JP2017223843A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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藤田 貴史
Takashi Fujita
貴史 藤田
島田 浩幸
Hiroyuki Shimada
浩幸 島田
香理 辺見
Kaori Hemmi
香理 辺見
健一 長谷川
Kenichi Hasegawa
健一 長谷川
俊哉 矢部井
Toshiya Yabei
俊哉 矢部井
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Abstract

【課題】修復時間の短縮化を図れる定着装置を提供する。【解決手段】定着装置80は、定着ローラ4と、加熱ローラ5と、定着ローラ4と加熱ローラ5とに掛け回された無端状の定着ベルト2と、加圧ローラ3と、定着ベルト2の表面に低融点フッ素樹脂を供給して定着ベルト2の表面性状を修復(回復)する修復手段1とを備えている。修復手段1は定着ベルト2の表面に接触する摺擦部材21を有し、摺擦部材21の表面には低融点フッ素樹脂(変性PTFE)が設けられている。定着ベルトの離型層の融点をT1、離型層(PFA、PTFE)の最高使用温度(連続)をT2、定着装置の非通紙域の到達温度をT3、定着装置の通紙域の設定温度をT4とすると、低融点フッ素樹脂の融点Txは、T4≦T3≦Tx≦T2<T1を満たす。【選択図】図2

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいはこれらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置では、未定着トナー像を担持した記録媒体を定着装置に通して加熱・加圧し、定着するようになっている。
この種の定着装置としては、加熱ローラ方式とベルト定着方式がある。
加熱ローラ方式の定着装置は、所定の温度に維持された定着部材としての定着ローラとその定着ローラに当接する加圧ローラとによって形成されたニップ部により、未定着トナー像が形成された記録媒体を狭持搬送しつつ加熱及び加圧するものである。
ベルト定着方式の定着装置は、定着部材としての無端状の定着ベルトを加熱ローラと定着ローラとに掛け回し、定着ベルトを介して定着ローラに加圧ローラを押圧してニップ部を形成するものである。
しかしながら、定着装置に記録媒体を通紙することにより、上記定着部材の表面に通紙による傷や、紙粉、用紙から定着部材へ転移するオフセットトナー等の汚れが生じ、除々に荒れてくるという問題がある。
前記の傷の大きな原因として、記録媒体の裁断時に生じる両端部のバリがある。特に、同一サイズの記録媒体が連続して通紙されると、定着部材における記録媒体の搬送方向両端部、すなわちバリが通過する位置は荒らされて傷が付いた状態となる。
このような定着部材の表面の汚れや荒れは、光沢ムラを生じさせ画像の乱れや劣化を招来する。
この問題に対処すべく、従来より定着部材の表面をローラ状の研磨部材で研磨して表面粗さを均一にして表面性状を修復(回復)する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
定着部材の離型層に接触する摺動部材を設け、摺動部材の表層から剥離した剥離物を離型層に溶着させて修復する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
摺動部材の表層の材料としては、PFA、PTFE、FEPなどのフッ素樹脂が挙げられている。すなわち、定着部材の離型層に用いられる材料と同種の材料をそのまま表層材料として用いる構成となっている。
しかしながら、摺動部材の表層材料を定着部材の離型層と物性が同じ材料とした場合、表層材料の融点以下では溶着が困難で溶着量が微量にとどまる可能性があり、修復に長時間(例えば30分以上)を要する懸念があった。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、修復時間の短縮化を図れる定着装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、フッ素樹脂からなる離型層を有する定着部材と、前記定着部材に対向して配置され、前記定着部材との間に未定着トナーを担持した記録媒体を搬送するニップ部を形成する対向部材と、前記定着部材の表面に低融点フッ素樹脂を供給して前記定着部材の表面性状を修復する修復手段と、
を備え、前記低融点フッ素樹脂の融点は、前記定着部材の使用到達温度以上で、前記定着部材の前記フッ素樹脂の最高使用温度(連続)以下である。
本発明によれば、修復時間の短縮化を図れる定着装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概要構成図である。 定着装置の一例を示す概要断面図で、(a)は摺擦部材が定着ベルトに接触している状態を示す図、(b)は摺擦部材が定着ベルトから離間している状態を示す図である。 変性PTFEの一例の骨格を示す図である。 変性PTFEの他例の骨格を示す図である。 PTFEを示す図で、(a)はPTFEの骨格を示す図、(b)はその構造式である。 PFAを示す図で、(a)はPFAの骨格を示す図、(b)はその構造式である。 FEPを示す図で、(a)はFEPの骨格を示す図、(b)はその構造式である。 第3の実施形態における定着装置の一例を示す概要断面図である。 第5の実施形態における定着装置の一例を示す概要断面図である。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
まず、図1乃至図7に基づいて第1の実施形態を説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
画像形成装置本体100の内部には複数の画像形成手段10Y、10M、10C、10Kが並設されたタンデム型中間転写式の画像形成部20が設けられている。上記の符号に付けた添え字Y、M、C、Kは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色をそれぞれ示している。
画像形成装置本体100の中央付近には、無端ベルト状の中間転写ベルト30が設けられている。
中間転写ベルト30は、複数の支持ローラ30a、30b、30c、30d等に掛け回して図中時計回り方向に回転駆動される。支持ローラ30dの左側には、中間転写ベルト30用のクリーニング装置40が設けられている。クリーニング装置40は画像転写後に中間転写ベルト30上に残留する残留トナーを除去する。
支持ローラ30aと支持ローラ30b間に張り渡した中間転写ベルト30上には、その搬送方向に沿って、4つの画像形成手段10Y、10M、10C、10Kが横方向に並べて配置され、タンデム型の画像形成部20を構成している。なお、以下、「10Y、10M、10C、10K」等を「10Y、M、C、K」のように略記する。各画像形成手段10Y、M、C、Kは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナー画像を担持する感光体ドラム40Y、M、C、Kを有している。
画像形成部20の上には、2つの露光装置50が設けられている。各露光装置50はそれぞれ2つの画像形成手段10Yと10M、10Cと10Kに対応しており、例えば2つの光源装置とカップリング光学系、共通の光偏向器、2系統の走査結像光学系等で構成される光走査方式の露光装置である。2つの光源装置は、例えば半導体レーザ、半導体レーザアレイ、あるいはマルチビーム光源等であり、共通の光偏向器は例えばポリゴンミラー等である。露光装置50はイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色の画像情報に応じて各感光体ドラム40Y、M、C、Kに露光を行い、静電潜像を形成する。
各画像形成手段10Y、M、C、Kには、感光体ドラム40Y、M、C、Kの露光に先立って各感光体ドラム40Y、M、C、Kを均一に帯電する帯電装置が設けられている。また、露光装置50によって形成された静電潜像を各色のトナーで現像する現像装置、感光体ドラム40Y、M、C、K上の転写残トナーを除去する感光体用クリーニング装置が設けられている。各感光体ドラム40Y、M、C、Kから中間転写ベルト30にトナー画像を転写する一次転写位置には、中間転写ベルト30を間に挟んで各感光体ドラム40Y、M、C、Kに対向するように一次転写ローラ60Y、M、C、Kが設けられている。
中間転写ベルト30を支持する複数の支持ローラのうち、支持ローラ30aは中間転写ベルト30を回転駆動する駆動ローラであり、図示しない駆動伝達機構(ギヤ、プーリ、ベルト等)を介してモータと接続されている。ブラックの単色画像を中間転写ベルト30上に形成する場合には、図示しない移動機構により、駆動ローラ30a以外の支持ローラ30b、30cを移動させる。これにより、イエロー、シアン、マゼンタの感光体ドラム40Y、M、Cを中間転写ベルト30から離間させることが可能となっている。
中間転写ベルト30を挟んで画像形成部20と反対の側には、二次転写装置70が配置されている。二次転写装置70は、支持ローラ30dに二次転写ローラ30eを押し当てて転写電界を印加することで中間転写ベルト30上の画像を記録媒体としてのシート状の転写紙Sに転写する。
二次転写装置70の搬送方向下流側には、転写紙S上の転写画像を定着する定着装置80が設けられている。
二次転写装置70で画像が転写された転写紙Sは、2つのローラに支持された搬送ベルト70aにより定着装置80へと搬送される。定着装置80は、転写紙Sを挟持搬送しながら加圧及び加熱を行って転写紙Sにトナー画像を定着する。搬送ベルト70aの部分は、固定されたガイド部材でも良く、あるいは搬送ローラや搬送コロ等でも良い。二次転写装置70及び定着装置80の下には、画像形成部20と平行に、転写紙Sの両面に画像を記録すべく転写紙Sを反転して搬送するシート反転装置90が備えられている。
図2に基づいて定着装置80の構成を説明する。
定着装置80は、定着ローラ4と、加熱ローラ5と、定着ローラ4と加熱ローラ5とに掛け回された定着部材としての無端状の定着ベルト2と、定着ベルト2に対向して配置され、定着ベルト2との間に未定着トナーを担持した転写紙Sを搬送するニップ部Nを形成する対向部材としての加圧ローラ3と、定着ベルト2の表面に低融点フッ素樹脂を供給して定着ベルト2の表面性状を修復(回復)する修復手段1とを備えている。
加圧ローラ3は内部にハロゲンヒータ3aを有し、加熱ローラ5は内部に複数のハロゲンヒータ5aを有している。
図2において、符号6はテンションローラを、7は定着ローラ4側に配置された第1分離板を、8は加圧ローラ3側に配置された第2分離板を示している。
定着ローラ4は定着ベルト2を介し加圧ローラ3との間で加圧されてニップ部Nを形成している。ハロゲンヒータ5aにより加熱される加熱ローラ5を介して定着ベルト2は加熱される。トナーTを担持した転写紙Sは、ニップ部Nに導かれて加熱及び加圧されることによりトナーTを定着される。トナーTを定着された転写紙Sは、第1分離板7または第2分離板8によって先端部が分離されて次工程に排出される。
なお、定着ローラ4内にハロゲンヒータを有し、定着ベルト2及び加熱ローラ5を持たない構成でも構わない。また、熱源が誘導加熱式であっても構わない。また、第1分離板7、第2分離板8は、分離爪の構成でも構わない。
定着ベルト2は、PI(ポリイミド)樹脂からなる層厚が90μmのベース層上に、シリコーンゴムなどの弾性層、離型層が順次積層された多層構造の無端ベルトである。定着ベルト2の弾性層は、層厚が200μm程度であって、シリコーンゴム、フッ素ゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。定着ベルト2の離型層は、層厚が20μm程度であって、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等で形成されている。定着ベルト2の表層に離型層を設けることにより、トナー(トナー像)に対する離型性が確保されることになる。
修復手段1は、定着ベルト2の表面に所定の圧力で押し付けられて接触するローラ状の摺擦部材21と、摺擦部材21を回転駆動する駆動源としてのモータ22と、これらを支持する支持部材23と、支持部材23を移動させて摺擦部材21を定着ベルト2に対して接離する接離手段24と、駆動制御部25とを有している。接離手段24は例えばソレノイド等でもよい。
摺擦部材21は、定着ベルト2の回転方向と順方向に線速差を有して回転し、転写紙Sの裁断時に生じる搬送方向(通紙方向)の両端部のバリに起因する定着ベルト2の局所的な傷の一部を、定着ベルト2に低融点フッ素樹脂を供給し穴埋めすることで、回復させる。
上記「線速差」とは、摺擦部材21の表面の周方向の線速と、定着ベルト2の表面の周方向の線速との差である。
低融点フッ素樹脂は、摺擦部材21の表面に30〜90μmの厚みで層として設けられている。
駆動制御部25はコンピュータやモータ駆動用の駆動回路等で構成されたコントローラであり、定着ベルト2に対する摺擦部材21の当接、離間を制御する。
摺擦部材21により定着ベルト2の表面を均す処理が修復処理(回復処理)であり、駆動制御部25は、回復処理を実施する。
本実施形態における摺擦部材21に設けられた低融点フッ素樹脂の融点は、定着ベルト2の使用到達温度以上で、定着ベルト2の離型層をなすフッ素樹脂(ここではPFA)の最高使用温度(連続)以下である。
PFAの最高使用温度(連続)は、表1に示すフッ素樹脂の一般特性表から、260℃である。表1は、日本弗素樹脂工業会「ふっ素樹脂ハンドブック」からの抜粋である。
定着ベルト2の使用到達温度は、使用時に最も高くなる部位の温度で、実質的には記録媒体の搬送域外(通紙域外、非通紙域)の温度である。
Figure 2017223843
本発明では、各温度を以下のように規定する。
T1(320〜340℃):定着ベルトの離型層に用いられるPFA、PTFEの融点
T2(260℃) :PFA、PTFEの最高使用温度(連続)
T3(例えば240℃<T2):定着装置の非通紙域(非搬送域)の到達温度
T4(例えば160〜190℃):定着装置の通紙域(搬送域)の設定温度
T1、T2は材料選択で決まるものであり、T3、T4は装置設計と制御でその範囲を規定するものである。
上記温度規定において、本実施形態の低融点フッ素樹脂の融点は、定着部材の使用到達温度以上で、定着部材のフッ素樹脂の最高使用温度(連続)以下である。
すなわち、摺擦部材21に設けられた低融点フッ素樹脂の融点Txは、
T4≦T3≦Tx≦T2<T1
を満たす。
低融点フッ素樹脂には種々の融点Txを持つものがあり、Txは上記の温度の間に存在する。
フッ素樹脂はポリエチレン(CH2)nのHの大部分をFに置き換えた構造で、Hより原子量が大きく、結合エネルギーが大きなFを多く含むため、融点165℃以上、密度1.9以上などの特性を示す。全てをFに置き換えた構造のPTFEは融点327℃、密度2.20である。参考として、ポリエチレンは、融点120〜140℃、密度0.965である。
図3は本実施形態における低融点フッ素樹脂の一例の変性PTFEの骨格を示す図で、図4は他例の変性PTFEの骨格を示す図である。以下の実施例においても低融点フッ素樹脂は変性PTFEを用いている。
図5はPTFEを示す図で、(a)は骨格を示す図、(b)は構造式である。図6はPFAを示す図で、(a)は骨格を示す図、(b)は構造式である。図7はFEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)を示す図で、(a)は骨格を示す図、(b)は構造式である。
[回復処理の実施タイミング]
作像中に摺擦部材21を定着ベルト2に圧接させ動作させると、微量オフセットトナーが、摺擦部材21に付着する。微量オフセットトナーの付着が多くなると、摺擦部材21の定着ベルト2に対する回復性能が劣化する。このため、画像形成装置における作像中以外のとき、(例えば、印刷処理停止時)に、回復処理(修復動作)を実行する。
駆動制御部25は、画像形成装置の制御部を監視していて、修復手段1による回復処理を、画像形成装置の作像中には実施しないで、印刷ジョブ終了後に実施する。
または、駆動制御部25は、修復手段1による回復処理を、画像形成装置のダウンタイム時に実行ボタンが押されることによる実行命令に基づき実施する。「ダウンタイム時」とは、例えばメンテナンス等によりシステムが停止しているとき(印刷処理が行われないとき)である。
回復処理を実施する場合には、駆動制御部25は接離手段24を制御して摺擦部材21を定着ベルト2の表面に所定の圧力で押し付けるとともに、モータ22を制御して摺擦部材21を回転させる。
摺擦部材21が定着ベルト2の表面に接触して摺動すると、低融点フッ素樹脂が削れて溶融し、定着ベルト2の荒れた部位に溶着して表面が均される。すなわち、定着ベルト2の表面の修復がなされる。
回復処理が完了すると、駆動制御部25は接離手段24を制御して摺擦部材21を定着ベルト2の表面から離間させ、摺擦部材21の回転を停止する。
特許文献1等の従来技術では、摺擦部材の表層材料にPFA、PTFE、FEPなどをそのまま用いており、この場合、摺擦部材の表層の融点Tyは、
T4≦T3≦T2<T1=Ty
あるいは、
T4≦T3≦T2<Ty<T1
となる。
すなわち、摺擦部材の表層の融点が定着部材のフッ素樹脂の最高使用温度(連続)よりも高いため(表1参照)、剥がれても溶着が困難で溶着量が微量にとどまる可能性があり、修復に長時間を要する懸念がある。
本実施形態では、Txが定着部材の表面温度T3、T4に近いため、定着部材の表面に溶着しやすく、通紙両端部(通紙方向に平行な両端部)の傷を高速に回復できる。また、T3<Txの場合には、摺擦し続けても低融点フッ素樹脂が大量に溶け出すことによる記録媒体の搬送方向両端部の筋状などのムラ(溶け出し異常画像)を防止できる。
次に、第2の実施形態を説明する。定着装置の構成は図2と同じである。
上記温度規定において、本実施形態の低融点フッ素樹脂の融点は、定着部材における記録媒体の搬送域の設定温度以上で、定着部材における記録媒体の搬送域外の使用到達温度以下である。
すなわち、摺擦部材21に設けられた低融点フッ素樹脂の融点Txは、
T4≦Tx≦T3≦T2<T1
を満たす。
TxがT4に近いため定着ベルト2の表面に最も溶着しやすく、通紙両端部の傷を高速に回復できる。
但し、定着ベルト2の表面がT3となることがあるため、その際には摺擦し続けると低融点フッ素樹脂が大量に溶け出す虞がある。
この場合、定着ベルト2の表面の温度を検知するセンサからの情報に基づいて、検知温度がT3となったときは駆動制御部25は接離手段24を制御して摺擦部材21を定着ベルト2の表面から離間させる。検知温度がT3となったときは、換言すれば、定着部材における記録媒体の搬送域外の温度が低融点フッ素樹脂の融点を超える状態である。
これにより、副作用である低融点フッ素樹脂が大量に溶け出す不具合を防止できる。
定着ベルト2の離型層や低融点フッ素樹脂の融点Txを変えた場合の実施例の結果を表2に示す。
表2におけるTHV 500G Z、THV 8151G Zは、住友スリーエム社製の低融点フッ素樹脂の商品名で、密度はそれぞれ1.98、2.06である。
FEPは、表1に示すように、融点260℃で密度2.17、最高使用温度(連続)は200℃である。
Figure 2017223843
実施例1、3では、T4<T3<Tx<T2<T1を満たし、溶け出し異常画像は発生せず、3分以内の高速回復となっている。
実施例2、4では、T4<Tx<T3<T2<T1を満たし、溶け出し異常画像が発生する条件であるが、摺擦部材21の離間制御を行うことにより、溶け出し異常画像は発生せず、3分以内の高速回復となっている。
実施例5では、T4<Tx<T3=T2<T1を満たし、溶け出し異常画像が発生する条件であるが、摺擦部材21の離間制御を行うことにより、溶け出し異常画像が発生せず、3分以内の高速回復となっている。
実施例6では、低融点フッ素樹脂がFEPで、T4<T3<Tx=T2<T1を満たし、溶け出し以上画像は発生せず、10分以内の回復となっている。実施例1〜5に比べ回復時間が長いが、それでも従来における30分程度の回復時間よりは大幅に短い。
図8に基づいて第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と同一部分は同一符号で示し、既にした構成上及び機能上の説明は適宜省略する(他の実施形態において同じ)。
上記温度規定において、本実施形態の低融点フッ素樹脂の融点は、定着部材の使用到達温度以上で、定着部材のフッ素樹脂の最高使用温度(連続)以下である。
本実施形態では摺擦部材21’は低融点フッ素樹脂を有しておらず、低融点フッ素樹脂は容器状の供給部材26に粉状の形態で収容されている。
供給部材26に収容された低融点フッ素樹脂の融点Txは、
T4≦T3≦Tx≦T2<T1
を満たす。
供給部材26は摺擦部材21’の上方に配置されている。供給部材26の下端から落下した粉状ないし粉体状の変性PTFEからなる低融点フッ素樹脂が摺擦部材21’の周面に付着し、摺擦部材21’が定着ベルト2の表面に接触することで、低融点フッ素樹脂が間接的に定着ベルト2に供給される。
粉状の低融点フッ素樹脂は平均粒径が10〜25μmである。低融点フッ素樹脂は通紙方向両端部に供給される。
供給部材26の底面には金属メッシュが設けられ、該金属メッシュと摺擦部材21’間にバイアスを印加し、静電的に低融点フッ素樹脂を供給する構成となっている。
このようにすれば、吸湿が少なく、僅かな振動で負に帯電し易いフッ素樹脂粉体の供給には適している。無論その他の機械的供給でも本発明の効果は発揮される。
本実施形態では、Txが定着部材の表面温度T3、T4に近いため、定着部材の表面に溶着しやすく、通紙両端部の傷を高速に回復できる。また、T3<Txの場合には、低融点フッ素樹脂を供給し続けても低融点フッ素樹脂が大量に溶け出すことはない。
次に、第4の実施形態を説明する。定着装置の構成は図8と同じである。
上記温度規定において、本実施形態の低融点フッ素樹脂の融点は、定着部材における記録媒体の搬送域の設定温度以上で、定着部材における記録媒体の搬送域外の使用到達温度以下である。
すなわち、供給部材26に収容された粉状の低融点フッ素樹脂の融点Txは、
T4≦Tx≦T3≦T2<T1
を満たす。
TxがT4に近いため定着ベルト2の表面に最も溶着しやすく、通紙両端部の傷を高速に回復できる。
但し、定着ベルト2の表面がT3となることがあるため、その際には低融点フッ素樹脂を供給し続けると低融点フッ素樹脂が大量に溶け出す虞がある。
この場合、定着ベルト2の表面の温度を検知するセンサからの情報に基づいて、検知温度がT3となったときは駆動制御部25はバイアス印加を停止して供給部材26からの低融点フッ素樹脂の供給を停止する。図2で示した接離手段24により摺擦部材21’を定着ベルト2から離間させるようにしてもよい。
これにより、低融点フッ素樹脂が大量に溶け出す不具合を防止できる。
図9に基づいて第5の実施形態を説明する。
本実施形態では、低融点フッ素樹脂を供給部材26から直接定着ベルト2に供給する構成を有している。供給部材26からの供給方法は上記と同じである。
上記温度規定において、本実施形態の低融点フッ素樹脂の融点は、定着部材の使用到達温度以上で、定着部材のフッ素樹脂の最高使用温度(連続)以下である。
すなわち、供給部材26に収容された粉状の低融点フッ素樹脂の融点Txは、
T4≦T3≦Tx≦T2<T1
を満たす。
本実施形態では、Txが定着部材の表面温度T3、T4に近いため、定着部材の表面に溶着しやすく、通紙両端部の傷を高速に回復できる。また、T3<Txの場合には、低融点フッ素樹脂を供給し続けても低融点フッ素樹脂が大量に溶け出すことはない。
次に、第6の実施形態を説明する。定着装置の構成は図9と同じである。
上記温度規定において、本実施形態の低融点フッ素樹脂の融点は、定着部材における記録媒体の搬送域の設定温度以上で、定着部材における記録媒体の搬送域外の使用到達温度以下である。
すなわち、供給部材26に収容された粉状の低融点フッ素樹脂の融点Txは、
T4≦Tx≦T3≦T2<T1
を満たす。
TxがT4に近いため定着ベルト2の表面に最も溶着しやすく、通紙両端部の傷を高速に回復できる。
但し、定着ベルト2の表面がT3となることがあるため、その際には低融点フッ素樹脂を供給し続けると低融点フッ素樹脂が大量に溶け出す虞がある。
この場合、定着ベルト2の表面の温度を検知するセンサからの情報に基づいて、検知温度がT3となったときは駆動制御部25はバイアス印加を停止して供給部材26からの低融点フッ素樹脂の供給を停止する。
これにより、低融点フッ素樹脂が大量に溶け出す不具合を防止できる。
記録媒体の搬送域外ではTx≦T3となるため、非接触供給方式であっても定着ベルト2の傷に低融点フッ素樹脂が入り込んで溶着する。
本実施形態では低融点フッ素樹脂の供給が非接触方式であるため、印刷ジョブの時間を大きく損なうことなく3分以内の高速な回復が可能となる。
図8又は図9の構成において、定着ベルト2の離型層や低融点フッ素樹脂の融点Txを変えた場合の実施例の結果を表3に示す。
Figure 2017223843
内容は表2と同様であるが、ここでは低融点フッ素樹脂の大量溶け出しの防止は、摺擦部材の離間ではなく、低融点フッ素樹脂の供給停止(供給制御)となる。
実施例2、4、5では図9の構成での溶け出し異常画像の発生がないが、これは非接触供給方式自体によるもので、上記のように定着ベルト2の温度がT3となったときは供給を停止すればよい。
実施例7は特許文献2等の従来例の場合を示しており、T4<T3<T2<T1=Tyの関係となっている。これは、摺擦部材の表層に定着ベルト2の離型層と同じ材料(PFA)をそのまま用いているからである。
この場合、表層材料の融点以下では溶着が困難で溶着量が微量にとどまる可能性があり、修復に長時間(60分)かかる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 修復手段
2 定着部材
3 対向部材
21 摺擦部材
26 供給部材
80 定着装置
S 記録媒体
特開2014−164075号公報 特開2015−197630号公報

Claims (11)

  1. フッ素樹脂からなる離型層を有する定着部材と、
    前記定着部材に対向して配置され、前記定着部材との間に未定着トナーを担持した記録媒体を搬送するニップ部を形成する対向部材と、
    前記定着部材の表面に低融点フッ素樹脂を供給して前記定着部材の表面性状を修復する修復手段と、
    を備え、
    前記低融点フッ素樹脂の融点は、前記定着部材の使用到達温度以上で、前記定着部材の前記フッ素樹脂の最高使用温度(連続)以下である定着装置。
  2. フッ素樹脂からなる離型層を有する定着部材と、
    前記定着部材に対向して配置され、前記定着部材との間に未定着トナーを担持した記録媒体を搬送するニップ部を形成する対向部材と、
    前記定着部材の表面に低融点フッ素樹脂を供給して前記定着部材の表面性状を修復する修復手段と、
    を備え、
    前記低融点フッ素樹脂の融点は、前記定着部材における記録媒体の搬送域の設定温度以上で、前記定着部材における記録媒体の搬送域外の使用到達温度以下である定着装置。
  3. 請求項1に記載の定着装置において、
    前記修復手段が、表面が前記低融点フッ素樹脂からなり、前記定着部材の表面に接触する摺擦部材を有する定着装置。
  4. 請求項2に記載の定着装置において、
    前記修復手段が、表面が前記低融点フッ素樹脂からなり、前記定着部材の表面に接触する摺擦部材を有し、前記定着部材における記録媒体の搬送域外の温度が前記低融点フッ素樹脂の融点を超える際には、前記摺擦部材は前記定着部材から離間する定着装置。
  5. 請求項1に記載の定着装置において、
    前記修復手段が、前記定着部材の表面に接触する摺擦部材と、前記摺擦部材に粉状の前記低融点フッ素樹脂を供給する供給部材とを有する定着装置。
  6. 請求項2に記載の定着装置において、
    前記修復手段が、前記定着部材の表面に接触する摺擦部材と、前記摺擦部材に粉状の前記低融点フッ素樹脂を供給する供給部材とを有し、前記定着部材における記録媒体の搬送域外の温度が前記低融点フッ素樹脂の融点を超える際には、前記低融点フッ素樹脂の供給を停止する定着装置。
  7. 請求項1又は2に記載の定着装置において、
    前記修復手段が、前記定着部材の表面に粉状の前記低融点フッ素樹脂を供給する供給部材を有する定着装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の定着装置において、
    前記低融点フッ素樹脂が変性PTFEである定着装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の定着装置を有する画像形成装置。
  10. 請求項9に記載の画像形成装置において、
    前記修復手段による修復動作を、印刷ジョブ終了後に実施する画像形成装置。
  11. 請求項9に記載の画像形成装置において、
    前記修復手段による修復動作を、実行命令に基づき実施する画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020003667A (ja) * 2018-06-28 2020-01-09 グンゼ株式会社 画像形成装置用チューブ

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