[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による固体撮像装置及びその駆動方法について、図1乃至図6を用いて説明する。図1は、本実施形態による固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。図2は、本実施形態による固体撮像装置の画素の回路構成を示す回路図である。図3は、本実施形態による固体撮像装置の列読み出し回路の構成例を示す回路図である。図4は、本実施形態による固体撮像装置の駆動方法を示す回路図である。図5及び図6は、本実施形態による固体撮像装置の駆動方法を示すタイミング図である。
はじめに、本実施形態による固体撮像装置の構造について、図1乃至図3を用いて説明する。
本実施形態による固体撮像装置100は、図1に示すように、画素アレイ10と、垂直走査回路20と、列読み出し回路30A,30Bと、水平走査回路50A,50Bと、制御回路60と、出力回路70A,70Bとを有している。
画素アレイ10には、複数の行及び複数の列に渡ってマトリクス状に配された複数の画素12が設けられている。画素アレイ10の各行には、行方向(図面において横方向)に延在して、駆動信号線14が配されている。各駆動信号線14は、行方向に並ぶ画素12に共通の信号線をなしている。駆動信号線14は、垂直走査回路20に接続されている。垂直走査回路20は、画素12から信号を読み出す際に画素12内の読み出し回路(図示せず)に制御信号を供給するものである。
画素アレイ10の各列には、列方向(図面において縦方向)に延在して、垂直信号線16A又は垂直信号線16Bが配されている。図示する例では、垂直信号線16Aと垂直信号線16Bとを、列毎に交互に配置している。各垂直信号線16A,16Bは、列方向に並ぶ画素12に共通の信号線をなしている。画素アレイ10内の複数の画素12は、列毎に、垂直信号線16Aに接続された画素12と、垂直信号線16Bに接続された画素12とに分けられている。
垂直信号線16Aの一端部は、列読み出し回路30Aに接続されている。列読み出し回路30Aには、水平走査回路50Aが接続されている。垂直信号線16Bの一端部は、列読み出し回路30Bに接続されている。列読み出し回路30Bには、水平走査回路50Bが接続されている。列読み出し回路30A,30Bは、画素12から読み出された信号に対して、増幅処理や必要に応じてAD変換処理等の所定の信号処理を実施する回路部である。水平走査回路50A,50Bは、列読み出し回路30A,30Bにおいて処理された信号を列毎に順次、出力回路70A,70Bに転送するためのものである。列読み出し回路30A及び水平走査回路50Aと、列読み出し回路30B及び水平走査回路50Bとは、画素アレイ10を挟んで列方向の対向する位置に配置されている。
制御回路60は、垂直走査回路20、列読み出し回路30A,30B及び水平走査回路50A,50Bに、それらの動作やタイミングを制御する信号を供給するためのものである。なお、制御回路60の機能は、固体撮像装置100の外部の信号処理部(例えば、後述する第6実施形態による撮像システムの全体制御・演算部218及びタイミング発生部220)が備えていてもよい。出力回路70A,70Bは、列読み出し回路30A,30Bから出力された信号を外部に出力するための回路である。
なお、図1の例では、列読み出し回路30と水平走査回路50とを2つのグループに分け、画素アレイ10を挟んで対向する位置にそれぞれ配置しているが、必ずしも2つのグループに分ける必要はない。列読み出し回路30と水平走査回路50とは、画素アレイ10の一辺側にのみ配置するようにしてもよい。
それぞれの画素12は、図2に示すように、フォトダイオードPD、転送トランジスタM1、リセットトランジスタM2、増幅トランジスタM3、選択トランジスタM4を有する。フォトダイオードPDのアノードは、基準電圧線に接続されている。フォトダイオードPDのカソードは、転送トランジスタM1のソースに接続されている。転送トランジスタM1のドレインは、リセットトランジスタM2のソース及び増幅トランジスタM3のゲートに接続されている。転送トランジスタM1のドレイン、リセットトランジスタM2のソース及び増幅トランジスタM3のゲートの接続ノードは、フローティングディフュージョン部(以下、「FD部」と表記する)を構成する。リセットトランジスタM2のドレイン及び増幅トランジスタM3のドレインは、電源電圧線(Vdd)に接続されている。増幅トランジスタM3のソースは、選択トランジスタM4のドレインに接続されている。選択トランジスタM4のソースは、垂直信号線16A又は垂直信号線16Bに接続されている。垂直信号線16A,16Bには、電流源18が接続されている。
フォトダイオードPDは、光電変換により入射光に基づく電荷を生成し蓄積する光電変換部である。転送トランジスタM1は、フォトダイオードPDからFD部への電荷の転送を制御するためのスイッチである。転送トランジスタM1は、ゲートに入力される制御信号PTXにより駆動され、制御信号PTXがHighレベル(Hレベル)のときにオン状態となる。FD部は、フォトダイオードPDから転送される電荷を保持可能である。リセットトランジスタM2は、FD部の電位を電源電圧Vddに応じたリセット電圧にリセットするリセット動作を制御するためのスイッチである。リセットトランジスタM2は、ゲートに入力される制御信号PRESにより駆動され、制御信号PRESがHレベルのときにオン状態となる。増幅トランジスタM3は、FD部に保持された信号電荷に基づく信号を増幅して出力するためのものである。増幅トランジスタM3は、ドレインに電源電圧Vddが供給され、ソースに選択トランジスタM4及び垂直信号線16A,16Bを介して電流源18からバイアス電流が供給されることで、ソースフォロワ回路を構成する。選択トランジスタM4は、増幅トランジスタM3から垂直信号線16A,16Bへの信号の出力を制御するためのスイッチである。選択トランジスタM4は、ゲートに入力される制御信号PSELにより駆動され、制御信号PSELがHレベルのときにオン状態となる。
なお、画素アレイ10の各行に配された駆動信号線14は、制御信号PTXを供給する駆動信号線と、制御信号PRESを供給する信号線と、制御信号PSELを供給する信号線とを含む。制御信号PTX,PRES,PSELは、駆動信号線14を介して、垂直走査回路20から画素12へと出力される。
列読み出し回路30A,30Bは、それぞれ複数の列信号処理回路32を備えている。この複数の列信号処理回路32の各々は、画素アレイ10の各列に対応して設けられている。なお、画素アレイ10の各列に対応して設けられる列信号処理回路32の数は、必ずしも1つである必要はなく、画素アレイ10の各列に対応して設けられる垂直信号線16の本数等に応じて適宜選択することができる。
図3に、隣接する2つの列信号処理回路32の回路構成の一例を示す。なお、以下では列読み出し回路30Aの列信号処理回路32を例に挙げて説明するが、列読み出し回路30Bの列信号処理回路32についても同様である。
列読み出し回路30Aは、2種類の列信号処理回路32A,32Bを含む。図3には、隣接して配置された列信号処理回路32Aと列信号処理回路32Bとを示している。
列信号処理回路32Aは、増幅回路34Aと、クリップ回路36Aとを含む。列信号処理回路32Aは、AD変換回路やサンプルホールド回路等のその他の回路を更に含んでもよい。増幅回路34Aは、差動増幅回路を構成するP型MOSトランジスタM11A,M12A及びN型MOSトランジスタM13A,M14A,M15A,M16Aを含む。N型MOSトランジスタM15A,M16Aは電流源回路であり、N型MOSトランジスタM15Aは、電流のオン/オフを制御するスイッチである。すなわち、N型MOSトランジスタM15Aは、増幅回路34Aの駆動状態とパワーセーブ状態とを切り替えるスイッチである。
P型MOSトランジスタM11A,M12Aのドレインは、電源電圧線に接続されている。P型MOSトランジスタM11Aのソースは、N型MOSトランジスタM13Aのドレインに接続されている。P型MOSトランジスタM12Aのソースは、N型MOSトランジスタM14Aのドレインに接続されている。P型MOSトランジスタM11A,M12Aのゲートは、P型MOSトランジスタM12AのソースとN型MOSトランジスタM14Aのドレインとの接続ノードに接続されている。N型MOSトランジスタM13A,M14Aのソースは、N型MOSトランジスタM15Aのドレインに接続されている。N型MOSトランジスタM15Aのソースは、N型MOSトランジスタM16Aのドレインに接続されている。N型MOSトランジスタM16Aのソースは、基準電圧線に接続されている。N型MOSトランジスタM13Aのゲートは、差動増幅回路の反転入力ノードを構成し、N型MOSトランジスタM14Aのゲートは、差動増幅回路の非反転入力ノードを構成する。また、P型MOSトランジスタM11AのソースとN型MOSトランジスタM13Aのドレインとの接続ノードは、差動増幅回路の出力ノードを構成する。
列信号処理回路32Aの差動増幅回路の反転入力ノードは、容量C0A及びスイッチS1Aを介して、垂直信号線16Aに接続されている。列信号処理回路32Aの差動増幅回路の反転入力ノードと出力ノードとの間には、容量CfAとスイッチS2Aとが並列に接続されている。
クリップ回路36Aは、P型MOSトランジスタM17Aを含む。P型MOSトランジスタM17Aのソースは、差動増幅回路の出力ノードに接続されている。P型MOSトランジスタM17Aのドレインは、N型MOSトランジスタM15AのソースとN型MOSトランジスタM16Aのドレインとの接続ノードに接続されている。なお、P型MOSトランジスタM17Aのドレインは、クリップ回路36Aが所定のクリップ動作する限りにおいては、他の電圧端子、例えば接地電圧線等に接続してもよい。
同様に、列信号処理回路32Bは、増幅回路34Bと、クリップ回路36Bとを含む。列信号処理回路32Bは、AD変換回路やサンプルホールド回路を更に含んでもよい。増幅回路34Bは、差動増幅回路を構成するP型MOSトランジスタM11B,M12B及びN型MOSトランジスタM13B,M14B,M15B,M16Bを含む。N型MOSトランジスタM15B,M16Bは電流源回路であり、N型MOSトランジスタM15Bは、電流のオン/オフを制御するスイッチである。すなわち、N型MOSトランジスタM15Bは、増幅回路34Bの駆動状態とパワーセーブ状態とを切り替えるスイッチである。
P型MOSトランジスタM11B,M12Bのドレインは、電源電圧線に接続されている。P型MOSトランジスタM11Bのソースは、N型MOSトランジスタM13Bのドレインに接続されている。P型MOSトランジスタM12Bのソースは、N型MOSトランジスタM14Bのドレインに接続されている。P型MOSトランジスタM11B,M12Bのゲートは、P型MOSトランジスタM12BのソースとN型MOSトランジスタM14Bのドレインとの接続ノードに接続されている。N型MOSトランジスタM13B,M14Bのソースは、N型MOSトランジスタM15Bのドレインに接続されている。N型MOSトランジスタM15Bのソースは、N型MOSトランジスタM16Bのドレインに接続されている。N型MOSトランジスタM16Bのソースは、基準電圧線に接続されている。N型MOSトランジスタM13Bのゲートは、差動増幅回路の反転入力ノードを構成し、N型MOSトランジスタM14Bのゲートは、差動増幅回路の非反転入力ノードを構成する。また、P型MOSトランジスタM11BのソースとN型MOSトランジスタM13Bのドレインとの接続ノードは、差動増幅回路の出力ノードを構成する。
列信号処理回路32Bの差動増幅回路の反転入力ノードは、容量C0B及びスイッチS1Bを介して、垂直信号線16Aに接続されている。列信号処理回路32Bの差動増幅回路の反転入力ノードと出力ノードとの間には、容量CfBとスイッチS2Bとが並列に接続されている。
クリップ回路36Bは、P型MOSトランジスタM17Bを含む。P型MOSトランジスタM17Bのソースは、差動増幅回路の出力ノードに接続されている。P型MOSトランジスタM17Bのドレインは、N型MOSトランジスタM15BのソースとN型MOSトランジスタM16Bのドレインとの接続ノードに接続されている。なお、P型MOSトランジスタM17Bのドレインは、クリップ回路36Bが所定のクリップ動作する限りにおいては、他の電圧端子、例えば接地電圧線等に接続してもよい。
列読み出し回路30Aには、行方向に延在して、パワーセーブ制御信号線105,106、クリップ電圧信号線107,108、バイアス電圧信号線112、基準電圧信号線113、クランプ制御信号線114が配されている。パワーセーブ制御信号線105は、列信号処理回路32AのN型MOSトランジスタM15Aのゲートに接続されている。パワーセーブ制御信号線106は、列信号処理回路32BのN型MOSトランジスタM15Bのゲートに接続されている。クリップ電圧信号線107は、列信号処理回路32AのP型MOSトランジスタM17Aのゲートに接続されている。クリップ電圧信号線108は、列信号処理回路32BのP型MOSトランジスタM17Bのゲートに接続されている。バイアス電圧信号線112は、列信号処理回路32AのN型MOSトランジスタM16Aのゲート及び列信号処理回路32BのN型MOSトランジスタM16Bのゲートに接続されている。基準電圧信号線113は、列信号処理回路32Aの差動増幅回路の非反転入力ノード及び列信号処理回路32Bの差動増幅回路の非反転入力ノードに接続されている。クランプ制御信号線114は、列信号処理回路32AのスイッチS2Aの制御ノード及び列信号処理回路32BのスイッチS2Bの制御ノードに接続されている。隣接する垂直信号線16Aの間には、これらの接続状態を切り替えるスイッチS3が設けられている。
パワーセーブ制御信号線105,106、クリップ電圧信号線107,108、バイアス電圧信号線112、基準電圧信号線113、クランプ制御信号線114には、制御回路60からそれぞれ所定の電圧や制御信号が供給される。また、スイッチS1A,S1B,S2A,S2B,S3の制御ノードには、制御回路60からそれぞれ所定の制御信号が供給される。
このように、本実施形態による固体撮像装置100では、列信号処理回路32Aに接続されているパワーセーブ制御信号線105と、列信号処理回路32Bに接続されているパワーセーブ制御信号線106とが、別の信号線により構成されている。また、列信号処理回路32Aに接続されているクリップ電圧信号線107と、列信号処理回路32Bに接続されているクリップ電圧信号線108とが、別の信号線により構成されている。
このように構成することで、パワーセーブ制御信号線105,106に供給する制御信号に応じて、列信号処理回路32A,32Bを互いに独立して駆動することができる。すなわち、パワーセーブ制御信号線105,106に供給する制御信号を共にHレベルとした場合、列信号処理回路32A,32Bの双方を駆動状態とすることができる。また、パワーセーブ制御信号線105に供給する制御信号をHレベル、パワーセーブ制御信号線106に供給する制御信号をLowレベル(Lレベル)とした場合、列信号処理回路32Aを駆動状態、列信号処理回路32Bをパワーセーブ状態とすることができる。また、パワーセーブ制御信号線105に供給する制御信号をLレベル、パワーセーブ制御信号線105に供給する制御信号をHレベルとした場合、列信号処理回路32Aをパワーセーブ状態、列信号処理回路32Bを駆動状態とすることができる。なお、本明細書において、駆動状態とは、N型MOSトランジスタM15A,M15Bがオン状態であり、差動増幅回路が動作している状態を示すものとする。また、パワーセーブ状態とは、N型MOSトランジスタM15A,M15Bがオフ状態であり、差動増幅回路が動作していない低消費電力の状態を示すものとする。もしくは、動作はするが消費電力が通常動作よりも小さいような動作でもよい。なお、駆動状態は、パワーセーブ状態のときの消費電力が第1の消費電力であるときに、消費電力が第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力である状態ともいえる。
また、列信号処理回路32A,32Bのうちの一方を駆動状態、他方をパワーセーブ状態としたときに、クリップ電圧信号線を介したクロストークを防止することができる。ここで、列信号処理回路32A,32Bが共通のクリップ電圧信号線で動作し、列信号処理回路32Aが駆動状態、列信号処理回路32Bがパワーセーブ状態である場合を例に挙げ、クリップ電圧信号線を介したクロストークについて説明する。
列信号処理回路32Aの出力信号線116Aからの出力信号と、列信号処理回路32Bの出力信号線116Bからの出力信号とは、それぞれに接続される画素12からの光信号に応じて変化する。しかしながら、列信号処理回路32Bがパワーセーブ状態となっている場合、列信号処理回路32Bは画素12から切り離されており、列信号処理回路32Bからの出力信号の変化は、列信号処理回路32Aからの出力信号の変化とは大きく異なることになる。列信号処理回路32A,32Bが共通のクリップ電圧信号線で動作する場合、P型MOSトランジスタM17AのゲートとP型MOSトランジスタM17Bのゲートとは、クリップ電圧信号線を介して接続されることになる。このため、列信号処理回路32Bの出力信号の信号レベルの変化がP型MOSトランジスタM17Bを介して列信号処理回路32Aの信号出力端子の信号レベルに影響し、ひいては画質に影響を与えることがある。
この点、本実施形態による固体撮像装置100では、列信号処理回路32Aに接続されるクリップ電圧信号線107と、列信号処理回路32Bに接続されるクリップ電圧信号線108とを、別の信号線により構成している。したがって、列信号処理回路32Bをパワーセーブ状態とした場合にも、列信号処理回路32Aの出力信号に対する列信号処理回路32Bの影響を低減し、画質の低下を抑制することができる。
次に、本実施形態による固体撮像装置の駆動方法について、図4乃至図6を用いて説明する。ここでは、列信号処理回路32Aが駆動状態であり、列信号処理回路32Bがパワーセーブ状態であるときの動作モードの一例として、図4に示す接続状態で読み出しを行う場合を説明する。図4に示す動作モードは、異なる列の異なる垂直信号線16Aに接続された2つの画素12から出力される画素信号を重畳し、一の列信号処理回路32Aを介して読み出すモードである。画素12から出力される画素信号が電圧信号の場合、列信号処理回路32Aから出力される信号は、2つの画素12から出力される画素信号を加算平均化した信号となる。この動作モードでは、図4に示すように、スイッチS1A及びスイッチS3はオン、スイッチS1Bはオフにする。なお、各列の画素12の画素信号を対応する列の列信号処理回路32でそれぞれ読み出す通常の動作モードの場合には、スイッチS1A,S1Bはオン、スイッチS3はオフにする。
図5は、本実施形態による固体撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。図5において、制御信号PC0Rは、制御回路60からクランプ制御信号線114に供給される制御信号である。電圧VclAは、制御回路60からクリップ電圧信号線107に供給されるクリップ電圧である。電圧VclBは、制御回路60からクリップ電圧信号線108に供給されるクリップ電圧である。電圧Voは、列信号処理回路32Aの出力信号線Aからの出力電圧である。パワーセーブ制御信号PSAVEAは、制御回路60からパワーセーブ制御信号線105に供給される制御信号である。パワーセーブ制御信号PSAVEBは、制御回路60からパワーセーブ制御信号線106に供給される制御信号である。各制御信号がLレベルのときに対応するMOSトランジスタがオフ状態となり、各制御信号がHレベルのときに対応するMOSトランジスタがオン状態となるものとする。なお、バイアス電圧信号線112に供給されるバイアス電圧Vb及び基準電圧信号線113に供給される基準電圧Vrefは、図5に示す動作の間、一定の電圧であるため、図5には示していない。また、列信号処理回路32A及び列信号処理回路32Bへのバイアス電圧信号線112、基準電圧信号線113及びクランプ制御信号線114の接続は同じであるため、図4においてこれら信号線は1本の信号線として表している。
図5に示す期間において、パワーセーブ制御信号PSAVEAはHレベルであり、N型MOSトランジスタM15Aはオン状態である。また、パワーセーブ制御信号PSAVEBはLレベルであり、N型MOSトランジスタM15Bはオフ状態である。したがって、列信号処理回路32Aは駆動状態であり、列信号処理回路32Bはパワーセーブ状態である。
時刻t0において、垂直走査回路20から読み出し対象の行の駆動信号線14に供給されている制御信号PRESはHレベルであり、図4に示す2つの画素12のリセットトランジスタM2はオン状態である。増幅トランジスタM3の入力ノードでもあるFD部は、リセットトランジスタM2を介して電源電圧線に接続されており、電源電圧に応じたリセット電圧にリセットされている。
時刻t0において、制御回路60は、列読み出し回路30Aに、Hレベルの制御信号PC0Rを供給する。これにより、スイッチS2Aがオン状態となり、列信号処理回路32Aの差動増幅回路の出力端子と反転入力端子とが短絡され、差動増幅回路がバッファ状態となる。
同じく時刻t0において、垂直走査回路20は、読み出し対象の行の駆動信号線14に、Hレベルの制御信号PSELを供給する。これにより、選択トランジスタM4がオン状態となり、増幅トランジスタM3は、選択トランジスタM4及び垂直信号線16Aを介して電流源18からバイアス電流が供給された状態となり、ソースフォロワを構成する。そしてこれによって、列信号処理回路32Aには、増幅トランジスタM3の入力ノードの電圧(リセット電圧)に応じた信号(リセット信号)が、選択トランジスタM4及び垂直信号線16Aを介して出力される。図4に示す2つの画素12に接続された垂直信号線16AはスイッチS3を介して接続されているため、列信号処理回路32Aに入力される信号は、2つの画素12からそれぞれ出力されるリセット信号の平均値となる。列信号処理回路32Aに入力されたリセット信号は、容量C0Aを介して、基準電圧Vrefの出力をバッファする状態となっている差動増幅回路の反転入力端子に入力される。
次いで、時刻t1において、垂直走査回路20は、制御信号PRESをHレベルからLレベルへと遷移し、リセットトランジスタM2をオフ状態にする。これにより、増幅トランジスタM3の入力ノードのリセット動作を解除する。
次いで、時刻t2において、制御回路60は、制御信号PC0RをHレベルからLレベルへと遷移し、スイッチS2Aをオフ状態とする。これにより、容量C0Aによってリセット信号レベルを基準電圧Vrefでクランプする。時刻t2以降、列信号処理回路32Aの出力端子には、基準電圧Vrefにクランプオフセットレベルが加算された電圧(出力電圧Vo)が出力される。
列信号処理回路32Aから出力されるこのリセット信号に対しては、時刻t2から時刻t4の間の期間においてAD変換処理を実施する。ここでは、時刻t3のタイミングでリセット信号レベルに対するAD変換値が確定しているものとする。
次いで、時刻t5において、垂直走査回路20は、制御信号PTXをLレベルからHレベルへと遷移し、転送トランジスタM1をオン状態にする。これにより、フォトダイオードPDで生じた電荷がFD部へと転送される。垂直信号線16Aには、FD部に転送された電荷の量に応じた増幅トランジスタM3の入力ノードの電圧に基づく信号(画素信号)が、選択トランジスタM4を介して出力される。列信号処理回路32Aに入力される画素信号は、図4に示す2つの画素12からそれぞれ出力される画素信号の平均値となる。列信号処理回路32Aからの出力電圧Voは、垂直信号線16Aの電圧変動分に応じて変化する。
次いで、時刻t6において、垂直走査回路20は、制御信号PTXをHレベルからLレベルへと遷移し、転送トランジスタM1をオフ状態にする。
列信号処理回路32Aから出力されるこの画素信号に対しては、時刻t6から時刻t7の間の期間にAD変換処理を実施する。ここでは、時刻t6のタイミングで画素信号レベルに対するAD変換値が確定しているものとする。
上述の時刻t2から時刻t4までの期間において、FD部への光の漏れ込みが生じるなどの原因によって時刻t2でクランプしたリセットレベルが変動し、例えば図5のタイミングチャートに点線で示したように出力電圧Voが変化することがある。このような場合、リセット信号(N信号)のAD変換レベルが確定するタイミングを時刻t3、画素信号(S信号)のAD変換レベルが確定するタイミングを時刻t6とすると、S−Nレベルは図5中のAとなり、ダイナミックレンジを圧迫してしまう。すなわち、出力信号は本来の出力レベルよりも小さい値となり、黒つぶれの画像となる。
そこで、本実施形態では、列信号処理回路32にクリップ回路36を設け、リセット信号及び画素信号の最大値を制限している。列信号処理回路32Aの出力電圧Voがクリップ電圧VclAよりもP型MOSトランジスタM17Aの閾値電圧以上高くなった場合、P型MOSトランジスタM17Aがオン状態となり、電流源(N型MOSトランジスタM16A)へと電流が流れる。したがって、クリップ電圧VclAを適切に設定することにより、リセット信号及び画素信号の最大値を所定値に制限することができる。
上記一連の読み出し動作においては、クリップ電圧信号線107に供給するクリップ電圧VclAを、時刻t0から時刻t4の期間に電圧NCLIP_LEVELとし、時刻t4から時刻t7の期間に電圧SCLIP_LEVELとしている。こうすることで、リセット信号の最大値を電圧NCLIP_LEVELに応じた電圧値にクリップし、画素信号の最大値を電圧SCLIP_LEVELに応じた電圧値にクリップすることができる。これにより、S−Nレベルは図5中のBとなり、十分なダイナミックレンジを確保することができる。
列信号処理回路32Aの出力電圧Voは、光信号に応じて変化する。しかしながら、列信号処理回路32Bはパワーセーブ信号PSAVEBがLレベルとなっておりパワーセーブ状態であるため、列信号処理回路32Bの出力電圧Voの変化は列信号処理回路32Aの出力電圧Voの変化とは異なる。このため、列信号処理回路32Aと列信号処理回路32Bとでクリップ電圧信号線を共用すると、両者の間にクリップ電圧信号線を介してクロストークが発生し、列信号処理回路32Aの出力電圧Voに影響を与える虞がある。
しかしながら、本実施形態による固体撮像装置100では、列信号処理回路32Aにクリップ電圧VclAを供給するクリップ電圧信号線107と、列信号処理回路32Bにクリップ電圧VclBを供給するクリップ電圧信号線108とを、別々にしている。これにより、クリップ電圧信号線を介した列信号処理回路32Aと列信号処理回路32Bとの間のクロストークの影響を抑制することができる。なお、本明細書において別々の信号線とは、少なくとも列読み出し回路30が配置された領域の中において互いに分離された導電パターンにより構成された信号線を意味する。
パワーセーブ状態の列信号処理回路32Bのクリップ電圧信号線108に供給するクリップ電圧VclBは、図5に示すように、電圧NCLIP_LEVELで一定とすることができる。或いは、図6に示すように、列信号処理回路32Aのクリップ電圧信号線107に供給するクリップ電圧VclAと同じ波形としてもよい。何れの場合にも、同様のクロストーク抑制効果を得ることができる。
なお、隣接する列信号処理回路32からのクロストークは、これら列信号処理回路32に共通の配線を介して生じうる。このため、クリップ電圧信号線107,108のほか、バイアス電圧信号線112、基準電圧信号線113、クランプ制御信号線114において同様のクロストークが生じることも考えられる。したがって、バイアス電圧信号線112、基準電圧信号線113、クランプ制御信号線114についても、駆動状態で使用する列信号処理回路32Aとパワーセーブ状態で使用する列信号処理回路32Bとにおいて異なる信号線を用いてもよい。これら信号線をも分割することで、より高感度、高ゲイン、高S/Nの要求に対応しうる固体撮像装置の実現が可能となる。
ただし、一般的には、パルス駆動している信号線(例えば、クランプ制御信号線114)や、一定のアナログ信号が入力される信号線(例えば、バイアス電圧信号線112、基準電圧信号線113)を介したクロストークの影響は小さい。したがって、回路構成を大幅に変更或いは複雑化することなく効果的にクロストークの影響を抑制する観点からは、時間に応じて変化するアナログ信号が入力される信号線、例えばクリップ電圧信号線のみを分割することが望ましい。
上記実施形態では、AD変換処理を含めた駆動方法を示したが、AD変換処理を行わずにN信号及びS信号をそれぞれアナログメモリに保存した後に出力し、その後にAD変換を行うようにしてもよい。
このように、本実施形態によれば、パワーセーブしない列信号処理回路とパワーセーブする列信号処理回路との間のクロストークを効果的に抑制することができる。これにより、高精細な画像を取得しうる固体撮像装置を実現することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による固体撮像装置及びその駆動方法について、図7を用いて説明する。図1乃至図6に示す第1実施形態による固体撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図7は、本実施形態による固体撮像装置の列読み出し回路の構成例を示す回路図である。
本実施形態による固体撮像装置は、クリップ回路36A,36Bの構成が異なるほかは、第1実施形態による固体撮像装置と同様である。
すなわち、本実施形態によるクリップ回路36Aは、図7に示すように、P型MOSトランジスタM17Aと、N型MOSトランジスタM18Aとを有している。P型MOSトランジスタM17Aのソースは、N型MOSトランジスタM15AのソースとN型MOSトランジスタM16Aのドレインとの接続ノードに接続されている。P型MOSトランジスタM17Aのドレインは、N型MOSトランジスタM18Aのソースに接続されている。N型MOSトランジスタM18Aのドレインは、差動増幅回路の出力ノードに接続されている。
同様に、クリップ回路36Bは、P型MOSトランジスタM17Bと、N型MOSトランジスタM18Bとを有している。P型MOSトランジスタM17Bのソースは、N型MOSトランジスタM15BのソースとN型MOSトランジスタM16Bのドレインとの接続ノードに接続されている。P型MOSトランジスタM17Bのドレインは、N型MOSトランジスタM18Bのソースに接続されている。N型MOSトランジスタM18Bのドレインは、差動増幅回路の出力ノードに接続されている。
クリップ回路36AのP型MOSトランジスタM17Aのゲート及びクリップ回路36BのP型MOSトランジスタM17Bのゲートは、クリップ電圧Vclを供給する共通のクリップ電圧信号線107に接続されている。クリップ回路36AのN型MOSトランジスタM18Aのゲートは、パワーセーブ制御信号線105に接続されている。クリップ回路36BのN型MOSトランジスタM18Bのゲートは、パワーセーブ制御信号線106に接続されている。
このように、本実施形態の固体撮像装置において、列信号処理回路32Aのクリップ回路36Aにクリップ電圧を供給するクリップ電圧信号線と、列信号処理回路32Bのクリップ回路36Bにクリップ電圧を供給するクリップ電圧信号線とは共通である。しかしながら、本実施形態の固体撮像装置では、パワーセーブ制御信号線105に供給される制御信号PSAVEAによってクリップ回路36AのN型MOSトランジスタM18Aを制御している。また、パワーセーブ制御信号線106に供給される制御信号PSAVEBによってクリップ回路36BのN型MOSトランジスタM18Bを制御している。すなわち、クリップ回路36Aは、列信号処理回路32Aが駆動状態のときにだけ動作状態となり、出力電圧Voのクリップ動作を実施する。また、クリップ回路36Bは、列信号処理回路32Bが駆動状態のときにだけ動作状態となり、出力電圧Voのクリップ動作を実施する。列信号処理回路32A,32Bがパワーセーブ状態のとき、クリップ回路36A,36Bは出力信号線116A,116Bから切り離され、非動作状態となる。
これにより、クリップ電圧信号線107の変動の影響をN型MOSトランジスタM18A,18Bで低減することができるため、列信号処理回路32A,32Bのクリップ電圧信号線107を共通にした場合でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
このように、本実施形態によれば、パワーセーブしない列信号処理回路とパワーセーブする列信号処理回路との間のクロストークを効果的に抑制することができる。これにより、高精細な画像を取得しうる固体撮像装置を実現することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による固体撮像装置及びその駆動方法について、図8乃至図12を用いて説明する。図1乃至図7に示す第1及び第2実施形態による固体撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
図8は、本実施形態による固体撮像装置の構成例を示す回路図である。図9乃至図11は、本実施形態による固体撮像装置の駆動方法を示す回路図である。図12は、本実施形態による固体撮像装置のクリップ回路部のレイアウトの一例を示す平面図である。
はじめに、本実施形態による固体撮像装置の構造について、図8を用いて説明する。
本実施形態による固体撮像装置の概略構成は、図1に示す第1実施形態による固体撮像装置と同様である。本実施形態の固体撮像装置では、画素アレイ10の各列の複数の画素12が2つのグループに分けられており、それぞれのグループが異なる垂直信号線に接続されている。画素12と列信号処理回路32とを接続するスイッチ回路の構成が第1及び第2実施形態の固体撮像装置とは異なっているが、基本的な動作は第1及び第2実施形態による固体撮像装置と同様である。
本実施形態による固体撮像装置の細部について、第1及び第2実施形態の固体撮像装置とは異なる点を中心に、図8を用いて説明する。
図8には、画素アレイ10から、4行×8列の画素12を抜き出して示している。ここでは便宜的に、図8において左下の画素12を第1行第1列の画素12、図8において右上の画素12を第4行第8列の画素12として説明する。また、図8の各画素12には、行番号と列番号を表す符号を記載している。例えば、図8において左上の画素12に記載の「4−1」は、第4行第1列の画素12であることを示している。なお、ここで例示する行番号及び列番号は、実際の画素アレイ10の行番号及び列番号と必ずしも一致するものではない。後述する他の実施形態においても同様である。
図8では、ベイヤー配列の画素アレイ10を想定し、画素アレイ10を構成する画素12に3種類の網掛けを付している。例えば、第2行第1列及びこれと同じ網掛けを付した画素12をグリーン画素、第1行第1列及びこれと同じ網掛けを付した画素12をレッド画素、第2行第2列及びこれと同じ網掛けを付した画素12をブルー画素とすることができる。
画素アレイ10の各列には、それぞれ2本ずつの垂直信号線110,111が配されている。各列の複数の画素12は2つのグループに分けられており、一方のグループの画素12が垂直信号線110に接続され、他方のグループの画素12が垂直信号線111に接続されている。図8の例では、第1行及び第2行の画素12が垂直信号線110に接続されており、第3行及び第4行の画素12が垂直信号線111に接続されている。なお、図8には、列番号に対応した枝番を、構成部分を示す各符号に付記している。例えば、第1列の垂直信号線110,111は、「110−1」,「111−1」と表記している。
図8において、奇数列の垂直信号線110,111は、列読み出し回路30Aに接続されている。また、偶数列の垂直信号線110,111は、列読み出し回路30Bに接続されている。各列の垂直信号線110,111は、切り替えスイッチ101を介して、列信号処理回路32に接続されている。切り替えスイッチ101は、垂直信号線110,111のうちの一方を選択して列信号処理回路32に接続するためのものである。本実施形態では、第1列、第3列、第4列、第6列及び第7列の垂直信号線110,111に接続される列信号処理回路32が、図3又は図7の列信号処理回路32Aにより構成されている場合を想定する。また、第2列、第5列及び第8列の垂直信号線110,111に接続される列信号処理回路32が、図3又は図7の列信号処理回路32Bにより構成されている場合を想定する。
同じ列読み出し回路30A,30Bに接続された垂直信号線110のうち、隣接する垂直信号線110の間には、スイッチ102がそれぞれ設けられている。また、同じ列読み出し回路30A,30Bに接続された垂直信号線111のうち、隣接する垂直信号線111の間には、スイッチ103がそれぞれ設けられている。例えば、列読み出し回路30Aに接続された垂直信号線110−1と垂直信号線110−3との間には、スイッチ102−3が設けられている。また、列読み出し回路30Bに接続された垂直信号線111−2と垂直信号線111−4との間には、スイッチ103−4が設けられている。スイッチ102,103は、図3及び図7のスイッチS3に対応するスイッチである。なお、本明細書では、垂直信号線と列信号処理回路との接続を切り替えるための切り替えスイッチ101及びスイッチ102,103からなる回路を、「スイッチ回路」と表記することがある。
次に、本実施形態による固体撮像装置の駆動方法について、図9乃至図11を用いて説明する。ここでは、各列の画素信号を対応する列信号処理回路32からそれぞれ出力する駆動例と、複数の画素の画素信号を加算平均化して一部の列信号処理回路32から出力する駆動例とを説明する。
まず、各列の画素信号を対応する列信号処理回路32からそれぞれ出力する駆動例について、図9を用いて説明する。図9には、第1行目の各列の画素12から信号を読み出す場合の接続状態を示している。この場合、各列の切り替えスイッチ101は、垂直信号線110を選択する。また、本駆動モードでは、スイッチ102,103は、非接続(オフ)状態とする。このようにスイッチ回路を構成することで、各列の画素12から読み出した信号を、対応する列の列信号処理回路32から出力することができる。
本駆動モードでは、列信号処理回路32A,32Bは、何れも駆動状態とする。具体的には、列信号処理回路32Aに接続されるパワーセーブ制御信号線105にHレベルの制御信号を、クリップ電圧信号線107にクリップ電圧VclAを、それぞれ供給する。また、列信号処理回路32Bに接続されるパワーセーブ制御信号線106にはパワーセーブ制御信号線105と同じHレベルの制御信号を、クリップ電圧信号線108にはクリップ電圧信号線107と同じクリップ電圧VclAを、それぞれ供給すればよい。
次に、複数の画素の画素信号を加算平均化して一部の列信号処理回路32から出力する駆動例について、図10及び図11を用いて説明する。
図10には、3つの画素12からの信号を加算平均化した信号を読み出す場合の接続状態を示している。図示する例では、第1行目の第1列、第3列及び第5列の画素12の信号を加算平均化した信号を、列信号処理回路32A−1から出力する。また、第3行目の第1列、第3列及び第5列の画素12の信号を加算平均化した信号を、列信号処理回路32A−3から出力する。また、第1行目の第4列、第6列及び第8列の画素12の信号を加算平均化した信号を、列信号処理回路32A−4から出力する。また、第3行目の第4列、第6列及び第8列の画素12の信号を加算平均化した信号を、列信号処理回路32A−6から出力する。これらの信号は、同じタイミングで読み出される。
具体的には、図10に示すように、切り替えスイッチ101−1,101−7,101−4は垂直信号線110を選択し、切り替えスイッチ101−3,101−6は垂直信号線111を選択する。切り替えスイッチ101−2,101−5,101−8は、非接続(オフ)状態とする。スイッチ102−3,102−5,102−9,102−2,102−6,102−8,103−3,103−5,103−9,103−2,103−6,103−8は、接続(オン)状態とする。スイッチ102−1,102−7,102−4,102−10,103−1,103−7,103−4,103−10は、非接続(オフ)状態とする。
このようにスイッチ回路を構成することで、第1行第1列(1−1)の画素12は、垂直信号線110−1及び切り替えスイッチ101−1を介して、列信号処理回路32A−1に接続される。第1行第3列(1−3)の画素12は、垂直信号線110−3、スイッチ102−3及び切り替えスイッチ101−1を介して、列信号処理回路32A−1に接続される。第1行第5列(1−5)の画素12は、垂直信号線110−5、スイッチ102−5,102−3及び切り替えスイッチ101−1を介して、列信号処理回路32A−1に接続される。したがって、これら画素12からの出力信号は加算平均化されて列信号処理回路32A−1に入力される。
また、第3行第1列(3−1)の画素12は、垂直信号線111−1、スイッチ103−3及び切り替えスイッチ101−3を介して、列信号処理回路32A−3に接続される。第3行第3列(3−3)の画素12は、垂直信号線111−3及び切り替えスイッチ101−3を介して、列信号処理回路32A−3に接続される。第3行第5列(3−5)の画素12は、垂直信号線111−5、スイッチ103−5及び切り替えスイッチ101−3を介して、列信号処理回路32A−3に接続される。したがって、これら画素12からの出力信号は加算平均化されて列信号処理回路32A−3に入力される。
また、第1行第4列(1−4)の画素12は、垂直信号線110−4及び切り替えスイッチ101−4を介して、列信号処理回路32A−4に接続される。第1行第6列(1−6)の画素12は、垂直信号線110−6、スイッチ102−6及び切り替えスイッチ101−4を介して、列信号処理回路32A−4に接続される。第1行第8列(1−8)の画素12は、垂直信号線110−8、スイッチ102−8,102−6及び切り替えスイッチ101−4を介して、列信号処理回路32A−4に接続される。したがって、これら画素12からの出力信号は加算平均化されて列信号処理回路32A−4に入力される。
また、第3行第4列(3−4)の画素12は、垂直信号線111−4、スイッチ103−6及び切り替えスイッチ101−6を介して、列信号処理回路32A−6に接続される。第3行第6列(3−6)の画素12は、垂直信号線111−6及び切り替えスイッチ101−6を介して、列信号処理回路32A−6に接続される。第3行第8列(3−8)の画素12は、垂直信号線111−8、スイッチ103−8及び切り替えスイッチ101−6を介して、列信号処理回路32A−6に接続される。したがって、これら画素12からの出力信号は加算平均化されて列信号処理回路32A−6に入力される。
このように、本駆動モードでは、列信号処理回路32B−2,32B−5,32B−8は使用しないため、パワーセーブ状態とする。図10では、パワーセーブ状態の列信号処理回路32Bを視覚的に判りやすく示すために、列信号処理回路32Bのブロックに網掛けを付している。
図11は、図10に記載した状態における画素12と列読み出し回路30Aとの接続関係を示す等価回路図である。図中、画素12の符号の末尾に付した括弧書きは、図10に示した各画素12の行番号及び列番号に対応する。クリップ回路36A,36Bは、図3に示した回路構成としてもよいし、図7に示した回路構成としてもよい。
次に、図5及び図6のタイミングチャートを参照しつつ、図10及び図11に示す接続状態において第1行及び第3行の画素12から信号を読み出す場合の駆動例を説明する。なお、第1実施形態における駆動方法と同じ部分については適宜説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
時刻t0において、垂直走査回路20から読み出し対象の行(第1行及び第3行)の駆動信号線14に供給されている制御信号PRESはHレベルであり、これら行に属する画素12のリセットトランジスタM2はオン状態である。増幅トランジスタM3の入力ノードでもあるFD部は、リセットトランジスタM2を介して電源電圧線に接続されており、電源電圧に応じたリセット電圧にリセットされている。
時刻t0において、制御回路60は、列読み出し回路30A,30Bに、Hレベルの制御信号PC0Rを供給する。これにより、スイッチS2Aがオン状態となり、列信号処理回路32Aの差動増幅回路の出力端子と反転入力端子とが短絡され、差動増幅回路がバッファ状態となる。
同じく時刻t0において、垂直走査回路20は、読み出し対象の行(第1行及び第3行)の駆動信号線14に、Hレベルの制御信号PSELを供給する。これにより、読み出し対象の画素12の増幅トランジスタM3は、選択トランジスタM4を介して対応する垂直信号線110,111に接続され、増幅トランジスタM3の入力ノードの電圧(リセット電圧)に応じた信号(リセット信号)を出力する。
これにより、第1行第1列(1−1)の画素12、第1行第3列(1−3)の画素12及び第1行第5列(1−5)の画素12から出力されたリセット信号は加算平均化され、列信号処理回路32A−1に入力される。また、第3行第1列(3−1)の画素12、第3行第3列(3−3)の画素12及び第3行第5列(3−5)の画素12から出力されたリセット信号は加算平均化され、列信号処理回路32A−3に入力される。また、第1行第4列(1−4)の画素12、第1行第6列(1−6)の画素12及び第1行第8列(1−8)の画素12から出力されたリセット信号は加算平均化され、列信号処理回路32A−4に入力される。また、第3行第4列(3−4)の画素12、第3行第6列(3−6)の画素12及び第3行第8列(3−8)の画素12から出力されたリセット信号は加算平均化され、列信号処理回路32A−6に入力される。なお、以後の説明では、加算平均化したリセット信号についても単に「リセット信号」と表記することがある。
次いで、時刻t1において、垂直走査回路20は、読み出し対象の行(第1行及び第3行)の制御信号PRESをHレベルからLレベルへと遷移し、リセットトランジスタM2をオフ状態にする。これにより、読み出し対象の画素12の増幅トランジスタM3の入力ノードのリセット動作を解除する。
次いで、時刻t2において、制御回路60は、列読み出し回路30A,30Bに供給する制御信号PC0RをHレベルからLレベルへと遷移し、スイッチS2Aをオフ状態とする。これにより、容量C0Aによってリセット信号レベルを基準電圧Vrefでクランプする。時刻t2以降、列信号処理回路32Aの出力端子には、基準電圧Vrefにクランプオフセットレベルが加算された電圧(出力電圧Vo)が出力される。
次いで、時刻t5において、垂直走査回路20は、読み出し対象の行(第1行及び第3行)の制御信号PTXをLレベルからHレベルへと遷移し、転送トランジスタM1をオン状態にする。これにより、読み出し対象の画素12において、フォトダイオードPDで生じた電荷がFD部へと転送される。これにより、読み出し対象の画素12の増幅トランジスタM3は、選択トランジスタM4を介して垂直信号線110,111に接続され、FD部に転送された電荷の量に応じた増幅トランジスタM3の入力ノードの電圧に基づく信号(画素信号)を出力する。
クリップ回路36A,36Bの動作は、第1実施形態又は第2実施形態と同様である。すなわち、駆動状態とする列信号処理回路32Aに接続されたパワーセーブ制御信号線105には、Hレベルのパワーセーブ制御信号PSAVEAを供給する。また、パワーセーブ状態とする列信号処理回路32Bに接続されたパワーセーブ制御信号線106には、Lレベルのパワーセーブ制御信号PSAVEBを供給する。クリップ電圧信号線107,108には、図5又は図6と同様の電圧VclA,VclBをそれぞれ供給する。これにより、パワーセーブ状態の列信号処理回路32Bからのクリップ電圧信号線を介したクロストークを抑制しつつ、複数の画素12からの信号を加算平均化した信号を読み出すことができる。
クロストーク抑制の効果は、列信号処理回路32が列方向に沿った中心線に対して線対称ではないレイアウトを有する場合に、特に大きい。ここでは一例として、クリップ回路36が図12に示すレイアウトを有する場合を例に挙げ、クリップ回路36のレイアウトがクロストークに与える影響を説明する。
図12は、列信号処理回路32A−1,32A−3,32B−5,32A−7のクリップ回路36部におけるレイアウトの一例を示している。P型MOSトランジスタM17A,M17Bは、半導体基板の活性領域130上に配されたゲート電極132を含む。P型MOSトランジスタM17Aのソースは、コンタクト部134Aを介して、列方向に延在する出力信号線116Aに接続されている。P型MOSトランジスタM17Aのゲート電極132Aは、コンタクト部136A、導電部材138A及びコンタクト部140Aを介して、クリップ電圧信号線107に接続されている。P型MOSトランジスタM17Bのソースは、コンタクト部134Bを介して、列方向に延在する出力信号線116Bに接続されている。P型MOSトランジスタM17Bのゲート電極132Bは、コンタクト部136B、導電部材138B及びコンタクト部140Bを介して、クリップ電圧信号線108に接続されている。
例えば図12に示すように、列信号処理回路32の出力信号線116が列方向の中心線から偏った位置に配置されているような場合、隣接する列信号処理回路32に与えるクロストークの影響が、左右の列信号処理回路32で異なることがある。例えば、列信号処理回路32B−5の出力信号線116Bの電圧が変動すると、これに伴ってP型MOSトランジスタM17Bのゲート電極132Bの電圧も変動する。このとき、列信号処理回路32A−3の出力信号線116Aは、列信号処理回路32Bの導電部材138Bに近接して配置されているため、カップリングによって、導電部材138B、すなわちゲート電極132Bの電圧の変動の影響を受けやすい。特に、ゲート電極132Bがクリップ電圧信号線107に接続されている場合には、クリップ電圧信号線107を介してカップリングが強まり、列信号処理回路32A−3の出力信号線116Aに与えるゲート電極132Bの電圧変動の影響が大きくなる。一方、列信号処理回路32A−7の出力信号線116Aは、列信号処理回路32B−5の出力信号線116Bやゲート電極132Bから離間しているため、列信号処理回路32B−5からのクロストークの影響は小さい。このような場合、列信号処理回路32A−3と列信号処理回路32A−7とにおける列信号処理回路32B−5から受けるクロストークの影響の違いが、列間のバラツキや行間のバラツキとなって画質へ影響を与えることになる。
本実施形態のように、駆動状態の列信号処理回路32Aとパワーセーブ状態の列信号処理回路32Bとに異なるクリップ電圧信号線からクリップ電圧を供給する構成とすることにより、列信号処理回路32のレイアウトに起因する影響をも抑制することができる。
レイアウトに起因する影響は、一方の側部のみにパワーセーブ状態の列信号処理回路32が配置された列信号処理回路32と、他方の側部のみにパワーセーブ状態の列信号処理回路32が配置された列信号処理回路32とが混在する場合に生じうる。換言すると、駆動状態の列信号処理回路32が少なくとも2つ連続して配置されるような場合に生じる可能性がある。
このように、本実施形態によれば、パワーセーブしない列信号処理回路とパワーセーブする列信号処理回路との間のクロストークを効果的に抑制することができる。これにより、高精細な画像を取得しうる固体撮像装置を実現することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による固体撮像装置及びその駆動方法について、図13乃至図15を用いて説明する。図1乃至図12に示す第1乃至第3実施形態による固体撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図13は、本実施形態による固体撮像装置の構成例を示す回路図である。図14及び図15は、本実施形態による固体撮像装置の駆動方法を示す回路図である。
はじめに、本実施形態による固体撮像装置の構造について、図13を用いて説明する。本実施形態による固体撮像装置は、画素アレイ10の各列の複数の画素12が2つのグループに分けられており、それぞれのグループが異なる垂直信号線に接続されている点で、第3実施形態による固体撮像装置と同様である。本実施形態による固体撮像装置が第3実施形態による固体撮像装置と異なる点は、列読み出し回路30が、垂直信号線と同じ数の列信号処理回路32を有していることである。
4行×8列に配列された画素12を例にして説明すると、図13に示すように、8つの列にそれぞれ2本の垂直信号線110,111が配されており、全部で16本の垂直信号線110,111が設けられている。列読み出し回路30A,30Bは、それぞれ8個の列信号処理回路32A,32Bを有しており、列信号処理回路32A,32Bの数は全部で16個となっている。画素12と列信号処理回路32とを接続するスイッチ回路の構成が第1乃至第3実施形態の固体撮像装置とは異なっているが、基本的な動作は第1乃至第3実施形態による固体撮像装置と同様である。
図13において、奇数列の垂直信号線110,111は、列読み出し回路30Aに接続されている。また、偶数列の垂直信号線110,111は、列読み出し回路30Bに接続されている。本実施形態では、列読み出し回路30Aが、第3列及び第4列に対応する位置に列信号処理回路32Aを有し、他の列に対応する位置に列信号処理回路32Bを有する場合を想定する。また、列読み出し回路30Bが、第5列及び第6列に対応する位置に列信号処理回路32Aを有し、他の列に対応する位置に列信号処理回路32Bを有する場合を想定する。
同じ列読み出し回路30A,30Bに接続された垂直信号線110のうち、隣接する垂直信号線110の間にはスイッチ102がそれぞれ設けられている。また、同じ列読み出し回路30A,30Bに接続された垂直信号線111のうち、隣接する垂直信号線111の間にはスイッチ103がそれぞれ設けられている。例えば、垂直信号線110−1と垂直信号線110−3との間には、スイッチ102−3が設けられている。また、垂直信号線111−2と垂直信号線111−4との間には、スイッチ103−4が設けられている。スイッチ102,103は、図3及び図7のスイッチS3に対応するスイッチである。
隣接するスイッチ102の間のノード及び隣接するスイッチ103の間のノードには、これらのノードのうちの一方を選択して列信号処理回路32に接続する切り替えスイッチ101が、それぞれ2つ設けられている。例えば、スイッチ102−1,102−3間及びスイッチ103−1,103−3間のノードには、列信号処理回路32B−1に接続する切り替えスイッチ101−1と、列信号処理回路32B−2に接続する切り替えスイッチ101−2とが接続されている。また、スイッチ102−4,102−6間及びスイッチ103−4,103−6間のノードには、列信号処理回路32B−4に接続する切り替えスイッチ101−4と、列信号処理回路32A−5に接続する切り替えスイッチ101−5とが接続されている。
次に、本実施形態による固体撮像装置の駆動方法について、図14及び図15を用いて説明する。ここでは、2行分の各列の画素信号を対応する列信号処理回路32から出力する駆動例と、複数の画素の画素信号を加算平均化して一部の列信号処理回路32から出力する駆動例とを説明する。
まず、2行分の各列の画素信号を対応する列信号処理回路32に一時に出力する駆動例について、図14を用いて説明する。図14には、第1行目の各列の画素12及び第3行目の各列の画素12から信号を読み出す場合の接続状態を示している。この場合、奇数列の切り替えスイッチ101は、スイッチ102間のノードへの接続を選択し、偶数列の切り替えスイッチは、スイッチ103間のノードへの接続を選択する。また、本駆動モードでは、総てのスイッチ102,103は、非接続(オフ)状態とする。
このようにスイッチ回路を構成することで、2つの行(ここでは第1行及び第3行)の総ての画素12の信号を、それぞれ別々の列信号処理回路32から一時に出力することができる。すなわち、第1行の第1列、第3列、第5列及び第7列の画素12の信号は、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32B−1、列信号処理回路32A−3、列信号処理回路32B−5及び列信号処理回路32B−7から、それぞれ出力することができる。第1行の第2列、第4列、第6列及び第8列の画素12の信号は、列読み出し回路30Bの列信号処理回路32B−3、列信号処理回路32A−5、列信号処理回路32B−7及び列信号処理回路32B−9(不図示)から、それぞれ出力することができる。第3行第1列、第3行第3列、第3行第5列、第3行第7列の画素12の信号は、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32B−2、列信号処理回路32A−4、列信号処理回路32B−6、列信号処理回路32B−8から、それぞれ出力することができる。第3行第2列、第3行第4列、第3行第6列、第3行第8列の画素12の信号は、列読み出し回路30Bの列信号処理回路32B−2、列信号処理回路32B−4、列信号処理回路32A−6、列信号処理回路32B−8から、それぞれ出力することができる。
本駆動モードでは、列信号処理回路32A,32Bは、何れも駆動状態とする。具体的には、列信号処理回路32Aに接続されるパワーセーブ制御信号線105にHレベルの制御信号を、クリップ電圧信号線107に電圧VclAを、それぞれ供給する。また、列信号処理回路32Bに接続されるパワーセーブ制御信号線106にはパワーセーブ制御信号線105と同じHレベルの制御信号を、クリップ電圧信号線108にはクリップ電圧信号線107と同じ電圧VclAを供給すればよい。
次に、複数の画素の画素信号を加算平均化して一部の列信号処理回路32から出力する駆動例について、図15を用いて説明する。
図15には、3つの画素12からの信号を加算平均化した信号を読み出す場合の接続状態を示している。図示する例では、第1行目の第1列、第3列及び第5列の画素12の信号を加算平均化した信号を、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−3から出力する。また、第3行目の第1列、第3列及び第5列の画素12の信号を加算平均化した信号を、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−4から出力する。また、第1行目の第4列、第6列及び第8列の画素12の信号を加算平均化した信号を、列読み出し回路30Bの列信号処理回路32A−5から出力する。また、第3行目の第4列、第6列及び第8列の画素12の信号を加算平均化した信号を、列読み出し回路30Bの列信号処理回路32A−6から出力する。これらの信号は、同じタイミングで読み出される。
具体的には、図15に示すように、列読み出し回路30Aの切り替えスイッチ101−3及び列読み出し回路30Bの切り替えスイッチ101−5は、スイッチ102間のノードへの接続を選択する。列読み出し回路30Aの切り替えスイッチ101−4及び列読み出し回路30Bの切り替えスイッチ101−6は、スイッチ103間のノードへの接続を選択する。他の切り替えスイッチ101は、非接続(オフ)状態とする。スイッチ102−2,103−2,102−3,103−3,102−5,103−5,102−6,103−6,102−8,103−8,102−9,103−9は、接続(オン)状態とする。スイッチ102−1,103−1,102−4,103−4,102−7,103−7は、非接続(オフ)状態とする。
このようにスイッチ回路を構成することで、第1行第1列の画素12は、垂直信号線110−1、スイッチ102−3及び列読み出し回路30Aの切り替えスイッチ101−3を介して、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−3に接続される。第1行第3列の画素12は、垂直信号線110−3及び列読み出し回路30Aの切り替えスイッチ101−3を介して、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−3に接続される。第1行第5列の画素12は、垂直信号線110−5、スイッチ102−5及び列読み出し回路30Aの切り替えスイッチ101−3を介して、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−3に接続される。したがって、これら画素12からの出力信号は加算平均化されて列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−3に入力される。
また、第3行第1列の画素12は、垂直信号線111−1、スイッチ103−3及び列読み出し回路30Aの切り替えスイッチ101−4を介して、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−4に接続される。第3行第3列の画素12は、垂直信号線111−3及び列読み出し回路30Aの切り替えスイッチ101−4を介して、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−4に接続される。第3行第5列目の画素12は、垂直信号線111−5、スイッチ103−5及び列読み出し回路30Aの切り替えスイッチ101−4を介して、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−4に接続される。したがって、これら画素12からの出力信号は加算平均化されて列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−4に入力される。
また、第1行第4列の画素12は、垂直信号線110−4及び列読み出し回路30Bの切り替えスイッチ101−5を介して、列読み出し回路30Bの列信号処理回路32A−5に接続される。第1行第6列の画素12は、垂直信号線110−6、スイッチ102−6及び列読み出し回路30Bの切り替えスイッチ101−5を介して、列読み出し回路30Bの列信号処理回路32A−5に接続される。第1行第8列の画素12は、垂直信号線110−8、スイッチ102−8,102−6及び列読み出し回路30Bの切り替えスイッチ101−5を介して、列読み出し回路30Bの列信号処理回路32A−5に接続される。したがって、これら画素12からの出力信号は加算平均化されて列読み出し回路30Bの列信号処理回路32A−5に入力される。
また、第3行第4列の画素12は、垂直信号線111−4、スイッチ103−6及び列読み出し回路30Bの切り替えスイッチ101−6を介して、列読み出し回路30Bの列信号処理回路32A−6に接続される。第3行第6列の画素12は、垂直信号線111−6及び列読み出し回路30Bの切り替えスイッチ101−6を介して、列読み出し回路30Bの列信号処理回路32A−6に接続される。第3行第8列の画素12は、垂直信号線111−8、スイッチ103−8及び列読み出し回路30Bの切り替えスイッチ101−6を介して、列読み出し回路30Bの列信号処理回路32A−6に接続される。したがって、これら画素12からの出力信号は加算平均化されて列読み出し回路30Bの列信号処理回路32A−6に入力される。
このように、本駆動モードでは、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32B−1,32B−2,32B−5,32B−6,32B−7,32B−8は使用しない。また、列読み出し回路30Bの列信号処理回路32B−1,32B−2,32B−3,32B−4,32B−7,32B−8は、使用しない。このため、これら列信号処理回路32Bは、パワーセーブ状態とする。図15では、パワーセーブ状態の列信号処理回路32Bを視覚的に判りやすく示すために、列信号処理回路32Bのブロックに網掛けを付している。
本駆動モードは、図5又は図6のタイミングチャートに従って、第3実施形態の場合と同様にして実施することができる。
クリップ回路36A,36Bの動作も、第1乃至第3実施形態と同様である。すなわち、駆動状態とする列信号処理回路32Aに接続されたパワーセーブ制御信号線105には、Hレベルのパワーセーブ制御信号PSAVEAを供給する。また、パワーセーブ状態とする列信号処理回路32Bに接続されたパワーセーブ制御信号線106には、Lレベルのパワーセーブ制御信号PSAVEBを供給する。クリップ電圧信号線107,108には、図5又は図6と同様の電圧VclA,VclBをそれぞれ供給する。これにより、パワーセーブ状態の列信号処理回路32Bからのクリップ電圧信号線を介したクロストークを抑制しつつ、複数の画素12からの信号を加算平均化した信号を読み出すことができる。
このように、本実施形態によれば、パワーセーブしない列信号処理回路とパワーセーブする列信号処理回路との間のクロストークを効果的に抑制することができる。これにより、高精細な画像を取得しうる固体撮像装置を実現することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による固体撮像装置及びその駆動方法について、図16乃至図18を用いて説明する。図1乃至図15に示す第1乃至第4実施形態による固体撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図16は、本実施形態による固体撮像装置の構成例を示す回路図である。図17及び図18は、本実施形態による固体撮像装置の駆動方法を示す回路図である。
はじめに、本実施形態による固体撮像装置の構造について、図16を用いて説明する。本実施形態による固体撮像装置は、画素アレイ10の各列の複数の画素12が複数のグループに分けられており、それぞれのグループが異なる垂直信号線に接続されている点で、第4実施形態による固体撮像装置と同様である。本実施形態による固体撮像装置が第4実施形態による固体撮像装置と異なる点は、各列の複数の画素12を4つのグループに分けていることである。
4行×8列に配列された画素12を例にして説明すると、図16に示すように、8つの列にそれぞれ4本の垂直信号線110,111,120,121が配されており、全部で32本の垂直信号線110,111,120,121が設けられている。列読み出し回路30Aは、16個の列信号処理回路32A,32Bを有している。図面の簡略化のために図16では記載を省略しているが、垂直信号線120,121に接続される列読み出し回路30B(不図示)が更に設けられている。この列読み出し回路30Bは、列読み出し回路30Aと同様の回路構成からなり、16個の列信号処理回路32A,32Bを有している。したがって、列信号処理回路32A,32Bの数は、全部で32個となる。画素12と列信号処理回路32とを接続する回路における切り替えスイッチの構成が第1乃至第4実施形態の固体撮像装置とは異なっているが、基本的な動作は第1乃至第4実施形態による固体撮像装置と同様である。
同じ列読み出し回路30A,30Bに接続された垂直信号線110のうち、隣接する奇数列の垂直信号線110の間及び隣接する偶数列の垂直信号線111の間には、直列に2つのスイッチ102がそれぞれ設けられている。同様に、隣接する奇数列の垂直信号線120の間及び隣接する偶数列の垂直信号線121の間には、直列に2つのスイッチ103がそれぞれ設けられている。
奇数列の垂直信号線110とスイッチ102との間のノード及び奇数列の垂直信号線111とスイッチ103との間のノードには、これらのノードのうちの一方を選択して列信号処理回路32に接続する切り替えスイッチ101が、それぞれ2つ設けられている。例えば、垂直信号線110−1とスイッチ102−3との間のノード及び垂直信号線111−1とスイッチ103−3との間のノードには、切り替えスイッチ101−1と切り替えスイッチ101−2とが接続されている。切り替えスイッチ101−1は列信号処理回路32B−1に接続するノードを切り替えるスイッチであり、切り替えスイッチ101−2は列信号処理回路32B−2に接続するノードを切り替えるスイッチである。
偶数列の垂直信号線110とスイッチ102との間のノード及び偶数列の垂直信号線111とスイッチ103との間のノードには、これらのノードのうちの一方を選択して列信号処理回路32に接続する切り替えスイッチ101が、それぞれ2つ設けられている。例えば、垂直信号線110−6とスイッチ102−14との間のノード及び垂直信号線111−6とスイッチ103−14との間のノードには、切り替えスイッチ101−11と切り替えスイッチ101−12とが接続されている。切り替えスイッチ101−11は列信号処理回路32A−11に接続するノードを切り替えるスイッチであり、切り替えスイッチ101−12は列信号処理回路32A−12に接続するノードを切り替えるスイッチである。
次に、本実施形態による固体撮像装置の駆動方法について、図17及び図18を用いて説明する。ここでは、4行分の各列の画素信号を対応する列信号処理回路32から出力する駆動例と、複数の画素の画素信号を加算平均化して一部の列信号処理回路32から出力する駆動例とを説明する。
まず、4行分の各列の画素信号を対応する列信号処理回路32に一時に出力する駆動例について、図17を用いて説明する。図17には、4行分の画素12からの信号を一時に読み出す場合の接続状態を示している。なお、垂直信号線120,121に接続された画素12からの読み出しは、図示しない列信号処理回路32Bにより、後述する列信号処理回路32Aにおける読み出し動作と同様にして実施される。
本駆動モードでは、奇数列の垂直信号線110とスイッチ102との間及び奇数列の垂直信号線111とスイッチ103との間のノードに接続された2つの切り替えスイッチ101は、各ノードがそれぞれ別の列信号処理回路32に接続されるように駆動する。同様に、偶数列の垂直信号線110とスイッチ102との間のノード及び偶数列の垂直信号線111とスイッチ103との間のノードに接続された2つの切り替えスイッチ101は、各ノードがそれぞれ別の列信号処理回路32に接続されるように駆動する。また、総てのスイッチ102,103は、非接続(オフ)状態とする。
このようにスイッチ回路を構成することで、4つの行(ここでは第1行から第4行)の総ての画素12の信号を、それぞれ別々の列信号処理回路32から一時に出力することができる。例えば、第1行の第1列、第3列、第5列及び第7列の画素12の信号は、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32B−1、列信号処理回路32A−5、列信号処理回路32B−9及び列信号処理回路32B−13から、それぞれ出力することができる。また、第2行の第2列、第4列、第6列及び第8列の画素12の信号は、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32B−3、列信号処理回路32B−7、列信号処理回路32A−11及び列信号処理回路32B−15から、それぞれ出力することができる。
本駆動モードでは、列信号処理回路32A,32Bは、何れも駆動状態とする。具体的には、列信号処理回路32Aに接続されるパワーセーブ制御信号線105にHレベルの制御信号を、クリップ電圧信号線107に電圧VclAを、それぞれ供給する。また、列信号処理回路32Bに接続されるパワーセーブ制御信号線106にはパワーセーブ制御信号線105と同じHレベルの制御信号を、クリップ電圧信号線108にはクリップ電圧信号線107と同じ電圧VclAを供給すればよい。
次に、複数の画素の画素信号を加算平均化して一部の列信号処理回路32から出力する駆動例について、図18を用いて説明する。
図18には、3つの画素12からの信号を加算平均化した信号を読み出す場合の接続状態を示している。図示する例では、第1行目の第1列、第3列及び第5列の画素12の信号を加算平均化した信号を、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−5から出力する。また、第3行目の第1列、第3列及び第5列の画素12の信号を加算平均化した信号を、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−6から出力する。また、第2行目の第4列、第6列及び第8列の画素12の信号を加算平均化した信号を、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−11から出力する。また、第3行目の第4列、第6列及び第8列の画素12の信号を加算平均化した信号を、列読み出し回路30Aの列信号処理回路32A−12から出力する。図示しない列読み出し回路30Bにおいても、同様の読み出し動作が行われる。これらの信号は、同じタイミングで読み出される。
具体的には、列読み出し回路30Aの第3列及び第6列に対応する2つの切り替えスイッチ101は、一方が垂直信号線110側のノードを選択し、他方が垂直信号線111側のノードを選択するように設定する。図18の例では、奇数の枝番を付した切り替えスイッチ101(101−5,101−11)が垂直信号線110側のノードを選択し、偶数の枝番を付した切り替えスイッチ101(101−6,101−12)が垂直信号線111側のノードを選択している。他の切り替えスイッチ101は、非接続(オフ)状態とする。また、スイッチ102−1,103−1,102−8,103−8,102−11,103−11,102−15,103−15,102−17,103−17,102−18,103−18は、非接続(オフ)状態とする。他のスイッチ102,103は、接続(オン)状態とする。
このようにスイッチ回路を構成することで、第1行第1列の画素12は、垂直信号線110−1、スイッチ102−3,102−5及び切り替えスイッチ101−5を介して、列信号処理回路32A−5に接続される。第1行第3列の画素12は、垂直信号線110−3及び切り替えスイッチ101−5を介して、列信号処理回路32A−5に接続される。第1行第5列の画素12は、垂直信号線110−5、スイッチ102−9,102−7及び切り替えスイッチ101−5を介して、列信号処理回路32A−5に接続される。したがって、これら画素12からの出力信号は加算平均化されて列信号処理回路32A−5に入力される。
また、第3行第1列の画素12は、垂直信号線111−1、スイッチ103−3,103−5及び切り替えスイッチ101−6を介して、列信号処理回路32A−6に接続される。第3行第3列目の画素12は、垂直信号線111−3及び切り替えスイッチ101−6を介して、列信号処理回路32A−6に接続される。第3行第5列の画素12は、垂直信号線111−5、スイッチ103−9,103−7及び切り替えスイッチ101−6を介して、列信号処理回路32A−6に接続される。したがって、これら画素12からの出力信号は加算平均化されて列信号処理回路32A−6に入力される。
また、第2行第4列の画素12は、垂直信号線110−4、スイッチ102−10,102−12及び切り替えスイッチ101−11を介して、列信号処理回路32A−11に接続される。第2行第6列の画素12は、垂直信号線110−6及び切り替えスイッチ101−11を介して、列信号処理回路32A−11に接続される。第2行第8列の画素12は、垂直信号線110−8、スイッチ102−16,102−14及び切り替えスイッチ101−11を介して、列信号処理回路32A−11に接続される。したがって、これら画素12からの出力信号は加算平均化されて列信号処理回路32A−11に入力される。
また、第4行第4列の画素12は、垂直信号線111−4、スイッチ103−10,103−12及び切り替えスイッチ101−12を介して、列信号処理回路32A−12に接続される。第4行第6列の画素12は、垂直信号線111−6及び切り替えスイッチ101−12を介して、列信号処理回路32A−12に接続される。第4行第8列の画素12は、垂直信号線111−8、スイッチ103−16,103−14及び切り替えスイッチ101−12を介して、列信号処理回路32A−12に接続される。したがって、これら画素12からの出力信号は加算平均かされて列信号処理回路32A−12に入力される。
このように、本駆動モードでは、列信号処理回路32B−1,32B−2,32B−3、32B−4,32B−7,32B−8,32B−9,32B−10,32B−13,32B−14,32B−15,32B−16は、使用しない。このため、これら列信号処理回路32Bは、パワーセーブ状態とする。図18では、パワーセーブ状態の列信号処理回路32Bを視覚的に判りやすく示すために、列信号処理回路32Bのブロックに網掛けを付している。
本駆動モードは、図5又は図6のタイミングチャートに従って、第3実施形態の場合と同様にして実施することができる。
クリップ回路36A,36Bの動作も、第1乃至第4実施形態と同様である。すなわち、駆動状態とする列信号処理回路32Aに接続されたパワーセーブ制御信号線105には、Hレベルのパワーセーブ制御信号PSAVEAを供給する。また、パワーセーブ状態とする列信号処理回路32Bに接続されたパワーセーブ制御信号線106には、Lレベルのパワーセーブ制御信号PSAVEBを供給する。クリップ電圧信号線107,108には、図5又は図6と同様の電圧VclA,VclBをそれぞれ供給する。これにより、パワーセーブ状態の列信号処理回路32Bからのクリップ電圧信号線を介したクロストークを抑制しつつ、複数の画素12からの信号を加算平均した信号を読み出すことができる。
このように、本実施形態によれば、パワーセーブしない列信号処理回路とパワーセーブする列信号処理回路との間のクロストークを効果的に抑制することができる。これにより、高精細な画像を取得しうる固体撮像装置を実現することができる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による撮像システムについて、図19を用いて説明する。図1乃至図18に示す第1乃至第5実施形態による固体撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図19は、本実施形態による撮像システムの構成を示すブロック図である。
上記第1乃至第5実施形態で述べた固体撮像装置は、種々の撮像システムに適用可能である。適用可能な撮像システムとしては、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダー、監視カメラなどが挙げられる。図19に、上述の実施形態に記載の固体撮像装置を適用したデジタルスチルカメラの例を示す。
図19に例示した撮像システム200は、固体撮像装置100、被写体の光学像を固体撮像装置100に結像させるレンズ202、レンズ202を通過する光量を可変にするための絞り204、レンズの保護のためのバリア206を有する。レンズ202及び絞り204は、固体撮像装置100に光を集光する光学系である。固体撮像装置100は、第1乃至第5実施形態で説明した固体撮像装置100である。
撮像システム200は、また、固体撮像装置100より出力される出力信号の処理を行う出力信号処理部208を有する。出力信号処理部208は、必要に応じて各種の補正、圧縮を行って信号を出力する動作を行う。出力信号処理部208は、固体撮像装置100より出力される出力信号に対してAD変換処理を実施する機能を備えていてもよい。この場合、固体撮像装置100の列信号処理回路32は、必ずしもAD変換回路を有する必要はない。
撮像システム200は、更に、画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリ部210、外部コンピュータ等と通信するための外部インターフェース部(外部I/F部)212を有する。更に撮像システム200は、撮像データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリ等の記録媒体214、記録媒体214に記録又は読み出しを行うための記録媒体制御インターフェース部(記録媒体制御I/F部)216を有する。なお、記録媒体214は、撮像システム200に内蔵されていてもよく、着脱可能であってもよい。
更に撮像システム200は、各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部218、固体撮像装置100と出力信号処理部208に各種タイミング信号を出力するタイミング発生部220を有する。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、撮像システム200は、少なくとも固体撮像装置100と、固体撮像装置100から出力された出力信号を処理する出力信号処理部208とを有すればよい。全体制御・演算部218及びタイミング発生部220は、固体撮像装置100の制御回路60の機能の一部又は全部を実施するように構成してもよい。
固体撮像装置100は、画像用信号を出力信号処理部208に出力する。出力信号処理部208は、固体撮像装置100から出力される画像用信号に対して所定の信号処理を実施し、画像データを出力する。また、出力信号処理部208は、画像用信号を用いて、画像を生成する。
第1乃至第5実施形態による固体撮像装置100を用いて撮像システムを構成することにより、一部の列信号処理回路をパワーセーブ状態とした駆動モードで撮像を行う場合にも、パワーセーブ状態の列信号処理回路からの影響を抑制することができる。これにより、より良質の画像が取得可能な低消費電力の撮像システムを実現することができる。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、一部の列信号処理回路をパワーセーブ状態とする駆動モードとして、複数の画素の画素信号を加算平均化する場合を示したが、一部の列信号処理回路をパワーセーブ状態とする駆動モードは、これに限定されるものではない。例えば、画素アレイを構成する画素のうち一部の画素を間引きして信号の読み出しを行う場合に、間引きした画素に対応する列信号読み出し回路をパワーセーブ状態とする場合にも、第1乃至第5実施形態と同様の駆動方法を適用することができる。
また、上記実施形態では、列信号処理回路をパワーセーブ状態とする例として、増幅回路の差動増幅回路をパワーセーブ状態とする場合の例を示したが、本発明を適用可能な回路は、増幅回路に限定されるものではない。例えば、AD変換回路のコンパレータを構成する差動増幅回路をパワーセーブ状態に制御する場合にも、本発明を適用可能である。
また、上記第1及び第2実施形態では2つの画素の画素信号を加算平均化する例を、第3乃至第5実施形態では3つの画素の画素信号を加算平均化する例を説明したが、加算平均化する画素の数は、必要に応じて自由に設定することができる。
また、上記第3及び第4実施形態では2行分の画素を一時に読み出す例を、第5実施形態では4行分の画素を一時に読み出す例を説明したが、一時に読み出す行数は、必要に応じて自由に設定することができる。垂直信号線及び列信号読み出し回路の数やそれらの接続は、一時に読み出す行数に応じて適宜設定することができる。
また、上記第1乃至第5実施形態では、同じ行に属する画素の画素信号を加算平均化する例を示したが、同じ列に属する画素の画素信号を加算平均化するようにしてもよい。また、複数行及び複数列に属する複数の画素の画素信号を加算平均化するようにしてもよい。
また、図3及び図7に示した列信号処理回路32の回路構成は一例であり、本発明の固体撮像装置に適用可能な列信号処理回路32はこれらに限定されるものではない。例えば、増幅回路34の回路構成は、図示するものに限定されるものではなく、固体撮像装置に使用される様々な態様の増幅回路を適用可能である。また、列信号処理回路32は、AD変換回路やサンプルホールド回路等を更に備えてもよい。
また、図2に示した画素12の回路構成は一例であり、本発明の固体撮像装置に適用可能な画素回路はこれに限定されるものではない。
また、第6実施形態に示した撮像システムは、本発明の固体撮像装置を適用しうる撮像システムの一例を示したものであり、本発明の固体撮像装置を適用可能な撮像システムは図19に示した構成に限定されるものではない。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。