JP6618921B2 - 位置決めシステム、物体振動補償方法、リソグラフィ装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

位置決めシステム、物体振動補償方法、リソグラフィ装置及びデバイス製造方法 Download PDF

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関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2014年4月17日に出願された欧州特許出願第14165170.3号に関する。この出願は参照により本願にも含まれるものとする。
[0002] 本発明はリソグラフィ装置及びデバイス製造方法に関する。特に、本発明は、リソグラフィ装置内のリフレクタを制御するためのシステムに関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0004] 回路パターンのフィーチャのサイズを縮小するためには、結像放射の波長を短くする必要がある。このため、例えば波長が約5nmから20nmの範囲内であるEUV放射を用いたリソグラフィ装置を開発中である。EUV放射は、ほぼ全ての材料によって強く吸収されるので、光学システム及びマスクは反射性でなければならず、装置は低い圧力又は真空に維持しなければならない。使用する結像放射が短い波長すなわちEUVを有する場合、リソグラフィ装置内で結像放射を誘導する際に誤差があると、例えばオーバーレイエラー等のあらゆる誤差に対して大きな影響を及ぼす。
[0005] 放射ビームに対してパターン像を位置決めするため、パターニング手段において、リフレクタが用いられる。放射ビームの像は基板に投影されるが、これは像の位置に大きく影響される。従って、例えばリフレクタのようなリソグラフィ装置内の物体の位置の精度を上げて、オーバーレイエラー又は放射ビームのパターンの誤差を、許容可能レベルに維持するか、又は好ましくはそのレベルまで低減する必要がある。一般に、例えばリソグラフィ装置のような装置内には高精度で位置決めすることが求められる多くの物体があり、従って、物体を位置決めするための制御システムの精度を向上させることは有益である。
[0006] 従って、特にEUV放射を用いる装置のために、リソグラフィ装置においてリフレクタ及び/又は他のコンポーネントの位置を制御するための改良したシステムを提供することが望ましい。
[0007] 本発明の一態様に従って、リソグラフィ装置が提供される。これは、リフレクタと、リフレクタをN自由度で位置決めするように構成された位置決めシステムであって、Nが正の整数であり、M個のアクチュエータデバイスであって、各アクチュエータデバイスがリフレクタに力を加えるように構成され、MがNよりも大きい正の整数であり、アクチュエータデバイスの少なくとも1つが補償アクチュエータデバイスであり、アクチュエータデバイスの他の少なくとも1つが非補償アクチュエータデバイスである、アクチュエータデバイスと、補償アクチュエータデバイス及び非補償アクチュエータデバイスを制御するように構成されたコントローラであって、非補償アクチュエータデバイスの寄生力を補償するように補償アクチュエータデバイスを制御するように構成された、コントローラと、を備える。補償アクチュエータデバイス及び非補償アクチュエータデバイスは、リフレクタの同一ポイントに力を加えるように構成されている。
[0008] 本発明の一態様に従って、本発明の位置決めシステムを備えた装置が提供される。この装置は更に物体を備えている。
[0009] 本発明の一態様に従って、本発明の位置決めシステムを用いて物体の振動を補償するための方法が提供される。
[0010] 本発明の一態様に従って、リフレクタを介して基板テーブル上に位置決めされた基板上に投影放射ビームを投影することを備えるデバイス製造方法が提供される。位置決めシステムがリフレクタをN自由度で位置決めするように構成され、Nが正の整数であり、位置決めシステムがM個のアクチュエータデバイスを備え、各アクチュエータデバイスがリフレクタに力を加えるように構成され、MがNよりも大きい正の整数であり、アクチュエータデバイスの少なくとも1つが補償アクチュエータデバイスであり、アクチュエータデバイスの他の少なくとも1つが非補償アクチュエータデバイスであり、コントローラが補償アクチュエータデバイス及び非補償アクチュエータデバイスを制御するように構成され、コントローラが非補償アクチュエータデバイスの寄生力を補償するように補償アクチュエータデバイスを制御するように構成され、補償アクチュエータデバイス及び非補償アクチュエータデバイスがリフレクタの同一ポイントに力を加えるように構成されている。
[0011] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
[0012] 本発明の一実施形態で用いられるリソグラフィ装置を示す。 [0013] 図1の装置の主要光学路の更に詳細な図である。 [0014] リソグラフィ装置において用いられるアクチュエータデバイスを示す。 [0015] 本発明の一実施形態に従った補償アクチュエータデバイス及び非補償アクチュエータデバイスを示す。 [0016] 図3Bのアクチュエータデバイスによってリフレクタに加えられる力の示力図を示す。 [0017] アクチュエータデバイスの図を示す。 [0018] 本発明の一実施形態において用いられるアクチュエータデバイスの詳細な図である。 [0019] リソグラフィ装置においてリフレクタ上の様々なポイントに作用する力を示す。 [0020] 図6Aの所望の正味の力の示力図を示す。 [0021] 本発明の一実施形態に従ったリフレクタ上のポイントにおける力を示す。
[0022] 図1は、放射源コレクタ装置SOを含むEUVリソグラフィ装置4100を概略的に示す。この装置は、
− 放射ビームEB(例えばDUV放射又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)EILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク又はレチクル)MAを支持するように構成され、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームEBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば反射投影レンズシステム)PSと、を備える。
[0023] 支持構造MTはパターニングデバイスを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0024] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0025] パターニングデバイスの例には、マスク及びプログラマブルミラーアレイが含まれる。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスク等のマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含む。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0026] リソグラフィ装置は、複数の基板ステージ又は複数の基板テーブル等の2つ以上の基板支持構造、及び/又はパターニングデバイス用の2つ以上の支持構造を有するタイプとすることができる。多数の基板ステージを有する装置では、全ての基板ステージは同等かつ交換可能なものとすることができる。一実施形態では、多数の基板ステージの少なくとも1つが特に露光ステップ向けに適合され、多数の基板ステージの少なくとも1つが特に測定又は予備ステップ向けに適合されている。本発明の一実施形態では、多数の基板ステージの1つ以上が測定ステージに置き換えられる。測定ステージは、センサ検出器及び/又はセンサシステムのターゲットのような1つ以上のセンサシステムの少なくとも一部を含むが、基板を支持することはない。測定ステージは、基板ステージ又はパターニングデバイス用の支持構造の代わりに、投影ビーム内で位置決め可能である。このような装置では、追加のステージを並行して用いてもよく、あるいは、1つ以上のステージを露光に用いている間に1つ以上の他のステージで予備ステップを実行してもよい。
[0027] EUVリソグラフィ装置では、ガスが多くの放射を吸収し過ぎる可能性があるので、真空又は低圧環境を用いることが望ましい。従って、真空壁及び1つ以上の真空ポンプを利用して、ビーム経路全体に真空環境を与えることができる。
[0028] 図1を参照すると、EUVイルミネータEILは、放射源コレクタ装置SOから極端紫外線放射ビームを受光する。放射源コレクタ装置SOについて以下で更に詳しく説明する。要点としては、EUV範囲に1つ以上の輝線を有する、例えばキセノン(Xe)、リチウム(Li)、又はスズ(Sn)のような少なくとも1つの元素を有する材料(燃料と称することがある)を、プラズマ状態に変換する。これは、燃料の小滴、流れ、又はクラスタにレーザビームを照射することで達成される。これにより生じたプラズマは、例えばEUV放射のような出力放射を発し、これは、放射源コレクタ装置内に配置された放射コレクタを用いて収集される。
[0029] 放射システムの部品について異なる構成も可能である。例えばCO2レーザを用いて燃料励起のためのレーザビームを供給する場合、レーザ及び放射源コレクタ装置は別個の構成要素であり得る。そのような場合、レーザはリソグラフィ装置内の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダを備えたビームデリバリシステムを利用して、レーザから放射源コレクタ装置へと渡される。
[0030] EUVイルミネータEILは、放射ビームEBの角度強度分布を調整するためのアジャスタを備えることができる。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、EUVイルミネータEILは、ファセットフィールドミラーデバイス及び瞳ミラーデバイスのような他の種々のコンポーネントを備える場合もある。EUVイルミネータEILを用いて放射ビームEBを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とを得ることができる。
[0031] 放射ビームEBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。放射ビームEBは、パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射した後、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサPS2(例えば干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は容量センサ)を利用して、基板テーブルWTを、例えば放射ビームEBの経路に様々なターゲット部分Cを位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサPS1を用いて、放射ビームEBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めできる。パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
[0032] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0033] 1.ステップモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0034] 2.スキャンモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分Cの(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分Cの(スキャン方向における)高さが決まる。
[0035] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させるごとに、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0036] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0037] 制御システム(図示せず)は、リソグラフィ装置の全体的な動作を制御し、特に、以下で更に説明する最適化プロセスを実行する。制御システムは、中央処理ユニット並びに揮発性及び不揮発性の記憶装置を備える適切にプログラミングされた汎用コンピュータとして具現化することができる。任意選択として、制御システムは更に、キーボード及びスクリーン等の1つ以上の入出力デバイス、1つ以上のネットワーク接続、及び/又はリソグラフィ装置の様々な部分に対する1つ以上のインタフェースを備えてもよい。制御コンピュータとリソグラフィ装置との間に一対一の関係は必要ないことは認められよう。本発明の一実施形態では、1つのコンピュータが多数のリソグラフィ装置を制御することができる。本発明の一実施形態では、多数のネットワーク接続されたコンピュータを用いて1つのリソグラフィ装置を制御することができる。制御システムは、リソグラフィ装置が一部を形成するリソセル又はクラスタにおいて、1つ以上の関連付けられたプロセスデバイス及び基板ハンドリングデバイスを制御するように構成してもよい。制御システムは、リソセル又はクラスタの監督制御システム及び/又は製造工場(fab)の全体的な制御システムの下位に置かれるように構成することも可能である。
[0038] 図2は、放射源コレクタ装置SO、EUV照明システムEIL、及び投影システムPSを含むEUV装置4100を更に詳細に示す。放射源コレクタ装置SOは、この放射源コレクタ装置SOの閉鎖構造4220内に真空環境を維持できるように構築及び配置されている。放電生成プラズマ源によって、EUV放射を発するプラズマ4210を形成することができる。EUV放射を生成するには、例えばXeガス、Li蒸気、又はSn蒸気のようなガス又は蒸気によって、プラズマ4210を生成させ、電磁スペクトルのEUV範囲内の放射を放出させればよい。プラズマ4210は、例えば放電によって少なくとも部分的に電離したプラズマを生じることにより生成される。効率的な放射発生のため、例えば分圧が10PaのXe、Li、Snの蒸気、又は他のいずれかの適切なガスもしくは蒸気が必要となり得る。一実施形態では、励起したスズ(Sn)のプラズマを供給してEUV放射を生成する。
[0039] プラズマ4210が発した放射は、放射源チャンバ4211からコレクタチャンバ4212内へ、放射源チャンバ4211の開口内又は開口の後ろに位置決めされた任意選択のガスバリア及び/又は汚染トラップ4230(場合によっては汚染バリア又はホイルトラップとも称される)を介して送出される。汚染トラップ4230はチャネル構造を含むことができる。また、汚染トラップ4230は、ガスバリア又はガスバリアとチャネル構造との組み合わせを含むことができる。本明細書で更に示す汚染トラップ又は汚染バリア4230は、少なくとも、当技術分野において既知のチャネル構造を含む。
[0040] コレクタチャンバ4212は、いわゆるかすめ入射コレクタとすることができる放射コレクタCOを含み得る。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側4251及び下流放射コレクタ側4252を有する。コレクタCOを横断した放射は、格子スペクトルフィルタ4240で反射して、仮想放射源点IFに合焦させることができる。仮想放射源点IFは一般に中間焦点と称される。放射源コレクタ装置は、中間焦点IFが閉鎖構造4220の開口4221に又はその近傍に位置するように構成されている。仮想放射源点IFは、放射を発するプラズマ4210の像である。
[0041] この後、放射は照明システムEILを横断する。照明システムEILは、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム421の所望の角度分布を与えると共にパターニングデバイスMAにおいて所望の放射強度均一性を与えるように配置されたファセットフィールドミラーデバイス422及びファセット瞳ミラーデバイス424を含むことができる。支持構造MTによって保持されたパターニングデバイスMAで放射ビーム421が反射されると、パターンが付与されたビーム426が形成され、このパターン付与されたビーム426は、投影システムPSにより、反射要素428、430を介して、基板ステージ又は基板テーブルWTにより保持された基板W上に結像される。
[0042] 一般に、照明光学ユニットIL及び投影システムPSには、図示するよりも多くの要素が存在し得る。格子スペクトルフィルタ4240は、リソグラフィ装置のタイプに応じて任意に存在し得る。更に、図示するよりも多くのミラーが存在する場合があり、例えば投影システムPSには、図2に示すものに比べて1つから6つの追加の反射要素が存在することがある。
[0043] 図2に示すようなコレクタ光学部品COは、コレクタ(又はコレクタミラー)の単なる一例として、かすめ入射リフレクタ4253、4254、及び4255を有する入れ子状のコレクタとして示されている。かすめ入射リフレクタ4253、4254及び4255は、光軸Oを中心として軸方向に対称配置され、このタイプのコレクタ光学部品COは、DPP放射源と呼ばれることが多い放電生成プラズマ源と組み合わせて好適に用いられる。
[0044] 従来技術では、リソグラフィ装置内のリフレクタの位置を制御するためにアクチュエータデバイスが用いられる。各アクチュエータデバイスを用いて、リフレクタが所望の方向に動くようにリフレクタに制御力を加える。各アクチュエータは、リフレクタを1自由度で制御するように構成されている。アクチュエータデバイスを用いて、フィールドミラーデバイス422、ファセット瞳ミラーデバイス424、反射要素428及び430、パターニングデバイスMA、コレクタ内のリフレクタ、例えばかすめ入射リフレクタ4253、4254及び4255、及び/又はリソグラフィ装置内の他のいずれかのミラー及び/又はリフレクタ(図示していないものも含む)のいずれかを制御することができる。本明細書において「ミラー」という言葉を用いた場合、より一般的な用語である「リフレクタ」と同義と見なすことができる。
[0045] 位置コントローラを用いて、例えばリフレクタ等の物体に対して各アクチュエータが加えるべき所望の力を計算する。従来技術では、制御対象のリフレクタの自由度ごとに1つのアクチュエータデバイスを用いてリフレクタの位置を制御する。すなわち、制御されるリフレクタの自由度とアクチュエータデバイスの数との間には一対一の関係がある。この関係によってリフレクタの位置を充分に制御することができる。従来技術では、自由度と同じ数のアクチュエータデバイスを用いて、リフレクタに応力が加わることを回避する。
[0046] 本出願全体を通して、一例としてリフレクタを使用している。これは、リフレクタ位置の精度が、本発明のアクチュエータデバイスにより要求される精度レベルと、リソグラフィ装置のような装置内でコンポーネントを精密に制御する利点を、効果的に例証するからである。本出願で後述するように、リフレクタを別の物体又はコンポーネントと交換することも可能である。
[0047] 各アクチュエータデバイスが加える実際の力と各アクチュエータデバイスが加えるべき所望の力との差が、反射ビームの方向に誤差を誘発する可能性がある。力の所望の方向とは異なる方向を有する力の成分を、寄生力と称することができる。従来技術のアクチュエータは、アクチュエータが加える力を調整することによって、寄生力の回避を試みるように制御される。
[0048] 多くの場合、アクチュエータデバイスが加える力は完全に正確に意図した方向に加えられるわけではなく、この結果として寄生力が生じる。「寄生力」という用語は、不要な力及び不要なトルクを示すために用いる。加えられる力の不一致の原因は、取り付け公差、磁石のばらつき、及びリフレクタの位置であり得る。これらの不一致の結果として、寄生力がリフレクタに作用する。寄生力は、意図した方向でない力(及び/又はトルク)であり、このため寄生力は意図した方向に直交する。
[0049] 更に、アクチュエータの振動モード(以下で更に詳しく説明する)による動的な効果があり、これはリフレクタ位置を制御する制御ループに影響を及ぼす。アクチュエータの動的挙動は、制御ループの帯域幅を制限する。従って、コントローラによって様々な周波数の振動を検出し、様々な方法で制御ループにおいて考慮する。
[0050] 従来技術では、加えられる力の不一致による誤差を低減するため、機械的公差を小さく保つこと、各アクチュエータの自由度の数を制限すること(例えば1つのアクチュエータを用いてリフレクタに一方向のみの並進力を加える)、例えば非作動方向におけるアクチュエータとリフレクタとの間の接続の剛性を制限することが行われてきた。
[0051] 位置コントローラは、リフレクタに加える力を変更して上述のファクタのいくつかを考慮するようにアクチュエータを適合することができる。位置コントローラは、あるアクチュエータデバイスによって加えられる寄生力を低減又は無効にするために他のアクチュエータデバイスで望ましい力を決定することができる。従って、リフレクタの他のポイントにアクチュエータデバイスが加える力を用いて、別のアクチュエータデバイスにおける寄生力を補償することができる。このように、リフレクタに加えられる力を分解することで、リフレクタに作用する正味の寄生力の低減を可能とする。理想的には、リフレクタに作用する正味の寄生力をゼロとして、リフレクタが所望の方向以外の方向に動かないようにする。
[0052] しかしながら、従来技術では、リフレクタ全体にわたってアクチュエータが加える力は様々であり、これらの力はリフレクタ内を伝達するので、問題が生じる。リフレクタ内を伝達するこれらの力によって、リフレクタに変形が生じる。例えばリフレクタの形状の変形のようなリフレクタの変形は、誤差を誘発する可能性がある。リフレクタの位置の誤差、リフレクタの変形、及び/又は反射放射ビームの誤差によって、オーバーレイエラー、焦点の問題、及び/又はフェージングの問題が起こり得る。特にオーバーレイエラーは、生成される基板の品質に大きな影響を及ぼす恐れがある。
[0053] 図3Aに、従来技術における例示的な位置決めシステムの単純なモデルを示す。これは、リフレクタ15に力Fnを加えるアクチュエータデバイス100を示している。この図は、1つのアクチュエータデバイス100(M=1)が、リフレクタ15を1自由度(N=1)で位置決めするように制御されることを示す。この例における所望の力はz方向のみである。位置コントローラを用いてアクチュエータデバイス100が加える力を制御することで、所望の力に対する加えられる力の差、すなわち誤差を低減する。多数のアクチュエータデバイスを用いる場合、コントローラは、他のアクチュエータデバイスが加える力を考慮に入れることができる。
[0054] 図を見てわかるように、アクチュエータデバイス100が加える実際の力Fnは、x方向の力成分Fpn及びz方向の力成分Fを有する。x方向の力成分Fpnは寄生力すなわち不要な力であり、リフレクタ15の位置に誤差を誘発する可能性がある。
[0055] 本発明は、上述した従来技術の問題に対処する。これらの問題に対処する本発明の実施形態について、図面を参照して以下で詳細に説明する。
[0056] 本発明では、リフレクタと、このリフレクタの位置をN自由度(Nは正の整数である)で位置決めするように構成された位置決めシステムと、を備えたリソグラフィ装置を提供する。位置決めシステムは、M個のアクチュエータデバイス(Mは正の整数である)を備え、それぞれのアクチュエータデバイスがリフレクタに力を加えるように構成されている。
[0057] コントローラは、アクチュエータデバイスを制御するように構成されている。具体的には、コントローラは、補償アクチュエータデバイス及び非補償アクチュエータデバイスを制御する。コントローラは、非補償アクチュエータデバイスの寄生力を補償するように補償アクチュエータデバイスを制御する。
[0058] 図3Bに本発明の第1の実施形態を示す。図3Bに示すように、位置決めシステムは、リフレクタ15を1自由度(N=1)で、すなわちx方向で位置決めするように構成されている。この実施形態では、2つのアクチュエータデバイス(M=2)が設けられている。この実施形態では、アクチュエータデバイスの一方が補償アクチュエータデバイス200であり、他方のアクチュエータデバイスが非補償アクチュエータデバイス300である。非補償アクチュエータデバイス300は、図3Aに示すアクチュエータデバイス100と同一であるか、及び/又はこれと同一の力を加えることができる。非補償アクチュエータデバイス300は、リフレクタ15に力Fnを加える。力Fnは、x方向の成分Fpn及び所望の力の方向であるz方向の成分を有する。
[0059] この実施形態では、Nは自由度の数である。本実施形態では、全ての自由度を制御するためにN個の非補償アクチュエータデバイスを設けると共に、(M−N)個の補償アクチュエータデバイスを設ける。
[0060] 本実施形態では、図3Bに示すように、非補償アクチュエータデバイス300(これは図3Aに示すアクチュエータデバイス100と同等である)に加えて、補償アクチュエータデバイス200が含まれる。補償アクチュエータデバイス200はリフレクタ15に補償力Fcを加える。力Fcは、x方向の成分Frc及びz方向の成分を有する。本発明では、制御される自由度よりも多くのアクチュエータデバイスを用いる。すなわち、MはNよりも大きい。制御される自由度よりも多くのアクチュエータデバイスを用いることを、「過作動(overactuation)」と称することができる。
[0061] 図3Cは、非補償アクチュエータデバイス300が加える力Fn及び補償アクチュエータデバイス200が加える力Fcを表す示力図である。コントローラ50は、補償アクチュエータデバイス200が非補償アクチュエータデバイス300の寄生力(図3A及び図3BのFpn)を補償するように、補償アクチュエータデバイス200及び非補償アクチュエータデバイス300を制御するように構成されている。図3Cの示力図は、寄生力(すなわち不要な方向、この場合はx方向の力)を低減するために、アクチュエータデバイスによって加える力をどのように制御するかを示す。
[0062] 図3Cに示すように、x方向の2つの力の成分は、相互に方向が反対で大きさが同等であるように打ち消し合う。従って、これらの力の和はゼロである。補償アクチュエータデバイス及び非補償アクチュエータデバイスが加える力は、z方向の合力Fを有することができる。補償アクチュエータデバイス200及び非補償アクチュエータデバイス300は、(実施形態のこの例ではx方向の)寄生力を低減又は回避するように制御することができる。
[0063] 本実施形態では、補償アクチュエータデバイス200及び非補償アクチュエータデバイス300は、リフレクタ15の同一ポイントに力を加えるように構成されている。異なるデバイスから同一ポイントに力を加えることは、それらの力が接触点でアクチュエータデバイスとリフレクタ15との間で分解できることを意味する。従ってこれらの力は、リフレクタ内を伝達されるのではなく、接触点で分解される。図3Bでは、これらの力をいっそう明らかに示すため、リフレクタ15上の接触点の直上にこれらの力を示す。
[0064] 同一ポイントに力を加えるということは、多数のアクチュエータがリフレクタ上に極めて小さい接触ゾーンを有し、これによって各アクチュエータデバイスが(そのポイントで)、いずれかの隣接するアクチュエータ(複数のアクチュエータ)がリフレクタに加える力(複数の力)の近く、理想的にはできる限り近くのリフレクタ上のポイントに力を加えることを意味し得る。このように、隣接するアクチュエータデバイスからの多数の接触点を「同一ポイント」に適用することができる。これは、力が同一ポイントで分解され、従ってミラーを通過して他の異なるポイントに伝達されることはなく、リフレクタとの接触点に応じて局在化又は制御されるので、上述したものと同じ利点を有する。あるいは、同一ポイントに力を加えるということは、多数のアクチュエータがリフレクタ上の単一の接触点でリフレクタに接触するように構成され得ることを意味する。極めて近接した多数の接触点でなく単一の接触点に力を加えるには、同一ポイントにおける補償アクチュエータデバイス(複数の補償アクチュエータデバイス)及び非補償アクチュエータデバイス(複数の非補償アクチュエータデバイス)を、リフレクタに接触させる前に相互に接続させればよい。このように、補償アクチュエータデバイス(複数の補償アクチュエータデバイス)及び非補償アクチュエータデバイス(複数の非補償アクチュエータデバイス)からの力を相互に対して分解することができ、単一の接触点における単一方向の分解された力がリフレクタに加えられる。これは、リフレクタで分解される力が少なくなるので、リフレクタにおける応力が低減するという利点を有する。
[0065] アクチュエータデバイスは、補償アクチュエータデバイス200及び非補償アクチュエータデバイス300を制御するように構成されたコントローラ50によって制御される。コントローラ50は、非補償アクチュエータデバイス300の寄生力を補償するように補償アクチュエータデバイス200を制御するように構成されている。コントローラ50は、リフレクタ15上の接触点でリフレクタ15に直線力を加えるように、補償アクチュエータデバイス200及び/又は非補償アクチュエータデバイス300を制御することができる。コントローラ50は、リフレクタ15の接触点で回転力(すなわちトルク)を加えるように、補償アクチュエータデバイス200及び/又は非補償アクチュエータデバイス300を制御することができる。
[0066] コントローラ50は、少なくとも1つのセンサから提供される情報を用い得る。センサを用いて、リフレクタ15の動き及び/又は位置を測定することができる。リフレクタ15の動き及び/又は位置を示す情報をセンサからコントローラ50に送信することができる。コントローラ50はこの情報を、例えばフィードバック制御ループ等の伝達関数に用いて、リフレクタ15の所望の位置とリフレクタ15の実際の位置の(例えば最新の)情報との差を求めることができる。コントローラ50は、センサから受信した情報、及びいずれかの既存の又はモデルベースの記憶情報を用いることができる。
[0067] コントローラ50は、上述の情報を用いて、加える必要のある力を決定することができ、算出した所望の力に応じて、補償アクチュエータデバイス200及び非補償アクチュエータデバイス300を制御する。従ってコントローラ50は、リフレクタ15の位置の誤差を低減するように、アクチュエータデバイスが加える力を調整することができる。
[0068] 1つ以上のセンサを用いて、コントローラ50に必要な情報を提供することができる。同じタイプのセンサを用いて、1つのリフレクタ15に関する情報を測定することも可能である。あるいは、異なるタイプのセンサを用いてもよい。例えば、センサは干渉計、エンコーダ、容量センサ、渦電流センサ、又は速度センサの加速度計と組み合わせた位置センサとすることができる。好ましくは、センサは非接触式である。
[0069] 本発明のコントローラ50は、リソグラフィ装置の全体的な動作を制御する制御システムと同一とすることができる。あるいは、本発明のコントローラ50は、リソグラフィ装置の全体的な動作を制御する制御システムとは異なるものであってもよい。
[0070] コントローラ50は、アクチュエータデバイスにより加えられる力を適合して寄生力を低減できるように、アクチュエータデバイスを較正する。この較正は、例えば時間ドメイン又は周波数ドメイン較正を用いて、いくつかの方法で実行することができる。時間ドメイン較正は、一度に1つのアクチュエータデバイスをオフに切り換えることで実行可能である。この較正では、各アクチュエータデバイスが加える力を求めることができる。あるいは、リフレクタ15に力が加わるポイント間のクロストークを検出することによって、周波数ドメインにおいて力とリフレクタ15との間の関係を求めることができる。リフレクタ15を介して他のポイントに伝達する力のクロストークを低減すると、リフレクタ15上の寄生力が低減する。
[0071] 図4に、アクチュエータデバイスAの簡略化した図を示す。この実施形態では、各アクチュエータデバイスは、リフレクタ15に接続されたアクチュエータ25及び支持フレーム20を有する。アクチュエータ25とリフレクタ15との接続は、ばねを含み得る。アクチュエータ25と支持フレーム20との接続は、ばねを含み得る。これらの接続のいずれかは、直列及び/又は並列の2つ以上のばねを含むことがある。全ての接続は、(図5に示すように)少なくとも1つのばねを用いて行い得る。
[0072] アクチュエータデバイスAは、補償アクチュエータデバイスであれ非補償アクチュエータデバイスであれ、図3A及び図3Bのアクチュエータデバイス100、200、300を含む上述のアクチュエータデバイスのいずれかのために使用可能である。図4に示す図では、アクチュエータデバイスAのアクチュエータ25は、リフレクタ15に力Fを加える。リフレクタ15と支持フレーム20との全体的な接続は、剛性kを有する単純なばねとして表されている。図5を参照して、本実施形態のアクチュエータデバイスについて更に詳しく説明する。図5は、アクチュエータ25とリフレクタ15(リフレクタは図示していない)との間、及びアクチュエータ25と支持フレーム20との間の接続を含めて、アクチュエータデバイスAの詳細な例を示す。図5に示すアクチュエータデバイスAは、例えば100、200、又は300のような上述のアクチュエータデバイスのいずれか1つとすることができる。
[0073] 図5に示すように、アクチュエータデバイスAは、支持フレーム20に接続されたアクチュエータ25としてモデル化され、アクチュエータは、リフレクタ15に対する弱いばね接続及び支持フレーム20に対する弱いばね接続を有する。支持フレーム20に、2つの支持アーム30a及び30bが取り付けられている。アクチュエータは、2つの並列のばね32a及び32bを介して支持アーム30aに接続されている。アクチュエータは、2つの並列のばね34a及び34bを介して支持アーム30bに接続されている。アクチュエータは、直列の2つのばね36a及び36bを用いてリフレクタ15に接続されている。
[0074] ばね32a、32b、34a、34b、36a、36bの各々は、所定の剛性を有する。ばねの剛性は比較的低いので、支持フレーム20とアクチュエータ25との間、アクチュエータ25とリフレクタ15との間の接続は弱い。弱い接続を有することで、支持フレーム20上の振動がリフレクタ15に影響を与えず、支持フレーム20に対してリフレクタ15が変位しても大きい力が発生しないので有益である。これらのばねは、同一又は異なる剛性を有することができる。
[0075] リフレクタ15とアクチュエータとの間の接続の動的な関係は、ばね36a及び36bによって決定する。ばね36a及び36bのため、この接続では異なる振動モードがある。最低振動モードは、低周波数における曲げモードである。接続の剛性が低いので周波数は低く、これはリフレクタ15の位置を変える場合に寄生力を低減するため低く維持しなければならない。あるいは、この接続は緩衝器として機能する。このモードの周波数は、フィードバック制御ループの帯域幅要求を満足させるように調節することができる。高周波数では、様々なモードが発生し、結果としてコントローラ50の帯域幅が制限される。
[0076] ばね32a、32b、34a、34bは極めて高い剛性とすることも可能であり、この場合、アクチュエータ25から支持フレーム20に反応力が与えられる。ばね32a、32b、34a、34bが極めて高い剛性である場合、アクチュエータ25は、高い剛性の比較的大きい寄生効果を補償しなければならない。あるいは、ばね32a、32b、34a、34bが極めて弱い場合、それらは反応力の機械的フィルタとして作用する。一般的に、ばね32a、32b、34a、34bがコントローラの帯域幅と干渉する共振モードを持たない領域にあるように、それらの剛性を選択することが有益である。
[0077] 36a及び36bの最適な剛性を決定するために、様々な概念を適用可能である。従来技術で用いられるアクチュエータの例では、36a及び36bは、作動方向では「極めて」剛性であり、他の方向ではやや弱い。こうして、アクチュエータからリフレクタ15へ一方向に力が効率的に伝達される。この場合、極めて剛性とは、剛性が制御ループの全体の動的挙動を決定するほどではない充分な大きさであるが、寄生剛性が著しく増大するほどの大きさではないことを意味する。様々な方向でばねの剛性の最適な比が存在する。
本発明では、同一のアクチュエータを用い得るが、従来技術に比べ、ばねの剛性の選択において自由度が高い。これは、ばねの剛性が増すと寄生力が増大するものの、本発明ではこれらの寄生力を低減するために用いる補償アクチュエータデバイスを提供するからである。
[0078] アクチュエータデバイスの動的効果は、過作動によって低減することができる。従って、アクチュエータと支持フレーム20との間、及びアクチュエータとリフレクタ15との間の接続の動的効果も低減され得る。ばね接続によるアクチュエータの振動の効果を低減することで、リフレクタ15のコントローラ50の帯域幅を増大させることが可能となる。これによって、リフレクタ15の位置に対する制御が向上し、前述のようなオーバーレイエラーが軽減する。
[0079] 図5に示すアクチュエータ25は、コイルアセンブリ5及び磁気アセンブリ10を有するローレンツアクチュエータである。本発明に従って、ローレンツアクチュエータを別のタイプのアクチュエータで置き換えて用いることも可能である。具体的には、他のタイプの非接触アクチュエータ、例えばリラクタンスアクチュエータを使用可能である。あるいは、平面モータを用いて2つのアクチュエータを提供してもよい。
[0080] 本発明の利点は、制御ループに従って寄生力を低減するようにアクチュエータを制御するので、機械的公差の重要性が低くなることである。従って、リソグラフィ装置内の機械的誤差の影響は低減する。これは、リフレクタ15の所望の位置及びどのくらいの力を加えるかを決定する場合、アクチュエータにより加えられる力がこれらの誤差を考慮に入れるからである。更に、システム内の誤差の低減は、リソグラフィ装置の効率を向上させると共に、装置がいっそう高速で基板(すでに正しくパターン付与が行われている)を生成可能であることを意味する。本発明では結像品質が向上する。更に、本発明の位置決めシステムは装置内コンポーネントの最初の位置の誤差を計算に入れているので、位置決めシステムを用いる結果、アセンブリプロセスは、初期位置決め誤差の影響が軽減した、複雑さの低減したものとなり得る。
[0081] 本実施形態の変形には、リフレクタ15をより多い自由度数で制御する、すなわちNが1より大きい位置決めシステムが含まれる。従って、位置決めシステムにより制御される自由度の数が増えた場合、アクチュエータの数Mも増やして、常に自由度よりもアクチュエータの方が少なくとも1つ多くなければならない。本発明に従って、より多数のアクチュエータ及び自由度を用いてリフレクタ15を「過作動」させることができる。
[0082] 自由度が変更されてもされなくても、アクチュエータの数は変動し得る。しかしながら上述のように、アクチュエータの数Mは自由度の数Nよりも多くなければならない。
[0083] 第1の実施形態では、2つのアクチュエータデバイスがリフレクタ15の同一ポイントに力を加える。リフレクタ15に力を加えるポイントPの数は変えることができる。
[0084] 上述の実施形態又は説明した変形において、リフレクタ15に力を加えるために追加のアクチュエータを含めることができる。追加のアクチュエータは、第1の実施形態におけるように、リフレクタ15の同一ポイントに力を加えることができる。あるいは、追加のアクチュエータを用いて、リフレクタ15の異なるポイントに力を加えることも可能である。追加の非補償アクチュエータデバイス及び/又は追加の補償アクチュエータデバイスが異なるポイントに力を加える場合であっても、リフレクタ15の過作動(すなわちMがNより大きい)は、なお有益である。リフレクタ15内で力が伝達される距離は、リフレクタ15が過作動されない場合に比べて短縮可能である。リフレクタ15を過作動させることで、リフレクタ15内の力の経路を制御することができる。このように、所望の領域でリフレクタ15内の力を分解することができ、他の領域でリフレクタ15内の力の伝達を回避することができる。
[0085] 特定の数の自由度N、アクチュエータデバイスM、及びアクチュエータデバイスがリフレクタ15に力を加えるポイントPを有する第2の実施形態について説明する。
[0086] 第1の実施形態の部分と同一であるか又は対応する第2の実施形態の部分は同様の参照記号で識別する。ここでは、第1の実施形態と異なる第2の実施形態の態様についてのみ説明する。
[0087] 第2の実施形態は、リフレクタ15を6自由度(N=6)で制御する位置決めシステムを有する。9個のアクチュエータデバイス(M=9)を用いて、リフレクタ15の3つの別個のポイント(P=3)に力を加える。
[0088] 比較のため、図6Aに従来技術のリフレクタ15の上面図を示す。これは、リフレクタ15に力を加える3つのポイントを有する。これらのポイントをp1、p2、p3と示す。図6Aは、各ポイントに2つのアクチュエータ(図示せず)が加える力を示す。図6Aに示すリフレクタ15では、3つのポイント(P=3)、6の自由度(N=6)、及び6のアクチュエータデバイス(M=6)がある。すなわち、リフレクタ15を充分に制御するため、各自由度に1つのアクチュエータがある。自由度と同じ数のアクチュエータを用いる場合、コントローラ50は、リフレクタ15で寄生力を分解するためにアクチュエータが必要とする力を決定することができる。図6Aは、リフレクタ15上にアクチュエータの力を示す従来技術の一例を示し、F1、F2、F3は所望の力である。Fp1は寄生力、すなわちリフレクタ15に作用する不要の力を示す。
[0089] コントローラ50を用いて、第2及び第3のポイントでそれぞれアクチュエータが加えるFr2及びFr3によって力を変更し、正味の寄生力がゼロになるように、リフレクタ15上の正味の力を分解することができる。しかしながら、図6Aに示すこの例では、寄生力はリフレクタ15中で分解される。リフレクタ15が変形すると、放射ビームがリフレクタ15で反射される際に放射ビームの像及び放射ビームの角度に誤差が生じ得る。
[0090] 図6Aの所望の力を図6Bに示す。これは、F1、F2、F3を相互に直交した力として示す。これらは、位置決めシステムが制御している自由度の3つを示す。直交する力は、必ずしも直交配置されたアクチュエータに結合する必要はないことに留意すべきである。アクチュエータが加える力の座標変換のためにデカップリング行列を用いることができる。
[0091] 図7は、本発明の第2の実施形態に従って第1のポイントにおける力が示されたリフレクタの上面図を示す。この実施形態では、各ポイントに追加の補償アクチュエータデバイスがある。従って、例えばポイントp1では、2つの非補償アクチュエータデバイス(図示せず)がリフレクタ15に力を加え得る。アクチュエータは、理想的にはF1を加えるようにコントローラ50によって制御される。非補償アクチュエータデバイスが加える力の誤差又は不一致により、図7にFp1としてモデル化された寄生力が生じる。同一のポイントp1に補償アクチュエータデバイス(図示せず)を適用して、このポイントにおける寄生力Fp1を相殺することができる。
[0092] 非補償アクチュエータデバイスと同一のポイントで補償アクチュエータデバイスから力を加えることで、ポイントp1で所望の力F1のみがリフレクタ15に作用するようにこのポイントで力を分解することができる。ポイントp2及びp3も、各ポイントに2つの非補償アクチュエータ及び1つの補償アクチュエータを有し、これらのポイントでそれぞれ力を分解することができる。
[0093] 個々のポイントで力を分解することは、寄生力がリフレクタ15内で分解されないことを意味する。特定のポイントで(又はいくつかの特定のポイントで)力を分解することは、寄生力がリフレクタ15内を伝達されず、リフレクタ15の変形を低減可能であることを意味する。これにより、リフレクタ15の位置の誤差及びリフレクタ15の変形が低減する。
[0094] MがNよりも大きい限り、M及びNは、それぞれアクチュエータデバイス及び自由度の現実的な数であり得る。上述の実施形態に示したように、同一ポイントでMがNよりも大きいことには利点があり、これは、極めて近接したいくつかの接触点に隣接アクチュエータデバイスから力を加えることでアクチュエータデバイスが同一ポイントに力を加えるように構成されているか、あるいは同一ポイントにおけるアクチュエータデバイスを接続して単一の力を単一の接触点でリフレクタに加えるかには無関係である。上述の実施形態におけるように、1つのポイントでN=2でM=3であり、1つの補償アクチュエータデバイス200が2つの非補償アクチュエータデバイスと同一のポイントに力を加える場合、本出願で説明した利点が得られる。
[0095] これらの実施形態及び図は、明確さのために力を示している。これらは、リフレクタ15上の異なるポイントに異なるアクチュエータによって加えられる力の説明に役立つように、簡略化されている。例えば図3Bに示す力は、例えば1つの平面内の特定の方向のみであるが、力は全自由度のものであり得る。リフレクタ15上の重力による力は示力図又は図に含まれていない。本発明の原理は、より複雑なシステムにも適用可能である。更に、図面には、寄生力を完全に分解して正味の寄生力がゼロに低減された理想的な合力を示している。本発明の利点の1つは、力が完全に分解されない場合であっても寄生力を低減できることである。
[0096] リフレクタ15の位置に対する重力の効果は、リソグラフィ装置内でのリフレクタ15、位置決めシステム、及びコントローラ50の配置(すなわち向き)によって変わり得る。コントローラ50は、リフレクタ15の位置を検知することによって重力の効果を考慮に入れてもよい。特定の補償アクチュエータデバイスをコントローラ50によって選択的に制御して、リフレクタ15に作用する重力を無効にするようにリフレクタ15に力を加えることができる。
[0097] アクチュエータデバイスの説明に用いる用語は、明確さの目的のために使用している。しかしながら、「補償」及び「非補償」という言葉は、アクチュエータデバイスが制御される方法の識別に役立てるために使用している。すなわち、補償アクチュエータデバイスは、少なくとも1つの非補償アクチュエータデバイスが加える寄生力を低減するように力を加えるために用いられる。補償アクチュエータデバイス及び非補償アクチュエータデバイスを制御するコントローラ50は、リフレクタ15に特定の力を加えるようにこれらのデバイスを制御することができる。これらのデバイスは、全く同じタイプのデバイスとすることができ、同じサイズとすることができ、及び/又は交換可能とすることも可能である。この文脈において、「交換可能」が意味することは、補償アクチュエータデバイスは補償力を加えるように制御され得るとはいえ、コントローラは非補償力を加えるように補償アクチュエータデバイスを制御することも可能であり、その場合このデバイスが非補償アクチュエータと称されるということである。コントローラは、補償力を加えるように非補償アクチュエータデバイスを変更及び制御し得るので、これと同じことが非補償アクチュエータデバイスにも当てはまる。
[0098] 異なるタイプのアクチュエータを用いて1つのリフレクタ15を制御することが有益であり得る。例えば、リフレクタ15上の主要な力を実現するために大型のメインアクチュエータを用いると共に、例えばリフレクタ15上の寄生力を低減するために小さい力を加えるようにのみ構成された小型のアクチュエータを用いることが有益である場合がある。これは、アクチュエータが全て同じサイズである場合よりも必要な体積が小さいという点で有益であり得る。更に、これはシステムの動的挙動にとって有益となる場合がある。小型で軽量のアクチュエータを用いることは、リフレクタに接続される重量が軽くなることであり、これによって共振周波数が高くなるので、有利であり得る。あるいは、リフレクタ15に同様の大きさの力を加えるようにアクチュエータを制御することが有益であり得る。すなわち、補償アクチュエータデバイス200が非補償アクチュエータデバイス300と同様の大きさの力をリフレクタ15に加えるということである。このため、同一のタイプ及びサイズのアクチュエータによって力を加えることができる。これは、アクチュエータデバイスの調達、置換、及び/又は修理が容易になることを意味し得る。
[0099] 本発明は、リソグラフィ装置、レーザ、及び/又は放射源コレクタ内で用いるため、いずれかの光学要素、より具体的にはいずれかのリフレクタと組み合わせて使用可能である。
[00100] 本発明の図及び実施形態は、xyz座標系を用いて示されている。この座標系は明確さのために用いた。支持フレーム20、リフレクタ15、及び/又は位置決めシステムのアクチュエータデバイスの角度は変更可能である。望ましい場合は異なる座標系を用いてもよい。
[00101] 本発明では、アクチュエータデバイスという用語は、リフレクタの位置を1自由度で制御するためのデバイスを指すために用いた。1つのアクチュエータデバイス内で多くのアクチュエータを組み合わせてもよく、例えば2自由度を制御する平面モータアクチュエータが用いられる。従って、平面モータアクチュエータでは、これは本発明によれば2つのアクチュエータと見なされる。このため、本発明の目的のための同等のアクチュエータ数は、アクチュエータデバイスが制御する自由度の数と同じである。
[00102] 本発明に従って、上述の実施形態のいずれかで説明したような位置決めシステム及びコントローラ50を用いて、リフレクタ以外のリソグラフィ装置のコンポーネントの位置を制御することも可能である。上述の実施形態のいずれかに従って制御可能な他のコンポーネントの例は、限定ではないが、EUV又はDUV装置のコンポーネントであり、例えば測定システム内のもの、マスクテーブル、基板テーブル、レーザ内のもの、又は放射源コレクタ内のものを含む。アクチュエータを利用して、アクティブにコンポーネントを制動し、又は装置内の振動を制御、局在化、もしくは消散させることができる。
[00103] 上述の実施形態のいずれかの位置決めシステムを用いて、物体の振動を制動するように物体を制御することができる。位置決めシステムを用いて物体の動きを補償することによって、物体の振動及び/又は発振を低減させることができる。これは、前述の実施形態について説明したような利点を提供する。
[00104] 本発明に従って基板Wを製造する方法は、リフレクタを介して投影ビームを投影して基板Wにパターンを付与することを含む。リフレクタの位置は、位置決めシステム及びコントローラ50を用いて制御されて、パターン付与されたビームが基板Wに到達する際の誤差を低減する。基板を製造する方法は、上述したような実施形態又は変形のいずれかにおいてリソグラフィ装置を用いることができる。
[00105] 理解されるように、以上で説明したフィーチャはいずれも、任意の他の形態とともに使用することができ、本出願で扱われているのは、明示的に述べられた以上の組み合わせだけではない。
[00106] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、従って本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[00107] 以上、本発明の特定の実施形態を記載したが、少なくとも本明細書に記載の装置の動作方法の形態については、記載した以外の別の態様で本発明を実施してもよいことを理解されたい。例えば、少なくとも本明細書に記載の装置の動作方法の形態については、本発明の実施形態は、上記のような装置の動作方法を記載する機械読み取り式命令の1つ以上のシーケンスを含む1つ以上のコンピュータプログラム、又は、このようなコンピュータプログラムを内蔵するデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気、又は光ディスク)の形態をとることができる。更に機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実現することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ以上の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
[00108] 1つ以上のコンピュータプログラムがリソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内にある1つ以上のコンピュータプロセッサによって読み出される時に、本明細書に記載するあらゆるコントローラは各々、又は組み合わせて動作可能になる。コントローラは各々、又は組み合わせて、信号を受信、処理、送信するのに適した任意の構成を有する。1つ以上のプロセッサは、コントローラの少なくとも1つと通信するように構成されている。例えば、各コントローラは、上記方法のための機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプロセッサを含むことができる。コントローラは、そのようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はそのような媒体を収容するハードウェアを含むことができる。従って、コントローラは、1つ以上のコンピュータプログラムの機械読み取り式命令に従って動作することができる。
[00109] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。従って、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

Claims (15)

  1. 物体を位置決めする位置決めシステムであって、前記物体をN自由度で位置決めし、Nが正の整数であり、
    M個のアクチュエータデバイスであって、各アクチュエータデバイスが前記物体に力を加え、MがNよりも大きい正の整数であり、前記アクチュエータデバイスの少なくとも1つが補償アクチュエータデバイスであり、前記アクチュエータデバイスの他の少なくとも1つが非補償アクチュエータデバイスである、アクチュエータデバイスと、
    補償アクチュエータデバイス及び非補償アクチュエータデバイスを制御するコントローラであって、前記補償アクチュエータデバイスを制御して前記非補償アクチュエータデバイスの寄生力を補償する、コントローラと、を備え、
    前記補償アクチュエータデバイス及び前記非補償アクチュエータデバイスは、前記物体の同一ポイントに力を加える、位置決めシステム。
  2. 別の補償アクチュエータデバイス及び/又は別の非補償アクチュエータデバイスは、同一ポイントに力を加え、
    前記コントローラは、前記別の補償アクチュエータデバイス及び/又は前記別の非補償アクチュエータデバイスを制御する、請求項1に記載の位置決めシステム。
  3. 前記物体に力を加えるP個のポイントがあり、PがN以下の正の整数である、請求項1又は2に記載の位置決めシステム。
  4. 同一ポイントにおいてNが2でMが3であり、2つの非補償アクチュエータデバイス及び1つの補償アクチュエータデバイスが存在する、請求項3に記載の位置決めシステム。
  5. Pが3である、請求項3又は4に記載の位置決めシステム。
  6. 前記コントローラは、各ポイントに加えられる正味の力が前記ポイントの他のいずれかに加えられる正味の力に直交するように、前記少なくとも1つの補償アクチュエータデバイス及び前記少なくとも1つの非補償アクチュエータデバイスを制御する、請求項1から5のいずれか一項に記載の位置決めシステム。
  7. 前記M個のアクチュエータデバイスのいずれか1つが、ローレンツアクチュエータ又はリラクタンスアクチュエータのいずれかであるアクチュエータを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の位置決めシステム。
  8. 前記補償アクチュエータデバイス及び前記非補償アクチュエータデバイスは、平面モータであるアクチュエータを形成する、請求項1から7のいずれか一項に記載の位置決めシステム。
  9. 前記アクチュエータは、少なくとも1つのばねを用いて前記物体に接続されている、請求項7又は8に記載の位置決めシステム。
  10. 前記アクチュエータデバイスは、少なくとも1つのばねを用いて支持フレームに接続されている、請求項8又は9に記載の位置決めシステム。
  11. 少なくとも1つのアクチュエータデバイスが加える前記力は、直線力又は回転力である、請求項1から10のいずれか一項に記載の位置決めシステム。
  12. 前記物体は、光学要素である、請求項1から11のいずれか一項に記載の位置決めシステム。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の位置決めシステムを備えるリソグラフィ装置であって、
    前記リソグラフィ装置は、更に前記物体を備える、リソグラフィ装置。

  14. 請求項1から12のいずれか一項に記載の位置決めシステムを用いて物体の振動を補償するための方法。
  15. 光学要素を介して基板テーブル上に位置決めされた基板上に投影放射ビームを投影することを含むデバイス製造方法であって、
    位置決めシステムが前記光学要素をN自由度で位置決めし、Nが正の整数であり、前記位置決めシステムがM個のアクチュエータデバイスを備え、各アクチュエータデバイスが前記光学要素に力を加え、MがNよりも大きい正の整数であり、前記アクチュエータデバイスの少なくとも1つが補償アクチュエータデバイスであり、前記アクチュエータデバイスの他の少なくとも1つが非補償アクチュエータデバイスであり、コントローラが補償アクチュエータデバイス及び非補償アクチュエータデバイスを制御し、前記コントローラが前記補償アクチュエータデバイスを制御して前記非補償アクチュエータデバイスの寄生力を補償し、前記補償アクチュエータデバイス及び前記非補償アクチュエータデバイスが前記光学要素の同一ポイントに力を加える、デバイス製造方法。
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