JP6620469B2 - 研磨部材、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

研磨部材、定着装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、研磨部材、定着装置、及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、ブラスト処理した金属芯金上に、フッ素樹脂を被覆することで表面に凹凸を設けた外部加熱ローラを、定着ローラ表面に対して周速差を設けて回転させて接触させることで、定着ローラ表面を均一に粗面化し、通紙による定着ローラ表面のグロス差(光沢差)を解消する画像形成装置が開示されている。
特許文献2には、金属芯金(SUS)上に接着層を介してアルミナ系の平均粒径3μm〜16μmの砥粒を付着させた荒しローラを備え、この荒しローラにより定着部材表面についた紙こば傷等を均一に荒らすことで光沢ムラを解消する画像加熱装置が開示されている。
特許文献3には、周回して記録媒体を搬送しながら、記録媒体に形成された画像を加熱して画像を記録媒体に定着する加熱体と、加熱体に対して周速度差をもって加熱体の周回方向にならって順回転し、加熱体の外周面を擦りながら外周面の凹凸を低減する低減部材と、加熱体を低減部材に対して低減部材の回転軸方向へ相対移動させる移動手段と、を備える定着装置が開示されている。
特開2008−096728号公報 特開2009−288285号公報 特開2013−134484号公報
本発明の課題は、ブラスト処理した芯体上に、接着層を介して非球状の無機粒子及びフッ素樹脂を含む表面層を設けた場合に比べ、被研磨部材表面への傷の発生を抑制する研磨部材を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
に係る発明は、
芯体と、前記芯体上に設けられ、球状の無機粒子及びフッ素樹脂を含む表面層と、を有し、被研磨部材の表面を研磨する研磨部材。
に係る発明は、
定着部材と、
前記定着部材の外周面を加圧すると共に、未定着のトナー画像が表面に形成された記録媒体を前記定着部材と共に挟み込む加圧部材と、
に記載の研磨部材であって、前記被研磨部材として前記定着部材の表面を研磨する研磨部材と、
を備える定着装置。
に係る発明は、
記録媒体にトナー画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体に形成された前記トナー画像を、前記記録媒体に定着させるに記載の定着装置と、
を備える画像形成装置。
に係る発明によれば、ブラスト処理した芯体上に、接着層を介して非球状の無機粒子及びフッ素樹脂を含む表面層を設けた場合に比べ、被研磨部材表面への傷の発生を抑制する研磨部材が提供される。
に係る発明によれば、ブラスト処理した芯体上に、接着層を介して非球状の無機粒子及びフッ素樹脂を含む表面層を設けた研磨部材を適用した場合に比べ、定着部材表面の傷に起因した画像欠陥を抑制する定着装置が提供される。
に係る発明によれば、ブラスト処理した芯体上に、接着層を介して非球状の無機粒子及びフッ素樹脂を含む表面層を設けた研磨部材を適用した場合に比べ、定着部材表面の傷に起因した画像欠陥を抑制する画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る研磨部材の構成を示す概略断面図である。 本実施形態に係る研磨部材の構成を示す概略要部拡大図である。 本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。 本実施形態に係る画像形成ユニットの構成を示す概略図である。 本実施形態に係る定着装置の構成を示す概略図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
<研磨部材>
図1Aは、本実施形態に係る研磨部材の構成を示す概略断面図である。図1Bは、本実施形態に係る研磨部材の構成を示す概略要部拡大図である。
図1A、図1Bに示すように、本実施形態に係る研磨部材93は、芯体931と、前記芯体931上に設けられ、球状の無機粒子932A及びフッ素樹脂932Bを含む表面層932と、を有し、被研磨部材の表面を研磨する研磨部材である。
本実施形態では、被研磨部材を、定着装置に備えられる定着部材に適用した例について説明する。
ここで、電子写真方式の画像形成装置の高画質化に伴い、定着部材表面の光沢差が画像欠陥として検出されることがある。この定着部材表面の光沢差は、記録媒体(以下、用紙)が、定着部材と加圧部材との間を通過して用紙にトナー像が定着される際に、用紙と定着部材表面が互いに擦られ、定着部材表面の通紙部、非通紙部、及び用紙端部の各箇所で表面粗さ(粗度)が異なることにより生じると考えられる。そして、表面粗さが上記箇所で異なる定着部材表面に、例えば光沢差を生じさせた用紙よりも大きい用紙を通過させたときに、定着部材表面の光沢差が画像上に現れやすくなり、これが画像欠陥として検出されると考えられる。
一方、定着部材表面の光沢差を回復させるために、表面に凹凸を設けたロール部材を定着部材表面と接触させて、定着部材表面を研磨する研磨部材が提案されている。
ロール部材(研磨部材)の表面に凹凸を設ける方法としては、ブラスト処理した芯体上にフッ素樹脂層を被覆する方法、芯体上に接着剤を介してアルミナ系粒子を分散させた表面層を設ける方法が提案されている。
しかし、上記方法で得られる研磨部材は、表面の凹凸の高さが不均一になりやすく、かつ凹凸形状も不定形で鋭利な角が存在しやすくなる。よって、これらの研磨部材を用いて定着部材表面を研磨しても、定着部材表面の光沢差を回復できるものの、今度は定着部材表面に傷が発生しやすくなる。この結果、定着部材表面の傷に起因した画像欠陥が生じやすくなる。
これに対し、本実施形態に係る研磨部材では、離型性に優れたフッ素樹脂中に、強度及び耐熱性が良好な無機粒子のうち、粒子形状が球状である無機粒子を含有させた表面層を採用する。これにより、定着部材表面を研磨する際に、定着部材表面への傷の発生が抑制される。また、定着部材表面の光沢差も回復される。
この理由は定かではないが、以下の理由によるものと考えられる。
本実施形態では、上述のように、フッ素樹脂中に球状の無機粒子を含有させた表面層を採用することで、表面層の形状は、無機粒子の形状(球状)が反映された凹凸形状となる(図1B参照)。つまり、表面層の形状は、に示すように、凹凸形状の頂部が曲面状となる。また、無機粒子の形状(球状)が反映された凹凸形状となることで、表面層の凹凸の高さのバラツキも低減される。なお、図1B中、932は表面層を示し、932Aは無機粒子を示し、932Bはフッ素樹脂を示す。
よって、本実施形態に係る研磨部材93を用いて、定着部材表面を研磨することで、定着部材表面の光沢差が回復されると共に、定着部材表面への傷の発生が抑制されることとなる。また、定着部材表面への傷の発生が抑制されるため、定着部材表面の傷に起因した画像欠陥も抑制される。
なお、上記例では、被研磨部材を、定着装置に備えられる定着部材(例えば定着ベルト、定着ロール)に適用した例について説明したが、これに限定されない。本実施形態に係る被研磨部材は、画像形成装置用の被研磨部材として、以下の研磨対象物を研磨する用途にも適用することができる。
研磨対象物としては、例えば、感光体、転写ベルトが挙げられる。本実施形態に係る被研磨部材を、これらの研磨対象物を研磨する用途に適用した場合であっても、上記と同様の理由により、被研磨部材表面への傷の発生が抑制される。
以下、本実施形態に係る研磨部材の詳細について説明する。以下では、符号を省略して説明する。
本実施形態に係る研磨部材は、芯体と、前記芯体上に設けられる表面層と、を有する。なお、本実施形態に係る研磨部材は、目的に応じて、芯体と表面層との間に弾性層等の中間層を少なくとも1層以上有していてもよい。
(芯体)
芯体としては、例えば、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、銅等の金属製の基材;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール等の樹脂製の基材;が挙げられる。
また、芯体の形状は、特に限定されないが、円筒状、好ましい。
(表面層)
表面層は、球状の無機粒子と、フッ素樹脂とを含む。また、表面層は、必要に応じて、添加剤を含んでもよい。
−無機粒子−
本実施形態における無機粒子は、球状の無機粒子である。本実施形態における「球状」とは、被研磨部材表面への傷の発生を抑制する観点から、下記に示す形状係数SF1にて、100以上120以下(好ましくは110以下)であるものを指す。
なお、形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLは無機粒子の絶対最大長、Aは無機粒子の投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した無機粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の無機粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
球状の無機粒子は、充填剤用途として入手可能なものであればよく、非中空(中実)であっても、中空であってもよい。ここで、中空とは、無機粒子の内部に中空構造を持つものをいう。
非中空の無機粒子としては、酸化ケイ素(ガラスビーズ)、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化セリウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、窒化アルミニウム、ケイ酸塩、酸化アルミニウム、アミノケイ酸ガラス、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化鉄、酸化クロム、リチウムシリケート、酸化アンチモン、などが挙げられる。
中空の無機粒子としては、酸化ケイ素、ケイ酸塩、酸化アルミニウム、アミノケイ酸ガラス、酸化ジルコニウム、カーボン等が挙げられる。
球状の無機粒子の中でも、強度の観点から、非中空の無機粒子が好ましい。非中空の無機粒子の中でも、被研磨部材表面への傷の発生を抑制する観点から、酸化ケイ素(ガラスビーズ)、酸化アルミニウムが好ましい。
上記球状の無機粒子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
球状の無機粒子の体積平均粒径は、被研磨部材表面への傷の発生を抑制する観点から、5μm以上20μm以下が好ましく、7μm以上20μm以下がより好ましく、10μm以上20μm以下がさらに好ましい。
球状の無機粒子の体積平均粒径を5μm以上とすることで、被研磨部材を研磨する際に、研磨効果が発現されやすくなり、被研磨部材の光沢差が回復されやすくなる。また、球状の無機粒子の体積平均粒径を20μm以下とすることで、被研磨部材を研磨する際に、被研磨部材表面に傷が発生しにくくなる。これにより、被研磨部材表面の傷に起因した画像欠陥も発生しにくくなる。
球状の無機粒子の体積平均粒径D50vは、以下に示す方法により測定される。
球状の無機粒子の一次粒子100個を走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置((株)日立製作所製:S−4100)により観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込み、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から円相当径を測定する。得られた円相当径の累積頻度における50%径(D50v)を球状の無機粒子の体積平均粒径D50vとする。なお、電子顕微鏡は1視野中に球状の無機粒子が10個以上50個以下程度写るように倍率が調整され、複数視野の観察を合わせて一次粒子の円相当径が求められる。
球状の無機粒子の含有量は、表面層全体の体積に対して、被研磨部材表面への傷の発生を抑制する観点から、体積基準の含有率で10体積%以上45体積%以下が好ましく、15体積%以上40体積%以下がより好ましく、25体積%以上35体積%以下がさらに好ましい。
なお、球状の無機粒子の含有量は、フッ素樹脂と無機粒子の比重に基づき、表面層の比重の実測値から計算で算出する。
−フッ素樹脂−
フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)、又はこれらの変性体等が挙げられる。
これらの中でも、被研磨部材表面への粒子の付着又は固着を抑制する観点から、PFA、PTFEが好ましい。
−添加剤−
添加剤としては、例えば、シリカ、カーボン等の周知の添加剤が挙げられる。
表面層の厚さは、製法上とコストの観点から、10μm以上50μm以下が好ましく、15μm以上40μm以下がより好ましく、20μm以上30μm以下がさらに好ましい。
(研磨部材の製造方法)
研磨部材は、芯体上に表面層を形成することで得られる。
表面層は、予め調製した表面層形成用塗布液を芯体上に塗布して形成する方法(塗布法);芯体の周りに管状体(チューブ)を被覆する方法;等公知の方法で形成される。
例えば塗布法で表面層を形成する場合、研磨部材は以下の工程を経て製造される。
まず、芯体を準備する。次に、フッ素樹脂ディスパージョン液と、球状の無機粒子と、必要に応じて添加剤とを混合して表面層形成用塗布液を調製する。そして、表面層形成用塗布液を、芯体上に塗布して塗膜を形成する。その後、塗膜を加熱して表面層を形成する。以上の工程を経て研磨部材が得られる。
なお、表面層形成用塗布液を芯体上に塗布する方法としては、例えば浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が適用される。
また、例えば芯体の周りに管状体(チューブ)を被覆する方法で表面層を形成する場合、研磨部材は以下の工程を経て製造される。
まず、フッ素樹脂と、球状の無機粒子と、必要に応じて添加剤とを混練してペレット状組成物を作製する。次に、このペレット状組成物を押出成形法、射出成形法等の公知の方法により管状体(チューブ)に成形した後、管状体を接着剤が付与された芯体の周りに被覆する。その後、必要に応じて加熱することで表面層を形成する。以上の工程を経て研磨部材が得られる。
以上に説明した研磨部材の製造工程では、公知の方法を適用して芯体と表面層との間に弾性層等の中間層を少なくとも1層以上形成する工程を設けてもよい。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置について説明する。以下では、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
本実施形態に係る画像形成装置10は、カラー画像又は白黒画像を形成する装置であり、図2に示されるように、画像形成装置10の水平方向一側(図2における左側)部分を構成する第1筐体10Aと、第1筐体10Aに分割可能に接続され画像形成装置10の水平方向他側(図2における右側)部分を構成する第2筐体10Bと、を備えている。
第2筐体10Bの上部には、コンピュータ等の外部装置から送られてくる画像データに画像処理を施す画像信号処理部13、及び画像データを制御する制御部230が設けられている。
一方、第1筐体10Aの上部には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kが水平方向に沿って交換可能に設けられている。
なお、第1特別色及び第2特別色としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色(透明を含む)から適宜選択される。また、以後の説明では、各構成部品について第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、符号の後にV、W、Y、M、C、Kのいずれかを付して説明し、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別しない場合は、V、W、Y、M、C、Kを省略する。
トナーカートリッジ14の下側には、画像を形成する画像形成ユニット16が、各トナーカートリッジ14と対応するように水平方向に沿って複数設けられている。本実施形態では、複数の画像形成ユニット16は、各色のトナーに対応する6つで構成されている。各トナーカートリッジ14と各画像形成ユニット16との間には、露光ユニット40が画像形成ユニット16毎に設けられている。
各露光ユニット40は、前述した画像信号処理部13によって画像処理を施された画像データを画像信号処理部13から受け取り、この画像データに応じて変調した露光光L(図3参照)を後述の各感光体18(図3参照)へ照射するように構成されている。
各画像形成ユニット16は、図3に示されるように、一方向(図3における時計回り方向)に回転駆動される感光体18を備えている。各感光体18の周囲には、感光体18を帯電する帯電装置の一例としてのコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器20と、スコロトロン帯電器20によって帯電された感光体18に対して露光ユニット40から露光光Lが照射されることで形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する現像装置22と、転写後の感光体18に残留する現像剤を除去する除去部材の一例としてのブレード24と、転写後の感光体18に光を照射して除電を行う除電装置26と、が設けられている。
各スコロトロン帯電器20、各現像装置22、各ブレード24、各除電装置26は、各感光体18の表面と対向して、各感光体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
各現像装置22は、トナーを含んだ現像剤Gを収容する現像剤収容部材22Aと、現像剤収容部材22Aに収容された現像剤Gを感光体18に供給する現像ロール22Bを含んで構成されている。各現像剤収容部材22Aは、各トナーカートリッジ14(図2参照)とトナー供給路(図示省略)を通して接続されており、各トナーカートリッジ14からトナーが供給されるようになっている。
図2に示されるように、画像形成ユニット16の下側には、各画像形成ユニット16で形成されたトナー画像を記録媒体P(例えば用紙)へ転写する転写部32が設けられている。転写部32は、環状の転写体の一例としての中間転写ベルト34と、各画像形成ユニット16の感光体18で形成されたトナー画像を中間転写ベルト34へ転写する転写部材の一例としての第1転写ロール36と、中間転写ベルト34のトナー画像を記録媒体Pへ転写する転写部材の一例としての第2転写ロール62と、を備えている。
第1転写ロール36は、図3に示されるように、中間転写ベルト34を挟んで各画像形成ユニット16の感光体18と対向する位置にそれぞれ設けられている。第1転写ロール36は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、予め定められた第1転写位置T1において、感光体18に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写されるようになっている。第1転写位置T1は、具体的には、中間転写ベルト34と感光体18とが接触する接触位置である。
中間転写ベルト34は、図2に示されるように、図示しないモータで駆動される駆動ロール38と、中間転写ベルト34へ張力を付与する張力付与ロール41と、第2転写ロール62に対向して配置された対向ロール42と、複数の支持ロール44と、に巻き掛けられている。駆動ロール38が回転することにより、中間転写ベルト34は、一方向(図2における反時計回り方向)に循環移動されるように構成されている。第1転写位置T1(図3参照)で中間転写ベルト34に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト34が循環
移動することで、予め定められた第2転写位置T2に搬送されるようになっている。
第2転写ロール62は、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この転写バイアス電圧の印加により、第2転写ロール62は、中間転写ベルト34が第2転写位置T2に搬送したトナー画像を第2転写位置T2で記録媒体Pへ転写する構成とされている。
以上のように、本実施形態では、画像を形成する各画像形成ユニット16及び、各画像形成ユニット16で形成されたトナー画像を記録媒体Pへ転写する転写部32が、記録媒体に画像を形成する画像形成部の一例として機能する。
転写部32の下方には、用紙等の記録媒体が収容される記録媒体収容部48が水平方向に沿って2個設けられている。各記録媒体収容部48は、第1筐体10Aから引き出し自在とされている。各記録媒体収容部48の一端側(図2における右側)の上方には、各記録媒体収容部48から記録媒体Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられている。
各記録媒体収容部48内には、記録媒体Pが載せられる底板50が設けられている。この底板50は、記録媒体収容部48が第1筐体10Aから引き出されると、図示せぬ制御手段の指示によって下降するようになっている。底板50が下降することで、ユーザーが記録媒体Pを補充する空間が記録媒体収容部48に形成される。
第1筐体10Aから引き出された記録媒体収容部48を第1筐体10Aに装着すると、底板50が、制御手段の指示によって上昇するようになっている。底板50が上昇することで、底板50に載せられた最上位の記録媒体Pと送出ロール52とが接触するようになっている。
送出ロール52の記録媒体搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という場合がある)には、記録媒体収容部48から重なって送り出された記録媒体Pを一枚ずつに分離する分離ロール56が設けられている。分離ロール56の下流側には、記録媒体Pを搬送方向下流側に搬送する複数の搬送ロール54が設けられている。
記録媒体収容部48と転写部32との間に設けられる搬送経路60は、記録媒体収容部48から送り出された記録媒体Pを第1折返部60Aで図2における左側に折り返し、さらに、第2折返部60Bで図2における右側に折り返すように、第2転写ロール62と対向ロール42との間の第2転写位置T2へ延びている。第2転写位置T2の搬送方向上流側には、中間転写ベルト34上のトナー画像の移動タイミングと記録媒体Pの搬送タイミングを合わせるための搬送ロール(レジロール)64が設けられている。
搬送経路60の第2折返部60Bへ合流するように、第1筐体10Aの側面から延びる予備経路66が設けられている。第1筐体10Aに隣接して配置される記録媒体収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pが予備経路66を通って搬送経路60に入り込むようになっている。
第2転写位置T2の下流側には、トナー画像が転写された記録媒体Pを第2筐体10Bに向けて搬送する複数の搬送ベルト70が第1筐体10Aに設けられ、搬送ベルト70に搬送された記録媒体Pを下流側に搬送する搬送ベルト80が第2筐体10Bに設けられている。
複数の搬送ベルト70及び搬送ベルト80のそれぞれは、環状に形成されており、一対の巻掛ロール72に巻き掛けられている。一対の巻掛ロール72は、記録媒体Pの搬送方向上流側と下流側とにそれぞれ配置されており、一方が回転駆動することにより、搬送ベルト70(搬送ベルト80)を一方向(図2における時計回り方向)に循環移動させる。
搬送ベルト80の下流側には、記録媒体Pに転写されたトナー画像を加熱して記録媒体Pに定着させる定着装置82が設けられている。なお、定着装置82の具体的な構成については、後述する。
定着装置82の下流側には、定着装置82から送り出された記録媒体Pを下流側へ搬送する搬送ベルト108が設けられている。搬送ベルト108は、搬送ベルト70と同様に構成されている。
搬送ベルト108の下流側には、定着装置82によって加熱された記録媒体Pを搬送すると共にその記録媒体Pを冷却する冷却装置100が設けられている。冷却装置100の下流側には、記録媒体Pを挟んで搬送し、記録媒体Pの湾曲(カール)を矯正する矯正装置170が設けられている。
矯正装置170の下流側には、記録媒体Pに定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出する検出装置180が設けられている。検出装置180では、光源から記録媒体Pへ出射され、記録媒体Pによって上方に反射された反射光をCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の検出素子で検出することにより、トナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出するようになっている。
検出装置180の下流側には、片面に画像が形成された記録媒体Pを第2筐体10Bの側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。
一方、両面に画像を形成させる場合は、検出装置180から送出された記録媒体Pは、検出装置180の下流側に設けられた反転経路202に搬送されるようになっている。反転経路202には、搬送経路60から分岐する分岐経路202Aと、分岐経路202Aに沿って搬送される記録媒体Pを第1筐体10A側に向けて搬送する搬送経路202Bと、搬送経路202Bに沿って搬送される記録媒体Pを逆方向に向けて折返して、反転搬送(スイッチバック搬送)させて表裏を反転させる反転経路202Cが設けられている。
この構成により、反転経路202Cで反転搬送された記録媒体Pは、第1筐体10Aに向けて搬送され、さらに、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、第2転写位置T2へ再度送り込まれるようになっている。
(画像形成装置の画像形成工程)
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
画像信号処理部13で画像処理が施された画像データが、各露光ユニット40に送られる。各露光ユニット40では、画像データに応じて各露光光Lを出射して、スコロトロン帯電器20によって帯電した各感光体18に露光し、静電潜像が形成される。感光体18に形成された静電潜像は、現像装置22によって現像され、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が形成される。
各画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの感光体18に形成された各色のトナー画像は、6つの第1転写ロール36V、36W、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34に順次多重転写される。中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像は、第2転写ロール62によって、記録媒体収容部48から搬送されてきた記録媒体P上に二次転写される。
トナー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト70によって第2筐体10Bの内部に設けられた定着装置82に向けて搬送される。記録媒体P上の各色のトナー画像が定着装置82により加熱・加圧されることで記録媒体Pに定着する。
さらに、トナー画像が定着された記録媒体Pは、冷却装置100を通過して冷却された後、矯正装置170に送り込まれ、記録媒体Pに生じた湾曲が矯正される。湾曲が矯正された記録媒体Pは、検出装置180によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール198によって排出部196に排出される。
一方、画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、検出装置180を通過後に、記録媒体Pが反転経路202で反転され、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー画像が形成される。
<定着装置>
次に、本実施形態に係る定着装置82の具体的な構成について説明する。図4は、本実施形態に係る定着装置82の構成を示す概略図である。なお、図4は、研磨ロール93(研磨部材の一例)により定着ベルト84の表面の研磨が実施されている状態を示している。通常の状態、つまり、定着ベルト84の表面の研磨が実施されていないときは、研磨ロール93と定着ベルト84とは離間して配置されている。研磨ロールの作用については後述する。
図4に示されるように、定着装置82は、定着ベルト84(被研磨部材の一例)を備える定着ベルトモジュール86と、定着ベルトモジュール86に押し付けられるように配置され、例えば基材層88A及び弾性層88Bを備える加圧ロール88と、を有して構成されている。定着ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88との間には、定着ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触するニップ部(接触部)Nが形成されている。このニップ部Nを記録媒体Pが通過する際に、加圧ロール88及び定着ベルト84によって記録媒体Pが加圧及び加熱されることで、記録媒体Pにトナー画像が定着されるようになっている。
定着ベルトモジュール86は、周回して記録媒体Pを搬送しながら記録媒体Pに形成されたトナー画像を加熱して当該トナー画像を記録媒体Pに定着する加熱体の一例としての無端状の定着ベルト84と、加圧ロール88側で定着ベルト84が巻き掛けられてモータ(図示省略)の回転力で回転駆動する定着ロール89と、定着ベルト84の内周側における定着ロール89とは異なる位置に配置され定着ベルト84が巻き掛けられた内部加熱ロール90と、を備えている。
また、定着ベルトモジュール86は、定着ベルト84の外周側に配置されてその周回経路を規定する外部加熱ロール92と、定着ロール89から内部加熱ロール90までの定着ベルト84の内周面に巻き掛けられている支持ロール94と、を備えている。なお、本実施形態では、定着ベルト84の内周側には、定着ベルト84を挟んで外部加熱ロール92に対して対向配置された対向ロール91が設けられている。
さらに、定着ベルトモジュール86は、定着ベルト84の外周側に配置されて定着ベルト84の表面の研磨を実施する研磨ロール93を備えている。研磨ロール93は、定着ベルト84を研磨するとき、定着ベルト84を挟んで支持ロール94に対向して配置される。
研磨ロール93は、長手方向(軸方向)両端部に設けられた支持部材(図示省略)によって回転可能に支持されており、駆動手段としてのモータ99によって回転駆動されるようになっている。研磨ロール93により、定着ベルト84の表面の研磨が実施されるとき、研磨ロール93の長手方向両端部の支持部材が加圧手段としての加圧バネ(図示省略)によってそれぞれ加圧されることによって、研磨ロール93は定着ベルト84に予め定められた圧力で加圧される。これにより、研磨ロール93と定着ベルト84との間に、それぞれの表面移動方向において予め定められた幅の接触部(ニップ部)93Nが形成される。
また、本実施形態では、内部加熱ロール90が定着ベルト84の蛇行調整を行うステアリングロールを兼ねている。具体的に、内部加熱ロール90は、以下のように、定着ベルト84の蛇行調整を行う。すなわち、内部加熱ロール90は、軸方向一端部を軸方向他端部に対して径方向に移動させて、軸方向に沿った角度を変更することで、定着ベルト84をその周回方向と交差する幅方向に移動させている。従って、内部加熱ロール90は、定着ベルト84を研磨ロール93に対して当該研磨ロール93の回転軸方向へ相対移動させる機能も担う。
また、図4に示されるように、定着ロール89、内部加熱ロール90、及び外部加熱ロール92の内部には、加熱源の一例としての複数のハロゲンランプ89A、90A、92Aが設けられている。そして、定着ロール89と内部加熱ロール90とが定着ベルト84の内周面84Cに接触して定着ベルト84を内側から加熱し、外部加熱ロール92が定着ベルト84の外周面84Bに接触し定着ベルト84を外側から加熱する構成となっている。
定着ベルトモジュール86を構成する定着ベルト84と加圧ロール88とが押し付けられた領域であるニップ部Nの下流側領域で且つ定着ベルト84の内側には、定着ロール89の近傍位置に配置され定着ロール89の外周面から定着ベルト84を剥離する剥離パッド96と、ニップ部Nの下流側において定着ベルト84が巻き掛けられる支持ロール98と、が設けられている。
剥離パッド96は、一例として、鉄系の金属や樹脂等の剛体で形成された定着ロール89と対応する軸方向長さを有するブロック状の部材である。剥離パッド96の断面形状は、定着ロール89に面する湾曲した内側面96Aと、定着ベルト84を加圧ロール88に向けて押圧する押圧面96Bと、押圧面96Bに対して決められた角度を有して定着ベルト84を屈曲させる外側面96Cとを備えて構成される略円弧状を呈している。詳細には、押圧面96Bと外側面96Cから構成される角部Uは、加圧ロール88によって角部Uに押し付けられた定着ベルト84を屈曲させ、角部Uを記録媒体Pの先端が通過する際に、記録媒体Pの先端と定着ベルト84を剥離させる。
(定着装置の定着処理工程)
次に、定着装置82の定着処理工程について説明する。
第2転写位置T2(図2参照)でトナー画像が転写された記録媒体Pが、図4に示されるように、搬送ベルト80(図2参照)によってニップ部Nに導入される。
定着ロール89は、モータなどの駆動源(不図示)からの駆動力を受けて、回転している。また、定着ベルト84は、定着ロール89が回転するのに伴い、従動して矢印C方向に周回している。更に、加圧ロール88も、定着ベルト84の回転に従動して矢印E方向に回転する。
ニップ部Nに導入された記録媒体Pは、この回転している定着ベルト84及び加圧ロール88により下流方向に搬送されて行く。記録媒体Pは、このニップ部Nにおいて定着ベルト84及び加圧ロール88から加圧、及び加熱作用を受ける。この結果、記録媒体Pに対しトナー画像の定着がなされる。なお、記録媒体Pへの加熱は、定着ロール89、内部加熱ロール90、及び外部加熱ロール92によって加熱される定着ベルト84により行われる。
ニップ部Nを通過した定着ベルト84は、剥離パッド96の押圧面96Bと外側面96Cから構成される角部Uに押し付けられ屈曲する。そして、この角部Uを記録媒体Pの先端が通過する際に、記録媒体Pの所謂「コシ」によって定着ベルト84から剥離する。
(研磨ロールの作用)
次に、研磨ロール93の作用について説明する。
研磨ロール93による定着ベルト84の表面の研磨は、特定のタイミングで実施することが好ましい。例えば、記録媒体の搬送枚数が予め定められた枚数に達したとき(例えば通常のA4サイズのコピー用紙の場合、通紙枚数500枚程度);定着ベルト84の表面に光沢差が検出されたとき;画像上に定着ベルト84の表面の光沢差に起因した画像欠陥が検出されたとき;に実施することが好ましい。
定着ベルト84の表面の研磨は、例えば上記研磨のタイミングとなったときに制御手段(図示省略)により実施される。具体的に、制御手段により定着ベルト84と離間して配置されていた研磨ロール93が、図4に示されるように定着ベルト84に接触し予め定められた圧力で加圧され、研磨ロール93と定着ベルト84との間に上述した接触部(ニップ部)93Nを形成する。次いで、研磨ロール93がモータ99によって回転駆動され、定着ベルト84の表面の研磨が実施される。なお、研磨の実施は、公知の検出手段(例えば、通紙枚数検知センサ、グロスメーター)による信号に基づいて自動的に行われるように制御されていてもよいし、使用者が、例えば操作パネルを操作することで行ってもよい。
また、研磨ロール93により定着ベルト84の表面を研磨する際、研磨ロール93は、定着ベルト84に対して周速度差をもって回転することが好ましい。研磨ロール93の周速度は、定着ベルト84に対し、定着ベルト表面への傷の発生を抑制する観点から、50%以上95%以下が好ましい。
また、研磨ロール93の回転方向は、定着ベルト84の周回方向にならって順回転させても逆回転させてもよいが、定着ベルト表面への傷の発生を抑制する観点から、順回転させることが好ましい(図4参照)。
ここで、定着ベルト84の表面を研磨するとは、記録媒体Pの通過によって荒れた定着ベルト84の表面と荒れていない表面の両方を研磨して、定着ベルト84の表面粗さを均一に近い状態まで揃えることである。これにより、定着ベルト84の表面の光沢差が回復されると共に、定着ベルト84の表面の光沢差に起因した画像欠陥も抑制される。
さらに、本実施形態に係る研磨ロール93は、図1A、図1Bに示すように、その表面が、フッ素樹脂932B中に球状の無機粒子932Aを含有させた表面層932で構成されるため、表面層932の形状は凹凸形状の頂部が曲面状である。加えて、表面層932の形状は無機粒子932Aの形状(球状)が反映された凹凸形状であるため、凹凸の高さのバラツキも低減される。
よって、本実施形態に係る研磨ロール93を用いて定着ベルト84の表面を研磨することで、定着ベルト84の表面の光沢差が回復されるだけでなく、研磨ロール93による定着ベルト84の表面への傷の発生も抑制される。これにより、定着ベルト84の表面の光沢差に起因した画像欠陥、及び、研磨ロール93による定着ベルト84の表面への傷に起因した画像欠陥が共に抑制される。
(変形例)
上記実施形態では、被研磨部材として定着ベルト84を備えた定着装置82について説明したが、被研磨部材として定着ロールを備えた定着装置の構成であってもよい。この場合、上述した定着ベルト84の表面の研磨と同様の方法により、定着ロールの表面の研磨が実施される。
なお、この定着ロールを備えた定着装置は、ロールニップ方式と呼ばれ、各種画像形成装置に搭載され広く利用されている。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成しても良い。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、文中、特に断りがない限り、「部」とは「質量部」を意味する。
<実施例1>
(研磨ロール(1)の作製)
SUS304を材質とする外径30mm、長さ400mmの円筒の芯金を用意した。
別途、球状の無機材料として形状係数SF1が105のガラスビーズ(ポッターズバロティーニ社製:品番EJ−1200、体積平均粒径18μm)を50部と、フッ素樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル社製:品番31−JR、PTFE含有率60wt%)を167部を混合し、表面層形成用塗布液を調製した。
この表面層形成用塗布液を、上記芯金上に膜厚が30μmとなるように塗布し、370℃、30分加熱して表面層を形成した。これにより、研磨部材としての研磨ロール(1)を得た。
なお、表面層中における無機材料の体積基準の含有率は、既述の方法により算出したところ、30体積%であった。以下の球状の無機材料の体積基準の含有率についても同様の方法で算出した。
<実施例2〜8、比較例1>
表1に従って、表面層形成用塗布液の組成において、無機材料の種類、量(体積基準の含有率)、形状係数及び体積平均粒径、フッ素樹脂の種類と量、溶剤の種類、量、表面層の厚さを変更した以外は、実施例1の研磨ロール(1)と同様にして、各例の研磨ロールを得た。
<参考例>
(研磨ロール(C1)の作製)
SUS304を材質とする外径30mm、長さ400mmの円筒の芯金を用意し、その芯金の外周面を、ブラスト処理により表面粗さRaが5μmとなるまで粗面化した。
別途、フッ素樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル社製:品番31−JR、PTFE含有率60wt%)を使用して、表面を粗面化した芯金上に膜厚が30μmとなるように塗布し、370℃、30分加熱して表面層を形成した。これにより、参考例の研磨ロール(C1)を得た。
なお、芯金の表面粗さRa(算術平均粗さRa)は、JIS−B0601(1994年)に準拠して測定した。
[評価]
各例で作製した研磨ロールを図4に示す構成の定着装置82に装着し、この定着装置82が搭載された画像形成装置の改造機(富士ゼロックス社製)を用いて画像欠陥評価を行った。画像欠陥評価は、以下の要領で画像を出力した後、研磨ロール93で定着ベルト84の表面を研磨することで行った。
(画像欠陥評価)
まず、23℃/65%RH環境下で、A4サイズ用紙に画像密度5%の画像を5000枚連続出力した後に、A3サイズ用紙に画像密度240%のプロセスブラックベタ画像を1枚出力した。そして、このA3サイズ用紙の画像上に、A4サイズ用紙の用紙端部に相当する部分に定着ベルト表面の光沢差に起因した画像欠陥(筋状欠陥)が下記評価基準にてG4(×)で発生していることを視認により確認した。
その後、実施例1で作製した研磨ロール(1)を定着ベルトに圧力500g/cmで加圧して設置した。次いで、研磨ロール(1)の周速度を173mm/秒、定着ベルトの周速度を204mm/秒として周速度差を設け、定着ベルトの周回方向にならって順回転させながら、5分間、研磨ロール(1)を回転駆動させて定着ベルトの表面を研磨した。
その後、定着ベルトから、研磨ロールを離間させた。次いで、A3サイズ用紙に画像密度240%のプロセスブラックベタ画像を1枚出力し、このA3サイズ用紙の画像上に、定着ベルト表面の光沢差に起因した画像欠陥(筋状欠陥)が発生しているか否かを以下の基準に従い視認により観察した。さらに、研磨ロール(1)による定着ベルト表面への傷に起因した画像欠陥が発生しているか否かを以下の基準に従い視認により観察した。
その後、実施例2〜8、比較例1、参考例で作製した各研磨ロールについても、実施例1の研磨ロール(1)を用いた場合と同様の方法で画像欠陥評価を行った。結果を表1に示す。
−定着ベルト表面の光沢差に起因した画像欠陥(筋状欠陥)の評価基準−
G1(◎):確認されず
G2(○):光を反射させると、うっすらと筋が見える
G3(△):画像をそのまま視認して、うっすらと筋が見える
G4(×):画像をそのまま視認して、筋が見える
−研磨ロールによる定着ベルト表面への傷に起因した画像欠陥の評価基準−
G1(◎):確認されず
G2(○):光を反射させると、うっすらと筋が見える
G3(△):画像を正面から視認して、うっすらと筋が見える
G4(×):画像を正面から視認して、複数のはっきりとした筋が見える
以下、表中の略称について示す。
粒径D50:無機材料の体積平均粒径
含有量(体積%):表面層中における体積基準の無機材料の含有率
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、研磨ロールによる定着ベルト表面への傷に起因した画像欠陥が共に抑制されたことがわかる。
10 画像形成装置
16 画像形成ユニット
32 転写部
82 定着装置
84 定着ベルト(被研磨部材の一例)
90 内部加熱ロール
93 研磨ロール(研磨部材の一例)
931 芯体
932 表面層
932A 球状の無機粒子
932B フッ素樹脂

Claims (5)

  1. 芯体と、前記芯体上に設けられ、球状の無機粒子及びフッ素樹脂を含む表面層と、を有し、
    前記球状の無機粒子が酸化ケイ素を含む
    電子写真用定着部材の表面研磨用研磨部材。
  2. 前記球状の無機粒子の体積平均粒子径が、5μm以上20μm以下である請求項1に記載の研磨部材。
  3. 前記球状の無機粒子の含有量が、表面層全体の体積に対して10体積%以上45体積%以下である請求項1又は請求項2に記載の研磨部材。
  4. 定着部材と、
    前記定着部材の外周面を加圧すると共に、未定着のトナー画像が表面に形成された記録媒体を前記定着部材と共に挟み込む加圧部材と、
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の研磨部材と
    を備える定着装置。
  5. 記録媒体にトナー画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部によって前記記録媒体に形成された前記トナー画像を、前記記録媒体に定着させる請求項に記載の定着装置と、
    を備える画像形成装置。
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