しないためその燃焼残留成分が焼結を阻害し、焼成が十分に進行しないことがあり、上限を超えると、固体電解質が含有するガラスが結晶化し焼成が阻害され好ましくない。
上記焼成温度として、具体的には280〜600℃が好ましく、焼成の促進、製造コストの低減の点で、焼成温度は280〜550℃の範囲がより好ましい。焼成時間は、例えば1〜3時間とする。
なお、上記一括焼成による多層構造のリチウムイオン二次電池30の製造においては、正極31、固体電解質層33、負極32からなる積層ユニット34について個々の単位で上記同様にして一括焼成を行い、得られた積層ユニット34を電子伝導体層35ペーストを介して積層し、電子伝導体層35ペーストの焼成条件に応じて焼成する方法を採用してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。例1〜13は実施例であり、例14〜18は比較例である。
[例1〜18]
表1、2に示す仕込み組成となるように、各原料粉末を秤量し混合した。原料には、LiCO、LiPO、Ta、Nb、MgOおよびWOならびに、LiFおよびLiClを使用した。
次に、混合した原料を白金るつぼに入れ、1000℃で30分間加熱して原料を溶融させた後、溶融した原料をロールアウトマシンにより急冷し、フレーク(薄片)状のガラス(以下、ガラスフレークという。)を作製した。
また、得られたガラスフレークについて、以下の方法でDTA測定を行い、ガラス転移点(Tg)、結晶化ピーク温度(Tc)をそれぞれ求めた。また、以下の方法で、ガラスフレークのイオン伝導度を測定した。
(DTA測定)
ガラスフレークを乳鉢を用いて内径5mmのDTAセルに入る大きさの粒度に粉砕したガラス粉末をDTA測定に使用した。DTAの測定は、示差熱分析計(リガク社製、商品名:TG8110)を使用して行った。得られたDTA曲線から、TgおよびTcを求めた。
これらの結果を表1、2の下欄に示す。また、(Tc−Tg)の値も表1、2の下欄に示す。
(イオン伝導度の測定)
得られたガラスフレーク両面に、蒸着法により金電極(直径6mm)を形成した。
次いで、前記金電極に50mVの測定電圧を印加し、交流インピーダンス法により、ガラスフレークのインピーダンスを測定した。測定には、FRA(周波数応答アナライザ)を備えるソーラトロンSI1287(Solartron社製)を使用し、測定周波数は、10Hz〜0.1Hzとした。Nyquistプロットで求められる円弧径より、イオン伝導度を求めた。測定結果を表1、2の下欄に示す。
Figure 0006620578
Figure 0006620578
本発明によれば、低温焼結が可能なガラスを得ることができ、低温焼成の高密度回路基板を実現できる。また、不燃性で、電圧印加に対して高い安定性を有するとともに、イオン伝導度にも優れるガラスを得ることができ、このガラスを含む固体電解質を用いることで、安全で、電圧印加に対して高い安定性を有し、電池性能の高いリチウムイオン二次電池を実現することができる。
10…積層セラミックスコンデンサ、11…誘電体層、12…内部電極層、13…外部電極層
20…低温同時焼成セラミックス多層基板、21…誘電体(絶縁体)層、22…平面電極(内部および外部)、3…内部垂直電極、24…表面実装部品、25…内部実装部品、26…放熱ビア、27…給電ワイヤ
30…リチウムイオン二次電池、31…正極(カソード電極)、32…負極(アノード電極)、33…固体電解質層、34…積層ユニット、35…電子伝導体層。

Claims (6)

  1. カチオン%表記で、
    Liを55%以上70%以下、
    5+を20%以上35%以下、ならびに
    Ta5+およびW6+から選ばれる少なくとも1種を0%超20%以下、含有するとともに、
    アニオン%表記で、
    2−を75%以上100%未満、および
    X−を0%超25%以下、
    含有することを特徴とするガラス。
    ここで、MX−とは電気陰性度が3.44未満のアニオンを示す。
  2. イオン伝導度が1.6×10−6S/cm以上である請求項1に記載のガラス。
  3. カチオン%表記で、
    Liを55%以上70%以下、
    5+を20%以上35%以下、
    Ta5+を0%超20%以下、ならびに
    6+、Nb5+、およびMo6+からなる群から選ばれる少なくとも1種を0%超20%以下、
    含有するとともに、
    アニオン%表記で、
    2−を100%含有し、
    イオン伝導度が1.6×10 −6 S/cm以上であることを特徴とするガラス。
  4. 結晶化ピークをTc、ガラス転移点をTgとしたときに、Tc−Tgが50℃以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス。
  5. ガラス転移点が250℃以上550℃以下である請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラスを含むことを特徴とする固体電解質。
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