以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(イメージセンサ・バイナリカウンタ)
2.第2の実施の形態(イメージセンサ・ハイブリッドカウンタ)
3.第3の実施の形態(イメージセンサ・グレイコードカウンタ)
4.第4の実施の形態(イメージセンサ・3スロープ)
5.第5の実施の形態(イメージセンサ・物理構成)
6.第6の実施の形態(イメージセンサ・エリア並列処理)
7.第7の実施の形態(撮像装置)
<1.第1の実施の形態>
<相関二重サンプリング>
従来、イメージセンサにおけるA/D変換として、ランプ波形を参照電圧として画像信号と比較器で比較し、比較器の出力が反転するまでの時間をカウントする、スロープ方式A/D変換があった。スロープ方式A/D変換は、線形性やノイズ特性に優れている。
ところで、イメージセンサにおける画素信号のA/D変換においては、相関二重サンプリング(CDS(Correlated Double Sampling))を用いて画素信号に含まれるkTCノイズ等を抑制することにより撮像画像の画質の低減を抑制する方法がある。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、デジタルCDSを行うことができず、アナログCDSを行うことになる。アナログCDSは、デジタルCDSと比べて固定パターンノイズを除去しきれずノイズ素性が悪いため、撮像画像の画質が低減するおそれがあった。
これに対して特許文献2乃至特許文献4に記載の方法ではデジタルCDSを行うことが可能であるが、特許文献2に記載の方法の場合、カウンタのカウント動作を行うブロックを多重に持つ必要があり、カウンタの面積が倍増し、コストが増大するおそれがあった。また、特許文献3および特許文献4に記載の方法の場合、上位ビットにバイナリコードを用い、下位ビットにグレイコードを用いるハイブリッド型のカウンタが用いられるが、バイナリコードとグレイコードのそれぞれについて黒レベルの保持部と選択手段が必要となり、カウンタの面積が倍増し、コストが増大するおそれがあった。
<カウンタ内の相関二重サンプリング>
そこで、信号の入力開始からその信号の値が変化するまでの期間の長さの計測を複数回行い、各計測により得られた測定値を保持するようにする。そして、その保持している複数の測定値の中からいずれかを用いてその計測の初期値を設定し、設定された初期値を用いて、信号の入力開始からその信号の値が変化するまでの期間の長さの計測を行うようにする。
例えば、信号処理装置において、信号の入力開始から信号の値が変化するまでの期間の長さの計測を複数回行い、各計測により得られた測定値を保持し、保持している複数の測定値の中からいずれかを用いて計測の初期値を設定し、設定された初期値を用いて計測を行う計測部を備えるようにする。
このようにすることにより、計測部の回路規模(面積)を不要に増大させることなく(計測部の面積の増大を抑制しながら)、カウンタ内においてデジタルCDSを実現することができる。したがって、コストの増大を抑制することができる。換言するに、コストの増大を抑制しながら、ノイズ成分の増大を抑制することができる。したがって、例えばイメージセンサの場合、撮像画像の画質の低減を抑制することができる。
なお、計測部が、所定のクロック信号のクロック数をカウントすることにより、上述した期間の長さの計測を行い、得られたカウント値を測定値として保持するようにしてもよい。つまり、計測部としてクロック数をカウントするカウンタを適用するようにしてもよい。このようなカウンタを用いることにより、容易に、上述した期間の長さをデジタル値として表すことができる。
また、計測部が、第1の信号について上述した期間の長さの計測を複数回行い、保持している複数の測定値の内、第1の信号と異なる第2の信号の信号レベルに対応する測定値を用いて初期値を設定し、設定された初期値を用いて第1の信号および第2の信号と異なる第3の信号について上述した期間の長さの計測を行うようにしてもよい。
そしてその第1の信号が、単位画素から読み出されたリセット信号と参照信号との信号レベルの比較結果であるようにしてもよい。
また、その参照信号が、第1の信号に関する計測の度にスロープの傾きが異なるようにしてもよい。
また、第2の信号が、単位画素から読み出された画素信号と所定の参照電圧との信号レベルの比較結果であるようにしてもよい。
また、第3の信号が、単位画素から読み出された画素信号と、第2の信号の信号レベルに対応する傾きのスロープを有する参照信号との信号レベルの比較結果であるようにしてもよい。
また、計測部が、上述した期間の長さの計測において測定値の全ビットをバイナリコードで取得するようにしてもよい。そして、計測部が、そのバイナリコードの測定値の内、第2の信号の信号レベルに対応する測定値をデータ反転し、第3の信号について上述した期間の長さの計測における初期値として設定するようにしてもよい。
なお、計測部が、単位画素から読み出されたリセット信号と第1の傾きのスロープを有する第1の参照信号との信号レベルの比較結果について、開始から信号の値が変化するまでの期間の長さを計測する第1の計測を行い、第1の計測により得られた第1の測定値を保持し、リセット信号と第2の傾きのスロープを有する第2の参照信号との信号レベルの比較結果について、開始から信号の値が変化するまでの期間の長さを計測する第2の計測を行い、第2の計測により得られた第2の測定値を保持し、単位画素から読み出された画素信号と所定の参照電圧との比較結果に応じて、第1の測定値若しくは第2の測定値を用いて初期値を設定し、設定された初期値を用いて、画素信号と、画素信号と参照電圧との比較結果に対応する第1の参照信号若しくは第2の参照信号との信号レベルの比較結果について、開始から信号の値が変化するまでの期間の長さを計測する第3の計測を行い、第3の計測により得られた第3の測定値を出力するようにしてもよい。
例えば、計測部が、画素信号の信号レベルが参照電圧より低い場合、第1の測定値を用いて初期値を設定し、設定された初期値を用いて、画素信号と第1の参照信号との信号レベルの比較結果について、第3の計測を行うようにしてもよい。また、例えば、計測部が、画素信号の信号レベルが参照電圧より高い場合、第2の測定値を用いて初期値を設定し、設定された初期値を用いて、画素信号と第2の参照信号との信号レベルの比較結果について、第3の計測を行うようにしてもよい。
このようにすることにより、計測部は、第3の計測を、画素信号の信号レベルに対してより適切な傾きのスロープを有する参照信号を用いて行うことができる。したがって、このような計測部を利用することにより、フレームレートの低減を抑制しながら、より高ダイナミックレンジのA/D変換を実現することができる。換言するに、コストの増大を抑制しながら、高速かつ高ダイナミックレンジの、より正確なA/D変換を実現することができる。
なお、計測部が、測定値のビット長に応じた数の、互いに直列に接続され、それぞれが複数の値を保持することができるフリップフロップ回路を有するようにしてもよい。
また、単位画素から読み出された信号と参照信号との信号レベルの比較を行う比較部をさらに備え、計測部が、その比較部による比較の結果を示す信号について、計測を行うようにしてもよい。
また、例えばフリップフロップ等の信号処理装置において、入力された信号を保持し、保持している信号を出力することができる1つ若しくは複数の第1のラッチと、第1のラッチに保持されている信号を取得して保持し、保持している信号を第1のラッチに供給して保持させることができる1つ若しくは複数の第2のラッチと、その第1のラッチと第2のラッチとの間の信号の転送を制御する転送制御部とを備えるようにしてもよい。このようにすることにより、信号処理装置は、複数の値を保持し、保持されている値の中から所望の値を選択し、出力することができる。
なお、その信号処理装置が、第1のラッチに保持されている信号のデータ反転を制御する反転制御部をさらに備えるようにしてもよい。このようにすることにより、信号処理装置は、保持されている値を出力したり、その値をデータ反転したものを出力したりすることができる。
<イメージセンサ>
このような本技術を適用した撮像素子の一実施の形態であるイメージセンサの主な構成例を、図1に示す。図1に示されるイメージセンサ100は、被写体からの光を光電変換して画像データとして出力するデバイスである。例えば、イメージセンサ100は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いたCMOSイメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)を用いたCCDイメージセンサ等として構成される。
図1に示されるように、イメージセンサ100は、画素アレイ101、列並列処理部102、転送部103、制御部111、行走査部112、および列走査部113を有する。
画素アレイ101は、フォトダイオード等の光電変換素子を有する画素構成(単位画素)が平面状または曲面状に配置される画素領域である。構成の詳細については後述するが、以下においては、画素アレイ101において、単位画素がM行N列(M、Nは任意の自然数)のアレイ状に配置されているものとする。
各単位画素から読み出されたアナログ信号は、垂直信号線121−1乃至垂直信号線121−Nのいずれかを介して列並列処理部102に伝送される。以下において、垂直信号線121−1乃至垂直信号線121−Nを互いに区別して説明する必要が無い場合、垂直信号線121と称する。
列並列処理部102は、画素アレイ101から垂直信号線121を介して単位画素列(カラム)毎に伝送される信号をその単位画素列(カラム)毎に互いに独立に処理する。例えば、列並列処理部102は、画素アレイ101から読み出された各カラムのアナログ信号(例えばリセット信号や画素信号)をそれぞれA/D変換する。列並列処理部102は、得られた各信号処理結果(例えば各A/D変換により得られた各デジタルデータ)を、信号線122−1乃至信号線122−Nのいずれかを介して転送部103に出力する。以下において、信号線122−1乃至信号線122−Nを互いに区別して説明する必要が無い場合、信号線122と称する。
転送部103は、列並列処理部102から信号線122を介して供給されるデジタルデータを、信号線123を介してイメージセンサ100の外部等に転送する。
制御部111は、制御線131を介して制御信号を供給することにより列並列処理部102を制御する。また、制御部111は、制御線132を介して制御信号を供給することにより転送部103を制御する。また、制御部111は、制御線133を介して制御信号を供給することにより行走査部112を制御する。また、制御部111は、制御線134を介して制御信号を供給することにより列走査部113を制御する。このように、イメージセンサ100の各部を制御することにより、制御部111は、イメージセンサ100全体の動作(各部の動作)を制御する。
なお、図1においては、上述した制御線131乃至制御線134がそれぞれ1本の点線(点線矢印)により示されているが、これらの制御線はいずれも、複数の制御線により構成されるようにしてもよい。
行走査部112は、制御部111に制御されて、制御線125−1乃至制御線125−Mを介して制御信号を供給することにより、画素アレイ101の各単位画素のトランジスタの動作を制御する。なお、以下において、制御線125−1乃至制御線125−Mを互いに区別して説明する必要が無い場合、制御線125と称する。
列走査部113は、制御部111に制御されて、制御線126−1乃至制御線126−Nを介して制御信号を供給することにより、列並列処理部102の動作をカラム毎に制御する。なお、以下において、制御線126−1乃至制御線126−Nを互いに区別して説明する必要が無い場合、制御線126と称する。
<画素アレイ>
画素アレイ101の主な構成例を図2に示す。上述したように、画素領域(画素アレイ101)には、複数の単位画素が面状に並べられて配置されている。図2の例の場合、M×N個の単位画素141(単位画素141−11乃至単位画素141−MN)が、M行N列の行列状(アレイ状)に並べられて配置されている。以下において、単位画素141−11乃至単位画素141−MNを互いに区別して説明する必要が無い場合、単位画素141と称する。単位画素141の並べ方は任意であり、例えば、所謂ハニカム構造等のように、行列状以外の並べ方であってもよい。
図2に示されるように、単位画素141のカラム(列)(以下において、単位画素列とも称する)毎に垂直信号線121(垂直信号線121−1乃至垂直信号線121−N)が形成されている。そして、各垂直信号線121は、自身に対応するカラム(単位画素列)の各単位画素に接続され、その各単位画素から読み出された信号を列並列処理部102に伝送する。また、図2に示されるように、単位画素141の行(以下において、単位画素行とも称する)毎に制御線125(制御線125−1乃至制御線125−M)が形成されている。そして、各制御線125は、自身に対応する単位画素行の各単位画素に接続され、行走査部112から供給される制御信号を、その各単位画素に伝送する。
つまり、単位画素141は、自身が属するカラム(単位画素列)に割り当てられた垂直信号線121と、自身が属する単位画素行に割り当てられた制御線125とに接続されており、その制御線125を介して供給される制御信号に基づいて駆動し、自身において得られる電気信号を、その垂直信号線121を介して列並列処理部102に供給する。
なお、図2において各行の制御線125は1本の線として示されているが、この各行の制御線125が複数の制御線により構成されるようにしてもよい。
<単位画素構成>
図3は、単位画素141の回路構成の主な構成の例を示す図である。図3に示されるように、単位画素141は、フォトダイオード(PD)151、転送トランジスタ152、リセットトランジスタ153、増幅トランジスタ154、およびセレクトトランジスタ155を有する。
フォトダイオード(PD)151は、受光した光をその光量に応じた電荷量の光電荷(ここでは、光電子)に光電変換してその光電荷を蓄積する。その蓄積された光電荷は、所定のタイミングにおいて読み出される。フォトダイオード(PD)151のアノード電極は画素領域のグランド(画素グランド)に接続され、カソード電極は転送トランジスタ152を介してフローティングディフュージョン(FD)に接続される。もちろん、フォトダイオード(PD)151のカソード電極が画素領域の電源(画素電源)に接続され、アノード電極が転送トランジスタ152を介してフローティングディフュージョン(FD)に接続され、光電荷が光正孔として読み出される方式としてもよい。
転送トランジスタ152は、フォトダイオード(PD)151からの光電荷の読み出しを制御する。転送トランジスタ152は、ドレイン電極がフローティングディフュージョンに接続され、ソース電極がフォトダイオード(PD)151のカソード電極に接続される。また、転送トランジスタ152のゲート電極には、行走査部112から供給される転送制御信号を伝送する転送制御線(TRG)が接続される。つまり、この転送制御線(TRG)は、図2の制御線125に含まれる。
転送制御線(TRG)の信号(すなわち、転送トランジスタ152のゲート電位)がオフ状態のとき、フォトダイオード(PD)151からの光電荷の転送が行われない(フォトダイオード(PD)151において光電荷が蓄積される)。これに対して、転送制御線(TRG)の信号がオン状態のとき、フォトダイオード(PD)151に蓄積された光電荷がフローティングディフュージョン(FD)に転送される。
リセットトランジスタ153は、フローティングディフュージョン(FD)の電位をリセットする。リセットトランジスタ153は、ドレイン電極が電源電位に接続され、ソース電極がフローティングディフュージョン(FD)に接続される。また、リセットトランジスタ153のゲート電極には、行走査部112から供給されるリセット制御信号を伝送するリセット制御線(RST)が接続される。つまり、このリセット制御線(RST)は、図2の制御線125に含まれる。
リセット制御線(RST)の信号(すなわち、リセットトランジスタ153のゲート電位)がオフ状態のとき、フローティングディフュージョン(FD)は電源電位と切り離されている。これに対して、リセット制御線(RST)の信号がオン状態のとき、フローティングディフュージョン(FD)の電荷が電源電位に捨てられ、フローティングディフュージョン(FD)がリセットされる。
増幅トランジスタ154は、フローティングディフュージョン(FD)の電位変化を増幅し、電気信号(アナログ信号)として出力する。増幅トランジスタ154は、ゲート電極がフローティングディフュージョン(FD)に接続され、ドレイン電極がソースフォロワ電源電圧に接続され、ソース電極がセレクトトランジスタ155のドレイン電極に接続されている。
例えば、増幅トランジスタ154は、リセットトランジスタ153によってリセットされたフローティングディフュージョン(FD)の電位をリセット信号(リセットレベル)としてセレクトトランジスタ155に出力する。また、増幅トランジスタ154は、転送トランジスタ152によって光電荷が転送されたフローティングディフュージョン(FD)の電位を光蓄積信号(信号レベル)としてセレクトトランジスタ155に出力する。
セレクトトランジスタ155は、増幅トランジスタ154から供給される電気信号の垂直信号線(VSL)121(すなわち、列並列処理部102)への出力を制御する。セレクトトランジスタ155は、ドレイン電極が増幅トランジスタ154のソース電極に接続され、ソース電極が垂直信号線121に接続されている。また、セレクトトランジスタ155のゲート電極には、行走査部112から供給されるセレクト制御信号を伝送するセレクト制御線(SEL)が接続される。つまり、このセレクト制御線(SEL)は、図2の制御線125に含まれる。
セレクト制御線(SEL)の信号(すなわち、セレクトトランジスタ155のゲート電位)がオフ状態のとき、増幅トランジスタ154と垂直信号線121は電気的に切り離されている。したがって、この状態のとき、当該単位画素141からリセット信号や画素信号等が出力されない。これに対して、セレクト制御線(SEL)がオン状態のとき、当該単位画素141が選択状態となる。つまり、増幅トランジスタ154と垂直信号線121が電気的に接続され、増幅トランジスタ154から出力される信号が、当該単位画素141の画素信号として、垂直信号線121に供給される。すなわち、当該単位画素141からリセット信号や画素信号等が読み出される。
なお、単位画素141の構成は任意であり、図3の例に限定されない。例えば、5トランジスタ型やフローティングディフュージョン共有型など様々な構成を適用することができる。
<列並列処理部>
次に、図4を参照して、列並列処理部102(図1)の構成例について説明する。図4に示されるように、列並列処理部102は、参照信号生成部171、参照信号生成部172、およびA/D変換部173を有する。
参照信号生成部171は、A/D変換部173のA/D変換の基準信号となる参照信号(参照電圧とも称する)を発生する。この参照信号の波形は任意である。例えば、参照信号をランプ波(のこぎり波)としてもよい。以下においては、参照信号としてランプ波(Ramp)を用いる場合を例に説明する。参照信号生成部171は、例えば、D/A変換部を有し、そのD/A変換部により参照信号(Ramp)を生成する。この参照信号(Ramp)は、参照信号線171A並びに参照信号線171B−1乃至参照信号線171B−Nを介してA/D変換部173に供給される。以下において、参照信号線171B−1乃至参照信号線171B−Nを互いに区別して説明する必要が無い場合、参照信号線171Bと称する。
参照信号生成部172は、参照信号生成部171と同様の処理部であり、A/D変換部173のA/D変換の基準信号となる参照信号(参照電圧とも称する)を発生する。この参照信号生成部172により生成された参照信号(Ramp)は、参照信号線172A並びに参照信号線172B−1乃至参照信号線172B−Nを介してA/D変換部173に供給される。以下において、参照信号線172B−1乃至参照信号線172B−Nを互いに区別して説明する必要が無い場合、参照信号線172Bと称する。
参照信号生成部171が生成する参照信号(Ramp)と、参照信号生成部172が生成する参照信号(Ramp)とは、そのスロープの傾きが互いに異なる。参照信号生成部171は、参照信号生成部172が生成する参照信号(Ramp)よりもスロープの傾きが緩やかな参照信号(Ramp)を生成する。
A/D変換部173は、参照信号生成部171が生成する参照信号(Ramp)若しくは参照信号生成部172が生成する参照信号(Ramp)を用いて、垂直信号線121を介して画素アレイ101から供給されるアナログ信号(リセット信号や画素信号等)をA/D変換する。その際、A/D変換部173は、デジタルCDSを行うことができる。また、A/D変換部173は、そのデジタルCDSにおいて、リセット期間(以下においてP相とも称する)におけるリセット信号のA/D変換を、参照信号生成部171が生成する参照信号(Ramp)と参照信号生成部172が生成する参照信号(Ramp)とのそれぞれに対して行い、信号読み出し期間(以下においてD相とも称する)における画素信号のA/D変換を、参照信号生成部171が生成する参照信号(Ramp)と参照信号生成部172が生成する参照信号(Ramp)との内、画素信号の信号レベルに応じた方を用いて行う。
従って、A/D変換部173は、画素信号の信号レベルに対してより適切な傾きのスロープを有する参照信号を用いて、画素信号のA/D変換を行うことができる。つまり、A/D変換部173は、高速かつ高ダイナミックレンジの、より正確なA/D変換を実現することができる。
A/D変換部173は、以上のようなA/D変換により得られたデジタルデータ(A/D変換結果)を信号線122を介して転送部103に出力する。
参照信号生成部171、参照信号生成部172、およびA/D変換部173は、制御線131を介して制御部111から供給される制御信号(すなわち、制御部111の制御)に基づいて駆動する。また、A/D変換部173は、列走査部113から制御線126を介して供給される制御信号(すなわち列走査部113の制御)に基づいて、以上のようなA/D変換をカラム毎に行う。
A/D変換部173は、図4に示されるように、カラムA/D変換部181−1乃至カラムA/D変換部181−Nを有する。以下において、カラムA/D変換部181−1乃至カラムA/D変換部181−Nを互いに区別して説明する必要が無い場合、カラムA/D変換部181と称する。カラムA/D変換部181は、画素アレイ101のカラム(単位画素列)毎に設けられている。
そして、図4に示されるように、各カラムA/D変換部181(カラムA/D変換部181−1乃至カラムA/D変換部181−N)には、自身に対応するカラムの垂直信号線121(垂直信号線121−1乃至垂直信号線121−N)と、参照信号線171Bおよび参照信号線172Bとが接続されている。各カラムA/D変換部181は、自身に対応するカラムの単位画素141から読み出され、そのカラムの垂直信号線121を介して供給される信号(例えばリセット信号や画素信号等)を、参照信号線171Aおよび参照信号線171Bを介して参照信号生成部171から供給される参照信号、若しくは、参照信号線172Aおよび参照信号線172Bを介して参照信号生成部172から供給される参照信号を利用してA/D変換する。
また、図4に示されるように、各カラムA/D変換部181には、自身に対応するカラムの信号線122(信号線122−1乃至信号線122−N)が接続されている。各カラムA/D変換部181は、自身において得られたA/D変換結果を、自身に対応する信号線122を介して転送部103に供給する。
また、各カラムA/D変換部181(カラムA/D変換部181−1乃至カラムA/D変換部181−N)には、自身に対応する制御線126(制御線126−1乃至制御線126−N)が接続されている。各カラムA/D変換部181は、その制御線126を介して列走査部113から供給される制御信号(すなわち、列走査部113の制御)に基づいて駆動する。なお、図4において各列の制御線126は1本の線として示されているが、この各列の制御線126が複数の制御線により構成されるようにしてもよい。
なお、以上においては、カラムA/D変換部181が画素アレイ101の単位画素列(カラム)毎に設けられるように説明したが、A/D変換部173に設けられるカラムA/D変換部181の数は任意であり、画素アレイ101の単位画素列と同数であってもよいし、その単位画素列より多くてもよいし、少なくてもよい。例えば、カラムA/D変換部181が、複数単位画素列毎に設けられるようにしてもよい。
<カラムA/D変換部>
次に、図5を参照して、カラムA/D変換部181(図4)の構成例について説明する。図5に示されるように、カラムA/D変換部181は、セレクタ191、比較部192、およびカウンタ193を有する。
2入力1出力のセレクタ191は、その一方の入力端子が参照信号線171Bに接続され、他方の入力端子が参照信号線172Bに接続され、出力端子が信号線201を介して比較部192の一方の入力端子に接続される。セレクタ191は、比較部192に供給する参照信号を選択する。
より具体的には、セレクタ191は、制御線126Aを介して列走査部113から供給される制御信号(すなわち列走査部113の制御)に従って、参照信号生成部171が生成した参照信号と参照信号生成部172が生成した参照信号とのいずれか一方を選択する。
2入力1出力の比較部192は、その一方の入力端子が、自身の対応するカラムの垂直信号線121に接続され、他方の入力端子が、信号線201を介してセレクタ191の出力端子に接続され、その出力端子が、信号線202を介してカウンタ193の入力端子に接続されている。比較部192は、両入力端子に入力される信号の信号レベルを比較する。
より具体的には、比較部192は、制御線126Bを介して列走査部113から供給される制御信号(すなわち列走査部113の制御)に従って、垂直信号線121を介して供給される入力信号(例えば単位画素141から読み出されたアナログ信号)と、信号線201を介して供給される参照信号とを比較し(信号レベルの比較を行い)、その比較結果を信号線202を介してカウンタ193に出力する。つまり、比較部192は、入力信号と参照信号とのいずれの信号レベルが大きいかを示す信号をカウンタ193に供給する。
例えば、この比較結果を示す信号は、1ビットのデジタルデータである。例えば、参照信号の信号レベルが、入力信号の信号レベルより大きい場合、この比較結果を示す信号の値が「0」となり、逆の場合、値が「1」となる。もちろん、この信号の値の取り方は逆でもよい。また、比較結果を示す信号のビット長は任意であり、複数ビットからなる情報であってもよい。
カウンタ193は、入力端子が信号線202を介して比較部192の出力端子に接続され、出力端子が、自身に対応するカラムの信号線122に接続されている。カウンタ193には、比較部192から比較結果が供給される。カウンタ193は、制御線126Cを介して列走査部113から供給される制御信号(すなわち列走査部113の制御)に従って、カウント開始からその比較結果が反転(比較部192の出力信号の信号レベルが変化)するまでの時間を計測(例えば、所定のクロック信号のクロック数をカウント)する。そして、カウンタ193は、その比較結果が反転した時点でそれまでのカウント値を、比較部192に入力される入力信号のA/D変換結果(つまり、単位画素141から読み出された信号のデジタルデータ)として、信号線122を介して転送部103に出力する。
上述した制御線126A乃至制御線126Cは、図4の制御線126に含まれる。
列走査部113は、例えばCDSのP相においては、セレクタ191に各参照信号を順次選択させ、比較部192にリセット信号を各参照信号と順次比較させ、カウンタ193に各比較結果について、カウント開始から比較結果の値が変化するまでの時間を計測させる。つまり、リセット信号が各参照信号を用いてA/D変換される。
また、列走査部113は、例えばCDSのD相においては、セレクタ191に画素信号の信号レベルに応じた参照信号を選択させ、比較部192に画素信号を選択された参照信号と比較させ、カウンタ193にカウント開始からその比較結果の値が変化するまでの時間を計測させる。つまり、画素信号が画素信号の信号レベルに応じた参照信号(例えば画素信号の信号レベルに応じた傾きのスロープを有する参照信号)を用いてA/D変換される。
従って、A/D変換部173は、D相において、画素信号の信号レベルに対してより適切な参照信号(例えばより適切な傾きのスロープを有する参照信号)を用いて、画素信号のA/D変換を行うことができる。つまり、A/D変換部173は、D相において不要な参照信号を用いたA/D変換を省略することができ、高速かつ高ダイナミックレンジの、より正確なA/D変換を実現することができる。
<カウンタ>
カウンタ193は、例えば、カウント開始から比較結果が反転するまでの時間を計測した測定値(例えば、クロック数のカウント値)の全ビットをバイナリコードで取得するようにしてもよい。つまり、カウンタ193として、バイナリカウンタのみを用いるようにしてもよい。
図6に、その場合のカウンタ193の主な構成例を示す。この場合、カウンタ193は、図6の例のように構成される、ANDゲート211、Dフリップフロップ212−1乃至Dフリップフロップ212−L(Lは任意の自然数)、並びに、フラグラッチ213を有する。Dフリップフロップ212−1乃至Dフリップフロップ212−Lは、互いに同様の構成を有するDフリップフロップ回路である。以下において、Dフリップフロップ212−1乃至Dフリップフロップ212−Lを互いに区別して説明する必要が無い場合、Dフリップフロップ212と称する。
ここで、カウンタ193は、ビット長Lのカウント値を出力する。つまり、カウンタ193は、Dフリップフロップ212がカウント値のビット数だけ直列に接続されたリップルカウンタを有し、このリップルカウンタによってカウント動作を行う。
入力クロックCLKINは比較部192の出力CMOUTと論理積(AND)をとることで、カウント期間を制御している。また、D相と参照電圧との比較結果であるフラグ信号(F)は、CMOUTを共有して入力される。フラグラッチ213は、そのフラグ信号(F)を格納する。このフラグラッチ213に保持されるフラグ信号(F)は、各Dフリップフロップ212内の退避ラッチの動作の制御に用いられる。
<Dフリップフロップ>
図7にDフリップフロップ212の主な構成例を示す。Dフリップフロップ212は、図7の例のように構成される、NOTゲート221、NANDゲート222、NOTゲート223、スイッチ224、NOTゲート225、NOTゲート226、スイッチ227、NOTゲート228、およびNOTゲート229を有する。
図7に示されるように、NOTゲート225およびNOTゲート226によりラッチが構成される。また、NOTゲート228およびNOTゲート229によりラッチが構成される。このNOTゲート228およびNOTゲート229からなるラッチが退避ラッチとして機能する。スイッチ227は、制御信号s1の値に従って、この退避ラッチへの信号の入出力を制御する。
NOTゲート223およびスイッチ224を制御する制御信号CLK、並びにその値を反転した、NOTゲート221およびNOTゲート226を制御する制御信号xCLKは、図8のAに示されるような、ANDゲート231、NORゲート232、およびNOTゲート233からなる論理回路を用いて、制御信号CKH、制御信号xCKL、およびCin[n]から生成される。
また、スイッチ227を制御する制御信号s1、並びに、NOTゲート225を制御する制御信号s3は、図8のBに示されるような、ANDゲート234およびANDゲート235からなる論理回路を用いて、制御信号SP1、制御信号FSP、および制御信号SP3から生成される。
各制御信号のタイミングチャートの例を図8のCに示す。
Dフリップフロップ212(図7)、例えば、制御信号s1によってスイッチ227をオン状態(ON)とすることにより、Cout[n]に保持された信号を、退避ラッチ(NOTゲート228およびNOTゲート229からなるラッチ)に転送することができる。そして、制御信号s1によってスイッチ227をオフ状態(OFF)にすると、退避ラッチに信号を保持したまま、Cout[n]に新たな信号を保持させることができる。また、制御信号s1によってスイッチ227を再度オン状態(ON)とすることにより、退避ラッチ(NOTゲート228およびNOTゲート229からなるラッチ)に保持されている信号をCout[n]に復元することができる。
つまり、このDフリップフロップ212は、入力された信号を保持し、保持している信号を出力することができる第1のラッチと、第1のラッチに保持されている信号を取得して保持し、保持している信号を第1のラッチに供給して保持させることができる第2のラッチと、第1のラッチと第2のラッチとの間の信号の転送を制御する転送制御部とを備えることができる。
このような退避ラッチを用いて信号を保持することにより、Dフリップフロップ212は、複数の信号を保持し、それらの内所望の方を選択して出力することができる。
このようなDフリップフロップ212を用いてカウンタ193を図6の例のように実現することにより、カウンタ193は、カウント値(の各ビット)を複数保持することができる。したがって、カウンタ193は、デジタルCDSを行う際に、P相の参照信号生成部171が生成した参照信号を用いた比較結果のカウント値と、P相の参照信号生成部172が生成した参照信号を用いた比較結果のカウント値の両方を保持し、D相において、それらの内所望の方を選択して利用することができる。例えば、カウンタ193は、画素信号の信号レベルに応じた方を選択して出力することができる。したがって、カラムA/D変換部181は、デジタルCDSのD相のカウント動作において、画素信号の信号レベルに応じた初期値を設定することができる。つまり、カラムA/D変換部181は、D相において画素信号の信号レベルに応じた参照信号を用いて画素信号のA/D変換を行う際に、より適切な初期値を設定することができる。つまり、カラムA/D変換部181は、このような方法の高速かつ高ダイナミックレンジのA/D変換をより正確に行うことができる。
また、図8のCに示されるように、Cout[n]の値は、制御信号xCKLをLにしてDフリップフロップ212をロックしならが、制御信号CKHをHにすることで反転することができる。つまり、このDフリップフロップ212は、第1のラッチに保持されている信号のデータ反転を制御する反転制御部をさらに備えることができる。
反転したP相の値をD相カウントの初期値とすることで、カウンタ193内でのデジタルCDSを実現することができる。つまり、カラムA/D変換部181は、このような方法の高速かつ高ダイナミックレンジのA/D変換をより正確に行うことができる。
また、以上のように、Dフリップフロップ212に構成を僅かに追加するのみで、デジタルCDSを実現することができ、カウンタ193の回路規模(設置に必要な面積)の増大を抑制することができる。カウンタ193の回路規模が増大するとイメージセンサ100の回路規模も増大する。イメージセンサ100の設置に必要な面積が増大すると、イメージセンサ100の設置に必要な半導体基板の大きさも大きくなるので製造コストが増大するおそれがある。また、仮に半導体基板を大きくしなくてもイメージセンサ100が設置可能であるとしても、その設計がより困難になるので、開発コストが増大するおそれがある。
カラムA/D変換部181(すなわちA/D変換部173)は、本技術を適用したDフリップフロップ212(カウンタ193)を適用することにより、回路規模の増大を抑制することができるので、コストの増大を抑制しながら、高速かつ高ダイナミックレンジのA/D変換をより正確に行うことができる。つまり、イメージセンサ100は、本技術を適用したカラムA/D変換部181(すなわちA/D変換部173)を用いることにより、コストの増大を抑制することができる。
<A/D変換処理の流れ>
図9のフローチャートを参照して、イメージセンサ100のカラムA/D変換部181により実行されるA/D変換処理の流れの例を説明する。
A/D変換処理が開始されると、ステップS101において、カラムA/D変換部181は、カウンタ193をリセット(初期化)し、各Dフリップフロップ212に所定の初期値(例えば「0」)をセットする。
ステップS102において、カラムA/D変換部181は、第1のリセット期間(第1P相)において、(例えば緩やかなスロープの)第1のスロープ参照信号を用いて、単位画素141から読み出されたリセット信号をA/D変換し、カウンタ193において、そのA/D変換結果(デジタルデータ)である第1のリセット信号(P1)を得る。
ステップS103において、カラムA/D変換部181は、カウンタ193の各Dフリップフロップ212において、スイッチ227をオン状態にし、その第1のリセット信号(P1)を退避ラッチ(NOTゲート228およびNOTゲート229よりなるラッチ)に転送し、保持させる。
ステップS104において、カラムA/D変換部181は、カウンタ193の各Dフリップフロップ212において、スイッチ227をオフ状態にした後、カウンタ193をリセット(初期化)し、各Dフリップフロップ212に所定の初期値(例えば「0」)をセットする。
ステップS105において、カラムA/D変換部181は、第2のリセット期間(第2P相)において、(例えば急なスロープの)第2のスロープ参照信号を用いて、単位画素141から読み出されたリセット信号をA/D変換し、カウンタ193において、そのA/D変換結果(デジタルデータ)である第2のリセット信号(P2)を得る。
この状態において、カウンタ193には第1のリセット信号(P1)と第2のリセット信号(P2)との両方が保持されている。つまり、各Dフリップフロップ212には、第1のリセット信号(P1)の、そのDフリップフロップ212に対応するビットの値と、第2のリセット信号(P2)、そのDフリップフロップ212に対応するビットの値との両方が保持されている。
ステップS106において、カラムA/D変換部181は、判定期間において、比較部192により単位画素141から読み出された画素信号を所定の参照電圧と比較し、その比較結果をフラグ信号(F)として得る。
ステップS107において、カラムA/D変換部181は、そのフラグ信号(F)の信号レベルがLであるか否かを判定する。フラグ信号(F)の信号レベルがLであり、画素信号が低照度であると判定された場合、処理は、ステップS108に進む。
ステップS108において、カラムA/D変換部181は、カウンタ193の各Dフリップフロップ212において、スイッチ227をオン状態にし、退避ラッチに保持させている第1のリセット信号(P1)を復元する。
ステップS109において、カラムA/D変換部181は、カウンタ193の各Dフリップフロップ212において、制御信号xCKLをLにしてDフリップフロップ212をロックしならが、制御信号CKHをHにすることで復元した第1のリセット信号(P1)をデータ反転する。つまり、カウンタ193(各Dフリップフロップ212)に「−P1」が初期値としてセットされる。
ステップS110において、カラムA/D変換部181は、信号読み出し期間(D相)において、その「−P1」を初期値とし、第1のスロープ参照信号(例えば緩やかなスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換する。
このA/D変換により、デジタルデータの画素信号(D)が得られる。上述したように初期値が「−P1」であるので、カウンタ193においては、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)が得られる。
ステップS111において、カラムA/D変換部181は、そのデジタルCDSされた画素信号(D−P1)を出力する。
ステップS111の処理が終了するとA/D変換処理が終了する。
また、ステップS107において、フラグ信号(F)の信号レベルがHであり、画素信号が高照度であると判定された場合、処理は、ステップS112に進む。
ステップS112において、カラムA/D変換部181は、カウンタ193の各Dフリップフロップ212において、制御信号xCKLをLにしてDフリップフロップ212をロックしならが、制御信号CKHをHにすることで第2のリセット信号(P2)をデータ反転する。つまり、カウンタ193(各Dフリップフロップ212)に「−P2」が初期値としてセットされる。
ステップS113において、カラムA/D変換部181は、信号読み出し期間(D相)において、その「−P2」を初期値とし、第2のスロープ参照信号(例えば急なスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換する。
このA/D変換により、デジタルデータの画素信号(D)が得られる。上述したように初期値が「−P2」であるので、カウンタ193においては、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)が得られる。
ステップS114において、カラムA/D変換部181は、そのデジタルCDSされた画素信号(D−P2)を出力する。
ステップS114の処理が終了するとA/D変換処理が終了する。
図10は、上述したA/D変換処理のフラグ信号(F)の判定において、D相が低照度と判定される場合のタイミングチャートの例を示す図である。期間(RST)において、カウンタ193がリセットされた後、期間(第1P相)において、第1のリセット信号(P1)が得られ、期間(退避)において、その第1のリセット信号(P1)が退避ラッチに転送される。カウンタ193がリセットされた後、期間(第2P相)において、第2のリセット信号(P2)が得られ、期間(判定)において、比較部192においてフラグ信号(F)が得られ、カウンタ193のフラグラッチ213にそのフラグ信号(F)が格納される。フラグ信号(F)の信号レベルがLと判定されるので、期間(復元)において、制御信号SP1のタイミングで退避ラッチの第1のリセット信号(P1)が復元され、データ反転され、D相の初期値としてセットされる。期間(D相)において、画素信号(D)が得られ、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)が得られる。
図11は、上述したA/D変換処理のフラグ信号(F)の判定において、D相が高照度と判定される場合のタイミングチャートの例を示す図である。期間(第2P相)までは、図10の例と同様である。期間(判定)において、フラグ信号(F)の信号レベルがHと判定されるので、期間(復元)において、制御信号SP1および制御信号SP3は制御信号FSPによってマスクされ、第1のリセット信号(P1)の復元動作は行われない。したがって、第2のリセット信号(P2)がデータ反転され、D相の初期値としてセットされる。期間(D相)において、画素信号(D)が得られ、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)が得られる。
各カラムA/D変換部181は、処理対象の単位画素が代わる度に以上のようなA/D変換処理を実行する。
以上のように、A/D変換処理を実行することにより、カラムA/D変換部181(すなわちA/D変換部173)は、コストの増大を抑制しながら、高速かつ高ダイナミックレンジのA/D変換をより正確に行うことができる。つまり、イメージセンサ100は、本技術を適用したカラムA/D変換部181(すなわちA/D変換部173)を用いることにより、コストの増大を抑制することができる。
<2.第2の実施の形態>
<ハイブリッド型カウンタ>
なお、以上においては計測部が、信号の入力開始から前記信号の値が変化するまでの期間の長さの計測において測定値の全ビットをバイナリコードで取得するように説明したが、これに限らない。例えば、計測部が、上述した計測において、測定値の上位ビットをバイナリコードで取得し、下位ビットをグレイコードで取得するようにしてもよい。つまり、計測部として、グレイコードでカウントするグレイコードカウンタとバイナリコードでカウントするバイナリカウンタを併用するハイブリッド型のカウンタを用いるようにしてもよい。
その場合、第2の信号の信号レベルに対応する測定値の下位ビットのグレイコードをバイナリコードに変換し、変換された下位ビットのバイナリコードを上位ビットのバイナリコードと加算し、得られた測定値の全ビットのバイナリコードをデータ反転し、初期値として設定するようにしてもよい。
例えば、P相のA/D変換において得られた、フラグ信号(F)の信号レベルに対応するグレイコードをバイナリコードに変換して下位ビットのバイナリコードとし、それを上位ビットのバイナリコードと加算して得られ全ビットのバイナリコードをデータ反転し、その値を、D相のA/D変換におけるカウンタの初期値としてセットするようにしてもよい。
また、例えばラッチ等の信号処理装置において、互いに直列に接続され、それぞれが信号を保持することができる複数のラッチと、そのラッチ間の信号の転送を制御し、信号を出力する際に、所望のラッチに保持されている信号を、最終段のラッチまで転送させ、その最終段のラッチから出力させる制御部とを備えるようにしてもよい。このようにすることにより、信号処理装置は、複数の値を保持し、保持されている値の中から所望の値を選択し、出力することができる。
<列並列処理部>
このような場合の列並列処理部102の主な構成例を図12に示す。図12に示されるように、この場合の列並列処理部102は、図4の例のA/D変換部173の代わりに、A/D変換部241を有する。
A/D変換部241は、A/D変換部173と同様の処理部であるが、図4の例のカラムA/D変換部181の代わりに、カラムA/D変換部253−1乃至カラムA/D変換部253−Nを有する。以下において、カラムA/D変換部253−1乃至カラムA/D変換部253−Nを互いに区別して説明する必要が無い場合、カラムA/D変換部253と称する。
カラムA/D変換部253は、カラムA/D変換部181と同様に、自身に対応するカラムの単位画素141から読み出された信号を、参照信号生成部171および参照信号生成部172により生成される参照信号を用いてA/D変換する。
また、A/D変換部241は、点線250−1乃至点線250−K(Kは任意の自然数)で示されるように、複数のカラムA/D変換部253毎に(すなわち複数カラム毎に)、グレイコードカウンタ(グレイコードカウンタ252−1乃至グレイコードカウンタ252−K)を有する。以下において、グレイコードカウンタ252−1乃至グレイコードカウンタ252−Kを互いに区別して説明する必要が無い場合、グレイコードカウンタ252と称する。
また、A/D変換部241は、基準クロック生成部251を有する。基準クロック生成部251は、所定のクロック信号(基準クロック)を生成し、各グレイコードカウンタ252に供給する。各グレイコードカウンタ252は、その基準クロックのタイミングに合わせて所定ビット数(1ビット若しくは複数ビット)のグレイコードクロックを生成し、それを自身に対応する各カラムA/D変換部253に供給する。例えば、グレイコードカウンタ252は、5ビットのグレイコードクロックを生成し、カラムA/D変換部253に供給する。
カラムA/D変換部253は、グレイコードカウンタ252から供給されるグレイコードクロックを用いてA/D変換結果(カウント値)の下位ビットを生成する。また、カラムA/D変換部253は、カラムA/D変換部181と同様にバイナリカウンタを用いてA/D変換結果(カウント値)の上位ビットを生成する。
<カラムA/D変換部>
図13にカラムA/D変換部253の主な構成例を示す。図13に示されるように、カラムA/D変換部253は、セレクタ191、比較部192、下位ビットグレイコードラッチ261、および上位ビットバイナリカウンタ262を有する。
グレイコードカウンタ252が生成したクレイコードクロック(G[0]乃至G[4])は、下位ビットグレイコードラッチ261に供給される。下位ビットグレイコードラッチ261は、そのグレイコードクロック(G[0]乃至G[4])を用いてグレイコードを生成し、そのグレイコードをバイナリコードに変換して下位5ビットのバイナリコードを生成する。下位ビットグレイコードラッチ261は、生成したバイナリコード(下位5ビット)を、信号線263を介して上位ビットバイナリカウンタ262に供給する。また、下位ビットグレイコードラッチ261は、G[4]のクロックに同期したキャリー信号を、信号線263を介して上位ビットバイナリカウンタ262に供給する。なお、下位ビットグレイコードラッチ261は、制御線126Dを介して列走査部113から供給される制御信号(すなわち、列走査部113の制御)に従って駆動する。
上位ビットバイナリカウンタ262は、カウンタ193(図6)と同様の構成を有し、下位ビットグレイコードラッチ261から供給されるキャリー信号を用いてカウンタ193(図6)同様の処理を行い、残りの上位ビットのバイナリコードを生成する。上位ビットバイナリカウンタ262は、生成した上位ビットのバイナリコードと、下位ビットグレイコードラッチ261から供給される下位5ビットのバイナリコードとを加算し、全ビットのバイナリコードを生成し、出力する。なお、上位ビットバイナリカウンタ262は、制御線126Eを介して列走査部113から供給される制御信号(すなわち、列走査部113の制御)に従って駆動する。
<下位ビットグレイコードラッチ>
図14に下位ビットグレイコードラッチ261の主な構成例を示す。図14に示されるように、下位ビットグレイコードラッチ261は、ラッチ271−1乃至ラッチ271−5、グレイバイナリ変換部272、セレクタ273、下位ビットバイナリ加算部274、スイッチ275、フラグラッチ276、並びにメタステーブル対策ラッチ277を有する。
ラッチ271−1乃至ラッチ271−5は、互いに同様の処理部であり同様の構成を有する。ラッチ271−1乃至ラッチ271−5を互いに区別して説明する必要が無い場合、ラッチ271と称する。グレイコードカウンタ252から供給されるグレイコードクロック(G[0]乃至G[4])の各ビットは、各ラッチ271に供給される。つまり、ラッチ271は、このグレイコードクロックのビット数分設けられる。各ラッチ271は、比較部192の出力CMOUTの反転タイミングのグレイコードをラッチする。
なお、G[4]のクロックは、メタステーブル対策ラッチ277に供給される。メタステーブル対策ラッチ277は、キャリー信号をメタステーブルマスク期間に同期させ、スイッチ275を介して、上位ビットバイナリカウンタ262に、上位ビット中の最下位ビットの入力クロックとして供給する。キャリー信号には、ビット不整合性(メタステーブル)の対策が必要である。ビット不整合性とは、例えば、キャリー信号のエッジと、比較部192の出力のデータ反転のタイミングとが近しいときに、グレイコード側では桁上がりしないのにバイナリコード側のBC[5]が桁上がりしてしまい、32LSBのデータ飛びが発生することである。上述したように、メタステーブル対策ラッチ277を用いてエッジタイミングに対してマスク期間を取ることで、ビット不整合の発生を抑制することができる。
また、ラッチ271においてラッチされたグレイコードの各ビットはグレイバイナリ変換部272に供給される。
グレイバイナリ変換部272は、図14に示されるように構成されるXORゲート281−1乃至XOR281−4を有する。XORゲート281−1乃至XOR281−4を互いに区別して説明する必要が無い場合、XORゲート281と称する。グレイバイナリ変換部272は、図14に示されるようなグレイコードのビット数(例えば5ビット)−1個のXORゲート281からなる論理回路を用いて、ラッチ271から供給されるグレイコードをそのグレイコードのビット数(例えば5ビット)のバイナリコード(BC[0]乃至BC[4])に変換する。グレイバイナリ変換部272は、変換して得られたバイナリコード(BC[0]乃至BC[4])を、セレクタ273を介して下位ビットバイナリ加算部274に供給する。
セレクタ273は、入力される制御信号に基づくタイミングでバイナリコード(BC[0]乃至BC[4])を下位ビットバイナリ加算部274に供給する。
下位ビットバイナリ加算部274は、下位ビットのデジタルCDSを行う。
また、比較部192から供給されるフラグ信号(F)は、フラグラッチ276に格納され、保持される。フラグラッチ276に保持されるフラグ信号(F)は、フラグイネーブル期間とAND論理を組み、信号FSGPとして各ラッチ271に供給される。また、フラグラッチ276に保持されるフラグ信号(F)は、信号FSPとして上位ビットバイナリカウンタ262に供給される。
<ラッチ>
図15のAは、ラッチ271の主な構成例を示す図である。図15のAに示されるように、ラッチ271は、図15のAのように構成される、NOTゲート291乃至NOTゲート296を有する。図15のAの例において、NOTゲート292およびNOTゲート293は、ラッチを形成している。また、NOTゲート295およびNOTゲート296は、ラッチを形成している。つまり、ラッチ271においては、複数のラッチが直列に接続されている(ラッチが多段構成に形成されている)。
なお、NOTゲート294やNOTゲート296を制御する制御信号GPは、図15のBに示されるような、ANDゲート301からなる論理回路を用いて、制御信号FSGPと制御信号GTPとから生成される。
ラッチ271に入力されたグレイコードクロック(G[n])は、1段目のラッチ(NOTゲート292およびNOTゲート293により形成されるラッチ)に入力される。この1段目のラッチは、NOTゲート291やNOTゲート293を制御する制御信号CKENがHの期間トグルし、その制御信号CKENがLに反転したタイミングのグレイコードを保持する。所定のタイミングにおいて(例えば、第1のリセット信号(P1)取得後)、制御信号GPがHとなることにより、1段目のラッチに保持されているグレイコード(例えば、第1のリセット信号(P1)のグレイコード)が2段目のラッチ(NOTゲート295およびNOTゲート296により形成されるラッチ)に転送される。そしてその制御信号GPがLとなることにより、2段目のラッチにそのグレイコードが保持される。
このように2段目のラッチにグレイコード(例えば、第1のリセット信号(P1)のグレイコード)が保持された状態において、同様にして、1段目のラッチに新たなグレイコード(例えば第2のリセット信号(P2)のグレイコード)を保持することができる。
そして、フラグ信号(F)がH(高照度判定)の場合、D相の初期値として第2のリセット信号(P2)が用いられるので、第2のリセット信号(P2)のグレイコードがラッチ271から出力される。つまり、制御信号GPがHとなることにより、1段目のラッチに保持されているグレイコード(例えば、第2のリセット信号(P2)のグレイコード)が2段目のラッチに転送され(2段目のラッチの値に第2のリセット信号(P2)のグレイコードが上書きされ)、その2段目のラッチからグレイバイナリ変換部272に出力される。
また、フラグ信号(F)がL(低照度判定)の場合、D相の初期値として第1のリセット信号(P2)が用いられるので、制御信号GTPがHになっても制御信号FSGPによりマスクされ、1段目のラッチから2段目ラッチへの転送は省略される。そして、2段目のラッチに保持されているグレイコード(例えば、第1のリセット信号(P1)のグレイコード)がグレイバイナリ変換部272に出力される。
<フラグラッチ>
フラグラッチ276の主な構成例を図16のAに示す。フラグラッチ276は、例えば、図16のAのように構成される、NOTゲート311乃至NOTゲート313、並びに、NANDゲート314およびNANDゲート315を有する。NOTゲート312およびNOTゲート313は、ラッチを形成する。フラグ信号(F)は、このラッチに格納されて保持される。
フラグラッチ276は、フラグ取り込みパルスやフラグイネーブル信号に応じて、このような論理回路を用いてフラグ信号(F)を保持し、その保持しているフラグ信号(F)を制御信号FSGPや制御信号FSPとして出力する。
フラグイネーブル、フラグ信号(F)、制御信号FSGP、および制御信号FSPの対応表の例を図16のBに示す。
以上のように多段構成のラッチを有するラッチ271を、上述したようなフラグラッチ276を用いて生成した制御信号FSGPを用いて駆動させることにより、ラッチ271に複数の値を保持させ、その保持されている値の中から所望の値を選択し、出力させることができる。このようなラッチ271を用いることにより、下位ビットグレイコードラッチ261は、デジタルCDSを行う際に、P相の参照信号生成部171が生成した参照信号を用いた比較結果のカウント値と、P相の参照信号生成部172が生成した参照信号を用いた比較結果のカウント値の両方を保持し、D相において、それらの内所望の方を選択して利用することができる。例えば、下位ビットグレイコードラッチ261は、画素信号の信号レベルに応じた方を選択して出力することができる。
上位ビットバイナリカウンタ262は、上述したカウンタ193の場合と同様に、デジタルCDSのD相のカウント動作において、画素信号の信号レベルに応じた初期値を設定することができる。
したがって、カラムA/D変換部253は、デジタルCDSのD相のカウント動作において、画素信号の信号レベルに応じた初期値を設定することができる。つまり、カラムA/D変換部253は、D相において画素信号の信号レベルに応じた参照信号を用いて画素信号のA/D変換を行う際に、より適切な初期値を設定することができる。つまり、カラムA/D変換部253は、このような方法の高速かつ高ダイナミックレンジのA/D変換をより正確に行うことができる。
また、以上のようなA/D変換を、ラッチ271やフラグラッチ276の僅かな変更により、実現することができ、カラムA/D変換部253の回路規模(設置に必要な面積)の増大を抑制することができる。カラムA/D変換部253の回路規模が増大するとイメージセンサ100の回路規模も増大する。カラムA/D変換部253(すなわちA/D変換部241)は、以上のような構成とすることにより、回路規模の増大を抑制することができるので、コストの増大を抑制しながら、高速かつ高ダイナミックレンジのA/D変換をより正確に行うことができる。つまり、イメージセンサ100は、カウンタとしてハイブリッド型のカウンタを用いる場合であっても、本技術を適用したカラムA/D変換部253(すなわちA/D変換部241)を用いることにより、コストの増大を抑制することができる。
<A/D変換処理の流れ>
図17および図18のフローチャートを参照して、この場合のイメージセンサ100のカラムA/D変換部253により実行されるA/D変換処理の流れの例を説明する。
A/D変換処理が開始されると、図17のステップS201において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262をリセット(初期化)し、各Dフリップフロップ212に所定の初期値(例えば「0」)をセットする。
ステップS102において、カラムA/D変換部253は、第1のリセット期間(第1P相)において、(例えば緩やかなスロープの)第1のスロープ参照信号を用いて、単位画素141から読み出されたリセット信号をA/D変換し、下位ビットグレイコードラッチ261および上位ビットバイナリカウンタ262において、そのA/D変換結果(デジタルデータ)である第1のリセット信号(P1)を得る。下位ビットグレイコードラッチ261においては、その第1のリセット信号(P1)の下位ビット(5ビット)がグレイコードにより得られる。また、上位ビットバイナリカウンタ262においては、その第1のリセット信号(P1)の残りの上位ビットがバイナリコードにより得られる。
カラムA/D変換部253は、その得られた第1のリセット信号(P1)の下位ビット(5ビット)のグレイコードを、下位ビットグレイコードラッチ261の各ラッチ271の1段目のラッチに保持させる。また、カラムA/D変換部253は、その得られた第1のリセット信号(P1)の残りの上位ビットのバイナリコードを、上位ビットバイナリカウンタ262のラッチに保持させる。
ステップS203において、カラムA/D変換部253は、下位ビットグレイコードラッチ261の各ラッチ271において、1段目のラッチに保持されている第1のリセット信号(P1)の下位ビットのグレイコードを2段目のラッチに転送し、保持させる。
また、ステップS204において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262の各Dフリップフロップ212において、スイッチ227をオン状態にし、上位ビットバイナリカウンタ262のラッチに保持されている第1のリセット信号(P1)の上位ビットのバイナリコードを退避ラッチに転送し、保持させる。
ステップS205において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262の各Dフリップフロップ212において、スイッチ227をオフ状態にした後、カウンタ193をリセット(初期化)し、各Dフリップフロップ212に所定の初期値(例えば「0」)をセットする。
ステップS206において、カラムA/D変換部253は、第2のリセット期間(第2P相)において、(例えば急なスロープの)第2のスロープ参照信号を用いて、単位画素141から読み出されたリセット信号をA/D変換し、上位ビットバイナリカウンタ262において、そのA/D変換結果(デジタルデータ)である第2のリセット信号(P2)の上位ビットのバイナリコードを得る。
カラムA/D変換部253は、その得られた第2のリセット信号(P2)の下位ビット(5ビット)のグレイコードを、下位ビットグレイコードラッチ261の各ラッチ271の1段目のラッチに保持させる。また、カラムA/D変換部253は、その得られた第2のリセット信号(P2)の残りの上位ビットのバイナリコードを、上位ビットバイナリカウンタ262のラッチに保持させる。
この状態において、上位ビットバイナリカウンタ262には第1のリセット信号(P1)と第2のリセット信号(P2)との両方(の上位ビットのバイナリコード)が保持されている。つまり、各Dフリップフロップ212には、第1のリセット信号(P1)の、そのDフリップフロップ212に対応するビットの値と、第2のリセット信号(P2)、そのDフリップフロップ212に対応するビットの値との両方が保持されている。
同様に、この状態において、下位ビットグレイコードラッチ261には第1のリセット信号(P1)と第2のリセット信号(P2)との両方(の下位ビットのグレイコード)が保持されている。つまり、下位ビットグレイコードラッチ261の各ラッチ271には、第1のリセット信号(P1)の、そのラッチ271に対応するビットの値と、第2のリセット信号(P2)、そのラッチ271に対応するビットの値との両方が保持されている。
ステップS207において、カラムA/D変換部253は、判定期間において、比較部192により単位画素141から読み出された画素信号を所定の参照電圧と比較し、その比較結果をフラグ信号(F)として得る。
ステップS207の処理が終了すると、処理は図18に進む。
図18のステップS211において、カラムA/D変換部253は、そのフラグ信号(F)の信号レベルがLであるか否かを判定する。フラグ信号(F)の信号レベルがLであり、画素信号が低照度であると判定された場合、処理は、ステップS212に進む。
ステップS212において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262の各Dフリップフロップ212において、スイッチ227をオン状態にし、退避ラッチに保持させている第1のリセット信号(P1)の上位ビットのバイナリコードを復元する。
ステップS213において、カラムA/D変換部253は、ラッチ271から、その2段目のラッチに保持されている第1のリセット信号(P1)の下位ビットのグレイコードを読み出し、グレイバイナリ変換部272においてそのグレイコードをバイナリコードに変換する。
ステップS214において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262の各Dフリップフロップ212において、制御信号xCKLをLにしてDフリップフロップ212をロックしならが、制御信号CKHをHにすることで復元した第1のリセット信号(P1)の上位ビットのバイナリコードをデータ反転する。また、カラムA/D変換部253は、下位ビットグレイコードラッチ261の下位ビットバイナリ加算部274において、グレイバイナリ変換して得られた第1のリセット信号(P1)の下位ビットのバイナリコードをデータ反転する。つまり、カラムA/D変換部253に「−P1」が初期値としてセットされる。
ステップS215において、カラムA/D変換部253は、信号読み出し期間(D相)において、その「−P1」を初期値とし、第1のスロープ参照信号(例えば緩やかなスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換する。
このA/D変換により、下位ビットグレイコードラッチ261においてデジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットが得られ、上位ビットバイナリカウンタ262において画素信号(D)の残りの上位ビットが得られる。
ステップS216において、カラムA/D変換部253は、グレイバイナリ変換部272において、デジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのグレイコードをグレイバイナリ変換し、デジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのバイナリコードを得る。下位ビットバイナリ加算部274は、その得られたデジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのバイナリコードを、初期値「−P1」と加算し、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)の下位5ビットのバイナリコードを得る。
また、上位ビットバイナリカウンタ262においては、画素信号(D)の残りの上位ビットのバイナリコードが初期値「−P1」と加算され、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)の上位ビットのバイナリコードが得られる。カラムA/D変換部253は、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)の下位5ビットのバイナリコードと、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)の上位ビットのバイナリコードとを加算し、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)の全ビットのバイナリコードを得る。
ステップS217において、カラムA/D変換部253は、そのデジタルCDSされた画素信号(D−P1)を出力する。
ステップS217の処理が終了するとA/D変換処理が終了する。
また、図18のステップS211において、フラグ信号(F)の信号レベルがHであり、画素信号が高照度であると判定された場合、処理は、ステップS221に進む。
ステップS221において、カラムA/D変換部253は、下位ビットグレイコードラッチ261の各ラッチ271において、1段目のラッチに保持されている第2のリセット信号(P2)の下位ビットのグレイコードを2段目のラッチに転送し、保持させる。
ステップS222において、カラムA/D変換部253は、ラッチ271から、その2段目のラッチに保持されている第2のリセット信号(P2)の下位ビットのグレイコードを読み出し、グレイバイナリ変換部272においてそのグレイコードをバイナリコードに変換する。
ステップS223において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262の各Dフリップフロップ212において、制御信号xCKLをLにしてDフリップフロップ212をロックしならが、制御信号CKHをHにすることで第2のリセット信号(P2)の上位ビットのバイナリコードをデータ反転する。また、カラムA/D変換部253は、下位ビットグレイコードラッチ261の下位ビットバイナリ加算部274において、グレイバイナリ変換して得られた第2のリセット信号(P2)の下位ビットのバイナリコードをデータ反転する。つまり、カラムA/D変換部253に「−P2」が初期値としてセットされる。
ステップS224において、カラムA/D変換部253は、信号読み出し期間(D相)において、その「−P2」を初期値とし、第2のスロープ参照信号(例えば緩やかなスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換する。
このA/D変換により、下位ビットグレイコードラッチ261においてデジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットが得られ、上位ビットバイナリカウンタ262において画素信号(D)の残りの上位ビットが得られる。
ステップS225において、カラムA/D変換部253は、グレイバイナリ変換部272において、デジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのグレイコードをグレイバイナリ変換し、デジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのバイナリコードを得る。下位ビットバイナリ加算部274は、その得られたデジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのバイナリコードを、初期値「−P2」と加算し、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)の下位5ビットのバイナリコードを得る。
また、上位ビットバイナリカウンタ262においては、画素信号(D)の残りの上位ビットのバイナリコードが初期値「−P2」と加算され、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)の上位ビットのバイナリコードが得られる。カラムA/D変換部253は、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)の下位5ビットのバイナリコードと、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)の上位ビットのバイナリコードとを加算し、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)の全ビットのバイナリコードを得る。
ステップS226において、カラムA/D変換部253は、そのデジタルCDSされた画素信号(D−P2)を出力する。
ステップS226の処理が終了するとA/D変換処理が終了する。
図19は、上述したA/D変換処理のフラグ信号(F)の判定において、D相が低照度と判定される場合のタイミングチャートの例を示す図である。期間(RST)において、上位ビットバイナリカウンタ262がリセットされた後、期間(第1P相)において、第1のリセット信号(P1)が得られ、期間(退避)において、その第1のリセット信号(P1)の上位ビットのバイナリコードがDフリップフロップ212の退避ラッチに転送され、下位ビットのグレイコードがラッチ271の2段目ラッチに転送される。上位ビットバイナリカウンタ262がリセットされた後、期間(第2P相)において、第2のリセット信号(P2)の上位ビットのバイナリコードと下位ビットのグレイコードが得られる。
期間(判定)において、比較部192においてフラグ信号(F)が得られ、上位ビットバイナリカウンタ262のフラグラッチ213にそのフラグ信号(F)が格納される。フラグ信号(F)の信号レベルがLと判定されるので、期間(復元)において、制御信号GTPはマスクされ、ラッチ271の2段目ラッチに保持されている第1のリセット信号(P1)の下位ビットのグレイコードがグレイバイナリ変換され、データ反転される。また、Dフリップフロップ212においては、第1のリセット信号(P1)の上位ビットのバイナリコードが復元され、データ反転される。
つまり、「−P1」がD相の初期値としてセットされる。そして、期間(D相)において、第1のスロープ参照信号(例えば緩やかなスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換し、画素信号(D)を得る。つまり、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)が得られる。
図20は、上述したA/D変換処理のフラグ信号(F)の判定において、D相が高照度と判定される場合のタイミングチャートの例を示す図である。期間(第2P相)までは、図19の例と同様である。期間(判定)において、フラグ信号(F)の信号レベルがHと判定されるので、期間(復元)において、ラッチ271の1段目ラッチに保持されている第2のリセット信号(P2)の下位ビットのグレイコードが2段目のラッチに転送されて保持され、グレイバイナリ変換され、データ反転される。また、Dフリップフロップ212においては、第2のリセット信号(P2)の上位ビットのバイナリコードがデータ反転される。
つまり、「−P2」がD相の初期値としてセットされる。そして、期間(D相)において、第2のスロープ参照信号(例えば急なスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換し、画素信号(D)を得る。つまり、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)が得られる。
各カラムA/D変換部253は、処理対象の単位画素が代わる度に以上のようなA/D変換処理を実行する。
以上のように、A/D変換処理を実行することにより、カラムA/D変換部253(すなわちA/D変換部241)は、コストの増大を抑制しながら、高速かつ高ダイナミックレンジのA/D変換をより正確に行うことができる。つまり、イメージセンサ100は、本技術を適用したカラムA/D変換部253(すなわちA/D変換部241)を用いることにより、コストの増大を抑制することができる。
<3.第3の実施の形態>
<グレイコードカウンタ>
なお、計測部は、上述した計測において、測定値の全ビットをグレイコードで取得するようにしてもよい。そしてその計測部が、得られた第2の信号の信号レベルに対応する測定値のグレイコードをバイナリコードに変換し、得られた測定値のバイナリコードをデータ反転し、初期値として設定するようにしてもよい。
<カラムA/D変換部253>
その場合、列並列処理部102は、図12の例と同様の構成を有する。この場合のカラムA/D変換部253の主な構成例を図21に示す。
図21に示されるように、この場合、カラムA/D変換部253は、図13の例の下位ビットグレイコードラッチ261および上位ビットバイナリカウンタ262の代わりに、グレイコードラッチ321を有する。
グレイコードカウンタ252が生成した(n+1)ビットのクレイコードクロック(G[0]乃至G[n])は、グレイコードラッチ321に供給される。グレイコードラッチ321は、そのグレイコードクロック(G[0]乃至G[n])を用いてグレイコードを生成し、そのグレイコードをバイナリコードに変換する。グレイコードラッチ321は、生成したバイナリコード(例えば(n+1)ビット)を、信号線122を介してカラムA/D変換部253の外部(例えば転送部103)に供給する。なお、グレイコードラッチ321は、制御線126Fを介して列走査部113から供給される制御信号(すなわち、列走査部113の制御)に従って駆動する。
<グレイコードラッチ>
図22にグレイコードラッチ321の主な構成例を示す。図22に示されるように、グレイコードラッチ321は、基本的に下位ビットグレイコードラッチ261と同様の構成を有する。ただし、グレイコードラッチ321は、ラッチ271を(n+1)個有する(ラッチ271−1乃至ラッチ271−(n+1))。
また、グレイコードラッチ321は、図14の例のグレイバイナリ変換部272の代わりに、グレイバイナリ変換部331を有する。図22に示されるように、グレイバイナリ変換部331は、XORゲート281をn個有する(XORゲート281−1乃至XORゲート281−n)。グレイバイナリ変換部331は、このような論理回路を用いて、(n+1)ビットのグレイコード(G[0]乃至G[n])を(n+1)ビットのバイナリコード(BC[0]乃至BC[n])に変換する。
グレイコードラッチ321は、図14の例のセレクタ273の代わりに、セレクタ332を有する。セレクタ332は、入力される制御信号に基づくタイミングでバイナリコード(BC[0]乃至BC[n])をバイナリ加算部333に供給する。つまり、グレイコードラッチ321は、図14の例の下位ビットバイナリ加算部274の代わりに、バイナリ加算部333を有する。
バイナリ加算部333は、デジタルCDSを行う。
また、グレイコードラッチ321は、フラグラッチ334を有する。フラグラッチ334は、図14のフラグラッチ276の場合と同様に、比較部192から供給されるフラグ信号(F)を格納し、保持する。フラグラッチ334は、フラグラッチ276と同様の構成を有するようにすることができる。ただし、フラグラッチ334は、フラグ信号(F)を、信号FSGPとして各ラッチ271に供給するが、信号FSPとしての出力は行わない。
また、図22の例の場合、上位ビットバイナリカウンタ262が省略されているので、グレイコードラッチ321においては、上位ビットバイナリカウンタ262へのキャリー信号の供給も省略される。つまり、このグレイコードラッチ321においては、図14の例のスイッチ275およびメタステーブル対策ラッチ277が省略される。
この図22の例のグレイコードラッチ321においても、図14の例と同様に、ラッチ271が用いられるので、この場合のカラムA/D変換部253は、デジタルCDSのD相のカウント動作において、画素信号の信号レベルに応じた初期値を設定することができる。つまり、カラムA/D変換部253は、D相において画素信号の信号レベルに応じた参照信号を用いて画素信号のA/D変換を行う際に、より適切な初期値を設定することができる。つまり、カラムA/D変換部253は、このような方法の高速かつ高ダイナミックレンジのA/D変換をより正確に行うことができる。
また、この場合も、以上のようなA/D変換を、ラッチ271やフラグラッチ276の僅かな変更により、実現することができ、カラムA/D変換部253の回路規模(設置に必要な面積)の増大を抑制することができる。カラムA/D変換部253の回路規模が増大するとイメージセンサ100の回路規模も増大する。カラムA/D変換部253(すなわちA/D変換部241)は、以上のような構成とすることにより、回路規模の増大を抑制することができるので、コストの増大を抑制しながら、高速かつ高ダイナミックレンジのA/D変換をより正確に行うことができる。つまり、イメージセンサ100は、カウンタとしてハイブリッド型のカウンタを用いる場合であっても、本技術を適用したカラムA/D変換部253(すなわちA/D変換部241)を用いることにより、コストの増大を抑制することができる。
<A/D変換処理の流れ>
図23および図24のフローチャートを参照して、この場合のイメージセンサ100のカラムA/D変換部253により実行されるA/D変換処理の流れの例を説明する。
A/D変換処理が開始されると、図23のステップS301において、カラムA/D変換部253は、グレイコードラッチ321をリセット(初期化)し、バイナリ加算部333に所定の初期値(例えば「0」)をセットする。
ステップS302において、カラムA/D変換部253は、第1のリセット期間(第1P相)において、(例えば緩やかなスロープの)第1のスロープ参照信号を用いて、単位画素141から読み出されたリセット信号をA/D変換し、グレイコードラッチ321において、そのA/D変換結果(デジタルデータ)である第1のリセット信号(P1)のグレイコードを得る。
カラムA/D変換部253は、その得られた第1のリセット信号(P1)のグレイコードを、グレイコードラッチ321の各ラッチ271の1段目のラッチに保持させる。
ステップS303において、カラムA/D変換部253は、グレイコードラッチ321の各ラッチ271において、1段目のラッチに保持されている第1のリセット信号(P1)のグレイコードを2段目のラッチに転送し、保持させる。
また、ステップS304において、カラムA/D変換部253は、グレイコードラッチ321をリセット(初期化)し、バイナリ加算部333に所定の初期値(例えば「0」)をセットする。
ステップS305において、カラムA/D変換部253は、第2のリセット期間(第2P相)において、(例えば急なスロープの)第2のスロープ参照信号を用いて、単位画素141から読み出されたリセット信号をA/D変換し、第2のリセット信号(P2)のグレイコードを得る。カラムA/D変換部253は、その得られた第2のリセット信号(P2)のグレイコードを、グレイコードラッチ321の各ラッチ271の1段目のラッチに保持させる。
この状態において、グレイコードラッチ321には第1のリセット信号(P1)と第2のリセット信号(P2)との両方(のグレイコード)が保持されている。つまり、グレイコードラッチ321の各ラッチ271には、第1のリセット信号(P1)の、そのラッチ271に対応するビットの値と、第2のリセット信号(P2)、そのラッチ271に対応するビットの値との両方が保持されている。
ステップS306において、カラムA/D変換部253は、判定期間において、比較部192により単位画素141から読み出された画素信号を所定の参照電圧と比較し、その比較結果をフラグ信号(F)として得る。
ステップS306の処理が終了すると、処理は図18に進む。
図24のステップS311において、カラムA/D変換部253は、そのフラグ信号(F)の信号レベルがLであるか否かを判定する。フラグ信号(F)の信号レベルがLであり、画素信号が低照度であると判定された場合、処理は、ステップS312に進む。
ステップS312において、カラムA/D変換部253は、ラッチ271から、その2段目のラッチに保持されている第1のリセット信号(P1)の下位ビットのグレイコードを読み出し、グレイバイナリ変換部331においてそのグレイコードをバイナリコードに変換する。
ステップS313において、カラムA/D変換部253は、グレイコードラッチ321の下位ビットバイナリ加算部333において、グレイバイナリ変換して得られた第1のリセット信号(P1)のバイナリコードをデータ反転する。つまり、カラムA/D変換部253に「−P1」が初期値としてセットされる。
ステップS314において、カラムA/D変換部253は、信号読み出し期間(D相)において、その「−P1」を初期値とし、第1のスロープ参照信号(例えば緩やかなスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換する。
このA/D変換により、グレイコードラッチ321においてデジタルデータの画素信号(D)のグレイコードが得られる。
ステップS315において、カラムA/D変換部253は、グレイバイナリ変換部331において、デジタルデータの画素信号(D)のグレイコードをグレイバイナリ変換し、デジタルデータの画素信号(D)のバイナリコードを得る。バイナリ加算部333は、その得られたデジタルデータの画素信号(D)のバイナリコードを、初期値「−P1」と加算し、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)のバイナリコードを得る。
ステップS316において、カラムA/D変換部253は、そのデジタルCDSされた画素信号(D−P1)を出力する。
ステップS316の処理が終了するとA/D変換処理が終了する。
また、図24のステップS311において、フラグ信号(F)の信号レベルがHであり、画素信号が高照度であると判定された場合、処理は、ステップS321に進む。
ステップS321において、カラムA/D変換部253は、グレイコードラッチ321の各ラッチ271において、1段目のラッチに保持されている第2のリセット信号(P2)のグレイコードを2段目のラッチに転送し、保持させる。
ステップS322において、カラムA/D変換部253は、ラッチ271から、その2段目のラッチに保持されている第2のリセット信号(P2)の下位ビットのグレイコードを読み出し、グレイバイナリ変換部331においてそのグレイコードをバイナリコードに変換する。
ステップS323において、カラムA/D変換部253は、グレイコードラッチ321のバイナリ加算部333において、グレイバイナリ変換して得られた第2のリセット信号(P2)のバイナリコードをデータ反転する。つまり、カラムA/D変換部253に「−P2」が初期値としてセットされる。
ステップS324において、カラムA/D変換部253は、信号読み出し期間(D相)において、その「−P2」を初期値とし、第2のスロープ参照信号(例えば緩やかなスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換する。このA/D変換により、グレイコードラッチ321においてデジタルデータの画素信号(D)が得られる。
ステップS325において、カラムA/D変換部253は、グレイバイナリ変換部331において、デジタルデータの画素信号(D)のグレイコードをグレイバイナリ変換し、デジタルデータの画素信号(D)のバイナリコードを得る。バイナリ加算部333は、その得られたデジタルデータの画素信号(D)のバイナリコードを、初期値「−P2」と加算し、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)のバイナリコードを得る。
ステップS326において、カラムA/D変換部253は、そのデジタルCDSされた画素信号(D−P2)を出力する。
ステップS326の処理が終了するとA/D変換処理が終了する。
図25は、上述したA/D変換処理のフラグ信号(F)の判定において、D相が低照度と判定される場合のタイミングチャートの例を示す図である。期間(RST)において、グレイコードラッチ321がリセットされた後、期間(第1P相)において、第1のリセット信号(P1)のグレイコードが得られる。期間(退避)において、その第1のリセット信号(P1)のグレイコードがラッチ271の2段目ラッチに転送される。グレイコードラッチ321がリセットされた後、期間(第2P相)において、第2のリセット信号(P2)のグレイコードが得られる。
期間(判定)において、比較部192においてフラグ信号(F)が得られ、そのフラグ信号(F)の信号レベルがLと判定されるので、期間(復元)において、制御信号GTPはマスクされ、ラッチ271の2段目ラッチに保持されている第1のリセット信号(P1)のグレイコードがグレイバイナリ変換され、データ反転される。
つまり、「−P1」がD相の初期値としてセットされる。そして、期間(D相)において、第1のスロープ参照信号(例えば緩やかなスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号がA/D変換され、画素信号(D)が得られる。つまり、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)が得られる。
図26は、上述したA/D変換処理のフラグ信号(F)の判定において、D相が高照度と判定される場合のタイミングチャートの例を示す図である。期間(第2P相)までは、図25の例と同様である。期間(判定)において、フラグ信号(F)の信号レベルがHと判定されるので、期間(復元)において、ラッチ271の1段目ラッチに保持されている第2のリセット信号(P2)のグレイコードが2段目のラッチに転送されて保持され、グレイバイナリ変換され、データ反転される。
つまり、「−P2」がD相の初期値としてセットされる。そして、期間(D相)において、第2のスロープ参照信号(例えば急なスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号がA/D変換され、画素信号(D)が得られる。つまり、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)が得られる。
各カラムA/D変換部253は、処理対象の単位画素が代わる度に以上のようなA/D変換処理を実行する。
以上のように、A/D変換処理を実行することにより、カラムA/D変換部253(すなわちA/D変換部241)は、コストの増大を抑制しながら、高速かつ高ダイナミックレンジのA/D変換をより正確に行うことができる。つまり、イメージセンサ100は、本技術を適用したカラムA/D変換部253(すなわちA/D変換部241)を用いることにより、コストの増大を抑制することができる。
<4.第4の実施の形態>
<3以上のデータのラッチ>
なお、例えばフリップフロップ等の信号処理装置において、入力された信号を保持し、保持している信号を出力することができる第1のラッチを備え、さらにその第1のラッチに保持されている信号を取得して保持し、保持している信号を第1のラッチに供給して保持させることができる第2のラッチを複数備え、さらに、その第1のラッチと第2のラッチとの間の信号の転送を制御する転送制御部とを備えるようにしてもよい。このようにすることにより、信号処理装置は、3以上の値を保持し、保持されている値の中から所望の値を選択し、出力することができる。
また、例えばラッチ等の信号処理装置において、互いに直列に接続され、それぞれが信号を保持することができるラッチを3以上備えるようにしてもよい。そして、そのラッチ間の信号の転送を制御し、信号を出力する際に、所望のラッチに保持されている信号を、最終段のラッチまで転送させ、その最終段のラッチから出力させる制御部とを備えるようにしてもよい。このようにすることにより、信号処理装置は、3以上の値を保持し、保持されている値の中から所望の値を選択し、出力することができる。
<Dフリップフロップ>
例えば、バイナリカウンタのみを用いる場合、上述したように、Dフリップフロップ212において3つ以上の信号を保持することができるようにしてもよい。この場合のDフリップフロップ212の主な構成例を図27に示す。図27に示されるように、この場合、Dフリップフロップ212は、NOTゲート342およびNOTゲート343からなる第1の退避ラッチと、制御信号s11の値に従って、その第1の退避ラッチへの信号の転送を制御するスイッチ341と、NOTゲート345およびNOTゲート346からなる第2の退避ラッチと、制御信号s21の値に従って、その第2の退避ラッチへの信号の転送を制御するスイッチ344とを有する。
NOTゲート223およびスイッチ224を制御する制御信号CLK、並びにその値を反転した、NOTゲート221およびNOTゲート226を制御する制御信号xCLKは、図28のAに示されるような、ANDゲート231、NORゲート232、およびNOTゲート233からなる論理回路を用いて、制御信号CKH、制御信号xCKL、およびCin[n]から生成される。
また、スイッチ341を制御する制御信号s11、スイッチ344を制御する制御信号s21、並びに、NOTゲート225を制御する制御信号s3は、図28のBに示されるような、ANDゲート351およびANDゲート352、ORゲート353、およびANDゲート354からなる論理回路を用いて、制御信号SP11、制御信号FSP1、制御信号SP21、制御信号FSP2、および制御信号SP3から生成される。
Dフリップフロップ212(図27)は、例えば制御信号s11の制御によって、Cout[n]に保持された信号を、第1の退避ラッチ(NOTゲート342およびNOTゲート343からなるラッチ)に転送し、保持させることができる。同様に、Dフリップフロップ212(図27)は、例えば制御信号s21の制御によって、Cout[n]に保持された信号を、第2の退避ラッチ(NOTゲート345およびNOTゲート346からなるラッチ)に転送し、保持させることができる。
つまり、Dフリップフロップ212(図27)は、3つの信号を保持することができ、その保持している3つの信号の内、任意の信号を選択し、Cout[n]から出力することができる。
このようなDフリップフロップ212を用いることにより、カウンタ193は、カウント値(の各ビット)を3以上保持することができる。つまり、カラムA/D変換部181は、このようなカウンタ193を用いることにより、D相において、3以上の参照信号の中から画素信号の信号レベルに応じたものを選択し、それを用いて画素信号のA/D変換を行うことができる。また、その際に、より適切な初期値を設定することができる。つまり、カラムA/D変換部181は、このような方法の高ダイナミックレンジのA/D変換をより高速かつ正確に行うことができる。
そしてこの場合も、Dフリップフロップ212は、第1のラッチに保持されている信号のデータ反転を行うことができる。つまり、カラムA/D変換部181は、この場合も、高ダイナミックレンジのA/D変換をより高速かつ正確に行うことができる。
また、この場合も、Dフリップフロップ212に構成を僅かに追加するのみでよいので、イメージセンサ100は、コストの増大を抑制することができる。
<ラッチ>
例えば、グレイコードカウンタを用いる場合、上述したように、ラッチ271において3つ以上の信号を保持することができるようにしてもよい。この場合のラッチ271の主な構成例を図29に示す。図29のAに示されるように、この場合、ラッチ271は、図29のAのように構成されるNOTゲート291乃至NOTゲート293、並びに、NOTゲート361乃至NOTゲート366を有する。
図15の例の場合、ラッチ271は、直列に接続される2つのラッチを有するように説明したが、図29のAの例の場合、ラッチ271は、直列に接続されるラッチを3つ以上有する。図29のAにおいて、NOTゲート292およびNOTゲート293により1段目のラッチが構成され、NOTゲート362およびNOTゲート363により2段目のラッチが構成され、NOTゲート365およびNOTゲート366により3段目のラッチが構成されている。
なお、NOTゲート361やNOTゲート363を制御する制御信号GP1と、NOTゲート364やNOTゲート366を制御する制御信号GP2は、図29のBに示されるような、ANDゲート371およびA/Dゲート372からなる論理回路を用いて、制御信号FSGP1、制御信号GTP1、制御信号FSGP2、および制御信号GTP2とから生成される。
このようなラッチ271を用いることにより、下位ビットグレイコードラッチ261やグレイコードラッチ321は、カウント値(の各ビット)を3以上保持することができる。つまり、カラムA/D変換部253は、このようなラッチ271を用いることにより、D相において、3以上の参照信号の中から画素信号の信号レベルに応じたものを選択し、それを用いて画素信号のA/D変換を行うことができる。また、その際に、より適切な初期値を設定することができる。つまり、カラムA/D変換部253は、このような方法の高ダイナミックレンジのA/D変換をより高速かつ正確に行うことができる。
また、以上のようなA/D変換を、ラッチ271やフラグラッチ276の僅かな変更により、実現することができ、カラムA/D変換部253の回路規模(設置に必要な面積)の増大を抑制することができる。したがってイメージセンサ100は、コストの増大を抑制することができる。
<A/D変換処理の流れ>
図30乃至図32のフローチャートを参照して、この場合のイメージセンサ100のカラムA/D変換部253により実行されるA/D変換処理の流れの例を説明する。
A/D変換処理が開始されると、図30のステップS401において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262等をリセット(初期化)し、各Dフリップフロップ212に所定の初期値(例えば「0」)をセットする。
ステップS402において、カラムA/D変換部253は、第1のリセット期間(第1P相)において、(例えば緩やかなスロープの)第1のスロープ参照信号を用いて、単位画素141から読み出されたリセット信号をA/D変換し、下位ビットグレイコードラッチ261および上位ビットバイナリカウンタ262において、そのA/D変換結果(デジタルデータ)である第1のリセット信号(P1)を得る。
カラムA/D変換部253は、その得られた第1のリセット信号(P1)の下位ビット(5ビット)のグレイコードを、下位ビットグレイコードラッチ261の各ラッチ271の1段目のラッチに保持させる。また、カラムA/D変換部253は、その得られた第1のリセット信号(P1)の残りの上位ビットのバイナリコードを、上位ビットバイナリカウンタ262のラッチに保持させる。
ステップS403において、カラムA/D変換部253は、下位ビットグレイコードラッチ261の各ラッチ271において、1段目のラッチに保持されている第1のリセット信号(P1)の下位ビットのグレイコードを3段目のラッチに転送し、保持させる。
また、ステップS404において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262の各Dフリップフロップ212において、スイッチ227をオン状態にし、上位ビットバイナリカウンタ262のラッチに保持されている第1のリセット信号(P1)の上位ビットのバイナリコードを第1の退避ラッチに転送し、保持させる。
ステップS405において、カラムA/D変換部253は、カウンタ193をリセット(初期化)し、各Dフリップフロップ212に所定の初期値(例えば「0」)をセットする。
ステップS406において、カラムA/D変換部253は、第2のリセット期間(第2P相)において、(例えば急なスロープの)第2のスロープ参照信号を用いて、単位画素141から読み出されたリセット信号をA/D変換し、下位ビットグレイコードラッチ261および上位ビットバイナリカウンタ262において、そのA/D変換結果(デジタルデータ)である第2のリセット信号(P2)を得る。
カラムA/D変換部253は、その得られた第2のリセット信号(P2)の下位ビット(5ビット)のグレイコードを、下位ビットグレイコードラッチ261の各ラッチ271の1段目のラッチに保持させる。また、カラムA/D変換部253は、その得られた第2のリセット信号(P2)の残りの上位ビットのバイナリコードを、上位ビットバイナリカウンタ262のラッチに保持させる。
ステップS407において、カラムA/D変換部253は、下位ビットグレイコードラッチ261の各ラッチ271において、1段目のラッチに保持されている第2のリセット信号(P2)の下位ビットのグレイコードを2段目のラッチに転送し、保持させる。
また、ステップS408において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262の各Dフリップフロップ212において、上位ビットバイナリカウンタ262のラッチに保持されている第2のリセット信号(P2)の上位ビットのバイナリコードを第2の退避ラッチに転送し、保持させる。
ステップS409において、カラムA/D変換部253は、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262等をリセット(初期化)し、各Dフリップフロップ212に所定の初期値(例えば「0」)をセットする。
ステップS410において、カラムA/D変換部253は、第3のリセット期間(第3P相)において、(例えばより急なスロープの)第3のスロープ参照信号を用いて、単位画素141から読み出されたリセット信号をA/D変換し、下位ビットグレイコードラッチ261および上位ビットバイナリカウンタ262において、そのA/D変換結果(デジタルデータ)である第3のリセット信号(P3)を得る。
カラムA/D変換部253は、その得られた第3のリセット信号(P3)の下位ビット(5ビット)のグレイコードを、下位ビットグレイコードラッチ261の各ラッチ271の1段目のラッチに保持させる。また、カラムA/D変換部253は、その得られた第3のリセット信号(P3)の残りの上位ビットのバイナリコードを、上位ビットバイナリカウンタ262のラッチに保持させる。
この状態において、上位ビットバイナリカウンタ262には第1のリセット信号(P1)乃至第3のリセット信号(P3)(の上位ビットのバイナリコード)が保持されている。つまり、各Dフリップフロップ212には、第1のリセット信号(P1)の、そのDフリップフロップ212に対応するビットの値と、第2のリセット信号(P2)、そのDフリップフロップ212に対応するビットの値と、第3のリセット信号(P3)、そのDフリップフロップ212に対応するビットの値とが全て保持されている。
同様に、この状態において、下位ビットグレイコードラッチ261には第1のリセット信号(P1)乃至第3のリセット信号(P3)(の下位ビットのグレイコード)が保持されている。つまり、下位ビットグレイコードラッチ261の各ラッチ271には、第1のリセット信号(P1)乃至第3のリセット信号(P3)の、そのラッチ271に対応するビットの値が保持されている。
ステップS411において、カラムA/D変換部253は、判定期間において、比較部192により単位画素141から読み出された画素信号を所定の参照電圧と比較し、その比較結果をフラグ信号(F1)として得る。
ステップS411の処理が終了すると、処理は図31に進む。
図31のステップS421において、カラムA/D変換部253は、そのフラグ信号(F1)の信号レベルがLであるか否かを判定する。フラグ信号(F1)の信号レベルがLであり、画素信号が低照度であると判定された場合、処理は、ステップS422に進む。
ステップS422において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262の各Dフリップフロップ212において、第1の退避ラッチに保持させている第1のリセット信号(P1)の上位ビットのバイナリコードを復元する。
ステップS423において、カラムA/D変換部253は、ラッチ271から、その3段目のラッチに保持されている第1のリセット信号(P1)の下位ビットのグレイコードを読み出し、グレイバイナリ変換部272においてそのグレイコードをバイナリコードに変換する。
ステップS424において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262の各Dフリップフロップ212において、復元した第1のリセット信号(P1)の上位ビットのバイナリコードをデータ反転する。また、カラムA/D変換部253は、下位ビットグレイコードラッチ261の下位ビットバイナリ加算部274において、グレイバイナリ変換して得られた第1のリセット信号(P1)の下位ビットのバイナリコードをデータ反転する。つまり、カラムA/D変換部253に「−P1」が初期値としてセットされる。
ステップS425において、カラムA/D変換部253は、信号読み出し期間(D相)において、その「−P1」を初期値とし、第1のスロープ参照信号(例えば傾きが最も緩やかなスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換する。
このA/D変換により、下位ビットグレイコードラッチ261においてデジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットが得られ、上位ビットバイナリカウンタ262において画素信号(D)の残りの上位ビットが得られる。
ステップS426において、カラムA/D変換部253は、グレイバイナリ変換部272において、デジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのグレイコードをグレイバイナリ変換し、デジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのバイナリコードを得る。下位ビットバイナリ加算部274は、その得られたデジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのバイナリコードを、初期値「−P1」と加算し、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)の下位5ビットのバイナリコードを得る。
また、上位ビットバイナリカウンタ262においては、画素信号(D)の残りの上位ビットのバイナリコードが初期値「−P1」と加算され、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)の上位ビットのバイナリコードが得られる。カラムA/D変換部253は、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)の下位5ビットのバイナリコードと、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)の上位ビットのバイナリコードとを加算し、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)の全ビットのバイナリコードを得る。
ステップS427において、カラムA/D変換部253は、そのデジタルCDSされた画素信号(D−P1)を出力する。
ステップS427の処理が終了するとA/D変換処理が終了する。
また、図31のステップS421において、フラグ信号(F1)の信号レベルがHであり、画素信号が低照度でないと判定された場合、処理は、ステップS431に進む。
ステップS431において、カラムA/D変換部253は、判定期間において、比較部192により単位画素141から読み出された画素信号を所定の参照電圧と比較し、その比較結果をフラグ信号(F2)として得る。
ステップS431の処理が終了すると、処理は図32に進む。
図32のステップS441において、カラムA/D変換部253は、そのフラグ信号(F2)の信号レベルがLであるか否かを判定する。フラグ信号(F2)の信号レベルがLであり、画素信号が中照度であると判定された場合、処理は、ステップS442に進む。
ステップS442において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262の各Dフリップフロップ212において、第2の退避ラッチに保持させている第2のリセット信号(P2)の上位ビットのバイナリコードを復元する。
ステップS443において、カラムA/D変換部253は、ラッチ271から、その2段目のラッチに保持されている第2のリセット信号(P2)の下位ビットのグレイコードを、そのラッチ271の3段目のラッチに転送し、保持させる。
ステップS444において、カラムA/D変換部253は、ラッチ271から、その3段目のラッチに保持されている第2のリセット信号(P2)の下位ビットのグレイコードを読み出し、グレイバイナリ変換部272においてそのグレイコードをバイナリコードに変換する。
ステップS445において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262の各Dフリップフロップ212において、復元した第2のリセット信号(P2)の上位ビットのバイナリコードをデータ反転する。また、カラムA/D変換部253は、下位ビットグレイコードラッチ261の下位ビットバイナリ加算部274において、グレイバイナリ変換して得られた第2のリセット信号(P2)の下位ビットのバイナリコードをデータ反転する。つまり、カラムA/D変換部253に「−P2」が初期値としてセットされる。
ステップS446において、カラムA/D変換部253は、信号読み出し期間(D相)において、その「−P2」を初期値とし、第2のスロープ参照信号(例えば傾きが中程度のスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換する。
このA/D変換により、下位ビットグレイコードラッチ261においてデジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットが得られ、上位ビットバイナリカウンタ262において画素信号(D)の残りの上位ビットが得られる。
ステップS447において、カラムA/D変換部253は、グレイバイナリ変換部272において、デジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのグレイコードをグレイバイナリ変換し、デジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのバイナリコードを得る。下位ビットバイナリ加算部274は、その得られたデジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのバイナリコードを、初期値「−P2」と加算し、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)の下位5ビットのバイナリコードを得る。
また、上位ビットバイナリカウンタ262においては、画素信号(D)の残りの上位ビットのバイナリコードが初期値「−P2」と加算され、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)の上位ビットのバイナリコードが得られる。カラムA/D変換部253は、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)の下位5ビットのバイナリコードと、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)の上位ビットのバイナリコードとを加算し、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)の全ビットのバイナリコードを得る。
ステップS448において、カラムA/D変換部253は、そのデジタルCDSされた画素信号(D−P2)を出力する。
ステップS448の処理が終了するとA/D変換処理が終了する。
また、図32のステップS441において、フラグ信号(F2)の信号レベルがHであり、画素信号が高照度であると判定された場合、処理は、ステップS451に進む。
ステップS451において、カラムA/D変換部253は、ラッチ271から、その1段目のラッチに保持されている第3のリセット信号(P3)の下位ビットのグレイコードを、そのラッチ271の3段目のラッチに転送し、保持させる。
ステップS452において、カラムA/D変換部253は、ラッチ271から、その3段目のラッチに保持されている第3のリセット信号(P3)の下位ビットのグレイコードを読み出し、グレイバイナリ変換部272においてそのグレイコードをバイナリコードに変換する。
ステップS453において、カラムA/D変換部253は、上位ビットバイナリカウンタ262の各Dフリップフロップ212において、ラッチに保持されている第3のリセット信号(P3)の上位ビットのバイナリコードをデータ反転する。また、カラムA/D変換部253は、下位ビットグレイコードラッチ261の下位ビットバイナリ加算部274において、グレイバイナリ変換して得られた第3のリセット信号(P3)の下位ビットのバイナリコードをデータ反転する。つまり、カラムA/D変換部253に「−P3」が初期値としてセットされる。
ステップS454において、カラムA/D変換部253は、信号読み出し期間(D相)において、その「−P3」を初期値とし、第3のスロープ参照信号(例えば最も急なスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換する。
このA/D変換により、下位ビットグレイコードラッチ261においてデジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットが得られ、上位ビットバイナリカウンタ262において画素信号(D)の残りの上位ビットが得られる。
ステップS455において、カラムA/D変換部253は、グレイバイナリ変換部272において、デジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのグレイコードをグレイバイナリ変換し、デジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのバイナリコードを得る。下位ビットバイナリ加算部274は、その得られたデジタルデータの画素信号(D)の下位5ビットのバイナリコードを、初期値「−P3」と加算し、デジタルCDSされた画素信号(D−P3)の下位5ビットのバイナリコードを得る。
また、上位ビットバイナリカウンタ262においては、画素信号(D)の残りの上位ビットのバイナリコードが初期値「−P3」と加算され、デジタルCDSされた画素信号(D−P3)の上位ビットのバイナリコードが得られる。カラムA/D変換部253は、デジタルCDSされた画素信号(D−P3)の下位5ビットのバイナリコードと、デジタルCDSされた画素信号(D−P3)の上位ビットのバイナリコードとを加算し、デジタルCDSされた画素信号(D−P3)の全ビットのバイナリコードを得る。
ステップS456において、カラムA/D変換部253は、そのデジタルCDSされた画素信号(D−P3)を出力する。
ステップS456の処理が終了するとA/D変換処理が終了する。
図33は、上述したA/D変換処理のフラグ信号(F)の判定において、D相が低照度と判定される場合のタイミングチャートの例を示す図である。図34は、上述したA/D変換処理のフラグ信号(F)の判定において、D相が中照度と判定される場合のタイミングチャートの例を示す図である。図35は、上述したA/D変換処理のフラグ信号(F)の判定において、D相が中照度と判定される場合のタイミングチャートの例を示す図である。
期間(RST)において、上位ビットバイナリカウンタ262がリセットされた後、期間(第1P相)において、第1のリセット信号(P1)が得られ、期間(退避1)において、その第1のリセット信号(P1)の上位ビットのバイナリコードがDフリップフロップ212の第1の退避ラッチに転送され、下位ビットのグレイコードがラッチ271の3段目ラッチに転送される。上位ビットバイナリカウンタ262がリセットされた後、期間(第2P相)において、第2のリセット信号(P2)の上位ビットのバイナリコードと下位ビットのグレイコードが得られ、期間(退避2)において、その第2のリセット信号(P2)の上位ビットのバイナリコードがDフリップフロップ212の第2の退避ラッチに転送され、下位ビットのグレイコードがラッチ271の2段目ラッチに転送される。そして、上位ビットバイナリカウンタ262がリセットされた後、期間(第3P相)において、第3のリセット信号(P3)の上位ビットのバイナリコードと下位ビットのグレイコードが得られる。
期間(判定)において、フラグ信号(F1)の信号レベルがLと判定される場合、期間(復元)において、ラッチ271の3段目ラッチに保持されている第1のリセット信号(P1)の下位ビットのグレイコードがグレイバイナリ変換され、データ反転される。また、Dフリップフロップ212においては、第1のリセット信号(P1)の上位ビットのバイナリコードが復元され、データ反転される。
つまり、「−P1」がD相の初期値としてセットされる。そして、期間(D相)において、第1のスロープ参照信号(例えば最も緩やかなスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換し、画素信号(D)を得る。つまり、デジタルCDSされた画素信号(D−P1)が得られる。
また、期間(判定)において、フラグ信号(F1)の信号レベルがHと判定され、かつ、フラグ信号(F2)の信号レベルがLと判定される場合、期間(復元)において、ラッチ271の2段目ラッチに保持されている第2のリセット信号(P2)の下位ビットのグレイコードが3段目ラッチに転送され、その3段目ラッチから読み出され、グレイバイナリ変換され、データ反転される。また、Dフリップフロップ212においては、第2のリセット信号(P2)の上位ビットのバイナリコードが復元され、データ反転される。
つまり、「−P2」がD相の初期値としてセットされる。そして、期間(D相)において、第2のスロープ参照信号(例えば傾きが中程度のスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換し、画素信号(D)を得る。つまり、デジタルCDSされた画素信号(D−P2)が得られる。
また、期間(判定)において、フラグ信号(F2)の信号レベルがHと判定される場合、期間(復元)において、ラッチ271の1段目ラッチに保持されている第3のリセット信号(P3)の下位ビットのグレイコードが3段目ラッチに転送され、その3段目ラッチから読み出され、グレイバイナリ変換され、データ反転される。また、Dフリップフロップ212においては、第3のリセット信号(P3)の上位ビットのバイナリコードがデータ反転される。
つまり、「−P3」がD相の初期値としてセットされる。そして、期間(D相)において、第3のスロープ参照信号(例えば傾きが急なスロープの参照信号)を用いて、単位画素141から読み出された画素信号をA/D変換し、画素信号(D)を得る。つまり、デジタルCDSされた画素信号(D−P3)が得られる。
各カラムA/D変換部253は、処理対象の単位画素が代わる度に以上のようなA/D変換処理を実行する。
以上のように、A/D変換処理を実行することにより、カラムA/D変換部253(すなわちA/D変換部241)は、コストの増大を抑制しながら、高速かつ高ダイナミックレンジのA/D変換をより正確に行うことができる。つまり、イメージセンサ100は、本技術を適用したカラムA/D変換部253(すなわちA/D変換部241)を用いることにより、コストの増大を抑制することができる。
<5.第5の実施の形態>
<イメージセンサの物理構成>
なお、本技術を適用する撮像素子は、例えば、半導体基板が封止されたパッケージ(チップ)や、そのパッケージ(チップ)が回路基板に設置されたモジュール等として実現することができる。例えば、パッケージ(チップ)として実現する場合、そのパッケージ(チップ)において撮像素子が、単一の半導体基板により構成されるようにしてもよいし、互いに重畳される複数の半導体基板により構成されるようにしてもよい。
図36は、本技術を適用した撮像素子であるイメージセンサ100の物理構成の一例を示す図である。
図36のAに示される例の場合、図1等を参照して説明したイメージセンサ100の回路構成は、全て単一の半導体基板に形成される。図36のAの例の場合、画素・アナログ処理部401、デジタル処理部402、およびフレームメモリ403を囲むように出力部404−1乃至出力部404−4が配置されている。画素・アナログ処理部401は、画素アレイ101や列並列処理部102等のアナログ構成が形成される領域である。デジタル処理部402は、列並列処理部102、制御部111、行走査部112、および列走査部113等のデジタル構成が形成される領域である。フレームメモリ403は、画素アレイ101から読み出された画像データ、信号処理や画像処理が施された画像データ、信号処理や画像処理に用いられる各種情報等を記憶する記憶部が形成される領域である。出力部404−1乃至出力部404−4は、例えば、I/Oセル等の構成が配置される領域である。
もちろん、図36のAの構成例は一例であり、各処理部の構成の配置は、この例に限らない。
図36のBに示される例の場合、図1等を参照して説明したイメージセンサ100の回路構成は、互いに重畳される2枚の半導体基板(積層基板(画素基板411および回路基板412))に形成される。
画素基板411には、画素・アナログ処理部401、デジタル処理部402、並びに、出力部404−1および出力部404−2が形成される。出力部404−1および出力部404−2は、例えば、I/Oセル等の構成が配置される領域である。
また、回路基板412には、フレームメモリ403が形成されている。
上述したように画素基板411および回路基板412は、互いに重畳され、多層構造(積層構造)を形成する。画素基板411に形成される画素・アナログ処理部401と、回路基板412に形成されるフレームメモリ403とは、ビア領域(VIA)413−1とビア領域(VIA)414−1とに形成される貫通ビア(VIA)等を介して互いに電気的に接続されている。同様に、画素基板411に形成されるデジタル処理部402と、回路基板412に形成されるフレームメモリ403とは、ビア領域(VIA)413−2とビア領域(VIA)414−2とに形成される貫通ビア(VIA)等を介して互いに電気的に接続されている。
このような積層構造のイメージセンサにも本技術を適用することができる。なお、この半導体基板(積層チップ)の数(層数)は任意であり、例えば、図36のCに示されるように、3層以上であってもよい。
図36のCの例の場合、イメージセンサ100は、半導体基板421、半導体基板422、および半導体基板423を有する。半導体基板421乃至半導体基板423は、互いに重畳され、多層構造(積層構造)を形成する。半導体基板421には、画素・アナログ処理部401が形成され、半導体基板422には、デジタル処理部402、出力部404−1、および出力部404−2が形成され、半導体基板423には、フレームメモリ403が形成されている。各半導体基板の各処理部は、ビア領域(VIA)424−1、ビア領域(VIA)425−1、およびビア領域(VIA)426−1に形成される貫通ビア(VIA)、並びに、ビア領域(VIA)424−2、ビア領域(VIA)425−2、およびビア領域(VIA)426−2に形成される貫通ビア(VIA)を介して互いに電気的に接続されている。
このような積層構造のイメージセンサにも本技術を適用することができる。もちろん、各半導体基板に形成される処理部は任意であり、図36の例に限定されない。
<6.第6の実施の形態>
<エリアA/D変換部>
例えば、以上においては、A/D変換部173には単位画素列毎にA/D変換部(カラムA/D変換部181)が設けられ、各カラムA/D変換部181が、その単位画素列の各単位画素から読み出される信号をA/D変換するように説明したが、A/D変換部173の構成例はこれに限定されない。
例えば、画素アレイ101において、図37に示されるように、所定数の単位画素141毎に画素ユニット500が形成されるようにしてもよい。図37は、画素アレイ101において単位画素141がアレイ状に配置されている様子を示している。図中、単位画素141の水平方向の並びが行を示し、垂直方向の並びが列を示す。
画素ユニット500は、このように配置された複数の単位画素(例えばY行X列(X,Yは、それぞれ任意の自然数))により構成される単位画素群である。つまり、画素ユニット500は、画素アレイ101からなる画素領域を複数に分割する部分領域に含まれる単位画素群である。画素ユニット500のサイズ(画素ユニット500に含まれる単位画素141の数)や形状は任意である。なお、各画素ユニット500のサイズ(単位画素141の数)や形状が互いに同一でなくてもよい。
また、図37の例の場合、画素ユニット500は、4×4(4行4列)の単位画素141により構成されているが、この単位画素行数および単位画素列数は任意である。例えば、1行8列、2行2列、2行4列、4行2列、4行8列、8行4列、8行8列、8行1列、16行16列等であってもよいし、これらの例以外であってもよい。
また、図37においては、画素ユニット500を1つのみ示しているが、実際には、画素ユニット500は、画素アレイ101全体に形成される。つまり、各単位画素141は、いずれかの画素ユニット500に属する。
また、図37においては、各単位画素141が互いに同じ大きさの正方形として示されているが、各単位画素141のサイズや形状は任意であり、正方形で無くてもよいし、互いに同一のサイズおよび形状でなくてもよい。
画素アレイがこのような構成の場合、列並列処理部にはその画素ユニット500毎にA/D変換部(エリアA/D変換部)が設けられ、各エリアA/D変換部が、自身に割り当てられた画素ユニットに属する各単位画素から読み出される信号をA/D変換するようにしてもよい。
図38にその場合のイメージセンサ100の主な構成例を示す。図38の例の場合、イメージセンサ100は、図1の例の列並列処理部102の代わりにエリア並列処理部502を有する。また、図38の例のイメージセンサ100は、図1の例の場合の行走査部112の代わりにエリア走査部512を有し、図1の例の場合の列走査部113の代わりにエリア走査部513を有する。
エリア走査部512は、制御部111から制御線133を介して供給される制御信号に従って(すなわち制御部111の制御に従って)、画素アレイ101の各画素ユニット500に対して、処理対象とする単位画素141を選択し、選択した各単位画素141から信号(リセット信号や画素信号)を読み出させる。例えば、画素アレイ101がN個(Nは任意の自然数)の画素ユニット500を有するとすると、エリア走査部512は、互いに異なる画素ユニット500に接続されるN本の制御線125(制御線125−1乃至制御線125−N)を介して、各画素ユニット500に対して制御信号を供給する。
画素アレイ101の各画素ユニット500は、単位画素141を選択する構成(例えばスイッチ等)を有し、その制御信号に従って(すなわち、エリア走査部512の制御に従って)、自身に属する単位画素群の中から処理対象とする単位画素141を選択し、その単位画素141から信号(リセット信号や画素信号)を読み出し、読み出した信号を垂直信号線121(垂直信号線121−1乃至垂直信号線121−N)を介してエリア並列処理部502に伝送する。
つまり、エリア並列処理部502には、各画素ユニット500から信号が供給される。エリア走査部513は、制御部111から制御線134を介して供給される制御信号に従って(すなわち制御部111の制御に従って)、エリア並列処理部502に対して、画素アレイ101から供給される画素ユニット500毎の信号を並列に処理させる。例えば、エリア走査部513は、エリア並列処理部502に、各信号をA/D変換させる。例えば、画素アレイ101がN個の画素ユニット500を有するとすると、エリア走査部513は、互いに異なる画素ユニット500に対応するN本の制御線126(制御線126−1乃至制御線126−N)を介して、各画素ユニット500に対応する信号に対する処理を制御する制御信号を、エリア並列処理部502に供給する。
エリア並列処理部502は、それらの制御信号に従って(すなわち、エリア走査部513の制御に従って)、各画素ユニット(に属する単位画素141)から読み出された信号(リセット信号や画素信号)に対する処理を行う(例えば各信号をA/D変換する)。エリア並列処理部502は、それらの制御信号に従って(すなわち、エリア走査部513の制御に従って)、各信号の処理結果(例えば、デジタルデータ)を、信号線122を介して転送部103に供給する。
図4の例と同様に、A/D変換においてカウンタとしてバイナリカウンタのみを用いる場合、エリア並列処理部502は、図4のカラムA/D変換部181の代わりに、例えば、図39のように、エリアA/D変換部541−1乃至エリアA/D変換部541−Nを有する。以下において、エリアA/D変換部541−1乃至エリアA/D変換部541−Nを互いに区別して説明する必要が無い場合、エリアA/D変換部541と称する。
各エリアA/D変換部541は、エリア走査部513の制御に従って、カラムA/D変換部181と同様に、自身に対応する画素ユニット500の単位画素141から読み出され、その画素ユニット500の垂直信号線121を介して供給される信号を、参照信号線171Aおよび参照信号線171B、または参照信号線172Aおよび参照信号線172Bを介して参照信号生成部171若しくは参照信号生成部172から供給される参照信号を利用して、A/D変換する。
エリアA/D変換部541の内部の構成や動作は、上述したカラムA/D変換部181の場合と同様にすることができる。すなわち、処理対象とする信号の供給元がカラムではなく画素ユニット500になること以外はカラムA/D変換部181と同様であるので、エリアA/D変換部541の詳細についての説明は省略する。
A/D変換部173が有するエリアA/D変換部541の数は任意である。画素ユニット500と同数(N)であってもよいし、画素ユニット500の数より多くてもよいし、少なくてもよい。エリアA/D変換部541が画素ユニット500より少ない場合、一部若しくは全部のエリアA/D変換部541に複数の画素ユニット500からの垂直信号線121が接続され、それらの画素ユニット500の単位画素141から読み出された信号をA/D変換することができるようにしてもよい。
図12の例と同様にA/D変換においてカウンタとしてグレイコードカウンタを用いる場合、エリア並列処理部502は、図12のカラムA/D変換部253の代わりに、例えば、図40のように、エリアA/D変換部561−1乃至エリアA/D変換部561−Nを有する。以下において、エリアA/D変換部561−1乃至エリアA/D変換部561−Nを互いに区別して説明する必要が無い場合、エリアA/D変換部561と称する。
各エリアA/D変換部561は、エリア走査部513の制御に従って、カラムA/D変換部253と同様に、自身に対応する画素ユニット500の単位画素141から読み出され、その画素ユニット500の垂直信号線121を介して供給される信号を、参照信号線171Aおよび参照信号線171B、または参照信号線172Aおよび参照信号線172Bを介して参照信号生成部171若しくは参照信号生成部172から供給される参照信号と、グレイコードカウンタ252から供給されるグレイコードを利用して、A/D変換する。
エリアA/D変換部561の内部の構成や動作は、上述したカラムA/D変換部253の場合と同様にすることができる。すなわち、処理対象とする信号の供給元がカラムではなく画素ユニット500になること以外はカラムA/D変換部253と同様であるので、エリアA/D変換部561の詳細についての説明は省略する。
図39のエリアA/D変換部541の場合と同様に、A/D変換部173が有するエリアA/D変換部561の数は任意である。
以上のように画素ユニット500毎に信号を処理する場合、画素ユニット500とエリアA/D変換部とが互いに同一の半導体基板に形成されるようにしてもよい。A/D変換においてカウンタとしてバイナリカウンタのみを用いる場合を例に説明すると、図41の例のように、画素ユニット500−1乃至画素ユニット500−3と、それぞれに対応するエリアA/D変換部541−1乃至エリアA/D変換部541−3とが、同一の半導体基板上に形成されるようにしてもよい。もちろん、画素ユニット500とエリアA/D変換部541の数は任意である。
また、イメージセンサ100の構成が、複数の半導体基板に形成されるようにしてもよい。例えば図42に示されるように、イメージセンサ100が互いに重畳される2枚の半導体基板(積層チップ(画素基板581および回路基板582))を有するようにしてもよい。
A/D変換においてカウンタとしてバイナリカウンタのみを用いる場合を例に説明すると、図42の例のように、画素基板581に、画素領域(すなわち、画素アレイ101)のN個の画素ユニット500(画素ユニット500−1乃至画素ユニット500−N)が形成され、回路基板582の、各画素ユニット500に重畳する位置には、その画素ユニット500に対応するエリアA/D変換部541が形成されるようにしてもよい。例えば、回路基板582の、画素基板581における画素ユニット500−Kの位置と同じ位置(画素ユニット500−Kに重畳する位置)には、その画素ユニット500−Kの単位画素から読み出された信号をA/D変換するエリアA/D変換部541−Kが形成されるようにしてもよい。
もちろん、この場合も、イメージセンサ100の半導体基板の数(層数)は任意であり、3層以上であってもよい。
<7.第7の実施の形態>
<撮像装置>
なお、本技術は、撮像素子以外にも適用することができる。例えば、撮像装置のような、撮像素子を有する装置(電子機器等)に本技術を適用するようにしてもよい。図43は、本技術を適用した電子機器の一例としての撮像装置の主な構成例を示すブロック図である。図43に示される撮像装置600は、被写体を撮像し、その被写体の画像を電気信号として出力する装置である。
図43に示されるように撮像装置600は、光学部611、CMOSイメージセンサ612、画像処理部613、表示部614、コーデック処理部615、記憶部616、出力部617、通信部618、制御部621、操作部622、およびドライブ623を有する。
光学部611は、被写体までの焦点を調整し、焦点が合った位置からの光を集光するレンズ、露出を調整する絞り、および、撮像のタイミングを制御するシャッタ等よりなる。光学部611は、被写体からの光(入射光)を透過し、CMOSイメージセンサ612に供給する。
CMOSイメージセンサ612は、入射光を光電変換して画素毎の信号(画素信号)をA/D変換し、CDS(Correlated Double Sampling)等の信号処理を行い、処理後の撮像画像データを画像処理部613に供給する。
画像処理部613は、CMOSイメージセンサ612により得られた撮像画像データを画像処理する。より具体的には、画像処理部613は、CMOSイメージセンサ612から供給された撮像画像データに対して、例えば、混色補正や、黒レベル補正、ホワイトバランス調整、デモザイク処理、マトリックス処理、ガンマ補正、およびYC変換等の各種画像処理を施す。画像処理部613は、画像処理を施した撮像画像データを表示部614に供給する。
表示部614は、例えば、液晶ディスプレイ等として構成され、画像処理部613から供給された撮像画像データの画像(例えば、被写体の画像)を表示する。
画像処理部613は、さらに、画像処理を施した撮像画像データを、必要に応じて、コーデック処理部615に供給する。
コーデック処理部615は、画像処理部613から供給された撮像画像データに対して、所定の方式の符号化処理を施し、得られた符号化データを記憶部616に供給する。また、コーデック処理部615は、記憶部616に記録されている符号化データを読み出し、復号して復号画像データを生成し、その復号画像データを画像処理部613に供給する。
画像処理部613は、コーデック処理部615から供給される復号画像データに対して所定の画像処理を施す。画像処理部613は、画像処理を施した復号画像データを表示部614に供給する。表示部614は、例えば、液晶ディスプレイ等として構成され、画像処理部613から供給された復号画像データの画像を表示する。
また、コーデック処理部615は、画像処理部613から供給された撮像画像データを符号化した符号化データ、または、記憶部616から読み出した撮像画像データの符号化データを出力部617に供給し、撮像装置600の外部に出力させるようにしてもよい。また、コーデック処理部615は、符号化前の撮像画像データ、若しくは、記憶部616から読み出した符号化データを復号して得られた復号画像データを出力部617に供給し、撮像装置600の外部に出力させるようにしてもよい。
さらに、コーデック処理部615は、撮像画像データ、撮像画像データの符号化データ、または、復号画像データを、通信部618を介して他の装置に伝送させるようにしてもよい。また、コーデック処理部615は、撮像画像データや画像データの符号化データを、通信部618を介して取得するようにしてもよい。コーデック処理部615は、通信部618を介して取得した撮像画像データや画像データの符号化データに対して、適宜、符号化や復号等を行う。コーデック処理部615は、得られた画像データ若しくは符号化データを、上述したように、画像処理部613に供給したり、記憶部616、出力部617、および通信部618に出力したりするようにしてもよい。
記憶部616は、コーデック処理部615から供給される符号化データ等を記憶する。記憶部616に格納された符号化データは、必要に応じてコーデック処理部615に読み出されて復号される。復号処理により得られた撮像画像データは、表示部614に供給され、その撮像画像データに対応する撮像画像が表示される。
出力部617は、外部出力端子等の外部出力インターフェイスを有し、コーデック処理部615を介して供給される各種データを、その外部出力インターフェイスを介して撮像装置600の外部に出力する。
通信部618は、コーデック処理部615から供給される画像データや符号化データ等の各種情報を、所定の通信(有線通信若しくは無線通信)の通信相手である他の装置に供給する。また、通信部618は、所定の通信(有線通信若しくは無線通信)の通信相手である他の装置から、画像データや符号化データ等の各種情報を取得し、それをコーデック処理部615に供給する。
制御部621は、撮像装置600の各処理部(点線620内に示される各処理部、操作部622、並びに、ドライブ623)の動作を制御する。
操作部622は、例えば、ジョグダイヤル(商標)、キー、ボタン、またはタッチパネル等の任意の入力デバイスにより構成され、例えばユーザ等による操作入力を受け、その操作入力に対応する信号を制御部621に供給する。
ドライブ623は、自身に装着された、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディア624に記憶されている情報を読み出す。ドライブ623は、リムーバブルメディア624からプログラムやデータ等の各種情報を読み出し、それを制御部621に供給する。また、ドライブ623は、書き込み可能なリムーバブルメディア624が自身に装着された場合、制御部621を介して供給される、例えば画像データや符号化データ等の各種情報を、そのリムーバブルメディア624に記憶させることができる。
以上のような撮像装置600のCMOSイメージセンサ612として、各実施の形態において上述した本技術を適用する。すなわち、CMOSイメージセンサ612として、上述したイメージセンサ100が用いられる。これにより、CMOSイメージセンサ612は、コストの増大を抑制することができる。したがって撮像装置600は、コストの増大を抑制することができる。換言するに、CMOSイメージセンサ612は、半導体基板の面積の増大を抑制しながら、画素アレイ101の面積を大きくしたり、画像処理や信号処理用に新たな回路を追加したりすることができる。つまり、CMOSイメージセンサ612は、コストの増大を抑制しながら、撮像画像の画質の低減を抑制することができる。したがって撮像装置600は、被写体を撮像することにより、より高画質な撮像画像を得ることができる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図43に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されているリムーバブルメディア624により構成される。このリムーバブルメディア624には、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)や光ディスク(CD-ROMやDVDを含む)が含まれる。さらに、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)や半導体メモリ等も含まれる。
その場合、プログラムは、そのリムーバブルメディア624をドライブ623に装着することにより、記憶部616にインストールすることができる。
また、このプログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することもできる。その場合、プログラムは、通信部618で受信し、記憶部616にインストールすることができる。
その他、このプログラムは、記憶部616や制御部621内のROM(Read Only Memory)等に、あらかじめインストールしておくこともできる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、上述した各ステップの処理は、上述した各装置、若しくは、上述した各装置以外の任意の装置において、実行することができる。その場合、その処理を実行する装置が、上述した、その処理を実行するのに必要な機能(機能ブロック等)を有するようにすればよい。また、処理に必要な情報を、適宜、その装置に伝送するようにすればよい。
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
また、以上において、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
また、本技術は、これに限らず、このような装置またはシステムを構成する装置に搭載するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 信号の入力開始から前記信号の値が変化するまでの期間の長さの計測を複数回行い、各計測により得られた測定値を保持し、保持している複数の測定値の中からいずれかを用いて前記計測の初期値を設定し、設定された前記初期値を用いて前記計測を行う計測部
を備える信号処理装置。
(2) 前記計測部は、所定のクロック信号のクロック数をカウントすることにより、前記期間の長さの計測を行い、得られたカウント値を前記測定値として保持する
(1)に記載の信号処理装置。
(3) 前記計測部は、第1の信号について前記計測を複数回行い、保持している複数の測定値の内、前記第1の信号と異なる第2の信号の信号レベルに対応する測定値を用いて前記初期値を設定し、設定された前記初期値を用いて前記第1の信号および前記第2の信号と異なる第3の信号について前記計測を行う
(1)または(2)に記載の信号処理装置。
(4) 前記第1の信号は、単位画素から読み出されたリセット信号と参照信号との信号レベルの比較結果である
(3)に記載の信号処理装置。
(5) 前記参照信号は、前記計測の度に、スロープの傾きが異なる
(4)に記載の信号処理装置。
(6) 前記第2の信号は、単位画素から読み出された画素信号と所定の参照電圧との信号レベルの比較結果である
(3)乃至(5)のいずれかに記載の信号処理装置。
(7) 前記第3の信号は、単位画素から読み出された画素信号と、前記第2の信号の信号レベルに対応する傾きのスロープを有する参照信号との信号レベルの比較結果である
(3)乃至(6)のいずれかに記載の信号処理装置。
(8) 前記計測部は、
前記計測において前記測定値の全ビットをバイナリコードで取得し、
前記第2の信号の信号レベルに対応する前記測定値をデータ反転し、前記初期値として設定する
(1)乃至(7)のいずれかに記載の信号処理装置。
(9) 前記計測部は、
前記計測において、前記測定値の上位ビットをバイナリコードで取得し、下位ビットをグレイコードで取得し、
前記第2の信号の信号レベルに対応する前記測定値の下位ビットの前記グレイコードをバイナリコードに変換し、変換された下位ビットの前記バイナリコードを上位ビットの前記バイナリコードと加算し、得られた前記測定値の全ビットのバイナリコードをデータ反転し、前記初期値として設定する
(1)乃至(8)のいずれかに記載の信号処理装置。
(10) 前記計測部は、
前記計測において、前記測定値の全ビットをグレイコードで取得し、
前記第2の信号の信号レベルに対応する前記測定値の前記グレイコードをバイナリコードに変換し、得られた前記測定値のバイナリコードをデータ反転し、前記初期値として設定する
(1)乃至(9)のいずれかに記載の信号処理装置。
(11) 前記計測部は、
単位画素から読み出されたリセット信号と第1の傾きのスロープを有する第1の参照信号との信号レベルの比較結果について、開始から前記信号の値が変化するまでの期間の長さを計測する第1の計測を行い、
前記第1の計測により得られた第1の測定値を保持し、
前記リセット信号と第2の傾きのスロープを有する第2の参照信号との信号レベルの比較結果について、開始から前記信号の値が変化するまでの期間の長さを計測する第2の計測を行い、
前記第2の計測により得られた第2の測定値を保持し、
単位画素から読み出された画素信号と所定の参照電圧との比較結果に応じて、前記第1の測定値若しくは前記第2の測定値を用いて初期値を設定し、
設定された前記初期値を用いて、前記画素信号と、前記画素信号と前記参照電圧との比較結果に対応する前記第1の参照信号若しくは前記第2の参照信号との信号レベルの比較結果について、開始から前記信号の値が変化するまでの期間の長さを計測する第3の計測を行い、
前記第3の計測により得られた第3の測定値を出力する
(1)乃至(10)のいずれかに記載の信号処理装置。
(12) 前記計測部は、
前記画素信号の信号レベルが前記参照電圧より低い場合、
前記第1の測定値を用いて前記初期値を設定し、
設定された前記初期値を用いて、前記画素信号と前記第1の参照信号との信号レベルの比較結果について、前記第3の計測を行い、
前記画素信号の信号レベルが前記参照電圧より高い場合、
前記第2の測定値を用いて前記初期値を設定し、
設定された前記初期値を用いて、前記画素信号と前記第2の参照信号との信号レベルの比較結果について、前記第3の計測を行う
(11)に記載の信号処理装置。
(13) 前記計測部は、前記測定値のビット長に応じた数の、互いに直列に接続され、それぞれが複数の値を保持することができるフリップフロップ回路を有する
(1)乃至(12)のいずれかに記載の信号処理装置。
(14) 単位画素から読み出された信号と参照信号との信号レベルの比較を行う比較部をさらに備え、
前記計測部は、前記比較部による前記比較の結果を示す信号について前記計測を行う
(1)乃至(13)のいずれかに記載の信号処理装置。
(15) 信号の入力開始から前記信号の値が変化するまでの期間の長さの計測を複数回行い、
各計測により得られた測定値を保持し、
保持している複数の測定値の中からいずれかを用いて前記計測の初期値を設定し、
設定された前記初期値を用いて前記計測を行う
信号処理方法。
(16) 複数の単位画素が行列状に配置される画素アレイと、
前記画素アレイの前記単位画素から読み出された信号と参照信号との信号レベルの比較結果を示す信号の入力開始から前記信号の値が変化するまでの期間の長さの計測を複数回行い、各計測により得られた測定値を保持し、保持している複数の測定値の中からいずれかを用いて前記計測の初期値を設定し、設定された前記初期値を用いて前記計測を行う計測部と
を備える撮像素子。
(17) 被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部による撮像により得られた画像データを画像処理する画像処理部と
を備え、
前記撮像部は、
複数の単位画素が行列状に配置される画素アレイと、
前記画素アレイの前記単位画素から読み出された信号と参照信号との信号レベルの比較結果を示す信号の入力開始から前記信号の値が変化するまでの期間の長さの計測を複数回行い、各計測により得られた測定値を保持し、保持している複数の測定値の中からいずれかを用いて前記計測の初期値を設定し、設定された前記初期値を用いて前記計測を行う計測部と
を備える電子機器。
(18) 入力された信号を保持し、保持している前記信号を出力することができる1つ若しくは複数の第1のラッチと、
前記第1のラッチに保持されている前記信号を取得して保持し、保持している前記信号を前記第1のラッチに供給して保持させることができる1つ若しくは複数の第2のラッチと、
前記第1のラッチと前記第2のラッチとの間の前記信号の転送を制御する転送制御部と
を備える信号処理装置。
(19) 前記第1のラッチに保持されている前記信号のデータ反転を制御する反転制御部をさらに備える
(18)に記載の信号処理装置。
(20) 互いに直列に接続され、それぞれが信号を保持することができる複数のラッチと、
前記ラッチ間の前記信号の転送を制御し、前記信号を出力する際に、所望のラッチに保持されている信号を、最終段の前記ラッチまで転送させ、前記最終段の前記ラッチから出力させる制御部と
を備える信号処理装置。