JP2016010125A - 信号処理装置、制御方法、撮像素子、並びに、電子機器 - Google Patents

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克彦 半澤
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Abstract

【課題】撮像画像の画質の低減を抑制する信号処理装置、制御方法、撮像素子、並びに、電子機器を提供する。
【解決手段】電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを入力信号の電位に応じて選択し、選択された参照信号を用いて入力信号のA/D変換を行い、参照信号を用いて、入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測し、計測された補正値を用いて、入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う。
【選択図】図14

Description

本技術は、信号処理装置、制御方法、撮像素子、並びに、電子機器に関し、特に、撮像画像の画質の低減を抑制することができるようにした信号処理装置、制御方法、撮像素子、並びに、撮像装置に関する。
従来、高分解のAD変換を高速化する手法として、2step型SS-ADCが提案されている。2step型SS-ADCは、初めに上位bitのAD変換を行い、その結果をもとに下位bitのAD変換を行う。しかしながら、この方法の場合、参照信号(参照電圧)であるRamp線を切り替える際に、Ramp線間の電圧差のばらつきやRamp線の遅延量のばらつきにより誤差が生じるおそれがあった。
そこで、このような誤差を低減する方法が考えられた(例えば、非特許文献1、並びに、特許文献1乃至特許文献3参照)。これらの文献に記載の技術では、上位bitのAD変換時において、コンパレータの反転時にRamp線の電圧値を各カラムでサンプルアンドホールド(S&H)し、下位bitのAD変換時において、そのS&Hされた電圧を基準にRamp線が動作する。
Seunghyun Lim, Jeonghwan Lee, Dongsoo Kim, Gunhee Han, "A High-Speed CMOS Image Sensor With Column-Parallel Two-Step Single-Slope ADCs", IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES, VOL. 56, NO. 3, MARCH 2009
特開2012−19411号公報 特開2013−251607号公報 特開2013−187727号公報
しかしながら、これらの方法の場合、S&Hという動作が入るため、kTCノイズを取り除くことができない。そのため、撮像画像の画質が低減してしまうおそれがあった。
本技術は、このような状況に鑑みて提案されたものであり、撮像画像の画質の低減を抑制することができるようにすることを目的とする。
本技術の一側面は、電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを入力信号の電位に応じて選択し、選択された前記参照信号を用いて前記入力信号のA/D変換を行うA/D変換部と、前記参照信号を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測する補正部と、前記補正部により計測された前記補正値を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う演算部とを備える信号処理装置である。
前記補正部は、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果に含まれる、前記参照信号間の電圧差のばらつきと、前記参照信号の遅延量のばらつきを補正する補正値を計測することができる。
前記補正部は、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換に並行して、前記補正値を計測することができる。
前記A/D変換部は、相関二重サンプリングで前記入力信号のA/D変換を行い、前記補正部は、前記相関二重サンプリングのP相とD相のそれぞれにおいて、前記補正値を計測し、前記演算部は、前記補正部において計測された前記P相の補正値と、前記D相の補正値とを用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行うことができる。
前記補正部は、所定の電圧を前記P相および前記D相のそれぞれにおいて互いに同一の参照電圧を用いてA/D変換する前記補正値の計測を、全ての参照電圧について行い、さらに、所定の電圧を前記P相および前記D相のそれぞれにおいて互いに異なる参照電圧を用いてA/D変換する前記補正値の計測を、互いに隣接する参照電圧組の全てについて行うことができる。
前記演算部は、前記補正部の数に応じた次数の近似値を用いて前記A/D変換結果を補正することができる。
前記A/D変換部は、前記参照信号を用いて、画素から読み出された信号のA/D変換を行うことができる。
前記A/D変換部は、画素アレイのカラム毎に設けられ、それぞれが、自身に対応するカラムの画素から読み出された信号のA/D変換を行うことができる。
本技術の一側面は、また、電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを入力信号の電位に応じて選択し、選択された前記参照信号を用いて前記入力信号のA/D変換を行い、前記参照信号を用いて、前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測し、計測された前記補正値を用いて、前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う信号処理方法である。
本技術の他の側面は、複数の単位画素が行列状に配置される画素アレイと、電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを、前記画素アレイの前記単位画素から読み出される信号の電位に応じて選択し、選択された前記参照信号を用いて前記入力信号のA/D変換を行うA/D変換部と、前記参照信号を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測する補正部と、前記補正部により計測された前記補正値を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う演算部とを備える撮像素子である。
複数の半導体基板を有し、前記演算部は、前記画素アレイが形成される半導体基板と異なる半導体基板に形成されることができる。
本技術のさらに他の側面は、被写体を撮像する撮像部と、前記撮像部による撮像により得られた画像データを画像処理する画像処理部とを備え、前記撮像部は、複数の単位画素が行列状に配置される画素アレイと、電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを、前記画素アレイの前記単位画素から読み出される信号の電位に応じて選択し、選択された前記参照信号を用いて前記入力信号のA/D変換を行うA/D変換部と、前記参照信号を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測する補正部と、前記補正部により計測された前記補正値を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う演算部とを備える電子機器である。
本技術の一側面においては、電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つが入力信号の電位に応じて選択され、選択された前記参照信号が用いられて前記入力信号のA/D変換が行われ、前記参照信号が用いられて、前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値が計測され、計測された前記補正値を用いて、前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算が行われる。
本技術の他の側面においては、複数の単位画素が行列状に配置され、電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つが、前記単位画素から読み出される信号の電位に応じて選択され、選択された前記参照信号が用いられて前記入力信号のA/D変換が行われ、前記参照信号が用いられて、前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値が計測され、計測された前記補正値が用いられて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算が行われる。
本技術のさらに他の側面においては、電子機器の、複数の単位画素が行列状に配置される画素アレイを備える撮像素子において、電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つが、前記画素アレイの前記単位画素から読み出される信号の電位に応じて選択され、選択された前記参照信号が用いられて前記入力信号のA/D変換が行われ、前記参照信号が用いられて、前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値が計測され、計測された前記補正値を用いて、前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算が行われる。
本技術によれば、撮像画像を得ることが出来る。また本技術によれば、撮像画像の画質の低減を抑制することができる。
2step型SS-ADCの動作の概要を説明する図である。 Ramp線の電圧ばらつきの例を説明する図である。 Ramp線の遅延量ばらつきの例を説明する図である。 Ramp線負荷の変化の湯オスの例を説明する図である。 イメージセンサの主な構成例を示す図である。 画素アレイの主な構成例を示す図である。 単位画素の主な構成例を示す図である。 A/D変換部の主な構成例を示す図である。 カラムA/D変換部の主な構成例を示す図である。 補正部の主な構成例を示す図である。 補正部の主な構成例を示す図である。 補正部の主な構成例を示す図である。 補正部の主な構成例を示す図である。 撮像処理の流れの例を説明するフローチャートである。 補正部の動作の様子の例を示す図である。 低照度時の観測カラムの信号の例を示す図である。 低照度時の補正部の信号の例を示す図である。 高照度時の観測カラムの信号の例を示す図である。 低照度時の補正部の信号の例を示す図である。 低照度時の補正部の信号の例を示す図である。 Ramp線が3本の場合の例を示す図である。 Ramp線が4本の場合の例を示す図である。 A/D変換部の他の構成例を示す図である。 Ramp線遅延時間の遷移例を示す図である。 参照電圧発生部の構成例を示す図である。 イメージセンサの物理構成の例を示す図である。 撮像装置の主な構成例を示す図である。
以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(イメージセンサ)
2.第2の実施の形態(撮像装置)
3.第3の実施の形態(撮像装置)
<1.第1の実施の形態>
<シングルスロープA/D変換>
シングルスロープA/D変換(SS-ADC)方式において、N bitのA/D変換を行うための時間は、「(1/clk周期)×2^N+Tp」と表すことができる。ここで「(1/clk周期)×2^N」 はカウント時間であり、「Tp」は前処理や、読出し信号の静定時間などである。10bit乃至12bit程度の低分解能の場合、Tpの時間が「(1/clk周期)×2^(10乃至12)」より大きいまたは同等である。低分解能のA/D変換時間を早くするためにはカウント周期だけではなく、前処理にかかる時間を早くすることが重要になる。
しかしながら、12bitを超える高分解能のA/D変換を行おうとする場合、カウント時間がA/D変換時間の大部分を占めるようになる。したがって、高分解能のA/D変換を高速に行う場合、カウント時間の短縮が重要になる。
<2step型SS-ADC>
そこで、近年、高分解のA/D変換を高速化する手法として、2step型SS-ADCが提案されている。2step型SS-ADCは、例えば図1に示されるように、上位bitのA/D変換を行い、その結果をもとに下位bitのA/D変換を行う。つまり、2step型SS-ADCは、上位bitのAD変換後に、下位bit用の複数のRamp線(参照信号(参照電圧))の中からいずれか(A/D変換対象の信号の信号レベルに応じたもの)を選んでA/D変換する。
ただし、この場合、このRamp線の切り替えによってA/D変換結果に誤差が生じるおそれがあった。Ramp線の切り替えによって発生する誤差には、例えば図2に示されるような、Ramp線間の電圧差のばらつきや、例えば図3に示されるようなRamp線の遅延量のばらつきがある。
Ramp線間の電圧差のばらつきは、Ramp線を生成するD/A変換部のばらつきに起因する。ばらつきはチップごとに固定であるため、固体調整機能を用いてある程度調整ができるが、完全に取り除くことは困難である。
Ramp線の遅延量のばらつきは、例えば図4に示されるような、Ramp線を切り替えた際の負荷の変化に起因する。Ramp線を生成するD/A変換部の負荷は、配線容量とコンパレータの入力容量の2つに分けられる。配線容量は固定であるが、コンパレータの入力容量は、Ramp線の切り替えに伴い変化するため、遅延量をあらかじめ計測しておくことは困難である。このため、原理的にA/D変換結果に誤差が発生するおそれがあった。
そこで、この誤差を解決する方法が検討された。非特許文献1、並びに、特許文献1乃至特許文献3の各文献に記載の技術に共通するのは、上位bitのAD変換時において、コンパレータの反転時に、Ramp線の電圧値を各カラムでサンプルアンドホールド(S&H)し、下位bitのAD変換時において、そのS&Hされた電圧を基準にRamp線が動作することである。しかしながら、これらの方法ではS&Hという動作が入るため、kTCノイズを取り除くことができないおそれがあった。しかも高bit分解のA/D変換の場合、1LSBが数十uVオーダ以下になることが有り、例えばkTCノイズを10uV以下に抑えようとした場合、常温で50pF程度の容量が必要になる。これを各カラムに形成した場合、カラムの回路が膨大なサイズになってしまうおそれがあった。
そこで、誤差要因である、Ramp線間の電圧差と遅延量のばらつきを測定し、観測カラムのAD変換結果と演算を行うようにする。つまり、電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを入力信号の電位に応じて選択し、選択された参照信号を用いて入力信号のA/D変換を行うA/D変換部と、参照信号を用いて、A/D変換部による入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測する補正部と、補正部により計測された補正値を用いて、A/D変換部による入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う演算部とを備えるようにする。すなわち、電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを入力信号の電位に応じて選択し、選択された参照信号を用いて入力信号のA/D変換を行い、参照信号を用いて、入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測し、計測された補正値を用いて、入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行うようにする。
このようにすることにより、A/D変換結果の、Ramp線の電圧差のばらつきや遅延量のばらつきによる誤差を低減させることができ、シングルスロープと同じ精度の信号を得ることが可能になる。つまり、撮像画像の画質の低減を抑制することができる。また、それとともに、高bit分解のA/D変換時間の大部分を占めるカウント期間を削減できるため、A/D変換時間を短縮することができる。また、サンプルアンドホールドを行う必要が無いため、kTCノイズの発生を抑制することができる。さらに、この補正の為に必要な補正部は、カラム外のアクセサリ領域に配置することができるため、従来のマルチスロープA/D変換部のカラム回路構成からの変更点を少なくすることができ、開発をより容易にすることができる。つまり、開発期間を短縮し、より早期に開発を完了することができるだけでなく、コストを低減させることができる。
なお、この補正部は、A/D変換部による入力信号のA/D変換結果に含まれる、参照信号間の電圧差のばらつきと、参照信号の遅延量のばらつきを補正する補正値を計測するようにしてもよい。
また、この補正部は、A/D変換部による入力信号のA/D変換に並行して、補正値を計測するようにしてもよい。
さらに、A/D変換部は、相関二重サンプリングで入力信号のA/D変換を行い、補正部は、その相関二重サンプリングのP相とD相のそれぞれにおいて、補正値を計測し、演算部は、補正部において計測されたP相の補正値とD相の補正値とを用いて、A/D変換部による入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行うようにしてもよい。
また、補正部は、所定の電圧をP相およびD相のそれぞれにおいて互いに同一の参照電圧を用いてA/D変換する補正値の計測を、全ての参照電圧について行い、さらに、所定の電圧をP相およびD相のそれぞれにおいて互いに異なる参照電圧を用いてA/D変換する補正値の計測を、互いに隣接する参照電圧組の全てについて行うようにしてもよい。
また、演算部は、補正部の数に応じた次数の近似値を用いてA/D変換結果を補正するようにしてもよい。
さらに、A/D変換部は、参照信号を用いて、画素から読み出された信号のA/D変換を行うようにしてもよい。
また、A/D変換部は、画素アレイのカラム毎に設けられ、それぞれが、自身に対応するカラムの画素から読み出された信号のA/D変換を行うようにしてもよい。
<イメージセンサ>
このような本技術を適用した撮像素子の一実施の形態であるイメージセンサの主な構成例を、図5に示す。図5に示されるイメージセンサ100は、被写体からの光を光電変換して画像データとして出力するデバイスである。例えば、イメージセンサ100は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いたCMOSイメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)を用いたCCDイメージセンサ等として構成される。
図5に示されるように、イメージセンサ100は、画素アレイ101、参照電圧発生部102、A/D変換部103、水平転送部104、演算部105、制御部111、および垂直走査部112を有する。
画素アレイ101は、フォトダイオード等の光電変換素子を有する画素構成(単位画素121)が平面状または曲面状に配置される画素領域である。
参照電圧発生部102は、A/D変換部103のA/D変換の基準信号となる参照信号(参照電圧とも称する)を発生する。参照電圧発生部102は、図5に示されるように、互いに電位の異なる参照電圧を複数発生し、それをA/D変換部103に供給する。図5の例の場合、参照電圧発生部102は、低照度時用の参照電圧であるRampLと、高照度時用の参照電圧であるRampHとを発生し、それらをA/D変換部103に供給する。図5に示されるように、RampLは、信号線122−1を介してA/D変換部103に伝送され、RampHは、信号線122−2を介してA/D変換部103に供給される。
A/D変換部103は、画素アレイ101の各単位画素から読み出されたアナログ信号等をA/D変換し、そのデジタルデータを水平転送部104に出力する。
水平転送部104は、A/D変換部103から供給されるデジタルデータを演算部105に順次に転送する。
演算部105は、水平転送部104から供給されるデジタルデータを用いて、A/D変換部103のA/D変換結果を補正するための演算を行う。演算部105は、補正したA/D変換結果のデータをイメージセンサ100の外部等に出力する。
制御部111は、参照電圧発生部102、A/D変換部103、水平転送部104、演算部105、および垂直走査部112の各部を制御することにより、イメージセンサ100全体の動作(各部の動作)を制御する。
垂直走査部112は、制御部111に制御されて、画素アレイ101の各単位画素のトランジスタの動作を制御する。
<画素アレイ>
図6に示されるように、画素アレイ101には、M行N列の単位画素141が行列状(アレイ状)に配置されている(M,Nは任意の自然数)。つまり、図6に示されるように、画素アレイ101には、単位画素141−11乃至単位画素141−MNが形成されている。単位画素141−11乃至単位画素141−MNを互いに区別して説明する必要が無い場合、単位画素141と称する。
また、図6に示されるように、画素アレイ101には、垂直信号線121−1乃至垂直信号線121−N、並びに、制御線126−1乃至制御線126−Mが形成されている。垂直信号線121−1乃至垂直信号線121−Nを互いに区別して説明する必要が無い場合、垂直信号線121と称し、制御線126−1乃至制御線126−Mを互いに区別して説明する必要が無い場合、制御線126と称する。単位画素141は、カラム(列)毎に、そのカラムに対応する垂直信号線121に接続され、行毎に、その行に対応する制御線126に接続されている。
単位画素から読み出された信号は、垂直信号線121を介して、A/D変換部103に伝送される(図5)。また、制御線126には、垂直走査部112から各単位画素(各行)への制御信号が伝送される。図6において各行の制御線126は1本の線として示されているが、この各行の制御線126が複数の制御線により構成されるようにしてもよい。
<単位画素構成>
図7は、単位画素141の回路構成の主な構成の例を示す図である。図7に示される例の場合、単位画素141は、フォトダイオード(PD)151、転送トランジスタ152、リセットトランジスタ153、増幅トランジスタ154、およびセレクトトランジスタ155を有する。
フォトダイオード(PD)151は、受光した光をその光量に応じた電荷量の光電荷(ここでは、光電子)に光電変換してその光電荷を蓄積する。フォトダイオード(PD)151のアノード電極は画素領域のグランド(画素グランド)に接続され、カソード電極は転送トランジスタ152を介してフローティングディフュージョン(FD)に接続される。もちろん、フォトダイオード(PD)151のカソード電極が画素領域の電源(画素電源)に接続され、アノード電極が転送トランジスタ152を介してフローティングディフュージョン(FD)に接続され、光電荷を光正孔として読み出す方式としてもよい。
転送トランジスタ152は、フォトダイオード(PD)151からの光電荷の読み出しを制御する。転送トランジスタ152は、ドレイン電極がフローティングディフュージョンに接続され、ソース電極がフォトダイオード(PD)151のカソード電極に接続される。また、転送トランジスタ152のゲート電極には、垂直走査部112(図5)から供給される転送制御信号を伝送する転送制御線(TRG)が接続される。転送制御線(TRG)(すなわち、転送トランジスタ152のゲート電位)がオフ状態のとき、フォトダイオード(PD)151からの光電荷の転送が行われない(フォトダイオード(PD)151において光電荷が蓄積される)。転送制御線(TRG)(すなわち、転送トランジスタ152のゲート電位)がオン状態のとき、フォトダイオード(PD)151に蓄積された光電荷がフローティングディフュージョン(FD)に転送される。
リセットトランジスタ153は、フローティングディフュージョン(FD)の電位をリセットする。リセットトランジスタ153は、ドレイン電極が電源電位に接続され、ソース電極がフローティングディフュージョン(FD)に接続される。また、リセットトランジスタ153のゲート電極には、垂直走査部112(図5)から供給されるリセット制御信号を伝送するリセット制御線(RST)が接続される。リセット制御信号(RST)(すなわち、リセットトランジスタ153のゲート電位)がオフ状態のとき、フローティングディフュージョン(FD)は電源電位と切り離されている。リセット制御信号(RST)(すなわち、リセットトランジスタ153のゲート電位)がオン状態のとき、フローティングディフュージョン(FD)の電荷が電源電位に捨てられ、フローティングディフュージョン(FD)がリセットされる。
増幅トランジスタ154は、フローティングディフュージョン(FD)の電位変化を増幅し、電気信号(アナログ信号)として出力する。増幅トランジスタ154は、ゲート電極がフローティングディフュージョン(FD)に接続され、ドレイン電極がソースフォロワ電源電圧に接続され、ソース電極がセレクトトランジスタ155のドレイン電極に接続されている。例えば、増幅トランジスタ154は、リセットトランジスタ153によってリセットされたフローティングディフュージョン(FD)の電位をリセット信号(リセットレベル)としてセレクトトランジスタ155に出力する。また、増幅トランジスタ154は、転送トランジスタ152によって光電荷が転送されたフローティングディフュージョン(FD)の電位を光蓄積信号(信号レベル)としてセレクトトランジスタ155に出力する。
セレクトトランジスタ155は、増幅トランジスタ154から供給される電気信号の垂直信号線(VSL)121(すなわち、A/D変換部103)への出力を制御する。セレクトトランジスタ155は、ドレイン電極が増幅トランジスタ154のソース電極に接続され、ソース電極が垂直信号線121に接続されている。また、セレクトトランジスタ155のゲート電極には、垂直走査部112(図5)から供給されるセレクト制御信号を伝送するセレクト制御線(SEL)が接続される。セレクト制御信号(SEL)(すなわち、セレクトトランジスタ155のゲート電位)がオフ状態のとき、増幅トランジスタ154と垂直信号線121は電気的に切り離されている。したがって、この状態のとき、当該単位画素141からリセット信号や画素信号等が出力されない。セレクト制御信号(SEL)(すなわち、セレクトトランジスタ155のゲート電位)がオン状態のとき、当該単位画素141が選択状態となる。つまり、増幅トランジスタ154と垂直信号線121が電気的に接続され、増幅トランジスタ154から出力される信号が、当該単位画素141の画素信号として、垂直信号線121に供給される。すなわち、当該単位画素141からリセット信号や画素信号等が読み出される。
<A/D変換部の構成>
次に、図8を参照して、A/D変換部103(図5)の構成例について説明する。図8に示されるように、A/D変換部103は、カラムA/D変換部161−1乃至カラムA/D変換部161−N、並びに、補正部162−1および補正部162−2を有する。
以下において、カラムA/D変換部161−1乃至カラムA/D変換部161−Nを互いに区別して説明する必要が無い場合、カラムA/D変換部161と称する。また、以下において、補正部162−1および補正部162−2を互いに区別して説明する必要が無い場合、補正部162と称する。
カラムA/D変換部161は、画素アレイ101のカラム毎に設けられており、画素アレイ101の、自身が対応するカラムの単位画素141から読み出され、そのカラムの垂直信号線121を介して供給される信号をA/D変換する。カラムA/D変換部161は、参照電圧発生部102が発生する複数の参照電圧を利用してそのA/D変換を行う。したがって、図8に示されるように、カラムA/D変換部161は、信号線122−1および信号線122−2に接続される。以下において信号線122−1および信号線122−2を互いに区別して説明する必要が無い場合、信号線122と称する。
補正部162は、カラムA/D変換部161のA/D変換結果を補正する補正値を計測する。詳細については、後述するが、補正部162は、信号線122−1および信号線122−2に接続される。なお、図8の例の場合、A/D変換部103には、補正部162−1と補正部162−2が設けられている。補正部162−1は、並列に並べられたカラムA/D変換部161群の図中左端に設けられ、補正部162−2は、並列に並べられたカラムA/D変換部161群の図中右端に設けられている。
カラムA/D変換部161および補正部162は、信号線123−1乃至信号線123−(N+2)を介して、A/D変換結果や補正値を水平転送部104に供給する。以下において、信号線123−1乃至信号線123−(N+2)を互いに区別して説明必要がする無い場合、信号線123と称する。
<カラムA/D変換部の構成>
次に、図9を参照して、カラムA/D変換部161(図8)の構成例について説明する。図9に示されるように、カラムA/D変換部161は、比較部171、カウンタ172、キャパシタ173、キャパシタ174、スイッチトランジスタ175、スイッチトランジスタ176、および選択部177を有する。
比較部171は、垂直信号線121とを介して入力される信号(例えば単位画素141から読み出された信号)と、参照電圧とを比較し(信号レベルの比較を行い)、その比較結果をカウンタ172に出力する。
カウンタ172は、カウント開始からその比較結果の値が変化するまでの時間をカウントし、比較結果の値が変化した時点でそれまでのカウント値を、信号線123を介して水平転送部104に出力する。
比較部171の一方の入力は、キャパシタ173を介して垂直信号線121に接続される。また、比較部171の他方の入力には、キャパシタ174およびスイッチトランジスタ175を介して信号線122−1(RampL)が接続される。また、その入力には、キャパシタ174およびスイッチトランジスタ176を介して信号線122−2(RampH)が接続される。
また、比較部171の出力は、選択部177にも供給される。選択部177は、その比較部171の出力と、制御部111からの制御(矢印132)に基づいて、スイッチトランジスタ175若しくはスイッチトランジスタ176をオンにする。これにより、比較部171のキャパシタ174側の入力には、RampL若しくはRampHが入力される。つまり、カラムA/D変換部161(比較部171)は、垂直信号線121を介して入力される信号を、参照電圧(RampL若しくはRampH)を用いてA/D変換する。
<補正部の構成>
次に、図10を参照して、補正部162(図8)の構成例について説明する。図10に示されるように、補正部162は、補正部181、補正部182、および補正部183を有する。各補正部162内の補正部は、参照電圧(Ramp)の数Sに対し"2S-1"個必要となる。本実施の計他の例の場合、参照電圧が2つ用いられるので、各補正部162には、補正部181乃至補正部183が設けられる。
補正部181は、2入力とも信号線122−1(つまり、RampL)に接続される。すなわち、補正部181は、図11に示されるように、比較部191、カウンタ192、キャパシタ193、キャパシタ194、スイッチトランジスタ195、およびキャパシタ198を有する。
比較部191の一方の入力は、キャパシタ193およびスイッチトランジスタ195を介して信号線122−1(つまり、RampL)に接続されている。また、比較部191の他方の入力は、キャパシタ194を介して信号線122−1(つまり、RampL)に接続されている。なお、キャパシタ193およびスイッチトランジスタ195の間と、グランド電位との間には、キャパシタ198も接続されている。また、スイッチトランジスタ195のゲートには、制御部111から制御信号(COR1)が供給される(矢印132)。つまり、制御部111が制御信号(COR1)を供給してスイッチトランジスタ195をオン状態にすると、比較部191のキャパシタ193側の入力に参照電圧(RampL)が供給される。また、キャパシタ198にもその時の参照電圧(RampL)が供給され、スイッチトランジスタ195がオフになることにより、その電圧が保持される。つまり、比較部191のキャパシタ193側の入力側の電圧が保たれる。比較部191は、その電圧と、キャパシタ194側の入力に入力される参照電圧(RampL)とを比較し、比較結果をカウンタ192に供給する。
カウンタ192は、カウント開始からその比較結果が変化するまでをカウントし、そのカウント値を信号線123を介して水平転送部104に供給する。
補正部182は、2入力とも信号線122−2(つまり、RampH)に接続される。すなわち、補正部182は、図12に示されるように、比較部201、カウンタ202、キャパシタ203、キャパシタ204、スイッチトランジスタ205、およびキャパシタ206を有する。
比較部201の一方の入力は、キャパシタ203およびスイッチトランジスタ205を介して信号線122−2(つまり、RampH)に接続されている。また、比較部201の他方の入力は、キャパシタ204を介して信号線122−2(つまり、RampH)に接続されている。なお、キャパシタ203およびスイッチトランジスタ205の間と、グランド電位との間には、キャパシタ206も接続されている。また、スイッチトランジスタ205のゲートには、制御部111から制御信号(COR2)が供給される(矢印132)。つまり、制御部111が制御信号(COR2)を供給してスイッチトランジスタ205をオン状態にすると、比較部201のキャパシタ203側の入力に参照電圧(RampH)が供給される。また、キャパシタ206にもその時の参照電圧(RampH)が供給され、スイッチトランジスタ205がオフになることにより、その電圧が保持される。つまり、比較部201のキャパシタ203側の入力側の電圧が保たれる。比較部201は、その電圧と、キャパシタ204側の入力に入力される参照電圧(RampH)とを比較し、比較結果をカウンタ202に供給する。
カウンタ202は、カウント開始からその比較結果が変化するまでをカウントし、そのカウント値を信号線123を介して水平転送部104に供給する。
補正部183は、一方の入力が信号線122−2(つまり、RampH)に接続され、他方の入力が信号線122−1(つまり、RampL)および信号線122−2(つまり、RampH)に接続される。すなわち、補正部183は、図13に示されるように、比較部211、カウンタ212、キャパシタ213、キャパシタ214、スイッチトランジスタ215、キャパシタ216、スイッチトランジスタ217、およびスイッチトランジスタ218を有する。
比較部211の一方の入力は、キャパシタ213およびスイッチトランジスタ215を介して信号線122−2(つまり、RampH)に接続されている。また、スイッチトランジスタ215のゲートには、制御部111から制御信号(COR3-1)が供給される(矢印132)。そして、キャパシタ213およびスイッチトランジスタ215の間と、グランド電位との間には、キャパシタ216も接続されている。
つまり、制御部111が制御信号(COR3-1)を供給してスイッチトランジスタ215をオン状態にすると、比較部211のキャパシタ213側の入力に参照電圧(RampH)が供給される。また、キャパシタ216にもその時の参照電圧(RampH)が供給され、スイッチトランジスタ215がオフになることにより、その電圧が保持される。つまり、比較部211のキャパシタ213側の入力側の電圧が保たれる。
また、比較部211の他方の入力は、キャパシタ214およびスイッチトランジスタ217を介して信号線122−1(つまり、RampL)に接続されている。また、スイッチトランジスタ217のゲートには、制御部111から制御信号(COR3-2)が供給される(矢印132)。また、比較部211の他方の入力は、キャパシタ214およびスイッチトランジスタ218を介して信号線122−2(つまり、RampH)に接続されている。また、スイッチトランジスタ218のゲートには、制御部111から制御信号(COR3-3)が供給される(矢印132)。
制御部111は、制御信号(COR3-2)および制御信号(COR3-3)を供給してスイッチトランジスタ217若しくはスイッチトランジスタ218のいずれか一方をオン状態にする。これにより、比較部211のキャパシタ214側の入力に参照電圧(RampL若しくはRampH)が供給される。
比較部211は、キャパシタ213側の入力に入力される電圧と、キャパシタ214側の入力に入力される参照電圧(RampL若しくはRampH)とを比較し、比較結果をカウンタ212に供給する。
カウンタ212は、カウント開始からその比較結果が変化するまでをカウントし、そのカウント値を信号線123を介して水平転送部104に供給する。
<撮像処理の流れ>
次に、以上のような構成のイメージセンサ100による撮像処理の流れの例を、図14のフローチャートを参照して説明する。
撮像処理が開始されると、制御部111は、ステップS101において、垂直走査部112を制御して、画素アレイ101の未処理の単位画素行から処理対象とする単位画素行(処理対象単位画素行とも称する)を1行選択する。
ステップS102において、制御部111は、垂直走査部112を制御して、P相において、画素アレイ101の処理対象単位画素行の各単位画素141からリセット信号を読み出させ、A/D変換部103に供給させる。
ステップS103において、制御部111は、参照電圧発生部102およびA/D変換部103を制御し、参照電圧(RampL)を用いて各観測カラムのリセット信号をA/D変換する。すなわち、各カラムA/D変換部161が、リセット信号を、参照電圧(RampL)を用いてA/D変換する。また、その処理と並行して(少なくとも部分的に並行して)、制御部111は、参照電圧発生部102およびA/D変換部103を制御し、各補正部162(各補正部162の補正部181乃至補正部183)において、それぞれ補正値を計測させる。
すなわち、各補正部162において、補正部181は参照電圧(RampL)を用いて補正値を計測し、補正部182は参照電圧(RampH)を用いて補正値を計測し、補正部183は参照電圧(RampH)を用いて補正値を計測する。
ステップS104において、制御部111は、参照電圧発生部102およびA/D変換部103を制御し、D相セトリング時間を用いて1bitのA/D変換を行わせる。
ステップS105において、制御部111は、垂直走査部112を制御して、D相において、画素アレイ101の処理対象単位画素行の各単位画素141から画素信号を読み出させ、A/D変換部103に供給させる。
ステップS106において、制御部111は、ステップS104のA/D変換結果に基づいて、画素信号が、所定の基準より低照度の状態であるか否かを判定する。低照度であると判定された場合、処理はステップS107に進む。
ステップS107において、制御部111は、参照電圧発生部102およびA/D変換部103を制御し、参照電圧(RampL)を用いて各観測カラムの画素信号をA/D変換する。すなわち、各カラムA/D変換部161が、画素信号を、参照電圧(RampL)を用いてA/D変換する。また、その処理と並行して(少なくとも部分的に並行して)、制御部111は、参照電圧発生部102およびA/D変換部103を制御し、各補正部162(各補正部162の補正部181)において、それぞれ補正値を計測させる。
すなわち、各補正部162において、補正部181は参照電圧(RampL)を用いて補正値を計測する。
ステップS108において、制御部111は、演算部105を制御し、P相のA/D変換結果とD相のA/D変換結果との差分をA/D変換結果として求める。
また、ステップS109において、制御部111は、演算部105を制御し、補正部162の数や位置に応じた補正値の近似値を求め、その近似値を用いて、ステップS108において算出されたA/D変換結果を補正する。
ステップS109の処理が終了すると、処理は、ステップS113に進む。
また、ステップS106において、画素信号が、所定の基準より高照度の状態であると判定された場合、処理はステップS110に進む。
ステップS110において、制御部111は、参照電圧発生部102およびA/D変換部103を制御し、参照電圧(RampH)を用いて各観測カラムの画素信号をA/D変換する。すなわち、各カラムA/D変換部161が、画素信号を、参照電圧(RampH)を用いてA/D変換する。また、その処理と並行して(少なくとも部分的に並行して)、制御部111は、参照電圧発生部102およびA/D変換部103を制御し、各補正部162(各補正部162の補正部181乃至補正部183)において、それぞれ補正値を計測させる。
すなわち、各補正部162において、補正部181は参照電圧(RampL)を用いて補正値を計測し、補正部182は参照電圧(RampH)を用いて補正値を計測し、補正部183は参照電圧(RampL)を用いて補正値を計測する。
ステップS111において、制御部111は、演算部105を制御し、P相のA/D変換結果とD相のA/D変換結果との差分をA/D変換結果として求める。
また、ステップS112において、制御部111は、演算部105を制御し、補正部162の数や位置に応じた補正値の近似値を求め、その近似値を用いて、ステップS108において算出されたA/D変換結果を補正する。
ステップS112の処理が終了すると、処理は、ステップS113に進む。
ステップS113において、制御部111は、全ての単位画素行を処理したか否かを判定する。未処理の単位画素行が存在すると判定された場合、処理をステップS101に戻し、それ以降の処理を実行させる。ステップS101乃至ステップS113の各処理が単位画素行毎に繰り返し実行され、ステップS113において、全ての単位画素行を処理したと判定された場合、制御部111は、撮像処理を終了する。
このように各処理を実行することにより、イメージセンサ100は、A/D変換結果の、Ramp線の電圧差のばらつきや遅延量のばらつきによる誤差を低減させることができ、撮像画像の画質の低減を抑制することができる。
<補正について>
次に、以上のようなA/D変換結果の補正について、より詳細に説明する。
制御部111は、各補正部162に対して、各制御信号(COR1, COR2, COR3-1, COR3-2, COR3-3)を、図15の例のように供給する。
ここで、補正回路にはサンプルアンドホールド(S&H)動作によるkTCノイズが入るが、P相、D相共に完全に相関があるため、打ち消される。式の煩雑性を避けるために、以下においてはその説明を省略する。
まず、低照度の場合について説明する。低照度の場合、観測カラム(カラムA/D変換部161)においては、単位画素141から読み出された信号や参照電圧(Ramp)は、図16に示されるように観測される。
P相のA/D変換結果においては、カウント開始から理想DAC線(参照電圧(RampL)の理想的な(遅延や電位差のばらつきが無い)線)とリセット信号であるVSLが交わる点までの時間(CNT_POF)と、理想DAC線から配線のみの遅延量(CNT_DLL,Delay Line-RampL)と、配線遅延からコンパレータ負荷による遅延(CNT_DPL, Delay P相RampL)が観測される。
D相のAD変換結果では、カウント開始から理想DAC線とリセット信号時にVSLが交わる点までの時間(CNT_POF)と、画素リセット信号から光信までのVSLの変化分(CNT_Vsig)と、理想DAC線から配線のみの遅延量(CNT_DLL,Delay Line-RampL)と、配線遅延からコンパレータ負荷による遅延(CNT_DDL, Delay D相RampL)が観測される。以上のように求められたD相値からP相値を減算すると以下の式(1)のように表すことができる。
(CNT_Vsig + CNT_POF + CNT_DLL + CNT_DDL) - (CNT_POF + CNT_DLL + CNT_DPL)
= CNT_Vsig + CNT_DDL - CNT_DPL ・・・(1)
ここで「CNT_DDL - CNT_DPL」が求まれば真値であるCNT_Vsigを得ることができる。
このような観測カラムのA/D変換と並行して実行される補正部181による補正における信号の観測結果の例を図17に示す。この場合、P相もD相も参照電圧(RampL)でA/D変換が行われる。それ以外は、観測カラムのA/D変換と基本的に同様に行われるので、補正部181におけるA/D変換結果は、式(1)において「CNT_Vsig=0」となる状態に等しい、つまりこの補正部181におけるA/D変換結果は、以下の式(2)のようになる。
CNT_DDL - CNT_DPL ・・・(2)
したがって、演算部105は、式(1)から式(2)を減算することにより、真値である「CNT_Vsig」を得ることができる。
次に、高照度の場合について説明する。高照度の場合の観測カラム(各カラムA/D変換部161)で観測されるA/D変換結果を図18に示す。この場合も、P相については、得られるA/D変換結果は低照度時と同様であり、「(CNT_POF + CNT_DLL + CNT_DPL)」が観測される。
これに対して、高照度時のD相において得られるA/D変換結果は、低照度時とは異なり、カウント開始から理想DAC線とリセット信号時にVSLが交わる点までの時間(CNT_POF)と、画素リセット信号から光信までのVSLの変化分からDAC間の電圧差(CNT_Vsig-Vd)と、理想DAC線から配線のみの遅延量(CNT_DLH,Delay Line-RampH)と、配線遅延からコンパレータ負荷による遅延(CNT_DDH, Delay D相RampH)が観測される。以上のように求められたD相値からP相値を減算すると以下の式(3)のように表すことができる。
(CNT_Vsig _Vd+ CNT_POF + CNT_DLH + CNT_DDH) - (CNT_POF + CNT_DLL + CNT_DPL)
= CNT_Vsig_Vd + CNT_DDH + CNT_DDH - CNT_DLL - CNT_DPL ・・・(3)
このような観測カラムのA/D変換と並行して、補正部181乃至補正部183による補正値の計測が実行される。補正部181で得られるA/D変換結果は、低照度の場合と同様になる。すなわち、式(2)が得られる。
補正部182による補正における信号の観測結果の例を図19に示す。補正部182の場合、図19に示されるように、P相もD相も参照電圧(RampH)でA/D変換が行われる。ただし、A/D変換結果の算出方法は補正部181の場合と同様である。すなわち、補正部182のA/D変換結果として以下の式(4)が得られる。
CNT_DDH - CNT_DPH ・・・(4)
補正部183による補正における信号の観測結果の例を図20に示す。補正部183の場合、図20に示されるように、P相においては参照電圧(RampL)でA/D変換が行われ、D相においては参照電圧(RampH)でA/D変換が行われる。
そして、P相で得られる結果は「CNT_POF + CNT_DLH + CNT_DPH」となる。また、D相で得られる結果は、POFの値と、RampLとRampHの電圧差(CNT_Vd)となる。D相値からP相値を減算すると、以下の式(5)のように表すことができる。
(CNT_POF + CNT_Vd) - (CNT_POF + CNT_DLH + CNT_DPH) ・・・(5)
演算部105は、不要な信号を打ち消し合うため、式(3)−式(2)−式(4)+式(5)を演算する。この演算により、演算部105は、「CNT_Vsig_Vd + CNT_Vd」を得ることができる。
ところで、「CNT_Vsig_Vd」は「信号値-Ramp線電圧差」、「CNT_Vd」は「Ramp線電圧差」であるため、これらを足すと信号値を得ることができる。
なお、参照電圧(Ramp)の電圧差はカラムの場所依存はないが、参照電圧(Ramp)の遅延量はカラム位置で異なる。なぜならば、コンパレータの負荷の分布により変わるためである。例えば、図8の例のように補正部162をカラムA/D変換部161の両端に置いた場合、両側の補正部162が出力する値は互いに異なる。そのため、この場合、両側の補正結果の1次近似を補正値として使用するのが望ましい。このようにすることにより、全てのカラムA/D変換部161のA/D変換結果に対して、総合的に、Ramp線の電圧差のばらつきや遅延量のばらつきによる誤差をより低減させることができる。すなわち、撮像画像の画質の低減をより抑制することができる。
以上は参照電圧(Ramp)が2本の場合を例に用いて本技術を説明した。しかしながら、これは、一例であり、参照電圧(Ramp)の数は、2本以上であれば任意である。例えば、図21に示されるように、参照電圧を3本(Ramp1,2,3)としてもよいし、図22に示されるように、参照電圧を4本(Ramp1,2,3,4)としてもよい。もちろん、5本以上としてもよい。
たとえば、参照電圧を3本とする場合、補正部162には、Ramp1,2,3の遅延量を検出する処理部、Ramp1-Ramp2の電圧差を検出する処理部、並びに、Ramp2-Ramp3の電圧差を検出する処理部の合計5つの処理部(補正部)を設けるようにすればよい。P相とD相の間の1.5bitAD変換は、Ramp2との比較、Ramp3との比較と順次行うようにすればよい。同様に参照電圧をS本にする場合、補正部162に、2S-1個の処理部(補正部)を用意すればよい。
なお、補正部162の位置は任意であり、図8の例に限定されない。例えば、補正部162をカラムA/D変換部161内に埋め込むようにしてもよい。また、補正部162は、図23に示される例のように、カラムA/D変換部161群の中に配置することもできる。例えば、図23に示される例のように、補正部162をカラムA/D変換部161群の中央に配置することで、演算部105は、補正値を2次近似することができるようになる。したがって、補正値の精度を向上させることができる。同様に3,4,5、、、と補正部を増やすことで、3,4,5、、、次近似とすることができる。遅延時間は一定ではなく図24に示されるように、1次、2次、3次、、、と変異する場合があるためである。
なお、以上においては、補正部162の内部の構成として補正部181乃至補正部183の構成例を示したが、この補正部の構成例は任意であり、上述した例に限定されない。
また、参照電圧発生部102の構成も任意である。例えば、図25Aに示されるように、複数のDAC(D/A変換部)を用いて、各DACで各参照電圧を生成するようにしてもよい。ただし、この場合、各DACで特性のばらつき(個体差)が大きくなる可能性がある。そのため、図25Bに示される例のように、1つのDACを用いて全ての参照電圧を生成するようにしてもよいし、図25Cに示される例のように、SFの出力オフセットを用いて1つのDACから全ての参照電圧を生成するようにしてもよい。プロセスばらつき等から最適な構造を選べばよい。
以上のように、補正部を設け、A/D変換結果を補正することにより、イメージセンサ100は、撮像画像の画質の低減を抑制することができる。
<2.第2の実施の形態>
<イメージセンサの物理構成>
なお、本技術を適用する撮像素子は、例えば、封止されたパッケージやパッケージが回路基板に設置されたモジュール等として実現することができる。例えば、パッケージとして実現する場合、そのパッケージにおいて撮像素子が、単一の半導体基板により構成されるようにしてもよいし、互いに重畳される複数の半導体基板により構成されるようにしてもよい。
図26は、本技術を適用した撮像素子であるイメージセンサ100の物理構成の一例を示す図である。
図26Aに示される例の場合、図5を参照して説明したイメージセンサ100の回路構成は、全て単一の半導体基板に形成される。図26Aの例の場合、画素・アナログ処理部311、フレームメモリ312、およびデジタル処理部313を囲むように出力部314−1乃至出力部314−4が配置されている。画素・アナログ処理部311は、画素アレイ101やA/D変換部103等のアナログ構成が形成される領域である。出力部314−1乃至出力部314−4は、例えば、I/Oセル等の構成が配置される領域である。
もちろん、図26Aの構成例は一例であり、各処理部の構成の配置は、この例に限らない。
図26Bに示される例の場合、図5を参照して説明したイメージセンサ100の回路構成は、互いに重畳される2枚の半導体基板(積層チップ(画素チップ321および回路チップ322))に形成される。
画素チップ321には、画素・アナログ処理部311、デジタル処理部313、並びに、出力部314−1および出力部314−2が形成される。出力部314−1および出力部314−2は、例えば、I/Oセル等の構成が配置される領域である。
また、回路チップ322には、フレームメモリ312が形成されている。
上述したように画素チップ321および回路チップ322は、互いに重畳され、多層構造(積層構造)を形成する。画素チップ321に形成されるデジタル処理部313と回路チップ322に形成されるフレームメモリ312は、ビア領域(VIA)323およびビア領域(VIA)324に形成される貫通ビア(VIA)等を介して互いに電気的に接続されている。
このような積層構造のイメージセンサにも本技術を適用することができる。なお、この半導体基板(積層チップ)の数(層数)は任意であり、例えば、図26Cに示されるように、3層以上であってもよい。
図26Cの例の場合、イメージセンサ100は、半導体基板351、半導体基板352、および半導体基板353を有する。半導体基板351乃至半導体基板353は、互いに重畳され、多層構造(積層構造)を形成する。半導体基板351には、画素・アナログ処理部311が形成され、半導体基板352には、デジタル処理部313および出力部314−1および314−2が形成され、半導体基板353には、フレームメモリ312が形成されている。各半導体基板の各処理部は、貫通ビア(VIA)361乃至貫通ビア(VIA)363を介して互いに電気的に接続されている。
このような積層構造のイメージセンサにも本技術を適用することができる。もちろん、各半導体基板に形成される処理部は、任意であり、図26の例に限定されない。
<3.第3の実施の形態>
<撮像装置>
なお、本技術は、撮像素子以外にも適用することができる。例えば、撮像装置のような、撮像素子を有する装置(電子機器等)に本技術を適用するようにしてもよい。図27は、本技術を適用した電子機器の一例としての撮像装置の主な構成例を示すブロック図である。図27に示される撮像装置600は、被写体を撮像し、その被写体の画像を電気信号として出力する装置である。
図27に示されるように撮像装置600は、光学部611、CMOSイメージセンサ612、画像処理部613、表示部614、コーデック処理部615、記憶部616、出力部617、通信部618、制御部621、操作部622、およびドライブ623を有する。
光学部611は、被写体までの焦点を調整し、焦点が合った位置からの光を集光するレンズ、露出を調整する絞り、および、撮像のタイミングを制御するシャッタ等よりなる。光学部611は、被写体からの光(入射光)を透過し、CMOSイメージセンサ612に供給する。
CMOSイメージセンサ612は、入射光を光電変換して画素毎の信号(画素信号)をA/D変換し、CDS等の信号処理を行い、処理後の撮像画像データを画像処理部613に供給する。
画像処理部613は、CMOSイメージセンサ612により得られた撮像画像データを画像処理する。より具体的には、画像処理部613は、CMOSイメージセンサ612から供給された撮像画像データに対して、例えば、混色補正や、黒レベル補正、ホワイトバランス調整、デモザイク処理、マトリックス処理、ガンマ補正、およびYC変換等の各種画像処理を施す。画像処理部613は、画像処理を施した撮像画像データを表示部614に供給する。
表示部614は、例えば、液晶ディスプレイ等として構成され、画像処理部613から供給された撮像画像データの画像(例えば、被写体の画像)を表示する。
画像処理部613は、さらに、画像処理を施した撮像画像データを、必要に応じて、コーデック処理部615に供給する。
コーデック処理部615は、画像処理部613から供給された撮像画像データに対して、所定の方式の符号化処理を施し、得られた符号化データを記憶部616に供給する。また、コーデック処理部615は、記憶部616に記録されている符号化データを読み出し、復号して復号画像データを生成し、その復号画像データを画像処理部613に供給する。
画像処理部613は、コーデック処理部615から供給される復号画像データに対して所定の画像処理を施す。画像処理部613は、画像処理を施した復号画像データを表示部614に供給する。表示部614は、例えば、液晶ディスプレイ等として構成され、画像処理部613から供給された復号画像データの画像を表示する。
また、コーデック処理部615は、画像処理部613から供給された撮像画像データを符号化した符号化データ、または、記憶部616から読み出した撮像画像データの符号化データを出力部617に供給し、撮像装置600の外部に出力させるようにしてもよい。また、コーデック処理部615は、符号化前の撮像画像データ、若しくは、記憶部616から読み出した符号化データを復号して得られた復号画像データを出力部617に供給し、撮像装置600の外部に出力させるようにしてもよい。
さらに、コーデック処理部615は、撮像画像データ、撮像画像データの符号化データ、または、復号画像データを、通信部618を介して他の装置に伝送させるようにしてもよい。また、コーデック処理部615は、撮像画像データや画像データの符号化データを、通信部618を介して取得するようにしてもよい。コーデック処理部615は、通信部618を介して取得した撮像画像データや画像データの符号化データに対して、適宜、符号化や復号等を行う。コーデック処理部615は、得られた画像データ若しくは符号化データを、上述したように、画像処理部613に供給したり、記憶部616、出力部617、および通信部618に出力するようにしてもよい。
記憶部616は、コーデック処理部615から供給される符号化データ等を記憶する。記憶部616に格納された符号化データは、必要に応じてコーデック処理部615に読み出されて復号される。復号処理により得られた撮像画像データは、表示部614に供給され、その撮像画像データに対応する撮像画像が表示される。
出力部617は、外部出力端子等の外部出力インターフェイスを有し、コーデック処理部615を介して供給される各種データを、その外部出力インターフェイスを介して撮像装置600の外部に出力する。
通信部618は、コーデック処理部615から供給される画像データや符号化データ等の各種情報を、所定の通信(有線通信若しくは無線通信)の通信相手である他の装置に供給する。また、通信部618は、所定の通信(有線通信若しくは無線通信)の通信相手である他の装置から、画像データや符号化データ等の各種情報を取得し、それをコーデック処理部615に供給する。
制御部621は、撮像装置600の各処理部(点線620内に示される各処理部、操作部622、並びに、ドライブ623)の動作を制御する。
操作部622は、例えば、ジョグダイヤル(商標)、キー、ボタン、またはタッチパネル等の任意の入力デバイスにより構成され、例えばユーザ等による操作入力を受け、その操作入力に対応する信号を制御部621に供給する。
ドライブ623は、自身に装着された、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディア624に記憶されている情報を読み出す。ドライブ623は、リムーバブルメディア624からプログラムやデータ等の各種情報を読み出し、それを制御部621に供給する。また、ドライブ623は、書き込み可能なリムーバブルメディア624が自身に装着された場合、制御部621を介して供給される、例えば画像データや符号化データ等の各種情報を、そのリムーバブルメディア624に記憶させる。
以上のような撮像装置600のCMOSイメージセンサ612として、各実施の形態において上述した本技術を適用する。すなわち、CMOSイメージセンサ612として、上述したイメージセンサ100が用いられる。これにより、CMOSイメージセンサ612は、撮像画像の画質の低減を抑制することができる。したがって撮像装置600は、被写体を撮像することにより、より高画質な撮像画像を得ることができる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図27に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されているリムーバブルメディア624により構成される。このリムーバブルメディア624には、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)や光ディスク(CD-ROMやDVDを含む)が含まれる。さらに、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)や半導体メモリ等も含まれる。
その場合、プログラムは、そのリムーバブルメディア624をドライブ623に装着することにより、記憶部616にインストールすることができる。
また、このプログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することもできる。その場合、プログラムは、通信部618で受信し、記憶部616にインストールすることができる。
その他、このプログラムは、記憶部616や制御部621内のROM(Read Only Memory)等に、あらかじめインストールしておくこともできる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、上述した各ステップの処理は、上述した各装置、若しくは、上述した各装置以外の任意の装置において、実行することができる。その場合、その処理を実行する装置が、上述した、その処理を実行するのに必要な機能(機能ブロック等)を有するようにすればよい。また、処理に必要な情報を、適宜、その装置に伝送するようにすればよい。
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
また、以上において、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
また、本技術は、これに限らず、このような装置またはシステムを構成する装置に搭載するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを入力信号の電位に応じて選択し、選択された前記参照信号を用いて前記入力信号のA/D変換を行うA/D変換部と、
前記参照信号を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測する補正部と、
前記補正部により計測された前記補正値を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う演算部と
を備える信号処理装置。
(2) 前記補正部は、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果に含まれる、前記参照信号間の電圧差のばらつきと、前記参照信号の遅延量のばらつきを補正する補正値を計測する
(1)に記載の信号処理装置。
(3) 前記補正部は、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換に並行して、前記補正値を計測する
(2)に記載の信号処理装置。
(4) 前記A/D変換部は、相関二重サンプリングで前記入力信号のA/D変換を行い、
前記補正部は、前記相関二重サンプリングのP相とD相のそれぞれにおいて、前記補正値を計測し、
前記演算部は、前記補正部において計測された前記P相の補正値と、前記D相の補正値とを用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う
(3)に記載の信号処理装置。
(5) 前記補正部は、
所定の電圧を前記P相および前記D相のそれぞれにおいて互いに同一の参照電圧を用いてA/D変換する前記補正値の計測を、全ての参照電圧について行い、
さらに、所定の電圧を前記P相および前記D相のそれぞれにおいて互いに異なる参照電圧を用いてA/D変換する前記補正値の計測を、互いに隣接する参照電圧組の全てについて行う
(4)に記載の信号処理装置。
(6) 前記演算部は、前記補正部の数に応じた次数の近似値を用いて前記A/D変換結果を補正する
(5)に記載の信号処理装置。
(7) 前記A/D変換部は、前記参照信号を用いて、画素から読み出された信号のA/D変換を行う
(6)に記載の信号処理装置。
(8) 前記A/D変換部は、画素アレイのカラム毎に設けられ、それぞれが、自身に対応するカラムの画素から読み出された信号のA/D変換を行う
(7)に記載の信号処理装置。
(9) 電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを入力信号の電位に応じて選択し、選択された前記参照信号を用いて前記入力信号のA/D変換を行い、
前記参照信号を用いて、前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測し、
計測された前記補正値を用いて、前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う
信号処理方法。
(10) 複数の単位画素が行列状に配置される画素アレイと、
電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを、前記画素アレイの前記単位画素から読み出される信号の電位に応じて選択し、選択された前記参照信号を用いて前記入力信号のA/D変換を行うA/D変換部と、
前記参照信号を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測する補正部と、
前記補正部により計測された前記補正値を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う演算部と
を備える撮像素子。
(11) 複数の半導体基板を有し、
前記演算部は、前記画素アレイが形成される半導体基板と異なる半導体基板に形成される
(10)に記載の撮像素子。
(12) 被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部による撮像により得られた画像データを画像処理する画像処理部と
を備え、
前記撮像部は、
複数の単位画素が行列状に配置される画素アレイと、
電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを、前記画素アレイの前記単位画素から読み出される信号の電位に応じて選択し、選択された前記参照信号を用いて前記入力信号のA/D変換を行うA/D変換部と、
前記参照信号を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測する補正部と、
前記補正部により計測された前記補正値を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う演算部と
を備える電子機器。
100 イメージセンサ, 101 画素アレイ, 102 参照電圧発生部, 103 A/D変換部, 104 水平転送部, 105 演算部, 111 制御部, 112 垂直走査部, 121 垂直信号線, 141 単位画素, 161 カラムA/D変換部, 162 補正部, 181乃至183 補正部, 191 比較部、 192 カウンタ, 193および194 キャパシタ, 195 スイッチトランジスタ, 198 キャパシタ, 201 比較部, 202 カウンタ, 203および204 キャパシタ, 205 スイッチトランジスタ, 206 キャパシタ, 211 比較部, 212 カウンタ, 213および214 キャパシタ, 215 スイッチトランジスタ, 216 キャパシタ, 217および218 スイッチトランジスタ, 600 撮像装置, 612 CMOSイメージセンサ

Claims (12)

  1. 電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを入力信号の電位に応じて選択し、選択された前記参照信号を用いて前記入力信号のA/D変換を行うA/D変換部と、
    前記参照信号を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測する補正部と、
    前記補正部により計測された前記補正値を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う演算部と
    を備える信号処理装置。
  2. 前記補正部は、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果に含まれる、前記参照信号間の電圧差のばらつきと、前記参照信号の遅延量のばらつきを補正する補正値を計測する
    請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記補正部は、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換に並行して、前記補正値を計測する
    請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記A/D変換部は、相関二重サンプリングで前記入力信号のA/D変換を行い、
    前記補正部は、前記相関二重サンプリングのP相とD相のそれぞれにおいて、前記補正値を計測し、
    前記演算部は、前記補正部において計測された前記P相の補正値と、前記D相の補正値とを用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う
    請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 前記補正部は、
    所定の電圧を前記P相および前記D相のそれぞれにおいて互いに同一の参照電圧を用いてA/D変換する前記補正値の計測を、全ての参照電圧について行い、
    さらに、所定の電圧を前記P相および前記D相のそれぞれにおいて互いに異なる参照電圧を用いてA/D変換する前記補正値の計測を、互いに隣接する参照電圧組の全てについて行う
    請求項4に記載の信号処理装置。
  6. 前記演算部は、前記補正部の数に応じた次数の近似値を用いて前記A/D変換結果を補正する
    請求項5に記載の信号処理装置。
  7. 前記A/D変換部は、前記参照信号を用いて、画素から読み出された信号のA/D変換を行う
    請求項6に記載の信号処理装置。
  8. 前記A/D変換部は、画素アレイのカラム毎に設けられ、それぞれが、自身に対応するカラムの画素から読み出された信号のA/D変換を行う
    請求項7に記載の信号処理装置。
  9. 電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを入力信号の電位に応じて選択し、選択された前記参照信号を用いて前記入力信号のA/D変換を行い、
    前記参照信号を用いて、前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測し、
    計測された前記補正値を用いて、前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う
    信号処理方法。
  10. 複数の単位画素が行列状に配置される画素アレイと、
    電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを、前記画素アレイの前記単位画素から読み出される信号の電位に応じて選択し、選択された前記参照信号を用いて前記入力信号のA/D変換を行うA/D変換部と、
    前記参照信号を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測する補正部と、
    前記補正部により計測された前記補正値を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う演算部と
    を備える撮像素子。
  11. 複数の半導体基板を有し、
    前記演算部は、前記画素アレイが形成される半導体基板と異なる半導体基板に形成される
    請求項10に記載の撮像素子。
  12. 被写体を撮像する撮像部と、
    前記撮像部による撮像により得られた画像データを画像処理する画像処理部と
    を備え、
    前記撮像部は、
    複数の単位画素が行列状に配置される画素アレイと、
    電位が互いに異なる複数の参照信号の中から1つを、前記画素アレイの前記単位画素から読み出される信号の電位に応じて選択し、選択された前記参照信号を用いて前記入力信号のA/D変換を行うA/D変換部と、
    前記参照信号を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正する補正値を計測する補正部と、
    前記補正部により計測された前記補正値を用いて、前記A/D変換部による前記入力信号のA/D変換結果を補正するための演算を行う演算部と
    を備える電子機器。
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